(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105567
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】ウェブページ翻訳システム、ウェブページ翻訳装置、ウェブページ提供装置およびウェブページ翻訳方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/565 20220101AFI20220707BHJP
G06F 40/58 20200101ALI20220707BHJP
【FI】
H04L67/565
G06F40/58
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077638
(22)【出願日】2022-05-10
(62)【分割の表示】P 2018144777の分割
【原出願日】2018-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】518087409
【氏名又は名称】宮坂 初実
(71)【出願人】
【識別番号】518086756
【氏名又は名称】宮坂 眞澄
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 初実
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 眞澄
(57)【要約】
【課題】ウェブページを翻訳して提供するサービスにおいてユーザの利便性向上する。
【解決手段】ウェブページ翻訳システム10において、ウェブサーバは、端末13からのウェブページの要求を受けると端末に設定されている使用言語の情報を取得し、端末の使用言語がウェブページで使用されている使用言語と異なれば、端末の使用言語およびウェブページの使用言語の情報とウェブページのテキストのデータを翻訳サーバに送信する。翻訳サーバは、ウェブページに対応する第1の翻訳ボックスと、端末に対応する第2の翻訳ボックスを定義し、第1の翻訳ボックス内のデータに含まれるテキストを翻訳しつつデータを第2の翻訳ボックスに展開するように、第1及び第2の翻訳ボックスの結合を設定する。更に、翻訳サーバは、第1の翻訳ボックスにウェブページのデータを展開し、第2の翻訳ボックスに展開された翻訳後のウェブページのデータを取得する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキストを含むウェブページのデータを保持し、端末に前記ウェブページを提供するウェブページ提供装置であり、
前記端末からの前記ウェブページの要求を受けると前記端末に設定されている使用言語の情報を取得し、
前記端末の使用言語が前記ウェブページで使用されている使用言語と同じであるか否かを判断し、
前記端末の使用言語が前記ウェブページで使用されている使用言語と異なれば、前記ウェブページの使用言語を翻訳元言語とし、前記端末の使用言語を翻訳先言語として、前記ウェブページの前記テキストの翻訳を要求し、
前記端末の使用言語が前記ウェブページで使用されている使用言語と同じであれば、前記ウェブページを前記端末に送信し、
前記翻訳の要求として、前記端末の使用言語および前記ウェブページの使用言語の情報と前記ウェブページのデータとをウェブページ翻訳装置に送信し、
前記テキストの部分を前記翻訳後のテキストに置き換えた前記ウェブページのデータが前記ウェブページ翻訳装置により、前記端末に送信される、ウェブページ提供装置。
【請求項2】
前記端末の使用言語は、前記端末がアクセスする際に使用するブラウザに登録されている言語情報が示す言語である、
請求項1記載のウェブページ提供装置。
【請求項3】
前記端末の使用言語は、前記端末上で動作するオペレーティングシステムに設定されている言語情報が示す言語である、
請求項1記載のウェブページ提供装置。
【請求項4】
前記端末に設定されている使用言語の情報を取得できなかった場合は、翻訳されていない元の前記ウェブページを前記端末に送信する、
請求項1から請求項3いずれか一項に記載のウェブページ提供装置。
【請求項5】
前記ウェブページには、データベースに基づくテキストを前記ウェブページに表示する埋め込み型コンテンツが含まれ、
前記端末の使用言語が前記埋め込み型コンテンツの使用言語と一致するか否か判定し、
前記端末の使用言語が前記埋め込み型コンテンツの使用言語と異なれば、前記ウェブページのデータの前記埋め込み型コンテンツの使用言語を当該埋め込み型コンテンツの翻訳元言語とし、前記端末の使用言語を当該埋め込み型コンテンツの翻訳先言語とする内部翻訳要求を含む要求を行う、請求項1から請求項4いずれか一項に記載のウェブページ提供装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5いずれか一項に記載のウェブページ提供装置から端末の使用言語、ウェブページの使用言語の情報、およびウェブページのデータを受信し、
当該ウェブページのデータのテキストの部分を前記ウェブページの使用言語から前記端末の使用言語に翻訳し、当該テキストの部分を翻訳後のテキストに置き換えたウェブページのデータを取得し、
当該テキストの部分を翻訳後のテキストに置き換えた前記ウェブページのデータを前記端末に送信する、ウェブページ翻訳装置。
【請求項7】
テキストを含むウェブページのデータを保持し、端末に前記ウェブページを提供するウェブページ提供装置における情報処理方法であって、受信部と、翻訳要否判定部と、送信部とにより実現される情報処理方法であって、
前記受信部が、前記端末からの前記ウェブページの要求を受信する受信ステップと、
