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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105535
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】抗LAG-3抗体及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20220707BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20220707BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20220707BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20220707BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20220707BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20220707BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220707BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20220707BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20220707BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220707BHJP
   A61K 51/10 20060101ALI20220707BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220707BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/28 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/02 C
C12P21/08
A61K39/395 N
A61K39/395 L
A61K51/10 200
A61K45/00
A61P35/00
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073371
(22)【出願日】2022-04-27
(62)【分割の表示】P 2019519724の分割
【原出願日】2017-10-11
(31)【優先権主張番号】62/406,766
(32)【優先日】2016-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/420,280
(32)【優先日】2016-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515124598
【氏名又は名称】アジェナス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・スチュアート・ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・アダム・サヴィツキー
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・マイケル・ジェニングス
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ファン・デイク
(72)【発明者】
【氏名】コルネリア・アンネ・ムント
(57)【要約】
【課題】免疫応答を調節するLAG-3の役割を考慮すると、LAG-3シグナリングを拮抗するように設計された治療剤は、LAG-3媒介免疫抑制を伴う疾患の治療にかなり有望である。
【解決手段】本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、LAG-3機能を拮抗する抗体を提供する。これらの抗体を含む医薬組成物、これらの抗体をコードする核酸、これらの抗体を作製する発現ベクター及び宿主細胞、及びこれらの抗体を用いた対象の治療方法も提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体であって、相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域、及び相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含み、
(a)CDRH1は、DXYXのアミノ酸配列(配列番号140)を含み、式中
は、TまたはNであり、
は、IまたはMであり、及び
は、H、Y、またはDであり、
(b)CDRH2は、XIDPANXPXQX10のアミノ酸配列(配列番号142)を含み、式中
は、E、R、S、またはKであり、
は、DまたはGであり、
は、NまたはHであり、
は、TまたはSであり、
は、KまたはHであり、
は、YまたはFであり、
は、DまたはAであり、
は、KまたはRであり、
は、FまたはLであり、及び
10は、GまたはDであり、
(c)CDRH3は、YXYXVGGXDYのアミノ酸配列(配列番号144)を含み、式中
は、Y、F、またはSであり、
は、YまたはDであり、
は、KまたはRであり、
は、DまたはEであり、及び
は、FまたはCであり、
(d)CDRL1は、SVSSXISSSXLXのアミノ酸配列(配列番号147)を含み、式中
は、SまたはGであり、
は、NまたはTであり、及び
は、HまたはYであり、
(e)CDRL2は、GTSNLASのアミノ酸配列(配列番号104)を含み、及び
(f)CDRL3は、QQWXYPXTのアミノ酸配列(配列番号149)を含み、式中
は、S、N、またはRであり、
は、S、T、またはRであり、及び
は、F、L、H、またはWである、前記単離抗体。
【請求項2】
CDRH1が、DXYXのアミノ酸配列(配列番号141)を含み、式中:Xが、TまたはNであり、Xが、IまたはMであり、及びXが、HまたはYである、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項3】
CDRH2が、XIDPANXKXPXFQXのアミノ酸配列(配列番号143)を含み、式中:Xが、E、R、またはSであり、Xが、DまたはGであり、Xが、NまたはHであり、Xが、TまたはSであり、Xが、YまたはFであり、Xが、DまたはAであり、Xが、KまたはRであり、及びXが、GまたはDである、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項4】
CDRH3が、YXYDVGGXDYのアミノ酸配列(配列番号145)を含み、式中:Xが、Y、F、またはSであり、Xが、YまたはDであり、Xが、KまたはRであり、及びXが、FまたはCである、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項5】
CDRH3が、YYYXYXVGGFDYのアミノ酸配列(配列番号146)を含み、式中:Xが、KまたはRであり、及びXが、DまたはEである、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項6】
CDRL1が、SVSSSISSSNLXのアミノ酸配列(配列番号148)を含み、式中:Xが、HまたはYである、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項7】
CDRL3が、QQWXSYPXT(配列番号150)のアミノ酸配列を含み、式中:Xが、S、N、またはRであり、及びXが、F、L、またはHである、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項8】
(a)CDRH1が、DTYIHのアミノ酸配列(配列番号79)を含み、
(b)CDRH2が、EIDPANDNTKYDPKFQGのアミノ酸配列(配列番号90)を含み、
(c)CDRH3が、YYYXYXVGGFDYのアミノ酸配列(配列番号146)を含み、式中:Xが、KまたはRであり、及びXが、DまたはEであり、
(d)CDRL1が、SVSSSISSSNLHのアミノ酸配列(配列番号100)を含み、
(e)CDRL2が、GTSNLASのアミノ酸配列(配列番号104)を含み、及び
(f)CDRL3が、QQWSSYPFTのアミノ酸配列(配列番号105)を含む、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項9】
CDRH1が、配列番号78~82からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項10】
CDRH2が、配列番号83~93からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項11】
CDRH3が、配列番号94~99からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項12】
CDRL1が、配列番号100~103からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項13】
CDRL3が、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む 配列番号105~112、請求項1~12のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項14】
CDRH1、CDRH2、及びCDRH3が、配列番号78、83、及び94、78、85、及び95、78、86、及び96、78、86、及び97、78、91、及び94、78、92、及び96、79、84、及び95、79、88、及び95、79、89、及び95、79、90、及び95、79、90、及び98、79、90、及び99、80、85、及び96、81、87、及び96、または、82、93、及び95にそれぞれ記載のCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項15】
CDRL1、CDRL2、及びCDRL3が、配列番号100、104、及び105、100、104、及び106、100、104、及び107、100、104、及び109、100、104、及び110、101、104、及び108、102、104、及び105、102、104、及び112、または、103、104、及び111にそれぞれ記載のCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項16】
CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3が、配列番号78、83、94、100、104、及び105、78、85、95、100、104、及び105、78、86、96、100、104、及び105、78、86、96、100、104、及び109、78、86、96、100、104、及び110、78、86、96、101、104、及び108、78、86、96、103、104、及び111、78、86、97、102、104、及び112、78、91、94、100、104、及び107、78、92、96、100、104、及び105、78、92、96、100、104、及び109、79、84、95、100、104、及び105、79、84、95、100、104、及び106、79、84、95、102、104、及び105、79、88、95、100、104、及び105、79、89、95、100、104、及び105、79、90、95、100、104、及び105、79、90、98、100、104、及び105、79、90、99、100、104、及び105、80、85、96、100、104、及び105、81、87、96、100、104、及び105、81、87、96、100、104、及び107、または、82、93、95、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項17】
ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体であって、相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域、及び相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含み、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、配列番号79、90、95、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、前記単離抗体。
【請求項18】
ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体であって、相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域、及び相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含み、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、配列番号79、90、98、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、前記単離抗体。
【請求項19】
前記抗体が、配列番号151、222、218、または223の重鎖可変領域配列のフレームワーク領域を含む重鎖可変領域を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項20】
前記抗体が、配列番号151、222、218、または223のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項21】
前記抗体が、配列番号56~72、及び220からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項22】
前記重鎖可変領域が、配列番号56~72、及び220からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項21に記載の単離抗体。
【請求項23】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列を含む、請求項22に記載の単離抗体。
【請求項24】
前記抗体が、配列番号168~186、及び225~227からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項22に記載の単離抗体。
【請求項25】
前記抗体が、ヒト由来フレームワーク領域を有する重鎖可変領域を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項26】
前記抗体が、ヒト遺伝子によってコードされるアミノ酸配列であるかまたは由来である重鎖可変フレームワーク領域を含み、前記アミノ酸配列が、IGHV1-46*01(配列番号153)、IGHV1-69-2*01(配列番号154)、IGHV1-3*01(配列番号155)、IGHV1-24*01(配列番号156)、IGHV1-2*01(配列番号157)、IGHV1-45*01(配列番号158)、及びIGHV1-18*01(配列番号159)からなる群から選択される、請求項1~18のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項27】
前記抗体が、前記アミノ酸配列IGHV1-46*01(配列番号153)由来である重鎖可変フレームワーク領域を含み、前記アミノ酸配列IGHV1-46*01(配列番号153)中の少なくとも1つのアミノ酸が、対応する非ヒト重鎖可変フレームワーク領域中の類似位置におけるアミノ酸で置換される、請求項26に記載の単離抗体。
【請求項28】
前記アミノ酸置換が、4、5、12、23、27、28、29、30、48、69、71、75、76、80、81、及び94からなる群から選択されるアミノ酸位置であり、前記アミノ酸位置が、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される、請求項27に記載の単離抗体。
【請求項29】
前記アミノ酸置換が、4M、5K、12V、23T、27F、28N、29I、30K、48I、69I、71A、75S、76N、80L、81Q、及び94Tからなる群から選択され、前記アミノ酸置換の位置が、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される、請求項28に記載の単離抗体。
【請求項30】
前記アミノ酸置換が、4、27、28、29、30、69、71、及び94からなる群から選択されるアミノ酸位置であり、前記アミノ酸位置が、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される、請求項28または29に記載の単離抗体。
【請求項31】
前記抗体が、配列番号152または224の軽鎖可変領域配列のフレームワーク領域を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項32】
前記抗体が、配列番号152または224のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項33】
前記抗体が、配列番号73~77、及び221からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項34】
前記軽鎖可変領域が、配列番号73~77、及び221からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項33に記載の単離抗体。
【請求項35】
前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列を含む、請求項34に記載の単離抗体。
【請求項36】
前記抗体が、配列番号187~191、及び228からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項34に記載の単離抗体。
【請求項37】
前記抗体が、ヒト由来フレームワーク領域を有する軽鎖可変領域を含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項38】
前記抗体が、ヒト遺伝子によってコードされるアミノ酸配列であるかまたは由来である軽鎖可変フレームワーク領域を含み、前記アミノ酸配列が、IGKV3-20*01(配列番号160)、IGKV3D-15*01(配列番号161)、IGKV3-15*01(配列番号161)、IGKV3D-20*01(配列番号162)、IGKV3D-7*01(配列番号163)、IGKV1-9*01(配列番号164)、及びIGKV3-11*01(配列番号165)からなる群から選択される、請求項1~30のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項39】
前記抗体が、前記アミノ酸配列IGKV3-20*01(配列番号160)由来である軽鎖可変フレームワーク領域を含む、請求項38に記載の単離抗体。
【請求項40】
前記抗体が、前記アミノ酸配列IGKV3-20*01(配列番号160)由来である軽鎖可変フレームワーク領域を含み、前記アミノ酸配列IGKV3-20*01(配列番号160)中の少なくとも1つのアミノ酸が、対応する非ヒト軽鎖可変フレームワーク領域中の類似位置におけるアミノ酸で置換される、請求項38に記載の単離抗体。
【請求項41】
前記アミノ酸置換が、3、22、36、43、47、58、70、及び71からなる群から選択されるアミノ酸位置であり、前記アミノ酸位置が、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される、請求項40に記載の単離抗体。
【請求項42】
前記アミノ酸置換が、3L、22T、36F、43S、47W、58V、70S、及び71Yからなる群から選択され、前記アミノ酸置換の位置が、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される、請求項41に記載の単離抗体。
【請求項43】
配列番号56~72、及び220からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体。
【請求項44】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列を含む、請求項43に記載の単離抗体。
【請求項45】
前記抗体が、配列番号168~186、及び225~227からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項43に記載の単離抗体。
【請求項46】
前記抗体が、配列番号168、225、169、226、170、または227のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項45に記載の単離抗体。
【請求項47】
配列番号73~77、及び221からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体。
【請求項48】
前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列を含む、請求項47に記載の単離抗体。
【請求項49】
前記抗体が、配列番号187~191、及び228からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項47に記載の単離抗体。
【請求項50】
前記抗体が、配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項49に記載の単離抗体。
【請求項51】
重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域及び前記軽鎖可変領域は、配列番号56及び73、56及び74、56及び75、56及び76、56及び77、57及び73、57及び74、57及び75、57及び76、57及び77、58及び73、58及び74、58及び75、58及び76、58及び77、59及び73、59及び74、59及び75、59及び76、59及び77、60及び73、60及び74、60及び75、60及び76、60及び77、61及び77、62及び77、63及び73、64及び73、65及び73、220及び73、65及び221、220及び221、66及び73、67及び73、68及び73、69及び73、70及び73、71及び73、または72及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体。
【請求項52】
前記重鎖可変領域及び前記軽鎖可変領域が、配列番号65及び73、220及び73、65及び221、または220及び221にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、請求項51に記載の単離抗体。
【請求項53】
配列番号168または225のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体。
【請求項54】
配列番号169または226のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体。
【請求項55】
配列番号170または227のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体。
【請求項56】
前記抗体が、ヒトIgG、IgG、IgG、IgG、IgA、及びIgAからなる群から選択される重鎖定常領域を含む、請求項1~23、25~44、及び47~52のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項57】
前記重鎖定常領域が、IgGである、請求項1~23、25~44、及び47~52のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項58】
IgGのアミノ酸配列が、前記EU番号付けシステムにしたがって番号付けされたN297A突然変異を含む、請求項57に記載の単離抗体。
【請求項59】
前記抗体が、配列番号194のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域を含む、請求項58に記載の単離抗体。
【請求項60】
IgGのアミノ酸配列が、前記EU番号付けシステムにしたがって番号付けされたN297Q突然変異を含む、請求項57に記載の単離抗体。
【請求項61】
前記IgGが、非フコシル化IgGである、請求項57に記載の単離抗体。
【請求項62】
前記重鎖定常領域が、IgGである、請求項1~23、25~44、及び47~52のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項63】
IgGのアミノ酸配列が、前記EU番号付けシステムにしたがって番号付けされたS228P突然変異を含む、請求項62に記載の単離抗体。
【請求項64】
前記抗体が、配列番号196のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域を含む、請求項63に記載の単離抗体。
【請求項65】
前記抗体が、ヒトIgGκ及びIgGλからなる群から選択される軽鎖定常領域を含む、請求項1~35、37~48、51~52、及び56~64のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項66】
前記軽鎖定常領域が、IgGκである、請求項1~35、37~48、51~52、及び56~64のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項67】
前記抗体が、配列番号198または219のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、請求項66に記載の単離抗体。
【請求項68】
ヒトLAG-3に結合するために、先行請求項のいずれか1項に記載の抗体と交差競合する、単離抗体。
【請求項69】
先行請求項のいずれか1項に記載の抗体と同じヒトLAG-3のエピトープに結合する、単離抗体。
【請求項70】
前記抗体が、配列番号216のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する、先行請求項のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項71】
前記抗体が、配列番号215のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する、先行請求項のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項72】
前記抗体が、配列番号214のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する、先行請求項のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項73】
前記抗体が、配列番号213のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する、先行請求項のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項74】
前記抗体が、配列番号212のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する、先行請求項のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項75】
前記抗体が、配列番号211のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する、先行請求項のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項76】
前記抗体が、ヒト化抗体、マウス抗体、またはキメラ抗体である、先行請求項のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項77】
前記抗体が、ヒトLAG-3に拮抗的である、先行請求項のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項78】
前記抗体が、ヒトLAG-3の活性を不活性化、低下、または阻害する、請求項77に記載の単離抗体。
【請求項79】
前記抗体が、MHCクラスIIへのヒトLAG-3の結合を阻害する、請求項77に記載の単離抗体。
【請求項80】
前記抗体が、ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)で刺激された末梢血単核細胞(PBMC)によってIL-2産生を誘導する、請求項77に記載の単離抗体。
【請求項81】
前記抗体が、抗CD3及び抗CD28抗体で刺激された腫瘍浸潤リンパ球(TIL)によってTNFα産生を誘導する、請求項77に記載の単離抗体。
【請求項82】
細胞毒性剤、細胞増殖抑制剤、毒素、放射性核種、または検出可能な標識と共役した、先行請求項のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項83】
先行請求項のいずれか1項に記載の抗体、及び医薬的に許容可能な担体、または賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項84】
請求項1~82のいずれか1項に記載の抗体の重鎖及び/または軽鎖をコードする、単離ポリヌクレオチド。
【請求項85】
請求項84に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項86】
請求項84に記載のポリヌクレオチド、または請求項85に記載のベクターを含む、組み換え宿主細胞。
【請求項87】
ヒトLAG-3に結合する抗体の産生方法であって、
前記ポリヌクレオチドが発現され、前記抗体が産生されるように、請求項86に記載の宿主細胞を培養することを含む、前記方法。
【請求項88】
対象中の抗原に応答したT細胞活性化の増加方法であって、
有効量の請求項1~83のいずれか1項に記載の抗体または医薬組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項89】
有効量の請求項1~83のいずれか1項に記載の抗体または医薬組成物を前記対象に投与することを含む、対象におけるがんの治療方法。
【請求項90】
前記抗体または医薬組成物を皮下または静脈内に投与する、請求項88または89に記載の方法。
【請求項91】
前記抗体または医薬組成物を腫瘍内に投与する、請求項88または89に記載の方法。
【請求項92】
追加の治療剤を前記対象に投与することをさらに含む、請求項88~91のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
前記追加の治療剤が、化学療法剤、放射線療法剤、またはチェックポイント標的剤である、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記チェックポイント標的剤が、アンタゴニスト抗PD-1抗体、アンタゴニスト抗PD-L1抗体、アンタゴニスト抗PD-L2抗体、アンタゴニスト抗CTLA-4抗体、アンタゴニスト抗TIM-3抗体、アンタゴニスト抗LAG-3抗体、アンタゴニスト抗CEACAM1抗体、アゴニスト抗GITR抗体、及びアゴニスト抗OX40抗体からなる群から選択される、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記追加の治療剤が、抗PD-1抗体であり、必要に応じて、前記抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブまたはニボルマブである、請求項92に記載の方法。
【請求項96】
前記追加の治療剤が、抗PD-L1抗体である、請求項92に記載の方法。
【請求項97】
前記追加の治療剤が、抗CTLA-4抗体である、請求項92に記載の方法。
【請求項98】
前記追加の治療剤が、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の阻害剤である、請求項92に記載の方法。
【請求項99】
前記阻害剤が、エパカドスタット、BMS-986205、インドキシモド、及びNLG919からなる群から選択される、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記阻害剤が、エパカドスタットである、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記追加の治療剤が、ワクチンである、請求項92に記載の方法。
【請求項102】
前記ワクチンが、抗原性ペプチドと複合体化された熱ショックタンパク質を含む熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)を含む、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記熱ショックタンパク質が、hsc70であり、かつ、腫瘍関連抗原性ペプチドと複合体を形成する、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記熱ショックタンパク質が、gp96であり、かつ、腫瘍関連抗原性ペプチドと複合体を形成し、前記HSPPCが、対象から得られた腫瘍由来である、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
CDRH1、CDRH2、及びCDRH3が、配列番号79、90、及び98にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項106】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1または105に記載の単離抗体。
【請求項107】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1または105に記載の単離抗体。
【請求項108】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項109】
前記抗体が、配列番号169または226のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項110】
CDRL1、CDRL2、及びCDRL3が、配列番号100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項111】
前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1または110に記載の単離抗体。
【請求項112】
前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1または110に記載の単離抗体。
【請求項113】
前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項114】
前記抗体が、配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項115】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の単離抗体。
【請求項116】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の単離抗体。
【請求項117】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の単離抗体。
【請求項118】
前記抗体が、配列番号169または226のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項18に記載の単離抗体。
【請求項119】
前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の単離抗体。
【請求項120】
前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の単離抗体。
【請求項121】
前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の単離抗体。
【請求項122】
前記抗体が、配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項18に記載の単離抗体。
【請求項123】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の単離抗体。
【請求項124】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の単離抗体。
【請求項125】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列を含む、請求項123または124に記載の単離抗体。
【請求項126】
前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列を含む、請求項123または124に記載の単離抗体。
【請求項127】
前記重鎖可変領域が、配列番号65または220のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号73または221のアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の単離抗体。
【請求項128】
前記重鎖可変領域が、配列番号220のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号221のアミノ酸配列を含む、請求項127に記載の単離抗体。
【請求項129】
前記抗体が、配列番号169または226のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項127に記載の単離抗体。
【請求項130】
前記抗体が、配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項127に記載の単離抗体。
【請求項131】
前記抗体が、配列番号169または226のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項127に記載の単離抗体。
【請求項132】
前記抗体が、配列番号226のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項131に記載の単離抗体。
【請求項133】
配列番号65または220のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体。
【請求項134】
前記抗体が、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項133に記載の単離抗体。
【請求項135】
前記抗体が、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項133に記載の単離抗体。
【請求項136】
配列番号73または221のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体。
【請求項137】
前記抗体が、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項136に記載の単離抗体。
【請求項138】
前記抗体が、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項136に記載の単離抗体。
【請求項139】
前記重鎖可変領域のN末端アミノ酸残基が、ピログルタミン酸である、請求項1~18、31~42、47~50、56~82、105~107、110~116、119~124、126、及び136~138のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項140】
前記軽鎖可変領域のN末端アミノ酸残基が、ピログルタミン酸である、請求項1~30、43~46、56~82、105~112、115~120、123~125、及び133~135のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項141】
配列番号220中のXが、ピログルタミン酸である、請求項21~24、37~46、56~82、106~108、115~117、123~125、127~135、137、及び138のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項142】
配列番号221中のXが、ピログルタミン酸である、請求項33~36、47~50、52、56~82、111~113、119~121、123、124、126~132、及び134~138のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項143】
(a)配列番号220中のXが、Qであり、配列番号221中のXが、Eまたはピログルタミン酸であり、または
(b)配列番号220中のXが、ピログルタミン酸であり、配列番号221中のXが、ピログルタミン酸である、請求項51、52、56~82、123~132、134、135、137、及び138のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項144】
前記配列番号226中のXが、ピログルタミン酸である、請求項24、31~42、45、46、54、62~82、109、118、129、131、及び132のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項145】
前記配列番号228中のXが、ピログルタミン酸である、請求項36、49、50、53~55、62~82、114、122、及び130~132のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項146】
(a)配列番号226中のXが、Qであり、配列番号228中のXが、Eまたはピログルタミン酸であり、または
(b)配列番号226中のXが、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXが、ピログルタミン酸である、請求項54、68~82、131、及び132のいずれか1項に記載の単離抗体。
【請求項147】
前記重鎖が、非グリコシル化される、請求項1~82、及び105~146のいずれか1項に記載の単離抗体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2016年10月11日に出願された米国仮出願第62/406,766号、2016年11月10日に出願された同第62/420,280号の優先権の利益を主張し、各々は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する抗体、及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
CD223としても知られるリンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)は、4つの細胞外Igドメイン、及び保存された繰り返しEPモチーフと単一の保存されたKIEELEモチーフとを含有する細胞質ドメインからなる免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーのI型膜タンパク質である(Triebel et al.,(1990)J Exp Med,171:1393-405、Workman et al.,(2002)J Immunol,169:5392-5)。LAG-3は、活性化エフェクターTリンパ球(Teff)、活性化調節性Tリンパ球(Treg)、活性化Bリンパ球、休止しているナチュラルキラー(NK)細胞のサブセット、及び休止している形質細胞様樹状細胞(PDC)上で発現される(Huang et al.,(2004)Immunity,21:503-13、Workman et al.,(2009)J Immunol,182:1885-91、Kisielow et al.,(2005)Eur J Immunol,35:2081-8、Baixeras et al.,(1992)J Exp Med,176:327-37、Workman et al.,(2002)Eur J Immunol,32:2255-63)。慢性病原性感染症または腫瘍微小環境(TME)内などの持続的な抗原暴露の条件下で、LAG-3発現は、1型調節T細胞(Tr1)及びいわゆる消耗した抗原特異的T細胞上で維持される(Park et al.,(2012)Cell Immunol,278:76-83、Gagliani et al.,(2013)Nat Med,19:739-46、Blackburn et al.,(2009)Nat Immunol,10:29-37)。
【0004】
LAG-3は、活性化T細胞を負に調節するように機能する。LAG-3のリガンドは、抗原提示細胞(APC)及び活性化T細胞上で発現されるMHCクラスIIである(Roche and Furuta(2015)Nat Rev Immunol,15:203-16)。LAG-3とそのリガンドとの間の相互作用は、CD4+及びCD8+Teff細胞の増殖及びサイトカイン分泌を阻害する(Macon-Lemaitre and Triebel(2005)Immunology,115:170-8、Huard et al.,(1997)Proc Natl Acad Sci USA,94:5744-9)。Treg及びPDC中のLAG-3は、T細胞機能の負の調節に寄与する(Huang et al.,(2004)Immunity,21:503-13、Workman et al.,(2009)J Immunol,182:1885-91)。免疫恒常性を維持するその役割と一致して、LAG-3欠乏は、PD-1も遺伝的に欠損しているマウスにおいて致死性心筋炎を誘発した(Okazaki et al.,(2011)J Exp Med,208:395-407)。さらに、マウスLAG-3に対するモノクローナル抗体によるインビボ遮断は、PD-1遮断と組み合わせて相乗作用し、同系マウス腫瘍モデルにおける抗腫瘍免疫を増強した(Woo et al.,(2012)Cancer Res,72:917-27)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,220,417号(B2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
免疫応答を調節するLAG-3の役割を考慮すると、LAG-3シグナリングを拮抗するように設計された治療剤は、LAG-3媒介免疫抑制を伴う疾患の治療にかなり有望である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、LAG-3機能、例えば、LAG-3媒介免疫抑制を拮抗する、抗体を提供する。これらの抗体を含む医薬組成物、これらの抗体をコードする核酸、これらの抗体を作製する発現ベクター及び宿主細胞、及びこれらの抗体を用いた対象の治療方法も提供される。本明細書に開示される抗体は、抗原(例えば、腫瘍抗原、または感染性疾患抗原)に応答してT細胞活性化を増加させる、及び/またはTreg媒介免疫抑制を減少させるため、対象におけるがんの治療、または対象における感染性疾患の治療もしくは予防に特に有用である。
【0008】
したがって、一態様では、本開示は、相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域、及び相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含む、抗体または単離抗体であって、
(a)CDRH1は、DXYXのアミノ酸配列(配列番号140)を含み、式中
は、TまたはNであり、
は、IまたはMであり、及び
は、H、Y、またはDであり、
(b)CDRH2は、XIDPANXPXQX10のアミノ酸配列(配列番号142)を含み、式中
は、E、R、S、またはKであり、
は、DまたはGであり、
は、NまたはHであり、
は、TまたはSであり、
は、KまたはHであり、
は、YまたはFであり、
は、DまたはAであり、
は、KまたはRであり、
は、FまたはLであり、及び
10は、GまたはDであり、
(c)CDRH3は、YXYXVGGXDYのアミノ酸配列(配列番号144)を含み、式中
は、Y、F、またはSであり、
は、YまたはDであり、
は、KまたはRであり、
は、DまたはEであり、及び
は、FまたはCであり、
(d)CDRL1は、SVSSXISSSXLXのアミノ酸配列(配列番号147)を含み、式中
は、SまたはGであり、
は、NまたはTであり、及び
は、HまたはYであり、
(e)CDRL2は、GTSNLASのアミノ酸配列(配列番号104)を含み、及び
(f)CDRL3は、QQWXYPXTのアミノ酸配列(配列番号149)を含み、式中
は、S、N、またはRであり、
は、S、T、またはRであり、及び
は、F、L、H、またはWである、抗体または単離抗体を提供する。
【0009】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域、及び相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含み、
(a)CDRH1は、DXYXのアミノ酸配列(配列番号140)を含み、式中
は、TまたはNであり、
は、IまたはMであり、及び
は、H、Y、またはDであり、
(b)CDRH2は、XIDPANXPXQX10のアミノ酸配列(配列番号142)を含み、式中
は、E、R、S、またはKであり、
は、DまたはGであり、
は、NまたはHであり、
は、TまたはSであり、
は、KまたはHであり、
は、YまたはFであり、
は、DまたはAであり、
は、KまたはRであり、
は、FまたはLであり、及び
10は、GまたはDであり、
(c)CDRH3は、YXYXVGGXDYのアミノ酸配列(配列番号144)を含み、式中
は、Y、F、またはSであり、
は、YまたはDであり、
は、KまたはRであり、
は、DまたはEであり、及び
は、FまたはCであり、
(d)CDRL1は、SVSSXISSSXLXのアミノ酸配列(配列番号147)を含み、式中
は、SまたはGであり、
は、NまたはTであり、及び
は、HまたはYであり、
(e)CDRL2は、GTSNLASのアミノ酸配列(配列番号104)を含み、及び
(f)CDRL3は、QQWXYPXTのアミノ酸配列(配列番号149)を含み、式中
は、S、N、またはRであり、
は、S、T、またはRであり、及び
は、F、L、H、またはWである、抗体または単離抗体を提供する。
【0010】
ある特定の実施形態では、CDRH1は、DXYXのアミノ酸配列(配列番号141)を含み、式中:Xは、TまたはNであり、Xは、IまたはMであり、及びXは、HまたはYである、ある特定の実施形態では、CDRH2は、XIDPANXKXPXFQXのアミノ酸配列(配列番号143)を含み、式中:Xは、E、R、またはSであり、Xは、DまたはGであり、Xは、NまたはHであり、Xは、TまたはSであり、Xは、YまたはFであり、Xは、DまたはAであり、Xは、KまたはRであり、及びXは、GまたはDである。ある特定の実施形態では、CDRH3は、YXYDVGGXDYのアミノ酸配列(配列番号145)を含み、式中:Xは、Y、F、またはSであり、Xは、YまたはDであり、Xは、KまたはRであり、及びXは、FまたはCである。ある特定の実施形態では、CDRH3は、YYYXYXVGGFDYのアミノ酸配列(配列番号146)を含み、式中:Xは、KまたはRであり、及びXは、DまたはEである。ある特定の実施形態では、CDRL1は、SVSSSISSSNLXのアミノ酸配列(配列番号148)を含み、式中:Xは、HまたはYである。ある特定の実施形態では、CDRL3は、QQWXSYPXT(配列番号150)のアミノ酸配列を含み、式中:Xは、S、N、またはRであり、及びXは、F、L、またはHである。
【0011】
ある特定の実施形態では、
(a)CDRH1は、DTYIHのアミノ酸配列(配列番号79)を含み、
(b)CDRH2は、EIDPANDNTKYDPKFQGのアミノ酸配列(配列番号90)を含み、
(c)CDRH3は、YYYXYXVGGFDYのアミノ酸配列(配列番号146)を含み、式中:Xは、KまたはRであり、及びXは、DまたはEであり、
(d)CDRL1は、SVSSSISSSNLHのアミノ酸配列(配列番号100)を含み、
(e)CDRL2は、GTSNLASのアミノ酸配列(配列番号104)を含み、及び
(f)CDRL3は、QQWSSYPFTのアミノ酸配列(配列番号105)を含む。
【0012】
ある特定の実施形態では、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、配列番号79、90、及び98にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号220のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号220のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号226のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号169のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0013】
ある特定の実施形態では、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、配列番号100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号221のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号187のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0014】
