(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105999
(43)【公開日】2022-07-15
(54)【発明の名称】有料トイレ利用制御装置、有料トイレシステム、および有料トイレ利用制御プログラム
(51)【国際特許分類】
A47K 17/00 20060101AFI20220708BHJP
E03D 11/00 20060101ALI20220708BHJP
E03D 9/00 20060101ALI20220708BHJP
A47K 11/00 20060101ALI20220708BHJP
E05B 47/00 20060101ALI20220708BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20220708BHJP
G07F 17/14 20060101ALI20220708BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220708BHJP
【FI】
A47K17/00
E03D11/00 A
E03D9/00 Z
A47K11/00
E05B47/00 G
E05B65/00 A
G07F17/14
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002108
(22)【出願日】2022-01-11
(62)【分割の表示】P 2021561891の分割
【原出願日】2021-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】505388355
【氏名又は名称】株式会社エクセルシア
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】足立 寛一
【テーマコード(参考)】
2D036
2D037
2D038
2D039
5L049
【Fターム(参考)】
2D036AA02
2D036DA03
2D037EA00
2D037EB00
2D038KA00
2D038KA01
2D038ZA00
2D039CC09
2D039CD00
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】仮設トイレ等のトイレを有料で適切に利用させるための有料トイレ利用制御装置を提供する。
【解決手段】有料トイレ利用制御装置20は、決済部22、使用前開錠部211、使用中施錠部212、使用後開錠部213、および使用後施錠部214を有する。決済部22は、ユーザーが有料トイレTを使用するための利用料に関する決済処理を実行する。使用前開錠部211は、決済処理が実行された場合に、施錠された有料トイレTの出入口の鍵231を開錠する。使用中施錠部212は、ユーザーが有料トイレTを使用する際に、開錠された鍵231を施錠する。使用後開錠部213は、ユーザーが有料トイレTの使用を完了した際に、施錠された鍵231を開錠する。使用後施錠部214は、使用後開錠部213によって鍵231が開錠された後に、開錠された鍵231を施錠する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが有料トイレを使用するための利用料に関する決済処理を実行する決済部と、 前記決済処理が実行された場合に、施錠された前記有料トイレの出入口の鍵を開錠する使用前開錠部と、
前記ユーザーが前記有料トイレを使用する際に、開錠された前記鍵を施錠する使用中施錠部と、
前記ユーザーが前記有料トイレの使用を完了した際に、施錠された前記鍵を開錠する使用後開錠部と、
前記使用後開錠部によって前記鍵が開錠された後に、開錠された前記鍵を施錠する使用後施錠部と、
を有する有料トイレ利用制御装置。
【請求項2】
前記有料トイレは可搬型の仮設トイレである請求項1に記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項3】
前記決済部は、前記使用中施錠部によって前記鍵が施錠されている場合には、前記決済処理を実行不能とし、前記使用後施錠部によって前記鍵が施錠されている場合には、前記決済処理を実行可能とする請求項1または2に記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項4】
前記使用前開錠部は、前記使用中施錠部によって前記鍵が施錠されている場合には、前記鍵を開錠不可に制御され、前記使用後施錠部によって前記鍵が施錠されている場合には、前記鍵を開錠可能に制御される請求項1~3のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項5】
前記決済部は、前記有料トイレの外側に設けられた決済受付部を介して、前記ユーザーから前記決済処理に関する指示を受け付ける請求項1~4のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項6】
前記決済部は、ネットワークにより接続されたサーバーを介して、前記ユーザーの前記決済処理に関する情報を取得することによって前記決済処理を実行する請求項1~5のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項7】
前記使用中施錠部によって前記鍵が施錠された状態が所定の時間以上継続した場合に警告する警告部をさらに有する請求項1~6のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項8】
前記警告部は、前記有料トイレ内において前記ユーザーに向けて警告する請求項7に記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項9】
前記警告部は、ネットワークにより接続された管理者端末に対して警告を送信する請求項7または8に記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項10】