前記翻訳要否判定部が、前記受信ステップにて前記要求が受信されると、前記端末に設定されている使用言語の情報を取得し、前記端末の使用言語が前記ウェブページで使用されている使用言語と一致するか異なるか判定する翻訳要否判定ステップと、
前記送信部が、前記端末の使用言語が前記ウェブページで使用されている使用言語と同じであれば、前記ウェブページを前記端末に送信し、前記端末の使用言語が前記ウェブページで使用されている使用言語と異なれば、前記端末の使用言語および前記ウェブページの使用言語の情報と前記ウェブページの前記テキストのデータとをウェブページ翻訳装置に送信する送信ステップとを具備する情報処理方法であって、
前記翻訳の要求として、前記端末の使用言語および前記ウェブページの使用言語の情報と前記ウェブページのデータとを前記ウェブページ翻訳装置に送信し、
前記テキストの部分を前記翻訳後のテキストに置き換えた前記ウェブページのデータが前記ウェブページ翻訳装置により、前記端末に送信される、情報処理方法。
【請求項8】
ウェブページ翻訳装置が行うウェブページ翻訳方法であって、
請求項1から請求項5いずれか一項に記載のウェブページ提供装置から端末の使用言語、ウェブページの使用言語の情報、およびウェブページのデータを受信するステップと、
当該ウェブページのデータのテキストの部分を前記ウェブページの使用言語から前記端末の使用言語に翻訳し、当該テキストの部分を翻訳後のテキストに置き換えたウェブページのデータを取得するステップと、
当該テキストの部分を翻訳後のテキストに置き換えた前記ウェブページのデータを前記端末に送信するステップとを具備する、ウェブページ翻訳方法。
【請求項9】
テキストを含むウェブページのデータが格納される格納部にアクセス可能なコンピュータを、
端末から前記ウェブページの要求を受信する受信部と、
前記受信部にて前記要求が受信されると、前記端末に設定されている使用言語の情報を取得し、前記端末の使用言語が前記ウェブページで使用されている使用言語と一致するか異なるか判定する翻訳要否判定部と、
前記端末の使用言語が前記ウェブページで使用されている使用言語と同じであれば、前記ウェブページを前記端末に送信し、前記端末の使用言語が前記ウェブページで使用されている使用言語と異なれば、前記端末の使用言語および前記ウェブページの使用言語の情報と前記ウェブページの前記テキストのデータとをウェブページ翻訳装置に送信する送信部として機能させるためのプログラムであって、
前記翻訳の要求として、前記端末の使用言語および前記ウェブページの使用言語の情報と前記ウェブページのデータとを前記ウェブページ翻訳装置に送信し、
前記テキストの部分を前記翻訳後のテキストに置き換えた前記ウェブページのデータが前記ウェブページ翻訳装置により、前記端末に送信される、ものとして、前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
請求項1から請求項5いずれか一項に記載のウェブページ提供装置から端末の使用言語、ウェブページの使用言語の情報、およびウェブページのデータを受信し、
当該ウェブページのデータのテキストの部分を前記ウェブページの使用言語から前記端末の使用言語に翻訳し、当該テキストの部分を翻訳後のテキストに置き換えたウェブページのデータを取得し、
当該テキストの部分を翻訳後のテキストに置き換えた前記ウェブページのデータを前記端末に送信する、ものとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブページを翻訳して提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブページを各国の言語毎に作成することなく複数の言語で閲覧可能にするためのツールとしてウェブサイト翻訳ツールがある(非特許文献1、2参照)。サイト提供者は、ウェブサイト翻訳ツールのシステムに自身のウェブページを登録し、ウェブページのソースに所定のプラグインを追加することで、自身のウェブページを複数言語対応にすることができる。すなわち、当該ウェブページが複数の言語で閲覧可能となる。
【0003】
当該ウェブページには言語選択メニューが表示されるので、ユーザは、当該ウェブページを閲覧するときに、言語選択メニューから所望の言語を選択すると、システムにより当該ウェブページが選択された言語に翻訳される。ユーザの端末には翻訳されたウェブページが表示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「ウェブサイト翻訳ツール」、[online]、[平成29年10月14日検索]、インターネット<URL: https://translate.google.com/manager/website/>
【非特許文献2】「Google Translateヘルプ」、[online]、[平成29年10月14日検索]、インターネット<URL: https://support.google.com/translate/answer/2534601>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウェブサイト翻訳ツールにはユーザの利便性に関する表示上の課題と操作上の課題がある。
【0006】
表示上の課題について説明する。
ウェブページには、掲示板、入力フォーム、ショッピングカートなど、別途構築されたデータベースのデータに基づく表示をウェブページ内に埋め込むコンテンツ(以下「埋め込み型コンテンツ」という)が含まれている場合がある。ウェブページを所望の言語に翻訳して表示する場合、埋め込み型コンテンツにテキストが含まれていれば、そのテキストも同じ言語に翻訳して表示するのが好ましい。
【0007】
