(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105496
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】駐車場の予約方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20220707BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220707BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038573
(22)【出願日】2022-03-11
(62)【分割の表示】P 2017102014の分割
【原出願日】2017-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】599164916
【氏名又は名称】日本システムバンク株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 芳夫
(72)【発明者】
【氏名】東 孝二
(72)【発明者】
【氏名】梅田 泰永
(72)【発明者】
【氏名】永棹 健治
(72)【発明者】
【氏名】坂東 上平
(72)【発明者】
【氏名】野坂 信嘉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】
市中に多くの駐車場が設置されているが、開始時間が決まっていて遅れると大変なことになる所用に車で出かけるときには、あらかじめ便利な駐車場を予約しておきたいものである。そのような駐車場の予約方法については、既に多くの特許文献に記載があるが、予約車室の合理的な確保法については、満足できるような方法がみられない。
【解決手段】
本発明は、駐車場の予約をつかさどる予約事業体が、駐車場のオーナと契約を結び、予約利用者に対しては、駐車当日以前から複数日にわたって、予約駐車場の車室を、一日をいくつかに分けた時間帯に分けて予約を受け付けるようにした駐車場を提供する
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の予約と管理を行う予約事業体と、駐車場を予約して利用する予約利用者と、所有
する駐車場の一部または全部を予約駐車場として利用させる駐車場の提供者からなり、予
約事業体は、該予約事業体が備えるサーバーに、予約利用者に必要事項を登録させた予約
利用者情報を予約利用者File UISEとして保存し、予約駐車場の提供者から受けた該提供者の駐車場の情報は駐車場オーナーデータベースとして保存するとともに、予約事業体
は、予約利用者との間でオンラインまたは書面で、前記予約利用者データベースと駐車場
オーナーデータベースを利用して行う予約利用法に関する契約を交わし、該契約に基づい
て、予約事業体は、前記予約事業体が備えるサーバーに搭載した予約業務管理プログラム
で、アプリ上で予約申し込みが可能な駐車場ごとに設定されたの予約時間帯と予約駐車料金を表示し、予約利用者がアプリ上での該予約時間帯をみて、予約駐車希望日と予約時間帯を選んで前記予約事業体に予約を申し込むと、予約事業体のサーバーに搭載した予約業務プログラムが、
図8に示した予約確定アルゴリズムと、駐車場PKG Fileに用意した予約作業Fileを使って、予約の可否を判定し、その結果予約が成立したときには、予約申込者QRコード(登録商標)(予約券)で通知し、予約が確定した情報は、USERFileと、駐車場PKG Fileに予約履歴情報File に記入されることを特徴とする駐車場の予約法
【請求項2】
駐車場を一般駐車領域と予約駐車領域の二つの領域に区分し、両領域の間に移動可能な物
理的な仕切りを設けるとともに、予約駐車領域には予約車専用のゲートバーなどの入場制
限装置を備えた入り口と、予約時に発行を受けた電子的な予約券を読み取ることができる
予約確認装置を備え、予約の確認ができた場合にゲートバーを開いて入場を可能とし、前
記一般駐車領域と予約駐車領域を物理的に区分する仕切りには、予約駐車領域から一般駐
車領域への通行のみを可能にするゲート装置を設けたことを特徴とする駐車場
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の予約方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市中に多くの駐車場が設置されているが、業務、買い物、イベント等に便利な駐車場は、
稼働率が高い。特に業務やイベントなどで時間が決まっている時に、目的地近くで空き駐
