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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105483
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】引火性流体運搬用車両
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/22 20060101AFI20220707BHJP
【FI】
B60P3/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021211094
(22)【出願日】2021-12-24
(31)【優先権主張番号】2100014
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】521565475
【氏名又は名称】クライオラー
【氏名又は名称原語表記】CRYOLOR
【住所又は居所原語表記】Pole Industriel d’Ennery 57640 ARGANCY FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】リュシアン・バラシ
(72)【発明者】
【氏名】エティエンヌ・ギボー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】引火性流体を運搬するための車両の電気的接続と遮断を安全に行う。
【解決手段】引火性流体を運搬するための車両(1)であって、トラクター部(2)と、支持体(13)上に取り付けられたタンク(4)と、を備え、接続インターフェース(3)に接続するための少なくとも1つのポートを介して電気回路に接続された電源(2)を備え、接続ポートへのアクセスをブロックする第1の位置と、接続ポートへのアクセスをブロックしない第2の位置との間で移動し得るカバーを備え、流体回路(5)の空気圧弁のセットの動作を可能にする第1の状態と、セットの動作を防止する第2の状態との間で切り替え可能な、スイッチを更に備え、その第1の位置では、カバーは、スイッチをその第1の状態に切り替える又はスイッチがその第1の状態に切り替えられることを可能にし、カバーがその第2の位置にあるとき、スイッチは、その第2の状態に自動的に切り替えられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引火性流体、特に、水素等の液状流体を運搬するための車両(1)であって、トラクター部(2)と、前記トラクター部(2)によって牽引される支持体(13)上に取り付けられたタンク(4)と、を備え、
前記車両(1)は、流体を充填及び/又は排出させるために前記タンク(4)に接続された流体回路(5)を備え、前記流体回路(5)は、空気圧弁(12、14)のセットを備え、
前記車両(1)は、前記トラクター部(2)によって牽引される前記支持体(13)の少なくとも1つの電気部品(16)を備える電気回路(6)を更に備え、
前記車両(1)は、接続インターフェース(3)に接続するための少なくとも1つの接続ポート(9)を介して前記電気回路(6)に着脱可能に接続された電源(2)を備える車両(1)において、
前記接続インターフェース(3)が、前記電源(2)と前記電気回路(6)との間の電気的接続を防止するために、1つ又は複数の前記接続ポート(9)へのアクセスをブロックする第1の位置と、前記電源(2)と前記電気回路(6)との間の電気的接続を可能にするために、1つ又は複数の前記接続ポート(9)へのアクセスをブロックしない第2の位置との間で移動し得るカバー(8)を備えること、
前記車両(1)は、充填又は排出することを可能にするために、前記流体回路(5)の前記空気圧弁(12、14)のセットの動作を可能にする第1の状態と、充填又は排出することを防止するために、前記流体回路(5)の前記空気圧弁(12、14)のセットの動作を防止する第2の状態との間で切り替え可能な、前記流体回路(5)に接続されたスイッチ(10)を更に備えることを特徴とし、及び
その第1の位置では、移動可能な前記カバー(8)が、前記スイッチ(10)をその第1の状態に切り替えるか、又は前記スイッチ(10)がその第1の状態に切り替わることを可能にすること、そして、移動可能な前記カバー(8)がその第2の位置にあるとき、前記スイッチ(10)が、その第2の状態に自動的に切り替わること、を特徴とする車両。
【請求項2】
前記スイッチ(10)をその第2の状態に付勢する、ばね等の戻り部品(11)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
その第2の位置では、移動可能な前記カバー(8)が、前記戻り部品(11)の力に抗して、例えば推力等の力を前記スイッチ(10)に加え、前記スイッチ(10)をその第1の状態に配置及び保持することを特徴とする、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記スイッチ(10)が、空気圧式であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両。
【請求項5】
