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特開2022-10537利用者端末、特典情報管理システム、特典情報管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010537
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】利用者端末、特典情報管理システム、特典情報管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220107BHJP
【FI】
G06Q30/02 322
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111182
(22)【出願日】2020-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】519099416
【氏名又は名称】KING’S株式会社
(72)【発明者】
【氏名】玉木 秀樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】特典管理の負担を軽減し、利用者による特典の利活用を促進できる新規かつ有用な利用者端末、特典情報管理システム及び特典情報管理方法を提供する。
【解決手段】利用者が利用可能な特典を発行する処理部と、前記利用者の利用者情報及び前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのデータベースとを少なくとも備える前記利用者の利用者端末であって、前記特典の保有残高を表す前記特典情報として、前記特典を貨幣に交換した後の前記貨幣の価額を前記利用者に表示する手段を有し、さらに、前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付す手段を有する利用者端末を、利用者が利用可能な特典の特典情報を管理する特典情報管理サーバーと通信回線を介して通信可能に接続して、特典情報の管理を行う。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が利用可能な特典を発行する処理部と、前記利用者の利用者情報及び前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのデータベースとを少なくとも備える前記利用者の利用者端末であって、
前記特典の保有残高を表す前記特典情報として、前記特典を貨幣に交換した後の前記貨幣の価額を前記利用者に表示する手段を有し、
さらに、前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付す手段を有することを特徴とする利用者端末。
【請求項2】
前記特典と貨幣との交換レートを記憶しており、前記交換レートに基づき、前記特典を前記貨幣に交換する手段を有する請求項1記載の利用者端末。
【請求項3】
前記特典が有効期限のある特典である請求項1又は2に記載の利用者端末。
【請求項4】
前記特典の有効期間が、前記特典の発行日から6ヶ月以内である請求項3記載の利用者端末。
【請求項5】
前記貨幣がデジタル通貨である請求項1~4のいずれかに記載の利用者端末。
【請求項6】
前記の新たに発行される特典の発行日及び発行量を予め表示する手段を有する請求項1~5のいずれかに記載の利用者端末。
【請求項7】
前記発行日と前記発行量とを新たな特典の特典情報として前記利用者に基づいて記憶する手段を有する請求項6記載の利用者端末。
【請求項8】
前記貨幣の価額とともに、前記特典の取引開始画面を表示する手段を有する請求項1~7のいずれかに記載の利用者端末。
【請求項9】
前記特典情報の管理にブロックチェーンを用いる手段を備える請求項1~8のいずれかに記載の利用者端末。
【請求項10】
前記特典を前記貨幣に交換した後、交換後の前記特典を使用済み特典として前記特典情報に記憶する手段を備える請求項1~9のいずれかに記載の利用者端末。
【請求項11】
利用者が利用可能な特典の特典情報を管理する特典情報管理サーバーと、前記利用者の利用者端末とが通信回線を介して通信可能に接続される特典情報管理システムであって、
前記利用者端末は、請求項1~10のいずれかに記載の利用者端末であることを特徴とする特典情報管理システム。
【請求項12】
