(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105310
(43)【公開日】2022-07-13
(54)【発明の名称】マルチプレクサを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20220706BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20220706BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20220706BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220706BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20220706BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
G09G3/20 623D
G09G3/20 621A
G09G3/3233
H05B33/12 B
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/14 A
G09G3/20 670J
G09G3/20 623R
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212605
(22)【出願日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0189367
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】尹炳起
(72)【発明者】
【氏名】金詳叫
(72)【発明者】
【氏名】李相帥
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC33
3K107EE59
3K107HH02
3K107HH05
5C080AA06
5C080AA07
5C080BB05
5C080DD01
5C080FF11
5C080HH09
5C080HH13
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C380AA01
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB24
5C380AB34
5C380BB01
5C380CA52
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC62
5C380CD012
5C380CF52
(57)【要約】
【課題】マルチプレクサ(MUX)で駆動される表示装置により発生しうる画像の品質を改善することができる表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態は、複数のサブピクセルを含む複数のピクセルを含む表示パネルと、サブピクセルのそれぞれに接続される複数のデータラインと、サブピクセルのそれぞれに接続される複数のゲートラインと、複数のデータラインの入力端に配置されるN個のMUXと、を含み(Nは2以上)、1H期間中に、第1MUXのターンオン期間は第NMUXのターンオン期間と異なることができる、表示装置を提供する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブピクセルを含む複数のピクセルを含む表示パネルと、
前記サブピクセルのそれぞれに接続される複数のデータラインと、
前記サブピクセルのそれぞれに接続される複数のゲートラインと、
前記複数のデータラインの入力端に配置されるN個のマルチプレクサ(MUX)と、を含み(Nは2以上)、
1H期間(1H期間とは、スキャン信号が1ゲートラインに供給される期間)中に、第1MUXのターンオン期間の長さは第NMUXのターンオン期間の長さとは異なる、表示装置。
【請求項2】
1H期間の中で最も長いターンオン期間を有するMUXは残りのMUXと比較して最も後行し、
前記最も後行するMUXのターンオン期間はスキャン信号のサンプリング期間とオーバーラップする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記最も後行するMUXのターンオン開始時点が前記スキャン信号のサンプリング開始時点よりも先行する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
第1H期間における前記第1MUXのターンオン期間の長さは第2H期間における前記第1MUXのターンオン期間の長さとは異なる、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
第1H期間における前記第NMUXのターンオン期間の長さは第2H期間における前記第NMUXのターンオン期間の長さとは異なる、請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
第1H期間における前記第1MUXのターンオン期間の長さは第2H期間における前記第NMUXのターンオン期間の長さと同一であり、
前記第1H期間における前記第NMUXのターンオン期間の長さは前記第2H期間における前記第1MUXのターンオン期間の長さと同一である、請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1MUXのターンオン期間の長さはゲートラインに応じて変更される、請求項3に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1MUXのターンオン期間の長さは1H期間によって異なり、
前記第1MUXのターンオン期間の長さはフレームによって異なる、請求項3に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第NMUXのターンオン期間の長さは1H期間によって異なり、
前記第NMUXのターンオン期間の長さはフレームによって異なる、請求項3に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第NMUXは前記第1MUX、第2MUX及び第3MUXを含み、
第1フレーム中の第1H期間における前記第1MUX、第2MUX及び第3MUXのターンオンは第1パターンを有し、
前記第1パターンにおいては前記第3MUXのターンオン期間が最も長く、
前記第3MUXのターンオン期間は前記スキャン信号のサンプリング期間とオーバーラップし、前記サンプリング期間の開始時点よりも先行する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1フレーム中の第1H期間に後行する第2H期間で、前記第1MUX、第2MUX及び第3MUXの各ターンオン期間は、前記第1パターンとは異なる第2パターンを有する、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1フレーム中の前記第2H期間に後行する第3H期間で、前記第1MUX、第2MUX及び第3MUXの各ターンオン期間は、前記第1パターン及び第2パターンとは異なる第3パターンを有する、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
