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特開2022-105453橋梁用三次元桁変位センサモジュール、橋梁用三次元桁変位検知システム及び橋梁用三次元桁変位検知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105453
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】橋梁用三次元桁変位センサモジュール、橋梁用三次元桁変位検知システム及び橋梁用三次元桁変位検知方法
(51)【国際特許分類】
   E01D 22/00 20060101AFI20220707BHJP
   G01B 15/00 20060101ALI20220707BHJP
   G01B 15/06 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
E01D22/00 Z
G01B15/00 C
G01B15/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000272
(22)【出願日】2021-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】505389695
【氏名又は名称】首都高速道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591216473
【氏名又は名称】一般財団法人首都高速道路技術センター
(71)【出願人】
【識別番号】513220562
【氏名又は名称】首都高技術株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507230382
【氏名又は名称】首都高メンテナンス西東京株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510106968
【氏名又は名称】首都高メンテナンス東東京株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510273798
【氏名又は名称】首都高メンテナンス神奈川株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390027177
【氏名又は名称】坂田電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180817
【弁理士】
【氏名又は名称】平瀬 実
(72)【発明者】
【氏名】高橋 成典
(72)【発明者】
【氏名】松原 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】山本 一貴
(72)【発明者】
【氏名】矢部 正明
(72)【発明者】
【氏名】張 広鋒
(72)【発明者】
【氏名】右高 裕二
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 匡雄
(72)【発明者】
【氏名】須賀原 慶久
(72)【発明者】
【氏名】岩波 啓輔
【テーマコード(参考)】
2D059
2F067
【Fターム(参考)】
2D059AA05
2D059GG29
2D059GG39
2F067AA01
2F067BB11
2F067JJ01
(57)【要約】
【課題】橋梁の通行の可否を速やかに知ることを可能にする。
【解決手段】橋梁用三次元桁変位検知システム100は、橋梁用三次元桁変位センサモジュール101と、サーバ装置102とを備える。橋梁用三次元桁変位センサモジュール101は、位置検出のための電波を受信する複数のアンテナ104_A,104_Bからの出力信号に基づいて、当該複数のアンテナ104_A,104_Bが対応付けて設けられる橋桁の変位を測定し、当該測定された結果を含む測定情報を無線で送信する。サーバ装置102は、測定情報に基づいて、橋梁BRの通行可能性を判定し、当該判定した結果を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置検出のための電波を受信する複数のアンテナからの出力信号に基づいて、前記複数のアンテナが対応付けて設けられる橋桁の変位を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された結果を含む測定情報を無線で送信するセンサ通信部とを備える
橋梁用三次元桁変位センサモジュール。
【請求項2】
前記複数のアンテナは、共通の橋桁の両端部のそれぞれの近傍に、隣接する橋桁の近接する端部のそれぞれの近傍に、又は、共通の橋桁の両端部と当該橋桁に隣接する橋桁の近接する端部とのそれぞれの近傍に、設けられる
請求項1に記載の橋梁用三次元桁変位センサモジュール。
【請求項3】
前記複数のアンテナは、隣接する前記橋桁の近接する端部の各々の近傍に設けられるアンテナである第1アンテナ及び第2アンテナを含み、
前記測定部は、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナからの出力信号の差分に基づいて、前記隣接する橋桁の近接する端部間の相対的な位置の変化を、前記変位として測定する
請求項2に記載の橋梁用三次元桁変位センサモジュール。
【請求項4】
前記隣接する橋桁の近接する端部間の相対的な位置の変化は、
前記隣接する橋桁の端部間についての、(1)橋軸方向、(2)前記橋桁に設けられる路面と平行であり、かつ、前記橋軸方向に垂直な方向、(3)鉛直方向又は前記路面と垂直な方向、の少なくとも1つの方向における相対的な位置の変化の大きさを含む
請求項3に記載の橋梁用三次元桁変位センサモジュール。
【請求項5】
前記複数のアンテナは、前記第1アンテナが設けられた橋桁の端部のうちの、前記第1アンテナが近傍に設けられる端部とは異なる端部の近傍に設けられるアンテナである第3アンテナをさらに含み、
前記測定部は、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナからの出力信号の差分に基づいて、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナが対応付けられた橋桁の延在方向の、予め定められた橋軸方向に対する角度の変化を、前記変位として測定する
請求項3又は4に記載の橋梁用三次元桁変位センサモジュール。
【請求項6】
前記複数のアンテナの各々は、対応付けられた橋桁の側部の上端又は上方に設けられる上方が露出するように
請求項1から5のいずれか1項に記載の橋梁用三次元桁変位センサモジュール。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の、複数の橋梁用三次元桁変位センサモジュールと、
通行判定装置とを備え、
前記通行判定装置は、センサ通信部から送信された測定情報に基づいて、橋梁の通行可能性を判定し、当該判定した結果を出力する
橋梁用三次元桁変位検知システム。
【請求項8】
測定部が、位置検出のための電波を受信する複数のアンテナからの出力信号に基づいて、前記複数のアンテナが対応付けて設けられる橋桁の変位を測定することと、
送信部が、前記測定された結果を含む測定情報を無線で送信することとを含む
橋梁用三次元桁変位検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁用三次元桁変位センサモジュール、橋梁用三次元桁変位検知システム及び橋梁用三次元桁変位検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、橋梁の上部構造の変位量を特定するための技術が開示されている。特許文献1に記載の技術は、橋梁の劣化の程度を推定するため、車両通過時の橋梁の変位量を算出する。
【0003】
