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特開2022-105974デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット
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  • 特開-デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105974
(43)【公開日】2022-07-15
(54)【発明の名称】デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
H04R1/10 101Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021085311
(22)【出願日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】110100295
(32)【優先日】2021-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】503116213
【氏名又は名称】固昌通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Cotron Corporation
【住所又は居所原語表記】12Fl., No. 150, Sec.4, Cheng-de Rd., Shihlin District, Taipei City, 111,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】楊 宗隆
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ノイズキャンセリング機能による悪影響を受けた音質を改善させるスピーカユニットを提供する。
【解決手段】スピーカユニット100は、筐体110と、第1及び第2磁性部品120、140と、第1及び第2振動システム130、150と、を含む。筐体はチャンバ112を有する。第1及び第2磁性部品はチャンバ内に設けられる。第1振動システムは、筐体上に固定されてチャンバ内に位置する第1ダイアフラム132と、第1ダイアフラム上に固定されて第1磁性部品の傍に位置する第1コイル134と、を含む。第1ダイアフラムはリング形状を有する。筐体の内底面上の第2磁性部品の正射影は、内底面上の第1ダイアフラムの中央開口の正射影内に完全に位置する。第2振動システムは、筐体上に固定されてチャンバ内に位置する第2ダイアフラム152と、第2ダイアフラム上に固定されて第2磁性部品の傍に位置する第2コイル154とを、含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットであって、
チャンバを有する筐体と、
前記筐体の前記チャンバ内に設けられた第1磁性部品と、
第1ダイアフラム及び第1コイルを含む第1振動システムと、
前記筐体の前記チャンバ内に設けられた第2磁性部品と、
第2ダイアフラム及び第2コイルとを含む第2振動システムと、を含み、
前記第1ダイアフラムが前記筐体上に固定されて前記チャンバ内に位置し、前記第1ダイアフラムがリング形状を有し、
前記第1コイルが前記第1ダイアフラム上に固定されて前記第1次製部品の傍らに位置し、
前記筐体の内底面上の前記第2磁性部品の正射影が前記内底面上の前記第1ダイアフラムの中央開口の正射影内に完全に位置し、
前記第2ダイアフラムが前記筐体上に固定されて前記チャンバ内に位置し、前記第2コイルが前記第2ダイアフラム上に固定されて前記第2磁性部品の傍に位置する、
デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット。
【請求項2】
前記筐体内に設けられたマイクを更に含む、
請求項1に記載のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット。
【請求項3】
前記マイクが前記筐体の外頂面上に設けられ、前記第1磁性部品及び前記第2磁性部品が前記外頂面と前記内底面との間に位置する、
請求項2に記載のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット。
【請求項4】
プリント回路基板と、フレキシブル回路基板とを更に含み、
前記プリント回路基板が前記筐体の外底面上に設けられ、前記フレキシブル回路基板が前記マイクと前記プリント回路基板とに電気的に接続され、前記内底面が前記外頂面と前記外底面との間に位置する、
請求項3に記載のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット。
【請求項5】
駆動回路を更に含み、
前記駆動回路が、音響正端と、音響負端と、ノイズキャンセリング正端と、ノイズキャンセリング負端と、マイク正端と、マイク負端と、音響入力端とを含み、
