IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-詰め替え容器 図1
  • 特開-詰め替え容器 図2
  • 特開-詰め替え容器 図3
  • 特開-詰め替え容器 図4
  • 特開-詰め替え容器 図5
  • 特開-詰め替え容器 図6
  • 特開-詰め替え容器 図7
  • 特開-詰め替え容器 図8
  • 特開-詰め替え容器 図9
  • 特開-詰め替え容器 図10
  • 特開-詰め替え容器 図11
  • 特開-詰め替え容器 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106035
(43)【公開日】2022-07-19
(54)【発明の名称】詰め替え容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/08 20060101AFI20220711BHJP
【FI】
B65D43/08 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000707
(22)【出願日】2021-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】梶 温美
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084BA01
3E084BA08
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC03
3E084EC03
3E084FA07
3E084FC01
3E084GA06
3E084GB06
3E084GB12
3E084GB16
3E084HA03
3E084HB02
3E084HB05
3E084HC03
3E084HD01
3E084LB02
(57)【要約】
【課題】詰め替え容器において、ユーザが蓋部材を容易に開閉して収容物を詰め替えることができ、かつ使用中に外力が作用しても蓋部材が開きにくいようにする。
【解決手段】詰め替え容器20は、第1方向Z1に開口部O2が形成された外殻部材10と、外殻部材10の内部に固定され、開口部O2の内側に開口する開口部O3が形成され、内部に収容物Mを収容する収容部と、外殻部材10の外側から開口部O3と着脱可能に嵌合し、装着時に開口部O3を閉じる蓋本体3cと、蓋本体3cに設けられ、弾性変形することによって外殻部材10と着脱可能に係合する弾性係合部3dと、を有する蓋部材と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に第1開口部が形成された外殻部材と、
前記外殻部材の内部に固定され、前記第1開口部の内側に開口する第2開口部が形成され、内部に収容物を収容する収容部と、
前記外殻部材の外側から前記第2開口部と着脱可能に嵌合し、装着時に前記第2開口部を閉じる蓋本体と、前記蓋本体に設けられ、弾性変形することによって前記外殻部材と着脱可能に係合する弾性係合部と、を有する蓋部材と、
を備える、
詰め替え容器。
【請求項2】
前記外殻部材は、
内側に前記収容部が固定された第1外殻部材と、
前記第1開口部が形成された外周面を有する第2外殻部材と、
を有し、
前記第2外殻部材は、前記収容部の外周部に設けられた第1連結部に、前記第2外殻部材の内周部に設けられた第2連結部が係合することにより、前記第1方向において前記第1外殻部材から抜け止めされている、
請求項1に記載の詰め替え容器。
【請求項3】
前記第1開口部には、前記第1外殻部材の内側に向かって突出する第1係合突起が形成されており、
前記弾性係合部は、
前記蓋本体の前記外周部から延出しU字形に屈曲された屈曲部を有する弾性体からなり、前記第1外殻部材との係合時において、前記外周面から突出することなく、前記屈曲部が前記第1方向と反対の第2方向に向いた状態で前記第1係合突起と前記収容部との間に挿入される弾性部材と、
前記第1外殻部材との係合時において、前記屈曲部よりも前記第1方向に離れた前記弾性部材の表面から前記第1係合突起の方に向かって突出し、前記第1方向から前記第1係合突起に係合する第2係合突起と、
を有する、
請求項2に記載の詰め替え容器。
【請求項4】
前記蓋部材は、屈曲可能なヒンジ部材によって前記収容部に連結されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の詰め替え容器。
【請求項5】
前記収容部の外周部には、前記収容部の内部と前記外殻部材の内部とに連通し、前記収容物が揮発または溶出によって移動可能な第1貫通孔が形成されており、
前記外殻部材の外周部には、前記外殻部材の外部と連通し、前記第1貫通孔を通して移動した前記収容物を前記外部に放出する第2貫通孔が形成されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の詰め替え容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰め替え容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境への負荷を低減するため、ユーザが収容物を入れ替えたり、補充したりすることによって再使用できる詰め替え容器が提案されている。
詰め替え容器の蓋は、ユーザによって容易に開けられることが好ましい。しかし、収容物によっては、偶然に開いたり、幼児が開けたりしないようにすることが好ましい。
