(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106206
(43)【公開日】2022-07-19
(54)【発明の名称】電気刺激マッサージ用手袋
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20220711BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021001057
(22)【出願日】2021-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】514118767
【氏名又は名称】織田 聡
(71)【出願人】
【識別番号】517367445
【氏名又は名称】脇谷 泰三
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】織田 聡
(72)【発明者】
【氏名】脇谷 泰三
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB22
4C053BB23
4C053JJ02
4C053JJ15
4C053JJ36
(57)【要約】
【課題】パルス電流発生機器から手袋型導子に安定的にパルス電流を印加することを可能とした電気刺激マッサージ用手袋を提供する。
【解決手段】導電性材料からなり、電気刺激治療器から被施術者にパルス電流を導通させる導電性部材を備えた電気刺激マッサージ用手袋であって、前記導電性部材は、施術者の手に装着された際の外表面上において、前記電気刺激治療器と電気的に接続する接続領域を備え、前記接続領域は、前記電気刺激治療器と面状に接続されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料からなり、電気刺激治療器から被施術者にパルス電流を導通させる導電性部材を備えた電気刺激マッサージ用手袋であって、
前記導電性部材は、施術者の手に装着された際の外表面上において、前記電気刺激治療器と電気的に接続する接続領域を備え、
前記接続領域は、前記電気刺激治療器と面状に接続されていることを特徴としている電気刺激マッサージ用手袋。
【請求項2】
前記接続領域と前記電気刺激治療器との面状の接続は、100mm2以上の面積を有することを特徴とする請求項1に記載の電気刺激マッサージ用手袋。
【請求項3】
前記接続領域は、導電性と伸縮性とを兼ね備えた素材により構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気刺激マッサージ用手袋。
【請求項4】
施術者の手と接触する裏面側に、絶縁性材料からなる絶縁性部材が設けられ、
前記絶縁性部材及び前記導電性部材は、それぞれ独立して着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の電気刺激マッサージ用手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気刺激マッサージに用いられる電気刺激治療機器の手袋型導子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気刺激治療は、被施術者の体表面から体内に低周波のパルス電流を繰り返し流すことにより、筋肉を収縮弛緩させて、筋虚血状態を改善し、疼痛を緩和する経皮的電気刺激療法と、筋緊張亢進の緩和、随意収縮の促通、筋委縮進行の遅延、浮腫軽減を行う神経筋電気刺激療法とを含む。これらの電気刺激療法においてマッサージに用いられる電気刺激治療機器には、パルス電流を流す導子が備えられている。導子の形態としては、家庭において自分自身で施術を行える粘着パッドや湿式パッドもあるが、施術者が手に嵌めて電気刺激を与えるとともに、施術者の手指や掌によるマッサージを同時に行える手袋型の導子もある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された電気治療器具は、絶縁性素材で形成された手袋の少なくとも掌表面を導電性素材で形成し、掌表面と低周波パルス発生機器の出力端子とを電気的接続する電気的接続手段を備えた構成である。このような構成の電気治療器具によれば、両手に手袋をはめ、一方を低周波パルス発生機器のプラス電極へ、他方をマイナス電極へそれぞれ接続し、低周波パルス発生機器を作動させ、患部を両手でマッサージをしながら、掌表面の導電性素材を通じて低周波パルスを患部に印加させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来の電気治療器具においては、電気刺激治療器から手袋型導子にパルス電流を印加する接続端子の接触面積が数mm2程度と小さく、これに起因して接触抵抗値が大きくなり、接触不良や電流が安定しないといった問題を有していた。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたもので、電気刺激治療器から手袋型導子に安定的にパルス電流を印加することを可能とした電気刺激マッサージ用手袋を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、電気刺激マッサージ用の手袋型導子における接続端子の接触面積について鋭意研究を行った結果、この接続端子の接触面積を大きくすることにより、接触抵抗値を低く抑え、安定的にパルス電流を印加することができることを見出し、本発明の電気刺激マッサージ用手袋を発明するに至った。
