(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105337
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】情報管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20220707BHJP
【FI】
G06Q10/08 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000010
(22)【出願日】2021-01-02
(71)【出願人】
【識別番号】503397317
【氏名又は名称】株式会社フクモト工業
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】福本 満壽男
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】 塗料の情報を管理するシステムにおいて、簡便な情報管理を可能とし、システムを円滑に導入することができる情報管理システムを提供すること。
【解決手段】 この情報管理システム100は、第1端末10、管理サーバ20、第2端末30、第3端末40を備える。塗料容器101の識別部101aの読み取りに応じ、塗料情報(塗料残量情報、塗料保管場所情報等)が第1端末10に表示され、ユーザにより更新入力が可能となる。第1端末10での塗料情報の更新に応じて、管理サーバ20のデータベースの塗料情報も更新格納される。また、更新された塗料情報は、管理サーバ20から第2端末30に送信されて、第2端末30にて、更新情報に対応する識別部101bが出力される。この識別部101bは、塗料容器101に新たに貼り付けられて、塗料容器側での情報更新が達成される。第3端末40は、管理サーバ20への閲覧要求を経て、塗料情報を閲覧可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を収容する容器に付される識別部を読み取り可能に構成された第1端末と、
前記第1端末と情報通信ネットワークを介して接続され、前記第1端末の前記識別部の読み取りに基づいて、前記材料の態様に対応する情報を管理可能に構成された管理サーバと、
前記管理サーバと情報通信ネットワークを介して接続され、前記管理サーバの前記情報の管理に応じて前記識別部を出力可能に構成された第2端末と、
を備えた情報管理システムにおいて、
前記識別部は、
前記材料としての塗料を収容する塗料容器に付されるとともに前記塗料の態様に対応する情報である塗料情報を格納し、前記第1端末に読み取とられた場合に、前記第1端末での前記塗料情報の表示、および、前記管理サーバにて管理される前記塗料情報の入力更新を、前記第1端末に許容するように構成され、
前記第1端末は、
前記塗料容器に付された前記識別部を読み取る読み取り部と、
前記識別部の読み取りに応じて、前記識別部に格納された前記塗料情報を、前記第1端末のユーザが確認可能なよう表示する情報表示部と、
前記識別部の読み取りに応じて、前記塗料情報を、前記第1端末のユーザにより入力更新可能に構成された情報入力部と、
前記入力更新された前記塗料情報を、前記管理サーバに送信する第1情報送信部と、
前記送信された前記塗料情報を、前記管理サーバから前記第2端末に送信するよう前記管理サーバに指示する情報送信指示部と、
を備え、
前記管理サーバは、
少なくとも、前記塗料情報を格納可能に構成された情報データベースと、
前記送信された前記塗料情報を、前記情報データベースに格納更新する情報格納部と、
前記第1端末からの前記指示に応じて、前記送信された前記塗料情報を、前記第2端末に送信する第2情報送信部と、
を備え、
前記第2端末は、
前記送信された前記塗料情報を格納する前記識別部を、前記塗料容器に付することが可能な状態で出力する情報出力部
を備えた情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報管理システムにおいて、
前記識別部に格納される前記塗料情報は、
少なくとも、前記塗料容器に残存している前記塗料の量に対応する情報である塗料残量情報を含み、
前記第1端末の前記情報入力部は、
前記識別部の読み取りに応じて、前記塗料情報が含む前記塗料残量情報を、前記塗料の使用後における前記塗料残量情報に、前記第1端末のユーザにより入力更新可能に構成され、
前記管理サーバの前記情報格納部は、
少なくとも、前記送信された前記塗料情報が含む前記塗料残量情報を、前記情報データベースに格納更新するように構成された情報管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記情報データベースは、
前記塗料情報に加え、前記塗料の塗装可能面積に対応する情報である塗装可能面積情報を前記塗料情報に関連付けて格納可能に構成され、
前記管理サーバの前記情報格納部は、
前記送信された前記塗料情報が含む前記塗料残量情報に基づいて、前記塗装可能面積を算出し、前記塗料残量情報とともに、前記塗装可能面積情報も前記情報データベースに格納更新するように構成された情報管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の情報管理システムにおいて、
前記識別部に格納される前記塗料情報は、
少なくとも、前記塗料容器を保管している場所に対応する情報である塗料保管場所情報を含み、
前記第1端末の前記情報入力部は、
前記識別部の読み取りに応じて、前記塗料情報が含む前記塗料保管場所情報を、前記塗料の使用後における前記塗料保管場所情報に、前記第1端末のユーザにより入力更新可能に構成され、
前記管理サーバの前記情報格納部は、
少なくとも、前記送信された前記塗料情報が含む前記塗料保管場所情報を、前記情報データベースに格納更新するように構成された情報管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の情報管理システムにおいて、
前記第1端末は、更に、
前記識別部の読み取りに応じて、前記情報データベースに格納されている前記塗料情報を消去するよう前記管理サーバに、前記第1端末のユーザにより指示可能に構成された情報消去指示部を備え、
前記管理サーバは、更に、
前記塗料情報の消去指示に応じて、前記情報データベースに格納されている前記塗料情報を消去する情報消去部を備えた情報管理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報管理システムにおいて、
前記識別部に格納される前記塗料情報は、更に、
前記塗料の入庫時期に対応する情報である塗料入庫時期情報を含み、
前記第1端末の前記情報表示部は、
前記識別部の読み取りに応じて、前記塗料情報が含む前記塗料入庫時期情報を、前記第1端末のユーザが確認可能なよう表示するように構成された情報管理システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の情報管理システムにおいて、
前記第1端末は、更に、
前記識別部の読み取りに応じて、前記塗料が使用中であるか否かを前記管理サーバに、前記第1端末のユーザにより通知可能に構成された情報通知部を備え、
前記管理サーバの前記情報データベースは、
