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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105938
(43)【公開日】2022-07-15
(54)【発明の名称】X線位相イメージング撮影装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
A61B6/00 330Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000582
(22)【出願日】2021-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】松花 文太
(72)【発明者】
【氏名】土岐 貴弘
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA07
4C093CA36
4C093CA38
4C093EA11
4C093EA12
4C093EB12
4C093EB13
4C093EB17
4C093EB21
4C093EB26
4C093EE17
(57)【要約】
【課題】周辺機器が散乱X線によって劣化することを抑制することにより、周辺機器の寿命が短くなることを抑制することが可能なX線位相イメージング撮影装置を提供する。
【解決手段】このX線位相イメージング撮影装置100は、X線源1と、X線源1から照射されたX線を検出するX線検出器2と、X線源1とX線検出器2との間に配置された複数の格子と、複数の格子を回転させる格子回転機構と、X線検出器2により検出されたX線の強度分布に基づいてX線位相コントラスト画像20を生成する画像処理部31と、を備え、格子回転機構は、格子を保持する格子保持部12aと、格子保持部12aを回転させる駆動力を付与する駆動部12bと、を有し、格子回転機構の格子保持部12aには、格子保持部12aからX線源1の方向に向かって突出するように設けられ、格子からの散乱X線を遮蔽する散乱線遮蔽部材15が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体にX線を照射するX線源と、
前記X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、
前記X線源と前記X線検出器との間に配置された複数の格子と、
前記複数の格子を回転させる格子回転機構と、
前記X線検出器により検出されたX線の強度分布に基づいてX線位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、
前記格子回転機構は、前記格子を保持する格子保持部と、前記格子保持部を回転させる駆動力を付与する駆動部と、を有し、
前記格子回転機構の前記格子保持部には、前記格子保持部から前記X線源の方向に向かって突出するように設けられ、前記格子からの散乱X線を遮蔽する散乱線遮蔽部材が設けられている、X線位相イメージング撮影装置。
【請求項2】
前記格子を回転させる際の前記格子の位置を検知するセンサをさらに備え、
前記散乱線遮蔽部材は、前記センサと前記格子とを結ぶ直線上に設けられている、請求項1に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【請求項3】
前記散乱線遮蔽部材は、前記格子の周囲を取り囲む形状を有している、請求項2に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【請求項4】
前記格子回転機構は、前記格子保持部を内側に保持するとともに、前記駆動部から付与された駆動力によって、前記格子保持部とともに回転する回転部材をさらに有し、
前記散乱線遮蔽部材は、前記格子保持部において、前記格子と前記回転部材との間の位置に設けられている、請求項2または3に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【請求項5】
前記格子保持部は、円状形状を有しており、
前記格子は、前記格子保持部の中央に設けられており、
前記散乱線遮蔽部材は、前記格子に照射されるX線の照射範囲よりも外側で、かつ、前記照射範囲の外周部までの最短距離が、前記格子保持部の外周部までの最短距離よりも小さくなる位置に前記散乱線遮蔽部材の内周面が配置されるように、前記格子保持部に設けられている、請求項3または4に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【請求項6】
前記散乱線遮蔽部材は、円環形状を有している、請求項3~5のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【請求項7】
前記直線は、前記格子の前記X線源側の端面の中央と、前記センサの前記X線源側の端面とを結び、
前記散乱線遮蔽部材は、前記直線上に前記散乱線遮蔽部材の前記X線源側の端部が配置されるような突出量で、前記X線源に向けて突出している、請求項2~6のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【請求項8】
前記散乱線遮蔽部材は、前記散乱線遮蔽部材の前記X線源側の端部が、前記センサの前記X線源側の端部と同じか、前記センサの前記X線源側の端部よりも前記X線源に近くなる突出量で前記X線源に向けて突出している、請求項7に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【請求項9】
前記センサは、前記格子回転機構のうち、前記X線源側で、かつ、前記格子保持部よりも前記X線源に近い位置に設けられている、請求項2~7のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【請求項10】
前記格子回転機構は、X線の照射方向において、前記センサと前記X線源との間の位置に設けられ、前記X線源から照射された直接線を遮蔽する直接線遮蔽部材をさらに備える、請求項2~8のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【請求項11】
前記複数の格子は、前記X線源からX線が照射される第1格子と、前記第1格子からのX線が照射される第2格子と、前記第2格子からのX線が照射される第3格子とを含み、
前記格子回転機構は、前記第1格子を回転させる第1格子回転機構と、前記第2格子を回転させる第2格子回転機構と、前記第3格子を回転させる第3格子回転機構とをさらに含み、
前記散乱線遮蔽部材は、少なくとも、前記第1格子回転機構に設けられている、請求項1~9のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【請求項12】
