(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106001
(43)【公開日】2022-07-15
(54)【発明の名称】幾何会計シートの作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/00 20120101AFI20220708BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20220708BHJP
【FI】
G06Q40/00 420
G06Q50/08
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068486
(22)【出願日】2022-04-18
(62)【分割の表示】P 2019160556の分割
【原出願日】2019-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】508098246
【氏名又は名称】加藤 弘孝
(74)【代理人】
【識別番号】110003122
【氏名又は名称】特許業務法人タナベ・パートナーズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 弘孝
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】取引における借方科目、貸方科目、相互間のかかわり方を一瞥で表示認識できる幾何会計シートの作成プログラムを提供する。
【解決手段】時間軸の時刻を指定すると目的時刻のシートを選択するステップと、借方科目と貸方科目を選択すると目的時刻のシート上の所定のセルに案内するステップと、当該セルに金額を記録すると借方合計、貸方合計、借方残高、
貸方残高、開始時残高、期日残高、営業利益、経常利益及び繰越余剰金額の各情報がアウトプットされると共に、借方科目と貸方科目で指定された当該セルの取引履歴が表示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
日付日毎に、借方科目の各勘定科目と、貸方科目の各勘定科目との間の取引金額を含む取引履歴に係るデータを記憶する記憶手段と、表示手段と、を備えたコンピュータに、
借方科目の軸(X軸)、貸方科目の軸(Y軸)とし、前記借方科目の軸(X軸)に沿って費用、収益、資産、負債及び純資産のそれぞれの勘定科目を配置し、前記貸方科目の軸(Y軸)に沿って純資産、負債、資産、収益及び費用のそれぞれの勘定科目を配置した幾何学的な図表を作成して前記表示手段に表示させる第一のステップと、
前記借方科目の軸(X軸)に配置した任意の勘定科目と、前記貸方科目の軸(Y軸)に配置した任意の勘定科目との交点に表示される前記図表上の各セルに、ユーザによって指定された期間に含まれる各日付日の取引に係る取引金額を前記記憶手段から抽出して当該取引金額の合計値を表示させる第二のステップと、
ユーザによって選択されたセルに対応する前記借方科目の軸(X軸)上の勘定科目と前記貸方科目の軸(Y軸)上の勘定科目との間の取引履歴に係るデータを、前記記憶手段から抽出して一覧表示する第三のステップと、
を実行させることを特徴とする幾何会計シートの作成プログラム。
【請求項2】
前記第一のステップにおいて作成される図表は、
前記借方科目の軸(X軸)は左から右へ費用、収益、資産、負債及び純資産の順に科目区分を列挙し、配置された各科目区分の下には、それぞれの科目区分に属する科目分類を配置し、配置された各科目分類の下には、それぞれの科目分類に属する勘定科目を表示順の昇順に左から右に配置し、更に各勘定科目の下にそれぞれの借方合計表示欄を配置したものであり、
前記貸方科目の軸(Y軸)は上から下へ純資産、負債、資産、収益及び費用の順に科目区分を列挙し、配置された各科目区分の右側には、それぞれの科目区分に属する科目分類を配置し、配置された各科目分類の右側には、それぞれの科目分類に属する勘定科目を表示順の降順に上から下に配置し、更に各勘定科目の右側にそれぞれの貸方合計表示欄を配置したものであり、
更に、前記コンピュータに、
前記借方合計表示欄には、前記第二のステップにおいて当該借方合計表示欄に対応する勘定科目と、貸方科目の軸(Y軸)上に並んだ全ての勘定科目との交点に係るセルに表示された金額の合計値を表示する第四のステップと、
前記貸方合計表示欄には、前記第二のステップにおいて当該貸方合計表示欄に対応する勘定科目と、借方科目の軸(X軸)上に並んだ全ての勘定科目との交点に係るセルに表示された金額の合計値を表示する第五のステップと、
を実行させることを特徴とする請求項1に記載の幾何会計シートの作成プログラム。
【請求項3】
前記第一のステップにおいて作成される図表は、
前記借方科目の軸(X軸)に沿って、更に各勘定科目の下にそれぞれの期間残高の表示欄を配置したものであり、
前記貸方科目の軸(Y軸)に沿って、更に各勘定科目の右側にそれぞれの期間残高の表示欄を配置したものであり、
更に、前記コンピュータに、
資産及び費用の勘定科目については、第四のステップにおいて当該勘定科目の借方合計表示欄に表示された金額から、第五のステップにおいて当該勘定科目の貸方合計表示欄に表示された金額を減じた値を、前記借方科目の軸(X軸)の当該勘定科目の期間残高の表示欄に表示する第六のステップと、
負債、純資産及び収益の勘定科目については、第五のステップにおいて当該勘定科目の貸方合計表示欄に表示された金額から、第四のステップにおいて当該勘定科目の借方合計表示欄に表示された金額を減じた値を、前記貸方科目の軸(Y軸)の当該勘定科目の期間残高の表示欄に表示する第七のステップと、
を実行させることを特徴とする請求項2に記載の幾何会計シートの作成プログラム。
【請求項4】
前記第一のステップにおいて作成される図表は、
前記借方科目の軸(X軸)に沿って、更に各勘定科目の下にそれぞれの末日残高表示欄を配置したものであり、
前記貸方科目の軸(Y軸)に沿って、更に各勘定科目の右側にそれぞれの末日残高表示欄を配置したものであり、
更に、前記コンピュータに、
前記借方科目の軸(X軸)に沿って配置された末日残高表示欄には、前記第二のステップにおいて当該末日残高表示欄に対応する勘定科目についての前記指定された期間の開始日残高に、前記第六ステップにおいて当該勘定科目の期間残高の表示欄に表示された期間残高を加算した値を表示する第八のステップと、
前記貸方科目の軸(Y軸)に沿って配置された末日残高表示欄には、前記第二のステップにおいて当該末日残高表示欄に対応する勘定科目についての前記指定された期間の開始日残高に、前記七ステップにおいて当該勘定科目の期間残高の表示欄に表示された期間残高を加算した値を表示する第九のステップと、
を実行させることを特徴とする請求項3に記載の幾何会計シートの作成プログラム。
【請求項5】
資産、負債、純資産、収益及び費用の各取引を、複式簿記の規則を遵守した、幾何学的な表形式で表すことを特徴とする請求項1に記載の幾何会計シートの作成プログラム。
【請求項6】
借方軸と貸方軸の配置を入れ替えて構築されたことを特徴とする請求項1に記載の幾何会計シートの作成プログラム。
【請求項7】
資産、負債、純資産、収益及び費用のそれぞれの科目区分、科目分類及び勘定科目の配置を変更して構築されたことを特徴とする請求項1に記載の幾何会計シートの作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、財務諸表を、幾何学的に表示する事で、財務諸表を構成する、開始日残高、末日残高、借方合計、貸方合計、期間残高、に加えて、取引における借方科目、貸方科目、相互間のかかわり方を一瞥で表示認識できる幾何会計シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の財務諸表は、資産、負債、純資産、収益、費用に属する勘定科目毎に、開始日残高、借方合計、貸方合計、期間残高、及びそれらから算出される、営業利益、経常利益、税引き前当期利益及び当期利益等の数値を定形の財務諸表で表示している。
【0003】
従来、例えば、建設業においては、売上管理と製造管理を同時に行う必要があり、且つ工事期間が発生するため、所定年度における対象年月の工事台帳(所定の工事に対して少なくとも工事名,支払額,入金額,入金差額が表示された表)を作成することが必要となる。一般に市販されている建設業向けの「請負工事台帳」は、収入側として「請負契約金額」「工事受入金」を記入し、支出側として、「材料費」「労務費」「外注費」「経費」「工事の諸情報」を時系列に記入するようにされている。
