IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングの特許一覧

特開2022-105320フィルタ状態を通知するための方法及び検出装置
<>
  • 特開-フィルタ状態を通知するための方法及び検出装置 図1
  • 特開-フィルタ状態を通知するための方法及び検出装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105320
(43)【公開日】2022-07-13
(54)【発明の名称】フィルタ状態を通知するための方法及び検出装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/39 20180101AFI20220706BHJP
   B01D 46/42 20060101ALI20220706BHJP
   F24F 11/50 20180101ALI20220706BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20220706BHJP
   B60H 3/06 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
F24F11/39
B01D46/42 Z
F24F11/50
F24F11/64
B60H3/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021214663
(22)【出願日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】202011626761.X
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジンヤオ リアン
(72)【発明者】
【氏名】ロイド ア クーン
【テーマコード(参考)】
3L211
3L260
4D058
【Fターム(参考)】
3L211BA54
3L211DA75
3L211DA85
3L211GA75
3L211GA83
3L260AA01
3L260BA62
3L260CB83
3L260FC23
3L260FC33
3L260JA11
4D058PA01
4D058PA11
4D058UA30
(57)【要約】
【課題】本発明は、フィルタ状態を通知するための方法に関する。
【解決手段】本方法は、検出装置を受信ノードとペアリングするステップと、検出装置がペアリングされていない場合には、次にペアリングが成功するまで、検出されたフィルタ状態を記憶するステップと、を含む。本発明はさらに、フィルタ状態を通知するための検出装置、コンピュータ記憶媒体、エアコン用フィルタ及び車両に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ状態を通知するための方法であって、
検出装置を受信ノードとペアリングするステップと、
前記検出装置がペアリングされていない場合には、次にペアリングが成功するまで、検出されたフィルタ状態を記憶するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記検出装置は、優先順位設定を有する複数の検出装置である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
検出装置を受信ノードとペアリングするステップは、前記検出装置より前記受信ノードにペアリングクエリを送信するステップを含み、前記ペアリングクエリは、前記検出装置各々の前記優先順位設定を含み、これによって、前記受信ノードは、前記優先順位設定に基づきペアリングシーケンスを決定可能である、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記検出装置各々は、それぞれ異なる頻度で相前後して前記受信ノードとペアリングされる、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ペアリングが成功している場合には、検出された前記フィルタ状態を前記検出装置により前記受信ノードに送信するステップをさらに含み、これによって、前記受信ノードは、前記フィルタ状態を評価可能である、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記検出装置により前記受信ノードからのフィードバックメッセージを受信するステップをさらに含む、
請求項1又は5に記載の方法。
【請求項7】
フィルタ状態を通知するための検出装置であって、当該検出装置は、
前記フィルタ状態を検出するための検出ユニットと、
受信ノードとペアリングするためのペアリングユニットと、
記憶ユニットと、
を備え、前記記憶ユニットは、ペアリングされていない場合には、次にペアリングが成功するまで、前記フィルタ状態を記憶するために用いられることを特徴とする、検出装置。
【請求項8】
前記検出装置は、優先順位設定を有する複数の検出装置である、