前記塗料情報に加え、前記塗料が使用中であるか否かを表す塗料使用情報を前記塗料情報に関連付けて格納可能に構成され、
前記管理サーバの前記情報格納部は、
前記塗料情報の格納更新に加え、前記通知に応じて、前記塗料使用情報を前記情報データベースに格納更新するように構成された情報管理システム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の情報管理システムにおいて、
前記識別部は、
前記塗料情報を格納する二次元コードが表示されたシールであり、
前記第2端末の前記情報出力部は、
前記送信された前記塗料情報を格納する前記二次元コードの印刷により、前記シールを出力するように構成された情報管理システム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の情報管理システムにおいて、
前記管理サーバと情報通信ネットワークを介して接続され、
前記管理サーバの前記情報データベースに格納された情報の閲覧を、前記管理サーバに要求する情報閲覧要求部を備えた第3端末を、更に備え、
前記管理サーバは、更に、
前記閲覧の要求に応じて、前記情報データベースに格納された前記情報を、前記第3端末に送信する第3情報送信部を備えた情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料等の材料の態様に対応する情報を管理するための情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、材料の態様に対応する情報を管理するための情報管理システムが知られている。特許文献1に示すシステムは、材料の情報に対応するバーコードと、バーコードを読み取り可能に構成された読み取り端末と、材料の情報を管理可能に構成された在庫管理サーバと、バーコードを出力可能に構成された出力端末とを備えている。
【0003】
この読み取り端末は、バーコードの読み取りに基づいて、バーコードデータに関連付けて、在庫有無の情報を在庫管理サーバに送信する。在庫管理サーバは、読み取り端末からの情報を受信し記憶するとともに、出力端末に材料の情報を送信することで、情報を管理する。そして、出力端末は、在庫管理サーバの情報の管理に応じて、対応するバーコードを出力するようになっている。これにより、簡便な情報管理が期待される。
【0004】
また、特許文献2に示すシステムは、塗料を収容する容器に付される非接触ICタグを読み取り可能に構成されたリーダライタと、塗料の情報を管理可能に構成された管理サーバとを備えている。非接触ICタグは、塗料の情報を記憶し、リーダライタのライタ機能により情報更新される。リーダライタのリーダ機能により、非接触ICタグが読み取とられ、塗料の情報が管理サーバに送信される。これによっても、簡便な情報管理が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-212602号公報
【特許文献2】特開2008-156060号公報
【発明の概要】
【0006】
上記特許文献1のシステムにおいては、上記読み取り端末の記憶部に、製品データ等のデータベースが備えられている。読み取り端末にてバーコードが読み取られると、このデータベースから該当する製品データが引き出される。引き出された製品データは、読み取り端末の表示部にて表示される。このように、読み取り端末そのものに対し、製品データを格納させる必要が生じる。読み取り端末が、多数用いられる場合には、それぞれの読み取り端末に対するデータ格納の手間や、情報セキュリティを強化する手間等が生じる可能性がある。
【0007】
上記特許文献2のシステムにおいては、非接触ICタグに塗料の情報が格納され、リーダライタにより更新される。非接触ICタグは、記憶デバイス、アンテナ等を含む。このため、例えば、多数の塗料に適用する場合等には、多数の非接触ICタグを用意する必要がある。このため、バーコード等に比べてコストが高くなり、メンテナンスの手間も生じる可能性がある。更に、非接触ICタグに対応可能なハードウェア(リーダライタ等)を、選定する手間が生じる。
【0008】
以上のように、この種の情報管理システムにおいては、例えば、多種で多数の塗料に適用する場合等に、上述した手間、コスト等にかかる問題が解決されていない。このため、システムを円滑に導入することが難しく、この課題を解決できるシステムが要望されている。
【0009】
本発明の目的は、塗料等の情報を管理する情報管理システムにおいて、簡便な情報管理を可能とし、システムを円滑に導入することができる情報管理システムを提供することにある。
【0010】
本発明による情報管理システムは、材料を収容する容器に付される識別部を読み取り可能に構成された第1端末と、第1端末と情報通信ネットワークを介して接続され第1端末の識別部の読み取りに基づいて材料の態様に対応する情報を管理可能に構成された管理サーバと、管理サーバと情報通信ネットワークを介して接続され管理サーバの情報の管理に応じて識別部を出力可能に構成された第2端末と、を備える。
【0011】
本発明による情報管理システムの特徴は、識別部が、材料としての塗料を収容する塗料容器に付されるとともに塗料の態様に対応する情報である塗料情報を格納し、第1端末に読み取とられた場合に、第1端末での塗料情報の表示および管理サーバにて管理される塗料情報の入力更新を第1端末に許容するように構成され、第1端末が、塗料容器に付された識別部を読み取る読み取り部と、識別部の読み取りに応じて、識別部に格納された塗料情報を第1端末のユーザが確認可能なよう表示する情報表示部と、識別部の読み取りに応じて、塗料情報を第1端末のユーザにより入力更新可能に構成された情報入力部と、入力更新された塗料情報を管理サーバに送信する第1情報送信部と、送信された塗料情報を管理サーバから第2端末に送信するよう管理サーバに指示する情報送信指示部とを備え、管理サーバが、少なくとも塗料情報を格納可能に構成された情報データベースと、送信された塗料情報を情報データベースに格納更新する情報格納部と、第1端末からの指示に応じて、送信された塗料情報を第2端末に送信する第2情報送信部とを備え、第2端末が、送信された塗料情報を格納する識別部を塗料容器に付することが可能な状態で出力する情報出力部と、を備えたことにある。
【0012】
これによれば、塗料情報は識別部に格納されており、第1端末に読み取られた場合に、第1端末にて塗料情報が表示される。更に、塗料情報の入力更新は、識別部の読み取りに応じて、第1端末でのユーザ入力にて実行される。入力更新された塗料情報は、管理サーバに送信されて、管理サーバが備える情報データベースにて情報更新される。加えて、更新された塗料情報は、第2端末に送信されて、更新された塗料情報に対応する識別部が出力される。
【0013】
以上のように、塗料情報は、識別部および管理サーバにて格納されるため、第1端末にて、塗料情報を格納し引き出すための情報データベース等を設ける必要がなくなる。このため、第1端末が多数用いられる場合に、それぞれの第1端末に対するデータ格納の手間や、情報セキュリティを強化する手間等を生じさせないようにすることができる。
【0014】
