(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105935
(43)【公開日】2022-07-15
(54)【発明の名称】蓄電池設備用収容箱
(51)【国際特許分類】
H01M 50/20 20210101AFI20220708BHJP
H02B 3/00 20060101ALN20220708BHJP
【FI】
H01M2/10 E
H01M2/10 U
H02B3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000577
(22)【出願日】2021-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】000130835
【氏名又は名称】株式会社サンコーシヤ
(74)【代理人】
【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100086807
【弁理士】
【氏名又は名称】柿本 恭成
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】背川 勝範
(72)【発明者】
【氏名】山本 隆之
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AS01
5H040AY03
5H040CC20
5H040CC48
(57)【要約】
【課題】装柱型蓄電池設備を柱に取り付けた状態で収容することを可能にし、収容箱自体の補強を最小限に抑えて重量を低減し、持ち運びや設置・撤去の作業性を向上させ、更に、既設の装柱型蓄電池設備に適用する際、その蓄電池設備の取り外しの作業効率を向上させる。
【解決手段】装柱型の蓄電池設備は、取付金具及び連結部品を介して、柱に取り付けられる。蓄電池設備を収容する装柱型の蓄電池設備用収容箱20は、背面が開口したカバー21と、柱に取り付けられ、前記カバー21の背面を閉塞する2分割構造の第1背面板23-1及び第2背面板23-2と、を備えている。第1背面板23-1及び第2背面板23-2には、取付金具を受け入れる2分割の角孔24-1,24-2が形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱に取り付けられる取付金具に、連結部品を介して固定される蓄電池設備を収容する装柱型の蓄電池設備用収容箱であって、
背面が開口した筐体と、
前記柱に取り付けられ、前記背面を閉塞する2分割構造の第1背面板及び第2背面板と、
を備え、
前記第1背面板及び前記第2背面板には、前記取付金具を受け入れる2分割の開口部を有する、
ことを特徴とする蓄電池設備用収容箱。
【請求項2】
前記筐体は、
底面が開口し、前記底面が底面板により閉塞される、
構造になっていることを特徴とする請求項1記載の蓄電池設備用収容箱。
【請求項3】
前記取付金具は、第1取付バンドによって前記柱に取り付けられ、
前記第1背面板及び前記第2背面板は、ポール用金具によって連結され、
前記ポール用金具が、第2取付バンドによって前記柱に固定される、
構造になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の蓄電池設備用収容箱。
【請求項4】
前記取付金具は、
表面に前記連結部品を介して前記蓄電池設備が固定される方形板と、
前記方形板の裏面の両側辺が折れ曲げられた折曲部と、
前記折曲部に形成された取付バンド挿入口と、
を有し、
前記取付バンド挿入口に挿入された前記第1取付バンドによって前記取付金具が前記柱に固定される構造になっている、
ことを特徴とする請求項3記載の蓄電池設備用収容箱。
【請求項5】
前記ポール用金具は、
表面がボルトによって前記第1背面板及び前記第2背面板に固定される長方形の固定板と、
前記固定板の裏面に突設された一対の突出板と、
前記一対の突出板にそれぞれ形成された取付バンド挿入孔と、
を有し、
前記取付バンド挿入孔に挿入された前記第2取付バンドによって前記ポール用金具が前記柱に固定される構造になっている、
ことを特徴とする請求項3記載の蓄電池設備用収容箱。
【請求項6】
前記2分割の開口部は、前記方形板を受け入れる角孔であり、
前記角孔と前記方形板との隙間は、シール材で封止する、
ことを特徴とする請求項4記載の蓄電池設備用収容箱。
【請求項7】
前記筐体、前記第1背面板、及び前記第2背面板には、
換気孔及びケーブル取出口が形成されている、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載の蓄電池設備用収容箱。
【請求項8】
前記蓄電池設備は、