前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付した後、前記利用者端末は、前記処理に付した特典情報を、前記特典情報管理サーバーに送信する手段を有し、前記特典情報管理サーバーは、前記利用者端末から前記取引情報を受信すると、前記特典情報管理サーバーが保有する特典情報と照合し、一致しない場合には、前記特典情報を更新する手段を有する請求項11記載の特典情報管理システム。
【請求項13】
前記通信回線が電話網又はインターネット網を含む請求項11又は12に記載の特典情報管理システム。
【請求項14】
利用者が利用可能な特典を発行する処理部と、前記利用者の利用者情報及び前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのデータベースとを少なくとも備える前記利用者の利用者端末を用いて前記特典情報を管理する方法であって、前記利用者端末にて、前記特典の保有残高を表す前記特典情報として、前記特典を貨幣に交換した後の前記貨幣の価額を前記利用者に表示し、さらに、前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付すことを特徴とする特典情報管理方法。
【請求項15】
利用者が利用可能な特典を発行する処理部と、前記利用者の利用者情報及び前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのデータベースとを少なくとも備える前記利用者の利用者端末を、前記特典の保有残高を表す前記特典情報として、前記特典を貨幣に交換した後の前記貨幣の価額を前記利用者に表示し、さらに、前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付す手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイント等の特典を取り扱う利用者端末、前記特典の特典情報を管理する特典情報管理システム、特典情報管理方法又はこれらに適用されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンや携帯電話等のユーザー端末を用いた商取引において、商品の購入時等においてポイントを付与することが行われている。そして、近年においては、ポイントには通常、有効期限が設けられているため、有効期限を実質的に延ばす目的で別のポイントに交換するシステムや有効期限の残り期間に応じた換金レートを適用する換金システム等が検討されている(特許文献1)。しかしながら、このシステムも、利用者がポイントを利活用するといった本来の目的を達成するものではなく、また、ポイントの管理運用の負担を増やすことにもなり、必ずしも満足のいくものではなかった。
【0003】
ところで、近年においては、ポイントに有効期限を設けないことも検討されているが、ポイントが失効しないので、発行日ごとに管理する必要のあるポイントを管理するうえで、ポイント発行者の負担が増大していく問題があり、例えば特許文献2に記載されているとおり、有効期限を単に無くした場合は、ポイント発行者の経済的負担が増す問題があった。これに対し、特許文献2に記載されているように、有効期限付きのポイントを活用して、ポイント発行者の経済的負担をなるべく抑えるような検討が進められている。
以上のような状況下、ポイントは利用者にとっては、ただでさえ現金を扱うようにはいかないため、ポイントを利活用する機会を失うことなく、さらに、ポイントを使い勝手の良いものとするような方策が待ち望まれており、また、ポイント発行者の管理負担をも軽減するような方策が待ち望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-203163号公報
【特許文献2】特開2020-27578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特典管理の負担を軽減し、利用者による特典の利活用を促進できる新規かつ有用な利用者端末、特典情報管理システム及び特典情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、利用者が利用可能な特典を発行する処理部と、前記利用者の利用者情報及び前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのデータベースとを少なくとも備える前記利用者の利用者端末であって、前記特典の保有残高を表す前記特典情報として、前記特典を貨幣に交換した後の前記貨幣の価額を前記利用者に表示する手段を有し、さらに、前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付す手段を有する利用者端末が、利用者の特典利用をより促進するものであり、また、特典発行者の負担も軽減でき、利用者、特典発行者ともに特典を扱い易くするものであることを知見し、このような特典情報管理システムが、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 利用者が利用可能な特典を発行する処理部と、前記利用者の利用者情報及び前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのデータベースとを少なくとも備える前記利用者の利用者端末であって、
