(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105450
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】加熱用金属容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20220707BHJP
A47J 37/06 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
B65D81/34 L
A47J37/06 341
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000266
(22)【出願日】2021-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小谷 良徳
(72)【発明者】
【氏名】田澤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】山本 達也
(72)【発明者】
【氏名】細川 薫
【テーマコード(参考)】
3E013
4B040
【Fターム(参考)】
3E013AD12
3E013AE06
3E013BA02
3E013BA17
3E013BB06
3E013BC06
3E013BD01
3E013BD03
3E013BD06
3E013BD07
3E013BE07
3E013CB01
3E013CC06
4B040ED01
4B040JA02
4B040JA12
4B040JA13
4B040JA20
(57)【要約】
【課題】焼き調理した際に、食品の焼きムラを軽減し得る加熱用金属容器を提供する。
【解決手段】加熱面に中空構造を含む、加熱用金属容器。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱面に中空構造を含む、加熱用金属容器。
【請求項2】
複数枚の金属シートから形成されている、請求項1に記載の加熱用金属容器。
【請求項3】
中空構造が互いに離間した複数枚の金属シートからなる、請求項1又は2に記載の加熱用金属容器。
【請求項4】
金属シートがアルミニウムシートである、請求項2又は3に記載の加熱用金属容器。
【請求項5】
加熱面の面積をA(mm2)としたとき、加熱面の中空構造の容積V(mm3)が、0.05A≦V≦11Aを満たす、請求項1~4の何れか1項に記載の加熱用金属容器。
【請求項6】
加熱面の中空構造の高さが0.1~10mmである、請求項1~5の何れか1項に記載の加熱用金属容器。
【請求項7】
金属シートの厚さが10~500μmである、請求項2~6の何れか1項に記載の加熱用金属容器。
【請求項8】
食品調理用である、請求項1~7の何れか1項に記載の加熱用金属容器。
【請求項9】
焼き調理用である、請求項1~8の何れか1項に記載の加熱用金属容器。
【請求項10】
ガス火、電気調理器、電磁調理器及び直火からなる群から選択される加熱手段により加熱面が加熱される、請求項1~9の何れか1項に記載の加熱用金属容器。
【請求項11】
請求項1~10の何れか1項に記載の加熱用金属容器を用いて食品を調理する方法。
【請求項12】
請求項1~10の何れか1項に記載の加熱用金属容器と、該加熱用金属容器の加熱面に接して収容された食品とを含む、容器入り食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱用金属容器に関する。さらには、当該加熱用金属容器に食品を収容してなる容器入り食品に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者が家庭等において市販の食品を調理する際、鍋等の加熱用調理器具を使用することなく簡便に短時間で喫食したいとの需要が存在する。
【0003】
うどんやラーメン等の麺類食品のように茹で調理される食品に関しては、当該食品を加熱可能な容器に収容した容器入り食品が提案されている。例えば、出汁やスープを固形化し固形出汁の上にうどん及び具材をのせ包装したものとして、「包装食品」(特許文献1)、「加熱用容器入り即席食品」(特許文献2)等が提案されている。斯かる容器入り食品は、消費者が家庭等において容器を加熱することにより、簡便に短時間で喫食可能な状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2-60579号公報
【特許文献2】特開平9-47266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
餃子や、ピザ、お好み焼き等のように焼き調理される食品に関しても、同様に、フライパン等の加熱用調理器具を使用することなく簡便に短時間で喫食したいとの需要が存在する。
【0006】