また、第2端末にて出力された識別部を、塗料容器に新たに貼り付けることで、塗料容器での情報更新を簡便に達成することができる。このため、識別部において、例えば、非接触ICタグのように、記憶デバイスやアンテナを設ける必要がなくなる。従って、塗料が多種で多数用いられる場合に、コストを抑制することができ、メンテナンスの手間も生じさせないようにすることができる。更に、識別部の読み取りに対し、例えば、カメラ等の汎用デバイスを用いることができる。このため、ハードウェアの選定に労力を要しない。
【0015】
また、塗料情報は、第1端末の識別部読み取りのみで、ユーザによる入力更新が可能となる。入力更新されると、更新後の塗料情報は、管理サーバにて自動的に管理される。従って、簡便な情報管理が可能となる。更に、管理サーバの情報データベースに格納された塗料情報を、他の端末にて共有することで、保管場所に出向くことなく遠隔的に、且つ、任意の時間に、塗料情報を確認することができる。また、在庫金額等の情報も管理することで、棚卸の手間をなくすことができる。
【0016】
以上より、本発明の情報管理システムによれば、簡便な情報管理を可能とし、システムを円滑に導入することができる。
【0017】
また、上記発明に係る情報管理システムにおいては、識別部に格納される塗料情報が、少なくとも塗料容器に残存している塗料の量に対応する情報である塗料残量情報を含み、第1端末の情報入力部が、識別部の読み取りに応じて、塗料情報が含む塗料残量情報を塗料の使用後における塗料残量情報に第1端末のユーザにより入力更新可能に構成され、管理サーバの情報格納部が、少なくとも送信された塗料情報が含む塗料残量情報を情報データベースに格納更新するように構成されると好適である。
【0018】
また、上記発明に係る情報管理システムにおいては、管理サーバの情報データベースが、塗料情報に加え塗料の塗装可能面積に対応する情報である塗装可能面積情報を塗料情報に関連付けて格納可能に構成され、管理サーバの情報格納部が、送信された塗料情報が含む塗料残量情報に基づいて塗装可能面積を算出し、塗料残量情報とともに塗装可能面積情報も情報データベースに格納更新するように構成されると好適である。
【0019】
また、上記発明に係る情報管理システムにおいては、識別部に格納される塗料情報が、少なくとも塗料容器を保管している場所に対応する情報である塗料保管場所情報を含み、第1端末の情報入力部が、識別部の読み取りに応じて、塗料情報が含む塗料保管場所情報を塗料の使用後における塗料保管場所情報に第1端末のユーザにより入力更新可能に構成され、管理サーバの情報格納部が、少なくとも送信された塗料情報が含む塗料保管場所情報を情報データベースに格納更新するように構成されると好適である。
【0020】
また、上記発明に係る情報管理システムにおいては、第1端末が、更に、識別部の読み取りに応じて、情報データベースに格納されている塗料情報を消去するよう管理サーバに第1端末のユーザにより指示可能に構成された情報消去指示部を備え、管理サーバが、更に、塗料情報の消去指示に応じて、情報データベースに格納されている塗料情報を消去する情報消去部を備えると好適である。
【0021】
また、上記発明に係る情報管理システムにおいては、識別部に格納される塗料情報は、更に、塗料の入庫時期に対応する情報である塗料入庫時期情報を含み、第1端末の情報表示部は、識別部の読み取りに応じて、塗料情報が含む塗料入庫時期情報を第1端末のユーザが確認可能なよう表示するように構成されると好適である。
【0022】
また、上記発明に係る情報管理システムにおいては、第1端末が、更に、識別部の読み取りに応じて、塗料が使用中であるか否かを管理サーバに第1端末のユーザにより通知可能に構成された情報通知部を備え、管理サーバの情報データベースが、塗料情報に加え、塗料が使用中であるか否かを表す塗料使用情報を塗料情報に関連付けて格納可能に構成され、管理サーバの情報格納部が、塗料情報の格納更新に加え、通知に応じて、塗料使用情報を情報データベースに格納更新するように構成されると好適である。
【0023】
また、上記発明に係る情報管理システムにおいては、識別部が、塗料情報を格納する二次元コードが表示されたシールであり、第2端末の情報出力部が、送信された塗料情報を格納する二次元コードの印刷によりシールを出力するように構成されると好適である。
【0024】
また、上記発明に係る情報管理システムにおいては、管理サーバと情報通信ネットワークを介して接続され、管理サーバの情報データベースに格納された情報の閲覧を管理サーバに要求する情報閲覧要求部を備えた第3端末が、更に備えられ、管理サーバが、更に、閲覧の要求に応じて、情報データベースに格納された情報を第3端末に送信する第3情報送信部を備えると好適である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報管理システムの全体概要を説明するための全体構成図である。
【
図2】
図1に示した塗料容器を保管棚に保管した状態を説明するための塗料容器及び保管棚の外観図である。
【
図3】
図1に示した第1端末の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図4】
図1に示した管理サーバの機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図5】
図1に示した第2端末の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図6】
図1に示した第3端末の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図7】ユーザにより塗料容器が保管棚から持ち出される際の、
図1に示した情報管理システムにおける作動を説明するためのフローチャートである。
【
図8】持ち出された塗料容器がユーザにより保管棚に保管される際の、
図1に示した情報管理システムにおける作動を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図1に示した第3端末のモニタに情報表示された状態の一例を示す図である。
【
図10】
図1に示した第1端末のモニタにて情報表示された状態の一例を示す図である。
【
図11】
図1に示した第3端末のモニタにて情報表示された状態の一例を示す図である。
【
図12】
図1に示した第1端末のモニタにて塗料情報が更新入力された状態の一例を示す図である。
【
図13】
図1に示した第3端末のモニタにて情報表示された状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明による情報管理システムの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1は、実施形態に係る情報管理システム100の全体概要を説明するための全体構成図である。情報管理システム100は、第1端末10、管理サーバ20、第2端末30、及び、第3端末40を備えている。第1端末10、第2端末30、及び、第3端末40は、無線または有線の情報通信ネットワークを介して、管理サーバ20と接続されている。このように構成された情報管理システム100は、塗料情報を管理するためのシステムである。
【0028】
塗料情報は、塗料容器101に収容される塗料102の態様に対応する情報である。塗料容器101の側面には、QRコード(登録商標)(二次元コードに相当)が表示されたシール101a(識別部に相当)が付されている。このシール101aのQRコードには、塗料情報が格納されている。