蓄電池と、交流/直流の変換を行う電力変換装置と、を有する、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項記載の蓄電池設備用収容箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池や交流/直流変換用の電力変換装置等によって構成される蓄電池設備のうち、装柱型の蓄電池設備を収容するための蓄電池設備用収容箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な蓄電池設備(蓄電池や交流/直流変換用の電力変換装置等)は、収容箱内の底面に置く形で収容される。そのため、従来の蓄電池設備用収容箱は、蓄電池設備の重量に耐えられるよう、自立型の収容箱で設計されることが多い。
【0003】
図18は、従来の自立型の蓄電池設備用収容箱を示す模式図である。
図18において、例えば、地面1上に土台2が配置されている。土台2上には、自立型の蓄電池設備用の収容箱3が設置され、その収容箱3の底面に、蓄電池や交流/直流変換用の電力変換装置等で構成された蓄電池設備4が設置されている。
【0004】
なお、自立型の蓄電池設備用収容箱には、例えば、特許文献1に示すようなものが存在する。特許文献1に記載された自立型の蓄電池設備用収容箱では、内部に結露が生じないように、内部温度を検出し、その内部温度に応じて、内部空気排気用の換気扇と、内部空気循環用のサーキュレータと、を切り替えて運転している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図19は、装柱型の蓄電池設備を示す模式図である。
蓄電池設備には、
図19のような装柱型の蓄電池設備5が存在する。例えば、地面1に立設された柱7に、取付金具6等を用いて装柱型の蓄電池設備5が取り付けられる。
図20及び
図21は、自立型の収容箱に装柱型の蓄電池設備を収容する場合の模式図である。
【0007】
図19に示される装柱型の蓄電池設備5に、
図20及び
図21に示される従来の自立型の収容箱8を適用する場合、以下の(1)~(4)のような課題が発生する。
(1)
図19に示すように、装柱型の蓄電池設備5を柱7に取り付けた状態で、
図20及び
図21に示す自立型の収容箱8に収容することができない。
【0008】
(2) 装柱型の蓄電池設備5を自立型の収容箱8に収容する場合、以下の(a)~(d)のように多数の補強が必要になるため、収容箱8の重量及び費用(コスト)が増加する。
(a) 装柱型の蓄電池設備5は、一般的に自立できる設計になっていないため、その蓄電池設備5を支えるための支柱12が必要になる。支柱12は、例えば、自立型の収容箱8の底面に設置された支柱土台10上に立設される。そのため、転倒防止のために、支柱12の下端部付近を支柱補強部11で補強することが必要になる。
(b) 蓄電池設備5の重量に耐える強固な構造が必要になるので、強度向上のために、支柱12を支えるための支柱土台10や支柱補強部11による補強が必要になる。
(c) 自立型の収容箱8は地面1に面している関係上、高い耐震性能が必要になるので、耐震性能向上のために、例えば、その収容箱8の底面をチャンネルベースである架台13により支持し、その架台13を、強度の高い(サイズの大きい)ボルト14により地面1に固定する等の補強が必要になる。
(d) 蓄電池設備5から電気ケーブル9を引き出すためのケーブルルートの確保のために、補強用の架台13が必要になる。
【0009】
(3) 前記(2)の補強構造が必要になるので、収容箱8の重量が増加することにより、持ち運びや設置・撤去の作業性が低下する。
(4)
図19に示すような既設の装柱型の蓄電池設備5を、
図21に示すような収容箱8に収容する場合、その蓄電池設備5を柱7から取り外した後、その収容箱8内に設置し直す必要があるため、作業効率が悪い。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の蓄電池設備用収容箱は、柱に取り付けられる取付金具に、連結部品を介して固定される蓄電池設備を収容する装柱型の蓄電池設備用収容箱であって、背面が開口した筐体と、前記柱に取り付けられ、前記背面を閉塞する2分割構造の第1背面板及び第2背面板と、を備え、前記第1背面板及び前記第2背面板には、前記取付金具を受け入れる2分割の開口部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、柱に取り付けられる取付金具に、連結部品を介して蓄電池設備が固定され、その取付金具を、収容箱背面の開口部に装着することにより、蓄電池設備を収容箱内に収容する構成にしたので、以下の(i)~(iv)のような効果がある。