前記警告部は、前記有料トイレ内において前記ユーザーに向けて警告した後、前記使用中施錠部によって前記鍵が施錠された状態がさらに所定の時間以上継続した場合に、ネットワークにより接続された管理者端末に対して警告を送信する請求項7~9のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項11】
前記警告部は、前記有料トイレ内において前記ユーザーに向けて所定の使用時間が経過することを警告するとともに、前記ユーザーから所定の使用時間を延長する旨の指示を受け付け、
前記決済部は、前記延長に伴う追加の利用料に関する決済処理を実行する請求項7~10のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項12】
前記使用前開錠部によって前記鍵が開錠された後に、前記ユーザーに対して前記使用中施錠部により前記鍵を施錠するように通知する通知部をさらに有する請求項1~11のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項13】
前記使用中施錠部は、前記ユーザーから施錠の指示を受け付けることによって前記鍵を施錠する請求項1~12のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項14】
前記使用中施錠部は、前記ユーザーが前記有料トイレ内に存在することが検知された場合に前記鍵を施錠する請求項1~13のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項15】
前記ユーザーが前記有料トイレの使用を完了したことを検知する検知部をさらに有し、
前記使用後施錠部は、前記検知部によって前記完了が検知された後に前記鍵を施錠する請求項1~14のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項16】
前記検知部は、前記使用後開錠部によって前記鍵が開錠された際に、前記完了を検知する請求項15に記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項17】
前記検知部は、前記ユーザーから使用完了の指示を受け付ける指示部において前記指示を受け付けた際に、前記完了を検知する請求項15または16に記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項18】
前記検知部は、前記ユーザーの存在を検知するセンサーによって前記ユーザーの存在が検知されなくなった場合に、前記完了を検知する請求項15~17のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置。
【請求項19】
請求項1~18のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置と、
開錠および施錠を制御可能な出入口の鍵を有する可搬型の仮設トイレと、
を有する有料トイレシステム。
【請求項20】
情報処理装置を請求項1~18のいずれかに記載の有料トイレ利用制御装置として機能させるための有料トイレ利用制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有料トイレ利用制御装置、有料トイレシステム、および有料トイレ利用制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、緊急災害時の避難場所、また、山岳や海浜等の休憩所及びその他の必要とする場所において仮設トイレの設置が普及している。仮設トイレは、タンクに屎尿を溜めることができるという特性上、下水処理場へ汚水等を流す汚水配管が土中に敷設されているか否かに関わらず容易に設置ができるため、設置の汎用性が高く、非常に使い勝手が良い。
【0003】
仮設トイレは、利用者にとって必要不可欠なものであり、利用者の中には、料金を支払ってでも、高品質な仮設トイレを使用したいというニーズも生まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の仮設トイレにおいては、常時メンテナンスすることが難しいといった事情や、公共性が高いものであるという世の中の認識、スタッフが常駐している場所に設置されるものではないといった事情等があり、ユーザーから利用料を徴収すること自体が全く考慮されていない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、仮設トイレ等のトイレを有料で適切に利用させるための有料トイレ利用制御装置、有料トイレシステム、および有料トイレ利用制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
有料トイレ利用制御装置は、決済部、使用前開錠部、使用中施錠部、使用後開錠部、および使用後施錠部を有する。決済部は、ユーザーが有料トイレを使用するための利用料に関する決済処理を実行する。使用前開錠部は、決済処理が実行された場合に、施錠された有料トイレの出入口の鍵を開錠する。使用中施錠部は、ユーザーが有料トイレを使用する際に、開錠された鍵を施錠する。使用後開錠部は、ユーザーが有料トイレの使用を完了した際に、施錠された鍵を開錠する。使用後施錠部は、使用後開錠部によって鍵が開錠された後に、開錠された鍵を施錠する。
【0009】
有料トイレシステムは、上記の有料トイレ利用制御装置と、開錠および施錠を制御可能な出入口の鍵を有する可搬型の仮設トイレと、を有する。
【0010】
