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特開2022-106451マンコンベヤの欄干装置及びマンコンベヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106451
(43)【公開日】2022-07-20
(54)【発明の名称】マンコンベヤの欄干装置及びマンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/02 20060101AFI20220712BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20220712BHJP
   B66B 23/24 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
B66B31/02 Z
B66B31/00 C
B66B23/24 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021001458
(22)【出願日】2021-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 淳一
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321CF00
3F321EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】人が接触することによって、人の体温を検出するマンコンベヤの欄干装置及びマンコンベヤを提供する。
【解決手段】マンコンベヤの欄干装置は、駆動部に駆動されることによって無端回転する環状の手摺ベルト3を備え、手摺ベルト3は、ステップ12bに乗る人が接触することによって、当該人の体温を検出する温度検出部4を表面(具体的には、外周面)3aに備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端回転する手摺ベルトを備え、
前記手摺ベルトは、体温を検出する温度検出部を備えるマンコンベヤの欄干装置。
【請求項2】
前記温度検出部は、温度に応じて表示が変わる可逆性の示温材である、請求項1に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項3】
前記示温材は、第1温度よりも低い第1状態と、前記第1温度以上で且つ第2温度よりも低い第2状態と、前記第2温度以上である第3状態とにおいて、異なる表示をする、請求項2に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項4】
前記示温材を撮像する撮像部と、
撮像されたデータに基づいて、体温を判定する判定部と、を備える、請求項2又は3に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項5】
前記手摺ベルトが設定温度となるように、前記手摺ベルトを加熱及び冷却の少なくとも一方を行う温度調整部をさらに備える、請求項1~4の何れか1項に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の欄干装置を備える、マンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤの欄干装置及びマンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤの欄干装置は、ステップに乗る人の体温を検出する温度検出部を備えている(例えば、特許文献1)。ところで、特許文献1の温度検出部は、非接触のセンサであるため、人の体温を正確に検出することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-123569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、人が接触することによって、人の体温を検出するマンコンベヤの欄干装置及びマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マンコンベヤの欄干装置は、無端回転する手摺ベルトを備え、前記手摺ベルトは、体温を検出する温度検出部を備える。
【0006】
また、マンコンベヤの欄干装置においては、前記温度検出部は、温度に応じて表示が変わる可逆性の示温材である、という構成でもよい。
【0007】
また、マンコンベヤの欄干装置においては、前記示温材は、第1温度よりも低い第1状態と、前記第1温度以上で且つ第2温度よりも低い第2状態と、前記第2温度以上である第3状態とにおいて、異なる表示をする、という構成でもよい。
【0008】
また、マンコンベヤの欄干装置は、前記示温材を撮像する撮像部と、撮像されたデータに基づいて、体温を判定する判定部と、を備える、という構成でもよい。
