(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105593
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】仮想または拡張現実装置を用いて仮想コンテンツ表示を生成する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20220707BHJP
G02B 5/32 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/32
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079465
(22)【出願日】2022-05-13
(62)【分割の表示】P 2021028223の分割
【原出願日】2015-05-29
(31)【優先権主張番号】62/005,807
(32)【優先日】2014-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ディー. テコルステ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル クルーグ
(57)【要約】
【課題】向上した回折光学要素を伴う方法および装置を提供すること。
【解決手段】導波管において使用するための比較的に高角度回折を伴う体積位相回折要素の干渉記録のためのいくつかの特有の構成が開示される。種々の方法によって生成される別個の層EPEおよびOPE構造は、並んでまたは重ね合わせられた構造体において統合され得、複数のそのようなEPEおよびOPE構造は、組み合わせられるか、または多重化され、単一の空間的に一致する層内にEPE/OPE機能性を呈し得る。多重化構造は、接眼レンズ光学のスタック内の材料の層の総数を低減させ、それらの各々は、体積画像の所与の焦点距離範囲を表示することに関与し得る。体積位相型回折要素は、位置合わせされた多色回折界を可能にし得るスペクトル帯域幅選択性、およびクロストークを伴わずにタイリングおよび視野拡張を促進するための角度多重化能力等を含む特性をもたらすために使用される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するための装置を使用または考案する方法であって、
入力光ビームを内部結合光学デバイスから受信することと、
前記装置の接眼レンズ内の第1の回折要素を用いて、前記入力光ビームの第1の部分を前記内部結合光学デバイスから第1の方向に第2の回折要素に向かって偏向させることであって、前記第1の回折要素は、所定の回折効率および前記入力光ビームの伝搬方向に対して第1の向きを有する、ことと、
前記入力光ビームの第2の部分を第2の向きを有する前記第2の回折要素を通して伝搬させ、観察者に立体画像を生成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の回折要素または前記第2の回折要素のうちの少なくとも1つは、体積ホログラムを備え、前記体積ホログラムは、前記第1の回折要素または前記第2の回折要素を単一層のホスト媒体またはホスト媒体の2つ以上の別個の層を有する基板上に記録するための少なくとも体積位相技法を用いて製作される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも、前記第1の回折要素、前記第2の回折要素、または前記第1の回折要素および前記第2の回折要素の両方の組み合わせの回折効率を変調させることによって、前記立体画像内のアーチファクトを低減させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の回折要素は、出射瞳拡張構造またはエキスパンダを備え、前記第2の回折要素は、直交瞳拡張構造またはエキスパンダを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の回折要素または前記第2の回折要素は、乾式フォトポリマー材料を備えているホスト媒体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ホスト媒体は、単層フォトポリマー材料、単層ハロゲン化銀、または単層ポリマー分散液晶混合物材料を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも前記入力光ビームの第1の部分の第1の光波面を少なくとも連続的に向け直し、全内部反射を介して、少なくとも前記入力光ビームの第2の部分と外部結合することによって、前記入力光ビームの伝搬を誘導することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
異なる回折効率を用いて前記接眼レンズ内の1つ以上の構成要素の回折効率に少なくとも勾配を付けることによって、前記入力光ビームと前記第1の回折要素および/または前記第2の回折要素との間の前および後の相互作用を制御することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の回折要素および/または前記第2の回折要素の調製において、記録ビーム強度または前記記録ビーム強度の比率を少なくとも変調させることによって、前記第1の回折要素および/または前記第2の回折要素のための格子回折効率を分布させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の回折要素または前記第2の回折要素は、表面起伏構造を使用せずに、識別または製作される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の回折要素および/または前記第2の回折要素に対して切り替え可能回折要素を使用することによって、投影された画像の時間多重化分布を複数の焦点面撮像要素に提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の回折要素または前記第2の回折要素は、ポリマー分散液晶(PDLC)構成要素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリマー分散液晶(PDLC)構成要素を識別することと、
前記PDLC構成要素のためのホスト媒体を識別することと、
前記PDLC構成要素のホスト媒体内の構造要素を識別することと、
前記ホスト媒体または前記構造要素の屈折率を前記第1の回折要素および/または前記第2の回折要素が配置されている基板の第1の屈折率に合致しない率に決定することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
単層構造を識別することと、
前記単層構造の中への前記第1の回折要素および前記第2の回折要素の両方を識別または製作することと、
前記単層構造内の前記第1の回折要素および前記第2の回折要素を多重化し、前記接眼レンズの少なくとも一部における入力光ビームの伝搬の回折におけるクロストークを低減させることと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、基板上または基板内に配置され、体積位相回折要素および表面起伏構造の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記基板は、単一層透明または半透明誘電媒体を備えている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記基板は、半透明または透明のホスト媒体の2つ以上の層を備えており、前記2つ以上の層は、前記立体画像を生成するために、互いに結合され、前記入力光ビームの少なくとも一部のための導波管を一緒に形成する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第62/005,807号(2014年5月30日出願、名称「METHODS AND SYSTEMS FOR VIRTUAL AND AUGMENTED REALTY」)の利益を主張する。本願は、米国仮特許出願第61/909,174号(2013年11月27日出願、名称「VIRTUAL AND AUGMENTED REALITY SYSTEMS AND METHODS」、代理人事件番号ML 30011.00)、米国仮特許出願第61/845,907号(2013年7月12日出願、代理人事件番号ML 30007.00)と相互関連する。 本願は、米国特許出願第14/690,401号(2015年4月18日出願、名称「SYSTEMS AND METHODS FOR AUGMENTED AND VIRTUAL REALITY」)、米国特許出願第14/555,585号(2014年11月27日出願、名称「VIRTUAL AND AUGMENTED REALITY SYSTEMS AND METHODS」)にも関連する。
【背景技術】
【0002】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進し、その体験では、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるかのように、もしくはそのように知覚され得る様式においてユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透明性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の視覚化の拡張として、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0003】
デジタルコンテンツ(例えば、部屋の実世界ビューを拡張させるために提示される仮想シャンデリアオブジェクト等の3-Dコンテンツ、または部屋の実世界ビューを拡張させるために提示される平面/平坦仮想油絵オブジェクト等の2-Dコンテンツ)を設置するとき、オブジェクトの挙動を制御するための設計選択が、行われ得る。例えば、2-D油絵オブジェクトは、頭部を中心とし得、その場合、オブジェクトは、ユーザの頭部に伴って移動する(例えば、Google Glassアプローチにおけるように);または、オブジェクトは、世界を中心とし得、その場合、オブジェクトが実世界座標系の一部であるかのように提示され得、ユーザは、実世界に対してオブジェクトの位置を移動させずに、その頭部または眼を移動させ得る。
【0004】
仮想コンテンツを拡張現実システムを用いて提示される拡張現実世界の中に設置する場合、オブジェクトは、以下のいずれかのように提示されるはずである:世界を中心として(すなわち、仮想オブジェクトは、実世界内の定位置に留まり、ユーザは、実世界の壁等の仮想オブジェクトを包囲する実世界オブジェクトに対して仮想オブジェクトの位置を変化させずに、その身体、頭部、眼をその周囲で移動させ得る);身体、すなわち、胴体を中心として(その場合、仮想要素は、ユーザの胴体に対して固定され得、ユーザは、オブジェクトを移動させずに、その頭部または眼を移動させることができるが、そのような移動は、胴体の移動に従わせられる);頭部を中心として(その場合、表示されるオブジェクト(および/またはディスプレイ自体)は、Google Glassを参照して前述のように、頭部の移動に伴って移動され得る);または、以下に説明されるような「中心窩ディスプレイ」構成におけるように、眼を中心として(コンテンツは、眼の位置の関数として回転させられる)。
【0005】
いくつかの従来のアプローチは、表面起伏型回折要素(例えば、線形格子)を有する光学導波管を使用して、画像源からの光ビームを向け直し、瞳拡張を提供し、仮想コンテンツ表示を観察者の片眼(単眼配置)または両眼(双眼配置)に生成する。表面起伏型回折要素を有するこれらの導波管は、デジタル回折パターンの複雑な設計を要求する。これらの複雑な設計は、続いて、高分解能バイナリマスク情報に変換され、次いで、レチクル上にばく露される、または電子ビーム書き込みデバイス(例えば、リソグラフィ書き込み機器)に転送される。これらのデジタル回折パターンは、次いで、フォトレジスト材料の中にオーサリングまたは印刷され、続いて、種々のエッチング技法を使用してエッチングされる。そのような表面起伏型回折要素は、製造コストがかかるだけではなく、結果として生じる構造はまた、微視的起伏構造の存在に起因して、脆弱かつ不注意による損傷または汚染を受けやすい。
【0006】
したがって、仮想または拡張現実のための仮想コンテンツを表示するための向上した回折要素を有する、方法および装置の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示されるのは、仮想および拡張現実のための方法ならびにシステムである。いくつかの実施形態は、仮想および拡張現実デバイスならびに用途のための装置を対象とする。装置は、1つ以上の層を有する回折光学要素(DOE)と、光ビームを、例えば、プロジェクタから受信し、光ビームをDOE内の基板に伝送する、内部結合光学(ICO)要素とを含む、接眼レンズを含み得る。各層は、OPE(直交瞳拡張)回折要素およびEPE(出射瞳拡張)回折要素を含み得る。
【0008】
層上のOPE回折要素は、入力光ビームの一部をEPE回折要素に偏向させ、EPEは、順に、偏向させられた光ビームの一部をユーザの眼に向かって偏向させる。用語「格子」の使用は、「格子」内の回折構造が線形回折要素または構造のみを含むことを含意もしくは示唆するものではないことに留意されたい。むしろ、格子(例えば、EPE格子、OPE格子等)は、線形回折構造、円形回折構造、放射対称回折構造、または任意のそれらの組み合わせを含み得る。OPE回折要素およびEPE回折要素は、線形格子構造ならびに円形または放射対称構造の両方を含み、光ビームを偏向させることおよび収束させることの両方を行い得る。
【0009】
EPEおよびOPE回折要素と拡張または仮想現実表示装置のための画像情報を搬送する光ビームとの間の相互作用は、
図1D-Eを参照して以下の実施例を用いて説明され得る。この例では、画像情報を搬送する光は、導波管(118)に進入し、導波管(118)内のOPE回折要素は、入射光を平面導波管(116)内のDOEまたはEPE回折要素(120)に向かって偏向させ得る。回折パターン、「回折光学要素」(または「DOE」)、もしくはEPE回折要素(120)は、コリメートされた光が平面導波管(116)に沿って全内部反射されるにつれて、コリメートされた光が複数の場所においてEPE回折要素(120)に交差するように、平面導波管(116)内に埋め込まれる。本明細書に説明されるいくつかの実施形態では、EPE回折要素(120)は、EPE回折要素(120)の各交差とともに、光の一部のみが眼(158)に向かって偏向させられる一方、光の残りが、全内部反射(TIR)を介して、平面導波管(116)を通して移動し続けるように、比較的に低回折効率を有する。
【0010】
画像情報を搬送する光は、したがって、複数の場所において導波管(116)から出射する、いくつかの関連光ビームに分割され、その結果、
図1Dに示されるように、平面導波管(116)内で跳ね返るこの特定のコリメートされたビームに対して眼(158)に向かう非常に均一な出射放出パターンとなる。眼(158)に向かう出射ビームは、この例では、EPE回折要素(120)が線形回折パターンのみを有するので、実質的に平行であるように
図1Dには示される。
図1Eを参照すると、埋め込まれたEPE回折要素(220)の放射対称回折パターン構成要素の変化に伴って、出射ビームパターンは、眼(158)の視点からより発散され、眼がより近い距離に遠近調節し、網膜に集中させることを要求し得、無限光学より眼に近い視認距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0011】
OPE回折要素およびEPE回折要素は、いくつかの実施形態では、層上に同一平面または並んだ様式で配置され得る。OPE回折要素およびEPE回折要素は、いくつかの実施形態では、層の両側に折り畳まれたまたは重ね合わせられた様式で配置され得る。ある他の実施形態では、OPE回折要素およびEPE回折要素は、単一の一体型の空間的に一致した層内に配置および記録され、OPE回折要素ならびにEPE回折要素の両方の機能を有する多重化層を形成し得る。複数のそのような層は、互の上にスタックされ、多平面構成を形成し得、各層は、そのそれぞれの焦点距離に関連付けられたそのそれぞれの焦点面をホストし得る。多平面構成は、より大きい焦点範囲を提供し得、多平面構成内の各層は、視認者に異なる焦点距離で現れる画像を提示するように、オンおよびオフに動的に切り替えられ得る。OPEおよびEPE回折要素は、表面起伏型格子構造、体積位相型格子構造、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0012】
いくつかの実施形態は、仮想および拡張現実のための方法を対象とする。本方法は、内部結合光学要素を使用することによって、入力光ビームを接眼レンズの基板の中に伝送し、第1の層上の少なくとも第1の回折要素を使用することによって、入力光ビームの第1の部分を接眼レンズの第1の層上の第2の回折要素に向かって偏向させ、第1の層上の第2の回折要素を用いて入力光ビームの第1の部分の一部を偏向させることによって、第1の出射光ビームを視認者の眼の方へ向かわせ得る。方法はさらに、いくつかの実施形態では、入力光ビームの残りの部分を接眼レンズの基板内に伝送し、第1の層上の第1の回折要素を使用することによって、入力光ビームの残りの部分の一部を第2の回折要素に向かって偏向させ、第1の層上の第2の回折要素を用いて入力光ビームの残りの部分の一部を偏向させることによって、第2の出射光ビームを視認者の方へ向かわせ得る。
