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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106263
(43)【公開日】2022-07-19
(54)【発明の名称】タンデム接続型アンテナ構造体
(51)【国際特許分類】
   H01Q 11/16 20060101AFI20220711BHJP
【FI】
H01Q11/16
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079094
(22)【出願日】2021-05-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】109217333
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501243317
【氏名又は名称】耀登科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】江 ▲啓▼名
(57)【要約】
【課題】本発明は、タンデム接続型アンテナ構造体を提供する。
【解決手段】タンデム接続型アンテナ構造体は、絶縁基板、第1の接続線、2つの第1のアンテナ、第2の接続線、2つの第2のアンテナ、及び給電点を含む。第1の接続線及び2つの第1のアンテナは絶縁基板の一方の表面に配置される。第2の接続線及び2つの第2のアンテナは絶縁基板の他方の表面に配置される。各第1のアンテナと各第2のアンテナは、同一の対称形状に形成される。2つの第2のアンテナが第1の表面に正投影した領域は、基準位置に対して2つの第1のアンテナと180度の回転対称性を有する。給電点は、第1の接続線及び第2の接続線に電気的に接続される。このように、タンデムアンテナ構造体における高周波数、低周波数のアンテナパターンの最大値のそれぞれを水平面に位置させることが可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面及び第2の表面を有する絶縁基板と、
前記第1の表面に配置される第1の接続線と、
前記第1の表面に互いに離れて配置され、それぞれに2つの第1のサブアンテナが含まれ、各前記第1のサブアンテナが第1の自由端部、及び第1の接続端部を有し、2つの前記第1のサブアンテナのそれぞれが、前記第1の接続端部で前記第1の接続線に電気的に接続され、2つの前記第1のサブアンテナは互いに鏡面対称に構成される、2つの第1のアンテナと、
前記第2の表面に配置される第2の接続線と、
前記第2の表面に互いに離れて配置され、それぞれに2つの第2のサブアンテナが含まれ、かつ、各前記第2のサブアンテナが第2の自由端部、及び第2の接続端部を有し、2つの前記第2のサブアンテナはそれぞれ、前記第2の接続端部で前記第2の接続線に電気的に接続され、2つの前記第2のサブアンテナは互いに鏡面対称に構成される、2つの第2のアンテナと、
給電点と、
を含み、
前記絶縁基板において、2つの前記第1のアンテナがそれぞれ前記第1の接続線に電気的に接続される箇所に基準位置が設けられ、かつ、2つの前記第2のアンテナが前記第1の表面に正投影した領域は、対応的な前記基準位置に関し2つの前記第1のアンテナと180度の回転対称性(2-fold rotational symmetry)を有し
前記給電点は、2つの前記基準位置の間にある前記第1の接続線、及び2つの前記基準位置が前記第2の表面に正投影した領域の間にある前記第2の接続線に電気的に接続されることを特徴とする、タンデム接続型アンテナ構造体。
【請求項2】
各前記第2のアンテナにおける2つの前記第2の自由端部と、各前記第1のアンテナにおける2つの前記第1の自由端部とは、互いに対向する方向に向かっており、前記給電点が前記絶縁基板を貫通して、前記第1の接続線及び前記第2の接続線に電気的に接続され、前記給電点から2つの前記基準位置までの距離の比は1:1である、請求項1に記載のタンデム接続型アンテナ構造体。
【請求項3】
2つの前記第1のアンテナにおける2つの前記第1の自由端部は、互いに離れる方向に向かっており、2つの前記第2のアンテナにおける2つの前記第2の自由端部は互いに対向する方向に向かっており、前記給電点は、前記絶縁基板を貫通して、前記第1の接続線及び前記第2の接続線に電気的に接続され、前記給電点から2つの前記基準位置までの距離の比は1:3である、請求項1に記載のタンデム接続型アンテナ構造体。
【請求項4】
前記タンデム接続型アンテナ構造体は特定の伝送帯域に適用され、2つの前記基準位置の間の距離は、前記伝送帯域の中心周波数が対応する波長の0.5~1.5倍である、請求項1に記載のタンデム接続型アンテナ構造体。
【請求項5】
前記第2の接続線が前記第1の表面に正投影した領域は前記第1の接続線と重ねて、かつ、2つの前記第2のアンテナの位置はそれぞれ2つの前記第1のアンテナの位置に対応する、請求項1に記載のタンデム接続型アンテナ構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ構造体に関し、特に、タンデム接続型アンテナ構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアンテナ構造体では、全方位放射と高利得を両立させるために、ダイポールアンテナを用いて直列接続することで実現しているものがほとんどである。具体的には、従来のアンテナ構造では、回路基板を作成する際に、アンテナを直列に接続するための接続線を用いている。しかしながら、従来のアンテナ構造体は、片面となる場合、グランドからの影響により、従来のアンテナ構造体のアンテナパターンが無指向性の要求を満たすことができないという問題があった。そのため、従来のアンテナ構造の多くは、回路基板の両面にアンテナが対称的に配置されている。しかしながら、従来のアンテナ構造体の回路基板の両側の2つのアンテナパターンが互いに影響し合った後も、2つのアンテナパターンが周波数オフセットを生じ、水平面内に位置することができないという問題があった。
【0003】
