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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106527
(43)【公開日】2022-07-20
(54)【発明の名称】清掃用具用継手及び清掃用具
(51)【国際特許分類】
   A47L 25/00 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
A47L25/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021001593
(22)【出願日】2021-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】390003562
【氏名又は名称】株式会社ニトムズ
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】川田 勉
(57)【要約】      (修正有)
【課題】先端側に設けられる部位が基端側に設けられる部位に対してぐらつくことを抑制できる清掃用具用継手及び清掃用具を提供する。
【解決手段】清掃用具に用いられ、清掃用具の先端側に設けられる部位と基端側に設けられる部位とを連結して固定するための清掃用具用継手3であって、先端側に設けられる部位及び基端側に設けられる部位の少なくとも一方は管体であり、管体の内部に挿入される本体部31を備え、本体部は、外径が管体の内径よりも小さい基部311と、基部の外周面から径外側に突出する突起部312と、を備え、本体部は、突起部を備える部位において、該部位における外周面の軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点において、外径が管体の内径よりも大きく、突起部は、前記管体の内周面に当接して変形可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃用具に用いられ、前記清掃用具の先端側に設けられる部位と基端側に設けられる部位とを連結して固定するための清掃用具用継手であって、
前記先端側に設けられる部位及び前記基端側に設けられる部位の少なくとも一方は管体であり、
前記管体の内部に挿入される本体部を備え、
前記本体部は、外径が前記管体の内径よりも小さい基部と、前記基部の外周面から径外側に突出する突起部と、を備え、
前記本体部は、前記突起部を備える部位において、該部位における外周面の軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点において、外径が前記管体の内径よりも大きく、
前記突起部は、前記管体の内周面に当接して変形可能である清掃用具用継手。
【請求項2】
前記突起部は、前記基部の軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に延びるように設けられる請求項1に記載の清掃用具用継手。
【請求項3】
前記突起部は、前記本体部の周方向の略一周に亘って延びるように設けられた突起である請求項1又は2に記載の清掃用具用継手。
【請求項4】
前記突起部は、前記基部の外周面にらせん状に設けられた突起である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の清掃用具用継手。
【請求項5】
前記基部には、軸線方向に亘って前記突起部が設けられない領域が形成される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の清掃用具用継手。
【請求項6】
前記突起部は、前記基部の外周面から径外側に突出する土台部と、該土台部の外周面から径外側に突出する変形部と、を備え、
前記変形部は、前記管体の内周面に当接して変形可能である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の清掃用具用継手。
【請求項7】
清掃用具に用いられ、前記清掃用具の先端側に設けられる管体と基端側に設けられる管体とを連結して固定するための清掃用具用継手であって、
前記先端側に設けられる管体に挿入される先端本体部と、前記基端側に設けられる管体に挿入される基端本体部と、を備え、
前記先端本体部は、外径が前記先端側に設けられる管体の内径よりも小さい先端基部と、前記先端基部の外周面から径外側に突出する先端突起部と、を備え、
前記先端本体部は、前記先端突起部を備える部位において、該部位における外周面の軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点において、外径が前記先端側に設けられる管体の内径よりも大きく、
前記先端突起部は、前記先端側に設けられる管体の内周面に当接して変形可能であり、
前記基端本体部は、外径が前記基端側に設けられる管体の内径よりも小さい基端基部と、前記基端基部の外周面から径外側に突出する基端突起部と、を備え、
前記基端本体部は、前記基端突起部を備える部位において、該部位における外周面の軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点において、外径が前記基端側に設けられる管体の内径よりも大きく、
前記基端突起部は、前記基端側に設けられる管体の内周面に当接して変形可能である清掃用具用継手。
【請求項8】
前記先端突起部は、前記先端基部の軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に延びるように設けられ、
前記基端突起部は、前記基端基部の軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に延びるように設けられる請求項7に記載の清掃用具用継手。
【請求項9】
前記先端突起部は、前記先端本体部の周方向に略一周に亘って延びるように設けられた突起であり、
前記基端突起部は、前記基端本体部の周方向に略一周に亘って延びるように設けられた突起である請求項7又は8に記載の清掃用具用継手。
【請求項10】
前記先端突起部は、前記先端基部の外周面にらせん状に設けられた突起であり、
前記基端突起部は、前記基端基部の外周面にらせん状に設けられた突起である請求項7乃至9のいずれか1項に記載の清掃用具用継手。