有料トイレ利用制御プログラムは、情報処理装置を上記の有料トイレ利用制御装置として機能させるように構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の有料トイレ利用制御装置によれば、決済部は、ユーザーが有料トイレを使用するための利用料に関する決済処理を実行し、使用前開錠部は、決済処理が実行された場合に、施錠された有料トイレの出入口の鍵を開錠する。使用中施錠部は、ユーザーが有料トイレを使用する際に、開錠された鍵を施錠する。使用後開錠部は、ユーザーが有料トイレの使用を完了した際に、施錠された鍵を開錠する。使用後施錠部は、使用後開錠部によって鍵が開錠された後に、開錠された鍵を施錠する。これにより、仮設トイレ等のトイレを有料で適切に利用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る有料トイレ利用制御装置が適用される有料トイレシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図1に示されるユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示されるサーバーの概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示される管理者端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示される有料トイレ利用制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】有料トイレ利用制御装置において実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0014】
<システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る有料トイレ利用制御装置が適用される有料トイレシステムの概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、有料トイレシステムは、ユーザー端末10、有料トイレ利用制御装置20、サーバー30、管理者端末40、および有料トイレTから構成される。以下、各構成について詳細に説明する。
【0016】
<ユーザー端末10>
図2は、
図1に示されるユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
【0017】
ユーザー端末10は、電子マネー決済、カード決済、二次元コード決済等などの各種電子決済処理を実行可能な装置であり、たとえば、ユーザーが使用するスマートフォン等の情報処理端末である。なお、ユーザー端末10は、電子的に決済処理を実行可能な構成であればよく、たとえば、磁気クレジットカードや接触ICまたは非接触ICを用いた電子マネーであってもよい。本実施形態では、ユーザー端末10が情報処理端末であるものとして説明する。
【0018】
図2に示すように、ユーザー端末10は、制御部11、記憶部12、通信部13、操作表示部14、および決済処理部15を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を備え、プログラムに従い、上述した各構成要素の制御や各種の演算処理を実行する。
【0020】
記憶部12は、予め各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、各種プログラムや各種データを記憶するハードディスク等を備える。
【0021】
通信部13は、ネットワークを介して、他の端末や装置と通信するためのインターフェースを備える。通信部13は、例えば、サーバー30と各種データ等の送受信を行う。
【0022】
操作表示部14は、タッチセンサーを備えたLCD(液晶ディスプレイ)や有機ELディスプレイ等によって構成され、各種情報を表示するとともに、ユーザーの各種操作を受け付ける。
【0023】
決済処理部15は、電子マネー決済、カード決済、二次元コード決済等などの各種電子決済処理を実行するための構成であり、使用する決済スキームに応じて、カメラ、バーコードリーダー、接触ICチップ、非接触ICチップ等の必要な構成が適宜用いられる。
【0024】
<有料トイレ利用制御装置20>
有料トイレ利用制御装置20(以下、「制御装置20」とも称する。)は、ユーザーに有料トイレTを適切に利用させるための構成であり、有料トイレTに設けられる。
【0025】
図1に示すように、制御装置20は、制御部21、決済部22、鍵制御部23、記憶部24、操作受付部25、検知部26、出力部27、および通信部28を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。制御装置20の制御部21、記憶部24、および通信部28は、ユーザー端末10の制御部11、記憶部12、および通信部13と同様の機能を有するため、さらなる説明を省略する。制御装置20は、決済部22と連携して情報処理装置として機能する。
【0026】
決済部22は、有料トイレTの利用料の決済処理を実行するための構成である。決済部22は、ユーザーとの間で決済に必要な情報を送信(伝達)または受信(取得)するための構成として、有料トイレTの外側に設けられる決済受付部221を有する。たとえば、利用料の決済が電子マネー決済、クレジットカード決済、デビットカード決済等によって実行される場合、決済受付部221は、電子マネーまたは各種カードの情報を読み取るためのカードリーダーを含んで構成される。また、利用料の決済が各種コード決済によって実行される場合、決済受付部221は、ユーザーを識別するための識別情報が符号化された各種コードを読み取るためのカメラ等のコードリーダー、あるいは、有料トイレTを識別するための識別情報が符号化された各種コードの表示によって構成される。たとえば、決済受付部221に有料トイレTの識別情報に対応するコードが表示されている場合、ユーザーは、ユーザー端末10のカメラ等を用いて当該コードを読み取る。ユーザーは、さらにユーザー端末10に利用料の金額を入力し、有料トイレTの識別情報およびユーザーの識別情報とともに決済システムに送信することによって、コード決済を実行することができる。
