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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105234
(43)【公開日】2022-07-13
(54)【発明の名称】折り畳み式多機能ハンガー
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/00 20060101AFI20220706BHJP
   A47G 25/40 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
D06F57/00 340
A47G25/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219956
(22)【出願日】2020-12-31
(71)【出願人】
【識別番号】320015544
【氏名又は名称】臼木 翔吾
(74)【代理人】
【識別番号】100156498
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 智之
(72)【発明者】
【氏名】臼木 翔吾
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099BA12
3K099BA14
(57)【要約】
【課題】不使用時には凹凸が少ないスリムな形状であり、使用時には衣類用ハンガー機能に加えて、多様な洗濯物を干す機能を有する折り畳み式多機能ハンガーを提供する。
【解決手段】フック3を備えたメインフレーム2と、メインフレーム2の長手方向一側面に配置されたL字型支持部4を具備し、L字型支持部4は所望の角度回転可能に接続された肩部5を備え、L字型支持部4はその矩形短辺の略端部に回転軸を有してメインフレーム2に回転可能に接続されており、メインフレーム2からフック3を立姿させ、L字型支持部4をメインフレーム2に対し所望の角度回転させ、かつ肩部5をL字型支持部4の矩形長辺に対し所望の角度回転させることで、L字型支持部4の矩形長辺がシート類掛けとして機能し、肩部5が衣類用ハンガーとして機能する。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フックをその内部に収納可能に備えた略棒状のメインフレームと、前記メインフレームの少なくとも長手方向一側面に収納可能に配置されたL字型支持部を具備し、前記L字型支持部は所望の角度回転可能に接続された左肩部および右肩部からなる肩部を備え、前記L字型支持部はその矩形短辺の略端部に回転軸を有して前記メインフレームに回転可能に接続されており、前記メインフレームに前記フックおよび前記L字型支持部が収納された不使用時の状態から、使用時には前記メインフレームから前記フックを立姿させ、前記L字型支持部を前記メインフレームに対し所望の角度回転させ、かつ前記肩部を前記L字型支持部の矩形長辺に対し所望の角度回転させることで、前記L字型支持部の矩形長辺がフェイスタオルなどのシート類掛けとして機能し、前記肩部が衣類用ハンガーとして機能することを特徴とする折り畳み式多機能ハンガー。
【請求項2】
前記メインフレームの長手方向両側面に収納された一対の前記L字型支持部を具備したことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式多機能ハンガー。
【請求項3】
前記L字型支持部の矩形長辺に延伸部を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の折り畳み式多機能ハンガー。
【請求項4】
前記メインフレームの少なくとも長手方向一側面は前記メインフレームの長手方向に摺動可能な板状部で構成され、前記板状部の一側面には所望の釣り具が備えられ、不使用時には前記釣り具が露出しないように前記板状部は前記メインフレームに収納されており、使用時には前記メインフレームから長手方向に前記板状部を引き出して分離させ、その表裏を逆転させた後、前記メインフレームに差し込み収納させて前記釣り具を露出させることで、前記釣り具が衣類などの干し具として機能することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の折り畳み式多機能ハンガー。