車場がないと焦って事故を起こしかねないし、時間に遅れてしまうことなどは、しばしば
起こることである。したがって、もし目的地に近く便利な駐車場をあらかじめ予約できる
なら、利用者にとって大変便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-264934
【特許文献2】特開2009-93492
【特許文献3】特開2012-215923
【特許文献4】特開2005-31767
【特許文献5】特開H10-122886
【特許文献6】特開2004-280242
【特許文献7】特開2010-79551
【特許文献8】特開2009-237900
【特許文献9】特開2002-197208
【特許文献10】特開H05-28541
【特許文献11】特開平10-208197
【特許文献12】特開2009-223721
【特許文献13】特開2009-021519
【特許文献14】特開2006-172114
【特許文献15】特開2001-209896
【特許文献16】特開2008-242555
【特許文献17】特開2010-108240
【特許文献18】特開2001-67502
【特許文献19】特開H10-078331
【特許文献20】特開2004-295804
【特許文献21】特開2015-114840
【特許文献22】特開2015-153397
【特許文献23】特開2016-14935
【特許文献24】特開2005-317675
【特許文献25】特開2009-221712
【特許文献26】特開2010-225004
【0004】
このような駐車場の予約システムに関しては、駐車場の探索方法と予約の方法、現場での
予約車の識別法、予約車室の確保法などが、上にあげたような多くの特許文献で開示され
ている。たとえば、特許文献1から10には、目的地近くの空き駐車場を探索し、予約す
るシステムが開示されている。これらは、予約サイトにパソコンやスマホなどからアクセ
スし、提案された駐車場を予約、予約コード等の発行を受けるといったいろいろな方法が
示されている。
【0005】
特許文献11と12には、予約された車室を確保するため、他車が入庫するのを阻止する
装置が示されている。また、特許文献13から19には、予約車が駐車場に到着した後、
予約車であることを確認し、入庫阻止装置を解除するシステムが示されている。
【0006】
さらに特許文献21には、一旦予約した駐車場の予約を変更したり、キャンセルしたりす
る場合の精算法が、また特許文献22では、利用者が目的地に近づいてきたとき、もしよ
り便利な駐車場があればそちらに予約場所を変更する仕組みが開示されている。特許文献
23には、月極駐車場などの空き時間を貸し出すシステムにおいて、空き時間を正確に把
握するため、貸し出し側の登録車の位置情報を検知して、遠方にいるときは、長い時間戻
ってくることがないと判断し、その時間帯を他車に貸し出すといったシステムも開示され
ている。
【0007】
また、予約は予約申し込み時に検索した駐車場に駐車することを保証するものであるが、
予約時には満車のため、予約ができなかった駐車場に到着時間帯に空きスペースができた
場合に、実際の駐車場に切り替えるような仕組みも、特許文献24には開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、以上述べた特許文献では、予約を何日前から行えるのかといったことや、数時間
といった時間単位で予約できるのかどうかや、予約料金が高くてもよいからどうしても予
約をしたいといったことを可能にするオークションのような仕組み、さらには予約料金を
予約する時間帯によって変えるといった課題などについてはほとんど示されていない。
【0009】
本発明は、このような課題に対して実用的で合理的な予約車室の確保法を提供するもので
ある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、予約業務を行う予約事業体が、予約可能な駐車場を提供できる駐車場のオー
ナーと、該事業体が提供する予約システムの利用に関する契約を行い、予約利用者あるい
は予約利用法人は、予約事業体との間で、個人情報または法人の情報を登録する形で本発
明の予約システムの利用契約を結ぶ。
【0011】
予約事業体は、上記契約に関する情報を同事業体が設置するサーバーのMaster fileに保存するとともに、予約業務アプリによって、予約可能な駐車場の位置情報と、駐車場ごとに予約可能な時間帯と予約料金体系を見ることができるようにし、利用者が予約を希望する利用者または利用法人は、予約事業体に利用日と時間帯の予約をアプリを通して申し込む。予約事業体は、同申し込みに対して予約に残車室があることを予約確定アルゴリズムを持った予約確定プログラムで予約を確定し、予約確認情報をQRコード(登録商標)(予約券)として発行し、予約車が到着し時に駐車が可能なように予約駐車場の予約時間帯の車室の確保を行う。
