IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社バンダイの特許一覧

<>
  • 特開-人形体、及び回動機構 図1
  • 特開-人形体、及び回動機構 図2
  • 特開-人形体、及び回動機構 図3
  • 特開-人形体、及び回動機構 図4
  • 特開-人形体、及び回動機構 図5
  • 特開-人形体、及び回動機構 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105689
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】人形体、及び回動機構
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/36 20060101AFI20220707BHJP
【FI】
A63H3/36 Z
A63H3/36 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022085601
(22)【出願日】2022-05-09
(62)【分割の表示】P 2020218972の分割
【原出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 俊
(57)【要約】
【課題】本発明は、例えば人形体本体の可動域を制限することなく好適に装飾部を設け、より自由度の高い動作や多彩なポージングを実現する仕組みを提供する。
【解決手段】本人形体は、本体部と、本体部に設けられたそれぞれの連結部に一端が接続されるそれぞれの連結部材と、それぞれの連結部材を介して本体部に対して回動可能に装着される装飾部であって、それぞれの連結部材の他端が接続されるそれぞれの連結部を有する装飾部とを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人形体であって、
前記人形体の本体部と、
前記本体部に設けられたそれぞれの連結部に一端が接続されるそれぞれの連結部材と、
前記それぞれの連結部材を介して前記本体部に対して回動可能に装着される装飾部であって、前記それぞれの連結部材の他端が接続されるそれぞれの連結部を有する前記装飾部と
を備えることを特徴とする人形体。
【請求項2】
前記本体部に設けられる前記それぞれの連結部と、前記装飾部に設けられる前記それぞれの連結部とは、球形状で形成され、
前記それぞれの連結部材は、前記本体部及び前記装飾部に対して、それぞれ所定の範囲内で全方向に回動可能に軸支されることを特徴とする請求項1に記載の人形体。
【請求項3】
前記本体部に設けられる前記それぞれの連結部は、前記人形体の腰部に設けられ、
前記装飾部は、前記人形体の腰部前方又は腰部後方に装着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の人形体。
【請求項4】
前記本体部に設けられる前記それぞれの連結部は、前記人形体の上体が装着される前記腰部に設けられた軸部の前方側面の両側にそれぞれ設けられ、
前記それぞれの連結部材は、前記軸部の側面をそれぞれ回動可能に軸支されることを特徴とする請求項3に記載の人形体。
【請求項5】
前記人形体の腰部前方又は腰部後方に装着される前記装飾部は、前記人形体の脚部の動きに追従して動作可能であることを特徴とする請求項3又は4に記載の人形体。
【請求項6】
前記装飾部は、前記本体部の動作とは独立して動作可能であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の人形体。
【請求項7】
前記装飾部は、前記本体部に対してひねり動作が可能であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の人形体。
【請求項8】
人形体の本体部に装着される装飾部の回動機構であって、
前記本体部に設けられた球形状のそれぞれの第1連結部に対して、それぞれの連結部材の一端が回動可能に軸支される第1回動部と、
前記装飾部に設けられた球形状のそれぞれの第2連結部に対して、前記それぞれの連結部材の他端が回動可能に軸支される第2回動部と
を備えることを特徴とする回動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形体、及び回動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
人間や動物の動きに近い動作やポージングを実現すべく、人形玩具(人形体)には種々の関節や可動部が含まれる。これらの機構により様々なポージングを実現することができる。また、人形体には、上記動作を実現する本体に加えて更に武具や防具、スカートなど(以下では、これらを総称して装飾部と称する。)が装着される。これらの装飾部は本体に密着して装着されるため、本体の可動域を狭める結果となる虞がある。従って、このような装飾部は、本体である、例えば腕部や脚部と連動して動作することが望ましい。