【0013】
格子構造の透過性および反射特性に起因して、方法はまた、いくつかの実施形態では、入力光ビームの第1の部分の残りの部分を接眼レンズの基板内に伝送し、第1の部分の残りの部分を第1の層上の第1の回折要素および第2の回折要素と相互作用させることによって、追加の出射光ビームを視認者の方へ向かわせ得る。接眼レンズが回折光学要素の複数の層を有する多平面構成を含む、いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の制御信号を使用することによって、接眼レンズの第2の層を動的にオンに切り替え得、第2の層は、第3の回折要素および第4の回折要素を含み、第2の層上の少なくとも第3の回折要素および第4の回折要素を使用することによって、入力光ビームから出射光ビームを視認者の方へ向かわせる。
【0014】
いくつかの第1の実施形態は、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成する方法を対象とする。これらの第1の実施形態では、入力光ビームは、内部結合光学要素を使用することによって、接眼レンズの基板の中に伝送され得、入力光ビームの第1の部分は、第1の層上の少なくとも第1の回折要素を使用することによって、接眼レンズの第1の層上の第2の回折要素に向かって偏向させられ得、第1の出射光ビームはさらに、第1の層上の第2の回折要素を用いて入力光ビームの第1の部分の一部を偏向させることによって、視認者の方へ向かわせられ得る。
【0015】
これらの第1の実施形態のいくつかでは、入力光ビームの残りの部分は、接眼レンズの基板内で伝送され得、入力光ビームの残りの部分の一部は、第1の層上の第1の回折要素を使用することによって、第2の回折要素に向かって偏向させられ得、第2の出射光ビームはまた、第1の層上の第2の回折要素を用いて入力光ビームの残りの部分の一部を偏向させることによって、視認者の方へ向かわせられ得る。加えて、または代替として、入力光ビームの第1の部分の残りの部分は、接眼レンズの基板内で伝送され得、追加の出射光ビームはまた、第1の部分の残りの部分を第1の層上の第1の回折要素および第2の回折要素と相互作用させることによって、視認者の方へ向かわせられ得る。
【0016】
第1の実施形態のいくつかでは、接眼レンズの第2の層は、1つ以上の制御信号を使用することによって、動的にオンに切り替えられ得、第2の層は、第3の回折要素および第4の回折要素を含み、出射光ビームは、入力光ビームから第2の層上の少なくとも第3の回折要素および第4の回折要素を使用することによって、視認者の方へ向かわせられ得る。これらの直前の実施形態のいくつかでは、第1の層は、第1の焦点距離に関連付けられた第1の焦点面をホストし、第1の出射光ビームは、第1の焦点面から発しているようにユーザに見える。加えて、または代替として、第2の層は、第2の焦点距離に関連付けられた第2の焦点面をホストし、出射光ビームは、第2の焦点面から発しているようにユーザに見える。第1の実施形態のいくつかでは、第1の回折要素および第2の回折要素は、表面起伏型回折要素、体積位相型回折要素、または表面起伏型回折要素および体積位相型回折要素の組み合わせを備えている。
【0017】
いくつかの第2の実施形態は、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するための装置を実装するためのプロセスを対象とする。これらの第2の実施形態では、第1の基板が、装置の接眼レンズのために識別(すでに存在する場合)または製作(存在しない場合)され得、第1の回折要素および第2の回折要素が、1つ以上の第1のフィルム上に識別(すでに存在する場合)または製作(存在しない場合)され得、第1の回折要素および第2の回折要素は、線形格子構造ならびに円形または放射対称格子構造を備え、第1の回折要素および第2の回折要素を含む1つ以上の第1のフィルムは、第1の基板上に配置され得、内部結合光学要素はまた、接眼レンズの中に統合され、入力光ビームを入力光源から第1の基板の中に伝送し得、第1の回折要素および第2の回折要素は、内部結合光学要素に動作可能に結合され、入力光ビームの少なくとも一部を偏向させ得る。
【0018】
これらの第2の実施形態のいくつかでは、第1の回折要素および第2の回折要素は、第1の基板の片側に同一平面配置で配置され得る。これらの第2の実施形態のある他の実施形態では、第1の基板の片側、両側に、回折要素および第2の回折要素は、折り畳まれたまたは重ね合わせられた配置で配置され得る。加えて、または代替として同一平面配置または折り畳まれたもしくは重ね合わせられた配置における、第1の回折要素および第2の回折要素は、第1の基板の片側に配置される一体型の分離不能層上に多重化され得る。
【0019】
第2の実施形態のいくつかでは、第2の基板が、接眼レンズのために識別(すでに存在する場合)または製作(存在しない場合)され得、第3の回折要素および第4の回折要素もまた、1つ以上の第2のフィルム上に識別(すでに存在する場合)または製作(存在しない場合)され得、第3の回折要素および第4の回折要素は、線形格子構造および円形または放射対称格子構造を備え、第3の回折要素および第4の回折要素を含む1つ以上の第2のフィルムは、第2の基板上に配置され得る。
【0020】
直前の実施形態のいくつかでは、第2の基板は、第1の基板上に配置され得、第1の基板上の第1の回折要素および第2の回折ならびに第2の基板上の第3の回折要素および第4の回折要素は、電圧または電流を使用することによって、オン状態とオフ状態との間で動的に切り替え可能である。加えて、または代替として、1つ以上の第1のフィルムおよび1つ以上の第2のフィルムのうちの少なくとも1つは、ポリマー分散液晶層を含む。
【0021】
第2の実施形態のいくつかでは、第1の回折要素および第2の回折要素は、表面起伏型格子構造、体積位相型格子構造、または表面起伏型格子構造および体積位相型格子構造の組み合わせを備えている。加えて、または代替として、第1の回折要素および第2の回折要素は、体積位相格子構造および表面起伏構造の組み合わせを含む。第1の基板は、随意に、第2の実施形態のいくつかでは、単一層ホスト透明もしくは半透明誘電ホスト媒体を備えている、または第2の実施形態のある他の実施形態では、互に結合され、入力光ビームの少なくとも一部のための導波管を一緒に形成し、立体画像を生成する、半透明もしくは透明ホスト媒体の2つ以上の層を備え得る。
【0022】
いくつかの第3の実施形態は、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するための装置を使用または考案するためのプロセスを対象とする。これらの第3の実施形態では、入力光ビームは、内部結合光学デバイスから受信され得、内部結合光学デバイスからの入力光ビームの第1の部分は、装置の接眼レンズ内の第1の回折要素を用いて、第1の方向に第2の回折要素に向かって偏向させられ得、第1の回折要素は、入力光ビームの伝搬方向に対して所定の回折効率および第1の向きを有し、入力光ビームの第2の部分は、第2の向きを有する第2の回折要素を通して伝搬され、観察者に立体画像を生成し得る。
【0023】
これらの第3の実施形態のいくつかでは、第1の回折要素または第2の回折要素のうちの少なくとも1つは、第1の回折要素または第2の回折要素を単層ホスト媒体またはホスト媒体の2つ以上の別個の層を有する基板上に記録するための少なくとも体積位相技法を用いて製作される、体積ホログラムを備えている。加えて、または代替として、立体画像内のアーチファクトは、少なくとも、第1の回折要素または第2の回折要素もしくは第1の回折要素および第2の回折要素の両方の組み合わせの回折効率を変調させることによって、低減させられ得る。さらに、第1の回折要素は、随意に、出射瞳拡張構造またはエキスパンダを備え、第2の回折要素は、直交瞳拡張構造またはエキスパンダを備え得る。
【0024】
第1の回折要素または第2の回折要素はまた、随意に、これらの第3の実施形態のいくつかでは、乾式フォトポリマー材料を備えている、ホスト媒体を含み得る。直前の実施形態のいくつかでは、ホスト媒体は、単層フォトポリマー材料、単層ハロゲン化銀、または単層ポリマー分散液晶混合物材料を含む。
【0025】
第3の実施形態のいくつかでは、入力光ビームの伝搬は、少なくとも、入力光ビームの第1の部分の第1の光波面を少なくとも連続的に向け直し、全内部反射を介して、少なくとも、入力光ビームの第2の部分と外部結合することによって、誘導され得る。加えて、または代替として、入力光ビームと第1の回折要素および/または第2の回折要素との間の前および後の相互作用は、少なくとも、異なる回折効率を伴う接眼レンズ内の1つ以上の構成要素の回折効率に勾配を付けることによって、制御され得る。
【0026】
格子回折効率は、第3の実施形態のいくつかでは、第1の回折要素および/または第2の回折要素の調製において、記録ビーム強度または記録ビーム強度の比率を少なくとも変調させることによって、第1の回折要素および/または第2の回折要素間に分布され得る。随意に、第1の回折要素または第2の回折要素は、表面起伏構造を使用せずに、識別(すでに存在する場合)または製作(存在しない場合)され得る。
【0027】
プロセスは、第3の実施形態のいくつかでは、第1の回折要素および/または第2の回折要素のための切り替え可能格子構造を使用することによって、投影された画像の時間多重化分布を複数の焦点面撮像要素に提供し得る。代替として、または加えて、第1の回折要素または第2の回折要素は、ポリマー分散液晶(PDLC)構成要素を含む。これらの直前の実施形態のいくつかでは、ポリマー分散液晶(PDLC)構成要素、PDLC構成要素のためのホスト媒体、およびPDLC構成要素のホスト媒体内の構造要素は、識別され得、ホスト媒体または構造要素の屈折率は、第1の回折要素および/または第2の回折要素が配置されている基板の第1の屈折率と合致しない率であるように決定され得る。
【0028】
第3の実施形態のいくつかでは、単層構造が、識別され得、第1の回折要素および第2の回折要素の両方が、単層構造の中に識別(すでに存在する場合)または製作(存在しない場合)され得、単層構造内の第1の回折要素および第2の回折要素は、多重化され、接眼レンズの少なくとも一部における入力光ビームの伝搬の回折におけるクロストークを低減させ得る。加えて、または代替として、第1の回折要素および第2の回折要素は、基板上または基板内に配置され、体積位相格子構造および表面起伏構造の組み合わせを含む。これらの直前の実施形態のいくつかでは、基板は、単一層ホスト透明または半透明誘電ホスト媒体を備えている。第3の実施形態のいくつかでは、基板は、互に結合され、入力光ビームの少なくとも一部のための導波管を一緒に形成し、立体画像を生成する、半透明または透明ホスト媒体の2つ以上の層を備えている。
【0029】
いくつかの第4の実施形態は、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するための装置を対象とする。装置は、基板を含む接眼レンズと、入力光ビームを基板の中に伝送するための内部結合光学要素と、内部結合光学要素に動作可能に結合され、基板の1つ以上の側に配置される、第1の回折要素および第2の回折要素を備えている、基板の第1の層とを備え、第1の回折要素および第2の回折要素は、線形格子構造および円形または放射対称格子構造を備えている。
【0030】
これらの第4の実施形態のいくつかでは、第1の回折要素および第2の回折要素は、第1の層上に同一平面配置で配置される。代替として、第1の回折要素および第2の回折要素は、第1の層の両側に折り畳まれたまたは重ね合わせられた配置で配置される。第4の実施形態のいくつかでは、装置はさらに、1つ以上の第2の層を備え、第1の層および1つ以上の第2の層は、オン状態とオフ状態との間で動的に切り替え可能であり、1つ以上の第2の層は、互の上にスタックされる。
【0031】
これらの直前の実施形態のいくつかでは、第1の層または1つ以上の第2の層は、少なくとも1つのポリマー分散液晶層を含む。第4の実施形態のいくつかでは、第1の回折要素および第2の回折要素は、体積位相型格子構造を含む。加えて、または代替として、第1の回折要素および第2の回折要素は、表面起伏型格子構造を含む。加えて、または代替として、第1の回折要素および第2の回折要素は、表面起伏型格子構造および体積位相型格子構造の両方を含む。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成する方法であって、
内部結合光学要素を使用することによって、入力光ビームを接眼レンズの基板の中に伝送することと、
前記接眼レンズの第1の層上の少なくとも第1の回折要素を使用することによって、前記入力光ビームの第1の部分を前記第1の層上の第2の回折要素に向かって偏向させることと、
前記第1の層上の前記第2の回折要素を用いて前記入力光ビームの前記第1の部分の一部を偏向させることによって、第1の出射光ビームを視認者の方へ向かわせることと
を含む、方法。
(項目2)
前記入力光ビームの残りの部分を前記接眼レンズの基板内で伝送することと、
前記第1の層上の前記第1の回折要素を使用することによって、前記入力光ビームの前記残りの部分の一部を前記第2の回折要素に向かって偏向させることと、
前記第1の層上の前記第2の回折要素を用いて前記入力光ビームの前記残りの部分の一部を偏向させることによって、第2の出射光ビームを前記視認者の方へ向かわせることと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記入力光ビームの前記第1の部分の残りの部分を前記接眼レンズの基板内で伝送することと、
前記第1の部分の前記残りの部分に前記第1の層上の前記第1の回折要素および前記第2の回折要素と相互作用させることによって、追加の出射光ビームを前記視認者の方へ向かわせることと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
1つ以上の制御信号を使用することによって、前記接眼レンズの第2の層を動的にオンに切り替えることであって、前記第2の層は、第3の回折要素および第4の回折要素を含む、ことと、
前記第2の層上の少なくとも前記第3の回折要素および前記第4の回折要素を使用することによって、前記入力光ビームから出射光ビームを前記視認者の方へ向かわせることと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記第1の層は、第1の焦点距離に関連付けられた第1の焦点面をホストし、前記第1の出射光ビームは、前記第1の焦点面から発しているように前記ユーザに見える、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記第2の層は、第2の焦点距離に関連付けられた第2の焦点面をホストし、前記出射光ビームは、前記第2の焦点面から発しているように前記ユーザに見える、項目4に記載の方法。
(項目7)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、表面起伏型回折要素、体積位相型回折要素、または前記表面起伏型回折要素および前記体積位相型回折要素の組み合わせを備えている、項目1に記載の方法。
(項目8)
仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するための装置であって、
基板を含む接眼レンズと、
入力光ビームを前記基板の中に伝送するための内部結合光学要素と、
第1の回折要素および第2の回折要素を備えている前記基板の第1の層と
を備え、
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、前記内部結合光学要素に動作可能に結合され、前記基板の1つ以上の側に配置され、前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、線形回折要素および円形または放射対称回折要素を備えている、装置。
(項目9)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、前記第1の層上に同一平面配置で配置されている、項目8に記載の装置。
(項目10)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、前記第1の層の両側に折り畳まれたまたは重ね合わせられた配置で配置されている、項目8に記載の装置。
(項目11)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、前記第1の層に取り付けられた一体型の分離不能層内に配置されている、項目8に記載の装置。
(項目12)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、前記一体型の分離不能層内に単一の記録で作成される、項目11に記載の装置。
(項目13)
1つ以上の第2の層をさらに備え、前記第1の層および前記1つ以上の第2の層は、オン状態とオフ状態との間で動的に切り替え可能であり、前記1つ以上の第2の層は、互の上にスタックされている、項目8に記載の装置。
(項目14)
前記第1の層または前記1つ以上の第2の層は、少なくとも1つのポリマー分散液晶層を含む、項目13に記載の装置。
(項目15)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、体積位相型回折要素を含む、項目8に記載の装置。
(項目16)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、表面起伏型回折要素を含む、項目8に記載の装置。
