IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧 ▶ アイシン精機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-回転電機ロータ 図1
  • 特開-回転電機ロータ 図2
  • 特開-回転電機ロータ 図3
  • 特開-回転電機ロータ 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106083
(43)【公開日】2022-07-19
(54)【発明の名称】回転電機ロータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/28 20060101AFI20220711BHJP
   H02K 1/32 20060101ALI20220711BHJP
   H02K 5/16 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
H02K1/28 Z
H02K1/32 Z
H02K5/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000802
(22)【出願日】2021-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 裕
(72)【発明者】
【氏名】塚本 貴浩
【テーマコード(参考)】
5H601
5H605
【Fターム(参考)】
5H601AA01
5H601AA08
5H601CC01
5H601CC02
5H601CC15
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD18
5H601DD30
5H601EE20
5H601GA02
5H601GA22
5H601GA33
5H601GE02
5H601GE11
5H601JJ05
5H601JJ10
5H601KK12
5H605AA01
5H605BB01
5H605BB05
5H605BB17
5H605CC04
5H605CC05
5H605EB10
(57)【要約】
【課題】ロータシャフトの軸孔に冷媒堰を設ける構造で、質量及びコストの増大を抑制しながら、ロータシャフトへの軸受の組み付け性の悪化を防止できる回転電機ロータを実現することである。
【解決手段】回転電機ロータ20は、軸方向に貫通する軸孔28と、軸孔28から供給された冷媒を外側に導出する冷媒導出孔29とを有するロータシャフト26と、ロータシャフト26の外周面に嵌合されるロータコア21と、ロータシャフト26の外周面に嵌合され、ロータシャフト26のフランジ27との間でロータコア21を軸方向に挟む嵌合部材40とを含む。嵌合部材40は、ロータシャフト26にカシメ結合されたカシメ結合部41を有する。ロータシャフト26のカシメ結合部41と反対側の軸受端30内周には、冷媒を堰き止める円筒状の冷媒堰31が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に突出して形成されたフランジと、軸方向に貫通する軸孔と、外周面と前記軸孔とを連通し前記軸孔から供給された冷媒を外側に導出する冷媒導出孔とを含むロータシャフトと、
前記ロータシャフトの外周面に嵌合され、前記フランジに軸方向一方側端面を突き当てるロータコアと、
前記ロータシャフトの外周面に嵌合され、前記フランジとの間で前記ロータコアを軸方向に挟む嵌合部材と、を備え、
前記嵌合部材は、前記ロータシャフトにカシメ結合され、
前記ロータシャフトの前記カシメ結合された部分と反対側の軸受端内周には、前記冷媒を堰き止める円筒状の冷媒堰が設けられている、
回転電機ロータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機ロータに関し、特にロータシャフトへの軸受の組み付け性の悪化防止に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロータシャフトにロータコアが嵌合固定され、ロータシャフトは、外周面に突出して形成されたフランジと、軸方向に貫通する軸孔と、外周面と軸孔とを連通し軸孔から供給された冷媒を外側に導出する冷媒導出孔とを含む回転電機ロータが記載されている。ロータコアは、ロータシャフトのフランジに突き当てられる。ロータシャフトにおいてロータコアに関してフランジと反対側にはナット(嵌合部材)が嵌合されて結合され、ロータコアをフランジとナットとで挟んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-68622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された構成において、ナットの一部をロータシャフトにカシメ結合して、ロータシャフトからのロータコアの抜け止めを図る場合がある。ロータシャフトにナット等の嵌合部材をカシメ結合する際には、ロータシャフトのフランジ側の軸方向一方側端面を治具に突き当てて、嵌合部材にロータシャフトの内径側に向く荷重を加える。これにより、ロータシャフトの軸方向一方側端部外周面が、外径が大きくなるように変形する可能性がある。この軸方向一方側端部は、ロータシャフトをケースに支持するための軸受が嵌合される軸受端として使用されることが多い。これにより、この部分が変形することはロータシャフトへの軸受の組み付け性が悪化する原因となる。