【請求項5】
前記メインフレームの長手方向両側面は前記メインフレームの長手方向に摺動可能な一対の前記板状部で構成されたことを特徴とする請求項4に記載の折り畳み式多機能ハンガー。
【請求項6】
前記板状部の一方の側面に備えられた所望の釣り具と、前記板状部の他方の側面に備えられた所望の釣り具は、一対の前記板状部が前記メインフレームに収納されている不使用時の状態において、互いに対抗しない位置に備えられたことを特徴とする請求項5に記載の折り畳み式多機能ハンガー。
【請求項7】
不使用時には略四角柱の形状となることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の折り畳み式多機能ハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類用ハンガーに関し、特に折り畳み式ハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の折り畳み式ハンガーとしては、折り畳み時、すなわち不使用時の小型化(コンパクト化)に着目したもの、あるいは不使用時から使用時への状態変化、および使用時から不使用時への状態変化の容易化に着目したものがあった(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-179111
【0004】
【特許文献2】特表2020-517314
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2に係る折り畳み式ハンガーは折り畳み時(不使用時)の体積を小さくすること、すなわち小型化(コンパクト化)に着目しているが、折り畳み時(不使用時)のフォルムの美しさ、すなわちデザイン性に乏しく、また折り畳み時(不使用時)の表面に露出する凹凸が散見されることから、例えば折り畳んで鞄などに収納して持ち運ぶ際には凹凸が鞄本体や鞄の中の他の収納品に引っ掛かるという問題があった。また使用時は衣類用ハンガーとしての機能しか有さず、多様な洗濯物を干したいという消費者の要望には応えられていなかった。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、折り畳み時(不使用時)、表面に露出する凹凸が極めて少ないスリム、コンパクトな形状を実現し、かつ美しいフォルム(高いデザイン性)を実現し、使用時には、衣類用ハンガーとしての機能にとどまらず、フェイスタオルなどのシート類掛けとしての機能を有することで、洋服やティーシャツ、フェイスタオル、バスタオルなどを干すことができ、さらに釣り具としての機能を有することで、ズボン、スカート、マスク、靴下、下着など、多様な洗濯物を干すことができる折り畳み式多機能ハンガーを得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る折り畳み式多機能ハンガーは、フックをその内部に収納可能に備えた略棒状のメインフレームと、メインフレームの少なくとも長手方向一側面に収納可能に配置されたL字型支持部を具備し、L字型支持部は所望の角度回転可能に接続された左肩部および右肩部からなる肩部を備え、L字型支持部はその矩形短辺の略端部に回転軸を有してメインフレームに回転可能に接続されており、メインフレームにフックおよびL字型支持部が収納された不使用時の状態から、使用時にはメインフレームからフックを立姿させ、L字型支持部をメインフレームに対し所望の角度回転させ、かつ肩部をL字型支持部の矩形長辺に対し所望の角度回転させることで、L字型支持部の矩形長辺がフェイスタオルなどのシート類掛けとして機能し、肩部が衣類用ハンガーとして機能するものである。
【0008】
請求項2に係る折り畳み式多機能ハンガーは、請求項1に係る折り畳み式多機能ハンガーにおいて、メインフレームの長手方向両側面に収納された一対のL字型支持部を具備したものである。
【0009】
請求項3に係る折り畳み式多機能ハンガーは、請求項1又は請求項2に係る折り畳み式多機能ハンガーにおいて、L字型支持部の矩形長辺に延伸部を具備したものである。
