(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105330
(43)【公開日】2022-07-13
(54)【発明の名称】最適化された水流のための製氷
(51)【国際特許分類】
F25C 1/12 20060101AFI20220706BHJP
F25B 39/02 20060101ALI20220706BHJP
F25C 5/04 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
F25C1/12 Z
F25B39/02 Z
F25C5/04 511
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022000092
(22)【出願日】2022-01-04
(31)【優先権主張番号】17/139,255
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518277756
【氏名又は名称】オキセン, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Oxen, Inc.
【住所又は居所原語表記】172 N 85 Parkway, Fayetteville, GA 30214, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲森 礼次郎
(57)【要約】 (修正有)
【課題】氷片の形成および除去のためのシステムを提供する。
【解決手段】製氷システムは、氷形成セル218、エジェクタ203、パネルおよび蒸発器管112を含む。氷形成セルは、第1の壁および第2の壁を有する。蒸発器管は、第1の部分および第2の部分を備える。パネルは、蒸発器管の第1の部分と第2の部分との間に位置する。エジェクタは、第1の壁と第2の壁との間に位置し、蒸発器管の第1の部分または第2の部分から氷片を除去するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側面および第2の側面を備える氷形成トレイであって、氷形成セルを備え、前記氷形成セルは、その第1の壁および第2の壁により少なくとも部分的に規定される、氷形成トレイと、
前記第1の壁と前記第2の壁との間に位置するエジェクタと、
前記第1の壁および前記第2の壁を通って延びる蒸発器管であって、第1の部分および第2の部分を含む蒸発器管と、
前記第1の壁と前記第2の壁との間に位置するフラットパネルであって、前記エジェクタおよび前記フラットパネルは、前記蒸発器管の前記第1の部分または前記蒸発器管の前記第2の部分の少なくとも1つに隣接しているフラットパネルと、を備える
システム。
【請求項2】
前記エジェクタが、平坦な表面を伴う隆起を有する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記エジェクタシャフトおよび前記フラットパネルは垂直に整列している、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記フラットパネルは、第1のフラットパネルを備え、前記第1のフラットパネルと垂直に整列された第2のフラットパネルを更に備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記フラットパネルは、前記蒸発器管の前記第1の部分または前記第2の部分の中心と実質的に交差するパネルと整列している、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記エジェクタを回転させるように構成され、前記フラットパネルと垂直に整列されたエジェクタシャフトを更に備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のエジェクタ、前記蒸発器管の前記第1の部分、及び、前記フラットパネルに沿って移動する水流を生成するように構成された給水部を更に備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記エジェクタは、反対方向に延びる2つの突起を備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
第1の壁および第2の壁を含む氷形成セルと、
第1の部分および第2の部分を備える蒸発器管と、
前記蒸発器管の前記第1の部分と前記第2の部分との間にあるフラットパネルと、
前記第1の壁と前記第2の壁との間のエジェクタであって、前記蒸発器管の前記第1の部分から氷片を除去するように構成されたエジェクタと、を備える
システム。
【請求項10】
前記フラットパネルは、前記第1の壁および前記第2の壁に実質的に垂直である、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記エジェクタおよび前記フラットパネルは、共通の平面を共有する、
請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記フラットパネルは、第1のフラットパネルを備え、前記第1のフラットパネルと垂直に整列された第2のフラットパネルを更に備える、
請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記フラットパネルエジェクタが、前記蒸発器管の前記第1の部分および前記第2の部分に隣接する、
請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の壁および前記第2の壁は、水流を、前記蒸発器管の前記第1の部分に沿って、前記フラットパネルに沿って、及び、前記蒸発器管の前記第2の部分に沿って移動させて案内するように構成されている、
請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記エジェクタおよび前記フラットパネルは、共通の平面を共有する、
請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記エジェクタを回転させるように構成され、前記フラットパネルと垂直に整列されたエジェクタシャフトを更に備える、