【0009】
また、マンコンベヤの欄干装置は、前記手摺ベルトが設定温度となるように、前記手摺ベルトを加熱及び冷却の少なくとも一方を行う温度調整部をさらに備える、という構成でもよい。
【0010】
また、マンコンベヤは、前記の欄干装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係るマンコンベヤの概要図である。
図2図2は、同実施形態に係るマンコンベヤの要部平面図である。
図3図3は、同実施形態に係る手摺ベルトの要部平面図であって、(a)~(c)はそれぞれ第1~第3状態を示す図である。
図4図4は、同実施形態に係るマンコンベヤの要部正面図である。
図5図5は、同実施形態に係るマンコンベヤの要部正面図である。
図6図6は、他の実施形態に係る手摺ベルトの要部平面図であって、(a)~(c)はそれぞれ第1~第3状態を示す図である。
図7図7は、さらに他の実施形態に係る手摺ベルトの要部平面図であって、(a)~(c)はそれぞれ第1~第3状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、マンコンベヤの欄干装置及びマンコンベヤにおける一実施形態について、図1図5を参照しながら説明する。なお、各図(図6及び図7も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るマンコンベヤ1は、躯体に設置される構造体11と、人を搬送する搬送部12と、搬送部12を第1方向D1で挟むように配置される一対の欄干装置2,2(図1においては、一つのみを図示している)とを備えている。また、マンコンベヤ1は、搬送部12及び欄干装置2を駆動させる駆動部13と、装置全体を制御する制御部14とを備えている。
【0014】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する上下方向D3である。
【0015】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0016】
搬送部12は、例えば、本実施形態のように、駆動部13に駆動されることによって無端回転する環状の走行部12aと、走行部12aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続され、人が乗る踏面を有する複数のステップ12bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部12aは、例えば、ローラチェーンとすることができる。
【0017】
また、例えば、走行部12aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ12bは、一対の走行部12a,12aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ12bは、それぞれの走行部12aに対して回転可能に接続されている、という構成でもよい。
【0018】
駆動部13は、例えば、本実施形態のように、ステップ12bが反転するように走行部12aが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する一対の回転部13a,13aと、回転部13aを回転させる駆動源13bとを備えていてもよい。特に限定されないが、回転部13aは、例えば、スプロケットとすることができ、また、駆動源13bは、例えば、モータとすることができる。
【0019】
図1及び図2に示すように、欄干装置2は、駆動部13に駆動されることによって無端回転する環状の手摺ベルト3を備えている。なお、欄干装置2は、例えば、本実施形態のように、手摺ベルト3を支持する欄干本体部2aと、下部に配置されるガード部2bとを備えていてもよい。
【0020】
手摺ベルト3は、ステップ12bに乗る人が接触することによって、当該人の体温を検出する温度検出部4を表面(具体的には、外周面)3aに備えている。また、欄干装置2は、例えば、本実施形態のように、ステップ12bに乗る人の体温を判定する体温判定装置5と、手摺ベルト3の温度を調整する温調装置6とを備えていてもよい。
【0021】
図3に示すように、温度検出部4は、温度に応じて表示が変わる可逆性の示温材4である。そして、示温材4は、第1温度よりも低い第1状態(図3(a)参照)と、第1温度以上で且つ第2温度よりも低い第2状態(図3(b)参照)と、第2温度以上である第3状態(図3(c)参照)とにおいて、異なる表示をする。
【0022】
これにより、ステップ12bに乗る人が示温材4に接触することによって、示温材4は、当該人の体温を検出する。したがって、人が接触することによって、人の体温を検出するため、例えば、人の体温を正確に検出することができる。そして、示温材4が第1~第3状態で異なる表示をするため、示温材4の表示によって、三つの状態を検出することができる。
【0023】
