(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105608
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】個人情報提供システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220707BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20220707BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F21/62 345
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080542
(22)【出願日】2022-05-16
(62)【分割の表示】P 2018524171の分割
【原出願日】2017-06-22
(31)【優先権主張番号】P 2016124023
(32)【優先日】2016-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】596165947
【氏名又は名称】鍵和田 芳光
(71)【出願人】
【識別番号】501045881
【氏名又は名称】株式会社キーソフト
(74)【代理人】
【識別番号】100110652
【弁理士】
【氏名又は名称】塩野谷 英城
(72)【発明者】
【氏名】鍵和田 芳光
(57)【要約】
【課題】例えば引越をした場合、勤務先、役所、郵便局、銀行、その他の様々な機関に住所変更の届けを別々に行う必要があるが、本発明は、このような個人情報を重複して届ける労力を軽減することを課題とする。
【解決手段】本発明は、個人情報の記憶部31と、この記憶部31の個人情報を変更する手段30とを備える。また、変更された個人情報をコンピュータネットワーク100を介して外部のコンピュータ20にコピーさせる手段とを備えた、という構成を採っている。本システムの記憶部31に記憶された個人情報が変更されると、変更された個人情報が外部のコンピュータ20の記憶部21にコピーされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人情報の記憶部と、この記憶部の個人情報をコンピュータネットワークを介して外部のコンピュータにコピーさせる手段とを備えた、個人情報提供システム。
【請求項2】
個人情報の記憶部と、この記憶部の個人情報を登録又は変更する手段と、前記登録又は変更された個人情報をコンピュータネットワークを介して外部のコンピュータにコピーさせる手段とを備えた、個人情報提供システム。
【請求項3】
前記登録又は変更の許可を登録元又は変更元のユーザごとに記憶部に記憶し、前記登録又は変更を前記許可されている登録元又は変更元のユーザのみに認める手段を備えた、請求項2に記載の個人情報提供システム。
【請求項4】
前記登録又は変更された個人情報がICチップから読み込まれたものである、請求項2又は3に記載の個人情報提供システム。
【請求項5】
前記登録又は変更された個人情報が役所から送信されたものである、請求項2又は3に記載の個人情報提供システム。
【請求項6】
前記許可を、前記個人情報の本人により設定させる手段を備えた、請求項3に記載の個人情報提供システム。
【請求項7】
前記記憶部の個人情報を外部サイトの入力フォームに自動的に挿入させる手段を備えた、請求項1乃至6のいずれかに記載の個人情報提供システム。
【請求項8】
記憶部に記憶された個人情報をコンピュータネットワークを介して外部のコンピュータに送信し、当該コンピュータにコピーさせるステップを備えた、個人情報提供方法。
【請求項9】
記憶部に記憶された個人情報をコンピュータネットワークを介して外部のコンピュータにコピーさせるステップをプロセッサに実行させる、個人情報提供プログラム。
【請求項10】
本人の個人識別子と個人情報とを紐付けて記憶すると共に、本人の個人識別子と本人が許可した個人情報のコピー先とを紐付けて記憶する記憶部と、
前記個人情報を登録又は変更するユーザを認証し、当該ユーザから登録する又は変更後の個人情報と当該個人情報に対応する個人識別子とを通信装置を介して受信し、受信した個人識別子と変更後の個人情報とを紐付けて前記個人情報記憶部に更新する処理部とを備え、
