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特開2022-105418情報処理システム、情報処理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105418
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20220707BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220707BHJP
【FI】
G06F13/00 540P
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000201
(22)【出願日】2021-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】507234427
【氏名又は名称】公立大学法人岩手県立大学
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 斗弥
(72)【発明者】
【氏名】猪股 一歩希
(72)【発明者】
【氏名】堀川 三好
【テーマコード(参考)】
5B084
5L049
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA12
5B084AA30
5B084AB04
5B084AB35
5B084AB39
5B084AB40
5B084BA02
5B084BB15
5B084CA07
5B084CB06
5B084CB22
5B084CC06
5B084CC07
5B084CC14
5B084CD05
5B084CD22
5B084CE03
5B084CE04
5B084CE12
5B084CE14
5B084CF03
5B084CF12
5B084DB01
5B084DB05
5B084DC02
5B084DC03
5B084DC27
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】パーソナライズされた情報を生成するのに適用可能な情報を提供することの可能な情報処理システム、情報処理方法、プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムは、端末装置上で実行されているWebブラウザに表示されたWebページに関する情報を取得する第1取得手段31と、WebページがWebブラウザに表示されているときに所定の計測装置によって計測された端末装置のユーザの状態に関する情報を取得する第2取得手段32と、取得したユーザの状態に関する情報に基づいて、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を推定する推定手段33と、Webページに関する情報と、ユーザの行動と、を対応付けた状態で所定の記憶装置に記憶する記憶手段34と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置上で実行されているWebブラウザに表示されたWebページに関する情報を取得する第1取得手段と、
前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときに所定の計測装置によって計測された前記端末装置のユーザの状態に関する情報を取得する第2取得手段と、
取得した前記ユーザの状態に関する情報に基づいて、前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときの前記ユーザの行動を推定する推定手段と、
前記Webページに関する情報と、前記ユーザの行動と、を対応付けた状態で所定の記憶装置に記憶する記憶手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
推定された前記ユーザの行動に応じて前記端末装置の動作を制御する制御手段を備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
推定された前記ユーザの行動に応じた情報を提供する提供手段を備える、請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
推定された前記ユーザの行動に応じて、前記Webブラウザに表示されるWebページの表示態様を変更する変更手段を備える、請求項1~3の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記推定手段は、取得した前記ユーザの状態に関する情報と、前記ユーザの状態に関する情報を学習データとして用いた機械学習に基づく学習済モデルと、に基づいて、前記ユーザの行動を推定する、請求項1~4の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記Webページに関する情報は、前記端末装置上での前記Webページの表示状態に関する情報を含む、請求項1~5の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記Webページに関する情報は、前記Webページがオンラインで表示されているか否かに関する情報を含む、請求項1~6の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記ユーザの状態に関する情報は、前記ユーザの加速度及び前記ユーザの角速度のうち少なくとも1つを含む、請求項1~7の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記所定の計測装置は前記端末装置に設けられている、請求項1~8の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項10】
コンピュータが、
端末装置上で実行されているWebブラウザに表示されたWebページに関する情報を取得するステップと、
前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときに所定の計測装置によって計測された前記端末装置のユーザの状態に関する情報を取得するステップと、
取得した前記ユーザの状態に関する情報に基づいて、前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときの前記ユーザの行動を推定するステップと、
前記Webページに関する情報と、前記ユーザの行動と、を対応付けた状態で所定の記憶装置に記憶するステップと、
の各ステップを実行する、情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
端末装置上で実行されているWebブラウザに表示されたWebページに関する情報を取得する機能と、
前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときに所定の計測装置によって計測された前記端末装置のユーザの状態に関する情報を取得する機能と、
取得した前記ユーザの状態に関する情報に基づいて、前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときの前記ユーザの行動を推定する機能と、