前記特典の保有残高を表す前記特典情報として、前記特典を貨幣に交換した後の前記貨幣の価額を前記利用者に表示する手段を有し、
さらに、前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付す手段を有することを特徴とする利用者端末。
[2] 前記特典と貨幣との交換レートを記憶しており、前記交換レートに基づき、前記特典を前記貨幣に交換する手段を有する前記[1]記載の利用者端末。
[3] 前記特典が有効期限のある特典である前記[1]又は[2]に記載の利用者端末。
[4] 前記特典の有効期間が、前記特典の発行日から6ヶ月以内である前記[3]記載の利用者端末。
[5] 前記貨幣がデジタル通貨である前記[1]~[4]のいずれかに記載の利用者端末。
[6] 前記の新たに発行される特典の発行日及び発行量を予め表示する手段を有する前記[1]~[5]のいずれかに記載の利用者端末。
[7] 前記発行日と前記発行量とを新たな特典の特典情報として前記利用者に基づいて記憶する手段を有する前記[6]記載の利用者端末。
[8] 前記貨幣の価額とともに、前記特典の取引開始画面を表示する手段を有する前記[1]~[7]のいずれかに記載の利用者端末。
[9] 前記特典情報の管理にブロックチェーンを用いる手段を備える前記[1]~[8]のいずれかに記載の利用者端末。
[10] 前記特典を前記貨幣に交換した後、交換後の前記特典を使用済み特典として前記特典情報に記憶する手段を備える前記[1]~[9]のいずれかに記載の利用者端末。
[11] 利用者が利用可能な特典の特典情報を管理する特典情報管理サーバーと、前記利用者の利用者端末とが通信回線を介して通信可能に接続される特典情報管理システムであって、
前記利用者端末は、前記[1]~[10]のいずれかに記載の利用者端末であることを特徴とする特典情報管理システム。
[12] 前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付した後、前記利用者端末は、前記処理に付した特典情報を、前記特典情報管理サーバーに送信する手段を有し、前記特典情報管理サーバーは、前記利用者端末から前記取引情報を受信すると、前記特典情報管理サーバーが保有する特典情報と照合し、一致しない場合には、前記特典情報を更新する手段を有する前記[11]記載の特典情報管理システム。
[13] 前記通信回線が電話網又はインターネット網を含む前記[11]又は[12]に記載の特典情報管理システム。
[14] 利用者が利用可能な特典を発行する処理部と、前記利用者の利用者情報及び前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのデータベースとを少なくとも備える前記利用者の利用者端末を用いて前記特典情報を管理する方法であって、前記利用者端末にて、前記特典の保有残高を表す前記特典情報として、前記特典を貨幣に交換した後の前記貨幣の価額を前記利用者に表示し、さらに、前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付すことを特徴とする特典情報管理方法。
[15] 利用者が利用可能な特典を発行する処理部と、前記利用者の利用者情報及び前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのデータベースとを少なくとも備える前記利用者の利用者端末を、前記特典の保有残高を表す前記特典情報として、前記特典を貨幣に交換した後の前記貨幣の価額を前記利用者に表示し、さらに、前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付す手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の効果】
【0008】
本発明の利用者端末、特典情報管理システム及び特典情報管理方法によれば、特典管理の負担を軽減し、利用者による特典の利活用を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の利用者端末の好適な実施態様の一例を示す図である。