ここで、上部構造とは、橋軸方向に並んだ複数の下部構造(橋脚、支承等を含む)に支持された構造であって、主桁、床版等を含むものとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-204952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、比較的大きな地震が発生した場合などには、橋桁が種々の方向に変位することによって、橋梁が形成する通路にすき間、段差などが生じることがある。このような事態が生じる場合には、橋梁の辺り一帯で緊急事態が発生していることが多いため、橋梁が形成する通路にすき間、段差などが生じていたとしても、緊急車両は、通路の状況に応じて、その橋梁を通行することがある。
【0006】
また、通路の状況がすき間、段差などが大きいため通行できない状況である場合には、緊急車両は、橋梁の通路を引き返して、橋梁を通過しない迂回経路を通って現場へ向かうこともある。このような場合、橋梁の途中までの往復に要する時間などのために、現場への到着が遅くなってしまう。
【0007】
緊急車両が緊急事態が発生している現場に早く到着するには、地震などが発生した後の橋梁の通行の可否について、できるだけ早く分かった方が望ましい。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、上述の通り、橋梁の劣化の程度を推定することを目的としており、車両通過時の橋梁の変位量を算出する。地震などが発生すると、一般車両は、徐行或いは停止するなど通常の走行を控えることが多いので、当該技術を、橋梁の通行の可否を知るための橋梁の変位量の取得に適用することは困難である。
【0009】
本発明は、この課題を解決することを目的とし、橋梁の通行の可否を速やかに知ることが可能な橋梁用三次元桁変位センサモジュール、橋梁用三次元桁変位検知システム及び橋梁用三次元桁変位検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る橋梁用三次元桁変位センサモジュールは、
位置検出のための電波を受信する複数のアンテナからの入力信号に基づいて、前記複数のアンテナが対応付けて設けられる橋桁の変位を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された結果を含む測定情報を無線で送信するセンサ通信部とを備える。
【0011】
本発明の第2の観点に係る橋梁用三次元桁変位検知システムは、
上記の橋梁用三次元桁変位センサモジュールと、
通行判定装置とを備え、
前記通行判定装置は、センサ通信部から送信された測定情報に基づいて、橋梁BRの通行可能性を判定し、当該判定した結果を出力する。
【0012】
本発明の第3の観点に係る橋梁用三次元桁変位検知方法は、
測定部が、位置検出のための電波を受信する複数のアンテナからの出力信号に基づいて、前記複数のアンテナが対応付けて設けられる橋桁の変位を測定することと、
送信部が、前記測定された結果を含む測定情報を無線で送信することとを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、橋梁の通行の可否を速やかに知ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1に係る橋梁用三次元桁変位検知システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態1に係るセンサモジュールの物理的構成を示す図である。
図3】実施の形態1に係るサーバ装置の物理的構成を示す図である。
図4】実施の形態1に係るセンサモジュールの機能的構成を示す図である。
図5】実施の形態1に係るサーバ装置の機能的構成を示す図である。
図6】実施の形態1に係る端末装置の機能的構成を示す図である。
図7】本発明の実施の形態1に係る橋梁用三次元桁変位検知方法における処理の流れの一例を示す図である。
図8】橋桁の繋ぎ目に生じる目開きの例を示す図である。
図9】橋桁の繋ぎ目に生じる横ズレの例を示す図である。
図10】橋桁の繋ぎ目に生じる段差の例を示す図である。
図11】変形例1に係る橋梁用三次元桁変位検知方法における処理の流れの一例を示す図である。
図12】本発明の実施の形態2に係る橋梁用三次元桁変位検知システムの構成を示す図である。
図13】実施の形態2に係るセンサモジュールの機能的構成を示す図である。
図14】実施の形態2に係るサーバ装置の機能的構成を示す図である。
図15】本発明の実施の形態2に係る橋梁用三次元桁変位検知方法における処理の流れの一例を示す図である。
図16】橋桁に生じる回転の例を示す図である。
図17】本発明の実施の形態3に係る橋梁用三次元桁変位検知システムの構成を示す図である。
図18】実施の形態3に係るセンサモジュールの機能的構成を示す図である。
図19】実施の形態3に係るサーバ装置の機能的構成を示す図である。
図20】本発明の実施の形態3に係る橋梁用三次元桁変位検知方法における処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。全図を通じて同一の要素には同一の符号を付す。
【0016】
<<実施の形態1>>
本発明の実施の形態1に係る橋梁用三次元桁変位検知システム100は、図1に示すように、橋梁BRに含まれる複数の橋桁BGの変位を検知するためのシステムである。
【0017】
ここで、本実施の形態に係る橋梁BRは、複数の支持構造物Dと複数の橋桁BGとを備える。複数の支持構造物Dは、下端が地盤などに固定されて橋軸方向に並べて設けられる構造物であり、各々が例えば、橋脚、支承を含む。複数の橋桁BGは、隣接する支持構造物Dの間に掛け渡されることによって支持構造物Dに支持される。複数の橋桁BGの上面が、例えば高速道路、一般道などの路面Sとなる。
【0018】
このような橋梁BRでは、隣接する複数の橋桁BGは、共通の支持構造物Dの上で概ね接触するように橋軸方向に並べられる。これにより、路面Sは、概ねすき間無く面一に形成され、車両、人などが通行する通路となる。
【0019】
なお、橋梁BRの構造は、複数の支持構造物D及び橋桁BGから構成されるものに限られず、橋梁BRは、例えば、これらに加えて床版を備えてもよく、複数の橋桁BGがケーブルなどで吊って支えられる吊り橋であってもよい。
【0020】
本実施の形態では、図1に示すように、予め定められる橋軸方向を左右方向、路面Sに垂直な方向を上下方向とする。橋軸方向は例えば、橋梁BRの設計時や建造時などに規定される。また、左右方向及び上下方向に垂直な方向を前後方向とし、左方及び右方は、前方(図1では紙面の手前に向かう方向)から見た方向に従って規定するものとする。これらの方向を示す用語は、説明のために用いるのであって、本願発明を限定する趣旨ではない。
【0021】
なお、本実施の形態では、上下方向は、鉛直方向と平行である例により説明するが、路面Sが水平でない場合、上下方向には、路面Sに垂直な方向と鉛直方向とのいずれが採用されてもよい。
【0022】
図1では、橋梁BRの一部を示しており、橋梁BRに含まれる橋桁BGの数は、2つ以上であればよく、幾つであってもよい。
【0023】
橋梁用三次元桁変位検知システム(以下では、単に「変位検知システム」とも称する。)100は、図1に示すように、複数の橋梁用三次元桁変位センサモジュール(以下では、単に「センサモジュール」とも称する。)101と、サーバ装置102と、端末装置103とを備える。なお、図1では、分かり易くするため、センサモジュール101は、橋桁BGに比べて実際よりも大きく表しているが、各構成の大きさが適宜変更されてもよいことはもちろんである。
【0024】