請求項7に記載の検出装置。
【請求項9】
前記ペアリングユニットは、ペアリングクエリを前記受信ノードに送信するようにコンフィギュレーションされており、前記ペアリングクエリは、前記検出装置各々の前記優先順位設定を含み、これによって、前記受信ノードは、前記優先順位設定に基づきペアリングシーケンスを決定可能である、
請求項8に記載の検出装置。
【請求項10】
前記検出装置各々は、それぞれ異なる頻度で相前後して前記受信ノードとペアリングされる、
請求項7乃至9のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項11】
前記検出装置は、ペアリングが成功している場合には、検出された前記フィルタ状態を前記受信ノードに送信するための送信ユニットをさらに備え、これによって、前記受信ノードは、前記フィルタ状態を評価可能である、
請求項7に記載の検出装置。
【請求項12】
前記受信ノードからのフィードバックメッセージを受信するための受信ユニットをさらに備える、
請求項7又は11に記載の検出装置。
【請求項13】
エアコン用フィルタであって、当該エアコン用フィルタ内に、請求項7乃至12のいずれか一項に記載の検出装置が組み込まれていることを特徴とするエアコン用フィルタ。
【請求項14】
請求項13に記載のエアコン用フィルタを備える車両。
【請求項15】
実行時に請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法を実施するための命令を含むことを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ状態の通知に係る分野に関し、特に、フィルタ状態を通知するための方法及び検出装置、コンピュータ記憶媒体、エアコン用フィルタ及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
自動車エアコン用フィルタは、一種の自動車構成要素であり、フィルタと称される場合もある。フィルタは、主として、空気中の塵埃を阻止し、塵埃がエアコン内に侵入することを防止し、そのようにして、ファン及び熱交換器要素の表面を清潔に維持する役割を果たす目的で使用され、このことによって、エアコンの寿命が延長される。ただし、従来の解決手段は、フィルタ(エアコン用フィルタを含むが、これに限定されるものではない)の動作条件又は動作状態を効果的に監視することができず、それについてユーザに情報を通知することができず、従って、ユーザは、例えばフィルタカートリッジ交換時点などに、フィルタ関連データを適時に特定することができず、このことによって、多くの不都合な事態が引き起こされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の開示
本発明の1つの態様によれば、フィルタ状態を通知するための方法が提供され、この方法は、検出装置を受信ノードとペアリングするステップと、検出装置がペアリングされていない場合には、次にペアリングが成功するまで、検出されたフィルタ状態を記憶するステップとを含む。
【0004】
上述の解決手段に対して付加的に又は選択的に、上述の方法において提案されることは、検出装置は、優先順位設定を有する複数の検出装置である、ということである。
【0005】
上述の解決手段に対して付加的に又は選択的に、上述の方法において提案されることは、検出装置を受信ノードとペアリングするステップは、検出装置より受信ノードにペアリングクエリを送信するステップを含み、ペアリングクエリは、検出装置各々の優先順位設定を含み、これによって、受信ノードは、優先順位設定に基づきペアリングシーケンスを決定可能である、ということである。
【0006】
上述の解決手段に対して付加的に又は選択的に、上述の方法において提案されることは、検出装置各々はそれぞれ異なる頻度で相前後して受信ノードとペアリングされる、ということである。
【0007】
上述の解決手段に対して付加的に又は選択的に、上述の方法は、ペアリングが成功している場合に、検出されたフィルタ状態を検出装置により受信ノードに送信するステップをさらに含み、これによって、受信ノードは、フィルタ状態を評価可能である。
【0008】
上述の解決手段に対して付加的に又は選択的に、上述の方法は、検出装置により受信ノードからのフィードバックメッセージを受信するステップをさらに含む。
【0009】
本発明のさらに他の態様によれば、フィルタ状態を通知するための検出装置が提供され、この検出装置は、フィルタ状態を検出するための検出ユニットと、受信ノードとペアリングするためのペアリングユニットと、記憶ユニットとを備え、この記憶ユニットは、ペアリングが成功していない場合には、次にペアリングが成功するまで、フィルタ状態を記憶するために用いられる。
【0010】
上述の解決手段に対して付加的に又は選択的に、上述の装置において提案されることは、検出装置は優先順位設定を有する複数の検出装置である、ということである。
