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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105247
(43)【公開日】2022-07-13
(54)【発明の名称】まな板シ―トおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 47/00 20060101AFI20220706BHJP
【FI】
A47J47/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000004
(22)【出願日】2021-01-01
(71)【出願人】
【識別番号】301052227
【氏名又は名称】小林 芳人
(72)【発明者】
【氏名】小林 芳人
【テーマコード(参考)】
4B066
【Fターム(参考)】
4B066AB01
4B066CC22
(57)【要約】
【課題】
柔軟性薄板素材で形成された略矩形のまな板シートであって、該まな板シートを略U字形に湾曲させて、カット後の食材等を他の容器に移す際に、該まな板シートを略U字形の湾曲変形状態として片手で安定して把持できるまな板シートを提供する。
【解決手段】
柔軟性薄板素材で形成された略矩形のまな板シートであって、対向する2辺の一方側の端部あるいは他方側の端部に隣接する辺を上向きに湾曲変形させた状態で該対向する2辺の一方側の端部近傍同士あるいは他方側の端部近傍同士を互いに係止可能とする少なくとも一組の係止手段が対向する2辺の一方側の端部近傍あるいは及び他方側の端部近傍に切込み形成されているため、まな板シート1を略U字形の湾曲変形状態として片手で安定して把持できる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性薄板素材で形成された略矩形のまな板シートであって、対向する2辺の一方側の端部あるいは他方側の端部に隣接する辺を上向きに湾曲変形させた状態で該対向する2辺の一方側の端部近傍同士あるいは他方側の端部近傍同士を互いに係止可能とする少なくとも一組の係止手段が対向する2辺の一方側の端部近傍あるいは及び他方側の端部近傍に切込み形成されていることを特徴とするまな板シート。
【請求項2】
該係止手段は該対向する2辺の一方側の端部近傍同士あるいは他方側の端部近傍同士を互いに直接的に係止可能とする直接係止手段と該対向する2辺の一方側の端部近傍同士あるいは他方側の端部近傍同士を紐状係止手段を介して互いに近接離間させて係止可能とする近接離間係止手段の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載のまな板シート。
【請求項3】
該まな板シートは該まな板シートの対向する2辺の中間に位置する中心線を対称軸とする略線対称位置に該対向する2辺から該中心線に向かう線状切り込みが少なくとも1対設けられており、該線状切り込みは該係止手段よりも該対向する各辺の中央側に形成され、該線状切り込みの先端部と該中心線との間の距離L1n、L2nは当該領域における該対向する2辺の間の距離L12の15~45%であることを特徴とする請求項1ないし2に記載のまな板シート。
【請求項4】
該直接係止手段及び該近接離間係止手段は略V字型係止手段とキノコ型係止手段の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1ないし3に記載のまな板シート。
【請求項5】
該線状切り込みの先端部、略V字型係止手段の先端部、該キノコ型係止手段の隅部の少なくとも一つに応力集中を緩和するためのアールあるいは先端部を拡大した先端拡大部分にアールを設けたことを特徴とする請求項3ないし4に記載のまな板シート。
【請求項6】
請求項1ないし5に記載のまな板シート上で食材等をカットするなどの調理作業後、該まな板シート上に調理作業済みの食材等を載置した状態で該まな板シートの該対向する2辺の一方側の端部あるいは他方側の端部に隣接する辺を上向きに湾曲変形させた後、更に該係止手段により該対向する2辺の一方側の端部近傍同士あるいは他方側の端部近傍同士を互いに係止させ、該まな板シートの該対向する2辺の一方側の端部近傍あるいは他方側の端部近傍を漏斗類似形態へと安定的に変形させた状態とし、該まな板シートを手で持ち上げて該まな板シート上の調理作業済みの食材等を該まな板シートの漏斗類似形態部分の内側を通過させることにより他の容器にこぼさないように入れ込むことを特徴とするまな板シートの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材等をカットするためのまな板シートに関する。