【0029】
本実施形態においては、「塗料情報」は、塗料残量情報、塗料保管場所情報、及び、塗料入庫時期情報を含んでいる。これらの情報は、第1端末10のユーザにより、確認又は更新されるべき情報である。塗料残量情報は、塗料容器101に残存している塗料102の量に対応する情報であり、例えば、秤量にて取得される塗料102の質量が用いられる。
【0030】
塗料保管場所情報は、塗料容器101を保管している場所に対応する情報である。
図2に示すように、例えば、複数の倉庫拠点のうち、A倉庫の保管棚に多数の塗料容器101が配列保管されるものとする。それぞれの塗料容器101には、多種の塗料102が収容されている。保管棚の塗料容器101の保管位置ごとに、所定番号「01、02、03・・・」が、それぞれ割り当てられる。この場合、塗料保管場所情報は、「A倉庫:01」のように、倉庫拠点及び番号を特定可能となっている。塗料102が使用される際、塗料102は塗料容器101ごと保管棚から持ち出される。現場での塗料102の使用を経て、持ち出された塗料容器101は、再び保管棚に保管される。再び保管される塗料容器101の保管位置は、保管棚において空いている保管位置であればよく、持ち出し前の保管位置と異なってもよいし、同じでもよい。即ち、同じ塗料容器101であっても、塗料102の使用前後において、保管場所情報(倉庫拠点及び番号)が変更する可能性がある。
【0031】
塗料入庫時期情報は、塗料102の入庫時期に対応する情報であり、例えば、塗料102が入庫した年付日が用いられる。
【0032】
この情報管理システム100では、主に管理サーバ20にて、塗料情報が管理される。管理サーバ20では、格納されている塗料情報が更新されるのみならず、第1端末10の指示に応じて塗料情報が消去され、並びに、塗料情報に関連付けられた情報(以下、「塗料関連情報」と称呼する。)も格納更新される。
【0033】
本実施形態においては、「塗料関連情報」は、塗料使用情報、塗装可能面積情報、塗料102の色に関する情報(色番号、色表示など)、塗料102の購入に関する情報(購入金額、仕入先、メーカなど)等を含んでいる。塗料使用情報は、塗料102が使用中であるか否かを表す情報である。塗料使用情報として、管理サーバ20にて「持出中」と表される状態は、塗料容器101が保管棚から持ち出され、現場等にて使用されている状態に対応する。「保管中」と表される状態は、塗料容器101が保管棚に保管されている状態に対応する。
【0034】
塗装可能面積情報は、塗装可能面積に対応する情報である。塗装可能面積は、塗料容器101の塗料102の残量を用いて、任意の塗装対象に塗装すると仮定した場合に、塗装することが可能な面積の最大値である。塗装可能面積は、塗料残量情報に基づいて算出される。
【0035】
<第1端末の構成>
図1に加え、
図3も参照しつつ、第1端末10の構成を説明する。
図3は、第1端末10の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【0036】
第1端末10は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートパソコン等の移動可能通信端末である。第1端末10のユーザは、塗料102を使用する者と同じである。第1端末10は、シール101aのQRコードの読み取りに応じて、塗料情報が表示されるようになっている。更に、第1端末10は、上記QRコードの読み取りに応じて、管理サーバ20に対し、塗料使用情報の通知、塗料情報の入力更新または消去指示、シール101bの出力指示が可能となっている。
【0037】
図3に示すように、第1端末10は、読み取り部11、情報表示部12、情報入力部13、第1情報送信部14、情報送信指示部15、情報通知部16、及び、情報消去指示部17を、備えている。また、第1端末10は、図示しないCPU、RAM、ROM、通信インターフェイス等を備えている。記憶されているコンピュータプログラムが読み出され、CPUにてコンピュータプログラムが実行されることで、各処理が機能的に達成されるようになっている。
【0038】
読み取り部11は、塗料容器101に付されたシール101aのQRコードを読み取る。読み取り部11は、第1端末10に付属するカメラ等を含む。読み取り部11は、カメラを介してQRコードが認識された場合に、格納されている塗料情報を読み込む。
【0039】
情報表示部12は、シール101aのQRコードの読み取りに応じて、QRコードに格納された塗料情報を、第1端末10のユーザが確認可能なよう表示する。情報表示部12は、第1端末10に付属するモニタ等を含む。情報表示部12は、読み込まれた塗料情報(塗料残量情報、塗料保管場所情報、及び、入庫時期情報)をモニタにて表示する。
【0040】
情報入力部13は、シール101aのQRコードの読み取りに応じて、塗料情報を、第1端末10のユーザにより入力更新可能となっている。情報入力部13は、第1端末10に付属するソフトウェアキーボード等を含む。ユーザにより入力更新される塗料情報は、塗料残量情報、及び、塗料保管場所情報である。QRコードが読み取られた場合に、第1端末10のモニタに表示された塗料残量情報、及び、塗料保管場所情報を、塗料102の使用後における塗料残量情報、及び、塗料保管場所情報に更新入力可能である。
【0041】
第1情報送信部14は、入力更新された塗料情報を、管理サーバ20に送信する。情報送信指示部15は、第1情報送信部14により管理サーバ20に送信された塗料情報を、管理サーバ20から第2端末30に送信するよう管理サーバ20に指示する。QRコードが読み取られた場合に、情報送信指示部15は、第1端末10のモニタにて「印刷」ボタンを表示する。第1端末10のユーザにより「印刷」ボタンが押された場合、情報送信指示部15は、第2端末30にてQRコードが印刷されるよう、管理サーバ20に、塗料情報の送信を指示する。
【0042】
情報通知部16は、シール101aのQRコードの読み取りに応じて、塗料102が使用中であるか否かを、管理サーバ20に通知可能となっている。QRコードが読み取られた場合に、情報通知部16は、第1端末10のモニタにて「持出中」ボタンを表示する。第1端末10のユーザにより「持出中」ボタンが押された場合、情報通知部16は、管理サーバ20にて塗料使用情報として「持出中」と表されるよう管理サーバ20に通知する。
【0043】
情報消去指示部17は、シール101aのQRコードの読み取りに応じて、塗料情報を消去するよう管理サーバ20に指示可能となっている。QRコードが読み取られた場合に、情報消去指示部17は、第1端末10のモニタにて「この在庫を0(ゼロ)にする」ボタンを表示する。第1端末10のユーザにより「この在庫を0にする」ボタンが押された場合、情報消去指示部17は、管理サーバ20にて塗料情報を消去するよう管理サーバ20に指示する。
【0044】
第1端末10のユーザにより「この在庫を0にする」ボタンが押される場合としては、ユーザにより塗料容器101が廃棄されるべきと判断される場合である。例えば、塗料容器101内の塗料102を使い切った場合や、塗料102の入庫時期から保証期間(塗料102の品質保証の有効期間等)が超過した場合が、挙げられる。
【0045】
