IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ナベルの特許一覧

特開2022-105765卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法
<>
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図1
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図2
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図3
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図4
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図5
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図6
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図7
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図8
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図9
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図10
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図11
  • 特開-卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105765
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/00 20060101AFI20220707BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
B25J13/00 Z
B25J15/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087486
(22)【出願日】2022-05-30
(62)【分割の表示】P 2019224975の分割
【原出願日】2019-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】阿部 圭介
(72)【発明者】
【氏名】大島 祥吾
(57)【要約】
【課題】自動で卵パックを移動式のラックに移載する卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法を提供する。
【解決手段】卵パックの移載ロボットシステム10は、卵パックPを移動式ラック(ロールインナーR)に移載するもので、ロボットヘッド1と、ロボットアーム2と、制御部3とを備える。ロボットヘッド1は、卵パックPを把持する把持部11を備える。ロボットアーム2は、ロボットヘッド1の位置姿勢を変更可能なものである。制御部3は、ロボットヘッド1とロボットアーム2の動きを制御し、ロールインナーRに設けられた折り畳み式の棚板R1の下方の空間に、把持部11で把持した卵パックPを移動させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵パックを把持する把持部を備えたロボットヘッドと、
前記ロボットヘッドの位置姿勢を変更可能なロボットアームと、
前記ロボットヘッドとロボットアームの動きを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、移動式のラックに設けられた折り畳み式の棚板の下方の空間に、前記把持部で把持した卵パックを移動させる、卵パックの移載ロボットシステム。
【請求項2】
前記制御部は、前記把持部で把持される卵パックの重心よりも長手方向一端側にずれた場所に、前記ロボットアームの先端を位置させて卵パックを移動させる、請求項1記載の卵パックの移載ロボットシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記ロボットヘッドで把持した卵パックと前記移動式のラックに先に積まれた卵パックに設けられた突起及び前記棚板との干渉を避けるように卵パックを移動させる、請求項1または2記載の卵パックの移載ロボットシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記折り畳み式の棚板を展開させる、請求項1、2または3記載の卵パックの移載ロボットシステム。
【請求項5】
請求項1、2、3または4記載の卵パックの移載ロボットシステムを用いた収納方法であって、
前記ロボットヘッドが届く範囲に前記移動式のラックを配置するステップと、
前記ロボットヘッドを卵パックの所定箇所に位置付けて当該卵パックを把持するステップと、
前記ロボットヘッドで把持した卵パックを前記空間に移動させるステップと、
移動後の卵パックの下端を下の段の突起の内側に位置させるステップとを備える、収納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵パックを移動式のラックに移載する卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPセンターにて卵がパック詰めされた卵パックは、段ボール箱やコンテナに箱詰めされたり、ロールインナーと呼ばれる専用の移動式のラックに載せられたりする。
【0003】