【0027】
なお、決済部22は、ネットワークにより接続されたサーバーを介して、ユーザーの決済処理に関する情報を取得することによって決済処理を実行してもよい。たとえば、ユーザーは、ユーザー端末10を用いて上記のような決済サーバーにアクセスして決済処理を実行する。決済部22は、ユーザー端末10から、ユーザーまたはユーザー端末10を識別するための識別情報を取得して、当該識別情報に関する決済処理の結果を決済サーバーに照会して決済処理の結果を取得する。このように、他の装置で実行された決済処理の結果を取得することによっても、決済部22は、有料トイレTの利用料の決済処理を実行することができる。
【0028】
鍵制御部23は、有料トイレTの出入口のドアの開閉可否を決定する鍵231の開錠および施錠を制御する。鍵制御部23は、鍵231の開錠および施錠をいかなる方法によって制御してもよい。たとえば、鍵制御部23は、鍵231の開錠および施錠を電子的に制御してもよく、機械的に制御してもよい。
【0029】
操作受付部25は、有料トイレT内に存在するユーザーから、有料トイレTの出入口のドアの鍵231の施錠や開錠、有料トイレTの利用時間の延長等の指示を受け付けるためのボタンまたはスイッチ等の構成である。
【0030】
検知部26は、ユーザーが有料トイレTの使用を完了したことを検知するための構成である。検知部26は、たとえば、制御部21のCPUが所定のプログラムを実行することによって実現される。検知部26は、たとえば、操作受付部25を介して、有料トイレT内のユーザーから使用完了の指示を受け付けた場合に、ユーザーによる有料トイレTの使用の完了を検知してもよい。この場合、操作受付部25は、指示部として機能する。あるいは、検知部26は、有料トイレT内のユーザーの操作によって鍵231が開錠される場合に、ユーザーによる有料トイレTの使用の完了を検知してもよい。あるいは、検知部26は、有料トイレT内の所定の範囲におけるユーザーの存在を検知するセンサーからの検知結果に基づいて、所定の範囲におけるユーザーの存在が検知されないと判断された場合に、ユーザーによる有料トイレTの使用の完了を検知してもよい。上記のセンサーとしては、赤外線センサー、人感センサー等の各種センサーが使用され得る。
【0031】
出力部27は、有料トイレT内に存在するユーザーに対して、警告や通知等の各種情報を出力するための構成であり、たとえば、画像やテキストを表示するためのディスプレイや、音声を出力するためのスピーカー等によって構成される。
【0032】
<サーバー30>
図3は、
図1に示されるサーバーの概略構成を示すブロック図である。
【0033】
サーバー30は、制御装置20とネットワークを介して接続され、制御装置20を管理するために設けられる装置である。サーバー30は、たとえば、仮設トイレを貸し出すサービスを提供する事業者によって構築および運営される。
【0034】
図3に示すように、サーバー30は、制御部31、記憶部32、および通信部33を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。サーバー30の制御部31、記憶部32、および通信部33は、ユーザー端末10の制御部11、記憶部12、および通信部13と同様の機能を有するため、さらなる説明を省略する。
【0035】
<管理者端末40>
図4は、
図1に示される管理者端末の概略構成を示すブロック図である。
【0036】
管理者端末40は、仮設トイレの管理者によって使用される端末であり、ネットワークを介してサーバー30に接続する。
【0037】
図4に示すように、管理者端末40は、制御部41、記憶部42、通信部43、および操作表示部44を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。管理者端末40の制御部41、記憶部42、通信部43、および操作表示部44は、ユーザー端末10の制御部11、記憶部12、通信部13、および操作表示部14と同様の機能を有するため、さらなる説明を省略する。
【0038】
<有料トイレT>
有料トイレTは、たとえば、可搬型の仮設トイレである。有料トイレTは、開錠および施錠を制御可能な鍵231が設けられた出入口のドア等を有する。鍵231が開錠されている場合には、出入口を開放でき、ユーザーの出入りが可能である。鍵231が施錠されている場合には、出入口を開放できず、ユーザーの出入りが不可能である。
【0039】
有料トイレT内には、ユーザーが排泄を行うための便器が設けられる。本実施形態の有料トイレTにおいては、便器内に、糞便臭およびアンモニア臭といった悪臭を抑制することができる排泄物処理剤が配置される。これにより、従来の仮設トイレにおいては不可避であった悪臭の発生を抑制することができる。従来の仮設トイレは、悪臭が発生することも多く、設置型のトイレがない場所で仕方がなく使うもの、といった位置付けで使用されることが多いものであった。そのため、仮設トイレの利用料をユーザーから徴収するという発想自体が、仮設トイレの提供者側にも全くないものであった。本実施形態においては、上記のように悪臭の発生を抑制できる排泄物処理剤を配置することにより、高品質な仮設トイレを有料トイレTとして提供し、ユーザーから利用料を得ることができる。たとえば、本実施形態の有料トイレTを、無料で使用可能な従来の仮設トイレと並べて設置することにより、ユーザーは自らの価値観や好み等に応じて、使用するトイレを選択することができる。本実施形態において使用される排泄物処理剤について、詳細は後述する。
【0040】