【0005】
一方、ロータシャフトの軸孔において、ロータコアの軸方向端の近くに、径方向の厚みを増大させる部分を設けることにより、その後で嵌合部材にカシメ結合のための荷重が加わった場合でも、軸受端の外周面が変形するのを防止することが考えられる。しかしながら、その場合には、回転電機ロータの質量及びコストが増大する。
【0006】
本発明の目的は、ロータシャフトの軸孔に冷媒堰を設けると共に、この冷媒堰によりロータシャフトの強度を増加させ、質量及びコストの増大を抑制しながら、ロータシャフトへの軸受の組み付け性の悪化を防止できる回転電機ロータを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る回転電機ロータは、外周面に突出して形成されたフランジと、軸方向に貫通する軸孔と、外周面と前記軸孔とを連通し前記軸孔から供給された冷媒を外側に導出する冷媒導出孔とを含むロータシャフトと、前記ロータシャフトの外周面に嵌合され、前記フランジに軸方向一方側端面を突き当てるロータコアと、前記ロータシャフトの外周面に嵌合され、前記フランジとの間で前記ロータコアを軸方向に挟む嵌合部材と、を備える。前記嵌合部材は、前記ロータシャフトにカシメ結合され、前記ロータシャフトの前記カシメ結合された部分と反対側の軸受端内周には、前記冷媒を堰き止める円筒状の冷媒堰が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る回転電機ロータによれば、カシメ結合によって、ロータシャフトからのロータコアの抜け止めを図れる。さらに、ロータシャフトのカシメ結合された部分と反対側の軸受端内周に円筒状の冷媒堰が設けられることにより、軸受端内周に冷媒堰がない構造に比べて、軸受端の径方向の厚みを大きくできる。これにより、軸受端の剛性を高くできるので、ロータシャフトに嵌合部材をカシメ結合する際において、軸受端に軸方向に圧縮する方向の力が加わっても外径が拡大するように変形することを防止できる。このため、ロータシャフトへの軸受の組み付け性を高くできる。さらに、ロータシャフトに他の肉厚部分を設ける必要がない。これにより、ロータシャフトの軸孔に冷媒堰を設ける構造で、回転電機ロータの質量及びコストの増大を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の回転電機ロータの使用状態を示す断面図である。
図2】回転電機ロータの上半分の拡大断面図である。
図3】実施形態の回転電機ロータにおいて、嵌合部材に荷重を加えてロータシャフトに嵌合部材をカシメ結合する状態を示す断面図である。
図4】比較例の回転電機ロータにおいて、図3に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施形態の回転電機ロータを説明する。以下で説明する形状、個数、材料等は、説明のための例示であって、回転電機ロータの仕様により適宜変更することができる。
【0011】
図1は、実施形態の回転電機ロータ20の使用状態を示す断面図である。図1に示すように、回転電機ロータ20は、使用時にケース11の内側に回転可能に支持されて回転電機10を形成する。
【0012】
回転電機10は、例えば電気自動車や、エンジン及びモータを車両の駆動源として搭載するハイブリッド車両や、燃料電池車の走行用のモータとして使用される。回転電機10は、発電機として、またはモータ及び発電機の両方の機能を有するモータジェネレータとして使用されてもよい。
【0013】
回転電機10は、ケース11の内側に、2つの軸受12,13を介して回転可能に支持された回転電機ロータ20と、回転電機ロータ20の外径側にエアギャップを介して対向配置されたステータ(図示せず)とを含んで形成される。ステータは、ケース11の内周面に固定される。以下では、回転電機ロータ20は、ロータ20と記載する。
【0014】
このような回転電機10は、いわゆる軸心冷却構造で、冷媒である冷却油により、ロータ20とステータとが冷却される。
【0015】
ステータは、磁性材により筒状に形成されるステータコアの内周面に複数のティースが突出して形成され、複数のティースに、複数相(例えば3相の)のステータコイルが巻回される。複数相のステータコイルは、集中巻きまたは分布巻きでステータコアに巻装される。
【0016】