斯かる食品に関して、従来の加熱用容器に収容して焼き調理したところ、加熱面に温度ムラが発生し、調理後の食品に焼きムラが生じることを見出した。詳細には、加熱面(容器底面)の外周部は高温になり易い一方で、加熱面の中央部は温度が上昇し難く、その結果、調理後の食品において、焼き目の色や焼面の食感等の点で部位毎に差異があり、喫食に適した部位とそうでない部位が混在するなど、好ましい品質が再現し難いことを見出した。
【0007】
本発明は、焼き調理した際に、食品の焼きムラを軽減し得る加熱用金属容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題につき鋭意検討した結果、加熱用金属容器の加熱面に中空構造を設けることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] 加熱面に中空構造を含む、加熱用金属容器。
[2] 複数枚の金属シートから形成されている、[1]に記載の加熱用金属容器。
[3] 中空構造が互いに離間した複数枚の金属シートからなる、[1]又は[2]に記載の加熱用金属容器。
[4] 金属シートがアルミニウムシートである、[2]又は[3]に記載の加熱用金属容器。
[5] 加熱面の面積をA(mm2)としたとき、加熱面の中空構造の容積V(mm3)が、0.05A≦V≦11Aを満たす、[1]~[4]の何れかに記載の加熱用金属容器。
[6] 加熱面の中空構造の高さが0.1~10mmである、[1]~[5]の何れかに記載の加熱用金属容器。
[7] 金属シートの厚さが10~500μmである、[2]~[6]の何れかに記載の加熱用金属容器。
[8] 食品調理用である、[1]~[7]の何れかに記載の加熱用金属容器。
[9] 焼き調理用である、[1]~[8]の何れかに記載の加熱用金属容器。
[10] ガス火、電気調理器、電磁調理器及び直火からなる群から選択される加熱手段により加熱面が加熱される、[1]~[9]の何れかに記載の加熱用金属容器。
[11] [1]~[10]の何れかに記載の加熱用金属容器を用いて食品を調理する方法。
[12] [1]~[10]の何れかに記載の加熱用金属容器と、該加熱用金属容器の加熱面に接して収容された食品とを含む、容器入り食品。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、焼き調理した際に、食品の焼きムラを軽減し得る加熱用金属容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る加熱用金属容器(丸形)の概略図である。(a)は概略平面図、(b)は概略正面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る加熱用金属容器(角形)の概略図である。(a)は概略平面図、(b)は概略正面図である。
【
図4】
図4は、加熱用金属容器の加熱面に形成されたリム構造を示すための概略図である。(a)は放射リム構造、(b)は同心円リム構造、(c)は線状リム構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。説明にあたり図面を参照する場合もあるが、各図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさおよび配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0013】
<加熱用金属容器>
本発明の加熱用金属容器(以下、単に「本発明の容器」ともいう。)は、加熱面に中空構造を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の加熱用金属容器において、加熱面は、フライパンや鍋といった加熱調理器具と同様に、容器の底部に位置する。加熱面に中空構造を含む本発明の容器によれば、概容器を用いて焼き調理した際に、加熱面の温度ムラを低減させ、加熱面を調理に適した温度に一様に加熱することができ、ひいては、該加熱面上で焼き調理される食品の焼きムラを著しく減じることができる。
【0015】
本発明において、「加熱面に中空構造を含む」とは、加熱面の両主面の間に中空構造を含むことをいう。加熱面の両主面とは、それに接して食品が収容されることとなる上面(容器構造との関連において「内側加熱面」ともいう。
図3中、符号1aにて示す。)と、ガス火や電気調理器など加熱手段により加熱されることとなる下面(容器構造との関連において「外側加熱面」ともいう。
図3中、符号1bにて示す。)とをいう。
【0016】
焼き調理した際に食品の焼きムラを十分に軽減し得る観点から、加熱面を上方からみた場合に、加熱面の面積(すなわち、加熱面の投影面積)の20%以上にあたる領域に中空構造を含むことが好ましく、加熱面の面積の40%以上、60%以上、80%以上、90%以上又は95%以上にあたる領域に中空構造を含むことがより好ましい。該割合の上限は特に限定されず、加熱面の面積の100%にあたる領域に中空構造を含んでもよい。
【0017】
本発明の容器は、加熱面に中空構造を含む限り、その他の部分、例えば、容器の側面にも中空構造を含んでいてもよい。