図2】本発明の特典情報管理システムの別の好適な実施態様の一例を示す図である。
図3】本発明の好適な利用者端末の機能的要素の一例を模式的に示す図である。
図4】本発明の好適な利用者端末の機能的な情報処理システム構成の一例を模式的に示す図である。
図5】本発明の特典情報管理システムにおいて好適に用いられるブロックチェーンの構成の一例を説明する図である。
図6】本発明の利用者端末において好適に用いられる特典情報マスタの一例を示す図である。
図7】本発明の利用者端末において好適に実施される特典情報を取得するための情報処理フローの一例を模式的に示す図である。
図8】本発明において利用者端末に表示される特典の取引画面の好適な一例を模式的に示す図であり、特典の取引開始画面を示す。
図9】本発明において利用者端末に表示される特典の取引画面の好適な一例を模式的に示す図であり、特典を使用する際の取引画面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の利用者端末は、利用者が利用可能な特典を発行する処理部と、前記利用者の利用者情報及び前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのデータベースとを少なくとも備える前記利用者の利用者端末であって、 前記特典の保有残高を表す前記特典情報として、前記特典を貨幣に交換した後の前記貨幣の価額を前記利用者に表示する手段を有し、 さらに、前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付す手段を有することを特長とする。
【0011】
本発明においては、前記利用者端末が、前記特典と貨幣との交換レートを記憶しており、前記交換レートに基づき、前記特典を前記貨幣に交換する手段を有するのが好ましい。また、前記特典が有効期限のある特典であるのが好ましく、前記特典の有効期間が、前記特典の発行日から6ヶ月以内であるのも好ましい。このような好ましい範囲によれば、利用者の特典の利活用をより促進することができる。また、前記貨幣がデジタル通貨であるのが好ましい。このような好ましい範囲によれば、利用者の特典の管理負担をより軽減することができる。また、本発明においては、前記利用者端末が、前記の新たに発行される特典の発行日及び発行量を予め表示する手段を有するのが好ましく、前記発行日と前記発行量とを新たな特典の特典情報として前記利用者に基づいて記憶する手段を有するのがより好ましい。また、前記利用者端末は、前記貨幣の価額とともに、前記特典の取引開始画面を表示する手段を有するのが好ましく、前記特典情報の管理にブロックチェーンを用いる手段を備えるのも好ましい。また、本発明においては、前記特典を前記貨幣に交換した後、交換後の前記特典を使用済み特典として前記特典情報に記憶する手段を備えるのも好ましい。このような好ましい範囲によれば、利用者は前記特典をより簡便に活用することができ、有効期限のある特典等に対して、特典の早期利用の促進性を保ちつつ、より使い勝手のよいものとすることができる。また、特典発行者にとっても、発行済みの特典管理がより容易なものとなる。
【0012】
また、本発明においては、前記利用者端末と、前記特典の特典情報を管理する特典情報管理サーバーとが通信回線を介して通信可能に接続されて特典情報管理システムを構成するのが好ましく、このような特典情報管理システムも本発明に含まれる。本発明においては、前記特典情報管理システムが、前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付した後、前記利用者端末は、前記処理に付した特典情報を、前記特典情報管理サーバーに送信する手段を有し、前記特典情報管理サーバーは、前記利用者端末から前記取引情報を受信すると、前記特典情報管理サーバーが保有する特典情報と照合し、一致しない場合には、前記特典情報を更新する手段を有するのが好ましい。このような好ましい範囲によれば、利用者の前記特典の利活用に支障を与えることなく、特典発行者にとっても、利用者端末による発行済みの特典情報の特典管理がより容易なものとなる。
【0013】
「特典」は、本発明の目的を阻害しない限り限定されず商品またはサービスにおいて付与される公知の特典であってよい。前記特典としては例えば景品等との引換に用いる特典(たとえば、ポイント等)や、投票券の代金の支払いに用いる特典(たとえば、値引や割引等)等があげられる。本発明においては、前記特典がポイントであるのが好ましい。「ポイント」は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、商取引において付与等がされる公知のポイントであってよい。有効期限があってもよいし、有効期限がなくてもよい。本発明においては、前記ポイントが有効期限のあるポイントであるのが好ましく、有効期間が発行日から6ヶ月以内であるポイントであるのがより好ましい。