ある特定の実施形態では、CDRH1は、配列番号78~82からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、CDRH2は、配列番号83~93からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、CDRH3は、配列番号94~99からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、CDRL1は、配列番号100~103からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、CDRL3は、配列番号105~112からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0015】
ある特定の実施形態では、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、配列番号78、83、及び94、78、85、及び95、78、86、及び96、78、86、及び97、78、91、及び94、78、92、及び96、79、84、及び95、79、88、及び95、79、89、及び95、79、90、及び95、79、90、及び98、79、90、及び99、80、85、及び96、81、87、及び96、または、82、93、及び95にそれぞれ記載のCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含む。
【0016】
ある特定の実施形態では、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、配列番号100、104、及び105、100、104、及び106、100、104、及び107、100、104、及び109、100、104、及び110、101、104、及び108、102、104、及び105、102、104、及び112、または、103、104、及び111にそれぞれ記載のCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む。
【0017】
ある特定の実施形態では、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、配列番号78、83、94、100、104、及び105、78、85、95、100、104、及び105、78、86、96、100、104、及び105、78、86、96、100、104、及び109、78、86、96、100、104、及び110、78、86、96、101、104、及び108、78、86、96、103、104、及び111、78、86、97、102、104、及び112、78、91、94、100、104、及び107、78、92、96、100、104、及び105、78、92、96、100、104、及び109、79、84、95、100、104、及び105、79、84、95、100、104、及び106、79、84、95、102、104、及び105、79、88、95、100、104、及び105、79、89、95、100、104、及び105、79、90、95、100、104、及び105、79、90、98、100、104、及び105、79、90、99、100、104、及び105、80、85、96、100、104、及び105、81、87、96、100、104、及び105、81、87、96、100、104、及び107、または、82、93、95、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む。
【0018】
別の態様では、本開示は、相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域、及び相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含む、抗体または単離抗体であって、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、配列番号79、90、95、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0019】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域、及び相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含み、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、配列番号79、90、95、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0020】
別の態様では、本開示は、相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域、及び相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含む、抗体または単離抗体であって、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、配列番号79、90、98、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0021】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域、及び相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含み、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、配列番号79、90、98、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0022】
ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号220のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号226のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号169のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0023】
ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号221のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号187のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0024】
ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号220のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73または221のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73のアミノ酸配列を含む。
【0025】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号65または220のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号73または221のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0026】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号73または221のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号65または220のアミノ酸配列に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0027】
ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号151または222の重鎖可変領域配列のフレームワーク領域を含む重鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号151または222のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号218または223の重鎖可変領域配列のフレームワーク領域を含む重鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号218または223のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号56~72、及び220からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号56~72、及び220からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号220のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号168~186、及び225~227からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒト由来フレームワーク領域を有する重鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒト遺伝子によってコードされるアミノ酸配列であるかまたは由来である重鎖可変フレームワーク領域を含み、アミノ酸配列は、IGHV1-46*01(配列番号153)、IGHV1-69-2*01(配列番号154)、IGHV1-3*01(配列番号155)、IGHV1-24*01(配列番号156)、IGHV1-2*01(配列番号157)、IGHV1-45*01(配列番号158)、及びIGHV1-18*01(配列番号159)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、抗体は、アミノ酸配列IGHV1-46*01(配列番号153)由来である重鎖可変フレームワーク領域を含み、アミノ酸配列IGHV1-46*01(配列番号153)中の少なくとも1つのアミノ酸は、対応する非ヒト重鎖可変フレームワーク領域中の類似位置におけるアミノ酸で置換される。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は、4、5、12、23、27、28、29、30、48、69、71、75、76、80、81、及び94からなる群から選択されるアミノ酸位置であり、アミノ酸位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は、4M、5K、12V、23T、27F、28N、29I、30K、48I、69I、71A、75S、76N、80L、81Q、及び94Tからなる群から選択され、アミノ酸置換の位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は、4、27、28、29、30、69、71、及び94からなる群から選択されるアミノ酸位置であり、アミノ酸位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は、4M、27F、28N、29I、30K、69I、71A、及び94Tからなる群から選択され、アミノ酸置換の位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。
【0028】
ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号152または224の軽鎖可変領域配列のフレームワーク領域を含む軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号152または224のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号73~77、及び221からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むに少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73~77、及び221からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号221のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号187~191からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒト由来フレームワーク領域を有する軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒト遺伝子によってコードされるアミノ酸配列であるかまたは由来である軽鎖可変フレームワーク領域を含み、アミノ酸配列は、IGKV3-20*01(配列番号160)、IGKV3D-15*01(配列番号161)、IGKV3-15*01(配列番号161)、IGKV3D-20*01(配列番号162)、IGKV3D-7*01(配列番号163)、IGKV1-9*01(配列番号164)、及びIGKV3-11*01(配列番号165)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、抗体は、アミノ酸配列IGKV3-20*01(配列番号160)由来である軽鎖可変フレームワーク領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、アミノ酸配列IGKV3-20*01(配列番号160)由来である軽鎖可変フレームワーク領域を含み、アミノ酸配列IGKV3-20*01(配列番号160)中の少なくとも1つのアミノ酸は、対応する非ヒト軽鎖可変フレームワーク領域中の類似位置におけるアミノ酸で置換される。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は、3、22、36、43、47、58、70、及び71からなる群から選択されるアミノ酸位置であり、アミノ酸位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は、3L、22T、36F、43S、47W、58V、70S、及び71Yからなる群から選択され、アミノ酸置換の位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。
【0029】
別の態様では、本開示は、配列番号56~72、及び220からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号220のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号168~186、及び225~227からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号225のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号168のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号226のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号169のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号227のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号170のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0030】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、配列番号56~72、及び220からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号220のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号65のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号168~186、及び225~227からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号225のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号168のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号226のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号169のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号227のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号170のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0031】
別の態様では、本開示は、配列番号73~77、及び221からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号221のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号187~191、及び228からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号187のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0032】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、配列番号73~77、及び221からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号221のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号73のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号187~191、及び228からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号187のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0033】
別の態様では、本開示は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、配列番号56及び73、56及び74、56及び75、56及び76、56及び77、57及び73、57及び74、57及び75、57及び76、57及び77、58及び73、58及び74、58及び75、58及び76、58及び77、59及び73、59及び74、59及び75、59及び76、59及び77、60及び73、60及び74、60及び75、60及び76、60及び77、61及び77、62及び77、63及び73、64及び73、65及び73、220及び73、65及び221、220、及び221、66及び73、67及び73、68及び73、69及び73、70及び73、71及び73、または72及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、配列番号65及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、配列番号220及び73、65及び221、または220及び221にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む。
【0034】
別の態様では、本開示は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号56及び73、56及び74、56及び75、56及び76、56及び77、57及び73、57及び74、57及び75、57及び76、57及び77、58及び73、58及び74、58及び75、58及び76、58及び77、59及び73、59及び74、59及び75、59及び76、59及び77、60及び73、60及び74、60及び75、60及び76、60及び77、61及び77、62及び77、63及び73、64及び73、65及び73、220及び73、65及び221、220、及び221、66及び73、67及び73、68及び73、69及び73、70及び73、71及び73、または72及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号65及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号220及び73、65及び221、または220及び221にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる。
【0035】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、配列番号56及び73、56及び74、56及び75、56及び76、56及び77、57及び73、57及び74、57及び75、57及び76、57及び77、58及び73、58及び74、58及び75、58及び76、58及び77、59及び73、59及び74、59及び75、59及び76、59及び77、60及び73、60及び74、60及び75、60及び76、60及び77、61及び77、62及び77、63及び73、64及び73、65及び73、220及び73、65及び221、220、及び221、66及び73、67及び73、68及び73、69及び73、70及び73、71及び73、または72及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、配列番号65及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、配列番号220及び73、65及び221、または220及び221にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む。
【0036】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号56及び73、56及び74、56及び75、56及び76、56及び77、57及び73、57及び74、57及び75、57及び76、57及び77、58及び73、58及び74、58及び75、58及び76、58及び77、59及び73、59及び74、59及び75、59及び76、59及び77、60及び73、60及び74、60及び75、60及び76、60及び77、61及び77、62及び77、63及び73、64及び73、65及び73、220及び73、65及び221、220、及び221、66及び73、67及び73、68及び73、69及び73、70及び73、71及び73、または72及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号65及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる。ある特定の実施形態では、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号220及び73、65及び221、または220及び221にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる。
【0037】
前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号220中のXは、Qである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号220中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号221中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号221中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号220中のXは、Qであり、配列番号221中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号220中のXは、Qであり、配列番号221中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号220中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号221中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号220中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号221中のXは、ピログルタミン酸である。
【0038】
別の態様では、本開示は、配列番号168または225のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0039】
別の態様では、本開示は、配列番号168のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0040】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、配列番号168または225のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0041】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、配列番号168のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0042】
別の態様では、本開示は、配列番号169または226のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0043】
別の態様では、本開示は、配列番号169のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0044】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、配列番号169または226のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0045】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、配列番号169のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0046】
別の態様では、本開示は、配列番号170または227のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0047】
別の態様では、本開示は、配列番号170のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0048】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、配列番号170または227のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187または228のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0049】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、配列番号170のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗体または単離抗体を提供する。
【0050】
別の態様では、本開示は、重鎖及び軽鎖を含む、抗体または単離抗体であって、重鎖のアミノ酸配列は、配列番号168または225に記載のアミノ酸配列からなり、軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号187または228に記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0051】
別の態様では、本開示は、重鎖及び軽鎖を含む、抗体または単離抗体であって、重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号168及び187にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0052】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖のアミノ酸配列は、配列番号168または225に記載のアミノ酸配列からなり、軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号187または228に記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0053】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号168及び187にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0054】
別の態様では、本開示は、重鎖及び軽鎖を含む、抗体または単離抗体であって、重鎖のアミノ酸配列は、配列番号169または226に記載のアミノ酸配列からなり、軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号187または228に記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0055】
別の態様では、本開示は、重鎖及び軽鎖を含む、抗体または単離抗体であって、重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号169及び187にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0056】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖のアミノ酸配列は、配列番号169または226に記載のアミノ酸配列からなり、軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号187または228に記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0057】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号169及び187にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0058】
別の態様では、本開示は、重鎖及び軽鎖を含む、抗体または単離抗体であって、重鎖のアミノ酸配列は、配列番号170または227に記載のアミノ酸配列からなり、軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号187または228に記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0059】
別の態様では、本開示は、重鎖及び軽鎖を含む、抗体または単離抗体であって、重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号170及び187にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0060】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖のアミノ酸配列は、配列番号170または227に記載のアミノ酸配列からなり、軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号187または228に記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0061】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に特異的に結合する抗体または単離抗体であって、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号170及び187にそれぞれ記載のアミノ酸配列からなる、抗体または単離抗体を提供する。
【0062】
前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号225中のXは、Qである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号225中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号228中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号225中のXは、Qであり、配列番号228中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号225中のXは、Qであり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号225中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号225中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。
【0063】
前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号226中のXは、Qである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号226中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号228中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号226中のXは、Qであり、配列番号228中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号226中のXは、Qであり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号226中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号226中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。
【0064】
前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号227中のXは、Qである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号227中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号228中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号227中のXは、Qであり、配列番号228中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号227中のXは、Qであり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号227中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、Eである。前述の態様のいずれか1つのある特定の実施形態では、該当する場合には、配列番号227中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。
【0065】
ある特定の実施形態では、抗体は、ヒトIgG、IgG、IgG、IgG、IgA、及びIgAからなる群から選択される重鎖定常領域を含む。ある特定の実施形態では、重鎖定常領域は、IgGである。ある特定の実施形態では、IgGのアミノ酸配列は、N297A突然変異を含み、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされた。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号194のアミノ酸配列を含む重鎖を含む定常領域である。ある特定の実施形態では、IgGのアミノ酸配列は、N297Q突然変異を含み、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされた。ある特定の実施形態では、IgGは、非フコシル化IgGである。ある特定の実施形態では、重鎖定常領域は、IgGである。ある特定の実施形態では、IgGのアミノ酸配列は、S228P突然変異を含み、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされた。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号196のアミノ酸配列を含む重鎖を含む定常領域である。
【0066】
ある特定の実施形態では、抗体は、ヒトIgGκ及びIgGλからなる群から選択される軽鎖定常領域を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖定常領域は、IgGκである。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号198のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号219のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖定常領域は、IgGλである。
【0067】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3に結合するために、本明細書に開示される抗体と交差競合する、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、ヒトLAG-3に結合するために、配列番号15及び16にそれぞれ記載の重鎖及び軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む抗体と交差競合する、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、ヒトLAG-3に結合するために、配列番号65及び73、220及び73、65及び221、または220及び221にそれぞれ記載の重鎖及び軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む抗体と交差競合する、抗体または単離抗体を提供する。
【0068】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される抗体と同じヒトLAG-3のエピトープに結合する、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号15及び16にそれぞれ記載の重鎖及び軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む抗体と同じヒトLAG-3のエピトープに結合する、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号65及び73、220及び73、65及び221、または220及び221にそれぞれ記載の重鎖及び軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む抗体と同じヒトLAG-3のエピトープに結合する、抗体または単離抗体を提供する。
【0069】
別の態様では、本開示は、ヒトLAG-3のエピトープに結合する、例えば、特異的に結合する、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号216のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号215のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号214のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号213のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号212のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号211のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。
【0070】
別の態様では、本開示は、本発明の任意の抗体と同じヒトLAG-3のエピトープに特異的に結合する、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号216のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号215のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号214のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号213のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号212のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号211のアミノ酸配列からなるヒトLAG-3の領域内に位置するエピトープに結合する。
【0071】
別の態様では、本開示は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号216に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号216に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる、抗体を提供する。別の態様では、本開示は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号215に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号215に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる、抗体を提供する。別の態様では、本開示は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号214に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号214に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる、抗体を提供する。別の態様では、本開示は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号213に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号213に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる、抗体を提供する。別の態様では、本開示は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号212に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号212に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる、抗体を提供する。別の態様では、本開示は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号211に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号211に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる、抗体を提供する。いくつかの実施形態では、水素/重水素交換の減少は、例えば、実施例において本明細書に記載のように、水素-重水素交換(HDX)を用いて測定される。
【0072】
別の態様では、本開示は、本発明の任意の抗体と同じヒトLAG-3のエピトープに特異的に結合する、抗体または単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号216に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号216に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号215に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号215に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号214に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号214に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号213に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号213に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号212に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号212に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号217のアミノ酸配列を含むヒトLAG-3タンパク質またはその断片に結合する場合、水素/重水素アッセイによって決定されるように、抗体の不在下において、配列番号211に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換に対して、配列番号211に記載のアミノ酸配列からなる領域における水素/重水素交換を減少させる。いくつかの実施形態では、水素/重水素交換の減少は、例えば、実施例において本明細書に記載のように、水素-重水素交換(HDX)を用いて測定される。
【0073】
ある特定の実施形態では、抗体は、ヒト化抗体である。ある特定の実施形態では、抗体は、マウス抗体である。ある特定の実施形態では、抗体は、キメラ抗体である。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒトLAG-3に拮抗的である。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒトLAG-3の活性を不活性化、低下、または阻害する。ある特定の実施形態では、抗体が、MHCクラスIIへのヒトLAG-3の結合を阻害する。ある特定の実施形態では、抗体は、ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)で刺激された末梢血単核細胞(PBMC)によってIL-2産生を誘導する。ある特定の実施形態では、抗体は、抗CD3及び抗CD28抗体で刺激された腫瘍浸潤リンパ球(TIL)によってTNFα産生を誘導する。
【0074】
別の態様では、本開示は、細胞毒性剤と共役した本明細書に開示される抗体または単離抗体を提供する。
【0075】
別の態様では、本開示は、細胞増殖抑制剤と共役した本明細書に開示される抗体または単離抗体を提供する。
【0076】
別の態様では、本開示は、毒素と共役した本明細書に開示される抗体または単離抗体を提供する。
【0077】
別の態様では、本開示は、放射性核種と共役した本明細書に開示される抗体または単離抗体を提供する。
【0078】
別の態様では、本開示は、検出可能な標識と共役した本明細書に開示される抗体または単離抗体を提供する。
【0079】
別の態様では、本開示は、重鎖可変領域のN末端アミノ酸残基が、(例えば、重鎖可変領域のN末端EまたはQ残基の遊離アミノ基の翻訳後の環化の結果として)ピログルタミン酸である、本明細書に開示される抗体または単離抗体を提供する。別の態様では、本開示は、重鎖のN末端アミノ酸残基が、(例えば、重鎖のN末端EまたはQ残基の遊離アミノ基の翻訳後の環化の結果として)ピログルタミン酸である、本明細書に開示される抗体または単離抗体を提供する。
【0080】
別の態様では、本開示は、軽鎖可変領域のN末端アミノ酸残基が、(例えば、軽鎖可変領域のN末端EまたはQ残基の遊離アミノ基の翻訳後の環化の結果として)ピログルタミン酸である、本明細書に開示される抗体または単離抗体を提供する。別の態様では、本開示は、軽鎖のN末端アミノ酸残基が、(例えば、軽鎖のN末端EまたはQ残基の遊離アミノ基の翻訳後の環化の結果として)ピログルタミン酸である、本明細書に開示される抗体または単離抗体を提供する。
【0081】
別の態様では、本開示は、重鎖が非グリコシル化される、本明細書に開示される抗体または単離抗体を提供する。
【0082】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される抗体、及び医薬的に許容可能な担体、または賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0083】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される抗体の重鎖及び/または軽鎖をコードする、ポリヌクレオチド単離ポリヌクレオチドを提供する。別の態様では、本開示は、ポリヌクレオチドを含む、ベクターを提供する。別の態様では、本開示は、ポリヌクレオチドを含む、組み換え宿主細胞を提供する。別の態様では、本開示は、ベクターを含む、組み換え宿主細胞を提供する。別の態様では、本開示は、本明細書に開示される抗体の産生方法であって、ポリヌクレオチドが発現され、抗体が産生されるように宿主細胞を培養することを含む、方法を提供する。一実施形態では、方法は、インビトロ方法である。
【0084】
一実施形態では、本発明は、医薬として使用するための本発明の抗体、または本発明の医薬組成物、または本発明のポリヌクレオチド、または本発明のベクター、または本発明の組み換え宿主細胞に関する。
【0085】
一実施形態では、本発明は、診断として使用するための本発明の抗体、または本発明の医薬組成物、または本発明のポリヌクレオチド、または本発明のベクター、または本発明の組み換え宿主細胞に関する。
【0086】
別の態様では、本開示は、対象中の抗原に応答してT細胞活性化を増加させる方法であって、有効量の本明細書に開示される抗体または医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。別の態様では、本開示は、有効量の本明細書に開示される抗体または医薬組成物を対象に投与することを含む、対象におけるがんの治療方法を提供する。前述の方法のある特定の実施形態では、抗体または医薬組成物を皮下投与する。前述の方法のある特定の実施形態では、抗体または医薬組成物を静脈内投与する。前述の方法のある特定の実施形態では、抗体または医薬組成物を腫瘍内投与する。前述の方法のある特定の実施形態では、抗体または医薬組成物を腫瘍排出リンパ節に送達する。前述の方法のある特定の実施形態では、抗体または医薬組成物を動脈内投与する。前述の方法のある特定の実施形態では、抗体または医薬組成物を鼻腔内投与する。
【0087】
一態様では、本発明は、抗原に応答してT細胞活性化を増加させる方法で使用するための、本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物に関する。
【0088】
一態様では、本発明は、対象中の抗原に応答してT細胞活性化を増加させる方法で使用するための、本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物に関する。
【0089】
一態様では、本発明は、有効量の本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物を対象に投与することを含む、対象中の抗原に応答してT細胞活性化を増加させる方法で使用するための、本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物に関する。
【0090】
一態様では、本発明は、がんの治療方法で使用するための、本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物に関する。
【0091】
一態様では、本発明は、対象におけるがんの治療方法で使用するための、本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物に関する。
【0092】
一態様では、本発明は、有効量の本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物を対象に投与することを含む、対象におけるがんの治療方法で使用するための、本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物に関する。
【0093】