【0018】
所期の構造を簡便に実現し得る観点から、本発明の容器は、複数枚の金属シートから形成することが好適である。この場合、加熱面の中空構造は、複数枚の金属シートを互いに離間させることにより設けることができ、金属シート間の距離を調整することにより中空構造の高さ、ひいては容積を調整可能である。したがって好適な一実施形態において、本発明の容器は、複数枚の金属シートから形成されている。また好適な一実施形態において、中空構造は互いに離間した複数枚の金属シートからなる。
【0019】
例えば、2枚の金属シートを用いる場合、加熱面の中空構造は、2枚の金属シートを互いに離間させることにより設けることができる。そして、側面など容器の他の部分において、2枚の金属シートが互いに接するように一体的に形成し、容器の外周端部(例えば、持ち手部の外周端部)で2枚の金属シートを折り返して貼り合わせることにより容器を製造すればよい。ここで、加熱面に中空構造を含む容器を製造し得る限り、2枚の金属シートは容器の製造時に密着していてもよく、結果として得られる容器の加熱面において2枚の金属シートが互いに離間していればよい。
【0020】
例えば、3枚の金属シートを用いる場合、3枚の金属シートを互いに離間させることにより、加熱面に2層の中空構造を設けることができる。そして、側面など容器の他の部分において、3枚の金属シートが互いに接するように一体的に形成し、容器の外周端部で3枚の金属シートを折り返して貼り合わせることにより容器を製造すればよい。4枚以上の金属シートを用いる場合も同様の手順で、加熱面に中空構造を含む容器を製造することができる。3枚以上の金属シートを用いる場合も、加熱面に中空構造を含む容器を製造し得る限り、これら金属シートは容器の製造時に密着していてもよく、結果として得られる容器の加熱面においてこれら金属シートが互いに離間していればよい。
【0021】
本発明の容器の製造に用いられる金属シートの材料は、特に限定されず、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス鋼、これらの合金等が挙げられる。中でも、熱伝導性が良好であり、軽量、安価で加工もし易いため、アルミニウムやその合金が特に好適である。本発明においては、アルミニウムやその合金からなるシートを、「アルミニウムシート」という。したがって好適な一実施形態において、金属シートは、アルミニウムシートである。
【0022】
金属シートの厚さは、加熱面に中空構造を含む本発明の容器の構造を実現し得る限り特に限定されないが、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上、50μm以上又は70μm以上である。該金属シートの厚さの上限は、特に限定されないが、加工のし易さの観点から、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下、300μm以下、250μm以下、200μm以下、150μm以下又は100μm以下である。複数枚の金属シートを用いて本発明の容器を製造する場合、それら金属シートの厚さは、互いに同じでも異なっていてもよい。金属シートの厚さは、流通・輸送時に内容物が崩れたり、調理時に容器が過度に変形したりしない程度に、容器全体としての機械強度が達成される限りにおいて適宜決定してよい。
【0023】
加熱面に設けられる中空構造について、その高さは、焼き調理した際に食品の焼きムラを軽減し得る観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは1mm以上、2mm以上又は2.5mm以上である。中空構造の高さの上限は、加熱面の上面(内側加熱面)を焼き調理に適した温度に加熱し易い観点、加熱面の下面(外側加熱面)を構成する金属シートの溶融リスクを減じる観点から、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下、6.5mm以下又は6mm以下である。特に中空構造の高さが0.5mm以上であり且つ6mm以下であると、焼き調理した際に食品の焼きムラを顕著に軽減し得るため好適である。したがって一実施形態において、中空構造の高さは0.1~10mmであり、特に好ましくは0.5~6mmである。
【0024】
本発明において、中空構造の高さとは、加熱面の両主面の間に含まれる中空構造の高さの合計をいう。例えば、中空構造が互いに離間した2枚の金属シートからなる場合、これら2枚の金属シートの離間距離が中空構造の高さに該当する(
図3も参照)。中空構造が互いに離間した3枚の金属シートからなる場合、1枚目の金属シートと2枚目の金属シートの離間距離t
1-2(mm)と、2枚目の金属シートと3枚目の金属シートの離間距離t
2-3(mm)との合計、すなわちt
1-2+t