なお、上記システムの各構成は、それぞれ上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。また、ユーザー端末10、制御装置20、サーバー30、および管理者端末40の各々は、複数の装置によって構成されてもよく、一体的に構成されてもよい。また、ある構成が実施するものとして説明した機能を、他の構成が代わりに実施するようにしてもよい。
【0041】
<制御装置20の機能>
図5は、
図1に示される有料トイレ利用制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0042】
図5に示すように、制御装置20の制御部21は、プログラムを読み込んで処理を実行することによって、使用前開錠部211、使用中施錠部212、使用後開錠部213、使用後施錠部214、警告部215、および通知部216として機能する。
【0043】
使用前開錠部211は、決済部22によって決済処理が実行された場合に、鍵制御部23を制御して、施錠された有料トイレTの出入口の鍵231を開錠する。
【0044】
使用中施錠部212は、ユーザーが決済処理を実行して使用前開錠部211によって鍵231を開錠し、有料トイレT内に入って有料トイレTを使用する際に、鍵制御部23を制御して、開錠された鍵231を施錠する。たとえば、使用中施錠部212は、使用前開錠部211によって鍵231が開錠された後、操作受付部25等を介してユーザーから施錠の指示を受け付けた場合に、鍵231を施錠する。あるいは、使用中施錠部212は、使用前開錠部211によって鍵231が開錠された後、検知部26のセンサー等によってユーザーが有料トイレ内に存在することが検知された場合に、鍵231を施錠する。
【0045】
使用後開錠部213は、ユーザーが有料トイレTの使用を完了した際に、鍵制御部23を制御して、使用中施錠部212によって施錠された鍵231を開錠する。
【0046】
使用後施錠部214は、使用後開錠部213によって鍵231が開錠された後に、鍵制御部23を制御して、開錠された鍵231を施錠する。たとえば、使用後施錠部214は、検知部26によってユーザーがトイレの使用を完了したことが検知された後に鍵231を施錠する。
【0047】
なお、使用前開錠部211は、使用中施錠部212によって鍵231が施錠されている場合には、鍵231を開錠不可に制御され、使用後施錠部214によって鍵231が施錠されている場合には、鍵231を開錠可能に制御される。あるいは、使用中施錠部212によって鍵231が施錠されている場合に、決済部22において決済処理を実行不能とすることによって、鍵231を開錠不可としてもよい。同様に、使用後施錠部214によって鍵231が施錠されている場合に、決済処理を実行可能とすることによって、鍵231を開錠可能としてもよい。
【0048】
警告部215は、使用中施錠部212によって鍵231が施錠された状態が所定の時間以上継続した場合に警告処理を実行する。たとえば、警告部215は、有料トイレT内においてユーザーに向けて警告する。この場合、たとえば、警告部215は、出力部27を介して、警告を示す音声や画像を出力することによって警告を実行する。あるいは、警告部215は、ネットワークにより接続されたサーバー30を介して、管理者端末40に対して警告を送信する。
【0049】
通知部216は、使用前開錠部211によって鍵231が開錠された後に、ユーザーに対して、使用中施錠部212により鍵231を施錠するように通知する。たとえば、通知部216は、出力部27を介して、ユーザーに操作受付部25の操作による施錠を促す音声や画像を出力することによって施錠するように通知する。
【0050】
<処理概要>
図6は、有料トイレ利用制御装置において実行される処理の手順を示すフローチャートである。なお、
図6のフローチャートに示される制御装置20の処理は、制御装置20の記憶部24にプログラムとして記憶されており、制御部21が各部を制御することにより実行される。
【0051】
図6に示すように、制御装置20は、ユーザーから決済部22における決済指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS101)。
【0052】
決済指示を受け付けていない場合(ステップS101:NO)、制御装置20は、決済指示を受け付けるまで待機する。
【0053】
決済指示を受け付けている場合(ステップS101:YES)、制御装置20は、決済部22を制御して決済処理を実行する(ステップS102)。
【0054】
制御装置20は、決済処理が成功したか否かを判断する(ステップS103)。
【0055】
決済処理が成功しなかった場合(ステップS103:NO)、制御装置20は、ステップS101に戻る。
【0056】
決済処理が成功した場合(ステップS103:YES)、制御装置20は、使用前開錠部211として、鍵231を開錠する(ステップS104)。
【0057】
制御装置20は、ユーザーに対して、使用中施錠部212により鍵231を施錠するように通知する(ステップS105)。たとえば、制御装置20は、出力部27を介して、ユーザーに対して、操作受付部25を操作して鍵231を施錠するように通知する。操作受付部25は、たとえば、有料トイレT内のユーザーが鍵231を施錠するために設けられる「閉ボタン」、「施錠ボタン」、または「ロックボタン」等として実装される。なお、後述するように、使用中施錠部212による鍵231の施錠が自動的に行われる場合には、ステップS105の通知処理は実行されなくてもよい。
【0058】
制御装置20は、使用中施錠部212として、鍵231を施錠する(ステップS106)。たとえば、制御装置20は、ユーザーによる操作受付部25の操作によって受け付けられる施錠の指示に基づいて、鍵231を施錠する。あるいは、制御装置20は、ステップS104の使用前開錠処理によって鍵231が開錠された後、所定のトリガーに基づいて、鍵231を自動的に施錠するオートロック処理を実行してもよい。たとえば、制御装置20は、鍵231が開錠されて出入口のドアが一度開けられて閉じられた際に、鍵231を自動的に施錠してもよい。あるいは、制御装置20は、鍵231が開錠された後、ユーザーが有料トイレT内に存在することがセンサー等によって検知された場合に、鍵231を自動的に施錠してもよい。これにより、オートロック処理において、鍵231が開錠されて出入口のドアが一度開けられた後、ユーザーが有料トイレT内に入らずにドアを閉めてしまった場合でも、ユーザーは再度ドアを開けて有料トイレT内に入ることができる。