しかし、埋め込み型コンテンツに表示するデータを保持しているデータベースは当該コンテンツを利用する各ウェブページと連結されていない場合がある。そのため、ウェブサイト翻訳ツールにウェブページを登録し、ウェブページを所望の言語に翻訳しても埋め込み型コンテンツの部分だけは翻訳されず、元の言語で表示されてしまう場合があるという表示上の課題がある。例えば、広い市場を求めてショッピングサイトを多言語化することが考えられる。しかし、ウェブサイト翻訳ツールを利用してショッピングサイトを各国の言語に変換できるようにしてもショッピングカートの部分が翻訳されず、元の言語のまま表示されたのでは十分に購入を促進できない可能性がある。
【0008】
次に操作上の課題について説明する。
上記ウェブサイト翻訳ツールでは、ユーザ自身が、ウェブページを所望の言語に翻訳するために言語を選択する必要がある。ユーザに言語選択の手間を強いるという操作上の課題がある。また、ユーザが言語選択メニューの存在に気付かなければ、ウェブページを所望の言語に翻訳させることができない。特にスマートフォンやタブレット端末でウェブサイトを閲覧する場合には言語を選択する操作がユーザの利便性を損なう可能性がある。
【0009】
本発明のひとつの目的はウェブページを翻訳して提供するサービスにおいてユーザの利便性向上を可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの実施態様に従うウェブページ翻訳システムは、テキストを含むウェブページのデータを保持し、端末にウェブページを提供するウェブページ提供装置と、ウェブページのテキストを翻訳するウェブページ翻訳装置と、を有ししている。ウェブページ提供装置は、端末からのウェブページの要求を受けると端末に設定されている使用言語の情報を取得し、端末の使用言語がウェブページで使用されている使用言語と異なれば、端末の使用言語およびウェブページの使用言語の情報とウェブページのデータとをウェブページ翻訳装置に送信する。ウェブページ翻訳装置は、ウェブページに対応する第1の翻訳ボックスを定義して、第1の翻訳ボックスにウェブページの使用言語を関連づけ、端末に対応する第2の翻訳ボックスを定義して、第2の翻訳ボックスに該端末の使用言語を関連づけ、第1の翻訳ボックスに関連づけられた言語を翻訳元言語とし第2の翻訳ボックスに関連づけられた言語を翻訳先言語として第1の翻訳ボックス内のデータに含まれるテキストを翻訳しつつ第1の翻訳ボックス内のデータを第2の翻訳ボックスに展開するように、第1の翻訳ボックスと第2の翻訳ボックスの結合を設定する。更に、ウェブページ翻訳装置は、第1の翻訳ボックスにウェブページのデータを展開し、結合に基づき第2の翻訳ボックスに展開された翻訳後のウェブページのデータを端末に送信する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一つの態様によれば、ウェブページを翻訳して提供するサービスにおいてユーザの利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例1によるウェブページ翻訳システムのブロック図である。
【
図2】ウェブサーバ11が提供するウェブページの表示例を示すイメージ図である。
【
図3】
図2のウェブページP1を翻訳サーバ12が英語に翻訳したウェブページの表示例を示すイメージ図である。
【
図4】実施例1によるウェブページ翻訳システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図6】ウェブサーバ11によるウェブページ送信処理を示すフローチャートである。
【
図8】翻訳サーバ12による翻訳制御処理を示すフローチャートである。
【
図9】ボックス定義処理の詳細処理を示すフローチャートである。
【
図10】ボックス結合処理の詳細処理を示すフローチャートである。
【
図11】翻訳元翻訳ボックスと翻訳先翻訳ボックスとの結合の様子を表すイメージ図である。
【
図12】翻訳実行処理の詳細処理を示すフローチャートである。
【
図13】翻訳実行処理によるウェブページの翻訳の様子を表すイメージ図である。
【
図14】応用例1におけるユーザによるウェブページ翻訳システムの利用態様について説明するための図である。
【
図15】二次元コードQ1が表しているURLにあるウェブページP2を示す図である。
【
図16】
図15のウェブページが英語に翻訳された様子を示す図である。
【
図17】応用例2におけるユーザによるウェブページ翻訳システムの利用態様について説明するための図である。
【
図18】二次元コードQ2が表しているURLにあるウェブページP3を示す図である。
【
図19】
図18のウェブページが英語に翻訳された様子を示す図である。
【
図20】ウェブページと異なる言語でテキストを表示する埋め込み型コンテツを含むウェブページの表示例を示すイメージ図である。
【
図21】実施例3によるウェブページ翻訳システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図22】実施例3におけるウェブサーバ11によるウェブページ送信処理を示すフローチャートである。
【
図23】実施例3における翻訳サーバ12による翻訳制御処理を示すフローチャートである。
【
図24】実施例4における多言語コミュニケーションシステムとして動作する翻訳サーバの端末との信号のやりとりを示すシーケンス図である。
【
図25】端末メッセージボックスの結合の様子を表すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例0014】
図1は、実施例1によるウェブページ翻訳システムのブロック図である。本実施形態のウェブページ翻訳システム10はウェブサーバ11および翻訳サーバ12を有している。ウェブサーバ11および翻訳サーバ12はインターネット等の通信ネットワーク90に接続される。
【0015】
