(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105618
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】ドットピーンマークの画像取得
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20220707BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20220707BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20220707BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220707BHJP
G02B 7/28 20210101ALI20220707BHJP
【FI】
G06K7/10 408
G06K7/14 017
G06K19/06 121
G06K19/06 037
G03B15/00 U
G02B7/28 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022082272
(22)【出願日】2022-05-19
(62)【分割の表示】P 2017176505の分割
【原出願日】2017-09-14
(31)【優先権主張番号】15/269,020
(32)【優先日】2016-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503261948
【氏名又は名称】ハンド ヘルド プロダクツ インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ユベール・デヴェルネ
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル・エスポンデ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンサン・ベセット
(57)【要約】
【課題】ドットピーンダイレクトパーツマーキング(DPM)を読み込むための技術を改良すること。
【解決手段】マークリーダ装置は、レンズと、制御信号に従ってレンズを操作するオートフォーカスシステムとを有する。画像取得システムは、レンズからドットピーンマークまでの距離を計測する。プロセッサは、レンズをドットピーンマークに焦点合わせするオートフォーカスシステムのための焦点位置を算出し、算出された焦点位置にオフセットを適用して、オフセット焦点位置を求め、オフセット焦点位置にオートフォーカスシステムを位置決めすることによって、オートフォーカスシステムを制御し、画像取得システムを介して、オフセット焦点位置に設定されたオートフォーカスシステムによりマークの画像を取得するようにプログラムされる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズからドットピーンマークまでの距離を計測するステップと、
前記レンズを前記ドットピーンマークに焦点合わせするオートフォーカスシステムのための焦点位置を算出するステップと、
算出された前記焦点位置にオフセットを適用して、焦点モータ位置を求めるステップと、
前記オートフォーカスシステムを前記オフセット焦点位置に設定するステップと、
前記オフセット焦点位置に設定された前記オートフォーカスシステムにより前記マークの画像を取得するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記オフセットが、前記ドットピーンマーク内の隣接するドットを前記取得された画像においてマージされているように見えさせる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記オフセットを適用する前に、前記オフセットを決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記オフセットを決定するステップが、記憶値を参照することによって、オフセット値を決定するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記オフセットを決定するステップが、以下の等式、
【数1】
オフセット=β×マークのドット間の距離×(γ+モータ位置)、
および
オフセット=η×ドット間の計測距離
のうちの1つを使用して前記オフセットを算出するステップを含み、
ただし、α、βおよびγならびにηの値は、前記オートフォーカス機構および前記レンズに依存する定数である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
取得されるべき前記画像がドットピーンマークの画像であるか否かを判定して、取得されるべき画像がドットピーンマークの画像でない場合には、前記オフセットをゼロに設定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ドットピーンマークの前記取得された画像を用いることによって、前記ドットピーンマークをデコードするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