【0012】
予約事業体がアプリ上で表示する予約表は、少なくとも予約駐車場ごとにカレンダー上にあらかじめ予約駐車場のオーナーとの間で契約した予約時間帯と予約料金体系、および予約利用日の予約状況がわかるものとした。
【0013】
予約事業体が予約駐車場のオーナーとの間で契約する予約料金については、時間帯ごとに
、また予約の状況に応じて、複数の段階(A、B、C料金など)といった変化をつけられる
ようにした。
【0014】
高い予約料金を払ってでも駐車場を予約したいと希望する利用者に対して、一定の車室を
オークションによる予約が可能とするようなシステムとした。オークションは予約できる
残車室数が、予約全車室数のたとえば5%を切った状態からスタートし、即決料金、オー
クションで決まる料金などにより、予約を確保できるシステムとした。
【0015】
予約した利用者が、予約時刻に駐車場に到着した時スムーズに駐車場に入場できるように
、ゲート式駐車場入り口に予約車専用の入り口を設け、予約車であることを確認できる予
約確認装置を設置するとともに、一般駐車領域と予約駐車領域の間に、予約駐車領域から
一般駐車領域にのみ、通行できる仕切りを設けるようにした。
【0016】
本発明の駐車場の予約システムでは、すでに予約した利用者が、それをオークションにかけて購入時より高額で譲渡することも可能にした。すなわち、予約車室数を超える予約の申し込み者がある場合、予約事業者は既予約券の購入者から少なくとも、前述のC料金で予約券を買い戻すことができるように、予約事業体がユーザーに通知し、譲渡に応じた所有者から購入した予約券をどうしても予約券を購入したい利用者のオークションで販売できるようにした。
【0017】
予約が成立した際に発行するQRコード(登録商標)(予約券)は、少なくとも、予約者の情報、駐車場名、利用日、予約時間帯の情報を含み、これらを2次元コードでネットから受信でき、予約車専用の入り口に設けた予約確認装置で読み取ることができるようにした。
【発明の効果】
【0018】
本方法によれば、駐車場の予約者にとっては、前もって目的地の近傍に有利な駐車場を確
保できる可能性が格段に高まり、駐車場の経営者にとっては、予約というサービスの対価
として駐車料金とは別の予約券販売収入を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】は、ゲート式駐車場の配置の例を示す図である。
【
図2】は、本発明の駐車場予約を行うシステムの構成図である。
【
図3】は、本発明の予約利用者に関するデータを保存、更新、活用するUSER Fileのデータ構造を示したものである。
【
図4】は、本発明の重要な予約駐車場に関するデータを保存、更新、活用する駐車場のPKG Fileの内部File 構造を示したものである。
【
図5】は、本発明の駐車場予約を行う仕組みを説明する図である。
【
図6】は、本発明の予約事業体が備える予約に関する全データを扱うMaster Fileの構成を示す図である。
【
図7】は、本発明の駐車場の予約を予約事業体が導入した予約業務プログラム(アプリ)の予約業務の流れを示す図である。
【
図8】は、予約確定を決める予約確定アルゴリズムを示すプログラムのフローを示したものである。
【
図9】は、本発明の駐車場の予約方法において、予約を申し込む際の駐車場の空き 車室数と予約料金を示す表の一例である。
【
図10】は、本発明の予約法において、予約希望日によって、残車室数が変わって くる様子と、オークションが行われる状態を示す表である。
【
図11】は、本発明において、予約の申し込みと予約の成立を時系列で示す図である。
【
図12】は、本発明で、予約を申し込む際の申込みの例を示す図である。
【
図13】は、本発明で、夜間から翌朝までの予約を申し込む場合の申し込みの例を 示す図である。
【
図14】は、本発明で、オークションによる予約を行う場合のプロセスを示す図である。
【
図15】は、本発明で、予約した駐車時間に対して実際に駐車した時間が異なった 場合の駐車料金の課金方法の例を示す図である
【
図16】は、本発明で、ゲート式駐車場の中に、予約駐車領域と一般駐車領域を分 離した場合の駐車場の車室配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0020】
図1は、ゲート式駐車場の配置の例を示す図である。駐車場1には、多数の車室が用意さ
れており、入り口ゲート3には発券機4があり、発券ボタンを押すことにより入り口ゲー