そこで、上記不具合を改善することができると考え、科学的原理を応用して研究し、合理的に設計された効果的な解決策を考え出したのが、上記不具合の改善である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、既存の技術の不足に対して、従来のアンテナ構造体によって生じうる不都合が効果的に改善し得るタンデム接続型アンテナ構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明実施形態は下記のようなタンデム接続型アンテナ構造体を提供する。タンデム接続型アンテナ構造体は、絶縁基板、第1の接続線、2つの第1のアンテナ、第2の接続線、2つの前記第2のアンテナ、及び給電点を備える。絶縁基板は、互いに反対面となる第1の表面及び第2の表面を有する。第1の接続線は、前記第1の表面に配置される。2つの第1のアンテナは互いに離れて前記第1の表面に配置される。各前記第1のアンテナは2つの第1のサブアンテナを含み、かつ、各前記第1のサブアンテナは第1の自由端部及び第1の接続端部を有する。2つの前記第1のアンテナにおける2つの前記第1のサブアンテナはそれぞれ、前記第1の接続端部で前記第1の接続線に電気的に接続され、かつ、2つの前記第1のサブアンテナは互いに鏡面対称に構成される。第2の接続線は、前記第2の表面に配置される。2つの第2のアンテナは、互いに離れて前記第2の表面に配置される。各前記第2のアンテナは、2つの第2のサブアンテナを備え、かつ、各前記第2のサブアンテナは、第2の自由端部、及び第2の接続端部を有する。2つの前記第2のアンテナにおける2つの前記第2のサブアンテナはそれぞれ、前記第2の接続端部で前記第2の接続線に電気的に接続される。かつ、2つの前記第2のサブアンテナは互いに鏡面対称に構成される。中でも、前記絶縁基板における、2つの前記第1のアンテナがそれぞれ前記第1の接続線に電気的に接続される箇所の間に基準位置が設けられる。かつ、2つの前記第2のアンテナが前記第1の表面に正投影した領域は、前記対応的な基準位置に対して2つの前記第1のアンテナと180度の回転対称性(2-fold rotational symmetry)を有する。給電点は、2つの前記基準位置の間にある前記第1の接続線と、2つの前記基準位置が前記第2の表面に正投影した領域の間にある前記第2の接続線と電気的に接続される。
【発明の効果】
【0006】
上記を纏め、本発明実施形態が開示したタンデム接続型アンテナ構造体は、「2つの前記第1のアンテナがそれぞれ2つの前記第2のアンテナと同じような対称状に形成され、かつ、2つの前記第2のアンテナが前記第1の表面に正投影した領域は、対応的な前記基準位置に対して、2つの前記第1のアンテナと180度の回転対称性を有する」、及び「前記給電点が2つの前記基準位置の間にある前記第1の接続線と、2つの前記基準位置が前記第2の表面に正投影した領域の間にある前記第2の接続線と接続される」という構成によって、タンデム接続型アンテナ構造体は、高周波数、低周波数のアンテナパターンの最大値のそれぞれを水平面に位置させる効果が果たせる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る第1の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体を示す上面模式図である。
図2】本発明に係る第1の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体を示す側面模式図である。
図3】本発明に係る第1の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体において、第1の表面を示す上面模式図である。
図4】本発明に係る第1の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体において、第2の表面を示す上面模式図である。
図5】本発明に係る第2の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体を示す上面模式図である。
図6】本発明に係る第2の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体において、第1の表面を示す上面模式図である。
図7】本発明に係る第2の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体において、第2の表面を示す上面模式図である。
図8】本発明に係る第3の実施形態の第1のタンデム接続型アンテナ構造体を示す上面模式図である。
図9】本発明に係る第3の実施形態の第2のタンデム接続型アンテナ構造体を示す上面模式図である。
図10】本発明に係る第3の実施形態の第1のタンデム接続型アンテナ構造体のアンテナパターンを示す模式図である。
図11】本発明に係る第3の実施形態の第1のタンデム接続型アンテナ構造体において、H平面(H-plane)でのアンテナパターンを示す模式図である。
図12】本発明に係る第3の実施形態の第1のタンデム接続型アンテナ構造体において、E平面(E-plane)でのアンテナパターンを示す模式図である。
図13】本発明に係る第4の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体を示す上面模式図である。
図14】本発明に係る第4の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体において、第1の表面を示す上面模式図である。
図15】本発明に係る第4の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体において、第2の表面を示す上面模式図である。
図16】本発明に係る第5の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体を示す上面模式図である。
図17】本発明に係る第5の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体において、第1の表面を示す上面模式図である。
図18】本発明に係る第5の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体において、第2の表面を示す上面模式図である。
図19】本発明に係る第6の実施形態の第1のタンデム接続型アンテナ構造体を示す上面模式図である。
図20】本発明に係る第6の実施形態において、部分的な第1のタンデム接続型アンテナ構造体を示す上面模式図である。
図21】本発明に係る第6の実施形態の第2のタンデム接続型アンテナ構造体を示す上面模式図である。
図22】本発明に係る第6の実施形態において、部分的な第2のタンデム接続型アンテナ構造体を示す上面模式図である。
図23】本発明に係る第6の実施形態の第1のタンデム接続型アンテナ構造体の最終的なアンテナパターンを示す側面模式図である。
図24】本発明に係る第6の実施形態の第1のタンデム接続型アンテナ構造体の最終的なアンテナパターンを示す上面模式図である。
図25】本発明に係る第6の実施形態の第1のタンデム接続型アンテナ構造体の第1のアンテナパターンを示す模式図である。
図26】本発明に係る第6の実施形態の第1のタンデム接続型アンテナ構造体の第2のアンテナパターンを示す模式図である。
