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特開2022-106078データ取得装置、ストレージ装置、基地局、データ取得方法、データ送信方法、データ復旧方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106078
(43)【公開日】2022-07-19
(54)【発明の名称】データ取得装置、ストレージ装置、基地局、データ取得方法、データ送信方法、データ復旧方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20220711BHJP
   G06F 11/14 20060101ALI20220711BHJP
   H04W 4/30 20180101ALI20220711BHJP
   H04W 4/90 20180101ALI20220711BHJP
   H04W 4/02 20180101ALI20220711BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20220711BHJP
   H02J 50/05 20160101ALI20220711BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20220711BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
H04W24/04
G06F11/14 658
G06F11/14 671
H04W4/30
H04W4/90
H04W4/02
H02J50/10
H02J50/05
H02J50/20
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000795
(22)【出願日】2021-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】大谷 寛之
【テーマコード(参考)】
5G503
5K067
【Fターム(参考)】
5G503AA04
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB08
5K067HH23
(57)【要約】
【課題】 容易にデータを取得することが可能なデータ取得装置を提供する。
【解決手段】 本発明のデータ取得装置10は、位置情報取得部11、操縦制御部12、移動部13、無線電力供給部14、バッテリー部15、データ取得部16、記憶部17、及びデータ送信部18を含み、位置情報取得部11は、対象装置の位置を示す位置情報を取得し、操縦制御部12は、移動部13の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置に移動させ、無線電力供給部14は、非接触型の電力伝送方式により、前記バッテリー部に蓄えている電力を前記対象装置に供給し、データ取得部16は、無線通信により、前記対象装置の備える記憶部内のデータを取得し、記憶部17は、前記取得したデータを記憶し、操縦制御部12は、移動部13の操縦を制御して、予め指定された場所に移動させ、データ送信部18は、通信基地局に前記データを送信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報取得部、操縦制御部、移動部、無線電力供給部、バッテリー部、データ取得部、記憶部、及びデータ送信部を含み、
前記位置情報取得部は、対象装置の位置を示す位置情報を取得し、
前記操縦制御部は、前記移動部の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置に移動させ、
前記無線電力供給部は、非接触型の電力伝送方式により、前記バッテリー部に蓄えている電力を前記対象装置に供給し、
前記データ取得部は、無線通信により、前記対象装置の備える記憶部内のデータを取得し、
前記記憶部は、前記取得したデータを記憶し、
前記操縦制御部は、前記移動部の操縦を制御して、予め指定された場所に移動させ、
前記データ送信部は、通信基地局に前記データを送信する、移動可能なデータ取得装置。
【請求項2】
さらに、稼働時間決定部を含み、
前記稼働時間決定部は、前記データ取得装置のバッテリー部に蓄えられた電力量に関するパラメータに基づき、稼働時間を決定する、請求項1記載のデータ取得装置。
【請求項3】
前記パラメータが、下記(1)~(3)の少なくとも一つを含む、請求項2記載のデータ取得装置:
(1)前記位置情報が示す位置への移動、及び前記位置情報が示す位置から前記予め指定された場所までの移動で消費する電力量;
(2)前記データ取得部による前記データの取得処理中に消費する電力量;
(3)前記無線電力供給部による前記対象装置への電力の供給により消費する電力量。
【請求項4】
前記データ取得部は、さらに、前記通信基地局から指示情報を取得し、前記指示情報に従い、前記データを取得し、
前記記憶部は、さらに、前記取得したデータが格納されていたディスクに関するディスク情報を記憶し、
前記データ送信部は、さらに、前記通信基地局に前記ディスク情報を送信する、請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ取得装置。
【請求項5】
災害発生検知部、切替部、位置情報送信部、無線電力取得部、データ読み出し部、記憶部、及びデータ送信部を含み、
前記災害発生検知部は、災害の発生を検知し、
前記切替部は、前記災害の発生が検知された場合に、平常時モードを非常時モードに切替え、
前記非常時モードにおいて、
前記位置情報送信部は、バッテリー部を備え、前記バッテリー部に蓄えられている電力を使用して、位置情報を外部装置に送信し、
前記無線電力取得部は、非接触型の電力伝送方式により、外部から電力を取得し、
前記データ読み出し部は、前記取得した電力を使用して、前記記憶部内におけるディスク毎のデータの読み出しを行い、
前記データ送信部は、無線通信により、前記読み出したデータをデータ取得装置に送信する、ストレージ装置。
【請求項6】
データ取得部、及びデータ復旧部を含み、
前記データ取得部は、データ取得装置が、対象装置の記憶部から取得したデータを取得し、
前記データ復旧部は、前記データに基づき、前記対象装置の記憶部が記憶していたデータの再構成を行うことでデータの復旧を実行する、通信基地局。
【請求項7】
データ取得装置を使用し、
位置情報取得工程、操縦制御工程、無線電力供給工程、データ取得工程、記憶工程、及びデータ送信工程を含み、
前記位置情報取得工程は、対象装置の位置を示す位置情報を取得し、
前記操縦制御工程は、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置に移動させ、
前記無線電力供給工程は、非接触型の電力伝送方式により、前記データ取得装置の備えるバッテリー部に蓄えられた電力を、前記対象装置に供給し、
前記データ取得工程は、無線通信により、前記対象装置の備える記憶部内のデータを取得し、
前記記憶工程は、前記取得したデータを記憶し、
前記操縦制御工程は、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記データ取得装置を予め指定された場所に移動させ、
前記データ送信工程は、通信基地局に前記データを送信する、データ取得方法。
【請求項8】
記憶部を有するストレージ装置を使用し、
災害発生検知工程、切替工程、位置情報送信工程、無線電力取得工程、データ読み出し工程、及びデータ送信工程を含み、
前記災害発生検知工程は、災害の発生を検知し、
前記切替工程は、前記災害の発生が検知された場合に、平常時モードを非常時モードに切替え、
前記非常時モードにおいて、
前記位置情報送信工程は、位置情報を外部装置に送信し、
前記無線電力取得工程は、非接触型の電力伝送方式により、外部から電力を取得し、
前記データ読み出し工程は、前記取得した電力を使用して、前記記憶部内におけるディスク毎のデータの読み出しを行い、
前記データ送信工程は、無線通信により、前記読み出したデータをデータ取得装置に送信する、データ送信方法。
【請求項9】
データ取得工程、及びデータ復旧工程を含み、
前記データ取得工程は、データ取得装置が、対象装置の記憶部から取得したデータを取得し、
前記データ復旧工程は、前記データに基づき、前記対象装置の記憶部が記憶していたデータの再構成を行うことでデータの復旧を実行する、データ復旧方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項7記載のデータ取得方法の各工程、
請求項8記載のデータ送信方法の各工程、又は
請求項9記載のデータ復旧方法の各工程を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ取得装置、ストレージ装置、基地局、データ取得方法、データ送信方法、データ復旧方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
あらゆる分野においてIT化が進む中、ディザスタリカバリシステムの重要性が高まっている。ディザスタリカバリシステムは、災害時におけるデータの破損や損失に備えることで、コンピュータシステムが提供するサービスを継続可能にするシステムである。データの破損や損失に備える手法の一つとして、例えば、メインサイトに格納されているデータを複製し、リモートサイトに転送するシステムがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、ストレージ装置が、無線通信を用いて、前記ストレージ装置内に格納しているデータを外部装置に送信する技術も報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008-538624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、耐災害記憶ユニットを回収する必要がある。しかしながら、耐災害記憶ユニットが存在する災害エリアは、インフラ設備の損害等の理由により、行くことが難しい。そのため、耐災害記憶ユニットを回収できず、データの復旧が困難という問題がある。
【0006】
前記ストレージ装置が無線通信を用いて前記データを送信する技術は、その処理を可能にするために、消費する電力量が大きいという問題がある。また、災害時には、インフラ設備の損害等の理由により、前記ストレージ装置への給電が困難という問題もある。
【0007】