複数のセンサモジュール101の各々とサーバ装置102とは、ネットワークN1を介して通信することによって、互いに情報を送受信する。ネットワークN1は、無線の通信回線を含んで構築されればよく、すなわち、無線の通信回線のみによって、又は、無線及び有線の通信回線を組み合わせることによって構築されるとよい。
【0025】
また、サーバ装置102と端末装置103とは、無線の通信回線、有線の通信回線、又は、これらの通信回線を組み合わせて構築されるネットワークN2を介して通信することによって、互いに情報を送受信する。
【0026】
なお、本実施の形態では、変位検知システム100が複数のセンサモジュール101を備える例により説明するが、変位検知システム100には、少なくとも1つのセンサモジュール101が備えられるとよい。
【0027】
(センサモジュール101の物理的構成)
センサモジュール101の各々は、物理的には図1に示すように、2つのアンテナ104_A,104_Bと、アンテナ104_A,104_Bのそれぞれと導線W_A,W_Bで接続された格納箱SBとを備える。格納箱SBは、雨滴などが浸入し難い箱状の部材であり、地上、支持部材Dなどの適宜の場所に固定される。格納箱SBは、物理的には図2に示すように、2つの受信モジュール105_A,105_Bと、制御モジュール106と、通信モジュール107と、電源108とを内部に備える。
【0028】
アンテナ104_A,104_Bの各々は、位置検出のための電波を受信し、当該受信した電波に応じた出力信号を出力する。アンテナ104_A,104_Bが受信する電波には、GNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星からの電波が好適である。
【0029】
アンテナ104_A,104_Bは、隣接する橋桁BGの近接する端部のそれぞれの近傍に設けられる。
【0030】
すなわち、アンテナ104_Aは、隣接する橋桁BGの近接する端部のうち、一方の端部の近傍に設けられるアンテナであり、当該一方の端部を含む橋桁BGに対応付けられている。また、アンテナ104_Bは、隣接する橋桁BGの近接する端部のうち、他方の端部の近傍に設けられるアンテナであり、当該他方の端部を含む橋桁BGに対応付けられている。
【0031】
本実施の形態に係るアンテナ104_A,104_Bの一方は、第1アンテナに相当し、本実施の形態に係るアンテナ104_A,104_Bの他方は、第2アンテナに相当する。
【0032】
ここで、近傍とは、端部などの基準となる位置から予め定められた範囲内を意味し、以下においても同様である。例えばアンテナ104_A,104_Bの場合、端部の近傍の範囲は、端部から0~1m(メートル)程度であることが好適であるが、これに限られない。
【0033】
詳細には、アンテナ104_A,104_Bの各々は、内部に雨滴などが浸入し難いケースなどに適宜収容されて、橋桁BGの側部(本実施の形態では前端部)の上端又は上方に設けられる。
【0034】
橋桁BGの側部上方に設けられる典型例として、橋桁BGの側部に設けられる防音壁の上端に設けられる場合、橋桁BGの側部にて上方へ伸びる支持部材に設けられる場合を挙げることができる。
【0035】
このように、アンテナ104_A,104_Bを橋桁BGの側部の上端又は上方に設けることによって、電波を出力する測位衛星などとアンテナ104_A,104_Bとの間の介在物によって電波が遮断される可能性が低くなる。そのため、アンテナ104_A,104_Bは、測位衛星などからの電波を安定して受信できる。従って、アンテナ104_A,104_Bの位置を所望の時に検出することが可能になる。
【0036】
なお、アンテナ104_A,104_Bの各々の下方には、電波を受信し易くするための金属板が配置されてもよい。
【0037】
受信モジュール105_A,105_Bは、それぞれ、導線W_A,W_Bを介してアンテナ104_A,104_Bに接続しており、アンテナ104_A,104_Bからの電気信号を処理する電気回路(例えば、増幅器、変換回路、発振回路など)、電気回路を制御するためのコンピュータプログラムが組み込まれたCPUなどから構成される。
【0038】
制御モジュール106は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、記憶部などから構成される。記憶部は、例えば、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などから構成される。
【0039】
通信モジュール107は、サーバ装置102と無線通信するためのモジュールであり、通信アンテナ、電気回路(例えば、増幅器、変換回路、発振回路など)、電気回路を制御するためのコンピュータプログラムが組み込まれたCPUなどから構成される。
【0040】
通信モジュール107によって利用される無線通信としては、比較的大容量のデータ通信が可能であり、かつ、通信網が比較的広域で整備されたものが望ましい。このような観点から、通信モジュール107によって利用される無線通信には例えば、LTE(Long Term Evolution)などの携帯電話や移動体データ通信で利用される無線通信が好適である。
【0041】
電源108は、センサモジュール101が動作するための電力を供給する。電源108は、電池が望ましい。電源108は例えば商用電源などから取得した電力を供給してもよいが、この場合、地震などが発生した際の停電や電線の切断などにより、電力の供給が断たれるおそれがある。電源108に電池を採用することによって、地震などが発生した際に電力の供給が途絶える可能性を低減することができ、センサモジュール101が安定して動作を継続できる可能性を高めることが可能になる。電源108に採用される電池は、1次電池と2次電池のいずれであってもよい。
【0042】
制御モジュール106は、例えば、制御モジュール106が備えるCPUが予めインストールされたソフトウェア・プログラム(単に、「プログラム」ともいう。)を、RAM1002をワークスペースとして実行する。これにより、制御モジュール106は、受信モジュール105_A,105_Bと、通信モジュール107とを制御しつつ、これらとともに動作し、後述する機能を発揮する(図4参照)。
【0043】
(サーバ装置102の物理的構成)
サーバ装置102は、センサモジュール101によって取得されるデータを管理する機関などに設置される装置であり、物理的には例えば、パーソナルコンピュータ、メインフレーム、スーパーコンピュータなどのコンピュータである。
【0044】
サーバ装置102は、物理的には図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)1001、RAM(Random Access Memory)1002、ROM(Read Only Memory)1003、記憶部1004、通信I/F(Interface)1005、表示部1006、入力部1007などから構成され、これらが内部バス1008により通信可能に接続されている。
【0045】
記憶部1004は、例えば、SSD、フラッシュメモリ、HDDなどから構成される。表示部1006は、例えば、液晶パネルなどから構成される。入力部1007は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどから構成される。
【0046】
サーバ装置102は、例えば、CPU1001が予めインストールされたプログラムを、RAM1002をワークスペースとして実行することによって、後述する機能を発揮する(図5参照)。
【0047】
(端末装置103の物理的構成)
端末装置103は、緊急車両の搭乗員などのユーザによって使用される装置であり、例えば汎用のタブレット端末、スマートフォンなどである。なお、端末装置103は、汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0048】