前記音響正端及び前記音響負端が前記第2コイルに電気的に接続され、前記ノイズキャンセリング正端及び前記ノイズキャンセリング負端が前記第1コイルに電気的に接続され、前記マイク正端及び前記マイク負端が前記マイクに電気的に接続され、前記音響正端及び前記音響負端が前記音響入力端に電気的に接続され、前記音響入力端が外部音源に電気的に接続され、前記ノイズキャンセリング正端及び前記ノイズキャンセリング負端が前記マイクに電気的に接続された、
請求項2に記載のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット。
【請求項6】
前記音響正端及び前記音響負端が前記マイク正端及び前記マイク負端と電気的絶縁され、前記ノイズキャンセリング正端及び前記ノイズキャンセリング負端が前記音響入力端と電気的絶縁された、
請求項5に記載のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット。
【請求項7】
前記第1磁性部品及び前記第2磁性部品が前記内底面上に積み重ねられ、前記第1磁性部品が前記第2磁性部品と前記内底面との間に位置する、
請求項1に記載のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット。
【請求項8】
前記第1ダイアフラムの内縁が前記第1磁性部品上に固定され、前記第1ダイアフラムの外縁が前記筐体上に固定された、
請求項1に記載のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット。
【請求項9】
前記チャンバを第1音響チャンバと第2音響チャンバとに分離するため、前記筐体の前記チャンバ内に設けられたセパレータを更に含み、
前記第1ダイアフラムが前記第1音響チャンバ内に位置し、前記第2ダイアフラムが前記第2音響チャンバ内に位置する、
請求項1に記載のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット。
【請求項10】
前記筐体が、第1音響孔と、第2音響孔とを更に含み、
前記第1音響チャンバが前記第1音響孔を介し外へつながり、前記第2音響チャンバが前記第2音響孔を介し前記外へつながる、
請求項9に記載のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット。
【請求項11】
第1調音部品と、第2調音部品とを更に含み、
前記第1調音部品が前記第1音響孔を覆い、前記第2調音部品が前記第2音響孔を覆う、
請求項10に記載のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスピーカユニットに関するものであり、特にデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
技術進歩の継続に伴い、個人用電子製品は全て軽量、小型化の傾向にある。スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ等は、人々の日常正確に欠かせないものとなっている。上述した電子製品のいずれにおいても、他人を邪魔することなく電子製品により提供される音響情報を聞くため、イヤホンはユーザにとって必要なアクセサリとなっている。イヤホンは聞き手により良い音の伝達を提供するので、聞き手は空気中の音伝達による不明瞭な音ではなく、音の内容を明瞭に聞いて理解することができる。イヤホンを使用すると、特にユーザが、運動中、運転中、激しい活動中といった移動しているとき、又は騒がしい環境にいるときにも、音伝達に影響を与えることがない。加えて、電子製品で電話をかけるため、マイク付きヘッドセットも一般的なアクセサリである。
【0003】
その上、技術進歩に伴い、ユーザを線から解放するワイヤレスイヤホンもまた、ユーザの間でますます人気が高まっている。ワイヤレス技術の使用に加え、ノイズキャンセリングもまた、イヤホンを購入する際に多くのユーザにとって重要な考慮事項である。現在のアクティブノイズキャンセリング技術では、環境ノイズを相殺してノイズキャンセリングを実現するため、ノイズを収集するよう構成されたマイクがイヤホン内に設けられ、マイクにより収集されたノイズがデジタル信号に変換され、反転され、再生すべき元の音響信号と混合され、次いでイヤホンのスピーカユニットにより再生される。しかし、反転後のノイズ信号と混合された音響は単一のスピーカユニットで再生されるとき歪んでしまい、ユーザの購入意欲を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ノイズキャンセリング機能による悪影響を受けた音質を改善させるスピーカユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの実施形態によると、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットは、筐体と、第1磁性部品と、第1振動システムと、第2磁性部品と、第2振動システムとを含む。筐体はチャンバを有する。第1磁性部品は、筐体のチャンバ内に設けられる。第1振動システムは、第1ダイアフラムと第1コイルとを含む。第1ダイアフラムは、筐体上に固定されてチャンバ内に位置する。第1ダイアフラムはリング形状を有する。第1コイルは、第1ダイアフラム上に固定されて第1磁性部品の傍に位置する。第2磁性部品は、筐体のチャンバ内に設けられる。筐体の内底面上の第2磁性部品の正射影は、該内底面上の第1ダイアフラムの中央開口の正射影内に完全に位置する。第2振動システムは、第2ダイアフラムと第2コイルとを含む。第2ダイアフラムは、筐体上に固定されてチャンバ内に位置する。第2コイルは、第2ダイアフラム上に固定されて第2磁性部品の傍に位置する。