【0003】
特許文献1には、肢体の動きに応じたアーマーの動きを複雑にし、該アーマーの動きに現実味を持たせるようにした人形体が提案されている。この人形体においては、本体に対して関節機構を介して接続された肢部に本体側と異なる側部を覆うアーマーが配置され、当該アーマーは上体との間にボールジョイントを介して回動自在に連結され、さらに肢部との間に回動可能な接続パーツを介して連結されている。これにより、肢部の動きに追従して動作するアーマーを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-73325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、肢部や腕部に沿って設けられるアーマーについてそれらの動きに追従するものである。一方で、装飾部には本体に沿って設けられるものの他、本体に沿っていないものも当然含まれる。例えば腰部フロントのアーマーなどは本体に沿って設けられない場合も多く、上記従来技術を適用することは難しい。しかし、このような腰部フロントのアーマーにおいても、脚部の可動域に設けられるものであり、その動きに制限を与えてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、例えば人形体において、人形体本体の可動域を制限することなく好適に装飾部を設け、より自由度の高い動作や多彩なポージングを実現する仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば人形体であって、前記人形体の本体部と、前記本体部に設けられたそれぞれの連結部に一端が接続されるそれぞれの連結部材と、前記それぞれの連結部材を介して前記本体部に対して回動可能に装着される装飾部であって、前記それぞれの連結部材の他端が接続されるそれぞれの連結部を有する前記装飾部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、例えば人形体の本体部に装着される装飾部の回動機構であって、前記本体部に設けられた球形状のそれぞれの第1連結部に対して、それぞれの連結部材の一端が回動可能に軸支される第1回動部と、前記装飾部に設けられた球形状のそれぞれの第2連結部に対して、前記それぞれの連結部材の他端が回動可能に軸支される第2回動部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、人形体本体の可動域を制限することなく好適に装飾部を設け、より自由度の高い動作や多彩なポージングを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る人形体の外観正面の一例を示す図。
図2】一実施形態に係る人形体の腰部の斜視図及び分解図。
図3】一実施形態に係る人形体の腰部の詳細な斜視図及び分解図。
図4】一実施形態に係る装飾部の分解図。
図5】一実施形態に係る装飾部の回動機構を示す図。
図6】一実施形態に係る装飾部の回動機構を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
<人形体の外観>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る人形体100の外観構成の一例について説明する。図1は人形体100の外観正面を示す。図1(a)は人形体100の外観正面を示し、図1(b)は人形体100の外観側面を示す。
【0013】
人形体(人形玩具)100は、本体部を構成する頭部101、胴体部102、腕部103、腰部104、及び脚部105を備える。頭部101は胴体部102に連結される。胴体部102には、さらに右腕及び左腕を含む腕部103が連結され、下部において腰部104が連結される。腰部104には右足及び左足を含む脚部105が連結される。なお、以下では、頭部101、胴体部102、及び腕部103を含む上半身を上体部と称する。腰部104は、図1において点線で示される領域に位置し、人形体100の上体部が連結される腰関節と、左右の脚部105が連結される股関節とが含まれる。また、腰部104には、人形体100の武器、防具(アーマー)、スカート等の衣服などの装飾部が外側に設けられてもよい。本実施形態では、装飾部の一例として腰部104に連結されるアーマーを例に説明するが、本発明を限定する意図はなく、他の種類の装飾部であってもよく、人形体の他の位置に連結されるものであってもよい。
【0014】
<腰部の構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る人形体100の腰部の構成例について説明する。図2は腰部104の中心部材から、当該腰部104の側部材と、腰部104の前方に装着されるアーマーとを取り外した状態の分解図を示す。なお、上下、左右、前後の矢印については図における人形体の向きを示し、他の図面についても同様である。