【0012】
(i) 装柱型の蓄電池設備を柱に取り付けた状態で収容することが可能になる。
(ii) 蓄電池設備は、取付金具及び連結部品により柱に固定される構造のため、その蓄電池設備を収容する収容箱は、蓄電池設備を包囲するだけであり、内部の蓄電池設備を補強する必要がない。そのため、収容箱は、柱への支持構造の強度のみを考慮すればよいので、収容箱自体の補強を最小限に抑えることができ、コスト及び重量を低減できる。
(iii) 収容箱の重量を低減できるので、持ち運びや設置・撤去の作業性が向上する。
(iv) 既設の装柱型の蓄電池設備に適用する際、その蓄電池設備の取り外しが最低限で済むため、作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例1における装柱型の蓄電池設備用収容箱を背面側から見た斜視図
【
図2】
図1の蓄電池設備用収容箱を正面側から見た斜視図
【
図4】
図3中のポール用金具を裏面側から見た拡大斜視図
【
図5】
図1中の2分割構造の開口部(例えば、角孔)に装着される取付金具の表面側から見た拡大斜視図
【
図6】柱に取り付けられた
図2の蓄電池設備用収容箱の側面図
【
図7】
図6の蓄電池設備用収容箱の内部構造を示す模式図
【
図8】蓄電池設備が新設の場合の収容箱の設置手順1を示す図
【
図9】蓄電池設備が新設の場合の収容箱の設置手順2を示す図
【
図10】蓄電池設備が新設の場合の収容箱の設置手順3~5を示す図
【
図11】蓄電池設備が新設の場合の収容箱の設置手順6を示す図
【
図12】蓄電池設備が新設の場合の収容箱の設置手順7を示す図
【
図13】蓄電池設備が既設の場合の収容箱の設置手順1を示す図
【
図14】蓄電池設備が既設の場合の収容箱の設置手順2~3を示す図
【
図15】蓄電池設備が既設の場合の収容箱の設置手順4~6を示す図
【
図16】蓄電池設備が既設の場合の収容箱の設置手順7を示す図
【
図17】蓄電池設備が既設の場合の収容箱の設置手順8を示す図
【
図18】従来の自立型の蓄電池設備用収容箱を示す模式図
【
図20】自立型の収容箱に装柱型の蓄電池設備を収容する場合の模式図
【
図21】自立型の収容箱に装柱型の蓄電池設備を収容する場合の模式図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例0015】
(実施例1の構成)
図1は本発明の実施例1における装柱型の蓄電池設備用収容箱を背面側から見た斜視図、
図2は
図1の蓄電池設備用収容箱を正面側から見た斜視図、
図3は
図2の分解斜視図、
図4は
図3中のポール用金具を裏面側から見た拡大斜視図、
図5は
図1中の2分割構造の開口部(例えば、角孔)に装着される取付金具の表面側から見た拡大斜視図、
図6は柱に取り付けられた
図2の蓄電池設備用収容箱の側面図、及び、
図7は
図6の蓄電池設備用収容箱の内部構造を示す模式図である。
【0016】
図1、
図2及び
図3に示すように、本実施例1の装柱型の蓄電池設備用収容箱20は、例えば、
図6に示された屋外の柱60に取り付けられるものであって、背面が開口した筐体(例えば、金属製の箱型のカバー)21を有している。カバー21は、例えば、底面が開口しており、その開口部が金属製の底面板22により、ボルトによって閉塞される構造になっている。カバー21の背面の開口部は、金属製の2分割構造の第1背面板23-1及び第2背面板23-2により、ボルトによって閉塞される構造になっている。第1、第2背面板23-1,23-2の周縁には、固定用のボルト孔等が形成された折曲部23aが形成されている。又、第1背面板23-1及び第2背面板23-2の中央には、
図5の取付金具40を受け入れるための2分割の開口部(例えば、角孔)24-1,24-2が形成されている。
【0017】
カバー21の左右の側面には、把持用の金属製のアーム取手25が取り付けられている。カバー21の左右の側面、背面、及び第1、第2背面板23-1,23-2には、複数の換気孔26が設けられている。第1、第2背面板23-1,23-2の下部には、電気ケーブルの円形のケーブル引出口27が設けられている。更に、底面板22にも、方形の蓋付きのケーブル引出口28が設けられている。又、カバー21の背面には、機器番号等を記入するための名板29が設けられている。
【0018】
第1背面板23-1及び第2背面板23-2の表面は、合掌状態に合わされ、その上部及び下部が、2本のポール用金具30-1,30-2により、例えばボルトによって連結されている。2本のポール用金具30-1,30-2は、同一の形状をしている。
【0019】