レンズと、
制御信号に従って前記レンズを操作するオートフォーカスシステムと、
前記レンズからドットピーンマークまでの距離を計測する画像取得システムと、
プロセッサであって、
前記レンズを前記ドットピーンマークに焦点合わせするオートフォーカスシステムのための焦点位置を算出し、
算出された前記焦点位置にオフセットを適用して、オフセット焦点位置を求め、
前記オートフォーカスシステムを前記オフセット焦点位置に位置決めし、
前記画像取得システムを介して、前記オフセット焦点位置に設定された前記オートフォーカスシステムにより前記マークの画像を取得する
ようにプログラムされたプロセッサと
を備える、マークリーダ装置。
【請求項9】
前記オフセットが、前記ドットピーンマーク内の隣接するドットを前記取得された画像においてマージされているように見えさせる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記オフセットを適用する前に、前記オフセットを決定するようにさらにプログラムされる、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記オフセットを決定することが、記憶値を参照することによって、オフセット値を決定することを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記オフセットの値が、以下の等式、
【数2】
オフセット=β×マークのドット間の距離×(γ+モータ位置)、
および
オフセット=η×ドット間の計測距離
のうちの1つを使用して前記オフセットを算出することにより決定され、
ただし、α、βおよびγならびにηの値は、前記オートフォーカス機構および前記レンズに依存する定数である、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサが、取得されるべき前記画像がドットピーンマークの画像であるか否かを判定し、取得されるべき画像がドットピーンマークの画像でない場合には、前記オフセットをゼロに設定するようにさらにプログラムされる、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記ドットピーンマークの前記取得された画像を用いて前記ドットピーンマークをデコードするデコーダをさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
前記オートフォーカスシステムが、モータを含み、前記オフセットが、前記モータ位置へのオフセットを含む、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、ダイレクトパーツマーキング(DPM)などにおけるドットピーンマーキング(dot peened markings)の画像取得およびデコーディングに関する。本発明は、ドットピーンマーキングのために開発されたものであるが、本発明は、限定無しに、ドットの配列から構成される類似のマーキングに対する他の適用例を有し得る。
【背景技術】
【0002】
[0002]ダイレクトパーツマーキング(DPM)技術は、パーツまたはコンポーネントの材料の恒久的なマーキングである機械可読コードを提供するために用いられる。これは、例えば、ドットピーンマーキングによって達成され得る。ドットピーンマーキングにおいては、堅いピン(例えば、カーバイドまたはダイヤモンドチップ組立体)をパーツの表面に打ち付けて、恒久的なマークを作り出すドットのパターンを形成させる。ドットピーンマーキング機械は、電気機械式マークピンまたは空気圧駆動式マークピンを使用して、一連のドットをスタンプして(またはピーン(peen)して)、例えば、バーコードもしくはクイックレスポンス(QR)コード、テキスト、ロゴ、または2Dデータマトリクスコードを表し得る所望のマーキングを形成できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]QRコード(登録商標)などのコードは、パーツまたは製品に恒久的にマークするために用いられ得るが、より高い解像度のインクで書かれたコードを読み込むように設計された従来の画像取得およびデコーディングシステムは、ドットピーン技術を使用して生成されたコードを正確に読み込むことが困難な場合がある。したがって、ドットピーンDPMを読み込むための技術の改良の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]したがって、1つの態様では、本発明は、ドットピーンマークの機械読み込みのための方法と装置を包含する。
[0005]例示的な実施形態において、本教示と整合した方法は、レンズからドットピーンマークまでの距離を計測するステップと、レンズをドットピーンマークに焦点合わせするオートフォーカスシステムのための焦点位置を算出するステップと、算出された焦点位置にオフセットを適用して、焦点モータ位置を求めるステップと、オートフォーカスシステムをオフセット焦点位置に設定することによって、オートフォーカスシステムを制御するステップと、オフセット焦点位置に設定されたオートフォーカスシステムによりマークの画像を取得するステップとを含む。