第2フレームは前記第1フレームに後行し、
前記第2フレーム中の第1H期間の前記第1MUX、第2MUX及び第3MUXの各ターンオン期間の第4パターンは前記第1パターンと異なり、
前記第2フレーム中の第2H期間の前記第1MUX、第2MUX及び第3MUXの各ターンオン期間の第5パターンは前記第2パターンと異なり、
前記第2フレーム中の第3H期間の前記第1MUX、第2MUX及び第3MUXの各ターンオン期間の第6パターンは前記第3パターンと異なる、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
第3フレームは前記第2フレームに後行し、
前記第3フレーム中の第1H期間の前記第1MUX、第2MUX及び第3MUXの各ターンオン期間の第7パターンは前記第4パターンと異なり、
前記第3フレーム中の第2H期間の前記第1MUX、第2MUX及び第3MUXの各ターンオン期間の第8パターンは前記第5パターンと異なり、
前記第3フレーム中の第3H期間の前記第1MUX、第2MUX及び第3MUXの各ターンオン期間の第9パターンは前記第6パターンと異なる、請求項13に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、より具体的には、データラインに接続されたマルチプレクサ(MUX)を含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会が発展するにつれて、様々な形態の表示装置が開発されている。近年、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel、PDP)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display、OLED)などの様々な表示装置が活用されている。
【0003】
有機発光表示装置を構成する有機発光素子は、自発光型であって、別途の光源を必要としないので、表示装置の厚さと重さを減らすことができる。また、有機発光表示装置は、低消費電力、高輝度及び高反応速度などの高品位特性を示す。
【0004】
このような有機発光表示装置は、ベゼルのサイズ縮小、大画面の実現、高速駆動、発光素子の安定性などにおいて多くの研究が行われている。
【0005】
特に、有機発光素子の駆動特性により画像の品質が劣化する場合があり、品質の劣化を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施形態は、MUXで駆動される表示装置により発生しうる画像の品質を改善することができる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態による表示装置は、複数のサブピクセルを含む複数のピクセルを含む表示パネルと、サブピクセルのそれぞれに接続される複数のデータラインと、サブピクセルのそれぞれに接続される複数のゲートラインと、複数のデータラインの入力端に配置されるN個のMUXと、を含み(Nは2以上)、1H期間中に、第1MUXのターンオン期間は第NMUXのターンオン期間と異なることができる。
【0008】
表示装置は、1H期間の中で最も長いターンオン期間を有するMUXが残りのMUXと比較して最も後行し、この最も後行するMUXのターンオン期間はスキャン信号のサンプリング期間とオーバーラップすることができる。
【0009】
表示装置は、最も後行するMUXのターンオン開始時点が前記スキャン信号のサンプリング開始時点よりも先行することができる。
【0010】
表示装置は、第1MUXの第1Hターンオン期間が第2Hターンオン期間と異なることができる。
【0011】
表示装置は、第NMUXの第1Hターンオン期間が第2Hターンオン期間と異なることができる。
【0012】
表示装置は、第1Hにおける第1MUXのターンオン期間が第2Hにおける第NMUXのターンオン期間と同一であり、第1Hにおける第NMUXのターンオン期間は第2Hにおける第1MUXのターンオン期間と同一であることができる。
【0013】
表示装置は、第1MUXのターンオン期間がゲートラインに応じて変更できる。
【0014】
表示装置は、第1MUXのターンオン期間が1H期間によって異なり、第1MUXのターンオン期間はフレームによって異なることができる。
【0015】
表示装置は、第NMUXのターンオン期間が1H期間によって異なり、第NMUXのターンオン期間はフレームによって異なることができる。
表示装置は、第NMUXが第1MUX、第2MUX及び第3MUXを含み、第1フレーム中の第1H期間において、第1MUX、第2MUX及び第3MUXのターンオンが第1パターンを有し、第1フレーム中の第1パターンは第3MUXのターンオン期間が最も長く、第3MUXのターンオン期間はスキャン信号のサンプリング期間とオーバーラップするが、第3MUXのターンオン開始時点はスキャン信号のサンプリング期間の開始時点よりも先行することができる。
【0016】
表示装置は、第1フレーム中の第1H期間に後行する第2H期間で、第1MUX、第2MUX及び第3MUXのターンオンが、第1パターンとは異なる第2パターンを有することができる。
【0017】
表示装置は、第1フレーム中の第2H期間に後行する第3H期間で、第1MUX、第2MUX及び第3MUXのターンオンが、第1パターン及び第2パターンとは異なる第3パターンを有することができる。
【0018】
表示装置は、第2フレームが第1フレームに後行し、第2フレーム中の第1H期間の第4パターンは第1パターンと異なり、第2フレーム中の第2H期間の第5パターンは第2パターンと異なり、第2フレーム中の第3H期間の第6パターンは第3パターンと異なることができる。
【0019】
表示装置は、第3フレームが第2フレームに後行し、第3フレーム中の第1H期間の第7パターンは第4パターンと異なり、第3フレーム中の第2H期間の第8パターンは第5パターンと異なり、第3フレーム中の第3H期間の第9パターンは第6パターンと異なることができる。
【発明の効果】
【0020】
実施形態による表示装置は、MUXの駆動により発生しうる画像の品質を改善することができる表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態による表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示されたピクセルの一実施形態を示す回路図である。
【
図3】