【0008】
本発明の電気刺激マッサージ用手袋は、
導電性材料からなり、電気刺激治療器から被施術者にパルス電流を導通させる導電性部材を備えた電気刺激マッサージ用手袋であって、
前記導電性部材は、施術者の手に装着された際の外表面上において、前記電気刺激治療器と電気的に接続する接続領域を備え、
前記接続領域は、前記電気刺激治療器と面状に接続されていることを特徴としている。
【0009】
この態様によれば、電気刺激治療器と電気刺激マッサージ用手袋とを面状に接続することによって、接触不良や不安定な電流供給を生じることなく、電気刺激治療器から手袋型導子へ安定的にパルス電流を印加することができる。なお、本発明においては、電気刺激マッサージに用いるパルス電流には、プラス又はマイナスの一方向の電流が周期的に繰り返し示される単極性パルスや脈流を示す直流電流、及び、プラスとマイナスの電流が交互に周期的に示される双極性パルスや正弦波の波形を示す交流電流が含まれる。
【0010】
また、本発明の電気刺激マッサージ用手袋においては、接続領域と電気刺激治療器との面状接続は、100mm2以上の面積を有することが好ましい。この態様によれば、本発明の電気刺激マッサージ用手袋の接続領域における接触抵抗値を低く抑えることができ、より安定的にパルス電流を印加することができる。
【0011】
さらに、本発明の電気刺激マッサージ用手袋においては、接続領域が導電性と伸縮性とを兼ね備えた素材により構成されていることが好ましい。この態様によれば、接続領域における密着性が良好に保持されるため、導電性材料内を流れるパルス電流が減衰されにくく、電気刺激治療器から被施術者に十分な量のパルス電流を供給することができる。
【0012】
また、本発明の電気刺激マッサージ用手袋においては、施術者の手と接触する裏面側に、絶縁性材料からなる絶縁性部材が設けられ、前記絶縁性部材及び前記導電性部材は、それぞれ独立して着脱自在に構成されていることが好ましい。この態様によれば、必要に応じて各部材をそれぞれ個別に交換することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電気刺激マッサージ用手袋によれば、電気刺激治療器から手袋型導子にパルス電流を印加する接続端子の接触面積を適切な大きさとすることにより、接触抵抗値を低く抑えることを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電気刺激マッサージ用手袋の手の甲側の断面構造を模式的に示す断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電気刺激マッサージ用手袋の手の甲側を示す概念図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電気刺激マッサージ用手袋における接触面積と接触抵抗値との相関を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る電気刺激マッサージ用手袋1の手の甲側の断面構造を模式的に示す断面図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係る電気刺激マッサージ用手袋1の手の甲側を示す概念図である。本実施形態に係る電気刺激マッサージ用手袋1は、左手装着用の電気刺激マッサージ用手袋と右手装着用の電気刺激マッサージ用手袋との一対で1セットとして使用される態様であっても、片側のみで通電可能な電気刺激マッサージ用手袋の態様であってもよい。即ち、電気刺激マッサージ用手袋1は、電気刺激治療における被施術者の体表面から体内に低周波のパルス電流を流して被施術者の筋肉を収縮弛緩させる器具として用いられるものであれば、左手装着用と右手装着用とのそれぞれを電極とした態様であっても、片側のみに複数の電極を備えた態様であってもよい。
【0017】
本発明の電気刺激マッサージ用手袋1は、導電性材料からなり、電気刺激治療器から被施術者にパルス電流を導通させる導電性部材2を備えていることが必須であるが、
図1に示されているように、絶縁性材料からなる絶縁性部材3を施術者の手と接触する裏面側に配置し、さらに、半導電性材料からなる半導電性部材4を導電性部材2上の少なくとも被施術者に施術を施す表面上に配置してもよい。これらの導電性部材2、絶縁性部材3及び半導電性部材4は、一体的に積層された構成であってもよく、あるいは、それぞれ手袋形状を有し、それぞれ独立して着脱自在な構成であってもよい。この着脱自在な構成であれば、必要に応じて各部材をそれぞれ個別に交換することができる。
【0018】
本発明における導電性部材2は、後述する接続領域5から被施術者と接触する領域までパルス電流を送り届ける経路を構成し得るものであればいずれの構成であってもよく、例えば、接続領域5から被施術者と接触する領域まで導電性の素材を連続的に配置したものであってもよく、また、被施術者と接触する領域にのみ導電性繊維が編み込まれたものであってもよく、さらには、全体が導電性繊維で編まれたものであってもよい。この導電性部材2を形成する導電性材料としては、接続領域5から被施術者の施術を施す表面までパルス電流を送り届けられるものであればいずれのものでもよい。
