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特開2022-106025検査キットの個装箱、検査キットの使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106025
(43)【公開日】2022-07-19
(54)【発明の名称】検査キットの個装箱、検査キットの使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/48 20060101AFI20220711BHJP
【FI】
G01N33/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000686
(22)【出願日】2021-01-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 掲載年月日:令和2年12月14日、掲載アドレス:https://www.youtube.com/watch?v=plzNzfx2U_o&feature=youtu.be
(71)【出願人】
【識別番号】520481183
【氏名又は名称】株式会社CopterOne
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】本間 大啓
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CB07
2G045DA36
2G045DA37
2G045FA18
2G045FB03
2G045GC12
2G045HA07
2G045HA10
2G045HA14
2G045JA07
(57)【要約】
【課題】 採取後の検体の容器の保持を考慮した検査キットの個装箱などなどを提供する。
【解決手段】 個装箱10は、サンプルウェルと、サンプルウェルに検体を含む液体を滴下するために使用される検体保持容器を含む検査キットを収容するための個装箱である。個装箱10は、上面部11aと、上面部11aと対向する下面部11bとを備える。下面部11bには、容器保持用ミシン目11b2が設けられる。容器保持用ミシン目11b2に沿って切り取られた領域は、検体保持容器の検体保持容器本体33aの下部が挿入されて、検体保持容器本体33aを保持するために使用される。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルウェルと、前記サンプルウェルに検体を含む液体を滴下するために使用される検体保持容器を含む検査キットを収容するための個装箱であって、
上面部と、
前記上面部と対向する下面部とを備え、
前記上面部と前記下面部の少なくとも一方には、容器保持用ミシン目が設けられ、
前記容器保持用ミシン目に沿って切り取られた領域は、前記検体保持容器の検体保持容器本体の下部が挿入されて、前記検体保持容器本体を保持するために使用される、個装箱。
【請求項2】
前記容器保持用ミシン目は、前記下面部に設けられる、請求項1に記載の個装箱。
【請求項3】
前記下面部には、開封用ミシン目が設けられ、
前記容器保持用ミシン目は、前記下面部を構成する辺であって前記開封用ミシン目が設けられるものと対向する辺と比べて、前記下面部を構成する辺であって前記開封用ミシン目が設けられるものに近い側に設けられる、請求項2に記載の個装箱。
【請求項4】
前記容器保持用ミシン目のスリットは、前記開封用ミシン目のスリットよりも長い、請求項3に記載の個装箱。
【請求項5】
前記上面部と前記下面部の間の距離は、前記検体保持容器の高さの1/3以上である、請求項1~請求項4のいずれかに記載の個装箱。
【請求項6】
前記容器保持用ミシン目は、円状であり、
前記容器保持用ミシン目に沿って切り取られた領域の直径は、前記検体保持容器本体の外径以上に大きく、前記上面部と前記下面部の距離よりも小さい、請求項1~請求項5のいずれかに記載の個装箱。
【請求項7】
サンプルウェルと、前記サンプルウェルに検体を含む液体を滴下するために使用される検体保持容器を含む検査キットの使用方法であって、
前記検査キットは、上面部と前記上面部と対向する下面部とを備える個装箱に収容され、
前記下面部には、開封用ミシン目と容器保持用ミシン目が設けられ、
前記開封用ミシン目を介して、前記個装箱を開封する開封工程と、