2-3、が中空構造の高さに該当する。4枚以上の金属シートを用いる場合も、同様にして、形成される各中空構造の高さを合計して求めればよい。なお、本発明の容器が、加熱面に後述するリム構造やエンボス構造を有する場合、これらの構造が設けられていない部分において、金属シート間の離間距離を測定し、中空構造の高さを求める。
【0025】
また、加熱面に設けられる中空構造について、焼き調理した際に食品の焼きムラを軽減し得る観点から、加熱面の面積をA(mm2)としたとき、該中空構造の容積V(mm3)は、好ましくは0.05A以上、より好ましくは0.25A以上、さらに好ましくは0.5A以上、さらにより好ましくは1A以上、1.5A以上、2A以上、2.5A以上又は3A以上である。中空構造の容積Vの上限は、加熱面の上面(内側加熱面)を焼き調理に適した温度に加熱し易い観点、加熱面の下面(外側加熱面)を構成する金属シートの溶融リスクを減じる観点から、好ましくは11A以下、より好ましくは10A以下、さらに好ましくは8A以下、さらにより好ましくは7A以下、6.5A以下又は6A以下である。加熱面の面積をA(mm2)としたとき、特に中空構造の容積V(mm3)が、0.5A以上であり且つ6A以下であると、焼き調理した際に食品の焼きムラを顕著に軽減し得るため好適である。したがって一実施形態において、加熱面の面積をA(mm2)としたとき、中空構造の容積V(mm3)は0.05A≦V≦11Aを満たし、特に好ましくは0.5A≦V≦6Aを満たす。なお、加熱面の面積とは、上記のとおり、加熱面を上方からみた場合の加熱面の面積(すなわち、加熱面の投影面積)である。
【0026】
中空構造の容積Vは、(1)加熱面の面積Aに中空構造の高さを乗じて求めてよく、あるいは、(2)容器の中空構造に水等の密度が既知の媒体を充填して充填前後の質量差Δm(mg)から求めてもよい。前者(1)の方法は、中空構造に油等の媒体が充填されている場合(斯かる態様は後述する。)であっても簡易に容積Vを求めることが可能であり、また、後者(2)の方法は、加熱面にリム構造やエンボス構造を有する場合であっても簡易かつ正確に容積Vを求めることが可能である。本発明では、上記何れかの方法により求めた容積Vが上記範囲にあることが好適である。なお、加熱面を上方からみた場合に、加熱面の面積Aと中空構造の面積A’が異なる場合、前者(1)の方法にて中空構造の容積Vを求めるにあたっては、加熱面の面積Aに代えて中空構造の面積A’を用いればよい。
【0027】
本発明の容器は、加熱面に中空構造を含む限り、その形態や寸法は特に限定されず、容器入り食品を製造する際に使用・選択される任意の形態や寸法としてよい。例えば、容器の形態は、丸形、角形、楕円形等であってよい。容器の寸法は、所期の数・量の食品を収容して焼き調理し得るように、食品の種類に応じて適宜決定してよい。
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の加熱用金属容器をさらに説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る、加熱面が丸形(円形)である加熱用金属容器10の概略図を示す。(a)は概略平面図であり、(b)は概略正面図である。該加熱用金属容器10は、加熱面1と、側面2と、持ち手部3とを含み、加熱面1に中空構造(
図1には示さず;
図3について後述する。)を含むことを特徴とする。加熱用金属容器10は、持ち手部3から加熱面1に近付くほど容器の開口径が小さくなるように側面2が傾斜したテーパー形状を有する。側面2の傾斜角度は特に限定されず、収容する食品の種類や量に応じて適宜決定してよい。あるいは、加熱用金属容器10の側面2は加熱面1に垂直に延在するよう形成してもよく、持ち手部3から加熱面1に近付くほど容器の開口径が大きくなるように、すなわち、逆テーパー形状を有するように、側面2を傾斜させてもよい。また、加熱用金属容器10は、側面2の上端から放射状に水平方向に延在する持ち手部3を有するが、該持ち手部3の形状は特に限定されない。また、該持ち手部3は省略してもよい。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態に係る、加熱面が角形である加熱用金属容器20の概略図を示す。(a)は概略平面図であり、(b)は概略正面図である。該加熱用金属容器20は、加熱面1と、側面2と、持ち手部3とを含み、加熱面1に中空構造(
図2には示さず;
図3について後述する。)を含むことを特徴とする。側面2の傾斜角度やテーパー形状の態様、持ち手部3の形状等は、加熱用金属容器10について記載したとおりである。
【0031】
図3は、
図1及び
図2中のA-A線概略断面図である。加熱用金属容器10、20は何れも、2枚の金属シート、すなわち、第1の金属シート11と、第2の金属シート12から形成されている。加熱面1において、これら第1の金属シート11と第2の金属シート12を互いに離間させることにより、加熱面1に中空構造4が設けられている。中空構造4の高さは、第1の金属シート11と第2の金属シート12の離間距離tに該当する。また、容器の側面2において、第1の金属シート11と第2の金属シート12が互いに接するように一体的に形成されており、持ち手部3の外周端部にてこれら2枚の金属シート11と12は折り返されて互いに貼り合わされている。