そこで、本発明は、データの取得又は送信を可能にし、且つデータの送信に用いる電力の供給又は取得を可能にするデータ取得装置、ストレージ装置、基地局、データ取得方法、データ送信方法、データ復旧方法、及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明のデータ取得装置は、位置情報取得部、操縦制御部、移動部、無線電力供給部、バッテリー部、データ取得部、記憶部、及びデータ送信部を含み、
前記位置情報取得部は、対象装置の位置を示す位置情報を取得し、
前記操縦制御部は、前記移動部の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置に移動させ、
前記無線電力供給部は、非接触型の電力伝送方式により、前記バッテリー部に蓄えている電力を前記対象装置に供給し、
前記データ取得部は、無線通信により、前記対象装置の備える記憶部内のデータを取得し、
前記記憶部は、前記取得したデータを記憶し、
前記操縦制御部は、前記移動部の操縦を制御して、予め指定された場所に移動させ、
前記データ送信部は、通信基地局に前記データを送信する、移動可能なデータ取得装置である。
【0009】
本発明のストレージ装置は、災害発生検知部、切替部、位置情報送信部、無線電力取得部、データ読み出し部、記憶部、及びデータ送信部を含み、
前記災害発生検知部は、災害の発生を検知し、
前記切替部は、前記災害の発生が検知された場合に、平常時モードを非常時モードに切替え、
前記非常時モードにおいて、
前記位置情報送信部は、バッテリー部を備え、前記バッテリー部に蓄えられている電力を使用して、位置情報を外部装置に送信し、
前記無線電力取得部は、非接触型の電力伝送方式により、外部から電力を取得し、
前記データ読み出し部は、前記取得した電力を使用して、前記記憶部内におけるディスク毎のデータの読み出しを行い、
前記データ送信部は、無線通信により、前記読み出したデータをデータ取得装置に送信する、ストレージ装置である。
【0010】
本発明の基地局は、データ取得部、及びデータ復旧部を含み、
前記データ取得部は、データ取得装置が、対象装置の記憶部から取得したデータを取得し、
前記データ復旧部は、前記データに基づき、前記対象装置の記憶部が記憶していたデータの再構成を行うことでデータの復旧を実行する、通信基地局である。
【0011】
本発明のデータ復旧システム装置は、前記本発明のデータ取得装置と、前記本発明のストレージ装置と、前記本発明の通信基地局とを含み、前記データ取得装置と前記ストレージ装置とは、無線通信により接続可能であり、
前記データ取得装置と前記通信基地局とは、通信回線網を介して接続可能であり、
前記データ取得装置及び前記通信基地局における前記対象装置が前記ストレージ装置である、データ復旧システム装置である。
【0012】
本発明のデータ取得方法は、データ取得装置を使用し、
位置情報取得工程、操縦制御工程、無線電力供給工程、データ取得工程、記憶工程、及びデータ送信工程を含み、
前記位置情報取得工程は、対象装置の位置を示す位置情報を取得し、
前記操縦制御工程は、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置に移動させ、
前記無線電力供給工程は、非接触型の電力伝送方式により、前記データ取得装置の備えるバッテリー部に蓄えられた電力を、前記対象装置に供給し、
前記データ取得工程は、無線通信により、前記対象装置の備える記憶部内のデータを取得し、
前記記憶工程は、前記取得したデータを記憶し、
前記操縦制御工程は、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記データ取得装置を予め指定された場所に移動させ、
前記データ送信工程は、通信基地局に前記データを送信する、データ取得方法である。
【0013】
本発明のデータ送信方法は、記憶部を有するストレージ装置を使用し、
災害発生検知工程、切替工程、位置情報送信工程、無線電力取得工程、データ読み出し工程、及びデータ送信工程を含み、
前記災害発生検知工程は、災害の発生を検知し、
前記切替工程は、前記災害の発生が検知された場合に、平常時モードを非常時モードに切替え、
前記非常時モードにおいて、
前記位置情報送信工程は、位置情報を外部装置に送信し、
前記無線電力取得工程は、非接触型の電力伝送方式により、外部から電力を取得し、
前記データ読み出し工程は、前記取得した電力を使用して、前記ストレージ装置の記憶部内におけるディスク毎のデータの読み出しを行い、
前記データ送信工程は、無線通信により、前記読み出したデータをデータ取得装置に送信する、データ送信方法である。
【0014】
本発明のデータ復旧方法は、データ取得工程、及びデータ復旧工程を含み、
前記データ取得工程は、データ取得装置が、対象装置の記憶部から取得したデータを取得し、
前記データ復旧工程は、前記データに基づき、前記対象装置の記憶部が記憶していたデータの再構成を行うことでデータの復旧を実行する、データ復旧方法である。
【0015】
本発明の第1のプログラムは、コンピュータに、位置情報取得手順、操縦制御手順、無線電力供給手順、データ取得手順、記憶手順、及びデータ送信手順を実行させるためのプログラムであって、
前記位置情報取得手順は、対象装置の位置を示す位置情報を取得し、
前記操縦制御手順は、データ取得装置の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置に移動させ、
前記無線電力供給手順は、非接触型の電力伝送方式により、データ取得装置の備えるバッテリー部に蓄えられた電力を、前記対象装置の備えるバッテリー部に供給し、
前記データ取得手順は、無線通信により、前記対象装置の備える記憶部内のデータを取得し、
前記記憶手順は、前記取得したデータを記憶し、
前記操縦制御手順は、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記データ取得装置を予め指定された場所に移動させ、
前記データ送信手順は、通信基地局に前記データを送信する、プログラムである。
【0016】
本発明の第2のプログラムは、コンピュータに、災害発生検知手順、切替手順、位置情報送信手順、無線電力取得手順、データ読み出し手順、及びデータ送信手順を実行させるためのプログラムであって、
前記災害発生検知手順は、災害の発生を検知し、
前記切替手順は、前記災害の発生が検知された場合に、平常時モードを非常時モードに切替え、
前記非常時モードにおいて、
前記位置情報送信手順は、位置情報を外部装置に送信し、
前記無線電力取得手順は、非接触型の電力伝送方式により、外部から電力を取得し、
前記データ読み出し手順は、前記取得した電力を使用して、ストレージ装置の記憶部内におけるディスク毎のデータの読み出しを行い、
前記データ送信手順は、無線通信により、前記読み出したデータをデータ取得装置に送信する、プログラムである。
【0017】
本発明の第3のプログラムは、コンピュータに、データ取得手順、及びデータ復旧手順を実行させるためのプログラムであって、
前記データ取得手順は、データ取得装置が、対象装置の記憶部から取得したデータを取得し、
前記データ復旧手順は、前記データに基づき、前記対象装置の記憶部が記憶していたデータの再構成を行うことでデータの復旧を実行する、プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、データの送信に用いる電力を、無線で供給又は取得できるため、データの取得又は送信が可能となる。このため、例えば、災害時等の非常時においても、容易にデータを取得又は送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態1のデータ取得装置の一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1のデータ取得装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1のデータ取得装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態2のデータ取得装置の一例の構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態2のデータ取得装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態3のデータ復旧システム装置の一例の構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態3のストレージ装置の一例の構成を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態3のストレージ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図9図9は、実施形態3の基地局の一例の構成を示すブロック図である。
図10図10は、実施形態3の基地局におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図11図11は、実施形態3のデータ復旧方法における処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明において、被災とは、災害を受けたことを意味する。前記災害は、特に制限されず、例えば、地震、台風、豪雨、寒波、雪崩、火山噴火、酷暑等の自然災害、大火事、大爆発、テロ、ストライキ、戦争、騒乱等の人為的な災害等がある。
【0021】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0022】
[実施形態1]
図1は、本実施形態のデータ取得装置10の一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本装置10は、位置情報取得部11、操縦制御部12、移動部13、無線電力供給部14、バッテリー部15、データ取得部16、記憶部17、及びデータ送信部18を含む。本装置10は、例えば、無人での自動運転が可能な装置であることが好ましく、地上を走行するものでもよいし、水上を航行するものでもよいし、空中を飛行するものでもよい。本装置10は、例えば、ドローンがあげられ、空中を飛行する飛行型ドローンであることが好ましい。本装置10の自動運転における自動操縦方式は、特に制限されず、例えば、GPS方式が利用できる。前記GPS方式は、例えば、本装置10の現在座標と、目的地(例えば、後述する対象装置の位置を示す位置情報が示す場所)の座標を測位し、移動(飛行)ルートを設定する方式である。本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたドローン等であってもよい。
