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特開2022-105914災害情報管理装置、方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105914
(43)【公開日】2022-07-15
(54)【発明の名称】災害情報管理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220708BHJP
   H04M 3/487 20060101ALI20220708BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20220708BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20220708BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
G06Q50/10
H04M3/487
G08B25/00 510F
G08B25/10
G08B21/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000546
(22)【出願日】2021-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】金児 裕美
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5C086AA11
5C086DA08
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA19
5C087AA25
5C087BB02
5C087BB20
5C087BB73
5C087BB74
5C087DD02
5C087EE07
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG06
5C087GG82
5K201BA05
5K201CC04
5K201CC08
5K201CC10
5K201EA04
5K201EA07
5K201EC06
5K201ED05
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】被災が予想される地域または被災地の状況に関する情報を、信頼性を維持しつつ数多く収集できるようにする。
【解決手段】不特定の複数のユーザ端末との間でそれぞれネットワークを介して情報通信が可能な情報処理装置が実行する災害情報管理装置において、各ユーザ端末からそれぞれ送信される、災害の発生が予想される地域または災害が発生した地域の状況に関する災害情報を当該ユーザ端末の位置情報と共に取得する。そして、前記災害情報と共に取得された前記位置情報と前記地域の位置情報とに基づいて、取得された前記災害情報の信頼度を算出し、算出された信頼度がしきい値以上の災害情報を選択して配信情報を生成すると共に、前記災害情報の送信元となるユーザ端末に対応するユーザに対し、算出された前記信頼度に基づくインセンティブを付与する処理を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不特定の複数のユーザ端末との間でそれぞれネットワークを介して情報通信が可能な災害情報管理装置であって、
前記複数のユーザ端末からそれぞれ送信される、災害発生が予想される地域または災害が発生した地域の状況に関する災害情報を、前記ユーザ端末の位置情報と共に前記ネットワークを介して取得する災害情報取得処理部と、
前記災害情報と共に取得された前記位置情報と前記災害の発生が予想される地域または前記災害が発生した地域の現場位置情報とに基づいて、前記災害情報の信頼度を算出する信頼度算出処理部と、
算出された前記信頼度がしきい値以上の前記災害情報を選択し、選択された情報に基づいて配信情報を生成する配信情報生成処理部と、
前記災害情報の送信元となる前記ユーザ端末に対応するユーザに対し、算出された前記信頼度に基づくインセンティブを付与する処理を行う付与処理部と
を具備する災害情報管理装置。
【請求項2】
前記災害情報取得処理部は、前記災害情報と共に、当該災害情報に対する他のユーザ端末からの評価を表す情報をさらに取得し、
前記信頼度算出処理部は、取得された前記評価を表す情報をさらに加味して前記災害情報の信頼度を算出する、
請求項1に記載の災害情報管理装置。
【請求項3】
前記複数のユーザ端末にそれぞれ対応する前記ユーザの属性情報を取得する属性情報取得処理部を、さらに具備し、
前記信頼度算出処理部は、取得された前記ユーザの属性情報をさらに加味して前記災害情報の信頼度を算出する、
請求項1または2に記載の災害情報管理装置。
【請求項4】
前記複数のユーザ端末の各々について、過去の所定期間に当該ユーザ端末から送信された複数の前記災害情報の送信履歴を、当該災害情報の各々について算出された前記信頼度と関連付けて記憶媒体に記憶する送信履歴管理部を、さらに具備し、