図27】本発明に係る第6の実施形態の第1のタンデム接続型アンテナ構造体において、H平面(H-plane)での最終的なアンテナパターンを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下の本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の請求の範囲を制限するためのものではない。
【0009】
下記より、具体的な実施例で本発明が開示する「タンデム接続型アンテナ構造体」に係る実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。
【0010】
なお、本明細書において「第1」、「第2」、「第3」等の用語で各種の部品又は信号を説明する可能性があるが、これらの部品又は信号はこれらの用語によって制限されるものではない。これらの用語は、主として一つの部品と別の部品、又は一つの信号と別の信号を区分するためのものであることが理解されたい。また、本明細書に用いられる「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連する項目中の何れか一つ又は複数の組合せを含み得る。
[第1の実施形態]
【0011】
図1図4に示すように、本実施形態は、ある伝送帯域に適用されるタンデム接続型アンテナ構造体100Aを開示する。図1及び図2に示すように、本実施形態において、前記タンデム接続型アンテナ構造体100Aは、絶縁基板110と、前記絶縁基板110の一方側に配置される第1の接続線120及び2つの第1のアンテナ130と、前記絶縁基板110の他方側に配置される第2の接続線140及び2つの第2のアンテナ150と、前記第1の接続線120及び前記第2の接続線140に電気的に接続される給電点160とを備える。以下は、前記タンデム接続型アンテナ構造体100Aの各構成要素及びそれらの構成要素の連接関係の詳細を説明する。
【0012】
図1及び図2に示すように、前記絶縁基板110は長方形に形成され、長さ方向LDを有し、かつ、前記絶縁基板110は、前記長さ方向LDに垂直となる幅方向WDを有する。本実施形態において、前記絶縁基板110長方形を例として挙げられるが、前記絶縁基板110の形状では長方形に制限されず、かつ、前記絶縁基板110の外形や寸法のいずれも実際のニーズに応じて調整できる。また、上記長方形の長辺は、前記長さ方向LDに平行となり、短辺は前記幅方向WDに平行となる。
【0013】
本実施形態において、前記絶縁基板110は、互いに反対面となる第1の表面111と第2の表面112を有し、かつ、前記絶縁基板110における前記長さ方向LD上の両端部はそれぞれ第1の端部113及び第2の端部114に定義される。前記第1の表面111は、図2において上向きに、前記第2の表面112は、図2において下向きに配置される。説明の便宜上、前記絶縁基板110における図2の左側にある端部を前記第1の端部113と、前記絶縁基板110における図2の右側の端部を前記第2の端部114と定義付けるようになる。
【0014】
また、図3及び図4に示すように、前記第1の表面111及び前記第2の表面112では、前記長さ方向LDに沿って中心線CLが設けられる。即ち、前記第1の表面111は、前記中心線CLを有し、前記第2の表面112も前記中心線CLを有し、かつ、前記第1の表面111の中心線CLが前記第2の表面112に正投影したものは、前記第2の表面112の中心線と重ねる。
【0015】
前記第1の接続線120は前記第1の表面111に配置され、かつ、前記第1の接続線120は、本実施形態では、実質的に前記第1の表面111上の中心線CLに沿って配置されるが、本発明はこの例に制限されない。例えば、本発明に係る図示されない他の実施形態において前記第1の接続線120は、前記長さ方向LDの任意の位置の仮想線に沿って配置される。
【0016】
図3に示すように、2つの前記第1のアンテナ130は互いに離れて前記第1の表面111に配置される。本実施形態において、各前記第1のアンテナ130は2つの第1のサブアンテナ131を備え、かつ、各前記第1のサブアンテナ131は第1の自由端部1311、及び第1の接続端部1312を有する。2つの前記第1のアンテナ130における2つの前記第1のサブアンテナ131はそれぞれ、前記第1の接続端部1312で前記第1の接続線120に電気的に接続されるとともに、2つの前記第1のサブアンテナ131は互いに鏡面対称に構成される。
【0017】
具体的に、2つの前記第1のアンテナ130は、本実施形態において、実質的にU字形状と形成され、かつ、前記第1の表面111の中心線CLは、2つの前記第1のアンテナ130の対称線として取り扱う。各前記第1のアンテナ130における2つの前記第1のサブアンテナ131はそれぞれ前記対称線(前記中心線CL)に関して両側に位置し、かつ、各前記第1のサブアンテナ131における2つの前記第1の自由端部1311は、前記第1の端部113に向かって配置される。
【0018】
注目すべきは、2つの前記第1のアンテナ130及び前記第1の接続線120は、本実施形態では、一体的に接続され構成されるが、本発明はこの例に制限されない。例えば、2つの前記第1のアンテナ130及前記第1の接続線120はそれぞれ独立な要素で、互いに電気的に接続されてもよい。
【0019】
続いて、図4に示すように、前記第2の接続線140が前記第2の表面112に配置され、かつ、前記第2の接続線140は、本実施形態では、実質的に前記第2の表面112における中心線CLに沿って配置されるが、本発明はこの例に制限されない。例えば、本発明に係る図示されない他の実施形態において前記第2の接続線140は、前記長さ方向LDの任意の仮想線に沿って配置されてもよい。注意すべきは、実務上、前記第2の接続線140が前記第1の表面111での正投影は、前記第1の接続線120と重ねる(例えば、図1に示すように)。
【0020】
2つの前記第2のアンテナ150は互いに離れて前記第2の表面112に配置され、かつ、2つの前記第2のアンテナ150の位置は、実質的に2つの前記第1のアンテナ130の位置と対応する。本実施形態において、各前記第2のアンテナ150は、2つの第2のサブアンテナ151を備え、かつ、各前記第2のサブアンテナ151は、第2の自由端部1511、及び第2の接続端部1512を有する。2つの前記第2のアンテナ150における2つの前記第2のサブアンテナ151はそれぞれ、前記第2の接続端部1512で前記第2の接続線140に電気的に接続される。かつ、2つの前記第2のサブアンテナ151は互いに鏡面対称に構成される。
【0021】