【0004】
また、現状の財務会計処理を行う装置(一般的に所定のOSがインストールされたコンピュータに、当該OS上で作動するアプリケーションソフトがインストールされた装置)は、財務会計や在庫、仕入、工数管理等複数の処理を同時に行い、データを一元化し各データが入力されていることを条件に会計管理台帳等を作成するようにされている。
【0005】
このため財務会計及びソフトウエアの専門知識や複雑な振替伝票処理が必要となり、作業が煩雑となり(経営管理台帳を作成するに当たり複数のデータの入力が必要になる)、工事台帳、つまり原価表及び財務諸表を容易に作成することができないという欠点があった。
【0006】
他にもこの種のシステムとして、例えば特許文献1により提案されたものが知られている。これは、月ごとに、ディスプレイ上に請求書表を表示させ、これに業者から発行された請求書情報を入力し、また、ディスプレイ上に入金表を表示させ、入金情報を入力するものである。そして、ディスプレイ上に工事台帳表を表示させ、先に作成された請求書表、入金表の情報をインポートしつつ、それ以外の情報を入力して、月ごとに工事台帳を作成し、これに工事ごとの入金差額(粗利益)、経費率(粗利益率)を表示させるものである。また、特許文献2には、入力手段と、表示手段と、工事台帳原簿を記憶する記憶手段と、前記表示手段に工事毎の工事台帳を1画面に表示させ、該工事台帳原簿に記憶させる処理手段と、を備えた工事台帳作成装置において、1画面に表示される工事台帳には、請負金額、業者毎の予算とその総額、業者ごとに要した原価とその総額が表示され、その表示内容の書き換え及び追加記入が可能にされた工事台帳作成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-123075号公報
【特許文献2】特開2004-54662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、定形の財務諸表は、結果報告であり、その結果としての数値に至った経緯を確認する為には、補助簿にてその都度確認する必要があり煩雑である。その結果、経営に携わる立場にあるにもかかわらず、財務諸表を読むことが苦手ゆえに、経営の意思決定に支障をきたすことがある。
【0009】
自社にて、もしくは、専属のコンサルタントにより、経営分析が出来る企業は、上記の限りではないが、財務に携わる要員が少ない小規模企業では、財務諸表が経営の指標として活用されておらずに、結果報告として、仮に負債が膨らめば危機感に苛まれ、利益が出たら直ちに満足感を抱き、これらの数値が発生した原因の特定と、その原因への対処方法、及び、当該数値が将来に及ぼす予測可能な影響にまで考えが及ばない事が今日の小規模企業を取り巻く課題となっている。
【0010】
このように、専属の会計技術者を雇用していない中小、零細企業では、取引の記録と、決算内容の整合に苦労し、また、決算の内容から、企業成績の原因究明をする事に苦労し、さらに、決算の内容と売上における原価との因果関係の把握に苦労するという課題がある。
例えば、従来の貸借対照表及び損益計算書等の財務諸表においては、科目の数値を構成する相手科目と相手科目毎の数値を一瞥して判断できないという問題がある。一例として、貸借対照表の資産の中の現金科目に「10万円」の記載があるとき、この「10万円」を構成する相手科目と相手科目毎の金額は補助簿で確認する必要があり、また、これらの数値を一瞥して時系列に確認できない。また、従来、財務諸表は指定時刻におけるピンポイントの結果報告であり、その時刻の直前直後、さらにはその時刻以前以後の情報を得るためには、別途作成した財務諸表で確認する必要があった。さらに、財務諸表に記載された数値の時系列な連続変化の把握は極めて困難であった。
【0011】
すなわち、上記の問題を解決する為には、各々の勘定科目に記された数値が何を意味するのかを理解する事が肝要であるが、その為には、会計に関する専門的な知識及び詳細な補助簿を必要とする。しかし、主に小規模の事業に携わる経営者の中には、その事に精通していない者も数多く、会計に関する専門的な知識が無くても理解出来る会計の手法が求められる。
そこで、取引で記録される数値が、資産、負債、純資産、収益、費用のいずれかに該当する勘定科目かつ、資産、負債、純資産のいずれかに該当する勘定科目、相互の目的で行われたことが一瞥で判断出来る幾何学的な図表で当該取引を表し、個々の取引における、原因と結果の二面性を一瞥で判断できる時間軸で連続された幾何会計シートの作成プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明幾何会計シートの作成プログラムは、日付日毎に、借方科目の各勘定科目と、貸方科目の各勘定科目との間の取引金額を含む取引履歴に係るデータを記憶する記憶手段と、表示手段と、を備えたコンピュータに、借方科目の軸(X軸)、貸方科目の軸(Y軸)とし、前記借方科目の軸(X軸)に沿って費用、収益、資産、負債及び純資産のそれぞれの勘定科目を配置し、前記貸方科目の軸(Y軸)に沿って純資産、負債、資産、収益及び費用のそれぞれの勘定科目を配置した幾何学的な図表を作成して前記表示手段に表示させる第一のステップと、前記借方科目の軸(X軸)に配置した任意の勘定科目と、前記貸方科目の軸(Y軸)に配置した任意の勘定科目との交点に表示される前記図表上の各セルに、ユーザによって指定された期間に含まれる各日付日の取引に係る取引金額を前記記憶手段から抽出して当該取引金額の合計値を表示させる第二のステップと、ユーザによって選択されたセルに対応する前記借方科目の軸(X軸)上の勘定科目と前記貸方科目の軸(Y軸)上の勘定科目との間の取引履歴に係るデータを、前記記憶手段から抽出して一覧表示する第三のステップと、を実行させることを第1の特徴とする。
【0013】
また、前記第一のステップにおいて作成される図表は、前記借方科目の軸(X軸)は左から右へ費用、収益、資産、負債及び純資産の順に科目区分を列挙し、配置された各科目区分の下には、それぞれの科目区分に属する科目分類を配置し、配置された各科目分類の下には、それぞれの科目分類に属する勘定科目を表示順の昇順に左から右に配置し、更に各勘定科目の下にそれぞれの借方合計表示欄を配置したものであり、前記貸方科目の軸(Y軸)は上から下へ純資産、負債、資産、収益及び費用の順に科目区分を列挙し、配置された各科目区分の右側には、それぞれの科目区分に属する科目分類を配置し、配置された各科目分類の右側には、それぞれの科目分類に属する勘定科目を表示順の降順に上から下に配置し、更に各勘定科目の右側にそれぞれの貸方合計表示欄を配置したものであり、更に、前記コンピュータに、前記借方合計表示欄には、前記第二のステップにおいて当該借方合計表示欄に対応する勘定科目と、貸方科目の軸(Y軸)上に並んだ全ての勘定科目との交点に係るセルに表示された金額の合計値を表示する第四のステップと、前記貸方合計表示欄には、前記第二のステップにおいて当該貸方合計表示欄に対応する勘定科目と、借方科目の軸(X軸)上に並んだ全ての勘定科目との交点に係るセルに表示された金額の合計値を表示する第五のステップと、実行させることを第2の特徴とする。
【0014】
また、前記第一のステップにおいて作成される図表は、前記借方科目の軸(X軸)に沿って、更に各勘定科目の下にそれぞれの期間残高の表示欄を配置したものであり、前記貸方科目の軸(Y軸)に沿って、更に各勘定科目の右側にそれぞれの期間残高の表示欄を配置したものであり、更に、前記コンピュータに、資産及び費用の勘定科目については、第四のステップにおいて当該勘定科目の借方合計表示欄に表示された金額から、第五のステップにおいて当該勘定科目の貸方合計表示欄に表示された金額を減じた値を、前記借方科目の軸(X軸)の当該勘定科目の期間残高の表示欄に表示する第六のステップと、負債、純資産及び収益の勘定科目については、第五のステップにおいて当該勘定科目の貸方合計表示欄に表示された金額から、第四のステップにおいて当該勘定科目の借方合計表示欄に表示された金額を減じた値を、前記貸方科目の軸(Y軸)の当該勘定科目の期間残高の表示欄に表示する第七のステップと、を実行させることを第3の特徴とする。
【0015】