【0011】
上述の解決手段に対して付加的に又は選択的に、上述の装置において提案されることは、ペアリングユニットは、ペアリングクエリを受信ノードに送信するようにコンフィギュレーションされており、ペアリングクエリは、検出装置各々の優先順位設定を含み、これによって、受信ノードは、優先順位設定に基づきペアリングシーケンスを決定可能である、ということである。
【0012】
上述の解決手段に対して付加的に又は選択的に、上述の装置において提案されることは、検出装置各々は、それぞれ異なる頻度で相前後して受信ノードとペアリングされる、ということである。
【0013】
上述の解決手段に対して付加的に又は選択的に、上述の装置は、ペアリングが成功している場合に、検出されたフィルタ状態を受信ノードに送信するための送信ユニットをさらに備え、これによって、受信ノードは、フィルタ状態を評価可能である。
【0014】
上述の解決手段に対して付加的に又は選択的に、上述の装置は、受信ノードからのフィードバックメッセージを受信するための受信ユニットをさらに備える。
【0015】
本発明のさらに他の態様によれば、上述の検出装置が内部に組み込まれているエアコン用フィルタが提供される。
【0016】
本発明のさらに他の態様によれば、上述のエアコン用フィルタを備える車両が提供される。
【0017】
本発明のさらに他の態様によれば、実行時に既述の方法を実施するための命令を含むコンピュータ記憶媒体が提供される。
【0018】
フィルタ状態の送信前に検出装置が受信ノードとペアリングされ、ペアリングされていない場合には、次にペアリングが成功するまで、フィルタ状態が記憶されることによって、本発明の実施例によるフィルタ状態を通知するための解決手段は、関連データが伝送プロセスにおいて失われないということを保証する。この解決手段によって、ユーザは、フィルタ状態(例えば、対応するセンサの状態、電気容量等)に関して適時に情報を受け取ることができ、それにより、必要に応じてフィルタカートリッジ交換などのプロセスを適時に実施することができる。
【0019】
添付の図面を参照した以下の詳細な説明は、本発明のこれまでに挙げた、並びに、さらに他の課題及び利点をより完全にかつより明瞭にするものであり、同一又は類似の要素は、同一の参照符号によって表される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の1つの実施例によるフィルタ状態を通知するための方法の概略的なフローチャートを示す図である。
図2】本発明の1つの実施例によるフィルタ状態を通知するための検出装置の概略的な構造図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な実施形態
本発明の目的、技術的解決手段及び利点が明らかになるように、図面を参照しながら、本発明の実施例について、以下において詳細に説明する。自明のように、本明細書において述べる詳細な実施形態は、本発明を限定するためではなく、本発明を説明するために用いられるに過ぎない。
【0022】
さらにまた、説明を容易にするために図面には総ての内容ではなく本発明に関係する部分のみしか描写されていない、ということに留意されたい。実施例について詳細に説明する前に述べておきたいことは、いくつかの実施例は、フローチャートとして描写されている処理又は方法として説明される、ということである。フローチャートによって、プロセス(又はステップ)が逐次的な処理として説明されるが、これらのプロセスの多くを、並行に、並置して又は同時に、実装することができる。しかも、種々のプロセスの順序を配置し直すことができる。処理のプロセスが完了した場合には、処理を終了させることができるが、この処理は、図面には含まれていない付加的なステップも含み得る。処理をメソッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラム等に対応させることが可能である。
【0023】
例示的な実施形態について、複数の例示的なプロセスを実行する目的で、それらの実施形態が複数のユニットを用いるように説明されているが、自明のように、それらの例示的なプロセスを1つ又は複数のモジュールによって実行することもできる。
【0024】
さらにまた、本発明の制御ロジックが、実行可能なプログラム命令としてコンピュータ可読媒体に含まれるようにすることができ、それらの実行可能なプログラム命令は、プロセッサ又はそれに類するものによって実装される。コンピュータ可読媒体についての例は、ROM、RAM、光学ディスク、磁気テープ、ディスケット、フラッシュドライブ、スマートカード及び光学データ記憶装置を含むが、それらに限定されるものではない。コンピュータ可読記録媒体を、ネットワークに接続されたコンピュータシステム内において配布することもでき、従って、コンピュータ可読媒体は、例えば、車両に組み込まれた通信サービス又はController-Area-Network(CAN)を介して、配布された形態で記憶されて実装される。