前記信頼度算出処理部は、記憶された複数の前記災害情報の各々の前記信頼度をもとに、前記過去の所定期間における総合的な信頼度を算出し、算出された前記総合的な信頼度をさらに加味して、前記災害情報の信頼度を算出する、
請求項1乃至3のいずれかに記載の災害情報管理装置。
【請求項5】
不特定の複数のユーザ端末との間でそれぞれネットワークを介して情報通信が可能な情報処理装置が実行する災害情報管理方法であって、
前記複数のユーザ端末からそれぞれ送信される、災害の発生が予想される地域または災害が発生した地域の状況に関する災害情報を、前記ユーザ端末の位置情報と共に前記ネットワークを介して取得する過程と、
前記災害情報と共に取得された前記位置情報と、前記災害の発生が予想される地域または前記災害が発生した地域の現場位置情報とに基づいて、前記災害情報の信頼度を算出する過程と、
算出された前記信頼度がしきい値以上の情報を選択し、選択された前記災害情報をもとに配信情報を生成する過程と、
前記災害情報の送信元となる前記ユーザ端末に対応するユーザに対し、算出された前記信頼度に基づくインセンティブを付与する処理を行う過程と
を具備する災害情報管理方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載の災害情報管理装置が具備する前記各処理部の処理を、前記災害情報管理装置が備えるプロセッサに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、例えば災害発生時に災害の状況に関する情報を収集し管理する災害情報管理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地震や、地球温暖化に伴い激甚化する河川の氾濫等の大規模な自然災害が増加している。また、工業地帯等では自然災害に限らず大規模な事故災害が発生する可能性も指摘されている。これらの災害が発生した場合、または発生が予想される場合、対象地域に居住する住民または職場に勤務する従業者は、避難の要否を的確かつタイムリーに判断する必要があり、また避難後においても被災の状況などを的確に把握する必要がある。そのためには、対象地域に係る正確な情報を迅速に収集して避難対象者等に提供できるようにすることが望まれている。
【0003】
このような要請に対し、例えば、センタサーバが、気象庁や警察又は消防から地震や被害状況等を表す広域災害情報を取得すると共に、予め登録された特定ユーザの端末からユーザの状況に関する情報を取得し、取得された上記広域災害情報と特定ユーザの状況に関する情報とをもとにユーザごとに優先度を設定し、設定された優先度に応じた災害情報報告用テンプレートをユーザ端末に送信することで、特定ユーザから災害に関する情報を取得する技術が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-94954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載された技術では、災害情報が予め登録された特定ユーザのみから収集されることになるため、地理的および時間的な粒度が大きくなりやすく、被災が予想される地域または被災地域に関する情報を常にピンポイントかつ迅速に収集できるとは限らない。一方、一部のシステムではユーザ個人がソーシャルネットワークシステム(SNS)などを利用して被災地の情報を自主的に投稿することも実施されているが、フェイク情報が含まれている場合もあり、情報に対する信頼性に課題が残る。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、被災が予想される地域または被災地の状況に関する情報を、信頼性を維持しつつ数多く収集できるようにする技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためにこの発明に係る災害情報管理装置又は管理方法の一態様は、不特定の複数のユーザ端末との間でそれぞれネットワークを介して情報通信が可能な情報処理装置が実行する災害情報管理装置において、前記各ユーザ端末からそれぞれ送信される、災害の発生が予想される地域または災害が発生した地域の状況に関する災害情報を前記ユーザ端末の位置情報と共に前記ネットワークを介して取得する。そして、前記災害情報と共に取得された前記位置情報と前記災害の発生が予想される地域または災害が発生した地域の位置情報とに基づいて前記災害情報の信頼度を算出し、算出された前記信頼度がしきい値以上の前記災害情報を選択して配信情報を生成すると共に、前記災害情報の送信元となる前記ユーザ端末に対し、算出された前記信頼度に基づくインセンティブを付与する処理を行うようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の一態様によれば、例えば、不特定の複数のユーザ端末から送信される災害情報がそれぞれ取得され、取得された各災害情報の信頼度がユーザ端末の位置情報と、災害の発生が予想される地域または災害が発生した地域の位置情報とに基づいて算出され、算出された信頼度がしきい値以上となる災害情報をもとに配信情報が生成される。