【0015】
腰部104は、腰部中心部材201及び腰部側部材203、204を備える。また、腰部104には、腰部中心部材201に対してアーマー202が回動可能に装着される。腰部中心部材201は、その上部から人形体100の胴体部102が装着され、人形体100の腰関節として機能する。また、腰部中心部材201の両側からそれぞれ腰部側部材203、204が装着される。腰部側部材203、204は、人形体100の脚部105がそれぞれに接続され、人形体100の股関節として機能する。腰部中心部材201とアーマー202との詳細な接続構成については図4を用いて後述する。なお、ここでは、本実施形態に係る装飾部としてアーマー202を人形体100の腰部前方に装着する例について説明する。しかし、本発明を限定する意図はなく、人形体100の他の位置に装着される場合であっても本発明を適用することができる。例えば、腰部後方に設けられるものであってもよい。また、人形体100の腕部103に追従して動作するように、人形体の胴体部102の外側に設けられるものであってもよい。
【0016】
<腰部の詳細構成>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る腰部104の詳細構成について説明する。図3図2の分解図から更に腰部中心部材201を構成する各部材を分解した図を示す。
【0017】
図3に示すように、腰部中心部材201は、基礎部材201a、軸部材201b、カバー部材201c、201d、側部材201e、201f、及び嵌め具201gを含んで構成される。軸部材201bは球形状の連結部(ボール)が基礎部材201aの開口部に嵌め込まれ、その軸部が前後左右に回動可能に装着される。軸部材201bには、胴体部102が装着される。胴体部102は軸部材201bに対して左右に回動可能に装着されるとともに、軸部材201bの動作に追従して回動することもでき、多軸での回動を行うことができる。
【0018】
カバー部材201c、201dは、基礎部材201a及び軸部材201bを覆うように装着されて、互いに嵌合され、上側から嵌め具201gが装着されることにより固定される。側部材201e、201fは、基礎部材201aの左右両側から基礎部材201aを覆うように装着され、互いに嵌合され固定される。側部材201e、201fには開口部がそれぞれ設けられており、基礎部材201aの両側に設けられたそれぞれ円筒形状の部分(軸部材406a、406b)が貫通する。当該円筒形状の部分にはそれぞれ腰部側部材203、204が回動可能に装着される。これにより、それぞれの脚部105が装着される腰部側部材203が人形体100において前後方向に回動可能となり、さらにはその脚部105も腰部側部材203に対して回動可能に装着されるため、種々の動作やポージングを実現することができる。なお、脚部105は、不図示の大腿部が人形体100の左右方向に回転可能であってもよく、この場合脚部105を内側や外側に回転させることができ、さらに多くの動作やポージングを行うことができる。しかし、本実施形態で示すように、腰部前方にはアーマー202が装着されているため、当該アーマー202の動作範囲によっては脚部105の可動域を狭めてしまう可能性がある。そこで、本発明によれば、人形体本体の可動域を制限することなく好適に装飾部を設け、より自由度の高い動作や多彩なポージングを実現する仕組みを提供する。詳細な構成について図4乃至図6を用いて説明する。
【0019】
<装飾部の接続構成>
次に、図4を参照して、本実施形態に係るアーマー202の詳細構成について説明する。図4は基礎部材201a、アーマー202、及び連結部材403、404を人形体100の左後方から見た分解斜視図である。
【0020】
腰部基礎部材201aには、前方側面にそれぞれ球形状の連結部(ボール)405a、405bが設けられる。また、軸部材201aが嵌め込まれる開口部407の側面には、それぞれ腰部側部材203、204が回動可能に装着される円筒形状の軸部材406a、406bが設けられる。また、アーマー202には、裏面にそれぞれ球形状の連結部402a、402bが設けられる。
【0021】
連結部材403、404のそれぞれには、一端403a、404a、他端403b、404bとが設けられる。一端403a、404aには、腰部基礎部材201aに設けられた球形状の連結部405a、405bを嵌め込むための凹部が形成され、連結部材403、404を人形体本体に対して前後方向に回動可能に軸支することができる。当該凹部は球形状の連結部405a、405bを受け入れ可能な球形状の開口部を形成する。このように、人形体本体と連結部材403、404とはボールジョイントであるため、他の部材との接触等により空間的な制限はあるものの、連結部材403、404は多方向(全方向)に所定の範囲で回動可能である。