前記処理部は、前記更新により変更された個人情報に対応する個人識別子を前記記憶部から読み出すと共に、読み出した個人識別子に紐付けられた本人が許可した個人情報のコピー先を前記記憶部から読み出し、読み出したコピー先のコンピュータに前記登録後又は変更後の個人情報をコピーさせるために、前記読み出した個人識別子と前記登録又は変更された個人情報とを紐付けて前記コピー先のコンピュータに通信装置及びコンピュータネットワークを介して通知する、個人情報提供システム。
【請求項11】
ブラウザ上に入力フォームを表示するステップと、
個人識別子を管理サーバ又は管理プロセスに渡すステップと、
前記個人識別子に対応する個人情報を前記管理サーバ又は管理プロセスから取得し記憶装置に格納するステップと、
前記記憶装置から前記個人情報を読み出し前記ブラウザ上の入力フォームに挿入して表示するステップと、
をプロセッサに実行させる個人情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報データベース(個人情報DB)に登録されている個人情報をコンピュータネットワークを通じて提供する個人情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば引越をした場合、勤務先、役所、郵便局、銀行、保険会社、その他の様々な機関に住所変更の届けを別々に行う必要があり、重複する届出の作業量が膨大であった。また、ネットモール等のインターネットサイトにおいても、同じサイト内であれば、以前に入力した個人情報を利用することができるが、他のサイトでは、新たに個人情報を入力しなければならず、やはり、社会全体として膨大な重複入力の作業を強いられていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、個人情報を重複して入力する労力を軽減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するため、本発明は、個人情報の記憶部と、この記憶部の個人情報をコンピュータネットワークを介して外部の許可されたコンピュータにコピーさせる手段とを備えた、という構成を採っている。
【0005】
本システムの記憶部に記憶された個人情報は、外部の許可されたコンピュータの記憶部にコピーされる。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明によれば、個人情報を重複して入力する労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1の個人情報DBに格納されるデータの構造図である。
【
図3】
図3は、
図1の管理サーバが本人システムのブラウザに提供する画面の構成図である。
【
図4】
図4は、本発明の他の実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のシステム構成図である。この
図1において、コンピュータネットワーク100には、複数のコンピュータ10~40が接続されている。本人システム10は、本人Pが利用するコンピュータであり、サーバコンピュータから受信したプログラムを実行するブラウザ11と、ICカード(ICチップ)Cから情報を読み込むカードリーダ12とを備えている。
本人システム10は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末でもよい。ICカードCを利用しない場合、カードリーダ12は装備されていなくてもよい。
【0009】
事業者システム20は、本人Pにサービスを提供する事業者が利用するコンピュータであり、本人Pの個人情報が登録されたローカルデータベース(ローカルDB)21を備えている。
図1では、2台の事業者システム20をコンピュータネットワークに接続しているが、より多くの事業者システム20が接続されてもよい。
【0010】
管理サーバ30は、本人Pの個人情報等を管理するコンピュータであり、個人情報DB31に接続されている。A~Eの各サイトサーバ40は、それぞれ、本人Pがメンバーになっているサイトを運営するコンピュータであり、あるサイトでは、本人Pは商品やサービスを提供する側のユーザであり、別のサイトでは、本人Pは商品やサービスを受ける側のユーザであり、サイトにより本人Pの立場が異なる。例えば、あるサイトでは、本人Pは商品の生産者として参加し、別のサイトでは、本人Pはネットモールの消費者として参加し、更に別のサイトでは、本人Pは商品を宣伝する者として参加する。
【0011】
図2は、個人情報DB31に格納される個人情報等のデータ構造図であり、個人識別子32ごとに、参加サイト情報33と、個人情報34と、同期許可リスト35とを紐付けている。個人識別子32は、個人を一意に特定する識別子であり、マイナンバー等でもよい。また、個人識別子32は、電子マネー番号、クレジットカード番号、ポイントカード番号、口座番号、装置の固有番号等でもよい。