【背景技術】
【0002】
食材等をカットするためのまな板であって、柔軟性薄板素材で形成された略矩形のまな板シートが提案されている(特許文献1、2)。これらのまな板シート上で調理作業者は食材等をカット後に該まな板シートの二つの長辺を手指で挟んで力を加えることにより、該まな板シートを略U字形に湾曲させる。この湾曲状態で鍋などの他の容器の上方位置に該まな板シートを移動させ、その位置で該まな板シートを斜めに傾けることにより(特許文献2)、カットされた食材等をこぼさないでしかも迅速に該他の容器に入れ込むことが出来る。市販されている多くの柔軟性薄板素材で形成された略矩形のまな板シートは短辺が21cm以上である。そのため、該まな板シートを略U字形に湾曲させようとするときに、親指と中指を最大限に拡げても対向する二つの長辺を同時に掴んで略U字形に湾曲させることは困難である。従って該まな板シートの対向する二つの長辺を同時に掴んで略U字形に湾曲させるためには両手を使う必要がある(図10)。その場合、略U字形に湾曲させた該まな板シートの上面にあるカットした食材を鍋等の他の容器に入れるためには、該他の容器の上方位置において該まな板シートを傾けて、カットした食材が該まな板シートの上面を滑り落ちるか転がり落ちるようにしてカットした食材を鍋等の他の容器に入れるようにする。その際に、該食材等が水分を多く含む場合など、該まな板シートの上面に該食材等が粘着し、該まな板シートを傾けてもカットした食材等の一部が該まな板シートの上面に粘着したままで、滑り落ちることも転がり落ちることもしないという事象が起り得る。そうした状況において、近くに協力者がいない場合、該調理作業者は該他の容器の上方位置において該まな板シートを傾けた状態で上下に揺すって該まな板シートに粘着している食材等を該まな板シートから引き剥がして他の容器に入れるようにしようとする動作をする。この該まな板シートの揺すり動作は付加的で煩雑であり、また、その揺すり動作が過剰であると、該まな板シートに粘着していた食材等を本来の目的の該他の容器に入れ込めず、該他の容器の外部に散乱させてしまうという不都合な事象が起り得る。特に、該他の容器の入口開口が狭い場合には、該不都合な事象が起り易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-013294
【特許文献2】特開2003-210341
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、柔軟性薄板素材で形成された略矩形のまな板シートにおいて、該まな板シート上で食材等をカット後に、食材等が載置された該まな板シートの少なくとも一部を略U字形の湾曲状態として一方の手だけで安定して保持できると共に該まな板シートの少なくとも一部を漏斗類似形態としてまな板シート上のカットされた状態の食材等を他の容器にこぼさないように入れ込むことを可能とするまな板シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る本発明は、柔軟性薄板素材で形成された略矩形のまな板シートであって、対向する2辺の一方側の端部あるいは他方側の端部に隣接する辺を上向きに湾曲変形させた状態で該対向する2辺の一方側の端部近傍同士あるいは他方側の端部近傍同士を互いに係止可能とする少なくとも一組の係止手段が対向する2辺の一方側の端部近傍あるいは及び他方側の端部近傍に切込み形成されていることを特徴とするまな板シートである。
該係止手段は略矩形のまな板シートの対向する2辺の一方側の端部近傍あるいは及び他方側の端部近傍に設けられている。該係止手段により対向する2辺の一方側の端部あるいは他方側の端部に隣接する辺を上向きに湾曲変形させた状態で該対向する2辺の一方側の端部近傍同士あるいは他方側の端部近傍同士を互いに係止させたとき、該まな板シートの湾曲状態は係止された側で狭く、対向する側で広くなる。この湾曲状態の該まな板シートの上方視野図を想定すると、係止された側に向けて先細り湾曲形状となる。この先細り湾曲形状は該まな板シート上に載置されたカット済の食材等をより狭い開口の他の容器に入れることを容易にする。