前記Webページに関する情報と、前記ユーザの行動と、を対応付けた状態で所定の記憶装置に記憶する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末等の端末装置の普及により、端末装置のユーザの情報を収集し、ユーザ毎にパーソナライズされた情報をユーザに提供する機能(例えば、ユーザの検索履歴や位置によって結果が変わる検索エンジン機能や、閲覧履歴や購買履歴に応じてお勧めの商品を表示するレコメンド機能等)を有する情報提供サービスが実用化されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された技術では、アイテムに対してアクションを起こしたユーザに対して、当該アイテムに関連するアイテムをレコメンドするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-154591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような情報提供サービスでは、ユーザの検索履歴、位置、又は、Webページの閲覧・購買履歴等の情報を分析し、分析結果に応じて、パーソナライズされた情報が生成されるようになっている。一方、よりパーソナライズされた情報を生成するためには、より適切な情報を用いて分析を行う必要がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、パーソナライズされた情報を生成するのに適用可能な情報を提供することの可能な情報処理システム、情報処理方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第一に本発明は、端末装置上で実行されているWebブラウザに表示されたWebページに関する情報を取得する第1取得手段と、前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときに所定の計測装置によって計測された前記端末装置のユーザの状態に関する情報を取得する第2取得手段と、取得した前記ユーザの状態に関する情報に基づいて、前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときの前記ユーザの行動を推定する推定手段と、前記Webページに関する情報と、前記ユーザの行動と、を対応付けた状態で所定の記憶装置に記憶する記憶手段と、を備える情報処理システムを提供する(発明1)。
【0008】
かかる発明(発明1)によれば、端末装置上で実行されているWebブラウザに表示されたWebページに関する情報と、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動と、が対応付けた状態で記憶されるので、記憶された情報に基づいて、ユーザがどのような行動をしながらWebページを閲覧しているのかを把握することが可能になる。また、記憶された情報を分析等することによって、ユーザの行動に応じてパーソナライズされた情報を生成することが可能になるので、パーソナライズされた情報を生成するのに適用可能な情報を提供することができる。
【0009】
上記発明(発明1)においては、推定された前記ユーザの行動に応じて前記端末装置の動作を制御する制御手段を備えてもよい(発明2)。
【0010】
かかる発明(発明2)によれば、例えば、端末装置をかざすというユーザの行動が推定された場合に当該端末装置のカメラ機能を起動させる等のように当該端末装置を制御することによって、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動に応じて端末装置を適切に動作させることが可能になる。
【0011】
上記発明(発明1~2)においては、推定された前記ユーザの行動に応じた情報を提供する提供手段を備えてもよい(発明3)。
【0012】
かかる発明(発明3)によれば、例えば、歩行しているというユーザの行動が推定された場合に端末装置を介して広告情報をユーザに提供する等のように、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動に応じて適切な情報を提供することが可能になる。
【0013】
上記発明(発明1~3)においては、推定された前記ユーザの行動に応じて、前記Webブラウザに表示されるWebページの表示態様を変更する変更手段を備えてもよい(発明4)。
【0014】
かかる発明(発明4)によれば、例えば、ユーザの行動が静止から歩行に変化した場合にWebページのデザインやレイアウト等が変更され得るので、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動に応じてWebページの表示態様を動的に変更することが可能になる。
【0015】
上記発明(発明1~4)においては、前記推定手段は、取得した前記ユーザの状態に関する情報と、前記ユーザの状態に関する情報を学習データとして用いた機械学習に基づく学習済モデルと、に基づいて、前記ユーザの行動を推定してもよい(発明5)。
【0016】
かかる発明(発明5)によれば、学習済モデルを用いることによって、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を容易に推定することができる。
【0017】
上記発明(発明1~5)においては、前記Webページに関する情報は、前記端末装置上での前記Webページの表示状態に関する情報を含んでもよい(発明6)。
【0018】
ここで、Webページの表示状態に関する情報には、例えば、Webページが端末装置の画面に表示されている状態(フォアグラウンド)、Webページが端末装置の画面に表示されていない状態(バックグラウンド)、Webページがプリレンダリングされている状態(プリレンダリング)等が含まれてもよい。
【0019】
かかる発明(発明6)によれば、ユーザがどのような行動をしながらWebページを閲覧しているのかとともに、Webページがどのような状態で表示されているかについても把握することが可能になるので、記憶された情報を分析等することによって、ユーザの行動に応じてよりパーソナライズされた情報を生成することができる。
【0020】
上記発明(発明1~6)においては、前記Webページに関する情報は、前記Webページがオンラインで表示されているか否かに関する情報を含んでもよい(発明7)。
【0021】
かかる発明(発明7)によれば、ユーザがどのような行動をしながらWebページを閲覧しているのかとともに、Webページがオンラインで表示されているか否かについても把握することが可能になるので、記憶された情報を分析等することによって、ユーザの行動に応じてよりパーソナライズされた情報を生成することができる。
【0022】
上記発明(発明1~7)においては、前記ユーザの状態に関する情報は、前記ユーザの加速度及び前記ユーザの角速度のうち少なくとも1つを含んでもよい(発明8)。
【0023】
かかる発明(発明8)によれば、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの加速度及び角速度のうち少なくとも1つに基づいて、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を推定することができる。
【0024】