本発明を使用するための抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物の一実施形態では、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物を皮下または静脈内投与する。本発明を使用するための抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物の一実施形態では、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物を腫瘍内または動脈内投与する。本発明を使用するための抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物の一実施形態では、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物を鼻腔内投与する。
【0094】
ある特定の実施形態では、前述の方法は、追加の治療剤を対象に投与することをさらに含む。そのため、本発明の方法で使用するための抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物の一実施形態では、方法は、追加の治療剤を対象に投与することをさらに含む。
【0095】
一態様では、本発明は、(a)本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物、及び(b)医薬として使用するための追加の治療剤に関する。
【0096】
一態様では、本発明は、(a)本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物、及び(b)がんの治療方法で使用するための追加の治療剤に関する。
【0097】
一態様では、本発明は、(a)本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物、及び(b)追加の治療剤を含む、医薬組成物、キット、またはパーツキットに関する。
【0098】
ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、化学療法剤である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、放射線療法剤である。
【0099】
ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、チェックポイント標的剤である。ある特定の実施形態では、チェックポイント標的剤は、アンタゴニスト抗PD-1抗体、アンタゴニスト抗PD-L1抗体、アンタゴニスト抗PD-L2抗体、アンタゴニスト抗CTLA-4抗体、アンタゴニスト抗TIM-3抗体、アンタゴニスト抗LAG-3抗体、アンタゴニスト抗CEACAM1抗体、アゴニスト抗GITR抗体、アゴニスト抗OX40抗体、アンタゴニスト抗TIGIT抗体、アゴニスト抗CD137抗体、アンタゴニスト抗VISTA抗体、アンタゴニスト抗CD73抗体、及びアンタゴニスト抗CD96抗体からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、抗PD-1抗体である。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブである。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、抗PD-L1抗体である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、抗CTLA-4抗体である。
【0100】
ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、小分子を含む。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、PD-1経路の小分子阻害剤である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、PD-1またはPD-L1の小分子阻害剤である。
【0101】
ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の阻害剤である。ある特定の実施形態では、阻害剤は、エパカドスタット、BMS-986205(F001287としても知られる、参照により全体が本明細書に組み込まれる、WO2016/073770の実施例19を参照されたい)、インドキシモド、及びNLG919からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、阻害剤は、エパカドスタットである。ある特定の実施形態では、阻害剤は、BMS-986205である。ある特定の実施形態では、阻害剤は、インドキシモドである。ある特定の実施形態では、阻害剤は、NLG919である。
【0102】
ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、ARG、LSD1、CD112、CD112R、またはVEGFの阻害剤である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)アゴニストである。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、CD80-Fcタンパク質である。
【0103】
ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、ワクチンである。ある特定の実施形態では、ワクチンは、抗原性ペプチドと複合体化された熱ショックタンパク質を含む熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)を含む。ある特定の実施形態では、熱ショックタンパク質は、hsc70であり、かつ、腫瘍関連抗原性ペプチドと複合体を形成する。ある特定の実施形態では、熱ショックタンパク質は、gp96であり、かつ、腫瘍関連抗原性ペプチドと複合体を形成し、HSPPCは、対象から得られた腫瘍由来である。ある特定の実施形態では、熱ショックタンパク質は、gp96タンパク質であり、かつ、腫瘍関連抗原性ペプチドと複合体を形成し、HSPPCは、対象から得られた腫瘍由来である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、TCRを含む。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、可溶性TCRである。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、TCRを発現する細胞である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、キメラ抗原受容体を発現する細胞である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、ペプチド-MHC複合体に特異的に結合する抗体である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、アジュバントである。一態様では、本発明は、(a)本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物、及び(b)医薬として使用するための、例えば、がんの治療方法で使用するためのワクチン、必要に応じて、ワクチンは、抗原性ペプチドと複合体化された熱ショックタンパク質を含む熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)を含む、に関する。一態様では、本発明は、(a)本発明の抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、組み換え宿主細胞、及び/または医薬組成物、及び(b)ワクチンを含み、必要に応じて、ワクチンは、抗原性ペプチドと複合体化された熱ショックタンパク質を含む熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)を含む、医薬組成物、キット、またはパーツキットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0104】
図1A図1Aは、フローサイトメトリーで測定される、ヒトLAG-3を発現するように遺伝子操作された野生型ジャーカット細胞またはジャーカット細胞への抗LAG-3 Fabの結合を示すヒストグラムのセットである。この研究で試験した抗LAG-3 Fabには、P01A12、P01C09、P05E01、P13A04、P13A06、P13B01、P13B02、P13B03、P13B11、P13C06、P13C08、P13C10、P13D04、P13D05、P13E02、P13F01、P13F02、P13F06、P13F09、P13G01、P13G04、P13G05、P13H05、P14A04、P14B07、P14C04、P14F01、P14F06、P14G01、P14G03、P15B06、P15C02、P15E06、P15F06、P15G05、P16D04、及びP16H05が含まれる。
図1B図1Bは、フローサイトメトリーで測定される、ヒトLAG-3を発現するように遺伝子操作された野生型ジャーカット細胞またはジャーカット細胞への抗LAG-3 Fabの結合を示すヒストグラムのセットである。この研究で試験した抗LAG-3 Fabには、P01A12、P01C09、P05E01、P13A04、P13A06、P13B01、P13B02、P13B03、P13B11、P13C06、P13C08、P13C10、P13D04、P13D05、P13E02、P13F01、P13F02、P13F06、P13F09、P13G01、P13G04、P13G05、P13H05、P14A04、P14B07、P14C04、P14F01、P14F06、P14G01、P14G03、P15B06、P15C02、P15E06、P15F06、P15G05、P16D04、及びP16H05が含まれる。
図1C図1Cは、フローサイトメトリーで測定される、ヒトLAG-3を発現するように遺伝子操作された野生型ジャーカット細胞またはジャーカット細胞への抗LAG-3 Fabの結合を示すヒストグラムのセットである。この研究で試験した抗LAG-3 Fabには、P01A12、P01C09、P05E01、P13A04、P13A06、P13B01、P13B02、P13B03、P13B11、P13C06、P13C08、P13C10、P13D04、P13D05、P13E02、P13F01、P13F02、P13F06、P13F09、P13G01、P13G04、P13G05、P13H05、P14A04、P14B07、P14C04、P14F01、P14F06、P14G01、P14G03、P15B06、P15C02、P15E06、P15F06、P15G05、P16D04、及びP16H05が含まれる。
図2図2A及び2Bは、抗LAG-3 FabまたはLAG-3に特異的ではない陰性対照Fabが、架橋組み換えLAG-3-6 HisのMHCクラスIIを発現するRaji細胞への結合を遮断する能力を試験するアッセイからの結果を示すグラフである。図2Aは、陰性対照Fabまたは抗LAG-3 Fab:P13B02、P13C08、P13C10、P13E02、P13F02、P01A12、P13B01、P05E01、またはP01C09によって媒介された遮断のパーセント率を示す棒グラフである。図2Bは、抗LAG-3 Fab:P01A12、P13A06、P13B01、P13B02、P13C06、P13C08、P13C10、P13E02、またはP14C04、または陰性対照Fabの用量の漸増の存在下におけるLAG-3結合のパーセント率を示す線グラフである。
図3図2Bに示すものと同様の線グラフであり、LAG-3結合のパーセント率を、完全長キメラ抗LAG-3抗体:P13A06、P13B01、P13B02、P13C06、P13C08、またはP13E02、またはアイソタイプ対照抗体の用量漸増に対してプロットする。
図4】任意の抗体の不在下、またはアイソタイプ対照抗体もしくはキメラ抗LAG-3抗体P13B02の存在下におけるStaphylococcusエンテロトキシンA(SEA)刺激の際のヒト末梢血単核細胞(PBMC)中のIL-2の産生を示すグラフである。
図5A図5Aは、対応するマウス配列及びヒト生殖系列配列を有するヒト化可変領域の配列アラインメントである。図5Aは、ヒト化重鎖可変領域H0-H4(それぞれ配列番号56~60)、マウス抗体P13B02重鎖可変領域(配列番号15)、及びヒト生殖系列配列IGHV1-46*01(配列番号153)ならびにIGHJ1*01(配列番号200)を比較する配列アラインメントである。図5Bは、ヒト化軽鎖可変領域L0-L4(それぞれ配列番号73~77)、マウス抗体P13B02軽鎖可変領域(配列番号16)、及びヒト生殖系列配列IGKV3-20*01(配列番号160)ならびにIGKJ1*01(配列番号201)を比較する配列アラインメントである。点線は、H0(図5A)またはL0(図5B)における対応する残基に同一の残基を表す。破線は、H0(図5A)またはL0(図5B)と比較したアミノ酸残基の欠如を表す。
図5B図5Bは、対応するマウス配列及びヒト生殖系列配列を有するヒト化可変領域の配列アラインメントである。図5Aは、ヒト化重鎖可変領域H0-H4(それぞれ配列番号56~60)、マウス抗体P13B02重鎖可変領域(配列番号15)、及びヒト生殖系列配列IGHV1-46*01(配列番号153)ならびにIGHJ1*01(配列番号200)を比較する配列アラインメントである。図5Bは、ヒト化軽鎖可変領域L0-L4(それぞれ配列番号73~77)、マウス抗体P13B02軽鎖可変領域(配列番号16)、及びヒト生殖系列配列IGKV3-20*01(配列番号160)ならびにIGKJ1*01(配列番号201)を比較する配列アラインメントである。点線は、H0(図5A)またはL0(図5B)における対応する残基に同一の残基を表す。破線は、H0(図5A)またはL0(図5B)と比較したアミノ酸残基の欠如を表す。
図6A図6Aは、フローサイトメトリーによって測定された、抗LAG-3抗体の、StaphylococcusエンテロトキシンA(SEA)によって活性化されたヒトT細胞への結合を示すグラフである。図6Aは、キメラ抗体P13B02(IgG)、及びヒト化抗体P13B02-06(IgG)、P13B02-07(IgG)、P13B02-16(IgG)、P13B02-25(IgG)、P13B02-26(IgG)、P13B02-27(IgG)、P13B02-30(IgG G1m17 N297A)、及びP13B02-30(IgG)を試験するヒストグラムセットである。図6Bは、抗LAG-3抗体P13B02-16(IgG)またはアイソタイプ対照抗体の活性化初代ヒトCD4+T細胞への結合を示すグラフである。蛍光強度の中央値(MFI)を抗体濃度に対してプロットする。
図6B図6Bは、フローサイトメトリーによって測定された、抗LAG-3抗体の、StaphylococcusエンテロトキシンA(SEA)によって活性化されたヒトT細胞への結合を示すグラフである。図6Aは、キメラ抗体P13B02(IgG)、及びヒト化抗体P13B02-06(IgG)、P13B02-07(IgG)、P13B02-16(IgG)、P13B02-25(IgG)、P13B02-26(IgG)、P13B02-27(IgG)、P13B02-30(IgG G1m17 N297A)、及びP13B02-30(IgG)を試験するヒストグラムセットである。図6Bは、抗LAG-3抗体P13B02-16(IgG)またはアイソタイプ対照抗体の活性化初代ヒトCD4+T細胞への結合を示すグラフである。蛍光強度の中央値(MFI)を抗体濃度に対してプロットする。
図7A図7Aは、図2Bに示すものと同様の線グラフであり、LAG-3結合のパーセント率を、異なる用量のアイソタイプ対照抗体、キメラ抗体P13B02(IgG)、ヒト化抗体P13B02-06(IgG)、P13B02-07(IgG)、P13B02-16(IgG)、P13B02-26(IgG)、またはP13B02-27(IgG)(図7A)またはヒト化抗体P13B02-30(IgG G1m17 N297A)(図7B)に対してプロットする。
図7B図7Bは、図2Bに示すものと同様の線グラフであり、LAG-3結合のパーセント率を、異なる用量のアイソタイプ対照抗体、キメラ抗体P13B02(IgG)、ヒト化抗体P13B02-06(IgG)、P13B02-07(IgG)、P13B02-16(IgG)、P13B02-26(IgG)、またはP13B02-27(IgG)(図7A)またはヒト化抗体P13B02-30(IgG G1m17 N297A)(図7B)に対してプロットする。
図8A図8Aは、StaphylococcusエンテロトキシンA(SEA)刺激の際に、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)中の抗LAG-3抗体またはアイソタイプ対照抗体によって誘発されたIL-2の産生を示すグラフである。図8Aでは、試験した抗LAG-3抗体は、P13B02-30(IgG)である。図8Bでは、抗LAG-3抗体P13B02-16(IgG)またはアイソタイプ対照抗体は、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(Pembro)またはニボルマブ(Nivo)、抗PD-L1抗体#1、#2、または#3、または抗CTLA-4抗体イピリムマブ(Ipi)の存在下または不在下において試験した。
図8B図8Bは、StaphylococcusエンテロトキシンA(SEA)刺激の際に、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)中の抗LAG-3抗体またはアイソタイプ対照抗体によって誘発されたIL-2の産生を示すグラフである。図8Aでは、試験した抗LAG-3抗体は、P13B02-30(IgG)である。図8Bでは、抗LAG-3抗体P13B02-16(IgG)またはアイソタイプ対照抗体は、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(Pembro)またはニボルマブ(Nivo)、抗PD-L1抗体#1、#2、または#3、または抗CTLA-4抗体イピリムマブ(Ipi)の存在下または不在下において試験した。
図9図9A及び9Bは、抗LAG-3抗体P13B02-30(IgG G1m3 N297A)またはアイソタイプ対照抗体の単体または抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(Pembro)との組み合わせによって誘発された初代腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のTNFα産生を示すグラフである。TILを、腎細胞癌(図9A)または大腸癌(図9B)腫瘍から単離し、抗CD3/CD28マイクロビーズで活性化した。
図10図10A及び10Bは、抗LAG-3抗体P13B0230(IgG G1m3 N297A)がLAG-3媒介細胞抑制アッセイにおいてT細胞活性化を強化したことを示すグラフである。ジャーカット-NFAT-ルシフェラーゼ-LAG-3細胞を、抗LAG-3抗体(黒点)またはアイソタイプ対照抗体(白点)のいずれかの6つ一組の用量漸増、固定濃度のRaji細胞、及び固定濃度のStaphylococcalエンテロトキシンE(SEE)ペプチドの存在下でインキュベートした。第1の実験では、0.2~50μg/mLの抗体濃度を試験した(図10A)。第2の実験では、0.1~100μg/mLの抗体濃度を試験した(図10B)。RLU=ルシフェラーゼレポーターの相対発光量。
【発明を実施するための形態】
【0105】
本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、LAG-3機能、例えば、LAG-3媒介免疫抑制を拮抗する、抗体を提供する。これらの抗体を含む医薬組成物、これらの抗体をコードする核酸、これらの抗体を作製する発現ベクター及び宿主細胞、及びこれらの抗体を用いた対象の治療方法も提供される。本明細書に開示される抗体は、抗原(例えば、腫瘍抗原、または感染性疾患抗原)に応答してT細胞活性化を増加させるため、対象におけるがんの治療、または対象における感染性疾患の治療もしくは予防に特に有用である。本明細書に記載の「単離抗体」の全ての例は、単離されてもよいが、単離されている必要はない抗体としてさらに企図される。本明細書に記載の「単離ポリヌクレオチド」の全ての例は、単離されてもよいが、単離されている必要はないポリヌクレオチドとしてさらに企図される。本明細書に記載の「抗体」の全ての例は、単離されてもよいが、単離されている必要はない抗体としてさらに企図される。本明細書に記載の「ポリヌクレオチド」の全ての例は、単離されてもよいが、単離されている必要はないポリヌクレオチドとしてさらに企図される。
【0106】
定義
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、数値または数値範囲を修飾するために使用される場合、5%~10%上回り(例えば、最大で5%~10%上回る)、かつ5%~10%下回る(例えば、最大で5%~10%下回る)その値または範囲の偏差が、列挙される値または範囲の意図される意味に留まることを示す。
【0107】
本明細書で使用される場合、「LAG-3」という用語は、リンパ球活性化遺伝子3(CD223としても知られる)を指す。本明細書で使用される場合、「ヒトLAG-3」という用語は、野生型ヒトLAG-3遺伝子、例えば、GenBank(商標)受託番号NM_002286.5によってコードされるヒトLAG-3タンパク質を指す。ヒトLAG-3の例示の未成熟アミノ酸配列は、配列番号166として提供される。ヒトLAG-3の例示の成熟アミノ酸配列は、配列番号167及び配列番号210として提供される。
【0108】
本明細書で使用される場合、「抗体」、及び「抗体」という用語は、完全長抗体、完全長抗体の抗原結合断片、ならびに抗体CDR、VH領域、またはVL領域を含む分子を含む。抗体の例としては、モノクローナル抗体、組み換え産生された抗体、単一特異的抗体、多特異的抗体(二重特異的抗体を含む)、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、マウス抗体、免疫グロブリン、合成抗体、2つの重鎖分子及び2つの軽鎖分子を含む四量体抗体、抗体軽鎖単量体、抗体重鎖単量体、抗体軽鎖二量体、抗体重鎖二量体、抗体軽鎖-抗体重鎖対、細胞内抗体、ヘテロ共役抗体、抗体薬物共役体、単一ドメイン抗体、一価抗体、一本鎖抗体または一本鎖Fv(scFv)、ラクダ化抗体、アフィボディ、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、抗Id抗体を含む)、及び上述のうちのいずれかの抗原結合断片が挙げられる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、ポリクローナル抗体集団を指す。抗体は、免疫グロブリン分子の任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY)、任意のクラス(例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、もしくはIgA)、または任意のサブクラス(例えば、IgG2aもしくはIgG2b)であり得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、IgG抗体、またはそのクラス(例えば、ヒトIgGもしくはIgG)もしくはサブクラスである。特定の実施形態では、抗体は、ヒト化モノクローナル抗体である。別の特定の実施形態では、抗体は、ヒトモノクローナル抗体である。
【0109】
本明細書で使用される場合、「VH領域」及び「VL領域」という用語は、FR(フレームワーク領域)1、2、3、及び4、ならびにCDR(相補性決定領域)1、2及び3を含む単一の抗体重鎖及び軽鎖可変領域をそれぞれ指す(参照により全体が本明細書に組み込まれるKabat et al.,(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest(NIH Publication No.91-3242,Bethesdaを参照されたい)。
【0110】
本明細書で使用される場合、「CDR」または「相補性決定領域」という用語は、重鎖及び軽鎖ポリペプチドの両方の可変領域内に見出される不連続抗原結合部位を意味する。これらの特定の領域は、Kabat et al.,J.Biol.Chem.252,6609-6616(1977)及びKabat et al.,Sequences of protein of immunological interest.(1991)によって、ならびにChothia et al.,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)によって、ならびにMacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732-745(1996)によって記載されている。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれ、ここでは、定義は、互いに対して比較されると重なり合うアミノ酸残基またはアミノ酸残基のサブセットを含む。ある特定の実施形態では、「CDR」という用語は、Kabat et al.,J.Biol.Chem.252,6609-6616(1977)及びKabat et al.,Sequences of protein of immunological interest.(1991)によって定義されるようなCDRである。ある特定の実施形態では、「CDR」という用語は、Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)によって定義されるようなCDRである。ある特定の実施形態では、「CDR」という用語は、MacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732-745(1996)及びMartin A.“Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains,”in Antibody Engineering,Kontermann and Dubel,eds.,Chapter 31,pp.422-439,Springer-Verlag,Berlin(2001)によって定義されるようなCDRである。
【0111】
本明細書で使用される場合、「フレームワーク(FR)アミノ酸残基」という用語は、免疫グロブリン鎖のフレームワーク領域中のそれらのアミノ酸を指す。「フレームワーク領域」または「FR領域」」という用語は、本明細書で使用される場合、可変領域の一部であるが、(例えば、CDRのKabatまたはChothiaの定義を用いる)CDRの一部ではないアミノ酸残基を含む。
【0112】
本明細書で使用される場合、「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、同義に使用することができ、当該技術分野において共通のものである。可変領域は、典型的には、抗体の一部、一般的には、軽鎖または重鎖の一部、典型的には、抗体間の配列が広範に異なり、かつその特定の抗原に対する特定の抗体の結合及び特異性において使用されるアミノ末端から成熟重鎖の約110~125個のアミノ酸及び成熟軽鎖の約90~115個のアミノ酸を指す。配列の可変性が相補性決定領域(CDR)と呼ばれる領域において凝縮される一方で、可変ドメインにおけるより高度に保存された領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。いかなる特定の機構または理論に束縛されることを望むものではないが、軽鎖及び重鎖のCDRが、抗原に対する抗体の相互作用及び特異性に主に関与すると考えられる。ある特定の実施形態では、可変領域は、ヒト可変領域である。ある特定の実施形態では、可変領域は、齧歯類またはマウスCDR及びヒトフレームワーク領域(FR)を含む。特定の実施形態では、可変領域は、霊長類(例えば、非ヒト霊長類)可変領域である。ある特定の実施形態では、可変領域は、齧歯類またはマウスCDR及び霊長類(例えば、非ヒト霊長類)フレームワーク領域(FR)を含む。
【0113】
「VL」及び「VLドメイン」という用語は、抗体の軽鎖可変領域を指すために同義に使用される。
【0114】
「VH」及び「VHドメイン」という用語は、抗体の重鎖可変領域を指すために同義に使用される。
【0115】
本明細書で使用される場合、「定常領域」または「定常ドメイン」という用語は、交換可能に使用され、当該技術分野においてその共通の意味を有する。定常領域は、抗体部分、例えば、抗原への抗体の結合に直接関与しないが、Fc受容体(例えば、Fcガンマ受容体)との相互作用などの様々なエフェクター機能を呈することができる軽鎖及び/または重鎖のカルボキシル末端部分である。免疫グロブリン分子の定常領域は、一般に、免疫グロブリンの可変ドメインに対して、より保存されたアミノ酸配列を有する。
【0116】
本明細書で使用される場合、「重鎖」という用語は、抗体の参照において使用されるとき、定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、任意の異なる種類、例えば、それぞれ、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMクラスの抗体(IgGのサブクラス、例えば、IgG、IgG、IgG、及びIgGを含む)をもたらす、アルファ(α)、デルタ(δ)、エプシロン(ε)、ガンマ(γ)、及びミュー(μ)を指し得る。
【0117】
本明細書で使用される場合、「軽鎖」という用語は、抗体の参照において使用されるとき、定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、任意の異なる種類、例えば、カッパ(κ)またはラムダ(λ)を指し得る。軽鎖アミノ酸配列は、当該技術分野で周知である。
【0118】
本明細書で使用される場合、「EU番号付けシステム」という用語は、各々が参照により全体が本明細書に組み込まれるEdelman,G.M.et al.,Proc.Natl.Acad.USA,63,78-85(1969)及びKabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Dept.Health and Human Services,5th edition,1991に記載されるような、抗体の定常領域に対するEU番号付け慣例を指す。
【0119】
「結合親和性」とは、概して、分子の単一の結合部位(例えば、抗体)とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有相互作用の合計強度を指す。別途示されない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」とは、結合対(例えば、抗体及び抗原)のメンバー間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は、一般に、解離定数(K)によって表すことができる。親和性は、平衡解離定数(K)及び平衡会合定数(K)を含むが、これらに限定されない当該技術分野で既知のいくつかの方法で測定及び/または表現することができる。Kが、koff/konの商から計算される一方で、Kは、kon/koffの商から計算される。konとは、例えば、抗体の抗原への会合速度定数を指し、koffとは、例えば、抗体の抗原への解離速度定数を指す。kon及びkoffは、BIAcore(登録商標)またはKinExAなどの当業者に既知の技術によって決定することができる。本明細書で使用される場合、「低い親和性」は、より大きなKを指す。
【0120】
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」、「特異的に認識する」、「免疫特異的に結合する」、及び「免疫特異的に認識する」という用語は、抗体の文脈において類似の用語であり、かかる結合が当業者に理解されるように、抗原(例えば、エピトープまたは免疫複合体)に結合する分子を指す。例えば、抗原に特異的に結合する分子は、例えば、免疫アッセイ、BIAcore(登録商標)、KinExA 3000機器(Sapidyne Instruments、Boise,ID)、または当該技術分野で既知の他のアッセイによって決定される、一般により低い親和性を有する他のペプチドまたはポリペプチドに結合することができる。特定の実施形態では、抗原に免疫特異的に結合する分子は、少なくとも2対数(すなわち、10の因数)、2.5対数、3対数、4対数であるか、またはこの分子が別の抗原に結合するときのKを超えるKを有する抗原に結合する。
【0121】
別の特定の実施形態では、抗原に特異的に結合する分子は、同様の結合条件下で他のタンパク質と交差反応しない。別の特定の実施形態では、LAG-3に特異的に結合する分子は、他の非LAG-3タンパク質と交差反応しない。特定の実施形態では、別の非関連抗原よりも高い親和性を有するLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に結合する抗体が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、例えば、放射免疫アッセイ、表面プラズモン共鳴、または動態排除アッセイによって決定される、別の非関連抗原よりも20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上高い親和性を有するLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に結合する抗体が本明細書で提供される。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗LAG-3抗体の非関連非LAG-3タンパク質への結合の程度は、例えば、放射免疫アッセイによって測定される、この抗体のLAG-3タンパク質への結合の10%、15%、または20%未満である。
【0122】
本明細書で使用される場合、「非フコシル化」または「非フコシル化された」という用語は、Fcの文脈において、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされたヒトIgG Fcの残基297、または非IgGもしくは非ヒトIgG免疫グロブリンにおける対応する残基に直接または間接的に共有結合で付着されるフコースの実質的な欠如を指す。したがって、複数の非フコシル化された抗体を含む組成物では、抗体の少なくとも70%は、抗体のFc領域の残基297にて、直接または間接的に(例えば、介在糖を経て)フコシル化されていないだろうし、及びいくつかの実施形態では、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%は、Fc領域の残基297にて直接または間接的にフコシル化されないだろう。
【0123】
本明細書で使用される場合、「エピトープ」とは、当該技術分野における用語であり、抗体が特異的に結合することができる抗原の局在化領域を指す。エピトープは、例えば、ポリペプチドの隣接アミノ酸(線形もしくは隣接エピトープ)であり得るか、またはエピトープは、例えば、1つのポリペプチドもしくは複数のポリペプチドの2つ以上の非隣接領域由来(立体配座、非線形、非連続、もしくは非隣接エピトープ)であり得る。ある特定の実施形態では、抗体が結合するエピトープは、例えば、NMR分光法、X線回折結晶学研究、ELISAアッセイ、質量分析を伴う水素/重水素交換(例えば、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析)、アレイベースのオリゴ-ペプチド走査アッセイ(例えば、CLIPS(スカフォールド上へのペプチドの化学結合(Chemical Linkage of Peptides onto Scaffolds))を用いてペプチドを制約し、非連続または立体配座エピトープをマッピング)、及び/または変異誘発マッピング(例えば、部位特異的変異誘発マッピング)によって決定することができる。X線結晶学について、結晶化は、当該技術分野で既知の方法のうちのいずれかを使用して達成することができる(例えば、Giege’R et al.,(1994)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 50(Pt 4):339-350、McPherson A(1990)Eur J Biochem 189:1-23、Chayen NE(1997)Structure 5:1269-1274、McPherson A(1976)J Biol Chem 251:6300-6303、これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる)。抗体:抗原結晶は、周知のX線回折技術を使用して研究することができ、X-PLOR(Yale University,1992、販売元Molecular Simulations,Inc.、例えば、Meth Enzymol(1985)volumes 114 & 115,eds Wyckoff HW et al.,、米国第2004/0014194号を参照されたい)、及びBUSTER(Bricogne G(1993)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 49(Pt 1):37-60、Bricogne G(1997)Meth Enzymol 276A:361-423,ed Carter CW、Roversi P et al.,(2000)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 56(Pt 10):1316-1323)などのコンピュータソフトウェアを使用して精密化することができる。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。変異誘発マッピング研究は、当業者に既知の任意の方法を使用して達成することができる。アラニン走査変異誘発技術を含む変異誘発技術の説明については、例えば、Champe M et al.,(1995)J Biol Chem 270:1388-1394及びCunningham BC & Wells JA(1989)Science 244:1081-1085を参照されたい。各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。CLIPS(Chemical Linkage of Peptides onto Scaffolds)は、複合体タンパク質ドメインの機能的模倣体として挙動するように、1つ以上のペプチドを構造的に拘束された構成で提示する技術である。例えば、米国公開第US2008/0139407 A1号、及び同第US2007/099240 A1号、及び米国特許第7,972,993号を参照されたい。各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、抗体のエピトープは、アラニン走査変異誘発研究を用いて決定される。特定の実施形態では、抗体のエピトープは、質量分析を伴う水素/重水素交換を用いて決定される。特定の実施形態では、抗体のエピトープは、Pepscan TherapeuticsからのCLIPSエピトープマッピング技術を用いて決定される。
【0124】
本明細書で使用される場合、特定のアミノ酸配列またはアミノ酸残基のセットからなる「ヒトLAG-3の領域内に位置したエピトープ」という用語は、特定領域のアミノ酸残基のうちの1つ以上を含むエピトープを指し、特定領域は、ヒトLAG-3の領域の最初の特定アミノ酸残基と最後の特定アミノ酸残基を含む。ある特定の実施形態では、エピトープは、特定領域内に位置したアミノ酸残基の各1つを含む。ある特定の実施形態では、特定領域外のヒトLAG-3の1つ以上の追加のアミノ酸残基は、特定領域内に位置したエピトープと一緒に抗体に結合する。
【0125】
本明細書で使用される場合、「T細胞受容体」及び「TCR」という用語は、交換可能に使用され、完全長ヘテロ二量体αβまたはγδ TCR、完全長TCRの抗原結合断片、及びTCR CDRまたは可変領域を含む分子を指す。TCRの例としては、限定されないが、完全長TCR、TCRの抗原結合断片、膜貫通領域及び細胞質内領域を欠失した可溶性TCR、可動性リンカーにより結合されたTCRの可変領域を含有する単鎖TCR、操作されたジスルフィド結合により連結されたTCR鎖、単一特異性TCR、多選択性TCR(二重特異性TCRを含む)、TCR融合物、ヒトTCR、ヒト化TCR、キメラTCR、組み換え産生されたTCR、並びに合成TCRが挙げられる。この用語は、野生型TCR及び遺伝子操作されたTCR(例えば、第1の種のTCRからの第1の部分及び第2の種のTCRからの第2の部分を含むキメラTCR鎖を含むキメラTCR)を包含する。
【0126】
本明細書で使用される場合、「主要組織適合性複合体」及び「MHC」という用語は、交換可能に使用され、MHCクラスI分子及び/またはMHCクラスII分子を指す。
【0127】
本明細書で使用される場合、「ペプチド-MHC複合体」という用語は、ペプチドがMHCの当該技術分野で認識されたペプチド結合ポケットに結合したMHC分子(MHCクラスI、またはMHCクラスII)を指す。
【0128】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療している」、及び「治療」という用語は、本明細書に記載の治療または予防措置を指す。「治療」の方法は、疾患もしくは障害または再発疾患もしくは障害の1つ以上の症状を予防するか、治癒するか、遅延させるか、重症度を低減させるか、または改善するために、あるいはそのような治療の不在下で予期されるものを超えて患者の生存期間を延長するために、疾患もしくは障害を有する対象、または疾患もしくは障害に罹患しやすい対象への、抗体の投与を用いる。
【0129】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、対象への治療の投与の文脈において、所望の予防または治療効果を達成する治療の量を指す。
【0130】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、任意のヒトまたは非ヒト動物を含む。一実施形態では、対象は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物である。一実施形態では、対象は、ヒトである。
【0131】
2つの配列(例えば、アミノ酸配列または核酸配列)間の「同一性パーセント」の決定は、数学的アルゴリズムを用いて達成され得る。2つの配列の比較に利用される数学的アルゴリズムの好ましい非限定的な例は、Karlin S & Altschul SF(1990)PNAS 87:2264-2268のアルゴリズムであって、Karlin S & Altschul SF(1993)PNAS 90:5873-5877(各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)において改変されるアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、参照により全体が本明細書に組み込まれるAltschul SF et al.,(1990)J Mol Biol 215:403のNBLAST及びXBLASTプログラムに組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索を、NBLASTヌクレオチドプログラムパラメーターセット、例えば、スコア=100、ワード長=12で実施して、本明細書に記載の核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得ることができる。XBLASTプログラムパラメーターセット、例えば、スコア=50、ワード長=3でBLASTタンパク質検索を行って、本明細書に記載のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的のためのギャップのあるアラインメントを得るために、Gapped BLASTを、参照により全体が本明細書に組み込まれるAltschul SF et al.,(1997)Nuc Acids Res 25:3389-3402に記載のように利用することができる。あるいは、PSI BLASTを使用して、分子間の遠隔の関係を検出する反復検索を行うことができる(前出)。BLAST、Gapped BLAST、及びPSI Blastプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォルトパラメータを使用することができる(例えば、ワールドワイドウェブ上の国立生物工学情報センター(NCBI)、ncbi.nlm.nih.govを参照されたい)。配列の比較に利用される数学的アルゴリズムの別の特定の非限定的な例は、参照により全体が本明細書に組み込まれるMyers and Miller,1988,CABIOS 4:11-17のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、GCG配列アライメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれる。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを利用する場合、PAM120重み付け残基テーブル、ギャップ長ペナルティ12、ギャップペナルティ4を使用することができる。
【0132】
2つの配列間の同一性パーセントは、ギャップを許容するか否かを問わず、上記と同様の技術を用いて決定することができる。同一性パーセントの計算では、通常、完全一致のみがカウントされる。
【0133】
抗LAG-3抗体
一態様では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、LAG-3機能を拮抗する、抗体を提供する。例示的抗体のアミノ酸配列は、本明細書の表1~7に記載される。
当業者であれば、N末端EまたはQアミノ酸残基が、ある特定の条件下で、遊離アミノ基の翻訳後の環化によってピログルタミン酸に自発的に変換し、ラクタムを形成できることが理解できるであろう。したがって、ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される抗体重鎖可変領域もしくは軽鎖可変領域(例えば、それぞれ、配列番号56~72及び73~77、)または本明細書に開示される完全長重鎖もしくは軽鎖(例えば、それぞれ、配列番号168~186及び187~191)を含む抗体であって、N末端EまたはQアミノ酸残基が、(例えば、N末端EまたはQ残基の遊離アミノ基の翻訳後の環化の結果として)ピログルタミン酸に変換されている、抗体を提供する。
【表1A】
【表1B】
【表1C】
【表1D】
【表1E】
【表1F】
【表1G】
【表1H】
【表1I】
【表1J】
【表1K】
【表1L】
【表1M】
【表1N】
【表1O】
【表1P】
【表1Q】
【表1R】
【表1S】
【表1T】
【表1U】
【表1V】
【表1W】
【表1X】
【表1Y】
【表1Z】
【表1AA】
【表1BB】
【表1CC】
【表1DD】
【表1EE】
【表1FF】
【表1GG】
【表1HH】
【表1II】
【表1JJ】
【表1KK】
【表1LL】
【表1MM】
【表1NN】
【表1OO】
【表1PP】
【表1QQ】
【表1RR】
【表1SS】
【表1TT】
【表1UU】
【表1VV】
【表1WW】
【表1XX】
【表1YY】
【表1ZZ】
【表1AAA】
【表2A】
【表2B】
【表2C】
【表2D】
【表2E】
【表3A】
【表3B】
【表3C】
【表4A】
【表4B】
【表4C】
【表5】
【表6A】
【表6B】
【表7A】
【表7B】
【表8A】
【表8B】
【表8C】
【表9A】
【表9B】
【表9C】
【表9D】
【0134】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、本明細書の表1、2、6、及び7に記載のVHドメインのCDRの1つ、2つ、または3つ全てを含むVHドメインを含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、表1、2、6、及び7に記載のVHドメインの1つのCDRH1を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、表1、2、6、及び7に記載のVHドメインの1つのCDRH2を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、表1、2、6、及び7に記載のVHドメインの1つのCDRH3を含む。
【0135】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、本明細書の表1、3、6、及び7に開示されるVLドメインのCDRの1つ、2つ、または3つ全てを含むVLドメインを含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、本明細書の表1、3、6、及び7に開示されるVLドメインの1つのCDRL1を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、本明細書の表1、3、6、及び7に開示されるVLドメインの1つのCDRL2を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、本明細書の表1、3、6、及び7に開示されるVLドメインの1つのCDRL3を含む。
【0136】
ある特定の実施形態では、抗体のCDRは、Kabat et al.,J.Biol.Chem.252,6609-6616(1977)及びKabat et al.,Sequences of protein of immunological interest(1991)にしたがって決定することができ、その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0137】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、本明細書の表1、6、及び7に開示されるVHのKabat VH CDRを含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、本明細書の表1、6、及び7に開示されるVLのKabat VL CDRを含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、本明細書の表1、6、及び7に開示される抗体のKabat VH CDR及びKabat VL CDRを含む、単離抗体を提供する。
【0138】
ある特定の実施形態では、抗体のCDRは、免疫グロブリン構造ループの位置を指す、Chothiaの番号付けスキームにしたがって決定することができる(例えば、Chothia C & Lesk AM,(1987),J Mol Biol 196:901-917、Al-Lazikani B et al.,(1997)J Mol Biol 273:927-948、Chothia C et al.,(1992)J Mol Biol 227:799-817、Tramontano A et al.,(1990)J Mol Biol 215(1):175-82、及び米国特許第7,709,226号を参照されたい。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる)。典型的には、Kabatの番号付け慣例を使用する場合、ChothiaのCDRH1ループは、重鎖アミノ酸26~32、33、または34に存在し、ChothiaのCDRH2ループは、重鎖アミノ酸52~56に存在し、ChothiaのCDRH3ループは、重鎖アミノ酸95~102に存在するが、ChothiaのCDRL1ループは、軽鎖アミノ酸24~34に存在し、ChothiaのCDRL2ループは、軽鎖アミノ酸50~56に存在し、ChothiaのCDRL3ループは、軽鎖アミノ酸89~97に存在する。Kabatの番号付け慣例を使用して番号付けされた場合、ChothiaのCDRH1ループの末端は、ループの長さに応じてH32とH34との間で変化する(これは、Kabatの番号付けスキームがH35A及びH35Bに挿入を置くためである、35Aも35Bも存在しない場合、ループは32で終わる、35Aのみが存在する場合、ループは33で終わる、35Aと35Bの両方が存在する場合、ループは34で終わる)。
【0139】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、本明細書の表1、6、及び7に開示されるVHのChothiaのVH CDRを含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、本明細書の表1、6、及び7に開示されるVLのChothiaのVL CDRを含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、本明細書の表1、6、及び7に開示される抗体のChothiaのVH CDR及びChothiaのVL CDRを含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する抗体は、Chothia及びKabatのCDRが同じアミノ酸配列を有する、1つ以上のCDRを含む。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、KabatのCDRとChothiaのCDRとの組み合わせを含む、単離抗体を提供する。
【0140】
ある特定の実施形態では、抗体のCDRは、Lefranc M-P、(1999)The Immunologist 7:132-136及びLefranc M-P et al.,(1999)Nucleic Acids Res 27:209-212に記載のようなIMGT番号付けシステムにしたがって決定することができる。その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。IMGT番号付けスキームによれば、CDHR1は26~35位にあり、CDRH2は51~57位にあり、CDRH3は93~102位にあり、CDRL1は27~32位にあり、CDRL2は50~52位にあり、CDRL3は89~97位にある。