前記カバー(8)が、その第1の位置と第2の位置との間で、回転移動及び/又は並進移動が可能であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両。
【請求項6】
その第2の状態では、前記スイッチ(10)が、前記流体回路(5)の少なくとも1つの弁(12、14)の空気圧制御及び加圧を防止するために、前記流体回路(5)の少なくとも一部を開放することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の車両。
【請求項7】
前記トラクター部(2)が、前記電源を備えるか、又は前記電源を形成していること、及び、この電源(2)が、電気ケーブル(7)のセットを介して、前記接続ポート(9)の前記接続インターフェース(3)に接続されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の車両。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電気部品が、前記車両の表示灯(16)を備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引火性流体を運搬するための車両に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、引火性流体、特に、水素等の液状流体を運搬するための車両であって、トラクター部と、トラクター部によって牽引される支持体上に取り付けられたタンクと、を備える車両に関し、車両は、流体を充填及び/又は排出させるためにタンクに接続された流体回路を備え、流体回路は、空気圧弁のセットを備え、車両は、トラクター部によって牽引される支持体の少なくとも1つの電気部品を備える電気回路を更に備え、車両は、接続インターフェースにおける少なくとも1つの接続ポートを介して電気回路に着脱可能に接続された電源を備える。
【0003】
本発明は、特に、例えば、水素、天然ガス、エチレン等のような可燃性ガス又は引火性流体を輸送する、極低温型又は非極低温型のセミトレーラの車両に関する。
【0004】
しかしながら、本発明は、任意のタイプの爆発性の環境(ATEX、NFPA又はその他)に適用され得る。
【背景技術】
【0005】
爆発性雰囲気ゾーン(ATEX)にあるタンク又は設備へとセミトレーラを荷下ろし(排出する)とき、後部ロードセクション(照灯)への電気は、このセクションがATEX安全要件に適合していないので、遮断される必要がある。
【0006】
電源(トラクター車両)と、車両の後部との間の電気的接続は、一般に、電気ケーブルのセットと、1つ又は複数の電気ソケット(例えば、15ピン又は7ピンを有する)とを使用する。
【0007】
従って、引火性流体又は可燃性ガスをセミトレーラへ/から積み込む又は荷下ろしするとき、積込み又は荷下ろし環境は、ATEX安全にされなければならない。換言すれば、トラクター部又はセミトレーラ上では、ロードセクションについての電気は、これらの動作中に中和されなければならない。
【0008】
既知の構成では、この安全手順は、基本的にオペレータの責任であり、これは、危険を呈する。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、先行技術の上述した欠点のうちの全て又はいくつかを克服することである。
【0010】
この目的のために、上記の序文において与えられた一般的な定義にも従う、本発明による車両は、基本的に、接続インターフェースが、電源と電気回路との間の電気的接続を防止するために、(1つ又は複数の)接続ポートへのアクセスをブロックする第1の位置と、電源と電気回路との間の電気的接続を可能にするために、(1つ又は複数の)接続ポートへのアクセスをブロックしない第2の位置との間で移動し得るカバーを備えること、車両は、充填又は排出することを可能にするために、流体回路の空気圧弁のセットの動作を可能にする第1の状態と、充填又は排出することを防止するために、流体回路の空気圧弁のセットの動作を防止する第2の状態との間で切り替え可能な、流体回路に接続されたスイッチを更に備え、及び、その第1の位置では、移動可能なカバーが、スイッチをその第1の状態に切り替えること又はスイッチがその第1の状態に切り替えられることを可能にすること、移動可能なカバーがその第2の位置にあるとき、スイッチがその第2の状態に自動的に切り替えられること、を特徴とする。
【0011】
更に、本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を備え得る:
- 車両は、スイッチをその第2の状態に付勢する、ばね等の戻り部品を備える、
- その第1の位置では、移動可能なカバーは、戻り部品の力に抗して、例えば推力等の力をスイッチに加え、スイッチをその第1の状態に配置及び保持する、
- スイッチは、空気圧式である、
- カバーは、その第1の位置と第2の位置との間で、回転移動及び/又は並進移動が可能である、
- その第2の状態では、スイッチは、流体回路の少なくとも1つの弁の空気圧制御及び加圧を防止するために、流体回路の少なくとも一部を開放する、
- トラクター部は、電源を備える又は電源を形成し、この電源は、電気ケーブルのセットを介して、接続ポートの接続インターフェースに接続されている、
- 少なくとも1つの電気部品は、車両の表示灯を備える。