【0010】
請求項4に係る折り畳み式多機能ハンガーは、請求項1から請求項3の何れかに係る折り畳み式多機能ハンガーにおいて、メインフレームの少なくとも長手方向一側面はメインフレームの長手方向に摺動可能な板状部で構成され、板状部の一側面には所望の釣り具が備えられ、不使用時には釣り具が露出しないように板状部はメインフレームに収納されており、使用時にはメインフレームから長手方向に板状部を引き出して分離させ、その表裏を逆転させた後、メインフレームに差し込み収納させて釣り具を露出させることで、釣り具が衣類などの干し具として機能するものである。
【0011】
請求項5に係る折り畳み式多機能ハンガーは、請求項4に係る折り畳み式多機能ハンガーにおいて、メインフレームの長手方向両側面はメインフレームの長手方向に摺動可能な一対の板状部で構成されたものである。
【0012】
請求項6に係る折り畳み式多機能ハンガーは、請求項5に係る折り畳み式多機能ハンガーにおいて、板状部の一方の側面に備えられた所望の釣り具と、板状部の他方の側面に備えられた所望の釣り具は、一対の板状部がメインフレームに収納されている不使用時の状態において、互いに対抗しない位置に備えられたものである。
【0013】
請求項7に係る折り畳み式多機能ハンガーは、請求項1から請求項6の何れかに係る折り畳み式多機能ハンガーにおいて、不使用時には略四角柱の形状となるものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る折り畳み式多機能ハンガーにおいては、メインフレームの少なくとも長手方向一側面にL字型支持部が収納されており、折り畳み時(不使用時)にはメインフレームの一側面の一部はL字型支持部で構成されるため、折り畳み式多機能ハンガーの表面に凹凸を露出させることがない。したがって、美しいフォルム(高いデザイン性)を提供することができ、かつ鞄に入れて持ち運ぶ際などには引っ掛りもないため、高い利便性を提供することができる。また使用時にはL字型支持部をメインフレームに対し所望の角度回転させ、かつ肩部をL字型支持部の矩形長辺に対し所望の角度回転させることで、肩部が衣類用ハンガーとして機能するだけでなく、L字型支持部の矩形長辺がフェイスタオルなどのシート類掛けとしても機能する。
【0015】
さらに請求項2に係る折り畳み式多機能ハンガーにおいては、メインフレームの長手方向両側面に一対のL字型支持部が収納されており、折り畳み時(不使用時)にはメインフレームの各一側面の一部は各L字型支持部で構成されるため、特に使用時における折り畳み式多機能ハンガーの重量バランスを確保でき、またより多くの洗濯物を干すことができる。
【0016】
さらに請求項3に係る折り畳み式多機能ハンガーにおいては、L字型支持部の矩形長辺を延伸させることができるため、バスタオルなど幅広のシート類を干すことができる。
【0017】
さらに請求項4に係る折り畳み式多機能ハンガーにおいては、折り畳み時(不使用時)には釣り具が折り畳み式多機能ハンガーの表面に露出しないように板状部を収納することで、メインフレームの一側面の一部を板状部で構成させつつ、折り畳み式多機能ハンガーの表面に凹凸を露出させることがない。そして、使用時には釣り具が折り畳み式多機能ハンガーの表面に露出するように板状部を収納することで、ズボン、スカート、マスク、靴下、下着など、多様な洗濯物を干すことができる。
【0018】
さらに請求項5に係る折り畳み式多機能ハンガーにおいては、メインフレームの各一側面の一部は各板状部で構成されるため、特に使用時における折り畳み式多機能ハンガーの重量バランスを確保でき、またより多くの洗濯物を干すことができる。
【0019】
さらに請求項6に係る折り畳み式多機能ハンガーにおいては、一対の板状部にそれぞれ備えられた釣り具が折り畳み時(不使用時)の状態において、互いに対抗しない位置に備えられているため、メインフレームの内空部を有効に活用することができ、したがって、折り畳み式多機能ハンガーの薄型化を実現することができる。また使用時には複数の吊された洗濯物が互いに干渉することを抑制できるため速乾性を高めることができる。
【0020】
