(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105573
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】画像処理プログラム、情報処理装置および画像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20220707BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
H04N1/387
G06F3/12 308
G06F3/12 342
G06F3/12 344
G06F3/12 350
G06F3/12 392
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078132
(22)【出願日】2022-05-11
(62)【分割の表示】P 2017235933の分割
【原出願日】2017-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】浅井 紀彦
(57)【要約】
【課題】印刷媒体に対して画像が見栄え良く印刷されるようにする。
【解決手段】情報処理装置10は、表示部13と、入力部14aと、制御部とを備える。制御部は、画像オブジェクト60、及び、印刷媒体に設けられた印刷対象領域内に画像オブジェクト60を印刷させるために画像オブジェクト60を配置可能な領域を、入力部14aを介して選択させる。制御部は、印刷媒体における印刷対象領域を示す対象領域画像51を表示部13に表示させ、その対象領域画像51内のうち上記選択された配置可能な領域に対応するオブジェクト領域53に、選択された画像オブジェクト60を配置させる。さらに、制御部は、画像オブジェクト60における周縁61をぼかすぼかし処理を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
入力部と、
制御部と、
を備えた情報処理装置において前記制御部が実行可能な画像処理プログラムであって、
前記制御部に、
印刷媒体に設けられた印刷対象領域内に画像オブジェクトを印刷させるために前記画像オブジェクトを配置可能な領域を、前記入力部を介して選択させる領域選択処理と、
前記入力部を介して前記画像オブジェクトを選択させるオブジェクト選択処理と、
前記印刷媒体における前記印刷対象領域を示す対象領域画像を前記表示部に表示させ、その対象領域画像内のうち前記領域選択処理により選択された領域に対応するオブジェクト領域に、前記オブジェクト選択処理で選択された前記画像オブジェクトを配置させるオブジェクト配置処理と、
前記画像オブジェクトにおける周縁をぼかすぼかし処理と、
を実行させる画像処理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理プログラムであって、
前記ぼかし処理は、前記画像オブジェクトの周縁のうち、前記オブジェクト領域内における前記画像オブジェクト以外の余白領域に接する範囲をぼかすように構成されている、
画像処理プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像処理プログラムであって、
さらに、前記制御部に、
前記オブジェクト領域内における前記画像オブジェクト以外の余白領域に特定の余白色を配色する余白処理、
を実行させ、
前記ぼかし処理は、前記余白色を用いてぼかすように構成されている
画像処理プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理プログラムであって、
前記ぼかし処理は、前記画像オブジェクトに対し、特定の透過率で前記画像オブジェクトが透過して表示されるように前記余白色を重畳させる
画像処理プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理プログラムであって、
前記ぼかし処理は、前記画像オブジェクトの外周端から前記画像オブジェクトの内部に向けて前記透過率を増加させるように構成されている
画像処理プログラム。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の画像処理プログラムであって、
前記ぼかし処理は、前記画像オブジェクトの外周端から特定の幅の領域をぼかすように構成されている、
画像処理プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理プログラムであって、
さらに、前記制御部に、
前記オブジェクト領域内の前記画像オブジェクトの大きさに応じて前記特定の幅を算出する幅算出処理、
を実行させ、
前記ぼかし処理は、前記画像オブジェクトの外周端から、前記幅算出処理により算出された前記特定の幅の領域をぼかすように構成されている、
画像処理プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の画像処理プログラムであって、
さらに、前記制御部に、
前記入力部を介して入力される編集操作に応じて、前記表示部に表示されている前記画像オブジェクトを移動、拡大又は縮小させる編集処理を実行させ、
前記幅算出処理は、前記編集処理が実行される度に、前記編集処理後の前記オブジェクト領域内における前記画像オブジェクトの大きさに応じて前記特定の幅を算出する、
画像処理プログラム。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の画像処理プログラムであって、
さらに、前記制御部に、
前記入力部を介して入力される移動操作に応じて、前記表示部に表示されている前記画像オブジェクトを移動させる移動処理と、
前記移動処理により前記画像オブジェクトが移動されている途中では前記ぼかし処理による前記画像オブジェクトのぼかしを一時的に無効にし、前記画像オブジェクトの移動が停止されると再び前記ぼかし処理によるぼかしを有効にする、ぼかし無効処理と、
を実行させる画像処理プログラム。
【請求項10】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の画像処理プログラムであって、
前記入力部は、タッチパネルを備え、
前記画像処理プログラムは、さらに、
制御部に、
前記タッチパネルに対して指示体が接触されながら移動される移動操作に応じて、前記表示部に表示されている前記画像オブジェクトを移動させる移動処理と、