(項目17)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、表面起伏型回折要素および体積位相型回折要素の両方を含む、項目8に記載の装置。
(項目18)
仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するための装置を実装する方法であって、
接眼レンズのための第1の基板を識別または製作することと、
1つ以上の第1のフィルム上の第1の回折要素および第2の回折要素を識別または製作することであって、前記第1の回折要素および第2の回折要素は、線形回折要素および円形または放射対称回折要素を備えている、ことと、
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素を含む前記1つ以上の第1のフィルムを前記第1の基板上に配置することと、
内部結合光学要素を前記接眼レンズの中に統合し、入力光ビームを入力光源から前記第1の基板の中に伝送することであって、前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、前記内部結合光学要素に動作可能に結合され、前記入力光ビームの少なくとも一部を偏向させる、ことと
を含む、方法。
(項目19)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素を含む前記1つ以上の第1のフィルムを前記第1の基板上に配置する行為は、
前記第1の基板の片側に同一平面配置で前記第1の回折要素および前記第2の回折要素を配置することと、
前記第1の基板の片側、両側に折り畳まれたまたは重ね合わせられた配置で前記第1の回折要素および前記第2の回折要素を配置することと、
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素を前記第1の基板の片側に配置された一体型の分離不能層上で多重化することと
のうちの1つを含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記接眼レンズのための第2の基板を識別または製作することと、
1つ以上の第2のフィルム上の第3の回折要素および第4の回折要素を識別または製作することであって、前記第3の回折要素および第4の回折要素は、前記線形回折要素および前記円形または放射対称回折要素を備えている、ことと、
前記第3の回折要素および前記第4の回折要素を含む前記1つ以上の第2のフィルムを前記第2の基板上に配置することと
をさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目21)
前記第2の基板を前記第1の基板上に配置することをさらに含み、
前記第1の基板上の前記第1の回折要素および前記第2の回折要素ならびに前記第2の基板上の前記第3の回折要素および前記第4の回折要素は、電圧または電流を使用することによって、オン状態とオフ状態との間で動的に切り替え可能である、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記1つ以上の第1のフィルムおよび前記1つ以上の第2のフィルムのうちの少なくとも1つは、ポリマー分散液晶層を含む、項目20に記載の方法。
(項目23)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、表面起伏型回折要素、体積位相型回折要素、または前記表面起伏型回折要素および前記体積位相型回折要素の組み合わせを備えている、項目18に記載の方法。
(項目24)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、体積位相回折要素および表面起伏構造の組み合わせを含む、項目18に記載の方法。
(項目25)
前記第1の基板は、単一層ホスト透明または半透明誘電ホスト媒体を備えている、項目18に記載の方法。
(項目26)
前記第1の基板は、半透明または透明ホスト媒体の2つ以上の層を備え、前記2つ以上の層は、互に結合され、前記立体画像を生成するための前記入力光ビームの少なくとも一部のための導波管を一緒に形成している、項目18に記載の方法。
(項目27)
仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するための装置を使用または考案する方法であって、
入力光ビームを内部結合光学デバイスから受信することと、
前記装置の接眼レンズ内の第1の回折要素を用いて、前記入力光ビームの第1の部分を前記内部結合光学デバイスから第1の方向に第2の回折要素に向かって偏向させることであって、前記第1の回折要素は、所定の回折効率および前記入力光ビームの伝搬方向に対して第1の向きを有する、ことと、
前記入力光ビームの第2の部分を第2の向きを有する前記第2の回折要素を通して伝搬させ、観察者に立体画像を生成することと
を含む、方法。
(項目28)
前記第1の回折要素または前記第2の回折要素のうちの少なくとも1つは、体積ホログラムを備え、前記体積ホログラムは、前記第1の回折要素または前記第2の回折要素を単層ホスト媒体またはホスト媒体の2つ以上の別個の層を有する基板上に記録するための少なくとも体積位相技法を用いて製作される、項目27に記載の方法。
(項目29)
少なくとも、前記第1の回折要素、前記第2の回折要素、または前記第1の回折要素および前記第2の回折要素の両方の組み合わせの回折効率を変調させることによって、前記立体画像内のアーチファクトを低減させることをさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目30)
前記第1の回折要素は、出射瞳拡張構造またはエキスパンダを備え、前記第2の回折要素は、直交瞳拡張構造またはエキスパンダを備えている、項目27に記載の方法。
(項目31)
前記第1の回折要素または前記第2の回折要素は、乾式フォトポリマー材料を備えているホスト媒体を含む、項目27に記載の方法。
(項目32)
前記ホスト媒体は、単層フォトポリマー材料、単層ハロゲン化銀、または単層ポリマー分散液晶混合物材料を含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
少なくとも前記入力光ビームの第1の部分の第1の光波面を少なくとも連続的に向け直し、全内部反射を介して、少なくとも前記入力光ビームの第2の部分と外部結合することによって、前記入力光ビームの伝搬を誘導することをさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目34)
異なる回折効率を用いて前記接眼レンズ内の1つ以上の構成要素の回折効率に少なくとも勾配を付けることによって、前記入力光ビームと前記第1の回折要素および/または前記第2の回折要素との間の前および後の相互作用を制御することをさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目35)
前記第1の回折要素および/または前記第2の回折要素の調製において、記録ビーム強度または前記記録ビーム強度の比率を少なくとも変調させることによって、前記第1の回折要素および/または前記第2の回折要素のための格子回折効率を分布させることをさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目36)
前記第1の回折要素または前記第2の回折要素は、表面起伏構造を使用せずに、識別または製作される、項目27に記載の方法。
(項目37)
前記第1の回折要素および/または前記第2の回折要素に対して切り替え可能回折要素を使用することによって、投影された画像の時間多重化分布を複数の焦点面撮像要素に提供することをさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目38)
前記第1の回折要素または前記第2の回折要素は、ポリマー分散液晶(PDLC)構成要素を含む、項目27に記載の方法。
(項目39)
前記ポリマー分散液晶(PDLC)構成要素を識別することと、
前記PDLC構成要素のためのホスト媒体を識別することと、
前記PDLC構成要素のホスト媒体内の構造要素を識別することと、
前記ホスト媒体または前記構造要素の屈折率を前記第1の回折要素および/または前記第2の回折要素が配置されている基板の第1の屈折率に合致しない率に決定することと
をさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
単層構造を識別することと、
前記単層構造の中への前記第1の回折要素および前記第2の回折要素の両方を識別または製作することと、
前記単層構造内の前記第1の回折要素および前記第2の回折要素を多重化し、前記接眼レンズの少なくとも一部における入力光ビームの伝搬の回折におけるクロストークを低減させることと
をさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目41)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、基板上または基板内に配置され、体積位相回折要素および表面起伏構造の組み合わせを含む、項目27に記載の方法。
(項目42)
前記基板は、単一層ホスト透明または半透明誘電ホスト媒体を備えている、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記基板は、前記立体画像を生成するために、互に結合され、前記入力光ビームの少なくとも一部のための導波管を一緒に形成する半透明または透明ホスト媒体の2つ以上の層を備えている、項目27に記載の方法。
(項目44)
項目18-26のいずれかに記載の方法を行うための仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するための装置。
(項目45)
項目27-43のいずれかに記載の方法を行うための仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するための装置。
【0032】
仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成する方法および装置の種々の側面のさらなる詳細は、
図1A-25Dを参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図面は、本発明の種々の実施形態の設計および有用性を図示する。図は、正確な縮尺で描かれておらず、類似構造または機能の要素は、図全体を通して類似参照番号によって表されることに留意されたい。本発明の種々の実施形態の前述および他の利点ならびに目的を得る方法をより深く理解するために、簡単に前述された発明を実施するための形態が、付随の図面に図示されるその具体的実施形態を参照することによって与えられるであろう。これらの図面は、本発明の典型的実施形態のみを描写し、その範囲の限定として見なされないことを理解した上で、本発明は、付随の図面の使用を通して追加の具体性および詳細とともに記載および説明されるであろう。
【
図1A】
図1Aは、コリメートされた光ビームを偏向させる線形回折格子の簡略化された概略図を図示する。
【
図1B】
図1Bは、コリメートされた光ビームを偏向させる放射対称回折格子の簡略化された概略図を図示する。
【
図1C】
図1Cは、線形および放射構造を組み合わせる回折要素を含む本明細書に説明されるいくつかの実施形態を図示する。
【
図1D】
図1Dは、拡張または仮想現実表示装置のための回折パターンまたは回折要素と画像情報を搬送する光ビームとの間の相互作用の実施例を図示する。
【
図1E】
図1Eは、拡張または仮想現実表示装置のための回折パターンもしくは回折要素と画像情報を搬送する光ビームとの間の相互作用の別の実施例を図示する。
【
図2】
図2A-Bは、いくつかの実施形態における体積位相回折要素を作製および使用するいくつかの略図を図示する。
【
図3-1】
図3A-Bは、いくつかの実施形態における、RGB(赤色、緑色、および青色)のための体積位相回折要素を作製および使用するいくつかの略図を図示する。
【
図3-2】
図3C-Dは、いくつかの実施形態における、RGB(赤色、緑色、および青色)のための体積位相回折要素を作製および使用するいくつかの略図を図示する。
【
図3-3】
図3E-Fは、いくつかの実施形態における、RGB(赤色、緑色、および青色)のための急角度体積位相回折要素を作製および使用するいくつかの略図を図示する。
【
図4A】
図4A-Cは、いくつかの実施形態における、体積位相回折要素または体積位相急角度回折要素を記録し、EPE、OPE、および/または組み合わせEPE/OPEを製作するためのいくつかの概略設定を図示する。
【
図4B】
図4A-Cは、いくつかの実施形態における、体積位相回折要素または体積位相急角度回折要素を記録し、EPE、OPE、および/または組み合わせEPE/OPEを製作するためのいくつかの概略設定を図示する。
【
図4C】
図4A-Cは、いくつかの実施形態における、体積位相回折要素または体積位相急角度回折要素を記録し、EPE、OPE、および/または組み合わせEPE/OPEを製作するためのいくつかの概略設定を図示する。
【
図5A】
図5Aは、材料および構成要素層の出射瞳エキスパンダ記録スタックならびに多くの可能な記録幾何学形状のうちの1つの一実施形態の略図を示す。
【
図5B】
図5Bは、出射瞳エキスパンダ、直交瞳エキスパンダ、入力結合格子、または材料および構成要素層の組み合わせ格子記録スタック、および多くの可能な記録幾何学形状のうちの1つの一実施形態の略図を示す。
【
図6】
図6は、単一ウエハ基板内のICO、EPE、およびOPE構成要素の一実施形態の例証的構成、ならびに画像投影システムで照明されるときのその機能を示す。
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態における、内部結合光学デバイスに動作可能に結合される、同一平面OPEおよびEPE配置の概略配置を図示する。
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態における、内部結合光学デバイスに動作可能に結合される、重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPEおよびEPE配置の概略配置を図示する。
【
図9】
図9は、いくつかの実施形態における、内部結合光学デバイスに動作可能に結合される、重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPEおよびEPE配置の別の概略配置を図示する。
【
図10】
図10A-Bは、いくつかの実施形態における、重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPEおよびEPE配置の別の概略配置を図示する。
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態における、重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPEおよびEPEならびにビーム多重化層配置の別の概略配置を図示する。
【
図12】
図12A-Cは、いくつかの実施形態における、回折要素と観察者のための画像情報を搬送する光との間の相互作用のいくつかの略図を図示する。
図12Dは、いくつかの実施形態における、仮想現実および/または拡張現実装置のための多平面構成の略図を図示する。
【
図13】
図13A-Bは、いくつかの実施形態における、切り替え可能層の略図を図示する。
【
図14】
図14は、いくつかの実施形態における、多重化エキスパンダ要素の略図を図示する。
【
図15A】
図15Aは、いくつかの実施形態における、多重化エキスパンダ要素の略図の一部を図示する。
【
図15B】
図15Bは、ある他の実施形態における、多重化エキスパンダアセンブリの別の写真表現を図示する。
【
図16】
図16は、本明細書に説明される仮想現実または拡張現実デバイスを使用して画像を視認する、ユーザの例証を示す。
【
図21】
図21は、仮想現実または拡張現実デバイスを使用して画像を視認する、ユーザの例証の側面図を図示する。
【
図22】
図22は、いくつかの実施形態における、回折光学要素(DOE)の拡大図を図示する。
【
図23A】
図23Aは、いくつかの実施形態における、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのための高レベル流れ図を図示する。
【
図23B】
図23B-Cは一緒に、いくつかの実施形態における、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのためのより詳細な流れ図を図示する。
【
図23C】
図23B-Cは一緒に、いくつかの実施形態における、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのためのより詳細な流れ図を図示する。
【
図24A】
図24Aは、1つ以上の実施形態における、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのための高レベルブロック図を図示する。
【
図24B】
図24Bは、1つ以上の実施形態における、
図24Aに図示される仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのためのより詳細なブロック図を図示する。
【
図24C】
