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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105894
(43)【公開日】2022-07-15
(54)【発明の名称】フェイスカバー
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220708BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A41D13/11 H
A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000504
(22)【出願日】2021-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】特許業務法人安田岡本特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下野 央子
(72)【発明者】
【氏名】城取 和明
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA07
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】感染症の感染対策とともに、夏季の暑い時期であっても涼しく呼吸がしやすく不快感を軽減するフェイスカバーを提供する。
【解決手段】フェイスカバー100は、上側が鼻側で下側が口側になるように平面に載置した状態において、左右方向の中央部が緩やかに上側へ出っ張った出っ張り部110と、左右に設けられた耳掛け用の穴部120と、略矩形状の左右端を接合するために、耳掛け用の穴部120よりもさらに端部側に設けられた接合部材130と、肌当接側の略中央部に設けられたメッシュ生地140と、鼻が当接する部位に設けられ、鼻の側面形状に沿うようにフェイスカバー100の形状を保持する、平面から浮いた保持部150と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の顔に装着され、鼻および口を含めて鼻より下方を被覆して目を被覆しないフェイスカバーであって、
前記フェイスカバーは、伸縮性を備えた生地で形成され、展開状態において左右略対称な略矩形状であって、装着状態において前記略矩形状の左右端が後頭部で接合され、
略矩形状の前記フェイスカバーを上側が鼻側で下側が口側になるように平面に載置した状態において、
左右方向の中央部が緩やかに上側へ出っ張った出っ張り部と、
左右に設けられた耳掛け用の穴部と、
前記フェイスカバーを着用者が装着する場合に、前記略矩形状の左右端を接合するために、前記耳掛け用の穴部よりもさらに端部側に設けられた接合部材と、
肌当接側の略中央部に設けられたメッシュ生地と、
鼻が当接する部位に設けられ、鼻の側面形状に沿うように前記フェイスカバーの形状を保持する、前記平面から浮いた保持部と、を含むことを特徴とする、フェイスカバー。
【請求項2】
展開状態の前記フェイスカバーを平面に載置して対称軸で2つ折りにした状態において、
前記出っ張り部の上端から前記耳掛け用の穴部の方向へ向かう前記フェイスカバーの上端を形成する線が、上下方向の下側が抉られた形状を備えることを特徴とする、請求項1に記載のフェイスカバー。
【請求項3】
前記生地の略中央部の略上端から少なくとも口が当接する部位まで前記メッシュ生地が貼付され、
前記メッシュ生地は前記生地よりも伸びにくく伸縮性が低く、
前記生地と前記メッシュ生地とは、少なくとも上側で貼付され、上下方向の中央部で貼付されておらず、
前記保持部は、前記生地に伸縮性が低い前記メッシュ生地が貼付されたことにより実現されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のフェイスカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者の顔に装着して鼻および口を含めて鼻より下方を被覆して目を被覆しないフェイスカバーであって、一般的なマスクが備える感染症の感染対策を実現できることに加えて、夏季の暑い時期であってもマスクよりも涼しく呼吸がしやすく不快感を軽減することができるフェイスカバーに関する。なお、軽減される不快感には、暑いこと、蒸れること、メイクの付着が気になること、マスクの形状に日焼けすること、ヘアスタイルが乱れること等々を含む。なお、本発明に係るフェイスカバーは、主として女性用に好ましいが、着用者の性別が限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
