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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106603
(43)【公開日】2022-07-20
(54)【発明の名称】オンライン葬儀システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220712BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021001719
(22)【出願日】2021-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】518223421
【氏名又は名称】株式会社アティック
(74)【代理人】
【識別番号】100181630
【弁理士】
【氏名又は名称】原 晶子
(72)【発明者】
【氏名】須貝 正雄
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC14
(57)【要約】
【課題】 オンラインで葬儀に参列する場合でも、葬儀場で葬儀に参列している場合と近い雰囲気で葬儀に参列できるオンライン葬儀システムを提供する。
【解決手段】 本発明のオンライン葬儀システム1は、葬儀場で行われている葬儀を撮影する撮影装置10と、撮影装置10で撮影された葬儀動画を取得する動画取得部21および葬儀の参列者がネットワークを介してアクセス可能なウェブサイトに葬儀動画を送信する送信部24を有した葬儀社端末20とを備える。撮影装置10は、祭壇を撮影する定点カメラ11と、葬儀場全体を撮影する360度カメラ12とから構成される。送信部24は、動画取得部21で取得された定点カメラ11の葬儀動画および360度カメラ12の葬儀動画を、ウェブサイトで参列者が閲覧できるようにウェブサイトに送信する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
葬儀場で行われている葬儀を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置で撮影された葬儀動画を取得する動画取得部と、葬儀の参列者がネットワークを介してアクセス可能なウェブサイトに葬儀動画を送信する送信部とを有した葬儀社端末と、を備え、
前記撮影装置は、祭壇を撮影する定点カメラと、葬儀場全体を撮影する360度カメラとから構成され、
前記送信部は、前記動画取得部で取得された前記定点カメラの葬儀動画、および、前記360度カメラの葬儀動画を、前記ウェブサイトで参列者が閲覧できるように前記ウェブサイトに送信するオンライン葬儀システム。
【請求項2】
前記送信部は、前記定点カメラの葬儀動画と、前記360度カメラの葬儀動画とを、参列者の操作によって切り替えて表示できるように前記ウェブサイトに送信する請求項1に記載のオンライン葬儀システム。
【請求項3】
前記葬儀社端末は、焼香を行う動作を記録した焼香動画を保存する動画保存部をさらに有し、
前記送信部は、参列者の操作によって、前記動画保存部から前記焼香動画を読み出して、前記ウェブサイトで参列者が閲覧できるように前記ウェブサイトに前記焼香動画を送信する請求項1または2に記載のオンライン葬儀システム。
【請求項4】
前記葬儀社端末は、参列者が前記ウェブサイトで入力した情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した情報を記憶する記憶部とをさらに有し、
前記受信部は、参列者が前記ウェブサイトで入力した参列者情報と、参列者が前記参列者情報を入力するのに用いた参列者端末の端末情報と、参列者が前記焼香動画の閲覧を要求したことを示す焼香記録を受信し、前記記憶部に前記参列者情報、前記端末情報および前記焼香記録を関連付けて記憶する請求項3に記載のオンライン葬儀システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインで葬儀に参列することができるオンライン葬儀システムに関し、特に360度カメラを備えるオンライン葬儀システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、葬儀は、故人の親族や友人が葬儀場等に集まって行われている。葬儀は突然生じるものであり、遠方に居たり、病気や怪我で外出できなかったりして、葬儀場等に参列できない人が少なからず居る。そのような場合でも、葬儀場等に行かずに各人の居場所でネットワークを介してオンラインで葬儀に参列することができるオンライン葬儀システムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-132983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のようなオンライン葬儀システムは、一般に祭壇および僧侶を撮影した動画が参列者の端末に配信され、参列者は、その動画を見ながら参列する。そのため、オンラインで参列する参列者は、祭壇および僧侶しか見ることができず、葬儀場の雰囲気や葬儀場で参列している参列者の様子が掴み難いという問題があった。