【0141】
特定の実施形態では、本開示は、例えば、Lefranc M-P(1999)(上掲)及びLefranc M-P et al.,(1999)(上掲)に記載のようなIMGT番号付けシステムにより決定される、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、本明細書の表1、6、及び7に開示される抗体のCDRを含む、抗体を提供する。
【0142】
ある特定の実施形態では、抗体のCDRは、KabatのCDRとChothiaの構造ループとの妥協であり、Oxford Molecular’s AbM抗体モデリングソフトウェア(Oxford Molecular Group,Inc.)により使用される、AbM超可変領域を指す、AbM番号付けスキームにしたがって決定することができる。特定の実施形態では、本開示は、AbM番号付けスキームにより決定される、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、本明細書の表1、6、及び7に開示される抗体のCDRを含む、抗体を提供する。
【0143】
ある特定の実施形態では、抗体のCDRは、参照により全体が本明細書に組み込まれるMacCallum RM et al.,(1996)J Mol Biol 262:732-745にしたがって決定することができる。例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるMartin A.“Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains,” in Antibody Engineering,Kontermann and Dubel,eds.,Chapter 31,pp.422-439,Springer-Verlag,Berlin(2001),も参照されたい。特定の実施形態では、本開示は、MacCallum RM et al.,(1996)(上掲)に記載のような、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、本明細書の表1、6、及び7に開示される抗体のCDRを含む、抗体を提供する。
【0144】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号1、3、5、7、9、11、13、14、15、17、19、20、22、24、27、29、31、33、35、36、38、39、42、45、46、48、51、53、54、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、または72に記載のVHドメインのCDRH1、CDRH2、及びCDRH3領域アミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号2、4、6、8、10、12、16、18、21、23、25、26、28、30、32、34、37、40、41、43、44、47、49、50、52、55、73、74、75、76、または77に記載のVLドメインのCDRL1、CDRL2、及びCDRL3領域アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含み、それぞれのCDRが、Kabatの定義、Chothiaの定義、Kabatの定義とChothiaの定義との組み合わせ、IMGT番号付けシステム、AbMの定義、またはCDRのMacCallumの定義にしたがって定義される、単離抗体を提供する。
【0145】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、
(a)CDRH1は、DXYXのアミノ酸配列(配列番号140)を含み、式中
は、TまたはNであり、
は、IまたはMであり、及び
は、H、Y、またはDであり、
(b)CDRH2は、XIDPANXPXQX10のアミノ酸配列(配列番号142)を含み、式中
は、E、R、S、またはKであり、
は、DまたはGであり、
は、NまたはHであり、
は、TまたはSであり、
は、KまたはHであり、
は、YまたはFであり、
は、DまたはAであり、
は、KまたはRであり、
は、FまたはLであり、及び
10は、GまたはDであり、
(c)CDRH3は、YXYXVGGXDYのアミノ酸配列(配列番号144)を含み、式中
は、Y、F、またはSであり、
は、YまたはDであり、
は、KまたはRであり、
は、DまたはEであり、及び
は、FまたはCであり、
(d)CDRL1は、SVSSXISSSXLXのアミノ酸配列(配列番号147)を含み、式中
は、SまたはGであり、
は、NまたはTであり、及び
は、HまたはYであり、
(e)CDRL2は、GTSNLASのアミノ酸配列(配列番号104)を含み、及び
(f)CDRL3は、QQWXYPXTのアミノ酸配列(配列番号149)を含み、式中
は、S、N、またはRであり、
は、S、T、またはRであり、及び
は、F、L、H、またはWである、単離抗体を提供する。
【0146】
ある特定の実施形態では、CDRH1は、DXYXのアミノ酸配列(配列番号141)を含み、式中:Xは、TまたはNであり、Xは、IまたはMであり、及びXは、HまたはYである。ある特定の実施形態では、CDRH2は、XIDPANXKXPXFQXのアミノ酸配列(配列番号143)を含み、式中:Xは、E、R、またはSであり、Xは、DまたはGであり、Xは、NまたはHであり、Xは、TまたはSであり、Xは、YまたはFであり、Xは、DまたはAであり、Xは、KまたはRであり、及びXは、GまたはDである。ある特定の実施形態では、CDRH3は、YXYDVGGXDYのアミノ酸配列(配列番号145)を含み、式中:Xは、Y、F、またはSであり、Xは、YまたはDであり、Xは、KまたはRであり、及びXは、FまたはCである。ある特定の実施形態では、CDRH3は、YYYXYXVGGFDYのアミノ酸配列(配列番号146)を含み、式中:Xは、KまたはRであり、及びXは、DまたはEである。ある特定の実施形態では、CDRL1は、SVSSSISSSNLXのアミノ酸配列(配列番号148)を含み、式中:Xは、HまたはYである。ある特定の実施形態では、CDRL3は、QQWXSYPXTのアミノ酸配列(配列番号150)を含み、式中:Xは、S、N、またはRであり、及びXは、F、L、またはHである。
【0147】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、
(a)CDRH1は、DTYIHのアミノ酸配列(配列番号79)を含み、
(b)CDRH2は、EIDPANDNTKYDPKFQGのアミノ酸配列(配列番号90)を含み、
(c)CDRH3は、YYYXYXVGGFDYのアミノ酸配列(配列番号146)を含み、式中:Xは、KまたはRであり、及びXは、DまたはEであり、
(d)CDRL1は、SVSSSISSSNLHのアミノ酸配列(配列番号100)を含み、
(e)CDRL2は、GTSNLASのアミノ酸配列(配列番号104)を含み、及び
(f)CDRL3は、QQWSSYPFTのアミノ酸配列(配列番号105)を含む、単離抗体を提供する。
【0148】
ある特定の実施形態では、CDRH1は、配列番号78~82からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、CDRH2は、配列番号83~93からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、CDRH3は、配列番号94~99からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、CDRL1は、配列番号100~103からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、CDRL3は、配列番号105~112からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0149】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、VHドメインは、配列番号78、83、及び94、78、85、及び95、78、86、及び96、78、86、及び97、78、91、及び94、78、92、及び96、79、84、及び95、79、88、及び95、79、89、及び95、79、90、及び95、79、90、及び98、79、90、及び99、80、85、及び96、81、87、及び96、または、82、93、及び95にそれぞれ記載のCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、VHドメインは、配列番号79、90、及び95にそれぞれ記載のCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、VHドメインは、配列番号79、90、及び98にそれぞれ記載のCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含む、単離抗体を提供する。
【0150】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、VLドメインは、配列番号100、104、及び105、100、104、及び106、100、104、及び107、100、104、及び109、100、104、及び110、101、104、及び108、102、104、及び105、102、104、及び112、または、103、104、及び111にそれぞれ記載のCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、VLドメインは、配列番号100、104、及び105にそれぞれ記載のCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む、単離抗体を提供する。
【0151】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3領域を含む重鎖可変領域、及びCDRL1、CDRL2、及びCDRL3領域を含む軽鎖可変領域を含み、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3領域は、配列番号78、83、94、100、104、及び105、78、85、95、100、104、及び105、78、86、96、100、104、及び105、78、86、96、100、104、及び109、78、86、96、100、104、及び110、78、86、96、101、104、及び108、78、86、96、103、104、及び111、78、86、97、102、104、及び112、78、91、94、100、104、及び107、78、92、96、100、104、及び105、78、92、96、100、104、及び109、79、84、95、100、104、及び105、79、84、95、100、104、及び106、79、84、95、102、104、及び105、79、88、95、100、104、及び105、79、89、95、100、104、及び105、79、90、95、100、104、及び105、79、90、98、100、104、及び105、79、90、99、100、104、及び105、80、85、96、100、104、及び105、81、87、96、100、104、及び105、81、87、96、100、104、及び107、または、82、93、95、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3領域を含む重鎖可変領域、及びCDRL1、CDRL2、及びCDRL3領域を含む軽鎖可変領域を含み、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3領域は、配列番号79、90、95、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3領域を含む重鎖可変領域、及びCDRL1、CDRL2、及びCDRL3領域を含む軽鎖可変領域を含み、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3領域は、配列番号79、90、98、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、単離抗体を提供する。
【0152】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、表1、2、6、及び7における抗体のVH CDRの1つ、2つ、または3つ全てを含む重鎖可変領域(VH)を含む、単離抗体を提供する。いくつかの実施形態では、抗体は、本明細書に記載のVHフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ全てを含む。特定の実施形態では、抗体は、表4に記載のVHフレームワーク領域(FR)の1つ、2つ、3つ、または4つ全て(例えば、表4における1列のフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ)を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号151または222の重鎖可変領域配列のフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ全てを含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号218または223の重鎖可変領域配列のフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ全てを含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号56~72、及び220からなる群から選択される重鎖可変領域配列のフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つに少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または100%(例えば、少なくとも86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%)同一である重鎖可変領域配列のフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つを含む。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒト遺伝子によってコードされるアミノ酸配列であるかまたは由来である重鎖可変フレームワーク領域を含み、アミノ酸配列は、IGHV1-46(例えば、IGHV1-46*01、例えば、配列番号153のアミノ酸配列を有する)、IGHV1-69-2(例えば、IGHV1-69-2*01、例えば、配列番号154のアミノ酸配列を有する)、IGHV1-3(例えば、IGHV1-3*01、例えば、配列番号155のアミノ酸配列を有する)、IGHV1-24(例えば、IGHV1-24*01、例えば、配列番号156のアミノ酸配列を有する)、IGHV1-2(例えば、IGHV1-2*01、例えば、配列番号157のアミノ酸配列を有する)、IGHV1-45(例えば、IGHV1-45*01、例えば、配列番号158のアミノ酸配列を有する)、及びIGHV1-18(例えば、IGHV1-18*01、例えば、配列番号159のアミノ酸配列を有する)からなる群から選択される。特定の実施形態では、前記アミノ酸配列由来である重鎖可変フレームワーク領域は、前記アミノ酸配列からなるが、最大で20のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入、好ましくは、最大で20のアミノ酸置換が存在する。特定の実施形態では、前記アミノ酸配列由来である重鎖可変フレームワーク領域は、前記アミノ酸配列からなり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20のアミノ酸残基は、対応する非ヒト重鎖可変フレームワーク領域中の類似位置に見られるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号153のアミノ酸配列由来である重鎖可変フレームワーク領域を含み、配列番号153のアミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸は、対応する非ヒト重鎖可変フレームワーク領域中の類似位置におけるアミノ酸で置換される。特定の実施形態では、アミノ酸置換は、4、5、12、23、27、28、29、30、48、69、71、75、76、80、81、及び94からなる群から選択されるアミノ酸位置であり、アミノ酸位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。特定の実施形態では、アミノ酸置換は、4M、5K、12V、23T、27F、28N、29I、30K、48I、69I、71A、75S、76N、80L、81Q、及び94Tからなる群から選択され、アミノ酸置換の位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。別の特定の実施形態では、アミノ酸置換は、4、27、28、29、30、69、71、及び94からなる群から選択されるアミノ酸位置であり、アミノ酸位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。特定の実施形態では、アミノ酸置換は、4M、27F、28N、29I、30K、69I、71A、及び94Tからなる群から選択され、アミノ酸置換の位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。
【0153】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、表1、3、6、及び7における抗体のVL CDRの1つ、2つ、または3つ全てを含む軽鎖可変領域(VH)を含む、単離抗体を提供する。いくつかの実施形態では、抗体は、本明細書に記載のVLフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ全てを含む。特定の実施形態では、抗体は、表5に記載のVLフレームワーク領域(FR)の1つ、2つ、3つ、または4つ全て(例えば、表5における1列のフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ)を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号152または224の軽鎖可変領域配列のフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ全てを含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号73~77からなる群から選択される軽鎖可変領域配列のフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つに少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または100%(例えば、少なくとも86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%)同一である軽鎖可変領域配列のフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つを含む。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒト遺伝子によってコードされるアミノ酸配列であるかまたは由来である軽鎖可変フレームワーク領域を含み、アミノ酸配列は、IGKV3-20(例えば、IGKV3-20*01、例えば、配列番号160のアミノ酸配列を有する)、IGKV3D-15(例えば、IGKV3D-15*01、例えば、配列番号161のアミノ酸配列を有する)、IGKV3-15(例えば、IGKV3-15*01、例えば、配列番号161のアミノ酸配列を有する)、IGKV3D-20(例えば、IGKV3D-20*01、例えば、配列番号162のアミノ酸配列を有する)、IGKV3D-7(例えば、IGKV3D-7*01、例えば、配列番号163のアミノ酸配列を有する)、IGKV1-9(例えば、IGKV1-9*01、例えば、配列番号164のアミノ酸配列を有する)、及びIGKV3-11(例えば、IGKV3-11*01、例えば、配列番号165のアミノ酸配列を有する)からなる群から選択される。特定の実施形態では、前記アミノ酸配列由来である軽鎖可変フレームワーク領域は、前記アミノ酸配列からなるが、最大で20のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入、好ましくは、最大で20のアミノ酸置換が存在する。特定の実施形態では、前記アミノ酸配列由来である軽鎖可変フレームワーク領域は、前記アミノ酸配列からなり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20のアミノ酸残基は、対応する非ヒト軽鎖可変フレームワーク領域中の類似位置に見られるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号160のアミノ酸配列由来である軽鎖可変フレームワーク領域を含み、配列番号160のアミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸は、対応する非ヒト軽鎖可変フレームワーク領域中の類似位置におけるアミノ酸で置換される。特定の実施形態では、アミノ酸置換は、3、22、36、43、47、58、70、及び71からなる群から選択されるアミノ酸位置であり、アミノ酸位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。特定の実施形態では、アミノ酸置換は、3L、22T、36F、43S、47W、58V、70S、及び71Yからなる群から選択され、アミノ酸置換の位置は、Kabatの番号付けシステムにしたがって示される。
【0154】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、表1、2、6、及び7における抗体のVH CDRの1つ、2つ、または3つ全て(例えば、表2の1列におけるVH CDR)を含む重鎖可変領域(VH)、及び表1、3、6、及び7における抗体のVL CDRの1つ、2つ、または3つ全て(例えば、表3の1列におけるVL CDR)を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、単離抗体を提供する。いくつかの実施形態では、抗体は、本明細書に記載のVHフレームワーク領域及びVLフレームワーク領域を含む。特定の実施形態では、抗体は、表4に記載のVHフレームワーク領域(FR)の1つ、2つ、3つ、または4つ全て(例えば、表4における1列のフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ)、及び表5に記載のVLフレームワーク領域(FR)の1つ、2つ、3つ、または4つ全て(例えば、表5における1列のフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ)を含む。
【0155】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、VHドメインは、配列番号79、90、及び95、または79、90、及び98にそれぞれ記載のCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒトまたは霊長類抗体のVH由来のVHフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ全てを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、表4に記載の抗体のVHフレームワーク領域を含む。
【0156】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号100、104、及び105にそれぞれ記載のCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLドメインを含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒトまたは霊長類抗体のVL由来のVLフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ全てを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、表5に記載の抗体のVLフレームワーク領域を含む。
【0157】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3領域を含む重鎖可変領域、及びCDRL1、CDRL2、及びCDRL3領域を含む軽鎖可変領域を含み、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3領域は、配列番号79、90、95、100、104、及び105、または79、90、98、100、104及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒトまたは霊長類抗体のVH由来のVHフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ全て、及びヒトまたは霊長類抗体のVL由来のVLフレームワーク領域の1つ、2つ、3つ、または4つ全てを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、表4及び表5に記載の抗体のVHフレームワーク領域及びVLフレームワーク領域を含む。
【0158】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号151または222のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号218または223のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、220、66、67、68、69、70、71、または72に記載のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または100%(例えば、少なくとも86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、220、66、67、68、69、70、71、または72に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、必要に応じて、重鎖の1位のアミノ酸残基可変領域は、ピログルタミン酸に変換されている。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号65に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号220に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、配列番号220中のXは、Qである。ある特定の実施形態では、配列番号220中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号168に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、225、169、226、170、227、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、または186、必要に応じて、重鎖の1位のアミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号168に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号225に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を含む。ある特定の実施形態では、配列番号225中のXは、Qである。ある特定の実施形態では、配列番号225中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号169に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号226に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を含む。ある特定の実施形態では、配列番号226中のXは、Qである。ある特定の実施形態では、配列番号226中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号170に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号227に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を含む。ある特定の実施形態では、配列番号227中のXは、Qである。ある特定の実施形態では、配列番号227中のXは、ピログルタミン酸である。
【0159】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号152または224のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号73、74、75、76、または77に記載のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または100%(例えば、少なくとも86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号73、74、75、76、または77に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、軽鎖の1位のアミノ酸残基可変領域は、ピログルタミン酸に変換されている。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号73に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号221に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、配列番号221中のXは、Eである。ある特定の実施形態では、配列番号221中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号187、188、189、190、または191に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含み、必要に応じて、軽鎖の1位のアミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号187に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号228に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、配列番号228中のXは、Eである。ある特定の実施形態では、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。
【0160】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号151または222のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号152または224のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号218または223のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号152または224のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、220、66、67、68、69、70、71、または72に記載のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または100%(例えば、少なくとも86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号73、221、74、75、76、または77に記載のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または100%(例えば、少なくとも86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、220、66、67、68、69、70、71、または72に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号73、221、74、75、76、または77に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号56及び73、56及び74、56及び75、56及び76、56及び77、57及び73、57及び74、57及び75、57及び76、57及び77、58及び73、58及び74、58及び75、58及び76、58及び77、59及び73、59及び74、59及び75、59及び76、59及び77、60及び73、60及び74、60及び75、60及び76、60及び77、61及び77、62及び77、63及び73、64及び73、65及び73、220及び73、65及び221、220、及び221、66及び73、67及び73、68及び73、69及び73、70及び73、71及び73、または72及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号56及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号220及び221にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、配列番号220中のXは、Qである。ある特定の実施形態では、配列番号220中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、配列番号221中のXは、Eである。ある特定の実施形態では、配列番号221中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、配列番号220中のXは、Qであり、配列番号221中のXは、Eである。ある特定の実施形態では、配列番号220中のXは、Qであり、配列番号221中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、配列番号220中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号221中のXは、Eである。ある特定の実施形態では、配列番号220中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号221中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号56及び74にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号56及び75にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号56及び76にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号56及び77にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号57及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号57及び74にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号57及び75にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号57及び76にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号57及び77にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号58及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号58及び74にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号58及び75にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号58及び76にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号58及び77にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号59及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号59及び74にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号59及び75にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号59及び76にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号59及び77にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号60及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号60及び74にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号60及び75にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号60及び76にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号60及び77にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号61及び77にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号62及び77にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号63及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号64及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号65及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号66及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号67及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号68及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号69及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号70及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号71及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号72及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、重鎖の1位のアミノ酸残基可変領域は、ピログルタミン酸に変換されている。ある特定の実施形態では、軽鎖の1位のアミノ酸残基可変領域は、ピログルタミン酸に変換されている。ある特定の実施形態では、重鎖の1位のアミノ酸残基可変領域は、ピログルタミン酸に変換されており、軽鎖の1位のアミノ酸残基可変領域は、ピログルタミン酸に変換されている。
【0161】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に結合するために、配列番号1及び2、3及び4、5及び6、7及び8、9及び10、11及び12、13及び10、14及び10、15及び16、17及び18、19及び8、20及び21、22及び23、24及び10、9及び25、9及び26、20及び2、27及び28、29及び30、31及び32、33及び34、35及び10、36及び37、38及び21、39及び40、9及び2、9及び41、42及び43、9及び44、45及び32、46及び47、48及び10、20及び49、33及び50、51及び52、53及び8、38及び2、または54及び55にそれぞれ記載のアミノ酸配列の重鎖及び軽鎖可変領域を含む抗体と交差競合する、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に結合するために、配列番号56及び73、56及び74、56及び75、56及び76、56及び77、57及び73、57及び74、57及び75、57及び76、57及び77、58及び73、58及び74、58及び75、58及び76、58及び77、59及び73、59及び74、59及び75、59及び76、59及び77、60及び73、60及び74、60及び75、60及び76、60及び77、61及び77、62及び77、63及び73、64及び73、65及び73、220及び73、65及び221、220及び221、66及び73、67及び73、68及び73、69及び73、70及び73、71及び73、または72及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列の重鎖及び軽鎖可変領域を含む抗体と交差競合する、単離抗体を提供する。
【0162】
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の抗体、例えば、配列番号1及び2、3及び4、5及び6、7及び8、9及び10、11及び12、13及び10、14及び10、15及び16、17及び18、19及び8、20及び21、22及び23、24及び10、9及び25、9及び26、20及び2、27及び28、29及び30、31及び32、33及び34、35及び10、36及び37、38及び21、39及び40、9及び2、9及び41、42及び43、9及び44、45及び32、46及び47、48及び10、20及び49、33及び50、51及び52、53及び8、38及び2、または54及び55にそれぞれ記載のアミノ酸配列の重鎖及び軽鎖可変領域を含む抗体と同じかまたは重複するLAG-3のエピトープ(例えば、ヒトLAG-3のエピトープ)に結合する、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の抗体、例えば、配列番号56及び73、56及び74、56及び75、56及び76、56及び77、57及び73、57及び74、57及び75、57及び76、57及び77、58及び73、58及び74、58及び75、58及び76、58及び77、59及び73、59及び74、59及び75、59及び76、59及び77、60及び73、60及び74、60及び75、60及び76、60及び77、61及び77、62及び77、63及び73、64及び73、65及び73、220及び73、65及び221、220及び221、66及び73、67及び73、68及び73、69及び73、70及び73、71及び73、または72及び73にそれぞれ記載のアミノ酸配列の重鎖及び軽鎖可変領域を含む抗体と同じかまたは重複するLAG-3のエピトープ(例えば、ヒトLAG-3のエピトープ)に結合する、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体のエピトープは、例えば、NMR分光法、表面プラズモン共鳴(BIAcore(登録商標))X線回折結晶学研究、ELISAアッセイ、質量分析を伴う水素/重水素交換(例えば、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析法)、アレイベースのオリゴペプチド走査アッセイ、及び/または突然変異誘発マッピング(例えば、部位特異的突然変異誘発マッピング)によって決定され得る。X線結晶学に関して、結晶化は、当該技術分野において既知の方法のいずれかを使用して達成され得る(例えば、Giege R et al.,(1994)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 50(Pt 4):339-350、McPherson A(1990)Eur J Biochem 189:1-23、Chayen NE(1997)Structure 5:1269-1274、McPherson A(1976)J Biol Chem 251:6300-6303、これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる)。抗体:抗原結晶は、周知のX線回折技術を使用して研究されてもよく、X-PLOR(Yale University,1992,Molecular Simulations,Inc.によって流通されている。例えば、Meth Enzymol(1985)volumes 114&115,eds Wyckoff HW et al.,米国特許出願第2004/0014194号を参照されたい)、及びBUSTER(Bricogne G(1993)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 49(Pt 1):37-60、Bricogne G(1997)Meth Enzymol 276A:361-423,ed Carter CW、Roversi P et al.,(2000)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 56(Pt 10):1316-1323、これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる)などのコンピュータソフトウェアを使用して精製されてもよい。突然変異誘発マッピング研究は、当業者に既知の任意の方法を使用して達成することができる。例えば、アラニン走査変異誘発技術を含む、突然変異誘発技術の記載に関して、Champe M et al.,(1995)(上掲)、及びCunningham BC&Wells JA(1989)(上掲)を参照されたい。特定の実施形態では、抗体のエピトープは、アラニン走査変異誘発研究を用いて決定される。さらに、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)の同じまたは重複するエピトープを認識し、かつそれに結合する抗体は、免疫学的検定などの常用技術を使用して、例えば、1つの抗体が別の抗体の標的抗原への結合を遮断する能力を示すこと、すなわち、競合結合アッセイによって、識別され得る。競合結合アッセイはまた、2つの抗体がエピトープに対して同様の結合特異性を有するかどうかを決定するために使用され得る。競合結合は、試験下の免疫グロブリンが、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)などの共通の抗原への参照抗体の特異的結合を阻害するアッセイにおいて決定され得る。多くの種類の競合結合アッセイ、例えば、固相直接または間接ラジオイムノアッセイ(RIA)、固相直接または間接酵素イムノアッセイ(EIA)、サンドイッチ競合アッセイ(Stahli C et al.,(1983)Methods Enzymol 9:242-253を参照されたい)、固相直接ビオチン-アビジンEIA(Kirkland TN et al.,(1986)J Immunol 137:3614-9を参照されたい)、固相直接標識化アッセイ、固相直接標識化サンドイッチアッセイ(Harlow E&Lane D,(1988)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Pressを参照されたい)、I-125標識を使用した固相直接標識RIA(Morel GA et al.,(1988)Mol Immunol 25(1):7-15を参照されたい)、固相直接ビオチン-アビジンEIA(Cheung RC et al.,(1990)Virology 176:546-52)、及び直接標識化RIA(Moldenhauer G et al.,(1990)Scand J Immunol 32:77-82)が既知であり、これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。典型的には、そのようなアッセイは、これらの非標識化試験免疫グロブリン及び標識化参照免疫グロブリンのうちのいずれかを有する固体表面または細胞に結合した精製抗原(例えば、ヒトLAG-3などのLAG-3)の使用を伴う。競合阻害は、試験免疫グロブリンの存在下で固体表面または細胞に結合した標識の量を決定することによって測定され得る。通常、試験免疫グロブリンは、過剰に存在する。通常、競合している抗体が過剰に存在するとき、それは、共通の抗原への参照抗体の特異的結合を少なくとも50~55%、55~60%、60~65%、65~70%、70~75%、またはそれ以上阻害する。競合結合アッセイは、標識化抗原または標識抗体のいずれかを使用して、多数の異なる形式で構成され得る。このアッセイの共通のバージョンにおいて、抗原は、96ウェルプレート上で固定化される。次いで、抗原への標識抗体の結合を遮断する非標識抗体の能力は、放射能または酵素標識を使用して測定される。さらなる詳細に関しては、例えば、Wagener C et al.,(1983)J Immunol 130:2308-2315、Wagener C et al.,(1984)J Immunol Methods 68:269-274、Kuroki M et al.,(1990)Cancer Res 50:4872-4879、Kuroki M et al.,(1992)Immunol Invest 21:523-538、Kuroki M et al.,(1992)Hybridoma 11:391-407、及びAntibodies:A Laboratory Manual,Ed Harlow E&Lane D editors(上掲),pp.386-389を参照されたい、これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0163】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号168、225、169、226、170、227、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、または186に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、必要に応じて、重鎖の1位のアミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号168に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号225に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、配列番号225中のXは、Qである。ある特定の実施形態では、配列番号225中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号169に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号226に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、配列番号226中のXは、Qである。ある特定の実施形態では、配列番号226中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号170に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号227に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、配列番号227中のXは、Qである。ある特定の実施形態では、配列番号227中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号171に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号172に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号173に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号174に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号175に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号176に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号177に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号178に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号179に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号180に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号181に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号182に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号183に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号184に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号185に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号186に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、重鎖の1位のアミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている。