【0005】
[0006]特定の実施形態によれば、オフセットは、ドットピーンマーク内の隣接するドットを取得された画像においてマージされているように見えさせるのに、適切なものである。特定の実施形態によれば、オフセットは、オフセットを適用する前に決定される。特定の実施形態によれば、オフセットを決定するステップは、記憶値(例えば、テーブルまたはグラフ)を参照することによって、オフセット値を決定するステップを含む。特定の実施形態によれば、オフセットを決定するステップは、以下の等式、
【0006】
【0007】
オフセット=β×マークのドット間の距離×(γ+モータ位置)
および、
オフセット=η×ドット間の計測距離
のうちの1つを使用してオフセットを算出することを含み、
ただし、α、βおよびγならびにηの値は、オートフォーカス機構およびレンズに依存する定数である。
【0008】
[0007]特定の実施形態によれば、プロセスはまた、取得されるべき画像がドットピーンマークの画像であるか否かを判定して、取得されるべき画像がドットピーンマークの画像でない場合には、算出されたオフセットの代わりにオフセットをゼロに設定するステップを含む。特定の実施形態によれば、プロセスはまた、マークの取得された画像を用いて、デコーダによりマークをデコードすることを含む。
【0009】
[0008]別の方法は、レンズからドットピーンマークまでの距離を計測するステップと、レンズをドットピーンマークに焦点合わせするオートフォーカスシステムのための焦点位置を算出するステップと、算出された焦点位置に対するオフセットを決定するステップと、算出された焦点位置にオフセットを適用して、オフセット焦点位置を求めるステップと、オートフォーカスシステムをオフセット焦点位置に位置決めすることによって、オートフォーカスシステムを制御するステップと、オフセット焦点位置に設定されたオートフォーカスシステムによりマークの画像を取得するステップと、マークの取得された画像を用いてデコーダでマークをデコードするステップとを含む。
【0010】
[0009]特定の実施形態においては、オフセットは、ドットピーンマーク内の隣接するドットを取得された画像においてマージされているように見えさせるのに、適切なものである。特定の実施形態においては、オフセットを決定するステップは、記憶値(例えば、テーブルまたはグラフから)を参照することによって、オフセット値を決定するステップを含む。特定の実施形態においては、オフセットを決定するステップは、以下の等式のうちの1つを使用してオフセットを算出するステップを含む。
【0011】
【0012】
オフセット=β×マークのドット間の距離×(γ+モータ位置)
および、
オフセット=η×ドット間の計測距離
ただし、α、βおよびγならびにηの値は、オートフォーカス機構およびレンズに依存する定数である。
【0013】
[0010]特定の実施形態において、プロセスは、取得されるべき画像がドットピーンマークの画像であるか否かを判定して、取得されるべき画像がドットピーンマークの画像でない場合には、算出されたオフセットの代わりにオフセットをゼロに設定することをさらに含む。
【0014】
[0011]別の例示的な実施形態において、マークリーダ装置は、レンズと、制御信号に従ってレンズを操作するオートフォーカスシステムとを有する。画像取得システムは、レンズからドットピーンマークまでの距離を計測する。プロセッサは、レンズをドットピーンマークに焦点合わせするオートフォーカスシステムのための焦点位置を算出し、算出された焦点位置にオフセットを適用し、オフセット焦点位置を求め、オフセット焦点位置にオートフォーカスシステムを位置決めすることによって、オートフォーカス位置を制御し、画像取得システムを介して、オフセット焦点位置に設定されたオートフォーカスシステムによりマークの画像を取得するようにプログラムされる。
【0015】
[0012]特定の実施形態においては、オフセットは、ドットピーンマーク内の隣接するドット間のスペースを取得された画像においてマージされているように見えさせるのに、適切なものである。特定の実施形態において、プロセッサは、オフセットを適用する前に、オフセットを決定するようにさらにプログラムされる。特定の実施形態において、オフセットを決定することは、記憶値を(例えば、テーブルまたはグラフから)参照することによってオフセット値を決定することを含む。特定の実施形態において、オフセットの値は、以下の等式、
【0016】
【0017】
オフセット=β×マークのドット間の距離×(γ+モータ位置)
および、
オフセット=η×ドット間の計測距離
のうちの1つを使用してオフセットを算出することによって決定され、
ただし、α、βおよびγならびにηの値は、オートフォーカス機構およびレンズに依存する定数である。
【0018】