【0032】
図3を用いて、容器の寸法に係る用語を説明する。本発明において、容器の寸法を規定するにあたり、外径(外寸)、内径(内寸)、底径(底寸)及び高さという用語を使用する。外径(外寸)とは、容器を上方からみた場合の外径(外寸)であり、
図3においてD
outにて示される。内径(内寸)とは、側面2の上端で画定される開口径(開口寸法)であり、
図3においてD
inにて示される。底径(底寸)とは、加熱面の径(寸法)であり、
図3においてD
heatにて示される。なお、加熱面の径(寸法)とは、加熱面の投影径(投影寸法)である。高さとは、加熱面の下面(外側加熱面)1bの高さを0(mm)としたときの、該容器の最大高さ(mm)を表し、
図3にてHにて示される。
【0033】
なお、
図3においては、2枚の金属シート11及び12を用いて形成した容器を示しているが、3枚あるいは4枚以上の金属シートを用いて容器を形成し得ることは先述のとおりであり、その場合の、中空部の高さや容積の求め方も先述したとおりである。
【0034】
本発明において、加熱面における加熱効率を向上させる観点から、加熱面にエンボス加工を施してもよい。また、加熱面の機械強度を高めて、食品を収容した場合に所期の中空構造の高さや容積を維持し易くする観点から、加熱面に凹凸パターンを付与するリム加工を施してもよい。これらエンボス加工やリム加工は、容器入り食品の製造に際して使用し得る任意の加工を採用してよい。
図4には、加熱面にリム加工を施して形成されるリム構造5の一例を示している。(a)は放射リム構造の一例、(b)は同心円リム構造の一例、(c)は線状リム構造の一例をそれぞれ示す。これらリム構造は、加熱用金属容器を製造するにあたって従来公知であり、リム構造の具体的態様は、用いる金属シートの厚さや、容器に収容する食品の数・量に応じて適宜決定してよい。よって、一実施形態において、本発明の容器の加熱面は、エンボス構造及びリム構造からなる群から選択される凹凸構造を有する。
【0035】
本発明の容器はまた、該容器を用いて焼き調理した際に、焼き調理後の食品を加熱面から容易に剥離することができるように、加熱面、詳細には、加熱面の上面(内側加熱面)に表面加工を施していてもよい。斯かる表面加工としては、例えば、シリコン加工、テフロン(登録商標)加工等の公知の加工が挙げられる。これらの表面加工に関しては、焼き調理される食品の種類等に応じて適宜選択すればよい。よって、一実施形態において、本発明の容器の加熱面は、焼き調理後の食品の剥離性を高める表面加工が施されている。
【0036】
本発明の容器において、中空構造は、気体で充填されていてもよく、液体で充填されていてもよく、固体で充填されていてもよく、これら気体、液体、固体の2以上の組み合わせで充填されていてもよい。中空構造に充填される気体としては、空気、窒素、二酸化炭素等が挙げられ、安価であることから、空気が好ましい。また、中空構造に充填される液体としては、食用油脂等の油や水といった高沸点の液体が挙げられ、安価であることや安全性の観点から、食用油脂が好ましい。中空構造に充填される固体としては、食用油脂等の油や水にゲル化剤を添加して形成された油ゲルや水ゲルが挙げられ、安価であることや安全性の観点から、食用油脂ゲルが好ましい。この場合、ゲル化剤は、常温で油や水をゲル化し得る任意のゲル化剤を用いることができ、安全性の観点から、食用のゲル化剤が好ましい。3枚以上の金属シートを用いる場合など、本発明の容器が加熱面に複数の中空構造を有する場合、各中空構造に充填される媒体は互いに同じでも異なっていてもよい。
【0037】
本発明の容器を用いて焼き調理する際、中空構造に充填されている媒体は加熱により膨張する。あるいは、本発明の容器を、冷凍食品に適用する場合、冷凍過程で中空構造に充填されている媒体が収縮したり膨張したりする場合がある。この点、本発明の容器を構成する複数枚の金属シートは側面あるいは持ち手部において互いに接するように一体的に形成されており、さらに容器の外周端部において複数枚の金属シートは折り返されて互いに張り合わされているものの、中空構造に充填されている媒体が外部環境と流体連通し得るような経路は残っている。したがって、焼き調理の際に中空構造が膨れて破れたり、冷凍過程で中空構造が潰れたりすることはない。斯かる加熱面の破損をさらに防止するべく、本発明の容器には、中空構造と外部環境とを流体連通させるための孔が設けられていてもよい。したがって一実施形態において、本発明の容器は、中空構造と外部環境とを流体連通させるための孔を有する。斯かる孔は、中空構造と外部環境とを流体連通させることが可能である限り、加熱面に設けられていてもよく、側面に設けられていてもよく、持ち手部に設けられていてもよい。例えば、中空構造に空気等の気体が充填されている場合、斯かる孔は、加熱面の上面(内側加熱面)に設けられていてもよく、加熱面の下面(外側加熱面)に設けられていてもよい。またこの場合、側面の内側面(