例えば、特許文献1には、容器本体の開口部に取り付けられた枠体に対して蓋体を押し下げ、枠体の係止突出部と蓋体の操作突出部の係止孔部との係止状態を解除しながら操作突出部を前方に回動させて、蓋体をヒンジ回りに回動させることによって蓋体を開放する包装容器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-124553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術には以下のような問題がある。
特許文献1に記載の包装容器は、蓋体が閉じられた状態では、蓋体が枠体から浮いている必要があるので、蓋体と枠体との間にある程度の隙間が生じ、蓋体によって包装容器を密封することができない。このため、粒状体または液体からなる収容物の収容には不適である。さらに、操作突出部が蓋体の外側に設けられているので、例えば、使用時に種々の外力が作用し得る詰め替え容器の場合に、同様な構造を採用すると、外力に働き方によっては偶然に蓋体が開いてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、ユーザが蓋部材を容易に開閉して収容物を詰め替えることができ、かつ使用中に外力が作用しても蓋部材が開きにくい詰め替え容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の詰め替え容器は、第1方向に第1開口部が形成された外殻部材と、前記外殻部材の内部に固定され、前記第1開口部の内側に開口する第2開口部が形成され、内部に収容物を収容する収容部と、前記外殻部材の外側から前記第2開口部と着脱可能に嵌合し、装着時に前記第2開口部を閉じる蓋本体と、前記蓋本体に設けられ、弾性変形することによって前記外殻部材と着脱可能に係合する弾性係合部と、を有する蓋部材と、を備える。
【0007】
上記詰め替え容器においては、前記外殻部材は、内側に前記収容部が固定された第1外殻部材と、前記第1開口部が形成された外周面を有する第2外殻部材と、を有し、前記第2外殻部材は、前記収容部の外周部に設けられた第1連結部に、前記第2外殻部材の内周部に設けられた第2連結部が係合することにより、前記第1方向において前記第1外殻部材から抜け止めされてもよい。
【0008】
上記詰め替え容器においては、前記第1開口部には、前記第1外殻部材の内側に向かって突出する第1係合突起が形成されており、前記弾性係合部は、前記蓋本体の前記外周部から延出しU字形に屈曲された屈曲部を有する弾性体からなり、前記第1外殻部材との係合時において、前記外周面から突出することなく、前記屈曲部が前記第1方向と反対の第2方向に向いた状態で前記第1係合突起と前記収容部との間に挿入される弾性部材と、前記第1外殻部材との係合時において、前記屈曲部よりも前記第1方向に離れた前記弾性部材の表面から前記第1係合突起の方に向かって突出し、前記第1方向から前記第1係合突起に係合する第2係合突起と、を有してもよい。
【0009】
上記詰め替え容器においては、前記蓋部材は、屈曲可能なヒンジ部材によって前記収容部に連結されてもよい。
【0010】
上記詰め替え容器においては、前記収容部の外周部には、前記収容部の内部と前記外殻部材の内部とに連通し、前記収容物が揮発または溶出によって移動可能な第1貫通孔が形成されており、前記外殻部材の外周部には、前記外殻部材の外部と連通し、前記第1貫通孔を通して移動した前記収容物を前記外部に放出する第2貫通孔が形成されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の詰め替え容器によれば、ユーザが蓋部材を容易に開閉して収容物を詰め替えることができ、かつ使用中に外力が作用しても蓋部材が開きにくい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態に係る詰め替え容器の一例を示す模式的な斜視図である。
図2図1におけるF2-F2線に沿う断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る詰め替え容器における第2外殻部材の例を示す模式的な斜視図である。
図4図3におけるF4視の平面図である。
図5図1におけるF5-F5線に沿う断面図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る詰め替え容器における収容部および蓋部材の例を示す模式的な斜視図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る詰め替え容器の動作説明図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係る詰め替え容器の動作説明図である。
図9】本発明の第1の実施形態の変形例に係る詰め替え容器を示す模式的な斜視図である。
図10図9におけるF10-F10線に沿う断面図である。
図11】本発明の第2の実施形態に係る詰め替え容器の例を示す模式的な断面図である。
図12】本発明の第2の実施形態に係る詰め替え容器の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0014】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る詰め替え容器について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る詰め替え容器の一例を示す模式的な斜視図である。図2は、図1におけるF2-F2断面図である。