【0022】
一方、他端403b、404bには、アーマー202に設けられた球形状の連結部(ボール)402a、402bが嵌め込まれる凹部が形成され、アーマー202が人形体本体に対して前後方向に回動可能に連結部材403、404を軸支することができる。当該凹部は球形状の連結部402a、402bを受け入れ可能な球形状の開口部を形成する。このように、アーマー202と連結部材403、404とについてもボールジョイントであるため、他の部材との接触等により空間的な制限はあるものの、アーマー202は連結部材403に対して多方向に所定の範囲で回動可能である。
【0023】
このように、本実施形態によれば、アーマー202を直接的に人形体本体に装着するのではなく、連結部材403、404を介して装着することにより、人形体本体とは独立した動作が可能となり、その動作により自由度を与えることができる。また、連結部材403、404が接続される人形体本体の連結部405a、405bと、アーマー202の連結部402a、402bとがそれぞれ球形状で形成されることにより、それぞれが多方向に回動することが可能となる。即ち、他の部材による制限がなければ連結部材403、404は、その各接続部において全方向に回動可能であり、それによりアーマー202が多彩な動作を行うことができ、脚部105の動作を妨げることなく当該脚部105に追従して動作することが可能である。また、本実施形態に係る装飾部であるアーマー202は、人形体本体との連結部(第1回動部)と、アーマーとの連結部(第2回動部)との二段階の回動が可能であり、例えば第1回動部が回動した後に更に第2回動部が回動することができ、より可動域を広げることができる。以下では、詳細な回動機構について図5及び図6を用いて説明する。
【0024】
また、ここでは、アーマー202を2つのアーム(連結部材403、404)で人形体100に対して装着する。このように2つのアームにより装飾部を接続することにより様々な効果を得ることができる。例えば、人形体100の腰部104の前面とアーマー202の裏面との接触部分の間に空間を確保できない場合には連結部材が入り込むこととなり、アーマーが人形体に対して浮いた状態となる。2つのアームを用いる場合にはこのような空間的な制限を回避することができ、アーマーを人形体本体に密着して装着することができる。また、2つのアームでアーマーを連結することにより、より強固に人形体に対してアーマーを装着することができる。なお、空間的な制限を回避することが可能であれば、1つの連結部材によってアーマーを軸支することも可能である。この場合の形態については変形例として後述する。
【0025】
<装飾部の回動機構>
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る装飾部の回動機構について説明する。まず、図5を参照して、本実施形態に係る装飾部であるアーマー202が人形体100に対して前後方向に回動する回動機構について説明する。図5(a)乃至図5(d)は、腰部基礎部材201a、アーマー202、及び連結部材403を人形体100の右方向から見た側面図を示す。なお、ここでは、連結部材403の動きについて説明するが、連結部材404についても同様の動きとなるため説明を省略する。
【0026】
連結部材403はその一端403aが腰部基礎部材201aの連結部405aに嵌め込まれて回動可能に軸支され、第1回動部を形成する。図5(a)及び図5(b)に示すように、連結部材403は、第1回動部によって人形体100の前後方向に回動することができる。それに従い、連結部材403に連結されたアーマー202も追従して、人形体100に対して前後方向に動作する。
【0027】
また、連結部材403はその他端403bがアーマー202の連結部402aに嵌め込まれて回動可能に軸支され、第2回動部を形成する。図5(c)及び図5(d)に示すように、アーマー202は、第2回動部によって人形体100の前後方向に回動することができる。
【0028】
本実施形態に係る装飾部であるアーマー202は、第1回動部及び第2回動部により、二段階で回動可能であり、より広範囲の可動域を有することができる。
【0029】
続いて、図6を参照して、本実施形態に係る装飾部であるアーマー202が人形体100に対して左右方向に回動する回動機構について説明する。図6(a)乃至図6(c)は、腰部基礎部材201a、アーマー202、及び連結部材403を人形体100の上方向から見た平面図を示す。
【0030】
上述しているように、連結部材403、404は、その一端403a、404a及び他端403b、404bがそれぞれ人形体100とアーマー202とをボールジョイントで連結する。したがって、それぞれの連結部において、他の部材との接触により所定の範囲内で、図5で説明した人形体100に対して前後方向とは異なる方向、例えば左右方向に回動することが可能である。図6(a)は装着されたアーマー202が通常の位置に配置された様子を示す。