【0006】
本発明の1つの実施形態において、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットは、マイクを更に含む。マイクは筐体内に設けられる。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、マイクは筐体の外頂面に設けられる。第1磁性部品及び第2磁性部品は、外頂面と内底面との間に位置する。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットは、プリント回路基板とフレキシブル回路基板とを更に含む。プリント回路基板は、筐体の外底面上に設けられる。フレキシブル回路基板は、マイクとプリント回路基板とに電気的に接続される。内底面は、外頂面と外底面との間に位置する。
【0009】
本発明の1つの実施形態によると、第1磁性部品及び第2磁性部品は内底面上に積み重ねられる。第1磁性部品は、第2磁性部品と内底面との間に位置する。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、第1ダイアフラムの内縁は第1磁性部品上に固定される。第1ダイアフラムの外縁は筐体上に固定される。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットは、セパレータを更に含む。セパレータは、チャンバを第1音響チャンバと第2音響チャンバとに分離するため、筐体のチャンバ内に設けられる。第1ダイアフラムは第1音響チャンバ内に位置する。第2ダイアフラムは第2音響チャンバ内に位置する。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、筐体は、第1音響孔と第2音響孔とを更に含む。第1音響チャンバは、第1音響孔を介し外へつながる。第2音響チャンバは、第2音響孔を介し外へつながる。
【0013】
本発明の1つの実施形態において、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットは、第1調音部品と第2調音部品とを更に含む。第1調音部品は第1音響孔を覆う。第2調音部品は第2音響孔を覆う。
【0014】
本発明の1つの実施形態において、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットは、駆動回路を更に含む。駆動回路は、音響正端と、音響負端、ノイズキャンセリング正端と、ノイズキャンセリング負端と、マイク正端と、マイク負端と、音響入力端とを含む。音響正端と音響負端は、第2コイルに電気的に接続される。ノイズキャンセリング正端及びノイズキャンセリング負端は、第1コイルに電気的に接続される。マイク正端及びマイク負端は、マイクに電気的に接続される。音響正端及び音響負端は、音響入力端に電気的に接続される。音響入力端は、外部音源に電気的に接続される。ノイズキャンセリング正端及びノイズキャンセリング負端は、マイクに電気的に接続される。
【0015】
本発明の1つの実施形態において、音響正端及び音響負端は、マイク正端及びマイク負端と電気的絶縁される。ノイズキャンセリング正端及びノイズキャンセリング負端は、音響入力端と電気的絶縁される。
【発明の効果】
【0016】
上記に基づき、本発明のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットは、目標音響と反転後のノイズ音響をそれぞれ再生する2つの振動システムを含む。このため、音の忠実度を向上させ、ノイズキャンセリングを達成する。
【0017】
上記をより理解しやすくするため、いくつかの実施形態を図面を伴い以下に詳細に説明する。
【0018】
本発明の更なる理解を提供するため添付図面が含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の例示的な実施形態を示し、明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の1つの実施例形態によるデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットの3次元断面図である。
【0020】
図2図2は、図1のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットの分解図である。
【0021】
図3図3は、異なる視角からのデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットの分解図である。
【0022】
図4図4は、イヤホンに応用された図1のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットの概略断面図である。
【0023】