図4に示すように、各ポール用金具30-1,30-2は、長方形の固定板31を有し、その固定板31の表面31aが、第1、第2背面板30-1,30-2に、ボルトによって固定されるものである。固定板31の上辺は、裏面31b側に折り曲げられ、補強用の折曲部32が形成されている。固定板31の裏面31bには、一対の突出板33-1,33-2が突設され、その各突出板33-1,33-2に、取付バンド挿入孔34-1,34-2がそれぞれ形成されている。固定板31には、複数のボルト孔35が形成され、そのボルト孔35に挿入された図示しないボルトによって、その固定板31の表面31aが第1、第2背面板30-1,30-2に固定されるようになっている。
【0020】
各ポール用金具30-1,30-2の2つの突出板33-1,33-2における取付バンド挿入孔34-1,34-2に、
図6に示す第2取付バンド62-1,62-2をそれぞれ通し、そのポール用金具30-1,30-2を柱60に固定する構造になっている。第2取付バンド62-1,62-2は、複数の開口部が連設された金属製のベルトであり、両端をボルト及びナットにより締結することにより、柱60の周囲に固定するようになっている。
【0021】
図5に示すように、取付金具40は、方形板41を有し、その方形板41の表面41aの両側辺が裏面41b側に折れ曲げられて折曲部42-1,42-2が形成されている。各折曲部42-1,42-2の上下には、2つの取付バンド挿入口43-1,43-2がそれぞれ形成されている。方形板44には、複数のボルト孔44が形成され、そのボルト孔44に通した図示しないボルトにより、表面41a側に、
図7に示す連結部品50が固定されるようになっている。連結部品50には、装柱型の蓄電池設備51が取り付けられる。取付金具40の各折曲部42-1,42-2にそれぞれ形成された2つの取付バンド挿入口43-1,43-2に、
図6に示す2本の第1取付バンド61-1,61-2をそれぞれ通し、その取付金具40を柱60に固定する構造になっている。第1取付バンド61-1,61-2は、第2取付バンド62と同一の形状をしている。
【0022】
(蓄電池設備が新設の場合の収容箱の設置方法)
図8~
図12は、蓄電池設備51が新設の場合の収容箱20の設置手順1~7を示す図である。
【0023】
(1) 設置手順1(
図8)
図5に示す取付金具40の取付バンド挿入口43-1,43-2に、取付バンド61-1,61-2をそれぞれ通し、その取付バンド61-1,61-2によって取付金具40を柱60に固定する。その取付状態の側面が
図8の左側に示され、その取付状態の正面が
図8の右側に示されている。
【0024】
(2) 設置手順2(
図9)
背面板23-1と背面板23-2とを合掌状態に合わせ、その背面板23-1,23-2の表面の上下に、
図4に示すポール用金具30-1,30-2の表面31aを接触させ、図示しないボルトによってそのポール用金具30-1,30-2を背面板23-1及び背面板23-2に固定する。この固定する状態が
図9の左側に示され、背面板23-1及び背面板23-2がポール用金具30-1,30-2によって連結された状態の裏面側が
図9の右側に示されている。
【0025】
(3) 設置手順3-5(
図10)
設置手順3において、
図5に示す取付金具40の取付バンド挿入口43-1,43-2に取付バンド61-1,61-2を通し、その取付金具40の裏面41b側を柱60に固定する。次に、背面板23-1,23-2を連結している
図4に示す各ポール用金具30-1,30-2の取付バンド挿入孔34-1,34-2に、取付バンド62-1,62-2をそれぞれ通し、背面板23-1,23-2の角孔24-1,24-2に取付金具40の表面41a側が収まるように位置決めして、そのポール用金具30-1,30-2で連結された背面板23-1,23-2の表面側を柱60に固定する。
設置手順4において、防水対策のため、角孔24-1,24-2と取付金具40との隙間を、難燃性パテ63で埋める。難燃性パテ63とは、難燃剤を添加した不乾性のパテ状シール材のことである。
次に、設置手順5において、取付金具40の表面41a側に、
図7に示す連結部品50を接触させ、取付金具40の複数のボルト孔44に図示しないボルトを通して、その連結部品50を固定する。そして、連結部品50に蓄電池設備51を取り付ける。
【0026】
(4) 設置手順6(
図11)
図11の左側に示すように、カバー21の底面開口部に底面板22を接触させ、
図11の右側に示すように、底面板22をボルトで固定してカバー21の底面を閉塞する。
【0027】
(5) 設置手順7(
図12)
図12の左側に示すように、蓄電池設備51に、図示しないケーブルを接続する。そして、背面板23-1,23-2の裏面側の周縁に形成された折曲部23aに、