【0012】
本発明はまた、特許請求の範囲内の上記又は下記の特徴の任意の組合せを備える任意の代替の装置又は方法に関連し得る。
【0013】
更なる特徴及び利点が、図面を参照して提供される以下の説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による車両構造の一例を例示する概略的で部分的な斜視図を示す。
図2】第1の動作構成における車両の電気回路及び流体回路の構造及び動作の一例を例示する、車両の詳細の概略的で部分的な正面図を示す。
図3】第2の動作構成における車両の電気回路及び流体回路の構造及び動作の一例を例示する、車両の詳細の概略的で部分的な正面図を示す。
図4】車両の電気回路及び流体回路の構造及び動作の一例を例示する、車両の詳細の別の概略的で部分的な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例示される車両1は、例えば、トラクター部(貨物自動車)2と、トラクター部2によって牽引される支持体13上に取り付けられたタンク4と、を備える。支持体13は、例えば、貨物自動車(結合されたトレーラ)から取り外され得る。
【0016】
車両1は、流体を充填及び/又は排出させるために、タンク4に接続された流体回路5を備える。流体回路5は、従来、好ましくは空気圧弁である、弁12、14のセットを備える。これら弁のうちの全て又はいくつかは、例えば、制御キャビネット内に収容されている。
【0017】
車両1は、トラクター部2によって牽引される支持体13の少なくとも1つの電気部品16を備える電気回路6を更に備える。少なくとも1つの電気部品は、特に、車両の後部表示灯16、又は、その他任意の好適な部品、例えば、「ABS」型ブレーキ制御システムを備え得る。
【0018】
車両1は、接続インターフェース3における少なくとも1つの接続ポート9を介して電気回路6に着脱可能に接続された電源2(例えば、バッテリ)を備える。例えば、トラクター部2は、電源を備え、この電源2は、接続ポート(ソケット)9を備える接続インターフェース3において接続する電気ケーブル7のセットを介して、後部セクションに接続されている。
【0019】
1つの有利な特徴によれば、接続インターフェース3は、電源2と電気回路6との間の電気的接続を防止するために、(1つ又は複数の)接続ポート9へのアクセスをブロックする第1の位置(「図2」を参照)と、電源2と電気回路6との間の電気的接続を可能にするために、(1つ又は複数の)接続ポート9へのアクセスをブロックしない第2の位置(「図3」を参照)との間で移動し得るカバー8(又はフラップ)を備える。
【0020】
例えば、その第1の位置では、カバー8は、1つ又は複数のソケット9の前に配置され、一方、その第2の位置では、それは傍ら(alongside)に配置される。
【0021】
車両1は、充填又は排出することを可能にするために、流体回路5の空気圧弁12、14のセットの動作を可能にする第1の状態(「図2」を参照)と、充填又は排出することを防止するために、流体回路5の空気圧弁12、14のセットの動作を可能にしない第2の状態(「図3」を参照)との間で切り替え可能な、流体回路5に接続されたスイッチ10を更に備える。
【0022】
その第1の位置では、移動可能なカバー8は、スイッチ10をその第1の状態に切り替える又はスイッチ10がその第1の状態に切り替わることを可能にし、及び、移動可能なカバー8がその第2の位置にあるとき、スイッチ10は、その第2の状態に自動的に切り替えられる。
【0023】
例示されるように、カバー8は、手動で回転され得る。当然ながら、その他任意のタイプの移動(並進等)が、その第1の位置と第2の位置との間で提供され得る。
【0024】
例えば、ばね等の戻り部品11が、スイッチ10をその第2の状態に付勢する。その第1の位置では、移動可能なカバー8は、戻り部品11の力に抗して、例えば推力(押す)等の力をスイッチ10に加え、スイッチ10をその第1の状態に配置及び保持する。
【0025】
好ましくは、スイッチ10は、空気圧式である。
【0026】
例えば、「図3」に概略的に示されるように、その第2の状態では、スイッチ10は、流体回路5の少なくとも1つの弁12、14の空気圧制御及び加圧を防止するために、流体回路5の少なくとも一部を開放する。充填又は排出は、流体回路5の制御弁12、14の作動停止によって防止される。
【0027】
従って、流体を積み込む又は荷下ろしする場合(ATEX雰囲気、即ち、爆発性)、オペレータは、カバー8を移動させなければならず、これは、電気ソケット9の開口部を塞ぎ、従って、トラクター部2のオス型プラグを介した電気回路の接続を防止する。スイッチ10は、空気圧センサとして機能し、車両1の後部に位置する空気圧式荷下ろし又は積込み弁12、14の開放を作動させる。
【0028】
これは、流体が完全に安全な状態で(電気回路6の電源投入なしに)移されることを可能にする。
【0029】
道路に戻るためには、車両1の電気回路に電力を供給するために、電気ソケット9が接続されなければならない。
【0030】
次いで、スイッチ10が作動停止され、空気圧弁12、14が閉じられ及び作動停止され、水素がないことを保証する。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】