図3の第1の金属シート11で画定される側面)に設けられていてもよく、側面の外側面(
図3の第2の金属シート12で画定される側面)に設けられていてもよい。中空構造に液体や固体が充填されている場合、斯かる孔は、加熱面の上面(内側加熱面)及び/又は側面の内側面に設けることが好ましい。例えば、中空構造に水や水ゲルを充填しておき、加熱面の上面や側面の内側面に上記孔を設けることにより、水が蒸発する間は収容している食品に対し蒸し調理を施すことも可能である。
【0038】
本発明の容器は、該容器の開口部を覆う蓋体を有していてもよい。蓋体を有することにより、収容した食品を外部環境から遮断し、衛生的に保存、流通させることができる。あるいは、蓋体に代えて/加えて、容器の全体を覆う包装体を有していてもよい。これら蓋体や包装体は、容器入り食品の製造において使用される従来公知の任意のものを使用・選択してよい。
【0039】
本発明の容器を用いて焼き調理することにより、食品の焼きムラを著しく減じることができ、焼き目の色や焼き面の食感が良好な食品を実現することできる。そのため、本発明の容器は、食品調理用として好適に用いることができ、特に焼き調理用として好適に用いることができる。したがって一実施形態において、本発明の容器は、食品調理用であり、好適には焼き調理用である。本発明はまた、食品を調理する方法も提供し、該方法は、本発明の加熱用金属容器を用いて食品を調理する(好適には食品を焼き調理する)ことを特徴とする。
【0040】
本発明の容器に収容する食品としては、喫食に際して加熱調理が望まれる食品を広く適用可能であるが、中でも焼き調理が望まれる食品が好適であり、その好適例として、餃子、ピザ、ナン、キッシュ、パイ、パエリア、お好み焼き、もんじゃ、ケーキ、パン等が挙げられる。
【0041】
本発明の容器に収容する食品の数・量に特に制限はないが、容器を構成する金属シートの厚さや、加熱面のリム加工の有無等に応じて、食品の重量により中空構造の過度の変形が抑えられるように、その数や量を決定することが好ましい。本発明の容器においては、食品の重量や流通・輸送時の振動・衝撃に起因して中空構造が変形する場合であっても、加熱面に中空構造が含まれる限りにおいて本発明の効果を奏することができる。
【0042】
本発明の容器を用いて焼き調理する際、加熱手段は、容器の加熱面を加熱することができる限り特に限定されず、例えば、ガス火、電気調理器(シーズヒーター、ハロゲンヒーター、ラジエントヒーター等)、電磁調理器(IH)、直火(炭火等)等が挙げられる。したがって一実施形態において、ガス火、電気調理器、電磁調理器及び直火からなる群から選択される加熱手段により加熱面が加熱される。
【0043】
[容器入り食品]
本発明の加熱用金属容器に食品を収容して容器入り食品を製造することができる。本発明は、斯かる容器入り食品も提供する。
【0044】
本発明の容器入り食品は、本発明の加熱用金属容器と、該加熱用金属容器の加熱面に接して収容された食品とを含む。
【0045】
本発明の加熱用金属容器の詳細は、上記[加熱用金属容器]の欄にて説明したとおりである。また、該加熱用金属容器に収容し得る食品も、上記[加熱用金属容器]の欄にて説明したとおりである。
【0046】
食品は、その種類等に応じて、茹で調理、蒸し調理、焼き調理等の加熱調理に付した後に加熱用金属容器に収容してもよく、あるいは、未加熱の状態でそのまま加熱用金属容器に収容してもよい。食品の収容後、適宜、蓋体及び/又は包装体で覆った後、保管、流通させてよい。
【0047】
本発明の容器入り食品は、常温食品、冷蔵食品、冷凍食品の何れにも適用可能である。例えば、本発明の容器入り食品が冷蔵食品又は冷凍食品である場合、本発明の加熱用金属容器に食品を収容し、適宜、蓋体及び/又は包装体で覆った後、冷蔵状態又は冷凍状態で保管、流通させてよい。
【0048】
本発明の容器入り食品は、蓋体及び/又は包装体を除去した後、該容器入り食品の容器の加熱面を加熱することにより、簡便に短時間で喫食可能な状態となる。調理後の食品は、焼きムラが著しく減じられており、焼き目の色や焼き面の食感に優れる。
【実施例0049】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0050】
[実施例1]
(1)加熱用金属容器の作製
厚さ100μmのアルミニウムシートを2枚用いて、丸形の加熱用金属容器を作製した。作製した容器の寸法は、外径240mm、内径210mm、底径(加熱面の径)180mm、高さ52mmであり、加熱面の中空構造は2枚のアルミニウムシートを互いに3.3mm離間させることにより設けた。容器の側面は2枚のアルミニウムシートが互いに接するように一体的に形成し、持ち手部の外周端部で2枚のアルミニウムシートを折り返して貼り合わせた。また、加熱面に放射リム構造を設けた。
【0051】
(2)容器入り食品の製造