【0012】
参加サイト情報33は、個人識別子32に対応する個人が参加しているサイトのURLやユーザID等を含む。よって、各サイトサーバ40のユーザIDも個人識別子32に紐付けられているが、個人識別子とサイトサーバ40のユーザIDとが同一であってもよい。個人情報34は、個人識別子32に対応する個人の住所、氏名、生年月日及び性別等を含む。同期許可リスト33は、個人識別子32に対応する個人が個人情報34の同期を許可している事業者のIDのリストである。個人情報34の同期とは、個人情報DB31に個人情報34が登録又は変更されたのちに、その個人情報34を事業者システム20又はサイトサーバ40のローカルDB21(記憶装置)に反映(コピー、取得、登録又は更新)することをいう。同期許可リスト33には、個人情報DB31に個人情報34を登録又は変更することができるユーザのIDと、個人情報DB31に登録されている個人情報34の提供を受けることができるユーザのIDとが登録されている。
【0013】
次に、本実施形態の種々の動作を説明する。
【0014】
[動作1]本人による個人情報の登録又は変更1(本人による入力)
本人Pは、本人システム10から管理サーバ30のサービスにログインする。本人システム10のブラウザ11は、管理サーバ30から提供された個人情報34の登録又は変更フォームを表示する。本人Pは、このフォームに新規又は変更後の個人情報34を入力する。本人システム10は、入力された個人情報34を本人Pの個人識別子32に紐付けて管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、本人システム10から受信した個人情報34を対応する個人識別子32に紐付けて個人情報DB31に登録又は更新する。
【0015】
[動作2]本人による個人情報の登録又は変更2(ICカード等からの読み込み)
本人Pは、本人システム10から管理サーバ30のサービスにログインする。本人システム10のブラウザ11は管理サーバ30から提供された個人情報34の要求画面を表示する。本人Pは、個人情報34が登録されているICカード等のICチップCをカードリーダ12に読ませる。本人システム10は、ICチップCに登録されていた個人情報34をカードリーダ12を通じて読み込み、読み込んだ個人情報34を本人Pの個人識別子32に紐付けて管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、本人システム10から受信した個人情報34を対応する個人識別子32に紐付けて個人情報DB31に新規登録又は更新する。ICカードCは、例えば、プリペイド、ポストペイ、デビット、ポイント等に対応した決済用カードでもよい。又は、ICカードCは、住所、氏名等の個人情報を入力するための専用カードでもよい。又は、ICカードは、個人情報入力用の専用カードに、決済機能を付加したカードでもよい。その他、ICカードCは、金融カード、スーパー・百貨店・コンビニ系カード、交通系カード、市民カード等でもよい。
【0016】
[動作3]事業者による個人情報の登録又は変更
例えば、事業者Qは、事業者システム20から管理サーバ30のサービスにログインする。事業者システム20は、ローカルDB21に登録されている本人Pの個人情報34を本人Pの個人識別子32に紐付けて管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、同期許可リスト35を参照し、事業者Qからの個人情報34の登録又は変更の許可が、本人Pの個人識別子32に紐付けられているか判定する。この結果、許可されている場合、管理サーバ30は、事業者システムから受信した個人情報34を本人Pの個人識別子32に紐付けて個人情報DBに新規登録又は更新する。一方、許可されていない場合、管理サーバ30は、個人情報DB31への登録を拒否する。
【0017】
[動作4]登録又は変更された個人情報の同期1(セッション中の同期)
管理サーバ30は、個人情報DB31に個人情報34が登録又は変更されたことを検知すると、同期許可リスト35を参照し、当該個人情報34に対応する個人識別子32に紐付けて同期が許可されている事業者のIDを判定する。そして、管理サーバ30は、同期が許可されている事業者のIDのうち、管理サーバ30のサービスにログインしているセッション中の事業者システム20に対し、新規又は変更後の個人情報34を対応する個人識別子32に紐付けて送信する。この個人情報34を受信した事業者システム20は、受信した個人情報34を対応する個人識別子32に紐付けてローカルDB21に新規登録又は更新する。