<管理サーバの構成>
図1に加え、
図4も参照しつつ、管理サーバ20の構成を説明する。
図4は、管理サーバ20の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【0046】
管理サーバ20は、クラウド環境に構築されたサーバ等であり、サーバ機能を有していればよく、これに限定されない。管理サーバ20は、第1端末10から送信される塗料情報を受信し、データベースにて塗料情報、及び、塗料関連情報を格納更新するのに加え、第1端末10からの情報通知、情報送信指示、情報消去指示に応じて、情報が管理される。更に、管理される情報は、管理サーバ20から、第2端末30及び第3端末40へ送信されるようになっている。
【0047】
図4に示すように、管理サーバ20は、情報データベース21、情報格納部22、情報消去部23、第2情報送信部24、及び、第3情報送信部25を、備えている。また、管理サーバ20は、図示しないCPU、RAM、ROM、通信インターフェイス等を備えている。記憶されているコンピュータプログラムが読み出され、CPUにてコンピュータプログラムが実行されることで、各処理が機能的に達成されるようになっている。
【0048】
情報データベース21は、上述した塗料情報、及び、塗料関連情報を格納可能に構成されている。塗料関連情報は、対応する塗料情報と関連付けられて格納される。情報データベース21からの情報読み出しの際、塗料情報、及び、その塗料情報に関連付けられた塗料関連情報のセットが、読み出し可能となっている。
【0049】
情報格納部22は、塗料情報更新部22a、及び、塗料関連情報更新部22bを備える。情報格納部22は、第1端末10から送信された塗料情報を、情報データベース21に格納更新する。また、情報格納部22は、第1端末10からの塗料使用情報の通知、塗料残量情報の送信に基づいて、塗料関連情報を情報データベース21に格納更新する。情報格納部22による情報更新においては、第1端末10にて読み取られたシール101aが付された塗料容器101に対応する塗料情報、及び、塗料関連情報のセットが、情報データベース21から読み出される。読み出された各種情報のうち所定の情報が、塗料情報更新部22a、及び、塗料関連情報更新部22bにより格納更新される。
【0050】
塗料情報更新部22aは、情報データベース21に格納されている塗料情報のうち、塗料残量情報、及び、塗料保管場所情報を、第1端末10から送信された塗料残量情報、及び、塗料保管場所情報にそれぞれ更新格納する。
【0051】
塗料関連情報更新部22bは、情報データベース21に格納されている塗料関連情報のうち、塗料使用情報、及び、塗装可能面積情報をそれぞれ更新格納する。塗料使用情報の更新としては、第1端末10から塗料102が「持出中」であると通知された場合に、情報データベース21にて「持出中」の表示が付される。この状態において、塗料情報更新部22aにより、塗料残量情報又は塗料保管場所情報が更新されたときに、塗料容器101が保管されたとして、情報データベース21にて「保管中」の表示が付される。塗装可能面積情報の更新としては、第1端末10から送信された塗料残量情報に基づいて塗装可能面積が算出される。そして、情報データベース21に格納されている塗装可能面積情報が、算出された塗装可能面積に対応する情報に格納更新される。なお、塗装可能面積は、本例では、塗料102の残量を、単位平米あたりの規定塗布量で除することで算出される。この規定塗布量は、塗料の種類、塗装対象、塗り方等に応じて、メーカにより定められる値であり、本例では、0.11kg/平米とする。
【0052】
情報消去部23は、第1端末10からの塗料情報の消去指示に応じて、情報データベース21に格納されている塗料情報を消去する。消去される塗料情報は、第1端末10にて読み取られたシール101aが付された塗料容器101に対応する塗料情報である。なお、塗料情報の消去に応じて、関連付けられた塗料関連情報も、消去されるようになっている。
【0053】
第2情報送信部24は、第1端末10からの情報送信指示に応じて、第1端末10から送信された塗料情報を、第2端末30に送信する。第3情報送信部25は、第3端末40からの情報閲覧要求に応じて、情報データベース21に格納された塗料情報、及び、塗料関連情報を、第3端末40に送信する。
【0054】
<第2端末の構成>
図1に加え、
図5も参照しつつ、第2端末30の構成を説明する。
図5は、第2端末30の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【0055】
第2端末30は、所定のプリンタと接続された一般的な端末装置である。第2端末30は、QRコードが表示されたシール101bを出力する。出力されたシール101bは、第1端末10に読み取られたシール101aが付された塗料容器101に、シール101aに代えて新たに付される。
【0056】
図5に示すように、第2端末30は、情報出力部31を備えている。また、第2端末30は、図示しないCPU、RAM、ROM、通信インターフェイス等を備えている。記憶されているコンピュータプログラムが読み出され、CPUにてコンピュータプログラムが実行されることで、各処理が機能的に達成されるようになっている。
【0057】
情報出力部31は、第2端末30に付属するプリンタ等を含む。情報出力部31は、QRコードを印刷し、印刷されたQRコードが表示されたシール101bを出力する。このシール101bは、塗料容器101に付すことができる状態で、出力される。シール101bに表示されたQRコードは、管理サーバ20より送信された塗料情報を格納する。
【0058】
<第3端末の構成>
図1に加え、
図6も参照しつつ、第3端末40の構成を説明する。
図6は、第3端末40の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【0059】
第3端末40は、一般的な端末装置であり、固定端末、移動可能通信端末の何れであってもよい。第3端末40は、塗料情報、及び、塗料関連情報の閲覧を管理サーバ20に要求し、これらの情報を閲覧可能となっている。
【0060】
図6に示すように、第3端末40は、情報閲覧要求部41を備えている。また、第3端末40は、図示しないCPU、RAM、ROM、通信インターフェイス等を備えている。記憶されているコンピュータプログラムが読み出され、CPUにてコンピュータプログラムが実行されることで、各処理が機能的に達成されるようになっている。
【0061】
情報閲覧要求部41は、管理サーバ20の情報データベース21に格納された塗料情報、及び、塗料関連情報の閲覧を、管理サーバ20に要求する。閲覧の要求に応じて管理サーバ20から送信される塗料情報、及び、塗料関連情報は、第3端末40のモニタにて表示されるようになっている。
【0062】
<情報管理システムの作動>
図7および
図8は、本発明の実施形態に係る情報管理システム100の作動を説明するためのフローチャートである。
【0063】
図7のフローチャートは、ユーザにより塗料容器101が保管棚から持ち出される際の情報管理システム100の一連の作動を示している。先ず、ステップ701では、管理サーバ20にて既に格納されている情報の閲覧が、第3端末40から要求される。即ち、第3端末40にて、情報閲覧要求部41により、管理サーバ20の情報データベース21に格納された塗料情報、及び、塗料関連情報の閲覧が、要求される。本例では、所定の1つの塗料容器101に対応する情報の閲覧が、要求されるものとする。