【0023】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)等があげられる。無線通信としては、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、アクセスポイントを介した間接通信のいずれであってもよい。
【0024】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央演算装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶部17、入力装置104、表示装置105、通信デバイス106、移動部13、およびバッテリー部15等を有する。本装置10のハードウェア構成の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0025】
中央演算装置(中央処理装置)101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央演算装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央演算装置101が、位置情報取得部11、操縦制御部12、無線電力供給部14、データ取得部16、及び、データ送信部18として機能する。
【0026】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部データベース、プリンター、並びに前記対象装置(例えば、後述する本発明のストレージ装置等)及び後述する本発明の基地局等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス106により、前記通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、外部装置と接続することもできる。また、例えば、後述する本発明のデータ復旧システム装置が、複数のデータ取得装置10を含む場合、本装置10は、例えば、通信デバイス106により、他のデータ取得装置10と互いに通信可能であってもよい。
【0027】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央演算装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶部17に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央演算装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0028】
記憶部17は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶部17には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶部17は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶部17は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0029】
本装置10において、メモリ102及び記憶部17は、管理者からのアクセス情報及びログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0030】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置104、表示装置105、移動部13、及びバッテリー部15を有する。入力装置104は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置105は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。移動部13は、例えば、車輪、無限軌道、ウォータージェット推進機、プロペラ、モータ、フライトコントローラ等があげられるが、本装置10を移動可能なものであれば特に制限されない。本装置10が飛行型ドローンである場合、移動部13は、例えば、プロペラ、モータ、フライトコントローラ等であることが好ましい。バッテリー部15は、電力を蓄える装置であり、本装置10において電力を必要とする各部に電力を供給する。
【0031】
本装置10は、無線電力供給部14を含む。無線電力供給部14は、非接触型の電力伝送方式により、本装置10のバッテリー部15に蓄えている電力を前記対象装置に供給する装置である。前記非接触型の電力伝送方式は、ワイヤレス電力伝送(WPT:Wireless Power Transfer)ともいい、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、磁界結合方式、マイクロ波伝送方式等があげられ、いずれの方式でもよい。前記電磁誘導方式を用いた前記非接触型の電力伝送方式の具体例としては、例えば、国際標準規格のQi等があげられる。
【0032】
無線電力供給部14が電力を供給する前記対象装置は、例えば、非接触型の電力伝送方式により、外部から電力を取得可能な装置であればよく、例えば、非接触型の電力伝送方式による電力の取得機能を有するストレージ装置、スマートフォン、ウェアラブル端末、ノートパソコン等があげられる。前記ストレージ装置は、特に制限されず、例えば、耐災害性を有する筐体及びバッテリーを含むストレージ装置であり、後述する本発明のストレージ装置であることが好ましい。前記ストレージ装置は、例えば、メインサイトにおけるストレージ装置である。
【0033】
つぎに、本発明のデータ取得方法の一例を、図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の取得方法は、例えば、図1及び図2のデータ取得装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の取得方法は、図1及び図2のデータ取得装置10の使用には限定されない。また、以下の説明においては、データ取得装置10が、飛行型ドローンであり、前記予め指定された場所が、通信基地局(基地局)であり、前記対象装置が、被災したストレージ装置(被災ストレージ装置)である場合を例にあげて説明するが、本発明はこれには制限されない。
【0034】
まず、位置情報取得部11は、前記被災ストレージ装置(対象装置)の位置を示す位置情報を取得する(S11、位置情報取得工程)。前記位置情報は、特に制限されず、例えば、GPS(Global Positioning System)の座標情報があげられる。前記位置情報の取得は、例えば、前記被災ストレージ装置が発信する位置情報を、本装置10が受信することで、前記被災ストレージ装置から直接取得してもよいし、前記被災ストレージ装置が基地局(例えば、後述する本発明の基地局)に送信した位置情報を、前記基地局から受信することで、間接的に取得してもよい。前記位置情報の取得は、例えば、前記無線通信を介して実施される。また、前記被災ストレージ装置が、後述する実施形態3のデータ復旧システム装置が含むストレージ装置である場合、例えば、前記ストレージ装置が発信する発信信号を受信し、前記発信信号に含まれる前記ストレージ装置の座標情報を、前記位置情報として取得してもよい。この場合、例えば、災害等の影響により、前記ストレージ装置がGPS通信を行えない状況にあったとしても、前記ストレージ装置の位置を特定できるため好ましい。
【0035】
つぎに、操縦制御部12により、本装置10の移動部13を制御して、前記位置情報が示す位置に本装置10を移動させる(S12、第1の操縦制御工程)。操縦制御部12は、本装置10が前記位置に移動した後、例えば、本装置10を前記位置に停滞するように移動部13を制御してもよい。本装置10が飛行型ドローンである場合、前記停滞は、例えば、ホバリング状態であってもよく、後述する無線電力供給工程およびデータ取得工程の間において、本装置10は、例えば、ホバリング状態であってもよい。前記「位置情報が示す位置」は、例えば、前記受信した位置情報に含まれる前記被災ストレージ装置の座標情報から特定される箇所であり、例えば、後述する無線電力供給工程において、本装置10から前記対象装置に対し、非接触型の電力伝送方式により電力を供給でき、且つ、後述するデータ取得工程において、前記対象装置から、無線通信によりデータを取得可能な位置であれば、特に制限されない。操縦制御部12による前記制御は、例えば、前記対象装置の位置情報と、本装置10の位置情報とに基づき、本装置10が算出した移動ルートを設定し、前記移動ルートに沿って移動するように制御してもよいし、本装置10外の管理装置(例えば、前記通信基地局)から、移動ルートを含む移動指示情報を取得し、前記移動指示情報に従って、移動するように制御してもよい。なお、移動前の本装置10の待機場所は、前記位置情報を取得できる場所であれば特に制限されず、任意の場所とすることができ、例えば、前記通信基地局のある場所があげられる。
【0036】
つぎに、無線電力供給部14により、非接触型の電力伝送方式により、バッテリー部15に蓄えている電力を前記被災ストレージ装置に供給する(S13、無線電力供給工程)。前記非接触型の電力伝送方式の具体例は、前述のとおりであり、前記対象装置(ストレージ装置)が電力を取得可能な方式に応じて適宜設定できる。なお、無線電力供給工程において前記ストレージ装置に供給する電力量は、予め設定された電力量でもよいし、バッテリー部15に蓄えられている電力量、本装置10の稼働時間、待機場所から前記ストレージ装置の位置への往復に必要な電力量、データ取得処理に必要な電力量等に基づき設定した電力量でもよい。
【0037】
次に、データ取得部16により、無線通信を用いて前記被災ストレージ装置の備える記憶部内のデータを取得する(S14、データ取得工程)。そして、記憶部17により、前記取得したデータを記憶する(S15、記憶工程)。前記無線通信は、例えば、前述の通りである。前記取得するデータは、例えば、前記被災ストレージ装置がメインサイトである場合、リモートサイトへの未転送データであってもよいし、前記被災ストレージ装置内の全データであってもよい。
【0038】