図5図5は、図1のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の1つの実施例形態によるデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットの3次元断面図である。図1を参照し、本発明の1つの実施例形態によると、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット100は、筐体110と、第1磁性部品120と、第1振動システム130と、第2磁性部品140と、第2振動システム150とを含む。筐体110はチャンバ112を有する。第1磁性部品120は、筐体110のチャンバ112内に設けられる。第1振動システム130は、第1ダイアフラム132と第1コイル134とを含む。第1ダイアフラム132は、筐体110上に固定されてチャンバ112内に位置する。第1ダイアフラム132はリング形状を有する。第1コイル134は、第1ダイアフラム132上に固定されて第1磁性部品120の傍に位置する。即ち、第1コイル134と第1磁性部品120との連携を介し、第1コイル134は第1ダイアフラム132を振動させ音を発するよう駆動する。
【0025】
第2磁性部品140は、筐体110のチャンバ112内に設けられる。筐体110の内底面S12上の第2磁性部品140の正射影は、内底面S12上の第1ダイアフラム132の中央開口P12の正射影内に完全に位置する。即ち、図1の上面図において、第2磁性部品140は、第1ダイアフラム132の中央開口P12内に完全に位置する。また、図1の側面図において、本実施形態の第2磁性部品140は、第1ダイアフラム132の中央開口P12を貫通する。他の実施形態において、第2磁性部品が第1ダイアフラムの中央開口を貫通しないことも可能であり、本発明により限定されない。
【0026】
第2振動システム150は、第2ダイアフラム152と第2コイル154とを含む。第2ダイアフラム152は、筐体110上に固定されてチャンバ112内に位置する。第2コイル154は、第2ダイアフラム152上に固定されて第2磁性部品140の傍に位置する。即ち、第2コイル154と第2磁性部品140との連携を介し、第2コイル154は第2ダイアフラム152を振動させ音を発するよう駆動する。
【0027】
本実施形態において、互いに独立した第1ダイアフラム132と第2ダイアフラム152が含まれ、これらは異なる音源からの音響をそれぞれ再生してよい。例えば、第1ダイアフラム132は、電気信号に変換され反転された、環境ノイズから得られたノイズ音響を再生してよい。他方、第2ダイアフラム152は、音楽、音声内容等といった、外部音源から入力された目標音響を再生してよい。このため、第2ダイアフラム152は高忠実度で外部音源からの音響入力を再生し、第1ダイアフラム132により再生される反転後のノイズ音響は、ノイズキャンセリングを達成するため環境ノイズを相殺する。
【0028】
また、ユーザが感知できるノイズは主に低周波部分にあることから、低周波ノイズが相殺できる限りノイズキャンセリングが達成される。反転後のノイズ音響が第1ダイアフラム132で再生されるとき、中央開口P12の存在のため第1ダイアフラム132の周波数応答が高周波部分において比較的低いとはいえ、ノイズキャンセリングにはそれほど影響しない。加えて、中央開口P12が第2磁性部品140を収容することから、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット100のサイズは2つのダイアフラムと2つのコイルのために大きく増加することがない。
【0029】
図2は、図1のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットの分解図である。図1図2を参照し、本実施形態において、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット100は、筐体110上に設けられたマイク160を更に含む。例えば、マイク160は環境ノイズを収集してよい。マイク160により収集された環境ノイズが電気信号に変換されて反転された後、取得されたノイズ音響は第1ダイアフラム132により再生されてよい。本実施形態のマイク160は、筐体110の外頂面S14上に設けられる。第1磁性部品120及び第2磁性部品140は、外頂面S14と内底面S12との間に位置する。例えば、筐体110は第1部部材110Aを含む。第1部品110Aは外頂面S14を有し、マイク160は第1部品110Aの外頂面S14上に設けられる。第1部品110Aは、例えば、第2ダイアフラム152により発せられた音が通過してユーザの鼓膜へ伝達されるための孔を有する。また、第1部品110Aは、マイク160が孔を覆うのを避けるため、マイク160を外頂面S14の上方へ上げるための支持構造を提供してよい。
【0030】