【0009】
従って、不特定多数のユーザから多くの災害情報を取得することが可能となる。また、取得された災害情報のうち、現場に対する送信元ユーザの位置の近さが反映された、信頼度の高い情報をもとに配信情報が生成されるため、信頼性の高い災害情報のみを配信することが可能となる。さらに、算出された災害情報の信頼度に基づくインセンティブが送信元のユーザに対し付与されるので、ユーザの災害情報の提供に係る意欲を高めることができる。
【0010】
すなわちこの発明の一態様によれば、被災が予想される地域または被災地の状況に関する情報を、信頼性を維持しつつ数多く収集できるようにした技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、この発明の一実施形態に係る災害情報収集配信システムの全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、図1に示した災害情報収集配信システムが備える災害情報管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1に示した災害情報収集配信システムが備える災害情報管理サーバのソフトウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、図3に示した災害情報管理サーバが実行する災害情報管理処理の処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、図4に示した災害情報管理処理のうち信頼度算出処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
図6図6は、図4に示した災害情報管理処理のうち配信情報生成処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
図7図7は、図3に示した災害情報管理サーバに記憶される災害情報の構成の一例を示す図である。
図8図8は、図3に示した災害情報管理サーバに記憶されるユーザ属性情報の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
【0013】
[一実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る災害情報収集配信システムの全体構成の一例を示す図である。
【0014】
災害情報収集配信システムは、災害情報管理装置として動作する災害情報管理サーバSV1を備え、この災害情報管理サーバSV1が、ネットワークNWを介して、ユーザ端末UT1~UTn、信用機関の端末FT、およびインセンティブ情報管理サーバSV2との間で、それぞれ情報データの送受信を行えるようにしたものである。
【0015】
ユーザ端末UT1~UTnは、いずれも例えば不特定のユーザが使用するもので、パーソナルコンピュータやタブレット型端末、スマートフォン、ウェアラブル端末等の情報通信端末からなる。ユーザ端末UT1~UTnは、いずれも上記災害情報管理サーバSV1との間で災害情報および配信情報を送受信するために使用されるブラウザまたはメーラと、自端末の位置を計測する位置センサとを備える。位置センサは、例えばGPS(Global Positioning System)を利用するもので、緯度経度により表される位置情報を取得する。
【0016】
信用機関の端末FTは、例えば銀行、保険会社、クレジット会社、或いは自治体が使用する端末であり、ユーザのユーザ属性情報を管理する。ユーザ属性情報には、例えば、ユーザ名、年齢と性別、住所と連絡先などの一般的な属性に加え、勤務先とその役職および信用情報が含まれる。
【0017】
インセンティブ情報管理サーバSV2は、ユーザ毎に当該ユーザが所有する災害対策関連用のインセンティブ情報を管理する。インセンティブ情報は、例えば暗号資産(災害コインとも云う)またはポイントの情報からなり、ユーザによる災害情報の提供および災害関連物資の購入または利用等に対し使用できる。
なお、この例では、インセンティブ情報を災害対策関連のサービス専用として説明するが、インセンティブ情報はその他の商業サービス等と共用されるものであってもよい。
【0018】
ネットワークNWは、例えばインターネットを中核とする広域網と、この広域網にアクセスするためのアクセス網とを備える。アクセス網としては、例えば、有線および無線の公衆ネットワーク、有線および無線のLAN(Local Area Network)、CATV(Cable Television)ネットワークが使用される。
【0019】
(2)災害情報管理サーバSV1
図2および図3は、それぞれ災害情報管理サーバSV1のハードウェア構成およびソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0020】