【0025】
特段に言及されていない限り、又は、文脈から明らかでない限り、本明細書においては、用語「約」は、それが従来技術における通常の許容範囲内にあり、例えば、平均値の2標準偏差内にある、と解される。
【0026】
自明のように、用語「車両」又は本明細書において用いられる他の類似の用語は、自家用車のような一般的な自動車(スポーツ・ユーティリティ・ビークル、バス、トラック等を含む)、種々の商用車両等を含み、同様に、ハイブリッド車両、電気車両及びそれらに類するものも含む。ハイブリッド車両は、例えば、ガソリンにより駆動されかつ電気により駆動される車両のように、2つ以上のエネルギ源を備えた車両である。
【0027】
次に、本発明の個々の例示的な実施例によるフィルタ状態を通知するための解決手段について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1には、本発明の1つの実施例によるフィルタ状態を通知するための方法1000の概略的なフローチャートが示されている。図1に示されているように、フィルタ状態を通知するための方法1000は、以下のステップ、即ち、
ステップS110:検出装置を受信ノードとペアリングするステップと、
ステップS120:検出装置がペアリングされていない場合には、次にペアリングが成功するまで、検出されたフィルタ状態を記憶するステップと、
を含む。
【0029】
検出装置と受信ノードとのペアリングを、以下のようにして行うことができる(以下のことを含むが、それに限定されるものではない)。検出装置をマスタノードとすることができ、受信ノードをスレーブノードとすることができ、又は、その逆とすることができ、その場合、マスタノードは、ペアリングクエリ/ペアリングコールをスレーブノードに送信し、その際に、ペアリングプロパティの交換によってペアリングが行われる。又は、選択的に、受信ノードが指定された検出装置のMACアドレスを介して、その検出装置を探索する。又は、さらに選択的に、検出装置がブロードキャスト信号を送信し、その際に、受信ノードがそのブロードキャスト信号を検出領域乃至期間内において検出して応答をフィードバック送信し、それによって、ペアリングを完結させる。
【0030】
本発明の文脈においては、Bluetooth/Bluetooth-Low-Energyテクノロジにおけるペアリングプロセスとコネクションプロセスとを区別しない。即ち、用語「ペアリング」は、2つのプロセスのことを表し、即ち、ペアリングプロセス及びコネクションプロセスのことを表す。
【0031】
本発明の文脈においては、用語「検出装置」は、フィルタ状態を検出するための装置のことを指す。1つの実施例によれば、検出装置は、車両用フィルタの正常性の度合いを検出するためのBLE(Bluetooth Low Energy)検出器であり、Bluetooth検出器とすることもできる。車内において高品質の吸気を維持するために、検出装置の検出に基づき、ユーザは、フィルタ(又はそのフィルタカートリッジ)を適時に交換することができる。
【0032】
用語「受信ノード」は、フィルタ状態を受信するためのノードのことを指す。受信ノードを、ユーザのインテリジェント端末(例えば、携帯電話)、ネットワークノード等とすることができる。1つ又は複数の実施例によれば、決められた通信プロトコル(Bluetooth、BLE、LoRA、NB-IoT等を含むが、これらに限定されるものではない)に従って、受信ノードを検出装置とペアリングすることができる。
【0033】
本発明の文脈においては、用語「フィルタ状態」は、フィルタの動作状態(正常性の度合いなど)を反映可能なデータのことを指し、このデータには、電気容量及びセンサデータ値(色、距離など)等が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
図1に示されているフィルタ状態を通知するための方法1000の場合、検出装置と受信ノードとのペアリングが成功しなかった(例えば、受信ノードが検出装置の通信到達距離外に存在しており、検出装置はこの受信ノードを見出すことができない)ケースにおいては、検出装置は、次にペアリングが成功するまで、検出されたフィルタ関連データを記憶し、その後、記憶されたデータを一度に送信するようにコンフィギュレーションされている。
【0035】
1つ又は複数の実施例によれば、検出装置は、検出されたフィルタ状態を記憶するための記憶ユニットを含み得る。この記憶ユニットは、最大でいくつのメッセージを記憶することができるのかを表す上限値を有し得る。1つの実施例によれば、検出された最新のデータが記憶ユニットに記憶され、記憶ユニットが満杯になり、かつ、検出装置と受信ノードとの間のペアリングが依然として成功していない場合には、直ちに最も初期のデータが消去又は破棄されるようにすることが提案される。
【0036】