図24Cは、1つ以上の実施形態における、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのためのより詳細なブロック図を図示する。
【
図25A】
図25Aは、1つ以上の実施形態における、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するための高レベルブロック図を図示する。
【
図25B】
図25B-Dは一緒に、
図25Aに図示される仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのための、個々に行われるか、もしくは1つ以上の群において、ともに行われ得る、いくつかの追加の随意の行為2500Bを図示する。
【
図25C】
図25B-Dは一緒に、
図25Aに図示される仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのための、個々に行われるか、もしくは1つ以上の群において、ともに行われ得る、いくつかの追加の随意の行為2500Bを図示する。
【
図25D】
図25B-Dは一緒に、
図25Aに図示される仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのための、個々に行われるか、もしくは1つ以上の群において、ともに行われ得る、いくつかの追加の随意の行為2500Bを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の種々の実施形態は、単一実施形態またはいくつかの実施形態において、仮想コンテンツ表示の仮想または拡張現実を生成する方法およびシステムを対象とする。本発明の他の目的、特徴、および利点は、発明を実施するための形態、図、および請求項に説明される。
【0035】
いくつかの実施形態は、仮想コンテンツ表示を生成するための装置を対象とする。装置は、画像情報を搬送する光ビームを画像源から観察者の片眼(単眼)または両眼(双眼)に伝搬するための回折要素を含む。より具体的には、装置は、画像情報を搬送する光ビームを画像源からEPE回折要素を有する第2の導波管に偏向させるためのOPE回折要素を有する第1の導波管を含む。第2の導波管内のEPE回折要素はさらに、光ビームを第1の導波管から観察者の片眼または両眼に向け直す。
【0036】
拡張または仮想現実表示装置のためのEPEおよびOPE回折要素と光ビームとの間の相互作用の簡略化されたモードが、
図1D-Eを参照して以下の実施例を用いて説明され得る。この例では、画像情報を搬送する光は、導波管(118)に進入し、導波管(118)内のOPE回折要素は、入射光を平面導波管(116)内のDOEまたはEPE回折要素(120)に向かって偏向させ得る。回折パターン、「回折光学要素」(または「DOE」)、もしくはEPE回折要素(120)が、コリメートされた光が平面導波管(116)に沿って全内部反射されるにつれて、コリメートされた光が複数の場所においてEPE回折要素(120)に交差するように、平面導波管(116)内に埋め込まれる。本明細書に説明されるいくつかの実施形態では、EPE回折要素(120)は、光の一部のみがEPE回折要素(120)の各交差とともに眼(158)に向かって偏向させられる一方、光の残りが、全内部反射(TIR)を介して、平面導波管(116)を通して移動し続けるように、比較的に低回折効率を有する。
【0037】
画像情報を搬送する光ビームは、したがって、複数の場所において導波管(116)から出射する、いくつかの関連光ビームに分割され、結果は、
図1Dに示されるように、平面導波管(116)内で跳ね返るこの特定のコリメートされたビームに対して、眼(158)に向かう非常に均一なパターンの出射放出である。眼(158)に向かう出射ビームは、この例では、EPE回折要素(120)が線形回折パターンのみを有するので、実質的に平行として
図1Dには示される。
図1Eを参照すると、埋め込まれたEPE回折要素(220)の放射対称回折パターン構成要素の変化に伴って、出射ビームパターンは、眼(158)の視点からより発散的にされ、それは、より近い距離に遠近調節し、網膜上に焦点を合わせることを眼に要求し得、それは、光学的無限より眼に近い視認距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0038】
本明細書に説明される装置の利点の1つは、本明細書に説明される仮想コンテンツ表示装置が、リソグラフィおよびエッチングプロセスの使用を要求せずに、よりロバストかつコスト効果的様式において製造され得る体積型回折要素を含み得ることである。体積型回折要素は、いくつかの実施形態では、装置のための1つ以上の導波管に対して製作され得(例えば、転写によって)、したがって、従来のアプローチにおける表面起伏型回折要素の製作、統合、および使用に関連付けられた種々の問題を完全に排除する。これらの回折要素はさらに、以下により詳細に説明されるようなその意図される目的を果たすために、仮想コンテンツ表示装置のための異なる配置で配置され得る。
【0039】
ここで、種々の実施形態が、当業者が本発明を実践することを可能にするように、本発明の例証的実施例として提供される、図面を参照して詳細に説明される。留意すべきこととして、以下の図および実施例は、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。本発明のある要素が、公知の構成要素(または方法もしくはプロセス)を使用して部分的または完全に実装され得る場合、本発明の理解のために必要なそのような公知の構成要素(または方法もしくはプロセス)のそれらの部分のみ、説明され、そのような公知の構成要素(または方法もしくはプロセス)の他の部分の詳細な説明は、本発明を曖昧にしないように、省略されるであろう。さらに、種々の実施形態は、例証として本明細書に参照される構成要素の現在および将来的公知の均等物を包含する。
【0040】
開示されるのは、仮想および拡張現実のための方法ならびにシステムである。仮想現実または拡張現実の用途のためのヒト装着式立体眼鏡等の光学器具では、ユーザの眼は、器具をユーザの眼に適切に結合するために、器具の出射瞳と整列させられ、それに類似するサイズであり得る。出射瞳の場所は、したがって、ユーザの眼が観察者の眼に対して完全視認角度を得られ得る、器具の接眼レンズの最後の正面からの距離を画定する、射出瞳距離と、それによって、接眼レンズの視野とを決定し得る。
【0041】
射出瞳距離は、典型的には、ユーザの快適性のためのある距離(例えば、20mm)にあるように考案される。射出瞳距離が大きすぎる場合、接眼レンズからの出射光は、損失され、瞳に到達しない場合がある。一方、接眼レンズ、または回折光学要素(DOE)と結合される導波管からの出射光によって画定された視野は、出射瞳が瞳のサイズより小さくなるほど射出瞳距離が小さすぎる場合、ぼけ得る。本明細書に説明される種々の実施形態は、仮想現実または拡張現実システムのための出射瞳拡張(EPE)構造またはエキスパンダと直交瞳拡張(EPE)構造またはエキスパンダとを生成するために、高角度回折を伴う体積位相回折要素を使用する。
【0042】
本開示に提示されるように、OPEおよび/またはEPE表面起伏構造の生産は、所望の瞳の拡張機能および外部結合機能を果たすであろう複雑なデジタル回折パターンの設計を実装する。設計は、次いで、高分解能バイナリマスク情報に変換され、レチクル上にばく露されるか、または特殊電子ビーム書き込みデバイスに転送され、フォトレジスト材料の中にオーサリングされ、化学技法を使用してエッチングされ得る。結果として生じる構造は、微視的物理的起伏であるため、幾分脆弱であって、回折機能を妨害するであろう損傷および汚染を受けやすい。
【0043】
対照的に、体積位相ホログラムは、ホログラフィ(2つ以上のビーム)アプローチにおいて、感光性材料(例えば、フォトポリマー、ハロゲン化銀、ポリマー分散液晶混合物等)の区分ごとまたはモノリシック(広域同時)のレーザ光を用いたばく露によってオーサリングされ得る。これらの構造のために要求または所望される特殊な縞の向きおよび間隔は、ガラスまたは透明もしくは半透明プラスチック等の厚い誘電基板上にホログラムを記録すること(recording)を通して達成され得、それは、急角度幾何学形状におけるレーザ光の屈折率整合結合を通して縞の形成を可能にする。いくつかの実施形態は、体積位相および表面起伏構造の重畳OPE/EPE組み合わせを含む。
【0044】
組み合わせられた要素の利点の1つは、組み合わせられると、全デジタル(例えば、全表面起伏)または全体積位相アプローチと比較して、優れた機能を生成する両タイプの構造の固有の特性を利用することであり得る。体積位相ホログラムの(recording)は、表面起伏構造におけるデジタル設計/算出/オーサリングアプローチより安価、高速、かつ柔軟性がある。なぜなら、体積位相オーサリング光学システムは、種々の既製の構成要素および実装技法を使用して、容易に再構成、修正、ならびにカスタマイズされ得るからである。非常に敏感で使用が容易である乾式フォトポリマー材料も、EPE/OPE構造を生成することにおける体積位相技法の使用において別の利点を提供し得る。
【0045】
体積位相アプローチは、不要なまたは望ましくないアーチファクトを導入せずに、回折効率を変調させる固有の能力を保有する。EPEおよびOPE機能の場合、いくつかの実施形態では、EPEおよびOPE構造の両方とも、全内部反射を介して大面積導波管を通って伝搬するコリメートされた波正面の連続した向け直しおよび外部結合に依拠する。回折要素との各相互作用により、一部の光は、向け直され、すなわち、構造から完全に出て結合され(設計に応じて)、連続相互作用のたまに残される光の量の低減をもたらす。これは、光が投影注入点から伝搬するにつれて、接眼レンズを横断する画像フィールド輝度分布にある望ましくない低減をもたらし得る。この問題を緩和するために、接眼レンズ構成要素の回折効率は、いくつかの実施形態では、光線と構造との間の初期相互作用が利用可能な光を後の相互作用より少なく使用するように、勾配を付けられ得る。
【0046】
さらに、格子回折効率均一性の再分布は、体積位相記録方法では、簡単であり、記録ビーム強度および/または2つの干渉ビーム間の強度の比率を変調させることによって達成される。対照的に、性質上バイナリである表面起伏構造は、特に、ゴースト画像、追加の回折次数、および他の不要なまたは望ましくないアーチファクトを導入せずに、同一効果を達成するようにそれほど容易に修正されないこともある。体積位相型構造はまた、複数の焦点面撮像要素に対する投影される画像の時間多重化分布を可能にし得る切り替え可能回折要素を含むポリマー分散液晶(PDLC)構成要素のために、所望または要求され得る。いくつかの実施形態は、体積位相アプローチとPDLCを組み合わせ、組み合わせをOPE/EPEおよび内部結合光学(ICO)に適用する。
【0047】
PDLC材料は、ホスト媒体中に回折パターンを有する微小液滴を含み、ホスト媒体または微小液滴の屈折率は、基板のそれに合致しない率に切り替えられ得る。切り替え可能回折要素はまた、ニオブ酸リチウムを含む材料から作製され得る。体積位相構造は、表面起伏構造より角度的に選択的であり得、したがって、外部、多分周囲源からの光をそれほど容易に回折しないであろう。これは、回折要素が、意図される画像投影源に加え、太陽光または他の光源にさらされ得る眼鏡類用途における説明される実施形態のうちの少なくともいくつかを使用するための別の利点を構成し得る。加えて、または代替として、いくつかの実施形態は、その機能が、表面起伏型回折構造または要素等の代替アプローチを使用して生成することが困難または完全に不可能であり得る単層多重化OPE/EPE構造を利用する。そのような困難または不可能の理由の1つは、表面起伏型回折要素が、体積位相型回折要素より分散性であり、したがって、投影光の無駄であり、かつ視覚的に気が散り得るクロストークおよび複数の回折次元を導入し得るという事実に起因し得る。そのような困難または不可能の別の理由は、必要パターンをバイナリ形態で生成するために要求されるパターンまたは要求されるエッチングの深度および向きの複雑性が、達成するために困難であることである。
【0048】
種々の実施形態は、別個の層内のOPE、EPE、これらの2つの組み合わせ、および、拡張現実ディスプレイのための導波管分布ベースの接眼レンズを備えている単一層内のこれらの2つの機能の組み合わせを生成するための特定の体積位相ホログラフィ記録技法および幾何学形状を伴う。Bayer Bayfolホログラフィフォトポリマーが、直交瞳拡張および出射瞳拡張構造のための一次記録媒体として使用され得るが、種々の実施形態は、意図される目的を達成するために、または意図される機能を果たすために、この特定の材料に限定されない。むしろ、種々の目標、目的、および機能は、Bayer Bayfol材料のどんな専有の要素または特性からも独立している。例えば、いくつかの切り替え可能EPEの構築に使用されたPDLC材料は、光感度、処理、清澄度等の観点から、Bayer材料と非常に類似して挙動した。加えて、DuPont OmniDexフォトポリマー材料もまた、類似効果を伴って使用され得る。
【0049】
図1Aは、コリメートされた光ビームを偏向させる線形回折要素の簡略化された概略図を図示する。
図1Aから分かるように、線形に配置された周期的構造を含む線形回折要素102Aは、コリメートされた入射光ビーム104Aを入射光方向と異なる方向に進行する出射光ビーム106Aに回折させる。
図1Bは、コリメートされた光ビームを偏向させる放射対称回折要素の簡略化された概略図を図示する。より具体的には、コリメートされた入射光ビーム104Bは、放射対称構造を含むゾーンプレートまたは円形回折要素102Bを通過し、円形回折要素102Bの放射対称構造に起因して、「焦点」に向かって回折される。
【0050】
これらの実施形態では、ゾーンプレートまたは円形回折要素102Bは、コリメートされた入射光ビーム104Bを効果的に集中させ、集中させられた出射光ビーム106Bを形成する。
図1Cは、線形および半径方向構造を組み合わせる回折要素102Cを含む、本明細書に説明されるいくつかの実施形態を図示する。回折要素102Cは、入射光ビーム104Cを偏向させ、かつ集中させ、出射光ビーム106Cを形成する。いくつかの実施形態では、円形または放射対称回折要素は、出射光ビームを分散させるように構成または考案され得る。
【0051】
いくつかの実施形態は、ホログラフィ(2つ以上のビーム)アプローチにおいて、例えば、フォトポリマー、ハロゲン化銀、ポリマー分散液晶混合物等を含み得る感光性材料の区分ごとまたはモノリシック(例えば、広域同時)のレーザ光によるばく露を使用することによってオーサリングされ、または書き込まれる体積位相ホログラムを使用する。
図2A-Bは、いくつかの実施形態における、体積位相型回折要素を作製および使用するいくつかの略図を図示する。より具体的には、
図2Aは、2つのレーザビームまたは他の光源202Bおよび204B(「記録ビーム」)がフォトポリマーフィルム206B内で交差し、体積干渉パターンを生成することを図示する。干渉パターンは、フォトポリマー206B内に位相パターンとして恒久的に記録され得る。
【0052】
図2Bは、ある広帯域光(例えば、白色光)が、記録ビームのうちの1つの方向(
図2Aにおける第1の記録ビームの反対方向)から回折要素の方へ向かわせられ、広帯域光の一部が、屈折および偏向させられ、第2の光ビーム204Cとして、同一方向(
図2Aにおける第2の記録ビームの反対方向)に進行し得ることを図示する。フォトポリマーフィルム206Cの屈折率により、比較的に狭帯域の色のみ、回折され得る。したがって、出射光ビームは、回折要素を記録するために使用される記録ビームとほぼ同一色で現れる。
図2Aに対応する線プロットは、記録ビームの記録スペクトルの波長(この例では、約600ナノメートル)を図示する。
図2Bに対応する線プロットは、出射光ビーム204Cの出力スペクトル(この例では、同様に約600ナノメートル)と広帯域光源208Cの照明スペクトルとを図示する。
【0053】
図3A-Bは、いくつかの実施形態における、3原色モデルRGB(赤色、緑色、および青色)の色モデルに対する体積位相型回折要素を作製および使用するいくつかの略図を図示する。より具体的には、
図3Aは、体積位相干渉パターンをフォトポリマーフィルム内に記録するための3つの記録光ビーム(例えば、赤色レーザビーム、青色レーザビーム、および緑色レーザビーム)の使用を図示する。3つの記録ビーム302Aおよび304Aの各々は、
図2A-Bにおける単色記録光ビームに関して説明されたものと同じまたは実質的に類似様式において、別個の重畳回折要素308Aをフォトポリマーフィルム306A内に記録する。
【0054】
図3Bは、広帯域光308B(例えば、白色光)が、製作されたRGB回折要素306Aの方へ向かわせられるときの使用例の実施例を図示する。RGB回折要素306Aの波長選択的性質に起因して、広帯域光の各色は、RGB回折要素306Aのうちのそれ自身の回折要素によって回折される。その結果、広帯域光がRGB回折要素306Aを通過するとき、各色の狭い色帯域のみ、回折され得る。したがって、入射光ビーム成分(例えば、赤色、青色、または緑色)に対する出射光ビームは、回折要素を記録するために使用される入射記録光ビーム成分とほぼ同一色で現れる。
【0055】
その結果、出射光ビーム304Bは、結果として、ほぼフルカラーで現れる。
図3Aに対応する線プロットは、それぞれ、記録光ビームの赤色、緑色、および青色光成分を表す3つのピークを有する記録ビームの記録スペクトルの波長を図示する。
図3Bに対応する線プロットは、出射光ビーム304Bの出力スペクトルと広帯域光源308Bの照明スペクトルとを図示する。