トバー5が開き駐車場に入場できる。駐車場から退出する際には、出口ゲート6で精算機
7に駐車券を挿入し、表示される料金を投入することで、出口ゲートバー8が開く仕組み
になっている。本発明では、このような駐車全体を予約駐車場とすることもできるし、そ
の一部を予約車用に確保することもできる。
【0021】
図2は、本発明の駐車場予約を行うシステムの構成図である。本システムは、予約を業務
として行う予約事業体11と、予約駐車を希望する予約システムの利用登録者12と、予
約可能な駐車場を提供する駐車場のオーナー13から構成されている。予約事業体11は
、独立した事業体でもよいし、駐車場事業者の一部門でもよいが、利用者と駐車場オーナ
ーの登録、契約、予約の実行、予約料金の徴収など、予約業務のすべてを遂行する。
【0022】
このため、予約事業体11は少なくとも駐車場オーナー情報、契約する駐車場の予約車室
とその予約に関するすべての情報、予約利用者の登録情報、予約申し込み情報、成立した
予約に関する情報、日々の予約と実際の駐車状況を管理、保管する管理表などのデータベ
ース(DB)を設けている。予約の受付においては、予約事業者は利用者が利用したい予約駐車場を検索し、予約可能な状態であるかどうかを見て予約を申し込みができるように、専用のアプリなど予約業務のすべてを遂行する業務ソフトを用意し、且つ通信端末などのインターフェースを設ける。
【0023】
予約を利用する利用者については、すべてUSER File に記録され、活用される。すなわち、
図3でデータの構成を示すが、まず固定情報のデータとして利用者情報データ、利用者名、住所、電話、口座、契約書等を記録する。次に、予約履歴情報Fileを設け、このFileの中に、このユーザーがこれまでに利用した予約駐車のデータおよび現在の予約駐車のデータが、予約利用ごとに追加記録される。具体的には、予約・履歴駐車情報は、予約駐車した駐車場名PKG、利用した年月日YMD、予約した車室情報データとして、TnA,…、TmC、そして、実際に予約駐車場に入った時刻Tinと駐車場から出た時刻Tout及び予約駐車料金Billをワンセットのデータとして記録さするものである。
【0024】
利用者が次回に別のパーキングに予約駐車する場合は、予約履歴情報Fileには、別の予約駐車場名PKGと、その日の年月日、および、駐車時間帯と予約利用料金TnAからTmCなどと、実際に駐車した時刻、出庫した時刻、および予約駐車料金のワンセットのデータが予約履歴情報Fileの中にデータとして追加記録されていく。
【0025】
予約履歴情報Fileは、このようなデータ構造にして記録していくので、ユーザーごとに、予約駐車場を利用した履歴が簡単に読み出せる。したがって、この予約・履歴フォルダーから同一予約駐車場を利用した回数や、予約駐車料金の金額が非常に多いユーザーがわかれば、そのユーザーにクーポン券を発行したり、キャッシュバックをしたりするなどの特典を与えることが可能である。また、利用した予約駐車場名から、ユーザーの行動範囲もわかるので、予約事業体が、ユーザーに役立つ情報を提供するといったサービスも可能になってくる。
【0026】
駐車場情報としては、
図4に示すように、駐車場ファイルPKGを設けている。
図6に示すように、PKG Fileは、予約駐車場ごとに作成される。固定情報としては、その予約駐車場を運営する個人名や法人名、住所、電話、口座、契約書などが、予約駐車場情報として記録される。
【0027】
PKGファイルには、予約車室情報Fileとして、設定した予約の時間帯T1, T2..などのデータ、予約駐車料金区分としてA, B, C料金などのデータ、時間帯・予約駐車料金ごとの予約車室数AT10からCTm0までの初期データを記録する。
この初期値は予約申し込みがあったときに予約がいっぱいであるかどうかの判定に使われる。もちろん途中で時間帯の区分料金の区分を変えることができる。簡単なのは午前と午後と夜間と3つに分ける方法であり、予約駐車料金については全て同一の料金に設定することもできる。
【0028】
PKGFileには、予約作業用File を設け、予約日YMDごとに、時間帯ごと、予約駐車料金ごとの予約確定数を予約確定ごとに更新記録し、次の予約申し込みの際に利用される。データ構造は、
図4で示すように、日付YMD(i)、その時点の予約確定数AT1, AT2…、CTmの値が記録される。これらの初期値は勿論0で、予約が確定するごとにその値を1つづつ増やすように書き換えていく。
【0029】
また、このデータは、実際の予約駐車の前から当日までのデータとして記録されるが、利用日を過ぎた場合は消去することができる。予約確定アルゴリズムにおいて、新たな予約を決める場合のATnからCTmまでのすでに予約された車室数は、このPKGファイルの下にある予約作業用Fileに記録されている予約済みの車室数ATnからCTmの値が使われる。