また該係止手段により該まな板シートは湾曲状態を安定に保持することが出来るため、該まな板シート上で食材等をカット後に、食材等が載置された該まな板シートを片手で安定して把持できるため、カットされた食材等をこぼさないで確実にしかも迅速に鍋などの他の容器に入れ込むことが出来る。
該係止手段が略矩形のまな板シートに該切込み形成されるため、製作容易であり、また、既存のまな板シートに後加工で係止手段を設けることが出来る。
【0006】
請求項2に係る本発明は、該係止手段は該対向する2辺の一方側の端部近傍同士あるいは他方側の端部近傍同士を互いに直接的に係止可能とする直接係止手段と該対向する2辺の一方側の端部近傍同士あるいは他方側の端部近傍同士を紐状係止手段を介して互いに近接離間させて係止可能とする近接離間係止手段の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載のまな板シートである。
本発明の直接係止手段を有するまな板シートでは、対向する2辺の一方側の端部あるいは他方側の端部に隣接する辺を上向きに湾曲変形させた状態で、他に付加的な物品を要せずまな板シート単体で該対向する2辺の一方側の端部近傍同士あるいは他方側の端部近傍同士を互いに係止可能である。位置が異なる複数組の該直接係止手段を設けることでまな板シートの湾曲変形の度合いを段階的に調節することが出来る。
本発明の近接離間係止手段を有するまな板シートでは、対向する2辺の一方側の端部あるいは他方側の端部に隣接する辺を上向きに湾曲変形させた状態で、紐状係止手段を介して互いに近接離間させて端部近傍同士を係止する方式であるため、使用する紐状係止手段の長さを変更することにより湾曲変形の度合いを自由に調節することが出来る。
【0007】
請求項3に係る本発明は、該まな板シートは該まな板シートの対向する2辺の中間に位置する中心線を対称軸とする略線対称位置に該対向する2辺から該中心線に向かう線状切り込みが少なくとも1対設けられており、該線状切り込みは該係止手段よりも該対向する各辺の中央側に形成され、該線状切り込みの先端部と該中心線との間の距離L1n、L2nは当該領域における該対向する2辺の間の距離L12の15~45%であることを特徴とする請求項1ないし2に記載のまな板シートである。
該線状切り込みにより、 該線状切り込みよりも対向する2辺の端部側の曲げ剛性を低下させることが出来る。該線状切り込みよりも対向する2辺の端部側に設けられている該係止手段により対向する2辺の端部近傍同士を係止させると該線状切り込みよりも対向する2辺の端部側のみが大きく湾曲変形して先細り湾曲形状を呈する。該線状切り込みを設けない場合と比較すると、より小さな力で該まな板シートの端部近傍のみを湾曲変形させて先細り湾曲形状とすることが出来る。
【0008】
請求項4に係る本発明は、該直接係止手段及び該近接離間係止手段は略V字型係止手段とキノコ型係止手段の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1ないし3に記載のまな板シートである。
該略V字型係止手段は開き角を1~10度とすることにより、端部近傍同士が互いに嵌め合わされた状態からの脱離を防止することが出来る。また、該まな板シートの少なくとも一部を湾曲変形させた状態で係止させる場合に、湾曲変形状態を元の平らな状態に戻そうとする反発力が該略V字型係止手段に作用するが、一組の略V字型係止手段のそれぞれのV字の中心線の角度の決め方によって、該反発力を該略V字型係止手段の直接係止をより強固にするよう作用させることが出来る。該略V字型係止手段によって近接離間係止させる場合、それぞれの該略V字型係止手段に複数の該略V字型切込みを設け、複数の該略V字型切込みに紐状係止手段を係止させることで該反発力を該略V字型係止手段の近接離間係止をより強固にするよう作用させることが出来る。
該キノコ型係止手段はキノコの根の部分を切り抜かない曲線状の切込みであって、キノコの傘の部分が相手の切込みに嵌め込まれて直接係止出来る切込み形状となっている。該キノコ型係止手段は切り抜かない線状の切込みであるので、製作時に切りくずが生じない。キノコの中心線の角度を適切に設定することにより、該反発力を該キノコ型係止手段の直接係止をより強固にするよう作用させることが出来る。キノコの傘の部分に紐状係止手段を係止させることで該反発力を該キノコ型係止手段の近接離間係止をより強固にするよう作用させることが出来る。
【0009】