【0164】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号187、228、188、189、190、または191に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、必要に応じて、軽鎖の1位のアミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号187に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号228に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、配列番号228中のXは、Eである。ある特定の実施形態では、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号188に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号189に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号190に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号191に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖の1位のアミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている。
【0165】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号168のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号225のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号228アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、配列番号225中のXは、Qであり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、配列番号225中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、Eである。ある特定の実施形態では、配列番号225中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。
【0166】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号169のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号226のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号228アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、配列番号226中のXは、Qであり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、配列番号226中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、Eである。ある特定の実施形態では、配列番号226中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。
【0167】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号170のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号227のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号228アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、配列番号227中のXは、Qであり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。ある特定の実施形態では、配列番号227中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、Eである。ある特定の実施形態では、配列番号227中のXは、ピログルタミン酸であり、配列番号228中のXは、ピログルタミン酸である。
【0168】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号171のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号172のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号173のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号174のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号175のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号176のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号177のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号178のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号179のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号180のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号181のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号182のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号183のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号184のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号185のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号186のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号187アミノ酸配列を含む軽鎖を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、重鎖の1位のアミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている。ある特定の実施形態では、軽鎖の1位のアミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている。ある特定の実施形態では、重鎖の1位のアミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されており、軽鎖の1位のアミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている。
【0169】
任意のIg定常領域は、本明細書に開示される抗体で使用され得る。ある特定の実施形態では、Ig領域は、ヒトIgG、IgE、IgM、IgD、IgA、またはIgY免疫グロブリン分子、免疫グロブリン分子のいずれかのクラス(例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、及びIgA)、またはいずれかのサブクラス(例えば、IgG2a、及びIgG2b)である。
【0170】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号192、193、194、195、196、197、208、または209のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号194のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号195のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号198のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号219のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、単離抗体を提供する。
【0171】
ある特定の実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上の突然変異(例えば、アミノ酸置換)は、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされた、本明細書に記載の抗体のFc領域(例えば、CH2ドメイン(ヒトIgGの残基231~340)及び/またはCH3ドメイン(ヒトIgGの残基341~447)及び/またはヒンジ領域に導入されて、抗体の1つ以上の機能特性、例えば、血清中半減期、補体結合、Fc受容体結合、及び/または抗原依存的な細胞傷害性を変える。
【0172】
ある特定の実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上の突然変異(例えば、アミノ酸置換)は、Fc領域のヒンジ領域(CH1ドメイン)に導入され、その結果、例えば、米国特許第5,677,425号に記載されているようにヒンジ領域中のシステイン残基の数が変えられる(例えば、増大または減少する)。CH1ドメインのヒンジ領域中のシステイン残基の数は、例えば、軽鎖及び重鎖のアセンブリを容易化または抗体の安定性を変える(例えば、増大または減少させる)ように変えられ得る。
【0173】
特定の実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上のアミノ酸突然変異(すなわち、置換、挿入、または欠失)は、IgG定常ドメインまたはそのFcRn結合断片(好ましくは、Fcまたはヒンジ-Fcドメイン断片)に導入されて、インビボの抗体の半減期を変える(例えば、減少または増大させる)。インビボの抗体の半減期を変える(例えば、減少または増大させる)であろう突然変異の例については、例えば、国際公開第WO02/060919号、同第WO98/23289号、及び同第WO97/34631号、ならびに米国特許第5,869,046号、同第6,121,022号、同第6,277,375号、及び同第6,165,745号を参照されたい。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上のアミノ酸突然変異(すなわち、置換、挿入、または欠失)は、IgG定常ドメインまたはそのFcRn結合断片(好ましくは、Fcもしくはヒンジ-Fcドメイン断片)に導入されて、インビボの抗体の半減期を減少させる。他の実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上のアミノ酸突然変異(例えば、置換、挿入、または欠失)は、IgG定常ドメインまたはそのFcRn結合断片(好ましくは、Fcもしくはヒンジ-Fcドメイン断片)に導入されて、インビボの抗体の半減期を増大させる。特定の実施形態では、抗体は、1つ以上のアミノ酸突然変異(例えば、置換)を第2の定常(CH2)ドメイン(ヒトIgGの残基231~340)及び/または第3の定常(CH3)ドメイン(ヒトIgGの残基341~447)に有し得、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされた。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体のIgGの定常領域は、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされた位置252のメチオニン(M)からチロシン(Y)への置換、位置254のセリン(S)からトレオニン(T)への置換、及び位置256のトレオニン(T)からグルタミン酸(E)への置換を含む。その全体を参照によって本明細書に組み込む米国特許第7,658,921号を参照されたい。変異体IgGのこの型は、「YTE変異体」と言われ、同じ抗体の野生型バージョンと比較して4倍増大した半減期を表示することが示されている(参照により全体が本明細書に組み込まれるDall’Acqua W F et al.,(2006)J Biol Chem 281:23514-24を参照されたい)。ある特定の実施形態では、抗体は、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされた位置251~257、285~290、308~314、385~389、及び428~436のアミノ酸残基に1つ、2つ、3つ、またはより多くのアミノ酸置換を含む、IgG定常ドメインを含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上の突然変異(例えば、アミノ酸置換)は、本明細書に記載の抗体のFc領域(例えば、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされた、CH2ドメイン(ヒトIgGの残基231~340)、及び/またはCH3ドメイン(ヒトIgGの残基341~447)、及び/またはヒンジ領域)に導入されて、エフェクター細胞上のFc受容体(例えば、活性化Fc受容体)に対する抗体の親和性を増加または減少させる。Fc受容体に対する抗体の親和性を減少または増加させる抗体のFc領域における突然変異、及びFc受容体またはその断片にそのような突然変異を導入するための技術は、当業者に既知である。Fc受容体に対する抗体の親和性を変化させるために行われ得る、抗体のFc受容体における突然変異の例は、例えば、Smith P et al.,(2012)PNAS 109:6181-6186、米国特許第6,737,056号、ならびに国際公開第WO02/060919号、同第WO98/23289号、及び同第WO97/34631号に記載され、これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0175】
さらなる実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上のアミノ酸置換は、IgG定常ドメインFc領域に導入されて、抗体のエフェクター機能(複数可)を変える。例えば、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされたアミノ酸残基234、235、236、237、297、318、320、及び322から選択される1つ以上のアミノ酸は、異なるアミノ酸残基によって置き換えられ得、その結果、抗体は、エフェクターリガンドに対する変わった親和性を有するが、親抗体の抗原結合能力を保持する。それに対する親和性が変えられるエフェクターリガンドは、例えば、Fc受容体または補体のC1成分であり得る。このアプローチは、米国特許第5,624,821号及び同第5,648,260号にさらに詳細に記載されており、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、定常領域ドメインの欠失または不活性化(点突然変異または他の手段による)は、循環する抗体のFc受容体結合を低減し、それによって腫瘍局在を増大させ得る。定常ドメインを欠失させるかまたは不活性化し、それによって腫瘍局在化を増大させる突然変異の記載は、例えば、米国特許第5,585,097号及び同第8,591,886号を参照されたい。その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、本明細書に記載の抗体のFc領域に導入されて、Fc領域上の潜在的なグリコシル化部位を除去し得、これがFc受容体結合を低減し得る(例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるShields R L et al.,(2001)J Biol Chem 276:6591-604を参照されたい)。種々の実施形態では、本明細書に記載の抗体の定常領域中の次の突然変異の1つ以上が作られ得る:EU番号付けシステムにしたがって番号付けされたN297A置換、N297Q置換、L235A置換、及びL237A置換、L234A置換及びL235A置換、E233P置換、L234V置換、L235A置換、C236欠失、P238A置換、D265A置換、A327Q置換、またはP329A置換。ある特定の実施形態では、D265A、P329A、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される突然変異は、本明細書に記載の抗体の定常領域で作られ得る。
【0176】
特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされたN297QまたはN297Aアミノ酸置換を有するIgGの定常ドメインを含む。一実施形態では、本明細書に記載の抗体は、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされたD265A、P329A、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される突然変異を有するIgGの定常ドメインを含む。別の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされたL234A、L235A、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される突然変異を有するIgGの定常ドメインを含む。ある特定の実施形態では、EUインデックス番号付けにしたがって番号付けされるヒトIgG重鎖中の位置L234、L235、及びD265に対応する位置における本明細書に記載の抗体の定常領域中のアミノ酸残基は、それぞれ、L、L、及びDではない。このアプローチは、参照により全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO14/108483号に詳細に記載されている。特定の実施形態では、ヒトIgG重鎖中の位置L234、L235、及びD265に対応するアミノ酸は、それぞれ、F、E、及びA、またはA、A、及びAである。
【0177】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体の定常領域中のEU番号付けシステムにしたがって番号付けされたアミノ酸残基329、331、及び322から選択される1つ以上のアミノ酸は、異なるアミノ酸残基によって置き換えられ得、その結果、抗体が変わったC1q結合及び/または低減されたかもしくは失われた補体依存的な細胞傷害性(CDC)を有する。このアプローチは、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,194,551号(Idusogie et al)にさらに詳細に記載されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体のCH2ドメインのN末端領域のアミノ酸位置231から238の1つ以上のアミノ酸残基が変えられて、それによって抗体が補体に結合する能力を変える。このアプローチは、参照により全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO94/29351号にさらに記載されている。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体のFc領域は、次の位置において1つ以上のアミノ酸を変異させること(例えば、アミノ酸置換を導入すること)によって改変されて、抗体が抗体依存的な細胞傷害性(ADCC)を媒介する能力を増大させ、及び/またはFcγ受容体に対する抗体の親和性を増大させる:EU番号付けシステムにしたがって番号付けされた238、239、248、249、252、254、255、256、258、265、267、268、269、270、272、276、278、280、283、285、286、289、290、292、293、294、295、296、298、301、303、305、307、309、312、315、320、322、324、326、327、328、329、330、331、333、334、335、337、338、340、360、373、376、378、382、388、389、398、414、416、419、430、434、435、437、438、または439。このアプローチは、参照により全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO00/42072号にさらに記載されている。
【0178】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、IgG抗体の定常領域を含み、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされた重鎖のアミノ酸残基228のセリンがプロリンに置換される。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号196のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域を含む、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体であって、配列番号197のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域を含む、単離抗体を提供する。
【0179】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の定常領域突然変異または修飾のいずれかを、2つの重鎖定常領域を有する本明細書に記載の抗体の重鎖定常領域の1つまたは両方に導入することができる。
【0180】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、アンタゴニストとして機能する、単離抗体を提供する。
【0181】
ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、任意の抗体なしかまたは無関係な抗体(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合しない抗体)によるLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)活性と比べて、本明細書に記載の方法及び/または当業者に公知の方法によって評価されるように、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)活性を少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%減少させる、単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、任意の抗体なしかまたは無関係な抗体(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合しない抗体)によるLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)活性と比べて、本明細書に記載の方法及び/または当業者に公知の方法によって評価されるように、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)活性を少なくとも約1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍減少させる、単離抗体を提供する。LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)活性の非限定例は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)シグナリング、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)リガンド(例えば、MHCクラスII)へのLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)結合、及びサイトカイン産生の阻害(例えば、IL-2、及び/またはTNF-α)を含み得る。ある特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)活性を不活性化、低下、または阻害する、単離抗体を提供する。特定の実施形態では、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)活性の減少は、以下の実施例に記載されるように評価する。
【0182】
特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、任意の抗体なしかまたは無関係な抗体(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合しない抗体)によるそのリガンド(例えば、MHCクラスII)へのLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)結合と比べて、本明細書に記載の方法(以下の実施例を参照されたい)または当業者に公知の方法によって評価されるように、そのリガンド(例えば、MHCクラスII)へのLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)結合を少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%減少させる、単離抗体を提供する。特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、任意の抗体なしかまたは無関係な抗体(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合しない抗体)によるそのリガンド(例えば、MHCクラスII)へのLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)結合と比べて、本明細書に記載の方法(以下の実施例を参照されたい)または当業者に公知の方法によって評価されるように、そのリガンド(例えば、MHCクラスII)へのLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)結合を少なくとも約1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍減少させる、単離抗体を提供する。
【0183】
特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、任意の抗体なしかまたは無関係な抗体(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合しない抗体)によるサイトカイン産生と比べて、本明細書に記載の方法(以下の実施例を参照されたい)または当業者に公知の方法によって評価されるように、サイトカイン産生(例えば、IL-2、及び/またはTNF-α)を少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%増加させる、単離抗体を提供する。特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、任意の抗体なしかまたは無関係な抗体(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合しない抗体)によるサイトカイン産生と比べて、本明細書に記載の方法(以下の実施例を参照されたい)または当業者に公知の方法によって評価されるように、サイトカイン産生(例えば、IL-2、及び/またはTNF-α)を少なくとも約1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍増加させる、単離抗体を提供する。
【0184】
特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、単独または抗PD-1抗体(例えば、ペムブロリズマブ、またはニボルマブ)、抗PD-L1抗体(例えば、アベルマブ、デュルバルマブ、またはアテゾリズマブ)、または抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ)との組み合わせのいずれかで、任意の抗体なしかまたは無関係な抗体(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合しない抗体)によるIL-2産生と比べて、本明細書に記載の方法(以下の実施例を参照されたい)または当業者に公知の方法によって評価されるように、StaphylococcusエンテロトキシンA(SEA)刺激に応答したヒト末梢血単核細胞(PBMC)中のIL-2産生を少なくとも約1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍増加させる、単離抗体を提供する。
【0185】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体の存在下で、StaphylococcusエンテロトキシンA(SEA)で刺激されたヒト末梢血単核細胞(PBMC)は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、本明細書に記載の方法(以下の実施例を参照されたい)または当業者に公知の方法によって評価されるように、任意の抗体なしかまたは無関係な抗体(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合しない抗体)によるSEAで刺激されたPBMCのみと比べて、IL-2産生を少なくとも約1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍増加させた。
【0186】
特定の実施形態では、本開示は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、単独または抗PD-1抗体(例えば、ペムブロリズマブ、またはニボルマブ)との組み合わせのいずれかで、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する抗体なしのTNFα産生と比べて、本明細書に記載の方法(以下の実施例を参照されたい)または当業者に公知の方法によって評価されるように、抗CD3抗体及び抗CD28抗体刺激に応答した腫瘍浸潤リンパ球(TIL)中のTNFα産生を少なくとも約1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍増加させる、単離抗体を提供する。一実施形態では、TILは、腎細胞癌腫瘍由来である。別の実施形態では、TILは、大腸癌腫瘍由来である。
【0187】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体の存在下で、抗CD3及び抗CD28抗体で刺激された腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合し、本明細書に記載の方法(以下の実施例を参照されたい)または当業者に公知の方法によって評価されるように、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する抗体なしで抗CD3及び抗CD28抗体で刺激されたTILのみと比べて、TNFα産生を少なくとも約1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍増加させた。一実施形態では、TILは、腎細胞癌腫瘍由来である。別の実施形態では、TILは、大腸癌腫瘍由来である。
【0188】
6.3 医薬組成物
医薬的に許容可能な担体、賦形剤、または安定剤中で所望の純度を有する本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体を含む組成物(例えば、医薬組成物)が本明細書で提供される(Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)Mack Publishing Co.,Easton,PA)。許容可能な担体、賦形剤、または安定剤は、用いられる投与量及び濃度において受容者に対して非毒性であり、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸などの緩衝液、アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤、保存剤(オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチル、もしくはベンジルアルコール、メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、及びm-クレゾールなど)、低分子量(約10個未満の残基)ポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリシンなどのアミノ酸、モノサッカライド、ジサッカライド、及びグルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む他の炭水化物、EDTAなどのキレート剤、スクロース、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトールなどの糖類、ナトリウムなどの塩形成対イオン、金属複合体(例えば、Zn-タンパク質複合体)、及び/またはTWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)、もしくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン界面活性剤などの緩衝液が挙げられる。
【0189】
ある特定の実施形態では、組成物は、本明細書に開示される1つ以上の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体を含み、抗体の一部では、重鎖及び/または軽鎖のN末端アミノ酸残基(複数可)は、(例えば、N末端EまたはQ残基の遊離アミノ基の翻訳後の環化の結果として)ピログルタミン酸に変換されている。ある特定の実施形態では、組成物中の重鎖の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%)のN末端アミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている。ある特定の実施形態では、組成物中の軽鎖の50%未満(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、または40%未満)のN末端アミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている。ある特定の実施形態では、組成物中の重鎖の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%)のN末端アミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されており、組成物中の軽鎖の50%未満(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、または40%未満)のN末端アミノ酸残基は、ピログルタミン酸に変換されている。
【0190】
特定の実施形態では、医薬組成物は、医薬的に許容可能な担体中に、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体、及び必要に応じて、1つ以上の追加の予防または治療剤を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、医薬的に許容可能な担体中に、有効量の本明細書に記載の抗体、及び必要に応じて、1つ以上の追加の予防または治療剤を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、医薬組成物中に含まれる唯一の有効成分である。本明細書に記載の医薬組成物は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)活性の阻害、及びがんまたは感染性疾患などの状態の治療に有用であり得る。
【0191】
非経口調製物で使用される医薬的に許容可能な担体としては、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗菌剤、等張剤、緩衝液、酸化防止剤、局部麻酔剤、懸濁化剤及び分散剤、乳化剤、封鎖剤またはキレート剤、ならびに他の医薬的に許容可能な物質が挙げられる。水性ビヒクルの例としては、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース、及び乳酸加リンガー注射液が挙げられる。非水性非経口ビヒクルとしては、植物由来の凝固油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、及びピーナッツ油が挙げられる。静菌性または静真菌性濃度の抗菌薬は、多用量容器に充填される非経口調製物に添加され得、それは、フェノールまたはクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp-ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、ならびに塩化ベンゼトニウムを含む。等張剤としては、塩化ナトリウム及びデキストロースが挙げられる。緩衝液としては、リン酸塩及びクエン酸塩が挙げられる。酸化防止剤としては、重硫酸ナトリウムが挙げられる。局部麻酔剤としては、塩酸プロカインが挙げられる。懸濁剤及び分散剤としては、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが挙げられる。乳化剤としては、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)が挙げられる。金属イオンの封鎖剤またはキレート化剤としては、EDTAが挙げられる。薬学的担体としてはまた、水混和性ビヒクルのためのエチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、ならびにpH調整のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、または乳酸も挙げられる。
【0192】
医薬組成物は、対象への任意の投与経路のために製剤化され得る。投与経路の具体的な例としては、鼻腔内、経口、経肺、経皮、内皮、及び非経口が挙げられる。皮下、筋肉内、または静脈内注射のいずれかを特徴とする非経口投与もまた、本明細書において企図される。注射剤は、液体溶液もしくは懸濁液、注射前の液体中の溶液もしくは懸濁液に適当な固体形態として、または乳剤としてのいずれかの従来の形態で調製され得る。注射剤、溶液、及び乳剤はまた、1つ以上の賦形剤を含有する。適当な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、またはエタノールである。さらに、所望の場合、投与される医薬組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解促進剤、ならびに例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン、オレイン酸塩、及びシクロデキストリンなどの他の薬剤などの少量の非毒性補助物質を含有することができる。
【0193】
抗体の非経口投与のための調製物としては、注射できる状態の滅菌溶液、滅菌乾燥可溶性生成物、皮下注射用錠剤を含む、使用直前に溶媒と混合される状態の凍結乾燥粉末、注射できる状態の滅菌懸濁液、使用直前にビヒクルと混合される状態の滅菌乾燥不溶性生成物、及び滅菌乳剤が挙げられる。溶液は、水性または非水性のいずれかであってもよい。
【0194】
静脈内に投与される場合、適当な担体としては、生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ならびにグルコース、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどの増粘剤及び可溶化剤を含有する溶液、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0195】
抗体を含む局所混合物は、局所及び全身投与に関して記載されるように調製される。得られる混合物は、溶液、懸濁液、乳剤などであってもよく、クリーム、ゲル、軟膏、乳剤、溶液、エリキシル剤、ローション、懸濁液、チンキ剤、ペースト、発泡体、エアロゾル、洗浄液、スプレー、坐薬、包帯、皮膚パッチ、または局所投与に適当な任意の他の製剤として製剤化され得る。
【0196】
本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、吸入などによる局所適用のためのエアロゾルとして製剤化され得る(例えば、炎症性疾患、特に、喘息の治療に有効なステロイドの送達のためのエアロゾルを記載する、米国特許第4,044,126号、同第4,414,209号、及び同第4,364,923号を参照されたい、それら全体を参照することにより組み込まれる)。気道への投与のためのこれらの製剤は、単独で、またはラクトースなどの不活性担体と組み合わせて、ネブライザー用のエアロゾルもしくは溶液の形態、または送気のための超微細粉末としての形態であってもよい。そのような場合、製剤の粒子は、一実施形態では、50ミクロン未満の、一実施形態では、10ミクロン未満の直径を有する。
【0197】
本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、ゲル、クリーム、及びローションの形態で、皮膚及び眼などの粘膜への局所適用など、局部または局所適用のために、かつ眼への適用のために、または嚢内もしくは髄腔内適用のために製剤化され得る。局所投与は、経皮送達のために、かつ眼もしくは粘膜への投与のために、または吸入療法のために企図される。単独での、または他の医薬的に許容可能な賦形剤と組み合わせた点鼻液もまた投与され得る。
【0198】
イオン泳動及び電気泳動装置を含む経皮パッチは、当業者に周知であり、抗体を投与するために使用され得る。例えば、そのようなパッチは、米国特許第6,267,983号、同第6,261,595号、同第6,256,533号、同第6,167,301号、同第6,024,975号、同第6,010715号、同第5,985,317号、同第5,983,134号、同第5,948,433号、及び同第5,860,957号に開示され、これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0199】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体を含む医薬組成物は、溶液、乳剤、及び他の混合物としての投与のために再構成され得る、凍結乾燥粉末である。それはまた、固体またはゲルとしても再構成及び製剤化され得る。凍結乾燥粉末は、適当な溶媒中で、本明細書に記載の抗体、またはその医薬的に許容可能な誘導体を溶解することによって調製される。いくつかの実施形態では、凍結乾燥粉末は、無菌である。溶媒は、粉末または粉末から調製された再構成溶液の安定性または他の薬理学的成分を改善する賦形剤を含有してもよい。使用され得る賦形剤としては、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース、または他の適当な薬剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。溶媒はまた、一実施形態ではほぼ中性のpHの、クエン酸塩、リン酸ナトリウムもしくはリン酸カリウム、または当業者に既知の他のそのような緩衝液などの緩衝液を含有してもよい。当業者に既知の標準的な条件下での溶液の後続の除菌濾過、続く凍結乾燥は、所望の製剤を提供する。一実施形態では、得られる溶液は、凍結乾燥のためのバイアル瓶に分配される。各バイアル瓶は、単回投与量または複数回投与量の化合物を含有する。凍結乾燥粉末は、約4℃~室温などの適切な条件下で保管され得る。注射のための水を用いたこの凍結乾燥粉末の再構成は、非経口投与で使用するための製剤を提供する。再構成のために、凍結乾燥粉末は、滅菌水または他の適当な担体に添加される。正確な量は、選択された化合物によって決まる。そのような量は、経験的に決定され得る。
【0200】
本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体、及び本明細書で提供される他の組成物はまた、治療される対象の身体の特定の組織、受容体、または他の領域に標的化されるように製剤化され得る。多くのそのような標的化方法は、当業者に周知である。全てのそのような標的化方法は、本組成物で使用するために本明細書において企図される。標的化方法の非限定的な例に関して、例えば、米国特許第6,316,652号、同第6,274,552号、同第6,271,359号、同第6,253,872号、同第6,139,865号、同第6,131,570号、同第6,120,751号、同第6,071,495号、同第6,060,082号、同第6,048,736号、同第6,039,975号、同第6,004,534号、同第5,985,307号、同第5,972,366号、同第5,900,252号、同第5,840,674号、同第5,759,542号、及び同第5,709,874号を参照されたい。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、腫瘍に標的化される。
【0201】
インビボ投与のために使用される組成物は、無菌であり得る。これは、例えば、除菌濾過膜を通じた濾過によって容易に達成される。
【0202】
6.4 使用方法及び使用
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体を用いた対象の治療方法を提供する。LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)機能の阻害から恩恵を受ける対象中の任意の疾患または障害は、本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体を用いて治療することができる。本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、腫瘍に対する免疫寛容を阻害するために特に有用であるため、がんを有する対象の免疫療法として使用することができる。例えば、ある特定の実施形態では、本開示は、対象中の抗原に応答してT細胞活性化を増加させる方法であって、本明細書に開示されるように、有効量の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体またはその医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、対象におけるがんの治療方法であって、本明細書に開示されるように、有効量の抗体または医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0203】
本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体または医薬組成物で治療することができるがんには、限定されないが、固形腫瘍、血液学的癌、白血病、リンパ腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、神経芽細胞腫、腎臓癌、腎移行細胞癌、膀胱癌、ウィルムス癌、卵巣癌、膵臓癌、乳癌、(例えば、BRCA1及び/またはBRCA2における突然変異によって特徴付けられる)、前立腺癌、骨癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌、または小細胞肺癌)、胃癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、滑膜肉腫、頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓のラブドイド腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、脳腫瘍、神経膠芽腫、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、原始神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星細胞腫、退形成性星細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫、脈絡叢乳頭腫、真性多血症、血小板血症、特発性筋線維症、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮内膜癌、カルチノイド癌、肝臓癌、乳癌、及び胃癌が含まれる。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、上記の種々のものの、転移癌である。
【0204】
ある特定の実施形態では、がんは、固形腫瘍、血液学的癌(例えば、白血病、リンパ腫、骨髄腫)、及びその転移性病変である。一実施形態では、がんは、固形腫瘍である。固形腫瘍の例としては、悪性病変、例えば、肺、乳房、リンパ系、胃腸管または結腸、生殖器及び泌尿生殖器(例えば、腎臓、尿路上皮、膀胱細胞)、咽頭、CNS(例えば、脳、神経またはグリア細胞)、皮膚(例えば、メラノーマ)、頭頸部(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNCC))、及び膵臓に影響を及ぼすものなどの種々の臓器系の肉腫及び癌腫(例えば、腺癌)が挙げられる。例えば、黒色腫、結腸癌、胃癌、直腸癌、腎細胞癌、乳癌(例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体またはHer2/neuの1、2または全てを発現しない乳癌、例えば、三種陰性乳癌)、肝臓癌、肺癌(例えば、非小細胞性肺癌(NSCLC)(例えば、扁平上皮及び/または非扁平上皮組織学を有するNSCLC)または小細胞肺癌)、前立腺癌、頭頸部癌(例えば、HPV+扁平上皮細胞癌)、小腸癌、及び食道癌。
【0205】
一実施形態では、がんは、血液学的癌、例えば、白血病、リンパ腫、または骨髄腫である。一実施形態では、がんは、白血病、例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性骨髄芽球性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または有毛細胞白血病である。一実施形態では、がんは、リンパ腫、例えば、B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、活性化B細胞様(ABC)びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、胚中心B細胞(GCB)びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、再発非ホジキンリンパ腫、難治性非ホジキンリンパ腫、再発性濾胞性非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、または節外性辺縁帯リンパ腫である。一実施形態では、がんは、骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫である。
【0206】
ある特定の実施形態では、本開示は、対象における感染性疾患を予防または治療する方法であって、本明細書に開示されるように、有効量の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体またはその医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、感染(例えば、ウイルス感染、細菌感染、真菌感染、原虫感染、または寄生虫感染)を予防及び/または治療する方法が本明細書で提供される。方法にしたがって予防及び/または治療される感染は、本明細書で特定された感染因子によって引き起こされ得る。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体またはその組成物は、対象に投与された唯一の活性薬剤である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体、またはその組成物は、感染性疾患の治療のための抗感染介入(例えば、抗ウイルス、抗菌、抗真菌、または抗蠕虫)と組み合わせて使用される。
【0207】