なお、S14に先立ち、データ取得部16は、例えば、前記基地局から指示情報を取得し、前記指示情報に従って、前記データを取得してもよい。前記指示情報は、前記データの取得に関する情報であり、例えば、前記対象装置の記憶部において、データを取得するディスクの識別情報と、アドレス(データ保存領域)とを指示する情報を含む。この場合、データ取得部16及び記憶部17は、前記取得工程及び記憶工程において、例えば、さらに、ストレージ情報(対象装置情報)を取得及び記憶してもよい。前記ストレージ情報(対象装置情報)は、例えば、前記被災ストレージ装置(対象装置)の識別情報、前記被災ストレージ装置(対象装置)が備える記憶部内のディスク情報等を含む情報があげられる。前記ディスク情報は、例えば、取得したデータが格納されていたディスクの識別情報、ディスクのアドレス、取得したデータのサイズ、及び、ディスクに格納されている全データのサイズ等の情報を含む。
【0039】
図3において、無線電力供給工程(S13)、データ取得工程(S14)、及び、記憶工程(S15)は、この順序で実施しているが、本発明のデータ取得方法は、この順序には制限されず、無線電力供給工程(S13)、データ取得工程(S14)、及び、記憶工程(S15)を並行して実施してもよい。
【0040】
つぎに、操縦制御部12により、移動部13の操縦を制御して、本装置10を予め指定された場所に移動させる(S16、第2の操縦制御工程)。前記予め指定された場所は、例えば、前記通信基地局に対し、前記データ取得工程及び記憶工程で取得及び記憶した、前記ストレージ装置のデータを、前記基地局に送信可能な場所であれば特に制限されず、具体例として、前述のように、前記基地局のある場所があげられる。
【0041】
そして、データ送信部18により、前記基地局に前記データを送信し(S17、データ送信工程)、処理を終了する(END)。前記基地局へのデータの送信は、特に制限されず、例えば、有線で通信してもよいし、無線で通信してもよい。
【0042】
なお、本装置10は、例えば、前記無線電力供給工程において、無線電力供給部14により前記対象装置に電力を供給できないと判断した場合、処理を終了してもよい(END)。この場合、例えば、操縦制御部12は、前記予め指定された場所(例えば、基地局)に本装置10を移動させる。そして、データ送信部18は、位置情報取得部11が取得した前記対象装置の位置情報と、前記対象装置に電力を供給できなかった情報とを、前記基地局に送信することが好ましい。
【0043】
また、S12~S17(第1の操縦制御工程、無線電力供給工程、データ取得工程、記憶工程、第2の操縦制御工程、及びデータ送信工程)は、例えば、繰り返し実行してもよい。
【0044】
この場合、S14に先立ち、データ取得部16は、例えば、前記基地局から指示情報を取得し、前記指示情報に従って、前記データを取得することが好ましい。前記指示情報は、例えば、前述のとおりである。
【0045】
つぎに、S15において、記憶部17は、例えば、前記データに加え、取得したデータが格納されていたディスクに関するディスク情報を記憶する。前記ディスク情報は、例えば、前記ディスクの識別情報と、アドレス(データ保存領域)とを特定する情報を含む。
【0046】
つぎに、S16において、本装置10を予め指定された場所に移動させる。この際、例えば、本装置10のバッテリー部15の電力を、充電することが好ましい。
【0047】
つぎに、S17において、データ送信部18は、例えば、前記データと、前記ディスク情報とを、前記基地局に送信する。
【0048】
そして、バッテリー部15に蓄えられている電力量が、S12~S17を実施するのに十分な電力量となった後で、再度、S12~S17を実施する。
【0049】
データ取得装置10のバッテリー部15に蓄えられる電力量、及び、記憶部17内に格納できるデータ量には限りがある。このため、本実施形態のデータ取得方法において、このようにS12工程~S17工程を繰り返し実施することにより、対象装置の記憶部内のデータを、より多く取得できる。
【0050】
なお、上記の説明において、データ取得装置10を1機のみ用いて実施する形態を例に挙げて説明したが、本発明のデータ取得方法は、これには制限されず、複数のデータ取得装置10を用いてもよい。この場合、前記データ取得工程において、各データ取得装置10のデータ取得部16は、例えば、前記基地局から指示情報を取得し、前記指示情報に従ってデータを取得することが好ましい。この場合、前記指示情報は、例えば、データ取得装置10毎に、前記対象装置の記憶部の異なる領域に格納されたデータを取得するように指示する情報を含む。これにより、例えば、複数のデータ取得装置10間において、重複するデータを取得することを抑制でき、より効率よく対象装置内のデータを取得できる。
【0051】
本実施形態のデータ取得装置10によれば、非接触型の電力伝送方式により、前記対象装置に電力を供給し、無線通信により前記対象装置の記憶部内のデータを取得できるため、災害等により、前記対象装置の電力供給が途絶えている場合であっても、容易に前記対象装置内の情報を取得できる。被災地は、例えば、交通手段や通信手段等のインフラ設備が被害を受けている場合や、被災した対象装置が存在する場所まで近づくことができない場合が多い。そのような場合であっても、本装置10は、被災地に容易に向かうことができ、データを取得することができる。さらに、作業員が被災地に行く必要もないため、作業員の安全性が確保される。したがって、本実施形態のデータ取得装置10によれば、例えば、被災した対象装置内のデータを容易に復旧できる。
【0052】
なお、本実施形態において、前記対象装置が、被災した本発明のストレージ装置であり、前記ストレージ装置からデータを取得(救出ともいう)する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれには制限されない。本実施形態のデータ取得方法は、例えば、被災者(迷子者、行方不明者)等が所有するスマートフォン等を前記対象装置とし、本発明のデータ取得装置により、前記被災者(迷子者、行方不明者)が所有するスマートフォンに電力を供給し、前記スマートフォンの備える記憶部内のデータを取得してもよい。この場合、前記データは、例えば、前記スマートフォンの位置情報、「被災した(迷子、行方不明になった)およその時間」、前記被災者が被災後に入力した「お腹がすいている」、「ケガの有無、ケガの箇所」、「周囲の状況」等の情報であってもよい。この場合、本発明のデータ取得装置によれば、被災者(迷子者、行方不明者)の居場所、現在の状況等の情報を得ることができるため、本発明のデータ取得装置は、被災者(迷子者、行方不明者)の救助等にも効果的に使用できる。
【0053】
[実施形態2]
本実施形態のデータ取得装置は、例えば、さらに、データ取得装置のバッテリー部に蓄えられた電力量に関するパラメータに基づき、データ取得装置の稼働時間を決定する稼働時間決定部を含むこと以外は、実施形態1と同様である。
【0054】
図4は、本実施形態のデータ取得装置10Aの構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、データ取得装置10Aは、実施形態のデータ取得装置10に加えて、さらに稼働時間決定部19を含む。データ取得装置10Aのハードウェア構成は、中央処理装置101が、図2のデータ取得装置10の構成に加えて、さらに、稼働時間決定部19として機能する以外は同様である。
【0055】
つぎに、実施形態2のデータ取得方法について、図5のフローチャートを用いて説明する。実施形態2のデータ取得方法は、例えば、図4に示す実施形態2のデータ取得装置10Aを用いて実施できる。なお、実施形態2のデータ取得方法は、データ取得装置10Aの使用には限定されない。
【0056】
まず、実施形態1のデータ取得方法におけるS11と同様にして、S11を実施する。
【0057】
つぎに、稼働時間決定部19により、データ取得装置10Aのバッテリー部15に蓄えられた電力量に関するパラメータに基づき、データ取得装置10Aの稼働時間を決定する(S111、稼働時間決定工程)。前記稼働時間は、例えば、データ取得装置10Aが前記対象装置の位置情報が示す位置への移動後に、前記無線電力供給工程、前記データ取得工程、及び前記データ記憶工程(S13、S14、S15工程)を実施する時間である。前記パラメータは、例えば、下記(1)~(3)の少なくとも一つを含む。
(1)前記位置情報が示す位置への移動、及び前記位置情報が示す位置から前記予め指定された場所までの移動で消費する電力量
(2)前記データ取得部による前記データの取得処理中に消費する電力量
(3)前記無線電力供給部による前記対象装置への電力の供給により消費する電力量
【0058】
稼働時間決定部19による前記稼働時間の決定は、例えば、以下のようにして実施できる。稼働時間決定部19は、例えば、前記(1)~(3)のパラメータを算出する。そして、稼働時間決定部19は、各パラメータが示す合計の消費電力量が、バッテリー部15に蓄えられた電力量を超えないように、前記稼働時間、すなわち、前記無線電力供給工程、前記データ取得工程、及び前記データ記憶工程(S13、S14、S15工程)を実施する時間を決定する。具体的には、例えば、稼働時間決定部19は、バッテリー部15に蓄えられた電力量から、前記(1)の電力量を差し引き、その残部の電力量から、前記(2)及び(3)の電力量に基づき、前記稼働時間を決定する。このような処理によれば、例えば、データ取得装置10Aが、前記予め指定された場所へ帰還する前に、バッテリー切れを起こすことを抑制できる。
【0059】
稼働時間決定部19は、前記(1)の電力量として、例えば、バッテリー部15に蓄えられた電力量の総量に対し、任意の割合を割り振ってもよいし、データ取得装置10Aの待機箇所から前記対象装置の位置への往復で消費する電力量を算出した値を割り振ってもよい。前者の場合、稼働時間決定部19は、前記(1)の電力量として、バッテリー部15の電力量の総量を100%として、例えば、20%と設定できる。後者の場合、稼働時間決定部19は、前記(1)の電力量として、例えば、前記待機箇所から前記対象装置の位置までの距離;データ取得装置10Aの移動速度;風の有無及び強さ、天気等の天候情報;気温;等に基づいて消費電力量を計算できる。
【0060】
前記天候情報に基づく消費電力量の算出は、例えば、以下のようにして実施できる。具体例として、例えば、天候が晴れの場合と比較して、雨、雪、みぞれ、雹、雷、台風、霧、風(例えば、風速が10m/s以上、15m/s以上、20m/s以上、25m/s以上、30m/s以上等、風向が、データ取得装置10Aの移動方向に対し反対方向(向かい風)である等)等の条件では、データ取得装置10Aが、前記待機場所から前記対象装置の位置まで移動する際に、より長い時間がかかる。このため、このような天候条件の場合には、稼働時間決定部19は、相対的に前記(1)の消費電力量を多く見積もってもよい。具体的には、稼働時間決定部19は、例えば、前記算出した値に対し、任意の割合を加算できる。前記任意の割合は、特に制限されず、例えば、バッテリー部15の電力量の総量を100%として、3%、5%、10%、15%等が設定できる。