また、前記第一のステップにおいて作成される図表は、前記借方科目の軸(X軸)に沿って、更に各勘定科目の下にそれぞれの末日残高表示欄を配置したものであり、前記貸方科目の軸(Y軸)に沿って、更に各勘定科目の右側にそれぞれの末日残高表示欄を配置したものであり、更に、前記コンピュータに、前記借方科目の軸(X軸)に沿って配置された末日残高表示欄には、前記第二のステップにおいて当該末日残高表示欄に対応する勘定科目についての前記指定された期間の開始日残高に、前記第六ステップにおいて当該勘定科目の期間残高の表示欄に表示された期間残高を加算した値を表示する第八のステップと、前記貸方科目の軸(Y軸)に沿って配置された末日残高表示欄には、前記第二のステップにおいて当該末日残高表示欄に対応する勘定科目についての前記指定された期間の開始日残高に、前記七ステップにおいて当該勘定科目の期間残高の表示欄に表示された期間残高を加算した値を表示する第九のステップと、を実行させることを第4の特徴とする。
【0016】
また、資産、負債、純資産、収益、費用の各取引を、複式簿記の規則を遵守した、幾何学的な表形式で表すことを第5の特徴とする。
【0017】
また、借方軸と貸方軸の配置を入れ替えて構築されたことを第6の特徴とする。
【0018】
また、資産、負債、純資産、収益及び費用のそれぞれの科目区分、科目分類及び勘定科目の配置を変更して構築されたことを第7の特徴とする。
【0019】
尚、本発明で構築される幾何会計シートは、借方科目の軸と貸方科目の軸の配置を変更しても所期の効果を得ることができる。また、資産、負債、純資産、収益、費用の科目の配置は任意であり、これらの配置を変更しても所期の効果を得ることができる。また、本明細書中の「開始日残高」及び「末日残高」を「開始時残高」及び「末時残高」と置き換えることで、時間の単位を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、下記の優れた効果が得られる。
(1)従来の財務諸表は、唯々、結果報告であり、その結果としての数値に至った経緯を知る為には、補助簿にて確認する必要がある。そこで、本発明の幾何会計シートでは、従来の財務諸表が提供している結果報告たる役割に加えて、取引を記録する二つの勘定科目、相互間の関係を同時に提供する事により、取引の数値に起因する原因の解明に対して、従来以上に詳細な情報を提供することが可能となる。
(2)本来、経営に携わる者は、財務に対しても相応の知識を持ってそれに臨むべきところであるが、小規模企業の経営者をはじめとして、財務諸表を読むことが苦手ゆえに、経営の意思決定に支障をきたす企業が数多く存在する。これらの企業が、幾何会計を用いることで、財務諸表を読み込まなくても、資産、負債、純資産、収益、費用の各、勘定科目において、開始日残高、借方合計・貸方合計、今月残高、及び、取引における借方科目、貸方科目相互間の関係、更には、営業利益、経常利益、等を一瞥で把握出来、取引の数値を計上した経緯を確認することが容易になり、経営の意思決定に助力するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る幾何会計シートを用いて振替伝票に記載された特定の日付日における、借方科目:販売費、金額¥N、貸方科目:未払い金、金額¥Nの取引を処理した状態を示す説明図である。
【
図2】幾何会計シートの特定の日付日における勘定科目:現金の借方合計が「Q12」となる計算例を示す説明図である。
【
図3】幾何会計シートの特定の日付日における勘定科目:現金の残高が「Q12-J22=Q11」となる計算例を示す説明図である。
【
図4】幾何会計シートの特定の日付日における勘定科目:現金の開始日残高が「Q10」であることを示す説明図である。
【
図5】幾何会計シートの特定の日付日における勘定科目:現金の末日残高が「Q10+Q11=Q9」となる計算例を示す説明図である。
【
図6】幾何会計シートの特定の日付日における経常利益の計算例を示す説明図である。
【
図7】幾何会計シートの特定の日付日における利益剰余金の計算例を示す説明図である。
【
図8】本発明に係る幾何会計シート(BSPLシート)の作成プログラム処理を示すフローチャートである。
【
図9】本発明に係る幾何会計シート(BSPLシート)の作成プログラム処理を示すフローチャートである。
【
図10】借方軸(X軸)の科目表示処理を示すフローチャートである。
【
図11】貸方軸(Y軸)の科目表示処理を示すフローチャートである。
【
図12】幾何会計シートの各セルデータ表示処理を示すフローチャートである。
【
図13】幾何会計シートの各セルデータ表示処理を示すフローチャートである。
【
図14】借方合計表示処理を示すフローチャートである。
【
図15】借方合計表示処理を示すフローチャートである。
【
図16】貸方合計表示処理を示すフローチャートである。
【
図17】貸方合計表示処理を示すフローチャートである。
【
図18】開始日残高表示処理を示すフローチャートである。
【
図19】期間残高表示処理を示すフローチャートである。
【
図20】末日残高表示処理を示すフローチャートである。
【
図21】分類残高表示処理を示すフローチャートである。
【
図22】区分残高表示処理を示すフローチャートである。
【
図23】期首仕掛工事高表示処理を示すフローチャートである。
【
図24】期末仕掛工事高表示処理を示すフローチャートである。
【
図25】未成工事支出金表示処理を示すフローチャートである。
【
図26】仕掛工事高合計表示処理を示すフローチャートである。
【
図27】未成工事支出金合計表示処理を示すフローチャートである。
【
図28】利益剰余金表示処理を示すフローチャートである。
【
図29】幾何会計シート運用方法を示すフローチャートである。
【
図30】ワンクリック入力処理を示すフローチャートである。
【
図31】ダブルクリックによる履歴表示処理を示すフローチャートである。
【
図32】営業利益表示処理を示すフローチャートである。
【
図33】経常利益表示処理を示すフローチャートである。
【
図34】税引前利益表示処理を示すフローチャートである。
【
図35】グラフ表示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図を参照して本発明に係る幾何会計シート及び会計処理方法について説明する。
【実施例0023】
まず、簿記には下記の表1に示すようなルールがある。
【0024】
【0025】
借方と、貸方を軸で表し、借方科目と貸方科目を番地として配置すると、特定の日付日の取引は、幾何会計シートの借方軸上の科目の番地と貸方軸上の科目の番地との交点に記入される。このシートを一年間積層すると「年間決算書」になり、一月間積層すると「月次決算書」になる。
【0026】
図1に示すように、本実施例に係る幾何会計シートは、2軸を、借方科目の軸(X軸)、貸方科目の軸(Y軸)とする表を作り借方科目の軸(X軸)は右へ費用、収益、資産、負債及び純資産の順に勘定科目を配置し、また、貸方科目の軸(Y軸)は上から下へ純資産、負債、資産、収益及び費用勘定科目を借方軸に対して降順に配置した時、時間指定された、当該、表において、この2軸に配置された借方科目と貸方科目で指定する番地(ポイント)に金額Nを記録する事が、振替伝票の一行に、借方科目と金額Nと貸方科目と金額Nと取引日時を記載して、一回の取引を記録する事と同じワーク(作業)になるようにレイアウトされている。
【0027】
また、
図2に示すように、幾何会計シートは、借方科目の軸(X軸)に配置した任意の勘定科目の取引金額合計(借方合計)は、当該勘定科目と、貸方科目の軸(Y軸)上に並んだ全ての勘定科目との交点で作られる番地(ポイント)に記録された金額の合計である事。また、貸方科目の軸(Y軸)に配置した任意の勘定科目の取引金額合計(貸方合計)は、当該勘定科目と、借方科目の軸(X軸)上に並んだ全ての勘定科目との交点で作られる番地(ポイント)に記録された金額の合計となる。すなわち、幾何会計シートの特定の日付日(2015年10月31日)における勘定科目:現金の借方合計が「Q12」番地に表示される。
【0028】
図3は、幾何会計シートを用いた会計処理方法を説明するものであり、資産、負債、純資産の残高を計算する時、資産の期間残高は、借方科目の軸(X軸)上の任意の勘定科目(資産)合計から貸方科目の軸(Y軸)上の当該勘定科目合計を減ずることでその値を算出し、負債の期間残高は、貸方科目の軸(Y軸)上の任意の勘定科目(負債)合計から借方科目の軸(X軸)上の当該勘定科目合計を減ずることでその値を算出し、純資産の期間残高は、貸方科目の軸(Y軸)上の任意の勘定科目(純資産)合計から借方科目の軸(X軸)上の当該勘定科目合計を減ずることでその値を算出すると共に、収益の期間残高は、貸方科目の軸(Y軸)上の任意の勘定科目(収益)を合計して、その値を算出し、費用の期間残高は、借方科目の軸(X軸)上の任意の勘定科目(費用)を合計して、その値を算出することができる。つまり、幾何会計シートの特定の日付日(2015年10月31日 )における勘定科目:現金の残高は「Q12-J22=Q11」番地に表示される。