作製した容器の加熱面に接して餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を収容した。4個×2列(計8個)に収容したものと(容器入り食品1-1)、9個を点対称に収容したものと(容器入り食品1-2)を製造した。
【0052】
(3)焼き調理
製造した容器入り食品1-1及び1-2を、ガスコンロ(リンナイ(株)製ガステーブル「RTS-337-2FTS-R」)を使用して、弱火で焼き調理した。調理に際して蓋体は用いずに開放系で焼き調理した。加熱時間は個数に応じて適宜調節した。本実施例1では、加熱時間は13分間程度であった。
【0053】
(4)評価
焼き調理後の食品の焼きムラは、焼き目の色や焼き面の食感が調理した全ての餃子において同等かつ喫食に適している場合を良「○」とし、焼き目の色や焼き面の食感が餃子毎に若干の差異はあるものの、全ての餃子が喫食に適している場合を可「△」とし、焼き目の色や焼き面の食感が餃子毎に差異があり、喫食に適したものとそうでないものが混在する場合を不可「×」として評価した。
【0054】
[実施例2]
厚さ80μmのアルミニウムシートを2枚用いて、丸形の加熱用金属容器を作製した。作製した容器の寸法は、外径202mm、内径180mm、底径(加熱面の径)160mm、高さ36mmであり、加熱面の中空構造は2枚のアルミニウムシートを互いに3.3mm離間させることにより設けた。容器の側面は2枚のアルミニウムシートが互いに接するように一体的に形成し、持ち手部の外周端部で2枚のアルミニウムシートを折り返して貼り合わせた。また、加熱面に同心円リム構造を設けた。
【0055】
作製した容器の加熱面に接して餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を点対称に7個収容し、容器入り食品2を製造した。製造した容器入り食品2について、実施例1と同様にして、焼き調理し、焼きムラを評価した。本実施例2では、加熱時間は7分間程度であった。
【0056】
[実施例3]
厚さ80μmのアルミニウムシートを2枚用いて、丸形の加熱用金属容器を作製した。作製した容器の寸法は、外径170mm、内径158mm、底径(加熱面の径)120mm、高さ42mmであり、加熱面の中空構造は2枚のアルミニウムシートを互いに3.3mm離間させることにより設けた。容器の側面は2枚のアルミニウムシートが互いに接するように一体的に形成し、持ち手部の外周端部で2枚のアルミニウムシートを折り返して貼り合わせた。また、加熱面に放射リム構造を設けた。
【0057】
作製した容器の加熱面に接して餃子を4個×1列とその列の両側に1個ずつ(計6個)収容した。餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を用いた容器入り食品3-1と、餃子((株)セブン-イレブン・ジャパン製「レンジで焼き餃子」、家庭用市販品)を用いた容器入り食品3-2とを製造した。製造した容器入り食品3-1及び3-2について、実施例1と同様にして、焼き調理し、焼きムラを評価した。本実施例3では、加熱時間は13分間程度(容器入り食品3-1について)、7分間程度(容器入り食品3-2について)であった。
【0058】
[実施例4]
厚さ75μmのアルミニウムシートを2枚用いて、角形の加熱用金属容器を作製した。作製した容器の寸法は、外寸164mm×107mm、内寸150mm×90mm、底寸(加熱面の寸法)120mm×60mm、高さ23mmであり、加熱面の中空構造は2枚のアルミニウムシートを互いに3.3mm離間させることにより設けた。容器の側面は2枚のアルミニウムシートが互いに接するように一体的に形成し、持ち手部の外周端部で2枚のアルミニウムシートを折り返して貼り合わせた。加熱面にリム構造は設けなかった。
【0059】
作製した容器の加熱面に接して餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を4個×1列(計4個)収容して、容器入り食品4を製造した。製造した容器入り食品4について、実施例1と同様にして、焼き調理し、焼きムラを評価した。本実施例4では、加熱時間は7分間程度であった。
【0060】
[実施例5]
2枚のアルミニウムシートを互いに4.3mm離間させることにより加熱面の中空構造を形成した以外は、実施例3と同様にして、加熱用金属容器を作製した。
【0061】
次いで実施例3と同様にして、作製した容器の加熱面に接して餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を収容して、容器入り食品5を製造した。製造した容器入り食品5について、実施例1と同様にして、焼き調理し、焼きムラを評価した。本実施例5では、加熱時間は13分間程度であった。
【0062】
[実施例6]
2枚のアルミニウムシートを互いに6.6mm離間させることにより加熱面の中空構造を形成した以外は、実施例3と同様にして、加熱用金属容器を作製した。