[0013]特定の実施形態において、プロセッサは、取得されるべき画像がドットピーンマークの画像であるか否かを判定して、取得されるべき画像がドットピーンマークの画像でない場合には、算出されたオフセットの代わりにオフセットをゼロに設定するように、さらにプログラムされる。特定の実施形態において、デコーダは、取得されたマークの画像を用いて、マークをデコードする。特定の実施形態において、オートフォーカスシステムは、モータを含み、オフセットは、モータ位置に対するオフセットである。
【0019】
[0014]前述の説明的概要ならびに本発明の他の例示的な目的および/または利点は、およびそれらが達成される方法は、さらに以下の詳細な説明およびその添付の図面の中で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】[0015]本発明の特定の実施形態と整合したバーコードリーダの例示的なブロック図である。
【
図2】[0016]ドットピーンQRコード(登録商標)の取得画像の例の図である。
【
図3】[0017]本発明の特定の実施形態と整合した方法でオートフォーカスモータオフセットを組み込んだ画像取得システムのオートフォーカスシステムによる、ドットピーンQRコード(登録商標)の画像の例の図である。
【
図4】[0018]本発明の特定の実施形態と整合したバーコードリーダシステムの例示的な機能ブロック図である。
【
図5】[0019]本発明の特定の実施形態と整合したバーコードリーダシステムの例示的なブロック図である。
【
図6】[0020]本発明の特定の実施形態と整合した例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0021]本発明は、オートフォーカス装置を用いたドットピーンDPMデコーディングのための方法と装置を包含する。
[0022]特定の例示的な実施形態によれば、オートフォーカスモータのためのモータ位置にオフセットを適用するために、画像取得システムは変更される。マークまでの距離が計測され、ドットをマージさせて、機械読み込みをより容易にするオフセットが適用される。
【0022】
[0023]
図1を参照すると、バーコードリーダは、2つの主要コンポーネント、すなわち、キャプチャされた画像内の14などのバーコードおよびQRコード(登録商標)をデコードするために用いられるデコーダ10と、デコーダ10へ送られた画像をキャプチャするために用いられる画像取得システム20とを有するものとして見ることができる。このようなシステムの例では、画像は、その焦点がオートフォーカスモータにより調整されるレンズ24によって、キャプチャされる。
【0023】
[0024]ドットピーンDPMマークが現在の技術を使用してデコードされるときに、デコーダは、より従来型のマーキングと比較してドットの画像を確実にデコードするように特に適合される。このようなデコーダは、一般に、プロセッサベースであり、プロセッサ上で実行されてこのような画像をデコードするアルゴリズムは、実行するために相当な処理時間を要することがある。しかし、このような専用アルゴリズム無しでは、マークは、確実にデコードするのが困難であることが多い。
【0024】
[0025]本発明と整合した特定の実施形態によれば、オートフォーカスプロセスを含む取得プロセスは、より容易にデコード可能な画像が取得されてデコーダに送られるように、修正され得る。この方法では、デコーダは、ドットピーン特有のデコーディングアルゴリズムを用いずに、首尾良くマークをデコードすることができる。
【0025】
[0026]特定の例示的な実施形態に従って、取得システムおよびより正確に言うとオートフォーカスシステムは、マークまでの計測した距離に従って通常算出されるオートフォーカス位置にオフセットを適用するために、修正される。このオフセットによって、取得されるマークの画像は焦点からわずかにずれる結果となり、そのためドットピーンマーク内のドットの境界が取り除かれ、または少なくされ、したがって、マークは従来の(および、より高速な)デコーディングアルゴリズムによって、読み込むことができる。
【0026】
[0027]以下の例において、オートフォーカスシステムは、オフセットがモータ位置に適用されるモータ駆動システムである。しかしながら、一般的に言って、オフセットは任意のオートフォーカスシステムに適用されることが可能であり、そのため、焦点は手元にある特定のオートフォーカスシステムと整合した任意の適切な方法でオフセットされる。したがって、以下の考察において、オートフォーカスモータ位置へのオフセットの適用は、どのように焦点オフセットが任意のオートフォーカスシステムに一般に適用され得るか、という1つの例にすぎない。
【0027】
[0028]直観的に、人は通常、可能な限り最も鮮明な画像が最善の検出を生み出すと感じる。しかしながら、ドットピーンマークおよび従来のデコーダ動作の場合、ドットの配置としての画像の表現は、適切にデコードすることが困難であることが分かる。しかしながら、画像がわずかに焦点をぼかされた場合、従来のデコーダは、焦点が完全である場合よ
りも、隣接するドット間のスペースを充填するわずかにぼやけたドットをより正確に解釈する。
【0028】
[0029]
