(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105267
(43)【公開日】2022-07-13
(54)【発明の名称】誘電体層よりも上に形成された導電性要素を備えた半導体デバイスおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20220706BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20220706BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20220706BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220706BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
H01L29/80 F
H01L29/44 Y
H01L29/50 J
H01L29/44 S
H01L29/80 H
H01L29/44 P
H01L29/78 301X
H01L29/78 301B
H01L21/28 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021175131
(22)【出願日】2021-10-27
(31)【優先権主張番号】17/139,636
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507219491
【氏名又は名称】エヌエックスピー ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】NXP B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 60, NL-5656 AG Eindhoven, Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム カリル
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト グロート
(72)【発明者】
【氏名】フマユーン カビール
(72)【発明者】
【氏名】ブルース マクレー グリーン
【テーマコード(参考)】
4M104
5F102
5F140
【Fターム(参考)】
4M104AA04
4M104AA07
4M104BB01
4M104BB02
4M104BB04
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4M104GG12
5F102GB01
5F102GC01
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5F140CD09
5F140CE02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】導電性要素を備えた半導体デバイスと、係るデバイスの製造方法にを提供する。
【解決手段】半導体デバイス100は、半導体基板110と、半導体基板の上面よりも上に配置された第1の誘電体層130と、第1の誘電体層に形成された複数の開口132、134内において、半導体基板よりも上に形成された第1の通電電極140及び第2の通電電極145と、を備える。制御電極150は、半導体基板よりも上に形成され、第1の通電電極と第2の通電電極との間及び第1の誘電体層よりも上に配置されている。第1の導電性要素160が、制御電極と第2の通電電極との間で制御電極に隣接して、第1の誘電体層よりも上に形成されている。第2の誘電体層170は、制御電極よりも上及び第1の導電性要素よりも上に配置されている。第2の導電性要素180は、第2の誘電体層よりも上及び第1の導電性要素よりも上に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面とチャネルを含む半導体基板と、
前記半導体基板の前記上面よりも上に配置された第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層に形成された複数の開口内において、前記半導体基板よりも上に形成された第1の通電電極および第2の通電電極であって、前記チャネルに電気的に結合されている、前記第1の通電電極および前記第2の通電電極と、
前記半導体基板よりも上に形成され、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間において、および、前記第1の誘電体層よりも上において配置された制御電極であって、前記チャネルに電気的に結合されている前記制御電極と、
前記制御電極と前記第2の通電電極との間において前記制御電極に隣接して、前記第1の誘電体層よりも上に形成された第1の導電性要素と、
前記制御電極よりも上において、および、前記第1の導電性要素よりも上において配置された第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層よりも上において、および、前記第1の導電性要素よりも上において配置された第2の導電性要素と、
を備える、半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1の導電性要素は、前記第2の導電性要素に電気的に結合されている、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
第1の通電電極は、ソース電極として構成され、第2の通電電極は、ドレイン電極として構成され、前記制御電極は、ゲート電極として構成されている、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
第1の金属絶縁体半導体領域が、前記第1の導電性要素よりも下に形成されている、
請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
第2の金属絶縁体半導体層が、前記第2の導電性要素よりも下において、および、前記ゲート電極と前記第1の導電性要素との間において形成されている、
請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
第3の金属絶縁体半導体層が、前記第2の導電性要素よりも下において、および、前記ドレイン電極と前記第1の導電性要素との間において形成されている、
請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第1の導電性要素は、前記第1の導電性要素よりも上において前記第2の誘電体層に形成された開口に形成された電気的接続を介して、前記第2の導電性要素に電気的に結合されている、
請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第1の導電性要素は、第1のフィールドプレートとして構成され、前記第2の導電性要素は、第2のフィールドプレートとして構成されている、
請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記ゲート電極および前記第1のフィールドプレートは、同じ材料から形成されている、
請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1のフィールドプレートおよび第2のフィールドプレートは、前記ソース電極と同じポテンシャルにある、
請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記ゲート電極と前記第1のフィールドプレートとの間の水平距離は、0.2マイクロメートルから1マイクロメートルである、
請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記半導体基板は、III族窒化物材料を含む、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
窒化ガリウム層と上面とチャネルとを含む半導体基板と、
前記半導体基板の前記上面よりも上に配置された第1の誘電体層と、
前記半導体基板内に形成された、分離領域によって規定される活性領域と、
前記活性領域において前記第1の誘電体層に形成された複数の開口内において、前記半導体基板よりも上に形成されたソース電極およびドレイン電極であって、前記チャネルに電気的に結合されている、前記ソース電極および前記ドレイン電極と、
前記半導体基板よりも上に形成され、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間において、および、前記第1の誘電体層よりも上において配置されたゲート電極であって、前記チャネルに電気的に結合されている前記ゲート電極と、
前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間において前記ゲート電極に隣接して、前記第1の誘電体層よりも上に形成された第1のフィールドプレートであって、第1の金属絶縁体半導体領域が前記第1のフィールドプレートよりも下に形成されている、前記第1のフィールドプレートと、
前記ゲート電極よりも上において、および、前記第1のフィールドプレートよりも上において配置された第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層よりも上において、および、前記第1のフィールドプレートよりも上において配置された第2のフィールドプレートであって、第2の金属絶縁体半導体領域が、前記第2のフィールドプレートよりも下において前記ゲート電極と前記第1のフィールドプレートとの間において形成され、第3の金属絶縁体半導体領域が、前記第2のフィールドプレートの下において形成され、前記第1のフィールドプレートに隣接し、前記第1のフィールドプレートと前記ドレイン電極との間にある、前記第2のフィールドプレートと、