【0056】
図3C-Dは、いくつかの実施形態における、RGB(赤色、緑色、および青色)に対する体積位相型回折要素を作製および使用するためのいくつかの略図を図示する。より具体的には、
図3Cは、体積位相干渉パターンをフォトポリマーフィルム内に記録するための3つの記録光ビーム(例えば、赤色レーザビーム、青色レーザビーム、および緑色レーザビーム)の使用を図示する。3つの記録ビーム302Cの各々は、
図2A-Bおよび3Aにおける単色記録光ビームに関して説明されたものと同じまたは実質的に類似様式において、別個の重畳回折要素308Aをフォトポリマーフィルム306C内に記録する。
【0057】
図3Dは、狭帯域またはレーザ源RGB照明光308Dが製作されたRGB回折要素306Cの方へ向かわせられるときの使用例を図示する。RGBレーザ光ビームがRGB回折要素の方へ向かわせられると、各色は、そのそれぞれの回折要素によって回折または反射される。RGBレーザ照明光308Dの各レーザ色は、RGB回折要素306Dの波長選択的性質に起因して、RGB光がRGB回折要素306C中のそれ自身の回折要素を通過すると、反射または回折される。したがって、入射光ビーム成分(例えば、赤色、青色、または緑色)に対する出射光ビームは、回折要素を記録するために使用される入射RGB光ビームの対応する光成分とほぼ同一色で現れる。その結果、出射光ビーム304Dもまた、ほぼフルカラーで現れる。
【0058】
図3Cに対応する線プロットは、それぞれ、記録光ビームの赤色、緑色、および青色光成分を表す3つのピークを有する記録ビームの記録スペクトルの波長を図示する。
図3Dに対応する線プロットは、出射光ビーム304Dの出力スペクトルと広帯域光源308Dの照明スペクトルとを図示する。記録RGB記録ビーム(302Cおよび304C)と復元(例えば、308D)との間の偏差は、回折された光ビームの角度変位を生じさせ得、有意な量の波長の偏差は、Bragg条件不整合に起因して、回折効率の低下をもたらし得る。
【0059】
図3E-Fは、いくつかの実施形態における、RGB(赤色、緑色、および青色)に対する急角度体積位相型回折要素を作製および使用するいくつかの略図を図示する。より具体的には、
図3Eは、体積位相干渉パターンをフォトポリマーフィルムまたはポリマー分散液晶材料内に記録するための2つの記録ビーム302Eおよび304Eの使用を図示する。2つの記録ビーム302Eおよび304Eは、
図2A-Bにおいて単色記録光ビームに関して説明されるものと同じまたは実質的に類似様式におけるフォトポリマーフィルム306E内への回折要素308Eの生成に干渉する。
【0060】
図3Eでは、第2の記録ビーム304Eは、相対的に急角度においてフォトポリマーフィルム306Eに向かわせられる。いくつかの実施形態では、回折光学要素(DOE)と結合される相対的高屈折率ホスト媒体310E(例えば、ガラス、透明または半透明プラスチック等)から作製される導波管が、急角度入射記録光ビーム304Eを制御または改良するために使用され得る。
図3Fは、記録ビームのうちの1つの方向(
図3Eにおける第2の記録ビーム304Eの同一方向)から回折要素の方へ向かわせられる広帯域光(例えば、白色照明光)を図示し、広帯域光の一部は、体積位相干渉パターンの製作プロセスにおける第2の記録光ビーム304Eの急角度に起因して、第1の記録光ビーム302Eと同一方向に回折および偏向させられ得る。フォトポリマーフィルム306E屈折率およびその中の干渉パターン構造により、比較的に狭帯域の色の光ビーム308Fのみ、回折され得る。したがって、出射光ビーム304Fは、回折要素を記録するために使用される記録光ビーム(302Eおよび304E)とほぼ同一色で現れる。
図3Fに対応する線プロットは、出射光ビーム304Fの出力スペクトルを図示する。
【0061】
いくつかの実施形態では、EPEおよびOPEのための体積位相急角度回折要素は、Bayer Bayol(登録商標)HX自己現像型フォトポリマーフィルムを含むフォトポリマーフィルム内に干渉パターンを記録するための固体レーザのためのレーザ媒体として、例えば、Nd:YAG(ネオジムドープイットリウムアルミニウムガーネットまたはNd:Y3Al5O12)またはNd:YLF(ネオジムドープフッ化イットリウムリチウムまたはNd:LiYF4)を使用することによって、作製され得る。記録用量は、記録時間の変動に伴って、数ミリジュール/平方センチメートル(mJ/cm2)~数十ミリジュール/平方センチメートルに及び得る。
【0062】
例えば、体積位相干渉パターンは、いくつかの実施形態では、EPEまたはOPEを製作するために、10秒以下の短い期間の間、10mJ/cm
2を用いて製作され得る。レーザビーム分布は、いくつかの実施形態では、回折効率に変動をもたらすために、強度勾配を回折要素記録平面上に生成するように中心からオフセットされ得る。回折効率の変動は、TIR照明構造体(全内部反射照明構造体)からの回折されたビームのより均一な分布をもたらし得る。1つ以上のレンズピンホール空間フィルタ(LPSF)、コリメータ(COLL)、および種々の他の光学要素を使用し、EPEおよび/またはOPEを製作することによって、体積位相型回折要素または体積位相急角度回折要素を記録するためのいくつかの例証的設定が、
図4A-Cに示される。
【0063】
図4A-Cは、いくつかの実施形態における、体積位相型回折要素または体積位相急角度回折要素を記録し、EPE、OPE、および/または組み合わせられたEPE/OPEを製作するためのいくつかの概略設定を図示する。より具体的には、
図4Aは、固体レーザが、EPE、OPE、および/または組み合わせEPEおよびOPEのための体積位相型回折要素を記録するために、ネオジムドープイットリウムアルミニウムガーネット(Nd:YAG)レーザ媒体を使用する、例証的記録システム設計を示す。固体Nd:YAGレーザ400Aは、例えば、532nmにおいて光を放出し、レーザ光は、可変ビームスプリッタ412A、ビームスプリッタ、ビームコンバイナ、または透明ブロック406A、種々のミラー404A、空間フィルタ414A、コリメータ408A、およびレンズを含む、一連の光学要素を通して進行し、最終的に、所望のまたは要求される回折要素をDOE(回折光学要素)平面402A上に位置付けられるフィルム材料上に製作する記録機能を果たす。
【0064】
図4Aに図示されるこれらの実施形態では、プリズム418Aは、レーザ光をフィルムを有する基板の片側に結合するために使用される。この図示される実施形態における光学要素410Aの焦点416AからDOE記録平面402Aまでの距離は、1メートルであるが、この距離は、異なる記録システムのための異なる設計構成に対応するように変動され得、したがって、別様に特に列挙または請求されない限り、他の実施形態の範囲または請求項の範囲を限定するものとして見なされることも、解釈されることもないものとすることに留意されたい。
【0065】
図4Bは、いくつかの実施形態における、別の例証的記録システム設計を示す。緑色レーザ光ビーム408Bを生成するNd:YAGレーザ454Bに加え、
図4Bにおける例証的記録システムは、2つの追加の固体レーザ、すなわち、青色レーザ光ビーム410Bを生成する452B(ネオジムドープフッ化イットリウムリチウムまたはNd:YLF)および赤色レーザ光ビーム406Bを生成する456B(KryptonIonレーザ)を使用して、EPE、OPE、および/または組み合わせEPEおよびOPEのための体積位相型回折要素を記録する。赤色、緑色、および青色光ビームは、一連の光学要素(例えば、ビームスプリッタ、ビームコンバイナ、または透明ブロック412B、波長選択的ビーム結合ミラー414B、可変ビームスプリッタ416B)と組み合わせられ、RGB(赤色、緑色、および青色)光ビーム404Bを形成し、これは、複数の光学要素(例えば、空間フィルタ418B、コリメータ420B、収束レンズ422B、およびプリズム424B)を通してさらに伝送され、所望のまたは要求される回折要素をDOE(回折光学要素)記録平面402B上に位置するフィルム上に製作する。
【0066】
図4Aに図示される記録システムと同様に、
図4Bに図示される記録システムは、プリズム424Bを含み、光ビームをDOE記録平面402B上のフィルムに結合する。さらに、
図4Aに図示される記録システムと同様に、この図示される実施形態における光学要素422Bの焦点426BからDOE記録平面402Bまでの距離は、1メートルであるが、この距離は、異なる記録システムのための異なる設計構成に対応するように変動され得、したがって、別様に特に列挙または請求されない限り、他の実施形態の範囲または請求項の範囲を限定するものとして見なされることも、解釈されることもないものとする。一実施形態では、内角は、プリズム418Aまたは424Bの法線方向から73度であり得るが、異なる角度もまた、異なるが類似する構成のために使用され得る。
【0067】
図4Cは、いくつかの実施形態における、別の例証的記録システム設計を示す。例証および説明を容易にするために、
図4Cにおける例証的記録システムは、例えば、Nd:YAGレーザ402C(または異なるもしくは追加の光ビームのための他のレーザ媒体もしくは複数の媒体)を含み、回折要素をDOE記録平面420C上に位置するフィルム上に記録するための光ビームを生成する。レーザ光ビームは、例えば、ビームスプリッタ、ビームコンバイナ、または透明ブロック404C、波長選択的ビーム結合ミラー408C、可変ビームスプリッタ406C、空間フィルタ410C、コリメータ412C、ビームスプリッタ404C、および潜望鏡408Cを含む複数の光学要素を通して伝送され、最終的に、ガラスブロック418C上に位置するフィルムまたは基板に結合され、回折要素をフィルムまたは基板上に記録する。
【0068】
図4Cはまた、記録システムの一部の上面
図450Cおよび側面
図460Cを示す。
図4Cにおけるこの例証的記録システムでは、記録回折要素を記録するために使用される光ビームは、
図4A-Bに示されるようなプリズムではなく、ガラスブロック418Cを使用することによって、基板またはフィルムに結合される。ガラスブロック(例えば、418C)の使用は、
図4A-Bに示されるように、プリズムから2つの側ではなく、ガラスブロックの4つの側からの光ビームのためのアクセスを可能にする。一実施形態では、内角は、ガラスブロック418Cの法線方向から30度であり得るが、異なる角度もまた、異なるが類似する構成のために使用され得る。加えて、または代替として、空間フィルタ410CとDOE記録平面420Cとの間の距離は、0.5メートルであるが、この距離は、異なる記録システムのための異なる設計構成に対応するように変動され得、したがって、別様に特に列挙または請求されない限り、他の実施形態の範囲または請求項の範囲を限定するものとして見なされることも、解釈されることもないものとすることに留意されたい。
【0069】
図5Aは、EPE回折要素の一実施形態のための記録構成の略図を示す。拡張されたレーザビーム510および基準レーザ504が、屈折率整合結合プリズム502および屈折率整合結合流体512、基板514、フォトポリマー層516、および、誘電層518(全て、名目上、高い(約1.51)または同様の屈折率を有する)を通して、記録材料514内で急角度(ここでは、73°として示されるが、恣意的に調節可能である)で交差する。屈折率整合要素の使用は、記録材料の中への光の結合を可能にする(そうでなければ、材料の表面から著しく反射され、回折要素記録に寄与するように結合されないであろう)。
【0070】
図5Bは、EPE、OPE、またはICO回折要素の種々の実施形態のための代替記録構成の略図を示す。拡張されたレーザビーム502Bおよび505Bは、屈折率整合ブロック509B、屈折率整合結合流体501B、および基板508B(全て、名目上、高く、かつ整合された屈折率(約1.46)、であるが、記録材料507Bの屈折率より低い)を通して、記録材料507B内で急角度(ここでは、60°として示されるが、恣意的に調節可能)で交差する。反射防止コーティングがされ、および/または同様に吸収性の層504B(名目上、ガラスまたはプラスチック)が、屈折率整合流体層503Bを用いて記録スタックに結合される。層504Bおよびその関連付けられた反射防止コーティングは、ビーム502Bの全内部反射(TIR)を防止し、その反射された光からの二次回折要素の記録を軽減させる。
【0071】
図5Aにおける例証的EPE回折要素記録スタックは、三角形プリズムの長方形側面508の片側に配置される。
図5Aでは、EPE回折要素記録スタックは、例証および説明を容易にする目的から、長方形側面508に配置されて見えることに留意されたい。EPEは、
図7-15を参照して後続段落に説明されるであろうように、種々の異なる様式で配置され得る。EPE回折要素記録スタックは、キシレン(n約1.495)または鉱物油(n約1.46)のフィルム512と、キシレンまたは鉱物油フィルム上にスタックされた顕微鏡スライドのフィルム514(n約1.51)と、顕微鏡スライドフィルム上にスタックされたBayer Bayfol HXフォトポリマーフィルム(n約1.504)のフィルム516と、ポリカーボネートのフィルム518(n約1.58)とを備えている。
図5Bでは、EPEまたはOPE回折要素記録スタックは、Cargille1.46屈折率整合油のフィルム508B(n約1.46)と、屈折率整合油フィルム上にスタックされた石英または溶融石英顕微鏡スライドのフィルム508Bと、顕微鏡スライドフィルム上にスタックされたBayer Bayfol HXフォトポリマーフィルムのフィルム507B(n約1.504)と、ポリアミドのフィルム506B(n約1.52)とを備えている。さらに、Cargille1.52屈折率整合油のフィルム(n約1.52)が、フィルム506B上にスタックされ、反射防止コーティングがされ、ならびに/または吸収性のグレーガラス504Bのフィルムが、屈折率整合油上にスタックされる。
【0072】
対照的に、
図5Aにおける基準ビーム504が、三角形プリズム502の長方形側面506の方へ向かわせられると、三角形プリズムの屈折率は、ビームにEPE回折要素記録スタックに向かって偏向させ、スタックは、示されるように、法線ビーム510がそれに干渉し、516内に記録される回折要素を生成するように、基準ビーム504を偏向させるように構成され得る。
図5Bにおける基準ビーム502Bが、ブロック509Bの長方形側面の方へ向かわせられると、ブロックの屈折率は、ビームにEPE/OPE回折要素記録スタックに向かって偏向させ、スタックは、示されるように、ビーム505Bがそれに干渉し、507B内に記録される回折要素を生成するように、基準ビーム502Bを偏向させるように構成され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、回折光学要素(DOE)は、導波管内に挿入され、それと結合され、または別様にそれと統合され、かつ相対的に低い回折効率を有し得、それによって、光全体としてではなく、光のより小さい部分のみ、眼に向かって偏向させられ、残りは、例えば、全内部反射(TIR)を介して平面導波管を通して伝搬する。いくつかの実施形態では、光は、導波管内で伝搬し、回折は、光波の干渉に起因して、光がDOEと結合される回折光学要素(DOE)に遭遇すると生じることに留意されたい。したがって、当業者は、当然ながら、回折光学要素が、回折を生じさせるための「障害」または「スリット」を構成し、導波管が、光波を誘導する構造または媒体であるという事実を理解するであろう。
【0074】
図6は、いくつかの実施形態における、仮想および/または拡張現実用途のための装置の例証的構成を示す。より具体的には、
図6は、仮想または拡張現実デバイスのための同一平面OPE/EPE構成を図示する。
図6に図示されるこれらの実施形態では、OPE112およびEPE110は、例えば、その中を伝搬する光波を誘導するための導波管としての役割も果たすガラスまたは透明もしくは半透明プラスチック基板114上に実質的に同一平面様式で配置される。例証的装置の動作中、入力光ビーム604は、ファイバ走査システム、ファイバスキャナ、ピコプロジェクタ、プロジェクタのバンドル、微小アレイディスプレイ、LCoSもしくは反射型液晶、またはDLPもしくはデジタル光処理、もしくは入力光ビームを提供するために使用され得る任意の他の源のうちの1つを含み得る源602から伝送され得る。
【0075】
源602からの入力光ビームは、走査光学および/または内部結合光学(ICO)606に伝送され、基板114上に配置または統合されるOPE回折要素112の方へ向かわせられる。OPE回折要素112は、矢印頭116によって示されるように、光ビームに導波管114内のOPE回折要素112のアレイに沿って伝搬し続けさせる。光ビームが傾斜されたOPE回折要素112に衝突する度に、光ビームの一部は、したがって、矢印頭118によって示されるように、OPE回折要素112によって、EPE回折要素110に向かって偏向させられる。EPE回折要素110に偏向させられた光ビームの一部が、EPE回折要素に衝突すると、EPE回折要素110は、入射光ビームをユーザの眼106に向かう出射光ビーム108に偏向させる。
【0076】
図7は、いくつかの実施形態における、内部結合光学デバイスに動作可能に結合される、同一平面OPEおよびEPE配置の概略配置を図示する。OPEおよびEPE回折要素は、ガラスまたは透明もしくは半透明プラスチック基板等の基板702上に実質的に同一平面様式で配置され得る。これらの実施形態のいくつかでは、OPE回折要素704および/またはEPE回折要素706は、例えば、レーザビーム干渉を用いて光学的に生成されるか、または、例えば、コンピュータ設計構造および微視的縞書き込み技法を用いてデジタル的に生成され得る表面起伏型回折要素を備え得る。