【0064】
次いで、ステップ702では、管理サーバ20にて、第3情報送信部25により、第3端末40からの情報閲覧要求に応じて、情報データベース21に格納された塗料情報、及び、塗料関連情報が抽出され、第3端末40に送信される。抽出送信される塗料情報、及び、塗料関連情報は、上述した「所定の1つの塗料容器101に対応する情報」である。
【0065】
次いで、ステップ703では、第3端末40にて、管理サーバ20から送信された塗料情報、及び、塗料関連情報が、
図9に示すように、第3端末40のモニタにて表示される。塗料情報として「塗料残量情報」「塗料保管場所情報」「塗料入庫時期情報」が表示され、本例では、それぞれ「15kg」「倉庫A:01」「2020年12月24日」であるものとする。塗料関連情報として「塗料使用情報」「塗装可能面積情報」等が表示され、本例では、それぞれ「使用前」「136平米」であるものとする。
【0066】
次いで、ステップ704では、第1端末10にて、読み取り部11により、塗料容器101に付されたシール101aのQRコードが読み取られる。読み取りに係る塗料容器101は、ユーザにより持ち出される塗料容器101である。この塗料容器101は、ステップ701の情報閲覧要求に対応する塗料容器101であるものとする。
【0067】
次いで、ステップ705では、第1端末10にて、情報表示部12により、シール101aのQRコードの読み取りに応じて、QRコードに格納された塗料情報が第1端末10のユーザが確認可能なように表示される。また、情報送信指示部15、情報通知部16、及び、情報消去指示部17により、QRコードの読み取りに応じて、「印刷」ボタン、「持出中」ボタン、及び、「この在庫を0にする」ボタンが、それぞれ表示される。
図10に示すように、第1端末10のモニタには、「塗料残量情報」「塗料保管場所情報」「塗料入庫時期情報」が、それぞれ「15kg」「倉庫A:01」「2020年12月24日」と表示され、ユーザによる操作可能な3つのボタン(「印刷」「持出中」「この在庫を0にする」)も表示される。
【0068】
次いで、ステップ706では、塗料102の入庫時期から、保証期間が超過しているか否かが判定される。この判定は、第1端末10のモニタにて表示される塗料入庫時期情報を、ユーザが確認することで実行される。現時点で、保証期間が超過していないものとする。このため、「No」と判定されて、ステップ707に進む。
【0069】
ステップ707では、第1端末10にて、第1端末10のモニタにて表示される「持出中」ボタンが、ユーザにより押される。これにより、情報通知部16は、管理サーバ20にて塗料使用情報として「持出中」と表されるよう管理サーバ20に通知する。そして、第1端末10にて読み取られたシール101aが付された塗料容器101が、ユーザにより保管棚から持ち出される。
【0070】
次いで、ステップ708では、管理サーバ20にて、第1端末10より塗料情報の消去指示がなされたか否かが判定される。現時点で、「この在庫を0にする」ボタンはユーザにより押されていない。このため、塗料情報の消去指示はなく、「No」と判定されて、ステップ709に進む。
【0071】
ステップ709では、管理サーバ20にて、塗料関連情報更新部22bにより、情報データベース21に格納されている塗料関連情報のうち、塗料使用情報が更新格納される。即ち、塗料関連情報更新部22bにより、塗料使用情報が、「保管中」から「持出中」に更新される。この更新情報は、ステップ707にてユーザが持ち出した塗料容器101に対応する。
【0072】
次いで、ステップ710では、管理サーバ20にて一部更新されている情報の閲覧が、第3端末40から要求される。即ち、第3端末40にて、情報閲覧要求部41により、管理サーバ20の情報データベース21に格納された塗料情報、及び塗料関連情報の閲覧が、要求される。本例では、ステップ707にてユーザが持ち出した塗料容器101に対応する情報の閲覧が、要求されるものとする。
【0073】
次いで、ステップ711では、管理サーバ20にて、第3情報送信部25により、第3端末40からの情報閲覧要求に応じて、情報データベース21に格納された塗料情報、及び、塗料関連情報が抽出され、第3端末40に送信される。抽出送信される塗料情報、及び、塗料関連情報は、上述した「ユーザが持ち出した塗料容器101に対応する情報」である。
【0074】
次いで、ステップ712では、第3端末40にて、管理サーバ20から送信された塗料情報、及び、塗料関連情報が、
図11に示すように、第3端末40のモニタに表示される。「塗料使用情報」が「持出中」と表示される点のみ、
図9の表示と異なり、その他の情報は、
図9の情報と同じである。
【0075】
図7のフローチャート末端における「1」「2」および「3」は、
図8のフローチャート発端における「1」「2」および「3」にそれぞれ接続されている。
図7に続く
図8のフローチャートは、持ち出された塗料容器101が、ユーザにより保管棚に保管される際の情報管理システム100の一連の作動を示している。
【0076】
上記ステップ712に続くステップ801では、第1端末10にて、読み取り部11により、塗料容器101に付されたシール101aのQRコードが読み取られる。読み取りに係る塗料容器101は、ステップ707により持ち出された後、塗料102の使用を経て、ユーザにより保管棚に保管される塗料容器101である。
【0077】
次いで、ステップ802では、第1端末10にて、情報表示部12により、シール101aのQRコードの読み取りに応じて、QRコードに格納された塗料情報が第1端末10のユーザが確認可能なように表示される。また、情報送信指示部15、情報通知部16、及び、情報消去指示部17により、QRコードの読み取りに応じて、「印刷」ボタン、「持出中」ボタン、及び、「この在庫を0にする」ボタンが、それぞれ表示される。即ち、第1端末10のモニタには、ステップ705の表示と同じ表示がなされる(
図10を参照)。
【0078】
次いで、ステップ803では、塗料容器101の塗料102を使い切ったか否かが判定される。この判定は、ユーザが塗料容器101を確認することで実行される。現時点で、塗料102を使い切っていないものとする。このため、「No」と判定されて、ステップ804に進む。これとともに、塗料容器101は、ユーザにより保管棚に保管される。本例では、塗料容器101は、倉庫Aにおける保管棚の番号02に対応する保管位置に、保管されるものとする。また、使用後の塗料102の残量は、保管前に別途秤量されて、本例では、塗料102の残量が10kgになっているものとする。
【0079】
ステップ804では、第1端末10にて、情報入力部13により、シール101aのQRコードの読み取りに応じて、塗料情報が、第1端末10のユーザにより入力更新可能となる。ここでは、塗料情報のうち「塗料残量情報」「塗料保管場所情報」が、それぞれ「10kg」「倉庫A:02」となるよう、ユーザにより入力更新され、
図12に示すように、第1端末10のモニタにて表示される。「塗料残量情報」「塗料保管場所情報」が、それぞれ「10kg」「倉庫A:02」と表示される点のみ、