【0005】
さらに、オンラインで参列する参列者は、焼香の時間になっても、葬儀場で参列する参列者が焼香を行っている様子を見守ることとなり、他の参列者とともに焼香を行えないことで故人を弔えていない感覚に陥ることがあるという問題があった。また、オンラインで参列する参列者は各人の居場所で焼香することも可能であるが、その場合には喪主や故人の親族に参列者が焼香を行ったことが伝わらないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、オンラインで葬儀に参列する場合でも、葬儀場で葬儀に参列している場合と近い雰囲気で葬儀に参列できるオンライン葬儀システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のオンライン葬儀システムは、葬儀場で行われている葬儀を撮影する撮影装置と、撮影装置で撮影された葬儀動画を取得する動画取得部および葬儀の参列者がネットワークを介してアクセス可能なウェブサイトに葬儀動画を送信する送信部を有した葬儀社端末とを備える。撮影装置は、祭壇を撮影する定点カメラと、葬儀場全体を撮影する360度カメラとから構成される。送信部は、動画取得部で取得された定点カメラの葬儀動画および360度カメラの葬儀動画を、ウェブサイトで参列者が閲覧できるようにウェブサイトに送信する。
【0008】
好ましい実施形態のオンライン葬儀システムでは、送信部は、定点カメラの葬儀動画と360度カメラの葬儀動画とを、参列者の操作によって切り替えて表示できるようにウェブサイトに送信する。
【0009】
より好ましい実施形態のオンライン葬儀システムでは、葬儀社端末は、焼香を行う動作を記録した焼香動画を保存する動画保存部をさらに有する。送信部は、参列者の操作によって、動画保存部から焼香動画を読み出して、ウェブサイトで参列者が閲覧できるようにウェブサイトに焼香動画を送信する。
【0010】
さらに好ましい実施形態のオンライン葬儀システムでは、葬儀社端末は、参列者がウェブサイトで入力した情報を受信する受信部と、受信部で受信した情報を記憶する記憶部とをさらに有する。受信部は、参列者がウェブサイトで入力した参列者情報と、参列者が参列者情報を入力するのに用いた参列者端末の端末情報と、参列者が焼香動画の閲覧を要求したことを示す焼香記録を受信し、記憶部に参列者情報、端末情報および焼香記録を関連付けて記憶する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のオンライン葬儀システムによれば、360度カメラによって葬儀場の全体の雰囲気を感じることができ、また、焼香動画によってオンラインで参列する参列者が焼香を行っている雰囲気が感じられて、オンラインで葬儀に参列しても、葬儀場で葬儀に参列している場合と近い雰囲気で葬儀に参列することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るオンライン葬儀システムの全体構成を示す図である。
図2図1のオンライン葬儀システムの葬儀社端末の構成を示す図である。
図3図1のオンライン葬儀システムを利用した葬儀の開催方法のフロー図である。
図4図3の葬儀の開催方法において用いられる開催案内ページのイメージ図である。
図5図3の葬儀の開催方法において用いられる葬儀案内ページのイメージ図である。
図6図3の葬儀の開催方法において用いられる葬儀参列ページのイメージ図である。
図7図3の葬儀の開催方法において用いられる葬儀参列ページで焼香を行っているときのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態のオンライン葬儀システム1は、葬儀場で行われている葬儀を撮影する撮影装置10と、葬儀を取り仕切る葬儀社が使用する葬儀社端末20と、オンライン葬儀サービスにより発生する利用料金等の決済を行うための電子決済端末30とを備えている。
【0015】
撮影装置10は、祭壇を撮影する定点カメラ11と、葬儀場全体を撮影する360度カメラ12とから構成されている。定点カメラ11は、葬儀の間中、祭壇および僧侶が撮影できるように向きを固定して配置される。360度カメラ12は、祭壇や参列者など360度あらゆる方向を撮影できるように葬儀場の中央付近に配置される。定点カメラ11および360度カメラ12は、既知の任意のカメラを用いることができる。この撮影装置10は、有線または無線で直接、または、ネットワーク2を介して葬儀社端末20に接続されている。本実施形態では、定点カメラ11は直接葬儀社端末20に接続されており、360度カメラ12はネットワーク2を介して葬儀社端末20に接続されている。
【0016】
