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特開2022-106261二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法
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  • 特開-二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法 図1
  • 特開-二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106261
(43)【公開日】2022-07-19
(54)【発明の名称】二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/165 20200101AFI20220711BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220711BHJP
   B60W 50/02 20120101ALI20220711BHJP
【FI】
B60W30/165
G08G1/00 X
B60W50/02
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031162
(22)【出願日】2021-02-26
(31)【優先権主張番号】202110013968.8
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516265780
【氏名又は名称】北京科技大学
(71)【出願人】
【識別番号】521085881
【氏名又は名称】北京航空航天大学杭州創新研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】郭祥貴
(72)【発明者】
【氏名】徐偉棟
(72)【発明者】
【氏名】田原
(72)【発明者】
【氏名】王建梁
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA02
3D241BA64
3D241BC01
3D241CC01
3D241CC08
3D241CE08
3D241CE09
3D241DB01Z
3D241DB02Z
5H181AA01
5H181EE02
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安全性及び安定性を向上させる車両隊列制御方法を提供する。
【解決手段】アクチュエータの故障及び外部からの干渉が存在する二次元平面動的モデルを確立するステップと、隊列リーダー車両の走行情報を取得して、リーダー車両モデルを確立するステップと、所望間隔とに基づき、実際間隔、速度方向の偏角、間隔誤差、及び偏角誤差を計算して、間隔制約を設定するステップと、放射基底関数ニューラルネットワークを用いて、未知の非線形抵抗及びバイアスアクチュエータの故障を近似して、飽和Nussbaum関数を選択するステップと、算出された間隔誤差及び偏角誤差に基づき、スライディングモード面を構築するステップと、構築されたスライディングモード面に基づき、自己適応制御則を設計するステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法であって、
アクチュエータの故障及び外部からの干渉が存在するインテリジェント車両の二次元平面動的モデルを確立するステップと、
二次元平面のインテリジェント車両隊列におけるリーダー車両の走行情報を取得して、リーダー車両モデルを確立するステップと、
前記二次元平面のインテリジェント車両隊列における隣接する車両の所望間隔を取得して、確立された前記インテリジェント車両の二次元平面動的モデル及び前記リーダー車両モデルに基づき、二次元平面のインテリジェント車両隊列における隣接する車両間の実際間隔、速度方向の偏角、間隔誤差、及び、偏角誤差を計算して、間隔制約を設定するステップと、
放射基底関数ニューラルネットワークを用いて、未知の非線形抵抗及びバイアスアクチュエータの故障を近似して、飽和Nussbaum関数を選択することで、故障方向が未知である問題を解決するステップと、
算出された前記間隔誤差及び前記偏角誤差に基づき、スライディングモード面を構築するステップと、
構築された前記スライディングモード面に基づき、自己適応制御則及び自己適応更新則を設計することで、未知の方向のアクチュエータの故障、間隔制約及び未知の時変の外部からの干渉下での二次元平面のインテリジェント車両隊列制御を実現するステップと、を含む、ことを特徴とする二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法。
【請求項2】
前記インテリジェント車両の二次元平面動的モデルは、
【数1】
で表されることを特徴とする請求項1に記載の二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法。
【請求項3】
前記車両牽引力又は制動力出力に未知の方向故障がある場合の動的モデルは、
【数2】