請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記フラットパネルは、前記第1の壁の前縁および前記第1の壁の後縁から実質的に等しい距離である、
請求項9に記載のシステム。
【請求項18】
前記エジェクタは、反対方向に延びる2つの突起を備える、
請求項9に記載のシステム。
【請求項19】
前記フラットパネルは、前記蒸発器管の前記第1の部分または前記第2の部分の中心と実質的に交差するパネルと整列している、
請求項9に記載のシステム。
【請求項20】
前記フラットパネルと垂直に整列された前記第1の壁の第1の孔と、
前記フラットパネルと垂直に整列された前記第2の壁の第2の孔と、を更に備える、
請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
製氷機は、製氷のための商用または民生用デバイスを指しうる。製氷機は、液体の水を凍結することにおり角氷(ice cubes)を生成可能である。角氷は、食品、飲料および薬のように、腐りうるもの(perishable items)を冷やしたり、腐敗を防いだりするのに使用されうる。蒸発器(evaporator)は、氷の生成および排出に直接的に関与するコントロールとサブフレームと共に製氷機に包含されうる。排出された氷は氷貯蔵庫(ice storage)に排出されうる。
【0002】
製氷機は、フレークアイス、キューブアイス、チューブアイスなど、多様なタイプの氷を生成可能である。フレークアイスは、塩水および水の混合物で作られ、幾つかのケースにおいて塩水から直接的に作られうる。チューブ製氷機は、周囲のケース(surrounding casing)内にて垂直に伸びるチューブ内の水を凍結することにより氷を生成可能である。キューブ製氷機は、チューブ製氷機およびフレーク製氷機とは対照的に、小型製氷機として分類されうる。しかしながら、キューブ製氷機は大規模に構築されてもよい。キューブアイスを作る製氷機は、垂直モジュラーデバイスと見なされうる。上部は蒸発器(evaporator)であり、下部はアイスビン(ice bin)である。冷媒はパイプ内を循環可能である。冷媒は、熱交換器(heat exchange)にて水から熱を伝導する。水は凍って角氷になりうる。水が完全に氷に凍ったとき、該氷は放出されてアイスビンに落下しうる。
概要
【0003】
本開示は、氷片(ice pieces)の形成および除去のためのシステムおよび方法を提示する。このシステムは、氷形成セル、エジェクタ、蒸発器管(evaporator tube)およびパネルを含みうる。氷形成セルは、第1の壁および第2の壁を含みうる。パネルは、蒸発器管の第1の部分と第2の部分との間に配置されうる。エジェクタは、第1の壁と第2の壁との間に位置しうる。エジェクタは、蒸発器管の第1の部分または第2の部分から氷片を除去するように構成されうる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本開示の多くの側面は、以下の図面を参照することにより一層よく理解可能である。
図面の構成要素(components)は必ずしも原寸に比例しておらず、代わりに、本開示の原理を明確に描写することに重点が置かれている。さらに、図面では、参照番号のように、幾つかのビュー全体で対応する部分を示している。
【0005】
図1は、本開示の多様な実施形態に従う製氷システムの一例の概略図である。
【0006】
図2は、本開示の多様な実施形態に従う氷片(不図示)を除去するための操作を実行する氷形成アセンブリの一例である。
【0007】
図3は、本開示の多様な実施形態に従う
図2の氷形成アセンブリのためのエジェクタシャフトに取り付けられた複数のエジェクタの図である。
【0008】
図4A~4Cは、本開示の多様な実施形態に従う多様なギャップ幅を伴う氷形成アセンブリを描写する。
【0009】
図5A及び5Bは、本開示の多様な実施形態に従う、
図3のエジェクタシャフトに搭載されるように実質的にダイアモンド状の断面を伴う挿入用に構成されたエジェクタの一例を描写する。
【0010】
図6A~6Bは、本開示の多様な実施形態に従う、
図3のエジェクタシャフトに搭載されるように実質的に正方形状の断面を伴う挿入用に構成されたエジェクタの一例を描写する。
【0011】
図7A及び7Bは、本開示の多様な実施形態に従う、
図3のエジェクタシャフトに搭載されるように斜角面(beveled surface)に似た形状の2つの側面を伴う挿入用に構成されたエジェクタの一例を描写する。
【0012】
図8A及び8Bは、本開示の多様な実施形態に従う、
図3のエジェクタシャフトに搭載されるように実質的にD字状の挿入用に構成されたエジェクタの一例を描写する。
【0013】
図9A~9Cは、本開示の多様な実施形態に従う、
図3のエジェクタシャフトに搭載されるようにパドル形状の挿入用に構成されたエジェクタの一例を描写する。
【0014】
図10A及び10Bは、本開示の多様な実施形態に従う、エジェクタシャフトの断面に対応するように成形された開口(aperture)を伴い、挿入を伴わずに作られたエジェクタの例を描写する。
【0015】
図11Aから11Cは、本開示の多様な実施形態に従う、パネルで構成された氷形成アセンブリの例を描写する。
詳細な説明
【0016】
下記は、商業用の製氷機など、製氷機のための本システムおよび方法の多様な実施形態である。以下の議論においては、システムおよびその構成要素の一般的な記載が提供され、続いてその動作(operation of the same)の議論が提供されます。特定の実施形態が説明されるが、其れら実施形態は、本システムおよび方法の単なる例示的な実装(implementations)である。当業者は、他の実施形態が可能であることを認識しうる。そのような全ての実施形態は、本開示の範囲内に入ることが意図される。本開示は、ここでは上記図面を参照して説明されるが、ここで開示される1又は複数の実施形態に限定する意図はない。寧ろ、その意図は、本開示の精神および範囲に含まれる全ての代替、修正および均等物を網羅(cover)しうる。
【0017】