前記散乱線遮蔽部材は、真鍮、金、鉛、タングステン、銀のいずれかを含む重金属材料によって形成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線位相イメージング撮影装置に関し、特に、格子を回転させる格子回転機構を備えるX線位相イメージング撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体を回転させながら撮影するX線位相イメージング撮影装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、X線源と、X線検出器と、X線源とX線検出器との間に配置された複数の格子と、格子回転機構と、を備えたX線位相イメージング撮影装置が開示されている。格子回転機構は、複数の格子の各々に設けられており、複数の格子の向きを揃えるために格子をX線の照射軸周りに回転させるように構成されている。また、上記特許文献1に開示されているX線位相イメージング撮影装置は、格子回転機構によって回転される格子の位置を検知するためのセンサを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-045471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1に開示されている格子回転機構において、X線源から照射されたX線は、格子によって散乱される。格子によって散乱された散乱X線は、様々な方向に照射される。散乱X線が格子回転機構に設けられたセンサなどに照射されると、センサなどの周辺機器が劣化し、寿命が短くなるという不都合がある。そこで、散乱X線によって周辺機器が劣化し、寿命が短くなることを抑制することが可能なX線位相イメージング撮影装置が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、周辺機器が散乱X線によって劣化することを抑制することにより、周辺機器の寿命が短くなることを抑制することが可能なX線位相イメージング撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるX線位相イメージング撮影装置は、被写体にX線を照射するX線源と、X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、X線源とX線検出器との間に配置された複数の格子と、複数の格子を回転させる格子回転機構と、X線検出器により検出されたX線の強度分布に基づいてX線位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、格子回転機構は、格子を保持する格子保持部と、格子保持部を回転させる駆動力を付与する駆動部と、を有し、格子回転機構の格子保持部には、格子保持部からX線源の方向に向かって突出するように設けられ、格子からの散乱X線を遮蔽する散乱線遮蔽部材が設けられている。なお、「格子からの散乱X線」とは、格子によって散乱されたX線、または、格子の表面に保護膜が設けられている場合には、格子によって散乱されたX線に加えて、保護膜によって散乱されたX線も含む。
【発明の効果】
【0008】
上記一の局面におけるX線位相イメージング撮影装置では、上記のように、格子回転機構には、格子からの散乱X線を遮蔽する散乱線遮蔽部材が設けられている。これにより、格子によって散乱された散乱X線が、散乱線遮蔽部材によって遮蔽されるため、格子回転機構の内部に設けられた周辺機器に照射される散乱X線の線量を減少させることができる。その結果、周辺機器が散乱X線によって劣化することを抑制することが可能となるので、周辺機器の寿命が短くなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態によるX線位相イメージング撮影装置の全体構成を示した模式図である。
図2】一実施形態によるX線位相イメージング撮影装置の格子位置調整機構の構成を説明するための図である。
図3】X線位相コントラスト画像を生成する構成を説明するための模式図である。
図4】一実施形態による格子回転機構の構成を説明するための模式図である。
図5図4における200-200線に沿った断面図である。
図6】一実施形態による格子回転機構の一部を拡大した拡大図である。
図7】第1変形例による格子回転機構の断面図である。
図8】第2変形例による格子回転機構の断面図である。
図9】第3変形例による格子回転機構の構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態によるX線位相イメージング撮影装置100の全体構成について説明する。
【0012】
図1に示すように、X線位相イメージング撮影装置100は、タルボ(Talbot)効果を利用して、被写体90の内部を画像化する装置である。X線位相イメージング撮影装置100は、X線源1と、X線検出器2と、複数の格子と、コンピュータ3と、表示部5と、入力受付部6と、格子位置調整機構7と、コリメータ8と、複数の格子を回転させる格子回転機構と、を備えている。また、図1に示すように、X線源1と、X線検出器2と、複数の格子と、格子位置調整機構7と、コリメータ8と、格子回転機構とは、筐体50の内部に収容されている。なお、X線が外部に漏洩することを抑制するために、筐体50は、筐体50の内部空間を覆うように設けられたX線遮蔽部材を含む。X線遮蔽部材は、たとえば、鉛材料または鉛を含有する材料により形成されている。
【0013】
なお、本明細書では、上下方向をZ方向とし、上方向をZ1方向、下方向をZ2方向とする。また、X線源1からX線検出器2に向かう方向をX方向とし、一方側をX1方向、他方側をX2方向とする。また、Z方向およびX方向と直交する方向をY方向とし、一方側をY1方向、他方側をY2方向とする。
【0014】
X線源1は、被写体90にX線を照射するように構成されている。具体的には、X線源1は、高電圧が印加されることにより、X線を発生させるように構成されている。
【0015】
X線検出器2は、X線源1から照射されたX線を検出するように構成されている。また、X線検出器2は、検出されたX線を電気信号に変換するように構成されている。X線検出器2は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。X線検出器2は、複数の変換素子(図示せず)と複数の変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成されている。複数の変換素子および画素電極は、所定の周期(画素ピッチ)で、Y方向およびZ方向に並んで配置されている。X線検出器2の検出信号(画像信号)は、後述する画像処理部31に送られる。
【0016】
複数の格子は、X線源1とX線検出器2との間に配置されている。本実施形態では、複数の格子は、第1格子9と、第2格子10と、第3格子11とを含む。
【0017】
第1格子9は、X線源1と第2格子10との間に配置される。第1格子9は、X線源1からX線が照射される。第1格子9は、Z方向に所定の周期(ピッチ)9cで配列される複数のスリット9aおよびX線吸収部9bを有している。各スリット9aおよびX線吸収部9bはそれぞれ、Y方向に直線状に延びるように形成されている。また、各スリット9aおよびX線吸収部9bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第1格子9は、各スリット9aを通過したX線を、各スリット9aの位置に対応する線光源とするように構成されている。
【0018】
第2格子10は、第1格子9と第3格子11との間に配置される。第2格子10は、第1格子9からのX線が照射される。第2格子10は、Z方向に所定の周期(格子ピッチ)10cで配列されるスリット10aおよびX線位相変化部10bを有している。各スリット10aおよびX線位相変化部10bは、Y方向に直線状に延びるように形成されている。第2格子10は、いわゆる位相格子である。第2格子10は、X線源1から照射されたX線により(タルボ効果によって)自己像を形成するために設けられている。なお、タルボ効果は、可干渉性を有するX線が、スリットが形成された格子を通過すると、格子から所定の距離(タルボ距離)離れた位置に、格子の像(自己像)が形成されることを意味する。
【0019】