【0018】
[動作5]登録又は変更された個人情報の同期2(電子メールによる提供)
管理サーバ30は、個人情報DB31に個人情報34が登録又は変更されたことを検知すると、同期許可リスト35を参照し、当該個人情報34に対応する個人識別子32に紐付けて同期が許可されている事業者のIDを判定する。そして、管理サーバ30は、同期が許可されている事業者のIDに紐付けられている電子メールアドレスを図示しないユーザDBから読み出し、当該電子メールアドレスに宛てて、新規又は変更後の個人情報34と対応する個人識別子32とを含む電子メールメッセージを送信する。この個人情報34を電子メールにより受信した事業者システム20は、当該個人情報34を対応する個人識別子32に紐付けてローカルDB21に登録又は更新する。
【0019】
[動作6]登録又は変更された個人情報の同期3(電子メールによるアドレスの提供)
管理サーバ30は、個人情報DB31に個人情報34が登録又は変更されたことを検知すると、同期許可リスト35を参照し、当該個人情報34に対応する個人識別子32に紐付けて同期が許可されている事業者のIDを判定する。そして、管理サーバ30は、同期が許可されている事業者のIDに紐付けられた電子メールアドレスを図示しないユーザDBから読み出し、当該電子メールアドレスに宛てて、新規又は変更後の個人情報34及び対応する個人識別子32が記述されたファイルの場所(URL等)を示した電子メールメッセージを送信する。この個人情報の場所を電子メールにより知った事業者システム20は、当該場所にアクセスして変更後の個人情報34及び対応する個人識別子32を取得し、両者を紐付けてローカルDB21に登録又は更新する。
【0020】
[動作7]要求に応じた個人情報の提供
管理サーバ30は、サービスにログインした事業者システム20又は本人システム10等から個人識別子32(携帯電話番号等)を指定した個人情報34の提供要求を受信すると、同期許可リスト35を参照し、要求元への個人情報34の提供の許可が当該個人識別子32に紐付けられているか否かを判定する。その結果、許可が紐付けられている場合、管理サーバ30は、当該個人識別子32に紐付けられた個人情報34を要求元へ送信する。
【0021】
[動作8]サイトが提供するフォーム画面への個人情報の自動入力
本人Pは、本人システム10から管理サーバ30のサービスへログインする。管理サーバ30は、本人システム10に対し
図3に示す本人P用のポータル画面を送信する。本人Pは、本人システム10のブラウザ11によりこのポータル画面を閲覧する。ポータル画面には、本人Pが参加している各サイトA~Eへのリンクが表示されている。管理サーバ30は、本人Pの個人識別子32に紐付けられた参加サイト情報33を参照することにより、本人Pが参加しているサイトのURLを読み出し、各サイトA~Eへのリンクを生成するようになっている。本人Pが例えばAサイトへのリンクをクリックすると、ブラウザはAサイトサーバ40に接続し、Aサイトサーバ40のサービス画面を取得して表示する。B~Eサイトについても同様である。
【0022】
また、ポータル画面には、個人情報34の管理メニューが設けられている。本人Pが個人情報34の管理メニューをクリックすると、管理サーバ30は、本人Pの個人識別子32に紐付けられた個人情報34、同期許可リスト35又は参加サイト情報33のメンテナンスGUIをブラウザ11に提供する。本人Pは、そのメンテナンスGUIを介して個人情報DB31に個人情報34、同期許可リスト35又は参加サイト情報33を登録することができる。また、本人Pは、そのメンテナンスGUIを介して個人情報DB31に登録されている個人情報34、同期許可リスト35又は参加サイト情報33を変更することができる。
【0023】
ところで、本人Pがポータル画面からリンク先の各サイトA~Eへ遷移すると、遷移先のサイトサーバ40は、提供するサービスに応じたプログラムをブラウザ11に送信し実行させる。このプログラムにより、ブラウザ11は、個人情報34の入力フォームを表示する場合がある。各サイトA~Eからブラウザ11に提供されたプログラムは、入力フォームに入力する個人情報34を、管理サーバ30に要求する機能を備えている。この機能により、管理サーバ30は、本人Pの個人識別子32又はサイトのユーザIDに対応する個人情報34を個人情報DB31から読み出して要求元のブラウザ11に送信する。管理サーバ30から本人Pの個人情報34を受信したブラウザ11内のプログラムは、受信した個人情報34をブラウザ11に表示中の個人情報34の入力フォームに自動的に挿入して表示する。