前記容器保持用ミシン目に沿って切り取られた領域に、前記検体保持容器の検体保持容器本体の下部を挿入する容器保持工程とを備える、使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査キットの個装箱などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、唾液などの検体を採取する器具などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3227943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、採取後の検体の容器、及び当該容器の保持方法について十分に考慮されていない。
【0005】
したがって本発明の目的は、採取後の検体の容器の保持を考慮した検査キットの個装箱などなどを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る個装箱は、サンプルウェルと、サンプルウェルに検体を含む液体を滴下するために使用される検体保持容器を含む検査キットを収容するための個装箱である。
個装箱は、上面部と、上面部と対向する下面部とを備える。
上面部と下面部の少なくとも一方には、容器保持用ミシン目が設けられる。
容器保持用ミシン目に沿って切り取られた領域は、検体保持容器の検体保持容器本体の下部が挿入されて、検体保持容器本体を保持するために使用される。
【0007】
容器保持用ミシン目を使って、個装箱の下面部などに孔(容器保持用ミシン目に沿って切り取られた領域)を形成し、当該孔を使って採取後の検体の容器(検体保持容器本体)が保持される。
検体採取シートなどを使って検体を採取する間などに、被検者などが検体保持容器本体を触らずに、個装箱を使って、検体保持容器本体を立てた状態で保持することが可能になる。
また、容器保持用ミシン目を切断するまでは、孔が形成されておらず、本発明の個装箱を通常の個装箱と同等に扱うことができる。
【0008】
好ましくは、容器保持用ミシン目は、下面部に設けられる。
【0009】
使用上の注意などが記載された個装箱の下面部に容器保持用ミシン目を設けることにより、個装箱の他の領域に容器保持用ミシン目を設ける形態に比べて、容器保持用ミシン目の存在を使用者に気づかせやすい。
【0010】
さらに好ましくは、下面部には、開封用ミシン目が設けられる。
容器保持用ミシン目は、下面部を構成する辺であって開封用ミシン目が設けられるものと対向する辺と比べて、下面部を構成する辺であって開封用ミシン目が設けられるものに近い側に設けられる。
【0011】
開封用ミシン目に近い側に容器保持用ミシン目を設けることにより、開封用ミシン目から離れた領域に容器保持用ミシン目を設ける形態に比べて、容器保持用ミシン目の存在を使用者に気づかせやすい。
また、開封用ミシン目に近い側に容器保持用ミシン目を設けることにより、開封用ミシン目から離れた領域に容器保持用ミシン目を設ける形態に比べて、ミシン目の加工装置の移動量を少なくして、開封用ミシン目と容器保持用ミシン目のミシン目加工を行うことができる。
【0012】
さらに好ましくは、容器保持用ミシン目のスリットは、開封用ミシン目のスリットよりも長い。
【0013】
スリットを長くすることで、容器保持用ミシン目は、開封用ミシン目よりも切り離しが容易に行える。
これにより、開封用ミシン目は、不用意に開封できないようにしておくことができる。
容器保持用ミシン目は、容易に孔(容器保持用ミシン目に沿って切り取られた領域)を形成して、検体保持容器本体を保持させることができる。
【0014】
さらに好ましくは、上面部と下面部の間の距離は、検体保持容器の高さの1/3以上である。
【0015】
検体保持容器本体を孔(容器保持用ミシン目に沿って切り取られた領域)に挿入して個装箱に立てた時に、検体保持容器本体を倒れにくくすることができる。
【0016】
さらに好ましくは、容器保持用ミシン目は、円状である。
容器保持用ミシン目に沿って切り取られた領域の直径は、検体保持容器本体の外径以上に大きく、上面部と下面部の距離よりも小さい。
【0017】
容器保持用ミシン目の直径を検体保持容器本体の外径と同等にして、検体保持容器本体を傾かせずに安定的に保持しやすくなる。
【0018】
本発明に係る検査キットの使用方法は、サンプルウェルと、サンプルウェルに検体を含む液体を滴下するために使用される検体保持容器を含む検査キットの使用方法である。