上記発明(発明1~8)においては、前記所定の計測装置は前記端末装置に設けられていてもよい(発明9)。
【0025】
かかる発明(発明9)によれば、端末装置に設けられた計測装置を用いて、ユーザの状態に関する情報を取得することが可能になる。
【0026】
第二に本発明は、コンピュータが、端末装置上で実行されているWebブラウザに表示されたWebページに関する情報を取得するステップと、前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときに所定の計測装置によって計測された前記端末装置のユーザの状態に関する情報を取得するステップと、取得した前記ユーザの状態に関する情報に基づいて、前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときの前記ユーザの行動を推定するステップと、前記Webページに関する情報と、前記ユーザの行動と、を対応付けた状態で所定の記憶装置に記憶するステップと、の各ステップを実行する、情報処理方法を提供する(発明10)。
【0027】
第三に本発明は、コンピュータに、端末装置上で実行されているWebブラウザに表示されたWebページに関する情報を取得する機能と、前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときに所定の計測装置によって計測された前記端末装置のユーザの状態に関する情報を取得する機能と、取得した前記ユーザの状態に関する情報に基づいて、前記Webページが前記Webブラウザに表示されているときの前記ユーザの行動を推定する機能と、前記Webページに関する情報と、前記ユーザの行動と、を対応付けた状態で所定の記憶装置に記憶する機能と、を実現させるためのプログラムを提供する(発明11)。
【発明の効果】
【0028】
本発明の情報処理システム、情報処理方法、プログラムによれば、パーソナライズされた情報を生成するのに適用可能な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの基本構成を概略的に示す図である。
図2】端末装置の構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4】情報処理システムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
図5】第1取得データの構成例を示す図である。
図6】第2取得データの構成例を示す図である。
図7】学習データの構成例を示す図である。
図8】第1提供データの構成例を示す図である。
図9】制御データの構成例を示す図である。
図10】第2提供データの構成例を示す図である。
図11】(a)は、推定されたユーザの行動が「歩行」の場合にWebブラウザに表示されるWebページのレイアウトの一例を示す図であり、(b)は、推定されたユーザの行動が「横になる」の場合にWebブラウザに表示されるWebページのレイアウトの一例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの主要な処理の一例を示すフローチャートである。
図13】行動データの構成例を示す図である。
図14】情報処理システムの各機能について、端末装置と、情報処理装置との間の分担例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
(1)情報処理システムの基本構成
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの基本構成を概略的に示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システムでは、ユーザが端末装置10上でWebブラウザ(例えば、Google Chrome(登録商標)等)を実行している場合に、Webブラウザに表示されたWebページに関する情報と、WebページがWebブラウザに表示されているときに所定の計測装置18(図2に示す)によって計測されたユーザの状態に関する情報と、を情報処理装置20が取得するようになっている。端末装置10と、情報処理装置20とは、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等の通信網NW(ネットワーク)に接続されている。
【0032】
端末装置10は、例えば、ユーザに装着可能なデバイス(例えば、ウェアラブルデバイス)であってもよいし、ユーザが所持可能な携帯型デバイスであってもよい。また、端末装置10は、例えば、携帯端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む。)等のように、個々のユーザによって操作される装置であってもよい。
【0033】
情報処理装置20は、パーソナライズされた情報を生成するのに適用可能な情報を提供するための装置である。情報処理装置20は、端末装置10から取得したユーザの状態に関する情報に基づいて、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を推定する。また、情報処理装置20は、端末装置10から取得したWebページに関する情報と、推定したユーザの行動と、を対応付けた状態で所定の記憶装置に記憶する。情報処理装置20は、端末装置10と同様に、個々のユーザによって操作される装置であってもよい。
【0034】
(2)端末装置の構成
図2を参照して端末装置10の構成について説明する。図2は、端末装置10の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、記憶装置14と、表示処理部15と、表示部16と、入力部17と、計測装置18と、通信インタフェース部19と、を備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス10aが設けられている。
【0035】
CPU11は、電源が端末装置10に投入されると、ROM12又は記憶装置14に記憶された各種のプログラムをRAM13にロードして実行する。
【0036】
記憶装置14は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、磁気記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープ等)、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、CPU11が実行するプログラムやCPU11が参照するデータを格納する。
【0037】
表示処理部15は、CPU11から与えられる表示用データを表示部16に表示する。表示部16は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Crystal Display)モニタであり、表示用データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することで、表示されるデータを表示画面に表示する。
【0038】
端末装置10が釦入力方式の通信装置である場合には、入力部17は、ユーザの操作入力を受け入れるための方向指示釦及び決定釦等の複数の指示入力釦を含む釦群と、テンキー等の複数の指示入力釦を含む釦群とを備え、各釦の押下(操作)入力を認識してCPU11へ出力するためのインタフェース回路を含む。