図2に示される画像は、従来のオートフォーカスプロセスを使用してキャプチャされたドットピーンQRコード(登録商標)の例である。この画像は、QRコード(登録商標)を形成するはっきりと定められたドットを有するが、このような画像は、デコードされるためにデコーダ上の特殊アルゴリズムを必要とする。従来のQRデコーディングアルゴリズムは、エラーを生じる可能性がある。
【0029】
[0030]小さいオフセットがオートフォーカスモータに適用されると(これはマークまでの計測距離に依存する)、ドットはマージするように見え、従来のデコーディングプロセスが画像をキャプチャすることがより容易になる。
【0030】
[0031]
図3の画像は、上述のオフセットを使用してキャプチャされた
図2と同じQRコード(登録商標)の画像である。この画像においては、ドットが大幅に一緒にマージされ、従来のデコーダアルゴリズムを用いて、より容易に読み込み可能なQRコード(登録商標)が作成される。もちろん、これはデコーダの最適化が実施され得ないことを示唆するわけではないが、しかし、ドットがマージされた状態では、従来のデコーダは、ドットピーンマークのための特殊なアルゴリズムを有効にする必要無しに、ドットピーンマークを読み込むことが極めて巧みになる。
【0031】
[0032]ここで、
図4を参照すると、本発明と整合した例示的な実施形態のより詳細な図が、デコーダ10と、画像取得システム20の一部と共に表されている。この例では、オートフォーカスシステムは、モータ駆動システムであるが、本明細書において教示されるように、オフセットを用いた任意の適切な方法において焦点を調整することによって、限定無しに、プロセスは、任意のオートフォーカスシステムに対して一般化され得る。本教示に従って適切な画像を取得するために、システム20の画像取得プロセスは、はっきりと焦点の合った画像を保証するために従来オートフォーカスシステムにより用いられている距離計測を、32において最初に行う。この距離に基づいて、システムは、レンズ組立体を駆動するモータのためのモータ位置を36において算出し、マークにレンズの焦点を合わせることができる。
【0032】
[0033]本実施形態では、ユーザは、ドットピーンマークを読み込むために適合されるモードに、システムを設定することができ、このモードが40において有効にされる場合、システムは、44においてモータ位置に適用される小さいオートフォーカスモータオフセットを算出する。このオフセットは、48において36からのモータ位置算出値に加算され、その合計は、52においてオートフォーカスモータ位置コントローラを使用してオートフォーカスモータを実際に位置決めするために用いられる。その結果、オートフォーカスシステムは、画像取得システムのレンズを調整し、そのため、画像取得が56で発生するときに、それはわずかに焦点がずれ、したがって、ドットピーンマークのドット間のスペースが少なくされ、または取り除かれた画像がデコーダ10に提供される。これによって、デコーダ10は、取得された画像により表されるマークを高速でデコードすることができる。
【0033】
[0034]特定の例示的な実施形態において、ユーザは、オフセットが適用されるドットピーンモードと、オフセットが適用されない別のモードとの間で選択することができる。1つの例では、これは40においてドットピーンモードではないときに達成可能であり、オートフォーカスモータオフセットは60において単にゼロに設定され、プロセスは、オフセット算出の効果がゼロのオフセットに上書きされた状態で44に進む。
【0034】
[0035]特定の例示的な実施形態によれば、小さいオフセットが上述のようにオートフォーカスモータ位置に適用され、キャプチャされている画像のわずかな焦点ぼかしを作り出す。これにより、ドットピーンマークのドット間のスペースが大幅に消える。オフセットの量は、いくつもの方法で定められ得る。例えば、リーダからマークまでの距離の様々な変化に対して、オフセットの量は、ドット間のスペースがマージするまで、オフセットの量を増加させながら加算することによって、実験的に決定され得る。あまりに大きなオフセットが加算される場合は、画像は焦点がずれ過ぎるようになり得るので、所与の距離に対するオフセットの量は、マージされたドットと少しの追加を有する画像となるように調整される。別の例示的な実施形態では、オフセットの量は、キャプチャされた画像がデコーダによって、短時間で、そして、確実にデコードされるまで、段階的に増加され得る。
【0035】
[0036]複数の焦点距離に対しては、適切なオフセットのテーブルまたはグラフが生成され得、所与の距離のための正しいオフセットが検索され得る。この場合、このような検索は、本考察のための「算出」と考えられる。
【0036】
[0037]本発明と整合した別の例示的な実施形態において、オフセットは、以下の通りに算出され得る。
[0038]マークのドット間の距離およびマークまでの距離が分かっている場合、
【0037】
【0038】
ただし、αの値は、オートフォーカス機構およびレンズに依存する経験的に決定された定数である。
[0039]マークのドット間の距離およびモータ位置が分かっている場合、
等式2 オフセット=β×マークのドット間の距離×(γ+モータ位置)