さらに検出装置が、極めて低い頻度で、例えば、月ごとに、四半期ごとに、又は、それどころか半年ごとに、フィルタ状態を送信する場合がある。このことによって、検出装置が情報を送信しようとするときに、対応する受信ノード(例えば、運転者の携帯電話)が場合によっては通信到達距離外(例えば、車外)に存在しており、それによって、データ損失の発生に至る可能性がある。図1に示した方法1000を使用すれば、フィルタ状態の送信前に検出装置が受信ノードとペアリングされており、ペアリングされていない場合には、次にペアリングが成功するまで、フィルタ状態が記憶され、このことによって、関連データが伝送プロセスにおいて失われないということを保証することができる。この解決手段によって、ユーザは、フィルタ状態(例えば、対応するセンサの状態、電気容量等)に関して適時に情報を受け取ることができ、それにより、必要に応じてフィルタカートリッジ交換などのプロセスを適時に実施することができる。
【0037】
1つの実施例によれば、フィルタ状態を検出又は監視するために、複数の検出装置を同時に使用することができる。それらの検出装置が同時にデータを伝送しようとした場合には、それらは互いに妨害し合う可能性がある。これによっても、データ損失が引き起こされる。互いに妨害し合うことに起因するデータ損失をさらに防止する目的で、複数の検出装置を用いる状況において提案されることは、それら複数の検出装置各々が、それぞれ異なる頻度で相前後して受信ノードとペアリングされるようにすることである。このようにすることにより、複数の検出装置の伝送によっても、互いに妨害し合うことなく、データ損失が回避されるということを保証することができる。
【0038】
正確に述べると、検出装置は、ペアリング成功後、スリープモードに移行し、即ち、このことは、検出装置と受信ノードとが互いに切り離されている、ということを意味する。即ち、上述の複数の検出装置は、相前後して1つの受信ノードとペアリングされ、再び相前後してその受信ノードからペアリング解除される。このようにすることによって保証されることは、それらの検出装置が互いに妨害し合うことなく、自身のメッセージを受信ノードに伝送することができ、それらのメッセージを受信ノードにおいて相前後して受信することができるので、それらの検出装置は、自身のメッセージを最大の成功率で送信する、ということである。しかも、それらの検出装置は、それぞれ異なる頻度設定によりコンフィギュレーションされているので、通知時間の重複が十分に回避される。例えば、第1の検出装置は7日ごとのデータ送信頻度で受信装置とペアリングされる一方、第2の検出装置は6日ごとのデータ送信頻度で受信装置とペアリングされる。このようにすると、これら双方の検出装置のペアリング時間がコンフリクトしないということが可能な限り保証される。
【0039】
図1を引き続き参照すると、ステップS110は、検出装置が優先順位設定を有する複数の検出装置であるケースにおいて、以下のステップを含み得る。即ち、検出装置より受信ノードにペアリングクエリを送信するステップを含み得る。この場合、ペアリングクエリは、検出装置各々の優先順位設定を含み、従って、受信ノードは、この優先順位設定に基づきペアリングシーケンスを決定することができる。例えば、BLE検出装置は、他のBluetooth検出装置よりも高い優先順位を有する。優先順位設定を受け取った後、受信ノードは、より高い優先順位の検出装置とペアリングされる。例えば、より高い優先順位を有するプリアンブル信号が最初に受信ノードによって検出され、又は、受信ノードによってより高い頻度で検出される。優先順位は、標準コンフィギュレーションを有し得る。検出装置が優先順位によってコンフィギュレーションされていない場合には、検出装置は標準優先順位を使用し、例えば、一例として、0により表すことができる最低優先順位を使用する。
【0040】
図1には示されてはいないが、1つの実施例によれば、フィルタ状態を通知するための方法1000はさらに以下のステップを含む。即ち、ペアリングが成功している場合に、検出されたフィルタ状態を検出装置により受信ノードに送信するステップを含み、それによって、受信ノードは、フィルタ状態を評価することができる。1つの実施例によれば、フィルタ状態を通知するための方法1000は、さらに以下のステップを含む。即ち、検出装置により受信ノードからのフィードバックメッセージを受信するステップを含む。例えばこのフィードバックメッセージによって、フィルタを適時に交換することが望ましいということを、所定の方法によりユーザに喚起するように、検出装置に指示することができる。例えば、検出装置にリマインドライトを装備することができる。選択的に、受信ノードからのフィードバックメッセージを、管理者、コントローラ、4Sショップ、工場等に送信することができる。フィードバックメッセージを受け取った後、管理者は、対応する車両の所有者又はユーザに対し、フィルタを適時に交換するように通知する。
【0041】
即ち、受信ノードは、収集されたメッセージを評価して、どの検出装置が通知を表示すべきであるのかを決定することができる。このことが該当する場合には、受信ノードは、検出装置とのペアリング後、情報をフィードバック送信し、特定の検出装置に情報を伝達する。選択的に、検出装置を含む又は検出装置と接続されているエアコン用フィルタを使用する相応のユーザに、通知を送信することができる。