【0014】
「貨幣」は、何らかの値に交換され得る任意の媒体をいい、前記貨幣としては、例えば、特に限定されないが、紙幣、硬貨、為替またはキャッシャーチェック等が挙げられ、種々の通貨(デジタル通貨を含む)も含まれる。本発明においては、前記貨幣が、政府が承認または発行した通貨であるのが前記入出金装置による取引管理がより容易となるので好ましい。
【0015】
「利用者」は、ユーザーともいい、特典を利用できる人であればよく、自然人のみならず、法人や各種団体であってもよい。
【0016】
「特典発行者」は、特典発行を行っている商品・サービス提供業者などをいい、前記特典発行者としては、例えば小売店、納入業者、売買業者、個人またはサービス提供者などが挙げられる。本発明においては、前記特典発行者が、特典発行を業として実施している特典発行業者であるのが好ましい。
【0017】
「通信回線」は、特に限定されず、通信可能であれば無線回線であっても、有線回線であってもよいが、電話網又はインターネット網を含むことが、双方向で通信が行えるので好ましい。また、前記通信回線は、通信制限が設けられた専用回線であってもよい。
【0018】
以下、図面を用いて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら事項に限定されるものではない。
【0019】
図1は、本発明の利用者端末の好適な実施態様を模式的に示す図である。利用者端末11は、通信回線18を介して外部との情報通信手段を有しており、前記特典情報の管理にブロックチェーン19を用いる手段を備えているのが好ましい。前記利用者は、利用者端末11を使って、前記特典の保有残高などを確認するために、特典情報取得要求を行うと、利用者端末11は、前記利用者の前記特典を自動的に貨幣に交換し、交換後の貨幣とともに、かかる貨幣から前記特典を発行した場合の特典に関する情報を表示する。
【0020】
図2は、本発明の特典情報管理システムの別の好適な実施態様の一例を示す。図2の特典情報管理システムは、前記利用者端末11と、前記特典の特典情報を管理する特典情報管理サーバー12とが通信回線18を介して通信可能に接続されている。また、図示しないが、特典情報管理サーバー12は前記利用者の利用者が店舗において特典を付与された場合、かかる特典の特典情報を受信し特典情報管理サーバー12内にあるデータベース部に記憶されている特典情報を更新する。利用者端末11は、前記特の交換に関する特典情報を取引情報として特典情報管理サーバー12に送信し、特典情報管理サーバー12は、利用者端末11から前記取引情報を受信すると、特典情報管理サーバー12が保有する特典情報と前記取引情報とを照合し、一致しない場合には、特典情報管理サーバー12が保有する前記特典情報を更新する。
【0021】
利用者端末11は、前記利用者の端末(例えばコンピュータ(PC)、スマートフォン、携帯電話等)であれば特に限定されず、公知のものであってよい。前記利用者端末としては、例えば、図3に示すように、記憶部1101、処理部1102、入力部1103、出力部1104、表示部1105及び通信部1106を含んで構成されるもの等が挙げられる。すなわち、前記利用者端末は、サーバーやコンピュータの基本構成を備えていれば特に限定されず、例えばスマートフォン、PC、タブレット端末又は携帯電話等とすることができる。例えば、図2に示される特許情報管理システムにおいては、利用者端末11が、特典情報管理サーバー12からブロックチェーンのデータを部分的に受信して処理を行うSPVクライアントとして機能するのが好ましい。
【0022】
処理部1102は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部1102は、記憶部1101に記憶されている特典情報管理プログラム等を実行することによって、本実施の形態における特典情報管理等に関する処理を実現する。記憶部1101は、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶装手段を含む。記憶部1101は、処理部1102とアクセス可能に接続され、各種処理に供されるデータ等を記憶する。入力部1103は、利用者端末11に情報を入力する手段を含む。入力部1103は、例えば、利用者からの入力を受けるタッチパネルやキーボードを備える。