つまり、本発明において、ブラウザ11に提供されたプログラムは、入力フォームに入力する個人情報34を、管理サーバ30に要求する機能を備えている。この機能により、管理サーバ30は、本人Pの個人識別子32(例えば、携帯電話番号)又はサイトのユーザIDに対応する個人情報34を個人情報DB31から読み出して要求元のブラウザ11に送信する。管理サーバ30から本人Pの個人情報34を受信したブラウザ11内のプログラムは、受信した個人情報34をブラウザ11に表示中の個人情報34の入力フォームに自動的に挿入して表示する。
サイトサーバ40が、会員登録を行う場合、入力フォームの登録事項入力欄に個人情報34を挿入して表示することが考えられる。また、サイトサーバ40が、ネットショップのサービスを提供する場合、入力フォームの商品送り主の欄又は商品届け先の欄に個人情報34を挿入して表示することが考えられる。
【0024】
[動作9]個人データのサイト横断的な一元管理インターフェース1
本実施形態において、
図2に示す参加サイト情報33には、各サイトごとに本人Pの個人データが記述されているマイページのアドレスが登録されている。個人データは、例えば、各サイトで購入した商品の保証書情報、各サイトに貯めているポイントやマイルの情報等である。
図3に示す個人データ管理画面において、本人Pが各サイトへのリンクボタンをクリックすると、管理画面のプロセスは、本人Pの個人識別子に紐付けられた参加サイト情報33を参照することにより、選択されたサイトのコンピュータから、本人Pの個人データが記述されているマイページのデータを読み込み、読み込んだマイページのデータをインラインフレーム等の技術により管理サーバ30のドメインのページの中に表示する。本人Pは、一つの管理画面を利用して参加している複数のサイトの個人データを閲覧することが可能となる。管理画面のプロセスは、マイページのデータを取得する際に本人Pによるログイン認証が必要な場合は、参加サイト情報33に予め登録されている各サイトのログイン認証情報を読み出して各サイトへのログインを自動実行する。
【0025】
[動作10]個人データのサイト横断的な一元管理インターフェース2
本実施形態において、
図2に示す参加サイト情報33には、各サイトごとに本人Pの個人データのアドレスが登録されている。
図3に示すポータル画面において、本人Pが各サイトへのリンクボタンをクリックすると、管理画面のメインプロセスは、選択されたサイトに対応するデータ取得プロセスを起動する。データ取得プロセスは、本人Pの個人識別子に紐付けられた参加サイト情報33を参照することにより、選択されたサイトのコンピュータから、本人Pの個人データを定期的に読み込み、読み込んだ個人データをデータ取得プロセスのユーザインターフェースに随時更新する。本人Pは、一つの管理画面を利用して参加している複数のサイトの個人データを閲覧することが可能となる。データ取得プロセスは、個人データを取得する際に本人Pによるログイン認証が必要な場合は、参加サイト情報33に予め登録されている各サイトのログイン認証情報を読み出して各サイトへのログインを自動実行する。
【0026】
以上の動作9及び10の実施形態は、次の思想に基づいている。即ち、従来、個人情報はサイトごと会社ごとに管理されていた。今までは各企業のサイトに個々にアクセスして入って行かなければ自分のマイル等を確認できず、煩わしかった。それに対し、動作9及び10の実施形態は、個人が、サイトや会社の垣根を越えて、自分の情報を管理するものである。つまり、今までは物、サービスや企業をキーとして縦に管理されていた情報を、個人という横糸で管理するという考え方であり、データの権限は企業ではなくその人個人にあるという考え方でもある。個人の画面で自分に関する様々な情報をサイトや企業を超えて一括で見られるということ自体が新しい発想である。
【0027】
更に、この管理画面内にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のインターフェースを設け、個人に関するあらゆる情報の発信受信をすることも考えられる。反対に、SNSプラットフォームの上で動作9及び10の管理画面を提供し、SNSをあらゆる個人情報の管理に役立てることも考えられる。個人情報のうち、公開してもよいものは公開可にしておけば公開されるし、公開不可にしておけば公開されないという仕組みにしてもよい。
【0028】