第3格子11は、第2格子10からのX線が照射される。第3格子11は、Z方向に所定の周期(格子ピッチ)11cで配列される複数のX線透過部11aおよびX線吸収部11bを有している。各X線透過部11aおよびX線吸収部11bは、Y方向に直線状に延びるように形成されている。第3格子11は、いわゆる、吸収格子である。第3格子11は、第2格子10とX線検出器2との間に配置されており、第2格子10により形成された自己像に干渉するように構成されている。第3格子11は、自己像と第3格子11とを干渉させるために、第2格子10からタルボ距離だけ離れた位置に配置されている。
【0020】
なお、本実施形態では、第1格子9、第2格子10、および、第3格子11の各々は、格子パターンがY方向に延びる向きに配置される。なお、格子パターンとは、スリット10a、X線位相変化部10b、X線透過部11a、X線吸収部11b、スリット9a、および、X線吸収部9bなどである。
【0021】
コンピュータ3は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、および、GPU(Graphics Processing Unit)または画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサ3aと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリと、記憶部3bと、を含む。
【0022】
プロセッサ3aは、制御部30と、画像処理部31とを含む。制御部30は、X線源1、格子位置調整機構7、および、格子回転機構などの制御を行うように構成されている。制御部30は、プロセッサ3aが各種プログラムを実行することにより実現される機能ブロックとしてソフトウェア的に構成される。制御部30は、専用のプロセッサ(処理回路)を設けてハードウェアにより構成されていてもよい。
【0023】
画像処理部31は、X線検出器2により検出されたX線の強度分布に基づいてX線位相コントラスト画像20を生成するように構成されている。画像処理部31は、プロセッサ3aが各種プログラムを実行することにより実現される機能ブロックとしてソフトウェア的に構成される。画像処理部31は、専用のプロセッサ(処理回路)を設けてハードウェアにより構成されていてもよい。画像処理部31がX線位相コントラスト画像20を生成する構成の詳細については、後述する。
【0024】
記憶部3bは、画像処理部31が生成したX線位相コントラスト画像20、プロセッサ3aが実行する各種プログラムを記憶するように構成されている。記憶部3bは、HDD(Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性のメモリを含む。
【0025】
表示部5は、画像処理部31が生成したX線位相コントラスト画像20を表示する。表示部5は、たとえば、液晶モニタを含む。
【0026】
入力受付部6は、操作者の操作入力を受け付けるように構成されている。入力受付部6は、たとえば、キーボードやマウスなどの入力デバイスを含む。
【0027】
格子位置調整機構7は、第2格子10を、X方向、Y方向、Z方向、Z方向の軸線周りの回転方向Rz、X方向の軸線周りの回転方向Rx、および、Y方向の軸線周りの回転方向Ryに移動可能に構成されている。格子位置調整機構7の詳細な構成については、後述する。
【0028】
コリメータ8は、X線源1から照射されたX線の照射範囲17(図4参照)の大きさおよび形状を調整するために設けられている。コリメータ8は、たとえば、鉛材料などの平板に開口を形成することにより構成される。
【0029】
格子回転機構は、第1格子9を回転させる第1格子回転機構12と、第2格子10を回転させる第2格子回転機構13と、第3格子11を回転させる第3格子回転機構14とを含む。各格子回転機構の詳細な構成については、後述する。
【0030】
(格子位置調整機構)
図2に示すように、格子位置調整機構7は、X方向直動機構7aと、Z方向直動機構7bと、Y方向直動機構7cと、直動機構接続部7dと、ステージ支持部駆動部7eと、ステージ支持部7fと、ステージ駆動部7gと、ステージ7hと、を含む。
【0031】
X方向直動機構7a、Z方向直動機構7bおよびY方向直動機構7cは、それぞれ、X方向、Z方向およびY方向に移動可能に構成されている。X方向直動機構7a、Z方向直動機構7bおよびY方向直動機構7cは、たとえば、ステッピングモータなどを含む。格子位置調整機構7は、X方向直動機構7a、Z方向直動機構7bおよびY方向直動機構7cの動作により、第2格子10を、X方向、Z方向およびY方向に移動させるように構成されている。
【0032】
ステージ支持部7fは、第2格子10を載置させるためのステージ7hを図2の下方(Z2方向)から支持している。ステージ駆動部7gは、ステージ7hをX方向に往復移動させるように構成されている。ステージ7hは、底部がステージ支持部7fに向けて凸曲面状に形成されており、X方向に往復移動されることにより、Y方向の軸線周り(Ry方向)に回動するように構成されている。また、ステージ支持部駆動部7eは、ステージ支持部7fをY方向に往復移動させるように構成されている。また、ステージ支持部7fは底部が直動機構接続部7dに向けて凸曲面状に形成されており、Y方向に往復移動されることにより、X方向の軸線周り(Rx方向)に回動するように構成されている。また、直動機構接続部7dは、Z方向の軸線周り(Rz方向)に回動可能にX方向直動機構7aに設けられている。上記の構成により、格子位置調整機構7では、X方向直動機構7aの動作により、第2格子10をX方向に縞走査させることができる。
【0033】
(X線位相コントラスト画像を生成する構成)
次に、図3を参照して、画像処理部31(図1参照)がX線位相コントラスト画像20(図1参照)を生成する構成について説明する。画像処理部31は、X線検出器2によって検出されたX線の強度分布に基づいて取得された強度信号曲線21および強度信号曲線22を用いて、X線位相コントラスト画像20を生成する。X線位相コントラスト画像20は、吸収像、位相微分像、および、暗視野像を含む。強度信号曲線21は、被写体90を配置した状態で撮影することにより得られるX線の強度の分布を示す曲線である。また、強度信号曲線22は、被写体90を配置していない状態で撮影することにより得られるX線の強度の分布を示す曲線である。
【0034】
図3に示すように、吸収像は、被写体90を配置して撮像した際のX線の平均強度Csと、被写体90を配置せずに撮像した際のX線の平均強度Crとの比によって生成することができる。また、位相微分像は、被写体90を配置して撮像して取得した強度信号曲線21と、被写体90を配置せずに撮像して取得した強度信号曲線22との位相差Δφを所定の算出によって求められた数を乗算することにより生成することができる。また、暗視野像は、被写体90を配置せずに撮像した際のVisibility(Vr)と被写体90を配置して撮像した際のVisibility(Vs)との比によって生成することができる。Vrは、強度信号曲線22の振幅Arと平均強度Crとの比によって求めることができる。また、Vsは、強度信号曲線21の振幅Asと平均強度Csとの比によって求めることができる。
【0035】
(格子回転機構)
次に、図4図6を参照して、本実施形態による格子回転機構の構成について説明する。なお、第1格子回転機構12と、第2格子回転機構13と、第3格子回転機構14とは、後述する散乱線遮蔽部材15および直接線遮蔽部材16が設けられていない点、および、回転させる格子が異なる点以外は、同様の構成である。そのため、以下では、第1格子回転機構12、第2格子回転機構13、および、第3格子回転機構14のうち、第1格子回転機構12の構成を代表して説明する。
【0036】