【0039】
端末装置10がタッチパネル入力方式の通信装置である場合には、入力部17は、主として表示画面に指先又はペンで触れることによるタッチパネル方式の入力を受け付ける。タッチパネル入力方式は、静電容量方式等の公知の方式であってもよい。
【0040】
また、端末装置10が音声入力可能な装置である場合には、入力部17は、音声入力用のマイクを含むように構成されてもよいし、外付けのマイクを介して入力された音声データをCPU11へ出力するためのインタフェース回路を備えてもよい。さらに、端末装置10が動画像及び/又は静止画像を入力可能な通信装置である場合には、入力部17は、画像入力用のデジタルカメラやデジタルビデオカメラを含むように構成されてもよいし、外付けのデジタルカメラやデジタルビデオカメラで撮像された画像データを受け付けてCPU11へ出力するためのインタフェース回路を備えてもよい。
【0041】
計測装置18は、端末装置10のユーザの状態を連続的又は断続的(例えば、所定間隔(例えば300ミリ秒や1秒等)毎)に計測する装置である。ここで、ユーザの状態に関する情報とは、例えば、ユーザの状態を表す値であってもよいし、ユーザの状態を表す値を所定の計算式に代入することによって得られた値であってもよいし、ユーザの状態の度合いを表す情報であってもよい。
【0042】
計測装置18は、例えば、ユーザの状態(例えば、3軸方向又は2軸方向の加速度、3軸方向又は2軸方向の角速度、心拍数(脈拍)、血圧、体温、発汗量、歩数、歩行速度、姿勢、運動強度(例えば、心拍数÷最大心拍数)又は消費カロリー等)を計測する装置(例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、モーションセンサ、心拍計、血圧計、体温計、発汗計等)であってもよい。
【0043】
通信インタフェース部19は、通信網NWを介して他の装置(例えば、情報処理装置20)と通信を行うためのインタフェース回路を含む。
【0044】
(3)情報処理装置の構成
図3を参照して情報処理装置20の構成について説明する。図3は、情報処理装置20の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理装置20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、記憶装置24と、表示処理部25と、表示部26と、入力部27と、通信インタフェース部28と、を備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス20aが設けられている。
【0045】
CPU21は、電源が情報処理装置20に投入されると、ROM22又は記憶装置24に記憶された各種のプログラムをRAM23にロードして実行する。本実施形態では、CPU21は、ROM22又は記憶装置24に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、後述する第1取得手段31、第2取得手段32、推定手段33、記憶手段34、制御手段35、提供手段36及び変更手段37(図4に示す)の機能を実現する。
【0046】
記憶装置24は、例えば、フラッシュメモリ、SSD、磁気記憶装置(例えばHDD、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープ等)、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、CPU21が実行するプログラムやCPU21が参照するデータを格納する。また、記憶装置24には、後述する第1取得データ(図5に示す)、第2取得データ(図6に示す)、学習データ(図7に示す)、制御データ(図8に示す)、第1提供データ(図9に示す)及び第2提供データ(図10に示す)が記憶されている。
【0047】
入力部27は、例えばマウスやキーボード等の情報入力デバイスであってもよいし、音声入力用のマイクを含むように構成されてもよいし、画像入力用のデジタルカメラやデジタルビデオカメラを含むように構成されてもよいし、外付けのデジタルカメラやデジタルビデオカメラで撮像された画像データを受け付けてCPU21へ出力するためのインタフェース回路を備えてもよい。
【0048】
通信インタフェース部28は、通信網NWを介して通信を行うためのインタフェース回路を含む。情報処理装置20内の他の各部の詳細は、端末装置10と同様であってもよい。
【0049】
(4)情報処理システムにおける各機能の概要
本実施形態の情報処理システムで実現される機能について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態の情報処理システムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図4の機能ブロック図では、第1取得手段31、第2取得手段32、推定手段33及び記憶手段34が本発明の情報処理システムの主要な構成に対応している。他の手段(制御手段35、提供手段36及び変更手段37)は必ずしも必須の構成ではないが、本発明をさらに好ましくするための構成要素である。
【0050】
第1取得手段31は、端末装置10上で実行されているWebブラウザに表示されたWebページに関する情報を取得する機能を備える。
【0051】
ここで、Webページに関する情報は、端末装置10上でのWebページの表示状態に関する情報を含んでもよい。また、Webページの表示状態に関する情報には、例えば、Webページが端末装置10の画面(表示部16)に表示されている状態(フォアグラウンド)、Webページが端末装置10の画面(表示部16)に表示されていない状態(バックグラウンド)、Webページがプリレンダリングされている状態(プリレンダリング)等が含まれてもよい。これにより、ユーザがどのような行動をしながらWebページを閲覧しているのかとともに、Webページがどのような状態で表示されているかについても把握することが可能になるので、記憶された情報を分析等することによって、ユーザの行動に応じてよりパーソナライズされた情報を生成することができる。
【0052】
さらに、Webページに関する情報は、Webページがオンラインで表示されているか否かに関する情報を含んでもよい。これにより、ユーザがどのような行動をしながらWebページを閲覧しているのかとともに、Webページがオンラインで表示されているか否かについても把握することが可能になるので、記憶された情報を分析等することによって、ユーザの行動に応じてよりパーソナライズされた情報を生成することができる。
【0053】
第1取得手段31の機能は、例えば以下のように実現される。先ず、端末装置10のCPU11は、例えば、入力部17を用いたユーザの操作によってWebブラウザを実行している場合に、所定時間(例えば、10秒等)が経過する毎に、Webブラウザに表示されているWebページに関する情報を取得する。なお、ここでは、Webページに関する情報が、Webページの識別情報(例えばURL(Uniform Resource Locator)等)と、Webページの表示状態(例えば、フォアグラウンド、バックグラウンド、プリレンダリング等)と、Webページがオンラインで表示されているか否かと、を含むことを想定している。また、CPU11は、例えばJavaScript(登録商標)等を用いて構成されたアプリケーションを実行することによって、Webページに関する情報を取得してもよい。そして、CPU11は、Webページに関する情報を取得する毎に、取得した情報を、通信インタフェース部19及び通信網NWを介して情報処理装置20に送信する。ここで、情報処理装置20に送信される情報には、Webページに関する情報の取得日時と、端末装置10の識別情報(例えば、端末装置10のシリアル番号やMAC(Media Access Control)アドレス等)と、が含まれていてもよい。