【請求項11】
前記先端本体部には、軸線方向に亘って前記先端突起部が設けられない領域が形成され、
前記基端本体部には、軸線方向に亘って前記基端突起部が設けられない領域が形成される請求項7乃至10のいずれか1項に記載の清掃用具用継手。
【請求項12】
先端側に設けられ、清掃対象物に接して清掃対象物を清掃する清掃本体部が設けられる清掃先端部と、基端側に設けられ、清掃実施時に把持される把持部と、前記清掃先端部及び前記把持部を連結する請求項1乃至11のいずれか1項に記載の前記清掃用具用継手と、を備える清掃用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用具及び該清掃用具に使用される清掃具用継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、清掃用具として、特許文献1に記載の粘着テープ清掃用具が知られている。粘着テープ清掃用具は、先端側に粘着ロールを支持する支持グリップと、支持グリップの基端側に挿入される延長竿と、を備える。支持グリップには、基端側に、筒状で、延長竿を挿入可能な延長竿穴と、延長竿穴を径方向に貫通するフックホールと、が形成されている。延長竿には、先端部に、フックホールに係合可能な係合フックが設けられている。
【0003】
以上のような構成の粘着テープ清掃用具によれば、延長竿穴に延長竿を挿入し、係合フックをフックホールに係合させると、支持グリップに延長竿を連結することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-32627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような粘着テープ清掃用具では、延長竿を延長竿穴に挿入し、係合フックで係合させることで、延長竿と支持グリップを連結する。しかしながら、このような連結方法では、製造公差などによって、延長竿穴の内周面と延長竿の外周面の間に隙間が生じることがある。よって、延長竿が支持グリップに対してぐらつくという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、先端側に設けられる部位が基端側に設けられる部位に対してぐらつくことを抑制できる清掃用具用継手及び清掃用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の清掃用具用継手は、清掃用具に用いられ、前記清掃用具の先端側に設けられる部位と基端側に設けられる部位とを連結して固定するための清掃用具用継手であって、前記先端側に設けられる部位及び前記基端側に設けられる部位の少なくとも一方は管体であり、前記管体の内部に挿入される本体部を備え、前記本体部は、外径が前記管体の内径よりも小さい基部と、前記基部の外周面から径外側に突出する突起部と、を備え、前記本体部は、前記突起部を備える部位において、該部位における外周面の軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点において、外径が前記管体の内径よりも大きく、前記突起部は、前記管体の内周面に当接して変形可能である。
【0008】
かかる構成によれば、本体部を管体に挿入した際に、突起部が管体の内周面に当接して変形することができるので、本体部が軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点で管体の内周面に密着するため、管体がぐらつくことを抑制できる。
【0009】
また、前記突起部は、前記基部の軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に延びるように設けることもできる。
【0010】
かかる構成によれば、突起部は、基部の軸線方向及び周方向に交差する方向に延びるので、突起部が周方向に延びる場合に比べて、管体に本体部を挿入しやすくなる。
【0011】
また、前記突起部は、前記本体部の周方向の略一周に亘って延びるように設けられた突起とすることもできる。
【0012】
かかる構成によれば、本体部が管体の内周面の略一周に亘って密着するので、密着力が周方向でばらつきにくいため、管体がぐらつくことを抑制できる。
【0013】
また、前記突起部は、前記基部の外周面にらせん状に設けられた突起とすることもできる。
【0014】
かかる構成によれば、突起部はらせん状であるので、本体部を管体に挿入しやすく、かつ、確実に突起部が管体の内周面に当接することができる。
【0015】
また、前記基部には、軸線方向に亘って前記突起部が設けられない領域を形成することもできる。
【0016】
かかる構成によれば、基部には、軸線方向に亘って突起部が設けられない領域を形成されるので、本体部を金型から抜き取って成形される場合には、金型から本体部を抜き取りやすくなる。
【0017】
また、前記突起部は、前記基部の外周面から径外側に突出する土台部と、該土台部の外周面から径外側に突出する変形部と、を備え、前記変形部は、前記管体の内周面に当接して変形可能とすることもできる。
【0018】
かかる構成によれば、突起部の先端部分に設けられる変形部が変形するので、突起部が確実に管体の内周面に当接することができる。
【0019】
また、本発明の清掃用具用継手は、清掃用具に用いられ、前記清掃用具の先端側に設けられる管体と基端側に設けられる管体とを連結して固定するための清掃用具用継手であって、前記先端側に設けられる管体に挿入される先端本体部と、前記基端側に設けられる管体に挿入される基端本体部と、を備え、前記先端本体部は、外径が前記先端側に設けられる管体の内径よりも小さい先端基部と、前記先端基部の外周面から径外側に突出する先端突起部と、を備え、前記先端本体部は、前記先端突起部を備える部位において、該部位における外周面の軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点において、外径が前記先端側に設けられる管体の内径よりも大きく、前記先端突起部は、前記先端側に設けられる管体の内周面に当接して変形可能であり、前記基端本体部は、外径が前記基端側に設けられる管体の内径よりも小さい基端基部と、前記基端基部の外周面から径外側に突出する基端突起部と、を備え、前記基端本体部は、前記基端突起部を備える部位において、該部位における外周面の軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点において、外径が前記基端側に設けられる管体の内径よりも大きく、前記基端突起部は、前記基端側に設けられる管体の内周面に当接して変形可能である。