端末装置103は、物理的には、概ねサーバ装置と同様に構成される(図3参照)。端末装置103は、例えば、CPUが予めインストールされたプログラムを、RAMをワークスペースとして実行することによって、後述する機能を発揮する(図6参照)。
【0049】
(センサモジュール101の機能的構成)
センサモジュール101は機能的には、複数のアンテナ104_A,104_Bからの出力信号に基づいて、複数のアンテナ104_A,104_Bが対応付けて設けられる橋桁BGの変位を測定する。センサモジュール101は機能的には、図4に示すように、測定部109と、センサ通信部110とを含む。
【0050】
測定部109は、アンテナ104_A,104_Bからの出力信号に基づいて、アンテナ104_A,104_Bが対応付けて設けられる橋桁BGの変位を測定する。
【0051】
本実施の形態において、アンテナ104_A,104_Bが対応付けて設けられる橋桁BGは、隣接する橋桁BGである。そして、その橋桁BGの変位として、当該隣接する橋桁BGの近接する端部間の相対的な位置の、予め定められる相対的な位置からの変化が測定される。
【0052】
隣接する橋桁BGの近接する端部間の予め定められる相対的な位置は、例えば、概ねすき間無く面一な路面Sを橋桁BGの上面に形成する位置である。
【0053】
センサ通信部110は、測定部109によって測定された結果(すなわち、測定結果)を含む測定情報を無線で送信する。本実施の形態に係るセンサ通信部110は、測定情報を無線でサーバ装置102へ送信する。このように無線通信を利用することによって、地震などが発生した際の切断などによって通信が断たれる可能性を低減させることができる。従って、測定情報を安定してサーバ装置102へ送信することが可能になる。
【0054】
(サーバ装置102の機能的構成)
サーバ装置102は、機能的には、変位検知システム100を管理する装置であり、例えば、通行判定装置として、センサ通信部110から送信された測定情報に基づいて、橋梁BRの通行可能性を判定し、当該判定した結果を出力する。
【0055】
詳細には、図5に示すように、サーバ装置102は機能的に、第1サーバ通信部111と、測定履歴記憶部112と、判定部113と、第2サーバ通信部114と、サーバ表示部115とを含む。
【0056】
第1サーバ通信部111は、センサモジュール101との間で通信する。例えば、第1サーバ通信部111は、センサモジュール101に桁BGの変位を測定させるための測定要求をセンサモジュール101へ予め定められた時期に送信する。また例えば、第1サーバ通信部111は、センサ通信部110から送信された測定情報を取得する。
【0057】
測定履歴記憶部112は、第1サーバ通信部111が測定情報を取得すると、当該測定情報と、その測定日時を示す測定時間情報とを関連付けた測定履歴情報を記憶する。
【0058】
判定部113は、測定履歴記憶部112又は第1サーバ通信部111から測定情報を取得する。そして、判定部113は、測定情報に含まれる変位と、予め定められる基準値とを比較することによって、橋梁BRの通行可能性を判定する。
【0059】
ここで、基準値には例えば、橋梁BRの通行が許容される変位の大きさに応じた値が設定されるとよい。センサモジュール101によって3次元の測定が行われる場合など、測定情報に含まれる変位は、複数の成分を含んでもよく、このような場合の基準値は、各成分に対して予め定められる。変位が複数の成分を含む場合の基準値には、複数の成分に対して共通の1つの値が定められてもよく、複数の成分の一部又は各々に異なる値が定められてもよい。なお、変位が1つの成分であってもよく、この場合の基準値は、1つである。
【0060】
第2サーバ通信部114は、端末装置103との間で通信する。例えば、第2サーバ通信部114は、端末装置103からの送信要求に応じて、応答情報を端末装置103へ送信する。
【0061】
応答情報は、例えば、判定部113が判定した結果と、その判定に採用された測定情報との少なくとも一方を含む。
【0062】
サーバ表示部115は、各種の情報を表示する。例えばサーバ表示部115は、サーバ装置102のユーザの操作に応じて、判定部113が判定した結果と、その判定に採用された測定情報との少なくとも一方を表示する。
【0063】
本実施の形態に係る第2サーバ通信部114とサーバ表示部115との各々は、判定部113が判定した結果を示す判定情報を出力する出力部の例である。
【0064】
(端末装置103の機能的構成)
端末装置103は、主に、ユーザが測定情報や判定情報を参照するための装置である。端末装置103は、サーバ装置102へ送信要求を送信し、これに応じてサーバ装置102から送信される応答情報を受信して表示する。
【0065】
詳細には、図6に示すように、端末装置103は機能的に、要求送信部116と、応答受信部117と、端末表示部118とを含む。
【0066】
要求送信部116は、ユーザの入力操作に応じて、サーバ装置102へ送信要求を送信する。応答受信部117は、サーバ装置102から送信される応答情報を受信する。端末表示部118は、応答情報を画面に表示する。
【0067】
(変位検知システム100の動作)
これまで、本発明の実施の形態1に係る変位検知システム100の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係る変位検知システム100の動作(橋梁用三次元桁変位検知方法)について、図7を参照して説明する。
【0068】
センサモジュール101及びサーバ装置102は、電源が投入されると通常、互いに通信可能に常時稼働している。また、端末装置103は、端末装置103のユーザがプログラムを起動した時など、当該ユーザの操作に応じて動作を開始する。
【0069】
第1サーバ通信部111は、図7に示すように、ネットワークN1を介して複数のセンサモジュール101へ測定要求を送信する(ステップS101)。
【0070】
詳細には例えば、第1サーバ通信部111は、地震発生時に測定要求を送信する。この場合、第1サーバ通信部111は、例えば地震の発生時に一般的に一斉発報される報知情報を取得することによって地震を検知し、測定要求を送信するとよい。
【0071】
測定要求が送信されると、判定部113は、測定要求の送信時を基準時として、当該基準時からの経過時間の計測を開始する(ステップS102)。
【0072】
センサモジュール101は、サーバ装置102から測定要求を受信すると(ステップS103)、測定部109の各々は、測定処理を行う(ステップS104)。
【0073】
測定処理は、アンテナ104_A,104_Bからの出力信号に基づいて、アンテナ104_A,104_Bが対応付けて設けられる橋桁BGの変位を測定する処理である。
【0074】
本実施の形態では、隣接する橋桁BGの近接する端部間の相対的な位置の変化は、3次元で測定される。そのため、当該相対的な位置の変化は、隣接する橋桁BGの近接する端部間についての、目開き、横ズレ、段差を含む。
【0075】
目開きは、図8に示すように、隣接する橋桁BGの近接する端部間の橋軸方向(本実施の形態では、左右方向)における相対的な位置の変化の大きさである。
【0076】
横ズレは、図9に示すように、隣接する橋桁BGの近接する端部間の、橋桁BGに設けられる路面Sと平行であり、かつ、橋軸方向に垂直な方向(本実施の形態では、前後方向)における相対的な位置の変化の大きさである。
【0077】
段差は、図10に示すように、隣接する橋桁BGの近接する端部間の路面Sに垂直な方向(本実施の形態では、上下方向)における相対的な位置の変化の大きさである。
【0078】
なお、隣接する橋桁BGの近接する端部間の相対的な位置の変化は、当該近接する端部間についての、少なくとも1つの方向における相対的な位置の変化の大きさを含めばよい。
【0079】
また本実施の形態では、測定部109は、アンテナ104_Aからの出力信号とアンテナ104_Bからの出力信号との差分に基づいて、隣接する橋桁BGの近接する端部間の相対的な位置の変化を測定する。