図1に示された表示パネルの概略斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるMUXの駆動を説明するための図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるMUXとスキャン信号の駆動を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるMUXの駆動によるピクセルの信号充電を説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるMUXの駆動によるピクセルの発光を説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるMUXとスキャン信号の駆動を説明するための図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるMUXの駆動によるピクセルの発光を説明するための図である。
【
図12】本発明の一実施形態によるMUXとスキャン信号の駆動を説明するための図である。
【
図13】本発明の一実施形態によるMUXの駆動によるピクセルの発光を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して実施形態を説明する。本明細書において、ある構成要素(又は領域、層、部分など)が他の構成要素の「上にある」、「接続される」、又は「結合される」と記載される場合、それは他の構成要素の上に直接接続/結合されることも、それらの間に第3構成要素が介在することもあることを意味する。
【0023】
同じ図面符号は同じ構成要素を指す。また、図面において、構成要素の厚さ、割合及び寸法は、技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。「及び/又は」は、関連する構成が定義することができる一つ以上の組み合わせを全て含む。
【0024】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するために使用できるが、これらの構成要素は、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、一つの構造要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、本実施形態の権利範囲を逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を有しない限り、複数の表現を含む。
【0025】
「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示された構成の連関関係を説明するために使用される。これらの用語は、相対的な概念であって、図面に表示された方向を基準に説明される。
【0026】
「含む」又は「有する」などの用語は、本明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定するためのものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0027】
図1は一実施形態による表示装置の構成を示すブロック図である。
【0028】
図1を参照すると、表示装置1は、タイミング制御部10、ゲート駆動部20、データ駆動部30、電源供給部40及び表示パネル50を含む。
【0029】
タイミング制御部10は、外部から映像信号RGB及び制御信号CSを受信することができる。映像信号RGBは複数の階調データを含むことができる。制御信号CSは例えば水平同期信号、垂直同期信号、及びメインクロック信号を含むことができる。
【0030】
タイミング制御部10は、映像信号RGB及び制御信号CSを表示パネル50の動作条件に適合するように処理して、映像データDATA、ゲート駆動制御信号CONT1、データ駆動制御信号CONT2及び電源供給制御信号CONT3を生成及び出力することができる。
【0031】
ゲート駆動部20は、複数のゲートラインGL1~GLnを介して表示パネル50のピクセルPXに接続されることができる。ゲート駆動部20は、タイミング制御部10から出力されるゲート駆動制御信号CONT1に基づいて、ゲート信号を生成することができる。ゲート駆動部20は、生成されたゲート信号を複数のゲートラインGL1~GLnを介してピクセルPXに提供することができる。
【0032】
データ駆動部30は、複数のデータラインDL1~DLmを介して表示パネル50のピクセルPXに接続されることができる。データ駆動部30は、タイミング制御部10から出力される映像データDATA及びデータ駆動制御信号CONT2に基づいて、データ信号を生成することができる。データ駆動部30は、生成されたデータ信号を複数のデータラインDL1~DLmを介してピクセルPXに提供することができる。
【0033】
様々な実施形態において、データ駆動部30は、複数のセンシングライン(又はリファレンスライン)SL1~SLmを介して表示パネル50のピクセルPXにさらに接続されることができる。データ駆動部30は、複数のセンシングラインSL1~SLmを介して基準電圧(又はセンシング電圧、初期化電圧)をピクセルPXに提供するか、或いはピクセルPXからフィードバックされる電気信号に基づいてピクセルPXの状態をセンシングすることができる。
【0034】
電源供給部40は、複数の電源ラインPL1、PL2を介して表示パネル50のピクセルPXに接続されることができる。電源供給部40は、電源供給制御信号CONT3に基づいて、表示パネル50に提供される駆動電圧を生成することができる。駆動電圧は、例えば、高電位駆動電圧ELVDD及び低電位駆動電圧ELVSSを含むことができる。電源供給部40は、生成された駆動電圧ELVDD、ELVSSを対応する電源ラインPL1、PL2を介してピクセルPXに提供することができる。
【0035】
表示パネル50には、複数のピクセルPX(又はサブピクセルと命名される)が配置される。ピクセルPXは、例えば、表示パネル50上にマトリクス状に配列されることができる。
【0036】
それぞれのピクセルPXは、対応するゲートライン及びデータラインに電気的に接続されることができる。これらのピクセルPXは、ゲートラインGL1~GLn及びデータラインDL1~DLmを介して供給されるゲート信号及びデータ信号に対応する輝度で発光することができる。
【0037】
それぞれのピクセルPXは、第1~第3色のうちのいずれか一つの色を表示することができる。一実施形態において、それぞれのピクセルPXは、赤、緑及び青のうちのいずれか一つの色を表示することができる。他の実施形態において、それぞれのピクセルPXは、シアン、マゼンタ及びイエローのうちのいずれか一つの色を表示することができる。様々な実施形態において、ピクセルPXは、4つ以上の色のうちのいずれか一つを表示するように構成できる。例えば、それぞれのピクセルPXは、赤、緑、青及び白のうちのいずれか一つの色を表示することもできる。
【0038】