図3は、もう1つの視角からの図1のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットの分解図である。図1図3を参照し、本実施形態において、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット100は、プリント回路基板170とフレキシブル回路基板180とを更に含む。プリント回路基板170は、筐体110の外底面S16上に設けられる。例えば、筐体110は第3部品110Cも含む。第3部品110Cは外底面S16を有し、プリント回路基板170は第3部品110Cの外底面S16上に設けられる。フレキシブル回路基板180は、マイク160とプリント回路基板170とに電気的に接続される。内底面S12は、外頂面S14と外底面S16との間に位置する。換言すれば、マイク160及びプリント回路基板170は、筐体110の上側及び下側にそれぞれ位置する。このため、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット100がユーザの外耳道に装着されるイヤホンに応用されるとき、マイク160は他の部品よりもユーザの鼓膜に近く、ユーザの鼓膜のより近くで受けたノイズを更に収集し、ノイズキャンセリングを向上させる。フレキシブル回路基板180はプリント回路基板170とマイク160との間で信号を伝送してよく、フレキシブル回路基板180はプリント回路基板170と外部の部材との間で信号を伝送してよい。
【0031】
本実施形態において、第1磁性部品120及び第2磁性部品140は、内底面S12上に積み重ねられる。第1磁性部品120は、第2磁性部品140と内底面S12との間に位置する。このようなアーキテクチャにより第1磁性部品120及び第2磁性部品140を設けるために要する空間を削減し、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット100はコンパクトなサイズを有する。本実施形態の第1磁性部品120は、例えば、永久磁石部品122と磁気誘導部品124とを含み、磁気誘導部品124は、永久磁石部品122と第1ダイアフラム132との間に位置する。本実施形態の第2磁性部品140は、例えば、永久磁石部品142と磁気誘導部品144とを含み、磁気誘導部品144は、永久磁石部品142と第2ダイアフラム152との間に位置する。
【0032】
本実施形態において、第1ダイアフラム132の内縁は第1磁性部品120上に固定される。第1ダイアフラム132の外縁は筐体110上に固定される。第1ダイアフラム132の内縁は、即ち中央開口P12の縁部である。例えば、第1ダイアフラム132の内縁と外縁は固定リングをそれぞれ有し、2つの固定リングは第1磁性部品120及び筐体110上にそれぞれ固定される。固定リングを有することで、第1ダイアフラム132が変形や損傷の影響を受けにくいことを確実にする。
【0033】
本実施形態において、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット100は、チャンバ112を第1音響チャンバ112Aと第2音響チャンバ112Bとに分離するため筐体110のチャンバ112内に設けられた、セパレータ190を更に含む。第1ダイアフラム132は第1音響チャンバ112A内に位置する。第2ダイアフラム152は第2音響チャンバ112B内に位置する。例えば、セパレータ190は第1磁性部品120上に設けられる。筐体110は第2部品110Bも含む。セパレータ190、第2部品110B、第3部品110C、及び第1磁性部品120は、第1音響チャンバ112Aを共に定義する。セパレータ190と第2部品110Bは両方とも第1ダイアフラム132の上方に位置する。第2部品110Bは、例えば、第1ダイアフラム132により発せられた音が通過しユーザの鼓膜へ伝達されるための孔を有する。
【0034】
本実施形態において、筐体110は、第1音響孔P14と第2音響孔P16とを有する。第1音響チャンバ112Aは、第1音響孔P14を介し外へつながる。第2音響チャンバ112Bは、第2音響孔P16を介し外へつながる。具体的には、第1音響孔P14及び第2音響孔P16は第1ダイアフラム132及び第2ダイアフラム152の後方にそれぞれ位置しており、このため第1ダイアフラム132及び第2ダイアフラム152が振動するとき空気が通過でき、第1ダイアフラム132及び第2ダイアフラム152の振動に影響することを防ぐ。本実施形態の第1音響孔P14は、例えば、第3部品110C上に位置する。本実施形態の第2音響孔P16は、例えば、第1磁性部品120と、第2磁性部品140と、第3部品110Cとを通過する。
【0035】
本実施形態において、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット100は、第1調音部品192と第2調音部品194とを更に含む。第1調音部品192は第1音響孔P14を覆う。第2調音部品194は第2音響孔P16を覆う。第1調音部品192及び第2調音部品194の材料は、例えば、不織布又は他の適切な材料を含む。
【0036】
図4は、イヤホンに応用された図1のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットの概略断面図である。図1図4を参照し、イヤホンに応用されるとき、本実施形態のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット100は、成形筐体10内に搭載されてよい。デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット100と成形筐体10は、これら2つの間の接合部に接着剤を分散することによって組み立てられてよい。成形筐体10の外観は設計要件により変化してよく、イヤーパッド(図示せず)がユーザの快適性のため成形筐体10の1つの側に搭載されてよい。