図12の右側に示すように、底面が底面板22で閉塞されたカバー21を被せ、そのカバー21をボルトで背面板23-1,23-2に固定する。この際、蓄電池設備51に接続された図示しないケーブルを、背面板23-1,23-2のケーブル引出口27や、底面板22のケーブル引出口28から引き出す。
以上により、収容箱20の設置作業が終了する。
【0028】
(蓄電池設備が既設の場合の収容箱の設置方法)
図13~
図17は、蓄電池設備が既設の場合の収容箱の設置手順1~8を示す図である。
【0029】
(1) 設置手順1(
図13)
図13の左側に示すように、一方の背面板23-2の表面側上下に、2つのポール用金具30-1,30-2を接触させ、
図13の右側に示すように、そのポール用金具30-1,30-2を図示しないボルトで背面板23-2に固定する。
【0030】
(2) 設置手順2-3(
図14)
設置手順2において、予め柱60に取り付けられた既設の蓄電池設備51を固定している取付金具40に、背面板23-2の角孔24-2が収まるように、その背面板23-2に固定されたポール用金具30-1,30-2を、取付バンド62-1,62-2で柱60に固定する。
設置手順3において、他方の背面板23-1の角孔24-1が取付金具40に収まるように、その背面板23-1をボルトでポール用金具30-1,30-2に固定する。
【0031】
(3) 設置手順4-6(
図15)
設置手順4において、蓄電池設備51及び連結部品50を取付金具40から取り外す。
設置手順5において、防水対策のため、背面板23-1,23-2の角孔24-1,24-2と取付金具40との隙間を、難燃性パテ63で埋める。
次に、設置手順6において、蓄電池設備51を連結部品50を介して取付金具40に取りつける。
【0032】
(4) 設置手順7(
図16)
図16の左側に示すように、カバー21の底面開口部に底面板22を接触させ、
図16の右側に示すように、その底面板22をボルトで固定してカバー21の底面を閉塞する。
【0033】
(5) 設置手順8(
図17)
図17の左側に示すように、蓄電池設備51に、図示しないケーブルを接続する。そして、背面板23-1,23-2の裏面側の周縁に形成された折曲部23aに、
図17の右側に示すように、底面が底面板22で閉塞されたカバー21を被せ、そのカバー21をボルトで背面板23-1,23-2に固定する。この際、蓄電池設備51に接続された図示しないケーブルを、背面板23-1,23-2のケーブル引出口27や、底面板22のケーブル引出口28から引き出す。
以上により、収容箱20の設置作業が終了する。
【0034】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、柱60に取り付けられる取付金具40に、連結部品50を介して蓄電池設備51が固定され、その取付金具40を、収容箱20における背面板23-1,23-2の角孔24-1,24-2に装着することにより、蓄電池設備51を収容箱20内に収容する構成にしたので、以下の(a)~(d)のような効果がある。
【0035】
(a) 装柱型の蓄電池設備51を柱60に取り付けた状態で収容することが可能になる。
(b) 蓄電池設備51は、取付金具40及び連結部品50により柱60に固定される構造のため、その蓄電池設備51を収容する収容箱20は、蓄電池設備51を包囲するだけであり、内部の蓄電池設備51を補強する必要がない。そのため、収容箱20は、柱60への支持構造の強度(例えば、ボルトやポール用金具30-1,30-2等の固定用部品の補強強度)のみを考慮すればよいので、収容箱自体の補強を最小限に抑えることができ、コスト及び重量を低減できる。
(c) 収容箱20の重量を低減できるので、持ち運びや設置・撤去の作業性が向上する。
(d) 既設の装柱型の蓄電池設備51に適用する際、その蓄電池設備51の取り外しが最低限で済むため、作業効率が向上する。
【0036】
(変形例)
本発明は、上記実施例1に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(I),(II)のようなものがある。
(I) 収容箱20の全体の形状及び構造は、図示以外のものに変形しても良い。例えば、
図3では、カバー21と底面板22とが分離構造になっているが、上面板(天板)と同様に、底面板22をカバー21に一体化した構造に変形しても良い。又、ポール用金具30-1,30-2や取付金具40等も、図示以外の形状や構造に変形しても良い。
(II)
図8~
図12、或いは
図13~
図17の設置手順は、図示以外の手順に変更して良い。