【0030】
PKGファイルには、ほかに予約履歴情報Fileを設けている。この中には、この予約駐車場を利用したユーザー名USR、利用した年月日YMD、予約駐車した時間帯と予約駐車料金を示すT1AからTmCなどの文字、実際に予約駐車したときの駐車開始時刻Tin、出庫した時刻Tout、および支払った予約駐車料金の金額Billを、ワンセットとして記録していく。
【0031】
したがって、このPKGファイルの予約履歴File のデータを調べることにより、自動的に頻繁に利用するUSERを見つけることが容易になるし、予約駐車による収入、利用する時間帯も見出すことができる。
【0032】
図5は、本発明の駐車場予約を行う仕組みを説明する図である。駐車場の予約を申込む場
合、予約者21は予約事業体27が運営するWEB上の予約サイトで、目的地近辺の駐車場を検索し、23で示されるような駐車場Aの予約表28を閲覧する。この例は、20**年4月1日に2日後の4月3日の予約をする場合を示しているが、予約表28には、駐車予定日である4月3日の現在の予約状況を示されている。
【0033】
本発明の予約表28は、駐車時間帯をいくつかに区分している。すなわち28に示したよ
うに、一日を午前零時から午前8時50分まで、9時から11時50分まで、12時から
14時50分まで、15時から18時50分まで、19時から24時までの5つに区分し
ている。このような駐車時間帯の設定は、予約事業体と駐車場オーナーの間で任意に設定
できる。また、時間帯の間には、10分の空白の時間帯を設けているが、これは前の予約
者が予約時間帯より少し遅れて出庫し、次の予約者が少し時間前に到着するような場合に
もスムーズに入庫ができるように余裕時間帯として設けたものである。ただし時間帯の設
定もこの図に限定したものではなく、随時設定を変更することができる。
【0034】
図5の駐車場Aの例では、予約できる車室の数を55と設定してある。本発明では、全予
約車室数55のうち、40車室までは、一番安いA料金で予約ができ、次の10車室は、
少し高いB料金で予約ができ、予約車室が残り5車室になったら、予約料金をオークショ
ンで決まる料金、あるいは最も高いC料金に設定するようにしてある。予約表には、それ
ぞれの予約料金で予約できる車室の残り数が表示されているので、予約希望者は、予約計
画(ステップ24として表示)を立てて、残りの車室がある枠を、該当する料金で予約申
し込むことになる(ステップ26)。
【0035】
以上のように、
図5のカレンダーを見て、駐車場の予約をする方法があるが、本発明では、予約事業体が用意する予約業務プログラム、予約確定アルゴリズム、PKG FileやUSER File を使って自動的に予約を確立することができる。
以下、その方法を説明する。
【0036】
図6は、予約事業体のサーバーに置いた予約業務プログラムを示したものである。最初に、ステップS1で予約事業体のサーバーは、予約アプリ上で目的地付近の地図を表示し、ユーザーは表示された地図から、予約が可能な駐車場を探す。そして便利な駐車場PKGがわかると、ステップS2で、ユーザーはアプリ上で予約事業体のサーバーへ予約申し込みのボタンをクリックするなどして予約駐車を申し込む。
【0037】
ステップS3では、予約事業体のサーバーは、予約申込者にユーザーIDの提示を求める。そしてユーザーが登録ユーザーであることを確認できるとステップS4に進む。もし予約申込者が登録ユーザーでない場合は、別途用意されている予約利用者の登録画面に誘導し、登録者情報として、住所、氏名、電話、口座、その他の個人情報を入力して登録者となることができる。
【0038】
次にステップS4で、予約事業体の予約業務プログラムは、予約希望者のアプリ上にユーザーが希望する予約駐車場の予約時間帯の区分を表示し、ユーザーは、それをみてステップ5で、予約希望日YMDと、予約希望時間帯Tn から Tmを予約事業体のサーバーへ送信する。
【0039】
ステップS6では、予約事業体のサーバーに置いた予約業務プログラムが、予約希望駐車場のファイルPKG(i)を開き、その中にある年月日フォルダーYMD(j)を開くと、該YMDの後ろには、データとして予約確定情報であるAT1からCTmまでの数値が記録されているので、この値をピックアップする。ここで、まだ全く予約がなされていない場合は、AT1からCTmなどはすべて0であり、予約が確定するたびに1つづつ増えていくようにしてある。AT1 からCTmなどの数値の最大値は、あらかじめ設定された予約車室数になっている。
【0040】