【0054】
一方、情報処理装置20のCPU21は、通信インタフェース部28を介してWebページに関する情報を受信(取得)する毎に、Webページに関する情報を、例えば図5に示す第1取得データに記憶する。第1取得データは、端末装置10の識別情報(図の例では、端末装置ID)毎に、Webページに関する情報(図の例では、WebページのURL、Webページに関する情報の取得日時、Webページの表示状態、及び、端末装置10の接続状態(Webページがオンラインで表示されているか否か))が対応付けられた状態で記述されているデータである。ここで、図5に示すように、Webページに関する情報の取得日時、Webページの表示状態、及び、端末装置10の接続状態は、WebページのURL毎に対応付けられていてもよい。
【0055】
第2取得手段32は、WebページがWebブラウザに表示されているときに所定の計測装置18によって計測された端末装置10のユーザの状態に関する情報を取得する機能を備える。
【0056】
ここで、ユーザの状態に関する情報は、ユーザの加速度及びユーザの角速度のうち少なくとも1つを含んでもよい。これにより、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの加速度及び角速度のうち少なくとも1つに基づいて、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を推定することができる。
【0057】
第2取得手段32の機能は、例えば以下のように実現される。先ず、端末装置10のCPU11は、例えば、入力部17を用いたユーザの操作によってWebブラウザを実行している場合に、所定時間(例えば、300ミリ秒や1秒等)が経過する毎に、ユーザの状態(例えば、ユーザの3軸方向又は2軸方向の加速度と、ユーザの3軸方向又は2軸方向の角速度と、のうち少なくとも1つ)を取得する。ここで、CPU11は、例えばJavaScript(登録商標)等を用いて構成されたアプリケーションを実行して計測装置18を動作させることによって、ユーザの状態に関する情報を取得してもよい。そして、CPU11は、ユーザの状態に関する情報を計測する毎に、計測したユーザの状態に関する情報を、通信インタフェース部19及び通信網NWを介して情報処理装置20に送信する。ここで、情報処理装置20に送信される情報には、ユーザの状態に関する情報の取得(計測)日時と、上述した端末装置10の識別情報と、が含まれていてもよい。
【0058】
一方、情報処理装置20のCPU21は、通信インタフェース部28を介してユーザの状態に関する情報を受信(取得)する毎に、ユーザの状態に関する情報を、例えば図6に示す第2取得データに記憶する。第2取得データは、端末装置10の識別情報(図の例では、端末装置ID)毎に、ユーザの状態に関する情報の取得(計測)日時と、ユーザの状態に関する情報と、が対応付けられた状態で記述されているデータである。
【0059】
推定手段33は、取得したユーザの状態に関する情報に基づいて、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を推定する機能を備える。
【0060】
また、推定手段33は、取得したユーザの状態に関する情報と、ユーザの状態に関する情報を学習データとして用いた機械学習に基づく学習済モデルと、に基づいて、ユーザの行動を推定してもよい。この場合、学習済モデルを用いることによって、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を容易に推定することができる。
【0061】
推定手段33の機能は、例えば以下のように実現される。情報処理装置20のCPU21は、例えば、所定のタイミング(例えば、最初のユーザの状態に関する情報を端末装置10から受信(取得)したタイミング等)を起点として所定期間(例えば、3秒等)が経過する毎に、当該所定期間内に第2取得データに記憶されたユーザの状態に関する情報(所定期間内のユーザの状態に関する情報の推移に関する情報)を第2取得データから抽出する。そして、CPU21は、抽出したユーザの状態に関する情報(所定期間内のユーザの状態に関する情報の推移に関する情報)を、ユーザの状態に関する情報を学習データとして用いた機械学習に基づく学習済モデルに入力することによって、当該所定期間内のユーザの行動を推定する。
【0062】
学習データの一例を図7に示す。図7に示す学習データは、ユーザが所定の行動(図の例では、「静止」、「歩行」、「階段の昇降」、「横になる」等の何れか)を行っている場合のユーザの状態に関する情報(例えば、ユーザの3軸方向の加速度及び3軸方向の角速度のうち少なくとも一方)の所定期間内の時間推移を、当該行動(行動ラベル)に対応付けた状態で記述されているデータである。これにより、機械学習の結果として、所定の行動を行うユーザの状態に関する情報の所定期間内の時間推移と、当該行動との関係を示す学習済モデルが構成される。
【0063】
なお、学習データに記述されるデータは、同一のユーザが異なる行動を行った場合のデータを含んでもよいし、異なるユーザが同一の行動を行った場合のデータを含んでもよい。
【0064】
また、CPU21は、ユーザの状態に関する情報を学習データとして用いた機械学習によって、ユーザの状態に関する情報に基づいてユーザの行動を推定するのに用いられるモデルを学習してもよい。
【0065】
この場合、CPU21は、例えば、所定のモデル学習指示が入力部27を用いて入力されると、図7に示す学習データを用いてモデルの学習を行ってもよい。CPU21は、例えば、時系列対応型ニューラルネットワークモデルを用いて学習してもよい。ここで、時系列対応型ニューラルネットワークとして、例えば、RNN(Recurrent Neural Network)や、RNNの発展型であるLSTM(Long Short-Term Memory)等を適用することができる。また、CPU21は、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデル、サポートベクターマシン(SVM)モデル、全結合ニューラルネットワーク(FNN)モデル、勾配ブースティング(HGB)モデル、ウェーブネット(WN)モデル等の複数のモデルのうち何れかのモデルを用いて学習してもよい。
【0066】
このようにして、CPU21は、所定期間内のユーザの状態に関する情報の推移に関する情報を学習済モデルに入力することによって、当該所定期間内のユーザの行動(ここでは、「静止」、「歩行」、「階段の昇降」、「横になる」等の何れか)を推定することができる。
【0067】