【0080】
これにより、出力信号に共通に含まれるノイズなどを低減することができるので、アンテナ104_A,104_Bの各々の出力信号に基づいてアンテナ104_A,104_Bの各々の位置を独立に測定するよりも、精度の良い測定が可能になる。
【0081】
再び図7を参照する。
センサ通信部110の各々は、ステップS101にて得られる測定結果を含む測定情報を無線のネットワークN1を介して送信する(ステップS105)。
【0082】
第1サーバ通信部111は、ステップS102にて送信された測定情報を無線のネットワークN1を介して受信する(ステップS106)。
【0083】
判定部113は、ステップS103にて受信した測定情報に基づいて、橋梁BRの通行可能性を判定する(ステップS107)。
【0084】
詳細には、判定部113は、測定履歴記憶部112又は第1サーバ通信部111から測定情報を取得する。なお、判定部113は、測定情報を第1サーバ通信部111から取得してもよい。
【0085】
そして、判定部113は、測定情報に含まれる変位の各成分と、当該各成分に対して予め定められる基準値とを比較することによって、橋梁BRの通行可能性を判定する。
【0086】
本実施の形態では、測定結果は、上述の通り、目開き、横ズレ、段差の3つの成分を含むので、基準値は、目開きに対応する第1基準値、横ズレに対応する第2基準値、段差に対応する第3基準値を含む。第1基準値は、例えば、300mm(ミリメートル)である。第2基準値は、例えば、250mmである。第3基準値は、例えば、50mmである。
【0087】
なお、測定情報に含まれる各成分の基準値は、一部又は全部に共通の値が採用されてもよい。また、測定情報に含まれる変位の成分は、1つであってもよく、この場合の基準値は、その成分に対応する1つの値でよい。
【0088】
判定部113は、例えば、測定情報に含まれる変位の成分のすべてが、各成分に対応する基準値の範囲以内である場合に橋梁BRが通行可能であると判定する。また例えば、判定部113は、測定情報に含まれる変位の成分の中に、対応する基準値の範囲を超えるものが1つでもある場合に、橋梁BRが通行不可能であると判定する。
【0089】
また判定部113は、基準時からの経過時間が予め定められた時間を超えてもセンサモジュール101から測定情報を取得できない場合に、橋梁BRが通行不可能であると判定してもよい。基準時は、地震が発生した時などである。このような場合は、地震によって断線がセンサモジュール101に生じるなど、変位を測定できないような障害が発生している可能性があるためである。
【0090】
判定部113は、判定の結果、及び、当該判定に用いた測定情報を保持する。これにより、判定部113は、最新の判定の結果、及び、当該判定に用いた測定情報を保持することになる。
【0091】
また、判定部113は、判定の結果と、当該判定に用いた測定情報と、当該測定情報の測定時間情報とを関連付けた測定履歴情報を生成し、測定履歴記憶部112に格納する。
【0092】
このとき、サーバ表示部115に、判定の結果と、当該判定に用いた測定情報との少なくとも一方が表示されてもよい。これにより、サーバ装置102のユーザは、判定結果や測定情報を画面で参照することによって、橋梁BRの通行の可否を知ることが可能になる。
【0093】
なお、地震が発生した場合、橋梁BRの状況は、時々刻々変化する可能性があるので、地震発生時には、ステップS101~S104の処理が、予め定められた時間間隔(例えば、5分、10分)で、予め定められた期間(例えば、1時間、2時間)にわたって継続的に行われてもよい。
【0094】
要求送信部116は、ユーザの入力操作に応じて、サーバ装置102へ送信要求をネットワークN2を介して送信する(ステップS108)。
【0095】
第2サーバ通信部114は、ステップS105にて送信された送信要求をネットワークN2を介して受信する(ステップS109)。
【0096】
第2サーバ通信部114は、ステップS106にて送信要求を受信したことに応じて、ステップ
104にて判定部113に保持された最新の判定の結果、及び、当該判定に用いた測定情報を判定部113から取得する。第2サーバ通信部114は、当該取得した判定の結果及び測定情報を含む応答情報を、ネットワークN2を介して端末装置103へ送信する(ステップS110)。
【0097】
応答受信部117は、サーバ装置102から送信される応答情報をネットワークN2を介して受信する(ステップS111)。
【0098】
端末表示部118は、ステップS108にて受信された応答情報を画面に表示する(ステップS112)。これにより、端末装置103のユーザは、判定結果や測定情報を画面で参照することによって、橋梁BRの通行の可否を知ることが可能になる。
【0099】
これまで、本発明の実施の形態1について説明した。
【0100】
本実施の形態によれば、測定部109による測定結果がセンサモジュール101から無線で送信される。
【0101】
これにより、サーバ装置102や端末装置103のユーザは、隣接する橋桁BGの近接する端部に相対的な変位が発生している場合に、橋梁BRから離れた場所で、その変位がどの程度であるかを知ることができる。また、測定部109が隣接する橋桁BGの近接する端部の変位を測定し、それを無線で送信する処理は、地震発生時などであっても所望の時期に概ね即時に実行することができる。すなわち、サーバ装置102や端末装置103のユーザは、所望の時期に概ね即時に、橋梁BRの通行の可否を判断できる。
【0102】
従って、橋梁BRの通行の可否を速やかに知ることが可能になる。
【0103】
また、一般的に例えば、複数の橋桁BGが相対的な位置関係を概ね保って全体的に変位している場合などには、車両は、その複数の橋桁BGを通行することができる。そのため、通行の可否を判定するには、隣接する橋桁BGの近接する端部間の相対的な位置を測定すればよく、橋桁BGの各々の絶対的な位置はあまり重要ではない。
【0104】
そこで、本実施の形態では、隣接する橋桁BGの近接する端部間の相対的な位置の変化を測定している。近接する端部間の相対的な位置の変化は、各端部の絶対位置の差として求めるように変形されてもよいが、本実施の形態で説明した通り、アンテナ104_Aからの出力信号とアンテナ104_Bからの出力信号との差分から求めることで、測定精度の向上を図ることができる。
【0105】
従って、橋梁BRの通行の可否を速やかに、かつ、より正確に知ることが可能になる。
【0106】
さらに、測定部109の測定結果は、隣接する橋桁BGの近接する端部の変位が複数の成分を含む。これにより、サーバ装置102や端末装置103のユーザは、当該近接する端部について、複数の方向における相対的な変位の大きさを知ることができる。そのため、当該近接する端部に発生している相対的な変位をより正確に知ることができる。従って、橋梁BRの通行の可否を速やかに、かつ、より正確に知ることが可能になる。
【0107】
さらに、判定部113が橋梁BRの通行可能性を判定する。これにより、サーバ装置102や端末装置103のユーザは、橋梁BRから離れた場所で、その判定の結果を知ることができる。従って、橋梁の通行の可否を速やかに、かつ、より容易に知ることが可能になる。
【0108】
本発明の実施の形態1は、以下のように変形されてもよい。
【0109】
<<変形例1>>
実施の形態1では、センサモジュール101がサーバ装置102からの測定要求を受けて測定処理(ステップS104)を実行する例により説明した。しかし、測定処理(ステップS104)を行うタイミングは、サーバ装置102からの測定要求を受けたときに限られない。変形例1では、測定処理(ステップS104)が実行されるタイミングの他の一例として、例えば1日~1週間に1回など、予め定められた測定時期が到来した時に測定処理(ステップS104)が実行される例を説明する。