【0061】
前記気温に基づく消費電力量の算出は、例えば、以下のようにして実施できる。具体例として、相対的に低温(例えば、10℃以下、5℃以下、又は0℃以下)又は相対的に高温(例えば、27℃以上、30℃以上、35℃以上、40℃以上)の環境においては、バッテリー部15の電力効率が低下する。このため、このような気温条件の場合には、稼働時間決定部19は、相対的に前記(1)の消費電力量を多く見積もってもよい。具体的には、稼働時間決定部19は、例えば、前記算出した値に対し、任意の割合を加算できる。前記任意の割合は、特に制限されず、例えば、バッテリー部15の電力量の総量を100%として、3%、5%、10%、15%等が設定できる。
【0062】
また、前記待機箇所から前記対象装置の位置への初回の移動時は、前記対象装置の探索に時間を要することが想定されるため、稼働時間決定部19は、前記(1)の消費電力量を、相対的に多く見積もってもよい。具体的には、例えば、稼働時間決定部19は、初回の移動時の前記(1)の消費電力量の算出時に、前記算出した前記(1)の消費電力量の値に対し、任意の割合を加算できる。前記任意の割合は、特に制限されず、例えば、バッテリー部15の電力量の総量を100%として、3%、5%、10%、15%等が設定できる。
【0063】
稼働時間決定部19は、前記(2)の電力量として、例えば、バッテリー部15に蓄えられた電力量の総量に対し、任意の割合を割り振ってもよいし、データ取得工程において消費される電力量を算出した値を割り振ってもよい。前者の場合、稼働時間決定部19は、前記(2)の電力量として、バッテリー部15の電力量の総量を100%として、例えば、稼働時間30分あたりの消費電力量を、10%と設定できる。後者の場合、稼働時間決定部19は、前記(2)の電力量として、例えば、前記データの取得中におけるデータ取得装置10Aの待機中に消費される電力量;データ取得部16による無線通信により消費する電力量;等に基づいて消費電力量を算出した値を割り振ってもよい。また、データ取得工程と並行して、無線電力供給工程及び記憶工程を実施する場合、記憶部17にデータを記憶する際に消費する電力量を考慮してもよい。また、前記(1)の電力量と同様に、天気等の天候情報;気温;等に基づいて、消費電力量を計算してもよい。
【0064】
稼働時間決定部19は、前記(3)の電力量として、例えば、バッテリー部15に蓄えられた電力量の総量に対し、任意の割合を割り振ってもよいし、無線電力供給工程において前記対象装置への電力の供給により消費する電力量を算出した値を割り振ってもよい。前者の場合、稼働時間決定部19は、前記(3)の電力量として、バッテリー部15の電力量の総量を100%として、例えば、稼働時間30分あたりの消費電力量を、70%と設定できる。後者の場合、稼働時間決定部19は、前記(3)の電力量として、例えば、前記対象装置が、記憶部内のデータを読み出し、データ取得装置10Aに送信する処理に必要な電力量に基づいて、消費する電力量を決定できる。また、前記(1)の電力量と同様に、天気等の天候情報;気温;等に基づいて、消費電力量を計算してもよい。
【0065】
無線通信によるデータの転送速度は、環境により大きく変化する。このため、無線電力供給工程、及びデータ取得工程において必要な電力量は、当初の想定を大きく超える場合がある。このため、稼働時間決定部19は、例えば、データ取得工程で取得するデータの大きさ、又は、無線電力供給工程(及びデータ取得工程)を実施する時間に上限を設定してもよい。この場合、本実施形態のデータ取得装置10Aは、取得したデータの大きさ又は各工程を実施した時間のいずれかが、設定した上限に達した場合、処理を打ち切り、第2の操縦制御工程に移行してもよい。このような処理によれば、例えば、データ取得装置10Aが、前記予め指定された場所へ帰還する前に、バッテリー切れを起こすことを抑制できる。
【0066】
つぎに、実施形態1のデータ取得方法におけるS12~S17と同様にして、S12~S17を実施する。
【0067】
本実施形態のデータ取得装置10Aによれば、データ取得装置10Aのバッテリー部15に蓄えられた電力量に関するパラメータに基づき、データ取得装置の稼働時間を決定するため、例えば、バッテリー部15に蓄えられた電力を効率的に使用して、前記対象装置のデータを取得できる。このため、本実施形態のデータ取得装置10Aによれば、例えば、被災した対象装置内のデータを、より効率的に復旧できる。
【0068】
[実施形態3]
図6は、本実施形態のデータ復旧システム装置の一例の構成を示す模式図である。図6に示すように、本実施形態のデータ復旧システム装置100は、データ取得装置10、ストレージ装置(対象装置)20、及び通信基地局30を含む。データ取得装置10と、通信基地局30とは、それぞれ、通信回線網(図示せず)により、互いに通信可能である。前記通信回線網は、例えば、前述と同様である。また、ストレージ装置20は、前記通信回線網(図示せず)により、データ取得装置10と通信可能であってもよい。ストレージ装置20は、前記実施形態1及び2における対象装置であり、例えば、被災地であるメインサイトにおけるストレージ装置である。本実施形態のデータ復旧システム装置100は、例えば、災害復旧システム、災害復旧システム装置ともいう。図6において、白抜き矢印は、電力の流れの一例を意味し、黒色矢印は、情報(データ)の流れの一例を示す。
【0069】
図7は、システム装置100におけるストレージ装置20の一例の構成を示す模式図である。図7に示すように、ストレージ装置20は、災害発生検知部21、切替部22、位置情報送信部23、無線電力取得部24、データ読み出し部25、記憶部26、及び、データ送信部27を含む。位置情報送信部23は、バッテリー部231を含む。バッテリー部231は、例えば、長時間稼働可能な小容量のバッテリーである。また、図示していないが、ストレージ装置20は、例えば、耐災害性を有する筐体、及びバッテリーを含んでもよい。前記耐災害性とは、前記災害に耐えうる性質(例えば、耐水性、耐衝撃性等)を備えることをいう。ストレージ装置20は、前記筐体の内部に、災害発生検知部21、切替部22、位置情報送信部23、無線電力取得部24、データ読み出し部25、記憶部26、及び、データ送信部27を含む。ストレージ装置20は、例えば、前記実施形態1及び2の対象装置(被災ストレージ装置)であり、本実施形態において、「ストレージ装置」との記載は、例えば、「対象装置」と読み替え可能である。
【0070】
図8に、ストレージ装置20のハードウェア構成のブロック図を例示する。ストレージ装置20は、例えば、中央演算装置(CPU、GPU等)201、メモリ202、バス203、入力装置204、表示装置205、通信デバイス206、記憶部26、バッテリー部231を含む位置情報送信部23等を有する。ストレージ装置20のハードウェア構成の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス203を介して相互に接続されている。
【0071】
中央演算装置(中央処理装置)201は、ストレージ装置20の全体の制御を担う。ストレージ装置20において、中央演算装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央演算装置201が、災害発生検知部21、切替部22、無線電力取得部24、データ読み出し部25、及び、データ送信部27として機能する。
【0072】
バス203は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部データベース、プリンター、並びに本発明のデータ取得装置及び通信基地局等があげられる。ストレージ装置20は、例えば、バス203に接続された通信デバイス206により、前記通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、外部装置と接続することもできる。
【0073】
メモリ202は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央演算装置201が処理を行う際には、例えば、後述する記憶部26に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ202が読み込み、中央演算装置201は、メモリ202からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ202は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0074】
記憶部26は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶部26には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶部26は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶部26は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0075】
ストレージ装置20において、メモリ202及び記憶部26は、管理者からのアクセス情報及びログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0076】
ストレージ装置20は、例えば、さらに、入力装置204、表示装置205を有してもよい。入力装置204は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置205は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等があげられる。
【0077】
ストレージ装置20が前記バッテリーを有する場合、前記バッテリーは、外部の給電装置から電力を供給され、ストレージ装置20において電力を必要とする各部に電力を供給する。また、前記バッテリーは、例えば、外部の給電装置から電力を供給されることにより、充電される。これにより、前記バッテリーは、外部の給電装置からの電力供給がない状態でも、一定期間の間、各部に電力を供給可能である。なお、前記バッテリーは、非接触型の電力伝送方式により外部の給電装置から電力を供給されるものであってもよい。非接触型の電力伝送方式は、例えば、前述と同様である。
【0078】
図9は、システム装置100における通信基地局30の一例の構成を示す模式図である。図9に示すように、通信基地局30は、データ取得部31及びデータ復旧部32を含み、任意の構成として、例えば、管理部33及び/又は指示情報送信部34を含む。通信基地局30は、例えば、前記実施形態1及び2の通信基地局である。