特に限定されないが、例えば、示温材4は、第1~第3状態で異なる色4a~4cを表示する(変色する)、という構成でもよい。具体的には、例えば、示温材4は、第1状態において第1色4aを表示し、第2状態において第2色4bを表示し、第3状態において第3色4cを表示する、という構成でもよい。なお、第1~第3色4a~4cは、互いに異なる色(例えば、無色透明も含む)である。
【0024】
そして、第1温度は、例えば、34℃~36℃の範囲の温度とし、第2温度は、例えば、37℃~39℃の範囲の温度としてもよい。これにより、例えば、人が示温材4に接触していない(又は、人が示温材4に正確に接触していない)場合には、示温材4は、第1状態の第1色4aを表示し、接触した人の体温が平熱(正常)である場合には、示温材4は、第2状態の第2色4bを表示し、接触した人の体温が高熱(異常)である場合には、示温材4は、第3状態の第3色4cを表示することができる。
【0025】
したがって、例えば、接触した人の体温が正常か異常か(第2状態か、第3状態か)表示するだけでなく、人の体温を検出したか否か(第2及び第3状態か、第1状態か)を表示することができる。なお、示温材4の材料は、特に限定されないが、例えば、可逆的サーモクロミック材料を採用することができる。また、図3においては、示温材4の色(第1~第3色)4a~4cの違いは、ハッチングの種類の違いで図示している。また、図3図6及び図7も同様)においては、破線部分は、人が接触した領域を示している。
【0026】
図4に示すように、体温判定装置5は、示温材4を撮像する撮像部5aと、撮像されたデータに基づいて、体温を判定する判定部5bとを備えている。また、体温判定装置5は、例えば、本実施形態のように、人を検出する人検出部(例えば、各種センサ)5cと、手摺ベルト3から駆動を受ける駆動受け部5dと、情報を出力する出力部5eとを備えていてもよい。
【0027】
そして、例えば、人検出部5cが人を検出した後、所定のタイミングで、撮像部5aが示温材4を撮像し、判定部5bは、撮像された示温材4の色4a~4cに基づいて、第1~第3状態の何れかを判定してもよい。これにより、示温材4の表示(色4a~4c)から体温を判定することができる。
【0028】
そして、例えば、判定部5bが第1状態と判定した場合に、出力部5eは、体温が正確に検出されていない旨の情報を出力し、また、例えば、判定部5bが第3状態と判定した場合に、出力部5eは、体温が高温である旨の情報を出力する、という構成でもよい。なお、例えば、判定部5bが第2状態と判定した場合に、出力部5eは、特に情報を出力しない、という構成でもよい。
【0029】
また、体温判定装置5は、例えば、本実施形態のように、欄干装置2の第2横方向D2の端部に配置されていてもよい。具体的には、体温判定装置5は、搬送方向の下流側の端部、即ち、マンコンベヤ1の降り口に配置されていてもよい。これにより、搬送された人が示温材4から手を離した後に、体温判定装置5は、示温材4によって体温を判定することができる。なお、駆動受け部5dは、例えば、手摺ベルト3に接する転動体5fと、転動体5fが回転することによって発電し、各部5a,5b,5eに電力を供給する発電部5gとを備えていてもよい。
【0030】
図5に示すように、温調装置6は、手摺ベルト3の表面3aが設定温度となるように、手摺ベルト3の表面3aを加熱及び冷却の少なくとも一方を行う温度調整部6aを備えている。特に限定されないが、温度調整部6aは、例えば、設定温度の空気を手摺ベルト3の表面3aに吹き付ける空調機であってもよい。
【0031】
なお、設定温度とは、例えば、所定の温度だけでなく、所定の範囲を有する温度であってもよい。また、特に限定されないが、設定温度は、第1温度よりも低い温度(例えば、20℃~30℃)であることが好ましい。これにより、示温材4が、温調装置6によって、第1状態に初期化されるため、例えば、人が示温材4に接触していない(又は、人が示温材4に正確に接触していない)ことを、より正確に判定することができる。
【0032】
そして、温調装置6は、例えば、本実施形態のように、欄干装置2の第2横方向D2の端部(具体的には、搬送方向の上流側の端部)に配置されていてもよい。具体的には、温調装置6は、搬送方向の上流側の端部、即ち、マンコンベヤ1の乗り口に配置されていてもよい。これにより、搬送される人が示温材4に接触する前に、手摺ベルト3(示温材4及びその周辺)の温度を設定温度にすることができる。
【0033】
また、温調装置6は、例えば、本実施形態のように、手摺ベルト3から駆動を受ける駆動受け部6bを備えていてもよい。なお、駆動受け部6bは、例えば、手摺ベルト3に接する転動体6cと、転動体6cが回転することによって発電し、温度調整部6aに電力を供給する発電部6dとを備えていてもよい。
【0034】
以上より、本実施形態に係るマンコンベヤ1は、前記の欄干装置2を備える。
【0035】
そして、本実施形態のように、マンコンベヤ1の欄干装置2は、無端回転する手摺ベルト3を備え、前記手摺ベルト3は、体温を検出する温度検出部4を備える、という構成が好ましい。