【0059】
なお、制御装置20は、使用中施錠部212によって鍵231が施錠されている場合には、決済部22による決済処理を実行不能となるように制御する。あるいは、制御装置20は、使用中施錠部212によって鍵231が施錠されている場合には、使用前開錠部211による鍵231の開錠が不可となるように制御してもよい。これにより、ユーザーが有料トイレTを使用中に、他のユーザーが誤って鍵231を開錠して有料トイレTに侵入することが抑止される。
【0060】
制御装置20は、ステップS106の使用中施錠処理によって鍵231が施錠された状態(使用中施錠状態)が、所定の使用時間継続しているか否かを判断する(ステップS107)。所定の使用時間は、たとえば5分、10分、20分、30分等の任意の時間に設定され、有料トイレTの設置環境や使用状況等に応じて適宜調整され得る。
【0061】
使用中施錠状態が所定の時間継続していない場合、制御装置20は、ステップS109の処理に進む。
【0062】
使用中施錠状態が所定の時間継続している場合、制御装置20は、警告処理を実行する(ステップS108)。制御装置20は、たとえば、出力部27を介して、有料トイレT内においてユーザーに向けて、所定の使用時間が経過していることを警告する。このとき、制御装置20は、出力部27および操作受付部25等を介して、ユーザーから所定の使用時間を延長する旨の指示や、使用時間の延長に伴う追加の利用料の支払い処理等を受け付けてもよい。さらに、制御装置20は、通信部28を介してネットワークおよびサーバー30にアクセスし、管理者端末40に対して警告を送信してもよい。たとえば、制御装置20は、第1の所定の時間が経過して有料トイレT内のユーザーに向けて警告した後、ユーザーからの何らかの指示が受け付けられずに、さらに第2の所定の時間が経過した場合に、管理者端末40に対して警告を送信してもよい。これにより、管理者端末40への警告の送信を抑止することができ、管理者の負担が軽減される。
【0063】
制御装置20は、検知部26の検知結果に基づいて、ユーザーが有料トイレTの使用を完了したか否かを判断する(ステップS109)。
【0064】
使用を完了していない場合(ステップS109:NO)、制御装置20は、ステップS107の処理に戻る。
【0065】
使用を完了している場合(ステップS109:YES)、制御装置20は、使用後開錠部213として、鍵231を開錠する(ステップS110)。なお、上記においては、制御装置20が、使用完了を判断してから使用後開錠処理を実行する例について説明したがこれに限定されず、制御装置20は、使用後開錠処理が指示または実行されたことによって使用完了を判断してもよい。
【0066】
制御装置20は、使用後施錠部214として、鍵231を施錠する(ステップS111)。たとえば、制御装置20は、ステップS110の使用後開錠処理によって鍵231が開錠された後、所定のトリガーに基づいて、鍵231を自動的に施錠する。たとえば、制御装置20は、使用後開錠処理によって鍵231が開錠されて出入口のドアが一度開けられてから閉じられた際に、鍵231を自動的に施錠してもよい。あるいは、制御装置20は、使用後開錠処理によって鍵231が開錠された後、ユーザーが有料トイレT内に存在しないことがセンサー等によって検知された場合に、鍵231を自動的に施錠してもよい。
【0067】
制御装置20は、使用後施錠部214によって鍵231が施錠されている場合には、決済部22による決済処理を実行可能とし、使用前開錠部211による鍵231の開錠も可能とする。
【0068】
制御装置20は、処理を終了するか否かを判断し(ステップS112)、終了する場合には(ステップS112:YES)、電源を落とすなどして処理を終了し(エンド)、終了しない場合には(ステップS112:NO)、ステップS101の処理に戻り、ユーザーからの決済指示を受け付けるまで待機する。
【0069】
以上のように、制御装置20によれば、決済部22は、ユーザーが有料トイレを使用するための利用料に関する決済処理を実行し、使用前開錠部211は、決済処理が実行された場合に、施錠された有料トイレTの出入口の鍵231を開錠する。使用中施錠部212は、ユーザーが有料トイレTを使用する際に、開錠された鍵231を施錠する。使用後開錠部213は、ユーザーが有料トイレTの使用を完了した際に、施錠された鍵231を開錠する。使用後施錠部214は、使用後開錠部213によって鍵231が開錠された後に、開錠された鍵231を施錠する。これにより、ユーザーに仮設トイレ等を有料で適切に利用させることができる。
【0070】
また、有料トイレTは可搬型の仮設トイレである。これにより、緊急災害時の避難場所等においても、ユーザーに有料トイレを適切に利用させることができる。
【0071】
また、制御装置20は、使用中施錠部212によって鍵231が施錠されている場合には、決済処理を実行不能とし、使用後施錠部214によって鍵231が施錠されている場合には、決済処理を実行可能とする。これにより、ユーザーが有料トイレTを使用中の場合に、他のユーザーが決済処理を行い、鍵231を開けて有料トイレTに誤って進入してしまうことを防止できる。
【0072】
また、使用前開錠部211は、使用中施錠部212によって鍵231が施錠されている場合には、鍵231を開錠不可に制御され、使用後施錠部214によって鍵231が施錠されている場合には、鍵231を開錠可能に制御される。これにより、ユーザーが有料トイレTを使用中の場合に、他のユーザーが鍵231を開けて有料トイレTに誤って進入してしまうことを防止できる。