前記移動操作の開始後、前記ぼかし処理による前記画像オブジェクトのぼかしを一時的に無効にし、前記指示体が前記タッチパネルから離れると再び前記ぼかし処理によるぼかしを有効にする、ぼかし無効処理と、
を実行させる画像処理プログラム。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の画像処理プログラムであって、
前記オブジェクト領域は、前記対象領域画像における一部の領域であって、
前記ぼかし処理は、前記画像オブジェクトの周縁のうち、前記対象領域画像における前記オブジェクト領域以外の空き領域に接する範囲はぼかさないように構成されている、
画像処理プログラム。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1項に記載の画像処理プログラムであって、
前記印刷媒体は、データを記憶可能に構成された、円板状の形状を有する被記憶媒体であり、
前記印刷対象領域は、前記被記憶媒体における両面のうち一方の面に設けられている、
画像処理プログラム。
【請求項13】
表示部と、
入力部と、
制御部と、
を備えた情報処理装置であって、
前記制御部は、
印刷媒体に設けられた印刷対象領域内に画像オブジェクトを印刷させるために前記画像
オブジェクトを配置可能な領域を、前記入力部を介して選択させる領域選択処理と、
前記入力部を介して前記画像オブジェクトを選択させるオブジェクト選択処理と、
前記印刷媒体における前記印刷対象領域を示す対象領域画像を前記表示部に表示させ、その対象領域画像内のうち前記領域選択処理により選択された領域に対応するオブジェクト領域に、前記オブジェクト選択処理で選択された前記画像オブジェクトを配置させるオブジェクト配置処理と、
前記画像オブジェクトにおける周縁をぼかすぼかし処理と、
を実行する情報処理装置。
【請求項14】
表示部を備えた情報処理装置で用いられる画像処理方法であって、
印刷媒体に設けられた印刷対象領域内に画像オブジェクトを印刷させるために前記画像オブジェクトを配置可能な領域を選択させる領域選択ステップと、
前記画像オブジェクトを選択させるオブジェクト選択ステップと、
前記印刷媒体における前記印刷対象領域を示す対象領域画像を前記表示部に表示させ、その対象領域画像内のうち前記領域選択ステップにより選択された領域に対応するオブジェクト領域に、前記オブジェクト選択ステップで選択された前記画像オブジェクトを配置させるオブジェクト配置ステップと、
前記画像オブジェクトにおける周縁をぼかすぼかしステップと、
を有する画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に印刷させる画像を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
CDやDVDなどの情報記憶媒体におけるレーベル面に画像を印刷する技術が知られている。特許文献1には、レーベル面に印刷させる画像を情報処理装置で生成し、その生成した画像のデータを印刷装置へ送信することにより、生成した画像をレーベル面に印刷させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザにとっては、生成した画像をレーベル面に見栄え良く印刷できることが望まれる。特に、レーベル面において画像が印刷される領域と画像が印刷されない余白領域とが混在する場合、画像の色と余白領域の色との違いによっては、両者の境界におけるコントラストや色の違いが大きくなってレーベル面の見栄えが損なわれる可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、印刷媒体に対して画像が見栄え良く印刷されるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像処理プログラムは、表示部と、入力部と、制御部とを備えた情報処理装置において制御部が実行可能なプログラムである。画像処理プログラムは、制御部に、領域選択処理と、オブジェクト選択処理と、オブジェクト配置処理と、ぼかし処理とを実行させる。
【0007】
領域選択処理は、印刷媒体に設けられた印刷対象領域内に画像オブジェクトを印刷させるために前記画像オブジェクトを配置可能な領域を、前記入力部を介して選択させる処理である。オブジェクト選択処理は、前記入力部を介して前記画像オブジェクトを選択させる処理である。オブジェクト配置処理は、前記印刷媒体における前記印刷対象領域を示す対象領域画像を前記表示部に表示させ、その対象領域画像内のうち前記領域選択処理により選択された領域に対応するオブジェクト領域に、前記オブジェクト選択処理で選択された前記画像オブジェクトを配置させる処理である。ぼかし処理は、前記画像オブジェクトにおける周縁をぼかす処理である。
【0008】
このように構成された画像処理プログラムでは、オブジェクト領域に配置される画像オブジェクトの周縁がぼかされ、画像オブジェクトとこれに隣接する領域との境界があいまいな状態になる。そのため、印刷媒体に対して画像を見栄え良く印刷させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態のレーベル印刷システムの構成を示す構成図である。
【
図3】レイアウト選択画面、写真選択(アルバム)画面及び編集(レーベル編集)画面を示す説明図である。
【
図4】ぼかし処理の具体的内容を説明するための説明図である。
【
図5】
図5(a)は編集画面においてオブジェクト画像を移動させることができることを示す説明図、
図5(b)は
図3右とは異なるレイアウトが変更された場合の編集画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1-1)レーベル印刷システムの構成
図1に示すように、本実施形態のレーベル印刷システムは、情報処理装置10と、印刷装置5とを備える。本実施形態のレーベル印刷システムは、ディスクメディア8のレーベル面8aに画像を印刷させることが可能に構成されている。
【0011】
より具体的に、本実施形態のレーベル印刷システムでは、レーベル面8aに印刷させる画像を情報処理装置10で生成し、その生成した画像を示す印刷データを印刷装置5へ送信することで、印刷装置5においてその印刷データが示す画像をレーベル面8aに印刷させることができる。
【0012】
なお、本実施形態のディスクメディア8は、例えばCD、DVDなどの、データを記憶可能に構成された円板状の形状の被記憶媒体である。レーベル面8aは、ディスクメディア8の両面のうち一方の面、即ち円状の平面領域である。レーベル面8aの中央部には、画像を印刷できない同心円領域である中空の内円領域8bが、同心円状に設けられている。内円領域8bは、その一部又は全てが、板面に垂直方向に貫通された孔を有する。