【0077】
このように生成された回折要素は、エンボス加工または鋳造を通して複製され、通常、プリズムのような分散性挙動を呈し得る。ある他の実施形態では、OPE回折要素704および/またはEPE回折要素706は、例えば、接触コピーを通して、光学的に生成および複製され得る、体積位相型回折要素を備え得る。体積位相型回折要素は、いくつかの実施形態では、ラミネート可能フォトポリマーフィルム(例えば、Bayer Bafol HX)またはポリマー分散液晶層(PDLC層)内に生成され得る。体積位相型回折要素は、ダイクロイックミラーのような波長選択的および挙動であり得る。ある他の実施形態では、OPE回折要素またはEPE回折要素の少なくとも第1の部分は、表面起伏型回折要素であり得、OPE回折要素またはEPE回折要素の少なくとも別の部分は、体積位相型回折要素であり得る。
【0078】
動作中、内部結合光学712は、入力光ビームを、例えば、ファイバスキャナまたはピコプロジェクタ(
図7には図示せず)から受信し、入力光ビーム710によって示されるように、入力光ビームをOPE回折要素704に向かって屈折させる。OPE回折要素704は、傾斜された向きで構成され、光ビーム708によって示されるように、入力光ビームの一部をEPE回折要素706に向かって偏向させ得る。加えて、または代替として、OPE回折要素704は、入力光ビーム710の所望の部分が、例えば、全内部反射(TIR)を介して、基板702内を伝搬し続け、ICO 712からの入力光ビームの残りの部分が、EPE回折要素706に向かって偏向させられるように、相対的に低い回折効率を有するように構成または考案され得る。
【0079】
すなわち、入力光ビームがOPE回折要素に衝突する度に、その一部は、EPE回折要素706に向かって偏向させられるであろう一方、残りの部分は、その中を伝搬する光波を誘導するための導波管としても機能する、基板内で伝送し続けるであろう。OPE回折要素704および/またはEPE回折要素706の回折効率は、少なくとも部分的に、EPE回折要素706からの出射光ビームの輝度または均一性を含む、1つ以上の基準に基づいて、構成または考案され得る。EPE回折要素706は、OPE回折要素704から偏向させられた光ビーム708を受信し、さらに、光ビーム708をユーザの眼に向かって偏向させる。
【0080】
図8は、いくつかの実施形態における、内部結合光学デバイスに動作可能に結合される、重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPEおよびEPE配置の概略配置を図示する。これらの実施形態では、OPE回折要素804およびEPE回折要素806は、その中を伝搬する光波を誘導するための導波管としても機能する、基板802(例えば、ガラスまたは透明もしくは半透明プラスチック基板)の両側に配置または搭載され得る。OPE回折要素804およびEPE回折要素806は、いくつかの実施形態では、2つのフィルム構造として別個に製作され(例えば、フォトポリマーフィルムまたはポリマー分散液晶層上に)、次いで、基板802に統合され得る。
【0081】
ある他の実施形態では、OPE回折要素804およびEPE回折要素806は両方とも、単一のフィルムまたは層上に製作され、続いて、基板802と統合されるように折り畳まれ得る。動作中、内部結合光学808は、入力光ビームを源(例えば、ファイバスキャナまたはピコプロジェクタ)から受信し、入力光ビームを基板802の片側の中に屈折させ得る。入力光ビームは、810によって示されるように、例えば、全内部反射(TIR)を介して、基板802内を伝搬し続け得る。入力光ビームがOPE回折要素804に衝突すると、入力光ビームの一部は、812によって示されるように、OPE回折要素804によって、EPE回折要素806に向かって偏向させられ、入力光ビームの残りの部分は、810によって示されるように、基板内を伝搬し続け得る。
【0082】
入力光ビーム810の残りの部分は、816によって示されるように、基板802内の方向に伝搬し続け、基板802の他側に配置されるEPE回折要素806に衝突する。入力光ビーム810のこの残りの部分の一部は、したがって、EPE回折要素806によって、偏向させられ、ユーザの眼(図示せず)への出射光ビーム814となり、入力光ビーム810の残りの部分はさらに、基板802内の光ビーム818として伝搬し続ける。同じことはまた、(
図8によって示されるように)水平方向に沿った偏向させられた入力光ビーム812にも当てはまる。すなわち、ICO 808を通した入力光ビームは、基板802内で跳ね返る。
【0083】
入力光ビームの一部が、OPE回折要素804に衝突すると、入力光ビームのこの部分は、偏向させられ、入射方向(810によって示される)と直交方向(812によって示される)に進行し、基板802内で跳ね返り続ける一方、残りの部分は、基板802内で元の方向に沿って進行し続ける。光ビームがEPE回折要素806に衝突すると、EPE回折要素806は、814によって示されるように、光ビームをユーザの眼に向かって偏向させる。この折り畳まれたまたは重ね合わせられたOPE/EPE構成の利点の1つは、OPEおよびEPEが、同一平面構成(
図7)ほど多くの空間を占有しないことである。この重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPE/EPE構成の別の利点は、この重ね合わせられたまたは折り畳まれた構成における光ビームのより閉じ込められた伝搬に起因する、光の伝送における回折効率である。いくつかの実施形態では、EPE回折要素は、入射光ビームを横取りし、偏向(814によって示される)、反射(820の反射された光ビームによって示される)、または偏向および反射の両方によって、それらをユーザの眼の方へ向かわせる。
【0084】
図9は、いくつかの実施形態における、内部結合光学デバイスに動作可能に結合される、重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPEおよびEPE配置の別の概略配置を図示する。より具体的には、
図9は、
図8におけるものと実質的に類似する重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPE/EPE構成を図示する。但し、OPE回折要素904とEPE回折要素906との間の重複は、
図8におけるものと異なる。いくつかの実施形態では、重複の程度または範囲もしくはOPEおよびEPE回折要素が重複する方法は、少なくとも部分的に、1つ以上の設計基準もしくは要件および/または出射光ビームの所望のもしくは要求される均一性に基づいて、決定され得る。
【0085】
図10A-Bは、いくつかの実施形態における、重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPEおよびEPE配置の別の概略配置を図示する。
図10Aは、基板(例えば、ガラスまたは透明もしくは半透明プラスチック基板)1002Aの両側に配置される、OPE回折要素1004AおよびEPE回折要素1006Aを示す。
図10Bも、基板(例えば、ガラスまたは透明もしくは半透明プラスチック基板)1002Bの両側に配置される、OPE回折要素1004BおよびEPE回折要素1006Bを示す。但し、基板1002Bの厚さは、基板1002Aのものより小さい。
【0086】
より薄い基板1002Bの結果、出力光ビーム1010Bの密度は、光ビーム1008Bが
図10BにおけるOPE回折要素1004BまたはEPE回折要素1006Bに衝突する前に、光ビーム1008Bが
図10Aにおける光ビーム1010Aより短い距離を進行するので、出力光ビーム1010Aの密度より高くなる。
図10A-Bが示すように、より薄い基板厚さは、より高い出力光ビーム密度をもたらす。基板の厚さは、いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に、1つ以上の要因に基づいて、決定され得る。1つ以上の要因は、例えば、所望のまたは要求される出力ビーム密度、減衰ファクター等を含み得る。いくつかの実施形態では、基板の厚さは、0.1~2mmの範囲内であり得る。
【0087】
図11は、いくつかの実施形態における、重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPEおよびEPE配置の別の概略配置を図示する。より具体的には、
図11に図示される重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPEおよびEPE配置は、基板1102内に埋め込まれた、または2つの別個の基板1102間に挟まれたビーム分割表面1104を含む。他の重ね合わせられたまたは折り畳まれたOPE/EPE構成として、OPE回折要素1106およびEPE回折要素1108は、基板1102の両側に配置される。これらの実施形態では、ビーム分割表面は、出力光ビーム密度を増加させるために、基板1102内に埋め込まれるか、挟まれるか、または別様にそれと統合され得る。
【0088】
図11が示すように、ビームスプリッタは、光ビームがビームスプリッタを通過すると、光ビームを、反射される光ビームおよび伝送される光ビームの2つに分割する。ビームスプリッタは、第1の基板の表面上に薄いコーティングを含み得、これは、続いて、第2の基板に貼り付け、接合、または別様に取り付けられる。例証的コーティングとして、例えば、金属コーティング(例えば、銀、アルミニウム等)、ダイクロイック光学コーティング、接着剤(例えば、エポキシ、ポリエステル、ウレタン等)が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、ビームスプリッタの反射と伝送の比率は、少なくとも部分的に、コーティングの厚さに基づいて、調節または決定され得る。ビームスプリッタは、これらの実施形態のいくつかでは、複数の小穿孔を含み、ビームスプリッタの反射と伝送の比率を制御し得る。
【0089】
図12Dは、いくつかの実施形態における、仮想現実および/または拡張現実装置のための多平面構成の略図を図示する。
図12Dに図示されるこれらの実施形態では、複数の接眼レンズが、互の上にスタックされ得、複数の接眼レンズのうちの各接眼レンズまたは層は、個別の焦点面をホストし、画像をそのそれぞれの焦点距離に生成する。
図12A-Cは、いくつかの実施形態における、
図12Dに図示される多平面構成における回折要素間の相互作用および観察者のための画像情報を搬送する光のいくつかの略図を図示する。より具体的には、複数の層は、
図12Aに示されるように、画像を形成するための光ビームが互に実質的に平行であるように、無限遠焦点距離を伴う焦点面をホストし、画像がユーザから実質的に長距離に位置するかのように、画像をシミュレートする1つの層を含み得る。
【0090】
図12Bは、多平面構成がまた、特定の焦点距離(例えば、4メートル)を伴う焦点面をホストし、ユーザから4メートルに位置するかのように画像を生成する層を含み得ることを図示する。これは、
図1A-Cを参照して前述の段落で説明されるように線形回折要素および放射対称回折要素の組み合わせの使用を用いて達成され得る。
図12Cは、多平面構成がまた、相対的近い焦点距離(例えば、0.5メートル)を伴う焦点面をホストし、ユーザから0.5メートルに位置するかのように画像を生成する、層を含み得ることを図示する。これらの焦点距離は、これらの図では、例証および説明を容易にするために提供され、別様に特に列挙または請求されない限り、他の実施形態の範囲または請求項の範囲を限定することを意図するものではないことに留意されたい。
【0091】
多平面アプローチはまた、異なるまたは追加の焦点距離を有する層を含み得る。
図12Dは、いくつかの実施形態における、接眼レンズ1202Dのための6層多平面構成の略図を図示し、6層接眼レンズ1202Dの全体的厚さ1204Dは、4ミリメートル以下であり得る。これらの6つの層のうちの1つ以上のものは、生成される画像の焦点面を変化させるための制御信号を使用することによって、オンおよびオフが切り替えられ得る切り替え可能層(例えば、PDLCまたはポリマー分散液晶層)を備え得る。本例証的多平面構成はまた、さらに、ファイバ、ファイバ束、マルチファイバプロジェクタ、またはピコプロジェクタ等の光源に動作可能に結合され得る、迅速切り替え式内部結合光学(ICO)1206Dに動作可能に結合され得る。
【0092】
動作中、源は、光ビームを接眼レンズの平面の中に屈折または偏向させるICOに光ビームを伝送する。コントローラ(図示せず)からの制御信号は、指定される層をオンにさらに切り替え得、層上の回折要素(例えば、OPE回折要素およびEPE回折要素)は、
図5-11を参照して前述のように、それらのそれぞれの機能を果たし、ユーザの眼によって観察されるように画像を指定される焦点面に生成する。画像がユーザによって観察されることが意図される場所に応じて、コントローラはさらに、さらなる制御信号を伝送し、1つ以上の他の層をオンに切り替え、残りの層をオフに切り替え、ユーザの眼によって観察される焦点距離を変化させ得る。多平面構成は、いくつかの実施形態では、1つの一次焦点面と、焦点距離における正のマージンを伴う1つ以上の焦点面と、焦点距離における負のマージンを伴う1つ以上の焦点面とを有することによって、より大きい焦点範囲を提供し得る。
【0093】
図13A-Bは、いくつかの実施形態における、切り替え可能層の略図を図示する。これらの実施形態では、装置は、ICO(内部結合光学)および/またはEPE切り替えのためのPDLC(ポリマー分散液晶)を含み得る。装置は、PDLC充填エリア1302Aと、1つのみのTIR(全内部反射)跳ね返りを捕捉する、ITO(インジウムスズ酸化物)活性エリア1304Aとを含む。装置はまた、ICO 1306Aに動作可能に結合され得る。
図13Aは、電圧がオフにされているときに生成される画像を図示し、
図13Bは、電圧がオンにされているときに生成される画像を図示する。これらの実施形態のいくつかでは、PDLC充填エリアまたはその一部は、電圧または電流が印加されていないとき、透過性であり得る。
【0094】
例えば、少なくとも、基板、OPE回折要素、およびEPE回折要素を含む、回折光学要素(DOE)内の切り替え可能層は、いくつかの実施形態では、焦点状態をピクセルごとに促進するように、焦点を数十~数百メガヘルツ(MHz)で切り替え、したがって、焦点を調節またはシフトさせ得る。ある他の実施形態では、DOEは、キロヘルツ範囲で切り替わり、焦点を線ごとに促進し得、したがって、各走査線の焦点は、調節され得る。いくつかの実施形態では、切り替え可能DOE要素のマトリクスが、走査、視野拡張、および/またはEPEのために使用され得る。加えて、または代替として、DOEは、複数のより小さい区分に分割され得、それらの各々は、それ自身のITOまたは他の制御リード材料によって、オン状態またはオフ状態であるように固有に制御され得る。
【0095】
図14は、いくつかの実施形態における、多重化エキスパンダ要素の略図を図示する。多重化エキスパンダ要素1406は、単一の層上の単一の要素において、対角線OPE回折要素1402によるOPE機能性と、EPE回折要素1404の機能性を組み合わせる。いくつかの実施形態では、多重化エキスパンダは、コンピュータ設計構造および微視的縞書き込み技法を用いて、OPE回折要素表面1402とEPE回折要素表面1404との間で排他的ORを行うことによって、形成され得る。このアプローチの利点の1つは、結果として生じる多重化要素が、散乱および回折要素交差項に関する問題が殆どなくなり得るということである。
【0096】
ある他の実施形態では、多重化エキスパンダ要素は、OPE回折要素を位相勾配として表し、位相勾配をその連続多項式形においてレンズ機能に追加し、続いて、バイナリ構造を離散化することによって、形成され得る。多重化エキスパンダ要素を製作するためのこの第2のアプローチの利点の1つは、結果として生じる多重化エキスパンダ要素の高回折効率である。ある他の実施形態では、多重化エキスパンダ要素は、エッチング前または後のいずれかにおいて、組み合わせられたパターンを連続的に要素の表面上にパターン化することによって、形成され得る。
【0097】
図15Aは、いくつかの実施形態における、多重化エキスパンダ要素の略図の一部を図示する。多重化エキスパンダ要素1502は、対角線OPE回折要素と外部結合円形EPE回折要素とを単一の層上の単一の要素内に含む。入射光ビーム1504が層内を伝搬し(例えば、全内部反射またはTIRによって)、対角線OPE回折要素に衝突すると、対角線OPE回折要素は、入射光ビーム1504の一部を偏向させ、偏向させられた光ビーム1506を形成する。偏向させられた光ビーム1506の一部は、外部結合円形EPE回折要素と相互作用し、偏向させられた光ビームの一部をユーザの眼の方に偏向させる。
【0098】
入射光ビーム1504の残りの部分は、層内を伝搬し続け、実質的に類似様式で対角線OPE回折要素と相互作用し、多重化要素を横断して伝搬される光ビームの一部を偏向させ続ける。対角線OPE回折要素および外部結合EPE円形回折要素の両方からの組み合わせられた回折または交差項は、一過性であろうことに留意されたい。偏向させられた光ビーム1506はまた、層内を伝搬し、実質的に類似様式で対角線OPE回折要素および外部結合円形EPE回折要素の両方と相互作用する。
【0099】
図15Bは、ある他の実施形態における、多重化エキスパンダアセンブリの別の写真表現を図示する。