図4に示すように、格子回転機構(第1格子回転機構12)は、格子保持部12aと、駆動部12bと、回転部材12cと、駆動力伝達部材12dと、支持部材12eと、を備える。また、図4に示すように、X線位相イメージング撮影装置100は、格子(第1格子9)を回転させる際の格子の位置を検知するセンサ4を備える。なお、図4に示す例では、回転部材12c、散乱線遮蔽部材15、および、X線の照射範囲17を区別するために、互いに異なるハッチングを付して図示している。
【0037】
センサ4は、発光部および受光部を有している。センサ4は、発光部から出射された光が、物体により遮られるのを受光部によって検知することによって、物体の位置を判定するように構成されている。センサ4は、いわゆる、フォトインタラプタである。センサ4は、格子回転機構(第1格子回転機構12)のうち、X線源1側(X2方向側)で、かつ、格子保持部12aよりもX線源1に近い位置に設けられている。
【0038】
格子保持部12aは、格子(第1格子9)を保持するように構成されている。格子保持部12aは、金属材料により構成されている。格子保持部12aは、たとえば、アルミ材料により構成されている。図4に示すように、格子保持部12aは、円盤形状を有している。また、格子保持部12aの中央には、格子(第1格子9)を保持するための保持孔(図示せず)が設けられている。格子(第1格子9)は、格子保持部12aの中央に設けられている。
【0039】
駆動部12bは、格子保持部12aを回転させる駆動力を付与するように構成されている。駆動部12bは、たとえば、モータと、駆動力伝達部材12dが係合するプーリーとを含む。
【0040】
回転部材12cは、格子保持部12aを内側に保持するように構成されている。具体的には、回転部材12cには、開口18a(図5参照)が設けられており、開口18aの内側において格子保持部12aを保持している。また、回転部材12cは、駆動部12bから付与された駆動力によって、格子保持部12aとともに回転するように構成されている。具体的には、回転部材12cは、駆動力伝達部材12dによって、駆動部12bと接続されており、駆動力伝達部材12dによって伝達された駆動力によって回転する。すなわち、本実施形態では、第1格子回転機構12は、第1格子9をX線の照射軸の軸線周りの回転方向に360度回転させることが可能なように構成されている。第1格子回転機構12は、いわゆる、ベルトアンドプーリー機構である。回転部材12cは、金属材料によって構成されている。本実施形態では、回転部材12cは、たとえば、ステンレス鋼により構成されている。
【0041】
また、回転部材12cには、検知片12fが設けられている。検知片12fは、板状形状を有している。また、検知片12fは、回転部材12cの外周部120から外側に突出するように設けられている。検知片12fは、センサ4の発光部および受光部の間に位置することにより、センサ4によって検知される。なお、本実施形態では、センサ4によって検知片12fが検知される位置を、第1格子9の回転位置の原点とする。
【0042】
駆動力伝達部材12dは、駆動部12bによって発せられた駆動力を、回転部材12cに伝達するように構成されている。具体的には、駆動力伝達部材12dは、環状形状を有しており、駆動部12bおよび回転部材12cの両方に係合するように構成されている。駆動力伝達部材12dは、たとえば、ゴム材料により構成されている。本実施形態では、駆動力伝達部材12dは、たとえば、クロロプレンゴムによって構成されている。
【0043】
支持部材12eは、回転部材12cを支持することにより、回転部材12cを介して格子保持部12aを支持するように構成されている。なお、支持部材12eには、開口18b(図5参照)が設けられており、開口18bの内側で回転部材12cを回転可能に支持している。また、支持部材12eは、センサ4を支持している。また、支持部材12eは、駆動部12bを支持している。
【0044】
(散乱線遮蔽部材)
ここで、矢印40(図5参照)に示すように、X線源1から第1格子9に対して照射されたX線は、大部分が第1格子9を透過するが、一部のX線は、第1格子9によって散乱される。第1格子9によって散乱されたX線は、様々な方向に照射される。矢印41に示すように、散乱された散乱X線のうちの一部の散乱X線が、センサ4に照射される。センサ4にX線(散乱X線)が照射されると、センサ4が劣化し、センサ4の寿命が短くなる。
【0045】
そこで、本実施形態では、図4に示すように、格子保持部12aには、格子(第1格子9)からの散乱X線を遮蔽する散乱線遮蔽部材15が設けられている。複数の格子回転機構のうち、X線源1に最も近い位置にある格子回転機構(X線が最初に照射される格子回転機構)は、照射されるX線の線量が最も多い。そこで、本実施形態では、散乱線遮蔽部材15は、少なくとも、第1格子回転機構12に設けられている。散乱線遮蔽部材15は、センサ4と格子とを結ぶ直線42上に設けられている。なお、本明細書において、X線を遮蔽するとは、透過するX線の線量を0(ゼロ)にすることを意味するのではなく、透過するX線の線量を減少させることを意味する。
【0046】
また、図4に示すように、散乱線遮蔽部材15は、格子(第1格子9)の周囲を取り囲む形状を有している。具体的には、散乱線遮蔽部材15は、円環形状を有している。
【0047】
また、図4に示すように、散乱線遮蔽部材15は、格子保持部12aにおいて、格子(第1格子9)と回転部材12cとの間の位置に設けられている。
【0048】
散乱線遮蔽部材15は、真鍮、金、鉛、タングステン、銀のいずれかを含む重金属材料によって形成されている。本実施形態では、散乱線遮蔽部材15は、真鍮材料によって形成されている。なお、本明細書において、真鍮とは、銅と亜鉛との合金を意味し、黄銅と同義である。
【0049】
図5に示すように、本実施形態では、散乱線遮蔽部材15は、格子保持部12aからX線源1の方向(X2方向)に向かって突出するように設けられている。具体的には、直線42は、格子(第1格子9)のX線源1側の端面9dの中央と、センサ4のX線源1側の端面4aとを結ぶ。散乱線遮蔽部材15は、直線42上に散乱線遮蔽部材15のX線源1側の端部15bが配置されるような突出量70で、X線源1に向けて突出している。より具体的には、散乱線遮蔽部材15は、散乱線遮蔽部材15のX線源1側の端部15bが、センサ4のX線源1側の端部4bと同じか、センサ4のX線源1側の端部4bよりもX線源1に近くなる突出量70でX線源1に向けて突出している。なお、図5に示す例では、散乱線遮蔽部材15は、散乱線遮蔽部材15の端部15bがセンサ4よりもX線源1に近くなる突出量70で突出している。
【0050】
また、散乱線遮蔽部材15は、散乱線遮蔽部材15が突出する方向と直交する方向における散乱線遮蔽部材15の厚み80が、散乱X線の線量を所定の線量まで減少させることが可能な大きさとなるように形成される。散乱線遮蔽部材15の厚み80は、散乱線遮蔽部材15を形成する材料によって決定される。本実施形態では、散乱線遮蔽部材15は、真鍮によって形成される。したがって、散乱線遮蔽部材15は、厚み80が、たとえば、5mm以上の大きさとなるように形成される。なお、散乱線遮蔽部材15の厚み80が大きくなるほど、散乱X線の線量を減少させることが可能となる。しかしながら、散乱線遮蔽部材15の厚み80が大きくなるにつれて、散乱線遮蔽部材15の重量が増加する。そのため、散乱線遮蔽部材15の厚み80は、散乱X線の線量を所定の線量に減少させることが可能な最低限の大きさであることが好ましい。本実施形態では、散乱線遮蔽部材15は、厚み80が、たとえば、5mmとなるように形成される。
【0051】