自転車または自動二輪車(原動機(ガソリンエンジン、電気モータなど)を搭載した二輪車であって所謂オートバイ)の運転者は、日焼け防止および/または埃防止などのために、通常、頭部を頭巾(単なる平面状の布)で覆って運転している場合がある。しかしながら、単なる平面状の布である頭巾で頭部を覆うという方法は、その方法(複雑な巻き方、結び方など)を身に付けていない限り速やかに完成できないために広く使用されていない傾向がある。
【0003】
このような傾向に鑑みて、両眼に対応する部位に長穴を備えた長い筒形状のヘッドウェアが開発されている。このヘッドウェアを頭部に装着したときに両眼が長穴から露出されることから、頭巾を使用するよりも比較的に便利で、より完全に覆われ、自転車または自動二輪車の運転にも支障が生じにくいというメリットがある。
このようなヘッドウェアについて、日よけ、防風、防塵などの効果を有するという、より理想的で実用性があるオリジナルな丸編み型ヘッドウェアが、実用新案登録第3181077号公報(特許文献1)に開示されている。
【0004】
この特許文献1に開示されたヘッドウェアは、使用者の頭部に装着する丸編み型ヘッドウェアであって、一体化丸編みで作られた、伸縮可能で、フレキシブルな中空筒状をしている長い筒状被り物であって、該長い筒状被り物は、対向した両端にそれぞれ、上被り口と下被り口が設けられている、前記長い筒状被り物と、透かした形で、一体化編みで、前記長い筒状被り物の片側に設けられる、少なくとも一つの眼部用透し孔であって、該眼部用透し孔は、使用者がそれを装着したとき、眼部が露出されるように設けられている、前記少なくともの一つの眼部用透し孔と、間隔孔からなり、一体化編みで、前記眼部用透し孔との間に間隔を開けて、前記長い筒状被り物の片側に設けられる間隔式口鼻透気部であって、該間隔式口鼻透気部は、使用者がそれを装着しているとき、口鼻部位の通気が行われるように設けられている、前記間隔式口鼻透気部(30)と、を含むことを特徴とする(特許文献1の請求項1)。また、前記長い筒状被り物における前記眼部用透し孔と前記間隔式口鼻透気部との間にある、対向した両側の間隔には更に、一体化編みで作られた耳部用透し孔が備わり、該耳部用透し孔は、単一孔形態または間隔孔形態からなり、前記耳部用透し孔の設置により、使用者がそれを装着しても、両耳がよく聞けるように設けられていることを特徴とする(特許文献1の請求項3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3181077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたヘッドウェアは、特許文献1の図4に示されるように、着用者の首部から頭部全部を含めて後頭部に上被り口が垂れるようにして装着されるために、頭部全部を含めて後頭部に上被り口が垂れているためにヘアスタイルが乱れるという問題点、夏季には暑かったり蒸れたりするという問題点、この暑さ対策のために前頭部に上被り口が来るように中空筒状の長さを短くすると(このヘッドウェアにおける耳部用透し孔は単なる孔に過ぎないので、マスクのように耳掛けゴム紐が耳に掛かるわけでもないために)重力により前頭部から上被り口が垂れてきてこのヘッドウェアが顔面からずれてしまうという問題点がある。さらに、眼部用透し孔の部分のみが日焼けするという問題点があるとともに、顔に施したメイクがヘッドウェアの内面に付着するという問題点がある。
【0007】
本発明は、従来技術の上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、着用者の顔に装着して鼻および口を含めて鼻より下方を被覆して目を被覆しないフェイスカバーであって、一般的なマスクが備える感染症の感染対策を実現できることに加えて、夏季の暑い時期であってもマスクよりも涼しく呼吸がしやすく不快感を軽減することができるフェイスカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るフェイスカバーは以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明に係るフェイスカバーは、着用者の顔に装着され、鼻および口を含めて鼻より下方を被覆して目を被覆しないフェイスカバーであって、前記フェイスカバーは、伸縮性を備えた生地で形成され、展開状態において左右略対称な略矩形状であって、装着状態において前記略矩形状の左右端が後頭部で接合され、略矩形状の前記フェイスカバーを上側が鼻側で下側が口側になるように平面に載置した状態において、左右方向の中央部が緩やかに上側へ出っ張った出っ張り部と、左右に設けられた耳掛け用の穴部と、前記フェイスカバーを着用者が装着する場合に、前記略矩形状の左右端を接合するために、前記耳掛け用の穴部よりもさらに端部側に設けられた接合部材と、肌当接側の略中央部に設けられたメッシュ生地と、鼻が当接する部位に設けられ、鼻の側面形状に沿うように前記フェイスカバーの形状を保持する、前記平面から浮いた保持部と、を含む。