【0029】
図4に示すように、任意の勘定科目の期間残高と、当該幾何会計シートから時間軸において一つ前の幾何会計シートの末日残高(当該幾何会計シートの開始日残高)を加算すると、当該幾何会計シートの末日残高の値を算出することができる。例えば、幾何会計シートの特定の日付日(2015年10月31日)における勘定科目:現金の開始日残高が「
Q10」番地に表示される。
【0030】
図5に示すように、本実施例の幾何会計シートによれば、資産、負債、純資産、収益、費用の各取引を、複式簿記の規則を遵守した、幾何学的な表形式で表すことができる。例えば、幾何会計シートの特定の日付日(2015年10月31日)における勘定科目:現金の末日残高は「Q10+Q11=Q9」番地に表示される。
【0031】
図6は、幾何会計シートの特定の日付日(2015年10月31日)における経常利益の計算例を示す。経常利益A=(G23+G24)-K9-(L9-M9)-N9となる。
【0032】
図7は、幾何会計シートの特定の日付日(2015年10月31日)における利益剰余金の計算例を示す。利益余剰金(A´)はQ5=C15+C13となる。
【0033】
尚、本実施例における幾何会計シート作成の処理プログラムは、パーソナルコンピュータの所定のOS上で作動して実行される。
【0034】
以上の構成に基づいて、本実施の形態における幾何会計シート作成の処理プログラムについて説明する。
【0035】
図8~
図35は本発明の実施例1に係る幾何会計シート作成のプログラム処理の一例を示すフローチャートである。
【0036】
本発明に係る幾何会計シートの作成プログラムは、Z軸の時刻を指定すると目的時刻のシートを選択するステップと、借方科目と貸方科目を選択すると目的時刻のシート上の所定のセルに案内するステップと、当該セルに金額を記録すると借方合計、貸方合計、期間残高、開始日残高、末日残高、営業利益、経常利益及び繰越余剰金額の各情報がアウトプットされると共に、借方科目と貸方科目で指定された当該セルの取引履歴が表示される。具体的には、グリッド上に勘定科目と金額を並べる。X軸を借方軸とし、Y軸を貸方軸とする。借方軸は、左から右へ費用、収益、資産、負債及び純資産の順に区分を列挙する。借方軸の区分の下には、それぞれの区分に属する分類を左から右へ列挙し、さらに、続けて、それぞれの科目分類に属する勘定科目を、表示順の昇順に左から右へ列挙する。貸方軸は、上から下へ純資産、負債、資産、収益及び費用の順の科目を列挙し、借方軸に対して降順に並べる。貸方軸の科目分類の右側には、続けて、それぞれの科目区分に属する科目分類を、借方軸に対して降順に上から下へ列挙する。貸方軸の科目分類の右側には、続けて、それぞれの科目分類に属する勘定科目を、借方軸に対して降順に上から下へ列挙する。振替伝票の借方科目を借方軸から、貸方科目を貸方軸から選び、その交点に金額を入力する。グリッドの上部には借方科目の集計値を、左側には貸方科目の集計値を表示する。
【0037】
ステップS1~S22までが幾何会計シート作成の全体の処理ステップであり、ステップS23~S43が借方軸(X軸)の科目表示処理ステップ、ステップS44~S64が貸方軸(Y軸)の科目表示処理ステップ、ステップ65~S102が幾何会計シートの各セルデータ表示処理ステップ、ステップS103~S137が借方合計表示処理ステップ、ステップS138~ステップS173が貸方合計表示処理ステップ、ステップS174~ステップS194が開始日残高表示処理ステップ、ステップS195~ステップS202が期間残高表示処理ステップ、ステップS203~ステップS210が末日残高表処理ステップ、ステップS211~ステップS222が分類残高表示処理ステップ、ステップS223~ステップS234が区分残高表示処理ステップ、ステップS235~ステップS240が(決算期間における)期首仕掛工事高表示処理ステップ、ステップS241~ステップS246が期末仕掛工事高表示処理ステップ、ステップS247~ステップS252が未成工事支出金表示処理ステップ、ステップS253~ステップS260が仕掛工事高合計表処理ステップ、ステップS261~ステップS264が未成工事支出金合計表示処理ステップ、ステップS265~ステップS267が利益剰余金表示処理ステップである。
【0038】
[幾何会計シート全体の作成処理]
図8及び
図9に示すフローチャートにおいて まず、指定期間を入力する(ステップS1)と開始日残高が計算(チェック選択入力)されて(ステップS2)、借方軸(X軸)に区分・分類・科目が表示される(ステップS3)と共に、貸方軸(Y軸)の区分・分類・科目が表示される(ステップS4)。
【0039】
次に、引数を期間開始日及び期間終了日として、幾何会計シートの各セルデータが表示される(ステップS5)と共に、借方合計が表示され(ステップS6)、貸方合計が表示される(ステップS7)。
【0040】
次に、開始日残高の計算を行い(ステップS8)、開始日残高を表示するか(計算するか)否かを判断し、開始日残高を表示する場合は、期間開始日を引数として開始日残高が表示され(ステップS9)、期間残高が表示される(ステップS10)、ステップS8で開始日残高表示しない場合は、そのまま、ステップS10の期間残高表示に移行する。
【0041】
ステップS10で期間残高が表示されると、末日残高及び分類残高が表示される(ステップS11、ステップS12)。次に、システム設定テーブルに期首仕掛工事・期末仕掛工事の勘定科目が登録されているか否かを判断し(ステップS13)、登録されている場合は、期首仕掛工事高、期末仕掛工事高及び仕掛工事高合計が表示され(ステップS14,ステップS15及びステップS16)、ステップS17に移行する。ステップS13で登録されていないと判断した場合は、そのままステップS17に移行する。
【0042】
ステップS17では、システム設定テーブルに未成工事支出金の勘定科目が登録されているか否かを判断し、登録されている場合は、未成工事支出金合計額及び未成工事支出金合計額が表示され(ステップS18及びステップS19)、ステップS20に移行する。ステップS17で登録されていないと判断した場合は、そのままステップS20に移行する。
【0043】
ステップS20では、システム設定テーブルに利益余剰金の勘定科目が登録されているか否かを判断し、登録されている場合は、利益剰余金額及び区分残高が表示されて処理を終了する(ステップS21及びステップS22)。登録されていないと判断した場合は、そのままステップS22に移行し、区分残高が表示されて処理を終了する。
【0044】
[借方軸(X軸)の科目表示処理]
図10に示すフローチャートにおいて、まず、区分テーブルから表示順の昇順にすべてのデータが抽出される(ステップS23)。次に、区分表示処理のループが開始され(起点:ステップS24~終点:S43)、区分テーブルの区分がセットされ、1行目に区分が表示されると共に、2行目に区分の合計値表示欄が確保される(ステップS25,ステップS26及びステップS27)。
【0045】
次に、科目分類テーブルから区分=nであるデータが抽出され(ステップS28)、科目分類表示処理のループが開始され(ステップS29~S41)、区分=nに科目分類テーブルの分類がセットされ、3行目に分類が表示されると共に、4行目に分類の合計値表示欄が確保される(ステップS30,ステップS31及びステップS32)。
【0046】
次に、勘定科目テーブルから区分=nかつ分類=nであるデータが抽出され(ステップS33)、勘定科目表示処理のループが開始され(ステップS34~41)、勘定科目テーブルの科目がセットされ、5行目に勘定科目が表示されると共に、6行目に末日残高、7行目に開始日残高、8行目に期間残高及び9行目に借方合計の表示欄が確保される(ステップS35,ステップS36及びステップS37)。
【0047】
次に、勘定科目テーブルの次のレコードに移動(ステップS38)した後、勘定科目処理のループを終了し(ステップS39)、科目分類テーブルの次のレコードに移動(ステップS40)した後、科目分類処理のループを終了し(ステップS41)、科目分類テーブルの次のレコードに移動し(ステップS42)、科目区分処理のループを終了(ステップS43)して「借方軸(X軸)の科目表示処理」の全体処理を終了する。