ここで、散乱線遮蔽部材15がX線の照射範囲17内に配置された場合、散乱線遮蔽部材15によってX線が散乱する。そこで、本実施形態では、図6に示すように、散乱線遮蔽部材15は、X線の照射範囲17の外周部17aの外側に配置される。なお、散乱線遮蔽部材15を設ける位置が、X線の照射範囲17から離れれば離れるほど、散乱線遮蔽部材15の周囲の長さが大きくなる。すなわち、散乱線遮蔽部材15の重量が増加する。そこで、本実施形態では、散乱線遮蔽部材15は、格子に照射されるX線の照射範囲17よりも外側で、かつ、照射範囲17の外周部17aまでの最短距離60が、格子保持部12aの外周部120までの最短距離61よりも小さくなる位置に散乱線遮蔽部材15の内周面15aが配置されるように、格子保持部12aに設けられている。言い換えると、散乱線遮蔽部材15は、散乱線遮蔽部材15の内周面15aがX線の照射範囲17の外周部17aよりも外側で、かつ、なるべくX線の照射範囲17の外周部17aに近い位置となるように、格子保持部12aに配置される。
【0052】
(直接線遮蔽部材)
また、本実施形態では、X線源1から照射されるX線の照射範囲17を制御するためのコリメータ8(図1参照)が設けられている。センサ4は、設計上、X線源1から照射された直接線がセンサ4に照射されることがないように、X線の照射範囲17の外側に配置されている。しかしながら、コリメータ8のエッジによって一部のX線が散乱し、センサ4に照射される直接線が生じる場合がある。
【0053】
そこで、本実施形態では、図4に示すように、格子回転機構(第1格子回転機構12)は、X線の照射方向において、センサ4とX線源1との間の位置に設けられ、X線源1から照射された直接線を遮蔽する直接線遮蔽部材16を備える。直接線遮蔽部材16は、重金属材料によって形成されている。本実施形態では、直接線遮蔽部材16は、鉛材料によって形成されている。また、図4に示すように、直接線遮蔽部材16は、X線源1の方向(X2方向からX1方向に向かう方向)から見て、矩形形状を有している。また、直接線遮蔽部材16は、少なくとも、第1格子回転機構12に設けられている。
【0054】
本実施形態では、散乱線遮蔽部材15が真鍮により形成されており、直接線遮蔽部材16が鉛材料によって形成されている。そのため、図5に示すように、散乱線遮蔽部材15の厚み80は、X線の照射方向(X方向)における直接線遮蔽部材16の厚み81よりも大きい。
【0055】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0056】
本実施形態では、上記のように、X線位相イメージング撮影装置100は、被写体90にX線を照射するX線源1と、X線源1から照射されたX線を検出するX線検出器2と、X線源1とX線検出器2との間に配置された複数の格子と、複数の格子を回転させる格子回転機構と、X線検出器2により検出されたX線の強度分布に基づいてX線位相コントラスト画像20を生成する画像処理部31と、を備え、格子回転機構は、格子を保持する格子保持部12aと、格子保持部12aを回転させる駆動力を付与する駆動部12bと、を有し、格子回転機構の格子保持部12aには、格子保持部12aからX線源1の方向(X2方向)に向かって突出するように設けられ、格子からの散乱X線を遮蔽する散乱線遮蔽部材15が設けられている。
【0057】
これにより、格子(第1格子9)によって散乱された散乱X線が、散乱線遮蔽部材15によって遮蔽されるため、格子回転機構(第1格子回転機構12)の内部に設けられた周辺機器に照射される散乱X線の線量を減少させることができる。その結果、周辺機器が散乱X線によって劣化することを抑制することが可能となるので、周辺機器の寿命が短くなることを抑制することができる。
【0058】
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0059】
すなわち、本実施形態では、上記のように、格子(第1格子9)を回転させる際の格子の位置を検知するセンサ4をさらに備え、散乱線遮蔽部材15は、センサ4と格子とを結ぶ直線42上に設けられている。これにより、格子(第1格子9)とセンサ4とを結ぶ直線42上に散乱線遮蔽部材15が配置されているので、格子(第1格子9)によって散乱した散乱X線のうち、センサ4が配置されている方向(矢印41の方向)に照射される散乱X線を、散乱線遮蔽部材15によって遮蔽することができる。その結果、センサ4に照射される散乱X線の線量を減少させることが可能になるので、センサ4の寿命が短くなることを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、散乱線遮蔽部材15は、格子(第1格子9)の周囲を取り囲む形状を有している。これにより、散乱線遮蔽部材15が格子(第1格子9)の周囲を取り囲むため、格子回転機構(第1格子回転機構12)によって格子(第1格子9)をどのような角度に回転させたとしても、格子(第1格子9)とセンサ4との間に散乱線遮蔽部材15が配置される状態を維持することができる。その結果、格子(第1格子9)をどのような角度に回転させた場合でも、センサ4に照射される散乱X線の線量を減少させることができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、格子回転機構(第1格子回転機構12)は、格子保持部12aを内側に保持するとともに、駆動部12bから付与された駆動力によって、格子保持部12aとともに回転する回転部材12cをさらに有し、散乱線遮蔽部材15は、格子保持部12aにおいて、格子(第1格子9)と回転部材12cとの間の位置に設けられている。これにより、散乱線遮蔽部材15が回転部材12cよりも内側に配置されるので、散乱線遮蔽部材15をより格子(第1格子9)に近い位置に配置することができる。したがって、格子(第1格子9)によって散乱した散乱X線が広範囲に拡散する前に、散乱線遮蔽部材15によって遮蔽することができる。その結果、散乱線遮蔽部材15のX線方向における厚み(散乱線遮蔽部材15の突出量70)を低減することが可能となるので、散乱線遮蔽部材15の重量が増加することを抑制することができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、格子保持部12aは、円状形状を有しており、格子(第1格子9)は、格子保持部12aの中央に設けられており、散乱線遮蔽部材15は、格子(第1格子9)に照射されるX線の照射範囲17よりも外側で、かつ、照射範囲17の外周部17aまでの最短距離60が、格子保持部12aの外周部120までの最短距離61よりも小さくなる位置に散乱線遮蔽部材15の内周面15aが配置されるように、格子保持部12aに設けられている。これにより、散乱線遮蔽部材15の内周面15aの位置を、照射範囲17の外周部17aに近い位置に配置することができる。したがって、格子(第1格子9)によって散乱した散乱X線が広範囲に拡散することを、より抑制することができる。その結果、散乱線遮蔽部材15のX線方向における厚み(散乱線遮蔽部材15の突出量70)をより低減することが可能となるので、散乱線遮蔽部材15の重量が増加することをより抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、散乱線遮蔽部材15は、円環形状を有している。ここで、X線源1からは、コーンビーム状(円錐状)のX線が照射される。したがって、格子保持部12aに照射されたX線の照射範囲17の形状は、円形形状となる。そのため、円環形状を有する散乱線遮蔽部材15を備えることにより、X線の照射範囲17の周囲を容易に、かつ、確実に取り囲むことができる。
【0064】