【0015】
図1、2に示すように本実施形態の詰め替え容器20は、外殻部材10と、収容部材3と、を備える。
以下の説明において、特に断らない限り、詰め替え容器20の各部を、詰め替え容器20として組み立てられた状態であって、後述する開口部O3が後述する蓋本体3cで閉じられた状態における配置姿勢に基づいて説明する。
【0016】
外殻部材10は、詰め替え容器20の大部分の外周部を形成する。外殻部材10の外形は、特に限定されないが、図1に示す例では、第1方向Z1の端部が半球形に形成され、第2方向Z2の端部が第2方向Z2に延びる中心軸線Cに沿って延びる円柱形状である。
第1方向Z1は、特に限定されないが、以下では、第1方向Z1が鉛直上方向に一致する配置状態の例で説明する。
第1方向Z1と反対の方向は第2方向Z2である。以下、第2方向Z2から見ることを平面視と称する場合がある。
第1方向Z1と直交する図2の左右方向において、右から左に向かう方向をX1方向、左から右に向かう方向をX2方向と定義する。第1方向Z1およびX1方向と直交する方向において、図示紙面の前から奥に向かう方向をY1方向、奥から前に向かう方向をY2方向と定義する。
第1方向Z1、第2方向Z2、X1方向、X2方向、Y1方向、およびY2方向が詰め替え容器20に固定された方向を表す。以下では、詰め替え容器20における相対位置を説明する際に、これらの方向を用いる場合がある。
【0017】
外殻部材10は、第1外殻部材1と、第2外殻部材2と、を備える。
第1外殻部材1は、詰め替え容器20における図示下側の外周部を形成する。第1外殻部材1の外形は、一方向に開口する開口部が形成されていれば、特に限定されない。図2に示す例では、第1方向Z1の端部において、第1方向Z1に開口する開口部O1が形成された有底円筒形である。
【0018】
図2に示す例では、第1外殻部材1は、底面部1aと、底面部1aの外縁から第1方向Z1に延びる円筒部1bと、を有する。
底面部1aは円板形でもよいが、図2に示す例では、底面部1aの中心部に第1方向Z1に延びる円筒形の突起部1fが突出している。突起部1fの内側には、第1方向Z1から見て円形の開口部1gが形成されている。
底面部1aにおいて、突起部1fの外側には、後述する収容部材3を固定する係止爪1cが突出している。係止爪1cは、収容部材3に係止できる適宜の位置に複数個設けられている。係止爪1cの突出方向における係止爪1cの先端部には、底面部1aの中心部に向かって突出する係止突起1eが形成されている。
底面部1aにおいて各係止爪1cの内側には、係止爪1cにおけるアンダーカット形状を解消するための孔部1hが形成されている。
【0019】
円筒部1bは、円筒形の内周面を有しており、内周面の内側に開口部O1が形成されている。円筒部1bの先端部の外周部には、円筒部1bの外周面の外径よりも小さい外径を有する略円筒形の嵌合部1dが形成されている。嵌合部1dは、後述する第2外殻部材2の内側に着脱可能に嵌合する。嵌合部1dは、円筒部1bの外周部よりも内側に凹んだ段部を形成しており、段部において第2外殻部材2が第2方向Z2から係止できる。
【0020】
第1外殻部材1の材料は、後述する収容部材3の固定時に係止爪1cが弾性変形でき、詰め替え容器20に必要な外観の装飾が可能な材料であれば、特に限定されない。例えば、第1外殻部材1の材料として、適宜の樹脂材料が用いられてもよい。第1外殻部材1の材料は、透明または半透明の材料であってもよいし、不透明な材料であってもよい。
【0021】
図2に示すように、第2外殻部材2は、外殻部材10の第1方向Z1の端部における外周部を形成する。第2外殻部材2は、第2方向Z2から第1外殻部材1の開口部O1を覆う。
第2外殻部材2の外形は、外殻部材10の第1方向Z1の端部において必要な適宜の形状であって、開口部O1を覆うことができれば、特に限定されない。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る詰め替え容器における第2外殻部材の例を示す模式的な斜視図である。図4は、図3におけるF4視の平面図である。図5は、図1におけるF5-F5線に沿う断面図である。
【0022】
図3に示す例では、第2外殻部材2は半球形の外周面2aを有しており、第2外殻部材2の外形は、全体として、第1方向Z1に凸の半球形である。第2外殻部材2の第1方向Z1の頂部には、第2外殻部材2を第2方向Z2に貫通する開口部O2(第1開口部)が形成されている。
図4に示すように、開口部O2の縁部は、一対の円弧部2cと、一対の平板部2dと、第1係合突起2eと、段部2fと、によって形成されている。
【0023】
一対の円弧部2cは、平面視で中心軸線Cを中心とする同一の円周上に形成されており、中心軸線CにY1方向およびY2方向から対向している。
【0024】
一対の平板部2dは、平面視において、各円弧部2cのX2方向の端部よりもX2方向に設けられている。各平板部2dは、外周面2aから第2方向Z2に屈曲した平板である。このため、各平板部2dは、平面視においてX2方向に延びる直線状の縁部を形成している。図2に示すように、各平板部2dは円弧部2cと外周面2aとが交差して形成された第2外殻部材2の第1方向Z1の先端Tから距離h1の位置まで第2方向Z2に延びている。ただし、距離h1は、先端Tから第2外殻部材2の第2方向Z2の端部までの距離よりは小さい。
【0025】
第1係合突起2eは、各平板部2dのX2方向の端部から開口部O2の内側に向かってX1方向に延びる厚さtの平板からなる突起である。