検査キットは、上面部と上面部と対向する下面部とを備える個装箱に収容される。
下面部には、開封用ミシン目と容器保持用ミシン目が設けられる。
使用方法は、開封用ミシン目を介して、個装箱を開封する開封工程と、容器保持用ミシン目に沿って切り取られた領域に、検体保持容器の検体保持容器本体の下部を挿入する容器保持工程とを備える。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、採取後の検体の容器の保持を考慮した検査キットの個装箱などなどを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態における個装箱の表面の展開図である。
図2】個装箱の裏面の展開図である。
図3】上面部を上にした状態の個装箱の斜視図である。
図4】下面部を上にした状態の個装箱の斜視図である。
図5】下面部を上にした状態の開封後の個装箱の斜視図である。
図6】試薬容器、検体保持容器、サンプルウェルの斜視図である。
図7】下面部を上にし、検体保持容器本体を孔で保持した状態の個装箱を上方から見た斜視図である。
図8】下面部を上にし、検体保持容器本体を孔で保持した状態の個装箱を側方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることができる。
【0022】
(個装箱10)
本実施形態における個装箱10は、被験者の唾液、鼻かみ液などを使って感染症の抗原検査を行う検査キット30を収納したり、検査キット30の検体保持容器本体33aを立てた状態で保持したりするために使用される。
【0023】
個装箱10は、厚紙などで構成される。
個装箱10は、上面部11a、下面部11b、右側面部12a、左側面部12b、接合部13、正面部(正面上フラップ14a、正面下フラップ14b、正面右フラップ15a、正面左フラップ15b)、及び背面部(背面上フラップ16a、背面下フラップ16b、背面右フラップ17a、背面左フラップ17b)を備える(図1図2参照)。
個装箱10は、上面部11a、下面部11b、右側面部12a、左側面部12b、接合部13、正面部、及び背面部に囲まれた略直方体形状(図3図4参照)を有する。
【0024】
下面部11bは、上下方向で上面部11aと対向する。
左側面部12bは、左右方向で右側面部12aと対向する。
背面部は、前後方向で正面部と対向する。
上面部11aと下面部11bの距離は、左側面部12bと右側面部12aの距離、及び正面部と背面部の距離よりも短くなるように、各部の寸法が決定される。
また、上面部11aと下面部11bは、左側面部12bと右側面部12aと正面部と背面部よりも大きくなるように、各部の寸法が決定される。
【0025】
図1図2は、本実施形態における個装箱10の展開図である。
1枚の厚紙について、図1及び図2の太実線で示される部分を打ち抜き、図1の一点鎖線及び図2の点線で示すように、折れ線を入れることにより、個装箱10が形成される。
図1における一点鎖線は、山折り線を示し、図2における点線は、谷折り線を示す。
【0026】
左側面部12bと上面部11a、上面部11aと右側面部12a、右側面部12aと下面部11b、下面部11bと接合部13のそれぞれが、折れ線を介して図1における横方向につながった状態で並べられる。
組立時は、接合部13を介して、下面部11bと左側面部12bとが結合する。
接合部13の幅、すなわち、図1における横方向の寸法は、左側面部12bの幅に比べて小さい。
【0027】
上面部11aと正面上フラップ14aは、折れ線を介して、図1における縦方向上側でつながった状態で並べられる。
上面部11aと背面上フラップ16aは、折れ線を介して、図1における縦方向下側でつながった状態で並べられる。
下面部11bと正面下フラップ14bは、折れ線及び開封用ミシン目11b1を介して、図1における縦方向上側でつながった状態で並べられる。
下面部11bと背面下フラップ16bは、折れ線を介して、図1における縦方向下側でつながった状態で並べられる。
右側面部12aと正面右フラップ15aは、折れ線を介して、図1における縦方向上側でつながった状態で並べられる。
右側面部12aと背面右フラップ17aは、折れ線を介して、図1における縦方向下側でつながった状態で並べられる。