ただし、βおよびγの値は、オートフォーカス機構およびレンズに依存する経験的に決定された定数である。
【0039】
[0040]マークのドット間の距離が画像において、(ピクセル数で)計測される場合、
等式3 オフセット=η×ドット間の計測距離
ただし、ηの値は、オートフォーカス機構およびレンズに依存する経験的に決定された定数である。
【0040】
[0041]上記のように、特定の実施形態では、マークまでの距離が計測され、次いで、モータ位置が、この距離に従って設定される。他の実施形態においては、受動的なオートフォーカスが用いられ得、受動的なオートフォーカスでは、各種のモータ位置で得られた画像が解析されて、最善の焦点位置が見つけられる。この場合、実際の距離は分かっていないが、それでもオフセットは、上記の等式2および等式3を使用して計算され得る。
【0041】
[0042]ここで、
図5を参照すると、バーコード、QRコード(登録商標)または他のマークを読み込む例示的なシステム(この例では、モータ駆動オートフォーカスシステムを利用する)が、ブロック図形式で表される。システムの動作は、不揮発性メモリ104またはランダムアクセスメモリ108に記憶される命令およびデータで動作するプログラムされたプロセッサ100によって、制御される。プロセッサ100と、メモリ104および108ならびにシステムの他のコンポーネントとの間の通信は、112で表される1つまたは複数のバスを使用して行われる。
【0042】
[0043]この例示的なシステムにおいて、デコーダは、ハードウェアデコーダモジュールでもよく、または、ソフトウェアもしくは実装されたファームウェアまたはそれらの任意の組み合わせでもよく、いずれの場合もデコーダ110により表される。
【0043】
[0044]この例示的なシステムにおいて、画像取得モジュール120は、実装されたハードウェアもしくはソフトウェアもしくはファームウェア、または、これらの任意の組み合わせであってもよい。画像取得モジュール120は、マークから反射された光がキャプチャされるレンズまたはレンズシステム124と協働して動作する。レンズ124は、オートフォーカスモータコントローラ132に応答するオートフォーカスモータ128を使用して、焦点を合わせられる。ユーザからの入力およびユーザへの出力は、ユーザインターフェース136(入力/出力またはI/O136)により与えられる。
【0044】
[0045]動作において、プロセッサ100により制御される画像取得モジュール120は、撮像されるマークに対する距離計測を提供する。画像取得モジュール120は次に、オートフォーカスモータコントローラ132が、算出オフセットを含む距離にモータ128(そして、したがってレンズ124)を位置決めするようにさせる命令を、プロセッサ100によって、オートフォーカスモータコントローラ132に伝達し、ピーンによるドットのマージングを提供する。次に、画像取得モジュール120は、マークの画像をキャプチャして、画像がデコーダモジュール110によって、アクセスされて、デコードされるメモリに、画像を送信する。入力/出力132は、特定の実施形態で、ユーザによって用いられることができ、ドットピーン画像が取得されるべきか否か、および、したがって、オフセットがモータ位置に適用されるべきか否かを制御できる。
【0045】
[0046]
図5のシステムの動作の例示的なプロセスは、200で始まる
図6として、フローチャート形式で表される。202で、画像取得モジュールは、マークまでの距離を計測する。206で、焦点位置(この例でモータ位置である)は、マークを焦点が合うように計測された距離に対して算出される。
【0046】
[0047]210で、プロセスは、ユーザがドットピーンモードの動作を選択したか否かを判定する。ユーザがドットピーンモードの動作を選択した場合は、オフセットは214で算出され、そのオフセットは、218で焦点位置(この例のモータ位置)に加算される。次に、オートフォーカスシステムは、レンズがオフセットで位置決めされるようにさせ、222でオフセット焦点位置に位置決めされ、それによって、隣接するドットをマージする。次に、画像は226で取得され、プロセスは230で完了する。
【0047】
[0048]システムが210でドットピーンモードでない場合には、オフセットが適用されないのが望ましい。したがって、オフセット値は、234でゼロに設定される。このゼロオフセットは、214で算出されるいかなるオフセットも上書きし、218でのモータ位置は206で算出したモータ位置と同じである。
【0048】
[0049]当業者であればまた、本教示を考慮すれば、いくつかのオートフォーカスシステム(例えば、液体レンズオートフォーカスシステム)はモータを使用しないということを理解するであろう。しかしながら、本教示は、任意の公知のオートフォーカスシステムの焦点位置にオフセットを適用することによって、そのようなシステムにも適用され得る。
【0049】