【0048】
[貸方軸(Y軸)の科目表示処理]
図11に示すフローチャートにおいて、まず、科目区分テーブルから表示順の降順にすべてのデータが抽出される(ステップS44)。次に、科目区分表示処理のループが開始され(ステップS45~S64)、科目区分テーブルの区分がセットされ、1列目に区分が表示されると共に、2列目に区分の合計値表示欄が確保される(ステップS46,ステップS47及びステップS48)。
【0049】
次に、科目分類テーブルから区分=nであるデータが抽出され(ステップS49)、科目分類表示処理のループが開始され(ステップS50~S60)、区分=nに科目分類テーブルの分類がセットされ、3列目に分類が表示されると共に、4列目に分類の合計値表示欄が確保される(ステップS51,ステップS52及びステップS53)。
【0050】
次に、勘定科目テーブルから区分=nかつ分類=nであるデータが抽出され(ステップS54)、勘定科目表示処理のループが開始され(ステップS554~60)、勘定科目テーブルの科目がセットされ、5列目に勘定科目が表示されると共に、6列目に末日残高、7列目に開始日残高、8列目に期間残高及び9列目に貸方合計の表示欄が確保される(ステップS58,ステップS57及びステップS58)。
【0051】
次に、勘定科目テーブルの次のレコードに移動(ステップS59)した後、勘定科目処理のループを終了し(ステップS60)、科目分類テーブルの次のレコードに移動(ステップS61)した後、科目分類処理のループを終了し(ステップS62)、科目区分テーブルの次のレコードに移動し(ステップS63)、科目区分処理のループを終了し(ステップS64)、「借方軸(X軸)の科目表示処理」の全体処理を終了する。
【0052】
[幾何会計シートの各セルデータ表示処理]
図12及び
図13に示すフローチャートにおいて、まず、科目区分テーブルからすべてのデータが表示順の昇順に抽出される(ステップS65)。次に、科目区分表示処理のループが開始され(起点:ステップS66~終点:S102)、科目区分テーブルの区分がセットされ(ステップS67)、科目分類テーブルから区分=nであるデータを表示順の昇順に抽出する(ステップS68)。
【0053】
次に、科目分類表示処理のループが開始され(ステップS69~S100)、nに科目分類テーブルの分類がセットされ(ステップS70)、勘定科目テーブルから区分=nかつ分類=nであるデータを表示順の昇順に抽出する(ステップS71)。
【0054】
次に、勘定科目表示処理のループが開始され(ステップS72~S98)、nに勘定科目テーブルの科目がセットされ(ステップS73)、合計金額=nを初期化し(ステップS74)、貸方科目を抽出、すなわち、科目区分テーブルから表示順の降順にすべてのデータを抽出する(ステップS75)。
【0055】
次に、科目区分表示処理のループが開始され(ステップS76~S95)、区分=(n,y)に科目区分テーブルの区分がセットされ(ステップS77)、科目分類テーブルから区分=(n,y)であるデータをデータ表示順の降順に抽出する(ステップS78)。
【0056】
次に、科目分類テーブル表示処理のループが開始され(ステップS79~S93)、区分(n,y)に科目分類テーブルの分類がセットされ(ステップS80)、勘定科目テーブルから区分=(n,y)かつ分類=(n,y)であるデータを表示順の降順に抽出する(ステップS81)。
【0057】
次に、勘定科目表示処理のループが開始され(ステップS82~S91)、区分=(n,y)に勘定科目テーブルの科目がセットされ(ステップS83)、財務データテーブルから、「借方科目の区分=(n,x)かつ貸方科目の区分=(n,y)」又は、「借方科目の区分=(n,x)かつ貸方科目の区分=(n,y)かつ(開始日≦n≦終了日)であるデータを抽出する(ステップS84)。
【0058】
次に、財務データ表示処理のループが開始され(起点:ステップS85~終点:87) 、財務データテーブルの借方入力金額1と借方入力金額2をnに加算した後、財務データ処理のループを終了し(ステップS86、ステップS87)、借方科目=(n,x)、貸方科目=(n,y)となる幾何会計シートの交点に金額=nを表示すると共に、貸方合計に金額=nを加算し(ステップS88、ステップS89)、貸方科目の勘定科目テーブルの次のレコードに移動して(ステップS90)、勘定科目表示処理のループを終了する(ステップS91)。
【0059】
次に、貸方科目の科目分類テーブルの次のレコードに移動して科目分類表示処理のループを終了し(ステップS92、ステップS93)、貸方科目の科目区分の次のレコードに移動して科目区分表示処理を終了し(ステップS94、ステップS95)、借方合計表示欄に合計金額=nを表示する(ステップS96)。
【0060】
次に、借方科目の勘定科目テーブルの次のレコードに移動して勘定科目テーブル表示処理のループを終了し(ステップS97,ステップS98)、借方科目の科目分類テーブルの次のレコードに移動して科目分類表示処理のループを終了し(ステップS99、ステップS100)、借方科目の科目区分テーブルの次のレコードに移動して科目区分テーブル表示処理のループを終了し(ステップS101)、「幾何会計シートの各セルデータ表示処理」の全体処理を終了する(ステップS102)。
【0061】
「借方合計表示処理」
図14及び
図15に示すフローチャートにおいて、まず、科目区分テーブルからすべてのデータが表示順の昇順に抽出される(ステップS103)。次に、科目区分表示処理のループが開始され(起点:ステップS104~終点:S137)、区分=(n,x)に科目区分テーブルの区分がセットされ(ステップS105)、科目分類テーブルから区分=(n,x)であるデータを表示順の昇順に抽出する(ステップS106)。
【0062】
次に、科目分類表示処理のループが開始され(起点:ステップS107~終点:S135)、分類=(n,x)に科目分類テーブルの分類がセットされ(ステップS108)、勘定科目テーブルから区分=(n,x)かつ分類=(n,x)であるデータを表示順の昇順に抽出する(ステップS109)。
【0063】
次に、勘定科目表示処理のループが開始され(起点:ステップS110~終点:S133)、科目=(n_x_kamoku)に勘定科目テーブルの科目がセットされ(ステップS111)、科目区分テーブルから表示順の降順にすべてのデータを抽出、すなわち、貸方科目を抽出する(ステップS112)。
【0064】
次に、科目区分表示処理のループが開始され(起点:ステップS113~終点:S130)、区分=(n_y_kamoku)に科目区分テーブルの区分がセットされ(ステップS114)、科目分類テーブルから区分=(n_y_kamoku)であるデータをデータ表示順の降順に抽出する(ステップS115)。
【0065】
次に、科目分類テーブル表示処理のループが開始され(起点;ステップS116~終点:S128)、分類(n_y_bunrui)に科目分類テーブルの分類がセットされ(ステップS117)、勘定科目テーブルから区分=(n_y_kubun)かつ分類=(n_y_bunrui)であるデータを表示順の降順に抽出する(ステップS118)。
【0066】
次に、勘定科目表示処理のループが開始され(起点:ステップS119~終点:S126)、科目=(n_y_kamoku)に勘定科目テーブルの科目がセットされ(ステップS120)、財務データテーブルから、「借方科目のID1=(n_x_kamoku)かつ貸方科目のID1=(n_y_kamoku)」又は、「借方科目のID2=(n_x_kamoku)かつ貸方科目のID2=(n_y_kamoku)かつ、(開始日 ≦n≦終了日)」であるデータを抽出する(ステップS121)。
【0067】
次に、財務データ表示処理のループが開始され(起点:ステップS122~終点:S126)、財務データテーブルの借方入力金額1と借方入力金額2をnに加算した後、財務データ処理のループを終了し(ステップS123、ステップS124)、借方合計金額に金額nを加算し、貸方科目の勘定科目テーブルの次のレコードに移動し(ステップS125)、勘定科目表示処理のループを終了(ステップS126)する。
【0068】