請求項5に係る本発明は、該線状切り込みの先端部、略V字型係止手段の先端部、該キノコ型係止手段の隅部の少なくとも一つに応力集中を緩和するためのアールあるいは先端部を拡大した先端拡大部分にアールを設けたことを特徴とする請求項3ないし4に記載のまな板シートである。
アールを設けることにより、該略V字型係止手段の先端部、該キノコ型係止手段の隅部での亀裂生成が防止され、該まな板シートの繰り返し使用に対する耐久性を向上させることが出来る。該略V字型係止手段の先端拡大部分にアールを設けることにより、応力集中を更に減ずることが出来、更に耐久性を向上させることが出来る。
【0010】
請求項6に係る本発明は、請求項1ないし5に記載のまな板シート上で食材等をカットするなどの調理作業後、該まな板シート上に調理作業済みの食材等を載置した状態で該まな板シートの該対向する2辺の一方側の端部あるいは他方側の端部に隣接する辺を上向きに湾曲変形させた後、更に該係止手段により該対向する2辺の一方側の端部近傍同士あるいは他方側の端部近傍同士を互いに係止させ、該まな板シートの該対向する2辺の一方側の端部近傍あるいは他方側の端部近傍を漏斗類似形態へと安定的に変形させた状態とし、該まな板シートを手で持ち上げて該まな板シート上の調理作業済みの食材等を該まな板シートの漏斗類似形態部分の内側を通過させることにより他の容器にこぼさないように入れ込むことを特徴とするまな板シートの使用方法である。
上記使用方法により該まな板シート上の調理作業済みの食材等を該まな板シートの漏斗類似形態部分の内側を通過させることにより他の容器にこぼさないように入れ込むことを可能とする。調理作業者は、該まな板シート上で食材をカットした後、該まな板シートを湾曲変形させた状態で片手だけで把持し、他の容器の上方位置に移動させることが可能となる。そして、該まな板シートを傾けてその上面に載置された食材を該他の容器に入れ込むことが出来る。その状態で、該まな板シートの上面に粘着したままで、滑り落ちることも転がり落ちることもしない食材については、もう一方の手に持ったヘラ等で該まな板シートの上面に粘着した食材をこそぎ落として該他の容器に確実に安全に入れ込むことが出来る。
【発明の効果】
【0011】
柔軟性薄板素材で形成された略矩形のまな板シートにおいて、該まな板シート上で食材等をカット後に、食材等が載置された該まな板シートを湾曲変形させた状態で該まな板シートの対向する2辺の端部近傍に設けられた係止手段により係止することで食材等が載置された該まな板シートを湾曲変形状態として片手だけで安定して把持できるため、カットされた食材等が該まな板シートに粘着していたとしてもそれらを確実にしかも容易に鍋などの他の容器に入れ込むことが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1~9を参照して、実施形態について説明する。
図1に本発明によるまな板シート1の基本構造の例を説明する。
柔軟性薄板素材で形成された略矩形のまな板シート1の例えば1組の対向する2辺9の一方側の端部あるいは他方側の端部に隣接する辺12,13を上向きに湾曲変形させた状態で該対向する2辺9の一方側の端部近傍10同士あるいは他方側の端部近傍11同士を互いに係止可能とする少なくとも一組の係止手段2が対向する2辺の一方側の端部近傍10あるいは及び他方側の端部近傍11に切込み形成されている。
図1では略V字型係止手段7の例が示されており、対向する2辺9の一方側の端部に隣接する辺12を上向きに湾曲変形させた状態で該対向する2辺9の一方側の端部近傍10同士を互いに直接係止した状態を図5に示す。図5では、係止状態の理解を容易とするために、半透明のまな板シート1の例を示している。
図1において、略V字型係止手段7のV字型切込みの開き角を1~10度とすることにより、略V字型係止手段7同士が互いに嵌め合わされた状態からの脱離を防止することが出来る。また、該まな板シートの少なくとも一部を湾曲変形させた状態で係止させる場合に、湾曲変形状態を元の平らな状態に戻そうとする反発力が該略V字型係止手段に作用するが、一組の略V字型係止手段のそれぞれのV字の中心線の角度の決め方によって、該反発力を該略V字型係止手段の直接係止をより強固にするよう作用させることが出来る。この効果を発揮させるために、図1に示すようにV字型切込みの中心線の角度を傾斜させている。