【0019】
また、本発明の電気刺激マッサージ用手袋1においては、上記の導電性繊維が銀繊維及び炭素繊維の混合物であることが好ましい。このような混合物であれば、導電性部材2内を流れるパルス電流が減衰されにくく、電気刺激治療器から被施術者に十分な量のパルス電流が供給される。さらに、銀繊維としては、具体的には、13番手、15番手及び18番手のものが好適である。
【0020】
本発明における絶縁性部材3は、施術者に不快な通電を生じさせないために設けられている。この絶縁性部材3を形成する絶縁性材料としては、例えば、絶縁性のシリコン等の絶縁性と柔軟性を兼ね備えた素材を採用することができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0021】
本発明において任意に設けられる半導電性部材4は、上記の導電性部材2と被施術者との間に配置するとともに、導電性材料2の導電性繊維間に押し当てられることにより、導電性材料2間におけるスパークの発生を防止することができ、その結果、スパークに起因した不快感や痛みを被施術者に感じさせることなく、心地良い電気刺激とマッサージを同時に実施することができる。
【0022】
この半導電性部材4の厚さは、適切な範囲となるように制御する必要がある。半導電性部材4が厚すぎると、この部材をパルス電流が透過しずらくなり、パルス電流が十分に被施術者に届かなくなってしまう。また、本発明の電気刺激マッサージ用手袋1においては、半導電性部材4を形成する半導電性材料としてゴム等を使用することができるが、この半導電性材料は、ゴム、ポリウレタン等の単一素材であってもよく、また、重量比80:20のウレタンとゴムとの複合素材であってもよい。
【0023】
また、本発明の電気刺激マッサージ用手袋1においては、
図1及び2に示されているように、導電性部材2の半導電性部材4が配置されていない外表面上に、電気刺激治療器と電気的に接続する接続領域5が備えられていることが最大の特徴である。この接続領域5は、電気刺激治療器から導子コード6を介して本発明の電気刺激マッサージ用手袋1に、線状の接続形態ではなく、面状の接続形態での接続を実現している。このような構成とすることにより、接触不良や不安定な電流供給を生じることなく、電気刺激治療器から電気刺激マッサージ用手袋1へ安定的にパルス電流を印加することができる。本発明の電気刺激マッサージ用手袋1における接続領域5は、
図2においては、手首領域に設けられているが、導電コード6の取り回し及び施術に影響を及ぼさなければ、親指領域や手の甲領域に設けられていてもよい。
【0024】
さらに、本発明の電気刺激マッサージ用手袋1では、接続領域5と電気刺激治療器との面状接続は、100mm2以上の面積を有することが好ましい。この面積は、後述する実施例において具体的に説明されているが、接触抵抗値が、例えば白光株式会社製のHAKKO435のような一般的な接続端子を用いた際の半分以下となる値である。この態様によれば、本発明の電気刺激マッサージ用手袋1の接続領域5における接触抵抗値を低く抑えることができ、より安定的にパルス電流を印加することができる。
【0025】
本発明の電気刺激マッサージ用手袋における接続領域5は、導電性と伸縮性とを兼ね備えた素材により構成されていることが好ましい。このような態様によれば、接触領域5における電気刺激治療器と電気刺激マッサージ用手袋1との施術中の接続をより確実にするとともに、導電性材料内を流れるパルス電流が減衰されにくく、電気刺激治療器から被施術者に十分な量のパルス電流を供給することができる。
【0026】
また、本発明においては、ゴム等の半導電性部材4を介した電気刺激マッサージ用手袋の表面抵抗率が50~1000Ω/sqであることが好ましい。このような電気刺激マッサージ用手袋1における半導電性部材4は、圧力が加わると、導電性繊維と皮膚との距離が近くなるように変形し、抵抗値が下がるため通電性が高まる。その結果、半導電性部材4に加えられる圧力が高ければ、被施術者が患部に感じる電気的刺激が強くなり、一方、半導電性部材4に加えられる圧力が低ければ、被施術者が患部に感じる電気的刺激が弱くなる。これにより、施術者は、電気エネルギーを出力する機器の調節スイッチ等をわざわざ操作することなく、施術時に手に加える力を任意に調節するだけで、被施術者が患部に感じる電気的刺激を調節することができる。
【0027】
さらに、本実施形態では、電気刺激マッサージ用手袋1は、5本指タイプの手袋となっているが、本発明の電気刺激マッサージ用手袋は、このタイプに限定されるものではなく、あらゆるタイプの手袋を採用することができる。例えば、親指を挿入する部位のみが独立しているミトンタイプの手袋であってもよい。
【0028】
次に、本発明の電気刺激マッサージ用手袋を電気刺激治療器に接続した施術時の態様について説明する。
本発明の電気刺激マッサージ用手袋1は、一般的に用いられるパッド型導子に代えて、市販の低周波治療器に接続して使用することができる。本発明の電気刺激マッサージ用手袋1は、
図2に示されているように、接続領域5に設けられた導子コード6を介して低周波治療器に接続される。この導子コード6は、低周波治療器と接続領域5とを電気的に接続する電線であり、低周波治療器及び接続領域5と着脱自在な構造を有するものであることが好ましい。
【0029】