本実施形態において、2つの前記第2のアンテナ150の形状は、2つの前記第1のアンテナの形状と同一となり、即ち、2つの前記第2のアンテナ150のそれぞれも、実質的にU字形状に形成され、かつ、前記第2の表面112の中心線CLは、2つの前記第2のアンテナ150の対称線となる。各前記第2のアンテナ150における2つの前記第2のサブアンテナ151はそれぞれ前記対称線(前記中心線CL)に関し両側に配置され、かつ、各前記第2のアンテナ150における2つの前記第2の自由端部1511と各前記第1のアンテナ130における2つの前記第1の自由端部1311とは互いに離れる方向に向かっている。即ち、各前記第2のサブアンテナ151における2つの前記第2の自由端部1511は、前記第2の端部114に向かっている。
【0022】
注意すべきは、2つの前記第2のアンテナ150及び前記第2の接続線140は、本実施形態では一体的に接続され構成されるが、本発明はこの例に制限されない。例えば、2つの前記第2のアンテナ150及び前記第2の接続線140はそれぞれ独立な要素であり、互いに電気的に接続されてもよい。
【0023】
また、2つの前記第1のアンテナ130及び2つの前記第2のアンテナ150は、本実施形態ではU字形状に形成されるが、本発明は、図示されない他の実施形態において、2つの前記第1のアンテナ130及び2つの前記第2のアンテナ150は、例えば、「一」字形状または「H」字形状等他の鏡像対称な形状に形成されてもよい。
【0024】
再度、図1及び図3に示すように、前記絶縁基板110における、2つの前記第1のアンテナ130が前記第1の接続線120とそれぞれ電気的に接続される箇所に基準位置RPが設けられる。即ち、前記第1の接続線120に2つの前記基準位置RPが設けられる。2つの前記第2のアンテナ150が前記第1の表面111に正投影した領域は、対応的な前記基準位置RPに関して2つの前記第1のアンテナ130と180度の回転対称性(2-fold rotational symmetry)を有する。
【0025】
図2図4に示すように、前記給電点160が2つの前記基準位置RPの間にある前記第1の接続線120と、2つの前記基準位置RPが前記第2の表面112に正投影した領域の間にある前記第2の接続線140と電気的に接続される。
【0026】
本実施形態において、前記給電点160は、前記絶縁基板110の厚み方向TDに沿って、前記絶縁基板110を貫通するように構成され、かつ、前記給電点160の両端面はそれぞれ前記第1の表面111及び前記第2の表面112に露出している。それで、前記給電点160の両端部は前記第1の接続線120及び前記第2の接続線140に電気的に接続できる。即ち、前記給電点160における第1の表面111の端面が前記第2の表面112への正投影は、第2の表面112の端面で前記給電点160と重ねるようになる。
【0027】
注意すべきは、前記給電点160が2つの前記基準位置RPまでの距離比は、1:1となる。即ち、第1の表面111の端面における前記給電点160から2つの前記第1のアンテナ130のそれぞれまでの2つの第1の最短距離D1は同一である。第2の表面112の端面における前記給電点160から2つの前記第2のアンテナ150のそれぞれまでの2つの第2の最短距離D2も同一である。かつ、前記第1の最短距離D1は、前記第2の最短距離D2と同一である。
【0028】
さらに、実務上では、2つの前記第1の最短距離D1の総和、または2つの前記第2の最短距離D2の総和は、前記伝送帯域の一中心周波数に対応した波長の0.5~1.5倍であり、それは、2つの前記基準位置RPの間の距離が前記中心周波数に対応した波長の0.5~1.5倍であることも理解される。中でも、前記中心周波数に対応した波長に等しい距離が好ましいが、本発明はこの例に制限されない。前記タンデム接続型アンテナ構造体100Aは上記の構成によって、前記第1の表面111における2つの前記第1のアンテナ130、及び前記第2の表面112における2つの前記第2のアンテナ150が互いに影響し合った後、その高、低周波数のアンテナパターンの最大値のいずれも、平面に位置することになる。それについては、後記の第3の実施形態に範例を挙げる。
【0029】
言い換えれば、「給電点の両端面が、一方面における2つのアンテナの間の接続線、及び他方面における2つのアンテナの間の接続線に位置する」という構成でないアンテナ構造体のいずれも、本発明に係るタンデム接続型アンテナ構造体100Aではないともいう。
[第2の実施形態]
【0030】
図5図7に示すように、本発明の他の実施形態に係るタンデム接続型アンテナ構造体100Bを示す。本実施形態は、上記第1の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体100Aと同様であるため、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。なお、本実施形態に係るタンデム接続型アンテナ構造体100Bが第1の実施形態に対して主な相違点は以下のように説明する。
【0031】
本実施形態において、2つの前記第1のアンテナ130は同じ方向に向かっていない。かつ、2つの前記第2のアンテナ150も同じ方向に向かっていない。具体的に、一方の前記第1のアンテナ130(即ち、図6において下方にある前記第1のアンテナ130)、及び位置的に対応的な前記第2のアンテナ150(即ち、図7において下方にある前記第2のアンテナ150)において、前記第1のアンテナ130における2つの前記第1の自由端部1311は、前記第1の端部113に向かっており、前記第2のアンテナ150における2つの前記第2の自由端部1511が前記第2の端部114に向かっている。また、他方の前記第1のアンテナ130(即ち、図6において上方にある前記第1のアンテナ130)、及び位置的に対応的な前記第2のアンテナ150(即ち、図7において上方にある前記第2のアンテナ150)において、前記第1のアンテナ130における2つの前記第1の自由端部1311が前記第2の端部114に向かっている。前記第2のアンテナ150における2つの前記第2の自由端部1511が前記第1の端部113に向かっている。即ち、本実施形態において、2つの前記第1のアンテナ130は、互いに対向する方向に向かっており(例えば、図6に示すように)、2つの前記第2のアンテナ150は、互いに離れる方向に向かっている(例えば、図7に示すように)。かつ、2つの前記第2のアンテナ150が前記第1の表面111へ正投影した領域は、対応的な前記基準位置RPと2つの前記第1のアンテナ130に関して依然として180度の回転対称性を有する。
【0032】