また、本実施形態では、上記のように、直線42は、格子(第1格子9)のX線源1側の端面9dの中央と、センサ4のX線源1側の端面4aとを結び、散乱線遮蔽部材15は、直線42上に散乱線遮蔽部材15のX線源1側の端部15bが配置されるような突出量70で、X線源1に向けて突出している。これにより、第1格子9で散乱したX線がセンサ4に向かう経路のうち、最も角度が大きくなる上に、散乱線遮蔽部材15の端部15bを配置することができるので、センサ4に照射される散乱X線を散乱線遮蔽部材15によって容易に遮蔽することができる。
【0065】
また、本実施形態では、上記のように、散乱線遮蔽部材15は、散乱線遮蔽部材15のX線源1側の端部15bが、センサ4のX線源1側の端部4bと同じか、センサ4のX線源1側の端部4bよりもX線源1に近くなる突出量70でX線源1に向けて突出している。これにより、散乱線遮蔽部材15の端部15bが、センサ4の端部4bと同じか、センサ4の端部4bよりもX線源1に近い位置に配置されるので、格子(第1格子9)からセンサ4に照射される散乱X線の散乱角度がどのような角度であっても、センサ4に照射される散乱X線の経路上に確実に散乱線遮蔽部材15を配置することができる。その結果、センサ4に照射される散乱X線を散乱線遮蔽部材15によって確実に遮蔽することができる。
【0066】
また、本実施形態では、上記のように、センサ4は、格子回転機構のうち、X線源1側で、かつ、格子保持部12aよりもX線源1に近い位置に設けられている。これにより、センサ4が格子(第1格子9)よりもX線源1に近い位置に配置されている場合でも、散乱線遮蔽部材15によって格子の後方に散乱する散乱X線を遮蔽することができる。したがって、センサ4が格子(第1格子9)よりもX線源1に近い位置に配置されているX線位相イメージング撮影装置100に本発明を適用することは好適である。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、格子回転機構は、X線の照射方向において、センサ4とX線源1との間の位置に設けられ、X線源1から照射された直接線を遮蔽する直接線遮蔽部材16をさらに備える。ここで、センサ4は、コリメータ8によって制御されるX線の照射範囲17の外側に配置される。しかしながら、コリメータ8のエッジなどによってX線が散乱した場合、X線源1からの直接線がセンサ4に対して照射される場合がある。そこで、上記のように、直接線遮蔽部材16を備えることにより、X線源1からセンサ4に対して照射される直接線の線量を減少させることができる。その結果、直接線によってセンサ4の寿命が短くなることを抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、複数の格子は、X線源1からX線が照射される第1格子9と、第1格子9からのX線が照射される第2格子10と、第2格子10からのX線が照射される第3格子11とを含み、格子回転機構は、第1格子9を回転させる第1格子回転機構12と、第2格子10を回転させる第2格子回転機構13と、第3格子11を回転させる第3格子回転機構14とをさらに含み、散乱線遮蔽部材15は、少なくとも、第1格子回転機構12に設けられている。ここで、各格子回転機構のうち、X線源1に最も近い位置に配置される第1格子回転機構12に対して照射されるX線の線量は、第2格子回転機構13および第3格子回転機構14に照射されるX線量よりも多くなる。したがって、第1格子回転機構12に設けられたセンサ4に対して照射される散乱X線の線量が最も多くなる。そこで、第1格子回転機構12に対して散乱線遮蔽部材15を設けることにより、第1格子回転機構12に設けられたセンサ4に照射される散乱X線の線量を減少させることができる。その結果、第1格子回転機構12に設けられたセンサ4の寿命が短くなることを抑制することができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、散乱線遮蔽部材15は、真鍮、金、鉛、タングステン、銀のいずれかを含む重金属材料によって形成されている。これにより、散乱線遮蔽部材15がX線の透過率の低い重金属材料によって形成されるので、センサ4などの被保護部材に照射される散乱X線の線量を容易に低減することができる。
【0070】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0071】
たとえば、上記実施形態では、回転部材12cが、開口18aの内側で格子保持部12aを支持する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図7に示す第1変形例による格子回転機構121のように、回転部材121aが、X線源1とは反対側(X1方向側)の端部121bにおいて格子保持部12aを保持するように構成されていてもよい。ここで、第1変形例による散乱線遮蔽部材150の突出量71が上記実施形態による散乱線遮蔽部材15の突出量70と同じ場合、センサ4が散乱線遮蔽部材150の端部150aよりもX線源1側(X2方向側)に配置される。そのため、第1変形例では、散乱線遮蔽部材150の端部150aを、センサ4と同じか、センサ4よりもX線源1側に配置するために、散乱線遮蔽部材150は、散乱線遮蔽部材150の突出量71が、上記実施形態による散乱線遮蔽部材15の突出量70よりも大きくなるように構成されている。
【0072】
また、上記実施形態では、回転部材12cが、開口18aの内側で格子保持部12aを支持する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図8に示す第2変形例による格子回転機構122のように、回転部材122aが、X線源1側(X2方向側)の端部122bにおいて格子保持部12aを保持するように構成されていてもよい。ここで、上記実施形態による散乱線遮蔽部材15と比較して、第2変形例による散乱線遮蔽部材151が配置される位置がX線源1側に近づく。そのため、散乱線遮蔽部材151の端部151aを、センサ4と同じか、センサ4よりもX線源1側に配置する場合であっても、第2変形例による散乱線遮蔽部材151は、散乱線遮蔽部材151の突出量72が、上記実施形態による散乱線遮蔽部材15の突出量70よりも小さくなるように構成されている。
【0073】
また、上記実施形態では、X線の照射範囲17が円形形状であり、散乱線遮蔽部材15が円環形状を有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図9に示す第3変形例のように、X線の照射範囲170が矩形形状の場合、散乱線遮蔽部材152も矩形形状を有していてもよい。格子の周囲を取り囲む形状を有していれば、散乱線遮蔽部材の形状はどのような形状であってもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、散乱線遮蔽部材15が格子(第1格子9)の周囲を取り囲む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、格子の回転角度が予め設定されており、設定された角度にのみ格子を回転させる場合には、設定された角度において格子とセンサ4とを結ぶ直線上に散乱線遮蔽部材15が配置されていれば、散乱線遮蔽部材15が格子の周囲を取り囲んでいなくてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、散乱線遮蔽部材15は、散乱線遮蔽部材15の端部15bがセンサ4よりもX線源1に近くなる突出量70で突出する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、散乱線遮蔽部材15は、散乱線遮蔽部材15の端部15bがセンサ4の端部4bと同じ位置となる突出量70で突出していてもよい。