を備える、窒化ガリウムヘテロ接合電界効果トランジスタデバイス。
【請求項14】
窒化ガリウム層と上面とチャネルとを含む半導体基板を形成することと、
前記半導体基板の前記上面よりも上に第1の誘電体層を形成することと、
前記第1の誘電体層に形成された複数の開口内において、前記半導体基板よりも上にソース電極およびドレイン電極を形成することであって、前記ソース電極および前記ドレイン電極は前記チャネルに電気的に結合されている、形成することと、
前記半導体基板よりも上に、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間において、および、前記第1の誘電体層よりも上においてゲート電極を形成することと、
前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間において前記ゲート電極に隣接して、前記第1の誘電体層よりも上に第1のフィールドプレートを形成することと、
前記制御電極よりも上において、および、前記第1のフィールドプレートよりも上において第2の誘電体層を形成することと、
前記第2の誘電体層よりも上において、および、前記第1のフィールドプレートよりも上において第2のフィールドプレートを形成することと、
を含む、窒化ガリウムヘテロ接合電界効果トランジスタデバイスの製造方法。
【請求項15】
前記半導体基板内に分離領域を規定することにより活性領域を形成することをさらに含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ゲート電極を形成することと前記フィールドプレート電極を形成することは、同じ導電性層を使用して行われる、
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ソース電極およびドレイン電極を形成することは、前記半導体基板においてソース領域およびドレイン領域を規定するオーミック接触領域を形成することを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のフィールドプレートよりも上において前記第2の誘電体層にフィールドプレート開口を形成することと、前記第1のフィールドプレートを露出させることと、をさらに含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の誘電体層の前記フィールドプレート開口に前記第2のフィールドプレートの一部を形成することをさらに含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の誘電体層において前記ソース電極およびドレイン電極よりも上に複数の開口を形成することをさらに含む、
請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の主題の実施形態は、一般に、導電性要素を備えた半導体デバイスと、係るデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、様々な電子部品やシステムに適用されている。高出力、高周波トランジスタは、無線周波数(RF)システムおよびパワーエレクトロニクスシステムに適用されている。窒化ガリウム(GaN)デバイス技術は、その優れた電子的および熱的特性により、これらのRFパワーおよびパワーエレクトロニクスの用途に特に適している。特に、GaNの速い電子速度と強い破壊電界強度により、この材料で製造されたデバイスは、RFパワー増幅器や高出力スイッチング用途に最適である。フィールドプレートは、ゲートドレイン帰還容量を減らし、高周波トランジスタのデバイス破壊電圧を上げるために使用される。したがって、半導体、特にフィールドプレートを備えたGaNデバイスが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9847411号明細書
【特許文献2】米国特許第10593619号明細書
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】一実施形態に係る例示的なGaNヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET)の断面側面図である。
【
図2】一実施形態に係る例示的なGaNヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET)の断面側面図である。
【
図3】一実施形態に係る、
図1および
図2のGaNヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET)デバイスの製造方法を説明するプロセスフロー図である。
【
図4】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【
図5】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【
図6A】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【
図6B】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【
図6C】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【
図6D】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【
図7】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【
図8】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【
図9A】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【
図9B】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【
図10A】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【
図10B】製造方法の実施形態に係る、GaN HFETデバイスを作製するための製造ステップの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図面と併せて検討する場合、詳細な説明および特許請求の範囲を参照することにより、主題のより完全な理解を導き出すことができる。ここで、同様の参照番号は、図全体を通して同様の要素を指す。
【0006】
以下の詳細な説明は、性質上単に例示的なものであり、主題の実施形態またはそのような実施形態の適用および使用を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、「例示的(exemplary)」および「例(example)」との語は、「例、実例、または例示として機能する」ことを意味する。本明細書で例示的または例として説明されている実装は、必ずしも他の実装よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、前述の技術分野、背景技術、または以下の詳細な説明に示されている明示的または黙示的な理論に限定されることは意図されていない。
【0007】
一態様では、半導体デバイスは、上面とチャネルを有し得る半導体基板と、半導体基板の上面よりも上に配置された第1の誘電体層と、第1の誘電体層に形成された複数の開口内において、半導体基板よりも上に形成された第1の通電電極および第2の通電電極と、を備えていてもよい。ここで、第1の通電電極および第2の通電電極は、チャネルに電気的に結合されている。制御電極が、半導体基板よりも上に形成され、第1の通電電極と第2の通電電極との間において、および、第1の誘電体層よりも上において配置されていてもよい。ここで、一実施形態によれば、制御電極は、チャネルに電気的に結合され得る。一実施形態では、第1の導電性要素が、制御電極と第2の通電電極との間において制御電極に隣接して、第1の誘電体層よりも上に形成されていてもよい。一実施形態によれば、第2の誘電体層が、制御電極よりも上において、および、第1の導電性要素よりも上において配置されていてもよい。一実施形態では、第2の導電性要素が、第2の誘電体層よりも上において、および、第1の導電性要素よりも上において配置されていてもよい。
【0008】
別の態様では、本発明の主題の実施形態は、窒化ガリウムヘテロ接合電界効果トランジスタデバイスを含み得る。一実施形態では、窒化ガリウム層と上面とチャネルとを含む半導体基板を含み得る。一実施形態によれば、第1の誘電体層が、半導体基板の上面よりも上に配置されていてもよい。一実施形態では、分離領域によって規定される活性領域が、半導体基板内に形成されていてもよい。ソース電極およびドレイン電極が、活性領域において第1の誘電体層に形成された複数の開口内において、半導体基板よりも上に形成されていてもよい。ソース電極およびドレイン電極は、チャネルに電気的に結合されていてもよい。ゲート電極が、半導体基板よりも上に形成されてもよく、ソース電極とドレイン電極との間において、および、第1の誘電体層よりも上において配置されていてもよい。ここで、ゲート電極は、チャネルに電気的に結合され得る。一実施形態によれば、第1のフィールドプレートが、ゲート電極とドレイン電極との間においてゲート電極に隣接して、第1の誘電体層よりも上に形成されていてもよく、第1の金属絶縁体半導体領域が第1のフィールドプレートよりも下に形成されていてもよい。一実施形態によれば、第2の誘電体層が、ゲート電極よりも上において、および、第1のフィールドプレートよりも上において配置されていてもよい。一実施形態では、第2のフィールドプレートが、第2の誘電体層よりも上において、および、第1のフィールドプレートよりも上において配置されていてもよく、第2の金属絶縁体半導体領域が、第2のフィールドプレートよりも下においてゲート電極と第1のフィールドプレートとの間において形成され、第3の金属絶縁体半導体領域が、第2のフィールドプレートの下において形成され、第1のフィールドプレートに隣接し、第1のフィールドプレートとドレイン電極との間にあってもよい。