【0013】
(1-2)情報処理装置の構成
情報処理装置10は、例えばスマートフォン、タブレット端末などの、無線通信可能な携帯型の通信端末である。
図3、
図5(a)、
図5(b)は、情報処理装置10を正面視した状態を示している。
【0014】
情報処理装置10は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、入力部14と、第1無線通信部15と、第2無線通信部16と、外部I/F17と、音声入出力部18と、撮影部19とを備える。これら各部は、バスライン20を介して互いにデータの送受が可能に接続されている。なお、I/Fはインタフェース部の略称である。
【0015】
制御部11は、例えばCPUを有する。記憶部12は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の情報処理装置10は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0016】
制御部11は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部12が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。情報処理装置10が有する各種機能は、基本的には、制御部11が記憶部12に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0017】
記憶部12には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。本実施形態では、記憶部12に、ソフトウェアとして、OS(オペレーティングシステムの略称)12aと、
レーベル作成アプリ12bと、印刷アプリ12cとが記憶されている。OS12a、レーベル作成アプリ12b及び印刷アプリ12cは、制御部11を含むコンピュータシステムにインストールされている。
【0018】
また、記憶部12には、後述する
図3中央の写真選択画面40において選択可能な画像オブジェクトのデータも記憶されている。
なお、以下の説明では、プログラムを実行する制御部11(詳しくは制御部11が有する不図示のCPU)のことを、単にプログラム名で記載する場合もある。例えば「レーベル作成アプリ12bは」という記載が「レーベル作成アプリ12bを実行するCPUは」を意味する場合もある。
【0019】
レーベル作成アプリ12bは、レーベル面8aに印刷させる画像の画像データを生成することが可能なアプリケーションソフトである。レーベル作成アプリ12bは、記憶部12に記憶されている画像オブジェクトの中からユーザにより選択された画像オブジェクトを少なくとも含む画像の画像データを生成することができる。
【0020】
印刷アプリ12cは、レーベル作成アプリ12bで生成された画像データを印刷装置5で処理可能な特定のデータ形式の印刷データに変換して印刷装置5へ送信させることが可能なアプリケーションソフトである。なお、レーベル作成アプリ12bは、印刷アプリ12cのプラグインとして提供されてもよい。
【0021】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。
入力部14は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力部14が有する入力用デバイスには、タッチパネル14aが含まれる。タッチパネル14aは、表示部13が有する表示デバイスにおける画像の表示領域25(
図3参照)に重畳配置される。
【0022】
タッチパネル14aは、表示部13における画像の表示領域に対する、指先やペンなどの指示体による、特定の位置を指示する指示操作を検出することが可能に構成された入力装置である。ここでいう「指示」とは、指示体が接触すること及び近接することの少なくとも一方を含む。タッチパネル14aは、指示体による指示操作が行われると、指示操作が行われた位置を示す操作検出信号を出力する。
【0023】
制御部11は、タッチパネル14aから出力される操作検出信号に基づいて、指示体検出処理を行う。指示体検出処理は、指示体による指示操作の有無、指示操作がなされた位置、指示操作の具体的種類などを検出する処理である。指示体検出処理は、例えばOS12aによって行われてその処理結果がレーベル作成アプリ12b及び印刷アプリ12cへ通知されるようにしてもよい。また例えば、指示体検出処理は、レーベル作成アプリ12b及び印刷アプリ12cの各々が操作検出信号に基づいて行うようにしてもよい。指示体検出処理によって検出可能な指示操作の種類として、本実施形態では、例えば、タップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、ピンチアウトなどがある。
【0024】
外部I/F17は、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体(不図示)が装着されるインタフェース部であり、装着された記憶媒体に対するデータの書き込み及び読み出しを制御する。音声入出力部18は、マイクやスピーカなどで構成された音声入出力用デバイスである。撮影部19は、いわゆるデジタルカメラとしての機能を担うものであり、画像を撮影してその画像を示す画像データを生成することができる。撮影部19で撮影された画像データは、例えば記憶部12に記憶される。
【0025】
第1無線通信部15は、例えば、無線LAN規格による通信(以下「無線LAN通信」と称す)を行うためのインタフェース部である。本実施形態では、第1無線通信部15が行う無線LAN通信は、IEEE802.11b/g/nの規格に準拠した無線LAN通信である。
【0026】
情報処理装置10は、第1無線通信部15を介して、印刷装置5と無線LAN通信を行うことができる。印刷アプリ12cで生成された印刷データは、本実施形態では、無線LAN通信にて印刷装置5へ送信される。なお、印刷装置5との無線LAN通信は、いわゆるアドホックモードにて直接行うことが可能であり、且つ、いわゆるインフラストラクチャモードにて不図示の中継装置を経由して行うことも可能である。
【0027】
第2無線通信部16は、不図示の移動通信網を介した音声通話やデータ通信を行うためのインタフェース部である。第2無線通信部16は、例えば、LTE規格による無線通信を行うことが可能な構成であってもよい。なお、「LTE」は、「Long Term Evolution」の略称である。