通信ネットワーク90には端末13が接続可能である。端末13は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどユーザが利用する情報通信機器である。
ウェブサーバ11は、テキストを含むウェブページのデータを保持し、端末13にウェブページを提供するウェブページ提供装置である。ウェブページは、例えば、HTML(HyperText Markup Language)で記述されたハイパーテキストである。ハイパーテキストには画像や埋め込み型コンテンツの表示が含まれていてもよい。埋め込み型コンテンツは、例えば、掲示板、入力フォーム、ショッピングカートなど、データベースに基づいてテキスト等をウェブページに表示するコンテンツである。埋め込み型コンテンツの言語がウェブページ全体の言語と異なる場合もある。
【0016】
図2は、ウェブサーバ11が提供するウェブページの表示例を示すイメージ図である。ウェブページP1には、日本語のテキストT1~T3、画像I1~I3、および埋め込み表示E1が含まれている。埋め込み表示E1は、埋め込み型コンテンツであるショッピングカートの表示であり、日本語のテキストを含んでいる。
【0017】
翻訳サーバ12は、ウェブサーバ11の提供するウェブページのテキストを翻訳するウェブページ翻訳装置である。翻訳サーバ12は、ウェブサーバ11からの依頼を受けてウェブページを翻訳してユーザの端末13に提供する。
図3は、
図2のウェブページP1を翻訳サーバ12が英語に翻訳したウェブページの表示例を示すイメージ図である。
図3を参照すると、翻訳後のウェブページP1Eは、
図2に示した翻訳前のウェブページP1における日本語のテキストT1~T3が英語に翻訳されたテキストT1E~T3Eが含まれている。
【0018】
ウェブサーバ11と翻訳サーバ12の概略の連携動作について説明する。ここでは、ウェブページP1の使用言語は日本語であり、ウェブページP1には日本語のテキストが含まれているものとする。また、端末13に設定されている使用言語は英語であるものとする。そのため本例では、
図2に示したウェブページP1の日本語のテキストは英語に翻訳される。
【0019】
ウェブサーバ11は、端末13からウェブページP1の要求を受けると、端末13に設
定されている使用言語(英語)の情報を取得する。
【0020】
このとき、端末13がブラウザによりウェブサーバ11にアクセスするパーソナルコンピュータであれば、ウェブサーバ11は、端末13のブラウザに登録されている言語情報を取得する。端末13のブラウザから言語情報を取得するので、ユーザが言語を指定する作業をしなくてもユーザが使用する言語を自動的に知得することができる。
【0021】
また、端末13がオペレーティングシステム(OS)上で動作するアプリケーションによりウェブサーバ11にアクセスするスマートフォンやタブレット端末であれば、ウェブサーバ11は、端末13上で動作するOSに設定されている言語情報を取得する。端末13のOSから言語情報を取得するので、ユーザが言語を指定する作業をしなくてもユーザが使用する言語を自動的に知得することができる。
【0022】
ウェブサーバ11は、自身の提供するウェブページP1の使用言語を予め知得可能な状態であり、端末13の使用言語がウェブページP1で使用されている使用言語と異なれば、端末13の使用言語およびウェブページP1の使用言語の情報とウェブページP1のデータとを翻訳サーバ12に送信する。なお、ウェブサーバ11は、端末13の使用言語がウェブページP1で使用されている使用言語と同じであれば、通常通り、ウェブページP1のデータを端末13に送信する。
【0023】
翻訳サーバ12は、ウェブサーバ11から、端末13の使用言語およびウェブページP1の使用言語の情報とウェブページP1のデータとを受信すると、ウェブページP1に対応する翻訳元翻訳ボックス(第1の翻訳ボックス)を定義して、その翻訳元翻訳ボックスにウェブページP1の使用言語を関連づける。また、翻訳サーバ12は、端末13に対応する翻訳先翻訳ボックス(第2の翻訳ボックス)を定義して、その翻訳先翻訳ボックス(第2の翻訳ボックス)に端末13の使用言語を関連づける。
【0024】
翻訳ボックスは、ウェブページのテキストの翻訳を実行するためにメモリあるいは記憶装置に仮想的に設定される領域である。翻訳ボックスには、翻訳すべきウェブページのデータが格納される翻訳元翻訳ボックスと、翻訳されたウェブページのデータが格納される翻訳先翻訳ボックスとがある。翻訳ボックスを設定する物理的位置は特に限定されず、どこに存在してもよい。例えば、ウェブサーバ11の記憶領域に設定してもよいし、翻訳サーバ12の記憶領域に設定してもよい。あるいは、翻訳サーバ12が通信ネットワーク90経由でアクセス可能なクラウド上に翻訳ボックスを設定してもよい。
【0025】
更に、翻訳サーバ12は、翻訳元翻訳ボックスに関連づけられた言語を翻訳元言語とし翻訳先翻訳ボックスに関連づけられた言語を翻訳先言語として、翻訳元翻訳ボックス内のデータに含まれるテキストを翻訳しつつ、翻訳元翻訳ボックス内のデータを翻訳先翻訳ボックスに展開するように、翻訳元翻訳ボックスと翻訳先翻訳ボックスの結合を設定する。この展開は翻訳ボックス内にデータを書き込むことを指す。
【0026】
続いて、翻訳サーバ12は、翻訳元翻訳ボックスにウェブページP1データを展開する。その結果、翻訳ボックスの結合に基づいて、翻訳元翻訳ボックスに展開されたウェブページP1の日本語のテキストは英語に翻訳され、翻訳後のウェブページP1Eのデータが翻訳後翻訳ボックスに展開される。翻訳サーバ12は、結合に基づいて翻訳後翻訳ボックスに展開された翻訳後のウェブページP1Eのデータを端末13に送信する。
【0027】
以上のように、ウェブページP1に対応する翻訳元翻訳ボックスと端末13に対応する翻訳先翻訳ボックスを結合しておき、ウェブページP1のデータを翻訳元翻訳ボックスへ展開することでウェブページP1を翻訳するので、ウェブページP1の構造に関わらずウ