【0009】
さらに別の態様では、本発明の主題は、窒化ガリウムヘテロ接合電界効果トランジスタデバイスの製造方法を含み得る。この方法の実施形態は、上面とチャネルとを有する窒化ガリウムを含む半導体基板を形成することと、半導体基板の上面よりも上に第1の誘電体層を形成することと、を含み得る。方法の実施形態は、第1の誘電体層に形成された複数の開口内において、半導体基板よりも上にソース電極およびドレイン電極を形成することであって、ソース電極およびドレイン電極はチャネルに電気的に結合されている、形成することをさらに含み得る。一実施形態によれば、方法は、半導体基板よりも上に、ソース電極とドレイン電極との間において、および、第1の誘電体層よりも上においてゲート電極を形成することを含んでいてもよい。一実施形態では、方法は、ゲート電極とドレイン電極との間においてゲート電極に隣接して、第1の誘電体層よりも上に第1のフィールドプレートを形成することと、制御電極よりも上において、および、第1のフィールドプレートよりも上において第2の誘電体層を形成することと、第2の誘電体層よりも上において、および、第1のフィールドプレートよりも上において第2のフィールドプレートを形成することと、を含んでいてもよい。
【0010】
図1は、一実施形態に係る例示的なGaNヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET)デバイス100の断面側面図である。一実施形態では、GaN HFETデバイス100は、半導体基板110、1つまたは複数の分離領域120、活性領域125、第1の誘電体層130、ソース電極(一般に「第1の通電電極」)140、ドレイン電極(一般に「第2の通電電極」)145、ゲート電極150(一般に「制御電極」)、第1のフィールドプレート電極(一般に「第1の導電性要素」)160、第2の誘電体層170、および第2のフィールドプレート180(一般に「第2の導電性要素」)を含み得る。以下でより詳述するように、GaN HFETデバイス100は、第1の誘電体層130、ソース電極140、ドレイン電極145、ゲート電極150、第1のフィールドプレート160、および第2のフィールドプレート層180が半導体基板110よりも上に配置された状態で、分離領域120によって規定される活性領域125内に実質的に含まれている。
【0011】
一実施形態では、半導体基板110は、ホスト基板102、ホスト基板102よりも上に配置されたバッファ層104、バッファ層104よりも上に配置されたチャネル層106、チャネル層106よりも上に配置されたバリア層108、およびチャネル層106よりも上に配置されたキャップ層109を含み得る。一実施形態では、ホスト基板102は、炭化ケイ素(SiC)を含み得る。他の実施形態では、ホスト基板102は、サファイア、シリコン(Si)、GaN、窒化アルミニウム(AlN)、ダイヤモンド、ポリSiC、シリコンオンインシュレータ、ガリウムヒ素(GaAs)、リン化インジウム(InP)、および他の実質的に絶縁性または高抵抗性の材料等、他の材料を含み得る。核形成層(図示せず)は、バッファ層104とホスト基板102との間において、ホスト基板102の上面103上に形成され得る。一実施形態では、核形成層は、AlNを含み得る。バッファ層104は、いくつかのIII族N半導体層を含んでいてもよく、ホスト基板102によって支持される。バッファ層104の半導体層のそれぞれは、エピタキシャル成長したIII族窒化物エピタキシャル層を含み得る。バッファ層104を構成するIII族窒化物エピタキシャル層は、例えば、窒素(N)面またはガリウム(Ga)面の材料であり得る。他の実施形態では、バッファ層104の半導体層は、エピタキシャル成長されていなくてもよい。さらに他の実施形態では、バッファ層104の半導体層は、Si、GaAs、InP、または他の適切な材料を含み得る。
【0012】
一実施形態では、バッファ層104を、ホスト基板102の上にエピタキシャル成長させてもよい。バッファ層104は、AlXGa1-XNによって示される組成を有する少なくとも1つのAlGaN混晶層を含み得る。ここで、Xは、アルミニウムモル分率であり、0から1の間の値をとり得る。バッファ層104の全体の厚さは、その全ての層を含めて、約200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約100,000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間であってもよく、なお、他の厚さを使用することができる。X値を0に制限すると、純粋なGaNとなり、値を1とすると、純粋な窒化アルミニウム(AlN)となる。一実施形態は、ホスト基板および核形成層(図示せず)よりも上に配置されたバッファ層104を含み得る。バッファ層104は、追加のAlXGa1-XN層を含み得る。追加のAlXGa1-XN層の厚さは、約200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約50,000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間である可能性があるが、他の厚さを使用することもできる。一実施形態では、追加のAlXGa1-XN層は、AlXGa1-XNが意図的にドープされていない(NID:not intentionally doped)、GaN(X=0)として構成されてよい。追加のAlXGa1-XN層は、1つまたは複数のGaN層が意図的にドーパントでドープされている1つまたは複数のGaN層として構成することもでき、ドーパントには、鉄(Fe)、クロム(Cr)、炭素(C)、またはバッファ層104を実質的に絶縁性または高抵抗率にする他の適切なドーパントが含まれ得る。ドーパント濃度は、約1017cm-3から1019cm-3の間であり得るが、他のより高いまたはより低い濃度が使用され得る。追加のAlXGa1-XN層は、X=0.01~0.10で構成されてよく、ここで、AlXGa1-XNはNIDであるか、あるいは、AlXGa1-XNはFe、Cr、C、またはその他の適切なドーパント種が意図的にドープされている。他の実施形態(図示せず)では、追加の層は、追加の層が一連の交互のNIDまたはドープされたAlXGa1-XN層(Xの値が0から1の間の値をとる)を含む超格子として構成され得る。さらに他の実施形態では、バッファ層104はまた、InYGa1-YNで示される組成を有する1つまたは複数の窒化インジウムガリウム(InGaN)層を含んでいてもよく、ここで、Yはインジウムモル分率であり、0から1の間の値をとることができる。InGaN層の厚さは、約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約2000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間である可能性があるが、他の厚さを使用することもできる。
【0013】
一実施形態では、チャネル層106は、バッファ層104の上に形成され得る。チャネル層106は、1つまたは複数のIII族N半導体層を含んでいてもよく、バッファ層104によって支持され得る。チャネル層106は、Xが0から1の間の値をとるAlXGa1-XN層を含み得る。一実施形態では、チャネル層106は、GaN(X=0)として構成されているが、本発明の主題の範囲から逸脱することなく、Xは他の値としてもよい。チャネル層106の厚さは、約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約10,000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間である可能性があるが、他の厚さを使用することもできる。チャネル層106は、NIDであってもよく、あるいは、Si、ゲルマニウム(Ge)、C、Fe、Cr、または他の適切なドーパントを含んでいてもよい。ドーパント濃度は、約1015cm-3から1019cm-3の間であり得るが、他のより高いまたはより低い濃度が使用され得る。他の実施形態では、チャネル層106は、NIDまたはドープされたInYGa1-YNを含んでいてもよく、ここで、Yはインジウムモル分率であり、0から1の間の値をとることができる。
【0014】
一実施形態によれば、バリア層108は、チャネル層106の上に形成され得る。バリア層108は、1つまたは複数のIII族N半導体層を含んでいてもよく、チャネル層106によって支持される。一部の実施形態では、バリア層108は、チャネル層106よりも大きなバンドギャップおよび大きな自発分極を有し、バリア層108がチャネル層106と直接接触しているとき、チャネル107が、チャネル層106とバリア層108との間の界面近くのチャネル層106内に二次元電子ガス(2-DEG)の形態で生成される。さらに、バリア層108とチャネル層106との間の歪に起因して、追加の圧電電荷が2-DEGおよびチャネル107に導入される可能性がある。バリア層108は、Xが0から1の間の値をとる、少なくとも1つのNIDのAlXGa1-XN層を含み得る。一部の実施形態では、Xは0.1から0.35の値をとることができるが、Xの他の値を用いてもよい。バリア層108の厚さは、約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間である可能性があるが、他の厚さを使用することもできる。バリア層108は、NIDであってもよく、あるいは、Si、Ge、C、Fe、Cr、または他の適切なドーパントを含んでいてもよい。ドーパント濃度は、約1016cm-3から1019cm-3の間であり得るが、他のより高いまたはより低い濃度が使用され得る。一実施形態では、一実施形態による追加のAlNバリア間層(図示せず)が、チャネル層106とバリア層108との間に形成され得る。AlNバリア間層は、チャネル電荷を増加させ、結果として生じる2-DEGの電子閉じ込めを改善する可能性がある。他の実施形態では、バリア層108は、InYAl1-YNで示されるインジウム窒化アルミニウム(InAlN)層を含み得る。ここで、Yはインジウムモル分率であり、約0.1から約0.2の間の値をとることができるが、Yの他の値を使用することもできる。InAlNバリアの場合、バリア層108の厚さは、約30オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約2000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間である可能性があるが、他の厚さを使用することもできる。InAlNを使用してバリア層108を形成する場合、InAlNは、NIDであってもよく、あるいは、Si、Ge、C、Fe、Cr、または他の適切なドーパントを含んでいてもよい。ドーパント濃度は、約1016cm-3から1019cm-3の間であり得るが、他のより高いまたはより低い濃度が使用され得る。