図4に示すように、第1係合突起2eの平面視形状は、外周面2aの湾曲に沿って延びる円弧形である。
第1係合突起2eは、平面視における開口部O2のX2方向の縁部を形成している。第1係合突起2eにおけるX1方向の端面と中心軸線Cとの距離はd1である。ただし、d1は、第2外殻部材2の第2方向Z2から見た外形の半径よりは短い。
【0026】
図2に示すように、段部2fは、第2外殻部材2の先端Tから第2方向Z2において距離h2(ただし、h2<h1)の位置に形成されている。段部2fは、第2外殻部材2の内周部からX1方向に突出する突起で形成されている。
図4に示すように、段部2fの平面視形状は、各円弧部2cのX1方向の端部を外周面2aに沿って結ぶ円弧形である。
段部2fは、平面視における開口部O2のX1方向の縁部を形成している。
【0027】
平面視における開口部O2の外側には、中心軸線Cを中心とする円周上に、第2外殻部材2を第2方向Z2に貫通する一対の孔部SLが形成されている。
一対の孔部SLは、中心軸線CとY1方向およびY2方向にそれぞれ対向して形成されている。各孔部SLの平面視形状は円弧形である。
図5に示すように、各孔部SLの第2方向Z2側には、第2外殻部材2の内周面から中心軸線Cに向かって突出する突起部2g(第2連結部)が設けられている。
【0028】
第2方向Z2の端部における第2外殻部材2の外周部には、第1外殻部材1の嵌合部1dに着脱可能に嵌合する嵌合部2bが形成されている。
嵌合部2bは、嵌合部1dの外周部に第2方向Z2から嵌まりこみ、第2方向Z2の先端が、嵌合部1dと円筒部1bの間に形成された段部に突き当たった状態で係止可能である。
【0029】
第2外殻部材2の材料は、第1係合突起2eにおいて、後述する収容部材3の第2係合突起3fを係合できる剛性を有する材料であれば、特に限定されない。例えば、第2外殻部材2の材料として、適宜の樹脂材料が用いられてもよい。
第2外殻部材2の材料は、透明または半透明の材料であってもよいし、不透明な材料であってもよい。
【0030】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る詰め替え容器における収容部および蓋部材の例を示す模式的な斜視図である。
図6に示すように、収容部材3は、収容部3A、蓋部材3B、およびヒンジ3C(ヒンジ部材)を有する。
【0031】
収容部3Aは、第1方向Z1に延びる有底の筒状体である。図6に示す例では、収容部材3は、底面部3a、円筒部3b、係止突起3n、および連結突起3k(第1連結部)を有する。
図2に示すように、収容部3Aは、第1外殻部材1の底面部1aに固定されている。
【0032】
底面部3aは、第1外殻部材1の突起部1fの先端部に第2方向Z2から対向して配置される。
円筒部3bは、底面部3aの外縁から第1方向Z1に延びている。
円筒部3bの第1方向Z1の端部には、円筒部3bの内周面によって平面視円形の開口部O3(第2開口部)が形成されている。開口部O3は、開口部O2の内側において第1方向Z1に開口している。
円筒部3bの第1方向Z1の端部の内側には、後述する蓋本体3cと嵌合するための嵌合突起3iが突出している。嵌合突起3iは、円筒部3bの内周全体に突出していてもよいし、後述する嵌合突起3mと嵌合可能な位置であれば、周方向に離れた複数箇所に突出していてもよい。
【0033】
円筒部3bにおける第2方向Z2の端部(図示下端部)における外周面には、係止溝3jが形成されている。
係止溝3jは、底面部3aが突起部1fの先端と当接した状態で、第1外殻部材1の係止爪1cの係止突起1eに係止する。これにより、収容部3Aは、第1外殻部材1において底面部1aの中心部に固定される。
【0034】
底面部3aと円筒部3bとで囲まれた空間には、収容物Mを収容することができる。
収容物Mの形態および種類は、第1外殻部材1の内部に収容可能であれば、特に限定されない。例えば、収容物Mは固体でもよいし液体でもよい。例えば、収容物Mはゲル、ゾルなどでもよい。収容物Mは、昇華性、揮発性、溶出性などを有していてもよい。図2に示す例では、収容物Mは、粒状の固体である。
収容部3Aが第1外殻部材1に固定された状態では、底面部3aが開口部1gに臨んでいる。このため、収容部3Aが光透過性を有する材料で形成される場合には、開口部1gを通して、収容部材3の内部の目視観察が可能である。この場合、ユーザは、収容部材3における収容物Mの有無または残量を容易に目視確認できる。
【0035】
図5に示すように、係止突起3nは、中心軸線Cを通りX1方向に直交する平面に沿って延びる板状突起である。係止突起3nは、円筒部3bの第1方向Z1の端部から、Y1方向およびY2方向にそれぞれ突出している。
X2方向から見た各係止突起3nの第1方向Z1の先端形状は、第2方向Z2に進むにつれて円筒部3bの外周面からの距離が増加するように傾斜している。
各係止突起3nにおける第1方向Z1の端部は、第2外殻部材2の円弧部2cに沿う第2外殻部材2の内周面に当接している。各係止突起3nにおいて第2外殻部材2との当接部を除く部位は、第2外殻部材2の内周面から離れた内周面の内側に延びている。
【0036】
連結突起3kは、各係止突起3nの第2方向Z2に隣り合って配置され、円筒部3bの外周面から、Y1方向およびY2方向にそれぞれ突出している。
各連結突起3kは、第1方向Z1に直交する平面に平行な平板である。各連結突起3kにおける突出方向の先端は、それぞれ突起部2gの第1方向Z1の表面に第2方向Z2から係止する位置まで延びている。