次に、貸方科目の科目分類テーブルの次のレコードに移動して科目分類表示処理のループを終了し(ステップS127、ステップS128)、貸方科目の科目区分テーブルの次のレコードに移動して科目区分表示処理を終了し(ステップS129、ステップS130)、借方合計表示欄に合計金額=nを表示する(ステップS131)。
【0069】
次に、借方科目の勘定科目テーブルの次のレコードに移動して勘定科目テーブル表示処理のループを終了し(ステップS132,ステップS133)、借方科目の科目分類テーブルの次のレコードに移動して科目分類表示処理のループを終了し(ステップS134、ステップS135)、借方科目の科目区分テーブルの次のレコードに移動し(ステップS136)、科目区分テーブル表示処理のループを終了して「借方合計表示処理」の全体処理を終了する(ステップS137)。
【0070】
[貸方合計表示処理]
図16及び
図17に示すフローチャートにおいて、まず、科目区分テーブルからすべてのデータが表示順の降順に抽出される(ステップS138)。次に、科目区分表示処理のループが開始され(起点:ステップS139~終点:S173)、区分=(n,y)に科目区分テーブルの区分がセットされ(ステップS140)、科目分類テーブルから区分=(n,x)であるデータを表示順の降順に抽出する(ステップS141)。
【0071】
次に、科目分類表示処理のループが開始され(起点:ステップS142~終点:S171)、分類=(n,y)に科目分類テーブルの分類がセットされ(ステップS143)、勘定科目テーブルから区分=(n,y)かつ分類=(n,y)であるデータを表示順の降順に抽出する(ステップS144)。
【0072】
次に、勘定科目表示処理のループが開始され(起点:ステップS145~終点:S169)、科目=(n,y)に勘定科目テーブルの科目がセットされ(ステップS146)、合計金額=nを初期化し(ステップS147)、科目区分テーブルから表示順の昇順にすべてのデータを抽出、すなわち、借方科目を抽出する(ステップS148)。
【0073】
次に、科目区分表示処理のループが開始され(起点:ステップS149~終点:S166)、区分=(n,x)に科目区分テーブルの区分がセットされ(ステップS150)、科目分類テーブルから区分=(n,x)であるデータをデータ表示順の昇順に抽出する(ステップS151)。
【0074】
次に、科目分類テーブル表示処理のループが開始され(起点;ステップS152~終点 :S164)、分類(n,x)に科目分類テーブルの分類がセットされ(ステップS153)、勘定科目テーブルから区分=(n,x)かつ分類=(n,x)であるデータを表示順の昇順に抽出する(ステップS154)。
【0075】
次に、科目区分表示処理のループが開始され(起点:ステップS155~終点:S162)、財務データテーブルから、「借方科目の科目=(n,x)かつ貸方科目の科目=(n,y)」又は、「借方科目の科目=(n,x)かつ貸方科目の科目=(n,y)かつ、(開始日≦n≦終了日)」であるデータを抽出する(ステップS156)。
【0076】
次に、財務データ表示処理のループが開始され(起点:ステップS157~終点:S159)、財務データテーブルの貸方入力金額1と貸方入力金額2をnに加算した後、財務データ処理のループを終了し(ステップS158、ステップS159)、貸方合計金額に金額=nを加算し(ステップS160)、借方科目の勘定科目テーブルの次のレコードに移動し(ステップS161)、勘定科目表示処理のループを終了(ステップS162)する 。
【0077】
次に、借方科目の科目分類テーブルの次のレコードに移動して科目分類表示処理のループを終了し(ステップS163、ステップS164)、借方科目の科目区分テーブルの次のレコードに移動して科目区分表示処理を終了し(ステップS165、ステップS166)、貸方合計表示欄に合計金額=nを表示する(ステップS167)。
【0078】
次に、貸方科目の勘定科目テーブルの次のレコードに移動して勘定科目テーブル表示処理のループを終了し(ステップS168,ステップS169)、貸方科目の科目分類テーブルの次のレコードに移動して科目分類表示処理のループを終了し(ステップS170、ステップS171)、貸方科目の科目区分テーブルの次のレコードに移動し(ステップS172)、科目区分テーブル表示処理のループを終了して「貸方合計表示処理」の全体処理を終了する(ステップS173)。
【0079】
[開始日残高表示処理]
図18に示すフローチャートにおいて、まず、科目区分テーブルからすべてのデータが抽出される(ステップS174)。次に、勘定科目表示処理のループが開始され(起点:ステップS175~終点:S190)、財務月締めデータテーブルから指定期間開始=n月の月初残を表示する(ステップS176)。開始日残高に月初残=nをセットし(ステップS177)、開始日が月の初日(一日)であるか否かを判断し、月の初日(一日)でない場合は、財務データテーブルから開始月の初日から指定期間開始日=nを引数としてn日までのデータを抽出する(ステップS179)。ステップS178で開始日が月の初日である場合は、そのままステップS191に移行する。
【0080】
ステップS179で、財務データテーブルからn日までのデータを抽出したら次いで、財務データテーブルの財務データ表示処理のループが開始され(起点:ステップS180~終点:S190)、科目=nの貸借区分が借方であるか貸方であるかの判断を行い(ステップS181)、借方科目である場合はステップS182に移行し、科目=nが財務データテーブルの借方科目と一致するか否かが判断される。そして、一致すると判断された場合、財務データテーブル残高に開始日残高=nが加算され、借方入力金額1が表示される(ステップS183)。
【0081】
ステップS181で、科目=nの貸借区分が貸方科目であると判断した場合はステップS184に移行し、科目=nが財務データテーブルの借方科目と一致するか否かが判断される。そして、一致すると判断された場合、財務データテーブル残高から月初残高=nが減算され、借方入力金額1が表示される(ステップS185)。ステップS184で、科目=nが借方科目と一致しないと判断された場合、さらに、貸方科目と一致するか否かが判断され(ステップS186)、一致すると判断された場合、財務データテーブルに月初残高=nが加算され、貸方金額1が表示される(ステップS187)。
【0082】
ステップS182で、科目=nが財務データテーブルの借方科目IDと一致しないと判断された場合、さらに、科目=nが財務データテーブルの貸方科目IDと一致するか否かが判断され、財務データテーブル残高から月初残高=nが減算され、貸方入力金額1が表示される(ステップS189)。
【0083】
尚、上記ステップS186、S187、S188及びS190のいずれの処理も終了後は、財務データテーブルの開始日残高表示処理のループの終点(ステップS191)に戻る。
【0084】
そして、再度、科目=nの貸借区分が借方であるか貸方であるかの判断を行い(ステップS192)、借方科目である場合はステップS192に移行し、借方軸の科目=nの開始日残高表示欄のセルに月初残高=nがセットされ(ステップS192)、貸方科目である場合は貸方軸の科目=nの開始日残高欄のセルに月初残高=nがセットされて(ステップS193)財務データ表示処理のループを終了して「開始日残高表示処理」の全体処理を終了する(ステップS194)。
【0085】
[期間残高表示処理]
図19に示すフローチャートにおいて、まず、勘定科目テーブルからすべてのデータが抽出される(ステップS195)。次に、勘定科目表示処理のループが開始され(起点:ステップS196~終点:S203)、科目=nの貸借区分が借方区分であるか又は貸方区分であるかの判断を行い(ステップS197)、借方科目である場合はステップS198に移行し、借方軸(X軸)にある科目=nの借方合計金額から貸方軸(Y軸)にある科目=nの貸方合計金額を減算した値が期間残高=nにセットされる。一方、貸方科目である場合はステップS200に移行し、貸方軸(Y軸)にある科目=nの貸方合計金額から借方軸(X軸)にある科目=nの借方合計金額を減算した値が期間残高=nにセットされて(ステップS201)勘定科目データ表示処理のループを終了して「期間残高表示処理」の全体処理を終了する(ステップS202)。
【0086】
[末日残高表示処理]