注意すべきは、本実施形態に係る2つの前記第1のアンテナ130及び2つの前記第2のアンテナ150の向き方向の変化に伴って、前記給電点160の位置を調整する必要がある。その調整は、前記給電点160から2つの前記基準位置までの距離の比を1:3にすることとなる。詳しくは、図6及び図7に示すように、本実施形態において、第1の表面111の端面において、前記給電点160から2つの前記第1のアンテナ130のそれぞれまでの2つの前記第1の最短距離D1’の比が1:3となり、第2の表面112の端面において、前記給電点160から2つの前記第2のアンテナ150のそれぞれまでの2つの前記第2の最短距離D2の比も1:3となる。前記タンデム接続型アンテナ構造体100Bを上記のように調整した後、その高、低周波数のアンテナパターンの最大値も第1の実施形態に係る前記タンデム接続型アンテナ構造体100Aのように、それぞれ水平面に位置するようになる。
[第3の実施形態]
【0033】
図8及び図9に示すように、本発明の他の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体100A’、100B’を示している。本実施形態は、上記第1の実施形態及び第2の実施形態に係るタンデム接続型アンテナ構造体100A、100Bと同様しているため、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。なお、本実施形態に係るタンデム接続型アンテナ構造体100A’、100B’が第1の実施形態及び第2の実施形態に対する主な相違点は以下のように説明する。
【0034】
本実施形態において、前記タンデム接続型アンテナ構造体100A’、100B’はさらに複数の第1の補助アンテナ170及び複数の第2の補助アンテナ180を含み、かつ、各前記第1の補助アンテナ170は前記第1のアンテナ130に相当し、各前記第2の補助アンテナ180は前記第2のアンテナ150に相当する。
【0035】
具体的に、複数の前記第1の補助アンテナ170は、実施形態では同じ量で前記第1の表面111に配置され、かつ、複数の前記第1の補助アンテナ170が前記第1の接続線120に電気的に接続され、各前記第1の補助アンテナ170と前記第1のアンテナ130との形状は同じである。複数の前記第2の補助アンテナ180は、本実施形態において、同じ量で前記第2の表面112に配置され、かつ、複数の前記第2の補助アンテナ180が前記第2の接続線140に電気的に接続され、各前記第2の補助アンテナ180と前記第2のアンテナ150との形状は同じであり、かつ、複数の前記第2の補助アンテナ180の数は、複数の前記第1の補助アンテナ170の数と相当である。
【0036】
また、前記絶縁基板110において、各前記第1の補助アンテナ170と前記第1の接続線120との間の電気的に接続された箇所に補助基準位置XPが設けられ、かつ、2つの前記第2の補助アンテナ180が前記第1の表面111に正投影した領域は、対応的な前記補助基準位置XPに関して、2つの前記第1の補助アンテナ170と180度の回転対称性(2-fold rotational symmetry)を有する。
【0037】
これから分かるように、各前記第1の補助アンテナ170が前記絶縁基板110に配置された方向及び配置方式は、前記第1のアンテナ130と実質的に同一であり、各前記第2の補助アンテナ180が前記絶縁基板110に配置された方向及び配置方式は、実質的に前記第2のアンテナ150と同一である。
【0038】
注意すべきは、前記第1の接続線120における隣り合う任意の2つの前記補助アンテナ170の間、及び任意の前記第1のアンテナ130とその隣の前記第1の補助アンテナ170との間に、それぞれ長さが同じの第1の最短距離D4が設けられる。前記第2の接続線140における隣り合う任意の2つの前記補助アンテナの間、及び任意の前記第2のアンテナ150とその隣の前記第2の補助アンテナ180との間に、それぞれ長さが同じの第2の最短距離D5が設けられる。実務上、各前記第1の最短距離D4及び各前記第2の最短距離D5はそれぞれ前記伝送帯域の前記中心周波数に対応した波長に等しい。
【0039】
また、図8及び図9において、複数の前記第1の補助アンテナ170及び複数の前記第2の補助アンテナ180はそれぞれ偶数個(それぞれ4個あり)があり、かつ、同じ量で前記第1の表面111及び第2の表面112に配置されるが、実務上、複数の前記第1の補助アンテナ170及び複数の前記第2の補助アンテナ180は奇数個(例えば、3個あり)であるとともに、違い量で前記第1の表面111及び第2の表面112に配置されてもよい。
【0040】
本実施形態に係るタンデム接続型アンテナ構造体100A’、100B’は、第1の実施形態及び第2の実施形態に比べて、本実施形態に係る前記タンデム接続型アンテナ構造体100A’、100B’は、さらに使用者のニーズに応じて前記アンテナパターンの強度を増加させることができる。
【0041】
具体的に、タンデム接続型アンテナ構造体100A’を例とすれば、図10図12に示すように、図10は、本実施形態の前記タンデム接続型アンテナ構造体100Aが生じたアンテナパターンを示す。図11は、前記アンテナパターンがH平面(H-plane)においての放射パターン(radiation pattern)を示す。図12は、前記アンテナパターンがE平面(E-plane)においての放射パターン(radiation pattern)を示す。図10図12からは、前記タンデム接続型アンテナ構造体100A’は上記構成によって、前記第1の表面111における2つの前記第1のアンテナ130と複数の前記第1の補助アンテナ170、前記第2の表面112における2つの前記第2のアンテナ150と複数の前記第2の補助アンテナ180は、互いに影響し合った後、その高、低周波数のアンテナパターンの最大値のいずれも水平面に位置することができることが明らかである。
[第4の実施形態]
【0042】
図13図15に示すように、図13図15は、本発明の他の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体200Aを示す。本実施形態は上記実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体100Aと同様であるため、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。なお、本実施形態に係るタンデム接続型アンテナ構造体200Aが第1の実施形態に対する主な相違点は以下のように説明する。
【0043】
図13図15に示すように、本実施形態において、前記第1の接続線220は、第1のメイン部分221、及び前記第1のメイン部分221に接続される2つの第1のサブ部分222を有する。前記第1のメイン部分221が前記第1の表面211の一方側(即ち、第2の端部214寄りの側)に配置され、2つの前記第1のサブ部分222は、互いに離れて前記第1の表面211の他方側(即ち、第1の端部213寄りの側)に配置されることで、前記第1の接続線220は実質的に「Y」字形状に形成される。
【0044】