図1を参照すると、図示されているのは、本開示の多様な実施形態に従う製氷システム100の一例の概略図である。製氷システム100は、説明されるように、ここで示される氷形成ユニット(製氷ユニット(ice formation units))又は他のシステムと共に使用可能である。幾つかの実施形態では、製氷システム100は、氷片を生成し及び生成された氷片を貯蔵する自己完結型システムの一部であってもよく、氷片は以下において氷片130と呼ばれる。
【0018】
製氷システム100は、氷形成アセンブリ103、圧縮機115、膨張弁121、給水(給水部(water supply))106、アイスビン(氷器(ice bin))124、及び、可能なら他の構成要素を含みうる。給水106は、氷片130の形成に使用される液体水流(liquid water stream)127を提供しうる。この目的のため、給水106は、蛇口(faucet)、ホース、バルブ、スピゴット、または、例えば建物構造(buildingstructure)における水接続の他の任意のタイプと連絡することができる。幾つかの実施形態では、給水106は、建物構造により提供される水から汚染物質(contaminants)を除去するためのフィルター又は他の構成要素を含みうる。多様な実施形態によれば、水流127は、滴下(dripped)、噴出(squirted)、噴霧(sprayed)、噴霧(misted)、又は他の如何なる方法で氷形成アセンブリ103に供給される水であってもよい。
【0019】
氷形成アセンブリ103は、氷片130が生成される製氷システム100の一部であってもよい。多様な実施形態において、氷形成アセンブリ103は、1以上の氷形成トレイ109、1以上の蒸発器管112、及び、可能なら他の構成要素を含みうる。氷形成トレイ109は、水流127を受け取る氷形成アセンブリ103の構成要素である。氷形成トレイ109は、生成される氷片130の形状を決定し又は影響を与えうる。幾つかの実施形態によれば、氷形成トレイ109は、1以上の氷形成セル(不図示)を含みうる。
【0020】
以下で更に議論されるように、蒸発器管112は、氷形成トレイ109の少なくとも一部内に配置されうる。この意味で、蒸発器管112は氷形成トレイ109を通って延設されうる。蒸発器管112は、冷媒(refrigerant)を受け取り及び送る中空構造であってもよい。中空構造は、蒸発器管112内の内部ライフリングを含みうる。内部ライフリングは、中空構造内で冷媒を旋回させることができ、冷媒を通して一層均等に熱を分散可能である。蒸発器管112は、金属または他の食品安全材料、例えばステンレス鋼、錫浸漬銅(tin-dipped copper)など、から作製可能である。
【0021】
冷媒は、当業者により理解可能なように、冷凍サイクルで使用される任意のタイプの流体であってもよい。製氷システム100は、水流127の少なくとも一部を凍結可能なレベルまで蒸発器管112の温度を下げるのに、冷媒の物理的特性を活用可能である。従って、蒸発器管112は、蒸発器管112と直接接触する水流127の少なくとも一部を凍結するように構成可能である。一例として、冷媒は、凝固点(freezing point)になり又は其れより低くなるまで水流127の少なくとも一部の温度を下げるのに、蒸発器管112を通して熱エネルギーを吸収可能である。
【0022】
圧縮機115は、蒸発器管112および凝縮器管(condenser tube)118と連通している(in communication with)。一つの実施形態では、圧縮機115は、蒸発器管112と凝縮器管118との間に圧力差を生成するのに、凝縮器管118内の冷媒を加圧する。圧縮機115は、蒸発器管112から冷媒を受け取り且つ凝縮器管118に冷媒を圧縮するように構成された製氷システム100のサブシステムであってもよい。従って、凝縮器管118は、蒸発器管112内の冷媒の圧力よりも高い圧力で冷媒を受け取り及び送る中空構造であり得る。
【0023】
膨張弁121は、凝縮器管118から蒸発器管112への冷媒の遷移を制御する製氷システム100のサブシステムであってもよい。後述されるように、凝縮器管118内の比較的高い圧力における冷媒の、蒸発器管112内の比較的低い圧力への遷移は、蒸発器管112の温度を下げ、それにより、氷片130の生成を促進する。
【0024】
次に、製氷システム100の多様な構成要素の動作の一般的な説明が提供される。製氷システム100が給電され、水流127が流れ、及び、蒸発管112に冷媒が供給されると仮定する。
【0025】
圧縮機115は、蒸発器管112から凝縮器管118に冷媒を輸送(pump)可能である。冷媒を凝縮器管118に押し込むことにより、凝縮器管118内の圧力が上昇しうる。冷媒流体の圧縮により生成された熱は、凝縮器管118に伝達され、そこで熱の一部は周囲環境に放散されうる。
【0026】
凝縮器管118内にて比較的高圧の冷媒と共に、膨張弁121は、凝縮器管118内の高圧冷媒流体の少なくとも一部が蒸発器管112に移行するのを促進しうる。蒸発器管112内にて比較的低圧の状態のため、冷媒は、蒸発器管112に曝されると、膨張弁121の出口で減圧および膨張可能である。冷媒流体のこの減圧は、蒸発器管112の温度を低下させる。
【0027】
圧縮機115は、それから、蒸発器管112から凝縮器管118に冷媒を再び圧縮することができ、また、上述の冷凍サイクルは繰り返されうる。従って、蒸発器管112の温度は、水流127中の水を凍結可能なレベルまで下がりうる。
【0028】
図2に戻ると、図示されているのは、氷形成トレイ109および蒸発器管112から氷片130(不図示)を除去するための操作(maneuver)を実行する氷形成アセンブリ200の一例である。氷形成アセンブリ200は、製氷システム100(
図1)の氷形成アセンブリ103であってもよい。氷形成アセンブリ200は、氷形成トレイ109、蒸発管112の一部、及び、排出シャフト(ejection shaft)212に取り付けられたエジェクタ(排出器(ejectors))203を含みうる。
【0029】