タイミング制御部10、ゲート駆動部20、データ駆動部30及び電源供給部40は、それぞれ別個の集積回路(integrated Circuit、IC)で構成されるか、或いは少なくとも一部が統合された集積回路で構成されることができる。例えば、データ駆動部30及び電源供給部40のうちの少なくとも一つが、タイミング制御部10と統合化された集積回路で構成されることができる。
【0039】
また、
図1では、ゲート駆動部20とデータ駆動部30が表示パネル50とは別個の構成要素として示されるが、ゲート駆動部20及びデータ駆動部30のうちの少なくとも一つは、表示パネル50と一体に形成されるインパネル(In Panel)方式で構成されることができる。例えば、ゲート駆動部20は、ゲートインパネル(Gate In Panel、GIP)方式に応じて表示パネル50と一体に形成されることができる。
【0040】
ここで、表示装置1は、複数のデータラインDL1~DLmの入力端に配置されるMUXを含むことができる。MUXは、スイッチングトランジスタを用いて実現でき、MUXがターンオンされると、データ駆動に必要な信号(基準電圧)がデータラインDL1~DLmへ出力され、MUXがターンオフされると、このような信号はデータラインDL1~DLmへ出力されないことができる。このようなMUXについての説明は、
図4を参照して後述する。
【0041】
図2は
図1に示されたピクセルの一実施形態を示す回路図である。
図2はi番目のゲートラインGLiとj番目のデータラインDLjに接続されるピクセルPXijを例として示す。
【0042】
図2を参照すると、ピクセルPXijは、スイッチングトランジスタST、駆動トランジスタDT、ストレージキャパシタCst及び発光素子LDを含む。
【0043】
スイッチングトランジスタSTの第1電極(例えば、ソース電極)は、j番目のデータラインDLjと電気的に接続され、第2電極(例えば、ドレイン電極)は、第1ノードN1と電気的に接続される。スイッチングトランジスタSTのゲート電極は、i番目のゲートラインGLiと電気的に接続される。スイッチングトランジスタSTは、i番目のゲートラインGLiにゲートオンレベルのゲート信号が印加されるときにターンオンされ、j番目のデータラインDLjに印加されるデータ信号を第1ノードN1へ伝達する。
【0044】
ストレージキャパシタCstの第1電極は、第1ノードN1と電気的に接続され、第2電極は、高電位駆動電圧ELVDDの提供を受けるように構成されることができる。ストレージキャパシタCstは、第1ノードN1に印加される電圧と高電位駆動電圧ELVDDとの差に対応する電圧を充電することができる。
【0045】
駆動トランジスタDTの第1電極(例えば、ソース電極)は高電位駆動電圧ELVDDの提供を受けるように構成され、第2電極(例えば、ドレイン電極)は発光素子LDの第1電極(例えば、アノード電極)に電気的に接続される。駆動トランジスタDTのゲート電極は第1ノードN1に電気的に接続される。駆動トランジスタDTは、第1ノードN1を介してゲートオンレベルの電圧が印加されるときにターンオンされ、ゲート電極に供給される電圧に対応して、発光素子LDを流れる駆動電流の量を制御することができる。
【0046】
発光素子LDは、駆動電流に対応する光を出力する。発光素子LDは、赤、緑、青及び白のうちのいずれか一つの色に対応する光を出力することができる。発光素子LDは、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)、又はマイクロ乃至ナノスケールの範囲の大きさを有する超小型無機発光ダイオードであり得るが、本実施形態は、これに限定されない。以下では、発光素子LDが有機発光ダイオードで構成される実施形態を参照して、本実施形態の技術的思想を説明する。
【0047】
本実施形態におけるピクセルPXijの構造は、
図2に示されたものに限定されない。実施形態によって、ピクセルPXijは、駆動トランジスタDTのしきい値電圧を補償するか、或いは駆動トランジスタDTのゲート電極の電圧及び/又は発光素子LDのアノード電極の電圧を初期化するための少なくとも一つの素子をさらに含むことができる。
【0048】
図2では、スイッチングトランジスタST及び駆動トランジスタDTがNMOSトランジスタである例が示されているが、本実施形態は、これに限定されない。例えば、それぞれのピクセルPXijを構成するトランジスタのうちの少なくとも一部又は全部は、PMOSトランジスタで構成されることができる。様々な実施形態において、スイッチングトランジスタST及び駆動トランジスタDTのそれぞれは、低温ポリシリコン(Low Temperature Poly Silicon、LTPS)薄膜トランジスタ、酸化物薄膜トランジスタ又は低温ポリオキシド(Low Temperature Polycrystalline Oxide、LTPO)薄膜トランジスタで実現できる。
【0049】
図3は
図1に示された表示パネルの概略斜視図である。
【0050】
図3を
図1及び
図2と結び付けて、表示装置1の構成要素をより具体的に説明する。
表示装置1は様々な形態で実現できる。例えば、表示装置1は長方形の板状に実現できる。しかし、本実施形態は、これに限定されず、表示装置1は、正方形、円形、楕円形、多角形などの様々な形状を有することができ、角部の一部が曲面からなるか或いは少なくとも一領域の厚さが変わる形状を有することができる。また、表示装置1は、全体又は一部が可撓性(flexibility)を有することができる。
【0051】
表示パネル50は、表示領域DA及び非表示領域NDAを含む。表示領域DAは、ピクセルPXが配置される領域であって、活性領域と命名できる。非表示領域NDAは、表示領域DAの周辺に配置されることができる。例えば、非表示領域NDAは、表示領域DAの縁部に沿って配置されることができる。非表示領域NDAは、表示パネル50上で表示領域DAを除いた残りの領域を包括的に意味することができ、非活性領域と命名できる。
【0052】
非表示領域NDAには、ピクセルPXを駆動するための駆動部であって、例えばゲート駆動部20が設けられることができる。ゲート駆動部20は、非表示領域NDAにおいて、表示領域DAの一側又は両側に隣接して配置されることができる。ゲート駆動部20は、
図3に示すように、表示パネル50の非表示領域NDAにゲートインパネル方式で形成されることができる。しかし、他の実施形態において、ゲート駆動部20は、駆動チップで製作されて軟性フィルムなどに実装され、TAB(Tape Automated Bonding)方式で非表示領域NDAに付着できる。
【0053】
非表示領域NDAには複数のパッド(図示せず)が設けられることができる。パッドは、絶縁層で覆われずに表示パネル50の外部に露出され、後述するデータ駆動部30及び回路ボード70などと電気的に接続されることができる。
【0054】
表示パネル50は、ピクセルPXに電気信号を供給するための配線を含むことができる。配線は、例えば、ゲートラインGL1~GLn、データラインDL1~DLm及び電源ラインPL1、PL2を含むことができる。