卵パックを箱詰めするものとして、下記特許文献1に記載のものがある。また、卵パックを収納する移動式のラック(ロールインナー)について、下記特許文献2に記載のものが知られている。
【0004】
ロールインナーは、複数の棚を備え、各棚に卵パックが積み重ねられた状態で載せられる。この状態で、ロールインナーは移動され、そのまま売り場に陳列が可能である。そのため、ロールインナーは、卵パックの棚からの落下防止のために複雑な形状をしていたり、折り畳み部分があったりする。
【0005】
卵パックは、ロールインナーに複数段に積まれた状態で、GPセンターから売り場へと移動させられる。複数段に積まれた状態での移動に耐えられるように、以下のような特徴がある。まず、ロールインナーは、側面の3方向が柵で囲まれている。そして、ロールインナーは、出し入れ側にもこぼれ止めが付いている。また、ロールインナーは、棚板を複数枚備え、棚一段あたり4~5個(4~5段)の卵パックを積み上げる。そして、卵パックが横方向にずり落ちないように、卵パック自体が、上下に積まれた卵パックの横ずれを抑制できる形状になっている。
【0006】
また、輸送効率を上げるために、以下のような特徴がある。1つ目は、ロールインナーの1段あたり、できるだけ多くの卵パックを積みたい。言い換えれば、柵の内側ギリギリの場所まで、また、棚板の下方ギリギリの場所まで卵パックを置きたいという要望がある。これには、卵パックを棚に詰めて置き、卵パック同士で拘束し合って卵パックが所定位置から大きく動かないようにすることで、輸送時の卵の割れを防止するという理由もある。さらに、2つ目の特徴は、非使用時にコンパクトに収容できるように、棚板や柵が折り畳み式になっている点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-177325号公報
【特許文献2】実用新案登録第3209255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2記載の移動式のラック(ロールインナー)に卵容器を収納する作業は、人手により行われており、いまだ自動化が達成されていない。
【0009】
ロールインナーの一番上段の棚板に卵パックを積み込むときは、上方が開放空間となっているため、特許文献1とほぼ同じ動きで積み込むことが可能である。しかしながら、それ以外の棚板に卵パックを積み込むことに対しては、上述した要因(ロボットヘッドにとっては障害物である)が自動化を妨げている。
【0010】
卵パックをロールインナーに収納しようとした場合、卵パックが障害物にあたらないように複雑な動作が必要となったり、折り畳み部分を展開操作したりしなければならないので、人手に代わってロボットを用いる特許文献1に開示されている技術を、そのまま適用することができないという課題があった。
【0011】
そこで、本発明は、前記従来技術の課題を解決する卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の卵パックの移載ロボットシステムは、ロボットヘッドと、ロボットアームと、制御部とを備える。ロボットヘッドは、卵パックを把持する把持部を備える。ロボットアームは、ロボットヘッドの位置姿勢を変更可能なものである。制御部は、ロボットヘッドとロボットアームの動きを制御し、移動式のラックに設けられた折り畳み式の棚板の下方の空間に、把持部で把持した卵パックを移動させる。
【0013】
本発明の卵パックの移載ロボットシステムを用いた収納方法は、前述した卵パックの移載ロボットシステムにおいて、ロボットヘッドが届く範囲に移動式のラックを配置するステップと、ロボットヘッドを卵パックの所定箇所に位置付けて当該卵パックを把持するステップと、ロボットヘッドで把持した卵パックを空間に移動させるステップと、移動後の卵パックの下端を下の段の突起の内側に位置させるステップとを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、自動で卵パックを移動式のラックに移載する卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法を提供できる。
【0015】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態にかかる卵パックの移載ロボットシステムを示す側面図。
図2】同実施形態の卵パックの移載ロボットシステムを示す側面図。
図3】同実施形態の卵パックの移載ロボットシステムを用いた収納方法を説明するために拡大して示した側面図。
図4】同実施形態の卵パックの移載ロボットシステムを用いた収納方法を説明するための平面図。
図5】同実施形態の卵パックの移載ロボットシステムを用いた収納方法を説明するための平面図。
図6】同実施形態の卵パックの移載ロボットシステムを使って棚を引き出す作動を示す側面図。
図7】同実施形態の卵パックの移載ロボットシステムを使った棚を引き出す作動を示す側面図。
図8】本発明の変形例を示す図1に対応する図。
図9図8を横から見た図。
図10】本発明の他の変形例を示す図1に対応する図。
図11図10を横から見た図。
図12】本発明の変形例を示す図3に対応する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態にかかる卵パックの移載ロボットシステム10の一例について、図1図7を用いて説明する。卵パックの移載ロボットシステム10は、搬送されてきた複数の卵パックPを移動式のラック(以下、「ロールインナーR」と記す。)に移載する。
【0018】