なお、本実施形態では、CPU21が、情報処理装置20内に設けられたモデルを学習し、この学習済モデルを用いてユーザの行動を推定する場合を一例として説明したが、本発明は、この場合に限られない。例えば、ユーザの行動を推定するのに用いられるモデルは、情報処理装置20以外の他の装置に設けられてもよい。この場合、CPU21は、所定期間内のユーザの状態に関する情報の推移に関する情報を、他の装置に設けられた学習済モデルに入力し、当該学習済モデルによって推定された行動に関する情報を受信(取得)してもよい。
【0068】
記憶手段34は、Webページに関する情報と、ユーザの行動と、を対応付けた状態で記憶装置24(所定の記憶装置)に記憶する機能を備える。
【0069】
記憶手段34の機能は、例えば以下のように実現される。情報処理装置20のCPU21は、推定手段33の機能に基づいて所定期間内のユーザの行動を推定すると、当該ユーザ(端末装置ID)に対応するWebページに関する情報のうち、取得日時が当該所定期間内に含まれるWebページに関する情報を第1取得データから抽出する。そして、CPU21は、抽出したWebページに関する情報と、ユーザの行動と、を対応付けた状態で例えば図8に示す第1提供データに記憶する。第1提供データは、端末装置10の識別情報(図の例では、端末装置ID)毎に、Webページに関する情報と、ユーザの行動と、が対応付けられた状態で記述されているデータである。ここで、図8に示す第1提供データ内のアクセス期間は、対応するWebページが、ユーザの端末装置10上で実行されているWebブラウザに連続して表示されている期間を示している。また、図8に示す例では、1つのアクセス期間に対して表示状態、接続状態及び行動が1つずつ対応付けられているが、1つのアクセス期間において表示状態、接続状態及び行動のうち少なくとも1つが変化する場合があることから、1つのアクセス期間に対して複数の表示状態、接続状態及び行動が対応付けられていてもよい。
【0070】
このようにして、第1提供データに基づいて、ユーザがどのような行動をしながらWebページを閲覧しているのかを把握することが可能になる。また、第1提供データに基づいて、ユーザがどのような行動をしながらWebページを閲覧しているのかとともに、Webページがどのような状態で表示されているかについても把握することが可能になる。さらに、第1提供データに基づいて、ユーザがどのような行動をしながらWebページを閲覧しているのかとともに、Webページがオンラインで表示されているか否かについても把握することが可能になる。
【0071】
制御手段35は、推定されたユーザの行動に応じて端末装置10の動作を制御する機能を備える。これにより、例えば、端末装置10をかざすというユーザの行動が推定された場合に端末装置10のカメラ機能を起動させる等のように端末装置10を制御することによって、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動に応じて端末装置10を適切に動作させることが可能になる。
【0072】
制御手段35の機能は、例えば以下のように実現される。情報処理装置20のCPU21は、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を推定手段33の機能に基づいて推定すると、図8に示す制御データにアクセスして、推定された行動に対応する制御内容を抽出する。制御データは、Webページの識別情報(例えば、WebページのURL)毎に、推定された行動(図の例では、「静止」、「端末装置をかざす」等)と端末装置10の制御内容(図の例では、「地図情報アプリケーションを起動」、「カメラ機能を起動」等)とが対応付けられた状態で記述されているデータである。例えば、所定のWebページが端末装置10のWebブラウザに表示されているときに推定された行動が「端末装置をかざす」であった場合、CPU21は、「端末装置をかざす」という行動に対応する制御内容(ここでは、「カメラ機能を起動」)を制御データから抽出する。そして、CPU21は、抽出した制御内容(ここでは、「カメラ機能を起動」)で端末装置10を動作させるための指示情報(コマンド)を、通信インタフェース部28及び通信網NWを介して端末装置10に送信する。
【0073】
一方、端末装置10のCPU11は、指示情報を情報処理装置20から受信すると、受信した指示情報に基づいて動作する(ここでは、カメラ機能を起動する)。このようにして、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動に応じて端末装置10を適切に動作させることができる。
【0074】
提供手段36は、記憶装置24(所定の記憶装置)に記憶されたWebページに関する情報と、ユーザの行動と、を対応付けた状態で提供する機能を備えてもよい。
【0075】
提供手段36の機能は、例えば以下のように実現される。情報処理装置20のCPU21は、例えば、所定の情報提供指示が入力部27を用いて入力されると、記憶装置24に記憶された第1提供データを、通信インタフェース部28及び通信網NWを介して外部装置(例えば、パーソナライズされた情報を生成して提供するコンピュータ(例えば、サーバ)等)に送信(提供)してもよい。また、CPU21は、所定の情報提供指示が入力部27を用いて入力されると、記憶装置24に記憶された第1提供データを表示部26に表示(提供)してもよい。さらに、CPU21は、第1提供データを音声データに変換して、スピーカ等の音声出力装置から出力してもよい。
【0076】
また、提供手段36は、推定されたユーザの行動に応じた情報を提供する機能を備えてもよい。これにより、例えば、歩行しているというユーザの行動が推定された場合に端末装置10を介して広告情報をユーザに提供する等のように、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動に応じて適切な情報を提供することが可能になる。
【0077】
この場合における提供手段36の機能は、例えば以下のように実現される。情報処理装置20のCPU21は、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を推定手段33の機能に基づいて推定すると、図10に示す第2提供データにアクセスして、推定された行動に対応する提供情報を抽出する。第2提供データは、Webページの識別情報(例えば、WebページのURL)毎に、推定された行動(図の例では、「静止」、「歩行」等)と提供情報(図の例では、「地図情報」、「広告情報」等)とが対応付けられた状態で記述されているデータである。例えば、所定のWebページが端末装置10のWebブラウザに表示されているときに推定された行動が「歩行」であった場合、CPU21は、「歩行」という行動に対応する提供情報(ここでは、「広告情報」)を第2提供データから抽出する。そして、CPU21は、抽出した提供情報を、通信インタフェース部28及び通信網NWを介して端末装置10に送信する。
【0078】
一方、端末装置10のCPU11は、提供情報を情報処理装置20から受信すると、受信した提供情報を例えば表示部16に表示させてもよい。また、提供情報が音声データで構成されている場合には、CPU11は、提供情報をスピーカ等の音声出力装置から出力してもよい。このようにして、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動に応じて適切な情報を提供することができる。
【0079】