【0042】
図2には、本発明の1つの実施例によるフィルタ状態を通知するための検出装置2000の概略的な構造図が示されている。図2に示されているように検出装置2000は、検出ユニット210とペアリングユニット220と記憶ユニット230とを備える。この場合、検出ユニット210は、フィルタ状態を検出するために用いられる。ペアリングユニット220は、受信ノードとのペアリングのために用いられる。さらに記憶ユニット230は、ペアリングが成功していない場合には、次にペアリングが成功するまで、フィルタ状態を記憶するために用いられる。
【0043】
本発明の文脈においては、検出装置2000と受信ノードとのペアリングを、以下のようにして行うことができる(以下のことを含むが、それに限定されるものではない)。検出装置をマスタノードとすることができ、受信ノードをスレーブノードとすることができ、又は、その逆とすることができ、その場合、マスタノードは、ペアリングクエリ/ペアリングコールをスレーブノードに送信し、その際に、ペアリングプロパティの交換によってペアリングが行われる。又は、選択的に、受信ノードが指定された検出装置のMACアドレスを介して、その検出装置を探索する。又は、さらに選択的に、検出装置がブロードキャスト信号を送信し、その際に、受信ノードがそのブロードキャスト信号を検出領域乃至期間内において検出して応答をフィードバック送信し、それによって、ペアリングを完結させる。
【0044】
用語「検出装置」は、フィルタ状態、例えば、動作条件乃至動作状態を検出するための装置のことを指す。1つの実施例によれば、検出装置は、車両用フィルタの正常性の度合いを検出するためのBLE(Bluetooth Low Energy)検出器である。車内において高品質の吸気を維持するために、検出装置の検出に基づき、ユーザは、フィルタ(又はそのフィルタカートリッジ)を適時に交換することができる。
【0045】
用語「受信ノード」は、フィルタ状態を受信するためのノードのことを指す。受信ノードを、ユーザのインテリジェント端末(例えば、携帯電話)、ネットワークノード等とすることができる。1つ又は複数の実施例によれば、決められた通信プロトコル(Bluetooth、BLE、LoRA、NB-IoT等を含むが、これらに限定されるものではない)に従って、受信ノードを検出装置とペアリングすることができる。受信ノードは、検出装置の近傍に存在している可能性があり、又は、検出装置の近傍に存在していない可能性がある。1つ又は複数の実施例によれば、受信ノードは、ガソリンスタンドにおけるBLEノードである。運転者が車両に給油するときに、車両(又は検出装置)がこのBLE受信ノードの伝送到達距離内に存在する場合には、相応のメッセージが検出装置又は中間ノードから受信ノードに送信され、従って、この受信ノードは(比較的低い頻度で)関連情報を収集する。
【0046】
本発明の文脈においては、用語「フィルタ状態」は、フィルタの動作状態(正常性の度合いなど)を反映可能なデータのことを指し、このデータには、電気容量及びセンサデータ値等が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
1つ又は複数の実施例によれば、検出装置は、検出したデータ(フィルタ状態など)を、コンフィギュレーションされた頻度に従って受信ノードに送信することを試みる。その都度、送信する前に、検出装置は、受信ノードとペアリングされなければならない。ペアリングに失敗した場合には、データは、検出装置内に記憶される。検出装置が受信ノードとのペアリングに成功したときに、検出装置は、それまでにいくつかのデータメッセージを記憶していた可能性がある。ペアリングに成功した後、検出装置は、記憶していたそれらのメッセージを直ちに受信ノードに送信する。
【0048】
図2に示されているように、検出装置2000は、記憶ユニット230を含み、この場合、記憶ユニット230は、検出されたフィルタ状態を記憶するために用いられる。記憶ユニット230は、検出装置内にいくつのメッセージを記憶することが可能であるか(例えば10個を超えないメッセージ)をコンフィギュレーションするために、上限値を有し得る。1つの実施例によれば、検出された最新のデータが記憶ユニット230に記憶され、記憶ユニット230が満杯になり、かつ、検出装置2000と受信ノードとの間のペアリングが依然として成功していない場合には、直ちに最も初期のデータが消去又は破棄されるようにすることが提案される。
【0049】