【0020】
かかる構成によれば、先端本体部が先端側に設けられる管体の内周面に、基端本体部が基端側に設けられる管体の内周面に、それぞれ軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点で密着するので、先端側に設けられる管体が基端側に設けられる管体に対してぐらつくことを抑制できる。
【0021】
また、前記先端突起部は、前記先端基部の軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に延びるように設けられ、前記基端突起部は、前記基端基部の軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に延びるように設けることもできる。
【0022】
かかる構成によれば、先端突起部及び基端突起部は、軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に延びるので、先端突起部及び基端突起部が周方向に延びる場合に比べて、先端側に設けられる管体及び基端側に設けられる管体に挿入しやすくなる。
【0023】
また、前記先端突起部は、前記先端本体部の周方向に略一周に亘って延びるように設けられた突起であり、前記基端突起部は、前記基端本体部の周方向に略一周に亘って延びるように設けられた突起とすることもできる。
【0024】
かかる構成によれば、先端本体部が先端管体の内周面の略一周に亘って密着し、かつ、基端本体部が基端管体の内周面の略一周に亘って密着するので、密着力が周方向でばらつきにくいため、先端管体及び基端管体がぐらつくことを抑制できる。
【0025】
また、前記先端突起部は、前記先端基部の外周面にらせん状に設けられた突起であり、前記基端突起部は、前記基端基部の外周面にらせん状に設けられた突起とすることもできる。
【0026】
かかる構成によれば、先端突起部及び基端突起部はらせん状であるので、先端本体部を先端管体に、基端本体部を基端管体に挿入しやすく、かつ、確実に先端管体及び基端管体の内周面に当接することができる。
【0027】
また、前記先端本体部には、軸線方向に亘って前記先端突起部が設けられない領域が形成され、前記基端本体部には、軸線方向に亘って前記基端突起部が設けられない領域を形成することもできる。
【0028】
かかる構成によれば、先端本体部及び基端本体部を金型から抜き取って成形される場合には、先端本体部について軸線方向に亘って先端突起部が設けられない領域が、基端本体部について軸線方向に亘って基端突起部が設けられない領域があるので、金型から先端本体部及び基端本体部を抜き取りやすくなる。
【0029】
また、本発明の清掃用具は、先端側に設けられ、清掃対象物に接して清掃対象物を清掃する清掃本体部が設けられる清掃先端部と、基端側に設けられ、清掃実施時に把持される把持部と、前記清掃先端部及び前記把持部を連結する請求項1乃至5に記載の前記清掃具用継手と、を備える。
【0030】
かかる構成によれば、先端側に設けられる部位が基端側に設けられる部位に対してぐらつくことを抑制した清掃用具を得ることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、先端側に設けられる部位が基端側に設けられる部位に対してぐらつくことを抑制できる清掃用具用継手及び清掃用具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態の清掃用具を示す図である。
図2】同清掃用具に用いられる吊り手部を示す斜視図である。
図3】同清掃用具に用いられる清掃用具用継手を示す斜視図である。
図4】同清掃用具用継手を示す正面図である。
図5】同清掃用具用継手を示す背面図である。
図6】同清掃用具用継手を示す平面図である。
図7】同清掃用具用継手を示す底面図である。
図8】同清掃用具用継手を示す右側面図である。
図9】同清掃用具用継手を示す左側面図である。
図10図6に示すX-X端面図である。
図11図10に示すXI部拡大図である。
図12】同清掃用具用継手の使用状態を示す端面図である。
図13図12に示すXIII部拡大図である。
図14】本発明の第二の実施形態の清掃用具用継手を示す斜視図である。
図15】同清掃用具用継手を示す正面図である。
図16】同清掃用具用継手を示す背面図である。
図17】同清掃用具用継手を示す平面図である。
図18】同清掃用具用継手を示す底面図である。
図19】同清掃用具用継手を示す右側面図である。
図20】同清掃用具用継手を示す左側面図である。
図21図17に示すXXI-XXI端面図である。
図22図21に示すXXII部拡大図である。
図23】同清掃用具用継手の使用状態を示す端面図である。
図24図23に示すXXIV部拡大図である。
図25】本発明の第三の実施形態の清掃用具用継手を示す斜視図である。
図26】同清掃用具用継手を示す正面図である。
図27】同清掃用具用継手を示す背面図である。
図28】同清掃用具用継手を示す平面図である。
図29】同清掃用具用継手を示す底面図である。
図30】同清掃用具用継手を示す右側面図である。
図31】同清掃用具用継手を示す左側面図である。
図32図26に示すXXXII-XXXII端面図である。
図33図32に示すXXXIII部拡大図である。
図34】同清掃用具用継手の使用状態を示す端面図である。
図35図34に示すXXXV部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の一実施形態について図1乃至図13を参照して説明する。また、以下説明において、先端側及び基端側は、それぞれ図1に記載の清掃用具A全体における方向を基準に説明する(各部の個別説明を除く)。
【0034】