図20に示すフローチャートにおいて、まず、勘定科目テーブルからすべてのデータが抽出される(ステップS203)。次に、勘定科目表示処理のループが開始され(起点:ステップS204~終点:S210)、科目=nの貸借区分が借方区分であるか又は貸方区分であるかの判断を行い(ステップS205)、借方科目である場合はステップS206に移行し、借方軸(X軸)にある科目=nの借方開始日残高に借方期間残高を加算した値が末日残高=nとしてセットされ、借方軸の科目=nの末日残高表示欄のセルに末日残高=nがセットされる(ステップS207)。一方、貸方科目である場合はステップS208に移行し、貸方軸(Y軸)にある科目=nの貸方開始日残高に貸方期間残高を加算した値が末日残高=nにセットされて、貸方軸の科目=nの末日残高表示欄のセルに末日残高=nがセットされて(ステップS209)、勘定科目データ表示処理のループを終了して「末日残高表示処理」の全体処理を終了する(ステップS210)。
【0087】
[分類残高表示処理]
図21に示すフローチャートにおいて、科目分類テーブルからすべてのデータを抽出する(ステップS211)。次に、科目分類表示処理のループが開始され(起点:ステップS212~終点:S222)、科目分類テーブルから分類を取得して分類=nがセットされ(ステップS213)、勘定科目テーブルから分類=nである勘定科目が抽出されると(ステップS214)、勘定科目表示処理のループが開始され(起点:ステップS215~終点:S222)、分類=nが借方区分であるか又は貸方区分であるかの判断を行い(ステップS216)、借方分類である場合はステップS217に移行し、勘定科目テーブルの勘定科目と一致する科目を幾何会計シートの借方軸からセルを取得する。ステップS216で貸方分類と判断された場合は、勘定科目テーブルの勘定科目と一致する科目を幾何会計シートの貸方軸からセルを取得する(ステップS218。そして、ステップS217又はステップS218で取得したセルの幾何会計シート上の末日残高を分類残高=nに加算して(ステップS219)、勘定科目表示処理のループを終了し(ステップS220)、分類残高=nをBSPLシート上の分類=nの分類合計欄にセットし(ステップS221)、科目分類表示処理のループを終了して「分類残高表示処理」の全体処理を終了する(ステップS222)。
【0088】
[区分残高表示処理]
図22に示すフローチャートにおいて、科目区分テーブルからすべてのデータを抽出する(ステップS223)。次に、科目区分表示処理のループが開始され(起点:ステップS224~終点:S234)、科目区分テーブルから区分を取得して区分=nがセットされ(ステップS225)、科目分類テーブルから区分=nであるデータが抽出されると(ステップS226)、科目分類表示処理のループが開始され(起点:ステップS227~終点:S234)、区分=nが借方区分であるか又は貸方区分であるかの判断を行い(ステップS228)、借方区分である場合はステップS229に移行し、科目分類テーブルの分類と一致する分類を幾何会計シートの借方軸からセルを取得する。ステップS228で貸方区分と判断された場合は、科目分類テーブルの分類と一致する分類を幾何会計シートの貸方軸からセルを取得する(ステップS230)。そして、ステップS229又はステップS230で取得したセルの幾何会計シート上の末日残高を区分残高=nに加算して(ステップS231)、科目区分表示処理のループを終了し、区分残高=nを幾何会計シート上の区分=nの区分合計欄にセットし(ステップS233)、科目区分表示処理のループを終了して「区分残高表示処理」の全体処理を終了する(ステップS234)。
【0089】
原価管理機能において、受注工事情報、支払情報、売上情報を一括管理し、完成工事が発生した時点、又は手動にて未成工事支出金テーブルを最新の情報に更新する。これにより、リアルタイムに未成工事支出金の情報を取得することができる。
【0090】
システム設定テーブルに期首仕掛工事高の勘定科目を登録している場合、特殊計算する科目と判断する。特殊計算する場合は、指定した期間の開始日より前で直近のデータを未成工事支出金テーブルから抽出して期首仕掛工事高を算出する。
【0091】
[期首仕掛工事高表示処理]
図23のフローチャートにおいて、引数を指定期間開始日=nとして、システム設定テーブルから期間開始日=nの日付を含む期首日を取得して期首=nにセットすると(ステップS235)、未成工事データテーブルから期首日=nより前(期首日を含まない)で直近のデータを抽出する(ステップS236)。次に、ステップS237で、抽出データが有るか否かを判断し、期間開始日データが有る場合は、未成工事データテーブルの未成工事支出金を取得して期首仕掛管理=nにセットし(ステップS238)、期首仕掛管理=nを借方軸・期首仕掛工事高の列と開始日残高の交点にセットし(ステップS239)、次いで期首仕掛管理=nを借方軸・期首仕掛工事高の列と末日残高の交点にセットして(ステップS240)「期首仕掛工事高表示処理」の全体処理を終了する。ステップS238で抽出データが無いと判断した場合は、そのままステップS239に移行する。
【0092】
システム設定テーブルに期末仕掛工事高の勘定科目を登録している場合、特殊計算する科目と判断する。特殊計算する場合は、指定した期間の終了日より前で直近のデータを、未成工事支出金テーブルから抽出して期末仕掛工事高を算出する。
【0093】
[期末仕掛工事残高表示]
図24のフローチャートにおいて、引数を指定期間開始日=nとして、未成工事データテーブルから期間開始日=nの日付より前(期間開始日=nを含まない)で直近のデータを抽出する(ステップS241)。次に、ステップS242で、抽出データが有るか否かを判断し、期間開始日データが有る場合は、未成工事データテーブルの未成工事支出金を取得して期末仕掛管理=nにセットし(ステップS243)、期末仕掛管理=nを借方軸・期末仕掛工事高の列と開始日残高の交点にセットし(ステップS244)、次いで期首仕掛管理=nを借方軸・期末仕掛工事高の列と貸方軸・未成工事支出金の交点にセットし(ステップS245)、期末仕掛管理=nを借方軸・未成工事支出金の列と開始日残高の交点にセットして(ステップS246)「期末仕掛工事高表示処理」の全体処理を終了する。ステップS242抽出データが無いと判断した場合は、そのままステップS244に移行する。
【0094】
システム設定テーブルに未成工事支出金の勘定科目を登録している場合、特殊計算する科目と判断する。特殊計算する場合は、指定した期間の終了日より前で直近のデータを、未成工事支出金テーブルから抽出して未成工事支出金を算出する。
【0095】
[未成工事支出金表示]
図25のフローチャートにおいて、引数を指定期間終了日=nとして、未成工事データテーブルから期間終了日=nの日付より前(期間終了日=nを含む)で直近のデータを抽出する(ステップS247)。次に、ステップS248で、抽出データが有るか否かを判断し、期間終了日データが有る場合は、未成工事データテーブルの未成工事支出金を取得して未成=nにセットし(ステップS249)、未成=nを借方軸・未成工事支出金の列と貸方軸・期末仕掛工事高の交点にセットし(ステップS250)、次いで未成=nを借方軸・未成工事支出金の列と末日残高の交点にセットし(ステップS251)、借方軸・期末仕掛工事高から貸方軸・期末仕掛工事高を減じた金額を期末仕掛工事高の期間残高にセットして(ステップS252)「未成工事支出金表示処理」の全体処理を終了する。ステップS248で抽出データが無いと判断した場合は、そのままステップS250に移行する。
【0096】
[仕掛工事高合計表示]
図26のフローチャートにおいて、借方軸・期首仕掛工事高の縦計を借方合計欄にセットする(ステップS253)。貸方軸・期首仕掛工事高の横計を貸方合計欄にセットする(ステップS254)。借方軸・期首仕掛工事高借方合計金額から貸方軸・期首仕掛工事高を減じた金額を期間残高にセットする(ステップS255)。借方軸・期末仕掛工事高の縦計を借方合計欄にセットする(ステップS256)。貸方軸・期末仕掛工事高の横計を貸方合計欄にセットする(ステップS257)。借方軸・期末仕掛工事高借方合計金額から貸方軸・期末仕掛工事貸方合計を減じた金額を借方軸・期末仕掛工事高の期間残高にセットする(ステップS258)。借方軸・期末仕掛工事高の期間残高に-1(逆数)を乗じた金額を借方軸・期末仕掛工事高の末日残高にセットする(ステップS259)。借方軸・期首仕掛工事高の末日残高から借方軸・期末仕掛工事高の末日残高を減じた金額を借方軸・「仕掛工事高」分類の合計欄にセットして(ステップS260)「仕掛工事高合計表示処理」の全体処理を終了する。
【0097】
[未成工事支出金合計表示]