平面視において円筒部3bの周方向における各連結突起3kの幅は、周方向における突起部2gの幅よりもわずかに狭い。このため、各連結突起3kの先端部は、各突起部2gの略全幅において、それぞれ係止している。
【0037】
蓋部材3Bは、詰め替え容器20が組み立てられた状態で、詰め替え容器20の外側から収容部3Aの開口部O3を開閉するための部材である。
図2に示すように、蓋部材3Bは、蓋本体3cと、弾性係合部3dと、を有する。
【0038】
蓋本体3cは、外殻部材10の外側から開口部O3と着脱可能に嵌合し、装着時に開口部O3を閉じる。図2に示す例では、蓋本体3cは、円板部3c1と、嵌合部3c2と、を有する。
円板部3c1は、円筒部3bの第1方向Z1の先端を覆う。
嵌合部3c2は、円板部3c1の第2方向Z2の表面から第2方向Z2に突出し、円筒部3bの内周面に嵌合する円筒である。
嵌合部3c2の第2方向Z2の端部の外周面には、円筒部3bの内側に突出する嵌合突起3iと嵌合する嵌合突起3mが突出している。
嵌合突起3mは、円筒部3bの内周全体に突出していてもよいし、嵌合突起3iと嵌合可能な位置であれば、周方向に離れた複数箇所に突出していてもよい。
【0039】
弾性係合部3dは、蓋本体3cに設けられ、ユーザが操作することによって弾性変形することによって外殻部材10と着脱可能に係合する。
図2に示す例では、弾性係合部3dは、弾性部材3eと、第2係合突起3fと、を有する。
弾性部材3eは、蓋本体3cの外周部の外側に配置された板状の弾性体である。弾性部材3eは、蓋本体3cの円板部3c1のX2方向の外周部に接続している。
弾性部材3eは、Y1方向から見ると、円板部3c1から第2方向Z2に延びる第1部分3e1と、第1部分3e1の第2方向Z2の端部から、第1方向Z1に向いてU字状に屈曲する屈曲部3e2と、屈曲部3e2から第1方向Z1に延びる第2部分3e3と、を有する。
このため、弾性部材3eは、Y1方向から見ると、全体としてU字形である。
【0040】
第2部分3e3における第1方向Z1の先端には、X2方向に突出する突起部3gが形成されている。突起部3gは、蓋本体3cを開放する操作を行うときに、ユーザが指をかけるなどして、弾性係合部3dをX1方向に押圧しやすくする目的で設けられている。
突起部3gは、後述する第2係合突起3fとの間に、t以上の間隔が開く位置に形成されている。
第2部分3e3のX2方向の表面において、突起部3gと屈曲部3e2との間には、X2方向に突出する第2係合突起3fが形成されている。
蓋本体3cの第1方向Z1の表面から第2係合突起3fの第1方向Z1の表面までの距離は、蓋部材3Bを閉じた状態で、第2外殻部材2の先端Tから第2係合突起3fの第1方向Z1の表面までの距離が(h1+t)になることが可能な長さである。
第2係合突起3fにおけるX2方向の端部と中心軸線Cとの距離は、d1よりも長いd2である。
このため、蓋部材3Bの閉止時において、第2係合突起3fは、第2外殻部材2の第1係合突起2eの第2方向Z2の表面に第1方向Z1から係合する。図2に示す例では、第2係合突起3fの係合時に、第2部分3e3と第1係合突起2eとの間に隙間が形成されている。この場合、X2方向において弾性部材3eから第1係合突起2eに押圧力が作用していない。ただし、第2部分3e3と第1係合突起2eとの間に隙間が形成されなくてもよい。この場合、X2方向において弾性部材3eの弾性復元力によって弾性部材3eから円弧部2cに押圧力が作用していてもよい。
【0041】
蓋部材3Bの閉止時において、弾性部材3eは、屈曲部3e2を第2方向Z2に向けた状態で、第1係合突起2eと円筒部3bとの間の隙間に挿入されている。このとき、弾性部材3eの第1部分3e1と第2部分3e3との間には、隙間が形成されている。このため、突起部3gがX1方向に押されると、第2部分3e3は、第1部分3e1に向かって移動できる。第2部分3e3のX1方向における移動可能量は、第1係合突起2eに対する第2係合突起3fの係合が解除可能な距離である。
【0042】
蓋部材3Bの閉止時において、弾性部材3eは、外周面2aよりも外側に突出しない位置に配置されている。このため、外周面2aが物体と当接する場合に、例えば、物体が各平板部2d間の幅よりも大きければ、物体が弾性部材3eに当接しないので、物体から弾性部材3eへの外力は作用しない。
【0043】
ヒンジ3Cは、円板部3c1におけるX1方向の端部と、円筒部3bにおけるX1方向の端部とを連結している。ヒンジ3Cによって、蓋部材3Bは、円筒部3bに対してヒンジ3Cを中心に回動可能に固定されている。
例えば、ヒンジ3Cは、屈曲可能な樹脂材料で形成されている。ヒンジ3Cは、繰り返の屈曲に対する耐久性が高い樹脂材料が用いられることがより好ましい。
【0044】
このような構成の収容部材3は、弾性係合部3dと、ヒンジ3Cと、に必要な弾性を持たせることができる適宜の樹脂材料による樹脂成形品によって形成できる。
【0045】
詰め替え容器20は、以下のようにして組み立てることができる。
まず、蓋部材3Bによって収容部材3の開口部O3を閉じておく。このとき、蓋本体3cの嵌合部3c2は、円筒部3bの内側に挿入され、円筒部3bの嵌合突起3mと嵌合する。弾性部材3eは、円筒部3bの外周部に沿う位置に配置される。
この後、収容部材3の底面部3aを突起部1fに向けて各係止爪1cの間に挿入し、係止溝3jに係止突起1eを係止させる。これにより、収容部材3が第1外殻部材1に固定される。