図1に示すように、清掃用具Aは、先端側に設けられる清掃先端部1と、基端側に設けられる把持部2と、清掃先端部1及び把持部2を連結する清掃用具用継手3と、把持部2の基端部に連結される吊り手部4と、を備える。清掃先端部1は、粘着ロールRなどの、清掃対象物に接して汚れなどを取り除く清掃本体部を取り付け可能に構成されている。また、把持部2は、使用者が清掃時に把持する部位である。さらに、このような清掃用具Aは、通常の使用状態において、各部を連結した状態を維持される。即ち、通常の使用状態で、清掃用具Aの各部の連結を解除することはない。
【0035】
清掃先端部1は、清掃本体部を取り付けられるヘッド部11と、ヘッド部11から基端側に向かって延びる先端延設部12と、を備える。また、ヘッド部11は、筒状又は柱状であり、先端延設部12に回動自在に連結されている。先端延設部12は、ヘッド部11を径方向中心で支持すべく、ヘッド部11の形状に合わせて屈曲して形成された棒状の部位である。具体的に、先端延設部12は、基端部の外径が、把持部2の内径よりも小さい棒状の部位である、さらに、先端延設部12は、基端部の外径が、後述する清掃用具用継手3に形成される挿入口3aの内径よりも大きい棒状の部位である。また、本実施形態の清掃先端部1は、ヘッド部11が樹脂で、先端延設部12が金属で構成される。
【0036】
把持部2は、少なくとも先端部及び基端部が中空に形成された柱状の部位である。本実施形態の把持部2は、先端部から基端部に亘って中空に形成されている。また、把持部2は、内部が円形の筒状体である。言い換えると、本実施形態の把持部2は、1本の管体である。また、本実施形態の把持部2は、金属で構成される。
【0037】
図2に示すように、吊り手部4は、フックなどに挿通され、清掃用具A全体を支持する部位である。図2に示すように、吊り手部4は、フックなどを挿通可能な吊り穴4aが形成された吊り手本体部41と、吊り手本体部41の基端側に設けられる吊り手連結継手部42と、を備える。このような吊り手部4は、吊り手連結継手部42が把持部2の基端部に挿入されて、把持部2に連結される。
【0038】
吊り手連結継手部42は、吊り手連結継手部42を吊り手本体部41と別個の部分と考えた場合に、先端側に設けられる管体としての把持部2と吊り手本体部41とを連結して固定するものといえる。具体的に、吊り手連結継手部42は、先端側が把持部2に挿入され、基端側に吊り手連結継手部42の基端部に吊り手本体部41が接合される。また、吊り手連結継手部42は、外径が、把持部2の基端部の内径よりも小さい吊り手連結基部421と、吊り手連結基部421の外周面から径外側に突出する吊り手連結突起部422と、を備える。さらに、吊り手連結継手部42は、吊り手連結突起部422を備える部位において、該部位における軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点において、外径が、把持部2の基端部の内径よりも大きく、吊り手連結突起部422は、把持部2の基端部の内周面に当接して変形可能である。また、吊り手連結継手部42には、径方向に貫通する孔である吊り手ピン挿通孔42aが形成されている。さらに、本実施形態の吊り手部4は樹脂で構成される。
【0039】
具体的に、吊り手連結突起部422は、吊り手連結基部421の外周面に、軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に延びるように設けられている。また、吊り手連結突起部422は、吊り手連結基部421の外周面の全周の大部分に亘って設けられる突起である。なお、本実施形態の吊り手連結継手部42には、金型から抜き取るために、軸線方向に亘って突起が形成されない領域が、周方向の一部に形成される。さらに、吊り手連結突起部422は、吊り手連結基部421の外周面に、らせん状に設けられる突起である。
【0040】
このような吊り手部4は、吊り手連結継手部42が把持部2に挿入されることで、把持部2に連結される。具体的に、吊り手連結継手部42は、把持部2の基端部にねじ込むように回転していくことで挿入され、吊り手連結突起部422が把持部2の内周面に当接して縮径するように変形する。この変形により、吊り手連結突起部422に径外側への復元力が生じる。よって、吊り手連結突起部422が把持部2の内周面に密着するので、吊り手部4は、把持部2に対してぐらつくことを抑制した状態で取り付けられる。また、吊り手連結継手部42を把持部2に挿入してから、把持部2を径方向に貫通し、かつ、吊り手ピン挿通孔42aを挿通するようにピンP1を設けることで、吊り手部4が把持部2から抜け落ちることを抑制できる。
【0041】
図3乃至図11に示すように、清掃用具用継手3は、清掃先端部1と把持部2を連結する。即ち、清掃用具用継手3には、先端側に清掃先端部1が連結され、基端側に把持部2が連結されることで、清掃先端部1と把持部2を連結する。具体的に、清掃用具用継手3は、管体である把持部2の先端部に挿入される本体部31と、本体部31の先端部に連結される管端当接部32と、を備える。また、清掃用具用継手3には、先端部から基端側に向かって、先端延設部12の基端部を挿入可能な挿入口3aが形成される。本実施形態の挿入口3aは、軸線方向に貫通する孔である。また、挿入口3aの内径は、先端延設部12の基端部の外径よりも小さい。さらに、清掃用具用継手3は、清掃先端部1と把持部2を着脱不能に連結する。即ち、通常の使用状態で、清掃先端部1と把持部2の連結は解除されない。
【0042】
清掃先端部1は、先端延設部12が挿入口3aに挿入されることで、清掃用具用継手3に連結される。具体的に、先端延設部12の先端部の外径は、挿入口3aの内径よりも大きいので、先端延設部12が挿入口3aに挿入されるときに、先端延設部12は、挿入口3aの内壁を径外側に押し広げながら基端側に進入する。よって、先端延設部12が挿入口3aに挿入されたときに、挿入口3aの内壁は、先端延設部12に密着するので、清掃先端部1は、清掃用具用継手3にぐらつきを抑制した状態で、連結される(図12参照)。
【0043】
本体部31は、外径が、把持部2の先端部の内径よりも小さい基部311と、基部311の外周面から径外側に突出する突起部312と、を備える。また、本体部31のうち、突起部312が設けられる部位の外径は、把持部2の先端部の内径よりも大きい。さらに、本体部31は、基端部に、ピンP2(図12参照)を挿通可能な孔である継手ピン挿通孔313aが形成されたピン挿入部313を備える。
【0044】