また、入力部1103は、利用者の外部から情報を受け取るネットワークインターフェース等を含み、処理に供されるデータを受信する。出力部1104は、利用者端末11で処理された情報を出力する手段を含む。出力部1104は、例えば、管理者に対して画像を呈示するディスプレイを備える。また、出力部1104は、通信回線18を介して、利用者端末11の外部へ情報等を送信するネットワークインターフェース等を含む。表示部1105は例えば、液晶ディスプレイ、ディスプレイパネルなどのディスプレイデバイスである。入力部1103と表示部1105とは、別体であってもよいし、一体化されたタッチパネルとして構成されてもよい。なお、本発明においては、入力部1103と出力部1104と表示部1105とを合わせて「入出力表示部」ということもある。また、通信部1106は、例えば、通信インタフェースである。
【0023】
また、利用者端末11は、利用者が利用可能な特典を発行する処理部と、前記利用者の利用者情報及び前記前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのデータベースとを少なくとも備えている。利用者端末11は、前記特典と貨幣との交換レートを記憶しており、前記利用者から、前記特典情報を取得するための要求がなされると、前記交換レートに基づき、前記特典を前記貨幣に交換し、ついで前記貨幣の価額を前記特典の保有残高を表す前記特典情報として表示した後、前記貨幣から前記特典を新たに発行する手段を有するのが好ましい。前記交換レートは、特に限定されないが、前記特典から前記貨幣に交換される際に前記貨幣に交換するために前記特典に乗ぜられる係数、前記貨幣から前記特典に交換される際に前記特典に交換するために前記貨幣に乗ぜられる係数等であってよく、固定レートであってもよいし、変動レートであってもよい。例えば、前記特典がポイントである場合であって、前記貨幣が日本円である場合には、1ポイント=0.01円~1,000,000円までの間の任意の日本円等が挙げられ、好適には1ポイント=0.01円~100円が挙げられる。より具体的に例えば、1ポイント=0.1円、1ポイント=1円、1ポイント=10円又は1ポイント=100円等が挙げられる。
【0024】
前記利用者端末において、前記処理部は、利用者が利用可能な特典を発行する手段を少なくとも有している処理部であって、さらに、前記特典と貨幣との交換レートを記憶しており、前記利用者から、前記特典情報を取得するための要求がなされると、前記交換レートに基づき、前記特典を前記貨幣に交換し、ついで前記貨幣の価額を前記特典の保有残高を表す前記特典情報として前記利用者に表示した後、前記貨幣から前記特典を新たに発行する手段を有しているのが好ましい。
前記処理部としては、特典発行部のほか、例えば、受付部、貨幣交換部、貨幣特典換算見積部、特典回収部等が好適な例として挙げられる。
【0025】
図4は、前記利用者端末の機能的なシステム構成の一例を示す図であり、前記処理部を具体的に説明する図でもある。前記利用者端末11は、例えば特典情報取得要求(S0)がなされると、利用認証等の処理を受付部(S1)にて行う。なお、特典情報取得要求は、特典情報の情報アプリケーションの起動画面又は開始画面等であってもよい。受付部(S1)は、特典情報管理サーバー12のデータベースに記憶されている認証情報記憶部(利用者情報記憶部や特典情報記憶部等を含んでいてもよい)を用いて、利用認証を実施し、前記利用認証でエラー等の問題がなかった場合には、前記利用認証にかかる利用者の特典情報を前記データベースから取得し、ついで貨幣交換部(S2)にて、特典を貨幣に交換する。貨幣交換部(S2)は、交換条件情報(S2a)を用いて、前記利用者が保有する特典を前記貨幣に交換する。交換条件情報(S2a)としては、例えば、特典-貨幣交換レート等が挙げられる。貨幣交換部(S2)にて貨幣に交換された後、貨幣特典換算見積部(S3)は、交換条件情報(S2a)を用いて、交換後の貨幣の価額から前記特典に交換した場合の特典の発行量を換算見積り、貨幣情報・換算特典情報出力部(S3a)を用いて、貨幣情報と換算特典情報とを前記利用者に対して出力する。また、貨幣交換部(S2)にて貨幣に交換された後、特典回収部(S4)は、特典情報減算処理部(S4a)を用いて、交換前の特典を減算処理に付し、ついでデータベースの特典情報を更新してかかる特典を回収する。
貨幣情報・換算特典情報出力部(S3a)にて、貨幣情報と換算特典情報とが前記利用者に対して出力された後、特典発行部(S5)は、前記換算特典情報に基づき前記利用者の貨幣から前記特典を新たに発行する。好適には、特典発行部(S5)は、特典情報加算処理部(S5a)を用いて、前記換算特典情報に基づき特典を加算処理に付し、ついでデータベースに特典情報を作成する。