葬儀社端末20は、葬儀社が保有する端末である。図2に示すように、葬儀社端末20は、撮影装置10で撮影された葬儀動画を取得す動画取得部21と、葬儀動画などの動画を保存する動画保存部22と、葬儀に関連する種々の情報を記憶する記憶部23と、ウェブサイトに葬儀動画などを送信する送信部24と、ウェブサイトで入力された情報を受信する受信部25とを備えている。葬儀社端末20は、ネットワーク2に接続されており、送信部24および受信部25によってネットワーク2上に情報を送受信している。
【0017】
動画保存部22には、撮影装置10で撮影され、動画取得部21で撮影装置10から取得された葬儀動画が、葬儀ごとに識別されて保存される。このとき、定点カメラ11の葬儀動画と360度カメラ12の葬儀動画とは、区別されて保存される。また、動画保存部22には、焼香を行う動作を予め記録した焼香動画が保存されている。焼香は宗派によってやり方が異なるため、種々の宗派に対応できるよう複数の種類の焼香動画が動画保存部22に保存されている。
【0018】
記憶部23には、オンラインで葬儀に参列する参列者が参列者端末40(図1参照)を用いてウェブサイトで入力した参列者情報、および、参列者情報を入力するのに用いた参列者端末40の端末情報が関連付けて記憶される。参列者情報には、参列者の氏名、住所、メールアドレス、電話番号などが含まれる。本実施形態では、参列者情報は、参列者の氏名である。端末情報は、例えば、参列者端末40がネットワーク2に接続する際に割り当てられるIPアドレスである。さらに、記憶部23には、参列者が焼香動画を閲覧する操作を行ったときに、焼香記録が記憶される。焼香記録は、焼香動画の閲覧の操作を行った参列者端末40の端末情報と、参列者情報を入力するのに用いた参列者端末40の端末情報とを照らし合わせ、同じ端末情報を有する参列者情報と関連付けて記憶される。また、記憶部23には、オンラインで葬儀に参列する者が、オンラインで供花や供物を贈れるように、オンラインで供花および/または供物を発注するための供花・供物カタログが記憶されている。
【0019】
電子決済端末30は、例えば、クレジットカード決済、携帯キャリア決済、電子マネー・ウォレット決済などの電子決済サービスを提供する会社が保有する端末である。電子決済端末30は、ネットワーク2を介して葬儀社端末20と接続されている。電子決済端末30は、オンラインで葬儀に参列する参列者が供花や供物を贈る際に、供花や供物の料金を電子決済によって支払うための機能を備えている。
【0020】
次に、図3図7を参照して、オンライン葬儀システム1を利用して参列者が葬儀に参列する際のフローについて説明する。
【0021】
オンラインでの葬儀が開催されることが決定すると、喪主から提供を受けた参列者に対して、葬儀社または喪主からメール等にてオンライン葬儀の開催案内が送付される(S100)。オンラインで葬儀に参列する参列者(以下、単に「参列者」ともいう)は、オンライン葬儀の開催時刻になると、パソコン、タブレット、スマートフォンなどの参列者端末40を利用して、開催案内に記載のURLまたはQRコード(登録商標)からネットワーク2を介して葬儀社端末20が管理するウェブサイトにアクセスする(S110)。
【0022】
開催案内に記載のURLまたはQRコード(登録商標)は葬儀ごとに設定されており、開催案内に記載のURLまたはQRコード(登録商標)からアクセスしたウェブサイトは、参列者が参列する葬儀固有のサイトとなっている。このウェブサイトは、容易にアクセスできないサイトとなっており、喪主が参列を望んで送付した開催案内を受けた参列者のみが開催案内に記載のURLまたはQRコード(登録商標)からアクセスできる。
【0023】
ウェブサイトにアクセスすると、開催案内ページ51(図4参照)が表示される。開催案内ページ51には、故人の氏名、通夜および葬儀の日時および場所、喪主などの葬儀の詳細情報に加え、参列者の氏名を入力する氏名欄511、および、オンライン葬儀へ参列するためのオンライン葬儀ボタン512が表示される。
【0024】
参列者は、開催案内ページ51において、氏名欄511に氏名(参列者情報)を入力する(S120)。この氏名欄511への氏名の入力が芳名帳への記帳となる。開催案内ページ51で入力された氏名は、参列者情報として受信部25によって受信され、記憶部23に記憶される。このとき、参列者情報は、入力されたウェブサイトごと、つまり葬儀ごとに識別されて記憶される。また、受信部25は、参列者の氏名と同時に、参列者が氏名を入力するのに用いた参列者端末40のIPアドレスなどの端末情報を受信し、氏名と関連付けて端末情報も記憶部23に記憶する。
【0025】
氏名欄511に氏名を入力すると、オンライン葬儀ボタン512が選択可能となり、クリック操作またはタップ操作などによってオンライン葬儀ボタン512を選択する(S130)。オンライン葬儀ボタン512を選択すると、オンライン葬儀の葬儀案内ページ52(図5参照)が表示される。葬儀案内ページ52には、葬儀参列ボタン521、香典ボタン522、および供花・供物ボタン523が表示される。
【0026】