【0036】
斯かる構成によれば、温度検出部4が、手摺ベルト3に備えられているため、人が手摺ベルト3に接触することによって、温度検出部4は、人の体温を検出する。これにより、人が接触することによって、人の体温を検出することができる。
【0037】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1の欄干装置2においては、前記温度検出部4は、温度に応じて表示が変わる可逆性の示温材4である、という構成が好ましい。
【0038】
斯かる構成によれば、温度検出部4は、可逆性の示温材4であって、示温材4の表示は、温度に応じて変わる。これにより、示温材4の表示によって、体温を検出することができる。
【0039】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1の欄干装置2においては、前記示温材4は、第1温度よりも低い第1状態と、前記第1温度以上で且つ第2温度よりも低い第2状態と、前記第2温度以上である第3状態とにおいて、異なる表示をする、という構成が好ましい。
【0040】
斯かる構成によれば、示温材4は、検出した温度に応じて、第1状態、第2状態、及び第3状態と、異なる表示をする。これより、示温材4の表示によって、三つの状態を検出することができる。
【0041】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1の欄干装置2は、前記示温材4を撮像する撮像部5aと、撮像されたデータに基づいて、体温を判定する判定部5bと、を備える、という構成が好ましい。
【0042】
斯かる構成によれば、撮像部5aは、示温材4を撮像し、判定部5bは、撮像部5aで撮像されたデータに基づいて、体温を判定する。これにより、示温材4の表示から体温を判定することができる。
【0043】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1の欄干装置2は、前記手摺ベルト3が設定温度となるように、前記手摺ベルト3を加熱及び冷却の少なくとも一方を行う温度調整部6aをさらに備える、という構成が好ましい。
【0044】
斯かる構成によれば、温度調整部6aが手摺ベルト3を加熱及び冷却の少なくとも一方を行うため、手摺ベルト3は、設定温度になる。これにより、温度検出部4が体温を検出する前に、温度検出部4及びその周辺の温度を設定温度にすることができる。
【0045】
なお、マンコンベヤ1及び欄干装置2は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1及び欄干装置2は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0046】
(1)上記実施形態に係る欄干装置2においては、示温材4は、第1~第3状態で異なる色4a~4cを表示する、という構成である。しかしながら、欄干装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、図6及び図7に示すように、示温材4は、第1~第3状態で異なる領域4d~4gを変色させる、という構成でもよい。
【0047】
(1-1)まず、図6に係る示温材4について説明する。
【0048】
図6に係る示温材4においては、示温材4が第1温度へ昇温することによって、第1領域4d(図6において左側半分の領域)が第1色4aから第2色4bに変色する(図6(b)参照)。また、示温材4が第2温度へ昇温することによって、第1領域4dだけでなく第2領域4e(図6において右側半分の領域)も第1色4aから第2色4bに変色する(図6(c)参照)。
【0049】
具体的には、示温材4は、第1状態において、第1横方向D1に亘って第1色4aを表示し(図6(a)参照)、第2状態において、第1領域4dを第1色4aで表示し且つ第2領域4eを第2色4bで表示し(図6(b)参照)、第3状態において、第1横方向D1に亘って第2色4bを表示する(図6(c)参照)。このように、第2色4bの領域の大きさによって、体温の高さが表示されてもよい。
【0050】
(1-2)次に、図7に係る示温材4について説明する。
【0051】
図7に係る示温材4においては、示温材4が第1温度へ昇温することによって、第1領域(図7においては、中央の領域)4fが第1色(図7においては、ハッチング無しで図示している)4aから第2色(図7においては、ハッチング有りで図示している)4bに変色する(図7(b)参照)。また、示温材4が第2温度へ昇温することによって、第2領域(図7においては、右側の領域)4gが第1色4aから第2色4bに変色し、第1領域4fが第2色4bから第1色4aに変色して戻る(図7(c)参照)。
【0052】