この後、第2外殻部材2の嵌合部2bを第1外殻部材1の嵌合部1dに向けるとともに、蓋本体3cが開口部O2を通過できる向きに位置合わせする。すなわち、各平板部2dで挟まれた開口部O2が、第2方向Z2から見て弾性部材3eと重なる向きに配置する。この後、第2外殻部材2を第2方向Z2に移動させる。
第2外殻部材2は、円筒部1bに案内されて第2方向Z2に交差する位置が規制される。さらに第2外殻部材2を第2方向Z2に移動すると、第2外殻部材2の各突起部2gは、各連結突起3kの第1方向Z1の表面に当接する。
この状態で、さらに第2外殻部材2を第2方向Z2に押し込む。突起部2gおよび連結突起3kが弾性変形して、連結突起3kが、各突起部2gの間を通り抜ける。このとき、第2外殻部材2の外周部を、中心軸線Cに向かってX1方向およびX2方向から挟んで変形させると、各突起部2gの間の距離が広がるので、各連結突起3kが通り抜けやすくなる。
各突起部2gの間を通り抜けた各連結突起3kは、各突起部2gの第1方向Z1の表面に係止する。このとき、各係止突起3nは、円弧部2cの近傍における第2外殻部材2の内周面に第1方向Z1から係止する。
このようにして、第2外殻部材2は、収容部材3の各連結突起3kによって第1方向Z1に抜け止めされた状態で、第1外殻部材1と嵌合する。
これにより、詰め替え容器20が組み立てられる。
【0046】
次に詰め替え容器20の動作について収容物Mの詰め替え動作を中心として説明する。
図7、8は、本発明の第1の実施形態に係る詰め替え容器の動作説明図である。
【0047】
図7に示すように、ユーザは、例えば、指を突起部3gに掛けるなどして、弾性係合部3dの突起部3gをX1方向に押圧する。これにより、第2部分3e3が第1部分3e1に向かって変形するので、第2係合突起3fがX1方向に移動して第1係合突起2eとの係止が解除される。
この状態で、ユーザが、ヒンジ3Cを中心として、蓋部材3Bを円筒部3bから離れる方向に回動させる。このとき、収容部材3は第1外殻部材1と固定されているので、ユーザの操作力によって、嵌合突起3i、3mの嵌合が解除される。このとき、蓋部材3Bは、ヒンジ3Cによって収容部3Aと連結されている。
このようにして、図8に示すように、蓋部材3Bが開く。このとき、円筒部3bの開口部O3は、第2外殻部材2の開口部O2の内側において第1方向Z1に開口している。
ユーザは、開口部O3を通して、収容部3Aの内部の収容物Mを入れ替えたり、収容部3Aに収容物Mを補充したりすることができる。
詰め替え容器20によれば、工具などを用いることなく、突起部3gを押圧して蓋部材3Bを回動させるだけで、収容部3Aを容易に開放することができる。この操作は、詰め替え容器20の構成部材を分解することなく行うことができる。
蓋部材3Bは、ヒンジ3Cによって収容部3Aと連結されているので、開いた状態で蓋部材3Bが紛失することを防止できる。
【0048】
収容物Mの入れ替えまたは補充が終了したら、蓋部材3Bを開いた時と反対方向に回動させて、開口部O3を閉じることができる。このとき、弾性係合部3dは、第1係合突起2eと円筒部3bとの間の隙間に挿入される。第1係合突起2eよりも第2方向Z2に移動した第2係合突起3fは、弾性部材3eの弾性復元力によって、X1方向に移動し、第1係合突起2eの第2方向Z2の表面に係合する。
このようにして、開口部O3が蓋部材3Bによって閉止される。このとき、弾性部材3eは、外周面2aよりも外側に突出しない位置に配置されているので、物体との当接などによる外力では、第2係合突起3fの係合状態が解除されにくい。万一、開口部O2に入り込んだ物体によって、突起部3gが移動したとしても、蓋部材3Bは、嵌合突起3iが嵌合突起3mと嵌合している。このため、ユーザが操作する場合と同様に、嵌合突起3i、3mの嵌合状態を解除する大きさ以上の外力が蓋部材3Bを回動させる方向に作用しない限り、蓋部材3Bが開放されることはない。
このため、詰め替え容器20の使用中、偶然にいろいろな外力が作用しても、その作用位置、方向、および大きさが上述の条件をすべて満たさないと蓋部材3Bが開かない。この結果、ユーザが意図して操作する場合を除いては、蓋部材3Bが開きにくくなっている。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の詰め替え容器20によれば、ユーザが蓋部材を容易に開閉して収容物を詰め替えることができ、かつ使用中に外力が作用しても蓋部材が開きにくい。
【0050】
[変形例]
次に、本発明の第1の実施形態の変形例に係る詰め替え容器について説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る詰め替え容器を示す模式的な斜視図である。図10は、図9におけるF10-F10線に沿う断面図である。
【0051】
図9に示すように、本実施形態の詰め替え容器20Aは、第1の実施形態における詰め替え容器20の外殻部材10、収容部材3に代えて、外殻部材10A、収容部材13を備える。外殻部材10Aは、外殻部材10における第1外殻部材1、第2外殻部材2に代えて、第1外殻部材11、第2外殻部材12を備える。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0052】
図10に示すように、第1外殻部材11は、円筒部1bを貫通する複数の貫通孔H1(第2貫通孔)が形成されている以外は、第1外殻部材1と同様である。