左側面部12bと正面左フラップ15bは、折れ線を介して、図1における縦方向上側でつながった状態で並べられる。
左側面部12bと背面左フラップ17bは、折れ線を介して、図1における縦方向下側でつながった状態で並べられる。
【0028】
すなわち、上面部11aの図1における上辺からは、正面上フラップ14aが延設される。
上面部11aの図1における下辺からは、背面上フラップ16aが延設される。
下面部11bの図1における上辺からは、正面下フラップ14bが延設される。
下面部11bの図1における下辺からは、背面下フラップ16bが延設される。
右側面部12aの図1における上辺からは、正面右フラップ15aが延設される。
右側面部12aの図1における下辺からは、背面右フラップ17aが延設される。
左側面部12bの図1における上辺からは、正面左フラップ15bが延設される。
左側面部12bの図1における下辺からは、背面左フラップ17bが延設される。
【0029】
上面部11aには、検査キット30を紹介する写真、イラスト、説明文などが印刷される(図3参照)。
下面部11bには、検査キット30を使う際の注意(使用上の注意)などが印刷される(図4参照)。
上面部11aと下面部11bは、同じ形状(長方形)と同じ寸法を有する。
右側面部12aと左側面部12bは、同じ形状(長方形)と同じ寸法を有する。
【0030】
(開封用ミシン目11b1)
下面部11bと正面下フラップ14bの間の折れ線の両端(図1における左右両端)には、直線状のミシン目が形成される。
直線状のミシン目は、直線方向に延びるスリットが、直線状に複数並べられて形成される。
また、下面部11bの正面下フラップ14bと接する側の中央(図1における左右中央)には、図1における縦方向下側に突出する略半円状のミシン目が形成される。
略半円状のミシン目は、円周方向に延びるスリットが、略半円状に複数並べて形成される。
直線状の2本のミシン目と、当該2本の直線状のミシン目の間の略半円状のミシン目は、開封用ミシン目11b1を構成する。
【0031】
下面部11bにおける略半円状のミシン目と折れ線に囲まれた半円状の領域11b3に使用者の指を押し込み、正面下フラップ14bを下面部11bから引き剥がすなどして、開封用ミシン目11b1は切断される。このとき、半円状の領域11b3は、下面部11bにおける半円状の領域11b3以外の領域から引き離され、正面下フラップ14bとつながった状態が維持される。開封用ミシン目11b1が切断されると、下面部11bと正面下フラップ14bの間の領域から、検査キット30などの個装箱10の収容物が取り出し可能な状態になる(図5参照)。
【0032】
なお、開封用ミシン目11b1の図1における縦方向下側に突出するミシン目は、略半円状に限らず、略V字、略C字、略U字、略コの字形状であってもよい。
また、開封用ミシン目11b1は、1つの線状に沿ってスリットが並べられるものに限らず、2つの線状に沿って帯状にミシン目が形成される(ジッパー加工で形成される)形態であってもよい。
【0033】
(容器保持用ミシン目11b2)
下面部11bにおける背面下フラップ16bよりも背面上フラップ16aに近い側、すなわち、開封用ミシン目11b1に近い側には、略円形のミシン目が形成される。
略円形のミシン目は、円周方向に延びるスリットが、略円形に複数並べて形成される。
略円形のミシン目は、容器保持用ミシン目11b2を構成する。
【0034】
容器保持用ミシン目11b2は、下面部11bを構成する辺であって開封用ミシン目11b1が設けられるもの(正面下フラップ14bと接する辺)と対向する辺(背面下フラップ16bと接する辺)と比べて、下面部11bを構成する辺であって開封用ミシン目11b1が設けられるもの(正面下フラップ14bと接する辺)に近い側に設けられる。
【0035】
略円状のミシン目で囲まれた円状の領域11b4に使用者の指を押し込むことで、容器保持用ミシン目11b2は切断される。このとき、円状の領域11b4の少なくとも一部は、下面部11bにおける半円状の領域11b3と円状の領域11b4以外の領域から引き離され、円状の領域11b4があった領域(容器保持用ミシン目11b2に沿って切り取られた領域)に孔11b5が形成される。孔11b5は、検体保持容器33の検体保持容器本体33aの下部が挿入されて、検体保持容器本体33aを保持するために使用される。