基部311は、軸線方向に延びる棒状体である。また、基部311は、把持部2の先端部の内径よりも小さい棒状体である。本実施形態の基部311は、ピン挿入部313から管端当接部32に亘って延びる棒状体である。さらに、本実施形態の基部311には、先端側から基端側に軸線方向に貫通する孔(挿入口3a)が形成されている。また、基部311は、先端部から基端部に亘って外径が略一定の円柱状である。
【0045】
突起部312は、基部311の外周面から径外側に突出する突起である。また、突起部312は、把持部2の先端部の内周面に当接して変形可能である。具体的に、突起部312は、基部311の外周面から径外側に突出するよう設けられる土台部3121と、土台部3121の外周面から径外側に突出する変形部3122と、を備え、変形部3122は、把持部2の先端部の内周面に当接して変形可能である。本実施形態の突起部312は、基部311の軸線方向及び周方向の両方向と交差する方向に延びる突起である。また、突起部312は、本体部31の周方向の略一周に亘って延びるよう設けられた突起である。なお、本実施形態の突起部312には、金型から抜き取るために、軸線方向に亘って突起(変形部3122)が形成されない領域312aが、周方向の一部に形成され、本実施形態で、該領域312aの外径は、把持部2の内径よりも小さい(図4参照)。さらに、突起部312は、基部311の外周面にらせん状に設けられた突起である。即ち、突起部312は、基部311の外周面に、軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に、複数周に亘って延びるよう設けられる突起である。また、本実施形態の土台部3121と変形部3122は一体成形される。
【0046】
図11に示すように、土台部3121は、基部311の外周面に連結され、基部311の外周面から径外方に延びる部位である。また、土台部3121は、外周面に、軸線と略平行に延びる土台平面部3121aを備える。また、土台平面部3121aは、軸線方向に一定の幅を持った平面である。さらに、土台平面部3121aは、土台部3121の外周面の全体に亘って設けられる。
【0047】
変形部3122は、土台部3121から径外側に突出する部位である。また、変形部3122は、土台平面部3121aから径外側に突出するように設けられる。さらに、変形部3122は、先端部(径外側の端部)が基端部(土台平面部3121aとの連結部分)よりも細い(軸方向の長さが短い)形状である。本実施形態の変形部3122は、先端部が円弧形状である。また、本実施形態の変形部3122は、把持部2の先端部より相対的に柔らかいため、変形しやすい。具体的に、変形部3122は、先端部が把持部2の内周面に当接して、基端側につぶれるような変形をすることができる。この変形により、変形部3122に径外側への復元力が生じる。
【0048】
管端当接部32は、把持部2の基端側の端面に当接可能な部位である。具体的に、管端当接部32は、外径が把持部2の内径よりも大きい部位である。また、管端当接部32は、基部311の先端部の外周面から径外側に突出する部位である。本実施形態で、管端当接部32は、基部311の周方向の一周に亘って径外側に突出する突起である。具体的に、管端当接部32は、基部311の外周面から径外側に突出する円環状の円環当接部321と、円環当接部321から基端側に突出する位置決め部322と、を備える。
【0049】
円環当接部321は、外径が基端部の内径よりも大きい円環状の部位である。また、円環当接部321は、径内側の端部が基部311の外周面に連結されている。さらに、円環当接部321は、基部311と略同軸に設けられる。また、円環当接部321の外径は、把持部2の外径と略等しい。このような円環当接部321は、把持部2の先端部を塞ぐことができる。
【0050】
位置決め部322は、円環当接部321から基端側に向かって延びる複数の突起である。複数の位置決め部322は、把持部2に挿入された際に、把持部2の内周面に当接し、把持部2が管端当接部32に対してずれることを抑制する。また、位置決め部322は、円環当接部321から基端側に向かって延びるので、円環当接部321を補強し、円環当接部321が把持部2の内部に入り込むような変形をすることを抑制できる。
【0051】
以上のような構成の清掃用具用継手3には、先端側に先端延設部12が連結され、基端側に把持部2が連結される。具体的に、清掃用具用継手3の先端部には、挿入口3aに先端延設部12が挿入されることで、先端延設部12が連結される。また、清掃用具用継手3の基端側には、把持部2が挿入されることで、把持部2が連結される。
【0052】
図13に示すように、挿入口3aの内径は、先端延設部12の外径よりも小さいので、挿入された先端延設部12の外周面に基部311の挿入口3aの内壁が密着する。そのため、清掃先端部1は、清掃用具用継手3に対してぐらつきを抑制した状態で連結される。
【0053】
また、本体部31は、突起部312が備えられる部位において、外径が把持部2の内径よりも大きいので、突起部312が把持部2の内周面に密着する。具体的に、変形部3122が把持部2の内周面によって径内方に押され、変形する。変形部3122の外周面は、把持部2の内周面に沿う形状に変形し、把持部2の内周面に密着する。
【0054】
本体部31が把持部2に挿入されたら、把持部2及びピン挿入部313を貫通するようにピンP2が挿通される。ピンP2によって、把持部2から本体部31が脱落することを抑制できる。
【0055】
以上のような構成の清掃用具用継手3によれば、本体部31を管体(把持部2)に挿入した際に、突起部312が管体の内周面に当接して変形することができるので、本体部31が軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点で管体の内周面に密着するため、管体の内周面に対して浮いてしまう点が生じにくく、管体がぐらつくことを抑制できる。
【0056】
また、突起部312は、基部311の軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に延びるので、突起部312が周方向に延びる場合に比べて、挿入時に清掃用具用継手3が受ける抵抗が小さくなり、管体(把持部2)に本体部31を挿入しやすくなる。