変更手段37は、推定されたユーザの行動に応じて、Webブラウザに表示されるWebページの表示態様を変更する機能を備える。これにより、例えば、ユーザの行動が静止から歩行に変化した場合にWebページのデザインやレイアウト等が変更され得るので、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動に応じてWebページの表示態様を動的に変更することが可能になる。
【0080】
変更手段37の機能は、例えば以下のように実現される。情報処理装置20のCPU21は、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を推定手段33の機能に基づいて推定すると、端末装置10上のWebブラウザに表示されているWebページを例えばWebサーバ(図示省略)から取得し、取得したWebページのデザインやレイアウト等を推定された行動に応じて変更する等によって、Webページを変更してもよい。ここで、推定されたユーザの行動に対応するWebページのデザインやレイアウト等に関する情報は、例えば記憶装置24に記憶されてもよい。そして、CPU21は、変更したWebページを、通信インタフェース部28及び通信網NWを介して端末装置10に送信する。
【0081】
一方、端末装置10のCPU11は、変更したWebページを情報処理装置20から受信すると、変更したWebページを表示部16に表示させてもよい。図11に、端末装置10に表示されるWebページの表示態様の一例を示す。図11(a)は、推定されたユーザの行動が「歩行」の場合にWebブラウザに表示されるWebページのレイアウトの一例を示す図であり、図11(b)は、推定されたユーザの行動が「横になる」の場合にWebブラウザに表示されるWebページのレイアウトの一例を示す図である。例えば、ユーザの行動が「歩行」と推定された場合、図11(a)に示すように、テキストや動画等が表示される領域A,B,C,Dが設けられたWebページが表示されるようになっている。ここで、領域Aは画面上部に表示され、領域Bは画面左下部に表示され、領域C,Dは画面右下部に表示されるようにレイアウトされている。一方、ユーザの行動が「横になる」と推定された場合、図11(b)に示すように、領域D,C,A(各領域に表示される情報は、図11(a)に表示される内容と同じであってもよい)が設けられたWebページが表示されるようになっている。ここで、領域Dは画面上部に表示され、領域Cは画面中央部に表示され、領域Aは画面下部に表示されるようにレイアウトされている。このようにして、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動に応じてWebページの表示態様を動的に変更することができる。
【0082】
(5)本実施形態の情報処理システムの主要な処理のフロー
次に、本実施形態の情報処理システムにより行われる主要な処理のフローの一例について、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0083】
情報処理装置20のCPU21は、端末装置10上で実行されているWebブラウザに表示されたWebページに関する情報を取得する(ステップS100)。具体的に説明すると、先ず、端末装置10のCPU11は、例えば、入力部17を用いたユーザの操作によってWebブラウザを実行している場合に、所定時間(例えば、10秒等)が経過する毎に、Webブラウザに表示されているWebページに関する情報を取得する。そして、CPU11は、Webページに関する情報を取得する毎に、取得した情報を、通信インタフェース部19及び通信網NWを介して情報処理装置20に送信する。
【0084】
一方、情報処理装置20のCPU21は、通信インタフェース部28を介してWebページに関する情報を受信(取得)する毎に、Webページに関する情報を第1取得データに記憶する。
【0085】
また、情報処理装置20のCPU21は、WebページがWebブラウザに表示されているときに計測装置18によって計測された端末装置10のユーザの状態に関する情報を取得する(ステップS102)。具体的に説明すると、先ず、端末装置10のCPU11は、例えば、入力部17を用いたユーザの操作によってWebブラウザを実行している場合に、所定時間(例えば、300ミリ秒や1秒等)が経過する毎に、ユーザの状態(例えば、ユーザの3軸方向又は2軸方向の加速度と、ユーザの3軸方向又は2軸方向の角速度と、のうち少なくとも1つ)を取得する。そして、CPU11は、ユーザの状態に関する情報を計測する毎に、計測したユーザの状態に関する情報を、通信インタフェース部19及び通信網NWを介して情報処理装置20に送信する。
【0086】
一方、情報処理装置20のCPU21は、通信インタフェース部28を介してユーザの状態に関する情報を受信(取得)する毎に、ユーザの状態に関する情報を第2取得データに記憶する。
【0087】
次に、情報処理装置20のCPU21は、取得したユーザの状態に関する情報に基づいて、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を推定する(ステップS104)。具体的に説明すると、情報処理装置20のCPU21は、例えば、所定のタイミング(例えば、最初のユーザの状態に関する情報を端末装置10から受信(取得)したタイミング等)を起点として所定期間(例えば、3秒等)が経過する毎に、当該所定期間内に第2取得データに記憶されたユーザの状態に関する情報(所定期間内のユーザの状態に関する情報の推移に関する情報)を第2取得データから抽出する。そして、CPU21は、抽出したユーザの状態に関する情報(所定期間内のユーザの状態に関する情報の推移に関する情報)を、ユーザの状態に関する情報を学習データとして用いた機械学習に基づく学習済モデルに入力することによって、当該所定期間内のユーザの行動を推定する。
【0088】
次いで、情報処理装置20のCPU21は、Webページに関する情報と、ユーザの行動と、を対応付けた状態で記憶装置24に記憶する(ステップS106)。具体的に説明すると、情報処理装置20のCPU21は、ステップS104の処理において所定期間内のユーザの行動を推定すると、当該ユーザ(端末装置ID)に対応するWebページに関する情報のうち、取得日時が当該所定期間内に含まれるWebページに関する情報を第1取得データから抽出する。そして、CPU21は、抽出したWebページに関する情報と、ユーザの行動と、を対応付けた状態で第1提供データに記憶する。
【0089】
なお、情報処理装置20のCPU21は、記憶装置24に記憶された第1提供データを、通信インタフェース部28及び通信網NWを介して外部装置(例えば、パーソナライズされた情報を生成して提供するコンピュータ(例えば、サーバ)等)に送信(提供)してもよい。
【0090】
一方、パーソナライズされた情報を生成して提供するサービス提供者側では、情報処理装置20から送信された第1提供データに基づいて、ユーザがどのような行動をしながらWebページを閲覧しているのかを把握することが可能になる。また、第1提供データを分析等することによって、ユーザの行動に応じてパーソナライズされた情報を生成することが可能になる。
【0091】