また、散乱線遮蔽部材15は、直線42上に散乱線遮蔽部材15の端部15bが配置されていれば、センサ4の端部4bよりもX線源1から遠くなる突出量70で突出していてもよい。格子(第1格子9)によって散乱され、センサ4に照射される散乱X線の線量を低減させることが可能であれば、散乱線遮蔽部材15の突出量70は、どのような値であってもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、散乱線遮蔽部材15が、照射範囲17の外周部17aまでの最短距離60が、格子保持部12aの外周部120までの最短距離61よりも小さくなる位置に散乱線遮蔽部材15の内周面15aが配置される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、照射範囲17の外周部17aまでの最短距離60と、格子保持部12aの外周部120までの最短距離61とが同じ大きさとなる位置に散乱線遮蔽部材15の内周面15aが配置されていてもよい。また、照射範囲17の外周部17aまでの最短距離60が、格子保持部12aの外周部120までの最短距離61よりも大きくなる位置に散乱線遮蔽部材15の内周面15aが配置されていてもよい。しかしながら、照射範囲17の外周部17aまでの最短距離60が、格子保持部12aの外周部120までの最短距離61と同じ大きさか、格子保持部12aの外周部120までの最短距離61よりも大きくなる場合、散乱線遮蔽部材15の周囲の長さが大きくなる。すなわち、散乱線遮蔽部材15の重量が大きくなる。そのため、照射範囲17の外周部17aまでの最短距離60は、格子保持部12aの外周部120までの最短距離61よりも小さくなる位置に散乱線遮蔽部材15の内周面15aが配置されていることが好ましい。
【0077】
また、上記実施形態では、格子回転機構(第1格子回転機構12)が、直接線遮蔽部材16を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、格子回転機構は、直接線遮蔽部材16を備えていなくてもよい。しかしながら、たとえば、コリメータ8のエッジなどによって散乱したX線がセンサ4に照射される場合、センサ4が劣化する。そのため、格子回転機構は、直接線遮蔽部材16を備えていることが好ましい。
【0078】
また、上記実施形態では、複数の格子が、第1格子9、第2格子10、および、第3格子11を含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、X線源1から照射されるX線の可干渉性が高ければ、複数の格子は、第1格子9を含まない構成としてもよい。この場合、散乱線遮蔽部材15は、少なくとも、第2格子10を回転させる第2格子回転機構13に設ければよい。
【0079】
また、上記実施形態では、散乱線遮蔽部材15の断面が、矩形形状を有している構成の例を示してが、本発明はこれに限られない。散乱線遮蔽部材15の断面の形状は、矩形形状以外のであってもよい。たとえば、散乱線遮蔽部材15の断面は、三角形形状を有していてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、散乱線遮蔽部材15が、内径が一定の状態でX線源1の方向に突出する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、散乱線遮蔽部材15は、X線源1の方向に対して延びるにしたがって、散乱線遮蔽部材15の内径が増加する形状であってもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、第1格子回転機構12のみに散乱線遮蔽部材15を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1格子回転機構12、第2格子回転機構13、および、第3格子回転機構14の全てが、散乱線遮蔽部材15を備えていてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、第1格子回転機構12のみに直接線遮蔽部材16を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1格子回転機構12、第2格子回転機構13、および、第3格子回転機構14の全てが、直接線遮蔽部材16を備えていてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、散乱線遮蔽部材15が、重金属材料によって形成される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、散乱線遮蔽部材15は、センサ4に照射される散乱X線の線量を減少させることができれば、重金属材料以外の材料によって形成されていてもよい。しかしながら、散乱線遮蔽部材15が重金属材料以外の材料で形成されている場合、散乱X線の線量を減衰させるためには、重金属材料によって形成する構成と比較して、散乱線遮蔽部材15の直径方向における厚みを大きくする必要がある。そのため、散乱線遮蔽部材15の周囲の大きさが大きくなり、格子回転機構が大型化する。そのため、散乱線遮蔽部材15は、重金属材料によって形成されることが好ましい。
【0084】
また、上記実施形態では、直接線遮蔽部材16が鉛材料によって形成される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、直接線遮蔽部材16は、金、タングステン、銀など、鉛材料以外の重金属材料によって形成されていてもよい。また、直接線遮蔽部材16は、鉛板をステンレス鋼によって挟むなど、重金属材料と軽金属材料とを組み合わせて形成されていてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、散乱線遮蔽部材15が、センサ4に照射される散乱X線を遮蔽する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、散乱線遮蔽部材15は、センサ4に加えて、駆動部12bのモータ、駆動力伝達部材12d、および、格子回転機構の振動を抑制するための防振ゴムなど、格子回転機構の内部に設けられ、散乱X線によって劣化する可能性のある被保護部材に対して照射される散乱X線を遮蔽するために設けられていてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、格子回転機構が、第1格子9を回転させる第1格子回転機構12と、第2格子10を回転させる第2格子回転機構13と、第3格子11を回転させる第3格子回転機構14とを備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、格子回転機構は、1つの機構で第1格子9、第2格子10、および、第3格子11の全てを回転させるように構成されていてもよい。この場合、少なくとも、第1格子9を保持する格子保持部に対して、散乱線遮蔽部材を設ければよい。
【0087】