ロールインナーRは、複数枚の折り畳み式の棚板R1を備える。棚板R1は、手前側に引き出された使用状態と折り畳まれて奥側に位置する収納状態との間で状態変更可能である。使用状態の各棚板R1の上方には、卵パックPが収納される収納空間R2が形成される。収納空間R2には、卵パックPが上下に積み重ねられる。ロールインナーRは、さらに、棚板R1の周囲に配置される柵R3と、棚板R1の側縁に設けられるこぼれ止めR4と、柵R3の内側に設けられる棚板受け(図示しない)と、キャスター(図示しない)とを備える。
【0019】
卵パックPは、種々の大きさ、形状のものがある。図では、10個入りのもので、「フラットパック」と呼ばれる蓋の天面P1が平坦な卵パックPを示している。卵パックPは、上面側に突起P2を有する。突起P2は、例えば、天面P1の各コーナー部分に設けられている。突起P2は、上に積まれた卵パックPの位置ずれを防止する。
【0020】
卵パックの移載ロボットシステム10は、ロボットヘッド1と、ロボットアーム2と、制御部3とを備える。
【0021】
ロボットヘッド1は、把持部11を備える。把持部11は、複数の卵パックPを把持する。把持部11は、例えば、横方向に隣接する3つの卵パックPを保持することができる。把持部11は、複数の吸着部材12によって構成される。各吸着部材12は、蓋が閉じられた卵パックPの天面P1側を吸着する。各吸着部材12は、真空機構(図示しない)に接続されている。各吸着部材12は、上下方向に伸縮可能な蛇腹構造である。1つの卵パックPにつき、複数個(例えば6つ)の吸着部材12で保持する。なお、1つの卵パックPにつき、4つの吸着部材12で保持してもよいし、吸着された卵パックPが必要以上に傾かなければ、吸着部材12の配置方法はどのようなものであってもよい。
【0022】
ロボットアーム2は、ロボットヘッド1の位置姿勢を変更可能なものである。ロボットアーム2は、一時待機領域8とロールインナーRとの間でロボットヘッド1を移動させる。ロボットアーム2は、例えば、6軸垂直多関節ロボット等の、任意に作動する慣用の多関節ロボットが適用される。この他に、ロボットアーム2は、ロボットヘッド1をX軸、Y軸およびZ軸に対して、任意に移動させることができるロボットまたは装置など種々のものを採用できる。なお、一時待機領域8は、搬送装置9の下流側に設けられており、搬送装置9の上流側には、卵をパックに収容する包装装置(図示せず)が配置されている。
【0023】
制御部3は、ロボットヘッド1とロボットアーム2の動きを制御する。制御部3は、CPU、内部メモリ、入出力インターフェース、AD変換部などの専用のコンピュータまたは汎用のコンピュータによって構成される。内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、CPUおよびその周辺機器が協働することによって、制御部3としての機能が発揮される。
【0024】
制御部3は、ロールインナーRに設けられた折り畳み式の棚板R1の下方の空間に、把持部11で把持した卵パックPを移動させる。制御部3は、把持部11で把持される卵パックPの重心よりも長手方向一端側にずれた場所に、ロボットアーム2の先端21を位置させて卵パックPを移動させる。制御部3は、ロボットヘッド1で把持した卵パックPと障害物との干渉を避けるように卵パックPを移動させる。ここで「障害物」とは、例えば、ロールインナーRに先に積まれた卵パックPに設けられた突起P2や、複数個の卵パックPが積み上げられる空間の上方に存在する折り畳まれた状態の棚板R1などである。また、制御部3は、折り畳み式の棚板R1を展開させる。
【0025】
次に、卵パックの移載ロボットシステム10を用いた収納方法の一例について説明する。まず、ロボットヘッド1が届く範囲にロールインナーRを配置する。ロールインナーRは、卵パックPを移載する棚板R1を使用状態にしておき、それよりも上段側の棚板R1は収納状態にしておく。
【0026】
搬送装置9では、上流側から搬送された卵パックPが一時待機領域8に集められる。一時待機領域8に、例えば、3つの卵パックPが集まった状態で、移載動作が開始される。
【0027】
まず、制御部3は、集められた卵パックPの上方にロボットヘッド1を移動させる。その際、制御部3は、把持部11で把持される卵パックPの重心よりも長手方向一端側にずれた場所に、ロボットアーム2の先端21を位置させる。また、ロボットヘッド1を卵パックPの所定箇所に位置付けて当該卵パックPを把持する。具体的には、ロボットアーム2の先端21は、前記卵パックPの重心からずれた位置に回転中心が配置される。ロボットアーム2の先端21およびロボットヘッド1は、卵パックPの上方に位置する。ロボットヘッド1の下面側には、10個入りの卵パックPのうち、長手方向から6個分の卵に対応する部分を卵パックPの上面で吸着する把持部11を備える。言い換えれば、ロボットヘッド1は、卵パックPを片持ち状態で支持している。
【0028】
次に、制御部3は、ロボットヘッド1で把持した卵パックPをロールインナーR内の収納空間R2に移動させる。制御部3は、ロボットヘッド1で把持した卵パックPと障害物との干渉を避けるように、卵パックPをスライド移動させる。
【0029】
その後、図3に示すように、移動後の卵パックPの下端を下の段の突起P2の内側に位置させる。制御部3は、卵パックPの把持を解除する。
【0030】
なお、卵パックPを移動させるロールインナーR内の収納空間R2には、先に積まれた卵パックPの上面と収納状態の棚板R1の下面に囲まれた空間(奥側の空間)が含まれる。図4に示すように、奥側の空間に卵パックPを移動させる際には、ロボットアーム2の先端21およびロボットヘッド1は、奥側の柵R3から離れた側(手前側)に位置する。そして、卵パックPは、奥側の空間に縦向きに配置される。
【0031】
また、卵パックPを移動させるロールインナーR内の収納空間R2のうち、卵パックPを横向きに載置する空間に卵パックPを移動させる際には、図5に示すように、ロボットアーム2の先端21およびロボットヘッド1は、側方の柵R3から離れた側(中心側)に位置する。