【0028】
(1-3)印刷装置の構成
印刷装置5は、情報処理装置10から受信された印刷データに基づく画像をディスクメディア8のレーベル面8aに印刷可能なレーベル印刷機能を有する。印刷装置5は、情報処理装置10から、印刷媒体としてディスクメディア8が指定された印刷データが受信されると、その印刷データが示す画像を、ディスクメディア8のレーベル面8aに印刷する。
【0029】
印刷装置5は、インクジェット技術又は電子写真技術を用いた印刷機構を有し、入力された印刷データが示す画像を印刷機構によって各種の印刷媒体に印刷することが可能に構成されている。また、印刷装置5は、情報処理装置10を含む他の各種装置と無線LAN通信を行うことができる。
【0030】
情報処理装置10から印刷装置5への印刷データの送信は、例えば上述の無線LAN通信によって行われてもよいし、無線LAN通信とは異なる他の通信方式によって行われてもよい。他の通信方式には、例えば、NFC規格による無線通信、上述のLTE規格による無線通信、有線LANによる有線通信などが含まれる。なお、「NFC」は、「Near Field Communication」の略称である。
【0031】
(1-4)レーベル作成処理
レーベル作成アプリ12bに基づいて制御部11が実行するレーベル作成処理について、
図2を用いて説明する。なお、
図2は、説明の簡素化のため、レーベル作成処理全体のうち、レーベル面8aに印刷させる画像を確定させるまでの処理を抽出して示しており、印刷させる画像が確定された後の処理は省略している。
【0032】
制御部11は、起動後、レーベル作成アプリ12bの起動操作が行われた場合、レーベル作成アプリ12bを実行する。制御部11は、レーベル作成アプリ12bを開始すると、S110で、レイアウト選択処理を行う。具体的に、
図3左に例示するレイアウト選択画面30を表示領域25に表示させる。
【0033】
レイアウト選択画面30は、レーベル面8aに印刷させる画像オブジェクトのレイアウト、即ちレーベル面8aにおける画像オブジェクト配置可能な領域を、複数種類のレイアウトの中からユーザに1つ選択させるための画面である。
【0034】
レイアウト選択画面30には、選択可能な複数種類のレイアウト毎の画像が表示される
。
図3左には、一例として、レイアウト選択画面30に、6種類のレイアウトの各々に対応した6種類のレイアウト画像31~36が表示されている例が示されている。
【0035】
6種類のレイアウトには、例えば、レーベル面8aの全面に画像オブジェクトを配置可能な全面レイアウトや、レーベル面8aの上半分又は下半分の半円領域に画像オブジェクトを配置可能な半円レイアウトなどが含まれる。また、全面レイアウト及び半円レイアウトのいずれも、さらに、テキストを配置可能なレイアウトとテキストを配置できないレイアウトに分類されている。
【0036】
ユーザは、レイアウト選択画面30に表示されている複数のレイアウト画像31~36のうちいずれか1つをタップすることで、そのタップしたレイアウト画像に対応したレイアウトを選択することができる。
【0037】
S110では、レイアウト選択画面30に対する、ユーザによるレイアウトの選択を受け付ける。そして、レイアウト選択画面30に表示されている複数のレイアウト画像31~36のうち1つがタップされた場合、そのタップされたレイアウト画像に対応したレイアウトを、印刷用レイアウトに設定する。
【0038】
S120では、画像オブジェクト選択処理を行う。具体的に、
図3中央に例示する写真選択画面40を表示させる。写真選択画面40は、レーベル面8aに印刷させる画像オブジェクトをユーザに選択させるための画面である。
【0039】
写真選択画面40には、例えば、記憶部12の所定フォルダに記憶されている写真のデータのサムネイルが一覧表示される。
図3中央は、写真選択画面40に8個のサムネイル41~48が表示されている例が示されている。
【0040】
ユーザは、レーベル面8aに印刷させたい写真のサムネイルをタップ操作することで、そのサムネイルに対応した写真オブジェクトを、画像オブジェクトとして選択することができる。
【0041】
S120では、写真選択画面40に表示されている複数のサムネイルのうち1つがタップ操作された場合、そのタップ操作されたサムネイルに対応した写真を、レーベル面8aに印刷させる画像オブジェクトに設定する。
【0042】
なお、画像オブジェクトとして選択可能な画像のデータ形式は、適宜決めて良い。例えば、JPEG、PDF、その他の複数のデータ形式の画像を画像オブジェクトとして選択可能であってもよい。
【0043】
制御部11は、S120で画像オブジェクトが設定されると、次に、
図3右に例示する編集画面50を表示させるための、S130~S160に示す各種の準備処理を行う。
編集画面50には、レーベル面8aの範囲を示す円形の対象領域画像51が表示される。対象領域画像51の中心部には、ディスクメディア8に設けられた内円領域8bを示す内円画像52が配置される。また、対象領域画像51には、対象領域画像51における互いに直交した2つの直径に対応する水平補助線51a及び垂直補助線51bが含まれる。
【0044】
また、対象領域画像51には、レイアウト選択画面30で設定された印刷用レイアウトに対応したオブジェクト領域53が設定され、そのオブジェクト領域53に、写真選択画面40で設定された画像オブジェクト60が配置される。
【0045】
図3右は、一例として、印刷用レイアウトが全面レイアウトである場合を示している。
この場合、対象領域画像51の全領域が、画像オブジェクト60を配置可能なオブジェクト領域53に設定される。
【0046】
編集画面50に切り替わった直後の初期状態では、画像オブジェクト60は、例えば
図3右に示すように、オブジェクト領域53に対して初期サイズで初期位置に配置される。即ち、
図3右は、画像オブジェクト60が、画像オブジェクト60の全体がオブジェクト領域53内に含まれるような初期サイズ及び初期位置に配置されている例を示している。
【0047】
この場合、オブジェクト領域53内には、画像オブジェクト60が存在しない余白領域55が生じる。
なお、初期サイズ及び初期位置は適宜決めて良い。例えば、画像オブジェクト60の一部がオブジェクト領域53からはみ出てオブジェクト領域53内に表示されないような初期サイズ及び初期位置であってもよい。また例えば、オブジェクト領域53全体が画像オブジェクト60内に含まれて余白領域55が生じないような初期サイズ及び初期位置であってもよい。
