(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106119
(43)【公開日】2022-07-19
(54)【発明の名称】ペット用玩具
(51)【国際特許分類】
A01K 15/02 20060101AFI20220711BHJP
【FI】
A01K15/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000879
(22)【出願日】2021-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000111638
【氏名又は名称】ドギーマンハヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】特許業務法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】林 雄一
(72)【発明者】
【氏名】角辻 智也
(57)【要約】
【課題】ペットの関心を十分に惹くことができるペット用玩具を提供する。
【解決手段】外部から内部へのペットの足の挿入を許容する複数の孔を含む中空の本体と、前記本体内に配置されるおもちゃと、前記本体内の対向する部位に両端を固定されて、前記おもちゃを前記本体内で揺動自在に保持する紐状体と、を具備することを特徴とするペット用玩具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の孔を有する中空の本体と、
前記本体内に配置されるおもちゃと、
前記本体内の対向する部位に両端を固定されて、前記おもちゃを前記本体内で揺動自在に保持する紐状体と、
を具備することを特徴とするペット用玩具。
【請求項2】
前記本体が略正六面体であり、
前記紐状体の両端が前記本体内の対向する角部に固定されていること、
を特徴とする請求項1に記載のペット用玩具。
【請求項3】
前記複数の孔が、円状の開口と、弧状ないし波状の開口と、を含むこと、
を特徴とする請求項1又は2に記載のペット用玩具。
【請求項4】
前記おもちゃが球状体であること、
を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のペット用玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用玩具に関し、特に猫に好適なペット用玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、猫等のペットを遊ばせるためのペット用玩具が種々提案されている。例えば特許文献1(特開平10-117623号公報)には、中空ボックス状に形成された本体の内部に遊具が収容され、本体の外面に動物が腕を挿入可能とする開口部が形成されていることを特徴とする動物用玩具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の動物用玩具では、本体内の遊具は自ら動くわけではなく、本体が傾斜したり猫が触れたりすることによって本体の内面に沿って移動するにすぎない。即ち、この動物用玩具では、遊具がシンプルな動きをするだけで、ペットの関心を惹くには十分でなく、また、ペットは飽き易い。
【0005】
そこで、本発明の目的は、飽きることなくペットの関心を十分に惹くことができるペット用玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく、本発明は、
複数の孔を含む中空の本体と、
前記本体内に配置されるおもちゃと、
前記本体内の対向する部位に両端を固定されて、前記おもちゃを前記本体内で揺動自在に保持する紐状体と、
を具備することを特徴とするペット用玩具
を提供する。
【0007】
本発明のペット用玩具においては、
前記本体が略正六面体であり、
前記紐状体の両端が前記本体内の対向する角部に固定されていること、
が好ましい。
【0008】
また、本発明のペット用玩具においては、
前記複数の孔が、円状の開口と、弧状ないし波状の開口と、を含むこと、
が好ましい。
【0009】
また、本発明のペット用玩具においては、
前記おもちゃが球状体であること、
が好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、本体内のおもちゃは静止位置からあらゆる方向に揺動することができる。また、本体の移動及びおもちゃの揺動に伴って、外部から複数の孔を通っておもちゃに差し込む光の加減が変わる。これらのことから、本発明に係るペット用玩具は、ペットの関心を十分に惹くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係るペット用玩具1の斜視図である。
【
図2】本体3の一部分を省略したペット用玩具1の斜視図である。
【
図3】本体3を構成するパネルの例を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の代表的な実施形態に係るペット用玩具について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0013】