【0079】
図10に、通信基地局30のハードウェア構成のブロック図を例示する。通信基地局30は、例えば、中央演算装置(CPU、GPU等)301、メモリ302、バス303、入力装置304、表示装置305、通信デバイス306、及び記憶装置307等を有する。通信基地局30のハードウェア構成の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス303を介して相互に接続されている。
【0080】
中央演算装置(中央処理装置)301は、通信基地局30の全体の制御を担う。通信基地局30において、中央演算装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央演算装置301が、データ取得部31及びデータ復旧部32として機能し、通信基地局30が、例えば、管理部33及び/又は指示情報送信部34を含む場合、さらに、管理部33及び/又は指示情報送信部34として機能する。
【0081】
バス303は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部データベース、プリンター、並びに本発明のデータ取得装置及び通信基地局等があげられる。通信基地局30は、例えば、バス303に接続された通信デバイス306により、前記通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、外部装置と接続することもできる。
【0082】
メモリ302は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央演算装置301が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置307に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ302が読み込み、中央演算装置301は、メモリ302からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ302は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0083】
記憶装置307は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置307には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置307は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、前述の例示と同様である。
【0084】
通信基地局30において、メモリ302及び記憶装置307は、管理者からのアクセス情報及びログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0085】
通信基地局30は、例えば、さらに、入力装置304、表示装置305を有してもよい。入力装置304は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置305は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等があげられる。
【0086】
つぎに、本実施形態のデータ復旧方法の一例を、図11のフローチャートを用いて説明する。本実施形態のデータ復旧方法は、例えば、図6のデータ復旧システム装置100を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態のデータ復旧方法は、図6のデータ復旧システム装置100の使用には限定されない。図11において、左側のフローチャートは、対象装置20(ストレージ装置20)の処理の一例を示し、中央のフローチャートは、データ取得装置10の処理の一例を示し、右側のフローチャートは、通信基地局30の処理の一例を示す。なお、以下の説明においては、通信基地局30が、管理部33及び指示情報送信部34を有する形態を例に挙げて説明するが、前述のように、通信基地局30において、管理部33及び指示情報送信部34は、任意の構成であり、本発明はこれには制限されない。
【0087】
まず、ストレージ装置20の災害発生検知部21により、災害の発生を検知する(S21、災害発生検知工程)。前記災害発生の検知は、例えば、ストレージ装置20が、前記通信回線網を介して、災害発生情報(例えば、緊急地震速報、津波注意報等)を取得することで検知してもよいし、災害発生検知部21により、地震の発生、火災の発生等を検知してもよい。後者の場合、災害発生検知部21として、例えば、震度計、火災検知器等の公知のセンサが使用できる。災害発生検知部21による処理は、これらの例示には限定されず、例えば、災害発生検知部21は、通常の電源オフ手段によらないストレージ装置20の電源の遮断を検知することで、災害の発生を検知してもよい。この場合、災害発生検知部21として、例えば、公知の電源遮断検知機が使用できる。
【0088】
前記災害の発生が検知された場合、ストレージ装置20は、切替部22を用いて、ストレージ装置20を平常時モードから非常時モードに切り替える(S22、切替工程)。前記平常時モードにおいては、ストレージ装置20の位置情報送信部23、データ読み出し部25、及びデータ送信部27は、その機能を停止している。他方、災害の発生が検知され、前記非常時モードに切り替わると、ストレージ装置20の位置情報送信部23、データ読み出し部25、及びデータ送信部27が起動され、データの読み出し及び送信を待機する。
【0089】
そして、ストレージ装置20が非常時モードに切り替わると、位置情報送信部23は、バッテリー部231に蓄えられている電力を使用して、ストレージ装置20の位置情報を外部装置に送信する(S23、位置情報送信工程)。前記外部装置は、特に制限されず、例えば、データ取得装置10でもよいし、通信基地局30でもよいし、これらの装置と通信可能な外部機器でもよい。前記外部機器は、例えば、前述のとおりである。
【0090】
つぎに、データ取得装置10が、前記実施形態1のS11~S13と同様にして、S11~S13を実施する。
【0091】
そして、ストレージ装置20は、無線電力取得部24を用いて、非接触型の電力伝送方式により、外部(データ取得装置10)から、電力を取得する(S24、無線電力取得工程)。前記非接触型の電力伝送方式は、例えば、前述の通りである。
【0092】
つぎに、ストレージ装置20は、無線電力取得部24により取得した電力を使用して、データ読み出し部25により、記憶部26内におけるディスク毎にデータの読み出しを行う(S25、データ読み出し工程)。無線電力取得部24により取得した電力は、データ読み出し部25に直接供給されてもよいし、ストレージ装置20が前記バッテリーを有し、かつ、被災によりバッテリーが故障していない場合、無線電力取得部24は、取得した電力を一時的に前記バッテリーに蓄え、前記バッテリーからデータ読み出し部24に電力を供給してもよい。
【0093】
つぎに、ストレージ装置20は、無線電力取得部24により取得した電力を使用して、データ送信部27を用いて、無線通信により、前記読みだしたデータを、データ取得装置10に送信する(S26、データ送信工程)。無線電力取得部24により取得した電力は、データ送信部27に直接供給されてもよいし、ストレージ装置20が前記バッテリーを有し、かつ、被災によりバッテリーが故障していない場合、無線電力取得部24は、取得した電力を一時的に前記バッテリーに蓄え、前記バッテリーからデータ送信部27に電力を供給してもよい。前記無線通信は、例えば、前述の通りである。
【0094】
つぎに、通信基地局30が、指示情報送信部34により、データ取得装置10のS14に先立ち、データの取得に関する指示情報を、データ取得装置10に送信する(S31、指示情報送信工程)。前記指示情報は、前述のとおりである。
【0095】
そして、データ取得装置10のデータ取得部16は、前記指示情報を取得し、前記指示情報に従って、ストレージ装置20からデータを取得(S14、データ取得工程)する。
【0096】
つぎに、データ取得装置10の記憶部17は、取得したデータに加え、取得したデータが格納されていたディスクに関するディスク情報を記憶する(S15、記憶工程)。前記ディスク情報は、例えば、前記ディスクの識別情報と、アドレス(データ保存領域)とを特定する情報を含む。
【0097】
つぎに、S16において、データ取得装置10を予め指定された場所に移動させる(S16、第2の操縦制御工程)。この際、例えば、データ取得装置10は、次回のデータ取得に備えて、バッテリー部15の電力を充電する。
【0098】
つぎに、データ取得装置10のデータ送信部18は、例えば、前記データと、前記ディスク情報とを、前記基地局に送信する(S17、データ送信工程)。この際、例えば、ストレージ装置20の識別情報をあわせて送信する。
【0099】
そして、通信基地局30が、データ取得部31により、データ取得装置10がストレージ装置20の記憶部26から取得したデータを取得する(S32、データ取得工程)。前記データの取得は、通信基地局30と、データ取得装置10とを、有線により接続して取得してもよいし、無線通信により取得してもよい。
【0100】
つぎに、通信基地局30は、データ復旧部32を用いて、取得した前記データに基づき、ストレージ装置20の記憶部26が記憶していたデータの再構成を行う(S33、データ復旧工程)。
【0101】
そして、通信基地局30は、管理部33により、ストレージ装置20に関するストレージ装置情報に基づいて、データの復旧に関する進捗状況を管理し(S34、管理工程)、処理を終了する(END)。前記ストレージ装置情報は、例えば、データ取得装置10がデータを取得したストレージ装置20の識別情報、データが格納されていたディスクの識別情報、ディスク内において、データが格納されていたアドレス、データのサイズ等の情報を含む。
【0102】
また、本実施形態のデータ復旧方法は、例えば、前記管理工程において、ストレージ装置20のデータ復旧が完了した、すなわち、ストレージ装置20に記憶されていたすべてのデータの復旧が完了したと判断されるまで、S12、S13、S24~S26、S31、S14~S17、S32~S34を繰り返し実施してもよい。
【0103】