【0057】
さらに、本体部31が管体(把持部2)の内周面の略一周(具体的には変形部3122が備えられた区間)に亘って密着するので、管体の径方向にかかる力を本体部31で確実に受けることができるため、管体がぐらつくことを抑制できる。
【0058】
また、突起部312はらせん状であるので、本体部31を管体(把持部2)に挿入する際に挿入しやすく、かつ、確実に突起部312が管体の内周面に当接することができる。
【0059】
さらに、基部311には、軸線方向に亘って突起部(具体的には変形部3122)が設けられない領域312aを形成されるので、本体部31を金型から抜き取って成形される場合には、金型から本体部31を抜き取りやすくなる。
【0060】
また、突起部312の先端部分に設けられる変形部3122が変形するので、突起部312が確実に管体(把持部2)の内周面に当接することができる。
【0061】
さらに、突起部312は、基部311の外周面から径外側に突出するよう設けられる土台部3121と、土台部3121の外周面から径外側に突出する変形部3122と、を備え、変形部3122の軸線方向の幅は、土台部3121の外周面の軸線方向の幅よりも小さいので、土台部3121が変形する場合よりも少ない力で変形部3122を変形させることができる。よって、管体(把持部2)に本体部31を挿入しやすい。
【0062】
また、突起部312の径外側の先端部(変形部3122の先端部)の形状は、円弧形状であるため、確実に管体(把持部2)の内周面に当接し、変形することができる。
【0063】
さらに、本体部31には、少なくとも清掃実施時の移動方向(本実施形態では、粘着ロールRをヘッド部11の軸中心に回動させる際の移動方向)基準で前面及び後面に突起部312が形成されるので、清掃実施時に、ヘッド部11に負荷がかかったときにも、把持部2が清掃先端部1に対してぐらつきにくくなる。
【0064】
また、以上のような構成の清掃用具Aによれば、先端側に設けられる部位が基端側に設けられる部位に対してぐらつくことを抑制した清掃用具Aを得ることができる。
【0065】
以上、本発明の清掃用具A及び清掃用具用継手3について例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0066】
例えば、清掃用具Aには、先端に粘着ロールRを取り付けられる場合について説明したが、このような清掃用具Aに限らず、モップや箒、ワイパー等、種々の清掃用具として構成することができる。
【0067】
また、吊り手連結継手部42は、先端側に設けられる管体の把持部2と、基端側に設けられる吊り手本体部41とを連結する場合について説明したが、先端側に設けられる中実の把持部2と、管状の吊り手本体部41とを連結するように構成してもよい。
【0068】
さらに、清掃用具用継手3は、先端側に設けられる棒状の先端延設部12と、基端側に設けられる管体としての把持部2と、を連結する場合について説明したが、このような構成に限らず、先端側に設けられる管体と基端側に設けられる棒状体とを連結するように構成してもよいし、先端側に設けられる管体と基端側に設けられる管体とを連結するように構成してもよい。
【0069】
また、先端延設部12は、挿入口3aに挿入されて、清掃用具用継手3に連結される場合について説明したが、このような構成に限らず、接着や係合で連結されるように構成されてもよいし、先端延設部12と清掃用具用継手3がインサート成形等により一体として構成されていてもよい。
【0070】
さらに、突起部312は、基部311の外周面にらせん状に延びるように設けられる場合について説明したが、このような構成に限らず、種々の形状の突起として構成することができる。例えば、軸線に沿って延びる突起として構成してもよいし、軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に延びる複数の突起として構成してもよい。また、突起部312を点状の突起として構成する場合には、本体部31の軸線方向に離れた2点と、本体部31の周方向に離れた2点と、を含む3点以上の突起を備えるよう構成してもよい。さらに、突起部312を点状の突起とする場合には、軸線方向に沿う方向に離間した2点の突起を備えるように構成してもよい。
【0071】
また、基部311の先端部から径外側に突出する管端当接部32を備える場合について説明したが、このような構成に限らず、管端当接部32を備えないように構成してもよい。
【0072】
さらに、本体部31は、ピンP2によって把持部2から脱落することを抑制される場合について説明したが、このような構成に限らず、ピンP2を挿通しないように構成してもよい。
【0073】
また、清掃用具用継手3は、図示した形状に限らず、寸法や、突起部312の巻き数などを任意に変更することができる。突起部312の先端部(変形部3122)の形状や、清掃用具用継手3の先端部及び基端部の形状は、任意に変更することができる。
【0074】
さらに、突起部312は、変形部3122が変形する場合について説明したが、土台部3121が変形する様に構成してもよいし、変形部3122及び土台部3121の両方が変形する様に構成してもよい。
【0075】
また、土台部3121の外周面は平面である場合について説明したが、このような構成に限らず、土台部の3121の外表面を曲面とし、該曲面から変形部3122が突出するようにしてもよい。
【0076】
さらに、土台部3121と変形部3122は一体成形される場合について説明したが、このような構成に限らず、二色成形することもできる。
【0077】
また、吊り手部4には、吊り穴4aが形成される場合について説明したが、このような構成に限らない。例えば、吊り手部4には穴が形成されないように構成し、壁などに設けられた磁石との吸着や凹凸嵌合などで吊られるように構成することもできる。
【0078】
次に、本発明の第二の実施形態の清掃用具用継手5について、図14乃至図24を参照して説明する。第一の実施形態と同一の構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0079】