【0009】
好ましくは、展開状態の前記フェイスカバーを平面に載置して対称軸で2つ折りにした状態において、前記出っ張り部の上端から前記耳掛け用の穴部の方向へ向かう前記フェイスカバーの上端を形成する線が、上下方向の下側が抉られた形状を備えるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記生地の略中央部の略上端から少なくとも口が当接する部位まで前記メッシュ生地が貼付され、前記メッシュ生地は前記生地よりも伸びにくく伸縮性が低く、前記生地と前記メッシュ生地とは、少なくとも上側で貼付され、上下方向の中央部で貼付されておらず、前記保持部は、前記生地に伸縮性が低い前記メッシュ生地が貼付されたことにより実現されるように構成することができる。
【0010】
さらに好ましくは、前記生地は、周縁である編地端が切りっぱなし仕様とされた編地を所定の形状に切り出して前記略矩形状を形成したように構成することができる。
さらに好ましくは、前記メッシュ生地の色は、人肌色であるように構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るフェイスカバーによれば、着用者の顔に装着して鼻および口を含めて鼻より下方を被覆して目を被覆しないフェイスカバーであって、一般的なマスクが備える感染症の感染対策を実現できることに加えて、夏季の暑い時期であってもマスクよりも涼しく呼吸がしやすく不快感を軽減することができるフェイスカバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係るフェイスカバーを上側が鼻側で下側が口側になるように平面に載置した場合の(A)表側の平面図、(B)図1(A)の1B-1B断面図、(C)裏側(肌当接側)の平面図、(D)図1(C)においてメッシュ生地の接着領域を示す平面図である。
図2図1において対称軸で2つ折りにした場合の(A)表側の平面図、(B)裏側(肌当接側)の平面図、(C)図2(A)において着用状態を示す側面図である。
図3】本発明の実施の形態に係るフェイスカバーの着用状態を示す斜視図(その1)である。
図4】本発明の実施の形態に係るフェイスカバーの着用状態を示す斜視図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態に係るフェイスカバー100を、図面に基づき詳しく説明する。
ここで、フェイスカバーの構造および製造方法には様々なものがあり、本発明は特定の構造および製造方法に限定されるものではない。すなわち、着用者の顔に装着され、鼻および口を含めて鼻より下方を被覆して目を被覆しないフェイスカバーであって、一般的なマスクが備える感染症の感染対策を実現できることに加えて、夏季の暑い時期であってもマスクよりも涼しく呼吸がしやすく不快感を軽減することができる特徴を備えたものであれば、どのようなフェイスカバーであってもよい。なお、軽減される不快感には、暑いこと、蒸れること、メイクの付着が気になること、マスクの形状に日焼けすること、ヘアスタイルが乱れること等々を含むが、全ての不快感を軽減できるものに本発明が限定されるものではない。ここで、フェイスカバーを構成する生地(織物、編地)の織組織、編み組織およびフェイスカバーを編成する織機、編機の種類は、後述する特徴を備えれば、どのようなものであっても構わない。そのため、以下に示すフェイスカバー100は、後述する特徴を除いて単なる例示でしかない。また、以下において、生地には織物と編地とを含むものであって、本発明の実施の形態として、周縁である編地端が切りっぱなし仕様(カットオフ仕様)とされた編地で形成されたフェイスカバー100を説明する。
【0014】
なお、本発明は、伸縮性を備えた生地(編地、織物)で形成され、顔の一部を被覆する(鼻および口を含めて鼻より下方を被覆して目を被覆しない)被覆具を全て含み、フェイスカバーという名称に限定されるものではない。
本発明の実施の形態に係るフェイスカバー100を上側が鼻側で下側が口側になるように(図1(B)に二点鎖線および黒塗り三角印で示す)平面に載置した場合の平面図等を図1に、図1において対称軸で2つ折りにした場合の平面図等を図2に、フェイスカバー100の着用状態を示す斜視図を図3(前方斜視)および図4(後方斜視)にそれぞれ示す。
【0015】
より詳しくは、フェイスカバー100を上側が鼻側で下側が口側になるように平面に載置した場合の表側の平面図を図1(A)に、図1(A)の1B-1B断面図を図1(B)に、裏側(肌当接側)の平面図を図1(C)に、図1(C)においてメッシュ生地140の接着(貼付)領域を示す平面図を図1(D)にそれぞれ示す。また、図1において対称軸で2つ折りにした場合の表側の平面図を図2(A)に、裏側(肌当接側)の平面図を図2(B)に、図2(A)において着用状態を示す側面図を図2(C)にそれぞれ示す。以下において、まず、本発明に係るフェイスカバーが備える特徴について説明する。