【0015】
図1に示される実施形態では、キャップ層109は、バリア層108の上に形成され得る。キャップ層109は、半導体基板110の安定した表面を提供し、ウェーハ処理に付随する化学的および環境的曝露から半導体基板110の表面を保護するのに役立つ。キャップ層109は、1つまたは複数のIII族N半導体層を含んでいてもよく、バリア層108によって支持される。一実施形態では、キャップ層109はGaNである。キャップ層109の厚さは、約5オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約100オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間である可能性があるが、他の厚さを使用することもできる。キャップ層109は、NIDであってもよく、あるいは、Si、Ge、C、Fe、Cr、または他の適切なドーパントを含んでいてもよい。ドーパント濃度は、約10
16cm
-3から10
19cm
-3の間であり得るが、他のより高いまたはより低い濃度が使用され得る。本発明の主題の範囲から逸脱することなく、半導体基板110を形成するための材料の選択および層の配置が例示的であることを理解されたい。ホスト基板102、バッファ層104、チャネル層106、バリア層108、およびキャップ層109を半導体基板110に含めることは例示的であり、様々な層の機能および動作を組み合わせることができ、任意の特定の実施形態で使用される材料に応じて変化する可能性があることが理解されるべきである。例えば、一部の実施形態(図示せず)では、キャップ層109は省略されてもよい。N極性材料(図示せず)を使用する他の実施形態では、チャネル層106をバリア層108の上に配置して、オプションのキャップ109およびゲート電極150の真下に2-DEGおよびチャネル107を生成することができる。さらに別の実施形態は、半導体基板110を形成するために、GaAs、酸化ガリウム(Ga
2O
3)、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)、インジウムガリウム砒素(InGaAs)、およびアルミニウムインジウム砒素(AlInAs)を含む材料から形成された半導体層を含み得る。
【0016】
一実施形態によれば、1つまたは複数の分離領域120を半導体基板110に形成して、ホスト基板102の上面103の上およびそれに沿って活性領域125を規定することができる。分離領域120は、半導体基板110を高抵抗率領域122において高抵抗率または半絶縁性にする一方で、活性領域125において結晶構造を損傷せずに、エピタキシャルおよび/または他の半導体層を損傷して、半導体基板110の高抵抗率領域122を生成するように構成されている注入手順を介して形成することができる。他の実施形態では、分離領域120は、半導体基板110のエピタキシャルおよび/または他の半導体層のうちの1つまたは複数を除去することによって形成することができ、半導体基板110の残りの層を半絶縁性にし、高抵抗率または半絶縁性の分離領域120(図示せず)に囲まれた活性領域125「メサ(mesas)」を残す。さらに他の実施形態では、分離領域120は、半導体基板110のエピタキシャルおよび/または他の半導体層のうちの1つまたは複数を除去することと、その後、半導体基板110の残りの層の半絶縁特性をさら強化するよう損傷をさせるべくイオン注入を使用して、注入された高抵抗率または半絶縁性の分離領域120に囲まれた活性領域125「メサ」を後に残す(図示せず)ことと、によって形成され得る。一実施形態では、第1の誘電体層130は、活性領域125および分離領域120の上に形成され得る。一部の実施形態では、第1の誘電体層130は、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、および酸化ハフニウム(HfO2)を含む1つまたは複数の適切な材料から形成され得るが、他の実質的に絶縁性の材料を使用することができる。一実施形態では、第1の誘電体層130は、200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有し得る。他の実施形態では、第1の誘電体層130は、50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有し得るが、他の厚さを使用してもよい。
【0017】
一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、活性領域125において、半導体基板110に形成されたソースおよびドレイン領域142、147の上に形成される場合があり、これらに接触し得る。ソース電極140およびドレイン電極145は、第1の誘電体層130に形成されたソース開口132およびドレイン開口134の内部に形成されてよく、1つまたは複数の導電性層から形成され得る。一部の実施形態では、イオン注入を使用して、チャネル107へのオーミック接触を形成し、ソース領域およびドレイン領域142、147を生成することができる。一実施形態では、ソース電極およびドレイン電極140、145を形成するために使用される1つまたは複数の導電性層は、Ti、Au、Al、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、Si、Ge、白金(Pt)、または他の適切な材料を含み得る。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、キャップ層109の上に形成され、キャップ層109と接触し得る。他の実施形態(図示せず)では、ソース電極140およびドレイン電極145の一方または両方は、キャップ層109を通るように凹み、部分的にバリア層108を通るよう延びることができる。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、多層スタックから形成され得る。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145を形成するために使用される多層スタックは、接着層および1つまたは複数の層を含んでいてもよく、これは、アニールされると、チャネル107とソースおよびドレイン領域142、147との間にオーミック接触を形成することを可能にする。一実施形態では、接着層は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、シリコン(Si)、または他の適切な材料を含み得る。一実施形態では、接着層は、4.5電子ボルト未満の仕事関数を有し得る。
【0018】
一実施形態では、ゲート電極150は、活性領域125において、半導体基板110上に形成することができる。一実施形態によれば、ゲート電極150は、鉛直ステム152と、第1の誘電体層130よりも上においてソース電極に向かう、鉛直ステム152に結合された第1の突出領域154と、を含み得る。一実施形態では、一実施形態による第2の突出領域156が、鉛直ステム152に結合することができ、第1の誘電体層130よりも上においてドレイン電極145に向かうよう形成されてよい。一実施形態では、ゲート電極150は、キャップ層109およびバリア層108を通じてチャネル107に電気的に結合され得る。ゲート電極150に印加される電位の変化は、チャネル層106の擬フェルミ準位に対して、バリア層108の擬フェルミ準位をシフトさせる場合があり、それにより、ゲート電極150の下の半導体基板110内のチャネル107における電子濃度が変調される。一実施形態によれば、Ni、Pd、Pt、イリジウム(Ir)、銅(Cu)などのショットキー材料は、金属スタックにおいて、Au、Al、Cu、ポリシリコン、またはその他の適切な材料などの1つまたは複数の低応力導電性材料と組み合わされてよく、これにより、チャネル107に電気的に結合された低損失ショットキーゲート電極150用のゲート電極150を形成する。一実施形態では、ゲート電極150を形成することができ、鉛直ステム152は、第1の誘電体層130におけるゲート開口136内に形成される。
【0019】
一実施形態では、ゲート電極150は、ゲート開口136内のゲート長153と、第1および第2の突出領域長158および159によって特徴付けられてよい(ここで、第1および第2の突出領域154および156は、第1の誘電体層130に重なる)。一実施形態では、ゲート長153は、約0.1マイクロメートルから約1マイクロメートルの間であり得る。他の実施形態では、ゲート長153は、約0.05マイクロメートルから約2マイクロメートルの間であってもよく、なお、他の適切な寸法を採用してもよい。一実施形態では、第1の突出領域長158は、約0.1マイクロメートルから約0.5マイクロメートルの間であり得る。他の実施形態では、第1の突出領域長158は、約0.05マイクロメートルから約2マイクロメートルの間であってもよく、なお、他の適切な寸法を採用してもよい。一実施形態では、第2の突出領域長159は、約0.1マイクロメートルから約0.5マイクロメートルの間であり得る。他の実施形態では、第2の突出領域長159は、約0.1マイクロメートルから約2マイクロメートルの間であってもよく、なお、他の適切な長さを採用してもよい。