さらに請求項7に係る折り畳み式多機能ハンガーにおいては、メインフレーム、L字型支持部、板状部などの構成部品が折り畳み時(不使用時)の折り畳み式多機能ハンガーの各面を構成することにより、略四角柱の形状となるように構成している。したがって、シンプルなフォルムに伴う高いデザイン性と持ち運び時の高い取り扱い性を実現している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】折り畳み式多機能ハンガーの折り畳み時の状態を示す斜視図である。
図2図1に示す略A方向から見た斜視図である。
図3図1に示す略B方向から見た斜視図である。
図4】折り畳み式多機能ハンガーを縦方向に分解した分解斜視図である。
図5】折り畳み式多機能ハンガーを横方向に分解した分解斜視図である。
図6】折り畳み式多機能ハンガーの第一の使用状態を示す斜視図である。
図7図6に示す略C方向から見た斜視図である。
図8】折り畳み式多機能ハンガーの第二の使用状態を示す斜視図である。
図9図8に示す略D方向から見た斜視図である。
図10】折り畳み式多機能ハンガーの第三の使用状態を示す斜視図である。
図11図10に示す略E方向から見た斜視図である。
図12】メインフレームの斜視図である。
図13図12に示す略F方向から見た斜視図である。
図14図12に示す略G方向から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて、本発明に係る折り畳み式多機能ハンガーの一実施形態について説明する。なお本実施形態は請求項1から請求項7に係る全ての折り畳み式多機能ハンガーを包含させたものであるが、各請求項の構成要件(発明特定事項)のみで構成された折り畳み式多機能ハンガーについても成立し、その場合には、それぞれの構成に応じた範囲の効果を実現できることは言うまでもない。
【0023】
図1は本実施形態に係る折り畳み式多機能ハンガーの折り畳み時(不使用時)の状態を斜め上方から見た斜視図であり、図2図1に示す略A方向から見た斜視図、図3図1に示す略B方向から見た斜視図である。図4は本実施形態に係る折り畳み式多機能ハンガーを縦方向に分解可能な構成部品のみを縦方向に分解した分解斜視図、図5は本実施形態に係る折り畳み式多機能ハンガーを横方向に分解可能な構成部品のみを横方向に分解した分解斜視図である。
【0024】
図6は折り畳み式多機能ハンガーの使用時の一状態、具体的には両側にフェイスタオルなどのシート類を掛けて干すことに適した第一の使用状態を斜め上方から見た斜視図であり、図7図6に示す略C方向から見た斜視図である。図8は折り畳み式多機能ハンガーの使用時の一状態、具体的には片側に洋服やティーシャツなどを掛けて干し、反対側にフェイスタオルなどのシート類を掛けて干すことに適した第二の使用状態を斜め上方から見た斜視図であり、図9図8に示す略D方向から見た斜視図である。図10は折り畳み式多機能ハンガーの使用時の一状態、具体的には片側にバスタオルなど幅広のシート類を掛けて干すことに適した第三の使用状態を斜め上方から見た斜視図であり、図11図10に示す略E方向から見た斜視図である。なお図10および図11に示す第三の使用状態では、L字型支持部4-L(後述)はメインフレーム2(後述)に収納されており、板状部7-L(後述)のみ釣り具8d~8e(後述)を露出させた状態となっている。
【0025】
図12は折り畳み式多機能ハンガーの骨格を成すメインフレーム単体の斜視図であり、図13図12に示す略F方向から見た斜視図、図14図12に示す略G方向から見た斜視図である。
【0026】
図において、1は折り畳み式多機能ハンガーである(以下「本体1」と称す)。2は略棒状のメインフレームであり、本体1の骨格を成すものである。3はメインフレーム2の天面の略中央に設けられた切欠き部2aに収納されているフックであり、メインフレーム2に対し軸支され、回転軸J1(例えば図4参照)周りに回転することにより立姿(例えば図6参照)する。
【0027】
4はメインフレーム2の長手方向一側面の収納部201(例えば図4図12図14参照)に収納されているL字型支持部であり、本実施形態では、メインフレーム2の長手方向両側面に収納されている一対のL字型支持部4-R、4-Lを備える。なお便宜上、図1の紙面上の手前側を本体1の右側と称し、該右側に位置あるいは対応する部品の符号には適宜「-R」を付与し、図1の紙面上の奥側を本体1の左側と称し、該左側に位置あるいは対応する部品の符号には適宜「-L」を付与する。