【0016】
このフェイスカバー100は、図2(C)、図3および図4に示すように、着用者の顔に装着され、鼻および口を含めて鼻より下方を被覆して目を被覆しない。このフェイスカバー100は、伸縮性を備えた生地(限定されるものではないが上述したように周縁である編地端が切りっぱなし仕様とされた編地102)で形成され、展開状態において図1(A)に一点鎖線で示す対称軸を備えた左右略対称な略矩形状(上辺100U、下辺100D、左辺100Lおよび右辺100Rで形成される略矩形状)の編地102であって、装着状態において略矩形状の左右端(左辺100Lおよび右辺100R)が後頭部で接合される。
【0017】
この略矩形状のフェイスカバー100を上側が鼻側で下側が口側になるように平面に載置した図1に示す状態において、左右方向の中央部が緩やかに上側へ出っ張った出っ張り部110と、左右に設けられた耳掛け用の穴部120と、このフェイスカバー100を着用者が装着する場合に、略矩形状の左右端(左辺100Lおよび右辺100R)を接合するために、耳掛け用の穴部120よりもさらに端部側に設けられた接合部材130(限定されるものではないがここでは面ファスナー(マジックテープ(登録商標))とする)と、図1(C)に示すように肌当接側の略中央部に設けられたメッシュ生地140と、鼻が当接する部位に設けられ、鼻の側面形状に沿うようにフェイスカバー100の形状を保持する、平面から浮いた保持部150と、を含むことを特徴とする。
【0018】
このようにこのフェイスカバー100は、展開状態において略矩形状であって、装着状態において略矩形状の左右端が後頭部で接合されるラップ式であって、被るようにして装着するものではないために、ヘアスタイルが乱れることを抑制することができる。また、接合部材130として面ファスナーを採用することにより、髪の毛に絡みにくく、ヘアスタイルが乱れることをさらに抑制することができる。
【0019】
また、このフェイスカバー100は、図2(A)および図2(B)に示す、展開状態のフェイスカバー100を平面に載置して、図1(A)に一点鎖線で示す対称軸で2つ折りにした状態において、出っ張り部110の上端110Uから耳掛け用の穴部120の方向へ向かうフェイスカバー100の上端を形成する線(上辺100U)が、上下方向の下側が抉られた形状(曲線112で示される形状)を備えることを特徴とする。
【0020】
このように、上端を形成する線(上辺100U)が、上下方向の下側が抉られた形状(曲線112で示される形状)を備えることにより、目にこのフェイスカバー100の生地(編地102)が被ることを抑制することができる。
さらに、生地(ここでは周縁である編地端が切りっぱなし仕様とされた編地102)の略中央部の略上端から少なくとも口が当接する部位まで(ここでは略下端まで)メッシュ生地140が貼付され、メッシュ生地140は生地よりも伸びにくく伸縮性が低いものが採用される。生地(編地102)とメッシュ生地140とは、図1(D)に示すように少なくとも上側で接着(たとえば接着テープで貼付)され(ここでは上側貼付領域142および下側貼付領域144の両方で貼付)、上下方向の中央部で貼付されていない。上述した保持部150は、生地(編地102)に伸縮性が低いメッシュ生地140が貼付されたことにより実現される(さらに補強生地152が設けられて保持部150が実現される場合もある)ことを特徴とする。
【0021】
このように、伸縮性のある(伸縮性がより高い)生地に伸縮性のない(伸縮性がより低い)メッシュ生地140をこれらの領域で固定(接着、貼付)することにより、これらの領域がメッシュ生地140の低い伸縮性により硬くなり、このフェイスカバー100における全体の形状を保持する(全体の形状を保つ)作用効果を発現している。特に、上側貼付領域142は、フェイスカバー100を形成する生地を、鼻の形状に合わせる(鼻に生地を沿わせる)保持部150を実現する作用効果を発現している。さらに、このように保持部150が、鼻が当接する部位に設けられ、鼻の側面形状に沿うようにフェイスカバー100の形状を保持することにより、口(唇を含む)へこのフェイスカバー100が貼り付くことを(メッシュ生地140とともに)抑制することができる。ここで、このフェイスカバー100の全体の形状を保持するとは、一例ではあるが、このフェイスカバー100を平面に載置した状態において図1(A)および図1(B)に示す状態を維持し、このフェイスカバー100を平面に載置した状態で図1(A)に一点鎖線で示す対称軸で2つ折りにした状態において図2(A)に示す状態を維持し、着用状態において図2(C)に示す状態を維持することを意味する。
【0022】