【0026】
前記データベースは、前記利用者の利用者情報及び前記前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのものであれば特に限定されない。前記データベースとしては、例えば前記利用者端末内のデータベース部等が挙げられ、前記データベースには、例えば特典情報(例えば発行日、回収日、発行量、回収量等)が格納されている。好適には、前記データベースは、特典情報のデータベースである特典情報マスタを記憶手段に有している。前記特典情報マスタには、例えば、前記特典の発行日、回収日、発行量、回収量等が含まれており、前記特典情報マスタとしては、例えば図6に示されるものなどが挙げられる。
【0027】
なお、例えば図2の特典情報管理システムにおける特典情報管理サーバー12は公知の特典情報管理サーバーと同様特典情報などを管理するが、本発明においては特典情報を管理するブロックチェーンのすべてのデータを保持するフルノードサーバとしても機能するのが好ましい。特典情報管理サーバー12は通信回線18を介して利用者端末11等との間で特典情報などを管理する処理を行うのみならず、前記特典の交換処理等をも行うことができる。特典情報管理サーバー12もまた、例えば、ブロックチェーンの方式を用いて前記特典情報をデータベースとして記憶して管理する。前記特典情報のデータベースは、特典情報管理サーバー12及び利用者端末11等において共有(それぞれの記憶手段に記憶)される。
【0028】
ここで、本発明において好適に用いられるブロックチェーンについて説明する。ブロックは、特典に関する情報を含む取引データベースとして機能する。具体的には、各ブロックは、ダイジェストデータ及び取引に関する情報であるトランザクションのリストを含む。ダイジェストデータは、1つ前のブロックから算出された新たなハッシュ値を含む。すなわち、図5に示すように、ブロックが1つ前のブロックに含まれる情報から算出されたハッシュ値を含むことによって、各ブロックがチェーンのように繋がった状態で取引データベース(ブロックチェーン)として記憶される。取引履歴データベースは、サーバーのみにて管理されるのではなく、利用者端末11等において検証及び追加される。
【0029】
トランザクションは、特典情報等を記録するデータである。トランザクションは、インプット情報とアウトプット情報とを含む。インプット情報は、取引元となる利用者が取引対象となる特典の付与等を受けたときのトランザクションのアウトプット情報(トランザクションを特定する識別情報(トランザクションのハッシュ値や配列番号等))と、利用者がその特典を所有することを証明するための情報(当該アウトプットを使用する条件を満たすスクリプト等)などを含む。アウトプット情報は、付与された特典の種類及び数、付与先を特定するアドレスにおいて付与された特典を使用するためのスクリプト等の情報を含む。上記のように構成することで、利用者が利用可能な特典を発行する処理部と、前記利用者の利用者情報及び前記特典の特典情報を少なくとも格納するためのデータベースとを少なくとも備える前記利用者の利用者端末を、前記特典の保有残高を表す前記特典情報として、前記特典を貨幣に交換した後の前記貨幣の価額を前記利用者に表示し、さらに、前記特典の保有残高を回収し、前記貨幣の価額から前記特典を新たに発行する処理に付す手段として機能させることができる。
【0030】
図7は、前記利用者端末において好適に実施される特典情報を取得するための情報処理フローの一例を模式的に示す。利用者端末11の入出力表示部11aにおいて、利用者から利用認証及び特典情報取得要求がなされると(S101)、処理部11bは、認証情報の照合として、利用者情報(パスワード等を含む)の照会と特典情報の取得をデータベース部11cに対して行う(S102)。より具体的には、処理部11bは、データベース11cより、利用認証情報が、利用者情報のパスワード等が整合しており、問題ないと判断された場合、データベース11cから前記利用認証にかかる利用者の特典情報を取得する。データベース部11cから、照会結果と特典情報とが処理部11bに送信されると(S103)、処理部11bは、特典から貨幣への交換条件取得要求をデータベース部11cに送信する(S104)。データベース部11cは、処理部11bから特典から貨幣への交換条件取得要求を受信すると、前記利用者の交換条件を抽出して、処理部11bに交換条件を送信する(S105)。