図15Bに図示されるこれらの実施形態では、多重化エキスパンダアセンブリ1500Aは、互の上にスタックされる、3つの個々のエキスパンダ要素1502A、1504A、および1506Aを含む。光源からの入射RGB(赤色、緑色、および青色)光1508Aは、前述のように、例えば、入力結合光学要素(ICO)を介して、多重化エキスパンダアセンブリ1500Aに進入する。多重化エキスパンダアセンブリ1500Aは、第1の波長選択的または波長特有フィルタ(以降、色フィルタ)1510Aを個々のエキスパンダ要素1502Aと1504Aとの間に含み、ある一定の波長の光成分の通過を可能にする一方、他の波長の光成分を反射させ得る。例えば、第1の色フィルタは、青色および緑色通過ダイクロイックフィルタを含み得、入射光1508A内の青色および緑色光成分は、第1の色フィルタ1510Aを通過するが、赤色光成分は、反射され、その後、例えば、全内部反射によって、個々のエキスパンダ要素1502Aを用いて伝搬され、OPEおよび/またはEPE回折要素と相互作用する。
【0100】
多重化エキスパンダアセンブリ1500Aは、第2の色フィルタ1512Aを個々のエキスパンダ要素1504Aと1506Aとの間に含み、ある一定の波長の光成分の通過を可能にする一方、他の波長の光成分を反射させ得る。例えば、第2の色フィルタは、青色ダイクロイックフィルタを含み得、
図15Bに示されるように、入射光1508A内の青色光成分は、第2の色フィルタ1512Aを通過するが、緑色光成分は、反射され、その後、例えば、全内部反射によって、個々のエキスパンダ要素1504Aを用いて伝搬され、OPE、EPE、および/または焦点調節回折要素(例えば、屈折力を有する円形または放射対称回折要素)と相互作用する。
【0101】
青色光成分はまた、
図15Bに示されるように、例えば、全内部反射によって、個々のエキスパンダ要素1506A内で伝搬し、OPE、EPE、および/または焦点調節回折要素(例えば、円形または放射対称回折要素)と相互作用し得る。図示される実施形態のいくつかでは、入射光1508Aは、それぞれの光成分が、全内部反射によって、それぞれの個々のエキスパンダ要素内で伝送され得るように、それぞれの臨界角を上回る角度で多重化エキスパンダアセンブリ1500Aの中に伝送される。ある他の実施形態では、多重化エキスパンダアセンブリ1500Aはさらに、反射コーティングを含み、個々のエキスパンダ要素1506A内の青色光成分の全内部反射を発生させる、またはその効率を向上させ得る。
【0102】
多重化エキスパンダアセンブリ1500Aと
図14-15に図示されるものとの間の差異として、多重化エキスパンダアセンブリ1500Aが、3つの個々のエキスパンダ要素を含み、それらの各々は、それ自身のOPE、EPE、および焦点調節回折要素を含み、特定の波長の対応する光成分に関与することである。
図14-15において使用される体積位相回折要素は、前述のように、単一記録プロセスまたは複数の記録プロセスを用いて単一フィルムまたは基板に一度に全て製作され得る。但し、
図14-15に図示されるような体積位相回折要素および
図15Bに図示されような複数の個々のエキスパンダ要素の多重化は両方とも、多重化エキスパンダ要素を提供し、それらの各々は、入射入力光内の全3原色のためのOPE、EPE、および/または焦点調節回折要素を含み得る。
【0103】
図16は、本明細書に説明される仮想現実または拡張現実デバイス1604を使用して、画像1606を視認する、ユーザ1602の例証を示す。仮想現実または拡張現実デバイスによって提供される複数の切り替え可能焦点面に起因して、画像1606は、画像1606内のオブジェクトがユーザから指定された焦点距離に位置するようにユーザに現れる。画像内のオブジェクトが、ユーザからさらに離れるように移動すべきとき、仮想現実または拡張現実デバイスは、オブジェクトを指定された層によってホストされるより長い焦点距離を伴う焦点面上にレンダリングするある一定の円形回折要素パターンを有する指定された層をオンに切り替え得る。
【0104】
画像内のオブジェクトが、よりユーザの近くに移動すべきとき、仮想現実または拡張現実デバイスは、オブジェクトを指定された層によってホストされるより短い焦点距離を伴う別の焦点面上にレンダリングするある一定の円形回折要素パターンを有する別の指定された層をオンに切り替え得る。画像を形成する光ビームの焦点を変化させる異なる円形回折要素パターンの使用の結果、画像内のオブジェクトは、ユーザに向かってまたはそこから離れて移動しているようにユーザに見え得る。仮想現実または拡張現実デバイス1604は、前述のように、異なる実施形態では、切り替え可能同一平面OPE回折要素およびEPE回折要素、折り畳まれたまたは重ね合わせられたOPE回折要素およびEPE回折要素、多平面接眼レンズ、または単層多重化OPE回折要素およびEPE回折要素を含み得る。OPE回折要素およびEPE回折要素は、表面起伏型回折要素、体積位相型回折要素、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0105】
さらに、OPE回折要素および/またはEPE回折要素は、円形または放射対称回折要素と合わされ、出射光ビームを偏向および集中させる線形回折要素を含み得る。線形回折要素および円形または放射対称回折要素は、単一フィルムまたは2つの別個のフィルム上に存在し得る。例えば、DOE(回折光学要素)回折要素(OPE回折要素および/またはEPE回折要素)は、線形回折要素を有する第1のフィルムを含み得、第1のフィルムは、円形または放射対称回折要素を有する第2のフィルムに取り付けられる。いくつかの実施形態では、仮想現実または拡張現実デバイスは、時変回折要素制御を採用し、ユーザの眼によって観察される視野を拡張させ得、および/または色収差を補償し得る。線形および円形DOEは両方とも、時間とともに変調または制御され(例えば、フレーム順次ベースで)、例えば、ユーザの眼に向かって出射する光のためのタイル式表示構成または拡張された視野を生成し得る。
【0106】
図17は、
図16の一部を図示する。より具体的には、
図17は、基板のユーザに近い側のOPE回折要素1706および基板のユーザから離れた他の側のEPE回折要素1708と統合された基板1704を含む回折光学要素1702を示す。ICO 1710は、光ビームを基板1704の中に伝送し、OPE回折要素およびEPE回折要素は、前述のように、光ビームをユーザの眼によって観察される出射光ビーム1712の中に偏向させる。
【0107】
図18は、
図16の一部の別の視点を図示する。より具体的には、
図18は、基板のユーザに近い側のOPE回折要素1806および基板のユーザから離れた他の側のEPE回折要素1808と統合された基板1804を含む回折光学要素1802を示す。ICO 1810は、光ビームを基板1804の中に伝送し、OPE回折要素1806およびEPE回折要素1808は、前述のように、光ビームを出射光ビーム1812の中に偏向させ、ユーザの眼によって観察される画像1820を形成する。DOE1802は、線形回折要素と円形または放射対称回折要素との両方を含み、ICO 1810からの光ビームを偏向させるだけではなく、さらに、出射光ビームが、焦点面をホストする特定の層の焦点面によって画定された焦点距離に観察されているオブジェクトから発出しているかのように見えるように、出射光ビーム1818を生成する。
【0108】
図19は、
図16の一部の別の視点を図示する。より具体的には、
図19は、基板のユーザに近い側のOPE回折要素1906および基板のユーザから離れた他の側のEPE回折要素1908と統合された基板1904を含む回折光学要素1902を示す。ICO 1910は、光ビームを基板1904の中に伝送し、OPE回折要素1906およびEPE回折要素1908は、前述のように、光ビームを出射光ビーム1912の中に偏向させ、ユーザの眼によって観察される画像1920を形成する。DOE1902は、線形回折要素および円形または放射対称回折要素の両方を含み、ICO 1910からの光ビームを偏向させるだけではなく、出射光ビームが、焦点面をホストする特定の層の焦点面によって画定された焦点距離に観察されているオブジェクトから発出しているかのように見えるように、出射光ビーム1918を生成する。
【0109】
図20は、
図19の拡大図を図示し、回折光学要素の種々の要素の図を提供する。より具体的には、
図20は、基板2004と、基板2004のユーザ近傍に近い側のOPE回折要素2006と、基板2004の他の側のEPE回折要素2008とを含むDOEの一部を示す。ICO 2010は、入力光ビームを基板の中に屈折および伝送するように基板に対して配置される。入力光ビームは、全内部反射(TIR)を介して、基板2004内で伝搬され、OPE回折要素2006およびEPE回折要素2008と相互作用し、入力光ビームをユーザの眼によって観察される出射光ビーム2012の中に偏向させる。
【0110】
図21は、仮想現実または拡張現実デバイスを使用し、画像を視認する、ユーザの例証の側面図を図示する。回折光学要素2102は、基板2004の近い側に配置されるOPE回折要素2106と、基板2104の遠い側に配置されるEPE回折要素2108とに動作可能に結合される基板2104を含む。形状2112は、ユーザの眼によって観察可能な出射光ビームを表す。形状2130は、基板2104内で垂直方向(
図21に示されるように)に沿ってOPE回折要素2106とEPE回折要素2108との間で跳ね返る光ビームを表す。例えば、ICO要素からの入力光ビームもまた、実質的に類似様式で、Z方向(
図21に示される平面の内外を指す)に沿って、OPE回折要素2106とEPE回折要素2108との間で跳ね返る。光ビームがOPE回折要素2106に衝突する度に、OPE回折要素は、光ビームの一部をEPE回折要素2108に向かって偏向させ、順に、光ビームの偏向させられた部分の一部をユーザの眼に向かって偏向させる。
【0111】
図22は、いくつかの実施形態における、回折光学要素(DOE)の拡大図を図示する。DOEは、基板2202の片側に配置される組み合わせOPE/EPE回折要素2204を含む。入力光ビーム2214は、内部結合光学2206を介して、基板の中に伝送され、全内部反射(TIR)を介して、基板2202内で伝搬する。入力光ビームは、基板2202内で跳ね返り、組み合わせOPE/EPE回折要素2204の両方と相互作用する。より具体的には、OPE/EPE回折要素2204の組み合わせは、入力光ビームの一部を、基板2202の表面と実質的に平行である直交方向に偏向させる。
【0112】
組み合わせOPE/EPE回折要素2204は、光ビームを基板2202の表面と完全に平行な直交方向に偏向させるように設計または意図され得るが、但し、製作プロセスにおける公差、スラック(slack)、および/または許容誤差が、製作された製品におけるある程度の偏差を生じさせ得ることに留意されたい。加えて、または代替として、種々のデバイスおよび構成要素の配置もしくは相対的位置付けの公差、スラック、および/または許容誤差または使用される材料の種々の特性の均一性の変動もまた、前述の直交方向を基板2202の表面と完全に平行であることから外れさせ得る。したがって、前述の「直交方向」は、基板2202の表面と「実質的に平行」であり、製作プロセス、配置、相対的位置、および/または種々の変動におけるそのような変動に対応する。
【0113】
EPE回折要素は、入力光ビームの偏向させられた部分の一部をユーザの眼に向かう出射光ビーム2208の中に偏向させる。形状2208は、ユーザの眼によって観察可能な出射光ビームを表す。
図22における形状2208は、無限合焦画像情報を表すが、しかしながら、任意の他の焦点距離が、このアプローチを使用して生成され得る。EPE回折要素が、線形回折要素に加え、円形または放射対称回折要素を含む、いくつかの実施形態では、これらの形状の各々は、円形または放射対称回折要素の焦点における頂点との円錐形形態を有し得る。
【0114】
ジグザグ形状2210は、基板内で跳ね返り、組み合わせOPE/EPE回折要素2204と相互作用する入力光ビームの一部を表す。光ビームの一部が、組み合わせOPE/EPE回折要素2204に衝突する度に、OPE構成要素回折要素は、光ビームの一部を基板を通して側方に偏向させる。偏向させられた光ビームの一部が組み合わせOPE/EPE回折要素2204に衝突する度に、EPE構成要素回折要素は、光ビームの一部をユーザの眼に向かって偏向させ、したがって、ユーザの眼によって観察可能な光ビーム2208を形成する。
【0115】
組み合わせOPE/EPE回折要素2204によって偏向させられない光ビームの部分の残りは、2210によって示されるように、基板2202内を継続して伝搬する。屈折率および/または回折効率に起因して、組み合わせOPE/EPE回折要素によって偏向させられない光ビームの偏向させられた部分の残りの部分は、ジグザグ形状2212によって示されるように、基板内を継続して伝搬する。その結果、組み合わせOPE/EPE回折要素を含むDOEは、入力光ビームを出射光ビームのマトリクスの中に効果的に変形させ、ユーザの眼によって知覚される画像を形成する。
【0116】
図23Aは、いくつかの実施形態における、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのための高レベル流れ図を図示する。入力光ビームは、2302Aにおいて、少なくとも、内部結合光学要素(例えば、
図6の参照番号606、
図7の参照番号712、
図8の参照番号808等)を使用して、仮想現実および/または拡張現実のための接眼レンズの基板の中に伝送され得る。基板は、半透明または透明誘電材料を備え得る。
【0117】
入力光ビームの第1の部分は、2304Aにおいて、第1の回折要素を使用して、第2の回折要素に向かって偏向させられ得る。例えば、第1の回折要素は、内部結合光学要素から生じる入力光ビームの伝搬方向の第1の部分に対して鋭角または鈍角の向きで配置され、入力光ビームの第1の部分を第2の回折要素に向かって偏向させ得る。第1の部分光を第1の回折要素を使用して第2の回折要素に向かって偏向させる実施例は、
図7を参照して前述されている。これらの実施形態のいくつかでは、第1の回折要素は、出射瞳拡張(EPE)構造もしくは回折要素または出射瞳エキスパンダを備えている。
【0118】
2306Aでは、第1の出射光ビームは、第2の回折要素を使用して、入力光ビームの第1の部分の少なくとも一部を偏向させることによって、観察者の方へ向かわせられ、または向け直され得る。これらの実施形態のいくつかでは、第2の回折要素は、直交瞳拡張(OPE)構造もしくは回折要素または直交瞳エキスパンダを備えている。
【0119】
図23B-Cは一緒に、いくつかの実施形態における、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのためのより詳細な流れ図を図示する。いくつかの実施形態では、プロセスは、2302において、第1の入力光ビームを接眼レンズの基板の中に伝送し得る。例えば、プロセスは、光ビームをプロジェクタから1つ以上のファイバを通して少なくとも
図5を参照して前述の内部結合光学要素に伝送し得、内部結合光学要素はさらに、入力光ビームを、例えば、屈折を介して、接眼レンズの基板に中継する。プロセスはさらに、2304において、随意に、回折光学要素(DOE)の1つ以上の層の第1の層をオンに切り替え得る。
【0120】
第1の層は、第1の回折要素(例えば、前述のOPE回折要素)および第2の回折要素(例えば、前述のEPE回折要素)を含む。第1の回折要素および第2の回折要素は、いくつかの実施形態では、同一平面もしくは並んだ様式または折り畳まれたもしくは重ね合わせられた様式で配置され得る。ある他の実施形態では、第1の回折要素および第2の回折要素は、前述の段落のうちのいくつかに説明されるように、フィルムの単一層上に製作され、多重化様式で共存し得る。DOEは、前述のように、互の上にスタックされ、多平面DOEを形成する、複数のそのような層を含み得る。
【0121】
第1の回折要素および第2の回折要素は、表面起伏型回折要素、体積位相型回折要素、またはそれらの組み合わせを含み得る。第1の回折要素または第2の回折要素は、線形回折要素および円形または放射対称回折要素の両方を含み、入力光ビームを偏向かつ集中させ得る。線形回折要素および円形または放射対称回折要素の両方を用いて、第1の層は、したがって、ユーザが、実世界における焦点距離によって画定された場所に物理的に位置するオブジェクトを観察しているかのように、第1の層から偏向させられた光ビームによって作成されるオブジェクトの画像が、ユーザの眼に焦点距離にあるように現れるように、第1の焦点距離に関連付けられた第1の焦点面をホストし得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、DOEは、複数の層を含み得、各々は、固有の焦点距離を伴うそれ自身の焦点面をホストする。これらの複数の層の各々は、制御信号を使用することによってオンおよびオフに切り替えられ得る切り替え可能層を備え得る。2306では、プロセスは、第1の層上の第1の回折要素を使用することによって、入力光ビームの第1の部分を第2の回折要素に向かって偏向させ得る。例えば、プロセスは、前述のOPE回折要素を使用し、入力光ビームの一部をEPE回折要素に向かって偏向させ得る。
【0123】