であることを特徴とする請求項2に記載の二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法。
【請求項4】
前記走行情報は、リーダー車両の位置及び速度情報を含み、前記リーダー車両モデルは、
【数3】
で表されることを特徴とする請求項3に記載の二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法。
【請求項5】
二次元平面のインテリジェント車両隊列における隣接する車両間の実際間隔、速度方向の偏角、間隔誤差、及び偏角誤差を計算する前記ステップは、
【数4】
により実際間隔及び速度方向の偏角を計算し、
【数5】
により間隔誤差及び偏角誤差を計算するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法。
【請求項6】
前記間隔制約は、
【数6】
で表されることを特徴とする請求項5に記載の二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法。
【請求項7】
放射基底関数ニューラルネットワークを用いて、未知の非線形抵抗及びバイアスアクチュエータの故障を近似する前記表現式は、
【数7】
であり、
前記飽和Nussbaum関数の表現式は、
【数8】
であることを特徴とする請求項6に記載の二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法。
【請求項8】
前記スライディングモード面の表現式は、
【数9】
であり、
前記自己適応制御則及び自己適応更新則の表現式のそれぞれは、
【数10】
であることを特徴とする請求項7に記載の二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインテリジェント車両制御の技術分野に関し、特に二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境保護意識の向上及びますます深刻になる都市交通渋滞に伴って、高度先端技術を用いて都市交通の問題を解決することは、都市交通システム研究の方向となっている。インテリジェント車両隊列制御は、インテリジェント交通システムの一部として、交通圧力を効果的に緩和して排気ガスに起因する大気汚染を低減することができ、さらに、交通安全性を高め、運転の利便性を向上させることもでき、インテリジェント交通システムにおいて注目される研究方向になっている。
【0003】
インテリジェント車両隊列制御のコアは、主に、情報の相互作用により、独立した車両を車両隊列とし、所定の安全距離を維持し、リーダー車両と同じ速度を維持することである。車両隊列は、独立した車両の安定性及び隊列の安定性を満たす必要があり、隊列の安定性により、干渉が隊列中で増幅されないことが確保される。ただし、隊列の安定性を満たすだけで隣接する車両間の衝突を回避することができず、また、通信装置の伝送距離に限りがあるので、通信トポロジーにおける連続する車両間の距離は所定の範囲を超えないようにする必要があり、どのように衝突の回避を確保し通信中断を防止するかは、重要な問題になる。
【0004】
上記問題を車両隊列の間隔制約問題に変換することができ、つまり、連続する車両間の間隔は、最小の衝突距離よりも大きく、最大の通信制限距離よりも小さくなければならない。より現実的にするために、インテリジェント車両隊列制御には、縦方向の一次元制御を縦方向及び横方向の二次元平面制御に拡張する必要があり、すなわち、ステアリング、車線変更等のより実際的なニーズを含む。また、車両隊列システムにおける故障は、主に、コントローラ故障、センサ故障、アクチュエータの故障、及び被制御対象自体の故障を含む。アクチュエータが常に制御タスクを実行するため、アクチュエータの故障は発生する可能性が最も高い。既存の典型的なアクチュエータの故障モデルは主に性能損失及びバイアス故障であり、アクチュエータの故障係数は(0,1)にある。しかしながら、車両走行中に高温摩擦、センサ等の検出素子の損傷及び高周波運転における偶発的なモーターの逆転、機械回転装置の逆転等の要因により、逆故障及び過度故障(すなわち、故障係数が負又は1より大きい)は発生しやすく、車両の走行安全性に深刻な影響を及ぼす。従って、車両の走行安全性を確保するために、上記問題を解決するより実現可能で、効果的な制御策を提出する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、未知の方向のアクチュエータの故障、間隔制約及び未知の時変の外部からの干渉下での二次元平面のインテリジェント車両隊列制御の技術的課題を解決するために、二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法を提供して、車両隊列の安全性及び安定性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、以下の技術案を提供する。
【0007】
二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法であって、該方法は、