ェブページP1内のテキストを翻訳先言語に翻訳することができる。具体的には、ウェブページP1に埋め込み型コンテンツが含まれていても、当該コンテンツのテキストも翻訳することができる。また、ウェブサーバ11が端末13に設定されている言語情報を自律的に取得し、その言語を翻訳先言語とするので、ユーザが言語選択操作をしなくても自動的にユーザの端末13で使用されている言語を翻訳先言語として翻訳を行うことができる。ユーザによる翻訳先言語の指定を不要にする他の手法として、トップページのみ各国の言語で作成しておき、トップページ以外のページは閲覧時にそのトップページと同じ言語に翻訳するという手法が考えられる。しかし、この手法にはいくつか不都合がある。まず、トップページを各国言語毎に作成しておく必要がある。また、ユーザがトップページ以外のページに直接アクセスする場合に翻訳を行うことができない。また、ユーザが意図する言語のトップページへ到達できるようにトップページを言語毎に各国のサーバに配置することが望ましい。これに対して、本実施形態による手法ではこれらの不都合は生じない。
【0028】
なお、翻訳すべきウェブページに言語が異なる複数のテキストが含まれていてもよい。ウェブページ全体の使用言語と異なる言語のテキストを表示する埋め込み型コンテンツがウェブページに含まれている場合もこれに該当する。その場合、ウェブサーバ11は、端末13の使用言語がウェブページに含まれるいずれかのテキストで使用されている使用言語(部分使用言語)と異なれば、その部分を翻訳すべき部分とし、端末13の使用言語の情報と、その部分使用言語の情報と、ウェブページの翻訳すべき部分を特定する情報と、ウェブページのデータとを翻訳サーバ12に送信する。翻訳サーバ12は、ウェブページに対応する第1の翻訳ボックスを定義して、その第1の翻訳ボックスにウェブページの部分使用言語を関連づけ、端末13に対応する第2の翻訳ボックスを定義して、その第2の翻訳ボックスに端末13の使用言語を関連づける。その際、一例として、第1の翻訳ボックスに、翻訳すべき部分ごとに1つ以上の部分使用言語を関連づける。
【0029】
図4は、実施例1によるウェブページ翻訳システムの動作を示すシーケンス図である。
ユーザが見たいウェブページのURL(Uniform Resource Locator)を指定すると(ステップ101)、端末13は自身に設定されている言語情報を取得し(ステップ102)、指定されたURLと端末13の言語情報とを含むリクエストをウェブサーバ11に送信する(ステップ103)。ここでは端末13の言語情報には英語が設定されているものとする。
【0030】
ウェブサーバ11は、端末13からリクエストを受信すると、URLで指定されたウェブページの使用言語と、言語情報に設定されている端末13の使用言語とを知得する(ステップ104)。続いて、ウェブサーバ11は、ウェブページの使用言語と端末13の使用言語とを比較することにより翻訳の要否を判定する(ステップ105)。ウェブページの使用言語と端末13の使用言語とが一致する場合には翻訳は不要と判断する。ウェブページの使用言語と端末13の使用言語とが異なる場合には翻訳は必要と判断する。
【0031】
ここではウェブページの使用言語が日本語であるものとする。したがって、ウェブページの使用言語(日本語)と端末13の使用言語(英語)とが異なるので、翻訳が必要と判断される。
【0032】
翻訳が必要と判断すると、ウェブサーバ11は、日本語で書かれた元のウェブページのデータと、翻訳元言語および翻訳先言語と、端末13のアドレスとを含む翻訳リクエストを翻訳サーバ12に送信する(ステップ106)。
例えば、翻訳サーバ12が翻訳の実行を制御するアプリケーションプログラミングイン
タフェース(API)をウェブサーバ11に提供し、そのAPIを介してウェブサーバ11と連携することにより、以下に示すようなウェブページの翻訳および翻訳後のウェブページの端末13への提供を実行することにしてもよい。これによれば、翻訳サーバ12がAPIにより翻訳機能を提供するので、ウェブサーバ11がそのAPIを利用することにより、ウェブページの自動翻訳を容易に実現することができる。
【0033】
ウェブサーバ11から翻訳リクエストを受信すると、翻訳サーバ12は、ウェブページに対応する翻訳元翻訳ボックスと、端末13に対応する翻訳先翻訳ボックスとを定義する(ステップ107、ステップ108)。
【0034】
ここでは一例として、翻訳元翻訳ボックスおよび翻訳先翻訳ボックスがウェブサーバ11上に設定されるものとする。翻訳ボックスがウェブサーバ11のリソースにより構成されるので、翻訳サーバ12のリソース消費が抑制され、翻訳サーバ12が多数のウェブサーバ11のウェブページ翻訳を賄うことができる。
【0035】
続いて、翻訳サーバ12は、翻訳元言語および翻訳先言語を翻訳リクエストに含まれたものに定め、翻訳元翻訳ボックス内のテキストを翻訳して翻訳先翻訳ボックスに展開するように、翻訳元翻訳ボックスと翻訳先翻訳ボックスとを結合する(ステップ109)。ここでは日本語から英語へ翻訳するように設定される。
【0036】
なお、翻訳サーバ12は、外部の機械翻訳サービスや外部から別途導入した機械翻訳エンジンにより翻訳を実行することにしてもよい。また、翻訳サーバ12は、機械翻訳サービスまたは機械翻訳エンジンとの接続を予め設定しておき、ウェブサーバ11から翻訳リクエストを受信したとき、その翻訳リクエストに対して接続を用いることにしてもよい。具体的には、翻訳サーバ12は、機械翻訳サービスまたは機械翻訳エンジンとの接続を予め1つ以上設定しておき、ウェブサーバ11から、端末13の使用言語およびウェブページの使用言語の情報を含む翻訳リクエスト受信すると、端末とウェブページの組に接続を割り当てればよい。その場合、翻訳サーバ12は、更に、割り当てた接続の機械翻訳サービスまたは機械翻訳エンジンに、翻訳元言語と翻訳先言語を設定する。予め機械翻訳サービスまたは機械翻訳エンジンとの複数の接続を設定しておくので、翻訳リクエストを受信したときに通信ネットワーク90経由で機械翻訳サービスに接続したり機械翻訳エンジンを起動したりする必要がないので、翻訳元翻訳ボックスと翻訳先翻訳ボックスを迅速に結合することができる。