【0020】
本発明の主題の範囲から逸脱することなく、他の多くの実施形態を実現することができる。
図1の例示的な実施形態は、鉛直ステム152と、第1の誘電体層130よりも上に配置された第1および第2の突出領域154および156とを有するT字形のゲート電極150を示している。他の実施形態では、ゲート電極150は、第1の誘電体層130よりも上に突出領域(例えば、154および156)を有さない正方形状であり得る。他の実施形態(図示せず)では、ゲート電極150は、キャップ層109を通るように凹み、部分的にバリア層108内に延び、バリア層108を介したチャネル107へのゲート電極150の電気的結合を強めることができる。他の実施形態(図示せず)では、キャップ層109を省略してもよく、ゲート電極150はバリア層に直接接触してもよい(図示せず)。さらに他の実施形態では、ゲート電極150は、ゲート電極150と半導体基板110との間に形成されるゲート誘電体よりも上に配置されて、金属絶縁体半導体電界効果トランジスタ(MISFET)デバイス(図示せず)を形成してもよい。
【0021】
一実施形態では、第1のフィールドプレート160が、ゲート電極150とドレイン電極145との間においてゲート電極150に隣接して、第1の誘電体層よりも上に形成されていてもよい。一実施形態によれば、第1のフィールドプレート160は、第1のフィールドプレート長163、およびゲート電極150からのフィールドプレートからゲートまでの距離165によって特徴付けられ得る。一実施形態では、第1のフィールドプレート長163は、約0.2マイクロメートルから約0.8マイクロメートルの間であり得る。他の実施形態では、第1のフィールドプレート長163は、約0.1マイクロメートルから約2マイクロメートルの間であってもよく、なお、他の適切な長さを採用してもよい。第1のフィールドプレートからゲートまでの距離165は、約0.2マイクロメートルから約1マイクロメートルの間であり得る。他の実施形態では、第1のフィールドプレートからゲートまでの距離165は、約0.1マイクロメートルから約2マイクロメートルの間であってもよく、なお、他の適切な長さを採用してもよい。第1の金属絶縁体半導体領域167は、第1のフィールドプレート160、その下にある第1の誘電体層130、および半導体基板110によって生成され得る。一実施形態では、第1の金属絶縁体半導体領域167は、アクティブデバイスの一部として機能し、誘電体層130の厚さおよびチャネル107の電荷の量に依存する第1の閾値電圧を有する。一実施形態では、第1の閾値電圧は、-5ボルトから-15Vの間であり得る。他の実施形態では、閾値電圧は、-4ボルトから-30Vの間であり得る。一実施形態では、第2のフィールドプレート180は、ゲート電極150とドレイン電極145との間の電界を低減する。
【0022】
一実施形態では、第2の誘電体層170は、第1の誘電体層130、ソースおよびドレイン電極140および145、ゲート電極150、および第1のフィールドプレート160よりも上に配置され得る。一実施形態では、第2の誘電体層170は、1つまたは複数のSiN、SiO2、AlN、HfO2、Al2O3、スピンオンガラス、または他の適切な絶縁材料を含み得る。一実施形態では、第3の第2層170は、約500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約5000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有し得る。他の実施形態では、第2の誘電体層170は、約100オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約20000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有し得る。
【0023】
一実施形態では、第2のフィールドプレート180は、第2の誘電体層160のよりも上において、および、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160よりも上において配置され得る。一実施形態では、第2のフィールドプレートは、ゲート電極150のドレイン電極145に面する側面に形成されてよい。一実施形態では、第2のフィールドプレート180は、ソース電極140に結合され得る。他の実施形態(図示せず)では、第2のフィールドプレート180は、第2の誘電体層170のよりも上において、および、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160よりも上において配置されていてもよく、ソース電極140およびドレイン電極145に面するゲート電極150の側面に接するように、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160を囲んでいてもよく、ソース電極140まで延びて接触していてもよい。
【0024】
一実施形態では、第2のフィールドプレートは、第2のフィールドプレート、第2の誘電体層170、第1の誘電体層130、および半導体基板110を含む、第2の金属絶縁体半導体領域187および第3の金属絶縁体半導体領域189を生成する。第2および第3の金属絶縁体半導体領域187、189は、アクティブデバイスのうちの部分として機能し、誘電体層130および第2の誘電体層170の厚さと、チャネル107における電荷の量と、誘電体層自体の間、および第1の誘電体層130と半導体基板110との間に存在し得る界面電荷とによる、第2および第3の閾値電圧を有する。一実施形態では、第2および第3の閾値電圧は、-20ボルトから-80ボルトの間であり得る。他の実施形態では、閾値電圧は、-10ボルトから-200ボルトの間であり得る。一実施形態では、第2のフィールドプレート180は、ゲート電極150とドレイン電極145との間の電界および結合ならびに関連するゲート-ドレイン容量を低減する。一実施形態では、フィールドプレートドレイン延在部182は、ドレイン電極145に面する第1のフィールドプレート160に隣接する第2のフィールドプレートのうちの部分から、第2のフィールドプレートドレイン延在部長184の分だけ、ドレイン電極145に向かって延びていてもよい。他の実施形態では、第2のフィールドプレートドレイン延在部182の下面183は、第2の突出領域156が第1の誘電体層130に接触するゲート電極150の辺りにおいて、第1の誘電体層130と接触することができる。さらに他の実施形態では、第2のフィールドプレートドレイン延在部182の下面183は、第2の突出領域156が第1の誘電体層130に接触するゲート電極150の第2の突出領域156よりも上にあってもよい。一実施形態では、第2のフィールドプレートドレイン延在部長184は、第2の誘電体層170および第1の誘電体層130に対する第2のフィールドプレート180の重なりを特徴付ける。一実施形態では、第2のフィールドプレートドレイン延在部長184は、約0.2マイクロメートルから2マイクロメートルの間であり得る。他の実施形態では、第2のフィールドプレートドレイン延在部長184は、約0.1マイクロメートルから10マイクロメートルの間であり得る。本発明の主題の範囲から逸脱することなく、第2のフィールドプレートドレイン延在部長184は、他のより長いまたはより短い長さを有し得る。一実施形態では、第2のフィールドプレート180は、ソース電極140と同じポテンシャルまたは接地ポテンシャルに結合され得る。他の実施形態では、第2のフィールドプレート180は、ゲート電極150に結合されてもよい(図示せず)。他のさらなる実施形態では、第2のフィールドプレート180は、任意のポテンシャルに結合されてもよい(図示せず)。一実施形態では、ソースおよびドレイン電極へのソースおよびドレインメタライゼーション185、186は、第2のフィールドプレート180と同じ導電性層を使用して形成され得る。
【0025】
一実施形態では、GaN HFETデバイス100は、ソース電極140、ドレイン電極145、ゲート電極150、第1のフィールドプレート電極160、および第2のフィールドプレート電極180は、ゲートフィンガー(図示せず)を形成する細長い要素として構成され得る、トランジスタフィンガーとして構成され得る。GaNトランジスタデバイス100は、ゲートフィンガーのゲート幅を包含する分離領域130によって部分的に規定され得る(すなわち、