災害情報管理サーバSV1は、例えばWeb上またはクラウド上に配置されるサーバコンピュータからなり、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを使用した制御部1を備える。そして、この制御部1に対し、バス5を介して、プログラム記憶部2およびデータ記憶部3を有する記憶ユニットと、通信I/F4を接続したものとなっている。
【0021】
通信I/F4は、制御部1の制御の下、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを使用して、ユーザ端末UT1~UTn、信用機関の端末FT、およびインセンティブ情報管理サーバSV2との間で、それぞれ情報データの送受信を行う。
【0022】
プログラム記憶部2は、例えば、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS(Operating System)等のミドルウェアに加えて、この発明の一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムを格納する。
【0023】
データ記憶部3は、例えば、記憶媒体として、HDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと組み合わせたもので、この発明の一実施形態を実施するために必要な主たる記憶部として、災害情報記憶部31と、ユーザ属性情報記憶部32と、信頼度情報記憶部33と、配信情報記憶部34とを備えている。
【0024】
災害情報記憶部31は、ユーザ端末UT1~UTnから送信される災害情報を、送信元のユーザ端末UT1~UTnに対し割り当てられたユーザ識別情報(ユーザID)と関連付けて記憶するために用いられる。
【0025】
災害情報には、例えば、災害の状況を表す災害データと、災害データの送信日時と、災害データ生成時または送信時におけるユーザ端末UT1~UTnの位置情報と、上記災害データに対する他のユーザの評価を示す評価情報とが含まれる。災害データは、例えば被災現場の状況が撮像された静止画または動画からなる画像データ、被災現場で集音した音データ、或いは災害現場の様子をユーザが入力したテキストデータからなる。
図7は、災害情報記憶部31に記憶された災害情報の構成の一例を示すものである。
【0026】
ユーザ属性情報記憶部32は、ユーザ端末UT1~UTnおよび信用機関の端末FTから取得したユーザの属性情報を、ユーザIDと関連付けて記憶するために用いられる。
【0027】
ユーザ属性情報には、例えば、ユーザの名前や住所、連絡先となるアドレス情報等の一般的な属性情報に加え、ユーザの勤務先とその役職、信用機関が評価する信用情報が含まれる。また、ユーザ属性情報には、ユーザが過去の所定期間に複数の災害情報を提供している場合に、これらの災害情報に対し後述する信頼度算出処理により算出される総合信頼度も追加される。
図8は、ユーザ属性情報記憶部32に記憶されるユーザ属性情報の構成の一例を示すものである。
【0028】
信頼度情報記憶部33は、後述する信頼度算出処理部により算出される、ユーザ端末UT1~UTnから送られた災害情報に対する信頼度を、ユーザIDと関連付けて記憶するために用いられる。
【0029】
配信情報記憶部34は、後述する配信情報生成処理部により生成される配信情報を、災害発生場所を表す情報と関連付けて記憶するために用いられる。
【0030】
制御部1は、この発明の一実施形態に係る処理機能として、災害情報取得処理部11と、ユーザ属性情報取得処理部12と、信頼度算出処理部13と、配信情報生成処理部14と、情報配信処理部15と、インセンティブ付与処理部16とを備えている。これらの処理部11~16は、何れもプログラム記憶部2に格納されたプログラムを制御部1のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0031】
災害情報取得処理部11は、ユーザ端末UT1~UTnから送信された災害情報を通信I/F4を介して受信し、受信された上記災害情報をユーザIDと関連付けて災害情報記憶部31に記憶させる処理を行う。
【0032】
ユーザ属性情報取得処理部12は、ユーザ端末UT1~UTnまたは信用機関の端末FTから送信されたユーザ属性情報を通信I/F4を介して受信し、受信された上記ユーザ属性情報をユーザIDと関連付けてユーザ属性情報記憶部32に記憶させる処理を行う。
【0033】
信頼度算出処理部13は、提供された災害情報に対する信頼度を算出する。そして、算出された上記信頼度を、提供元のユーザ端末に対応するユーザIDと、提供された災害情報に対し固有に割り当てられた災害情報IDと関連付けた情報で、信頼度情報記憶部33に記憶させる処理を行う。なお、信頼度の算出処理の実現例については、動作例においてその一例を説明する。
【0034】
配信情報生成処理部14は、災害情報記憶部31に記憶された各災害情報についてその信頼度を上記信頼度情報記憶部33から読み込み、当該各信頼度を予め設定されたしきい値と比較する。そして、信頼度がしきい値以上の各災害情報を災害情報記憶部31から読み込み、これらの災害情報を場所別および時間帯別に編集し、編集後の災害情報を上記場所および時間帯を表す情報と関連付けて配信情報として配信情報記憶部34に記憶させる処理を行う。