【0037】
続いて、翻訳サーバ12は、翻訳リクエストに含まれていたウェブページのデータを翻訳元翻訳ボックスに展開することにより、ウェブページに含まれるテキストを日本語から英語に翻訳する(ステップ110)。このときテキストが英語に翻訳されたウェブページのデータは翻訳先翻訳ボックスに展開される。
【0038】
翻訳サーバ12は、翻訳先翻訳ボックス内にある英語に翻訳されたウェブページのデータを、翻訳リクエストに含まれていた端末13のアドレスに宛てて送信する(ステップ111)。端末13は、翻訳サーバ12から受信したウェブページを表示する(ステップ112)。
【0039】
以上のように、端末13に英語を設定しているユーザには、日本語で書かれたウェブページが自動的に英語に翻訳されて表示される。
【0040】
なお、端末13の言語情報に日本語が設定されていた場合には、ウェブサーバ11は、ステップ105で翻訳が不要と判断し、URLで指定された元のウェブページのデータをそのまま端末13に送信する。その結果、端末13には、日本語で書かれた元のウェブページが表示される。
【0041】
また、ステップ103にて端末13からリクエストに言語情報が設定されなかった場合、ウェブサーバ11は、ステップ105で翻訳が不要と判断したときと同様、URLで指定された元のウェブページのデータをそのまま端末13に送信する。その結果、端末13には、日本語で書かれた元のウェブページが表示される。
【0042】
以下、ウェブサーバ11と翻訳サーバ12の構成および動作の一例について詳細に説明する。
【0043】
図5は、ウェブサーバ11のブロック図である。
図5を参照すると、ウェブサーバ11は、受信部21、送信部22、翻訳要否判定部23、および記憶部24を有している。
【0044】
記憶部24は、ウェブページのデータを保持している。
【0045】
受信部21は、端末13からURLを指定したウェブページの要求を受信する。
【0046】
翻訳要否判定部23は、受信部21にて受信された要求から端末13に設定されている使用言語の情報を取得し、端末13の使用言語が、指定されたウェブページで使用されている使用言語と一致するか異なるか判定する。
【0047】
送信部22は、翻訳要否判定部23の判定結果に応じて送信先を定め、ウェブページのデータを送信する。
【0048】
図6は、ウェブサーバ11によるウェブページ送信処理を示すフローチャートである。本ウェブページ送信処理は送信部22が実行する処理である。送信部22は、翻訳要否判定部23による判定にて、端末13の使用言語とウェブページの使用言語が一致していれば(ステップ901のYes)、ウェブページのデータを端末13に送信する(ステップ902)。
【0049】
一方、端末13の使用言語がウェブページの使用言語と異なれば(ステップ901のNo)、送信部22は、端末13の使用言語を翻訳先言語としウェブページの使用言語を翻訳元言語として、翻訳元言語および翻訳先言語とウェブページのデータと端末13のアドレスとを含む翻訳リクエストを翻訳サーバ12に送信する(ステップ903)。
【0050】
図7は、翻訳サーバ12のブロック図である。
図7を参照すると、翻訳サーバ12は、受信部31、送信部32、ボックス定義部33、ボックス結合部34、およびボックス結合実行部35を有している。
【0051】
受信部31は、ウェブサーバ11から、端末13の使用言語およびウェブページの使用言語の情報と、ウェブページのデータとを含む翻訳リクエストを受信する。
【0052】
ボックス定義部33は、ウェブページに対応する翻訳元翻訳ボックスを定義して、その翻訳元翻訳ボックスにそのウェブページの使用言語を関連づけ、端末13に対応する翻訳先翻訳ボックスを定義して、その翻訳先翻訳ボックスにその端末13の使用言語を関連づける。
【0053】
ボックス結合部34は、翻訳元翻訳ボックスに関連づけられた言語を翻訳元言語とし翻訳先翻訳ボックスに関連づけられた言語を翻訳先言語として翻訳元翻訳ボックス内のデータに含まれるテキストを翻訳しつつ翻訳元翻訳ボックス内のデータを翻訳先翻訳ボックス
に展開するように、翻訳元翻訳ボックスと翻訳先翻訳ボックスの結合を設定する。
【0054】
ボックス結合実行部35は、翻訳元翻訳ボックスにウェブページのデータを展開する。つまり、ボックス結合実行部35は、翻訳元翻訳ボックスと翻訳先翻訳ボックスの結合により、翻訳元翻訳ボックス内のウェブページのデータを、そこに含まれるテキストを翻訳しながら翻訳先翻訳ボックスに展開する。
【0055】
送信部32は、結合に基づき翻訳先翻訳ボックスに展開された翻訳後のウェブページのデータを端末13に送信する。
【0056】
図8は、翻訳サーバ12による翻訳制御処理を示すフローチャートである。翻訳制御処理は翻訳サーバ12が実行する全体処理である。
【0057】
図8にて、翻訳サーバ12は、まず翻訳リクエストを受信する(ステップ201)。翻訳リクエストには、翻訳前のウェブページのデータと、翻訳元言語および翻訳先言語の情報と、ウェブページを要求した端末13のアドレスと、が含まれている。
【0058】
次に、翻訳サーバ12は、受信した翻訳リクエストに基づいてボックス定義処理を実行する(ステップ202)。
図9は、ボックス定義処理の詳細処理を示すフローチャートである。
【0059】