図2は、ロータ20の上半分の拡大断面図である。ロータ20は、回転可能なロータシャフト26と、複数の電磁鋼板の積層体等の磁性材により形成されロータシャフト26の外周面に嵌合された略円筒状のロータコア21と、ロータコア21の内部の周方向複数位置に軸方向に埋め込まれた永久磁石24とを含む。永久磁石24は、ロータ周方向に沿って配置され、その着磁方向はロータ径方向に向く。また、複数の永久磁石24の着磁方向は、隣り合う永久磁石で逆になる。
【0017】
さらにロータコア21には、冷却油を内周面の周方向複数位置から内部に導いて径方向外側に流した後、軸方向両端に流して軸方向両端から噴出させるコア側冷媒導出孔22が形成される。
【0018】
なお、ロータコア21に設けられる永久磁石として、周方向に隣り合う2つの永久磁石を1組として、各組で、2つの永久磁石がV字形に径方向外側に広がるように配置されてもよい。このとき、各永久磁石は、ロータ径方向に対し傾斜する方向に着磁される。そして、複数組の永久磁石の着磁方向は、隣り合う組で逆になる。
【0019】
ロータコア21は、ロータシャフト26の中間部外周面に嵌合される。そして、ロータコア21は、ロータシャフト26の外周面に突出して形成された後述のフランジ27と、ロータシャフト26の外周面に嵌合された嵌合部材40とで、軸方向に挟まれて固定される。
【0020】
嵌合部材40は、例えばナットであり、ロータシャフト26の外周面の軸方向右側に形成された雄ネジ26aにネジ結合される。嵌合部材40は、ワッシャ54を介してロータコア21の軸方向一方側端面をフランジ27に突き当てる。これにより、ロータコア21が、フランジ27と嵌合部材40及びワッシャ54とで軸方向に挟まれる。また、嵌合部材40は、軸方向左端面の内周部から突出する筒部42を有し、その筒部42が内径側にカシメられることにより、ロータシャフト26の外周面にカシメ結合されたカシメ結合部41を有する。
【0021】
なお、嵌合部材40は、内周面をネジでなく円筒面の筒状部材とし、ロータシャフト26のこれもネジでない円筒状外周面に嵌合させることもできる。このときも、嵌合部材40の軸方向他端面の内周部から突出する筒部を径方向内側にカシメて、ロータシャフト26にカシメ結合することができる。
【0022】
本発明において特徴的なことは、ロータシャフト26のカシメ結合する部分と反対側の軸受端30内周に、冷却油を堰き止める円筒状の冷媒堰31が設けられていることである。このため、軸受端30の冷媒堰31の内径d1は、ロータコア21の内径側の直径d2より小さくなっている。
【0023】
冷媒堰31の内径d1は、ロータシャフト26の軸方向右端内側に嵌合される後述のニードル軸受49の外輪50の内径と一致する。これにより、軸孔28に供給された冷却油は、ロータ20の回転時に、遠心力により軸孔28の内周面に押し付けられ、その際、その内周面部分の冷却油は、冷媒堰31と、別の冷媒堰としての外輪50とによって、両端が堰き止められる。図1では砂地部によって軸孔28内周面部分の冷却油を示している。これにより、冷却油が軸側冷媒導出孔29に入り込みやすくなる。
【0024】
さらに、冷媒堰31がロータシャフト26の軸受端30の内周に設けられるので、軸受端30の径方向厚みを大きくできる。これにより、後述のように嵌合部材40をカシメ結合する際に軸受端30に加わる荷重によって軸受端30の外周面が変形することを防止できるので、ロータシャフト26への軸受12の組み付け性の悪化を防止できる。
【0025】
ロータシャフト26は、外周面にフランジ27が突出して形成され、中心部には軸方向に貫通する軸孔28が形成される。さらに、ロータシャフト26の軸方向中間部には、ロータシャフト26の外周面と軸孔28とを連通し軸孔28から供給された冷却油を外側に導出する複数の軸側冷媒導出孔29が設けられている。
【0026】
さらに、ロータシャフト26の軸方向左端には、軸受端30が形成される。軸受端30は、外周面が円筒面であり、使用時にその円筒面に軸受12の内輪が嵌合固定される。ロータシャフト26の軸受端30とフランジ27との間には、ロータシャフト26の回転角検出用のレゾルバ45が嵌合固定される。
【0027】
また、ロータシャフト26の軸方向右端の外周面には雄スプライン溝32が形成される。そして、この雄スプライン溝32に円筒状の動力伝達軸47が嵌合される。動力伝達軸47の内周面には、雄スプライン溝32と係合する雌スプライン溝48が形成される。これにより、ロータシャフト26の軸方向右端には、動力伝達軸47が結合される。動力伝達軸47は、例えば外周面に歯車を形成することにより、回転電機10の動力を、動力伝達軸47の歯車に係合した別の部材に伝達する。
【0028】
さらに、ロータシャフト26の軸方向右端の内周面には、ニードル軸受49を介して冷媒供給管52がロータシャフト26に対し相対回転を可能に挿入される。冷媒供給管52には、ポンプ(図示せず)から、冷媒経路を通じて冷却油が供給される。その冷却油は、冷媒供給管52の出口からロータシャフト26の軸孔28に供給される。
【0029】