図1のGaNトランジスタデバイス100の平面に垂直な軸に沿った寸法は、ゲート電極150のゲート長153よりも十分に大きい(つまり、ゲート幅に垂直な軸に沿った寸法)。一部の実施形態では、ゲート幅は、約50マイクロメートルから約500ミクロンの間であり得る。他の実施形態では、ゲート幅は、約5マイクロメートルから約1000ミクロンの間であり得る。一部の実施形態では、第1のフィールドプレート160および第2のフィールドプレート180を1つまたは複数の点のポテンシャルに電気的に結合することによって、第1のフィールドプレート160および第2のフィールドプレート180に沿って一定のポテンシャルを維持するために、ゲートフィンガーに沿った信号減衰を最小化することが望ましい。一実施形態では、第1のフィールドプレート160と第2のフィールドプレート180は、ソース電極140と同じポテンシャルに電気的に結合され得る。第1のフィールドプレート160は、第1のフィールドプレート160を形成するために使用される導電性材料の延在部から形成された接続部を使用して、ソース電極140に接続され得る(分離領域125におけるデバイスフィンガーの1つまたは複数の端部からソース電極140まで)(図示せず)。一部の実施形態では、第2のフィールドプレート180をソース電極140に電気的に接続する導電性領域「ストラップ」は、第2のフィールドプレート180を形成するために使用されるのと同じ導電性層を使用して、デバイスフィンガーに沿って周期的に形成され得る。一実施形態では、これらの導電性ストラップは、幅が0.1マイクロメートルから5マイクロメートルで、デバイスフィンガーに沿ってストラップ間の間隔で配置されてもよい。一実施形態では、一実施形態によるストラップ間の間隔は、約25マイクロメートルから約100マイクロメートルの間であり得るが、他のより短いまたはより長いストラップ間の間隔が使用され得る。一実施形態によるストラップ間の間隔は、約5マイクロメートルから約200マイクロメートルの間であり得るが、他のより短いまたはより長いストラップ間の間隔が使用され得る。他の実施形態(図示せず)では、第2のフィールドプレート180のソース電極140への接続は、第2のフィールドプレート180を形成するために使用されるのと同じ金属を使用した、第2のフィールドプレート180からソース電極140への接続部によって達成されてもよいし、あるいは、分離領域125のデバイスフィンガーの端に別の金属層(例えば、相互接続層)を使用することによって達成されてもよい。さらに他の実施形態では、ソース電極140と第2のフィールドプレート180との間の接続は、第2のフィールドプレート180をソース電極140への固体の連続接続部として形成することによって達成することができる(図示せず)。
【0026】
図2は、本発明の主題に含まれる一実施形態に係る例示的なGaNヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET)200の断面側面図である。一実施形態では、GaN HFETデバイス200は、半導体基板110、分離領域120、活性領域125、第1の誘電体層130、ソース電極140、ドレイン電極145、ゲート電極150、第1のフィールドプレート160、第2の誘電体層170、および第2のフィールドプレート280を含み得る。
図1のGaN HFETデバイス100に関連して説明したように、GaN HFETデバイス200は、第1の誘電体層130、ソース電極140、ドレイン電極145、ゲート電極150、第1のフィールドプレート160、第2の誘電体層170、および第2のフィールドプレート180が半導体基板110よりも上に配置された状態で、分離領域120によって規定される活性領域125内に実質的に含まれていてよい。一実施形態では、フィールドプレート開口272が、第1のフィールドプレート160よりも上において、第2の誘電体層170に形成され得る。一実施形態によれば、フィールドプレート開口272は、第2のフィールドプレート280が第1のフィールドプレートに接触することを可能にし得る。一部の実施形態では、フィールドプレート開口272は、GaN HFETデバイス200のゲート幅全体に沿って連続している。他の実施形態では、フィールドプレート開口272は、単位ゲート幅に沿った別個の複数の領域に形成されている(図示せず)。これらの実施形態では、一定の接続間距離は、約5マイクロメートルから約500マイクロメートルの間の固定値であり得るが、接続間距離の他のより短いまたはより長い値が使用されてもよい。
【0027】
【0028】
図3のブロック302で、
図4のステップ400に示されているように、一実施形態に係る方法は、半導体基板110を形成することを含み得る。一実施形態では、ステップ400は、ホスト基板102を提供することと、ホスト基板102に接して、あるいはホスト基板102よりも上に複数の半導体層を形成することとを含み得る。一実施形態では、ホスト基板102は、SiCを含み得るか、サファイア、Si、GaN、AlN、ダイヤモンド、ポリSiC、シリコンオンインシュレータ、GaAs、InP、および他の実質的に絶縁性または高抵抗性の材料等、他の材料を含み得る。複数半導体層を形成することは、ホスト基板102の上面103に接して、あるいは上面103よりも上に核形成層(図示せず)を形成することと、核形成層に接して、あるいは核形成層よりも上にバッファ層104を形成することと、バッファ層104に接して、あるいはバッファ層104よりも上にチャネル層106を形成することと、チャネル層106に接して、あるいはチャネル層106よりも上にバリア層108を形成することと、バリア層108に接して、あるいはバリア層108よりも上にキャップ層109を形成することと、を含み得る。上述したように、実施形態に係る、バッファ層104、チャネル層106、バリア層108、およびキャップ層109は、AlN、GaN、AlGaN、InAlN、InGaN、または他の適切な材料から選択される材料を含み得る。半導体層104、106、108、および109は、有機金属化学的気相成長法(MOCVD)、分子線エピタキシー(MBE)、ハイドライド気相成長法(HVPE)のいずれか、またはこれらの技術の組み合わせを使用して成長させることができるが、代わりに他の適切な技術を使用してもよい。半導体基板110が得られる。
【0029】
図3のブロック304で、
図5のステップ500に示されているように、一実施形態に係る方法は、半導体基板110に接して、あるいは半導体基板110よりも上に第1の誘電体層130を形成することを含み得る。上述したように、一実施形態では、第1の誘電体層130は、SiN、Al
2O
3、SiO
2、AlN、およびHfO
2から選択される材料を含み得る。第1の誘電体層130は、低圧化学気相成長法(LPCVD)、原子層堆積法(ALD)、スパッタリング、物理気相成長法(PVD)、プラズマ励起化学気相成長法(PECVD)、MOCVD、MBE、誘導結合プラズマ(ICP)成長法、電子サイクロトロン共鳴(ECR)成長法、またはその他の適切な手法のうちの1つまたは複数を使用して形成され得る。他の実施形態では、第1の誘電体層130は、半導体基板110の半導体層の成長をさせたチャンバーまたは成膜システム(例えば、MOCVDまたはMBE)と同じ場所において、当該成長の直後に形成され得る。構造体501が得られる。
【0030】
図3のブロック306で、
図6A、
図6B、
図6C、
図6Dのステップ600、602、604、606に示されているように、一実施形態に係る方法は、第1の誘電体層130にソースおよびドレイン領域142および147を形成することと、ソースおよびドレイン電極140および145を形成することと、を含み得る。再び
図6Aとステップ600を参照して、一実施形態に係る方法は、注入マスク610をパターニングすることと、ドーパント種620を、注入マスク610の開口615を通じて半導体基板に注入して、半導体基板110内に注入領域630を形成することと、を含んでいてもよい。注入マスク層がパターニングされると、ドーパント種が注入マスク層を通って半導体基板に注入され得る。一実施形態では、Si、Ge、O、または他の適切なn型ドーパントは、注入マスクを介して半導体基板に注入され得る。構造体601が得られる。
【0031】
図6Bを参照しつつ再び
図6Aとステップ602を参照して、一実施形態に係る方法は、ドーパント種を活性化して、半導体基板110内のソースおよびドレイン領域142および147の形成を完了することと、次に、注入マスク610を除去することと、を含み得る。一実施形態によれば、ドーパント種は、約900度から約1500度の温度で活性化アニールを使用して半導体基板110をアニールすることによって活性化される。構造体603が得られる。
【0032】
一実施形態では、
図6Cを参照して、ソースおよびドレイン開口132、134が形成され、第1の誘電体層130に対してレジスト層640を供給することと、レジスト層640のパターンニングを行いレジスト開口650を形成することと、を含み得る。一実施形態では、ソースおよびドレイン電極140および145は、ソースおよびドレイン開口132および134を形成するためにレジスト開口650によって露出された領域において、第1の誘電体層130をエッチングすることによって作成され得る。第1の誘電体層130(例えば、SiN)のエッチングは、一実施形態による反応性イオンエッチング(RIE)、ICPエッチング、ECRエッチング、およびウェット化学エッチングなど、1つまたは複数のドライおよび/またはウェットエッチング技術を使用するエッチングを含み得る。一実施形態によれば、適切なウェットエッチング化学は、フッ化水素酸(HF)、バッファードHF、バッファード酸化物エッチング(BOE)、リン酸(H
3PO
4)、または他の適切なウェットエッチング剤を含み得る。これらのドライエッチング技術は、一実施形態によれば、六フッ化硫黄(SF
6)、六フッ化二炭素(C
2F
6)、四フッ化炭素(CF
4)、トリフルオロメタン(CHF
3)または他の適切な化学物質のうちの1つ以上を使用して、SiNを除去し得る。一実施形態では、第1の誘電体130をエッチングするために使用されるエッチャントは、第1の誘電体層130の一部を選択的にエッチングし、次にエッチング停止層(図示せず)(例えば、Al
2O
3またはAlN)で停止することができる。一実施形態では、エッチング停止層(例えば、Al
2O
3またはAlNのエッチング停止層)のエッチングは、ウェットおよび/またはドライエッチング技術を含み得る。他の実施形態では、エッチング停止層(例えば、AlNまたはAl
2O
3のエッチング停止)のドライエッチングは、Cl
2、三塩化ホウ素(BCl
3)、または他の適切なドライエッチング化学など、塩素ベースの化学と組み合わせた適切な技術(例えば、RIE、ICP、またはECR)を使用するドライエッチングを含み得る。構造体605が得られる。
【0033】
図3のブロック306と