プロセスは、次いで、2308において、第2の回折要素を用いて入力光ビームの第1の部分の一部を偏向させることによって、接眼レンズを介して、第1の出射光ビームをユーザの眼の方へ向かわせ得る。例えば、プロセスは、前述のEPE回折要素を使用し、OPE回折要素から偏向させられた入力光ビームの一部をユーザの眼に向かって偏向させ得る。2310では、プロセスはさらに、接眼レンズの基板内で第2の回折要素に偏向させられない入力光ビームの残りの部分を伝送し得る。入力光ビームの残りの部分の量は、回折効率、屈折率、最終出力光ビームの所望のもしくは要求される均一性、関わる回折要素、または任意の他の関連要因に依存する。
【0124】
プロセスはさらに、2312において、第1の層の第1の回折要素を使用することによって、入力光ビームの残りの部分の一部を第2の回折要素に向かって偏向させ得る。例えば、第1の回折要素の透過性特性に起因して接眼レンズの基板内を伝搬し続ける、入力光ビームの一部は、第1の回折要素の異なる部分に衝突し、第1の回折要素の反射特性に起因して、第1の回折要素のこの異なる部分によって第2の回折要素に向かって偏向させられ得る。2314では、プロセスは、第2の回折要素を用いて入力光ビームの残りの部分の一部を偏向させることによって、第2の出射光ビームをユーザの眼の方へ向かわせ得る。例えば、プロセスは、2314において、EPE回折要素を使用し、OPE回折要素からの入射光ビームの一部をユーザの眼に向かって偏向させ得る。
【0125】
2316では、入力光ビームの第1の部分の残りの部分は、第2の回折要素の透過性特性に起因して、例えば、全内部反射(TIR)を介して、接眼レンズの基板を用いて伝搬し続ける。2318では、入力光ビームの第1の部分の残りの部分は、基板内で伝搬し、したがって、第1の回折要素および第2の回折要素の両方と相互作用する。残りの部分の一部が、第1の回折要素に衝突すると、第1の回折要素は、光ビームを第2の回折要素に向かって偏向させ、順に、これらの光ビームを視認者の眼に向かう追加の出射光ビームの中に偏向させる。プロセスは、次いで、2320において、第1の出射光ビーム、第2の出射ビーム、および追加の出射光ビームを用いて、接眼レンズを介して知覚する視認者のために第1の画像を生成し得る。
【0126】
線形回折要素および円形または放射対称回折要素の両方が利用される、いくつかの実施形態では、第1の層は、したがって、視認者が、実世界における焦点距離によって画定された場所に物理的に位置するオブジェクトを観察しているかのように、第1の層から偏向させられたこれらの出射光ビームによって作成されるオブジェクトの画像が、焦点距離で視認者の眼に現れ得るように、第1の焦点距離に関連付けられた第1の焦点面をホストし得る。画像は、写真等の静的画像を含み得るか、または動画の一部等の動的画像であり得る。2322では、プロセスはさらに、随意に、第2の焦点距離を伴う第2の焦点面をホストする、第2の層を切り替え得る。視認のための第2の画像は、2324において、少なくとも、第3の回折要素および第4の回折要素を使用することによって生成され得る。
【0127】
第2の層は、前述のOPE回折要素およびEPE回折要素等、それ自身の第3の回折要素ならびに第4の回折要素を含み得る。プロセスは、次いで、直前に説明されたように、2302から2320のステップを繰り返し、視認者のためのオブジェクトの第2の画像を生成し得る。第2の画像は、視認者が、実世界における第2の焦点距離によって画定された場所に物理的に位置するオブジェクトを観察しているかのように、第2の焦点距離で視認者の眼に現れ得る。
図23に図示されるこれらの実施形態のいくつかでは、回折光学要素のこれらの複数の層は、1以上のキロヘルツ(KHz)~数百メガヘルツ(MHz)に及ぶ率で動的に切り替え可能であり、線ごとまたはピクセルごとの焦点状態を促進し得る。これらの複数の層は、PDLC層を含み得、生成される画像の焦点面を変化させる制御信号を使用することによって、オンおよびオフに切り替えられ得る。本例証的多層アプローチはまた、ファイバ、ファイバ束、マルチファイバプロジェクタ、またはピコプロジェクタ等の光源にさらに動作可能に結合され得る、迅速切り替え式内部結合光学(ICO)1206Dに動作可能に結合され得る。
【0128】
図24Aは、1つ以上の実施形態における、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのための高レベルブロック図を図示する。接眼レンズのための第1の基板が、2402において、接眼レンズのために識別(すでに存在する場合)または製作(存在しない場合)され得る。これらの1つ以上の実施形態のいくつかでは、第1の基板は、単一層または複数の層を有する半透明または透明誘電材料を含み得る。第1の回折要素および第2の回折要素が、2404において、1つ以上の第1のフィルム上もしくはその中に識別(すでに存在する場合)または製作(存在しない場合)され得る。フィルムは、いくつかの実施形態では、その厚さが材料の長さまたは幅の所定のパーセンテージより小さい、材料のシートを備えている。
【0129】
これらの実施形態のいくつかでは、第1の回折要素は、出射瞳拡張(EPE)構造もしくは回折要素または出射瞳エキスパンダを備えている。これらの実施形態のいくつかでは、第2の回折要素は、出射直交瞳拡張(OPE)構造もしくは回折要素または直交瞳エキスパンダを備えている。1つ以上のフィルムは、いくつかの実施形態では、次いで、2406において、第1の基板上に配置され得る。ある他の実施形態では、第1の回折要素および第2の回折要素を収容する、1つ以上のフィルムは、2406において、第1の基板上で識別され得る。第1および第2の回折要素を収容し、第1の基板上に配置される、1つ以上の第1のフィルムを用いて、入力光ビームは、2408において、入力光源から第1の基板の中に伝送され得る。これらの実施形態のいくつかでは、入力光源は、接眼レンズ内または上に配置され、第1の回折要素または第2の回折要素と結合される、内部結合光学要素を備えている。
【0130】
図24Bは、1つ以上の実施形態における、
図24Aに図示される仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのためのより詳細なブロック図を図示する。より具体的には、
図24Bは、1つ以上の第1のフィルムを第1の基板上に配置する行為についてのさらなる詳細を図示する。いくつかのこれらの実施形態では、第1の回折要素および第2の回折要素は、2402Bにおいて、第1の基板の片側に同一平面配置で識別または配置され得る。この同一平面配置の実施例は、
図7に図示される。
【0131】
代替として、第1の回折要素および第2の回折要素は、2404Bにおいて、第1の基板の片側もしくは両側に折り畳まれたまたは部分的にもしくは完全に重ね合わせられた配置で識別または配置され得る。この折り畳まれたまたは重ね合わせられた配置のいくつかの実施例は、8-9、10A-B、および11に図示される。第1の回折要素ならびに第2の回折要素がすでに実装されている、いくつかの実施形態では、第1の回折要素および第2の回折要素の配置は、2402Bまたは2404Bにおいて、識別され得る。第1の基板の片側に配置される一体型の分離不能層上に識別または考案される第1および第2の回折要素の配置を用いて、第1の回折要素および第2の回折要素は、2406Bにおいて、多重化され得る。
【0132】
図24Cは、1つ以上の実施形態における、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのためのより詳細なブロック図を図示する。これらの実施形態では、接眼レンズのための第1の基板が、2402Cにおいて、識別(すでに存在する場合)または製作(まだ考案されていない場合)され得る。第1の回折要素および第2の回折要素もまた、2404Cにおいて、1つ以上の第1のフィルム上に識別(すでに存在する場合)または製作(まだ考案されていない場合)得る。すなわち、第1および第2の回折要素は、これらの実施形態のいくつかでは、例えば、体積位相記録技法、表面起伏型回折要素技法、または体積位相記録技法および表面起伏型回折要素技法の両方の組み合わせを使用することによって、材料の単一フィルムまたは層内に考案され得る。
【0133】
代替として、第1の回折要素および第2の回折要素は、光学的に互に結合される、2つ以上の別個の層またはフィルム上に考案され得る。例えば、これらの実施形態のいくつかでは、第1の回折要素は、第1のフィルム上に考案され得、第2の回折要素は、第2のフィルム上に考案され得る。2406Cでは、第1および第2の回折要素を収容する、1つ以上の第1のフィルムが、第1の基板上に配置され得る。例えば、内部結合光学要素またはデバイスを含む、入力光源からの入力光ビームが、2408Cにおいて、第1の基板の中に伝送され得る。入力光源は、接眼レンズ内または上に配置され得、また、第1の回折要素、第2の回折要素、または第1および第2の回折要素の両方の組み合わせと結合され得る。第2の基板も同様に、2402Cにおける第1の基板のように、2410Cにおいて、接眼レンズのために識別または製作され得る。
【0134】
第3の回折要素および第4の回折要素もまた、2412Cにおいて、1つ以上の第1のフィルム上に識別(すでに存在する場合)または製作(まだ考案されていない場合)され得る。すなわち、第3および第4の回折要素は、これらの実施形態のいくつかでは、例えば、体積位相記録技法、表面起伏型回折要素技法、または体積位相記録技法および表面起伏型回折要素技法の両方の組み合わせを使用することによって、材料の単一フィルムまたは層内に考案され得る。
【0135】
代替として、第3の回折要素および第4の回折要素が、光学的に互に結合される、2つ以上の別個の層またはフィルム上に考案され得る。例えば、これらの実施形態のいくつかでは、第3の回折要素は、第3のフィルム上に考案され得、第4の回折要素は、第4のフィルム上に考案され得る。これらの実施形態のいくつかでは、第3の回折要素は、線形、円形、放射対称、または線形、回路、もしくは放射対称回折要素の任意の組み合わせを備え得る。加えて、または代替として、第4の回折要素は、線形、円形、放射対称、または線形、回路、もしくは放射対称回折要素の任意の組み合わせを含み得る一方、第3および第4の回折要素は、互いに異なる。
【0136】
1つ以上の第2のフィルムが、2414Cにおいて、第2の基板上に配置または識別され得る。第2の基板はさらに、2416Cにおいて、第1の基板上に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の基板上の第1および第2の回折要素は、例えば、電流または電圧を使用することによって、2状態(例えば、オンおよびオフ状態)間で動的に切り替え可能であり得る。加えて、または代替として、第1の基板上の第3および第4の回折要素もまた、例えば、電流または電圧を使用することによって、2状態(例えば、オンおよびオフ状態)間で動的に切り替え可能であり得る。動的に切り替え可能な回折要素は、投影された画像の時間多重化分布を複数の焦点面撮像要素にもたらし得る。切り替えレートは、1キロヘルツ(1KHz)~数百メガヘルツ(MHz)の範囲であり、線ごとまたはピクセルごとの焦点状態を促進し得る。
【0137】
図25Aは、1つ以上の実施形態における、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するための高レベルブロック図を図示する。より具体的には、
図25Aは
図25B-Dと一緒に、入力光ビームを回折要素を通して伝搬させ、仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成することについてのさらなる詳細を図示する。これらの1つ以上の実施形態では、入力光ビームは、2502Aにおいて、例えば、内部結合光学要素またはデバイスを含む入力光源から受信され得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、第1の回折要素は、入力光ビームの入射方向に対して鋭角または鈍角を形成する、第1の向きで配置され得る。入力光源から第1の回折要素の中に伝搬される入力光ビームの第1の部分は、2504Aにおいて、第1の回折要素を用いて、接眼レンズ内の第2の回折要素に向かって偏向させられ得る。いくつかの実施形態では、第1の回折要素は、出射瞳拡張(EPE)回折要素またはエキスパンダを含み得、第2の回折要素は、直交瞳拡張(OPE)回折要素またはエキスパンダを含み得る。
【0139】
入力光ビームの第2の部分は、2506Aにおいて、第1の向きと異なる第2の向きを有する第2の回折要素を通して伝搬され、観察者に立体画像を生成し得る。いくつかの実施形態では、第1の部分と第2の部分との間の比率は、部分的または全体的に、第1または第2の回折要素の透過性および反射特性に基づいて、決定され得る。いくつかの実施形態では、第2の部分は、入力光源から出射する入力光ビームの残りの部分を構成し得、全内部反射(TIR)を介して、第2の回折要素を通して伝搬し得る。
【0140】
図25B-Dは一緒に、
図25Aに図示される仮想現実および/または拡張現実のための立体画像を生成するプロセスのために、個々に行われるか、もしくは1つ以上の群で一緒に行われ得る、いくつかの追加の随意の行為2500Bを図示する。
図25B-Dに図示される行為のうちのいくつかは、個々に行われ得、したがって、
図25B-Dにおけるアローヘッドを用いて他の行為と接続されないことに留意されたい。これらの実施形態では、入力光ビームは、2502Bにおいて、
図25Aを参照して前述と同様に、例えば、内部結合光学要素またはデバイスを含む入力光源から受信され得る。
【0141】
入力光源から第1の回折要素の中に伝搬される入力光ビームの第1の部分は、2504Bにおいて、第1の回折要素を用いて、接眼レンズ内の第2の回折要素に向かって偏向させられ得る。入力光ビームの第2の部分は、2506Bにおいて、第1の向きと異なる第2の向きを有する第2の回折要素を通して伝搬され、観察者に立体画像を生成し得る。2502Bにおける入力光ビームの受信と2506Bにおける立体画像の最終的生成との間の任意の時点の間、追加の随意の行為2500Bのうちの1つ以上のものが、行われ得る。例えば、立体画像内のアーチファクトが、いくつかの実施形態では、2508Bにおいて、少なくとも、第1の回折要素または第2の回折要素もしくは第1および第2の回折要素の組み合わせの回折効率を変調させることによって低減させられ得る。
【0142】
第1の回折要素および/または第2の回折要素のためのホスト媒体が、2510Bにおいて、識別され得る。いくつかの実施形態では、ホスト媒体は、乾式フォトポリマー材料、単層ハロゲン化銀、または単層ポリマー分散液晶混合物材料のうちの少なくとも1つを含み得る。入力光ビームの伝搬は、2512Bにおいて、少なくとも、第1の回折要素を用いて、少なくとも、入力光ビームの第1の部分の第1の光波面を連続的に向け直すことによって、誘導され得る。
【0143】
入力光ビームの伝搬はさらに、2512Bにおいて、向け直された第1の光波面と、第2の回折要素を通して伝搬する、少なくとも入力光ビームの第2の部分を外部結合することによって、誘導され得る。入力光ビームと第1のおよび/または第2の回折要素との間の相互作用の前の部分および後の部分(時間的または空間的順序の観点から)は、2514Bにおいて、接眼レンズ内の1つ以上の構成要素の回折効率に異なる回折効率を用いて少なくとも勾配を付けることによって、制御され得る。これらの実施形態では、接眼レンズ構成要素の回折効率は、光が伝搬するにつれての接眼レンズを横断する画像フィールド輝度分布における減少を低減または排除するために、光線と構造との間の初期相互作用が後の相互作用より利用可能な光を少なく使用するように、勾配が付けられ得る。
【0144】
格子回折効率はまた、2516Bにおいて、少なくとも、第1および/または第2の回折要素の調製において、記録ビーム強度または記録ビーム強度の比率を変調させることによって、第1および/または第2の回折要素のために分布させられ得る。投影された画像の時間多重化分布が、2518Bにおいて、第1および/または第2の回折要素に対して切り替え可能回折要素を使用することによって、複数の焦点面画像要素に提供され得る。いくつかの実施形態では、ポリマー分散液晶(PDLC)構成要素が、2520Bにおいて、第1および/または第2の回折要素のために識別され得る。PDLC構成要素を伴う、いくつかの実施形態では、PDLC構成要素のためのホスト媒体が、2522Bにおいて識別され得、PDLC構成要素のホスト媒体内の構造要素が、2524Bにおいて識別され得る。
【0145】
ホスト媒体または構造要素の屈折率が、次いで、2532Bにおいて、第1の回折要素および第2の回折要素を収容する基板の屈折率と不整合である率となるように決定され得る。すなわち、ホスト媒体または構造要素の屈折率が、これらの実施形態では、基板の屈折率と異なり得る。いくつかの実施形態では、単層構造が、2526Bにおいて、識別され得、第1の回折要素および第2の回折要素が、2528Bにおいて、単層構造内に識別または考案され得る。単層構造を用いて、接眼レンズの少なくとも一部における入力光ビームの伝搬の回折におけるクロストークは、2530Bにおいて、単層構造内の少なくとも第1および第2の回折要素の多重化によって低減させられ得る。
【0146】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、本発明のより広範な精神および範囲から逸脱することなく、種々の修正および変更がそこに行われ得ることは明白となるであろう。例えば、前述のプロセスフローは、プロセスアクションの特定の順序を参照して説明されている。しかしながら、説明されるプロセスアクションの多くの順序は、本発明の範囲または動作に影響を及ぼすことなく、変更され得る。本明細書および図面は、故に、制限的意味ではなく、例証的意味におけるものであると見なされる。