【0048】
設定された印刷用レイアウトが全面レイアウトではない場合、即ち、例えば
図5(b)に示す半円レイアウトのように、対象領域画像51において画像オブジェクト60を配置できない空き領域が存在する場合は、その空き領域がレーベル背景領域54として設定される。
【0049】
制御部11は、S120の処理の後、編集画面50を表示させるための準備処理として、まずS130で、余白領域55に配色する余白色を算出する。本実施形態では、例えば、対象領域画像51内に表示させる画像オブジェクト60で用いられている色のうち最も多く用いられている最多色を、余白色として算出する。
【0050】
なお、余白色は、他の方法で算出してもよい。例えば、ユーザにより予め登録されている色を余白色に設定してもよい。また例えば、最多色の次に多く用いられている次点色を余白色として算出してもよい。なお、最多色及び次点色は、画像オブジェクト60の全体から求めてもよいし、画像オブジェクト60のうち上記の初期サイズ及び初期位置にて対象領域画像51内に表示される範囲、即ち実際にレーベル面8aに印刷される範囲から求めてもよい。
【0051】
S140では、画像オブジェクト60のサイズを算出する。ここで算出する画像オブジェクト60のサイズは、画像オブジェクト60全体のうち、上記の初期サイズ及び初期位置にて対象領域画像51内に表示される範囲のサイズである。具体的に、
図4に示すように、画像オブジェクト60における横方向の長さである表示横幅Whを、画像オブジェクト60のサイズとして算出する。
【0052】
なお、画像オブジェクト60における縦方向の長さである表示縦幅Wvを画像オブジェクト60のサイズとして算出してもよい。或いは、表示横幅Whと表示縦幅Wvの平均値を算出するなど、表示横幅Whと表示縦幅Wvの双方を加味したサイズを算出してもよい。
【0053】
S150では、ぼかし領域61を算出する。ぼかし領域61は、画像オブジェクト60の周縁に設定される領域である。より具体的に、ぼかし領域61は、画像オブジェクト60の周縁全体のうち対象領域画像51内に存在する周縁、即ち余白領域55に接して余白領域55との境界をなす周縁に対して設定される。
【0054】
ぼかし領域61は、実際の画像に対してぼかし処理が行われることにより実際の画像が
ぼかされて表示される領域である。本実施形態では、ぼかし領域61は、画像オブジェクト60の外周端60aから特定の幅の領域に設定される。
【0055】
即ち、例えば
図4に示すように、画像オブジェクト60における4辺のうち左右2辺の周縁においては、外周端60aから周縁横幅Wheの幅の範囲がぼかし領域61に設定される。また、画像オブジェクト60における4辺のうち上下2辺の周縁においては、外周端60aから周縁縦幅Wveの幅の範囲がぼかし領域61に設定される。
【0056】
本実施形態では、周縁横幅Wheと周縁縦幅Wveは同じ長さである。また、周縁横幅Wheと周縁縦幅Wveは、S140で算出された画像オブジェクト60のサイズ、即ち表示横幅Whに基づいて、算出される。具体的に、本実施形態では、画像オブジェクト60のサイズWhのG1%の長さを、周縁横幅Whe及び周縁縦幅Wveとして算出する。G1はどのような値でもよく、例えば4%であってもよい。
【0057】
図4に示す例では、画像オブジェクト60に対し、周縁の全範囲に渡って、外周端60aからWhe(=Wve)の範囲内の領域が、ぼかし領域61として算出される。
S160では、画像オブジェクト60の周縁に対するぼかし処理を行う。より具体的には、S150で算出したぼかし領域61に対するぼかし処理を行う。
【0058】
本実施形態のぼかし処理は、ぼかし領域61内の画像オブジェクト60に対し、余白色を、特定の透過率にて画像オブジェクト60が透過して表示されるように重畳配色させる処理である。
【0059】
透過率は、例えばよく知られているアルファ値を用いて設定してもよい。本実施形態では、透過率が0%~100%のいずれかに設定され得る。透過率が0%の場合は、画像オブジェクト60は全く透過されず、表示されない。透過率が大きくなるほど、画像オブジェクト60がより鮮明に表示されるようになる。透過率が100%になると、画像オブジェクト60が全て透過され、余白色は表示されない。
【0060】
ぼかし領域61に対して余白色をどのような透過率で配色するかについては適宜決めてよい。本実施形態では、外周端60aから画像オブジェクト60の内部に向けて透過率が徐々に増加される。例えば、外周端60aに最も近い一定幅の領域の透過率が5%とされ、そこから一定幅間隔で透過率が例えば5%ずつ増加される。ぼかし領域61における、外周端60aから最も離れている領域の透過率は例えば95%である。
【0061】
制御部11は、S160で画像オブジェクト60周縁のぼかし領域61に対するぼかし処理を行った後、S170で、
図3右に例示するように、そのぼかし処理が行われた画像オブジェクト60を含む編集画面50を表示させる。S170では、余白領域55に対し、S130で算出した余白色を配色する処理も行う。
【0062】
S180では、編集画面50に表示される完了ボタン57がタップされたか否か判断する。完了ボタン57がタップされた場合は、対象領域画像51内に表示されている、画像オブジェクト60を含む画像全体を、レーベル面8aに印刷させる画像に決定する。そして、その決定した画像を印刷装置5で印刷させるための不図示の処理に移行する。
【0063】
S180で、完了ボタン57がタップされていない場合は、S190に移行する。S190では、編集画面50に対する、完了ボタン57をタップすること以外のユーザ操作がなされたか否か判断する。完了ボタン57をタップすること以外のユーザ操作には、例えば、レイアウト変更ボタン56をタップする操作、余白領域55をタップすることにより余白色の変更を要求する操作、及び画像オブジェクト60を移動、拡大又は縮小させる操
作がある。
【0064】
完了ボタン57をタップすること以外のユーザ操作がなされた場合は、S200に移行する。S200では、ユーザ操作の内容を判断する。
S200で、余白領域55がタップされた場合は、S210に移行する。S210では、不図示の余白色選択パレットを表示させることによって、複数の色の中からいずれか一色をユーザに選択させる。そして、余白色を、選択された色に変更する。
【0065】
S220では、S210で変更された余白色に基づいて、あらためて、対象領域画像51内に表示されている画像オブジェクト60に対するぼかし処理を行う。つまり、S210で変更された余白色に基づき、S160と同様の処理を行う。これにより、ぼかし領域61が、変更後の余白色を用いた色でぼかされる。