本実施形態では、ペット用玩具1(以下、玩具1という。)は、猫のために好適に使用されるものとして説明する。ただし、玩具1は、他の種類のペットの玩具としても利用可能である。
【0014】
図1及び
図2に示すように、玩具1は、中空の本体3、おもちゃ5及び紐状体7を具備する。
【0015】
本体3は、ここでは略正六面体ないし箱状として説明されるが、略12面体、略直方体、略球状体など他の立体形状でもよい。本体3は、形態を保持し得る剛性を備えた板紙や樹脂シートなどで好適に作製されるが、他の素材で作製されてもよい。
【0016】
本体3の外面には、複数の孔41,42が形成されている。複数の孔41,42は、ペットの足の挿入を許容するとともに、外部から入り込む光(入射光)や内部から抜け出る光(出射光)を加減してペットから本体3中のおもちゃ5を見やすくする。
【0017】
複数の孔41,42としては、1種類の複数個の開口があればよいが、本実施形態のように複数種類の開口が複数個あってもよい。また、開口の形状としては、丸、四角、円弧状、波形でもよいし、あるいは、ペットの足のストロークに合わせた細長い形状でもよい。また、孔41,42を構成する複数の開口は、製造の観点や入射光や出射光の加減の調整という観点からは、規則正しく整列しているのが好ましい。
【0018】
孔41,42を構成する個々の開口は、想定されるペット(例えば猫)の前足がギリギリ入るように、その前足と略同じかやや大きい寸法であることが好ましい。また、一面に対して孔41,42が占める割合は、本体3の強度保持や本体3内への光の入射及び出射等の観点から、例えば15%~50%であることが好ましく、更には20~30%であるのが好ましい。
【0019】
本体3は、例えば
図3(A)~(C)に示すように、異なる形状の孔41~43を有するパーツ31~33のうち1種類を用いて、又は複数種類のパーツを適宜組み合わせることで、作製することができる。複数種類のパーツを組み合わせることで、本体3のどの面からおもちゃ5を見るかに応じて、おもちゃ5の見え方が変わり、ペットの関心を惹くことができる。かかる観点からは、本実施形態のように孔41,42は複数種類の開口を複数個有するのが好ましい。
【0020】
なお、パーツ31~33には連結片31A~33Aが設けられている。パーツ31~33には、紐状体7の先端を固定するための台部(図示せず)が形成されてもよい。
【0021】
本体3内には、おもちゃ5が配置されている。おもちゃ5は、本体3のほぼ中心に位置し、ペットに触れられたり、本体3が移動したり(回転や並進移動)すると、上下・前後・左右に、つまり立体的に揺動する。おもちゃ5は、球状体をなすことが好まく、例えば、丸められたリボン・糸・毛や、厚紙と反射フィルムとの組合せなどが挙げられるが、これに限られない。
【0022】
紐状体7は、おもちゃ5を本体3内で揺動自在に保持する。紐状体7の両端は、本体3内の対向する部位、例えば角部3A,3Bに、両端を固定され、ほぼ中央でおもちゃ5を保持する。なお、紐状体7の両端が固定されるのは、本体3の対向する辺でもよいし、対向する面でもよいものとする。
【0023】
紐状体7は伸縮性を有しているのが好ましい。したがって、紐状体7に保持されたおもちゃ5は、紐状体7の伸縮に伴って、紐状体7の延びる方向(例えば本体3の対角線方向)に揺動乃至は移動することができるとともに、紐状体7の延びる方向に直交する方向に揺動乃至は移動することもできる。
【0024】
すなわち、おもちゃ5は、あたかも宙に浮いているかのように、上下・前後・左右に、つまり静止位置からあらゆる方向に立体的に揺動することができる。なお、紐状体7が伸縮性を有していなくても、紐状体7が揺れることにより、おもちゃ5は揺動することができる。おもちゃ5をより確実に揺動乃至は移動させるためには、紐状体7としては、ゴム紐状体が好適に用いられる。
【0025】
上述のとおり、玩具1では、本体3のほぼ中央におもちゃ5が位置している。そして、外部からの光が孔41,42を通っておもちゃ5に当たり、ペットの関心を惹く。玩具1が並進移動や回転移動をすると、おもちゃ5が揺動したり、おもちゃ5への光の当たり方が変わったりして、更にペットの関心を惹く。このとき、おもちゃ5の揺動は、例えば振り子のように一次元的でシンプルな動きではなく、立体的で複雑な動きである。
【0026】
また、ペットがおもちゃ5を取ろうとして孔41,42に足を入れ、おもちゃ5に触れると、おもちゃ5が揺動し、おもちゃ5へのペットの興味がより高まる。
【0027】
ペットは、本体3を転がしたり、本体3とともに転がったりしながら、遊ぶこともできる。その際にも、おもちゃ5は揺動し、ペットの関心を惹く。
【0028】
このように、おもちゃ5が立体的にかつ複雑に動くことで、また、おもちゃ5に当たる光の具合が変わることで、玩具1はペットの興味を強く惹くことができ、ペット用おもちゃとして好適である。
【0029】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それらも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0030】
1 ペット用玩具
3 本体
5 おもちゃ
7 紐状体