図6Cのステップ604を再度参照すると、一実施形態に係る方法は、ソースおよびドレイン開口132および134において、ソースおよびドレイン電極140および145を形成およびパターンニングすることを含み得る。一実施形態では、方法は、レジスト層640に対して、および、レジスト層640に形成されたレジスト開口650において露出した、第1の誘電体層130をエッチングすることによって形成されたソースおよびドレイン開口132および134において金属層660を成膜することを含み得る。一実施形態では、金属層660は、Ti、Ta、Al、Mo、Au、Ni、Si、Ge、白金(Pt)、タングステン(W)、および/または他の耐火金属を含む1つまたは複数の金属層を含んでいてもよく、これらは、アニールされると、ソースおよびドレイン領域142、147とオーミック接触を形成する。一実施形態では、金属層660は、Ti、Al、およびAuを含む基板上に成膜されたスタックを含み得る。一実施形態では、金属層660を形成するために、Ti層は、開口650において半導体基板110よりも上に配置されてよく、Al層は、Ti層よりも上に配置されてよく、Moまたは他の適切なバリア金属(Niもしくはタングステンなど)から形成されたバリア層は、Al層よりも上に配置されてよく、Au層は、バリア層よりも上に配置されてよい。一実施形態では、金属層660は、蒸着を通じて成膜され得る。他の実施形態では、金属層660は、スパッタリング、PVD、または他の適切な成膜技術によって成膜され得る。一実施形態では、Ti層の厚さは約100オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間であってよく、Al層の厚さは約600オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から1500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間であってよく、Mo層の厚さは約200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から700オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間であってよく、Au層の厚さは約300オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間であってよい。他の実施形態では、他の金属に置換することができ(例えば、NiまたはPtをMoの代わりに添加することができ、またはTaをTiの代わりに添加できる)、他の厚さを使用してもよい。一実施形態では、レジスト層640は、リフトオフプロファイルで構成することができ、レジスト層640の開口は逆行プロファイル(retrograde profile)を有し、レジスト開口650に成膜していない金属が溶媒に溶解したときに「リフトオフ」することを可能にする。他の実施形態(図示せず)では、ソース電極およびドレイン電極140および145は、ドライエッチングによってパターンニングされ得る。構造体605が得られる。
【0034】
図3のブロック306を再度参照すると、
図6Dのステップ606に示されているように、一実施形態に係る方法は、ソースおよびドレイン開口132および134において、ソースおよびドレイン電極140および145をアニーリングすることを含み得る。一実施形態では、ソースおよびドレイン電極140および145をアニーリングすることは、
図6Cの金属層660を合金化するために使用されるアニーリングステップを含んでいてもよく、これは、ソースおよびドレイン電極140および145を形成する半導体基板110に形成されたソースおよびドレイン領域142および147へのオーミック接触をもたらす。一実施形態では、アニーリングステップは、急速熱アニーリングによって達成することができる。一実施形態では、
図6Cのソースおよびドレイン開口132および134に残る
図6Cの金属層660は、摂氏約500度から摂氏700度の間の温度で、約15秒から約60秒間かけて合金化され得る。他の実施形態では、
図6Cの金属層660は、摂氏約400度から摂氏約800度の間で、約10秒から約600秒の間、アニールされ得るが、他のより高いまたはより低い温度と他のより長いまたはより短い時間が使用されてもよい。一実施形態では、金属層660(例えば、Ti、Al、Mo、およびAu)を形成するために使用される金属スタックは、混合して、ソースおよびドレイン電極140および145を形成する。構造体607が得られる。
【0035】
本発明の主題の範囲から逸脱することなく、ドレインおよびソース電極140および145は、合金によるオーミック接触(図示せず)を使用して形成され得る。これらの実施形態では、ソースおよびドレイン領域は形成されない場合がある。むしろ、半導体基板110へのオーミック接触は、オーミック金属の高温アニーリングによって達成される(例えば、Ti、Al、Mo、Auを使用して、金属スタック660を形成することができる)。
【0036】
図7のブロック308およびステップ700を再び参照し、一実施形態では、方法は、分離領域120を作成することを含み得る。分離領域120を形成することは、第1の誘電体層130に対してレジストマスク710を供給およびパターニングし、次にレジストマスク710に開口720を規定することを含み得る。イオン注入を使用して、ドーパント種725(例えば、酸素、窒素、ホウ素、およびヘリウムのうちの1つまたは複数)を半導体基板110に打ち込んで、高抵抗率領域122を作成することができる。一実施形態では、注入のエネルギーおよび量は、半導体基板が、分離領域120の高抵抗率領域122内で実質的に高抵抗率または半絶縁性となるように、半導体基板110の結晶構造に十分な量の損傷を生じさせるように構成され得る。他の実施形態(図示せず)では、分離領域120を形成することは、最初に、半導体基板110において半導体層のいくつかまたはすべてをエッチングすることと、次に、残りの半導体層および/またはホスト基板102の抵抗率を高めるためのイオン注入を行うことと、を含み得る。構造体701が得られる。
【0037】
次に、
図3のブロック310と312、および
図8のステップ800を参照して、一実施形態では、
図1および
図2のトランジスタデバイス100、200のゲート電極および第1のフィールドプレートを形成することは、第1の誘電体層130にゲート開口136を形成することを含み得る。一実施形態では、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160を形成することは、導電性材料の成膜およびパターニングを行い、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160を形成することを含み得る。示されている実施形態では、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160は、同じ導電性(例えば、金属)層を使用して製造され得る。他の実施形態(図示せず)では、別個の金属層および処理ステップを使用して、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160を形成してもよい。
【0038】
一実施形態に係る方法では、フォトレジストまたは電子ビームレジスト(図示せず)は、
図6Cおよびステップ604に係る上記説明と同様の方法で、レジストに開口を作成するようにパターンニングされ得る。レジスト層に作成された開口を使用して、一実施形態によれば、第1の誘電体層130がエッチングされてゲート開口136を形成してもよく、それにより上部基板表面112の一部を露出させることができる。一実施形態では、次に、ゲート金属の1つまたは複数の層をレジストの開口に対して成膜して、基板110の上部基板表面112よりも上にゲート電極150を形成し、第1の誘電体層130よりも上に第1のフィールドプレート160を形成できる。ゲート電極150および第1のフィールドプレート160を形成するためのゲート金属の成膜は、1つまたは複数の金属層および/または他の適切な材料を含む多層スタックの成膜を含み得る。ゲート電極150および第1のフィールドプレート160を形成するために使用される多層スタック内の第1の層は、Ti、Ni、Pt、Cu、パラジウム(Pd)、Cr、W、イリジウム(Ir)、ポリシリコンまたは他の適切な材料を含み得る。第1の層の厚さは約30オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約2000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間であり得るが、他の厚さの値を使用してもよい。一実施形態によれば、導電性層として機能する1つまたは複数の層を第1の層の上に成膜して、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160を形成することができる。導電性層は、Au、Ag、Al、Cu、Tiまたは他の実質的に導電性の材料を含み得る。導電性層の厚さは約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約20,000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間であり得るが、他の厚さの値を使用してもよい。任意選択で、1つまたは複数のバリア金属層は、第1の層と導電性層との間に配置されてよく、ここで、バリア金属層は、基板110および第1の誘電体層130に接触する第1の層の部分と、導電層との間のバリアとして機能する、Ni、Pt、Cu、Pd、Cr、W、Irまたは他の実質的に屈折性の材料などの材料を含み得る。バリア層の厚さは約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約10,000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間であり得るが、他の厚さの値を使用してもよい。一実施形態では、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160を形成するために使用される様々な層は、蒸着、スパッタリング、PVD、ALD、または他の適切な成膜技術によって成膜され得る。