【0055】
電源ラインPL1、PL2は、接続されたパッドを介して電源供給部40(又はタイミング制御部10)と電気的に接続され、電源供給部40(又はタイミング制御部10)から供給される高電位駆動電源ELVDD及び低電位駆動電源ELVSSをピクセルPXに提供することができる。
【0056】
軟性フィルム60は、一端が表示パネル50のパッド領域PAに付着し、他端が回路ボード70に付着することで、表示パネル50と回路ボード70とを電気的に接続することができる。軟性フィルム60は、パッド領域PAに形成されたパッドと回路ボード70の配線とを電気的に接続するための複数の配線を含むことができる。一実施形態において、軟性フィルム60は、異方性導電フィルム(antisotropic conducting film、ACF)を介してパッド上に付着できる。
【0057】
データ駆動部30が駆動チップで製作される場合、データ駆動部30は、COF(Chip On Film)又はCOP(Chip On Plastic)方式で軟性フィルム60に実装されることができる。データ駆動部30は、タイミング制御部10から受信される映像データDATA及びデータ駆動制御信号CONT2に基づいてデータ信号を生成し、接続されたパッドを介してデータラインDL1~DLmへ出力することができる。
【0058】
回路ボード70には、駆動チップで実現された多数の回路が実装できる。回路ボード70は、プリント回路ボード(printed circuit board)又はフレキシブルプリント回路ボード(flexible printed circuit board)であり得るが、回路ボード70の種類はこれに限定されない。
【0059】
回路ボード70は、集積回路の形態で実装されたタイミング制御部10及び電源供給部40を含むことができる。
図3では、タイミング制御部10と電源供給部40とが別個の構成要素であることが示されているが、本実施形態はこれに限定されない。すなわち、様々な実施形態において、電源供給部40は、タイミング制御部10と一体に形成されるか、或いはタイミング制御部10が電源供給部40の機能を行うように構成されることができる。
【0060】
図4は本発明の一実施形態によるMUXの駆動を説明するための図である。
【0061】
具体的な説明に先立ち、本明細書では、説明の一貫性と理解の便宜のために、MUXは、3MUX(MUX1~MUX3)であると説明する。しかし、本発明の技術的思想は、MUXの数によって制限されるものではないことが理解されるべきである。他の数のMUX(2MUX又は4MUXなど)の場合でも、本実施形態は同一又は均等に適用できる。
【0062】
図4を参照すると、複数のピクセルPXが図示され、それぞれのピクセルはサブピクセルSPXを含む。例示的に、1つのピクセルPXは3つのサブピクセルSPXを含むことが示されている。
【0063】
それぞれのサブピクセルSPXは、データラインDL1~DL9に接続されることができる。例示的に、9つのサブピクセルSPXが説明され、右側にさらに多くの数のサブピクセルSPXとピクセルPXが配置されることができる。
【0064】
サブピクセルSPXのそれぞれは、ゲートラインGL1~GL3に接続されることができる。例示的に、3つのゲートラインGL1~GL3が説明され、下側にさらに多くの数のゲートラインGLが配置されることができる。
【0065】
データラインDL1~DL9の入力端には複数のスイッチSWが配置されている。これらのスイッチSWがターンオンされる場合、データラインに信号(電圧)が出力され、スイッチSWがターンオフされる場合、データラインDL1~DL9へ信号が出力されないことができる。
【0066】
これらのスイッチは、3つのMUXライン(MUX1、MUX2、MUX3)によって制御されることができる。3つのMUXライン(MUX1、MUX2、MUX3)によって制御されるので、3MUX構造と呼ぶことができる。MUXラインによって制御されるので、MUXとMUXラインは、互いに同じ意味で使用できる。
【0067】
具体的には、第1MUX(MUX1)がターンオンされると、DL1~DL3に接続されたサブピクセル又はピクセルPX11、PX21、PX31へ信号が出力されることができる。例えば、第1MUX(MUX1)がターンオンされる間に第1ゲートラインGL1を介してスキャン信号Scanが供給されると、ピクセルPX11が駆動されることができる。
【0068】
また、第2MUX(MUX2)がターンオンされると、DL4~DL6に接続されたサブピクセク又はピクセルPX12、PX22、PX32へ信号が出力されることができる。例えば、第2MUX(MUX2)がターンオンされる間に第1ゲートラインGL1を介してスキャン信号が供給されると、ピクセルPX12が駆動されることができる。
【0069】
また、第3MUX(MUX3)がターンオンされると、DL7~DL9に接続されたサブピクセル又はピクセルPX13、PX23、PX33へ信号が出力されることができる。例えば、第3MUX(MUX3)がターンオンされる間に第1ゲートラインGL1を介してスキャン信号が供給されると、ピクセルPX13が駆動されることができる。
【0070】
このように、1つのゲートライン(例えば、GL1)を介してスキャン信号が供給される期間を1H期間又は1水平期間と呼ぶことができる。このような1H期間は、ゲートラインに応じて順次供給される。例えば、スキャン信号は、GL1に供給され、後続してGL2に供給され、後続してGL3に供給され、以後のゲートラインにも順次供給される。
【0071】
図5は本発明の一実施形態によるMUXとスキャン信号の駆動を説明するための図である。
【0072】
図6は本発明の一実施形態によるMUXの駆動によるピクセルの信号充電を説明するための図である。
【0073】
図7及び
図8は本発明の一実施形態によるMUXの駆動によるピクセルの発光を説明するための図である。
【0074】
次に、
図5~
図8を一緒に参照して一実施形態を説明する。
【0075】
図5を参照すると、3つの1H期間が示されている。上述したように、1H期間は、いずれか一つのゲートラインに接続されたピクセルが駆動(発光)する期間を指し示す。
図5の例示では、k-1番目のゲートラインが駆動する1H、後続してk番目のゲートラインが駆動する1H、k+1番目のゲートラインが駆動する1Hが示されている。
【0076】
参考として、1フレーム(1 frame)は、表示パネルに配置されたピクセル全体が駆動する期間を指し示す。例えば、mゲートライン及びnデータラインを含む表示パネルの場合、mとnの積に該当する数の全体ピクセルが駆動する期間である。また、1H期間中には、第1MUX、第2MUX、第3MUXがターンオンされる期間(ターンオン期間)が存在するので、1フレームの間には、第1MUX、第2MUX、第3MUXのそれぞれはm回ターンオンされる。
【0077】
再び