本実施形態の清掃用具用継手5は、先端側に設けられる先端管体6と基端側に設けられる基端管体7とを連結する。具体的に、清掃用具用継手5は、先端管体6に挿入される先端本体部51と、基端管体7に挿入される基端本体部52と、先端本体部51及び基端本体部52を連結する連結部53と、を備える。本実施形態の連結部53は、先端管体6の端面及び基端管体7の端面に当接可能に構成される。また、本実施形態の清掃用具用継手5は、内径が略同一の管体同士を連結する。さらに、本実施形態の清掃用具用継手5は、先端管体6と基端管体7を着脱不能に連結する。
【0080】
本実施形態の清掃用具用継手5は、先端本体部51と基端本体部52は、同一の構成であり、軸線方向に対称となるように連結部53に設けられている。そのため、本実施形態では、先端本体部51の構成について説明し、基端本体部52の詳細な説明を省略する。
【0081】
先端本体部51は、先端管体6の内径よりも外径が小さい先端基部511と、先端基部511の外周面から径外側に突出する先端突起部512と、を備える。また、先端本体部51のうち、先端突起部512が設けられる部位の外径は、先端管体6の基端部の内径よりも大きい。さらに、先端本体部51は、先端部に、ピンP2(図23参照)を挿通可能な孔である先端ピン挿通孔513aが形成された先端ピン挿入部513を備える。
【0082】
先端基部511は、軸線方向に延びる棒状体である。また、先端基部511は、先端管体6の基端部の内径よりも小さい棒状体である。本実施形態の先端基部511は、先端ピン挿入部513から連結部53に亘って延びる棒状体である。さらに、先端基部511は、先端部から基端部に亘って外径が略一定の円柱状である。
【0083】
先端突起部512は、先端基部511の外周面から径外側に突出する突起である。また、先端突起部512は、先端管体6の基端部の内周面に当接して変形可能である。具体的に、先端突起部512は、先端基部511の外周面から径外側に突出するよう設けられる先端土台部5121と、先端土台部5121の外周面から径外側に突出する先端変形部5122と、を備え、先端変形部5122は、先端管体6の先端部の内周面に当接して変形可能である。本実施形態の先端突起部512は、先端基部511の軸線方向及び周方向の両方向と交差する方向に延びる突起である。また、先端突起部512は、先端本体部51の周方向の略一周に亘って延びるよう設けられた突起である。なお、本実施形態の先端突起部512には、金型から抜き取るために、軸線方向に亘って突起(先端変形部5122)が形成されない領域512aが、周方向の一部に形成され、本実施形態で、該領域512aの外径は、先端管体6の内径よりも小さい(図15参照)。さらに、先端突起部512は、先端基部511の外周面にらせん状に設けられた突起である。即ち、先端突起部512は、先端基部511の外周面に、軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に、複数周に亘って延びるよう設けられる突起である。
【0084】
図22に示すように、先端土台部5121は、先端基部511の外周面に連結され、先端基部511の外周面から径外方に延びる部位である。また、先端土台部5121は、外周面に、軸線と略平行に延びる先端土台平面部5121aを備える。また、先端土台平面部5121aは、軸線方向に一定の幅を持った平面である。さらに、先端土台平面部5121aは、先端土台部5121の外周面の全体に亘って設けられる。
【0085】
先端変形部5122は、先端土台部5121から径外側に突出する部位である。また、先端変形部5122は、先端土台平面部5121aから径外側に突出するように設けられる。さらに、先端変形部5122は、先端部(径外側の端部)が基端部(先端土台平面部5121aとの連結部53)よりも細い(軸方向の長さが短い)形状である。本実施形態の先端変形部5122は、先端部が円弧形状である。また、本実施形態の先端変形部5122は、先端管体6の基端部よりも変形しやすい。さらに、先端変形部5122は、先端管体6よりも相対的に柔らかいため、変形しやすい。具体的に、先端変形部5122は、径方向の先端部が先端管体6の内周面に当接して、基端側(径内方)につぶれるような変形をすることができる。
【0086】
基端本体部52は、基端管体7の内径よりも外径が小さい基端基部521と、基端基部521の外周面から径外側に突出する基端突起部522と、を備える。また、基端本体部52のうち、基端突起部522が設けられる部位の外径は、基端管体7の先端部の内径よりも大きい。さらに、基端本体部52は、基端部に、ピンP2(図23参照)を挿通可能な孔である基端ピン挿通孔523aが形成された基端ピン挿入部523を備える。
【0087】
図15及び図16に示すように、基端突起部522は、基端基部521から径外側に突出する基端土台部5221と、基端土台部5221から径外側に突出する基端変形部5222と、を備える。基端土台部5221の構成は、先端土台部5121の構成と同様であり、基端変形部5222の構成は、先端変形部5122の構成と同様である。即ち、基端変形部5222は、基端管体7の内周面に当接して径内方につぶれるように変形する。なお、本実施形態の基端突起部522には、金型から抜き取るために、軸線方向に亘って突起(基端変形部5222)が形成されない領域522aが、周方向の一部に形成され、本実施形態で、該領域522aの外径は、基端管体7の内径よりも小さい。
【0088】
以上のような構成の清掃用具用継手5によれば、先端本体部51が先端側に設けられる管体(先端管体6)の内周面に、基端本体部52が基端側に設けられる管体(基端管体7)の内周面に、それぞれ軸線方向成分を含む方向に離間した少なくとも2点で密着するので、先端側に設けられる管体が基端側に設けられる管体に対してぐらつくことを抑制できる。
【0089】
また、先端突起部512及び基端突起部522は、軸線方向及び周方向の両方向に交差する方向に延びるので、先端突起部512及び基端突起部522が周方向に延びる場合に比べて、先端側に設けられる管体(先端管体6)及び基端側に設けられる管体(基端管体7)に挿入しやすくなる。
【0090】
さらに、先端本体部51が先端管体6の内周面の略一周に亘って密着し、かつ、基端本体部52が基端管体7の内周面の略一周に亘って密着するので、密着力が周方向でばらつきにくいため、先端管体6及び基端管体7がぐらつくことを抑制できる。
【0091】