【0031】
図6(a)の状態から各連結部において連結部材403、404が右方向に回動する様子を図6(b)に示す。図6(b)では連結部材403、404が回動する様子を示すためアーマー202を省略して図示している。一方、図6(c)は、図6(b)と同様に連結部材が右方向に回動した様子を示すが、連結部材403、404を点線で図示し、連結部材403、404に追従して右方向に回動したアーマー202を実線で示す。このように、本実施形態に係る装飾部であるアーマー202は人形体100の右方向へ回動することにより、右方向へのひねり動作を行うことができる。当然のことながら、連結部材403、404が左方向に回動した場合にはアーマー202は左方向へのひねり動作も行うことができる。
【0032】
このように、第1回動部及び第2回動部がそれぞれ人形体100に対して左右方向に回動可能であるため、アーマー202を左右方向へのひねり動作を実現することができる。このようなひねり動作は、脚部105の大腿部を持ち上げた姿勢や動作などにおいてはその動きに追従してアーマー202を動作することができ、脚部105の動作を制限することなく人形体本体の多彩なポージングや自然な動作を実現することができる。
【0033】
なお、ここでは、アーマー202が人形体100に対して前後方向及び左右方向に動作可能であることについて説明したが、これらの動作は単なる一例である。上述したように、第1回動部及び第2回動部はボールジョイントの形態をとることから、その他の方向についても回動可能である。つまり、上述した前後方向及び左右方向に加えてさらに異なる他の方向(全方向)にも回動可能であるため、より多彩なポージングや自然な動作を実現することができる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る人形体は、本体部と、本体部に設けられたそれぞれの連結部に一端が接続されるそれぞれの連結部材と、それぞれの連結部材を介して本体部に対して回動可能に装着される装飾部であって、それぞれの連結部材の他端が接続されるそれぞれの連結部を有する装飾部とを有する。また、本人形体によれば、本体部に設けられるそれぞれの連結部と、装飾部に設けられるそれぞれの連結部とは、球形状で形成され、それぞれの連結部材は、本体部及び装飾部に対して、それぞれ所定の範囲内で全方向に回動可能に軸支される。このような構成により、本人形体によれば、2つのアーム(連結部材)で人形体本体に対してアーマーを多方向へ回動可能に軸支し、人形体本体の種々の動作に追従してアーマーが回動可能であり、人形体本体の多彩なポージングや自然な動作を実現することができる。このように、本発明によれば、人形体本体の可動域を制限することなく好適に装飾部を設け、より自由度の高い動作や多彩なポージングを実現することができる。
【0035】
<変形例>
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。上記実施形態では、連結部材403、404については特に限定していないが、他の部材と同様の材質、素材で形成されるものである。一方で、これらの連結部材を例えば他の部材よりも柔軟な素材で形成してもよい。これにより、上述したひねり動作を連結部材の柔軟性に応じてさらにひねりの程度を増大することが可能となる。
【0036】
また、上記実施形態では、アーマー202を2つのアーム(連結部材403、404)で人形体100に対して装着する例について説明した。これにより、アーマー202を人形体本体、例えば腰部104に密着して装着する効果やより強固に装着する効果を得ることができる。しかし、空間的な制限等が回避されるのであれば1つのアームによって装飾部を人形体に対して装着してもよい。この場合、アーマー又は人形体には、当該アームを取り込むことが可能な凹部が形成されることが望ましい。これにより、アーマーと人形体とを密着して装着することができ、アームによって浮いた状態で装着されることを防止することができる。また、1つのアームで装着可能であれば、より制限なく動作が可能であり、更には部材を低減することができ簡易的な構造を実現することができる。
【0037】
また、人形玩具(人形体)の形状は、特に限定されるものではなく、人、動物、ロボット、昆虫、恐竜等、様々な形状を含むものである。
【符号の説明】
【0038】
100:人形体、101:頭部、102:胴体、103:腕部、104:腰部、105:脚部、201:腰部中心部材、201a:基礎部材、201b:軸部材、201c、201d:カバー部材、201e、201f:側部材、201g:嵌め具、202:アーマー、402a、402b:連結部、403、404:連結部材、405a、405b:連結部、406a、406b:軸部材、407:開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6