図5を参照すると、k番目のゲートラインの1Hを基準として初期化期間1、第1MUXターンオン期間2、第2MUXターンオン期間3、第3MUXターンオン期間4及びサンプリング期間5が表示される。本発明によるMUX信号とスキャン信号はN型(N-type)であることが示されるので、その電位レベルがローレベルであるときにターンオンされ、その電位レベルがハイレベルであるときにターンオフされるものと理解されるべきである。
【0078】
初期化期間1は、k番目のゲートラインに配置されたピクセルを初期化させる期間であり、以前のゲートラインGLk-1のサンプリング期間であり得る。
【0079】
第1MUXターンオン期間2は、第1MUX(MUX1)がターンオンされる期間である。例えば、
図7を参照すると、ピクセルPX11、PX21、PX31に駆動信号が供給されることができる。
【0080】
第2MUXターンオン期間3は、第2MUX(MUX2)がターンオンされる期間である。例えば、
図7を参照すると、ピクセルPX12、PX22、PX32に駆動信号が供給されることができる。
【0081】
第3MUXターンオン期間4は、第3MUX(MUX3)がターンオンされる期間である。例えば、
図7を参照すると、ピクセルPX13、PX23、PX33に駆動信号が供給されることができる。
【0082】
サンプリング期間5は、該当するゲートラインGLkにスキャン信号Scan nがターンオンされる期間である。スキャン信号Scan nがゲートラインGlkに入力されたので、当該ゲートラインに接続されたピクセルは駆動(発光)することができる。
【0083】
ここで、1H期間中に、第1MUX(MUX1)のターンオン期間は第3MUX(MUX3)のターンオン期間と異なることができる。また、第1MUX(MUX1)のターンオン期間は、第2MUX(MUX2)のターンオン期間と同一であることができる。本発明の技術的思想は、複数のMUX信号が互いに異なることができるということである。すなわち、第1MUXのターンオン期間が最も長く、第2MUXのターンオン期間と第3MUXのターンオン期間とが同一であってもよい。
【0084】
一方、本発明によれば、第3MUXのターンオン期間は、サンプリング期間とオーバーラップすることができる。
図5の例示では、第3MUXターンオン期間4がサンプリング期間5とオーバーラップするものと説明する。ここで、第3MUXのターンオンの開始時点は、サンプリング信号の開始時点よりも先行しなければならない。サンプリング信号が先に開始すると、発光が始まった後に、第3MUXに接続されたピクセルの充電が始まるため、発光の効率が低くなるからである。
【0085】
図6を参照すると、初期化区間(1)、第1MUXターンオン期間(2)、第2MUXターンオン期間(3)、第3MUXターンオン期間(4)及びサンプリング期間(5)が示されており、それぞれの期間に応じてピクセルPX1、PX2、PX3に充電される発光駆動電圧が示されている。
【0086】
図6におけるピクセルPX1は、第1MUX(MUX1)によって駆動されるピクセルであり得る。例えば、
図7においては、ピクセルPX11、PX21、PX31であり得る。
【0087】
ピクセルPX2は、第2MUX(MUX2)によって駆動されるピクセルであり得る。例えば、
図7においては、ピクセルPX12、PX22、PX32であり得る。
【0088】
ピクセルPX3は、第3MUX(MUX3)によって駆動されるピクセルであり得る。例えば、
図7においては、ピクセルPX13、PX23、PX33であり得る。
【0089】
図6におけるグラフは、1Hに対して描かれていることが理解されるべきである。よって、1Hは、
図7における第1ゲートラインGL1に対する水平周期であると仮定して、
図6のグラフによって発光するピクセルは、
図7のPX11、PX12、PX13であると敷衍説明する。
【0090】
再び
図6に戻ると、初期化区間1の間にピクセルPX1、PX2、PX3の発光駆動電圧は初期化される。
【0091】
第1MUXターンオン期間2で第1MUX(MUX1)がターンオンされると、ピクセルPX1の駆動電圧が上昇した後、予め設定された電圧で飽和される。
図7を参照すると、ピクセルPX11が充電できる。
【0092】
第2MUXターンオン期間3で第2MUX(MUX2)がターンオンされると、ピクセルPX2の駆動電圧が上昇した後、予め設定された電圧で飽和する。
図7を参照すると、ピクセルPX12が充電できる。
【0093】
第3MUXターンオン期間4で第3MUX(MUX3)がターンオンされると、ピクセルPX3の駆動電圧が上昇した後、予め設定された電圧で飽和される。
図7を参照すると、ピクセルPX13が充電できる。
【0094】
図6に示すように、第3MUXターンオン期間4はサンプリング期間5とオーバーラップすることができる。また、第3MUXターンオン期間4はサンプリング期間5よりも先に開始することができる。
【0095】
サンプリング期間5によってスキャン信号Scanがゲートライン(例えば、
図7におけるGL1)に供給されると、ピクセルPX1、PX2、PX3が発光することができる。サンプリング期間5中に、MUX信号がターンオフされたピクセルPX1、PX2は、その充電電圧がブーストされるが、サンプリング期間5とMUXターンオン期間とがオーバーラップするピクセルPX3は、その充電電圧がブーストされないことができる。これにより、ピクセルPX1、PX2は、その発光輝度が高いのに対し、ピクセルPX3は、その発光輝度が相対的に低いことができ、その発光輝度の低下は、充電電圧の差dによるものであり得る。
【0096】
図7を参照すると、第1H期間GL1中に、第1MUX(MUX1)及び第2MUX(MUX2)に接続されたピクセルPX11及びPX12は、発光輝度が高いのに対し、第3MUX(MUX3)に接続されたピクセルPX13は、発光輝度が相対的に低いことができる。第2H期間GL2中に、第1MUX(MUX1)及び第2MUX(MUX2)に接続されたピクセルPX21及びPX22は、発光輝度が高いのに対し、第3MUX(MUX3)に接続されたピクセルPX23は、発光輝度が相対的に低いことができる。また、第3H期間GL3中に、第1MUX(MUX1)及び第2MUX(MUX2)に接続されたピクセルPX31及びPX32は、発光輝度が高いのに対し、第3MUX(MUX3)に接続されたピクセルPX33は、発光輝度が相対的に低いことができる。
【0097】
したがって、
図8を参照すると、横方向に3N番目(Nは、0を含む自然数)のピクセルは、輝度が低いことができ、表示パネル全体から見ると、縦のブラックラインが視認できる。
【0098】
図9は本発明の一実施形態によるMUXとスキャン信号の駆動を説明するための図である。
【0099】
図10及び
図11は本発明の一実施形態によるMUXの駆動によるピクセルの発光を説明するための図である。
【0100】
図9乃至
図11を一緒に参照して一実施形態を説明する。
【0101】
図9を参照すると、3つの1H期間が示されている。上述したように、1H期間は、いずれか一つのゲートラインに接続されたピクセルが駆動(発光)する期間を意味する。