【0073】
また、決済部22は、有料トイレTの外側に設けられた決済受付部221を介して、ユーザーから決済処理に関する指示を受け付ける。これにより、ユーザーは、有料トイレTの外側に設けられた決済受付部221を介して、電子マネー等の利便性および利得性の高い決済手段を用いて、有料トイレTの利用料を容易に支払うことができる。
【0074】
また、決済部22は、ネットワークにより接続されたサーバーを介して、ユーザーの決済処理に関する情報を取得することによって決済処理を実行する。これにより、ユーザーは、各種オンライン決済手段を用いて有料トイレTの利用料をいつでもどこでも支払うことができる。
【0075】
また、制御装置20は、使用中施錠部212によって鍵231が施錠された状態が所定の時間以上継続した場合に警告する警告部215をさらに有する。これにより、ユーザーが所定の使用時間を超えて有料トイレT内に滞在している場合に、警告を行うことができる。
【0076】
また、警告部215は、有料トイレT内においてユーザーに向けて警告する。これにより、ユーザーが所定の使用時間を超えて有料トイレT内に滞在している場合に、ユーザーに対して警告することができる。
【0077】
また、警告部215は、ネットワークにより接続された管理者端末40に対して警告を送信する。これにより、たとえば、上記のように有料トイレT内のユーザーに対して警告してもユーザーの反応が得られない場合等に、有料トイレTの管理者等に知らせて必要な対応を促すことができる。
【0078】
また、警告部215は、有料トイレT内においてユーザーに向けて警告した後、使用中施錠部212によって鍵231が施錠された状態がさらに所定の時間以上継続した場合に、ネットワークにより接続された管理者端末40に対して警告を送信する。したがって、まずはユーザーに警告してユーザー自身の対応を促し、それでもユーザーの反応が得られない場合に限り、管理者に警告を送信することができる。その結果、管理者への警告の送信を抑制して管理者の負担を軽減することができる。
【0079】
また、警告部215は、有料トイレT内においてユーザーに向けて所定の使用時間が経過することを警告するとともに、ユーザーから所定の使用時間を延長する旨の指示を受け付け、決済部22は、延長に伴う追加の利用料に関する決済処理を実行する。これにより、ユーザーは、必要に応じて、また自らの判断により、有料トイレTの使用時間を延長することができる。また、有料トイレTの提供者は、使用時間の延長に伴う延長料金をユーザーから容易かつ確実に回収することができる。
【0080】
また、制御装置20は、使用前開錠部211によって鍵231が開錠された後に、ユーザーに対して使用中施錠部212により鍵231を施錠するように通知する通知部216をさらに有する。これにより、ユーザーが有料トイレT内に入った後に鍵231を施錠するように促すことができる。
【0081】
また、使用中施錠部212は、ユーザーから施錠の指示を受け付けることによって鍵231を施錠する。これにより、施錠ボタン等の簡単な構成によって使用中施錠処理を実施することができる。
【0082】
また、使用中施錠部212は、ユーザーが有料トイレT内に存在することが検知された場合に鍵231を施錠する。これにより、ユーザーが有料トイレT内に入った後で、ユーザーの手を煩わすことなく自動的に鍵231を施錠することができる。
【0083】
また、制御装置20は、ユーザーが有料トイレTの使用を完了したことを検知する検知部26をさらに有し、使用後施錠部214は、検知部26によって完了が検知された後に鍵231を施錠する。これにより、ユーザーが有料トイレTの使用を完了した後に、確実に使用後施錠処理を実施することができる。
【0084】
また、検知部26は、使用後開錠部213によって鍵231が開錠された際に、完了を検知する。これにより、簡単な構成および処理によって、ユーザーが有料トイレTの使用を完了したことを検知することができる。
【0085】
また、検知部26は、ユーザーから使用完了の指示を受け付ける指示部において指示を受け付けた際に、完了を検知する。これにより、簡単な構成および処理によって、ユーザーからの指示に基づいて、ユーザーが有料トイレTの使用を完了したことを確実に検知することができる。
【0086】
また、検知部26は、ユーザーの存在を検知するセンサーによってユーザーの存在が検知されなくなった場合に、完了を検知する。これにより、ユーザーが有料トイレTの使用を完了したことを自動的に検知することができる。
【0087】
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0088】
また、上記の実施形態では、各構成が一つの独立した装置として構成される例について説明したが、装置の構成はこれに限定されない。各構成は、複数の装置から構成されてもよく、あるいは他の機能を有する装置に含まれて構成されてもよい。たとえば、制御装置20が実行するものとして説明した処理の一部または全部を、サーバー30または管理者端末40が実行してもよい。
【0089】
また、上記の実施形態では、ユーザー端末10は、ユーザーによって携帯されるスマートフォンやタブレット端末等を例に挙げて説明したが、ユーザー端末10の実施態様はこれに限定されない。ユーザー端末10は、たとえばユーザーの頭部に装着される眼鏡型の情報端末や腕部に装着されるリストバンド状の情報端末等のウェアラブル端末であってもよく、あるいはユーザーの体内に埋め込まれる埋込型の情報端末等であってもよい。
【0090】