孔11b5の直径が検査キット30の検体保持容器本体33aの外径と同等か当該外形よりもわずかに大きく、個装箱10の高さよりも小さくなるように、個装箱10の各部の寸法が設定されるのが望ましい。
個装箱10の高さは、上面部11aと下面部11bの間の距離である。
個装箱10の高さは、検体保持容器本体33aの高さの1/3以上になるように、個装箱10の各部の寸法が設定されるのが望ましい。
【0036】
なお、容器保持用ミシン目11b2の形状は、略円形に限るものではない。例えば、容器保持用ミシン目11b2は、矩形などの多角形若しくは楕円形であってもよいし、略V字、略C字、略U字、略コの字形状であってもよい。容器保持用ミシン目11b2の形状が、略V字、略C字、略U字、略コの字形状である場合は、使用者の指の押し込みにより、ミシン目がある領域は切断されて下面部11bから引き離されるが、容器保持用ミシン目11b2がある領域は、完全に下面部11bから分離しない。
【0037】
(ミシン目の間隔の違い)
容器保持用ミシン目11b2のスリットは、開封用ミシン目11b1のスリットよりも長くなるように設定されるのが望ましい。
【0038】
(検査キット30)
検査キット30は、試薬容器31、検体保持容器33、サンプルウェル35などを有する(図6参照)。
検査キット30は、検査手順説明書、攪拌棒など、他の部材を含んでもよい。
【0039】
(試薬容器31)
試薬容器31は、試薬を収納する容器である。
検体保持容器33は、唾液、鼻かみ液などの検体と、試薬容器31内の試薬を混ぜ合わせ、混ぜ合わさった液体をサンプルウェル35のサンプルパッド35aに滴下させるために使用される。
【0040】
(検体保持容器33)
検体保持容器33は、検体保持容器本体33aと、蓋部33bを含む。
【0041】
検体保持容器本体33aは、中空円筒形状の管部を有する。
検体保持容器本体33aの管部の上端は開口する。
検体保持容器本体33aの管部の下端は閉口し、断面が略U字形状を有する丸底で構成される。
検体保持容器本体33aの管部は、攪拌棒を使って検体と試薬を混ぜ合わせた後に当該攪拌棒に染みこんだ混合液を検体保持容器本体33aに絞り出すために、可撓性部材で構成されるのが望ましい。
【0042】
蓋部33bは、検体保持容器本体33aの管部の上端の開口を塞ぐために使用される。
蓋部33bは、中空円筒形状を有し、蓋部33bの上端の開口は、検体保持容器本体33aの上端開口と連通する蓋部33bの下端の開口よりも狭い。
検体と試薬の混合液の生成は、蓋部33bを検体保持容器本体33aから外した状態で行われる。
検体と試薬の混合液のサンプルウェル35への滴下は、蓋部33bを検体保持容器本体33aに取り付けた状態で、且つ蓋部33bの上端の開口を介して行われる。
【0043】
(サンプルウェル35)
サンプルウェル35は、板状の本体に設けられたサンプルパッド35aと検査結果表示領域35bを含む。
サンプルパッド35aは、検体を受ける領域である。
検査結果表示領域35bは、サンプルパッド35aに滴下された検体が、液相クロマトグラフィーで色変化する領域(品質管理線(C線)、検出線(T線))を含む。
検査結果表示領域35bは、品質管理線と検出線の両方が色変化した状態、すなわち検体の抗原検査の結果が陽性である場合の第1パターンと、品質管理線が色変化し、検出線が色変化しなかった状態、すなわち検体の抗原検査の結果が陰性である場合の第2パターンと、品質管理線が色変化せず、検出線が色変化した状態、すなわち検体の抗原検査の結果が無効である場合の第3パターンのいずれかを表示する。
【0044】
(個装箱10の組み立て手順)
次に、個装箱10を組み立てる手順を説明する。
まず、図1における縦方向に延びる折れ線が略90度に折り曲げられ、接合部13の表面に糊が塗られ、接合部13の表面が左側面部12bの裏面に貼り付けられる。
これにより、下面部11bと左側面部12bが連なった略四角筒の立体が形成される。
【0045】
このとき、上面部11aと下面部11bが平行になる。
また、右側面部12aと左側面部12bが平行になる。
また、上面部11aと右側面部12aが垂直になる。
また、上面部11aと左側面部12bが垂直になる。
また、下面部11bと右側面部12aが垂直になる。
また、下面部11bと左側面部12bが垂直になる。
【0046】
次に、図1における横方向に延びる折れ線が略90度に折り曲げられる。