【0039】
本発明の主題の範囲から逸脱することなく、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160を形成するために他の方法を使用できることを理解されたい。これらの他の実施形態(図示せず)を製造するための方法において、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160は、第1のレジスト層をパターニングして開口を形成することと、第1の誘電体層130をエッチングして、基板110の上部基板表面212を露出する開口を作成することと、次に、最初のレジスト層を除去することと、によって形成され得る。この実施形態では、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160を形成することは、上部基板表面112を露出させるために、第1の誘電体層130に作成された開口に対して位置合わせされた第2のレジスト層に開口をパターニングすることを含む。第2のレジスト層の開口は、第1の誘電体層122の開口よりも小さくても大きくてもよい。他の実施形態では、ゲート金属は、SiO
2、HfO
2、Al
2O
3、または同様の材料(図示せず)などのゲート誘電体よりも上に配置されてよい。一実施形態によれば、ゲート誘電体は、上部基板表面112に対して、上部基板表面112よりも上に成膜してもよい。さらに他の実施形態では、ゲート電極150および第1のフィールドプレート160は、基板110よりも上に成膜したゲート金属を使用して形成することができ、次に、フォトレジストをパターニングし、次に、ゲート金属をエッチングすることによって規定される。ゲート電極150および第1のフィールドプレート160を形成するために選択された実施形態または方法のいずれにおいても、次に、ゲート金属は、
図8に示されるゲート電極150の形成に関連して説明した方法を使用して成膜してよい。
【0040】
ここで、
図3のブロック314、
図9Aおよび
図9B、ならびにステップ900、902を参照して、
図1および
図2のトランジスタデバイス100および200を製造する方法は、一実施形態によれば、
図8の構造体801のソースおよびドレイン電極140、145、ゲート電極150、第1のフィールドプレート層、および第1の誘電体層130に対して第2の誘電体層170の成膜およびパターンニングを行うことをさらに含み得る。一実施形態では、第2の誘電体層170は、SiN、Al
2O
3、SiO
2、HfO
2、ITO、ダイヤモンド、ポリダイヤモンド、AlN、BN、SiC、またはこれらまたは他の絶縁材料の組み合わせのうちの1つを含み得る。第2の誘電体層170を形成するために使用される複数の層の総厚は、厚さが約100オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約10,000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間であり得るが、他の厚さの値が使用されてもよい。第2の誘電体層170は、LPCVD、PECVD、スパッタリング、PVD、ALD、Cat-CVD、HWCVD、ECRCVD、CVD、ICP-CVD、これらまたは他の適切な誘電体成膜技術の組み合わせを使用して成膜され得る。
【0041】
一実施形態では、第2の誘電体層170をエッチングするための追加のプロセスステップは、
図6C、ステップ604、およびに関連して説明した、第1の誘電体層130をエッチングするために使用されるものと同様であり、開口172、174、および178を作成するために使用されてよい。一実施形態では、第2の誘電体層170は、第2の誘電体層170に対してレジスト層(図示せず)を配置することと、ソースおよびドレイン電極140、145よりも上の第2の誘電体層170のうちの部分への開口を形成するようにレジスト層をパターニングすることと、によってパターニングされ得る。次に、第2の誘電体層170は、
図6Cのステップ604に関連して説明した第1の誘電体層130のエッチングと同様の技術を使用して、レジスト層の開口を通してエッチングされ得る。したがって、開口172および174は、
図9Aの構造体901に作成され、開口172、174、および178は、
図9Bの構造体903に形成される。構造体901および903が得られる。
【0042】
ここで、
図3のブロック316、
図10Aおよび
図10B、ならびにステップ1000、1002を参照して、一実施形態によれば、
図9の構造体901および903における第2の誘電体層170およびソース電極およびドレイン電極140、145の上において、
図2のデバイス200のトランジスタ構造体を製造する方法は、第2のフィールドプレート180、280およびソースおよびドレインメタライゼーション185、186を成膜およびパターニングすることをさらに含み得る。一実施形態では、第2のフィールドプレート180、280およびソースおよびドレインメタライゼーション185、186の形成およびパターニングは、レジスト層(図示せず)を塗布およびパターニングすることと、第2のフィールドプレート180、ソースおよびドレインメタライゼーション185、186を成膜することと、リフトオフ構成で、第2のフィールドプレート180、280、ソースおよびドレインメタライゼーション185、186、および他の構造(例えば、相互接続部、図示せず)の以外の覆いとなっている金属とレジスト層を除去することと、によって達成することができる。
図7のステップ700と同様に、一実施形態では、第2のフィールドプレート金属は、上記のように部分的に形成されたデバイスに塗布されるレジスト層にパターニングされた開口(図示せず)に1つまたは複数の接着および導電性金属層を成膜することによって形成される。一実施形態では、接着層を最初に成膜し、続いて導電性層を成膜してよい。一実施形態では、接着および導電性層は、同じ成膜ステップで成膜してよい。接着層は、Ti、Ni、Crまたは他の適切な接着層材料のうちの1つを含み得る。接着層の厚さは約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約2,000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間であり得るが、他の厚さの値を使用してもよい。導電性層は、Cu、Au、Al、またはAgを含み得るが、他の適切な材料が使用され得る。導電性層の厚さは約200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約40,000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間であり得るが、他の厚さの値を使用してもよい。一実施形態によれば、第2のフィールドプレート金属280を形成するために使用される接着および導電性層は、第2の誘電体層170および第1のフィールドプレート160よりも上に成膜してよく、これらと接触していてもよい。一実施形態では、接着層および導電性層は、スパッタリング、蒸着、または電気めっきによって形成されてよい。一実施形態では、レジスト層を塗布およびパターニングし、第2のフィールドプレート180、280を成膜した後、レジスト層と、レジスト層よりも上に成膜した、第2の誘電体層170、第1のフィールドプレート160に接触する第2のフィールドプレート金属の部分に含まれない金属とは、
図6Cのステップ604とともに説明した溶媒と同様の溶媒を使用して除去される。他の実施形態では、第2のフィールドプレート金属は、接着および導電性層(後に適切なドライまたはウェット化学エッチング技術によってパターニングされる)を成膜することによって形成されてよい。完成したトランジスタデバイス100、200が得られる。
【0043】
少なくとも1つの例示的な実施形態が前述の詳細な説明に提示されているが、膨大な数の変形が存在することを理解されたい。本明細書に記載の例示的な1つまたは複数の実施形態は、特許請求の範囲の主題の範囲、適用可能性、または構成を何らかの方法で制限することを意図するものではないことも理解されたい。むしろ、前述の詳細な説明は、当業者に、説明された1つまたは複数の実施形態を実施するための便利なロードマップを提供するであろう。この特許出願を提出する時点での既知の均等物および予見可能な均等物を含む、特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置に様々な変更を加えることができることを理解されたい。
【0044】
簡潔にするために、従来の半導体製造技術は、本明細書では詳細に説明されていない場合がある。加えて、特定の用語は、参照のためにのみ本明細書で使用されている場合があり、したがって、限定することを意図するものではなく、構造を指す用語「第1」、「第2」および他のそのような数値を用いた語は、文脈によって明確に示されない限り、配列または順序を意味しない。
【0045】
以上において、ともに「接続されている(connected)」または「結合されている(coupled)」要素またはノードまたはフィーチャに説明している。本明細書で使用される場合、特に明記されていない限り、「接続されている」とは、ある要素が別の要素に直接的に繋がっている(または直接通信している)ことを意味し、必ずしも機械的に繋がっていることを意味しない。同様に、特に明記されていない限り、「結合されている」とは、ある要素が別の要素に直接的または間接的に繋がっている(または直接的または間接的に通信している)ことを意味し、必ずしも機械的に繋がっていることを意味しない。したがって、図に示されている概略図は、複数の要素の1つの例示的な配置を示しているが、追加の介在要素、デバイス、フィーチャ、または構成要素は、記載した主題の実施形態に存在し得る。
【外国語明細書】