図9の例示では、1番目のゲートラインが駆動する第1H(1st H)、続いて2番目のゲートラインが駆動する第2H(2nd H)、続いて3番目のゲートラインが駆動する第3H(3rd H)が示されている。しかし、これは、説明と理解の便宜のために例示したものであると理解されるべきである。第1Hは、必ずしも1番目のゲートラインを意味するのではなく、任意の3つのラインのうちの1番目のゲートラインとして理解されるべきである。また、重複説明を避けるために、
図5を参照した説明での初期化期間1は意図的に省略したことが理解されるべきである。
【0102】
再び
図9を参照すると、第1Hの間、第1MUXターンオン期間(2-1)、第2MUXターンオン期間(3-1)、第3MUXターンオン期間(4-1)及びサンプリング期間(5-1)が表示される。本発明によれば、第1MUXターンオン期間(2-1)及び第2MUXターンオン期間(3-1)と比較して、第3MUXターンオン期間(4-1)がさらに長いことができる。また、第3MUXターンオン期間(4-1)はサンプリング期間(5-1)とオーバーラップすることができるが、第3MUXターンオン期間(4-1)の開始時点はサンプリング期間(5-1)よりもさらに早いことができる。
【0103】
また、第2Hの間、第3MUXターンオン期間(4-2)、第2MUXターンオン期間(3-2)、第1MUXターンオン期間(2-2)及びサンプリング期間(5-2)が順次表示される。本発明によれば、第1MUXターンオン期間(2-2)は、第2MUXターンオン期間(3-2)及び第3MUXターンオン期間(4-2)と比較してさらに長いことができる。さらに、第1MUXターンオン期間(2-2)はサンプリング期間(5-2)とオーバーラップすることができるが、第1MUXターンオン期間(2-2)の開始時点はサンプリング期間(5-2)よりもさらに早いことができる。
【0104】
また、第3Hの間、第1MUXターンオン期間(2-3)、第3MUXターンオン期間(4-3)、第2MUXターンオン期間(3-3)及びサンプリング期間(5-3)が順次表示される。本発明によれば、第1MUXターンオン期間(2-3)及び第3MUXターンオン期間(4-3)と比較して、第2MUXターンオン期間(3-3)はさらに長いことができる。さらに、第2MUXターンオン期間(3-3)はサンプリング期間(5-3)とオーバーラップすることができるが、第2MUXターンオン期間(3-3)の開始時点はサンプリング期間(5-3)よりもさらに早いことができる。
【0105】
ここで、NMUXを基準に再び説明すると、第1MUXの第1Hターンオン期間は第2Hターンオン期間と異なることができる。また、第NMUX(N=3であれば、第3MUX)の第1Hターンオン期間は第2Hターンオン期間と異なることができる。さらに、第1Hにおける第1MUXのターンオン期間は、第2Hにおける第NMUXのターンオン期間と同一であり得る。また、第1Hにおける第NMUXのターンオン期間は、第2Hにおける第1MUXのターンオン期間と同一であり得る。
【0106】
すなわち、第1MUXのターンオン期間は1H期間によって異なることができる。
図9の例示において、第1MUX(MUX1)の第1Hにおけるターンオン期間(2-1)は、第2Hにおけるターンオン期間(2-2)と異なることができる。同様に、第NMUXのターンオン期間は1H期間によって異なることもできる。その結果、任意のMUXのターンオン期間は、ゲートラインごとに変更できる。
【0107】
また、1H期間の中で最も長いターンオン期間を有するMUXのターンオン期間は、最も後行することができる。例えば、
図9の第1Hの中で最も長いターンオン期間を有するMUXは、第3MUX(MUX3)であって、1Hの中で残りのMUXと比較して最も後行する。したがって、最も長いターンオン期間を有するMUXのターンオン期間がサンプリング期間とオーバーラップすることができる。ただし、MUX(MUX3)のターンオン期間の開始はサンプリング期間より先行しなければならない。
【0108】
他の例を挙げて、
図9の第3Hの中で最も長いターンオン期間を有するMUXは、第2MUX(MUX2)であって、第3Hの中で残りのMUXと比較して最も後行する。よって、最も長いターンオン期間を有するMUXのターンオン期間がサンプリング期間とオーバーラップすることができる。ただし、MUX(MUX2)のターンオン期間の開始はサンプリング期間よりも先行しなければならない。
【0109】
すなわち、1H期間の中で最も長いターンオン期間を有するMUXは、残りのMUXと比較して最も後行するように制御されなければならず、これにより、最も長いターンオン期間を有するMUXがサンプリング期間とオーバーラップすることができる。
【0110】
また、
図12及び
図13を参照して後述するように、第1MUX又は第NMUXのターンオン期間はフレームによっても異なることができる。すなわち、フレームによってMUXのターンオン期間が変更できる。さらに具体的な説明は、
図12及び
図13を参照して後述する。
【0111】
再び
図10を参照して説明すると、第1H期間GL1中に、第1MUX(MUX1)及び第2MUX(MUX2)に接続されたピクセルPX11及びPX12は、発光輝度が高いのに対し、第3MUX(MUX3)に接続されたピクセルPX13は、発光輝度が相対的に低いことができる。第2H期間GL2中に、第2MUX(MUX2)及び第3MUX(MUX3)に接続されたピクセルPX22及びPX23は、発光輝度が高いのに対し、第1MUX(MUX1)に接続されたピクセルPX21は、発光輝度が相対的に低いことができる。また、第3H期間GL3中に、第1MUX(MUX1)及び第3MUX(MUX3)に接続されたピクセルPX31及びPX33は、発光輝度が高いのに対し、第2MUX(MUX2)に接続されたピクセルPX32は、発光輝度が相対的に低いことができる。
【0112】
したがって、
図11を参照すると、縦ライン(データライン)を基準として連続的に輝度の低いピクセルが現れない。よって、表示パネル全体から見ると、縦のブラックラインが視認される問題が解決できる。すなわち、本発明によるNMUXの駆動により発生する輝度減少ピクセルは、画面全体に分散することにより、視認性不良を解決することができる。
【0113】
図12は本発明の一実施形態によるMUXとスキャン信号の駆動を説明するための図である。
【0114】
図13は本発明の一実施形態によるMUXの駆動によるピクセルの発光を説明するための図である。
【0115】
【0116】
図12を参照すると、3つのフレーム(1st frame、2nd frame、3rd frame)のそれぞれに対する3つの1H期間が示されている。前述したように、1つのフレームは、フレームレートに応じて1秒に複数個が含まれることができる。例えば、120Hz駆動の場合、1秒あたり120個のフレームが含まれることができる。よって、本実施形態において、3つのフレームは、全体フレームのうち、任意の連続した3つのフレームを指すものと理解されるべきであり、必ずしも1番目、2番目、3番目のフレームを意味するのではないことが理解されるべきである。また、上述したように、1H期間は、いずれか一つのゲートラインに接続されたピクセルが駆動(発光)する期間を意味する。