【0037】
図5は、図1のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットの概略ブロック図である。図1図5を参照し、本実施形態において、デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット100は、駆動回路C10も含む。例えば、駆動回路C10は、プリント回路基板170とフレキシブル回路基板180上に製造されてよい。駆動回路C10は、音響正端C10Aと、音響負端C10Bと、ノイズキャンセリング正端C10Cと、ノイズキャンセリング負端C10Dと、マイク正端C10Eと、マイク負端C10Fと、音響入力端C10Gとを含む。音響正端C10A及び音響負端C10Bは、第2コイル154に電気的に接続される。ノイズキャンセリング正端C10C及びノイズキャンセリング負端C10Dは、第1コイル134に電気的に接続される。マイク正端C10E及びマイク負端C10Fは、マイク160に電気的に接続される。音響正端C10A及び音響負端C10Bは、音響入力端C10Gに電気的に接続される。音響入力端C10Gは、外部音源50に電気的に接続される。ノイズキャンセリング正端C10C及びノイズキャンセリング負端C10Dは、マイク160に電気的に接続される。
【0038】
外部音源50により提供される目標音響は、駆動回路C10を介し第2コイル154へ伝送され、これにより第2ダイアフラム152を振動させ音を発するよう駆動する。マイク160により収集された環境ノイズは、駆動回路C10によりデジタル信号に変換され反転される。次いで、取得されたノイズ音響は第1コイル134へ伝送され、これにより第1ダイアフラム132を振動させ音を発するよう駆動する。
【0039】
本実施形態において、音響正端C10A及び音響負端C10Bは、マイク正端C10E及びマイク負端C10Fと電気的絶縁される。ノイズキャンセリング正端C10C及びノイズキャンセリング負端C10Dは、音響入力端C10Gと電気的絶縁される。即ち、外部音源50により提供された目標音響は、第1ダイアフラム132により振動を介し発せられるよう第1コイル134へ伝送されることはない。加えて、マイク160により収集された環境ノイズは反転され、取得されたノイズ音響は、第2ダイアフラム152により振動を介し発せられるよう第2コイル154へ伝送されることはない。
【0040】
上記をまとめると、本発明のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットにおいて、2つの振動システムは異なる音響をそれぞれ再生する。例えば、1つの振動システムは目標音響を再生し、もう1つの振動システムは反転後のノイズ音響を再生する。このため、ノイズキャンセリングを達成するため環境ノイズが反転後のノイズ音響により相殺されたとき、ユーザは高忠実度の目標音響を聞くことができる。
【0041】
当業者にとって、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明に様々な改変と変形を行うことができることは明らかであろう。上記を鑑み、本発明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にあるという条件で、本発明の改変及び変形を網羅することを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のデュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニットはイヤホン、ヘッドセット、又は他の任意の形態の電子装置に応用できる。
【符号の説明】
【0043】
10:成形筐体
50:外部音源
100:デュアルダイアフラムとデュアルボイスコイルとを有するスピーカユニット
110:筐体
110A:第1部品
110B:第2部品
110C:第3部品
112:チャンバ
112A:第1音響チャンバ
112B:第2音響チャンバ
120:第1磁性部品
122、142:永久磁石部品
124:144:磁気誘導部品
130:第1振動システム
132:第1ダイアフラム
134:第1コイル
140:第2磁性部品
150:第2振動システム
152:第2ダイアフラム
154:第2コイル
160:マイク
170:プリント回路基板
180:フレキシブル回路基板
190:セパレータ
192:第1調音部品
194:第2調音部品
S12:内底面
S14:外頂面
S16:外底面
P12:中央開口
P14:第1音響孔
P16:第2音響孔
C10:駆動回路
C10A:音響正端
C10B:音響負端
C10C:ノイズキャンセリング正端
C10D:ノイズキャンセリング負端
C10E:マイク正端
C10F:マイク負端
C10G:音響入力端
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】