【0110】
なお、測定処理(ステップS101)は、実施の形態1のように測定要求を受けて実行される場合と、本変形例のように予め定められた時期が到来した時に実行される場合とが組み合わされてもよい。
【0111】
本変形例に係る測定部109は、実施の形態1に係る測定部109の機能に加えて、予め定められた測定時期が到来したか否かを判定する機能を備える。
【0112】
この点を除いて、本変形例に係る変位検知システムは、実施の形態1と同様に構成されるとよい。
【0113】
本変形例に係る変位検知システムの動作(橋梁用三次元桁変位検知方法)について、図11を参照して説明する。
【0114】
本変形例に係る橋梁用三次元桁変位検知方法は、実施の形態1に係る橋梁用三次元桁変位検知方法のステップS101~S103に代わるステップS201を含む。この点を除いて、本変形例に係る橋梁用三次元桁変位検知方法は、実施の形態1に係る橋梁用三次元桁変位検知方法と概ね同様である。
【0115】
ステップS201では、図11に示すように、測定部109は、測定時期が到来したか否かを判定する(ステップS201)。
【0116】
例えば、測定処理が1日に1回実行される場合は、測定時期は時刻で設定されるとよく、測定部109は、現在時刻が予め定められた時刻であることを検知するとよい。そして、現在時刻が測定時期であることを検知した場合に、測定部109は、測定時期が到来したと判定するとよい。また、現在時刻が測定時期であることを検知しない(すなわち、現在時刻が測定時期ではない)場合に、測定部109は、測定時期が到来していないと判定するとよい。
【0117】
また例えば、測定処理が1週間に1回実行される場合は、測定時期は、曜日及び時刻で設定されるとよく、測定部109は、現在の曜日及び時刻が予め定められた曜日および時刻であることを検知するとよい。そして、現在の曜日及び時刻が測定時期であることを検知した場合に、測定部109は、測定時期が到来したと判定するとよい。また、現在の曜日及び時刻が測定時期であることを検知しない(すなわち、現在の曜日及び時刻が測定時期ではない)場合に、測定部109は、測定時期が到来していないと判定するとよい。
【0118】
測定時期が到来していないと判定した場合(ステップS201;NO)、測定部109は、測定時期到来の判定処理(ステップS201)を繰り返し実行する。
【0119】
測定時期が到来したと判定した場合(ステップS201;YES)、測定部109は、実施の形態1と同様の測定処理を行う(ステップS104)。
【0120】
一般的に、隣接する橋桁BGの近接する端部に相対的な変位は、地震発生などの報知情報を外部からの取得できない原因によって発生するおそれもある。本変形例によれば、測定時期を時間によって設定できる。そのため、橋桁BGの相対的な変位が発生した場合、少なくとも測定時期において設定される時間に応じた時間遅れで、かつ、橋梁BRから離れた場所で、ユーザは、橋桁BGの相対的な変位がどの程度であるかを知って橋梁BRの通行の可否を判断できる。従って、本変形例によっても、橋梁BRの通行の可否を速やかに知ることが可能になる。
【0121】
<<実施の形態2>>
実施の形態1では、2つのアンテナ104_A,104_Bが隣接する橋桁BGの近接する端部のそれぞれの近傍に設け、当該近接する端部の目開き、横ズレ、段差を測定する例を説明した。
【0122】
実施の形態2では、2つのアンテナ104_A,104_Bを共通の橋桁BGの端部の近傍に設け、当該橋桁BGの回転を変位として測定する例を説明する。本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる構成について説明し、共通の構成については説明を簡明にするため適宜省略する。
【0123】
本発明の実施の形態2に係る橋梁用三次元桁変位検知システム(以下では、単に「変位検知システム」とも称する。)200は、図12に示すように、複数の橋梁用三次元桁変位センサモジュール(以下では、単に「センサモジュール」とも称する。)201と、サーバ装置202と、実施の形態1と物理的にも機能的にも同様の端末装置103とを備える。
【0124】
また、複数のセンサモジュール201の各々とサーバ装置202とは、実施の形態1と同様に、ネットワークN1を介して通信する。サーバ装置202と端末装置103とは、実施の形態1と同様に、ネットワークN2を介して通信する。
【0125】
(センサモジュール201の物理的構成)
センサモジュール201は、2つのアンテナ204_A,204_Bと、アンテナ204_A,204_Bのそれぞれと導線W_A,W_Bで接続された格納箱SBとを備える。本実施の形態では、アンテナ204_A,204_Bは、共通の橋桁BGの両端部のそれぞれの近傍に設けられる。
【0126】
このように、2つのアンテナ204_A,204_Bが対応付けて設けられる橋桁BGが異なる点を除いて、センサモジュール201の物理的な構成は、実施の形態1に係るセンサモジュール101と概ね同様である。
【0127】
(サーバ装置202の物理的構成)
サーバ装置202の物理的な構成は、実施の形態1に係るサーバ装置102と概ね同様である。
【0128】
(センサモジュール201の機能的構成)
センサモジュール201が機能的に、複数のアンテナ204_A,204_Bからの出力信号に基づいて、複数のアンテナ204_A,204_Bが対応付けて設けられる橋桁BGの変位を測定することは、実施の形態1に係るセンサモジュール101と同様である。
【0129】
本実施の形態に係るセンサモジュール201は、図13に示すように、測定部209と、実施の形態1と同様のセンサ通信部110とを含む。
【0130】
測定部209は、実施の形態1と同様に、アンテナ204_A,204_Bからの出力信号に基づいて、アンテナ204_A,204_Bが対応付けて設けられる橋桁BGの変位を測定する。
【0131】
本実施の形態では、アンテナ204_A,204_Bが対応付けて設けられる橋桁BGは、共通の橋桁BGである。そして、その橋桁BGの変位として、当該橋桁BGの延在方向の、予め定められた橋軸方向に対する角度の変化が測定される。そのため、本実施の形態に係る測定情報は、角度の変化を示す情報であり、角度は、3次元的に測定されるとよい。なお、角度は、2次元的に測定されてもよい。
【0132】
ここで、橋桁BGの上面が概ねすき間無く面一な路面Sを形成している場合、橋桁BGの延在方向は、概ね、予め定められた橋軸方向に沿っている。そのため、本実施の形態においても、橋桁BGの上面が概ねすき間無く面一な路面Sを形成する位置を基準として、橋桁BGの延在方向の角度の変化を、橋桁BGの変位として測定しているとも言える。
【0133】
(サーバ装置202の機能的構成)
【0134】
サーバ装置202が機能的に、変位検知システム200を管理する装置であり、例えば、通行判定装置として、センサ通信部110から送信された測定情報に基づいて、橋梁BRの通行可能性を判定し、当該判定した結果を出力することは、実施の形態1に係るサーバ装置102と同様である。
【0135】
本実施の形態に係るサーバ装置202は機能的に、図14に示すように、判定部213と、実施の形態1と同様の第1サーバ通信部111、測定履歴記憶部112、第2サーバ通信部114及びサーバ表示部115とを含む。
【0136】
判定部213は、測定履歴記憶部112又は第1サーバ通信部111から測定情報を取得し、当該測定情報に含まれる角度と、角度について予め定められる基準値とを比較することによって、橋梁BRの通行可能性を判定する。本実施の形態に係る基準値についても、実施の形態1と同様に、橋梁BRの通行が許容される変位の大きさに応じた値が設定されるとよい。
【0137】
(変位検知システム200の動作)