また、前記第2の接続線240と前記第1の接続線220は同じである。言い換えれば、前記第2の接続線240も実質的に「Y」字形状に形成されており、第2のメイン部分241、及び前記第2のメイン部分241を接続する2つの第2のサブ部分242を有する。前記第2のメイン部分241は、前記第2の表面212の一方側に配置され、2つの前記第2のサブ部分242は互いに離れて前記第2の表面211の他方側に配置される。注意すべきは、2つの前記第2のサブ部分242が前記第1の表面211への正投影、及び前記第2のメイン部分241が前記第1の表面211への正投影はそれぞれ、2つの前記第1のサブ部分222及び前記第1のメイン部分221に重ねる。
【0045】
言い換えれば、図14及び図15に示すように、前記第1の表面211における2つの前記第1のサブ部分222と前記第1のメイン部分221との電気的に接続される箇所によって、前記第1の表面211は、第1の領域A1、及び第2の領域A2に分けられる。前記第2の表面212における2つの前記第2のサブ部分242と前記第2のメイン部分241との電気的に接続される箇所によって、前記第2の表面212は、第3の領域A3、及び第4の領域A4に分けられる。中でも、前記第1の領域A1の位置は前記第3の領域A3の位置に対応し、前記第2の領域A2の位置は前記第4の領域A4の位置に対応する。前記第1のメイン部分221は前記第1の領域A1に位置し、2つの前記第1のサブ部分222はそれぞれ前記第2の領域A2に位置する。前記第2のメイン部分241は前記第3の領域A3に位置し、2つの前記第2のサブ部分242はそれぞれ前記第4の領域A4に位置する。
【0046】
本実施形態に係る前記第1の接続線220及び前記第2の接続線240の構成変更に伴って、2つの前記第1のアンテナ230A、230B及び2つの前記第2のアンテナ250A、250Bは、第1の実施形態と相違にされる。具体的に、2つの前記第1のアンテナ230A、230Bはそれぞれ前記第1の領域A1及び前記第2の領域A2に位置する。前記第1の領域A1に位置する前記第1のアンテナ230Aにおける2つの前記第1の接続端部2312は、前記第1のメイン部分221に電気的に接続され、かつ、2つの前記第1のサブアンテナ231は一緒に第1の対称形状(U字形状)として形成される。前記第2の領域A2に位置する前記第1のアンテナ230Bにおける2つの前記第1のサブアンテナ231はそれぞれ前記第1の接続端部2312で2つの前記第1のサブ部分222に電気的に接続され、かつ、2つの前記第1のサブアンテナ231は一緒に第2の対称形状として形成される。
【0047】
即ち、2つの前記第1のアンテナ230A、230Bは、本実施形態では、異なる対称形状(即ち、第1の対称形状及び第2の対称形状)として形成され、かつ、前記第1の表面211の中心線CLは、2つの前記第1のアンテナ230と共有する対称線となる。注意すべきは、2つの前記第1のアンテナ230A、230Bにおける2つの前記第1の自由端部2311は、本実施形態ではそれぞれ前記第1の端部213(例えば、図14に示すように)に向かっている。
【0048】
続いて、図15に示すように、2つの前記第2のアンテナ250A、250Bはそれぞれ前記第3の領域A3及び前記第4の領域A4に位置する。前記第3の領域A3に位置する前記第2のアンテナ250Aにおける2つの前記第2のサブアンテナ251はそれぞれ、前記第2の接続端部2512で前記第2のメイン部分241に電気的に接続され、かつ、2つの前記第2のサブアンテナ251は一緒に前記第1の対称形状として形成される。前記第4の領域A4に位置する前記第2のアンテナ250Bにおける2つの前記第2のサブアンテナ251はそれぞれ、前記第2の接続端部2512で2つの前記第2のサブ部分242に電気的に接続され、かつ、2つの前記第2のサブアンテナ251は一緒に前記第2の対称形状として形成される。
【0049】
注意すべきは、図13図15に示すように、前記第3の領域A3に位置する前記第2のアンテナ250A(前記第1の対称形状)が前記第1の表面211に正投影した領域の形状と、前記第1の領域A1に位置する前記第1のアンテナ230A(前記第1の対称形状)の形状とは、鏡像関係である。前記第4の領域A4に位置する前記第2のアンテナ250B(前記第2の対称形状)が前記第1の表面211に正投影した領域の形状と、前記第2の領域A2に位置する前記第1のアンテナ230B(前記第2の対称形状)の形状とは、鏡像関係である。勿論、本実施形態に係る2つの前記第1のアンテナ230A、230Bの間、及び2つの前記第2のアンテナ250A、250Bの間の鏡像関係は、第1の実施形態における2つの前記第1のアンテナ130と前記第2のアンテナ150との間の180度の回転対称性を有することと関連しているとも理解される。
【0050】
また、2つの前記第2のアンテナ250A、250Bにおける2つの前記第2の自由端部2511は、本実施形態ではそれぞれ前記第2の端部214(例えば、図15に示すように)に向かっている。即ち、2つの前記第2のアンテナ250A、250Bの向き方向は、2つの前記第1のアンテナ230A、230Bの向き方向と反対とする。
【0051】
また、本実施形態に係る前記給電点260の位置は大体、前記第1の実施形態の前記給電点160と同様である。具体的に、図14に示すように、前記第1のメイン部分221と2つの前記第1の接続端部2312との電気的に接続された箇所は、基準位置RP’として定義される。2つの前記第1のサブ部分222がそれぞれ2つの前記第1の接続端部2312と電気的に接続された箇所に基準線XLが設けられ、前記給電点260から前記基準線XLまでの第3の最短距離D3と、前記給電点260から前記基準位置RP’まで第3の最短距離D3との比は、1:1となり、かつ、前記基準線XLから前記基準位置RP’までの最短距離(即ち、前記第3の最短距離D3の2倍)も、前記伝送帯域における前記中心周波数に対応した波長の0.5~1.5倍となるが、本発明はこの例に制限されない。例えば、本発明に係る他の実施形態において、前記給電点260は、前記第1の接続線220及び前記第2の接続線240の先端部と直接に電気的に接続されてもよい。
【0052】
前記タンデム接続型アンテナ構造体200Aは、上記の構成似よって、第1の実施形態の利点を有するのみならず、さらにアンテナパターンが水平面での最大値と最小値との差がおよそ0.5dBi以内に縮ませる。このように、前記タンデム接続型アンテナ構造体200AのアンテナパターンFTEでは、H平面(H-plane)においてさらに円形に近くなり(即ち、真円度が上がった)、その詳細については、後記の第6の実施形態にまた例を挙げて説明する。
[第5の実施形態]
【0053】