また、先端突起部512及び基端突起部522はらせん状であるので、先端本体部51を先端管体6に、基端本体部52を基端管体7に挿入しやすく、かつ、確実に先端管体6及び基端管体7の内周面に当接することができる。
【0092】
さらに、先端本体部51及び基端本体部52を金型から抜き取って成形される場合には、先端本体部51について軸線方向に亘って先端突起部512が設けられない領域512aが、基端本体部52について軸線方向に亘って基端突起部522が設けられない領域522aがあるので、金型から先端本体部51及び基端本体部52を抜き取りやすくなる。
【0093】
また、先端本体部51と基端本体部52が連結部53を介して軸線方向対称に設けられるので、清掃用具用継手5の軸線方向の向きを逆向きにしても使用することができるため、作業性が高まる。
【0094】
なお、上記実施形態において、先端本体部51と基端本体部52とは連結部53を介して軸線方向対称に設けられる場合について説明したが、このような構成に限らず、非対象に構成してもよい。例えば、先端管体6及び基端管体7に合わせて、先端本体部51及び基端本体部52の外径や軸線方向の長さを変えることができる。
【0095】
また、先端本体部51及び基端本体部52には、軸線方向に貫通する孔が形成される場合について図示したが、このような構成に限らず、孔が形成されないようにしてもよい。
【0096】
さらに、清掃用具用継手5は、図示した形状に限らず、寸法や、突起部(先端突起部512及び基端突起部522)の巻き数などを任意に変更することができる。突起部(先端突起部512及び基端突起部522)の径方向の先端部分の形状や、清掃用具用継手5の先端部及び基端部の形状は、任意に変更することができる。
【0097】
次に、本発明の第三の実施形態の清掃用具用継手5について、図25乃至図35を参照して説明する。第二の実施形態と同一の構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0098】
本実施形態の清掃用具用継手5は、先端側に設けられる先端管体6と基端側に設けられる基端管体7とを連結する。具体的に、清掃用具用継手5は、先端管体6に挿入される先端本体部51と、基端管体7に挿入される基端本体部52と、先端本体部51及び基端本体部52を連結する連結部53と、を備える。本実施形態の連結部53は、先端管体6の端面及び基端管体7の端面に当接可能に構成される。
【0099】
本実施形態の清掃用具用継手5は、第二実施形態と先端本体部51及び基端本体部52の構成が異なる。なお、本実施形態で、先端本体部51と基端本体部52は、同一の構成であり、軸線方向に対称となるように連結部53に設けられている。そのため、本実施形態では、先端本体部51の構成について説明し、基端本体部52の詳細な説明を省略する。また、本実施形態の清掃用具用継手5は、内径が略同一の管体同士を連結する。
【0100】
先端本体部51は、先端管体6の内径よりも外径が小さい先端基部511と、先端基部511の外周面から径外側に突出する先端変形部5122と、を備える。即ち、本実施形態の先端本体部51は、先端土台部を備えない。また、先端本体部51のうち、先端変形部5122が設けられる部位の外径は、先端管体6の基端部の内径よりも大きい。さらに、先端本体部51は、先端部に、ピンP2(図34参照)を挿通可能な孔である先端ピン挿通孔513aが形成された先端ピン挿入部513を備える。
【0101】
先端基部511は、軸線方向に延びる棒状体である。また、先端基部511は、先端管体6の基端部の内径よりも小さい棒状体である。本実施形態の先端基部511は、先端ピン挿入部513から連結部53に亘って延びる棒状体である。さらに、先端基部511は、先端部から基端部に亘って外径が略一定の円柱状である。また、先端基部511には、軸線方向の先端部から基端部に亘って径方向に貫通する孔が形成されている。
【0102】
先端変形部5122は、径外側の先端部が先端管体6の内周面に当接して径内方に変形する部位である。また、先端変形部5122は、基端部(径内方の端部)が先端基部511の外周面に連結され、先端基部511の外周面から径外側に向かって突出する部位である。さらに、先端変形部5122は、先端部(径外側の端部)が基端部(先端基部511との連結部53)よりも細い(軸方向の長さが短い)形状である。本実施形態の先端変形部5122は、先端部が半円形状である。また、本実施形態の先端変形部5122は、先端管体6の基端部よりも変形しやすい。具体的に、先端変形部5122は、径方向の先端部が先端管体6の内周面に当接して、基端側(径内方)につぶれるような変形をすることができる。
【0103】
基端本体部52は、基端基部521と、基端変形部5222と、を備える。基端基部521の構成は、先端基部511の構成と同様であり、基端変形部5222の構成は、先端変形部5122の構成と同様である。また、基端本体部52は、基端部に、ピンP2(図34参照)を挿通可能な孔である基端ピン挿通孔523aが形成された基端ピン挿入部523を備える。
【0104】
以上のような構成の清掃用具用継手5によれば、変形部(先端変形部5122及び基端変形部5222)が、基部(先端基部511及び基端基部521)から突出しているので、土台部を設ける場合に比べて、変形部が軸線方向に倒れづらくなるため、確実に変形部を管体に当接させることができる。
【0105】
なお、清掃用具用継手5は、図示した形状に限らず、寸法や、突起部(先端変形部5122及び基端変形部5222)の巻き数などを任意に変更することができる。突起部(先端変形部5122及び基端変形部5222)の径方向の先端部分の形状や、清掃用具用継手5の先端部及び基端部の形状は、任意に変更することができる。
【符号の説明】
【0106】
1…清掃先端部、11…ヘッド部、12…先端延設部、2…把持部、3…清掃用具用継手、3a…挿入口、31…本体部、311…基部、312…突起部、3121…土台部、3121a…土台平面部、3122…変形部、313…ピン挿入部、313a…継手ピン挿通孔、32…管端当接部、321…円環当接部、322…位置決め部、4…吊り手部、41…吊り手本体部、42…吊り手連結継手部、42a…吊り手ピン挿通孔、421…吊り手連結基部、422…吊り手連結突起部
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