以下で更に議論されるように、蒸発器管112は、氷形成トレイ109の少なくとも一部内に配置されうる。個々の氷片(不図示)は、氷形成セル218内に形成されうる。氷形成セル218は、蒸発器管112の少なくとも一部と、仕切り(dividers)221であり得る2つの壁と、を含みうる。氷形成セル218は、固定斜角(固定ベベル、静止斜角、静止ベベル(stationary bevel))224および排出斜角(排出ベベル(ejectionbevel))227を更に含みうる。固定斜角224は、また、固定パネル(静止パネル(stationary panel))と呼ばれうる平坦な表面であってもよい。幾つかの実施形態では、水は急速に冷却するために蒸発器管112と直接接触するため、水は製氷サイクル中に固定パネルに沿って凍結することができない。従って、蒸発器管に直接接触する水に組み合わせられた固定パネルを使用することは、固定パネルに沿った氷の蓄積を軽減しながら、氷形成セル218への水の流れの増加を提供しうる。他の実施形態では、固定斜角224は水平隆起(horizontal ridge)を含む。
【0030】
多様な実施形態において、排出斜角227はエジェクタ203を含む。幾つかの側面では、排出斜角227は、第1の部分斜角206および第2の部分斜角209をさらに含み得、エジェクタ203は、第1の部分斜角206および第2の部分斜角209の間に配される。幾つかの実施形態では、排出斜角227は、固定斜角224と実質的に同じ形状である。一例では、氷形成セル218は、固定斜角224と排出斜角227との間に配置された蒸発管112の一部を伴って、第1の仕切り221aの一部および第2の仕切り221bの一部、並びに、固定斜角224の一部および排出斜角227の一部、を含みうる。氷形成アセンブリ200は、第1の側面230および第2の側面233を有し、氷片が氷形成セル218を両側にて同時に形成することを可能にする。
【0031】
以下の説明は、エジェクタ203のうちの1つのみに言及しているが、同様のプロセスが他のエジェクタ203によっても実行可能であることが理解される。氷形成アセンブリ200は、第1の部分斜角206および第2の部分斜角209に囲まれたエジェクタ203を示す。エジェクタ203は、2つの氷片130を除去するように回転可能である。
図2は、氷形成トレイ109および蒸発器管112から2つの氷片130を除去可能なエジェクタ203の回転を示す。この目的のため、エジェクタシャフト212は、矢印215により示される方向に回転可能である。
【0032】
幾つかの実施形態では、エジェクタシャフト212は、エジェクタ202を第1の量だけ第1の方向に回転させ、エジェクタ202を他の方向に第2の量だけ回転させることができる。第2の量は、第1の量の2倍の高さであり得、第2の量の前半は、エジェクタシャフト212が中立位置に戻ることに対応する。一例では、エジェクタシャフト212は、氷片の第1のセットをこじ開けるために、第1の方向に40度回転する。それから、エジェクタシャフト212は、反対方向に40度回転して中立位置に戻る。次に、エジェクタシャフト212は、反対方向に更に40度回転して、氷片の第2のセットをこじ開ける。それから、エジェクタシャフト212は、第1の方向に40度回転して中立位置に戻る。更に他の実施形態では、エジェクタシャフト212は、第1の方向に30度から50度の間で回転し、中立位置に戻り、他の方向に30度から50度の間で回転し、そして、中立位置に戻る。
【0033】
エジェクタ203はエジェクタシャフト212と連動して回転するため、エジェクタ203の第1の端部201は、蒸発器管112の第1の直線セグメント236aに対して退避する(変位する(displaced))。同時に、エジェクタ203の第2の端部202は、蒸発器管112の第2の直線セグメント236bに対して退避する。図示されるように、エジェクタ203の第1の端部201の退避は、エジェクタ203の第2の端部202の退避とは反対方向である。エジェクタ203の端部201の退避は、蒸発器管112の第1の直線セグメント213aおよび氷形成トレイ109の第1の側面230から、第1の氷片130(不図示)を引き離すことができる。同様に、エジェクタ203の第2の端部202の退避は、蒸発器管112の第2の直線セグメント213bおよび氷形成トレイ109の第2の側面233から、第2の氷片130(不図示)を引き離すことができる。氷片130が蒸発器管112および氷形成トレイ109から取り外されると、氷片130は、例えばアイスビン124に落下しうる。
【0034】
図3を参照すると、図示されているのは、ここではエジェクタ203a~203hと呼ばれ、エジェクタシャフト212に取り付けられた複数のエジェクタ203の図である。エジェクタ203を伴うエジェクタシャフト212は、氷形成アセンブリ103の一部であってもよく、少なくとも氷形成トレイ109と組み立てられたときに排出斜角227を形成するように構成され得る。エジェクタ203は、エジェクタ幅303を有しうる。エジェクタ203は、分離距離306だけ離間されうる。エジェクタシャフト242の断面は、D字状、正方形状、六角形状、又は、氷形成トレイ109の孔(穴(bore))内で自由に回転可能な他の形状であってもよい。エジェクタシャフト212は、氷形成トレイ109(不図示)の側面の孔の1つに挿入するように構成可能である。更に、エジェクタシャフト212は、エジェクタシャフト212により定義される軸について回転可能である。この目的のため、エジェクタシャフト212の端部は、リンクに固定的に接続されうる。リンクは、エジェクタシャフト212の回転を促進するためのスロットを含みうる。
【0035】
図4に戻り、図示されているのは、本開示の多様な実施形態に従う製氷システム100(
図1)用の氷形成トレイ400の一例である。氷形成トレイ400は、第1の部分斜角206と第2の部分斜角209との間においてエジェクタ203が除去されるエジェクタギャップ(ejector gap)403を示す。ディバイダギャップ406は、ディバイダ221間、例えば、仕切り409と仕切り412との間の空間のスパン(span)を示す。排出斜角227を形成するのにエジェクタ203と共に組み立てられる場合、エジェクタギャップ403は実質的にエジェクタ203の幅303であり、エジェクタ幅303は、特定のクリアランスだけエジェクタギャップ403より実質的に小さい。エジェクタシャフト212(不図示)は、エジェクタ203をエジェクタギャップ403に配置し且つエジェクタ203を回転させる手段を提供するのに、小さい孔(例えば小さい孔418)に挿入されうる。蒸発器管112(不図示)は、氷形成アセンブリ109の一部として大きい孔(例えば大きい孔421)に挿通されうる。