翻訳サーバ12は、翻訳リクエストにて指定されたウェブページに対応する翻訳元翻訳ボックスについて翻訳元翻訳ボックス設定処理を実行する(ステップ301)。具体的には、翻訳サーバ12は、翻訳リクエストに含まれるウェブページに対応する翻訳元翻訳ボックスを定義し、その翻訳元翻訳ボックスにそのウェブページの使用言語を関連づける。
【0060】
次に、翻訳サーバ12は、翻訳リクエストにて指定された端末13に対応する本若先翻訳ボックスについて翻訳先翻訳ボックス設定処理を実行する(ステップ302)。具体的には、翻訳サーバ12は、端末13に対応する翻訳先翻訳ボックスを定義し、その翻訳先翻訳ボックスにその端末13の使用言語を関連づける。
【0061】
図8に戻り、次に、翻訳サーバ12は、翻訳元翻訳ボックスに関連づけられた言語を翻訳元言語とし翻訳先翻訳ボックスに関連づけられた言語を翻訳先言語として翻訳元翻訳ボックス内のデータに含まれるテキストを翻訳しつつ翻訳元翻訳ボックス内のデータを翻訳先翻訳ボックスに展開するように、翻訳元翻訳ボックスと翻訳先翻訳ボックスの結合を設定する(ステップ203)。ステップ203のボックス結合処理の詳細は後述する。
【0062】
次に、翻訳サーバ12は、翻訳元翻訳ボックスにウェブページのデータを展開する(ステップ204)。ステップ204の翻訳実行処理の詳細は後述する。
【0063】
次に、翻訳サーバ12は、その結合に基づき翻訳先翻訳ボックスに展開された翻訳後のウェブページのデータを、翻訳リクエストに含まれるアドレスが示す端末13に送信する(ステップ205)。
【0064】
図10は、ボックス結合処理の詳細処理を示すフローチャートである。
【0065】
図10を参照すると、翻訳サーバ12は、ボックス結合処理において、まず、翻訳元言語を判断する(ステップ401)。翻訳元言語は、翻訳元翻訳ボックスに関連づけられた言語の情報を取得することにより知得してもよいし、翻訳リクエストに含まれた翻訳元言語の情報から知得してもよい。
【0066】
次に、翻訳サーバ12は、翻訳先言語を判断する(ステップ402)。翻訳先言語は、翻訳先翻訳ボックスに関連付けられた言語の情報から知得しても良いし、翻訳リクエストに含まれた翻訳先言語の情報から知得してもよい。
【0067】
次に、翻訳サーバ12は、翻訳元翻訳ボックス内のデータに含まれるテキストを、ステップ401で知得した翻訳元言語から、ステップ402で知得した翻訳先言語へと翻訳し、翻訳後のデータを翻訳先翻訳ボックスに展開するように、翻訳元翻訳ボックスと翻訳先翻訳ボックスとを結合する(ステップ403)。
【0068】
図11は、翻訳元翻訳ボックスと翻訳先翻訳ボックスとの結合の様子を表すイメージ図である。ここでは、翻訳元翻訳ボックスBox_Aに日本語が関連づけられ、翻訳先翻訳ボックスBox_Bに英語が関連付けられているものとしている。したがって、翻訳元翻訳ボックスBox_Aのデータを翻訳先翻訳ボックスBox_Bへ展開し、その間にテキストを日本語から英語へ翻訳する結合C1が設定されている。
【0069】
図12は、翻訳実行処理の詳細処理を示すフローチャートである。
図12を参照すると、翻訳サーバ12は、翻訳前のウェブページのデータを翻訳元翻訳ボックスに書き込む(ステップ501)。その結果、ボックス結合処理によるボックス間の結合により、翻訳元翻訳ボックスに書き込まれたウェブページのデータが、そのウェブページに含まれるテキストを翻訳しつつ、翻訳先翻訳ボックスに書き込まれる。
【0070】
図13は、翻訳実行処理によるウェブページの翻訳の様子を表すイメージ図である。結合C1に従って、日本語で記載された翻訳元翻訳ボックスBox_A内のウェブページP1が、英語に翻訳され、翻訳後のウェブページP1Eとして翻訳先翻訳ボックスBox_Bに展開されている。
【0071】
図12に戻り、次に、翻訳サーバ12は、翻訳先翻訳ボックス内に書き込まれた翻訳後のウェブページのデータを読み出す(ステップ502)。
【0072】
以下、本実施例によるウェブページ翻訳システムの応用例について説明する。
(応用例1)
図14は、応用例1におけるユーザによるウェブページ翻訳システムの利用態様について説明するための図である。応用例1は、ユーザが店内の例えば商品棚などに設けられた商品表示札14(値札)に記載された二次元コード(例えばQRコード(登録商標))によりユーザ自身の言語のウェブページにダイレクトにアクセスし、ユーザ自身の言語のウェブページを閲覧可能にする応用例である。
【0073】
図14を参照すると、商品表示札14には、商品名、価格、商品説明などの通常の表示の他に、二次元コードQ1が表示されている。この二次元コードQ1は、ウェブサーバ11が提供するウェブページのURLを表している。
【0074】
図15は、二次元コードQ1が表しているURLにあるウェブページP2を示す図である。ウェブページP2は、ウェブサーバ11が提供する元のウェブページであり、そこに含まれるテキストは元の言語で記載されている。
図15の例では、ウェブページP2に含まれるテキストT4およびテキストT5は日本語で記載されている。
【0075】
したがって、言語情報として日本語が設定されている端末13で
図14の二次元コードQ1を読み取ると、端末13には日本語のテキストT4、T5を含むウェブページP2が
表示される。
【0076】
しかし、言語情報として日本語以外、例えば英語が設定されている端末13で二次元コードQ1を読み取ると、端末13には、ウェブページP2はテキストが英語に翻訳されて表示される。
図16は、
図15のウェブページが英語に翻訳された様子を示す図である。英語が設定された端末13で二次元コードQ1を読み取ると、ウェブサーバ11では、ウェブページP2の使用言語(日本語)と端末13の使用言語(英語)とが一致しないので、翻訳サーバ12にウェブページP2の翻訳を要求する。翻訳サーバ12は、ウェブページP2を英語に翻訳したウェブページP2Eのデータを端末13に送信する。その結果、端末13には、英語に翻訳されたテキストT4E、T5Eを含むウェブページP2Eが表示される。