ここで、上述した各動作において、各コンピュータの動作は、プロセッサがプログラムを実行することにより行われる。入力はキーボード等の入力装置から行われる。表示は液晶モニタ等の表示装置により行われる。コンピュータ間の通信は、インターネット等のコンピュータネットワーク及びルータ等の通信装置を介して行われる。プロセッサが処理に用いるデータは主記憶又は補助記憶から読み出され、処理後のデータは主記憶又は補助記憶に記憶される。
【0029】
[各動作による効果]
本人が個人情報DBに個人情報を登録又は変更すると、その個人情報が事業者システムのローカルDBに同期されるので、本人Pは各事業者に個別に個人情報の登録又は変更手続をする必要がなくなり、手続の重複労力が軽減される。その際、事業者のローカルDBへの同期は本人の許可に基づいて行われるので、本人が意図した範囲内で個人情報の同期を行うことができ、意に反した個人情報の同期を防止することができる。かつ、本人が同期を許可する事業者を設定できるので、都度、同期先を選択することが可能である。
【0030】
更に、新規又は変更後の個人情報をICチップから読み込む場合、ICチップから信頼性の高い個人情報を読み込むことができると共に、本人は個人情報の入力作業を行う必要がない。
【0031】
また、本人に許可された事業者は個人情報DBに本人の個人情報を登録又は変更することができ、その個人情報は本人に許可された事業者のローカルDBに同期されるので、上記の効果に加え、例えば、個人情報を変更する事業者が役所であれば、信頼性の高い個人情報が他の事業者のローカルDBに同期されるので、信頼性の高いシステム運用が期待できる。
【0032】
また、本人が参加しているサイトのサービスにおいて個人情報の入力フォームに、個人情報DBで管理されている個人情報を自動的に入力することができるので、サイトごとに個人情報を入力しなければならない、という個人情報を入力する作業の重複労力を軽減することができる。
【0033】
[本人システム10としての携帯端末]
上記の実施形態において、本人システム10は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末でもよい。この場合、本人システム10は、管理サーバ30に代えて個人情報DB31を管理するための管理プロセス30を備えていてもよい。また、本人システム10は、当該管理プロセス30によって管理される個人情報DB31を備えていてもよい。
【0034】
図4は、当該管理プロセス30と個人情報DB31とを備えた本人システム10の構成を示す。管理プロセス30は、前述した管理サーバ30と同様に個人情報DB31に対して個人情報の入出力を行う機能を備えている。個人情報DB31は、前述した実施形態の構成と同様であり、携帯端末に内蔵されたICチップに個人情報を記録するものでもよい。入力装置14、表示装置15及び通信装置16の機能は、前述の通りである。入力装置14及び表示装置15は、タッチパネルでもよい。このように構成しても、前述した実施形態と同様の動作を実行することができる。前述した実施形態と同様の動作は、携帯端末にダウンロードされインストールされたアプリケーションプログラム(アプリ)を、プロセッサが実行することにより実現されてもよい。
【0035】
[ICカードへの個人情報のコピー]
図1及び
図4において、事業者システム20は、ローカルDB21に代えて記憶部21(ICチップ)を有するICカードを備えてもよい。この場合、個人情報DB31に登録又は更新された個人情報34が、事業者システム20においてICカードのICチップ21にコピーされる。例えば、事業者システム20は自動販売機であってもよい。この自動販売機が、個人情報34を記録したICカードを本人に発行する機構を備えていてもよい。
また、本人システム10は、個人情報DB31に登録又は更新された個人情報34を取得し、カードリーダ12を通じてICカードCのICチップに当該個人情報34を登録してもよい。
【0036】
ここで、発明は実施形態に記載された以外にも趣旨を逸脱しない他の実施形態をも包含する。実施形態は発明の説明をするものであって、その範囲を限定するものではない。発明の範囲は、クレームの記載によって示されるものであって、明細書の記載によって示されるものではない。従って、発明は、クレームの均等の範囲内における意味や範囲を含む総ての形態を包含する。
【符号の説明】
【0037】
10 本人システム
11 ブラウザ
12 カードリーダ
13 プロセッサ
14 入力装置
15 表示装置
16 通信装置
20 事業者システム
21 ローカルDB
30 管理サーバ
31 個人情報DB
32 個人識別子
33 参加サイト情報
34 個人情報
35 同期許可リスト
40 サイトサーバ
P 本人
Q,R 事業者