本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体または医薬組成物によって治療及び/または予防することができる感染性疾患は、限定されるものではないが、細菌、真菌、プロトザエ(protozae)、及びウイルスを含む感染因子によって引き起こされる。特定の実施形態では、本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体または医薬組成物によって治療及び/または予防される感染性疾患は、ウイルスによって引き起こされる。本明細書に記載の方法にしたがって予防及び/または治療することができるウイルス疾患またはウイルス感染としては、限定されるものではないが、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ(例えば、A型インフルエンザまたはB型インフルエンザ)、水痘、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV-I)、II型単純ヘルペス(HSV-II)、牛痘、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パピローマウイルス、パポーバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、天然痘ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、I型ヒト免疫不全ウイルス(HIV-I)、II型ヒト免疫不全ウイルス(HIV-II)、及び髄膜炎、脳炎、デング熱または天然痘のようなウイルス疾患の因子によって引き起こされるものが挙げられる。
【0208】
予防及び/または治療することができる細菌感染としては、Escherichia coli、Klebsiella pneumoniae、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、Proteus vulgaris、Staphylococcus viridans、及びPseudomonas aeruginosaによって引き起こされる感染が挙げられる。本明細書に記載の方法にしたがって予防及び/または治療することができる細菌(例えば、Escherichia coli、Klebsiella pneumoniae、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、Proteus vulgaris、Staphylococcus viridans、及びPseudomonas aeruginosa)によって引き起こされる細菌性疾患としては、限定されるものではないが、マイコバクテリアリケッチア、マイコプラズマ、ナイセリア、S.pneumonia、Borrelia burgdorferi(ライム病)、Bacillus antracis(炭疽)、破傷風、Streptococcus、Staphylococcus、マイコバクテリウム、百日咳(pertissus)、コレラ、ペスト、ジフテリア、クラミジア、S.aureus及びレジオネラが挙げられる。
【0209】
本明細書に記載の方法にしたがって予防及び/または治療することができる原虫によって引き起こされる原虫疾患または原虫感染としては、限定されるものではないが、リーシュマニア、コクシジウム症、トリパノソーマ住血吸虫、またはマラリアが挙げられる。本明細書に記載の方法にしたがって予防及び/または治療することができる寄生虫によって引き起こされる寄生虫疾患または寄生虫感染としては、限定されるものではないが、クラミジア及びリケッチアが挙げられる。
【0210】
本明細書に記載の方法にしたがって予防及び/または治療することができる真菌疾患または真菌感染としては、限定されるものではないが、カンジダ(Candida)感染、接合菌症、カンジダ乳腺炎、潜在性トリコスポロン血症を伴う進行性播種性トリコスポロン症、播種性カンジダ症、肺パラコクシジオイデス症、肺アスペルギルス症、Pneumocystis carinii肺炎、クリプトコッカス髄膜炎、coccidioidal髄膜脳炎、及び脳脊髄血管炎、Aspergillus niger感染、Fusarium keratitis、副鼻腔真菌疾患、Aspergillus fumigatus心内膜炎、脛骨軟骨発育不全症、Candida glabrata膣炎、口腔咽頭カンジダ症、X連鎖慢性肉芽腫症、足白癬、皮膚カンジダ症、真菌性胎盤炎、播種性トリコスポロン症、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、真菌性角膜炎、Cryptococcus neoformans感染、真菌性腹膜炎、Curvularia geniculata感染、staphylococcal endophthalmitis、sporotrichosis、及びdermatophytosisによって引き起こされるものが挙げられる。
【0211】
ある特定の実施形態では、本開示は、対象における神経系の疾患または障害を予防または治療する方法であって、本明細書に開示されるように、有効量の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体またはその医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、神経系の疾患または障害は、シヌクレイノパチーである。いくつかの実施形態では、神経系の疾患または障害は、パーキンソン病である。
【0212】
ある特定の実施形態では、これらの方法は、追加の治療剤を対象に投与することをさらに含む。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、化学療法剤、放射線療法剤、またはチェックポイント標的剤である。ある特定の実施形態では、化学療法剤は、低メチル化剤(例えば、アザシチジン)である。ある特定の実施形態では、チェックポイント標的剤は、アンタゴニスト抗CTLA-4抗体、アンタゴニスト抗PD-L1抗体、アンタゴニスト抗PD-L2抗体、アンタゴニスト抗PD-1抗体、アンタゴニスト抗TIM-3抗体、アンタゴニスト抗LAG-3抗体、アンタゴニスト抗CEACAM1抗体、アゴニスト抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体、アゴニスト抗OX40抗体、アンタゴニスト抗TIGIT抗体、アゴニスト抗CD137抗体、アンタゴニスト抗VISTA抗体、アンタゴニスト抗CD73抗体、及びアンタゴニスト抗CD96抗体からなる群から選択される。
【0213】
一実施形態では、本発明は、本発明の方法で使用するための本発明の抗体及び/または医薬組成物であって、方法が、追加の治療剤を対象に投与することをさらに含む、抗体及び/または医薬組成物に関する。一実施形態では、本発明は、(a)本発明の抗体及び/または医薬組成物、及び(b)医薬として使用するための追加の治療剤に関する。一実施形態では、本発明は、(a)本発明の抗体及び/または医薬組成物、及び(b)がんの治療方法で使用するための追加の治療剤に関する。さらなる実施形態では、本発明は、(a)本発明の抗体及び/または医薬組成物、及び(b)追加の治療剤を含む、医薬組成物、キット、またはパーツキットに関する。一実施形態では、追加の治療剤は、化学療法剤、放射線療法剤、またはチェックポイント標的剤である。
【0214】
ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、本明細書に開示される方法で使用される。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Bristol-Myers Squibbにより開発された、BMS-936558またはMDX1106としても知られる、ニボルマブである。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Merck & Co.により開発された、ラムブロリズマブまたはMK-3475としても知られる、ペンブロリズマブである。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、CureTechにより開発された、CT-011としても知られる、ピジリズマブである。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Medimmuneにより開発された、AMP-514としても知られる、MEDI0680である。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Novartis Pharmaceuticalsにより開発された、PDR001である。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Regeneron Pharmaceuticalsにより開発された、REGN2810である。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Pfizerにより開発されたPF-06801591である。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、BeiGeneにより開発されたBGB-A317である。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、AnaptysBio及びTesaroにより開発されたTSR-042である。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Hengruiにより開発されたSHR-1210である。
【0215】
本明細書に開示される治療方法において使用することができる抗PD-1抗体のさらなる非限定例は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる以下の特許及び特許出願に開示されている:米国特許第6,808,710号、米国特許第7,332,582号、米国特許第7,488,802号、米国特許第8,008,449号、米国特許第8,114,845号、米国特許第8,168,757号、米国特許第8,354,509号、米国特許第8,686,119号、米国特許第8,735,553号、米国特許第8,747,847号、米国特許第8,779,105号、米国特許第8,927,697号、米国特許第8,993,731号、米国特許第9,102,727号、米国特許第9,205,148号、米国公開第2013/0202623 A1号、米国公開第2013/0291136 A1号、米国公開第2014/0044738 A1号、米国公開第2014/0356363 A1号、米国公開第2016/0075783 A1号、ならびにPCT公開第WO2013/033091 A1号、PCT公開第WO2015/036394 A1号、PCT公開第WO2014/179664 A2号、PCT公開第WO2014/209804 A1号、PCT公開第WO2014/206107 A1号、PCT公開第WO2015/058573 A1号、PCT公開第WO2015/085847 A1号、PCT公開第WO2015/200119 A1号、PCT公開第2016/015685 A1号、及びPCT公開第WO2016/020856 A1号。
【0216】
ある特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、本明細書に開示される方法で使用される。ある特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、Genentechにより開発されたアテゾリズマブである。ある特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、AstraZeneca、Celgene及びMedimmuneにより開発されたデュルバルマブである。ある特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、Merck Serono及びPfizerにより開発された、MSB0010718Cとしても知られるアベルマブである。ある特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、Bristol-Myers Squibbにより開発されたMDX-1105である。ある特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、Amplimmune及びGSKにより開発されたAMP-224である。
【0217】
本明細書に開示される治療方法において使用することができる抗PD-L1抗体の非限定例は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる以下の特許及び特許出願に開示されている:米国特許第7,943,743号、米国特許第8,168,179号、米国特許第8,217,149号、米国特許第8,552,154号、米国特許第8,779,108号、米国特許第8,981,063号、米国特許第9,175,082号、米国公開第2010/0203056 A1号、米国公開第2003/0232323 A1号、米国公開第2013/0323249 A1号、米国公開第2014/0341917 A1号、米国公開第2014/0044738 A1号、米国公開第2015/0203580 A1号、米国公開第2015/0225483 A1号、米国公開第2015/0346208 A1号、米国公開第2015/0355184 A1号、ならびにPCT公開第WO2014/100079 A1号、PCT公開第WO2014/022758 A1号、PCT公開第WO2014/055897 A2号、PCT公開第WO2015/061668 A1号、PCT公開第WO2015/109124 A1号、PCT公開第WO2015/195163 A1号、PCT公開第WO2016/000619 A1号、及びPCT公開第WO2016/030350 A1号。
【0218】
ある特定の実施形態では、抗CTLA-4抗体は、本明細書に開示される方法で使用される。ある特定の実施形態では、抗CTLA-4抗体は、Bristol-Myers Squibbにより開発されたイピリムマブである。ある特定の実施形態では、抗CTLA-4抗体は、Bristol-Myers Squibbにより開発されたイピリムマブである。ある特定の実施形態では、抗CTLA-4抗体は、Pfizer及びMedimmuneにより開発されたトレメリムマブである。
【0219】
本明細書に開示される治療方法において使用することができる抗CTLA-4抗体の非限定例は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる以下の特許及び特許出願に開示されている:米国特許第6,984,720号、米国特許第7,411,057号、米国特許第7,034,121号、米国特許第8,697,845号、米国公開第US2009/0123477 A1号、米国公開第US2014/0105914 A1号、米国公開第US2013/0267688 A1号、米国公開第US2016/0145355 A1号、PCT公開第WO2014/207064 A1号、及びPCT公開第WO2016/015675 A1号。
【0220】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、IDO(インドールアミン-(2,3)-ジオキシゲナーゼ)及び/またはTDO(トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ)などの免疫調節性酵素(複数可)を標的にする化合物と組み合わせて対象に投与される。ある特定の実施形態では、そのような化合物は、エパカドスタット(Incyte Corp、例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるWO2010/005958を参照されたい)、BMS-986205(Flexus Biosciences/Bristol-Myers Squibb)、インドキシモド(NewLink Genetics)、及びNLG919(NewLink Genetics)からなる群から選択される。一実施形態では、化合物は、エパカドスタットである。別の実施形態では、化合物は、BMS-986205である。別の実施形態では、化合物は、インドキシモドである。別の実施形態では、化合物は、NLG919である。特定の実施形態では、本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、がんを治療するためのIDO阻害剤と組み合わせて対象に投与される。がんの治療に使用される本明細書に記載のIDO阻害剤は、錠剤、ピル、またはカプセルなどの固形剤形の医薬組成物で存在し、医薬組成物は、IDO阻害剤、及び医薬的に許容可能な賦形剤を含む。このように、本明細書に記載の抗体、及び本明細書に記載のIDO阻害剤を、別の剤形として別々に、連続的に、または同時に投与することができる。一実施形態では、抗体は、非経口的に投与され、IDO阻害剤は、経口的に投与される。特定の実施形態では、阻害剤は、エパカドスタット(Incyte Corporation)、BMS-986205(Flexus Biosciences/Bristol-Myers Squibb)、インドキシモド(NewLink Genetics)、及びNLG919(NewLink Genetics)からなる群から選択される。エパカドスタットは、参照により全体が本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2010/005958号に記載されている。一実施形態では、阻害剤は、エパカドスタットである。別の実施形態では、阻害剤は、BMS-986205である。別の実施形態では、阻害剤は、インドキシモドである。別の実施形態では、阻害剤は、NLG919である。
【0221】
ある特定の実施形態では、本開示は、抗PD-1抗体(例えば、ペムブロリズマブ、またはニボルマブ)及びインドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の阻害剤と組み合わせて、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する単離抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブである。ある特定の実施形態では、IDO阻害剤は、エパカドスタット、BMS-986205、インドキシモド、及びNLG919からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、IDO阻害剤は、エパカドスタットである。ある特定の実施形態では、IDO阻害剤は、BMS-986205である。ある特定の実施形態では、IDO阻害剤は、インドキシモドである。
【0222】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、別の抗癌剤と組み合わせて対象に投与される。例示の抗癌剤としては、トラスツズマブ(ハーセプチン)などの抗体治療薬、CTLA-4、CD137、及びPD-1などの共刺激または共阻害分子に対する抗体、IL-10及びTGF-βなどのサイトカインに対する抗体が挙げられる。
【0223】
ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、JAK、PI3Kデルタ、BRD、PI3Kガンマ、またはAxl/Merの阻害剤である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、JAK1及び/またはJAK2を含む、JAKの阻害剤である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、PI3Kデルタの阻害剤である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、BRDの阻害剤である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、PI3Kガンマの阻害剤である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、Axl/Merの阻害剤である。
【0224】
抗癌剤のさらなる例としては、CCR2及びCCR4を含む、ケモカイン受容体へのアンタゴニストなどの免疫細胞移動を遮断するもの、及びアジュバントまたは養子T細胞移行などの免疫系を増大するものが挙げられる。
【0225】
1つ以上の追加の免疫チェックポイントモジュレーターは、本明細書に記載の任意の疾患、障害、または状態、例えば、TAM関連疾患、障害、または状態を治療するための本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体と組み合わせて使用することができる。例示の免疫チェックポイントモジュレーターとしては、CD27、CD28、CD40、CD122、CD96、CD73、CD47、CD96、CD137、OX40、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、CD137(4-1BBとしても知られる)、ICOS、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、LAG-3、TIM-3、VISTA、PD-1、PD-L1、及びPD-L2などの免疫チェックポイント分子に対するモジュレーターが挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子は、CD27、CD28、CD40、ICOS、OX40、GITR、及びCD137から選択される共刺激チェックポイント分子である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子は、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、IDO、KIR、PD-1、TIM-3、及びVISTAから選択される共阻害チェックポイント分子である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、KIR阻害剤、TIGIT阻害剤、LAIR1阻害剤、CD160阻害剤、2B4阻害剤、及びTGFRベータ阻害剤から選択される1つ以上の薬剤と組み合わせて使用することができる。
【0226】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子のモジュレーターは、アンタゴニスト抗PD1抗体、アンタゴニスト抗PD-L1抗体、またはアンタゴニスト抗CTLA-4抗体である。
【0227】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子のモジュレーターは、GITRのアゴニスト、例えば、アゴニスト抗GITR抗体である。いくつかの実施形態では、アゴニスト抗GITR抗体は、TRX518またはMK-4166である。
【0228】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子のモジュレーターは、OX40のアゴニスト、例えば、アゴニスト抗OX40抗体またはOX40L融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、アゴニスト抗OX40抗体は、MEDI0562である。いくつかの実施形態では、OX40L融合タンパク質は、MEDI6383である。
【0229】
本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、がんなどの疾患を治療するための1つ以上の薬剤と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、薬剤は、アルキル化剤、プロテアソーム阻害剤、コルチコステロイド、または免疫調節剤である。アルキル化剤の例としては、シクロホスファミド(CY)、メルファラン(MEL)、及びベンダムスチンが挙げられる。いくつかの実施形態では、プロテアソーム阻害剤は、カーフィルゾミブである。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、デキサメタゾン(DEX)である。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイド(LEN)またはポマリドマイド(POM)である。
【0230】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、ワクチンと組み合わせて対象に投与される。ワクチンは、例えば、ペプチドワクチン、DNAワクチン、またはRNAワクチンであり得る。ある特定の実施形態では、ワクチンは、熱ショックタンパク質に基づく腫瘍ワクチンまたは熱ショックタンパク質に基づく病原体ワクチンである。特定の実施形態では、本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、熱ショックタンパク質に基づく腫瘍ワクチンと組み合わせて対象に投与される。熱ショックタンパク質(HSP)は、全ての種にわたって遍在的に認められる高度に保存されたタンパク質のファミリーである。熱ショックまたは、毒素への曝露、酸化ストレスもしくはグルコース除去などの他の形態のストレスの結果として、それらの発現をはるかにより高いレベルまで強力に誘導することができる。分子量にしたがって5つのファミリーが分類されている:HSP-110、-90、-70、-60及び-28。HSPは、マクロファージ及び樹状細胞(DC)のような抗原提示細胞(APC)中で交差提示経路により免疫原性ペプチドを送達し、T細胞活性化をもたらす。HSPは、腫瘍特異的免疫を誘導することができる腫瘍関連抗原性ペプチド形成複合体のシャペロン担体として機能する。死滅しつつある腫瘍細胞からの放出の際に、HSP-抗原複合体は、抗原提示細胞(APC)によって取り込まれ、抗原は、MHCクラスI及びクラスII分子に結合するペプチドにプロセシングされ、抗腫瘍CD8+及びCD4+T細胞の活性化をもたらす。腫瘍調製物に由来するHSP複合体によって惹起される免疫は、それぞれの対象のがんによって発現されるユニークな抗原性ペプチドレパートリーを特異的に指向する。そのため、一実施形態では、本発明は、(a)本発明の抗体及び/または医薬組成物、及び(b)医薬として使用するための、例えば、がんの治療方法で使用するためのワクチンに関する。一実施形態では、本発明は、(a)本発明の抗体及び/または医薬組成物、及び(b)ワクチンを含む、医薬組成物、キット、またはパーツキットに関する。一実施形態では、ワクチンは、熱ショックタンパク質に基づく腫瘍ワクチンである。一実施形態では、ワクチンは、熱ショックタンパク質に基づく病原体ワクチンである。
【0231】
熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)は、抗原性ペプチドと非共有的に複合体化された熱ショックタンパク質からなるタンパク質ペプチド複合体である。HSPPCは、自然免疫応答と適応免疫応答の両方を惹起する。特定の実施形態では、抗原性ペプチド(複数可)は、治療されるがんに対する抗原性を示す。HSPPCは、膜受容体(主にCD91)を介してAPCによって、またはToll様受容体への結合によって効率的に捕捉される。HSPPCの内在化は、ケモカイン及びサイトカイン産生と共にAPCの機能的成熟をもたらし、ナチュラルキラー細胞(NK)、単球ならびにTh1及びTh2媒介性免疫応答の活性化をもたらす。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される方法で使用されるHSPPCは、抗原性ペプチドと複合体化したストレスタンパク質のhsp60、hsp70、またはhsp90ファミリーに由来する1つ以上の熱ショックタンパク質を含む。ある特定の実施形態では、HSPPCは、hsc70、hsp70、hsp90、hsp110、grp170、gp96、カルレチクリン、またはその2つ以上の組み合わせを含む。
【0232】
特定の実施形態では、熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)は、組み換え抗原性ペプチドと複合体化された組み換え熱ショックタンパク質(例えば、hsp70またはhsc70)またはそのペプチド結合ドメインを含む。組み換え熱ショックタンパク質は、例えば、Dworniczak and Mirault,Nucleic Acids Res.15:5181-5197(1987)に記載されているようなヒトhsc70配列、ならびにGenbank受託番号P11142及び/またはY00371(各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)を用いて、組み換えDNA技術によって産生することができる。ある特定の実施形態では、Hsp70配列は、Hunt and Morimoto Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.82(19),6455-6459(1985)、ならびにGenbank受託番号P0DMV8及び/またはM11717(各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)に記載される通りである。抗原性ペプチドは、当該技術分野で公知の組み換えDNA法によって調製することもできる。
【0233】
ある特定の実施形態では、抗原性ペプチドは、改変アミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、改変アミノ酸は、翻訳後修飾を含む。ある特定の実施形態では、改変アミノ酸は、翻訳後修飾の模倣物を含む。ある特定の実施形態では、改変アミノ酸は、側鎖ヒドロキシルまたはアミンでリン酸化されているTyr、Ser、Thr、Arg、Lys、またはHisである。ある特定の実施形態では、改変アミノ酸は、側鎖ヒドロキシルまたはアミンでリン酸化されているTyr、Ser、Thr、Arg、Lys、またはHisアミノ酸の模倣物である。
【0234】
特定の実施形態では、本明細書に開示される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、がんを治療するために、熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)、例えば、熱ショックタンパク質ペプチド複合体-96(HSPPC-96)と組み合わせて対象に投与される。HSPPC-96は、抗原性ペプチドと複合体化した、96kDaの熱ショックタンパク質(Hsp)、gp96を含む。HSPPC-96は、対象の腫瘍から製造された癌免疫療法であり、がんの抗原性「フィンガープリント」を含有する。ある特定の実施形態では、このフィンガープリントは、その特定の対象の特定の癌細胞にのみ存在するユニークな抗原を含有し、ワクチンの注射は、特定の癌フィンガープリントを有する任意の細胞を認識及び攻撃するように対象の免疫系を刺激することを意図する。そのため、一実施形態では、本発明は、医薬として使用するための、及び/またはがんの治療方法で使用するための、熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)と組み合わせた本発明の抗体及び/または医薬組成物に関する。
【0235】
ある特定の実施形態では、HSPPC、例えば、HSPPC-96は、対象の腫瘍組織から産生される。特定の実施形態では、HSPPC(例えば、HSPPC-96)は、治療されるがんまたはその転移の型の腫瘍から産生される。別の特定の実施形態では、HSPPC(例えば、HSPPC-96)は、治療される対象にとって自己由来のものである。ある特定の実施形態では、腫瘍組織は、非壊死性腫瘍組織である。ある特定の実施形態では、ワクチンレジメンを産生するために、少なくとも1グラム(例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10グラム)の非壊死性腫瘍組織が使用される。ある特定の実施形態では、外科的切除後、非壊死性腫瘍組織は、ワクチン調製における使用の前に凍結される。いくつかの実施形態では、HSPPC、例えば、HSPPC-96は、精製技術によって腫瘍組織から単離され、濾過され、注射可能なワクチンのために調製される。ある特定の実施形態では、対象は、6~12用量のHSPPC、例えば、HSPPC-96を投与される。そのような実施形態では、HSPPC、例えば、HSPPC-96の用量を、最初の4用量については毎週、次いで、2~8のさらなる用量については2週毎に投与することができる。
【0236】
本明細書に記載の方法にしたがって使用することができるHSPPCのさらなる例は、以下の特許及び特許出願:米国特許第6,391,306号、同第6,383,492号、同第6,403,095号、同第6,410,026号、同第6,436,404号、同第6,447,780号、同第6,447,781号、同第6,610,659号に開示され、これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0237】
ある特定の実施形態では、抗LAG-3本明細書に開示される抗体は、アジュバントと組み合わせて対象に投与される。種々のアジュバントは、治療状況に応じて使用することができる。適切なアジュバントの非限定的な例としては、限定されるものではないが、完全フロイントアジュバント(CFA)、不完全フロイントアジュバント(IFA)、モンタニドISA(不完全セピックアジュバント)、Ribiアジュバント系(RAS)、Titer Max、ムラミルペプチド、Syntexアジュバント製剤(SAF)、alum(水酸化アルミニウム及び/またはリン酸アルミニウム)、アルミニウム塩アジュバント、Gerbu(登録商標)アジュバント、ニトロセルロースを吸収した抗原、カプセル化または封入された抗原、3 De-O-アシル化モノホスホリル脂質A(3 D-MPL)、免疫刺激オリゴヌクレオチド、Toll様受容体(TLR)リガンド、マンナン結合レクチン(MBL)リガンド、STINGアゴニスト、サポニン、Quil A、QS-21、QS-7、ISCOMATRIX、及び他のものなどの免疫刺激複合体が挙げられる。他のアジュバントとしては、CpGオリゴヌクレオチド及び二本鎖RNA分子、例えば、ポリ(A)、ポリ(U)が挙げられる。また、上記のアジュバントの組み合わせを使用してもよい。例えば、米国特許第6,645,495号、同第7,029,678号、及び同第7,858,589号を参照されたい。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、本明細書で使用されるアジュバントは、QS-21 STIMULONである。
【0238】
ある特定の実施形態では、抗LAG-3本明細書に開示される抗体は、TCRを含む追加の治療剤と組み合わせて対象に投与される。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、可溶性TCRである。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、TCRを発現する細胞である。そのため、一実施形態では、本発明は、医薬として使用するための、及び/またはがんの治療方法で使用するための、TCRを含む追加の治療剤と組み合わせた本発明の抗体及び/または医薬組成物に関する。
【0239】
ある特定の実施形態では、抗LAG-3本明細書に開示される抗体は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する細胞と組み合わせて対象に投与される。ある特定の実施形態では、細胞は、T細胞である。
【0240】
ある特定の実施形態では、抗LAG-3本明細書に開示される抗体は、TCR模倣抗体と組み合わせて対象に投与される。ある特定の実施形態では、TCR模倣抗体は、ペプチド-MHC複合体に特異的に結合する抗体である。TCR模倣抗体の非限定的な例については、例えば、米国特許第9,074,000号、及び米国公開第US2009/0304679 A1号、及び同第US2014/0134191 A1号を参照されたい。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0241】
抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体、及び追加の治療剤(例えば、化学療法剤、放射線療法剤、チェックポイント標的剤、IDO阻害剤、ワクチン、アジュバント、可溶性TCR、TCRを発現する細胞、キメラ抗原受容体を発現する細胞、及び/またはTCR模倣抗体)を、別の剤形として別々に、連続的に、または同時に投与することができる。一実施形態では、抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、非経口投与され、IDO阻害剤は、経口投与される。
【0242】
本明細書に記載の抗体または医薬組成物は、様々な経路によって対象に送達することができる。これらのものとしては、非経口、鼻内、気管内、経口、皮内、局所、筋肉内、腹腔内、経皮、静脈内、腫瘍内、結膜、動脈内、及び皮下経路が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、例えば、吸入器またはネブライザー、及びスプレーとしての使用のためのエアロゾル化剤を含む製剤の使用による、肺投与を用いることもできる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体または医薬組成物は、皮下または静脈内に送達される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体または医薬組成物は、腫瘍内に送達される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体または医薬組成物は、動脈内に送達される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体または医薬組成物は、腫瘍排出リンパ節に送達される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体または医薬組成物は、鼻腔内に送達される。
【0243】
状態の治療及び/または予防において有効である抗体または組成物の量は、疾患の性質に依存し、標準的な臨床技術により決定することができる。
【0244】
組成物中で用いられる正確な用量はまた、投与経路、及びそれにより引き起こされる感染または疾患の重症度に依存し、医師の判断及びそれぞれの対象の環境にしたがって決定するべきである。例えば、有効用量もまた、投与の手段、標的部位、患者の生理的状態(年齢、体重及び健康を含む)、患者がヒトであるか、もしくは動物であるかどうか、投与される他の医薬、または治療が予防的であるか、もしくは治療的であるかどうかに応じて変化してもよい。通常、患者はヒトであるが、トランスジェニック哺乳動物を含む非ヒト哺乳動物も治療することができる。安全性及び効能を最適化するために、治療用量は最適に漸増される。
【0245】
本明細書に記載のLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体を使用して、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降、またはウエスタンブロット法などの免疫アッセイを含む、当業者に既知の古典的な免疫組織学的方法を用いて生物試料中のLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)タンパク質レベルをアッセイすることもできる。適当な抗体アッセイ標識は、当該技術分野で既知であり、ブドウ糖酸化酵素などの酵素標識、ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(H)、インジウム(121In)、及びテクネチウム(99Tc)などの放射性同位体、ルミノールなどの発光標識、ならびにフルオレセイン及びローダミンなどの蛍光標識、ならびにビオチンを含む。かかる標識を使用して、本明細書に記載の抗体を標識することができる。あるいは、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体を認識する第2の抗体は、標識し、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)タンパク質レベルを検出するために、抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体と組み合わせて使用することができる。そのため、一実施形態では、本発明は、生物試料中のLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)タンパク質のインビトロ検出のための本発明の抗体の使用に関する。さらなる実施形態では、本発明は、生物試料 インビトロで生物試料中のLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)タンパク質レベルを評価及び/または検出するための本発明の抗LAG-3抗体の使用に関し、必要に応じて、抗LAG-3抗体は、放射性核種または検出可能な標識と共役し、及び/または本明細書に記載の標識を保有し、及び/または免疫組織学的方法を使用する。
【0246】
LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)タンパク質の発現レベルについてのアッセイは、直接(例えば、絶対タンパク質レベルを決定または推定することによって)または相対的に(例えば、第2の生物試料中の疾患関連タンパク質レベルと比較することによって)のいずれかで第1の生物試料中のLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)タンパク質のレベルを定性的または定量的に測定または推定することを含むよう意図されている。第1の生物試料中のLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)ポリペプチドの発現レベルは、測定または推定し、標準のLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)タンパク質レベルと比較することができ、この標準物は、障害を有さない個体から得られた第2の生物試料から採取されるか、または障害を有さない個体の集団からのレベルを平均することによって決定される。当該技術分野で理解されているように、「標準の」LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)ポリペプチドレベルが知られると、それを比較のための標準物として繰り返し使用することができる。そのため、さらなる実施形態では、本発明は、免疫組織学的方法によって生物試料中のLAG-3タンパク質、例えば、ヒトLAG-3タンパク質のレベルを定性的または定量的に測定または推定することを含む、生物試料中のLAG-3タンパク質レベル、例えば、ヒトLAG-3タンパク質レベルを評価及び/または検出するインビトロ方法に関する。
【0247】
本明細書で使用される場合、「生物試料」という用語は、対象から得られた任意の生物試料、細胞株、組織、またはLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)を潜在的に発現する細胞の他の源を指す。動物(例えば、ヒト)由来の組織生検及び体液を得るための方法は、当該技術分野で公知である。生物試料は、末梢血単核細胞を含む。
【0248】
本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、当業者に公知の及び標準の、本記述に基づいたインビトロで及びインビボでの適用を含む、予後、診断的、モニタリング、及びスクリーニング適用のために使用することができる。免疫系状態及び/または免疫応答のインビトロ査定及び評価のための予後、診断的、モニタリング、及びスクリーニングアッセイならびにキットは、免疫系機能不全を有するか、または有する疑いがあることが知られているもの、または予想されるもしく所望の免疫系応答、抗原応答、もしくはワクチン応答に関しては、患者試料を評価するために、予測、診断、及びモニタリングするために使用され得る。免疫系状態及び/または免疫応答の査定及び評価はまた、異なる薬剤または抗体に対して、薬物の臨床試験のため、あるいは特定の化学療法剤、放射線療法剤、または抗体の投与のために、患者の適合性を決定するのに有用である。この種類の予後及び診断的モニタリング及び査定は既に、乳癌におけるHER2タンパク質(HercepTest(商標)、Dako)に対して抗体が実際に使用されており、このアッセイは、Herceptin(登録商標)を用いた抗体療法のための患者を評価するためにも使用される。インビボ適用は、有向細胞療法及び免疫系調節及び免疫応答の放射線イメージングを含む。そのため、一実施形態では、本発明は、診断として使用するための、本発明の抗LAG-3抗体及び/または医薬組成物に関する。一実施形態では、本発明は、免疫系機能不全を有するか、または有する疑いがあるもの、及び/または予想されるもしく所望の免疫系応答、抗原応答、もしくはワクチン応答に関して、対象を予測、診断、及び/またはモニタリングするために方法で使用される、本発明の抗LAG-3抗体及び/または医薬組成物に関する。別の実施形態では、本発明は、対象の生物試料中のヒトLAG-3タンパク質レベルをインビトロで評価及び/または検出することによって、免疫系機能不全を有するか、または有する疑いがあるもの、及び/または予想されるもしく所望の免疫系応答、抗原応答、もしくはワクチン応答に関して、対象を予測、診断、及び/またはモニタリングするための、本発明の抗LAG-3抗体の使用に関する。
【0249】
一実施形態では、抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、生検試料の免疫組織化学において使用することができる。別の実施形態では、抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)レベル、またはそれらの膜表面上にLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)を含有する細胞レベルを検出するために使用することができ、このレベルは、ある疾患の症状と関連し得る。本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、検出可能なまたは機能的標識を保有し得る。蛍光標識が使用される場合、現在入手可能な顕微鏡及び蛍光活性化細胞選別装置分析(FACS)または当該技術分野で既知の方法手順の両方の組み合わせを、特異的結合メンバーを特定及び定量化するために利用してもよい。本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、蛍光標識を保有し得る。例示の蛍光標識としては、例えば、反応性及び共役プローブ、例えば、アミノクマリン、フルオレセイン、及びテキサスレッド、Alexa Fluor色素、Cy色素、及びDyLight色素が挙げられる。抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体は、同位体H、14C、32P、35S、36Cl、51Cr、57Co、58Co、59Fe、67Cu、90Y、99Tc、111In、117Lu、121I、124I、125I、131I、198Au、211At、213Bi、225Ac、及び186Reなどの放射性標識を保有し得る。放射性標識が使用される場合、当該技術分野で既知の現在入手可能な計数手順は、抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体のLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)への特異的結合を特定及び定量化するために利用してもよい。標識が酵素である場合では、検出は、当該技術分野で既知の現在利用される比色分析法、分光光度法、蛍光分光法、電流測定、または気体定量技術のうちのいずれかによって達成され得る。これは、抗体とLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)との間での複合体の形成を可能にする条件下で、試料または対照試料を抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体と接触させることによって達成され得る。抗体とLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)との間で形成された任意の複合体が、試料及び対照において検出され、比較される。LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)への本明細書に記載の抗体の特異的結合を考慮して、抗体は、細胞の表面上でのLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)発現を特異的に検出するために使用することができる。本明細書に記載の抗体を使用して、免疫親和性精製を介してLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)を精製することもできる。また、例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)またはLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)/LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)リガンド複合体の存在の程度の定量的分析のための試験キットの形態で調製することができるアッセイシステムも本明細書に含まれる。システム、または試験キット、キット、もしくはパーツキットは、標識成分、例えば、標識抗体、及び1つ以上の追加の免疫化学試薬を含んでもよい。
【0250】
6.5 ポリヌクレオチド、ベクター、及び抗LAG-3抗体の産生方法
別の態様では、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗原に特異的に結合する本明細書に記載の抗体またはその断片(例えば、軽鎖可変領域及び/または重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、及びベクター、例えば、宿主細胞(例えば、E.coli及び哺乳動物細胞)において組み換え発現のためのかかるポリヌクレオチドを含むベクターが本明細書で提供される。本明細書で提供される抗体の任意の重鎖及び/または軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、及びかかるポリヌクレオチド配列を含むベクター、例えば、宿主細胞、例えば、哺乳動物細胞においてそれらの効率的な発現のための発現ベクターが本明細書で提供される。
【0251】
本明細書で使用される場合、「単離された」ポリヌクレオチドまたは核酸分子は、核酸分子の天然源(例えば、マウスまたはヒト)に存在する他の核酸分子から分離されたものである。さらに、cDNA分子などの「単離された」核酸分子は、組み換え技術によって産生される場合、他の細胞物質または培養培地を実質的に含み得ないか、または化学的に合成される場合、化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含み得ない。例えば、「実質的に含まない」という用語は、他の物質、例えば、細胞物質、培養培地、他の核酸分子、化学的前駆体、及び/または他の化学物質の約15%、10%、5%、2%、1%、0.5%、または0.1%未満(特に、約10%未満)を有するポリヌクレオチドまたは核酸分子の調製を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体をコードする核酸分子(複数可)は、単離されるか、または精製される。
【0252】
特定の態様では、抗体をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを本明細書で提供し、これらは、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)ポリペプチドに免疫特異的に結合し、本明細書に記載のアミノ酸配列、ならびにLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)ポリペプチドへの結合においてかかる抗体と(例えば、用量依存的様式で)競合するか、またはかかる抗体のエピトープと同じエピトープに結合する抗体を含む。
【0253】
ある特定の態様では、本明細書に記載の抗体の軽鎖または重鎖をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドが本明細書で提供される。ポリヌクレオチドは、本明細書に記載の抗体のVL FR及びCDRを含む軽鎖をコードするヌクレオチド配列(例えば、表1、3、5、6、及び7を参照されたい)、または本明細書に記載の抗体のVH FR及びCDRを含む重鎖をコードするヌクレオチド配列(例えば、表1、2、4、6、及び7を参照されたい)を含むことができる。
【0254】
また、例えば、コドン/RNA最適化、異種シグナル配列での置換、及びmRNA不安定性要素の排除によって最適化される抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体をコードするポリヌクレオチドも本明細書で提供される。したがって、mRNAにおいてコドン変化を導入すること及び/または阻害領域を排除することによって、組み換え発現のために抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体またはその断片(例えば、軽鎖、重鎖、VHドメイン、またはVLドメイン)をコードする最適化された核酸を生成する方法は、例えば、米国特許第5,965,726号、同第6,174,666号、同第6,291,664号、同第6,414,132号、及び同第6,794,498号に記載される最適化方法を採用することによって実施され得る。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、RNA内の潜在的なスプライス部位及び不安定性要素(例えば、A/TまたはA/Uの豊富な要素)は、組み換え発現のためのRNAの安定性を増大させるために核酸配列によってコードされるアミノ酸を変化させずに変異することができる。変化は、例えば、同一のアミノ酸についての代替的なコドンを用いて、遺伝子コードの縮重を利用する。いくつかの実施形態では、1つ以上のコドンを変化させて、例えば、元のアミノ酸と同様のアミノ酸と同様の化学構造及び特性及び/または機能との保存的変異をコードすることが望ましくあり得る。かかる方法は、抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体またはその断片の発現を、最適化されていないポリヌクレオチドによってコードされる抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体の発現と比較して、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍またはそれ以上増加させることができる。