既存の矩形まな板シートに図1に示すような単純形状のV字型切込みを追加工するという簡易な改良を加えることで、図5に示すようにその機能を格段と向上させることが出来る。
【0013】
図2にキノコ型係止手段8の例を示す。キノコ型係止手段8はキノコの根に相当する部分を敢えて切り抜くことはしない。キノコ型の曲線切込みを形成させることで、キノコ型の雄と切込みによって形成された穴部分が雌にそれぞれ相当する、雌雄となる一組のキノコ型係止手段が形成される。一つの形状の切込みで雌雄両機能を有する係止手段を簡便に形成することが出来る。
対向する2辺9の一方側の端部に隣接する辺12を上向きに湾曲変形させた状態で該対向する2辺9の一方側の端部近傍10同士をキノコ型係止手段8によって互いに直接係止した状態を図6に示す。図6に示す係止状態を確実にするために、図2に示すようにキノコ型係止手段8傘の配置傾斜角度を最適化している。
【0014】
該まな板シート1の対向する2辺9の中間に位置する中心線14を対称軸とする略線対称位置に該対向する2辺から該中心線14に向かう線状切り込み6が少なくとも1対設けられており、該線状切り込み6は係止手段2よりも該対向する各辺9の中央側に形成される例を図3に示す。
該線状切り込み6の先端部15と該中心線14との間の距離L1n、L2nは当該領域における該対向する2辺の間の距離L12の15~45%としている。
図3ではキノコ型係止手段8の例が示されており、対向する2辺9の一方側の端部に隣接する辺12を上向きに湾曲変形させた状態で該対向する2辺9の一方側の端部近傍10同士を互いに直接係止した状態を図7に示す。図7では、係止状態の理解を容易とするために、半透明のまな板シート1の例を示している。図7に示すように、該線状切り込み6よりも一方側の端部近傍10がより大きく湾曲変形して漏斗類似形態部分21を形成している。
【0015】
図3に略V字型係止手段7が辺9、12、13に形成されていることに加え、該線状切り込み6に形成されている例を示す。略V字型係止手段7の配置を多様化することにより、一方側の端部近傍10同士あるいは他方側の端部近傍11同士を係止する際の湾曲変形度合いの多段階調整が可能となる。
【0016】
図8に近接離間係止手段4により、紐状係止手段5を介して1組のキノコ型係止手段8が間接的に係止されている例を示す。異なる長さの紐状係止手段5を選定することによりまな板シート
1の湾曲変形度合いを調整することが出来る。
【0017】
請求項5に記述のアールの例を図9に示す。図9(a)では略V字型係止手段7の先端部にアールを設けて、当該領域での応力集中を緩和させている。図9(b)では略V字型係止手段7の先端拡大部にアールを設けて、当該領域での応力集中を更に緩和させている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明によるまな板シートの略V字型係止手段の説明図である。
図2】本発明によるまな板シートのキノコ型係止手段の説明図である。
図3】本発明によるまな板シートの線状切り込みの説明図である。
図4】本発明によるまな板シートの線状切り込みと略V字型係止手段の説明図である。
図5】本発明によるまな板シートの直接係止手段による係止時の説明図である。
図6】本発明によるまな板シートの直接係止手段による係止時の説明図である。
図7】本発明によるまな板シートの線状切り込みとキノコ型係止手段による係止時の説明図である。
図8】本発明によるまな板シートの近接離間係止手段による係止時の説明図である。
図9】本発明によるまな板シートの略V字型係止手段の先端部アールの説明図である。
図10】まな板シートの使用法についての従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0019】
1 まな板シート
2 係止手段
3 直接係止手段
4 近接離間係止手段
5 紐状係止手段
6 線状切り込み
7 略V字型係止手段
8 キノコ型係止手段
9 対向する2辺
10 対向する2辺の一方側の端部近傍
11 対向する2辺の他方側の端部近傍
12 対向する2辺の一方側の端部に隣接する辺
13 対向する2辺の他方側の端部に隣接する辺
14 中心線
15 線状切り込みの先端部
16 略V字型係止手段の先端部
17 キノコ型係止手段の隅部
18 先端拡大部分
19 アール
20 食材等
21 漏斗類似形態部分
22 他の容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10