アクチュエータの故障及び外部からの干渉が存在するインテリジェント車両の二次元平面動的モデルを確立するステップと、
二次元平面のインテリジェント車両隊列におけるリーダー車両の走行情報を取得して、リーダー車両モデルを確立するステップと、
二次元平面のインテリジェント車両隊列における隣接する車両の所望間隔を取得して、確立されたインテリジェント車両の二次元平面動的モデル及びリーダー車両モデルに基づき、二次元平面のインテリジェント車両隊列における隣接する車両間の実際間隔、速度方向の偏角、間隔誤差、及び偏角誤差を計算して、間隔制約を設定するステップと、
放射基底関数ニューラルネットワークを用いて、未知の非線形抵抗及びバイアスアクチュエータの故障を近似して、飽和Nussbaum関数を選択することで、故障方向が未知である問題を解決するステップと、
算出された間隔誤差及び偏角誤差に基づき、スライディングモード面を構築するステップと、
構築されたスライディングモード面に基づき、自己適応制御則及び自己適応更新則を設計することで、未知の方向のアクチュエータの故障、間隔制約及び未知の時変の外部からの干渉下での二次元平面のインテリジェント車両隊列制御を実現するステップとを含む。
【0008】
さらに、前記インテリジェント車両の二次元平面動的モデルは、数1で表される。
【0009】
【数1】
【0010】
さらに、車両牽引力又は制動力出力に未知の方向故障がある場合の動的モデルは、数2である。
【0011】
【数2】
【0012】
さらに、前記走行情報は、リーダー車両の位置及び速度情報を含み、前記リーダー車両モデルは、数3で表される。
【0013】
【数3】
【0014】
さらに、二次元平面のインテリジェント車両隊列における隣接する車両間の実際間隔、速度方向の偏角、間隔誤差、及び偏角誤差を計算する前記ステップは、数4により実際間隔及び速度方向の偏角を計算し、数5により間隔誤差及び偏角誤差を計算するステップを含む。
【0015】
【数4】
【0016】
【数5】
【0017】
さらに、前記間隔制約は、数6で表される。
【0018】
【数6】
【0019】
さらに、放射基底関数ニューラルネットワークを用いて、未知の非線形抵抗及びバイアスアクチュエータの故障を近似する前記表現式は、数7であり、前記飽和Nussbaum関数の表現式は、数8である。
【0020】
【数7】
【0021】
【数8】
【0022】
さらに、前記スライディングモード面の表現式は、数9であり、前記自己適応制御則及び自己適応更新則の表現式のそれぞれは、数10である。
【0023】
【数9】
【0024】
【数10】
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る技術案による有益な効果は少なくとも以下を含む。
【0026】
1、本発明は、新型の二次元平面のインテリジェント車両隊列制御モデルを提出して、速度方向の偏角の制御を追加することで、ハンドルの制御を実現し、車線変更、ステアリング等の実際な機能を完了することができ、より多くのシナリオに適用できる。
【0027】
2、本発明は、新型の適応スライディングモードフォールトトレラントコントローラを提出して、未知の方向や時変のアクチュエータの故障を効果的に解決することができる。本発明は、より多くの故障状況に適用できて、インテリジェント車両隊列をより安全に走行させることができる。
【0028】
3、本発明は、非対称障害物リアプノフ関数を提出して、実際に存在する間隔制約を解決し、連続的な隣接する車両間の衝突の回避を確保しながら、間隔が通信装置の距離制限内にあることを維持する。
【0029】
4、本発明は、汎用性があり、現在のほとんどの二次システムに適用でき、いずれも未知の方向や時変のアクチュエータの故障、未知の不確定項目、間隔制約及び時変の外部からの干渉等の問題を同時に解決することができる。
【0030】
本発明の実施例における技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例の記述のために使用した図面を簡単に説明し、勿論、以下に記述した図面は本発明の一部の実施例のみであり、当業者は、創造的な労働をしないで、これらの図面に基づき他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施例に係る二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例に係る二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法の論理図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、図面を参照しながら本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。
【0033】
図1及び図2に示すように、本実施例は、二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法を提供し、該方法は、二次元平面のインテリジェント車両隊列に用いられるニューラル適応スライディングモードフォールトトレランス制御方法であり、端末又はサーバなどの電子機器によって実現できる。具体的には、本実施例の二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法の実行プロセスは図1に示され、以下のステップを含む。