【0036】
エジェクタギャップ403は、ディバイダギャップ(dividergap)406の距離の30パーセントであってもよい。エジェクタ203は、エジェクタギャップ403の距離に実質的に等しいエジェクタ幅303を有しうる。一例の実施形態によれば、エジェクタ幅303は、エジェクタギャップ403の距離に実質的に等しい。この例では、エジェクタ幅303は、1ミリメートルだけ、又は、エジェクタギャップ403の距離より、小さくてもよい。氷形成アセンブリ200(
図2)は、エジェクタギャップ403の距離と実質的に同様の幅を伴って氷形成トレイ400およびエジェクタ203を含んでもよい。氷片130が氷形成セル218内で凍結するとき、氷片130は、氷形成セル218から分離する力を必要としうる。剪断力(sheering force)は、仕切り409及び412から氷片130を分離することができる。力は、少なくとも固定斜角224および蒸発器管112から離れる(break away)ように、加えられうる。
【0037】
離脱力(breakaway force)は、エジェクタ203、第1の部分斜角206および第2の部分斜角209から氷片130を分離しうる。回転中におけるエジェクタ203の回転力は、エジェクタ203から氷片をこじ開ける(pry away)ことができる。この回転力は、エジェクタ203から氷片130を分離するのに必要な離脱力を低減しうる。しかしながら、第1の部分斜角206および第2の部分斜角209は回転しないため、離脱力はエジェクタからの回転力によって低減されない。第1の部分斜角206および第2の部分斜角209から氷片130を分離するのに必要な分離力は、第1の部分斜角206および第2の部分斜角209のサイズを縮小し又は除去することができる。
【0038】
図4Bに戻り、図示されるのは、本開示の多様な実施形態に従う製氷システム100(
図1)用の氷形成トレイ430の一例である。氷形成トレイ430は、氷形成トレイ400のエジェクタギャップ403より広いエジェクタギャップ433を含みうる。一つの実施形態では、エジェクタギャップ433は、仕切りギャップ406の距離の少なくとも40パーセントであってもよい。他の実施形態では、エジェクタギャップ433は、ギャップ406の距離の少なくとも60パーセントであってもよい。更に他の実施形態では、エジェクタギャップ433は、ギャップ406の距離の少なくとも80パーセントであってもよい(
図4A)。エジェクタギャップ433およびエジェクタ幅303の幅を増加させると、氷片130に遭遇するエジェクタの表面積が増加する。幅を増加させると、また、氷片130に遭遇する第1の部分斜角206および第2の部分斜角209の表面積が減少する。従って、氷片130を除去するために必要な力は、エジェクタ幅303を増加させること、及び/又は、第1の部分斜角206および第2の部分斜角209の幅を減少させることにより、減少しうる。
【0039】
氷形成アセンブリ200(
図2)は、エジェクタギャップ433の距離と実質的に同様の幅を伴って氷形成トレイ430およびエジェクタ203を含みうる。氷形成セル218内で氷片130が凍結するとき、氷片130は、氷形成セル218から分離する力を必要としうる。剪断力は、仕切り409および412から氷片130を分離しうる。力は、少なくとも固定斜角224および蒸発器管112から離れうる。
【0040】
図4Cに戻り、図示されているのは、本開示の多様な実施形態に従う製氷システム100(
図1)用の氷形成トレイ460の一例である。氷形成トレイ460は、エジェクタギャップ463を含みうる。氷形成トレイ460は、例えば、エジェクタギャップ463が仕切り409及び仕切り412の間に広がる(spans)ように、第1の部分斜角206および第2の部分斜角209等、部分斜角を省略しうる。エジェクタ幅303は、エジェクタギャップ463のサイズと実質的に同様であってもよい。2つの仕切り409/412の間に形成された氷形成セル218において、エジェクタ203は、仕切り409/412から氷片130を自由に分離する剪断力を提供しうる。エジェクタ203は、力の中でもとりわけ(among other forces)、エジェクタ203から氷片130を自由に分離するための離脱力および回転/こじり力(prying force)の両方を提供しうる。氷形成トレイ460において、氷片130を取り除くのに必要な力の量は、部分斜角206および209等、斜角を除去することにより、氷形成トレイ400および430とは対照的に、劇的に減少しうる。
【0041】
次の
図5Aを参照し、図示されているのは、本開示の多様な例示的実施形態に従う製氷システム100(
図1)用のエジェクタ500aである。
図5Aは、組み立てられたエジェクタ500aを示す。エジェクタ500aは、氷形成アセンブリ200(
図2)のエジェクタ203であってもよい。エジェクタ500aは、氷形成トレイ400、430または460のエジェクタギャップ403、433または463に対応するようにサイズ化されうる。単一の幅で示されるが、エジェクタ500aの幅は、氷形成セルにおけるエジェクタギャップに実質的にまたがる(substantially span)ように、狭くなってもよいし広くなってもよい。エジェクタ500aは、インサート(挿入部(insert))506を伴う単一構造503を含みうる。単一構造503は、水が接触する斜角面509を有しうる。インサート506は、有鍵開口(有鍵アパーチャ(keyed aperture))518を含みうる。水は、氷形成セル218内で氷片130を作製するために斜角面509上で凍結しうる。
【0042】
インサート506は、単一構造503とは異なる材料で作られる。幾つかの実施形態では、インサート506は、単一構造503より高密度の材料で作られる。インサート506は、金属合金または他の材料であってもよい。単一構造503は、プラスチック、ゴム、ポリマー、または他の材料で作られうる。一つの実施形態によれば、インサート506は、排出型(ejection mold)内に配置され、単一構造503は、インサート506の周りに材料を注入することにより形成される。他の実施形態では、インサート506は単一構造503内に押し込まれる。