【0035】
情報配信処理部15は、上記配信情報記憶部34から例えば緊急度が高い順に配信情報を読み出し、当該配信情報をすべてのユーザ端末、或いは予め災害情報配信サービスに利用登録をしているユーザ端末に向けて配信する処理を行う。
【0036】
インセンティブ付与処理部16は、災害情報を提供したユーザに対し、上記信頼度情報記憶部33に記憶された信頼度に応じたインセンティブを与えるための処理を、インセンティブ情報管理サーバSV2に対し依頼する処理を行う。インセンティブとしては、先に述べたように、例えば仮想通貨(災害コイン)またはポイントが考えられる。
【0037】
(動作例)
次に、以上のように構成された災害情報管理サーバSV1の動作例を説明する。
図4は、災害情報管理サーバSV1の制御部1により実行される災害情報管理処理の処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
【0038】
(1)災害情報の収集
災害情報管理サーバSV1は、例えば気象情報をもとに災害の発生が予想される状態になるか、または災害が発生すると、災害情報取得処理部11の制御の下、ステップS1において災害情報の提供要求の受信を監視する。
【0039】
この状態で、例えば上記災害の発生が予想される地域または災害発生地域に居住する住民または勤務する従業者、もしくは通行人等が、自身のユーザ端末UT1~UTnを用いて現場の状況を撮像したり、音を収録したり、或いは状況を表すテキストデータを入力し、災害情報の提供を要求する操作を行ったとする。
【0040】
なお、上記現場の状況は、ドローンやロボット等の遠隔装置を用いて撮像するようにしてもよいが、ドローンやロボット等の遠隔装置により得られる画像データはユーザ端末UT1~UTnに一旦入力され、保存される。
【0041】
上記災害情報の提供要求が入力されると、ユーザ端末UT1~UTnから災害情報管理サーバSV1に対し災害情報の提供要求が送信され、続いてユーザ端末内に保存されている災害情報が送信される。このとき、災害情報には、先に述べたように、災害の状況を表す災害データと、災害データの送信日時と、災害データ生成時または送信時におけるユーザ端末UT1~UTnの位置情報と、上記災害データに対する他のユーザの評価を示す評価情報とが含まれる。
なお、このうち評価情報には、ユーザが先に生成した災害データを例えばSNS等を用いて公開した場合に、これに対し他のユーザからの同意の数がカウントされてそのカウント値が挿入される。
【0042】
これに対し災害情報管理サーバSV1の制御部1は、災害情報取得処理部11の制御の下、ユーザ端末UT1~UTnから上記災害情報の提供要求を受信すると、ステップS1からステップS2に移行し、ここで通信I/F4を介して災害情報を受信し、受信された災害情報を送信元のユーザ端末に対応するユーザIDと関連付けて災害情報記憶部31に記憶させる。
以後、ユーザ端末UT1~UTnから提供要求が受信される毎に、災害情報取得処理部11は同様の災害情報取得処理を繰り返し実行する。
【0043】
(2)ユーザ属性情報の取得
災害情報が取得されると災害情報管理サーバSV1の制御部1は、続いてユーザ属性情報取得処理部12の制御の下、ステップS3において、上記災害情報の送信元となったユーザ端末UT1~UTnに対しユーザ情報の登録要求を送信する。そして、この要求に対しユーザ端末UT1~UTnからユーザ属性情報が送られると、当該ユーザ属性情報を通信I/F4を介して受信し、受信された上記ユーザ属性情報を送信元のユーザIDと関連付けてユーザ属性情報記憶部32に記憶させる。
【0044】
ユーザ属性情報には、先に述べたように、ユーザの名前や住所、連絡先となるアドレス情報等の一般的な属性情報に加え、ユーザの勤務先とその役職、信用機関が評価する信用情報が含まれる。
【0045】
なお、ユーザ属性情報は、平時に災害情報配信サービスに対する利用登録を行った際に事前に登録されるようにしてもよく、またその際に信用機関から当該ユーザの信用情報を取得して上記ユーザ属性情報に追加しておくようにしてもよい。このようにユーザ属性情報が事前登録されている場合には、上記ユーザ属性情報の取得処理を省略してもよい。
【0046】
(3)信頼度情報の算出
上記災害情報およびユーザ属性情報が取得されると、災害情報管理サーバSV1の制御部1は、次に信頼度算出処理部13の制御の下、ステップS4において、上記取得された災害情報に対する信頼度を以下のように算出する。
【0047】
図5は、信頼度算出処理部13により実行される信頼度算出処理の処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
すなわち、信頼度算出処理部13は、先ずステップS41,S42,S43,S44において、それぞれ災害情報記憶部31およびユーザ属性情報記憶部32から、災害情報に含まれる位置情報および評価情報と、ユーザ属性情報に含まれる勤務先と役職を表す情報、信用機関が評価する信用情報および過去の総合信頼度を読み込む。そして信頼度算出処理部13は、読み込まれた上記各情報に基づいて、ステップS45により、今回提供された災害情報に対する信頼度を算出する。