また、上記の実施形態におけるフローチャートの処理単位は、制御装置20の処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方や処理の順序によって、本願発明が制限されることはない。制御装置20において行われる処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよく、各処理ステップの順序は本実施形態のフローチャートと異なってもよい。
【0091】
上述した実施形態に係るシステムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【0092】
<排泄物処理剤>
以下、本発明の実施形態において使用される排泄物処理剤について、詳細に説明する。
【0093】
本発明の実施形態の排泄物処理剤としては、例えば、再表2018/190133号公報に記載のものが好ましく用いられる。なお、上記の公報における開示内容は、その全体が参照により本明細書に組みこまれる。再表2018/190133号公報に記載の排泄物処理剤は、具体的には、リモナイトと、リグニンと、ベントナイトと、を含み、さらに消石灰を含む場合、当該消石灰の含有量が、10質量%以下である、排泄物処理剤である。特に好ましい実施形態の排泄物処理剤は、リモナイト11~60質量%と、リグニン5~35質量%と、ベントナイト1~30質量%と、吸水性ポリマー20質量%以上と、消石灰と、を含み、当該消石灰の含有量が、10質量%以下であり、前記リグニンは、木粉形態では含まれない。本実施形態において、前記吸水性ポリマーが、60質量%以下含まれる。本実施形態において、当該消石灰の含有量が、1質量%以上である。本実施形態において、前記吸水性ポリマーが、でんぷん系吸水性ポリマーである。本実施形態において、上記排泄物処理剤と、バインダと、を有する、造粒物である。
【0094】
以上のような実施形態の排泄物処理剤であれば、様々な環境下でも、糞便臭のみならず、アンモニア臭をも抑制することができる。以下で、上記実施形態の排泄物処理剤の具体例を用いて以下のような試験を行った。
【0095】
<排泄物処理剤の作製>
(実施例1、参考例1~8)
表1に示される組成となるように排泄物処理剤を構成する各成分を混合して、35gの排泄物処理剤を作製した。
【0096】
(参考例9)
特開2014-87779号公報の実施例19と同じ組成となるようにした以外は、実施例1と同様にして35gの排泄物処理剤を作製した。
【0097】
<臭気試験、アンモニア計測>
ポリエチレン製の袋に40代男性の大便200gおよび小便100gを添加して密閉し1時間放置した。
【0098】
袋を開けて、実施例1、参考例1~9で作製した排泄物処理剤をそれぞれ35g添加し、30日間放置後、臭気の官能試験を行った。また、検知管(アンモニア用ガス検知管(北川式)(光明理化学工業(株)社製) 測定限界が200ppmまで)を用いて、アンモニア濃度を測定した(表1に示す)。
【0099】
【0100】
<結果、考察>
実施例1の排泄物処理剤によれば、処理済の排泄物を30日間との長期間に亘って放置しても、糞便臭のみならず、アンモニア臭をも抑制することができている。
【0101】
参考例1、2は、消石灰が含まれていないためアンモニアの発生がそもそも少なくリグニンも含まれているためアンモニアの確認ができなかったが、糞便臭が残存していた。
【0102】
参考例3は、消石灰の含有比率が排泄物処理剤において10質量%超であるため、アンモニア濃度が高かった。そのため、リモナイト、リグニン、ベントナイト、消石灰等の作用によって糞便臭は抑えられていたが、アンモニア由来の刺激臭が強く、臭気が残っていた。
【0103】
参考例4は、リモナイトのみを使用した実験であるが、結果、生ゴミが発酵したような悪臭を感じた。
【0104】
参考例5は、参考例4の組成に半分、吸水性ポリマーを入れた実験であるが、水分を吸収している分、参考例4よりは臭気は低いが、依然生ゴミが発酵したような悪臭を感じた。
【0105】
参考例6、7は、参考例5の組成をベースに、消石灰を添加したため、やはりアンモニア発生が助長され、いずれも、アンモニアの刺激臭と有機的な臭いとが組み合わさった不快な臭気を発していた。
【0106】
参考例8は、実施例の組成に近いが、ベントナイトが入っていない。その結果、臭気としては、参考例6、7と同様、アンモニアの刺激臭と有機的な臭いとが組み合わさった不快な臭気を発していた。換言すれば、リモナイト、リグニン、ベントナイトが協働して本発明の所期の効果を奏していることが示唆された。しかも、悪臭を吸着する成分として知られているゼオライトと、リグニンとの組み合わせでは、本発明の所期の効果を奏することはできず、リグニンとベントナイトとの組み合わせが重要であることが示唆される。
【0107】
参考例9は、消石灰を多く含んでいるので、糞便臭はあまり感じられないが、その分、アンモニア発生が助長されてしまった。よって、有機的な臭いにアンモニアの刺激臭が混ざることで、不快な臭気となってしまった。
【0108】
以上のとおり、本発明の実施形態の排泄物処理剤であれば、様々な環境下でも、糞便臭のみならず、アンモニア臭をも抑制することができる。そのため、ユーザーが利用料を支払ってでも使用したい仮設トイレになりうる。無論、本発明で使用される排泄物処理剤が上記の実施形態の排泄物処理剤に制限はされず、他の従来公知の排泄物処理剤であってもよい。
【符号の説明】
【0109】
10 ユーザー端末、
11 制御部、
12 記憶部、
13 通信部、
14 操作表示部、
15 決済処理部、
20 有料トイレ利用制御装置、
21 制御部、
211 使用前開錠部、
212 使用中施錠部、
213 使用後開錠部、
214 使用後施錠部、
215 警告部、
216 通知部、
22 決済部、
221 決済受付部、
23 鍵制御部、
231 鍵、
24 記憶部、
25 操作受付部、
26 検知部、
27 出力部、
28 通信部、
30 サーバー、
31 制御部、
32 記憶部、
33 通信部、
40 管理者端末、
41 制御部、
42 記憶部、
43 通信部、
44 操作表示部。