図12の例示では、1番目のゲートラインが駆動する第1H(1st H)、続いて2番目のゲートラインが駆動する第2H(2nd H)、続いて3番目のゲートラインが駆動する第3H(3rd H)が示されている。しかし、これは、説明と理解の便宜のために例示したものであると理解されるべきである。第1Hは、必ずしも1番目のゲートラインを意味するのではなく、任意の3つのラインのうちの1番目のゲートラインとして理解されるべきである。また、重複説明を避けるために、
図5を参照した説明における初期化期間1は意図的に省略したことが理解されるべきである。
【0117】
再び
図12を参照すると、第1フレーム(1st frame)における、第1H中のMUX(MUX1、MUX2、MUX3)のターンオン期間の第1パターン(Pattern 1)が示されており、第2H中のMUX(MUX1、MUX2、MUX3)のターンオン期間の第2パターン(Pattern 2)が示されており、第3H中のMUX(MUX1、MUX2、MUX3)のターンオン期間の第3パターン(Pattern 3)が示されている。第1パターン、第2パターン及び第3パターンは、
図9を参照して説明したとおりである。
【0118】
第2フレーム(2nd frame)における、第1H中のMUX(MUX1、MUX2、MU3)のターンオン期間の第3パターン(Pattern 3)が示されており、第2H中のMUX(MUX1、MUX2、MUX3)のターンオン期間の第1パターン(Pattern 1)が示されており、第3H中のMUX(MUX1、MUX2、MUX3)のターンオン期間の第2パターン(Pattern 2)が示されている。
【0119】
第3フレーム(3nd frame)における、第1H中のMUX(MUX1、MUX2、MU3)のターンオン期間の第2パターン(Pattern 2)が示されており、第2H中のMUX(MUX1、MUX2、MUX3)のターンオン期間の第3パターン(Pattern 3)が示されており、第3H中のMUX(MUX1、MUX2、MUX3)のターンオン期間の第1パターン(Pattern 1)が示されている。
ここで、第NMUXを基準として説明すると、以下の通りである。Nが3であると仮定すると、第NMUXは、第1MUX、第2MUX及び第3MUXを含む。第1フレーム中の第1H期間では、第1パターンを有し、第1パターンは、第3MUXのターンオン期間が第1MUX及び第2MUXのターンオン期間と異なる。例えば、第3MUXのターンオン期間が相対的にさらに長いことができる。第3MUXのターンオン開始時点がサンプリング信号の開始時点よりも先行しなければならないのは、上述したのと同じである。すなわち、3つのMUXのうちいずれか一つのMUXのターンオン期間が最も長いことができ、最も長いMUXのターンオン期間が最も後行することができる。また、最も長いターンオン期間を有するMUXのターンオン期間はサンプリング期間とオーバーラップすることができ、このとき、MUXのターンオン期間の開始時点はサンプリング期間の開始時点よりも先行することができる。
【0120】
また、第1フレーム中の第1H期間に後行する第2H期間で、第1パターンとは異なる第2パターンを有する。また、第2H期間に後行する第3H期間で、第1パターン、第2パターン及び第3パターンを有する。
【0121】
一方、第1フレームに後行する第2フレーム中の第1H期間で第3パターンを有することができる。すなわち、第1フレームの第1Hにおけるパターンと第2フレームの第1Hにおけるパターンとは互いに異なる。第2フレーム中の第1H期間におけるパターンを第4パターンとすると、第4パターンは第1パターンとは異なることができる。
【0122】
第2フレーム中の第2H期間で第1パターンを有することができる。すなわち、第1フレームの第2Hにおけるパターンと第2フレームの第2Hにおけるパターンとは互いに異なる。第2フレーム中の第2H期間におけるパターンを第5パターンとすると、第5パターンは第2パターンとは異なることができる。
【0123】
第2フレーム中の第3H期間で第2パターンを有することができる。すなわち、第1フレームの第3Hにおけるパターンと第2フレームの第3Hにおけるパターンとは互いに異なる。第2フレーム中の第3H期間におけるパターンを第6パターンとすると、第6パターンは第3パターンとは異なることができる。
【0124】
また、第2フレームに後行する第3フレーム中の第1H期間で第2パターンを有することができる。すなわち、第2フレームの第1Hにおけるパターンと第3フレームの第1Hにおけるパターンとは互いに異なる。第3フレーム中の第1H期間におけるパターンを第7パターンとすると、第7パターンは第4パターンと異なることができる。
【0125】
第3フレーム中の第2H期間で第3パターンを有することができる。すなわち、第2フレームの第2Hにおけるパターンと第3フレームの第2Hにおけるパターンとは互いに異なる。第3フレーム中の第2H期間におけるパターンを第8パターンとすると、第8パターンは第5パターンと異なることができる。
【0126】
第3フレーム中の第3H期間で第1パターンを有することができる。すなわち、第2フレームの第3Hにおけるパターンと第3フレームの第3Hにおけるパターンとは互いに異なる。第3フレーム中の第3H期間におけるパターンを第9パターンとすると、第9パターンは第6パターンと異なることができる。
【0127】
図13を参照すると、それぞれのフレームにおけるピクセルの発光が示されている。すなわち、
図9を参照して説明したように、1H期間(又はゲートライン)によってMUXのターンオンパターンが異なるように駆動されることに加えて、
図12を参照して説明した例示では、フレームによってもMUXのターンオンパターンが異なるように駆動される。よって、表示パネル全体に分散している輝度減少ピクセルは、時間に応じてフレームが変化するにつれても分散する。したがって、視認性不良解決の効率がさらに増加することができる。
【0128】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることを理解することができるだろう。よって、上述した実施形態は、あらゆる面で例示的なもので、限定的なものではないと理解すべきである。本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示される。また、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更又は変形形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0129】
1 表示装置
10 タイミング制御部
20 ゲート駆動部
30 データ駆動部
40 電源供給部
50 表示パネル