また、上記実施形態では、第1格子回転機構12、第2格子回転機構13、および、第3格子回転機構14が、いわゆる、ベルトアンドプーリー機構である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1格子回転機構12、第2格子回転機構13、および、第3格子回転機構14は、いわゆる、ラックアンドピニオン機構として構成されていてもよい。また、第1格子回転機構12、第2格子回転機構13、および、第3格子回転機構14は、いわゆる、ボールねじ機構として構成されていてもよい。格子を回転させるように構成されていれば、第1格子回転機構12、第2格子回転機構13、および、第3格子回転機構14は、どのように構成されていてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、タルボ効果による自己像を形成するために、第2格子10を位相格子とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、自己像は縞模様であればよいので、位相格子の代わりに吸収格子を用いてもよい。吸収格子を用いると、距離などの光学条件により単純に縞模様が発生する領域(非干渉計)と、タルボ効果による自己像が生じる領域(干渉計)とが生じる。
【0089】
また、上記実施形態では、散乱線遮蔽部材15が、格子(第1格子9)によって散乱されたX線を遮蔽する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、格子(第1格子9)の表面を保護するために、格子(第1格子9)の表面に保護膜を設けられる場合がある。保護膜は、たとえば、ポリイミドフィルムを含む。格子(第1格子9)の表面に保護膜が設けられている場合には、散乱線遮蔽部材は、格子(第1格子9)によって散乱されたX線に加えて、保護膜によって散乱されたX線も遮蔽することができる。したがって、格子(第1格子9)の表面に保護膜を設ける構成において、本発明を適用することは、特に有効である。
【0090】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0091】
(項目1)
被写体にX線を照射するX線源と、
前記X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、
前記X線源と前記X線検出器との間に配置された複数の格子と、
前記複数の格子を回転させる格子回転機構と、
前記X線検出器により検出されたX線の強度分布に基づいてX線位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、
前記格子回転機構は、前記格子を保持する格子保持部と、前記格子保持部を回転させる駆動力を付与する駆動部と、を有し、
前記格子回転機構の前記格子保持部には、前記格子保持部から前記X線源の方向に向かって突出するように設けられ、前記格子からの散乱X線を遮蔽する散乱線遮蔽部材が設けられている、X線位相イメージング撮影装置。
【0092】
(項目2)
前記格子を回転させる際の前記格子の位置を検知するセンサをさらに備え、
前記散乱線遮蔽部材は、前記センサと前記格子とを結ぶ直線上に設けられている、項目1に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【0093】
(項目3)
前記散乱線遮蔽部材は、前記格子の周囲を取り囲む形状を有している、項目2に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【0094】
(項目4)
前記格子回転機構は、前記格子保持部を内側に保持するとともに、前記駆動部から付与された駆動力によって、前記格子保持部とともに回転する回転部材をさらに有し、
前記散乱線遮蔽部材は、前記格子保持部において、前記格子と前記回転部材との間の位置に設けられている、項目2または3に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【0095】
(項目5)
前記格子保持部は、円状形状を有しており、
前記格子は、前記格子保持部の中央に設けられており、
前記散乱線遮蔽部材は、前記格子に照射されるX線の照射範囲よりも外側で、かつ、前記照射範囲の外周部までの最短距離が、前記格子保持部の外周部までの最短距離よりも小さくなる位置に前記散乱線遮蔽部材の内周面が配置されるように、前記格子保持部に設けられている、項目3または4に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【0096】
(項目6)
前記散乱線遮蔽部材は、円環形状を有している、項目3~5のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【0097】
(項目7)
前記直線は、前記格子の前記X線源側の端面の中央と、前記センサの前記X線源側の端面とを結び、
前記散乱線遮蔽部材は、前記直線上に前記散乱線遮蔽部材の前記X線源側の端部が配置されるような突出量で、前記X線源に向けて突出している、請求項2~6のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【0098】
(項目8)
前記散乱線遮蔽部材は、前記散乱線遮蔽部材の前記X線源側の端部が、前記センサの前記X線源側の端部と同じか、前記センサの前記X線源側の端部よりも前記X線源に近くなる突出量で前記X線源に向けて突出している、項目7に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【0099】
(項目9)
前記センサは、前記格子回転機構のうち、前記X線源側で、かつ、前記格子保持部よりも前記X線源に近い位置に設けられている、項目2~8のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【0100】
(項目10)
前記格子回転機構は、X線の照射方向において、前記センサと前記X線源との間の位置に設けられ、前記X線源から照射された直接線を遮蔽する直接線遮蔽部材をさらに備える、項目2~9のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【0101】
(項目11)
前記複数の格子は、前記X線源からX線が照射される第1格子と、前記第1格子からのX線が照射される第2格子と、前記第2格子からのX線が照射される第3格子とを含み、
前記格子回転機構は、前記第1格子を回転させる第1格子回転機構と、前記第2格子を回転させる第2格子回転機構と、前記第3格子を回転させる第3格子回転機構とをさらに含み、
前記散乱線遮蔽部材は、少なくとも、前記第1格子回転機構に設けられている、項目1~10のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【0102】
(項目12)
前記散乱線遮蔽部材は、真鍮、金、鉛、タングステン、銀のいずれかを含む重金属材料によって形成されている、項目1~11のいずれか1項に記載のX線位相イメージング撮影装置。
【符号の説明】
【0103】
1 X線源
2 X線検出器
4 センサ
4a センサのX線源側の端面
4b センサの端部
9 第1格子
10 第2格子
11 第3格子
12、121、122、123 第1格子回転機構
12a 格子保持部
12b 駆動部
12c、121a、122a 回転部材
13 第2格子回転機構
14 第3格子回転機構
15、150、151、152 散乱線遮蔽部材
15a 散乱線遮蔽部材の内周面
15b 散乱線遮蔽部材の端部
16 直接線遮蔽部材
17、170 X線の照射範囲
17a X線の照射範囲の外周部
20 X線位相コントラスト画像
31 画像処理部
42 直線(センサと格子とを結ぶ直線)
60 X線の照射範囲の外周部までの最短距離
61 格子保持部の外周部までの最短距離
70、71、72 散乱線遮蔽部材の突出量
90 被写体
100 X線位相イメージング撮影装置
120 格子保持部の外周部
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9