複数の貫通孔H1のそれぞれは、少なくとも、気体および液体が円滑に流通可能な大きさを有する。複数の貫通孔H1の個数は特に限定されない。
【0053】
第2外殻部材12は、外周面2aを貫通する複数の貫通孔H2(第2貫通孔)が形成されている以外は、第2外殻部材2と同様である。
複数の貫通孔H2のそれぞれは、少なくとも、気体および液体が円滑に流通可能な大きさを有する。
【0054】
収容部材13は、円筒部3bを貫通する複数の貫通孔H3(第1貫通孔)が形成されている以外は、収容部材3と同様である。図9、10に示す例では、円筒部3bのみに複数の貫通孔H3が形成されているが、円板部3c1にも、円板部3c1の厚さ方向に貫通するように複数の貫通孔H3が形成されていてもよい。
複数の貫通孔H3のそれぞれは、少なくとも、気体および液体が円滑に流通可能な大きさを有する。
本変形例では、収容物Mは固体が用いられる。複数の貫通孔H3は、固体状態の収容物Mが通過できない大きさに形成される。複数の貫通孔H3の個数は特に限定されない。
ただし、収容部材13において、底面部3aおよび底面部3aに近い円筒部3bに複数の貫通孔H3が設けられていない場合には、底面部3aおよび複数の貫通孔H3が形成されていない円筒部3bで囲まれた範囲に液体の収容物Mを収容することもできる。
【0055】
このような構成によれば、収容部材13の内部は、複数の貫通孔H3を通して第1外殻部材11および第2外殻部材12の内側の空間に連通している。第1外殻部材11および第2外殻部材12は、それぞれ、複数の貫通孔H1、H2を通して、詰め替え容器20Aの外部と連通している。
このため、収容部材13と、第1外殻部材11および第2外殻部材12の内部空間と、は、詰め替え容器20Aの外部との間で、気体および液体の出入りが可能である。
例えば、収容物Mが揮発性または昇華性を有する場合には、収容物Mの揮発物または昇華物が、複数の貫通孔H3を通して、詰め替え容器20Aの内部に拡散した後、複数の貫通孔H1、H2を通して外部に放出される。
例えば、収容物Mが溶出性を有する場合には、複数の貫通孔H1、H2、H3を通して、収容部材13と、第1外殻部材11および第2外殻部材12の内部空間と、に流入した液体に、収容物Mが溶出する。溶出した収容物Mは、複数の貫通孔H3を通して液体とともに詰め替え容器20Aの内部に移動した後、複数の貫通孔H1、H2を通して、外部に流出する。
詰め替え容器20Aは、例えば、収容物Mが芳香剤、入浴剤、洗剤などの場合の容器として特に好適である。
【0056】
詰め替え容器20Aは、複数の貫通孔H1、H2、H3を有する以外は、第1の実施形態の詰め替え容器20と同様なので、第1の実施形態と同様、ユーザが蓋部材を容易に開閉して収容物を詰め替えることができ、かつ使用中に外力が作用しても蓋部材が開きにくい。
【0057】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る詰め替え容器について説明する。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る詰め替え容器の例を示す模式的な断面図である。図12は、本発明の第2の実施形態に係る詰め替え容器の動作説明図である。
【0058】
図11に示すように、本実施形態の詰め替え容器20Bは、第1の実施形態における詰め替え容器20の外殻部材10、収容部材3に代えて、外殻部材10B、収容部材23を備える。外殻部材10Bは、外殻部材10における第2外殻部材2に代えて、第2外殻部材22を備える。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0059】
第2外殻部材22は、第2外殻部材2における段部2fに代えて、第1係合突起2eを備える。すなわち、第2外殻部材22は、第1の実施形態における第2外殻部材2において中心軸線Cを含みX1方向に直交する平面SよりもX2方向の形状を、X1方向において平面Sに関して面対称となるように配置して形成されている。
このため、第2外殻部材22は、開口部O2に代えて、開口部O22を有する。
開口部O22は、第1の実施形態における開口部O2において、平面SよりもX2方向の形状が平面Sに関して面対称なX1方向にも形成されている。このため、開口部O22におけるX1方向およびX2方向の縁部には、それぞれ平面Sに関して面対称な形状および配置を有する第1係合突起2eが形成されている。
【0060】
収容部材23は、収容部23Aと、蓋部材23Bと、を有する。
収容部23Aは、ヒンジ3Cが接続されていない以外は、収容部3Aと同様である。
蓋部材3Bは、ヒンジ3Cが接続されておらず、弾性係合部3dが、中心軸線Cを挟んで対向する位置にも形成されている以外は、収容部3Aと同様である。このため、収容部23Aは、収容部23Aと接続していない別部材である。収容部23Aは、平面Sに関して面対称な形状を有する。
【0061】
詰め替え容器20Bは、第1の実施形態の詰め替え容器20と同様にして組み立てることができる。
詰め替え容器20Bにおいて、開口部O3を開放するには、例えば、ユーザが2本の指で、X1方向の突起部3gを中心軸線Cに向かうX2方向に、X2方向の突起部3gを中心軸線Cに向かうX1方向に、それぞれ押圧して、蓋部材23Bを把持する。これにより、各第2係合突起3fと各第1係合突起2eとの係合が解除される。
この後、図12に示すように、ユーザは、蓋部材23Bを把持した状態で、蓋部材23Bを第1方向Z1に移動する。これにより、蓋部材23Bが、収容部23Aの円筒部3bから外される。