【0066】
S230では、S220でぼかし処理が行われた画像オブジェクト60を編集画面50に表示させる。S230の処理後はS180に移行する。
S200で、レイアウト変更ボタン56がタップされた場合は、S300に移行する。S300では、レイアウトの変更を受け付ける。具体的に、
図3左に例示したレイアウト選択画面30を表示させ、ユーザに何れかのレイアウトを選択させる。そして、選択されたレイアウトを印刷用レイアウトに再設定し、その印刷用レイアウトに応じたオブジェクト領域53内に、初期サイズ及び初期位置にて画像オブジェクト60を表示させる。
【0067】
例えば、上半分の半円領域を示す半円レイアウトが選択された場合は、
図5(b)に例示するような編集画面50に切り替わる。
図5(b)の編集画面50においては、レイアウトが半円レイアウトに変更されたことに伴い、対象領域画像51のうち上半分の領域がオブジェクト領域53に設定され、下半分の領域はレーベル背景領域54に設定される。
【0068】
そして、上半分のオブジェクト領域53内に、半円レイアウトに対応した初期サイズ及び初期位置にて画像オブジェクト60が表示される。半円レイアウトに対応した初期サイズ及び初期位置は、例えば、
図5(b)に示すように、画像オブジェクト60の全体がオブジェクト領域53内に存在し、画像オブジェクト60の下辺が水平補助線51aに接し、画像オブジェクト60の下辺中央が対象領域画像51の中心に位置し、且つ画像オブジェクト60の4つの頂点がいずれも対象領域画像51の外周に内接しないように設定されている。
【0069】
S300でレイアウトが変更された場合、S260で、変更後のレイアウトにおいて初期サイズ及び初期位置で表示されている画像オブジェクト60のサイズを算出する。具体的には、S140と同様に算出する。
【0070】
S270では、S260で算出したサイズに基づき、S150と同様にぼかし領域61を算出する。
S280では、S270で算出したぼかし領域61に対し、S160と同様にぼかし処理を行う。なお、半円レイアウトにおいて、画像オブジェクト60がレーベル背景領域54と接する場合は、そのレーベル背景領域54と接する範囲については、
図5(b)に示すように、ぼかし処理は行わない。
図5(b)は、画像オブジェクト60の周縁4辺のうち、レーベル背景領域54に接しない3辺において、ぼかし処理が行われている例を示している。
【0071】
S290では、S280でぼかし処理が行われた画像オブジェクト60を編集画面50に表示させる。S290の処理後はS180に移行する。
S200で、画像オブジェクト60を移動、拡大又は縮小させる編集操作が開始された
場合は、S240に移行する。
【0072】
本実施形態では、ユーザは、編集画面50に表示されている画像オブジェクト60を移動、拡大及び縮小させることができる。ユーザは、画像オブジェクト60を例えばドラッグ操作することで、そのドラッグ操作の方向へ画像オブジェクト60を移動させることができる。例えば、
図3右に示す状態から、ユーザにより画像オブジェクト60が右上方向へドラッグ操作されると、
図5(a)に示すように、ドラッグ操作に追随して画像オブジェクト60が右上方向へ移動される。
【0073】
また、ユーザは、画像オブジェクト60を例えばピンチアウト操作することで、画像オブジェクト60を拡大させることができる。また、ユーザは、画像オブジェクト60を例えばピンチイン操作することで、画像オブジェクト60を縮小させることができる。
【0074】
移動、拡大又は縮小させることによって、画像オブジェクト60の一部が対象領域画像51内からはみ出た場合、そのはみ出た部分は、レーベル面8aに印刷されない。なお、編集画面50において、そのはみ出た部分は表示されないようにしてもよいし、はみ出た部分についても表示されるようにしてもよい。本実施形態では、
図5(a)に例示するように、はみ出た部分は表示されないように構成されている。
【0075】
S240では、ユーザによる編集操作の内容に応じて、画像オブジェクト60を移動、拡大又は縮小させる。ユーザにより編集操作が行われている間、即ち指示体がタッチパネル14aに接触しながら移動している間は、ぼかし処理を一時的に無効化して、ぼかし領域61についてもぼかさずに表示させる。
【0076】
S250では、移動、拡大又は縮小の操作が完了したか否か、即ち、指示体がタッチパネル14aから離間して指示操作が行われなくなったか否かを判断する。指示体がタッチパネル14aから離間していない場合は、S240に移行し、引き続き、指示体の移動に応じて画像オブジェクト60を移動、拡大又は縮小させる。指示体がタッチパネル14aから離間した場合は、S260に移行する。
【0077】
なお、移動、拡大又は縮小の操作が開始された後、指示体がタッチパネル14aに接触している間は、指示体が移動しているか否かにかかわらず継続してぼかし処理を無効化してもよい。或いは、指示体が停止している間はぼかし処理を有効化し、指示体が動き出したら再びぼかし処理を無効化してもよい。
【0078】
S240~S250の処理によって画像オブジェクト60が移動、拡大又は縮小された場合、S260移行の処理が行われる。即ち、移動、拡大又は縮小された後の画像オブジェクト60の位置及びサイズ等に基づいて、ぼかし領域61が再算出され、その再算出されたぼかし領域61に対してぼかし処理が行われる。
【0079】
移動、拡大等によって、例えば
図5(a)に示すように、画像オブジェクト60の一部が対象領域画像51内からはみ出た場合、対象領域画像51内の画像オブジェクト60の周縁における、対象領域画像51の外周に接する範囲は、ぼかし処理は行われない。本実施形態では、ぼかし処理が行われるのは、画像オブジェクト60の周縁のうち余白領域55に隣接する範囲である。
【0080】
このように、本実施形態では、編集画面50が表示されて画像オブジェクト60が初期サイズ及び初期位置にて表示された後、ユーザによりレイアウトが変更されたり、余白色が変更されたり、画像オブジェクト60が移動、拡大又は縮小されたりした場合は、その都度、ぼかし処理が更新される。
【0081】
(1-5)実施形態の効果
以上説明した実施形態によれば、以下の(a)~(f)の効果を奏する。
(a)本実施形態では、画像オブジェクト60の周縁に対してぼかし処理が行われ、これにより、画像オブジェクト60とこれに隣接する領域との境界があいまいな状態になる。そのため、印刷媒体に対して画像オブジェクト60を見栄え良く印刷させることが可能となる。