処理部11bは、データベース部11cから交換条件を受信すると、交換処理に付し、交換取引情報をデータベース部11cに送信する(S106)。前記交換取引情報としては、特に限定されないが、例えば、交換日時、交換後の貨幣の価額、交換された特典情報、利用者情報等が挙げられる。データベース部11cは、処理部11bから交換取引情報を受信すると、取引関連の情報作成及び情報更新を行って、これら情報作成及び情報更新完了を処理部11bに送信する(S107)。前記取引関連の情報作成及び情報更新としては、例えば、交換日時、交換後の貨幣の価額、交換された特典情報、利用者情報等の取引履歴に加え、交換された特典情報が使用済みであること又は回収済みであることを示すように特典情報を更新すること等も含まれる。前記処理部11bは、データベース部11cから取引関連の情報作成及び情報更新完了を受信すると、データベース部11cに対して特典の発行条件取得要求を送信する(S108)。データベース部11cは、処理部11bから特典の発行条件取得要求を受信すると、利用者に対する特典の発行条件を抽出し、抽出された新規発行条件を処理部11bに送信する(S109)。処理部11bは、データベース部11cから新規発行条件を受信すると、入出力表示部11aにおいて、貨幣情報及び換算特典情報を表示する(S110)。処理部11bは、入出力表示部11aでもって貨幣情報及び換算特典情報を表示した後、特典の発行処理に付し、ついでデータベース部11cに対して、新規発行取引情報を送信する(S111)。データベース部11cは、処理部11bから新規発行取引情報を受信すると、取引履歴及び特典情報の新規作成を実施し、その後、取引関連の情報作成及び情報更新完了を処理部11bに送信する(S112)。以上のような処理を行うことにより、利用者に対して、前記特典を前記貨幣として取り扱えるような構成とすることができる。
【0031】
なお、利用者端末では、例えば図8に示すような取引開始画面が表示される。図8の取引画面は、前記特典がポイントである場合の表示画面を示しており、ポイント保有残高が日本円で表示されるだけでなく、使用する場合のポイントについても記載されており、実際に「ポイントをつかう」という選択ボタンも設けられている。そして、例えば「ポイントをつかう」という選択ボタンを押し下げて選択すると、例えば図9に示されるような取引画面が表示され、実際にポイントを使用することができるようになる。図9の取引画面は、前記特典がポイントである場合の表示画面を示しており、ポイント保有残高が日本円で表示されるだけでなく、使用する場合のポイントについても記載されており、例えば店舗等の金銭登録機等においてバーコードが読み取られるか、QRコード(R)を読み取るかしてポイントを使用できるように構成されている。以上のようにすることで、図8及び図9からも明らかなように、利用者にとって、特典の利用促進性を損ねることなく、現金感覚で取り扱うことができることのみならず、特典の有効期限等の管理上の手間も省くことができる。また、特典発行者にとっても、発行日毎の処理管理上の負担が減少することになり、利用者、特典発行者ともに産業上有利に特典を管理運用できる。
【0032】
また、本発明では、便宜上、上記にて説明した各フローや各処理を、例えば図8及び図9に示すように、表示によって行うこともでき、このような態様も本発明に包含される。前記表示としては、例えば、図8及び図9に示すように「表記金額は、ポイントを換金して表示したものです。また、括弧内のポイント数は、当該表示金額をポイントに交換した場合のポイント数であり、本表示終了後、交換処理いたします。」等の表示などが挙げられる。なお、例えば前記特典の換金表示及び前記特典の交換予告を表示した場合には、前記利用者端末では、前記表示毎に、前記の換金後の特典の特典情報を回収済みとする処理が実行され、さらに、前記特典の発行日等の前記特典情報を新たに作成する処理が実行される。このように構成することにより、より簡便に各工程を実施することができ、利用者、特典発行者ともにより効率よく前記特典の利活用が図れる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の利用者端末、特典情報管理システム、特典情報管理方法及びプログラムは、特典の利用やその管理に有用である。
【符号の説明】
【0034】
11 利用者端末
12 特典情報管理サーバー
18 通信回線
19 ブロックチェーン
1101 記憶部
1102 処理部
1103 入力部
1104 出力部
1105 表示部
1106 通信部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9