背面右フラップ17aと背面左フラップ17bが、背面下フラップ1bbよりも内側に位置し、背面下フラップ16bが、背面上フラップ16aよりも内側に位置するような状態で、背面下フラップ16bの表面に糊が塗られ、背面下フラップ16bの表面が背面上フラップ16aの裏面に貼り付けられる。
上面部11aと下面部11bと右側面部12aと左側面部12bと背面上フラップ16aで囲まれた空間に、検査キット30が収容される。
正面右フラップ15aと正面左フラップ15bが、正面下フラップ14bよりも内側に位置し、正面下フラップ14bが、正面上フラップ14aよりも内側に位置するような状態で、正面下フラップ14bの表面に糊が塗られ、正面下フラップ14bの表面が正面上フラップ14aの裏面に貼り付けられる。
【0047】
これにより、内部に検査キット30が収容された、略直方体形状の個装箱10が完成する。
糊付けにより、左側面部12bと接合部13がつながった状態にされ、正面上フラップ14aと正面下フラップ14bがつながった状態にされ、背面上フラップ16aと背面下フラップ16bがつながった状態にされる。このため、個装箱10は、開封用ミシン目11b1を切断すること以外では、容易に開封できない状態になる。
個装箱10の組み立ては作業者の手作業で行われてもよいし、機械により自動的に行われてもよい。
【0048】
(個装箱10の開封手順)
次に、個装箱10の開封手順(検査キット30の使用方法の一部)について説明する。
下面部11bが上を向くようにして、個装箱10が水平面上に載置される。
使用者の指などが、半円状の領域11b3に押し込まれ、正面下フラップ14bが下面部11bから引き剥がされる(開封工程)。これにより、開封用ミシン目11b1が切断される。開封用ミシン目11b1が切断されることにより、下面部11bと正面下フラップ14bの間の領域から、検査キット30などの個装箱10の収容物が取り出し可能な状態になる。
【0049】
(検査手順)
次に、検査キット30を使った検査手順(検査キット30の使用方法の一部)について説明する。
【0050】
サンプルパッド35a、検査結果表示領域35bが上を向くようにして、サンプルウェル35が水平面上に載置される(サンプルウェル載置工程)。
使用者の指などが、円状の領域11b4に押し込まれ、円状の領域11b4の少なくとも一部が下面部11bから切り離される(切り離し工程)。
円状の領域11b4の少なくとも一部を切り離すことにより、下面部11bの円状の領域11b4があった領域に孔11b5が形成される。
蓋部33bを検体保持容器本体33aから取り外した状態で、検体保持容器本体33aの下部が個装箱10の外側から孔11b5に挿入される(容器保持工程)。
検体保持容器本体33aの下端が上面部11aの裏面と接し、検体保持容器本体33aの側部が孔11b5と接した状態で、検体保持容器本体33aが立った状態になる。
【0051】
検体保持容器本体33aに、試薬容器31内の試薬が投入される(試薬投入工程)。
検体採取シート(不図示)などを使って、唾液、鼻かみ液などの検体が採取される(検体採取工程)。
採取した検体の少なくとも一部は、攪拌棒などを使って、検体保持容器本体33aに移し替えられる(移し替え工程)。
【0052】
検体採取シートなどを使って、検体を採取する間、検体保持容器本体33aは個装箱10に立てた状態にされる。
試薬容器31内の試薬を投入する際、及び検体採取シートから検体保持容器本体33aに移し替える際に、検体保持容器本体33aは個装箱10に立てた状態であってもよいし、個装箱10に立てた状態から取り出して使用者の手で保持してもよい。
【0053】
攪拌棒などを使って、検体保持容器本体33aの検体と試薬が混ぜ合わされる(混ぜ合わせ工程)。
混ぜ合わせ完了後、検体保持容器本体33aに蓋部33bが取り付けられる(蓋取付工程)。
蓋部33bの上端開口を介して、検体保持容器33から、サンプルウェル35のサンプルパッド35aに検体と試薬が混ぜ合わさった液体が滴下される(滴下工程)。
なお、検体と試薬を混ぜ合あわさった液体を、混ぜ合わせた後、第1時間t1(例えば、t1=10分)だけ経過してから、サンプルウェル35のサンプルパッド35aに滴下する必要がある場合は、混ぜ合わせが完了してから第1時間t1が経過するまでの間、検体保持容器本体33aは個装箱10に立てた状態にされる。
滴下されてから、第2時間t2(例えば、t2=15分)が経過後に、検査結果表示領域35bに検査結果が表示される(検査結果表示工程)。