上述したように、本実施形態の情報処理システム、情報処理方法、プログラムによれば、端末装置10上で実行されているWebブラウザに表示されたWebページに関する情報と、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動と、が対応付けた状態で記憶されるので、記憶された情報に基づいて、ユーザがどのような行動をしながらWebページを閲覧しているのかを把握することが可能になる。また、記憶された情報を分析等することによって、ユーザの行動に応じてパーソナライズされた情報を生成することが可能になるので、パーソナライズされた情報を生成するのに適用可能な情報を提供することができる。
【0092】
また、本実施形態の情報処理システム、情報処理方法、プログラムによれば、計測装置18が端末装置10に設けられているので、端末装置10に設けられた計測装置18を用いて、ユーザの状態に関する情報を取得することが可能になる。
【0093】
以下、上述した実施形態の変形例について説明する。
(変形例)
上記実施形態では、推定手段33が、ユーザの状態に関する情報と、ユーザの状態に関する情報を学習データとして用いた機械学習に基づく学習済モデルと、に基づいて、ユーザの行動を推定する場合を一例として説明したが、本発明は、この場合に限られない。例えば、推定手段33は、所定期間内のユーザの状態に関する情報の推移が、所定の行動に対応する所定の条件を満たす場合に、ユーザが当該所定の行動を行っていると推定してもよい。ここで、所定の条件とは、例えば、所定期間内のユーザの状態に関する情報の推移が、所定の行動に対応するユーザの状態に関する情報の範囲に含まれることであってもよい。
【0094】
この場合、情報処理装置20のCPU21は、所定期間内に第2取得データに記憶されたユーザの状態に関する情報(所定期間内のユーザの状態に関する情報の推移に関する情報)を第2取得データから抽出すると、図13に示す行動データを参照してユーザの行動を推定してもよい。行動データは、複数の行動(図の例では、「静止」、「歩行」、「階段の昇降」、「横になる」等)毎に、対応する行動が行われていると推定される場合のユーザの状態に関する情報の範囲(図の例では、3軸加速度の範囲)の時間推移が対応付けられた状態で記述されているデータである。行動データは、例えば記憶装置24に記憶されていてもよい。
【0095】
CPU21は、例えば、第2取得データから抽出したユーザの状態に関する情報の時間推移、行動データ内の何れかの行動に対応するユーザの状態に関する情報の範囲に含まれる場合に、ユーザが当該何れかの行動(例えば、「静止」)を行っていると推定してもよい。
【0096】
このように、本変形例にかかる情報処理システム、情報処理方法、プログラムによれば、上述した実施形態と同様の作用効果を発揮することが可能である。
【0097】
なお、本発明のプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。このプログラムを記録した記憶媒体は、図2に示す端末装置10のROM12、RAM13又は記憶装置14であってもよいし、図3に示す情報処理装置20のROM22、RAM23又は記憶装置24であってもよい。また、記憶媒体は、例えばCD-ROMドライブ等のプログラム読取装置に挿入されることで読み取り可能なCD-ROM等であってもよい。さらに、記憶媒体は、磁気テープ、カセットテープ、フレキシブルディスク、MO/MD/DVD等であってもよいし、半導体メモリであってもよい。
【0098】
以上説明した実施形態及び変形例は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態及び変形例に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0099】
例えば、上述した実施形態では、計測装置18が端末装置10に設けられている場合を一例として説明したが、本発明は、この場合に限られない。計測装置18は、例えば、ユーザに装着された状態で設けられてもよいし、ユーザ及び端末装置10とは別の位置に設けられてもよい。また、計測装置18がユーザに装着された状態で設けられている場合には、ユーザの少なくとも1つの身体部位(例えば、腕、脚等)の加速度や角速度等が、ユーザの状態に関する情報として取得されてもよい。
【0100】
さらに、上述した実施形態では、1人のユーザの行動が推定される場合を一例として説明したが、複数のユーザの各々の行動が推定されてもよい。複数のユーザの各々の行動と、複数のユーザの各々が参照しているWebページに関する情報と、が対応付けられた状態で第1提供データに記憶されてもよい。
【0101】
さらにまた、上述した実施形態では、「静止」、「歩行」、「階段の昇降」、「横になる」、「端末をかざす」のうち何れかの行動がユーザの行動として推定される場合を一例として説明したが、行動の内容はこれらに限定されない。
【0102】
また、上述した実施形態では、1つの情報処理装置20が設けられている場合を一例として説明したが、本発明は、この場合に限られない。例えば、複数の情報処理装置20が設けられてもよく、この場合には、何れかの情報処理装置20上の操作内容及び処理結果等が他の情報処理装置20上でリアルタイムに提示されてもよいし、何れかの情報処理装置20での処理結果等が複数の情報処理装置20間で共有されてもよい。
【0103】
さらに、上述した実施形態では、情報処理装置20によって、第1取得手段31、第2取得手段32、推定手段33、記憶手段34、制御手段35、提供手段36及び変更手段37の各機能を実現する構成としたが、本発明は、この構成に限られない。例えば、インターネットやLAN等の通信網NWを介して情報処理装置20と通信可能に接続されたコンピュータ等(例えば、汎用のパーソナルコンピュータやサーバコンピュータ等)によって、上記各手段31~37のうち少なくとも1つの手段の機能を実現する構成としてもよい。また、図4に示した機能ブロック図の各機能は、図14(a),(b)に示すように、端末装置10と情報処理装置20との間で任意に分担されてもよい。
【0104】
例えば、端末装置10のCPU11は、ユーザの状態に関する情報に基づいて、WebページがWebブラウザに表示されているときのユーザの行動を推定してもよい。また、CPU11は、ユーザの状態に関する情報を学習データとして用いた機械学習によって、ユーザの状態に関する情報に基づいてユーザの行動を推定するのに用いられるモデルを学習してもよい。この場合、CPU11は、例えばオープンソースの機械学習ライブラリであるTensorFlow(登録商標)を用いて機械学習を行ってもよい。これにより、端末装置10において、ユーザの行動推定をリアルタイムで行うことが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
上述したような本発明の情報処理システム、情報処理方法、プログラムは、ユーザ毎にパーソナライズされた情報をユーザに提供する情報提供サービス等に好適に利用することができるので、その産業上の利用可能性は極めて大きい。
【符号の説明】
【0106】
10…端末装置
18…計測装置
20…情報処理装置
31…第1取得手段
32…第2取得手段
33…推定手段
34…記憶手段
35…制御手段
36…提供手段
37…変更手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14