今、ユーザーが予約を希望してきた時間帯TnからTmの予約が可能かどうかは、
図7に示した予約確定アルゴリズムによって決定される。前述したように、予約事業体のサーバーは、予約申し込みのあった予約駐車場のファイルPKGの中にあるYMD(j)データの中から、AT1からCTmの数字を初期値に設定して、
図7にしめしたフローチャートのST1でi=nとおき、申し込みのあった時間帯Tiから、予約駐車を確定していく。
【0041】
ステップST2で用いるATiは、直前までのTi時間帯のA料金の予約確定数であり、この値が、設定されたA料金の車室数より小さければ予約が可能なので、ステップST3で 時間帯TiでA料金の予約駐車が可能なことを決定することになる。そして、ステップST4でi に1を加えて、次の時間帯の予約の可否を調べていくことになる。
【0042】
」
iが予約を申し込んだ最後の時間帯であれば、予約確定業務は終了で、ステップ13で、確定した予約情報として、Tn時間帯での予約はA料金で、Tx時間帯の予約はC料金であったことがわかるように、TnA, TxC, TmCなどの文字情報を作り、USER FileとPKG Fileの予約履歴情報Fileに 、それぞれ日付YMDとともに記録される。
このようにして、自動的に利用者の駐車場の予約と、関連データの各種File へのデータの記録が行われる。
【0043】
ここからは、アプリ上に表示される予約の状況をみながら、直接予約を行う場合の戻るが、予約希望者からの予約申し込み26を受けた予約事業体27は、
図5で、申し込みを受けた駐車場Aの予約表を自動的に確認し、申込者の予約受付を完了し、ステップ28で予約申込者に予約成立を通知し電子的な予約券を発行する。同時に、予約表の残車室数を自動的に更新する。
【0044】
本発明の特徴の一つは、高い予約料金を払ってでも、便利な駐車場を予約したい利用者の
ために、オークションを可能にしたところにある。すなわち、予約希望時間帯の申込者が
B料金の車室数を超えてしまった場合、残りの車室は、オークションで決まる料金、また
はもっとも高いC料金で予約を獲得できるようなシステムにした点にある。
【0045】
詳しくは、
図9から
図13を使って、予約およびオークション予約の方法を説明していく。
まず、
図9で本発明の駐車場の予約方法において、予約の申し込みが20**年3月31日
で、翌日の4月1日の予約を申し込む場合の例を示す。予約サイトは、予約を希望する駐
車場の時間帯と予約料金を示す予約料金表31と、予約できる車室の予約状況を示す予約
残車室数表32を、クリックで交互に表示されるような仕組みにしてある。
【0046】
予約希望者は、予約料金表31で予約の料金体系と、予約残車室数表32で予約希望日で
ある4月1日の予約できる残車室があるかどうかを確認することができる。
【0047】
今、予約希望者が朝の9時から11時間50分までの時間帯の予約を希望する場合、時間
帯2では最も安いA2料金での予約は残車室数が0であるから、B2料金の残り5車室の
うちの一つを予約申し込みすることになる。また、もし12時から14時間50分までの
時間帯の駐車を希望する場合は、時間帯3での駐車を予約することになる。しかしこの場
合は、料金AもBも残車室がないので、B2料金で予約できる残車室がなくなった場合に
は、オークション状態に入ることになる。この場合、予約残車室数表32には、該当時間
帯はオークションと表示される。なお、予約料金表でA料金体系の中でA1, A2、B1
,B2などと表示したのは、同じAや B料金体系の中でも、利用の多い時間帯は予約券
も高めに設定できることを示したものである。A料金、B料金、C料金を終日同じに設定
することができることは勿論である。
【0048】
そしてオークション状態に入った場合は、その日の24時、あるいはオークション状態に
入ってから例えば5時間後を決済期限として、高額の予約金を申し出たものから予約券を
発行する。ただし、決済期限までに予約を申し込んだ利用者が、残車室数より少ない場合
は、自動的にC2料金で予約券が発行される。
図9では、予約残車室表32で、すでに6
0名の予約申し込みがなされており、予約車室数の55を5名分超えていることが表示さ
れる。本発明では、このようなケースで残りの5車室を高い予約料金を払ってでも予約し
たい利用者のためにオークションで予約券を発行することになる。
【0049】
図9の例は、予約申し込みが20**年3月31日で、駐車希望日である4月1日の前日の
場合であるから、決済は前日の24時またはオークション状態に入ってからたとえば5時
間後となるが、予約申し込みが駐車希望日の二日より前の時点で、オークションの状態が
発生すれば、その日の24時をオークションの締め切りとすることもできる。オークショ