参列者は、すぐに葬儀に参列する場合は葬儀参列ボタン521を選択する(S140)。先に香典を送りたい場合は香典ボタン522を、供花・供物を贈りたい場合は供花・供物ボタン523を選択する(S150,S160)。葬儀参列ボタン251を選択して葬儀に参列した場合でも、ブラウザの戻るボタンなどを利用して葬儀案内ページ52に戻ると、香典ボタン522および供花・供物ボタン523が選択でき、あとから香典を送ったり、供花・供物を贈ったりすることができる。同様に、香典ボタン522または供花・供物ボタン523を選択し、香典を送るまたは供花・供物を贈る手続きを行ったあと、ブラウザの戻るボタンなどを利用して葬儀案内ページ52に戻ると、別のボタンを選択することもできる。
【0027】
香典ボタン522を選択すると、香典の振込先が通知される。インターネットバンキングを利用して香典を振り込む場合は、銀行のウェブサイトから通知された振込先に振込手続きを行う(S170)。ATMなどを利用して香典を振り込む場合は、振込先を控えておき、あとからATMなどに行って香典の振込手続きを行う。参列者は、香典の振込手続きまたは振込先の控えが完了すると、ブラウザの戻るボタンなどを利用して葬儀案内ページ52に戻る。
【0028】
供花・供物ボタン523を選択すると、送信部24が記憶部23に記憶されている供花・供物カタログを読み出してウェブサイトに送信する。参列者は、参列者端末40に表示された供花・供物カタログから贈りたい供花・供物を選択して、その数量等を特定して申し込む(S180)。
【0029】
供花・供物の申し込みが行われると、電子決済端末30が管理するウェブサイトの電子決済ページが表示される。参列者は、電子決済ページにおいて、電子決済情報(クレジットカード情報、携帯キャリア情報、電子マネー・ウェレット情報など)、参列者の氏名、参列者の連絡先(住所、電話番号、メールアドレス)、申し込んだ供花・供物の送付先(葬儀社名、および、喪主名または葬儀名)を入力し、電子決済を行う(S190)。電子決済は、電子決済端末30によって行われる。このとき、電子決済端末30は、電子決済の際に入力された参列者の氏名、参列者の連絡先、供花・供物の申込内容、葬儀社名、および、喪主名または葬儀名を記憶する。参列者は、電子決済が完了すると、ブラウザの戻るボタンなどを利用して葬儀案内ページ52に戻る。
【0030】
申し込んだ供花・供物の電子決済が行われると、電子決済端末30から、参列者端末40に供花・供物の申し込み完了通知が送信される。この完了通知は、電子決済の際に入力した参列者のメールアドレスに通知される。また、電子決済端末30は、記憶している参列者の氏名、供花・供物の申込内容、葬儀社名、および、喪主名または葬儀名を葬儀社端末20に送信する。葬儀社は、電子決済端末30から送られてきた参列者の氏名、供花・供物の申込内容、葬儀社名、および、喪主名または葬儀名を確認し、申し込まれた供花・供物を手配して葬儀場に供える。
【0031】
葬儀参列ボタン521を選択すると、葬儀参列ページ53(図6参照)が表示される。葬儀参列ページ53には、撮影装置10で撮影された葬儀動画が表示される。葬儀動画は、YouTube(登録商標)などの動画共有サービスを利用して表示され、リアルタイムで閲覧できるようになっている。
【0032】
具体的には、葬儀場において撮影装置10により撮影された葬儀動画は、葬儀社端末20の動画取得部21に取り込まれ、送信部24によってウェブサイトの葬儀参列ページ53に送信される。具体的には、定点カメラ11で撮影された葬儀動画は、定点カメラ11が葬儀社端末20に直接接続されているため、ダイレクトに動画取得部21に取り込まれる。360度カメラ12で撮影された葬儀動画は、ネットワーク2を介して受信部25で受信され、受信部25を介して動画取得部21に取り込まれる。撮影装置10の設定により、葬儀場で撮影装置10によって撮影された葬儀動画と、その葬儀場での葬儀をオンラインで閲覧できるウェブサイトとは関連付けられており、葬儀動画はその葬儀を閲覧するための特定のウェブサイトに送信されるようになっている。定点カメラ11で撮影された定点カメラ11の葬儀動画、および、360度カメラ12で撮影された360度カメラ12の葬儀動画がともに、葬儀参列ページ53に送信される。
【0033】
本実施形態では、定点カメラ11の葬儀動画と、360度カメラ12の葬儀動画とが、参列者の操作によって切り替えて表示できるようになっている。具体的には、葬儀参列ページ53には、動画切替ボタン531が表示されている。参列者は、動画切替ボタン531で定点カメラ11の葬儀動画と、360度カメラ12の葬儀動画とを任意に選択して閲覧することができる。
【0034】
また、撮影装置10で撮影された葬儀動画は、葬儀ごとに識別され、その葬儀を閲覧するための特定のウェブサイトと関連付けられて動画保存部22に保存される。葬儀社または喪主から送られてきた開催案内に記載のURLまたはQRコード(登録商標)からアクセスできるウェブサイトは、葬儀場での葬儀が終了した後も一定期間アクセス可能となっている。葬儀場での葬儀が終わった後に参列を希望する参列者がウェブサイトにアクセスし、上記したフローで葬儀参列ページ53を表示すると、送信部24が動画保存部22に保存されている録画された葬儀動画を読み出してウェブサイトに送信する。参列者は、葬儀参列ページ53に表示される録画された葬儀動画を閲覧することができる。