【0032】
棚板R1の一段分を移載した後、図6及び図7に示すように、制御部3は、折り畳み式の棚板R1を展開させる。すなわち、折り畳み式の棚板R1は、卵パックPを移載する際と同じロボットヘッド1を用いて、収納状態から使用状態に展開される。具体的には、制御部3は、把持部11が棚板R1を吸着し、その状態のままロボットヘッド1を手前側に移動させることで、折り畳み式の棚板R1が展開される。収納状態の棚板R1は、下段の収納空間R2の上部の一部分のみを覆う一方、展開された使用状態の棚板R1は、下段の収納空間R2の上部の全体を覆う。
【0033】
以上説明したように、本実施形態にかかる卵パックの移載ロボットシステム10は、ロボットヘッド1と、ロボットアーム2と、制御部3とを備える。ロボットヘッド1は、卵パックPを把持する把持部11を備える。ロボットアーム2は、ロボットヘッド1の位置姿勢を変更可能なものである。制御部3は、ロボットヘッド1とロボットアーム2の動きを制御する。また、制御部3は、ロールインナーRに設けられた折り畳み式の棚板R1の下方の空間に、把持部11で把持した卵パックPを移動させる。そのため、従来技術の課題を解決して、自動で卵パックPを移動式のラックに移載できる。
【0034】
制御部3は、把持部11で把持される卵パックPの重心よりも長手方向一端側にずれた場所に、ロボットアーム2の先端21を位置させて卵パックPを移動させる。また、制御部3は、ロボットヘッド1で把持した卵パックPとロールインナーRに先に積まれた卵パックPに設けられた突起P2及び棚板R1との干渉を避けるように卵パックPを移動させる。そのため、ロールインナーRへの卵パックP積み込みという特殊な状況であっても自動化できる。
【0035】
制御部3は、折り畳み式の棚板R1を展開させるので、1台のロボットを用いて複数段の棚板R1への積み込みも可能となる。
【0036】
卵パックの移載ロボットシステム10を用いた収納方法は、ロボットヘッド1が届く範囲にロールインナーRを配置するステップと、ロボットヘッド1を卵パックPの所定箇所に位置付けて当該卵パックPを把持するステップと、ロボットヘッド1で把持した卵パックPを空間に移動させるステップと、移動後の卵パックPの下端を下の段の突起P2の内側に位置させるステップとを備える。この収納方法によれば、従来技術の課題を解決して、自動で卵パックPをロールインナーRに移載できる。また、積み重ねられた卵パックPに大きな位置ずれが生じることなく、ロールインナーRの移動に耐え得る。
【0037】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0038】
ロールインナーRへの卵パックPの並べ方は図示したものには限られない。例えば、ロールインナーRの手前側も奥側と同じように縦向きに卵パックPを並べてもよい。
【0039】
把持部11は、吸着タイプのものには限られない。例えば、図8及び図9に示すロボットヘッド1は、卵パックPを側方から把持する把持部13を備える。把持部13は、10個入りの卵パックPのうち、長手方向に沿ってほぼ全体を包み込むようにして把持する。把持部13は、図9の二点鎖線で示す位置に退避することで把持状態を解除する。
【0040】
また、図10及び図11にロボットヘッド1は、卵パックPを上下から把持する把持部14を備える。把持部14は、10個入りの卵パックPのうち、長手方向に沿ってほぼ全体を包み込むようにして把持する。具体的には、把持部14は、支持部材15と、協働部材16とを備える。支持部材15は、卵パックPの下面側に配置される。支持部材15は、例えば棒状のもので、卵の形状に沿った凹凸が設けられた下面の凹部P3に配置され、凹部P3内に収まっている。協働部材16は、支持部材15と協働して卵パックPが大きく傾いたり、横揺れしたりすることを抑制する。協働部材16は、例えば板状のもので、卵パックPの天面P1上に配置される。なお、協働部材16の形状や配置場所は、図示したものには限られない。把持部14は、例えば、図11の二点鎖線で示す位置に退避することで把持状態を解除する。また、図10に示すように、ロボットアーム2の先端21は、卵パックPの側方に位置していてもよい。
【0041】
把持部11が、吸着タイプのものである場合であっても、吸着部材12の形状、個数、配置は図示したものには限られない。吸着部材12は、卵パックPが大きく傾いたり、横揺れしたりすることを抑制できる形状、個数、配置の組み合わせが好ましい。
【0042】
卵パックPはフラットパックには限られない。例えば、図12に示すように、卵の形状に沿った凹凸が蓋に形成されている「レギュラーパック」であってもよい。レギュラーパックの場合、下段と上段とで卵半個分ずれて積み重ねられる。突起P2は、卵の形状に沿って蓋に設けられた凸部分である。突起P2は、上に積まれた卵パックPの位置ずれを防止する。また、卵パックPは、10個入りのパックに限らない。
【0043】
折り畳み式の棚板R1を展開させるステップは、卵パックPを移載するロボットとは異なる装置を用いるなどしてもよい。
【0044】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、卵パックを移動式のラックに移載する卵パックの移載ロボットシステム、およびそれを用いた収納方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10…卵パックの移載ロボットシステム
1…ロボットヘッド
11、13、14…把持部
2…ロボットアーム
3…制御部
P…卵パック
R…ロールインナー(移動式ラック)
R1…折り畳み式の棚板
R2…収納空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12