【0048】
例えば、信頼度算出処理部13は、災害情報に含まれる位置情報および評価情報と、ユーザ属性情報に含まれる勤務先と役職を表す情報、信用機関が評価する信用情報および過去の総合信頼度とからそれぞれ特徴量を抽出し、抽出された各特徴量を、例えば以下に示す重回帰分析式
R=aP+bQ+cW+dF+eZ
に代入することで、信頼度Rを算出する。
【0049】
但し、P,Q,W,F,Zは、それぞれ位置情報、評価情報、勤務先/役職を表す情報、信用情報および過去の総合信頼度から抽出される特徴量を示し、a,b,c,d,eはそれぞれ上記各特徴量の重み係数を示す。
【0050】
より具体的には、先ず位置情報は、ユーザが災害データを取得した場所または災害情報をユーザ端末UT1~UTnから送信した場所の位置(緯度経度)を示す。そこで、信頼度算出処理部13は、例えば上記位置情報により示される位置と、別途取得した実際の災害発生場所(現場)の位置との距離を計算し、算出された距離を複数のしきい値と比較することにより遠近の度合いを判定し、その判定結果を示す値を上記位置情報の特徴量Pとして用いる。
【0051】
評価情報は、他ユーザの同意の数を示す。そこで、信頼度算出処理部13は、例えば上記同意の数を複数のしきい値と比較することにより同意の多少の度合いを判定し、その判定結果を示す値を上記評価情報の特徴量Qとして用いる。
【0052】
勤務先/役職を表す情報については、例えば、勤務先の事業規模(資本金または売り上げ高等)および役職ランクをそれぞれ示す。そこで、信頼度算出処理部13は、例えば上記事業規模および役職ランクをそれぞれ複数のしきい値と比較することによりユーザの社会的な信用度合いを判定し、その判定結果を表す値を特徴量Wとして用いる。
【0053】
信用機関が評価する信用情報は、例えば、預金額やローンの返済状況に応じて信用機関が評価するランクで示される。そこで、信頼度算出処理部13は、例えば上記評価ランクを数値に変換し、変換された値をユーザの信用度合いを示す特徴量Fとして用いる。
【0054】
過去の総合信頼度は、例えば過去に提供された複数の災害情報の各信頼度を平均した値を示す。このため、信頼度算出処理部13は、上記信頼度の平均値をそのまま特徴量Zとして用いる。
【0055】
信頼度算出処理部13は、以上のように抽出された各特徴量を、ステップS45において上記信頼度の計算式に代入して信頼度Rを算出し、算出された上記信頼度Rを、ステップS46においてユーザIDおよび災害情報IDと関連付けて信頼度情報記憶部33に記憶させる。
【0056】
そして信頼度算出処理部13は、最後にステップS47において、上記新たに算出された信頼度Rを加味して総合信頼度を計算し直し、ユーザ属性情報記憶部32に記憶されている該当ユーザのユーザ属性情報を、上記再計算された総合信頼度に更新する。
【0057】
(4)配信情報の生成
提供された災害情報に対する信頼度Rの算出が終了すると、災害情報管理サーバSV1の制御部1は、続いて配信情報生成処理部14の制御の下、ステップS5において以下のように配信情報の生成処理を行う。
【0058】
図6は、配信情報生成処理部14により実行される配信情報生成処理の処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
すなわち、配信情報生成処理部14は、先ずステップS51において、同一の場所および同一の時間帯に得られた災害情報を災害情報記憶部31からすべて選択し、これらの災害情報の各信頼度を信頼度情報記憶部33から読み込む。そして、ステップS52において、読み込まれた上記各信頼度がしきい値以上であるか否かをそれぞれ判定する。
【0059】
配信情報生成処理部14は、上記判定の結果信頼度がしきい値以上であれば、ステップS53により、対応する災害情報を災害情報記憶部31から読み込む。そして、ステップS54において、同一場所および同一時間帯に対応する一つまたは複数の災害情報を編集して配信情報を生成し、生成された上記配信情報を、ステップS55により、場所IDおよび時間帯IDと関連付けて配信情報記憶部34に記憶させる。
【0060】
一方、上記ステップS52による判定の結果、信頼度がしきい値に満たない場合には、配信情報生成処理部14は、ステップS56において、例えば対応する災害情報を災害情報記憶部31から消去するか、または当該災害情報に対し参考情報に止めることを示す非配信フラグを付与する。これにより、信頼度が低い災害情報が配信されないようにする。
【0061】
(5)配信処理
上記配信情報生成処理部14により新たな配信情報が生成されると、災害情報管理サーバSV1の制御部1は、続いて情報配信処理部15の制御の下、ステップS6において、上記配信情報を配信情報記憶部34から読み出す。またそれと共に、ユーザ属性情報記憶部32から配信対象のユーザのユーザ属性情報を読み込む。そして、情報配信処理部15は、上記配信情報を、ユーザ属性情報に含まれるアドレス情報をもとに、通信I/F4から配信先のユーザ端末UT1~UTnに向け送信する。