ンの具体的方法については、後の
図13でもう少し詳しく説明する。
【0050】
また、駐車場の予約で複数の時間帯にまたがって、長い時間の予約を希望する場合は、複
数の時間帯を同時に予約することになる。たとえば、
図9の表32で早朝から11時50
分までの予約をしたい場合は、時間帯1と2の予約をすることになるが、時間帯1にはA
1料金で20車室が予約できるが、時間帯2については、B1料金で予約をすることにな
る。
【0051】
この場合、利用者は、時間帯二つ分の予約料金を支払わなければならないが、連続した複
数の時間帯を予約する場合には、予約料金を単純に加算するのではなく、二つ目の時間帯
の予約料金は、50%に割り引くなどのサービスを提供することもできる。このような割
引サービスは、あらかじめ予約事業体と予約駐車場のオーナーとの間の契約で取り決め、
予約料金表に表示される。
【0052】
図10は、予約希望日の予約残車室数が、予約申し込みの日によって変わる様子を示したも
ので、20**年3月31日が申込日として、二日後の4月2日が予約希望日の場合、A
料金での予約が可能な時間帯は、予約残車室数の表36で時間帯1と時間帯5であり、時
間帯3だけがオークション状態になっているが、予約希望日が翌日の4月1日の場合は、
時間帯2と3でB料金までの予約が決まっていて、時間帯2、3と4ではオークション状
態になっていることが分かる。
【0053】
図11は、予約可能な駐車場Aにおいて、駐車場の予約が時間経過とともにどのように変化
していくかを示したものである。予約事業体42の予約サイトで時間帯Bの予約は41で
示すように予約申し込み1を最初として、時間経過とともに予約申込2、3と次々に予約
の申し込みが入ってくるが、この例では予約申し込み3までは、予約車室の空きが十分あ
るので最低の予約料金Aで予約が成立したことを予約事業体から通知され、予約券が発行
される。しかし、時間経過とともに申し込みが進むにつれてA料金での予約はいっぱいに
なり、予約料金は申し込こみ4からはB料金の残車室がなくなるまでB料金の予約になる
。さらに遅れた予約申し込み5からはオークションによって予約を決める段階となる。
【0054】
図12は、予約事業体に予約を申し込む際の予約計画表の例を示すものである。予約希望者
は、
図9の表を見て予約できる時間帯と予約料金の枠を選んで、予約事業体に予約の申し
込みをする。
図12の61で示すCase1では、時間帯2から4までを予約料金Bで予約した
い場合の例である。この時間帯では、すでにA料金での予約は一杯になっているケースで
ある。
【0055】
図12の予約申し込み表62で示すCase2では、早朝の時間帯1~時間帯3までを予約する場合を示す。3つの時間帯に予約残車室があり、最低のA料金で予約を申し込む場合である。63で示すCase3では、時間帯1と2を予約するが、時間帯はB料金でしか予約ができないケースである。次に64で示すCase4では、時間帯2から時間帯5までを予約したい場合の例で、時間帯によって予約料金が異なる場合である。
【0056】
図13は、夜遅くから翌朝まで一泊の駐車を予約する場合の予約申し込み表の例71で、前
日の夜半の時間帯5の予約と、翌朝の時間帯1の予約を続けて行う場合である。
【0057】
以上
図11と
図12は、予約申込者が予約車室数より少ない場合の予約の申し込み方法であるが、本発明の特長であるオークションによる予約の獲得法を次に説明する。
図14は駐車場Aの20**年4月1日の予約を、駐車する前日の3月31日に予約申し込みを行う場合を示す例で、予約表には、申し込み時点での予約残室の状況を示している。
図9の表83で分かるように、時間帯2、3と4でB料金の予約が一杯になっているので、オークションが行われるCaseになる。
【0058】
ここでは、予約希望者が、時間帯3の予約を希望するものとする。この時間帯は、すでに
B料金の予約は一杯であり、申込者も65名と予約車室数を10名も超えているので、高
い予約料金を申し出た利用者に予約を与えることになる。
【0059】
予約利用者は、ステップ84で予約事業体85にオークションで予約を申し込むと同事業
体の予約業務管理プログラムは、オークション料金として、この例では3つのオプション
を通信で予約利用者に提供する。(1)は即決料金で通常のC料金より相当高いC1料金
の提示である。(2)は申し込み順にC1料金での予約となるが、(1)の即決料金に応
じる利用者があると、予約を獲得できないことになる。(3)は、即決料金よりも低いが
C料金よりは高い料金を払ってでも予約を取りたい利用者に、自由な料金で申し込みをさ
せるものである。
【0060】