【0255】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体またはその断片(例えば、VLドメイン及び/またはVHドメイン)をコードする最適化されたポリヌクレオチド配列は、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)またはその断片(例えば、VLドメイン及び/またはVHドメイン)をコードする最適化されていないポリヌクレオチド配列のアンチセンス(例えば、相補的)ポリヌクレオチドとハイブリダイズすることができる。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体または断片をコードする最適化されたヌクレオチド配列は、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体またはその断片をコードする最適化されていないポリヌクレオチド配列のアンチセンスポリヌクレオチドと高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体またはその断片をコードする最適化されたヌクレオチド配列は、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体またはその断片をコードする最適化されていないポリヌクレオチド配列のアンチセンスポリヌクレオチドと高ストリンジェンシー、中間、または低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション条件に関する情報が記載されており、例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第US2005/0048549号(例えば、段落72~73)を参照されたい。
【0256】
当該技術分野で既知の任意の方法によって、ポリヌクレオチドが得られ、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が決定され得る。本明細書に記載の抗体、例えば、表1、6、及び7に記載される抗体及びこれらの抗体の改変バージョンをコードするヌクレオチド配列は、当該技術分野で公知の方法を使用して決定され得る、すなわち、特定のアミノ酸をコードすることが知られているヌクレオチドコドンは、抗体をコードする核酸を生成するような方法でアセンブリされる。抗体をコードするかかるポリヌクレオチドは、化学的に合成されたオリゴヌクレオチドからアセンブリすることができ(例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるKutmeier G et al.,(1994),BioTechniques 17:242-6に記載される)、これは、簡潔に言えば、抗体をコードする配列の一部を含む重複ポリヌクレオチドの合成、これらのオリゴヌクレオチドのアニーリング及びライゲーション、次いで、PCRによるライゲーションされたオリゴヌクレオチドの増幅を含む。
【0257】
あるいは、本明細書に記載の抗体をコードするポリヌクレオチドは、当該技術分野で公知の方法(例えば、PCR及び他の分子クローニング方法)を用いて適当な供給源(例えば、ハイブリドーマ)由来の核酸から生成され得る。例えば、既知の配列の3’及び5’末端にハイブリダイズ可能な合成プライマーを用いたPCR増幅は、対象となる抗体を産生するハイブリドーマ細胞から得られたゲノムDNAを用いて行われ得る。かかるPCR増幅方法は、抗体の軽鎖及び/または重鎖をコードする配列を含む核酸を得るために使用することができる。かかるPCR増幅方法は、抗体の軽鎖可変領域及び/または重鎖可変領域をコードする配列を含む核酸を得るために使用することができる。増幅核酸は、例えば、キメラ及びヒト化抗体を生成するために、宿主細胞における発現のために及びさらなるクローニングのためにベクターにクローニングされ得る。
【0258】
特定の抗体をコードする核酸を含有するクローンは入手不可能であるが、その抗体分子の配列が既知である場合、免疫グロブリンをコードする核酸は、化学的に合成され得るか、あるいは適当な供給源(例えば、抗体cDNAライブラリー、または抗体を発現する任意の組織もしくは細胞(例えば、本明細書に記載の抗体を発現するように選択されたハイブリドーマ細胞)から生成されたcDNAライブラリー、またはそれから単離された核酸、好ましくはポリA+RNA)から、例えば、抗体をコードするcDNAライブラリー由来のcDNAクローンを特定するために、その配列の3’及び5’末端にハイブリダイズ可能な合成プライマーを用いたPCR増幅によって、またはその特定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いたクローニングによって得ることができる。次いで、PCRによって生成された増幅核酸は、当該技術分野で公知の任意の方法を用いて、複製可能なクローニングベクターにクリーニングされ得る。
【0259】
本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体をコードするDNAは、従来の手順を用いて(例えば、抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離及び配列決定され得る。ハイブリドーマ細胞は、かかるDNAの供給源としての機能を果たし得る。単離されると、DNAは、発現ベクター中に配置され、次いで、これを、E.coli細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(例えば、CHO GS System(商標)(Lonza)のCHO細胞)、または免疫グロブリンタンパク質を産生しない骨髄腫細胞などの宿主細胞にトランスフェクトさせ、組み換え宿主細胞中で抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体の合成を得ることができる。
【0260】
全抗体を生成するために、VHまたはVLヌクレオチド配列、制限部位、及び制限部位を保護するために隣接配列を含むPCRプライマーを使用して、scFvクローンにおいてVHまたはVL配列を増幅することができる。当業者に既知のクローニング技術を利用して、PCR増幅したVHドメインは、重鎖定常領域、例えば、ヒトガンマ4定常領域を発現するベクターにクローニングすることができ、PCR増幅されたVLドメインは、軽鎖定常領域、例えば、ヒトカッパまたはラムダ定常領域を発現するベクターにクローニングすることができる。ある特定の実施形態では、VHまたはVLドメインを発現するためのベクターは、EF-1αプロモーター、分泌シグナル、可変ドメインに対するクローニング部位、定常ドメイン、及びネオマイシンなどの選択マーカーを含む。VH及びVLドメインはまた、必要な定常領域を発現する1つのベクターにクローニングすることができる。次いで、重鎖転換ベクター及び軽鎖転換ベクターは、当業者に既知の技術を使用して、完全長抗体、例えば、IgGを発現する安定したまたは一過性型の細胞株を生成するために細胞株に同時導入される。
【0261】
また、このDNAを、例えば、マウス配列の代わりにヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインについてのコード配列で置換することによって、または免疫グロブリンコード配列に、非免疫グロブリンポリペプチドのためのコード配列の全てまたは部分を共有結合させることによって改変し得る。
【0262】
本明細書に記載の抗体をコードするポリヌクレオチドと高ストリンジェンシー、中間、または低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドも提供される。特定の実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、本明細書で提供されるVHドメイン及び/またはVLドメインをコードするポリヌクレオチドと高ストリンジェンシー、中間、または低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドも提供される。
【0263】
ハイブリダイゼーション条件は、当該技術分野に記載されており、当業者に既知である。例えば、ストリンジェント条件下でのハイブリダイゼーションは、約45℃で6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのフィルター結合DNAとのハイブリダイゼーション、続いて、約50~65℃で0.2×SSC/0.1%SDS中の1回以上の洗浄を含むことができ、高ストリンジェント条件下でのハイブリダイゼーションは、約45℃で6×SSC中でのフィルター結合核酸とのハイブリダイゼーション、続いて、約68℃で0.1×SSC/0.2%SDS中の1回以上の洗浄を含むことができる。他のストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションは、当業者に既知であり、例えば、Ausubel FM et al.,eds.,(1989)Current Protocols in Molecular Biology,Vol.I,Green Publishing Associates,Inc.及びJohn Wiley & Sons,Inc.,New Yorkの6.3.1-6.3.6及び2.10.3頁に記載されており、これを参照されたい。その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0264】
ある特定の態様では、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)及び関連ポリヌクレオチド及び発現ベクターに特異的に結合する本明細書に記載の抗体を(例えば、組み換えによって)発現する細胞(例えば、宿主細胞)が本明細書で提供される。宿主細胞、好ましくは哺乳動物細胞における組み換え発現のための抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体または断片をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含むベクター(例えば、発現ベクター)が本明細書で提供される。また、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体(例えば、ヒトまたはヒト化抗体)を組み換えに発現するためにかかるベクターを含む宿主細胞も本明細書で提供される。特定の態様では、宿主細胞からかかる抗体を発現することを含む、本明細書に記載の抗体を産生するための方法が本明細書で提供される。
【0265】
LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する本明細書に記載の抗体(例えば、完全長抗体、抗体の重鎖及び/または軽鎖、または本明細書に記載の単鎖抗体)の組み換え発現は、その抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する発現ベクターの構築を含む。抗体分子をコードするポリヌクレオチド、本明細書に記載の抗体の重鎖及び/または軽鎖、またはその断片(例えば、重鎖及び/または軽鎖可変領域)が得られると、抗体分子の産生のためのベクターは、当該技術分野で公知の技術を使用して組み換えDNA技術によって産生され得る。このようにして、ヌクレオチド配列をコードする抗体または抗体断片(例えば、軽鎖または重鎖)を含有するポリヌクレオチドを発現することによってタンパク質を調製するための方法が本明細書に記載されている。当業者に公知の方法は、配列をコードする抗体または抗体断片(例えば、軽鎖または重鎖)ならびに適切な転写及び翻訳対照シグナルを含有する発現ベクターを構築するために使用することができる。これらの方法としては、例えば、インビトロ組み換えDNA技術、合成技術、及びインビボ遺伝子組み換えが挙げられる。プロモーターに作動可能に連結された、本明細書に記載の抗体分子、抗体の重鎖もしくは軽鎖、抗体もしくはその断片の重鎖もしくは軽鎖可変ドメイン、または重鎖もしくは軽鎖CDRをコードするヌクレオチド配列を含む複製可能なベクターも提供される。かかるベクターは、例えば、抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含むことができ(例えば、国際公開第WO86/05807号及び同第WO89/01036号、ならびに米国特許第5,122,464号を参照されたい、これらは、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる)、その抗体の可変領域は、全重鎖、全軽鎖、または全重鎖及び軽鎖の両方の発現のためのかかるベクターにクローニングされ得る。
【0266】
発現ベクターは、従来の技術によって細胞(例えば、宿主細胞)に形質転換され、結果として生じる細胞は、本明細書に記載の抗体またはその断片を産生するために、従来の技術によって培養され得る。このようにして、宿主細胞におけるかかる配列の発現のためのプロモーターに作動可能に連結された、本明細書に記載の抗体もしくはその断片、またはその重鎖もしくは軽鎖、またはその断片、または本明細書に記載の単鎖抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する宿主細胞が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、二重鎖抗体の発現のために、重鎖及び軽鎖の両方をコードするベクターは、個別に、以下に詳述されるように、全免疫グロブリン分子の発現のために宿主細胞中に同時発現され得る。ある特定の実施形態では、宿主細胞は、本明細書に記載の抗体またはその断片の重鎖及び軽鎖の両方をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含有する。特定の実施形態では、宿主細胞は、2つの異なるベクターを含有し、第1のベクターは、本明細書に記載の抗体またはその断片の重鎖または重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含み、第2のベクターは、本明細書に記載の抗体またはその断片の軽鎖または軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む。他の実施形態では、第1の宿主細胞は、本明細書に記載の抗体またはその断片の重鎖または重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む第1のベクターを含み、第2の宿主細胞は、本明細書に記載の抗体の軽鎖または軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む第2のベクターを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体を形成するために第2の細胞の軽鎖/軽鎖可変領域と会合した第1の細胞によって発現された重鎖/重鎖可変領域。ある特定の実施形態では、かかる第1の宿主細胞及びかかる第2の宿主細胞を含む宿主細胞の集団が本明細書で提供される。
【0267】
特定の実施形態では、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体の軽鎖/軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む第1のベクターと、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体の重鎖/重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む第2のベクターとを含むベクターの集団が本明細書で提供される。
【0268】
様々な宿主発現ベクター系は、本明細書に記載の抗体分子を発現するために利用することができる(例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,807,715号を参照されたい)。かかる宿主発現システムは、対象となるコード配列が産生され、続いて、精製することができるビヒクルを表すが、適切なヌクレオチドコード配列で形質転換するか、またはそれでトランスフェクトされた場合に、インサイチュで本明細書に記載の抗体分子を発現し得る細胞も表す。これらには、抗体コード配列を含む組み換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌などの微生物(例えば、E.coli及びB.subtilis)、抗体コード配列を含む組み換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えば、Saccharomyces Pichia)、抗体コード配列を含む組み換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系、抗体コード配列を含む組み換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV、タバコモザイクウイルス、TMV)に感染したまたは組み換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞株(例えば、Chlamydomonas reinhardtiiなどの緑藻類)、あるいは哺乳動物細胞のゲノム由来のプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)または哺乳動物ウイルス由来のプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター、ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む組み換え発現構築物を有する哺乳動物細胞株(例えば、COS(例えば、COS1もしくはCOS)、CHO、BHK、MDCK、HEK 293、NS0、PER.C6、VERO、CRL7O3O、HsS78Bst、HeLa、及びNIH 3T3、HEK-293T、HepG2、SP210、R1.1、B-W、L-M、BSC1、BSC40、YB/20、及びBMT10細胞)が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体を発現するための細胞は、CHO細胞、例えば、CHO GS System(商標)(Lonza)由来のCHO細胞である。ある特定の実施形態では、CHO細胞によって産生された抗体の重鎖及び/または軽鎖は、ピログルタミン酸によって置換されたN末端グルタミンまたはグルタミン酸残基を有し得る。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体を発現するための細胞は、ヒト細胞、例えば、ヒト細胞株である。特定の実施形態では、哺乳動物発現ベクターは、pOptiVEC(商標)またはpcDNA3.3である。特定の実施形態では、Escherichia coliなどの細菌細胞、または特に全組み換え抗体分子の発現のための真核細胞(例えば、哺乳動物細胞)は、組み換え抗体分子の発現に用いられる。例えば、ヒトサイトメガロウイルス由来の主要中間初期遺伝子プロモーターエレメントなどのベクターと組み合わせたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの哺乳動物細胞は、抗体の効果的な発現系である(Foecking MK & Hofstetter H(1986)Gene 45:101-5、及びCockett MI et al.,(1990)Biotechnology 8(7):662-7、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、CHO細胞またはNS0細胞によって産生される。特定の実施形態では、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する本明細書に記載の抗体をコードするヌクレオチド配列の発現は、構成的プロモーター、誘導性プロモーター、または組織特異的プロモーターにより調節されている。
【0269】
細菌系では、抗体分子を発現させることを目的とした使用に応じて、多くの発現ベクターが有利に選択され得る。例えば、抗体分子の医薬組成物の生成のために、大量のかかる抗体が産生される場合、容易に精製される高レベルの融合タンパク質産物の発現を誘導するベクターが望ましくあり得る。かかるベクターは、融合タンパク質が産生されるように抗体コード配列がlac Zコード領域とインフレームでベクターに個々にライゲーションされ得る、E.coli発現ベクターpUR278(Ruether U & Mueller-Hill B(1983)EMBO J 2:1791-1794)、pINベクター(Inouye S & Inouye M(1985)Nuc Acids Res 13:3101-3109、Van Heeke G & Schuster SM(1989)J Biol Chem 24:5503-5509)などを含むが、これらに限定されない。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、pGEXベクターはまた、グルタチオン5-トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として外来性ポリペプチドを発現するために使用することができる。一般に、かかる融合タンパク質は、可溶性であり、マトリックスグルタチオンアガロースビーズへの吸着及び結合、続いて遊離グルタチオンの存在下での溶出により、溶解した細胞から容易に精製することができる。pGEXベクターは、クローニングされた標的遺伝子産物がGST部分から放出され得るように、トロンビンまたはXa因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計されている。
【0270】
昆虫系では、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)は、例えば、外来遺伝子を発現するためのベクターとして使用することができる。ウイルスは、Spodoptera frugiperda細胞中で成長する。抗体コード配列は、ウイルスの非必須領域(例えば、ポリヘドリン遺伝子)内に個々にクローニングされ、AcNPVプロモーター(例えば、ポリヘドリンプロモーター)の制御下に置かれ得る。
【0271】
哺乳動物宿主細胞では、多くのウイルスベースの発現系を利用することができる。アデノウイルスが発現ベクターとして用いられる場合には、対象となる抗体コード配列は、アデノウイルス転写/翻訳調節複合体、例えば、後期プロモーター及び三分裂リーダー配列にライゲーションされ得る。次いで、このキメラ遺伝子は、インビトロまたはインビボ組み換えによってアデノウイルスゲノムに挿入され得る。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば、領域ElまたはE3)中への挿入により、感染した宿主で生存可能であり、抗体分子を発現することができる組み換えウイルスが得られるであろう(例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるLogan J & Shenk T(1984)PNAS 81(12):3655-9を参照されたい)。特異的開始シグナルはまた、挿入した抗体コード配列の効率的な翻訳に必要とされ得る。これらのシグナルは、ATG開始コドン及び隣接配列を含む。さらに、開始コドンは、全挿入の翻訳を確実にするように、所望のコード配列のリーディングフレームと一致しなければならない。これらの外因性の翻訳調節シグナル及び開始コドンは、天然及び合成の両方の、種々の起源のものであり得る。発現の効率は、適切な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなどの包含により増強され得る(例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるBitter G et al.,(1987)Methods Enzymol.153:516-544を参照されたい)。
【0272】
さらに、挿入された配列の発現を調節するか、または所望の特異的な形で遺伝子産物を修飾及びプロセシングする宿主細胞株を選択することができる。タンパク質産物のかかる修飾(例えば、グリコシル化)及びプロセシング(例えば、切断)は、タンパク質の機能に重要であり得る。異なる宿主細胞は、タンパク質及び遺伝子産物の翻訳後のプロセシング及び修飾に対する独特かつ特異的なメカニズムを有する。適切な細胞株または宿主系を、発現した外来タンパク質の正しい修飾及びプロセシングを確実にするために選択することができる。この目的を達成するために、遺伝子産物の一次転写物の適当なプロセシング、グリコシル化、及びリン酸化のための細胞のメカニズムを有する真核生物の宿主細胞を使用することができる。かかる哺乳動物宿主細胞としては、CHO、VERO、BHK、Hela、MDCK、HEK 293、NIH 3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT2O及びT47D、NS0(いかなる免疫グロブリン鎖も内在性に産生しないマウス骨髄腫細胞株)、CRL7O3O、COS(例えば、COS1またはCOS)、PER.C6、VERO、HsS78Bst、HEK-293T、HepG2、SP210、R1.1、B-W、L-M、BSC1、BSC40、YB/20、BMT10、及びHsS78Bst細胞が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体)は、CHO細胞などの哺乳動物細胞において産生される。
【0273】
特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、低減したフコース含量を有するか、またはフコース含量を有さない。かかる抗体は、当業者に既知の技術を使用して産生され得る。例えば、抗体は、フコシル化の能力が欠損または欠如している細胞において発現され得る。具体例では、α1,6-フコシルトランスフェラーゼの両方の対立遺伝子のノックアウトを有する細胞株は、低減したフコース含量を有する抗体を産生するために使用することができる。Potelligent(登録商標)システム(Lonza)は、低減したフコース含量を有する抗体を産生するために使用することができるようなシステムの一例である。
【0274】
組み換えタンパク質の長期間、高収率産生のために、安定的発現が用いられ得る。例えば、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体を安定に発現する細胞株が操作され得る。特定の実施形態では、本明細書で提供される細胞は、本明細書に記載の抗体を形成するように会合する軽鎖/軽鎖可変領域及び重鎖/重鎖可変領域を安定に発現する。
【0275】
ある特定の態様では、ウイルスの複製起源を含む発現ベクターを用いるよりむしろ、宿主細胞を、適切な発現調節エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)により制御されたDNA、及び選択可能なマーカーで形質転換することができる。外来DNA/ポリヌクレオチドの導入後、操作された細胞は、富栄養培地中で1~2日間成長させることができ、次いで選択培地に交換される。組み換えプラスミド内の選択可能なマーカーは、選択への耐性を付与し、細胞が、その染色体中にプラスミドを安定に組み込み、焦点(これは、クローニングし、細胞株に拡張することができる)を形成するように成長することを可能にする。この方法は、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体またはその断片を発現する細胞株を操作するのに有利に使用することができる。かかる操作された細胞株は、抗体分子と直接または間接的に相互作用する組成物のスクリーニング及び評価で特に有用となり得る。
【0276】
それぞれ、tk-、hgprt-、またはaprt-細胞で用いることができる単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler M et al.,(1977)Cell 11(1):223-32)、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska EH & Szybalski W(1962)PNAS 48(12):2026-2034)、及びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy I et al.,(1980)Cell 22(3):817-23)遺伝子を含むが、これらに限定されない、多くの選択系を使用することができる。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。また、以下の遺伝子に対する選択に基づいて代謝拮抗剤耐性を使用することができる:メトレキサートへの耐性を与えるdhfr(Wigler M et al.,(1980)PNAS 77(6):3567-70、O’Hare K et al.,(1981)PNAS 78:1527-31)、ミコフェノール酸への耐性を与えるgpt(Mulligan RC & Berg P(1981)PNAS 78(4):2072-6)、アミノグリコシドG-418への耐性を与えるneo(Wu GY & Wu CH(1991)Biotherapy 3:87-95、Tolstoshev P(1993)Ann Rev Pharmacol Toxicol 32:573-596、Mulligan RC(1993)Science 260:926-932、及びMorgan RA & Anderson WF(1993)Ann Rev Biochem 62:191-217、Nabel GJ & Felgner PL(1993)Trends Biotechnol 11(5):211-5)、及びハイグロマイシンへの耐性を与えるhygro(Santerre RF et al.,(1984)Gene 30(1-3):147-56)。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。組み換えDNA技術の当該技術分野で一般に知られている方法は、所望の組み換えクローンを選択するために日常的に適用することができ、かかる方法は、例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Ausubel FM et al.,(eds.),Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,NY(1993)、Kriegler M,Gene Transfer and Expression,A Laboratory Manual,Stockton Press,NY(1990)、ならびにDracopoli NC et al.,(eds.),Current Protocols in Human Genetics,John Wiley & Sons,NY(1994)の第12章及び第13章、Colbere-Garapin F et al.,(1981)J Mol Biol 150:1-14に記載されている。
【0277】
抗体分子の発現レベルは、ベクター増幅により増大させることができる(概説としては、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Bebbington CR & Hentschel CCG,The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning,Vol.3(Academic Press、New York、1987)を参照されたい)。抗体を発現するベクター系のマーカーが増幅可能である場合、宿主細胞の培養中に存在する阻害剤のレベルの増加は、マーカー遺伝子のコピーの数を増やすであろう。増幅した領域が抗体遺伝子と関連するため、抗体の産生も増加するであろう(Crouse GF et al.,(1983)Mol Cell Biol 3:257-66、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
【0278】
宿主細胞に、本明細書に記載の2つ以上の発現ベクター、重鎖由来ポリペプチドをコードする第1のベクター及び軽鎖由来ポリペプチドをコードする第2のベクターを同時導入することができる。2つのベクターは、重鎖及び軽鎖ポリペプチドの等しい発現を可能とする同一の選択可能なマーカーを含み得る。宿主細胞は、異なる量の2つ以上の発現ベクターを同時導入することができる。例えば、宿主細胞は、第1の発現ベクターと第2の発現ベクターの比率が1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:12、1:15、1:20、1:25、1:30、1:35、1:40、1:45、または1:50のうちのいずれか1つでトランスフェクトされ得る。
【0279】
あるいは、重鎖及び軽鎖ポリペプチドの両方をコードし、発現することができる単一ベクターが使用することができる。かかる状況において、軽鎖は、重鎖の前に配置され、過剰量の毒性のない重鎖を回避するべきである(Proudfoot NJ(1986)Nature 322:562-565、及びKoehler G(1980)PNAS 77:2197-2199、その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。重鎖及び軽鎖についてのコード配列は、cDNAまたはゲノムDNAを含むことができる。発現ベクターは、モノシストロン性またはマルチシストロン性であり得る。マルチシストロン性核酸構築物は、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、もしくはそれ以上、または2~5、5~10、もしくは10~20個の遺伝子/ヌクレオチド配列の範囲内でコードすることができる。例えば、2シストロン性核酸構築物は、以下の順序で、プロモーター、第1の遺伝子(例えば、本明細書に記載の抗体の重鎖)、及び第2の遺伝子、及び(例えば、本明細書に記載の抗体の軽鎖)を含むことができる。かかる発現ベクターでは、両方の遺伝子の転写がプロモーターによって駆動され得る一方で、第1の遺伝子由来のmRNAの翻訳は、キャップ依存的走査機構によるものであり得、第2の遺伝子由来のmRNAの翻訳は、例えば、IRESによるキャップ非依存的機構によるものであり得る。
【0280】
本明細書に記載の抗体分子が組み換え発現によって産生されると、免疫グロブリン分子の精製のために当該技術分野で既知の任意の方法によって、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、特にタンパク質A後の特異抗原に対する親和性による親和性、及びサイズ排除カラムクロマトグラフィー)、遠心分離、吸収率較差溶解度によって、またはタンパク質の精製のための任意の他の標準の技術によって精製することができる。さらに、本明細書に記載の抗体は、精製を促進するために、本明細書に記載のまたはさもなければ当該技術分野で既知の異種ポリペプチド配列に融合し得る。
【0281】
特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、単離されるか、または精製される。一般に、単離された抗体は、単離された抗体よりも異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まないものである。例えば、特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体の調製物は、細胞物質及び/または化学的前駆体を実質的に含まない。「細胞物質を実質的に含まない」という語句は、単離されるか、または組み換え産生される、抗体が細胞の細胞成分から分離される抗体の調製物を含む。このようにして、細胞物質を実質的に含まない抗体は、約30%、20%、10%、5%、2%、1%、0.5%、または0.1%未満(乾燥重量で)の抗体の異種タンパク質(本明細書では「汚染タンパク質」とも称される)及び/または変異型、例えば、抗体または抗体(例えば、抗体断片)の他の異なるバージョンの異なる翻訳後の修飾型を有する抗体の調製物を含む。抗体が組み換え産生される場合、それはまた、一般に、培養培地を実質的に含まない、すなわち、培養培地は、タンパク質調製物の体積の約20%、10%、2%、1%、0.5%、または0.1%未満を表す。この抗体が化学的合成によって産生される場合、それは、一般に、化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない、すなわち、それは、タンパク質の合成に含まれる化学的前駆体または他の化学物質から分離される。したがって、抗体のかかる調製物は、約30%、20%、10%、または5%(乾燥重量で)未満の化学的前駆体または対象となる抗体以外の化合物を有する。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、単離されるか、または精製される。
【0282】
LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する抗体またはその断片は、抗体の合成のための当該技術分野で既知の任意の方法によって、例えば、化学合成によってまたは組み換え発現技術によって産生することができる。本明細書に記載の方法は、特に明記しない限り、分子生物学、微生物学、遺伝分析、組み換えDNA、有機化学、生化学、PCR、オリゴヌクレオチド合成及び修飾、核酸ハイブリダイゼーション、及び当該技術分野の範囲内である関連分野における従来の技術を用いる。これらの技術は、例えば、本明細書で引用される参照内に記載され、その文献で詳細に説明されている。例えば、Maniatis T et al.,(1982)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press、Sambrook J et al.,(1989),Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press、Sambrook J et al.,(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY、Ausubel FM et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1987年及び年次更新)、Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons(1987年及び年次更新)Gait(ed.)(1984)Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press、Eckstein(ed.)(1991)Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,IRL Press、Birren B et al.,(eds.)(1999)Genome Analysis:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0283】
特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、例えば、合成を介した作製、DNA配列の遺伝子操作を含む任意の手段によって調製されるか、発現されるか、作製されるか、または単離された抗体(例えば、組み換え抗体)である。ある特定の実施形態では、かかる抗体は、インビボで動物または哺乳動物(例えば、ヒト)の抗体生殖系列レパートリー内で天然に存在しない配列(例えば、DNA配列またはアミノ酸配列)を含む。
【0284】
一態様では、本明細書に記載の細胞または宿主細胞を培養することを含むLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する抗体を作製する方法が本明細書で提供される。一実施形態では、方法は、インビトロで実施される。ある特定の態様では、本明細書に記載の細胞または宿主細胞(例えば、本明細書に記載の抗体をコードするポリヌクレオチドを含む細胞または宿主細胞)を用いて抗体を発現すること(例えば、組み換え技術によって発現すること)を含むLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する抗体を作製する方法が本明細書で提供される。特定の実施形態では、細胞は、単離された細胞である。特定の実施形態では、外因性ポリヌクレオチドは、細胞に導入されている。特定の実施形態では、方法は、細胞または宿主細胞から得られた抗体を精製するステップをさらに含む。
【0285】
ポリクローナル抗体を産生するための方法は、当該技術分野で既知である(例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Short Protocols in Molecular Biology,(2002)5th Ed.,Ausubel FM et al.,eds.,John Wiley and Sons,New Yorkの第11章を参照されたい)。
【0286】
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組み換え、及びファージディスプレイ技術、またはそれらの組み合わせの使用を含む当該技術分野で既知の多種多様の技術を使用して調製され得る。例えば、モノクローナル抗体は、当該技術分野で既知のもの及び例えば、Harlow E & Lane D,Antibodies:A Laboratory Manualに教示されるものを含むハイブリドーマ技術を使用して産生され得る(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988)、Hammerling GJ et al.,Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563 681(Elsevier,N.Y.,1981)、その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、ハイブリドーマ技術を通して産生される抗体に限定されない。例えば、モノクローナル抗体は、本明細書に記載の抗体またはその断片、例えば、かかる抗体の軽鎖及び/または重鎖を外因的に発現する宿主細胞から組み換え技術によって産生され得る。
【0287】
特定の実施形態では、本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」は、単細胞(例えば、組み換え抗体を産生するハイブリドーマまたは宿主細胞)によって産生される抗体であり、例えば、ELISA、または当該技術分野で既知のまたは本明細書で提供される実施例における他の抗原結合もしくは競合的結合アッセイによって決定されるように、抗体が、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合する。特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体であり得る。ある特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、一価抗体または多価(例えば、二価)抗体である。特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、単一特異的または多特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)である。本明細書に記載のモノクローナル抗体は、例えば、Kohler G & Milstein C(1975)Nature 256:495に記載のハイブリドーマ方法によって作製され得るか、または、例えば、本明細書に記載の技術を使用して、例えば、ファージライブラリーから単離され得る。クローナル細胞株及びそれによって発現されるモノクローナル抗体の調製のための他の方法は、当該技術分野で公知である(例えば、Short Protocols in Molecular Biology,(2002)5th Ed.,Ausubel FM et al.,(上掲)の第11章を参照されたい)。
【0288】
ハイブリドーマ技術を使用した特異的抗体を産生及びスクリーニングするための方法は、当該技術分野で慣用的かつ公知である。例えば、ハイブリドーマ方法では、マウス、またはヒツジ、ヤギ、ウサギ、ラット、ハムスター、もしくはマカクザルなどの他の適切な宿主動物は、免疫化のために使用されるタンパク質(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3))に特異的に結合するであろう抗体を産生するか、または産生することができるリンパ球を誘発するように免疫化される。あるいは、リンパ球は、インビトロで免疫化されてもよい。次いで、リンパ球は、ポリエチレングリコールなどの適当な融合剤を用いて骨髄腫細胞と融合して、ハイブリドーマ細胞(参照により全体が本明細書に組み込まれる、Goding JW(Ed),Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59-103(Academic Press,1986))を形成する。さらに、RIMMS(反復免疫化多重部位)技術を使用して、動物を免疫化することができる(参照により全体が本明細書に組み込まれる、Kilpatrick KE et al.,(1997)Hybridoma 16:381-9)。
【0289】
いくつかの実施形態では、マウス(またはラット、サル、ロバ、ブタ、ヒツジ、ハムスター、もしくはイヌなどの他の動物)を抗原(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3))で免疫化することができ、免疫応答が検出されると、例えば、マウス血清中に抗原に特異的な抗体が検出されると、マウス膵臓が回収され、膵細胞が単離される。次いで、膵細胞は、公知の技術によって、任意の適当な骨髄腫細胞、例えば、the American Type Culture Collection(ATCC(登録商標))(Manassas、VA)から入手可能な細胞株SP20由来の細胞と融合して、ハイブリドーマを形成する。ハイブリドーマは、限界希釈により選択及びクローニングされる。ある特定の実施形態では、免疫化されたマウスのリンパ節が回収され、NS0骨髄腫細胞と融合する。
【0290】
このようにして調製されたハイブリドーマ細胞は、好ましくは、非融合の親骨髄腫細胞の成長または生存を阻害する1つ以上の物質を含有する適当な培養培地中で播種し、成長させる。例えば、親骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠いている場合、ハイブリドーマのための培養培地は、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジン(HAT培地)を含み、これらの物質は、HGPRT欠損細胞の成長を阻止するであろう。
【0291】
具体的な実施形態は、効果的に融合し、選択された抗体を産生する細胞によって安定した高レベルの抗体の産生を支援し、HAT培地などの培地に対して感受性がある骨髄腫細胞を用いる。これらのうちで、骨髄腫細胞株は、NS0細胞株またはthe Salk Institute Cell Distribution Center(San Diego,CA,USA)から入手可能なMOPC-21及びMPC-11マウス腫瘍に由来するもの、ならびにthe American Type Culture Collection(Rockville,MD,USA)から入手可能なSP-2またはX63-Ag8.653細胞などのマウス骨髄腫である。ヒト骨髄腫及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株はまた、ヒトモノクローナル抗体(Kozbor D(1984)J Immunol 133:3001-5、Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987)、その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の産生についても記載されている。
【0292】
ハイブリドーマ細胞が成長している培養培地は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に対して誘導されたモノクローナル抗体の産生についてアッセイされる。ハイブリドーマ細胞によって産生されたモノクローナル抗体の結合特異性は、当該技術分野で既知の方法によって、例えば、免疫沈降、または放射免疫アッセイ(RIA)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)などのインビトロの結合アッセイによって決定される。
【0293】
所望の特異性、親和性、及び/または活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を特定した後、そのクローンを、限界希釈法によってサブクローニングし、標準の方法によって成長させ得る(Goding JW(Ed),Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(上掲))。この目的のために適当な培養培地は、例えば、D-MEMまたはRPMI 1640培地を含む。さらに、ハイブリドーマ細胞は、動物において腹水腫瘍としてインビボで成長させ得る。
【0294】
サブクローンにより分泌されるモノクローナル抗体は、例えば、プロテインA-セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、または親和性クロマトグラフィーなどの従来の免疫グロブリン精製手順によって培養培地、腹水、または血清から適切に分離される。
【0295】
本明細書に記載の抗体は、特異的なLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)を認識する抗体断片を含み、当業者に既知の任意の技術によって生成され得る。例えば、本明細書に記載のFab及びF(ab’)断片は、パパイン(Fab断片を産生するため)またはペプシン(F(ab’)断片を産生するため)などの酵素を用いて、免疫グロブリン分子のタンパク質切断によって産生され得る。Fab断片は、抗体分子の2つの同一のアームのうちの一方に対応し、重鎖のVH及びCH1ドメインと対になった完全な軽鎖を含有する。F(ab’)断片は、ヒンジ領域内のジスルフィド結合によって結合される抗体分子の2つの抗原結合アームを含有する。
【0296】
さらに、本明細書に記載の抗体は、当該技術分野で既知の様々なファージディスプレイ方法を使用して生成することもできる。ファージディスプレイ方法では、機能的抗体ドメインは、それをコードするポリヌクレオチド配列を保有するファージ粒子の表面上に露出される。特に、VH及びVLドメインをコードするDNA配列は、動物cDNAライブラリー(例えば、感染組織のヒトまたはマウスcDNAライブラリー)から増幅される。VH及びVLドメインをコードするDNAは、PCRによりscFvリンカーと一緒に組み換えられ、ファージミドベクターにクローニングされる。ベクターは、E.coliに電気穿孔処理され、E.coliはヘルパーファージに感染する。これらの方法で用いられるファージは、典型的には、fd及びM13を含む繊維状ファージであり、VH及びVLドメインは、通常、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIのいずれかに組み換えにより融合する。特定の抗原に結合する抗原結合ドメインを発現しているファージは、抗原で、例えば、標識化した抗原あるいは固体表面もしくはビーズに結合または捕捉された抗原を用いて、選択または特定することができる。本明細書に記載の抗体を作製するために使用することができるファージディスプレイ法の例としては、Brinkman U et al.,(1995)J Immunol Methods 182:41-50、Ames RS et al.,(1995)J Immunol Methods 184:177-186、Kettleborough CA et al.,(1994)Eur J Immunol 24:952-958、Persic L et al.,(1997)Gene 187:9-18、Burton DR & Barbas CF(1994)Advan Immunol 57:191-280、PCT公開第PCT/GB91/001134号、国際公開第第WO90/02809号、同第WO91/10737号、同第WO92/01047号、同第WO92/18619号、同第WO93/11236号、同第WO95/15982号、同第WO95/20401号、及び同第WO97/13844号、ならびに米国特許第5,698,426号、同第5,223,409号、同第5,403,484号、同第5,580,717号、同第5,427,908号、同第5,750,753号、同第5,821,047号、同第5,571,698号、同第5,427,908号、同第5,516,637号、同第5,780,225号、同第5,658,727号、同第5,733,743号、及び同第5,969,108号に開示されるものが挙げられる。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0297】