図27のフローチャートにおいて、借方軸・未成工事支出金の縦計を借方合計欄にセットする(ステップS261)。貸方軸・未成工事支出金の横計を貸方合計欄にセットする(ステップS262)。借方軸・未成工事支出金の借方合計から貸方軸・未成工事支出金の貸方合計を減じた金額を借方軸・未成工事支出金の期間残高にセットする(ステップS263)。借方軸・「流動資産」分類に属する勘定科目の末日残高合計を「流動資産」分類合計欄にセットして(ステップS264)「未成工事支出金合計表示処理」の全体処理を終了する。
【0098】
[利益剰余金表示]
幾何会計シートには、任意に日時を指定した財務データが表示されているものとする。
図28のフローチャートにおいて、「資産」区分の借方開始日残高から「資本」区分の貸方開始日残高(利益剰余金を除く)を減算し、さらに「負債」区分の貸方開始日残高を減算した金額を貸方軸・利益剰余金の開始日残高にセットする(ステップS265)。次に、「資産」区分の借方期間残高から「資本」区分の貸方期間残高(利益余剰金を除く)を減算し、さらに「負債」区分の期間残高を減算した金額を貸方軸・利益剰余金の期間残高にセットする(ステップS266)。貸方軸・利益剰余金の開始日残高に期間残高を加算して貸方軸・利益剰余金の末日残高にセットして(ステップS267)「利益剰余金表示処理」の全体処理を終了する。
【0099】
[幾何会計シートの運用方法の機能説明]
任意に日時指定をした幾何会計シートを表示した後に、操作できる処理を説明する。
図29のフローチャートに示すように、幾何会計シート上における目的セルの操作(ステップS268)において、
(1)セルのワンクリ
ック入力
セルをワンクリックする(ステップS269)ことにより日付、借方科目及び金額、貸方科目及び金額を入力するだけで、振替伝票の入力を完了する。
(2)セルのダブルクリックによる履歴表示
目的セルをダブルクリックすることにより、借方科目と貸方科目を決定し、指定した期間に登録された金額の履歴を表示する(ステップS270)。
(3)利益表示
利益表示ボタンをクリックするにより、指定した期間内の利益情報である営業利益、経常利益及び税引前利益を計算して表示する(ステップS271、S272及びS273)。
【0100】
[ワンクリック入力]
幾何会計シートには、任意に日時を単日指定した財務データが表示されているものとする。
図30のフローチャートに示すように、ワンクリック入力した場合、クリックした借方軸(X軸)のセル番号:(n,x)及びクリックした貸方軸(Y軸)のセル番号(n,y)を引数として、(n,x)列にある借方科目を取得しn=借方にセットする(ステップS274)。次に、(n,y)行にある貸方科目を取得し、n=貸方にセットする(ステップS275)。ステップS276で金額を入力すると、借方科目にn=借方、貸方科目にn=貸方、借方入力金額1と貸方入力金額1をセットされ、財務データテーブルに登録されて(ステップS277)処理を終了する。
【0101】
[ダブルクリックによる履歴表示]
幾何会計シートには、任意に日時を期間指定した財務データが表示されているものとする。
図31のフローチャートに示すように、ダブルクリック入力した場合、クリックした借方軸(X軸)のセル番号:(n,x)及びクリックした貸方軸(Y軸)のセル番号(n,y)を引数として、(n,x)列にある借方科目を取得しn=借方にセットする(ステップS278)。次に、(n,y)行にある貸方科目を取得し、n=貸方にセットする(ステップS279)。ステップS280で、財務データテーブルから
、借方科目1がn=借方と一致し、かつ貸方科目1とn=貸方が一致するデータを抽出する。ステップS281で該当データが有った場合、財務データテーブルの表示ループが開始し(起点:ステップS282~終点:S284)、日付・借方入力金額1・借方補助科目・貸方入力金額1・貸方補助科目を一覧表示して表示ループを終了する(ステップS283)。ステップS281で該当データが無いと判断された場合、そのまま表示処理を終了する。
【0102】
[営業利益表示]
幾何会計シートには、任意に日時を期間指定した財務データが表示されているものとする。
図32のフローチャートにおいて、システム設定テーブルから勘定科目の設定状況を取得し(ステップS285)、期末仕掛工事・期首仕掛工事の勘定科目設定があるか否かを判断する(ステップS286)
。設定があると判断した場合、「収益」区分の「純売上高」分類に属する全科目の「貸方・期間残高」から「費用」区分の「材料費」分類に属する全科目の「借方・期間残高」、「費用」区分の「労務費」分類に属する全科目の「借方・期間残高」、「費用」区分の「外注費」分類に属する全科目の「借方・期間残高」、「費用」区分の「工事経費」分類に属する全科目の「借方・期間残高」、「費用」区分の「販売及び一般管理費」に属する全科目の「借方・期間残高」、(期首仕掛工事の「借方・末日残高」-期末仕掛工事の「借方・末日残高」)、「費用」区分の「仕掛工事」分類に属する科目の中で、期首仕掛工事と、期末仕掛工事以外の科目の「借方・期末残高」を減算した金額をn=営業利益にセットして(ステップS287)営業利益表示欄に表示する(ステップS289)。
【0103】
上記ステップS286で、期末仕掛工事・期首仕掛工事の勘定科目設定が無いと判断した場合、「収益」区分の「純売上高」分類に属する全科目の「貸方・期間残高」から「費用」区分の「材料費」分類に属する全科目の「借方・期間残高」、「費用」区分の「労務費」分類に属する全科目の「借方・期間残高」、「費用」区分の「外注費」分類に属する全科目の「借方・期間残高」、「費用」区分の「工事経費」分類に属する全科目の「借方・期間残高」、「費用」区分の「販売及び一般管理費」に属する全科目の「借方・期間残高」、「費用」区分の「仕掛工事」分類に属する全科目の「借方・期間残高」を減算した金額をn=営業利益にセットして(ステップS288)営業利益表示欄に表示する(ステップS289)。
【0104】
[経常利益表示]
幾何会計シートには、任意に日時を指定した財務データが表示されているものとする。
図33のフローチャートにおいて、営業利益に「収益」区分の「営業外収益」分類に属する全科目の「貸方・期間残高」を加算し、「費用」区分の「営業外費用」分類に属する全科目の「借方・期間残高」を減算した金額をn=経常利益にセットして(ステップS290)、経常利益表示欄に表示して終了する(ステップS291)。
【0105】
[税引前利益表示]
幾何会計シートには、任意に日時を指定した財務データが表示されているものとする。
図34のフローチャートにおいて、経常利益に「収益」区分の「特別収益」分類に属する全科目の「貸方・期間残高」を加算し。「費用」区分の「特別損失」分類に属する全科目の「借方・期間残高」を減算した金額n=税引前利益にセットして(ステップS292),税引前利益表示欄に表示して終了する(ステップS293)。
【0106】
[グラフ解析機能の機能説明]
(1)財務データの月間推移を折れ線グラフで表示する。
(2)科目区分、科目分類、勘定科目のいずれかの項目を選択可能とする。
(3)選択した項目の折れ線グラフを同時に表示することにより、比較分析を可能とする。
【0107】
[グラフ表示]
図35のフローチャートにおいて、表示期間の開始日と終了日を入力(ステップS294)した後、ステップS295で、区分タブ、分類タブ及び勘定科目タブの選択を行い、グラフ表示する科目区分、科目分類及び勘定科目をそれぞれチェックする(ステップS296、ステップS297及びステップS298)。次にエラーフラグに(True=真である)をセットし(ステップS299)、チェックした数のループを開始する(始点S300~終点S304)。先ず、月締めデータテーブルに該当する期間・選択した区分又は分類又は勘定科目のデータが存在するかどうか確認して(ステップS301)、該当データの有無を判断する(ステップS302)。該当データが有る場合は、該当データをグラフオブジェクトにセットし(ステップS303)、ステップS302で、該当データが無い場合は、「月締めデータが未生成のためグラフ表示できません。月締め処理を行ってからグラフを表示してください。」というエラーメッセージが表示され(ステップS305 )、エラーフラグに(False=偽である)がセットされ(ステップS306)、プログラムを強制的に終了ステータスに戻して(ステップS307)エラーフラグの真偽を判断し(ステップS308)、真であればグラフを表示し(ステップS309)、偽であればグラフを表示することなくそのままプログラムを終了する。