図10の表示と異なり、その他の情報は、
図10の情報と同じである。
【0080】
次いで、ステップ805では、第1端末10にて、第1情報送信部14により、ステップ804にて入力更新された塗料情報が、管理サーバ20に送信される。
【0081】
次いで、ステップ806では、管理サーバ20にて、第1端末10より塗料情報の消去指示がなされたか否かが判定される。現時点で、「この在庫を0にする」ボタンはユーザにより押されていない。このため、塗料情報の消去指示はなく、「No」と判定されて、ステップ807に進む。
【0082】
ステップ807では、管理サーバ20にて、塗料情報更新部22aにより、情報データベース21に格納されている塗料情報のうち、「塗料残量情報」「塗料保管場所情報」が、更新格納される。即ち、塗料情報更新部22aにより、「塗料残量情報」「塗料保管場所情報」が、「15kg」「倉庫A:01」から「10kg」「倉庫A:02」に更新される。また、塗料関連情報更新部22bにより、情報データベース21に格納されている塗料関連情報のうち、「塗装可能面積情報」「塗料使用情報」が、更新格納される。即ち、塗料関連情報更新部22bにより、「塗装可能面積情報」「塗料使用情報」が、「136平米」「持出中」から「90.9平米」「保管中」に更新される。この更新情報は、ステップ803にてユーザが保管棚に保管した塗料容器101に対応する。
【0083】
次いで、ステップ808では、第1端末10にて、第1端末10のモニタにて表示される「印刷」ボタンが、ユーザにより押される。これにより、情報送信指示部15は、ステップ805にて第1情報送信部14により管理サーバ20に送信された塗料情報を、管理サーバ20から第2端末30に送信するよう管理サーバ20に指示する。
【0084】
次いで、ステップ809では、管理サーバ20にて、第2情報送信部24により、第1端末10からの情報送信指示に応じて、第1端末10から送信された塗料情報が、第2端末30に送信さる。送信される塗料情報における「塗料残量情報」「塗料保管場所情報」は、「10kg」「倉庫A:02」に更新されたものである。
【0085】
次いで、ステップ810では、第2端末30にて、情報出力部31により、QRコードが印刷され、印刷されたQRコードが表示されたシール101bが出力される。シール101bに表示されたQRコードは、ステップ809にて管理サーバ20より送信された塗料情報を格納する。シール101bにおける塗料情報の「塗料残量情報」「塗料保管場所情報」「塗料入庫時期情報」は、「10kg」「倉庫A:02」「2020年12月24日」である。シール101bは、シール101aが付されていた塗料容器101に対し、シール101aに代えて、又は、シール101aの上から新たに付される。
【0086】
次いで、ステップ811では、管理サーバ20にて一部更新されている情報の閲覧が、第3端末40から要求される。即ち、第3端末40にて、情報閲覧要求部41により、管理サーバ20の情報データベース21に格納された塗料情報、及び、塗料関連情報の閲覧が、要求される。本例では、ステップ803にてユーザが保管棚に保管した塗料容器101に対応する情報の閲覧が、要求されるものとする。
【0087】
次いで、ステップ812では、管理サーバ20にて、第3情報送信部25により、第3端末40からの情報閲覧要求に応じて、情報データベース21に格納された塗料情報、及び、塗料関連情報が抽出され、第3端末40に送信される。抽出送信される塗料情報、及び、塗料関連情報は、上述した「ユーザが保管棚に保管した塗料容器101に対応する情報」である。
【0088】
次いで、ステップ813では、第3端末40にて、管理サーバ20から送信された塗料情報、及び塗料関連情報が、
図13に示すように、第3端末40のモニタに表示される。「塗料残量情報」「塗料保管場所情報」「塗装可能面積情報」「塗料使用情報」が、「10kg」「倉庫A:02」「90.9平米」「保管中」とそれぞれ表示される点のみ、
図11の表示と異なり、その他の情報は、
図11の情報と同じである。
【0089】
一方、ステップ803にて、塗料容器101の塗料102を使い切ったか否かの判定において、塗料102を使い切った場合の作動を説明する。この場合、「Yes」と判定されて、ステップ814に進む。この場合、塗料容器101は、保管棚に保管されず、ユーザにより廃棄される。
【0090】
ステップ814では、第1端末10にて、第1端末10のモニタにて表示される「この在庫を0にする」ボタンが、ユーザにより押される。これにより、情報消去指示部17は、管理サーバ20にて塗料情報を消去するよう管理サーバ20に指示する。
【0091】
次いで、ステップ806では、管理サーバ20にて、第1端末10より塗料情報の消去指示がなされたか否かが判定される。ステップ814にて塗料情報の消去指示がなされたため、「Yes」と判定されて、ステップ815に進む。
【0092】
ステップ815では、管理サーバ20にて、情報消去部23により、第1端末10からの塗料情報の消去指示に応じて、情報データベース21に格納されている塗料情報が消去される。消去される塗料情報は、第1端末10にて読み取られたシール101aが付された塗料容器101に対応する塗料情報である。なお、塗料情報の消去に応じて、関連付けられた塗料関連情報も、消去される。
【0093】
更に、
図7のステップ706にて、塗料102の入庫時期から保証期間が超過しているか否かの判定において、保証期間が超過している場合の作動を説明する。この場合、「Yes」と判定されて、ステップ713に進む。この場合、塗料容器101に収容されている塗料102は使用されず、塗料容器101ごとユーザにより廃棄される。
【0094】
ステップ713では、第1端末10にて、第1端末10のモニタにて表示される「この在庫を0にする」ボタンが、ユーザにより押される。これにより、情報消去指示部17は、管理サーバ20にて塗料情報を消去するよう管理サーバ20に指示する。
【0095】
次いで、ステップ708では、管理サーバ20にて、第1端末10より塗料情報の消去指示がなされたか否かが判定される。ステップ713にて塗料情報の消去指示がなされたため、「Yes」と判定されて、ステップ714に進む。
【0096】
ステップ714では、管理サーバ20にて、情報消去部23により、第1端末10からの塗料情報の消去指示に応じて、情報データベース21に格納されている塗料情報が消去される。消去される塗料情報は、第1端末10にて読み取られたシール101aが付された塗料容器101に対応する塗料情報である。なお、塗料情報の消去に応じて、関連付けられた塗料関連情報も、消去される。
【0097】
以上説明したように、本実施形態の情報管理システム100においては、塗料情報は、シール101aのQRコードに格納されており、第1端末10に読み取られた場合に、第1端末10にて塗料情報が表示される。更に、塗料情報の入力更新は、シール101aのQRコードの読み取りに応じて、第1端末10でのユーザ入力にて実行される。入力更新された塗料情報は、管理サーバ20に送信されて、管理サーバ20が備える情報データベース21にて情報更新される。加えて、更新された塗料情報は、第2端末30に送信されて、QRコードが印刷されたシール101bが出力される。このQRコードは、更新された塗料情報を格納する。
【0098】