これまで、本発明の実施の形態2に係る変位検知システム200の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係る変位検知システム200の動作(橋梁用三次元桁変位検知方法)について、図15を参照して説明する。
【0138】
同図に示すように、本実施の形態に係る橋梁用三次元桁変位検知方法は、実施の形態1に係る橋梁用三次元桁変位検知方法のステップS104及びS107のそれぞれに代わるステップS204及びS207を含む。これらの点を除いて、本実施の形態に係る橋梁用三次元桁変位検知方法は、実施の形態1に係る橋梁用三次元桁変位検知方法と概ね同様である。
【0139】
ステップS204では、図15に示すように、測定部209の各々は、測定処理を行う。本実施の形態に係る測定処理では、アンテナ204_A,204_Bからの出力信号に基づいて、アンテナ204_A,204_Bが対応付けて設けられる橋桁BGの位置の変化として、当該橋桁BGの回転が測定される。
【0140】
回転は、上述したように、橋桁BGの延在方向の、予め定められた橋軸方向に対する角度の変化の大きさである(図16参照)。
【0141】
また本実施の形態においても、測定部209は、アンテナ204_Aからの出力信号とアンテナ204_Bからの出力信号との差分に基づいて、これらが共通に対応付けて設けられた橋桁BGの相対的な位置の変化を測定する。実施の形態1と同様に、精度の良い測定が可能になる。
【0142】
再び図15を参照する。
ステップS207では、判定部213は、実施の形態1と同様に、ステップS103にて受信した測定情報に基づいて、橋梁BRの通行可能性を判定する。
【0143】
詳細には、判定部213は、実施の形態1と同様に、測定履歴記憶部112又は第1サーバ通信部111から測定情報を取得し、測定情報に含まれる変位の成分と、当該成分に対して予め定められる基準値とを比較することによって、橋梁BRの通行可能性を判定する。
【0144】
本実施の形態では、測定結果は、上述の通り、回転の成分のみであるので、基準値は、回転に対応する第4基準値のみでよい。
【0145】
判定部213は、例えば、測定情報に含まれる回転が第4基準値の範囲以内である場合に、橋梁BRが通行可能であると判定する。また例えば、判定部213は、測定情報に含まれる回転が第4基準値の範囲を超える場合に、橋梁BRが通行不可能であると判定する。
【0146】
また判定部213が、基準時からの経過時間が予め定められた時間を超えても、センサモジュール101から測定情報を取得できない場合に、橋梁BRが通行不可能であると判定してもよいことは、実施の形態1と同様である。
【0147】
判定部213は、判定の結果、及び、当該判定に用いた測定情報を保持する。また、判定部213は、判定の結果と、当該判定に用いた測定情報と、当該測定情報の測定時間情報とを関連付けた測定履歴情報を生成し、測定履歴記憶部112に格納する。このとき、サーバ表示部115に、判定の結果と、当該判定に用いた測定情報との少なくとも一方が表示されてもよい。これらも、実施の形態1と同様である。
【0148】
これまで、本発明の実施の形態2について説明した。
【0149】
本実施の形態によっても、実施の形態1と同様に、測定部209による測定結果がセンサモジュール201から無線で送信される。
【0150】
これにより、サーバ装置202や端末装置103のユーザは、アンテナ204_A,204_Bが対応付けて設けられた橋桁BGに変位が発生している場合に、橋梁BRから離れた場所で、その変位がどの程度であるかを知ることができる。また、アンテナ204_A,204_Bが対応付けて設けられた橋桁BGの変位を測定し、それを無線で送信する処理は、地震発生時などであっても所望の時期に概ね即時に実行することができる。すなわち、サーバ装置202や端末装置103のユーザは、所望の時期に概ね即時に、橋梁BRの通行の可否を判断できる。
【0151】
従って、橋梁BRの通行の可否を速やかに知ることが可能になる。
【0152】
<<実施の形態3>>
実施の形態1では、2つのアンテナ104_A,104_Bが隣接する橋桁BGの近接する端部のそれぞれの近傍に設け、当該近接する端部の目開き、横ズレ、段差を測定する例を説明した。
【0153】
本実施の形態では、3つ目のアンテナを、例えばアンテナ104_Aと共通の橋桁BGの端部の近傍にさらに設ける例を説明する。これにより、実施の形態2と同様の方法で、回転をさらに測定することができる。本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる構成について説明し、共通の構成については説明を簡明にするため適宜省略する。
【0154】
本発明の実施の形態2に係る橋梁用三次元桁変位検知システム(以下では、単に「変位検知システム」とも称する。)300は、図17に示すように、複数の橋梁用三次元桁変位センサモジュール(以下では、単に「センサモジュール」とも称する。)301と、サーバ装置302と、実施の形態1と物理的にも機能的にも同様の端末装置103とを備える。
【0155】
また、複数のセンサモジュール301の各々とサーバ装置302とは、実施の形態1と同様に、ネットワークN1を介して通信する。サーバ装置302と端末装置103とは、実施の形態1と同様に、ネットワークN2を介して通信する。
【0156】
(センサモジュール301の物理的構成)
センサモジュール301は、3つのアンテナ104_A,104_B,304_Cと、アンテナ104_A,104_B,304_Cのそれぞれと導線W_A,W_B,W_Cで接続された格納箱SBとを備える。本実施の形態に係るアンテナ104_A,104_Bは、実施の形態1と同様に、隣接する橋桁BGの近接する端部のそれぞれの近傍に設けられる。
【0157】
アンテナ304_Cは、アンテナ104_Aが設けられた橋桁BGの端部のうちの、アンテナ104_Aが近傍に設けられる端部とは異なる端部の近傍に設けられる。
【0158】
本実施の形態に係るアンテナ104_A,104_Bの一方は、第1アンテナに相当し、本実施の形態に係るアンテナ104_A,104_Bの他方は、第2アンテナに相当する。また、アンテナ304_Cは、第3アンテナに相当する。
【0159】
なお、アンテナ304_Cに代えて、当該アンテナ304_Cの近傍に位置するアンテナ104_Bが、第3アンテナとして、導線W_Cで格納箱SBに接続されてもよい。この場合、アンテナ104_Bが隣接する格納箱SBで共用されることになり、本実施の形態よりも少ない数のアンテナの数で、目開き、横ズレ、段差及び段差を測定することができる。従って、コストの低減を図ることが可能になる。
【0160】
このように、アンテナ304_Cが、アンテナ104_Aと共通の橋桁BGに対応付けてさらに設けられる。また、アンテナ304_Cに導線W_Cを介して接続される受信モジュール105_Cがさらに設けられ、受信モジュール105_Cは、受信モジュール105_A,105Bと共通の制御モジュール106に接続される。これらの点を除いて、センサモジュール301の物理的な構成は、実施の形態1に係るセンサモジュール101と概ね同様である。
【0161】
(サーバ装置302の物理的構成)
サーバ装置302の物理的な構成は、実施の形態1に係るサーバ装置102と概ね同様である。
【0162】
(センサモジュール301の機能的構成)
センサモジュール301が機能的に、複数のアンテナ104_A,104_B,304_Cからの出力信号に基づいて、複数のアンテナ104_A,104_B,304_Cが対応付けて設けられる橋桁BGの変位を測定することは、実施の形態1に係るセンサモジュール101と同様である。
【0163】
本実施の形態に係るセンサモジュール301は、図18に示すように、測定部309と、実施の形態1と同様のセンサ通信部110とを含む。
【0164】