【0082】
(b)ぼかし処理は、画像オブジェクト60の周縁全体ではなく、周縁のうち、オブジェクト領域53内における余白領域55に接する範囲に対して行われる。そのため、ぼかし処理を効率的に行うことができる。
【0083】
(c)ぼかし処理は、隣接する余白領域55に配色される余白色を用いて行われる。そのため、画像オブジェクト60と余白領域55との境界が適度に曖昧な状態にされ、ぼかし処理による視覚的効果を高めることができる。
【0084】
(d)ぼかし処理は、余白色を特定の透過率で重畳させることにより行われる。また、ぼかし処理が行われるぼかし領域61は、画像オブジェクト60のサイズに応じて決定される。そのため、画像オブジェクト60のサイズに応じた適切な範囲に対して容易にぼかし処理を施すことができる。
【0085】
(e)ユーザにより画像オブジェクト60が移動、拡大又は縮小されている間は、ぼかし処理が一時的に無効化される。そのため、ユーザは、画像オブジェクト60の外縁を明確に把握しながら移動、拡大又は縮小させることができる。
【0086】
(f)ユーザにより画像オブジェクト60が移動、拡大又は縮小される度に、その移動、拡大又は縮小された後の画像オブジェクト60のサイズ、位置等に応じてあらためてぼかし処理が行われる。そのため、画像オブジェクト60のサイズ、大きさに応じた適切なぼかし処理が施された画像オブジェクト60を印刷媒体に印刷させることができる。
【0087】
ここで、本実施形態の文言と特許請求の範囲の文言との対応関係について説明する。
ディスクメディア8は印刷媒体に相当する。レーベル面8aは印刷対象領域に相当する。編集画面50における、画像オブジェクト60を移動させるためのドラッグ操作、及び画像オブジェクト60を拡大、縮小させるためのピンチアウト操作、ピンチイン操作は、編集操作に相当し、このうち特にドラッグ操作は移動操作にも相当する。レーベル背景領域54は空き領域に相当する。
【0088】
また、S110の処理は領域選択処理に相当する。S120の処理はオブジェクト選択処理に相当する。S130及びS170の処理は余白処理に相当し、S170の処理はオブジェクト配置処理にも相当する。S150及びS270の処理は幅算出処理に相当する。S160の処理はぼかし処理に相当する。S240の処理は、編集処理、移動処理及びぼかし無効処理に相当する。
【0089】
[2.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0090】
(2-1)ぼかし処理は、上記実施形態とは異なる処理方法を用いて行ってもよい。例えば、重畳させる余白色の透過率をどのように変化させるかについては適宜決めてよい。
例えば、外周端60aからの距離と透過率とが線形関係を有するようにしてもよい。或
いは、外周端60aからの距離と透過率とが非線形の関係を有するようにしてもよい。或いは、ぼかし領域61の全範囲に渡って同じ透過率であってもよい。
【0091】
また、そもそも余白色を特定の透過率で重畳配色する方法とは異なる方法でぼかし処理を行ってもよい。
例えば、
図6に示すぼかし領域71のように、余白色を混色させるようにし、且つ、余白色を混色させる割合を、外周端に近付くにつれて大きくしていくようにしてもよい。
【0092】
(2-2)ぼかし領域61の範囲、即ち周縁横幅Whe及び周縁縦幅Wveは、どのような方法で算出してもよい。
例えば、周縁横幅Whe及び周縁縦幅Wveを、表示縦幅Wvに応じた幅に設定してもよい。具体的に、表示縦幅WvのG2%の幅を周縁横幅Whe及び周縁縦幅Wveに設定してもよい。
【0093】
また例えば、画像オブジェクト60全体の横幅又は画像オブジェクト60全体の縦幅に応じて周縁横幅Whe及び周縁縦幅Wveを算出してもよい。
また例えば、画像オブジェクト60の位置や大きさにかかわらず、周縁横幅Whe及び周縁縦幅Wveのうち少なくとも一方を一定値に固定してもよい。
【0094】
周縁横幅Wheと周縁縦幅Wveとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。例えば、周縁横幅Wheを表示横幅WhのG3%とし、周縁縦幅Wveを表示縦幅WvのG4%としてもよい。
【0095】
また、余白領域55と接する周縁の全範囲に渡ってぼかすことは必須ではなく、余白領域55に接していても部分的にぼかさない領域があってもよい。
逆に、余白領域55と接しない周縁(例えば対象領域画像51の外周に接する周縁もぼかしてもよい。
【0096】
(2-3)本発明における印刷媒体は、ディスクメディア8以外の他の印刷媒体であってもよい。また、本発明における情報処理装置は、上記実施形態で示した携帯型の情報処理装置10以外の他の情報処理装置であってもよい。
【0097】
(2-4)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
【符号の説明】
【0098】
5…印刷装置、8…ディスクメディア、8a…レーベル面、8b…内円領域、10…情報処理装置、11…制御部、12…記憶部、12b…レーベル作成アプリ、12c…印刷アプリ、13…表示部、14…入力部、14a…タッチパネル、15…第1無線通信部、25…表示領域、30…レイアウト選択画面、31~36…レイアウト画像、40…写真選択画面、41~48…サムネイル、50…編集画面、51…対象領域画像、53…オブジェクト領域、54…レーベル背景領域、55…余白領域、56…レイアウト変更ボタン、57…完了ボタン、60…画像オブジェクト、60a…外周端、61,71…ぼかし領域。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
入力部と、
制御部と、
を備えた情報処理装置において前記制御部が実行可能な画像処理プログラムであって、
前記制御部に、
印刷媒体における画像オブジェクトを印刷可能な領域を示す画像であるオブジェクト領域画像を、前記表示部に表示させ、そのオブジェクト領域画像内に前記画像オブジェクトを配置させる、オブジェクト配置処理と、
前記画像オブジェクトにおける周縁をぼかすぼかし処理と、
前記入力部を介して入力される編集操作に応じて、前記表示部に表示されている前記画像オブジェクトを移動、拡大または縮小させる編集処理と、
前記編集処理が行われている間は前記ぼかし処理を無効にし、前記編集処理が停止されると前記ぼかし処理を有効にする、ぼかし無効処理と、
を実行させる画像処理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理プログラムであって、