図16図18に示すように、本発明に係る他の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体200Bを示す。本実施形態は、上記実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体200Aと同様であるため、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。なお、本実施形態に係るタンデム接続型アンテナ構造体200Bが第4の実施形態に対する主な相違点は以下の通り説明する。
【0054】
本実施形態において、2つの前記第1のアンテナ230A、230Bは同じ方向に向かっていない。かつ、2つの前記第2のアンテナ250A、250Bも同じ方向に向かっていない。具体的に、前記第2の対称形状として構成される前記第1のアンテナ230Bにおける2つの前記第1の自由端部2311と、前記第1の対称形状として構成される前記第2のアンテナ250Aにおける2つの前記第2の自由端部2511とはそれぞれ、前記第2の端部214に向かっている。前記第2の対称形状として構成される前記第2のアンテナ250Bにおける2つの前記第2の自由端部2511と、前記第1の対称形状として構成される前記第1のアンテナ230Aにおける2つの前記第1の自由端部2311とはそれぞれ前記第1の端部213に向かっている。
【0055】
言い換えれば、本実施形態において、2つの前記第1のアンテナ230A、230Bは互いに対向する方向に向かっている。2つの前記第2のアンテナ250A、250Bは互いに離れる方向に向かっている。かつ、2つの前記第2のアンテナ250A、250Bが前記第1の表面211に正投影した領域は、対応的な前記基準位置RP’及び2つの前記第1のアンテナ230A、230Bとは、依然として180度の回転対称性を有する。
【0056】
即ち、図17に示すように、本実施形態は、第4の実施形態の基に、第2の実施形態の特徴構想を加えてなるものである。そのため、前記給電点260の両端面から前記基準線XLまでの第1の最短距離D6と、前記給電点260から前記基準位置RP’までの第2の最短距離D6’との比も、第2の実施形態と同じく1:3となるのも当然のことである。
[第6の実施形態]
【0057】
図19図27に示すように、本発明の他の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体200A’、200B’を示す。本実施形態は上記第4の実施形態及び第5の実施形態のタンデム接続型アンテナ構造体200A、200Bと同様にしているため、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。なお、本実施形態に係るタンデム接続型アンテナ構造体200A’、200B’が第4の実施形態及び第5の実施形態に対する相違点は以下の通りである。
【0058】
本実施形態において、図19及び図21に示すように、前記タンデム接続型アンテナ構造体200A’、200B’はさらに、複数の第1の補助アンテナ270A、270B及び複数の第2の補助アンテナ280A、280Bを含む。具体的に、複数の前記第1の補助アンテナ270A、270Bは同じ量(即ち、前記給電点260に関し両側に位置する数量が同じであることをいう)で前記第1の表面211に配置される。また、図20及び図22に示すように、各前記第1の補助アンテナ270A、270Bは、2つの第1の補助サブアンテナ271を備え、かつ、各前記第1の補助サブアンテナ271は第1の自由端部2711、及び第1の接続端部2712を有する。前記第1の表面211に位置すると共に、前記第1のメイン部分221の一方側に配置される各前記第1の補助アンテナ270Aを有する2つの前記第1の補助サブアンテナ271はそれぞれ、前記第1の接続端部2712で前記第1のメイン部分221に電気的に接続され、かつ、2つの前記第1の補助サブアンテナ271は一緒に前記第1の対称形状(U字形状)として形成される。前記第1の表面211に位置すると共に、2つの前記第1のサブ部分222の一方側に配置される各前記第1の補助アンテナ270Bを有する2つの前記第1の補助サブアンテナ271はそれぞれ、前記第1の接続端部2712で2つの前記第1のサブ部分222に電気的に接続され、かつ、2つの前記第1の補助サブアンテナ271は一緒に前記第2の対称形状として形成される。
【0059】
さらに言えば、各前記第1の補助アンテナ270Aにおける2つの前記第1の自由端部2311と、各前記第1のアンテナ230Aにおける2つの前記第1の自由端部2311は同じ方向に向かっている。また、各前記第1の補助アンテナ270Bにおける2つの前記第1の自由端部2311と各前記第1のアンテナ230Bにおける2つの前記第1の自由端部2311とは同じ方向に向かっている。即ち、前記給電点260に関して何れか一方側に配置される各前記第1の補助アンテナの方向及び形状は、他方側に配置される前記第1のアンテナと相当である。
【0060】
また、複数の前記第2の補助アンテナ280A、280Bの数は、複数の前記第1の補助アンテナ270A、270Bの数と同じである。複数の前記第2の補助アンテナ280A、280Bは同じ量で(即ち、前記給電点260に関し両側にある数量が同じであることをいう)前記第2の表面212に配置され、かつ、複数の前記第2の補助アンテナ280A、280Bの位置は、複数の前記第1の補助アンテナ270A、270Bの位置と対応している。
【0061】
前記第2の補助アンテナ280A、280Bはそれぞれ、2つの第2の補助サブアンテナ281を備え、かつ、各前記第2の補助サブアンテナ281は第2の自由端部2811及び第2の接続端部2812を有する。前記第2の表面212に位置すると共に、前記第2のメイン部分241の一方側に配置される各前記第2の補助アンテナ280Aを有する2つの前記第2の補助サブアンテナ281はそれぞれ、前記第2の接続端部2812で前記第2のメイン部分241に電気的に接続され、かつ、2つの前記第2の補助サブアンテナ281は一緒に前記第1の対称形状(U字形状)として形成される。前記第2の表面212に位置すると共に、2つの前記第2のサブ部分242の一方側に配置される各前記第2の補助アンテナ280Bを有する2つの前記第2の補助サブアンテナ281はそれぞれ、前記第2の接続端部2812で2つの前記第2のサブ部分222に電気的に接続され、かつ、2つの前記第2の補助サブアンテナ281は一緒に第2の対称形状として形成される。
【0062】
さらに、前記給電点260の一方側に配置される各前記第2の補助アンテナ280Aにおける2つの前記第2の自由端部2511と、各前記第2のアンテナ250Aにおける2つの前記第2の自由端部2511とは、同じ方向に向かっている。また、前記給電点260の他方側に配置される各前記第2の補助アンテナ280Bにおける2つの前記第2の自由端部2511と、各前記第2のアンテナ250Bにおける2つの前記第2の自由端部2511とは同じ方向に向かっている。