【0043】
次の
図5Bを参照し、図示されているのは、本開示の多様な例示的実施形態に従う製氷システム100(
図1)用のエジェクタ500aである。
図5Bにおいては、
図5Aからのエジェクタ500a内の構成要素は、エジェクタシャフト212の一部と共に分離して描写されて、示される。
【0044】
エジェクタシャフト212は、インサート506の有鍵開口518に挿通されうる。有鍵開口518は、エジェクタシャフト212の断面プロファイルに対応するように成形され、タイトなクリアランスを伴ってエジェクタシャフト212にフィットするようにサイズ化されうる。エジェクタシャフト212の断面は、氷形成トレイ109の孔418内で自由に回転することを許容するように任意の断面プロファイル形状を有し、トルクが加わったときにエジェクタシャフト212と共にインサートが回転するように有鍵とされうる(be keyed)。例えば、エジェクタシャフトの断面プロファイルは、平面(D字状)、正方形状、六角形状、又は軸について自由な回転を許容する他の形状を伴う、円形であってもよい。
【0045】
一つの実施形態では、エジェクタシャフト212は、Dシャフトと呼ばれる平坦な側面512を有する円形であってもよく、インサート506の有鍵開口518の平坦な側面515に接触することによりエジェクタ212に関連してエジェクタ203の回転を回避するように構成される。エジェクタシャフト212は、インサート506の増加した密度のため、エジェクタ203が単一のプラスチック材料であった場合よりも、インサート506に大きな回転力を提供しうる。インサート506の増加した密度は、エジェクタシャフト212をエジェクタ203の平坦な側面515の剥離(stripping)から防止しうる。インサート506の増加した密度の材料は、氷片130に力を提供するための回転のときに、単一構造503に構造的な支持(structural support)を提供しうる。
【0046】
インサート506は、単一構造503に対してトルクを加えられたときにインサート506を剥離から防止するために、多様な形状に形成され又は有鍵とされうる。単一構造503はインサート506よりも密度が低いため、単一構造503およびインサート506の有鍵交差(keyed intersection)の形状は、エジェクタシャフト212とインサート506との間の有鍵交差よりも剪断力(shear forces)に対して一層大きな支持を提供するように、設計されうる。
【0047】
インサート506の断面は、菱形など、細長いダイアモンド状の形状で単一構造503に有鍵とされうる。断面は、実質的に、エジェクタシャフト212と垂直な平面において細長いダイアモンドの形状になりうる。幾つかの実施形態では、細長いダイアモンド形状は斜角面(傾斜面(beveled sides))を有しうる。例えば、インサート506の側面は、エジェクタシャフト212の最も厚い部分に対応する斜角面の中心に最も近くに一層厚い材料を提供するように、傾斜されうる(be beveled)。幾つかの実施形態では、細長いダイアモンド状の断面は、やや凹状(concave)又は凸状(convex)の側面を有しうる。他の実施形態では、細長いダイアモンド形状の断面は、直線の側面を有しうる。斜角面509は、インサート506の鈍角(obtuse angle)に対応しうる。
【0048】
図6Aを参照して、図示されているのは、本開示の多様な実施形態に従うエジェクタ500bである。エジェクタ500bは、単一構造603およびインサート606を含みうる。エジェクタ500bは、4つの異なる方向のうちの1つで単一構造に挿入されうる。インサート606は、単一構造603とは異なる材料で作られる。幾つかの実施形態では、インサート606は、単一構造603より高密度の材料で作られる。インサート606は、金属合金または他の材料であってもよい。単一構造603は、プラスチック、ゴム、ポリマー、または他の材料で作られる。一つの実施形態によれば、インサート606は排出型内に配置され、単一構造603は、インサート606の周りに材料を注入することにより形成される。他の実施形態では、インサート606は単一構造603に押し込まれる。
【0049】
図6Bを参照して、図示されているのは、本開示の多様な例示的実施形態に従うエジェクタ500bである。
図6Bにおいて、
図6Aからのエジェクタ500b内の構成要素は、エジェクタシャフト212の一部と共に分離して描写されて、示される。インサート606は、エジェクタシャフト212と垂直な方向において実質的に正方形状の断面を有しうる。幾つかの実施形態において、断面の縁は直線であってもよく、或いは、湾曲してもよい。一つの実施形態によれば、エジェクタ500bは、相互に共通の向きで挿入される。一つの例では、平坦な側面515は、単一構造603の左、右、上または下のいずれかに向いていてもよく、全ての平坦な側面515は、上もしくは下に、又は、右および左に向けられ、全てのエジェクタ500bがエジェクタシャフト212に対して同じ次元(dimension)に向けられていることを確実にする。
【0050】
図7Aを参照して、図示されているのは、本開示の多様な実施形態に従うエジェクタ500cである。エジェクタ500cは、単一構造703およびインサート706を含みうる。インサート706は、単一構造703の斜角面509と同様の形状の2つの側面を有しうる。一つの実施形態では、単一構造703の厚さは、各面の大部分について実質的に均一である。
【0051】
インサート706は、単一構造703とは異なる材料から作られる。幾つかの実施形態では、インサート706は、単一構造703より高密度の材料から作られる。インサート706は、金属合金または他の材料であってもよい。単一構造703は、プラスチック、ゴム、ポリマー、または他の材料で作られうる。一つの実施形態によれば、インサート706は、排出型に配置され、単一構造703は、インサート706の周りに材料を注入することにより形成される。他の実施形態では、インサート706は単一構造703に押し込まれる。インサート706の一層高密度の材料は、氷片130に力を提供するための回転のときに、単一構造703に構造的な支持を提供しうる。一つの実施形態では、プラスチック単一構造(plastic unitary structure)703は、金属インサート706に基づいて一層大きな力を提供しうる。