【0063】
次いで実施例3と同様にして、作製した容器の加熱面に接して餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を収容して、容器入り食品6を製造した。製造した容器入り食品6について、実施例1と同様にして、焼き調理し、焼きムラを評価した。本実施例6では、加熱時間は13分間程度であった。
【0064】
[実施例7]
厚さ60μmのアルミニウムシートを2枚用いると共に、2枚のアルミニウムシートを互いに0.5mm離間させることにより加熱面の中空構造を形成した以外は、実施例1と同様にして、加熱用金属容器を作製した。
【0065】
次いで、作製した容器の加熱面に接して餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を5個×2列(計10個)収容して、容器入り食品7を製造した。製造した容器入り食品7について、実施例1と同様にして、焼き調理し、焼きムラを評価した。本実施例7では、加熱時間は13分間程度であった。
【0066】
[実施例8]
厚さ60μmの第1のアルミニウムシートと厚さ90μmの第2のアルミニウムシートの、2枚のアルミニウムシートを用いると共に、2枚のアルミニウムシートを互いに0.5mm離間させることにより加熱面の中空構造を形成した以外は、実施例1と同様にして、加熱用金属容器を作製した。本実施例では、第1のアルミニウムシートを容器の内側に、また、第2のアルミニウムシートを容器の外側に配し、加熱用金属容器を作製した。
【0067】
次いで実施例7と同様にして、作製した容器の加熱面に接して餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を収容して、容器入り食品8を製造した。製造した容器入り食品8について、実施例1と同様にして、焼き調理し、焼きムラを評価した。本実施例8では、加熱時間は13分間程度であった。
【0068】
[実施例9]
厚さ90μmの第1のアルミニウムシートと厚さ60μmの第2のアルミニウムシートの、2枚のアルミニウムシートを用いると共に、2枚のアルミニウムシートを互いに0.5mm離間させることにより加熱面の中空構造を形成した以外は、実施例1と同様にして、加熱用金属容器を作製した。本実施例では、第1のアルミニウムシートを容器の内側に、また、第2のアルミニウムシートを容器の外側に配し、加熱用金属容器を作製した。
【0069】
次いで実施例7と同様にして、作製した容器の加熱面に接して餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を収容して、容器入り食品9を製造した。製造した容器入り食品9について、実施例1と同様にして、焼き調理し、焼きムラを評価した。本実施例9では、加熱時間は13分間程度であった。
【0070】
[比較例1]
厚さ80μmのアルミニウムシートを1枚用いて、丸形の加熱用金属容器を作製した。作製した容器の寸法は、外径170mm、内径158mm、底径(加熱面の径)120mm、高さ42mmであった。また、加熱面に放射リム構造を設けた。
【0071】
次いで実施例3と同様にして、作製した容器の加熱面に接して餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を収容して、容器入り食品c1を製造した。製造した容器入り食品c1について、実施例1と同様にして、焼き調理し、焼きムラを評価した。本比較例1では、加熱時間は5分間程度であった。
【0072】
[比較例2]
厚さ75μmのアルミニウムシートを1枚用いて、角形の加熱用金属容器を作製した。作製した容器の寸法は、外寸164mm×107mm、内寸150mm×90mm、底寸(加熱面の寸法)120mm×60mm、高さ23mmであった。加熱面にリム構造は設けなかった。
【0073】
次いで実施例4と同様にして、作製した容器の加熱面に接して餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を収容して、容器入り食品c2を製造した。製造した容器入り食品c2について、実施例1と同様にして、焼き調理し、焼きムラを評価した。本比較例2では、加熱時間は7分間程度であった。
【0074】
[比較例3]
厚さ90μmのアルミニウムシートを1枚用いて、丸形の加熱用金属容器を作製した。作製した容器の寸法は、外径240mm、内径210mm、底径(加熱面の径)180mm、高さ52mmであった。また、加熱面に放射リム構造を設けた。
【0075】
次いで実施例7と同様にして、作製した容器の加熱面に接して餃子(味の素冷凍食品(株)製「ギョーザ」、家庭用市販品)を収容して、容器入り食品c3を製造した。製造した容器入り食品c3について、実施例1と同様にして、焼き調理し、焼きムラを評価した。本比較例3では、加熱時間は13分間程度であった。
【0076】
実施例1~9、比較例1~3の評価結果を表1に示す。
【0077】