【0054】
(容器保持用ミシン目11b2を設けたことの効果)
容器保持用ミシン目11b2を使って、個装箱10の下面部11bに孔11b5を形成し、孔11b5を使って採取後の検体の容器(検体保持容器本体33a)が保持される。
検体採取シートなどを使って検体を採取する間などに、被検者などが検体保持容器本体33aを触らずに、個装箱10を使って、検体保持容器本体33aを立てた状態で保持することが可能になる。
また、容器保持用ミシン目11b2を切断するまでは、孔11b5が形成されておらず、本実施形態の個装箱10を通常の個装箱と同等に扱うことができる。
【0055】
(個装箱10の下面部11bに容器保持用ミシン目11b2を設けたことの効果)
使用上の注意などが記載された個装箱10の下面部11bに容器保持用ミシン目11b2を設けることにより、個装箱10の他の領域に容器保持用ミシン目11b2を設ける形態に比べて、容器保持用ミシン目11b2の存在を使用者に気づかせやすい。
【0056】
(個装箱10の開封用ミシン目11b1に近い側に容器保持用ミシン目11b2を設けたことの効果)
開封用ミシン目11b1に近い側に容器保持用ミシン目11b2を設けることにより、開封用ミシン目11b1から離れた領域に容器保持用ミシン目11b2を設ける形態に比べて、容器保持用ミシン目11b2の存在を使用者に気づかせやすい。
また、開封用ミシン目11b1に近い側に容器保持用ミシン目11b2を設けることにより、開封用ミシン目11b1から離れた領域に容器保持用ミシン目11b2を設ける形態に比べて、ミシン目の加工装置の移動量を少なくして、開封用ミシン目11b1と容器保持用ミシン目11b2のミシン目加工を行うことができる。
【0057】
(容器保持用ミシン目11b2のスリットを開封用ミシン目11b1のスリットよりも長くすることの効果)
スリットを長くすることで、容器保持用ミシン目11b2は、開封用ミシン目11b1よりも切り離しが容易に行える。
これにより、開封用ミシン目11b1は、不用意に開封できないようにしておくことができる。
容器保持用ミシン目11b2は、容易に孔11b5を形成して、検体保持容器本体33aを保持させることができる。
【0058】
(個装箱10の高さを検体保持容器本体33aの高さの1/3以上とすることの効果)
検体保持容器本体33aを孔11b5に挿入して個装箱10に立てた時に、検体保持容器本体33aを倒れにくくすることができる。
【0059】
(容器保持用ミシン目11b2の直径を検体保持容器本体33aの外径以上に大きく、上面部11aと下面部11bの距離よりも小さくすることの効果)
容器保持用ミシン目11b2の直径を検体保持容器本体33aの外径と同等にして、検体保持容器本体33aを傾かせずに安定的に保持しやすくなる。
【0060】
(ミシン目を設ける位置の応用例)
本実施形態では、容器保持用ミシン目11b2が下面部11bに設けられる例を説明した。
しかしながら、容器保持用ミシン目11b2は、上面部11aに設けられてもよいし、上面部11aと下面部11bの両方に設けられてもよい。
【0061】
(抗原検査以外の検査への応用例)
また、本実施形態では、個装箱10が感染症の抗原検査を行うための検査キット30を収容する例を説明した。しかしながら、検査キット30は、抗原検査を行うためのものに限るものではない。例えば、検査キット30は、抗体検査を行うためのものであってもよい。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0063】
10 個装箱
11a 上面部
11b 下面部
11b1 開封用ミシン目
11b2 容器保持用ミシン目
11b3 半円状の領域
11b4 円状の領域
11b5 孔
12a 右側面部
12b 左側面部
13 接合部
14a 正面上フラップ
14b 正面下フラップ
15a 正面右フラップ
15b 正面左フラップ
16a 背面上フラップ
16b 背面下フラップ
17a 背面右フラップ
17b 背面左フラップ
30 検査キット
31 試薬容器
33 検体保持容器
33a 検体保持容器本体
33b 蓋部
35 サンプルウェル
35a サンプルパッド
35b 検査結果表示領域
図1
図2
図3
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図8