【0035】
葬儀参列ページ53には、焼香ボタン532が表示されている。図6および図7では、1個の焼香ボタン532を表示するイメージ図を示しているが、宗派によって焼香動画を選択させる場合は、宗派名とともに複数の焼香ボタンを表示してもよい。宗派ごとに複数の焼香ボタンを表示する場合は、動画保存部22に保存されている種々の宗派の焼香動画と各宗派の焼香ボタンとがリンクしており、焼香ボタンを操作すると該当宗派の焼香動画が閲覧できる。
【0036】
参列者は、葬儀場で設けられている焼香の時間など、焼香を行いたいタイミングで焼香ボタン532をクリック操作またはタップ操作する。焼香ボタン532が操作されると、送信部24は、動画保存部22に保存されている焼香動画を読み出して、葬儀参列ページ53に送信する。本実施形態では、葬儀動画が表示される部分に、葬儀動画に変えて焼香動画が表示されるようになっている。焼香動画を閲覧する、または、焼香動画に合わせて焼香動作を行うことで、参列者は焼香を行っている雰囲気を感じることができる。
【0037】
また、焼香ボタン532が操作されると、受信部25は、参列者が焼香動画の閲覧を要求したことを示す焼香記録を受信する。同時に、受信部25は、参列者が焼香動画の閲覧を要求した参列者端末40のIPアドレスなどの端末情報を受信する。そして、参列者が参列者情報を入力した際に端末情報と照らし合わせて、同じ端末情報を有する参列者情報と関連付けて、その参列者情報を有する参列者が焼香を行ったとして焼香記録を記憶部23に記憶する。
【0038】
以上のように、本実施形態のオンライン葬儀システム1では、祭壇を撮影する定点カメラ11と、葬儀場全体を撮影する360度カメラ12とを備えており、参列者が定点カメラ11の葬儀動画と、360度カメラ12の葬儀動画とを任意に切り替えて閲覧できるようになっている。これにより、参列者は、葬儀の間、祭壇や僧侶を見続けるだけでなく、360度カメラ12の葬儀動画を動かして任意の方向に視点を変えることで、誰が参列しているかなど、葬儀場全体の雰囲気を見ることができる。これにより、葬儀場で参列するのと近い雰囲気で葬儀に参列することができる。
【0039】
また、葬儀によっては参列者が順に焼香を行う焼香の時間が設けられていたりするが、その間も、ただ葬儀場で参列している参列者が焼香を行っているのを見守るだけでなく、焼香動画を閲覧する、または、焼香動画に合わせて自身も焼香動作を行うことで、葬儀場で焼香を行っているのと近い雰囲気を感じることができる。また、オンラインで葬儀に参列する参列者が焼香動画を閲覧したこと、つまり焼香を行ったことは、葬儀社端末20に記憶される。これにより、オンラインで葬儀に参列する参列者が焼香を行ったことが喪主や故人の親族に伝えられ、喪主や故人の親族は誰が焼香を行ってくれたかを確認することができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0041】
例えば、上記実施形態では、定点カメラ11で撮影された葬儀動画と、360度カメラ12で撮影された葬儀動画とが、動画切替ボタン531で切り替えられるように表示される。しかしながら、この形態に限られず、定点カメラ11で撮影された葬儀動画と、360度カメラ12で撮影された葬儀動画とを、横並びまたは縦並びで並べて表示するようにしてもよい。参列者が、定点カメラ11で撮影された葬儀動画と、360度カメラ12で撮影された葬儀動画とを任意に選択して閲覧できれば、種々の形態で表示することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、案内ページ51は、氏名欄511を設けて、参列者情報として参列者の氏名を入力するようになっている。しかしながら、参列者に、氏名の他に、住所、メールアドレス、電話番号などを記載してもらいたい場合には、案内ページに、氏名欄511に加えて、住所欄、メールアドレス欄、電話番号欄などの参列者情報を入力する欄を設け、それらの欄に入力された情報を受信部25で受信して、記憶部23に記憶するようにしてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、オンライン葬儀システム1は、電子決済端末30を備えているが、電子決済が不要の場合には、電子決済端末30は備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 オンライン葬儀システム
10 撮影装置
11 定点カメラ
12 360度カメラ
20 葬儀社端末
21 動画取得部
22 動画保存部
23 記憶部
24 送信部
25 受信部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7