【0077】
(応用例2)
図17は、応用例2におけるユーザによるウェブページ翻訳システムの利用態様について説明するための図である。応用例2は、ユーザがレストランで手渡されるメニュー15に記載された二次元コードによりユーザ自身の言語のウェブページにダイレクトにアクセスし、ユーザ自身の言語でメニューを閲覧可能にする応用例である。
【0078】
図17を参照すると、メニュー15には、料理名、価格、料理説明などの通常の表示の他に、二次元コードQ2が表示されている。この二次元コードQ2は、ウェブサーバ11が提供するウェブページのURLを表している。
【0079】
図18は、二次元コードQ2が表しているURLにあるウェブページP3を示す図である。ウェブページP3は、ウェブサーバ11が提供する元のウェブページであり、そこに含まれるテキストは元の言語で記載されている。
図18の例では、ウェブページP3に含まれるテキストT6、T7、T8、T9、T10は日本語で記載されている。
【0080】
したがって、言語情報として日本語が設定されている端末13で
図17の二次元コードQ2を読み取ると、端末13には日本語のテキストT6、T7、T8、T9、T10を含むウェブページP3が表示される。
【0081】
しかし、言語情報として日本語以外、例えば英語が設定されている端末13で二次元コードQ2を読み取ると、端末13には、ウェブページP3はテキストが英語に翻訳されて表示される。
図19は、
図18のウェブページが英語に翻訳された様子を示す図である。英語が設定された端末13で二次元コードQ2を読み取ると、ウェブサーバ11では、ウェブページP3の使用言語(日本語)と端末13の使用言語(英語)とが一致しないので、翻訳サーバ12にウェブページP3の翻訳を要求する。翻訳サーバ12は、ウェブページP3を英語に翻訳したウェブページP3Eのデータを端末13に送信する。その結果、端末13には、英語に翻訳されたテキストT6E、T7E、T8E、T9E、T10Eを含むウェブページP3Eが表示される。
【0082】
なお、本実施例によるウェブページ翻訳システムは、上述したように、ウェブサーバ11が、URLを指定してウェブページを要求した端末13からその端末13に設定されている言語情報を自動的に取得することができるとともに、翻訳サーバ12が、ウェブページに対応する翻訳元ボックスと端末13に対応する翻訳先翻訳ボックスとを定義し、翻訳元翻訳ボックスから翻訳先翻訳ボックスへテキストを翻訳する翻訳元言語と翻訳先言語を設定し、ウェブページのデータを翻訳元翻訳ボックスへ展開することでウェブページを翻訳するものである。ここに含まれている、ウェブサーバ11が、URLを指定してウェブページを要求した端末13から端末13に設定されている言語情報を自動的に取得することができるようにすることと、翻訳サーバ12が、ウェブページに対応する翻訳元ボック
スと端末13に対応する翻訳先翻訳ボックスとを定義し、翻訳元翻訳ボックスから翻訳先翻訳ボックスへテキストを翻訳する翻訳元言語と翻訳先言語を設定し、ウェブページのデータを翻訳元翻訳ボックスへ展開することでウェブページを翻訳することとは、ウェブページ翻訳システムを構成する上では別個独立に適用可能なものである。
【0083】
また、本実施例によるウェブページ翻訳システムは、上述したように、ウェブサーバ11が、URLを指定してウェブページを要求した端末13から端末13に設定されている言語情報を自動的に取得するものとした。これによりユーザの利便性が向上する。しかしウェブページ翻訳システムとしては他の方法で翻訳先言語を決定することにしてもよい。例えば、ウェブページに翻訳メニューを表示し、当該翻訳メニューによりユーザが翻訳の実行および翻訳先言語を指定することができるようにしてもよい。
実施例1では、ウェブページに対応する翻訳元翻訳ボックスと端末に対応する翻訳先翻訳ボックスとを定義し、それら2つの翻訳ボックス間で翻訳が実行させるように結合しておき、翻訳元翻訳ボックスにウェブページのデータを展開することで、ウェブページの翻訳を実現した。そして、ウェブページに埋め込み型コンテンツが含まれていても、その構成および動作は基本的に同様であった。
実施例2のボックス結合部34は、第3の翻訳ボックスに関連づけられた言語を翻訳元言語とし、第4の翻訳ボックスに関連づけられた言語を翻訳先言語として第3の翻訳ボックス内のデータに含まれるテキストを翻訳し、第4の翻訳ボックスに展開するように、第3の翻訳ボックスと第4の翻訳ボックスの結合を設定する。
実施例2のボックス結合実行部35は、ウェブページの埋め込み型コンテンツ以外のテキストを含むデータを第1の翻訳ボックスに展開するとともに、ウェブページの埋め込み型コンテンツのテキストを含むデータを第3の翻訳ボックスに展開する。
送信部32は、第2の翻訳ボックスに展開されたデータと第4の翻訳ボックスに展開されたデータを合成した翻訳後のウェブページのデータを端末13に送信する。ここでいう合成は、第2の翻訳ボックス内のウェブページのデータの埋め込み型コンテンツの部分に第4の翻訳ボックス内のデータを配置する処理を指す。
本実施例によれば、ウェブページの内部に、掲示板、入力フォーム、ショッピングカートなど、データベースに基づいてウェブページ全体と異なる言語のテキストをウェブページに表示する埋め込み型コンテンツがあるとき、ウェブページ内部の埋め込み型コンテンツの部分の翻訳を行うために、ウェブページ全体の翻訳ボックスとは別に埋め込み型コンテンツ用の翻訳ボックスを定義するので、それぞれのテキストをそれぞれの使用言語から端末の使用言語に翻訳した翻訳後のウェブページを容易に構成することができる。