本実施形態においては、データ取得装置10が、ストレージ装置20の位置情報を直接取得する形態を例に挙げて説明したが、本発明のデータ復旧方法は、これには制限されない。本発明のデータ復旧方法において、例えば、ストレージ装置20は、通信基地局30にストレージ装置20の位置情報を発信してもよい。この場合、通信基地局30は、例えば、データ取得装置10に対し、ストレージ装置20の位置までの移動指示情報を送信し、データ取得装置10は、前記移動指示情報に従い、ストレージ装置20の位置まで移動してもよい。また、この場合、通信基地局30は、前記移動指示情報に加えて、前記データの取得に関する指示情報をデータ取得装置10に送信してもよい。
【0104】
本実施形態のデータ復旧システム装置100によれば、データ取得装置10により、非接触型の電力伝送方式により、被災したストレージ装置20に電力を供給し、無線通信によりストレージ装置20の記憶部内のデータを取得できるため、災害等により、ストレージ装置20の電力供給が途絶えている場合であっても、容易にストレージ装置20内の情報を取得できる。被災地は、例えば、交通手段や通信手段等のインフラ設備が被害を受けている場合や、被災した対象装置が存在する場所まで近づくことができない場合が多い。そのような場合であっても、データ取得装置10は、被災地に容易に向かうことができ、データを取得することができる。さらに、作業員が被災地に行く必要もないため、作業員の安全性が確保される。したがって、本実施形態のデータ復旧システム装置100によれば、例えば、被災した対象装置内のデータを容易に復旧できる。
【0105】
[実施形態4]
本実施形態のプログラムは、前記各実施形態の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。本実施形態のプログラムは、前記本発明のデータ取得装置、ストレージ装置、基地局、データ復旧システム装置、データ取得方法、データ送信方法、データ復旧方法における記載を援用できる。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。
【0106】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0107】
<付記>
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
位置情報取得部、操縦制御部、移動部、無線電力供給部、バッテリー部、データ取得部、記憶部、及びデータ送信部を含み、
前記位置情報取得部は、対象装置の位置を示す位置情報を取得し、
前記操縦制御部は、前記移動部の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置に移動させ、
前記無線電力供給部は、非接触型の電力伝送方式により、前記バッテリー部に蓄えている電力を前記対象装置に供給し、
前記データ取得部は、無線通信により、前記対象装置の備える記憶部内のデータを取得し、
前記記憶部は、前記取得したデータを記憶し、
前記操縦制御部は、前記移動部の操縦を制御して、予め指定された場所に移動させ、
前記データ送信部は、通信基地局に前記データを送信する、移動可能なデータ取得装置。
(付記2)
さらに、稼働時間決定部を含み、
前記稼働時間決定部は、前記データ取得装置のバッテリー部に蓄えられた電力量に関するパラメータに基づき、稼働時間を決定する、付記1記載のデータ取得装置。
(付記3)
前記パラメータが、下記(1)~(3)の少なくとも一つを含む、付記2記載のデータ取得装置:
(1)前記位置情報が示す位置への移動、及び前記位置情報が示す位置から前記予め指定された場所までの移動で消費する電力量;
(2)前記データ取得部による前記データの取得処理中に消費する電力量;
(3)前記無線電力供給部による前記対象装置への電力の供給により消費する電力量。
(付記4)
前記データ取得部は、さらに、前記通信基地局から指示情報を取得し、前記指示情報に従い、前記データを取得し、
前記記憶部は、さらに、前記取得したデータが格納されていたディスクに関するディスク情報を記憶し、
前記データ送信部は、さらに、前記通信基地局に前記ディスク情報を送信する、付記1から3のいずれかに記載のデータ取得装置。
(付記5)
前記位置情報取得部は、さらに、前記対象装置が発信する、前記対象装置の位置情報を含む発信信号を取得し、
前記操縦制御部は、前記発信信号に含まれる位置情報に基づき、前記移動部の操縦を制御して、前記発信信号に含まれる位置情報が示す位置に移動させる、付記1から4のいずれかに記載のデータ取得装置。
(付記6)
前記操縦制御部は、前記移動部の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置と、前記予め指定された場所とを往復させ、
前記無線電力供給部による前記電力の供給と、前記データ取得部による前記データの取得と、前記記憶部による前記データの記憶と、前記データ送信部による前記データの送信とを繰り返し実行する、付記1から5のいずれかに記載のデータ取得装置。
(付記7)
飛行型ドローンである、付記1から6のいずれかに記載のデータ取得装置。
(付記8)
災害発生検知部、切替部、位置情報送信部、無線電力取得部、データ読み出し部、記憶部、及びデータ送信部を含み、
前記災害発生検知部は、災害の発生を検知し、
前記切替部は、前記災害の発生が検知された場合に、平常時モードを非常時モードに切替え、
前記非常時モードにおいて、
前記位置情報送信部は、バッテリー部を備え、前記バッテリー部に蓄えられている電力を使用して、位置情報を外部装置に送信し、
前記無線電力取得部は、非接触型の電力伝送方式により、外部から電力を取得し、
前記データ読み出し部は、前記取得した電力を使用して、前記記憶部内におけるディスク毎のデータの読み出しを行い、
前記データ送信部は、無線通信により、前記読み出したデータをデータ取得装置に送信する、ストレージ装置。
(付記9)
前記データ取得装置が、付記1から6のいずれかに記載のデータ取得装置である、付記8記載のストレージ装置。
(付記10)
前記無線電力取得部は、前記データ取得装置の前記無線電力供給部から電力を取得する、付記9記載のストレージ装置。
(付記11)
前記位置情報送信部は、前記位置情報を発信信号として前記データ取得装置に送信する、付記8から10のいずれかに記載のストレージ装置。
(付記12)
データ取得部、及びデータ復旧部を含み、
前記データ取得部は、データ取得装置が、対象装置の記憶部から取得したデータを取得し、
前記データ復旧部は、前記データに基づき、前記対象装置の記憶部が記憶していたデータの再構成を行うことでデータの復旧を実行する、通信基地局。
(付記13)
さらに、管理部を含み、
前記管理部は、前記対象装置に関する対象装置情報に基づいて、前記データの復旧に関する進捗状況を管理する、付記12記載の通信基地局。
(付記14)
さらに、指示情報送信部を含み、
前記指示情報送信部は、前記データの取得に関する指示情報を前記データ取得装置に送信する、付記12又は13記載の通信基地局。
(付記15)
前記指示情報送信部は、複数の前記データ取得装置に対して、前記指示情報を送信し、
前記指示情報は、前記データ取得装置毎に、前記対象装置の記憶部の異なる領域に格納されたデータを取得するように指示する情報を含む、付記14記載の通信基地局。
(付記16)
前記データ取得装置が、付記1から7のいずれかに記載のデータ取得装置である、付記12から15のいずれかに記載の通信基地局。
(付記17)
前記対象装置が、付記8から11のいずれかに記載のストレージ装置である、付記12から16のいずれかに記載の通信基地局。
(付記18)
付記1から7のいずれかに記載の移動可能なデータ取得装置と、付記8から11のいずれかに記載のストレージ装置と、付記12から17のいずれかに記載の通信基地局とを含み、
前記データ取得装置と前記ストレージ装置とは、無線通信により接続可能であり、
前記データ取得装置と前記通信基地局とは、通信回線網を介して接続可能であり、
前記データ取得装置及び前記通信基地局における前記対象装置が前記ストレージ装置である、データ復旧システム装置。
(付記19)
データ取得装置を使用し、
位置情報取得工程、操縦制御工程、無線電力供給工程、データ取得工程、記憶工程、及びデータ送信工程を含み、
前記位置情報取得工程は、対象装置の位置を示す位置情報を取得し、
前記操縦制御工程は、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置に移動させ、
前記無線電力供給工程は、非接触型の電力伝送方式により、前記データ取得装置の備えるバッテリー部に蓄えられた電力を、前記対象装置に供給し、
前記データ取得工程は、無線通信により、前記対象装置の備える記憶部内のデータを取得し、
前記記憶工程は、前記取得したデータを記憶し、
前記操縦制御工程は、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記データ取得装置を予め指定された場所に移動させ、
前記データ送信工程は、通信基地局に前記データを送信する、データ取得方法。
(付記20)
さらに、稼働時間決定工程を含み、
前記稼働時間決定工程は、前記データ取得装置のバッテリー部に蓄えられた電力量に関するパラメータに基づき、稼働時間を決定する、付記19記載のデータ取得方法。
(付記21)
前記パラメータが、下記(1)~(3)の少なくとも一つを含む、付記20記載のデータ取得方法:
(1)前記位置情報が示す位置への移動、及び前記位置情報が示す位置から前記予め指定された場所までの移動で消費する電力量;
(2)前記データ取得工程による前記データの取得処理中に消費する電力量;
(3)前記無線電力供給工程による前記対象装置への電力の供給により消費する電力量。
(付記22)
前記データ取得工程は、さらに、前記通信基地局から指示情報を取得し、前記指示情報に従い、前記データを取得し、
前記記憶工程は、さらに、前記取得したデータが格納されていたディスクに関するディスク情報を記憶し、
前記データ送信工程は、さらに、前記通信基地局に前記ディスク情報を送信する、付記19から21のいずれかに記載のデータ取得方法。
(付記23)
前記位置情報取得工程は、さらに、前記対象装置が発信する、前記対象装置の位置情報を含む発信信号を取得し、
前記操縦制御工程は、前記発信信号に含まれる位置情報に基づき、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記発信信号に含まれる位置情報が示す位置に移動させる、付記19から22のいずれかに記載のデータ取得方法。
(付記24)
前記操縦制御工程は、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置と、前記予め指定された場所とを往復させ、