このようにして、本発明の電気刺激マッサージ用手袋1を低周波治療器に電気的に接続させ、低周波治療器により発生させた十分な量のパルス電流を、本発明の電気刺激マッサージ用手袋1を介して、被施術者に安定的に照射することにより、パルス電流照射による電気刺激治療とともに、施術者によるマッサージを施すことができる。
【0030】
本発明の電気刺激マッサージ用手袋1は、鍼灸院、マッサージ治療院、接骨院、整形外科、エステ等における電気刺激治療器として用いられるものであるが、本発明の電気刺激マッサージ用手袋1を用いた治療が、(1)筋肉を弛緩させ、神経の活動電位を誘発及び抑制させる効果等により、運動器疾患や神経疾患の治療や鎮痛に有用である場合があることに加え、(2)手術の合併症や静脈血栓症に起因するリンパ浮腫を改善する効果があること、(3)シェーグレン症候群や老化に伴い出にくくなった唾液の分泌を促す効果があること、(4)各種がんや、それに伴う疼痛に対する治療効果があること、(5)顎関節症を改善する効果等が得られることから医療機器としても利用可能である。なお、本発明の電気刺激マッサージ用手袋1は、ペースメーカー装着者、てんかん患者等に対しては悪影響を及ぼす恐れがあるため使用できない。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0032】
また、上述した実施形態では、電気刺激治療器のうち市販の低周波治療器を利用しているが、これは例示であり、電気刺激治療器として何を利用するかは特に限定されない。例えば医療用の中周波治療器等を利用してもよい。
【実施例0033】
次に、本発明の電気刺激マッサージ用手袋について、実施例を用いてさらに詳細に説明する。
<実施例1>
【0034】
まず、導電性繊維である銀製の直径11μmの繊維で編まれた導電性手袋の裏面側に、絶縁性材料であるシリコンを層厚100μmとなるように塗工・乾燥させ、さらに、導電性手袋の表面側の被施術者と接触する領域に、半導電性材料であるポリウレタンを層厚300μmとなるように塗工・乾燥させて、電気刺激マッサージ用手袋を作製した。
【0035】
次に、電気刺激治療器から電気刺激マッサージ用手袋にパルス電流を印加する接続領域として、接触面積が7.8~4500.0mm2となる導電バンドをそれぞれ作製した。なお、ここで、接触面積が7.8mm2となる態様としては、一般的なホック型の接続端子(商品名:HAKKO435、白光株式会社製)を用い、接触面積がそれよりも大きな態様には、導電性と伸縮性を兼ね備えた銀製の直径19μmの繊維からなる導電バンドを用いた。
【0036】
次いで、上記の電気刺激マッサージ用手袋の手の甲側の手首領域における半導電性材料に覆われていない導電性手袋表面に、各導電バンドを装着し、電気刺激治療器からパルス電流が印加される本発明の電気刺激マッサージ用手袋を作製した。
【0037】
上記のようにして作製された各電気刺激マッサージ用手袋について、施術表面に見立てた銅板に押し付けた状態で接触抵抗値を測定し、接続領域の接触面積と接触抵抗値との相関を確認した。この接触面積と接触抵抗値との相関は
図3に示した。
【0038】
図3に示すように、本実施例の電気刺激マッサージ用手袋においては、接続領域の接触面積が100mm
2を超えると、従来のホック型の接続端子の場合と比べて、接触抵抗値が半減し、パルス電流が安定的に印加されることが示された。なお、
図3に点線で示された曲線は累乗近似値である。
【0039】
以上まとめると、本発明が適用される電気刺激マッサージ用手袋は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される電気刺激マッサージ用手袋(例えば
図1及び2の電気刺激マッサージ用手袋1)は、
導電性材料からなり、電気刺激治療器から被施術者にパルス電流を導通させる導電性部材(例えば
図1の導電性部材2)を備えた電気刺激マッサージ用手袋(例えば
図1及び2の電気刺激マッサージ用手袋1)であって、
前記導電性部材は、施術者の手に装着された際の外表面上において、前記電気刺激治療器と電気的に接続する接続領域(例えば
図1及び2の接続領域5)を備え、
前記接続領域は、前記電気刺激治療器と面状に接続されていることを特徴としている電気刺激マッサージ用手袋。
これにより、接触不良や不安定な電流供給を生じることなく、電気刺激治療器から手袋型導子へ安定的にパルス電流を印加することができる。
【0040】
また、前記接続領域(例えば
図1及び2の接続領域5)と前記電気刺激治療器との面状の接続は、100mm
2以上の面積を有する。
これにより、本発明の電気刺激マッサージ用手袋は、接続領域における接触抵抗値を低く抑えることができ、より安定的にパルス電流を印加することができる。
【0041】
さらに、前記接続領域(例えば
図1及び2の接続領域5)は、導電性と伸縮性とを兼ね備えた素材により構成されている。
これにより、接続領域における密着性が良好に保持されるため、導電性材料内を流れるパルス電流が減衰されにくく、電気刺激治療器から被施術者に十分な量のパルス電流を供給することができる。
【0042】
また、施術者の手と接触する裏面側に、絶縁性材料からなる絶縁性部材(例えば
図1の絶縁性部材3)が設けられ、前記絶縁性部材及び前記導電性部材は、それぞれ独立して着脱自在に構成されている。
これにより、必要に応じて各部材をそれぞれ個別に交換することができる。