以上のように、塗料情報は、シール101aおよび管理サーバ20にて格納されるため、第1端末10にて、塗料情報を格納し引き出すための情報データベース等を設ける必要がなくなる。このため、第1端末10が多数用いられる場合に、それぞれの第1端末10に対するデータ格納の手間や、情報セキュリティを強化する手間等を生じさせないようにすることができる。
【0099】
また、第2端末30にて出力されたシール101bを、塗料容器101に新たに貼り付けることで、塗料容器101での情報更新を簡便に達成することができる。このため、シール101a、101bを用いることで、例えば、非接触ICタグのように、記憶デバイスやアンテナを設ける必要がなくなる。従って、塗料102が多種で多数用いられる場合に、コストを抑制することができ、メンテナンスの手間も生じさせないようにすることができる。更に、シール101aのQRコードの読み取りに対し、例えば、カメラ等の汎用デバイスを用いることができる。このため、ハードウェアの選定に労力を要しない。
【0100】
また、塗料情報は、第1端末10のシール101a読み取りのみで、ユーザによる入力更新が可能となる。入力更新されると、更新後の塗料情報は、管理サーバ20にて自動的に管理される。従って、簡便な情報管理が可能となる。更に、管理サーバ20の情報データベース21に格納された塗料情報を、第3端末40にて共有することで、保管場所に出向くことなく遠隔的に、且つ、任意の時間に、塗料情報及び塗料関連情報を確認することができる。また、在庫金額等の情報も管理することで、棚卸の手間をなくすことができる。
【0101】
以上より、本実施形態の情報管理システム100によれば、簡便な情報管理を可能とし、システムを円滑に導入することができる。
【0102】
また、本実施形態では、特に、塗料情報が塗料残量情報を含む。第1端末10では、塗料残量情報が、塗料102の使用後における塗料残量情報に、第1端末10のユーザにより入力更新される。それに応じて、管理サーバ20では、情報データベース21に格納されていた塗料残量情報が、塗料102の使用後における塗料残量情報に格納更新される。従って、塗料情報として重要となる塗料102の残量を、簡便に管理することができる。このため、塗料102の購入や入庫のための計画を、容易に作成することができる。この結果、塗料102の在庫切れ、在庫過多、重複発注等を、回避することができる。
【0103】
また、本実施形態では、特に、管理サーバ20の情報データベース21では、塗料情報に加え、塗装可能面積情報が、塗料情報に関連付けて格納される。第1端末10のユーザにより入力更新された塗料残量情報に基づいて、管理サーバ21にて、塗装可能面積が自動的に算出更新される。従って、塗料102の残量に加え、塗装可能面積を簡便に確認することができる。
【0104】
また、本実施形態では、特に、塗料情報が塗料保管場所情報を含む。第1端末10では、塗料保管場所情報が、塗料102の使用後における塗料保管場所情報に、第1端末10のユーザにより入力更新される。それに応じて、管理サーバ20では、情報データベース21に格納されていた塗料保管場所情報が、塗料102の使用後における塗料保管場所情報に格納更新される。従って、塗料情報として重要となる塗料102の保管場所を、簡便に確認することができる。このため、塗料102の使用後の保管に際し、塗料容器101を任意の保管位置に保管でき、作業効率を向上できる。更に、塗料容器101の持ち出しに際し、最適な塗料容器101を、効率的に探し出すことができる。
【0105】
また、本実施形態では、特に、シール101aのQRコード読み取りに応じて、第1端末10のモニタに「この在庫を0にする」ボタンが表示される。第1端末10のユーザにより「この在庫を0にする」ボタンが押されることで、管理サーバ20にて、情報データベース21に格納されている塗料情報が消去される。例えば、塗料容器101内の塗料102を使い切った場合や、塗料102の入庫時期から保証期間が超過した場合に、ユーザが塗料容器101を廃棄すべきと判断し、直ちに塗料情報の消去を指示することができる。従って、塗料容器101の廃棄に合わせて、簡便かつ迅速に、対応する塗料情報(及び、塗料関連情報)を消去することができる。
【0106】
また、本実施形態では、特に、塗料情報が塗料入庫時期情報を含む。シール101aのQRコード読み取りに応じて、第1端末10のモニタに、塗料情報として「塗料残量情報」「塗料保管場所情報」に加え「塗料入庫時期情報」が、表示される。このため、塗料102の保証期間が超過しているか否かを、確実に確認することができる。従って、塗料容器101の廃棄を、容易に判断することができる。
【0107】
また、本実施形態では、特に、管理サーバ20の情報データベース21では、塗料情報に加え、塗料使用情報が、塗料情報に関連付けて格納される。また、シール101aのQRコード読み取りに応じて、第1端末10のモニタに「持出中」ボタンが表示される。第1端末10のユーザにより「持出中」ボタンが押されることで、管理サーバ20にて、情報データベース21に格納されている塗料使用情報が「持出中」に格納更新される。従って、塗料容器101の持ち出しに応じて、簡便かつ迅速に、対応する塗料使用情報を「持出中」と表示することができる。
【0108】
また、本実施形態では、特に、塗料情報の格納に、QRコードが表示されたシール101aが用いられる。このため、シール101aは、塗料容器101の形状に沿って柔軟に変形しつつ、簡単に貼り付けられる。加えて、2次元コードの情報格納量は大きいため、多くの塗料情報を格納させて管理することができる。更に、カメラ等の汎用的なデバイスで読み取ることができ、シール101aに多少の塗料汚れが発生しても、支障なく読み取りが可能となる。また、第2端末30にてQRコードが印刷されて、シール101bが出力される。出力には、プリンタ等の汎用的なデバイスを用いることができる。従って、塗料容器101における塗料情報の更新を、簡単に且つ低コストで達成することができる。
【0109】
また、本実施形態では、特に、第3端末40の情報閲覧の要求に応じて、管理サーバ20は、情報データベース21に格納された塗料情報及び塗料関連情報を、第3端末40に送信する。このため、例えば、他社にて第3端末40が用いられることで、情報データベース21に格納された塗料情報、及び、塗料関連情報を、他社とシェアすることができる。従って、必要に応じて、他社と在庫塗料を融通し合うことが可能となり、全体として塗料102の廃棄量を、抑制することができる。また、自社にて第3端末40が用いられることで、保管場所に出向くことなく遠隔的に、且つ、任意の時間に、塗料情報及び塗料関連情報を確認することができる。なお、第3端末40は、第1端末10のユーザと異なる者が利用してもよいし、同じ者が利用してもよい。
【符号の説明】
【0110】
100…情報管理システム、101…塗料容器、101a,101b…シール、102…塗料、10…第1端末、11…読み取り部、12…情報表示部、13…情報入力部、14…第1情報送信部、15…情報送信指示部、16…情報通知部、17…情報消去指示部、20…管理サーバ、21…情報データベース、22…情報格納部、23…情報消去部、24…第2情報送信部、25…第3情報送信部、30…第2端末、31…情報出力部、40…第3端末、41…情報閲覧要求部