オークションは、最後の予約が決定するまで行われるのが普通であるが、本発明の予約業
務管理プログラムでは、その日の24時あるいはオークション状態に入ってから一定時間
(例えば5時間後)をもってオークションによる予約を決定する。C1料金を受け入れる
利用者に対しては即決とするので、C1料金での申し込み順で予約を決定していく。
【0061】
C1とC料金の中間を申請する利用者に対しては、オークションに入った日の24時、ま
たはオークションに入ってから一定時間後を締め切りとして、予約業務管理プログラムは
、高い予約料金を申請した人から順に予約を与えていく。C料金で申請した利用者は、C
1料金やオークション料金を申請した利用者がいなかったか、少数でそれらに予約を与え
ても残りの車室がある場合には、C料金での申し込み順に予約を与えていくことになる。
【0062】
以上で、オークションを含めた予約の方法を述べたが、実際には、予約者が予約の時間通
りに駐車するかどうかは不明である。駐車場に遅れて到着すること、予定より長く駐車す
る場合を想定して、必要以上に長い時間の駐車予約をする(予約時間帯を多くとる)場合
が予想される。その場合、
図10の92に示すように予約に対してほぼ半分の時間しか駐
車しないCase1の場合は、残りの予約残時間は車室が無駄に使われることになり、駐車場
のオーナーとしては不利益を被る。
【0063】
逆に、Case3に示すように予約時間帯をオーバーして駐車を続ける場合も想定されるし、c
ase4に示すように予約より早く駐車場に到着して予定より早く退場する場合もあると想定
される。この場合は、オーバーした時間帯を予約した予約者が駐車できない事態も予想さ
れるし、早く到着したために駐車場には入れないことも予想される。したがって、駐車場
の予約業務を行う場合は、これらの事態に対する対策を講じておかなければならない。
【0064】
本発明では、予約時間帯を確保することに対する費用として、A,B,C料金のような予
約費を予約事業体が得ることで、予約事業体としての収入が保証されることを原則として
いる。したがって、実際に予約したかどうかは、ある意味では予約事業体には無関係だが
、予約駐車場を提供している駐車場オーナーにとっては、予定より早く駐車を終了すると
、実際の駐車料金が予定より少なくなり、しかも予約残時間は予約中として確保している
ので、新たに当日の予約を受け付けられないといった不合理も出てくる。
【0065】
予定時間帯より早く到着した場合は、予約駐車場に空きがあれば駐車できる。しかし、予
約時間帯の終わりちょうどに退場し、次の時間帯の予約者が少し前に到着すると、退場と
入場が同時となって駐車所が混乱することもあると予想される。本発明では、そのような
混乱を避けるために前の予約時間帯とそのあとの予約時間帯には、一例として10分の空
き時間を設ける方法を採用できるようにした。
【0066】
図15の表92で、予約時間より早く退場するCase1, Case2, Case4 のような場合に
は原則は、予約時間帯全部に駐車していたものとして駐車料金を支払ってもらうようにす
る。また、予約時間帯に再入場する場合も考慮して、予約車室は確保しておく。
【0067】
明らかに、再入場をしない場合は、予約の利用者から予約事業体への連絡により、退場以
降の予約車室確保をやめることができる。この場合は、予約残車時間分の駐車料を例えば
半額等に減額して精算を行うようにもできる。このような場合は、連絡を受けたと同時に
、当日の予約時間帯の予約残車室数を増やしておき、当日予約者を受けができるようにし
ておく。
【0068】
次に、駐車場の満空表示については、予約がいっぱいになっているときは、実際の車両の
到着が遅れていて、あるいは予定より早く退場していて実際には車室が空いていても、満
車の表示にする。空表示は、予約車室に残車室がある場合に行う。この場合、予約駐車場
であっても、入り口ゲートでその場予約をすることにより、駐車が可能としている。
一一方、予約駐車領域の方は、入り口111を設け、予約車であることを確認し、入場時間を記録する予約確認装置113を設けている。予約者は、予約時に発行された予約券あるいは予約番号を、予約確認装置に設けてあるテンキーによって入力するか、 あるいは2
次元コード(QRコード(登録商標))を予約確認装置の読み取り機にかざす。これによ
って予約車であることを確認できる。予約者の到着は、別途スマホや携帯電話などの通信
手段で予約事業体に通知し、確認を取ることもできる。これらの方法で予約者が予約時間
帯の開始時間前後に到着したことが確認されると予約車入り口のゲートバー112が開い
て予約駐車領域に入場できる。同時に入場時刻が記録され、出場時の駐車料金精算に反映
される。