これにより、開口部O22の内側に開口部O3が開口する。
ユーザは、第1の実施形態と同様に、開口部O3を通して、収容部23Aの内部の収容物Mを入れ替えたり、収容部23Aに収容物Mを補充したりすることができる。
【0062】
詰め替え容器20Bによれば、工具などを用いることなく、各突起部3gを押圧して蓋部材3Bを第1方向Z1に移動させるだけで、収容部23Aを容易に開放することができる。この操作は、詰め替え容器20Bにおける蓋部材23B以外の構成部材を分解することなく行うことができる。
【0063】
収容物Mの入れ替えまたは補充が終了したら、上述の動作を逆順に行うことで、蓋部材23Bの開口部O3を閉じることができる。
このとき、各弾性係合部3dの各弾性部材3eは、第1の実施形態と同様に、外周面2aよりも外側に突出しない位置に配置されているので、物体との当接などによる外力では、各第2係合突起3fの係合状態が解除されにくい。開口部O2に入り込んだ物体によって、各突起部3gの一方がX1方向またはX2方向に移動して第1係合突起2eとの係合が解除されたとしても、他方の突起部3gの係合が解除されないと、蓋部材3Bは開放されない。
万一、各突起部3gを中心軸線Cに向かって押圧する外力が作用して、両方の係合が解除されたとしても、この状態を保って蓋部材23Bを第1方向Z1に移動しない限りは、蓋部材23Bは開放されることはない。
このため、詰め替え容器20の使用中、偶然にいろいろな外力が作用しても、その作用位置、方向、および大きさが上述の条件をすべて満たさないと蓋部材23Bが開かない。この結果、ユーザが意図して操作する場合を除いては、蓋部材23Bが開きにくくなっている。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の詰め替え容器20Bによれば、ユーザが蓋部材を容易に開閉して収容物を詰め替えることができ、かつ使用中に外力が作用しても蓋部材が開きにくい。
【0065】
なお、上記各実施形態および変形例では、詰め替え容器の外形が、第1方向Z1の端部が半球状の円柱形である例で説明した。しかし、詰め替え容器の外形はこれには限定されず、適宜の外形が可能である。例えば、詰め替え容器の外形は、球形、回転楕円形、角錐形、円錐形、多面体形などであってもよい。
【0066】
上記各実施形態および変形例では、収容部が円筒形の例で説明した。しかし、収容部は、筒状体であれば円筒形には限定されない。例えば、多角柱断面を有する筒状体、楕円断面を有する筒状体などでもよい。
【0067】
上記各実施形態および変形例では、外殻部材が、第1外殻部材と、第2外殻部材と、の組立体からなる例で説明した。しかし、外殻部材は、3以上の部材の組立体で構成されてもよい。
【0068】
上記各実施形態および変形例では、外殻部材の内側であって、収容部材の外側には収容物を配置しない例で説明した。しかし、入れ替えたり補充したりする必要がない収容物であれば、外殻部材の内側において収容部材の外側の空間に収容物を収容してもよい。
【0069】
上記各実施形態および変形例では、収容部材と外殻部材とが別部材からなり、互いに係合して固定された例で説明した。しかし、収容部材は、外殻部材の底面部に成形されていてもよい。
【0070】
上記各実施形態および変形例では、外殻部材の底面部に形成された開口部を通して、収容部材の内部が視認できる例で説明したが、収容部材の内部を視認できる開口部は形成されていなくてもよい。
【0071】
上記第2の実施形態では、第1外殻部材11と、第2外殻部材12と、にそれぞれ複数の貫通孔H1、H2が形成された例で説明した。しかし、詰め替え容器20Aの外部への流通路が充分に確保される場合には、複数の貫通孔H1、H2は、どちらかが削除されてもよい。
【0072】
上記各実施形態では、嵌合部3c2と円筒部3bとが、それぞれ嵌合突起3m、3iを有する例で説明した。しかし、嵌合部3c2と円筒部3bとの間に適宜の大きさの摩擦力が働く場合には、嵌合部3c2および円筒部3bの少なくとも一方には、嵌合突起を有しなくてもよい。
【0073】
上記第1の実施形態および変形例では、ヒンジ部材として、屈曲可能なヒンジ3Cが用いられた例で説明した。しかし、ヒンジ部材としては、蓋部材3Bを回動可能に収容部3Aに連結できれば、屈曲するヒンジ部材には限定されない。例えば、ヒンジ部材は、孔部に軸部が回動可能に嵌合する蝶番構造を有するヒンジ部材であってもよい。
【0074】
以上、本発明の好ましい各実施形態を変形例とともに説明したが、本発明は各実施形態および各変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0075】
1、11 第1外殻部材
2、12、22 第2外殻部材
2a 外周面
2e 第1係合突起
2g 突起部(第2連結部)
3、13、23 収容部材
3a 底面部
3A、23A 収容部
3b 円筒部
3B、23B 蓋部材
3c 蓋本体
3C ヒンジ
3c2 嵌合部
3d 弾性係合部
3e 弾性部材
3e2 屈曲部
3f 第2係合突起
3g 突起部
3i、3m 嵌合突起
3k 連結突起(第1連結部)
10、10A、10B 外殻部材
20、20A、20B 詰め替え容器
C 中心軸線
H1、H2 複数の貫通孔(第2貫通孔)
H3 複数の貫通孔(第1貫通孔)
M 収容物
O2、O22 開口部(第1開口部)
O3 開口部(第2開口部)
S 平面
T 先端
Z1 第1方向
Z2 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12