【0062】
送信手段としては、例えばメールまたはSNSが用いられるが、それに限るものではなく、他に例えばテレビジョン放送等を用いるようにしてもよい。また、ユーザ端末が有線ネットワークに接続されるパーソナルコンピュータ等の情報端末、テレビジョン受信機またはファクシミリ端末等の場合には、有線LAN(Local Area Network)やCATV(Cable Television)を介して配信情報を送信するようにしてもよい。さらに、駅や商業施設、イベント施設、街角等に設置されたデジタルサイネージ表示装置を利用可能な場合には、これらのデジタルサイネージ表示装置に配信情報を送信し、表示させるようにしてもよい。
【0063】
なお、配信先のユーザは、無条件にすべてのユーザ、または災害情報配信サービスに対し利用登録したすべてのユーザとしてもよいが、ユーザを災害発生場所を含む地域毎に分類し、地域毎にそのエリア内に存在するユーザのみを配信先ユーザとしてもよい。
【0064】
(6)インセンティブの付与
災害情報管理サーバSV1の制御部1は、インセンティブ付与処理部16の制御の下、ステップS7において、災害情報を提供したユーザに対しインセンティブを付与するための処理を実行する。
【0065】
例えばインセンティブ付与処理部16は、信頼度Rがしきい値以上と判定されて、配信対象となった災害情報について、その提供元のユーザIDを信頼度情報記憶部33から検索する。また、上記信頼度Rを予め設定された分類用しきい値をもとに複数のランクに分類する。そして、上記ランクに相当する暗号資産(災害コイン)またはポイントを、該当するユーザに付与するための処理を、インセンティブ情報管理サーバSV2に対し依頼する。
【0066】
インセンティブ情報管理サーバSV2は、上記付与依頼を受け取ると、該当するユーザの口座に対し、上記ランクに相当する暗号資産(災害コイン)またはポイントを加算する処理を行い、さらに対応するユーザ端末UT1~UTnに対しその旨を通知する。なお、インセンティブが付与された旨は、災害情報管理サーバSV1から該当するユーザ端末UT1~UTnに対し通知するようにしてもよい。
【0067】
なお、インセンティブとして付与された暗号資産(災害コイン)またはポイントは、例えば、事前に登録された災害支援サービスの協力企業等が運営するコンビニエンスストアや商店、通信販売サイト等において、災害関連物資の購入や借用、種々の災害支援サービスの利用のための対価として使用可能である。また、同様に事前登録されたホテルや旅館等の宿泊施設を避難場所として利用した場合の対価としても使用可能である。このインセンティブを用いたサービスは、特に、避難に際し現金やカード類の持ち出しができなかった避難者にとって、きわめて有用である。
【0068】
なお、災害関連物資としては、例えば災害準備用として、水、非常食、乳幼児用のミルクやおむつ、要介護者向けの生活用品、ペットの餌、着替え、バッテリ等の電源、避難用の防災用品があり、また災害発生時の必要物資としては、水、食料、日用品、薬品、毛布やマット、携帯型トイレ等があるが、これらに限るものではない。
【0069】
(作用・効果)
以上述べたように一実施形態では、災害情報管理サーバSV1において、ユーザ端末UT1~UTnからそれぞれ送信される、災害の発生が予想される地域または災害が発生した地域の状況に関する災害情報を、当該災害情報に対する他ユーザの評価情報およびユーザ端末UT1~UTnの位置情報と共に取得すると共に、上記災害情報の送信元となったユーザ端末UT1~UTnを使用するユーザのユーザ属性情報を取得する。そして、上記評価情報と位置情報、およびユーザ属性情報に含まれるユーザの勤務先/役職、信用情報、過去の総合信頼度をもとに、上記災害情報に対する信頼度を算出し、同一場所かつ同一時間帯に取得または提供された災害情報のうち、上記信頼度がしきい値以上の災害情報を選択して配信情報を生成し、配信するようにしている。
【0070】
すなわち、一実施形態に係る災害情報管理サーバSV1では、不特定の複数のユーザ端末UT1~UTnから送信される災害情報がそれぞれ取得され、取得された各災害情報の信頼度がユーザ端末UT1~UTnの位置情報と、別途取得される災害の発生が予想される地域または災害が発生した地域の位置情報とに基づいて算出され、算出された信頼度がしきい値以上となる災害情報をもとに配信情報が生成される。
【0071】
従って、不特定多数のユーザから多くの災害情報を取得することが可能となる。また、取得された災害情報のうち、現場に対するユーザの位置や、他ユーザからの評価、ユーザの社会的な信用度、過去の総合信頼度を考慮して算出された信頼度をもとに、当該信頼度の高い災害情報のみが選択されて配信情報が生成されるため、デマや不確かな情報を排除して、信頼性の高い災害情報のみを配信することが可能となる。
【0072】