【0052】
図7Bを参照して、図示されているのは、本開示の多様な例示的実施形態に従うエジェクタ500cである。
図7Bにおいては、
図7Aからのエジェクタ500c内の構成要素は、エジェクタシャフト212の一部と共に分離して描写されて、示される。
【0053】
図8Aを参照して、図示されているのは、本開示の多様な実施形態に従うエジェクタ500dである。エジェクタ500dは、単一構造803およびインサート806を含みうる。幾つかの実施形態では、インサート806は、氷を分離するのに一層高い力を必要とする金属で作られる。本実施形態では、エジェクタ500dと、第1の部分斜角206、第2の部分斜角209、仕切り409または仕切り412との間を水が通過する場合、水は、氷片130を取り除くのに必要な力を最小化するため、インサート806というよりは側面構成要素(side component)809に接触しうる。側面構成要素809は、例えばエジェクタ500a~eなど、ここで議論されるエジェクタ203の他の任意の実施形態に含まれうる。
【0054】
幾つかの実施形態では、インサート806は、単一構造803より高密度の材料で作られる。インサート806は、金属合金または他の材料であってもよい。単一構造803は、プラスチック、ゴム、ポリマー、または他の材料で作られうる。一つの実施形態によれば、インサート806は、排出型に配置され、単一構造803は、インサート806の周りに材料を注入することにより形成される。他の実施形態では、インサート806は単一構造803に押し込まれる。インサート806の一層高密度の材料は、氷片130に力を提供するための回転のときに、単一構造803に構造的な支持を提供しうる。一つの実施形態では、プラスチック単一構造803は、金属インサート806に基づいて一層大きな力を提供しうる。
【0055】
図8Bを参照して、図示されているのは、本開示の多様な例示的実施形態に従うエジェクタ500dである。
図8Bにおいて、
図8Aからのエジェクタ500d内の構成要素は、エジェクタシャフト212の一部と共に分離して描写され、示される。単一構造803は、エジェクタ500dにおける有鍵開口518に対応するインサート806の2つの側面部分を覆う側面構成要素809を含みうる。側面構成要素809は、水をインサート806の接触から防止しうる。インサート806は、エジェクタシャフト212と垂直な方向にD字状の断面を有しうる。D字状の形状は、丸みを帯びた角(rounded corners)を有しうる。幾つかの実施形態では、断面の縁は直線であってもよく、或いは、湾曲してもよい。
【0056】
図9Aを参照して、図示されているのは、本開示の多様な実施形態に従うエジェクタ500eである。エジェクタ500eは、単一構造903およびインサート906を含みうる。エジェクタ500eは、細長い形状を有するインサート906を伴う、対称的にバランスのとれた斜角形状を有しうる。インサート906は、有鍵開口518を伴う実質的に円形の中央部分909と、円形の中央部分909の2つの側面から同じ平面内にて放散する(radiating)平坦な実質的に長方形の延長部912aおよび912bと、を有しうる。
【0057】
図9Bを参照して、図示されているのは、本開示の多様な実施形態に従うエジェクタ500eである。
図9Bは、エジェクタシャフト212と垂直な平面におけるエジェクタ500eの断面を示す。
【0058】
図9Cを参照して、図示されているのは、本開示の多様な実施形態に従うエジェクタ500eである。
図9Cは、エジェクタシャフト212に平行な平面におけるエジェクタ500eの断面を示し、インサート906は、単一構造903内に適合しつつ、実質的に長方形状であってもよい。インサート906は、エジェクタシャフト212に平行な平面上にてエジェクタ500eの幅よりも短い幅を有しうる。幅は、エジェクタ材料が距離915だけインサート906を囲むように異なってもよい。幾つかの実施形態では、距離915はエジェクタ500eの全幅の5%である。他の実施形態では、距離915は少なくとも3ミリメートルである。
【0059】
ここで
図10Aに戻り、開示されているのは、本開示の多様な実施形態に従うエジェクタ1000aである。エジェクタ203は、インサートを伴わずに作られうる。エジェクタ1000aは、斜角面509を有する有鍵開口1018aで形成されうる。有鍵開口1018aは、D字状エジェクタシャフト212に対応するようにD字状である。
【0060】
図10Bに関して、図示されているのは、本開示の多様な実施形態に従うエジェクタ1000bである。エジェクタ1000bは、有鍵開口1018bを伴って形成されうる。一つの実施形態では、有鍵開口1018bは、正方形のエジェクタシャフト212を収容するために正方形である。有鍵開口1018bおよびエジェクタシャフト212の形状は、例えばインサート503、603または703の形状等、他の形状であってもよい。正方形のエジェクタシャフト212は、シャフトの形状のため、D字状のエジェクタシャフト212と比較して、エジェクタに一層大きなトルクを提供しうる。D字状のエジェクタシャフト212は、第1のトルクが加えられたときに有鍵開口1018aを剥離(strip)可能であり、また、正方形状のエジェクタシャフト212は、第2のトルクが加えられたときに有鍵開口1018bを剥離可能である。第1のトルクは第2のトルクよりも小さい。
【0061】
次に、
図11Aから11Cに関して、図示されているのは、水流127の分配のために最適化された氷形成アセンブリ1100の異なる視点である。
図11Aは、斜視図からの例示的な氷形成アセンブリ1100を描写する。氷形成アセンブリ1100は、氷形成トレイ1103、1以上の蒸発器管112a~f、および、可能なら他の構成要素を含む。前の実施形態からの他の幾つかの構成要素は図から省略されている。氷形成トレイ1103は、水流127(