なお、本例の構成では、ロータシャフト26の軸方向右端に嵌合したニードル軸受49の外輪50が、カシメ結合部41側の冷媒堰の役目を果たしている。一方、ロータシャフト26の内周面のカシメ結合部41側の一部の内径を小さくすることで、ロータシャフト26に直接にカシメ結合部41側の冷媒堰が形成されてもよい。カシメ結合部41側の冷媒堰は、軸側冷媒導出孔29より軸方向右側に形成されていればよい。
【0030】
図3は、ロータ20において、嵌合部材40に荷重を加えてロータシャフト26に嵌合部材40をカシメ結合する状態を示す断面図である。図3に示すように、ロータシャフト26に嵌合部材40をカシメ結合する場合には、ロータシャフト26の軸受端30を下にした状態でロータシャフト26を立てて、上面が水平面に沿った平坦面61である治具60上に配置する。そして、ロータシャフト26の外周面にロータコア21とワッシャ54と嵌合部材40とを上から順に嵌合して、ロータコア21の下端をフランジ27に押し付ける。そして、嵌合部材40の筒部42に、図4の矢印F1方向であるロータ軸方向に対し傾斜した、ロータシャフト26の内径側に向かう斜め下方向にカシメ治具(図示せず)によって荷重を加えることで、カシメ結合部41を形成する。このとき、矢印F1方向の荷重の下方向(矢印F2方向)の分力によってロータシャフト26の下端が治具60に押し付けられるが、軸受端30の径方向の厚みが大きいので、軸受端30の変形を防止できる。
【0031】
さらに、ロータ20は、軸心冷却によって冷却される。具体的には、図1に示すように、ポンプから吐出された冷却油が、冷媒供給管52を介して、軸孔28に供給される。その冷却油は、軸孔28を流れた後、複数の軸側冷媒導出孔29をロータ径方向外側に流れる。そして、冷却油は、複数の軸側冷媒導出孔29から、ロータコア21のコア側冷媒導出孔22に供給され、コア側冷媒導出孔22を径方向外側に流れた後、ロータコア21の軸方向両端に向かうように分岐して、この軸方向両端から噴出される。これにより、噴出された冷却油は、ロータ回転時の遠心力によって、ロータコア21の径方向外側に向かい、径方向外側に配置されたステータの軸方向両端部に当てられる。このため、ロータ20及びステータが冷却油によって冷却される。なお、ロータ20を冷却する冷媒として、冷却油以外、例えば冷却水等を用いることもできる。
【0032】
上記のロータ20によれば、ロータシャフト26のカシメ結合された部分と反対側の軸受端30内周に円筒状の冷媒堰31が設けられることにより、軸受端30内周に冷媒堰がない構造に比べて、軸受端30の径方向の厚みを大きくできる。これにより、軸受端30の剛性を高くできるので、ロータシャフト26に嵌合部材40をカシメ結合する際において、軸受端30に軸方向に圧縮する方向の力が加わっても外径が拡大するように変形することを防止できる。このため、ロータシャフト26への軸受12の組付け性の悪化を防止できる。さらに、ロータシャフト26において、ロータコア21に関してカシメ結合部41と反対側に、冷媒堰31の他に内径が小さくなる部分を設ける必要がない。これにより、ロータシャフト26の軸孔28に冷媒堰31を設ける構造で、ロータ20の質量及びコストの増大を抑制できる。
【0033】
さらに、ロータシャフト26の軸方向の端に冷媒堰31が設けられるので冷媒堰31の成形性を高くできる。具体的には、冷間鍛造等の鍛造を行う際に、金型の一部をロータシャフト26の素材の端から近い冷媒堰31を形成する部分に配置しやすくなるので、冷媒堰31を形成しやすくなる。これにより、鍛造後の後加工として切削加工で冷媒堰31を形成する必要がないので、ロータ20の製造コストを低減できる。
【0034】
図4は、比較例のロータ20aにおいて、図3に対応する図である。比較例の構成では、軸孔70の内周面において、軸受端72からロータコア21側に離れた部分に、ロータコア21の内径側部分より直径が小さくなった円筒状の冷媒堰74が設けられる。これにより、軸受端72の内径が、図1図4の実施形態と比べて大きくなることで軸受端72の径方向の厚みが小さくなっている。このような比較例において、図3と同様にカシメ結合部41の形成のための荷重を嵌合部材40aに矢印F1方向に加えると、矢印F2方向の分力によって軸受端72の外径が大きくなるように軸受端72が変形する可能性がある。図1図3で示した実施形態によれば、このような不都合を防止できる。
【符号の説明】
【0035】
10 回転電機、11 ケース、12,13 軸受、20,20a 回転電機ロータ(ロータ)、21 ロータコア、22 コア側冷媒導出孔、24 永久磁石、26 ロータシャフト、26a 雄ネジ、27 フランジ、28 軸孔、29 軸側冷媒導出孔、30 軸受端、31 冷媒堰、32 雄スプライン溝、40,40a 嵌合部材、41 カシメ結合部、42 筒部、45 レゾルバ、47 動力伝達軸、48 雌スプライン溝、49 ニードル軸受、50 外輪、52 冷媒供給管、54 ワッシャ、60 治具、61 平坦面、70 軸孔、72 軸受端、74 冷媒堰。
図1
図2
図3
図4