測定部309は、アンテナ204_A,204_B,304_Cからの出力信号に基づいて、アンテナ204_A,204_Bが対応付けて設けられる隣接する橋桁BGの相対的な変位と、アンテナ204_A,304_Cが対応付けて設けられる橋桁BGの相対的な変位とを測定する。
【0165】
アンテナ104_A,104_Bが対応付けて設けられる隣接する橋桁BGについては、実施の形態1と同様でよく、例えば、隣接する橋桁BGの近接する端部の目開き、横ズレ、段差が測定される。また、アンテナ204_A,304_Cが対応付けて設けられる共通の橋桁BGについては、実施の形態2と同様に、当該橋桁BGの回転が測定される。そのため、本実施の形態に係る測定情報は、目開き、横ズレ、段差及び角度の変化を示す情報である。
【0166】
なお、アンテナ104_A,104_Bが対応付けて設けられる隣接する橋桁BGについては、開き、横ズレ、段差の少なくとも1つが測定されればよい。
【0167】
(サーバ装置302の機能的構成)
【0168】
サーバ装置302が機能的に、変位検知システム300を管理する装置であり、例えば、通行判定装置として、センサ通信部110から送信された測定情報に基づいて、橋梁BRの通行可能性を判定し、当該判定した結果を出力することは、実施の形態1に係るサーバ装置102と同様である。
【0169】
本実施の形態に係るサーバ装置302は機能的に、図19に示すように、判定部313と、実施の形態1と同様の第1サーバ通信部111、測定履歴記憶部112、第2サーバ通信部114及びサーバ表示部115とを含む。
【0170】
判定部313は、測定履歴記憶部112又は第1サーバ通信部111から測定情報を取得し、当該測定情報に含まれる目開き、横ズレ、段差、角度と、それぞれに対応する基準値(第1基準値~第4基準値)とを比較することによって、橋梁BRの通行可能性を判定する。
【0171】
橋梁BRの通行が許容される変位の大きさに応じた値が基準値に設定される点は、目開き、横ズレ、段差に対応する第1基準値~第3基準値については実施の形態1と、角度に対応する第4基準値については実施の形態2と同様である。
【0172】
(変位検知システム300の動作)
これまで、本発明の実施の形態3に係る変位検知システム300の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係る変位検知システム300の動作(橋梁用三次元桁変位検知方法)について、図20を参照して説明する。
【0173】
同図に示すように、本実施の形態に係る橋梁用三次元桁変位検知方法は、実施の形態1に係る橋梁用三次元桁変位検知方法のステップS101及びS104のそれぞれに代わるステップS304及びS307を含む。これらの点を除いて、本実施の形態に係る橋梁用三次元桁変位検知方法は、実施の形態1に係る橋梁用三次元桁変位検知方法と概ね同様である。
【0174】
ステップS304では、図20に示すように、測定部309の各々は、測定処理を行う。本実施の形態に係る測定処理では、アンテナ104_A,104_B,304_Cからの出力信号に基づいて、アンテナ104_A,104_B,304_Cが対応付けて設けられる橋桁BGの位置の変化として、橋桁BGの目開き、横ズレ、段差及び回転が測定される。
【0175】
また本実施の形態においても、測定部309は、アンテナ104_Aからの出力信号とアンテナ104_Bからの出力信号との差分に基づいて、これらが対応付けて設けられた橋桁BG、すなわち隣接する橋桁BGの近接する端部の目開き、横ズレ、段差を測定する。
【0176】
また、測定部309は、アンテナ104_Aからの出力信号とアンテナ304_Cからの出力信号との差分に基づいて、これらが共通に対応付けて設けられた橋桁BGの回転を測定する。
【0177】
すなわち、3つのアンテナ104_A,104_B,304_Cのうち、真ん中に位置するアンテナ104_Aが、目開き、横ズレ及び段差の測定と、回転の測定と、の両方の測定に参照される。これにより、実施の形態1と同様に、精度の良い測定が可能になる。
【0178】
再び図20を参照する。
ステップS307では、判定部313は、実施の形態1と同様に、ステップS103にて受信した測定情報に基づいて、橋梁BRの通行可能性を判定する。
【0179】
詳細には、判定部313は、実施の形態1と同様に、測定履歴記憶部112又は第1サーバ通信部111から測定情報を取得し、測定情報に含まれる変位の各成分と、当該各成分に対して予め定められる基準値とを比較することによって、橋梁BRの通行可能性を判定する。
【0180】
本実施の形態では、測定結果は、上述の通り、目開き、横ズレ、段差、回転の4つの成分を含む。そのため、基準値は、目開きに対応する第1基準値、横ズレに対応する第2基準値、段差に対応する第3基準値、回転に対応する第4基準値を含む。
【0181】
判定部313は、例えば、測定情報に含まれる成分(目開き、横ズレ、段差、回転)のすべてが、対応する基準値(第1基準値~第4基準値)の範囲以内である場合に、橋梁BRが通行可能であると判定する。また例えば、判定部313は、測定情報に含まれる変位の成分の中に、対応する基準値の範囲を超えるものが1つでもある場合に、橋梁BRが通行不可能であると判定する。
【0182】
また判定部313が、基準時から予め定められた時間内に、センサモジュール101から測定情報を取得できない場合に、橋梁BRが通行不可能であると判定してもよいことは、実施の形態1と同様である。
【0183】
判定部313は、判定の結果、及び、当該判定に用いた測定情報を保持する。また、判定部313は、判定の結果と、当該判定に用いた測定情報と、当該測定情報の測定時間情報とを関連付けた測定履歴情報を生成し、測定履歴記憶部112に格納する。このとき、サーバ表示部115に、判定の結果と、当該判定に用いた測定情報との少なくとも一方が表示されてもよい。これらも、実施の形態1と同様である。
【0184】
これまで、本発明の実施の形態3について説明した。
【0185】
本実施の形態によっても、実施の形態1と同様の作用・効果を奏する。
【0186】
また本実施の形態に係る測定部309の測定結果は、実施の形態1よりも多くの成分を含む、橋桁BGの変位を測定する。これにより、サーバ装置302や端末装置103のユーザは、橋桁BGについて、多くの方向における相対的な変位の大きさを知ることができる。そのため、当該橋桁BGに発生している相対的な変位をより正確に知ることができる。従って、橋梁BRの通行の可否を速やかに、かつ、より一層正確に知ることが可能になる。
【0187】
以上、本発明の実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は、これらに限られるものではない。例えば、本発明は、これまで説明した実施の形態及び変形例の一部又は全部を適宜組み合わせた形態、その形態に適宜変更を加えた形態をも含む。
【符号の説明】
【0188】
100,200,300 橋梁用三次元桁変位検知システム(変位検知システム)
BR 橋梁
D 支持構造物
BG 橋桁
S 路面
101,201,301 橋梁用三次元桁変位センサモジュール(センサモジュール)
102,202,302 サーバ装置
103 端末装置
104_A,104_B,204_A,204_B,304_C アンテナ
105_A,105_B 受信モジュール
106 制御モジュール
107 通信モジュール
108 電源
109,209,309 測定部
110 センサ通信部
111 第1サーバ通信部
112 測定履歴記憶部
113,213,313 判定部
114 第2サーバ通信部
115 サーバ表示部
116 要求送信部
117 応答受信部
118 端末表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図15
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