[0050]明細書および/または図面において、本発明の特定の実施形態が開示されている。本発明は、このような例示的な実施形態に限定されるものではない。「および/または」という用語の使用は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。図面は、概略的な表現であり、したがって、必ずしも一定の比率で描画されているわけではない。特に明記しない限り、特定の用語は、一般的かつ説明的な
意味で使われており、限定の目的のためではない。
【符号の説明】
【0050】
10 デコーダ
20 画像取得システム
100 中央処理装置
104 不揮発性メモリ(ROM、FLASH(登録商標)など)
108 ランダムアクセスメモリ
110 デコーダモジュール
120 画像取得モジュール
128 モータ
132 オートフォーカスモータコントローラ
136 入力/出力
【手続補正書】
【提出日】2022-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって実行される方法であって、
レンズからドットピーンマークまでの距離を計測するステップと、
前記レンズを前記ドットピーンマークに焦点合わせするオートフォーカスシステムのための焦点位置を算出するステップと、
オフセットを決定するステップと、
算出された前記焦点位置に
決定された前記オフセットを適用して、オフセット焦点位置を求めるステップと、
前記オートフォーカスシステムを前記オフセット焦点位置に設定するステップと、
前記オフセット焦点位置に設定された前記オートフォーカスシステムにより前記マークの画像を取得するステップと、
を含み、
前記オフセットを決定するステップが、以下の等式、
【数1】
オフセット=β×マークのドット間の距離×(γ+モータ位置)、
および
オフセット=η×ドット間の計測距離
のうちの1つを使用して前記オフセットを算出するステップを含み、
ただし、α、βおよびγならびにηの値は、オートフォーカス機構および前記レンズに依存する定数である、方法。
【請求項2】
前記オフセットが、前記ドットピーンマーク内の隣接するドットを前記取得された画像においてマージされているように見えさせる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記オフセットを決定するステップが、記憶値を参照することによって、オフセット値を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
取得されるべき前記画像がドットピーンマークの画像であるか否かを判定して、取得されるべき画像がドットピーンマークの画像でない場合には、前記オフセットをゼロに設定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ドットピーンマークの前記取得された画像を用いることによって、前記ドットピーンマークをデコードするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
レンズと、
制御信号に従って前記レンズを操作するオートフォーカスシステムと、
前記レンズからドットピーンマークまでの距離を計測する画像取得システムと、
プロセッサであって、
前記レンズを前記ドットピーンマークに焦点合わせするオートフォーカスシステムのための焦点位置を算出し、
オフセットを決定し、
算出された前記焦点位置に
、決定された前記オフセットを適用して、オフセット焦点位置を求め、
前記オートフォーカスシステムを前記オフセット焦点位置に位置決めし、
前記画像取得システムを介して、前記オフセット焦点位置に設定された前記オートフォーカスシステムにより前記マークの画像を取得し、
前記オフセットの値が、以下の等式、
【数2】
オフセット=β×マークのドット間の距離×(γ+モータ位置)、
および
オフセット=η×ドット間の計測距離
のうちの1つを使用して前記オフセットを算出することにより決定され、
ただし、α、βおよびγならびにηの値は、前記オートフォーカスシステムおよび前記レンズに依存する定数である、マークリーダ装置。
【請求項7】
前記オフセットが、前記ドットピーンマーク内の隣接するドットを前記取得された画像においてマージされているように見えさせる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記オフセットを決定することが、記憶値を参照することによって、オフセット値を決定することを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサが、取得されるべき前記画像がドットピーンマークの画像であるか否かを判定し、取得されるべき画像がドットピーンマークの画像でない場合には、前記オフセットをゼロに設定するようにさらにプログラムされる、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記ドットピーンマークの前記取得された画像を用いて前記ドットピーンマークをデコードするデコーダをさらに備える、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記オートフォーカスシステムが、モータを含み、前記オフセットが、前記モータの位置へのオフセットを含む、請求項6に記載の装置。
【外国語明細書】