図1)を受け取る氷形成アセンブリ1100の構成要素である。氷形成トレイ1103は、生成される氷片130の形状を決定し又は影響を与えうる。幾つかの実施形態によれば、氷形成トレイ1103は、第1の側面1104a、第2の側面1104b(総称して「側面1104」)、1以上の氷形成セル1106a~c(総称して「氷形成セル1106」)および、他の適切な構成要素を含みうる。
【0062】
図11Bは、
図11Aの氷形成アセンブリ1103からの氷形成セル1106の一部の拡大図を描写する。氷形成セル1106はサイズを変えてもよい。
図11Bは、氷形成セル1106の少なくとも一部を描写し、氷形成セル1106は、図示された窓を超えて(beyond the window shown)延びている。
図11Bに示されるように、氷形成セル1106は、蒸発器管112の1以上の部分、第1の壁1109a、第2の壁1109b、1以上のパネル1112a~d(総称して「パネル1112」)、1以上のエジェクタ1115a~c(総称して「エジェクタ1115」)、および、可能なら他の構成要素を含みうる。
【0063】
幾つかの実施形態では、パネル1112は、固定され且つ平坦な表面を有しうる。パネル1112は、第1の壁1109aおよび第2の壁1109b(総称して「壁1109」)の間に配置されうる。或いは、パネル1112は、壁1109および側面1104の間に配置されうる。
図11Aに示されるように、パネル1112は、第1の壁1109aおよび第2の壁1109bに対して実質的に垂直であってもよい。パネル1112は、また、氷形成トレイ1103内の多様な構成要素と整列(align)するように配置されうる。例えば、パネル1112は、互いに垂直に整列されうる。パネル1112は、氷形成試行1106の高さ「H2」に関連する垂直軸に沿って平行となりうる高さ「H1」を有しうる。
【0064】
エジェクタ1115は、1以上の蒸発器管112に隣接して配置されうる。エジェクタ1115は、蒸発器管112の表面から氷片130を除去するために、エジェクタシャフト212(
図2)を中心とする軸について回転可能に構成されうる。エジェクタ115およびフラットパネル1112は、共通の平面を共有しうる。エジェクタシャフト212およびパネル1112は、垂直に整列されうる。パネル1112は、蒸発器管112の一部の中心と実質的に交差する平面に整列されうる。追加的に、エジェクタ1115は、反対方向に延びる2つの突起(projections)を備える。
【0065】
幾つかのシナリオでは、水流127は、氷形成セル1106の上部(top)に提供可能であり、水流127の一部は、蒸発器管112の第1の部分または蒸発器管112の第2の部分の表面に沿って凍結しうる。幾つかの事例では、氷の蓄積は、水流を氷形成セル1106の下層(lower triers)への移動から防止しうる。従って、水流が下層に移動できないため、氷形成は妨げられる。このシナリオでは、氷形成セル1106の下層への水流を増加させるために、パネル1112は平坦な表面を有しうる。
【0066】
図11Cは、氷形成トレイ1103の拡大部分を描写し、また、蒸発器管112は、図から省略されている。
図11Cは、氷形成トレイ1103が孔1121aおよび1121b(総称して「孔1121」)を含むことを描写する。孔1121および省略された蒸発器管112(
図11A)は、パネル1112と整列されうる。更に、
図11Cは、パネル1112が、複数の氷形成セル1106および孔1121を通って延びる凹面1124を有しうることを描写する。凹面1124は、特定の位置での蒸発器管112の配置および保持を促進しうる。幾つかの実施形態では、凹面1124は、シールまたは部分シールを形成しうる蒸発器管112と接触する(meet)ことができる。幾つかの実施形態では、凹面1124は溝(groove)またはスロットであってもよい。
【0067】
幾つかの実施形態では、パネル1112は、氷形成トレイ1103の幅「W」に関連する軸により示されるように、第1の側面1104aの前縁および第1の側面1104aの後縁から実質的に等しく離れていてもよい。言い換えると、パネル1112は、第1の壁1109aと第2の壁1109bとの中央または中間に位置しうる。追加的に、
図11Cは、エジェクタ1115が平坦または直線の表面を有する隆起1127を含みうることを描写する。パネル1112同様、隆起1127の平坦な表面は、氷形成トレイ1103の下層への水流を造花するのに用いられうる。隆起1127は、反対方向に延びる2つの傾斜した(slanted)突起からの間に位置しうる。
【0068】
図11Cは、また、氷形成トレイ1103が、パネル1112fから延びる隆起1130を含むことを描写する。水流127(
図1)は、氷形成トレイ1103の上部に入り、また、隆起130に接触する。続いて、水流127は、隆起127を越えてパネル1112fに沿って移動しうる。パネル1112fの底部にて、水流127は蒸発器管112と接触する。隆起1130は、パネル1112fから外向きに延在し、幾つかの実施形態では、縁にて上向きに延在するリップを含みうる。
【0069】
「X、Y、またはZの少なくとも1つ」の文言などの選言的言語(disjunctive language)は、特に明記されない限り、項目、用語等がX、YもしくはZ、または、それらの任意の組み合わせ(例えば、X、Y、及び/又はZ)を示すのに一般に用いられる文脈で理解される。従って、そのような選言的言語は、一般に、特定の実施形態がXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、又はZの少なくとも1つを、それぞれが存在するように必要とすることの暗示を意図しておらず、且つ意味するべきではない。
【0070】
本開示の上述の実施形態が本開示の原理を明確な理解のために提示された実施例の単なる可能な例であることは強調されるべきである。多様な変形および修正は、本開示の精神および原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態に対して行われてもよい。そのようなすべての修正および変形は、本開示の範囲内にここに包含されることが意図され、及び、以下の特許請求の範囲により保護される。
【外国語明細書】