さらに、このフェイスカバー100を形成する生地は、周縁である編地端が切りっぱなし仕様とされた編地を所定の形状に切り出して略矩形状を形成したことを特徴とする。このように、周縁である編地端が切りっぱなし仕様(カットオフ仕様)とされた編地(編地であるために伸縮性を備える)で形成することにより、ストレッチ性に優れたカットオフ生地により耳掛け用の穴部120に耳を掛けても耳が痛くなりにくいとともに、フェイスカバー100の形状がすらりとして格好良く着用者の着こなしが気のきいている様を実現することができる。
【0023】
さらに、メッシュ生地140の色は、人肌色であることを特徴とする。このようにメッシュ生地140の色を人肌色にすることにより、このフェイスカバー100の内側が人肌色(たとえばベージュカラー)のメッシュ(ネット)で形成されるために、このメッシュ生地140が人肌色であることによりファンデーションの汚れが目立ちにくく、このメッシュ生地140がメッシュ(ネット)であることにより呼吸もしやすい。
【0024】
上述した特徴を含めて、図1図4を参照して本実施の形態に係るフェイスカバー100についてさらに詳しく説明する。
フェイスカバー100は、周縁である編地端が切りっぱなし仕様とされた編地を、所定の略矩形状に切り出した編地102であって、展開状態において図1(A)に一点鎖線で示す対称軸を備えた左右略対称な略矩形状(上辺100U、下辺100D、左辺100Lおよび右辺100Rで形成される略矩形状)であって、装着状態において略矩形状の左右端(左辺100Lおよび右辺100R)が後頭部で接合される。
【0025】
ここで限定されるものではないが、周縁である編地端が切りっぱなし仕様(ほつれ防止の端縁処理が不要な仕様)とされた編地としては、ポリエステル糸と低融点での熱融着性を備えた弾性糸であるポリウレタン糸とで編地を編成して、編成後にヒートセット加工などによりポリウレタン糸を溶融させることによりほつれ止め機能を付与することで周縁である編地端が切りっぱなし仕様とした編地が挙げられる。
【0026】
このフェイスカバー100を形成する略矩形状の生地には、耳掛け用の穴部120をそれぞれ左右に1個ずつ備える。着用者の耳に、この左右のそれぞれ1個ずつ設けられた穴部120を掛けることにより、このフェイスカバー100が着用者の頭部からずり落ちることを極めて効果的に抑制することができる。ここで、このフェイスカバー100が着用者の頭部からずり落ちることを極めて効果的に抑制する方法として、伸縮性のある生地を適宜に引っ張って伸ばした状態で、接合部材130(限定されるものではないが面ファスナー)により略矩形状の左右端(左辺100Lおよび右辺100R)を後頭部で接合することにより、接合後は生地の伸縮性により着用者の頭部からずり落ちることを極めて効果的に抑制することができる。なお、このフェイスカバー100においては、周縁である編地端が切りっぱなし仕様の編地102で形成しているために、はさみ等により周縁である編地端が切りっぱなし仕様の編地を、編地102の周縁が左右略対称になるように切断しただけであって、穴部120も丸い形状に切断しただけであって、いずれも端縁処理をしていない。
【0027】
保持部150は、図1(B)に示すように、図1(A)における1B-1B断面図に示すように、平面に載置した状態で平面から浮いている。この保持部150の形状を保持するために、上述したように、保持部150は、生地に伸縮性が低いメッシュ生地140が貼付されたことにより実現されることに加えて/替えて、細幅生地からなる補強生地152がメッシュ生地140に貼付されて(メッシュ生地140の肌当接側に補強生地152が貼付されて)強固な保持部150が実現されるようにすることも好ましい。なお、このような立体的な形状の保持部150を実現するために、編地102の表側には編地102に切込み154を設けている。
【0028】
以上のようにして、このフェイスカバー100によれば、着用者の顔に装着して鼻および口を含めて鼻より下方を被覆して目を被覆しないフェイスカバーであって、一般的なマスクが備える感染症の感染対策を実現できることに加えて、夏季の暑い時期であってもマスクよりも涼しく呼吸がしやすく不快感を軽減することができるフェイスカバーを提供することができる。
【0029】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、着用者の顔に装着して鼻および口を含めて鼻より下方を被覆して目を被覆しないフェイスカバーであって、一般的なマスクが備える感染症の感染対策を実現できる点で好ましく、夏季の暑い時期であってもマスクよりも涼しく呼吸がしやすく不快感を軽減することができる点で特に好ましい。
【符号の説明】
【0031】
100 フェイスカバー
102 編地
110 出っ張り部
120 穴部
130 接合部材
140 メッシュ部
150 保持部
図1
図2
図3
図4