1つの実施例によれば、検出装置は、複数のBLE検出装置を含む。それらのBLE検出装置は、相前後して受信ノードとペアリングされる。ペアリング後、検出装置は、スリープモードに切り替わり、即ち、このことは、検出装置と受信ノードとのペアリングが切り離されることを意味する。これらの上述の検出装置は、相前後して受信ノードとペアリングされ、再び相前後してその受信ノードからペアリング解除される。このようにすることによって保証されることは、それらの検出装置が互いに妨害し合うことなく、自身のメッセージをそれぞれ受信ノードに伝送することができるので、それらの検出装置は、自身のメッセージを最大の成功率で送信する、ということである。しかも、それらの検出装置は、それぞれ異なる頻度設定でコンフィギュレーションされているので、通知時間の重複を十分に回避することができる。
【0050】
1つの実施例によれば、以下のことが提案される。即ち、ペアリングユニット220は、ペアリングクエリを受信ノードに送信するようにコンフィギュレーションされており、この場合、ペアリングクエリは、複数の検出装置各々の優先順位設定を含み、従って、受信ノードは、この優先順位設定に基づきペアリングシーケンスを決定することができる。例えば、BLE検出装置は、他のBluetooth検出装置よりも高い優先順位を有する。優先順位設定を受け取った後、受信ノードは、より高い優先順位の検出装置とペアリングされる。例えば、より高い優先順位を有する検出装置のプリアンブル信号が最初に受信ノードによって検出され、又は、受信ノードによってより高い頻度で検出される。
【0051】
図2に示されてはいないが、1つの実施例によれば、検出装置2000は、検出したフィルタ状態をペアリングが成功したときに受信ノードに送信するための送信ユニットをさらに備え、これによって、受信ノードは、フィルタ状態を評価することができる。1つの実施例によれば、検出装置2000は、受信ノードからのフィードバックメッセージを受信するための受信ユニットをさらに備える。
【0052】
即ち、受信ノードは、収集されたメッセージを評価して、どの検出装置が通知を表示すべきであるのかを決定することができる。このことが該当する場合には、受信ノードは、検出装置とのペアリング後、情報をフィードバック送信し、特定の検出装置に情報を伝達する。選択的に、検出装置を含む又は検出装置と接続されているエアコン用フィルタを使用する相応のユーザに、通知を送信することができる。
【0053】
当業者は容易に理解し得るように、本発明の1つ又は複数の実施例により提供されるフィルタ状態を通知するための方法を、コンピュータプログラムによって実装することができる。例えば、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ記憶媒体(USBスティックなど)がコンピュータに接続されている場合には、このコンピュータプログラムを実行することによって、本発明の1つ又は複数の実施例によるフィルタ状態を通知するための方法1000を実施することができる。
【0054】
さらに、本発明の1つ又は複数の実施例によるフィルタ状態を通知するための検出装置2000が、エアコン用フィルタ内に含まれるようにすることができる。1つの実施例によれば、このエアコン用フィルタを車内に組み込むことができる。
【0055】
以上を要約すると、本発明の実施例によるフィルタ状態を通知するための解決手段によれば、フィルタ状態の送信前に検出装置が受信ノードとペアリングされ、ペアリングされていない場合には、次にペアリングが成功するまで、フィルタ状態が記憶されることによって、関連データが伝送プロセスにおいて失われない、ということが保証される。この解決手段によって、ユーザは、フィルタ状態(例えば、対応するセンサの状態、電気容量等)に関して適時に情報を受け取ることができ、それにより、必要に応じてフィルタカートリッジ交換などのプロセスを適時に実施することができる。
【0056】
これまでの記載においては、本発明の実施形態のうちのいくつかのみを説明したが、通常の当業者は、本発明をその着想及び範囲から逸脱することなく、他の多くの形態において実装可能である、ということを理解するはずである。それゆえに、図示された実施例及び実装は、例示とみなされ、限定とはみなされない。本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の着想及び範囲から逸脱することなく、種々の変形及び置換を包含し得る。例えば、本発明の実施例によるフィルタ状態を通知するための解決手段を、限定されるものではないが、車両、家庭用器具(暖房器具、調理器具など)及びこれらに類するものを含め、複数の状況又は装置に適用することができる。しかも、ここで留意されたいことは、検出装置と受信ノードとの関係を、「1対1」(即ち、1つの検出装置は、1つの受信ノードに対応する)又は「1対多」又は「多対1」とすることができるということである。このことは、本発明においては、限定されるものではない。よって、図示された実施例及び実施形態は、限定というよりは例示とみなされる。添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の着想及び範囲を逸脱することなく、本発明は、種々の変形及び置換を含み得る。
図1
図2
【外国語明細書】