さらに一実施形態では、信頼度がしきい値以上となる災害情報を提供したユーザに対し、信頼度のランクに応じた、暗号資産(災害コイン)やポイント等のインセンティブを付与するようにしているので、ユーザの災害情報の提供に対する意欲を高め、その結果としてより信頼性の高い災害情報をより多く取得することが可能となる。
【0073】
[その他の実施形態]
(1)前記一実施形態では、提供された災害情報に対する信頼度を算出する際に、ユーザが災害情報を取得した場所を示す位置情報、上記災害情報に対する他ユーザの評価情報、災害情報を提供したユーザの勤務先/役職を表す情報と信用情報、および過去の総合信頼度をすべて考慮するようにした。しかし、必ずしも上記各要素をすべて考慮することはなく、少なくとも位置情報による現場に対するユーザの近さのみを考慮して信頼度を算出するようにし、その他の要素については必要に応じて選択的に考慮に加えるようにしてもよい。
【0074】
(2)信頼度算出処理部13は、信頼度の計算式における重み係数a~eを、算出された信頼度Rと、配信された災害情報に対する実際の評価値との差に基づいて、随時更新する処理を行ってもよい。さらに、信頼度の算出手段としては、機械学習を用いた学習モデルを用いるようにしてもよい。上記重み係数を更新することで、信頼度の算出精度を高めることが可能となる。
【0075】
(3)前記一実施形態では、ユーザの災害情報の提供意欲を向上させることを目的として、暗号資産(災害コイン)やポイント等のインセンティブを付与するようにした。しかし、災害情報管理サーバSV1では、インセンティブを利用して次のような新たな処理を行うことも可能である。
【0076】
すなわち、災害情報管理サーバSV1は、例えば、ユーザがインセンティブを使用して災害関連物資を購入または借用したり、災害支援サービスを利用した場合に、ユーザによる上記購入、借用または利用の履歴情報を、災害支援サービスの協力企業等が運営するコンビニエンスストアや商店、通信販売サイト、宿泊施設等から収集する。そして、収集された上記履歴情報に基づいて、ユーザが災害発生時に必要とする各種物資のリスト情報を生成し、生成された上記必要物資のリスト情報をユーザや自治体、災害支援物資の製造者や販売者等に提供する。
【0077】
このようにすると、災害の発生に備え、必要物資の需要と供給を品目別に事前に予測し、ユーザや自治体が事前に災害準備用の物資を必要な量だけ備えることが可能となる。また、製造者や販売者等にとっては、災害発生時に供給すべき必要物資を品目別に必要とされる量だけ事前に的確に製造し備蓄しておくことが可能になる。
【0078】
(4)また、インセンティブの用途としては、次のようなものも考えられる。例えば、災害支援サービスの協力企業等が、暗号資産(災害コイン)またはポイント等のインセンティブを購入して備蓄しておき、災害発生時に避難者等のユーザにインセンティブを貸付け、ユーザがこのインセンティブを使用して必要物資を調達できるようにする。
【0079】
貸付に際しては、例えば災害情報管理サーバSV1に保存されているユーザ属性情報を参照し、当該ユーザ属性情報に含まれる信用情報を利用して貸付の許否を判定する。このようにすると、避難に際し現金やカード類、さらには身分証等の持ち出しができなかった避難者は、自身の信用情報を担保にインセンティブの貸付を受けて必要な物資を調達することが可能となる。
【0080】
(5)前記一実施形態では、インセンティブ情報管理サーバSV2がインセンティブの発行から運用までの一連の管理を行う場合を想定して説明した。しかしながら、インセンティブの発行から運用までの一連の管理機能を災害情報管理サーバSV1が備えるようにしてもよい。
【0081】
(6)インセンティブ情報の管理機能には、第三者からの寄付または災害募金を受け付け、受け付けた金額を元手にインセンティブの発行から運用までの一連の処理機能を備えていてもよい。
【0082】
(7)その他、災害の種類や収集対象とする災害情報の内容、災害情報管理装置の機能と、処理手順および処理内容等については、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
【0083】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0084】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0085】
SV1…災害情報管理サーバ
SV2…インセンティブ情報管理サーバ
FT…信用機関の端末
UT1~UTn…ユーザ端末
NW…ネットワーク
1…制御部
2…プログラム記憶部
3…データ記憶部
4…通信I/F
5…バス
11…災害情報取得処理部
12…ユーザ属性情報取得処理部
13…信頼度算出処理部
14…配信情報生成処理部
15…情報配信処理部
16…インセンティブ付与処理部
31…災害情報記憶部
32…ユーザ属性情報記憶部
33…信頼度情報記憶部
34…配信情報記憶部
図1
図2
図3
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図8