【0028】
L字型支持部4はメインフレーム2に対し軸支され、L字型支持部4の矩形短辺の略端部に設けられた回転軸J2(例えば図1図4参照)周りに所望の角度回転することにより使用状態(例えば図6参照)に移行する。なお本実施形態では、L字型支持部4はメインフレーム2に対し、収納された状態(折り畳み時、すなわち不使用時:例えば図1参照)および略90度回転した状態(使用時:例えば図6参照)で固定される係止手段(図示せず)を備えている。もっとも、回転する角度はこれに限られず適宜設計変更しても成立することは言うまでもない。また連続式あるいは不連続式に所望の角度で固定可能に設計しても成立することは言うまでもない。
【0029】
5は衣類用ハンガーの肩部であり、左肩部5aおよび右肩部5bからなる(例えば図1図3図8図9参照)。肩部5はL字型支持部4に対し軸支され、回転軸J3(例えば図1図8参照)周りに所望の角度回転することにより使用状態(例えば図8参照)に移行する。なお本実施形態では、肩部5はL字型支持部4に対し、収納された状態(不使用時:例えば図6参照)および略15度回転した状態(使用時:例えば図8参照)で固定される係止手段(図示せず)を備えている。もっとも、回転する角度はこれに限られず適宜設計変更しても成立することは言うまでもない。また連続式あるいは不連続式に所望の角度で固定可能に設計しても成立することは言うまでもない。
【0030】
6はL字型支持部4の矩形長辺の延伸部である。延伸部6はL字型支持部4に対し軸支され、回転軸J4(例えば図1図10参照)周りに略180度回転することにより使用状態(例えば図10参照)に移行する。なお本実施形態では、延伸部6はL字型支持部4に対し、収納された状態(不使用時:例えば図6参照)および略180度回転した状態(使用時:例えば図10参照)で固定される係止手段(図示せず)を備えている。
【0031】
本実施形態では、L字型支持部4の矩形長辺の長さはフェイスタオル(幅約30cm)を干すのに十分な長さとし、延伸部6により延伸させた場合の全体の長さはバスタオル(幅約60cm)を干すのに十分な長さとしている。これにより、折り畳み時(不使用時)の本体1の小型化を図りつつ、使用時にはバスタオルなど幅広のシート類をも干せる折り畳み式多機能ハンガーを実現している。
【0032】
なお本実施形態では、延伸部6はL字型支持部4に対し略180度回転する構成としたがこれに限られず、例えばスライドする構成も成立することは言うまでもない。この場合、スライド量を連続式あるいは不連続式に可変可能に設計すれば、洗濯物(シート類)の幅に臨機に対応でき、より望ましい。
【0033】
7はメインフレーム2の長手方向一側面(例えば図3に示す202)を構成する板状部であり、本実施形態では、メインフレーム2の長手方向両側面を構成し、メインフレーム2の内空部203(例えば図2図3図9図14参照)に収納されている一対の板状部7-R、7-Lを備える。
【0034】
板状部7はメインフレーム2の長手方向に摺動可能に構成されており、具体的には、メインフレーム2の溝部204(例えば図5図13図14参照)に板状部の爪部7a(例えば図5参照)が摺動可能に係合されている。
【0035】
板状部7には所望の釣り具8a~8eが設けられており、クリップやフックとして機能する。なお本実施形態では、板状部7-Rに設けられた釣り具8a~8c(本実施形態ではフック)と板状部7-Lに設けられた釣り具8d~8e(本実施形態ではクリップ)とが互いに対抗しないように位置している(例えば図2参照)。
【0036】
なお本実施形態における本体1は上述した構成要件(発明特定事項)により構成されているが、技術的思想の創作的特徴を説明するために必要最小限な図示にとどめ、周知慣用技術を用いて当業者が容易に設計できる細部については図示を省略している。
【0037】
次に本体1の機能(使用方法)について説明する。
【0038】
折り畳み時(不使用時)には、メインフレーム2にフック3およびL字型支持部2が収納され、かつ、板状部7は釣り具8が本体1の外面に露出しない向きに収納されている(例えば図1図3参照)。