【0034】
S101、アクチュエータの故障及び外部からの干渉が存在するインテリジェント車両の二次元平面動的モデルを確立する。
【0035】
具体的には、本実施例では、確立されたインテリジェント車両の二次元平面動的モデルは、数11で表される。
【0036】
【数11】
【0037】
車両牽引力又は制動力出力に未知の方向故障がある場合の動的モデルは、数12である。
【0038】
【数12】
【0039】
本実施例では、より一般的な実際の状況を考慮して、アクチュエータの故障状況は表1に示される。
【0040】
【表1】
【0041】
上記故障が同時に発生する可能性があり、この場合、未知の方向のアクチュエータの故障とする。
【0042】
(x, y, v, t)は、未知の非線形連続関数であり、インテリジェント車両に作用する抵抗を表し、具体的には、数13で表される。
【0043】
【数13】
【0044】
(t)は、未知の時変の外部からの干渉を表し、非負の定数:数14が存在して不等式:数15が成立すると、
S102、二次元平面のインテリジェント車両隊列におけるリーダー車両の、リーダー車両の位置及び速度等の情報を含む走行情報を取得し、リーダー車両モデルを確立する。
【0045】
【数14】
【0046】
【数15】
【0047】
具体的には、本実施例では、確立された隊列リーダー車両モデルは、数16で表される。
【0048】
【数16】
【0049】
S103、二次元平面のインテリジェント車両隊列における隣接する車両の所望間隔を取得して、確立されたインテリジェント車両の二次元平面動的モデル及びリーダー車両モデルに基づき、二次元平面のインテリジェント車両隊列における隣接する車両間の実際間隔、速度方向の偏角、間隔誤差、及び偏角誤差を計算して、間隔制約を設定する。
【0050】
具体的には、本実施例では、二次元平面のインテリジェント車両隊列における隣接する車両間の実際間隔、速度方向の偏角、間隔誤差、及び偏角誤差を計算するステップは、
式(6)により実際間隔を計算し、式(7)により速度方向の偏角を計算し、
式(8)により間隔誤差を計算し、式(9)により偏角誤差を計算するステップを含む。
【0051】
【数17】
【0052】
本実施例に設定された車両間隔制約及び間隔誤差は、数18で表される。
【0053】
【数18】
【0054】
S104、放射基底関数ニューラルネットワークを用いて、未知の非線形抵抗及びバイアスアクチュエータの故障を近似して、飽和Nussbaum関数を選択することで、故障方向が未知である問題を解決する。
【0055】
具体的には、本実施例では、放射基底関数ニューラルネットワークを用いて、未知の非線形抵抗及びバイアスアクチュエータの故障を近似する表現式は、数19であり、
本実施例の選択された飽和Nussbaum関数の表現式は、数20である。
【0056】
【数19】
【0057】
【数20】
【0058】
S105、算出された間隔誤差及び偏角誤差に基づき、スライディングモード面を構築する。
【0059】
具体的には、本実施例では、構築されたスライディングモード面の表現式は、数21である。
【0060】
【数21】
【0061】
S106、構築されたスライディングモード面に基づき、自己適応制御則及び自己適応更新則を設計することで、未知の方向のアクチュエータの故障、間隔制約及び未知の時変の外部からの干渉下での二次元平面のインテリジェント車両隊列制御を実現する。
【0062】
具体的には、本実施例では、自己適応制御則及び自己適応更新則の表現式のそれぞれは、数22である。
【0063】
【数22】
【0064】
本実施例に係る二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法は、自己適応制御則に基づき、未知の方向のアクチュエータの故障、間隔制約及び未知の時変の外部からの干渉下での二次元平面のインテリジェント車両隊列制御の問題を効果的に解決することができ、それにより、車両隊列の安全性及び安定性を効果的に向上させる。
【0065】
以下、本実施例に係る二次元平面でのインテリジェント車両隊列制御方法の有効性を検証するために、決定された自己適応制御則の安定性を分析し、具体的なプロセスは以下のとおりである。
【0066】
リアプノフ関数を定義する。
【0067】
【数23】
【0068】
時間tに対するスライディングモード面S(t)及びSφi(t)の一次導関数を計算し(数24)、
式(21)から、数25を得ることができ、
式(18)における適応律と式(13)、(14)における推定誤差を組み合わせて、数26を得て、
式(20)から、数27を得て、
式(23)、(24)、(25)、(26)を式(19)に代入して、数28を得る。
式(22)を式(19)に代入して、数29を得る。
【0069】
【数24】
【0070】
【数25】
【0071】
【数26】
【0072】
【数27】
【0073】
【数28】
【0074】