上記文献に記載されているように、ファージ選択後、このファージ由来の抗体コード領域は、単離され、ヒト抗体を含む全抗体、または任意の他の所望の抗原結合断片を生成するために使用され、例えば、以下に記載の、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母、及び細菌を含む任意の所望の宿主で発現され得る。PCT公開第WO92/22324号、Mullinax RL et al.,(1992)BioTechniques 12(6):864-9、Sawai H et al.,(1995)Am J Reprod Immunol 34:26-34、及びBetter M et al.,(1988)Science 240:1041-1043(これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるものなどの当該技術分野で既知の方法を使用して、Fab、Fab’、及びF(ab’)断片などの抗体断片を組み換えによって産生する技術を用いることもできる。
【0298】
ある特定の実施形態では、全抗体を生成するために、VHまたはVLヌクレオチド配列、制限部位、及び制限部位を保護するために隣接配列を含むPCRプライマーを使用して、テンプレート、例えば、scFvクローンからVHまたはVL配列を増幅することができる。当業者に既知のクローニング技術を利用して、PCR増幅したVHドメインは、VH定常領域を発現するベクターにクローニングすることができ、PCR増幅されたVLドメインは、VL定常領域、例えば、ヒトカッパまたはラムダ定常領域を発現するベクターにクローニングすることができる。VH及びVLドメインはまた、必要な定常領域を発現する1つのベクターにクローニングすることができる。次いで、重鎖転換ベクター及び軽鎖転換ベクターは、当業者に既知の技術を使用して、完全長抗体、例えば、IgGを発現する安定または一過性型の細胞株を作製するために細胞株に同時導入される。
【0299】
キメラ抗体は、抗体の異なる部分が異なる免疫グロブリン分子に由来する分子である。例えば、キメラ抗体は、ヒト抗体の定常領域に融合したマウスまたはラットモノクローナル抗体の可変領域を含有することができる。キメラ抗体を産生するための方法は、当該技術分野で既知である。例えば、Morrison SL(1985)Science 229:1202-7、Oi VT & Morrison SL(1986)BioTechniques 4:214-221、Gillies SD et al.,(1989)J Immunol Methods 125:191-202、及び米国特許第5,807,715号、同第4,816,567号、同第4,816,397号、及び同第6,331,415号を参照されたい。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0300】
ヒト化抗体は、所定の抗原に結合することができ、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有するフレームワーク領域及び非ヒト免疫グロブリン(例えば、マウス免疫グロブリン)のアミノ酸配列を実質的に有するCDRを含む。特定の実施形態では、ヒト化抗体はまた、少なくとも免疫グロブリン定常領域(Fc)の一部分、典型的には、ヒト免疫グロブリンの一部分を含む。この抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3、及びCH4領域を含み得る。ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA、及びIgEを含む任意のクラスの免疫グロブリン、ならびにIgG、IgG、IgG、及びIgGを含む任意のアイソタイプから選択され得る。ヒト化抗体は、CDRグラフト(欧州特許第EP239400号、国際公開第WO91/09967号、及び米国特許第5,225,539号、同第5,530,101号、及び同第5,585,089号)、ベニアリングまたはリサーフェイシング(欧州特許第EP592106号及び同第EP519596号、Padlan EA(1991)Mol Immunol 28(4/5):489-498、Studnicka GM et al.,(1994)Prot Engineering 7(6):805-814、及びRoguska MA et al.,(1994)PNAS 91:969-973)、チェインシャフリング(米国特許第5,565,332号)、ならびに、例えば、米国特許第6,407,213号、米国特許第5,766,886号、国際公開第WO93/17105号、Tan P et al.,(2002)J Immunol 169:1119-25、Caldas C et al.,(2000)Protein Eng.13(5):353-60、Morea V et al.,(2000)Methods 20(3):267-79、Baca M et al.,(1997)J Biol Chem 272(16):10678-84、Roguska MA et al.,(1996)Protein Eng 9(10):895 904、Couto JR et al.,(1995)Cancer Res.55(23 Supp):5973s-5977s、Couto JR et al.,(1995)Cancer Res 55(8):1717-22、Sandhu JS(1994)Gene 150(2):409-10、及びPedersen JT et al.,(1994)J Mol Biol 235(3):959-73に開示されている技術を含むが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の種々の技術を使用して産生することができる。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国出願公開第US2005/0042664 A1号(2005年2月24日)も参照されたい。
【0301】
多重特異的(例えば、二重特異的抗体)を作製するための方法が記載されており、例えば、米国特許第7,951,917号、同第7,183,076号、同第8,227,577号、同第5,837,242号、同第5,989,830号、同第5,869,620号、同第6,132,992号、及び同第8,586,713号を参照されたい。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0302】
単一ドメイン抗体、例えば、軽鎖を欠いている抗体は、当該技術分野で公知の方法によって産生することができる。Riechmann L & Muyldermans S(1999)J Immunol 231:25-38、Nuttall SD et al.,(2000)Curr Pharm Biotechnol 1(3):253-263、Muyldermans S,(2001)J Biotechnol 74(4):277-302、米国特許第6,005,079号、ならびに国際公開第WO94/04678号、同第WO94/25591号、及び同第WO01/44301号を参照されたい。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0303】
さらに、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗原に特異的に結合する抗体は、次いで、当業者に公知の技術を使用して、抗原を「模倣する」抗イディオタイプ抗体を生成するために利用することができる。例えば、Greenspan NS & Bona CA(1989)FASEB J 7(5):437-444、及びNissinoff A(1991)J Immunol 147(8):2429-2438を参照されたい。その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0304】
特定の実施形態では、本明細書に記載の抗LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗体と同じエピトープのLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に結合する本明細書に記載の抗体は、ヒト抗体である。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体のうちのいずれか1つのLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)への結合を(例えば、用量依存的様式で)競合的に阻害する本明細書に記載の抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野で既知の任意の方法を用いて産生することができる。例えば、機能的な内在性免疫グロブリンを発現することができないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現することができるトランスジェニックマウスを使用することができる。特に、ヒト重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体は、ランダムに、または相同的組み換えによりマウス胚幹細胞内に導入することができる。あるいは、ヒト重鎖及び軽鎖遺伝子に加えて、ヒト可変領域、定常領域、及び多様性領域をマウス胚幹細胞に導入することができる。マウス重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、相同的組み換えによって、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入で別々にまたは同時に非機能性を与えられ得る。特に、J領域のホモ接合性欠失は、内在性抗体の産生を妨げる。改変した胚幹細胞を拡張し、胚盤胞内に微量注入し、キメラマウスを産生する。次いで、キメラマウスを繁殖させて、ヒト抗体を発現するホモ接合性子孫を作出する。トランスジェニックマウスは、選択された抗原、例えば、抗原(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3))の全てまたは一部分で通常の様式で免疫化される。抗原に対して誘導されたモノクローナル抗体は、従来のハイブリドーマ技術を使用して免疫化したトランスジェニックマウスから得ることができる。トランスジェニックマウスが有するヒト免疫グロブリントランス遺伝子は、B細胞分化の間に再編成し、引き続いてクラススイッチ及び体細胞変異を起こす。このように、かかる技術を使用して、治療に有用なIgG、IgA、IgM、及びIgE抗体を産生することが可能である。ヒト抗体を産生するためのこの技術の概要については、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Lonberg N & Huszar D(1995)Int Rev Immunol 13:65-93を参照されたい。ヒト抗体及びヒトモノクローナル抗体を産生するためのこの技術ならびにかかる抗体を産生するためのプロトコルの詳細な考察については、例えば、国際公開第WO98/24893号、同第WO96/34096号、及び同第WO96/33735号、ならびに米国特許第5,413,923号、同第5,625,126号、同第5,633,425号、同第5,569,825号、同第5,661,016号、同第5,545,806号、同第5,814,318号、及び同第5,939,598号を参照されたい。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。ヒト抗体を産生することができるマウスの例としては、ゼノマウス(商標)(Abgenix,Inc.、米国特許第6,075,181号及び同第6,150,184号)、HuAb-マウス(商標)(Mederex,Inc./Gen Pharm、米国特許第5,545,806号及び同第5,569,825号)、トランスクロモマウス(商標)(Kirin)、及びKMマウス(商標)(Medarex/Kirin)が挙げられる。
【0305】
LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)に特異的に結合するヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを用いた上記のファージディスプレイ方法を含む当該技術分野で既知の様々な方法によって作製することができる。米国特許第4,444,887号、同第4,716,111号、及び同第5,885,793号、ならびに国際公開第WO98/46645号、同第WO98/50433号、同第WO98/24893号、同第WO98/16654号、同第WO96/34096号、同第WO96/33735号、及び同第WO91/10741号も参照されたい。これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0306】
いくつかの実施形態では、ヒト抗体は、マウス-ヒトハイブリドーマを用いて産生することができる。例えば、エプスタイン・バーウイルス(EBV)で形質転換されたヒト末梢血リンパ球は、マウス骨髄腫細胞と融合して、ヒトモノクローナル抗体を分泌するマウス-ヒトハイブリドーマを産生することができ、これらのマウス-ヒトハイブリドーマをスクリーニングして、標的抗原(例えば、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3))に特異的に結合するヒトモノクローナル抗体を分泌するものを決定することができる。かかる方法は、当該技術分野で既知であり、記載されており、例えば、Shinmoto H et al.,(2004)Cytotechnology 46:19-23、Naganawa Y et al.,(2005)Human Antibodies 14:27-31を参照されたい。その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0307】
6.6 キット
1つ以上の本明細書に記載の抗体または医薬組成物またはその共役体を含むキットも本明細書で提供される。特定の実施形態では、本明細書で提供される1つ以上の抗体などの本明細書に記載の医薬組成物の成分のうちの1つ以上で充填された1つ以上の容器を含む薬学的パックまたはキットが本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載の医薬組成物、及び本明細書に記載のものなどの任意の予防または治療剤を含有する。ある特定の実施形態では、キットは、例えば、フィトヘムアグルチニン(PHA)及び/またはホルボールミリステートアセテート(PMA)、または抗CD3抗体及び抗CD28抗体などのTCR複合体刺激抗体などのT細胞マイトジェンを含有し得る。必要に応じて、かかる容器(複数可)と関連して、調合薬または生物学的製剤の製造、使用、または販売を規制する行政機関によって規定された様式の注意書きを含むことができ、この注意書きは、ヒトへの投与のための製造、使用、または販売の機関による承認を反映する。
【0308】
上記の方法で使用され得るキットも本明細書で提供される。一実施形態では、キットは、1つ以上の容器中に、本明細書に記載の抗体、好ましくは精製抗体を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載のキットは、対照として、実質的に単離されたLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗原を含む。別の特定の実施形態では、本明細書に記載のキットは、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗原と反応しない対照抗体をさらに含む。別の特定の実施形態では、本明細書に記載のキットは、抗体のLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗原への結合を検出するための1つ以上の要素を含む(例えば、抗体は、蛍光化合物、酵素基質、放射性化合物、もしくは発光化合物などの検出可能な基質と共役され得るか、または第1の抗体を認識する第2の抗体は、検出可能な基質と共役され得る)。特定の実施形態では、本明細書に記載のキットは、組み換え産生されたまたは化学的に合成したLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗原を含むことができる。キットに提供されたLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗原はまた、固体支持体に付着され得る。さらに特定の実施形態では、上述のキットの検出手段は、LAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗原が付着される固体支持体を含む。かかるキットはまた、非付着レポーター標識抗ヒト抗体または抗マウス/ラット抗体を含むことができる。この実施形態では、抗体のLAG-3(例えば、ヒトLAG-3)抗原への結合は、前記レポーター標識抗体の結合によって検出され得る。一実施形態では、本発明は、生物試料中のLAG-3抗原(例えば、ヒトLAG-3)をインビトロで評価及び/または検出するための、本発明のキットの使用に関する。
【実施例0309】
7.実施例
この項(すなわち、項6)における実施例は、例証として提供されており、限定するものではない。
【0310】
7.1 実施例1:ヒトLAG-3に対する新規の抗体の生成及び特徴付け
この実施例は、CD223としても知られるヒトリンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)に結合する抗体の生成及び特徴付けを説明する。特に、この実施例は、ヒトLAG-3に特異的に結合し、ヒトLAG-3の機能を阻害するマウス抗体の生成を説明する。
【0311】
7.1.1 抗LAG-3抗体の生成
抗LAG-3抗体は、免疫したFabファージディスプレイライブラリーの生成及び選択によって特定した。まず、組み換えヒトLAG-3-Fcタンパク質(R&D Systems、Cat#2319-L3-050)及び組み換えカニクイザルLAG-3-Fcタンパク質(Evitria、特注)で予め免疫した3匹の個々のマウス由来の脾細胞の単一細胞懸濁液から全RNAを精製した。その後、マウスごとに、全RNAをテンプレートとして用いたランダムプライムcDNAによってFabライブラリーを生成し、マウス抗体遺伝子から可変領域を増幅した。重鎖及びカッパ鎖アンプリコンを組み合わせて、ファージミドベクターにクローニングした。3ラウンドの選択を、組み換えLAG-3タンパク質(ヒトLAG-3-Fc、ヒトLAG-3-6His、及び/または30アミノ酸ヒトLAG-3ペプチド)及び/またはカニクイザルLAG-3を発現する細胞に対して実施し、LAG-3特異的Fabファージクローンを特定した。30アミノ酸ヒトLAG-3ペプチドは、GPPAAAPGHPLAPGPHPAAPSSWGPRPRRYのアミノ酸配列(配列番号199)を含むビオチン化ペプチドである。その後、選択したFabクローンのペリプラズム抽出物をELISAまたはフローサイトメトリーによってスクリーニングした。次いで、抗体シーケンシング及びオフ率分析を抗LAG-3 Fabで実施した。
【0312】
ヒトLAG-3に結合する一連のマウス抗体を特定し、P01A12、P01C09、P05E01、P05E03、P13A04、P13A06、P13B01、P13B02、P13B03、P13B11、P13C06、P13C08、P13C10、P13D04、P13D05、P13E02、P13F01、P13F02、P13F06、P13F09、P13G01、P13G04、P13G05、P13H05、P14A04、P14B07、P14C04、P14F01、P14F06、P14G01、P14G03、P15B06、P15C02、P15E06、P15F06、P15G05、P16D04、及びP16H05として指名した。これらの抗体の可変領域の配列情報を表6にまとめる。
【0313】
7.1.2 抗LAG-3 FabのLAG-3発現細胞への結合
ペリプラズム抽出物からの抗LAG-3 Fabを、フローサイトメトリーを用いて、LAG-3発現細胞への結合について試験した。簡単に言えば、野生型ジャーカット細胞及びヒトLAG-3を発現するジャーカット細胞を、96ウェルU底プレート(Sarstedt)中の試料緩衝液(PBS(Gibco、Cat#10010-015)+0.5%FBS(Gibco、Cat#10270-106))において2×10細胞/ウェルで播種した。22μlの抗LAG-3 Fabペリプラズム抽出物、及び83μlの希釈抗c-myc抗体(Gentaur、クローン#9E10、Cat#04-cmyc-9E10)を室温で30分間インキュベートした。100μlのペリプラズム抽出物/抗c-myc混合物を細胞に添加した後、氷上で1時間インキュベートした。細胞を3回洗浄した後、ヤギ抗マウスAPC(BD Biosciences、Cat#550826)と氷上にて30分間インキュベートした。細胞を3回洗浄した後、FACSマシン(BD Accuri6)で分析した。
【0314】
図1A~1Cに示すように、試験した全ての抗LAG-3 Fabは、ヒトLAG-3を発現するジャーカット細胞への結合を示した。P05E01の結合の見かけ上の低レベルは、恐らくは、ペリプラズム抽出物中の低Fab濃度によるものであった。P05E01の結合は、後の実験で確認された(データ不図示)。
【0315】
7.1.3 抗LAG-3 Fabまたは抗体のリガンド遮断活性
抗LAG-3 Fabを、組み換えヒトLAG-3のMHCクラスII発現細胞への結合を遮断する能力について試験した。LAG-3-6His(Acro Biosystems、Cat#LA3-H5222)を、抗Hisビオチン(Genscript、クローン#A00186、Cat#A00613)を6μg/mlで、10μg/mlで4℃にて10分間プレインキュベートした。次いで、この混合物を、抗LAG-3 FabまたはLAG-3に特異的ではない陰性対照Fabの10000ng/ml(図2A)または連続希釈(21170、7056.6、2352.2、784.0、261.3、87.1、29.0、または9.7ng/ml)(図2B)のいずれかと4℃で60分間インキュベートした後、50,000Raji細胞でさらに60分間4℃にてインキュベートした。培養を試料緩衝液(PBS+2%FBS+0.09%アジ化ナトリウム)で2回洗浄した後、試料緩衝液中のストレプトアビジン-PE(Biolegend、Cat#405204)と4℃で30分間インキュベートした。細胞を2回洗浄した後、FACS Fortessaサイトメーター(Becton Dickinson)で分析した。
【0316】
図2A及び2Bに示すように、試験した全ての抗LAG-3 Fabは、架橋組み換えLAG-3-6HisのMHCクラスII陽性Raji細胞への結合を遮断した。
【0317】
選択したFabの可変領域をヒト重鎖(Ch1、Ch2、及びCh3)及び軽鎖(CL)定常領域にクローニングし、完全長IgGキメラ抗体として発現させ、上述と同様のリガンド遮断アッセイで種々の濃度(96360、48180、24090、12045、6022、3011、1505、753、376、188、または94ng/ml)にて試験した。
【0318】
試験した全ての完全長キメラ抗LAG-3抗体は、組み換えLAG-3とMHCクラスIIを発現するRaji細胞との間の相互作用を遮断した(図3)。
【0319】
7.1.4 StaphylococcusエンテロトキシンA(SEA)刺激の際の抗LAG-3抗体のヒトPBMCに対する効果
キメラ抗LAG-3抗体P13B02の機能活性は、StaphylococcusエンテロトキシンA(SEA)で刺激された初代ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を用いて試験した。簡単に言えば、凍結保存したヒトPBMC(Research Blood Components)を、96ウェルNUNCLONデルタ定盤(NUNC(商標))における、Normocin(商標)(Invivogen、Cat#ant-nr-1)及び10%熱不活性化FBS(Thermo Fisher Scientific、Cat#26140079)を補充したRPMI1640中で10細胞/ウェルで播種した。細胞を、100ng/mlのSEA(Toxin Technologies、Cat#at101red)及び10μg/mlのP13B02またはアイソタイプ対照抗体で、37℃、5%CO、及び97%湿度で5日間培養した。澄明化された上清を収集し、分析するまで-80℃で保存した。IL-2レベルは、AlphaLISA(Perkin Elmer、Cat#AL221C)を用いて決定した。
【0320】
図4に示すように、抗LAG-3抗体P13B02は、SEAスーパー抗原で刺激されたヒトPBMC中のIL-2産生を増加させた。
【0321】
7.2 実施例2:ヒトLAG-3に対するヒト化抗体の生成及び特徴付け
この実施例は、マウス抗体P13B02のヒト化、及びヒト化抗体の特徴付けを説明する。
【0322】
7.2.1 マウス抗体P13B02のヒト化
相同性マッチングを使用して、マウス抗体P13B02のCDRをグラフトするためのヒト受容体フレームワーク領域を選択した。データベース、例えば、ヒト及びマウスの免疫グロブリン遺伝子座由来の生殖系列可変遺伝子のデータベース(IMGTデータベース(the international ImMunoGeneTics information system(登録商標)、Lefranc MP et al.,(1999)Nucleic Acids Res 27(1):209-12、Ruiz M et al.,(2000)Nucleic Acids Res 28(1):219-21、Lefranc MP(2001)Nucleic Acids Res 29(1):207-9、Lefranc MP(2003)Nucleic Acids Res 31(1):307-10、Lefranc MP et al.,(2005)Dev Compo Immunol 29(3):185-203、Kaas Q et al.,(2007)Briefings in Functional Genomics & Proteomics 6(4):253-64)またはVBASE2(Retter I et al.,(2005)Nucleic Acids Res 33,Database issue D671-D674)またはKabatデータベース(Johnson G et al.,(2000)Nucleic Acids Res 28:214-218))または出版物(例えば、Kabat EA et al.,(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、Fifth Edition、U.S.Department of Health and Human Services、NIH公開番号第91-3242号)(これらは全て、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、マウス重鎖及び軽鎖可変領域が属するヒトサブファミリーを特定し、受容体分子として用いるのに最良適合のヒト生殖系列フレームワークを決定するために使用され得る。受容体として使用されるべきこれらのサブファミリー内の重鎖及び軽鎖可変領域配列の選択は、グラフト後の6つのCDRの適切な相対提示の保存に役立つように、配列相同性及び/またはCDR1及びCDR2領域の構造の一致に基づき得る。
【0323】
BioEdit Sequence Alignment Editor(参照により全体が本明細書に組み込まれるHall,T.A.1999.BioEdit:Windows95/98/NT用の使いやすい生物学的配列アライメントエディター及び解析プログラム。Nucl.Acids.Symp.Ser.41:95-98)を用いてIMGT.orgからダウンロードしたIMGTデータベースの検索は、P13B02の重鎖可変領域フレームワークとヒト重鎖可変領域サブグループIGHV1のメンバーとの間で良好な相同性を示した。CDR配列及びフレームワーク配列の両方の最高相同性及び同一性は、生殖系列配列:IGHV1-46*01(配列番号153)(62%の同一性、98のうちの61のアミノ酸残基)、IGHV1-69-2*01(配列番号154)(63%の同一性、62/98)、IGHV1-3*01(配列番号155)(64%の同一性、63/98)、IGHV1-24*01(配列番号156)(61%の同一性、60/98)、IGHV1-2*01(配列番号157)(60%の同一性、59/98)、IGHV1-45*01(配列番号158)(59%の同一性、58/98)、及びIGHV1-18*01(配列番号159)(60%の同一性、59/98)において観察された。
【0324】
同じアプローチを用いて、P13B02の軽鎖可変ドメイン配列は、ヒト軽鎖可変領域のカッパサブグループIGKV3及びIGKV1のメンバーに対して良好な相同性を示した。CDR配列及びフレームワーク配列の両方の最高相同性及び同一性は、生殖系列配列:IGKV3-20*01(配列番号160)(59%の同一性、96のうちの57のアミノ酸残基)、IGKV3D-15*01、及びIGKV3-15*01(配列番号161)(58%の同一性、56/96)、IGKV3D-20*01(配列番号162)(59%の同一性、57/96)、IGKV3D-7*01(配列番号163)(58%の同一性、56/96)、IGKV1-9*01(配列番号164)(63%の同一性、61/96)、及びIGKV3-11*01(配列番号165)(60%の同一性、58/96)において観察された。
【0325】
ヒト化プロセスにおける出発点として、マウスP13B02 VHのCDRグラフトバージョンが、ヒトフレームワーク受容体として、ヒトIGHV1-46*01(配列番号153)のフレームワーク領域1、2、及び3、及びヒトIGHJ1*01(配列番号200)のフレームワーク領域4を使用して生成された。CDRまたは可変内領域パッキングの立体配座に影響を及ぼし得、それ故に、抗体(H0~H4、それぞれ配列番号56~60及び220)の完全活性を維持するのに構造的に重要であり得る位置で、多くの復帰突然変異が行われた(図5A)。同様に、マウスP13B02 VLのCDRグラフトバージョンが、ヒトフレームワーク受容体(L0、配列番号73)として、ヒトIGKV3-20*01(配列番号160)のフレームワーク領域1、2、及び3、及びヒトIGKJ1*01(配列番号201)のフレームワーク4を使用して生成された(図5B)。復帰突然変異は、種々の位置(L1~L4、それぞれ配列番号74~77)で生成された(図5B)。ヒト化VH H0~H4、及びヒト化VL L0~L4の配列を表1に提供する。表10は、マウスフレームワーク領域とヒト抗体フレームワーク領域と間で異なり、上述のヒト化VHまたはVLのうちの少なくとも1つにおいて復帰突然変異を施す位置を示す。表11は、マウスフレームワーク領域とヒト抗体フレームワーク領域と間で異なり、H1_R98K_L4Mにおいて復帰突然変異を施す位置を示す。
【表10A】
【表10B】
【表11】
【0326】
さらに、P13B02のHCDR3は、インテグリン結合モチーフ「RGD」を模倣するために以前に実証されている「RYD」モチーフを含む。「RYD」モチーフがLAG-3への結合に影響を与えることなく除去できたかどうかを試験するため、Kabatの定義にしたがって番号付けしたアミノ酸置換R98KまたはD100Eを重鎖に導入した。
【0327】
P13B02-01~P13B02-37として指名した37のヒト化抗体のパネルは、上記の説明に基づいて設計され、完全長IgG抗体として生成された。P13B02-30は、3つのバージョンで生成された:IgG G1m17アロタイプを含む完全長抗体(P13B02-30(IgG)と称される)、N297A突然変異を有する、IgG G1m17アロタイプを含む完全長抗体(P13B02-30(IgG G1m17 N297A)と称される)、及びN297A突然変異を有する、IgG G1m3アロタイプを含む完全長抗体(P13B02-30(IgG G1m3 N297A)と称される)。P13B02-01~P13B02-37の可変領域の配列情報を表7にまとめる。2つのバッチのP13B02-30(IgG G1m3 N297A)を、プロデューサー細胞中の翻訳後プロセシングについて調べた。これら全ての37のヒト化抗体は、表面プラズモン共鳴分析において組み換えヒトLAG-3への結合を保持した(データ不図示)。
【0328】
7.2.2 ヒト化抗LAG-3抗体のヒトLAG-3への結合
抗LAG-3抗体を、フローサイトメトリーを用いて、初代ヒトT細胞への結合について試験した。凍結保存したヒトPBMC(Research Blood Components)を、100ng/mlのSEA(Toxin Technologies、Cat#at101red)の存在下で、T-75フラスコ(Corning)中にNormocinTM(Invivogen、Cat#ant-nr-1)及び10%熱不活性化FBS(Thermo Fisher Scientific、Cat#26140079)を補充したRPMI1640において10細胞/mlで、37℃、5%CO、及び97%湿度で5日間播種した。その後、培養したPBMCを、96ウェルU底プレート(Nunc)中で10細胞/ウェルで播種した。細胞を10μg/mlの抗LAG-3抗体で氷上にて30分間インキュベートした。細胞を3回洗浄した後、抗CD4-PE/Cy7(Biolegend、クローン#OKT4、Cat#317414)、抗CD8-FITC(Biolegend、クローン#RPA-T8、Cat#301060)、抗CD3-APC(BD Biosciences、クローン#SP34-2、Cat#557597)、LIVE/DEAD(登録商標)Fixable Near-IR死細胞染色(Life Technologies、Cat#L10119)、Fcブロック(BD Biosciences、Cat#422302)、及びヤギ抗ヒトIgG-PE(ThermoFisher、Cat#PA1-74408)でインキュベートした。細胞を氷上で30分間インキュベートし、洗浄し、FACSマシン(BD Canto)で分析した。図6Aに示すように、キメラ抗体P13B02、及び試験した全てのヒト化抗体は、SEAスーパー抗原で刺激された初代CD4+ヒトT細胞への結合を示した。
【0329】
次に、ヒトPBMCを、上述されたものと同様に、SEAスーパー抗原を用いて活性化し、連続希釈した(50000、15000、4500、1350、407、122、37、または11ng/ml)P13B02-16またはアイソタイプ対照抗体でインキュベートした。結合は、FACS Fortessaサイトメーター(Becton Dickinson)で分析した。ヒト化抗体P13B02-16は、活性化初代ヒトCD4+T細胞に用量依存的に結合した(図6B)。
【0330】
7.2.3 ヒト化抗LAG-3抗体のリガンド遮断活性
次に、ヒト化抗LAG-3抗体が架橋組み換えLAG-3-6HisとMHCクラスIIを発現するRaji細胞との間の相互作用を遮断する能力を上記のように調べた。ヒト化抗体P13B02-06、P13B02-07、P13B02-16、P13B02-26、及びP13B02-27(それらは全て、ヒトIgG定常領域を含む)を、57820、28910、14455、7228、3613、1807、903、452、226、113、及び56ng/mlで試験した(図7A)。ヒト化抗体P13B02-30(IgG G1m17 N297A)を、96360、48180、24090、12045、6022、3011、1505、753、376、188、及び94ng/mlで試験した(図7B)。
【0331】
図7A及び7Bに示すように、試験した全てのヒト化抗体は、MHCクラスII陽性Raji細胞へのLAG-3結合を効果的に遮断した。
【0332】
7.2.4 StaphylococcusエンテロトキシンA(SEA)刺激の際のヒト化抗LAG-3抗体のヒトPBMCに対する効果
ヒト化抗体P13B02-30(IgG)の機能活性は、StaphylococcusエンテロトキシンA(SEA)で刺激された初代ヒトPBMCを用いて評価した。凍結保存したヒトPBMC(Research Blood Components)を、96ウェルNUNCLONデルタ定盤(NUNC(商標))における、Normocin(商標)(Invivogen、Cat#ant-nr-1)及び10%熱不活性化FBS(Thermo Fisher Scientific、Cat#26140079)を補充したRPMI1640中で10細胞/ウェルで播種した。細胞を、100ng/mlのSEA(Toxin Technologies、Cat#at101red)及び10μg/mlのP13B02-30(IgG)またはアイソタイプ対照抗体で、37℃、5%CO、及び97%湿度で5日間培養した。澄明化された上清を収集し、分析するまで-80℃で保存した。IL-2レベルは、AlphaLISA(Perkin Elmer、Cat#AL221C)を用いて決定した。
【0333】
図8Aに示すように、抗LAG-3抗体P13B02-30(IgG)は、SEAスーパー抗原で刺激されたヒトPBMC中のIL-2産生を増強させた。
【0334】
同様の実験で、凍結保存したヒトPBMCを、5μg/mlの抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(Pembro)(Myoderm)、抗PD-1抗体ニボルマブ(Nivo)(Myoderm)、3つの異なる抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体イピリムマブ(Ipi)(Myoderm)の存在下または不在下で、100ng/mlのSEA(Toxin Technologies、Cat#at101red)及び10μg/mlのP13B02-16(IgG)またはアイソタイプ対照抗体で、37℃、5%CO、及び97%湿度で5日間培養した。澄明化された上清を収集し、分析するまで-80℃で保存した。IL-2レベルは、AlphaLISA(Perkin Elmer、Cat#AL221C)を用いて決定した。抗PD-L1抗体#1は、米国出願公開第US2014/0341917号(参照により全体が本明細書に組み込まれる)に提供された抗体A09-246-2の可変領域配列に基づいて生成された。抗PD-L1抗体#2は、米国特許第8,779,108号(参照により全体が本明細書に組み込まれる)に提供された抗体2.14H9OPTの可変領域配列に基づいて生成された。抗PD-L1抗体#3は、米国特許第8,217,149号(参照により全体が本明細書に組み込まれる)に提供された配列に基づいて生成された。これら3つの抗PD-L1抗体の配列を表12に記載する。
【表12A】
【表12B】
【表12C】
【0335】
図8Bに示すように、P13B02-16(IgG)は、単体でまたは抗PD-1抗体ペムブロリズマブ、またはニボルマブ、抗PD-L1抗体#1、#2、または#3、または抗CTLA-4抗体イピリムマブと組み合わせて、SEAスーパー抗原の存在下でヒトPBMC中のIL-2産生を増強した。
【0336】
7.2.5 ヒト化抗LAG-3抗体の腫瘍浸潤リンパ球のサイトカイン産生に対する効果
抗LAG-3抗体P13B02-30(IgG G1m3 N297A)は、活性化初代腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のサイトカイン産生を、単体でまたは抗PD-1抗体と組み合わせて刺激するその能力についてさらに評価した。新鮮な腎細胞癌(RCC)(ステージI)または大腸癌(CRC)(ステージII)腫瘍(UMass Medical School,Worcester,MA)由来の単一細胞懸濁液を機械的な顕微解剖を介して単離した。場合によっては、線維症のレベルに応じて、酵素消化が必要であった(リベラーゼ及びDNAseI、Roche)。細胞を、96ウェルNUNCLONデルタ定盤(NUNC(商標)、Cat#143761)における、Normocin(商標)(Invivogen、Cat#ant-nr-1)、組み換えヒトIL-2(20U/ml、R&D Systems、Cat#202-IL-010)、及び10%熱不活性化FBS(Thermo Fisher Scientific、Cat#26140079)を補充したRPMI1640中で5×10細胞/ウェルで1日間休止した。翌日、試料を遠心分離し、対象となる抗体:P13B02-30(IgG G1m3 N297A)を20μg/mlで、及び抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(ペムブロ)(Myoderm)を5μg/mlで、及び抗CD3/CD28マイクロビーズ(1:1ビーズ:細胞比)を含む新鮮な培養培地を100μlの最終容量で添加し、37℃、及び5%COで3日間インキュベートした。無細胞上清を収集し、分析するまで-80℃で保存した。TNFαレベルは、AlphaLISA(Perkin Elmer、Cat#AL208C)を用いて決定した。
【0337】
図9A及び9Bに示すように、抗LAG-3抗体P13B02-30(IgG G1m3 N297A)は、RCCまたはCRC腫瘍由来の活性化初代TILのTNFα産生を増強した。
【0338】
7.2.6 抗LAG-3抗体は、LAG-3媒介細胞抑制アッセイにおいてT細胞活性化を強化する
この実施例では、NFAT-ルシフェラーゼレポーター株を使用して、細胞抑制アッセイにおけるLAG-3に対する抗LAG-3抗体P13B02-30(IgG G1m3 N297A)の阻害効果を評価した。2つの実験を以下に記載するように実施した。
【0339】
2つの実験の各々で、ジャーカット-NFAT-LAG-3細胞は、アッセイ培地(RPMI+10%熱不活性化FBS+1%ペン/ストレプ)中で1×10細胞/mLの2.5×作用濃度に懸濁させた。Raji細胞は、アッセイ培地中で1×10細胞/mLの3.33×作用濃度に懸濁させた。StaphylococcalエンテロトキシンE(Toxin Technology)は、アッセイ培地中で0.04ng/mLの10×作用濃度に調製した。抗LAG-3抗体またはアイソタイプ抗体の連続希釈をアッセイ培地中で調製した。第1の実験では、抗体濃度は、0.2~50μg/mLの範囲であった。第2の実験では、抗体濃度は、0.1~100μg/mL)の範囲であった。抗体の連続希釈を調製した後、40μLのジャーカット-NFAT-LAG-3細胞、及び20μLの抗体溶液を、U底96ウェルプレート中で、37℃及び5%CO2で30分間プレインキュベートした。30μLのRaji細胞、及び10μLのStaphylococcalエンテロトキシンEを96ウェルプレートに添加し、5~6時間インキュベートした。その後、100μLのBio-Gloルシフェラーゼ(Promega)を各ウェルに添加し、EnVisionプレートリーダー(Perkin Elmer)を用いて10~15分間後に発光を記録した。
【0340】
図10A及び10Bに示すように、抗LAG-3抗体は、アイソタイプ対照抗体と比べてNFAT-ルシフェラーゼレポーターシグナルを用量依存的に有意に増加させた。
【0341】
7.3 実施例3:抗LAG-3抗体のエピトープマッピング
この実施例では、抗LAG-3抗体P13B02-30のエピトープは、上述のように特徴付けた。
【0342】
7.3.1 水素-重水素交換(HDX)質量分析法を用いた抗LAG-3抗体のエピトープマッピング
抗LAG-3 F(ab’)は、FragITキット(Genovis、Cat#A2-FR2-100)を用いてP13B02-30(IgG S228P)から生成された。抗LAG-3 F(ab’)のヒトLAG-3との相互作用は、水素-重水素交換(HDX)質量分析法を用いて研究した。
【0343】
ペプシン/プロテアーゼXIII消化について、125μlの対照緩衝液(50mMのリン酸、100mMの塩化ナトリウム、pH7.4)中の7.9μgの組み換えhis標識ヒトLAG-3(Sino Biological、Cat#16498-H08H)は、125μlの4Mグアニジン塩酸塩、0.85M TCEP緩衝液(最終pH2.5)を添加し、混合物を20℃で5分間インキュベートすることによって変性させた。その後、社内充填ペプシン/プロテアーゼXIII(w/w、1:1)カラムを用いて、オンカラムペプシン/プロテアーゼXIII消化を混合物に施し、得られたペプチドを、Q Exactive(商標)ハイブリッド四重極-オービトラップ質量分析計(Thermo)に連結したWaters Acquity UPLCからなるUPLC-MSシステムを用いて分析した。ペプチドを、2~30%溶媒B(アセトニトリル中の0.2%ギ酸)から19分の勾配を持つ50mm×1mm C8カラム上で分離した。ヒトLAG-3配列に対するMS/MSデータをMascotで検索することによって、ペプチド特定を実施した。前駆体及び生成物の質量許容値は、それぞれ、10ppm及び0.05Daであった。
【0344】
20μlのヒトLAG-3(7.9μg)または20μlのヒトLAG-3/F(ab’)混合物(7.9μg:15.8μg)を、20℃で0秒、60秒、300秒、1800秒、7200秒、及び14400秒間、105μlの酸化重水素標識緩衝液(50mMリン酸ナトリウム、100mM塩化ナトリウム、pH7.4)でインキュベートした。125μlの4Mグアニジン塩酸塩、0.85M TCEP緩衝液(最終pH2.5)を添加することによって、水素/重水素交換を急冷した。次に、急冷した試料にカラムペプシン/プロテアーゼXIII消化を施し、上述のようにLC-MS分析した。質量スペクトルをMS専用モードで記録した。生MSデータをHDX WorkBench、ソフトウェアを用いて処理し、H/D交換MSデータを分析した(参照により全体が本明細書に組み込まれるJ.Am.Soc.Mass Spectrom.2012,23(9),1512-1521)。重水素化ペプチドとその天然型(t)の間の平均質量差を用いて重水素レベルを算出した。
【0345】
ヒトLAG-3に対して達成された配列網羅率は、96.6%であった。ほとんどのヒトLAG-3ペプチドは、抗LAG-3 F(ab’)の有り無し両方で同一または同様の重水素レベルを示した一方、いくつかのペプチドセグメントは、F(ab’)結合の際に重水素組み込みが著しく減少することが判明した。重水素取り込みの強い減少は、配列番号215のアミノ酸配列からなる領域(SPTIPLQDLSL)で観察された。残基は、配列番号166にしたがって番号付けされる。
【0346】
本発明の範囲は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されるものではない。実際には、記載される修正に加えて本発明の様々な修正が、前述の説明及び添付の図面から当業者に明らかになるであろう。かかる修正は、添付の特許請求の範囲内に収まるよう意図されている。
【0347】
本明細書に引用される全ての参考文献(例えば、出版物または特許または特許出願)は、各々の個別の参考文献(例えば、出版物または特許または特許出願)が全ての目的のために参照によりその全体が組み込まれると具体的かつ個別に示される場合と同じ程度に、全ての目的のために参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0348】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
【配列表】
2022105535000001.app
【手続補正書】
【提出日】2022-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトLAG-3に特異的に結合する単離抗体であって、相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域、及び相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含み、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、配列番号79、90、95、100、104、及び105にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、前記単離抗体。
【請求項2】
前記抗体が、配列番号151、222、218、または223のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項3】
前記重鎖可変領域が、配列番号56~60からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項に記載の単離抗体。
【請求項4】
前記抗体が、配列番号152または224のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項5】
前記軽鎖可変領域が、配列番号73~77、及び221からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項に記載の単離抗体。
【請求項6】
前記抗体が、配列番号171~175からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項に記載の単離抗体。
【請求項7】
前記抗体が、配列番号187~191、及び228からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項に記載の単離抗体。
【請求項8】
前記抗体が、配列番号187~191及び228からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項に記載の単離抗体。
【請求項9】
鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、配列番号56及び73、56及び74、56及び75、56及び76、56及び77、56及び221、57及び73、57及び74、57及び75、57及び76、57及び77、57及び221、58及び73、58及び74、58及び75、58及び76、58及び77、58及び221、59及び73、59及び74、59及び75、59及び76、59及び77、59及び221、60及び73、60及び74、60及び75、60及び76、60及び77、または60及び221にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項10】
前記抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖及び前記軽鎖は、配列番号171及び187、171及び188、171及び189、171及び190、171及び228、172及び187、172及び188、172及び189、172及び190、172及び228、173及び187、173及び188、173及び189、173及び190、173及び228、174及び187、174及び188、174及び189、174及び190、174及び228、175及び187、175及び188、175及び189、175及び190、または175及び228にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項11】
前記抗体が、重鎖定常領域を含み、前記重鎖定常領域が、
(a)ヒトIgG 、IgG 、IgG 、IgG 、IgA 、及びIgA からなる群から選択される;
(b)IgG 重鎖定常領域である;
(c)N297A突然変異を含む、IgG 重鎖定常領域である;
(d)配列番号194のアミノ酸配列を含む;
(e)N297Q突然変異を含む、IgG 重鎖定常領域である;
(f)非フコシル化IgG 重鎖定常領域である;
(g)IgG 重鎖定常領域である;
(h)S228P突然変異を含む、IgG 重鎖定常領域である;または
(i)配列番号196のアミノ酸配列を含み、
アミノ酸残基は、EU番号付けシステムにしたがって番号付けされる、請求項に記載の単離抗体。
【請求項12】
前記抗体が、軽鎖定常領域を含み、前記軽鎖定常領域が、
(a)ヒトIgGκ及びIgGλからなる群から選択される;または
(b)配列番号198または219のアミノ酸配列を含むIgGκ軽鎖定常領域である、
請求項に記載の単離抗体。
【請求項13】
前記抗体が、
(a)ヒト化抗体、マウス抗体、またはキメラ抗体である;
(b)ヒトLAG-3に拮抗的である;
(c)ヒトLAG-3の活性を不活性化、低下、または阻害する;
(d)MHCクラスIIへのヒトLAG-3の結合を阻害する;
(e)ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)で刺激された末梢血単核細胞(PBMC)によるIL-2産生を誘導する;及び/または
(f)抗CD3及び抗CD28抗体で刺激された腫瘍浸潤リンパ球(TIL)によるTNFα産生を誘導する
請求項に記載の単離抗体。
【請求項14】
細胞毒性剤、細胞増殖抑制剤、毒素、放射性核種、または検出可能な標識と共役した、請求項1に記載の単離抗体。
【請求項15】
請求項1に記載の抗体、及び医薬的に許容可能な担体、または賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項16】
(a)請求項1に記載の抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域;
(b)請求項1に記載の抗体の重鎖及び軽鎖;または
(c)配列番号56~60、または171~175のいずれか一つのアミノ酸配列;及び配列番号152、187~191、221、224、または228のいずれか一つのアミノ酸配列
をコードする、単離ポリヌクレオチド。
【請求項17】
請求項16に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項18】
(a)請求項16に記載のポリヌクレオチド;
(b)請求項17に記載のベクター;
(c)請求項1に記載の抗体の重鎖可変領域または重鎖をコードする単離ポリヌクレオチド、及び請求項1に記載の抗体の軽鎖可変領域または軽鎖をコードする単離ポリヌクレオチド;または
(c)請求項1に記載の抗体の重鎖可変領域または重鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクター、及び請求項1に記載の抗体の軽鎖可変領域または軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクター
を含む、組み換え宿主細胞。
【請求項19】
ヒトLAG-3に結合する抗体の産生方法であって、
前記ポリヌクレオチドが発現され、前記抗体が産生されるように、請求項18に記載の宿主細胞を培養することを含む、前記方法。
【請求項20】
対象中の抗原に応答したT細胞活性化の増加のための医薬の製造における、請求項15に記載の医薬組成物の使用
【請求項21】
対象におけるがんの治療のための医薬の製造における、請求項15に記載の医薬組成物の使用