前記無線電力供給工程による前記電力の供給と、前記データ取得工程による前記データの取得と、前記記憶工程による前記データの記憶と、前記データ送信工程による前記データの送信とを繰り返し実行する、付記19から23のいずれかに記載のデータ取得方法。
(付記25)
前記データ取得装置が、付記1から7のいずれかに記載のデータ取得装置である、付記19から24のいずれかに記載のデータ取得方法。
(付記26)
記憶部を有するストレージ装置を使用し、
災害発生検知工程、切替工程、位置情報送信工程、無線電力取得工程、データ読み出し工程、及びデータ送信工程を含み、
前記災害発生検知工程は、災害の発生を検知し、
前記切替工程は、前記災害の発生が検知された場合に、平常時モードを非常時モードに切替え、
前記非常時モードにおいて、
前記位置情報送信工程は、位置情報を外部装置に送信し、
前記無線電力取得工程は、非接触型の電力伝送方式により、外部から電力を取得し、
前記データ読み出し工程は、前記取得した電力を使用して、前記記憶部内におけるディスク毎のデータの読み出しを行い、
前記データ送信工程は、無線通信により、前記読み出したデータをデータ取得装置に送信する、データ送信方法。
(付記27)
前記無線電力取得工程は、前記データ取得装置の無線電力供給部から電力を取得する、付記26記載のデータ送信方法。
(付記28)
前記位置情報送信工程は、前記位置情報を発信信号として前記データ取得装置に送信する、付記26又は27記載のデータ送信方法。
(付記29)
前記ストレージ装置が、付記8から11のいずれかに記載のストレージ装置である、付記26から28のいずれかに記載のデータ送信方法。
(付記30)
前記データ取得装置が、付記1から7のいずれかに記載のデータ取得装置である、付記26から29のいずれかに記載のデータ送信方法。
(付記31)
データ取得工程、及びデータ復旧工程を含み、
前記データ取得工程は、データ取得装置が、対象装置の記憶部から取得したデータを取得し、
前記データ復旧工程は、前記データに基づき、前記対象装置の記憶部が記憶していたデータの再構成を行うことでデータの復旧を実行する、データ復旧方法。
(付記32)
さらに、管理工程を含み、
前記管理工程は、前記対象装置に関する対象装置情報に基づいて、前記データの復旧に関する進捗状況を管理する、付記31記載のデータ復旧方法。
(付記33)
さらに、指示情報送信工程を含み、
前記指示情報送信工程は、前記データの取得に関する指示情報を前記データ取得装置に送信する、付記31又は32記載のデータ復旧方法。
(付記34)
前記指示情報送信工程は、複数の前記データ取得装置に対して、前記指示情報を送信し、
前記指示情報は、前記データ取得装置毎に、前記対象装置の記憶部の異なる領域に格納されたデータを取得するように指示する情報を含む、付記33記載のデータ復旧方法。
(付記35)
前記データ取得装置が、付記1から7のいずれかに記載のデータ取得装置である、付記31から34のいずれかに記載のデータ復旧方法。
(付記36)
前記対象装置が、付記8から11のいずれかに記載のストレージ装置である、付記31から35のいずれかに記載のデータ復旧方法。
(付記37)
コンピュータに、付記19から25のいずれかに記載のデータ取得方法の各工程、
付記26から30のいずれかに記載のデータ送信方法の各工程、又は
付記31から36のいずれかに記載のデータ復旧方法の各工程を実行させるためのプログラム。
(付記38)
コンピュータに、位置情報取得手順、操縦制御手順、無線電力供給手順、データ取得手順、記憶手順、及びデータ送信手順を実行させるためのプログラムであって、
前記位置情報取得手順は、対象装置の位置を示す位置情報を取得し、
前記操縦制御手順は、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置に移動させ、
前記無線電力供給手順は、非接触型の電力伝送方式により、データ取得装置の備えるバッテリー部に蓄えられた電力を、前記対象装置の備えるバッテリー部に供給し、
前記データ取得手順は、無線通信により、前記対象装置の備える記憶部内のデータを取得し、
前記記憶手順は、前記取得したデータを記憶し、
前記操縦制御手順は、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記データ取得装置を予め指定された場所に移動させ、
前記データ送信手順は、通信基地局に前記データを送信する、プログラム。
(付記39)
さらに、稼働時間決定手順を含み、
前記稼働時間決定手順は、前記データ取得装置のバッテリー部に蓄えられた電力量に関するパラメータに基づき、稼働時間を決定する、付記38記載のプログラム。
(付記40)
前記パラメータが、下記(1)~(3)の少なくとも一つを含む、付記39記載のプログラム:
(1)前記位置情報が示す位置への移動、及び前記位置情報が示す位置から前記予め指定された場所までの移動で消費する電力量;
(2)前記データ取得手順による前記データの取得処理中に消費する電力量;
(3)前記無線電力供給手順による前記対象装置への電力の供給により消費する電力量。
(付記41)
前記データ取得手順は、さらに、前記通信基地局から指示情報を取得し、前記指示情報に従い、前記データを取得し、
前記記憶手順は、さらに、前記取得したデータが格納されていたディスクに関するディスク情報を記憶し、
前記データ送信手順は、さらに、前記通信基地局に前記ディスク情報を送信する、付記38から40のいずれかに記載のプログラム。
(付記42)
前記位置情報取得手順は、さらに、前記対象装置が発信する、前記対象装置の位置情報を含む発信信号を取得し、
前記操縦制御手順は、前記発信信号に含まれる位置情報に基づき、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記発信信号に含まれる位置情報が示す位置に移動させ、る、付記38から41のいずれかに記載のプログラム。
(付記43)
前記操縦制御手順は、前記データ取得装置の操縦を制御して、前記位置情報が示す位置と、前記予め指定された場所とを往復させ、
前記無線電力供給手順による前記電力の供給と、前記データ取得手順による前記データの取得と、前記記憶手順による前記データの記憶と、前記データ送信手順による前記データの送信とを繰り返し実行する、付記38から43のいずれかに記載のプログラム。
(付記44)
前記データ取得装置が、付記1から7のいずれかに記載のデータ取得装置である、付記38から43のいずれかに記載のプログラム。
(付記45)
コンピュータに、災害発生検知手順、切替手順、位置情報送信手順、無線電力取得手順、データ読み出し手順、及びデータ送信手順を実行させるためのプログラムであって、
前記災害発生検知手順は、災害の発生を検知し、
前記切替手順は、前記災害の発生が検知された場合に、平常時モードを非常時モードに切替え、
前記非常時モードにおいて、
前記位置情報送信手順は、位置情報を外部装置に送信し、
前記無線電力取得手順は、非接触型の電力伝送方式により、外部から電力を取得し、
前記データ読み出し手順は、前記取得した電力を使用して、前記記憶部内におけるディスク毎のデータの読み出しを行い、
前記データ送信手順は、無線通信により、前記読み出したデータをデータ取得装置に送信する、プログラム。
(付記46)
前記無線電力取得手順は、前記データ取得装置の無線電力供給部から電力を取得する、付記45記載のプログラム。
(付記47)
前記位置情報送信手順は、前記位置情報を発信信号として前記データ取得装置に送信する、付記45又は46記載のプログラム。
(付記48)
付記8から11のいずれかに記載のストレージ装置を使用する、付記45から47のいずれかに記載のプログラム。
(付記49)
前記データ取得装置が、付記1から7のいずれかに記載のデータ取得装置である、付記45から48のいずれかに記載のプログラム。
(付記50)
コンピュータに、データ取得手順、及びデータ復旧手順を実行させるためのプログラムであって、
前記データ取得手順は、データ取得装置が、対象装置の記憶部から取得したデータを取得し、
前記データ復旧手順は、前記データに基づき、前記対象装置の記憶部が記憶していたデータの再構成を行うことでデータの復旧を実行する、プログラム。
(付記51)
さらに、管理手順を含み、
前記管理手順は、前記対象装置に関する対象装置情報に基づいて、前記データの復旧に関する進捗状況を管理する、付記50記載のプログラム。
(付記52)
さらに、指示情報送信手順を含み、
前記指示情報送信手順は、前記データの取得に関する指示情報を前記データ取得装置に送信する、付記50又は51記載のプログラム。
(付記53)
前記指示情報送信手順は、複数の前記データ取得装置に対して、前記指示情報を送信し、
前記指示情報は、前記データ取得装置毎に、前記対象装置の記憶部の異なる領域に格納されたデータを取得するように指示する情報を含む、付記52記載のプログラム。
(付記54)
前記データ取得装置が、付記1から7のいずれかに記載のデータ取得装置である、付記50から53のいずれかに記載のプログラム。
(付記55)
前記対象装置が、付記8から11のいずれかに記載のストレージ装置である、付記50から54のいずれかに記載のプログラム。
(付記56)
付記37から55のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明によれば、データの送信に用いる電力を、無線で供給又は取得できるため、データの取得又は送信が可能となる。このため、例えば、災害時等の非常時においても、容易にデータを取得又は送信することができる。したがって、本発明は、災害発生時において、データの復旧を行う場合に、特に有用である。
【符号の説明】
【0109】
10、10A データ取得装置
11 位置情報取得部
12 操縦制御部
13 移動部
14 無線電力供給部
15 バッテリー部
16 データ取得部
17 記憶部
18 データ送信部
19 稼働時間決定部
100 データ復旧システム装置
20 ストレージ装置(対象装置)
21 災害発生検知部
22 切替部
23 位置情報送信部
231 バッテリー部
24 無線電力取得部
25 データ読み出し部
26 記憶部
27 データ送信部
30 通信基地局
31 データ取得部
32 データ復旧部
33 管理部
34 指示情報送信部
101、201、301 中央演算処理装置(CPU)
102、202、302 メモリ
103、203、303 バス
104、204、304 入力装置
105、205、305 表示装置
106、206、306 通信デバイス
307 記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11