前記入力部は、タッチパネルを備え、
前記編集操作は、指示体を、前記タッチパネルに接触させながら移動させることを含み、
前記ぼかし無効処理は、前記ぼかし処理を無効にした後、前記指示体が前記タッチパネルに接触している間は、前記指示体が移動しているか否かにかかわらず継続して前記ぼかし処理を無効にし、前記指示体が前記タッチパネルから離れると前記ぼかし処理によるぼかしを有効にする、
画像処理プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理プログラムであって、
前記入力部は、タッチパネルを備え、
前記編集操作は、指示体を、前記タッチパネルに接触させながら移動させることを含み、
前記ぼかし無効処理は、前記ぼかし処理を無効にした後、前記指示体が前記タッチパネルに接触したまま停止した場合は前記ぼかし処理を有効化し、その停止後、前記タッチパネルへの前記指示体の接触が維持されたまま再び前記指示体が動き出したら前記ぼかし処理を無効にする、
画像処理プログラム。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の画像処理プログラムであって、
前記ぼかし処理は、前記画像オブジェクトの周縁のうち、前記オブジェクト領域画像内における前記画像オブジェクト以外の余白領域に接する範囲をぼかすように構成されている、
画像処理プログラム。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の画像処理プログラムであって、
さらに、前記制御部に、
前記オブジェクト領域画像内における前記画像オブジェクト以外の余白領域に特定の余白色を配色する余白処理、
を実行させ、
前記ぼかし処理は、前記余白色を用いてぼかすように構成されている
画像処理プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理プログラムであって、
前記ぼかし処理は、前記画像オブジェクトに対し、特定の透過率で前記画像オブジェクトが透過して表示されるように前記余白色を重畳させる
画像処理プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理プログラムであって、
前記ぼかし処理は、前記画像オブジェクトの外周端から前記画像オブジェクトの内部に向けて前記透過率を増加させるように構成されている
画像処理プログラム。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の画像処理プログラムであって、
前記ぼかし処理は、前記画像オブジェクトの外周端から特定の幅の領域をぼかすように構成されている、
画像処理プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の画像処理プログラムであって、
さらに、前記制御部に、
前記オブジェクト領域画像内の前記画像オブジェクトの大きさに応じて前記特定の幅を算出する幅算出処理、
を実行させ、
前記ぼかし処理は、前記画像オブジェクトの外周端から、前記幅算出処理により算出された前記特定の幅の領域をぼかすように構成されている、
画像処理プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の画像処理プログラムであって、
前記幅算出処理は、前記編集処理が実行される度に、前記編集処理後の前記オブジェクト領域画像内における前記画像オブジェクトの大きさに応じて前記特定の幅を算出する、
画像処理プログラム。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1項に記載の画像処理プログラムであって、
前記印刷媒体は、データを記憶可能に構成された、円板状の形状を有する被記憶媒体であり、
前記画像オブジェクトを印刷可能な前記領域は、前記被記憶媒体における両面のうち一方の面に設けられている、
画像処理プログラム。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1項に記載の画像処理プログラムであって、
さらに、前記制御部に、
前記入力部を介して前記画像オブジェクトを選択させるオブジェクト選択処理、
を実行させ、
前記オブジェクト配置処理は、前記オブジェクト選択処理で選択された前記画像オブジェクトを前記オブジェクト領域画像内に配置させる、
画像処理プログラム。
【請求項13】
表示部と、
入力部と、
制御部と、
を備えた情報処理装置であって、
前記制御部は、
印刷媒体における画像オブジェクトを印刷可能な領域を示す画像であるオブジェクト領域画像を、前記表示部に表示させ、そのオブジェクト領域画像内に前記画像オブジェクトを配置させる、オブジェクト配置処理と、
前記画像オブジェクトにおける周縁をぼかすぼかし処理と、
前記入力部を介して入力される編集操作に応じて、前記表示部に表示されている前記画像オブジェクトを移動、拡大または縮小させる編集処理と、
前記編集処理が行われている間は前記ぼかし処理を無効にし、前記編集処理が停止されると前記ぼかし処理を有効にする、ぼかし無効処理と、
を実行する情報処理装置。
【請求項14】
表示部を備えた情報処理装置で用いられる画像処理方法であって、
印刷媒体における画像オブジェクトを印刷可能な領域を示す画像であるオブジェクト領域画像を、前記表示部に表示させ、そのオブジェクト領域画像内に前記画像オブジェクトを配置させる、オブジェクト配置ステップと、
前記画像オブジェクトにおける周縁をぼかすぼかしステップと、
前記情報処理装置に入力される編集操作に応じて、前記表示部に表示されている前記画像オブジェクトを移動、拡大または縮小させる編集ステップと、
前記編集ステップが実行されている間は前記ぼかしステップを無効にし、前記編集ステップが停止されると前記ぼかしステップを有効にする、ぼかし無効ステップと、
を有する画像処理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
実施形態に開示される情報処理装置は、上記課題に鑑みなされた、印刷媒体に対して画像が見栄え良く印刷されるようにする構成を備えている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
発明を実施するための形態に例示する画像処理プログラムは、表示部と、入力部と、制御部とを備えた情報処理装置において制御部が実行可能なプログラムである。画像処理プログラムは、制御部に、領域選択処理と、オブジェクト選択処理と、オブジェクト配置処理と、ぼかし処理とを実行させる。