具体的には、示温材4は、第1状態において、第1横方向D1に亘って第1色4aを表示し(図7(a)参照)、第2状態において、第1領域4fのみ第2色4bで表示し、残りの領域を第1色4aで表示し(図7(b)参照)、第3状態において、第2領域4gのみ第2色4bで表示し、残りの領域を第1色4aで表示する(図7(c)参照)。このように、第2色4bの領域の位置によって、体温の高さが表示されてもよい。
【0053】
(2)また、上記実施形態に係る欄干装置2は、示温材4を撮像する撮像部5aと、撮像されたデータに基づいて、体温を判定する判定部5bと、を備える、という構成である。しかしながら、欄干装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、欄干装置2は、撮像部5a及び判定部5bを備えていない、という構成でもよい。
【0054】
特に限定されないが、撮像部5a及び判定部5bが備えられていない構成においては、例えば、図7に示すように、手摺ベルト3は、示温材4によって体温を表示する表示部3bを備えていてもよい。表示部3bの構成は、特に限定されないが、表示部3bは、例えば、図7に示すように、示温材4が第2色4bを表示する部分の数値によって、体温を表示する、という構成でもよい。
【0055】
(3)また、上記実施形態に係る欄干装置2においては、温度検出部4は、温度に応じて表示が変わる可逆性の示温材4である、という構成である。しかしながら、欄干装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、温度検出部4は、手摺ベルト3の表面3aに埋め込められた温度センサである、という構成でもよい。
【0056】
(4)また、上記実施形態に係る欄干装置2においては、示温材4は、第1温度よりも低い第1状態と、第1温度以上で且つ第2温度よりも低い第2状態と、第2温度以上である第3状態とにおいて、異なる表示をする、という構成である。即ち、示温材4の異なる表示をする状態は、3つである、という構成である。しかしながら、欄干装置2は、斯かる構成に限られない。
【0057】
例えば、示温材4の異なる表示をする状態は、2つである、という構成でもよい。即ち、示温材4は、第1温度よりも低い第1状態と、第1温度以上である第2状態とにおいて、異なる表示をする、という構成でもよい。また、例えば、示温材4の異なる表示をする状態は、4つ以上である、という構成でもよい。
【0058】
(5)また、上記実施形態に係る欄干装置2は、手摺ベルト3を加熱及び冷却の少なくとも一方を行う温度調整部6aを備える、という構成である。しかしながら、欄干装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、欄干装置2は、温度調整部6aを備えていない、という構成でもよい。特に限定されないが、マンコンベヤ1が屋内に設置されている場合には、欄干装置2は、温度調整部6aを備えていない、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…マンコンベヤ、2…欄干装置、2a…欄干本体部、2b…ガード部、3…手摺ベルト、3a…表面、3b…表示部、4…示温材(温度検出部)、4a…第1色、4b…第2色、4c…第3色、4d…第1領域、4e…第2領域、4f…第1領域、4g…第2領域、5…体温判定装置、5a…撮像部、5b…判定部、5c…人検出部、5d…駆動受け部、5f…転動体、5g…発電部、5e…出力部、6…温調装置、6a…温度調整部、6b…駆動受け部、6c…転動体、6d…発電部、11…構造体、12…搬送部、12a…走行部、12b…ステップ、13…駆動部、13a…回転部、13b…駆動源、14…制御部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端回転する手摺ベルトを備え、
前記手摺ベルトは、前記手摺ベルトに接触した人の体温を検出する温度検出部を備えるマンコンベヤの欄干装置。
【請求項2】
前記温度検出部は、温度に応じて表示が変わる可逆性の示温材である、請求項1に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項3】
前記示温材は、第1温度よりも低い第1状態と、前記第1温度以上で且つ第2温度よりも低い第2状態と、前記第2温度以上である第3状態とにおいて、異なる表示をする、請求項2に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項4】
前記示温材を撮像する撮像部と、
撮像されたデータに基づいて、体温を判定する判定部と、を備える、請求項2又は3に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項5】
前記手摺ベルトが設定温度となるように、前記手摺ベルトを加熱及び冷却の少なくとも一方を行う温度調整部をさらに備える、請求項1~4の何れか1項に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の欄干装置を備える、マンコンベヤ。