【0063】
上記を踏まえて、前記第1の補助アンテナ270A、270Bのいずれが前記絶縁基板210に配置される方向及び配置方式は大体、それと同じ側(同じ領域)にある前記第1のアンテナ230A、230Bと同じであり、前記第2の補助アンテナ280A、280Bのいずれが前記絶縁基板210に配置される方向及び配置方式は、それと同じ側(同じ領域)にある前記第2のアンテナ250A、250Bと同じである。
【0064】
注意すべきは、図20及び図21に示すように、任意の2つの前記補助アンテナの間に(即ち、隣り合う2つの前記基準線XL、又は隣り合う2つの前記補助基準位置XPの間に)、及び任意の前記第1のアンテナとその隣の前記第1の補助アンテナとの間に(即ち、前記基準位置RP’と隣り合う前記基準線XLとの間に)、前記第1の接続線220はそれぞれ、長さが同じとなる第1の最短距離D4’を有する。また、隣り合う任意の2つの前記補助アンテナの間、及び任意の前記第2のアンテナとその隣の前記第2の補助アンテナとの間に、前記第2の接続線240はそれぞれ、長さが同じとなる第2の最短距離D5’を有する。なかでも、各前記第1の最短距離D4’及び各前記第2の最短距離D5’は、前記伝送帯域の前記中心周波数に対応した波長と等しいであるが好ましい。
【0065】
また、図20及び図22において、複数の前記第1の補助アンテナ270及び複数の前記第2の補助アンテナ280はそれぞれ偶数個(それぞれ4個となり)であると共に、同じ量で前記第1の表面211及び第2の表面212に配置されるが、実務上、複数の前記第1の補助アンテナ270及び複数の前記第2の補助アンテナ280は奇数個(例えば、3個となり)であると共に、異なる量で前記第1の表面211及び第2の表面212上に配置されてもよい。
【0066】
本実施形態に係るタンデム接続型アンテナ構造体200A’、200B’は、第4の実施形態及び第5の実施形態に比べて、本実施形態に係る前記タンデム接続型アンテナ構造体200A’、200B’はさらに使用者のニーズに応じて前記アンテナパターンの強度を増加させることができる。
【0067】
具体的に、タンデム接続型アンテナ構造体200A’を例として挙げられると、図23図27に示すように、図23及び図24に示したのは、本実施形態に係る前記タンデム接続型アンテナ構造体200Aが生じた最終的なアンテナパターンFTEである。図25において、前記第1の領域A1に位置する前記第1のアンテナ230A、及び前記第3の領域A3に位置する前記第2のアンテナ250Aが一緒に形成した第1のアンテナパターンFT1である。図26において、前記第2の領域A2に位置する前記第1のアンテナ230B、及び前記第4の領域A4に位置する前記第2のアンテナ250Bが一緒に形成した第2のアンテナパターンFT2である。具体的に、2つの前記第1のアンテナ230A、230B、及び2つの前記第2のアンテナ250A、250Bがタンデムとなる(即ち、第1のアンテナパターンFT1と第2のアンテナパターンFT2と結合された)時、図23及び図24に示した前記最終的なアンテナパターンFTEが形成される。
【0068】
図23及び図24に示した最終的なアンテナパターンFTEからは、前記タンデム接続型アンテナ構造体200Aは、2つの前記第1のアンテナパターンFT1及び前記第2のアンテナパターンFT2が互いに埋め合わせると、第1の実施形態の利点を果たせるのみならず、前記最終的なアンテナパターンFETが水平面での最大値と最小値の差をおよそ0.5dBi以内に縮ませる。このように、前記タンデム接続型アンテナ構造体200Aの最終的なアンテナパターンFTEは、H平面(H-plane)において、図27に示すように、円形に近くなる(即ち、真円度が高まる)。
[本発明による有益な効果]
【0069】
上記を纏め、本発明に係る実施形態が開示したタンデム接続型アンテナ構造体は、「2つの前記第1のアンテナ130がそれぞれ2つの前記第2のアンテナ150と同じ対称形状に形成され、かつ、2つの前記第2のアンテナ150が前記第1の表面111に正投影した領域が、前記基準位置RPに関して2つの前記第1のアンテナ130と180度の回転対称性を有する。」、及び「前記給電点160は、2つの前記基準位置RPの間にある前記第1の接続線120と、2つの前記基準位置RPが前記第2の表面112に正投影した領域の間に前記第2の接続線140に電気的に接続される」というデザインによって、前記タンデム接続型アンテナ構造体は、高周波数、低周波数のアンテナパターンの最大値のそれぞれを水平面に位置させる効果が果たせる。
【0070】
以上に開示される内容は、好ましい本発明の可能な実施形態に過ぎず、発明の範囲を限定することを意図していない。そのため、本発明の明細書及び図面でなされた均等的な技術的変形は、全て本発明の請求の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0071】
100A、100B、100A’、100B’、200A、200A’、200B、 200B’:タンデム接続型アンテナ構造体
110、210:絶縁基板
111、211:第1の表面
112、212:第2の表面
113、213:第1の端部
114、214:第2の端部
120、220:第1の接続線
221:第1のメイン部分
222:第1のサブ部分
130、230A、230B:第1のアンテナ
131、231:第1のサブアンテナ
1311、2311:第1の自由端部
1312、2312:第1の接続端部
140、240:第2の接続線
241:第2のメイン部分
242:第2のサブ部分
150、250A、250B:第2のアンテナ
151、251:第2のサブアンテナ
1511、2511:第2の自由端部
1512、2512:第2の接続端部
160、260:給電点
170、270A、270B:第1の補助アンテナ
271:第1の補助サブアンテナ
2711:第1の自由端部
2712:第1の接続端部
180、280A、280B:第2の補助アンテナ
281:第2の補助サブアンテナ
2811:第2の自由端部
2812:第2の接続端部
LD:長さ方向
WD:幅方向
TD:厚み方向
CL:中心線
RP、RP’:基準位置
XP:補助基準位置
XL:基準線
D1、D1’、D4、D4’、D6:第1の最短距離
D2、D2’、D5、D5’、D6’:第2の最短距離
D3:第3の最短距離
A1:第1の領域
A2:第2の領域
A3:第3の領域
A4:第4の領域
FTE:最終的なアンテナパターン
FT1:第1のアンテナパターン
FT2:第2のアンテナパターン
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