【数29】
【0075】
適切なパラメータ及び初期条件を選択することにより、該方法は、e(t)が有限時間内に原点付近の小さな近傍内に収束し、eφi(t)も漸近的に安定することを確保できる。
【0076】
上記のリアプノフ関数安定性分析により、本実施例に係る制御策は、信頼性が高く、未知の方向のアクチュエータの故障、間隔制約及び未知の時変の外部からの干渉下での二次元平面のインテリジェント車両隊列制御の問題を効果的に解決することができるとともに、車両隊列の安全性及び安定性を効果的に向上させることができる。
【0077】
要約すると、本実施例は、未知の方向のアクチュエータの故障、間隔制約及び未知の時変の外部からの干渉下での二次元平面のインテリジェント車両隊列制御の問題を解決し、実際の工学で、実際のパラメータ(たとえば、インテリジェント車両の実際位置及び実際速度)と組み合わせると同時に、該方法により、二次元平面のインテリジェント車両の外乱防止を実現し、間隔制約及び未知の方向の故障フォールトトレランスを考慮する車両隊列制御を提出する。
【0078】
なお、本発明は、方法、装置又はコンピュータプログラム製品として提供できる。従って、本発明の実施例は、完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせる実施例の形態を採用することができる。且つ、本発明の実施例は、コンピュータ使用可能なプログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ使用可能な記憶媒体上に実装されたコンピュータプログラム製品の形態を採用することができる。
【0079】
本発明の実施例は、本発明の実施例による方法、端末装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート及び/又はブロック図の各プロセス及び/又はブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図のプロセス及び/又はブロックの組み合わせを、コンピュータプログラム命令によって実現できることを理解できる。これらのコンピュータプログラム命令を、汎用コンピュータ、組み込みプロセッサ又は他のプログラム可能なデータ処理端末装置のプロセッサに提供して機器を製造することができ、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理端末装置のプロセッサによって実行される命令は、フローチャートの1つのプロセス又は複数のプロセス及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現する装置を生成する。
【0080】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理端末装置が特定の方式で動作するように導くことができるコンピュータ可読メモリに記憶することができ、その結果、該コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、命令装置を含む製造品を生成し、該命令装置は、フローチャートの1つのプロセス又は複数のプロセス及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現する。これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理端末装置にロードすることができ、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能な端末装置に一連の操作ステップを実行して、コンピュータにより実現される処理を生成し、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能な端末装置で実行される命令は、フローチャートの1つのプロセス又は複数のプロセス及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0081】
なお、本明細書では、用語「備える」、「含む」又は他の任意の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図し、このため、一連の要素を含むプロセス、方法、商品又は端末装置は、これら要素だけでなく、明確に挙げられていないほかの要素を含むか、又はこのようなプロセス、方法、商品又は端末装置に固有の要素を含む。さらなる制限がない限り、句「……を備える」により限定される要素は、前記要素を含むプロセス、方法、商品又は端末装置に別の同じ要素も含むことを排除しない。
【0082】
なお、以上は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の好ましい実施例を説明したが、当業者にとって、本発明の創造性概念を一旦把握すると、本発明の前記原理を逸脱せずに、いくつかの改良及び修飾をさらに行うことができ、これらの改良及び修飾は、本発明の保護範囲と見なすべきである。従って、添付の特許請求の範囲は、好ましい実施例及び本発明の実施例の範囲に属するすべての変更及び修正を含むと解釈すべきである。
図1
図2