【0039】
本実施形態では、折り畳み時(不使用時)の本体1は略四角柱の形状となっている。すなわち、主にメインフレーム2、L字型支持部4、板状部7の3部品にて略四角柱を形成している(例えば図1図3参照)。もっとも、折り畳み時時(不使用時)の本体1の形状は各構成要件(発明特定事項)の組み合わせから成るものであることから設計上の制約はあるものの、当業者が容易に創作し得る範囲において好みに応じた形状(例えば略円柱、略楕円柱、略バナナ型など)に設計しても良い。
【0040】
使用時には、メインフレーム2からフック3を立姿させ、L字型支持部4をメインフレーム2に対し略90度回転させることにより、フェイスタオルなどのシート類を干すのに適した本体1を得る。さらにメインフレーム2から長手方向に板状部7を引き出して分離させ、その表裏を逆転させた後、メインフレーム2に差し込み収納させて釣り具8を露出させることで、ズボン、スカート、マスク、靴下、下着などの洗濯物を干すのに適した本体1を得る(図6参照)。
【0041】
なお図6に示す第一の使用状態では、本体1の右側(図1参照)および左側(図1参照)それぞれを使用状態とし、またL字型支持部4、板状部7それぞれを使用状態としているが、これら状態は適宜使用者が決めれば良いことは言うまでもない。
【0042】
例えば図8に示す第二の使用状態では、図6に示す第一の使用状態と比して、本体1の左側(図1参照)は同じであるが、右側(図1参照)においては、さらにL字型支持部4の矩形長辺に対し左肩部5aおよび右肩部5bを略15度回転させて、洋服やティーシャツなどの衣類用ハンガーの肩部5を形成している。
【0043】
さらに例えば図10に示す第三の使用状態では、本体1の右側(図1参照)において、L字型支持部4の矩形長辺に対し延伸部6を略180度回転させて、バスタオルなど幅広のシート類を干すのに適した支持部を形成している。
【0044】
以上の通り、本実施形態における本体1では、折り畳み時(不使用時)には本体1の表面に凹凸を露出させることがなく、美しいフォルム(高いデザイン性)を提供することができ、かつ鞄に入れて持ち運ぶ際などには引っ掛りもないため、高い利便性を提供することができる。また使用時には使用者の好みに応じた展開(状態変更)を図ることにより、衣類用ハンガーとして機能するだけでなく、フェイスタオルなどのシート類掛けとしても機能する。
【0045】
さらに本体1の右側(図1参照)と左側(図1参照)に略対象に一対のL字型支持部4や板状部7を備えることにより、特に使用時における本体1の重量バランスを確保でき、またより多くの洗濯物を干すことができる。
【0046】
さらにL字型支持部4の矩形長辺を延伸部6により延伸させることにより、バスタオルなど幅広のシート類を干すことができる。
【0047】
さらに複数の釣り具8a~8eを備えることにより、ズボン、スカート、マスク、靴下、下着など、多様な洗濯物を干すことができる。
【0048】
さらに板状部7-Rに設けられた釣り具8a~8cと板状部7-Lに設けられた釣り具8d~8eとが互いに対抗しないように位置しているため、メインフレーム2の内空部203を有効に活用することができ、したがって、本体1の薄型化を実現することができる。また使用時には複数の吊された洗濯物が互いに干渉することを抑制できるため速乾性を高めることができる。もっとも、本体1の厚み方向(図1においてT方向)において、釣り具8a~8cと釣り具8d~8eを干渉しないように設計すれば、薄型化を若干犠牲にするものの、板状部7-Rおよび板状部7-Lをそれぞれ独立してメインフレーム2から引き出すことができ、利便性が高まる。
【0049】
さらに折り畳み時(不使用時)の本体1は、主にメインフレーム2、L字型支持部4、板状部7の3部品にて略四角柱に形成しているため、シンプルなフォルムに伴う高いデザイン性と持ち運び時の高い取り扱い性を実現している。
【符号の説明】
【0050】
1 折り畳み式多機能ハンガー(本体)
2 メインフレーム
3 フック
4 L字型支持部
5 肩部
5a 左肩部
5b 右肩部
6 延伸部
7 板状部
8 釣り具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14