(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106681
(43)【公開日】2022-07-20
(54)【発明の名称】集積回路パッケージとヒートシンク要素を含む構成体
(51)【国際特許分類】
H01Q 23/00 20060101AFI20220712BHJP
H01Q 13/06 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
H01Q23/00
H01Q13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022000853
(22)【出願日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】21150555
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519024245
【氏名又は名称】シバース ワイヤレス アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】エーリク エフォッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ドラゴス ダンシラ
(72)【発明者】
【氏名】イムラン アシス
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンナ ハンニン
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5J021AB07
5J021JA08
5J045AA05
5J045AB08
5J045DA01
(57)【要約】
【課題】集積回路パッケージを含む構成体(100)を提供する。
【解決手段】この構成体は、集積回路パッケージ(2)を含む。集積回路パッケージは、相互接続素子を含む第1側面(2a)と、第1側面(2a)と反対側の第2側面(2b)とを備える。集積回路パッケージは、少なくとも1つのアンテナ素子(25)と、集積回路パッケージ(2)の第2側面(2b)に配置されたヒートシンク素子(1)とを更に備える。ヒートシンク素子は、少なくとも1つの通路(10)を備える。少なくとも1つの通路(10)は、ヒートシンク素子(1)を通って延在する。少なくとも1つの通路(10)の第1開口部(13)は、少なくとも1つのアンテナ素子のそれぞれのアンテナ素子(25)に配置される。少なくとも1つの通路(10)は、それぞれのアンテナ素子(25)の利得を増加させるように構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互接続要素(26a)を含む第1側面(2a)と、第1側面(2a)に対向する第2側面(2b)と、少なくとも1つのアンテナ素子(25)と、を備える集積回路パッケージ(2)と;
前記集積回路パッケージ(2)の前記第2側面(2b)に配置され、少なくとも1つの通路(10)を備えるヒートシンク素子(1)、とを備える構成体(100)であって、
前記少なくとも1つの通路(10)は、ヒートシンク素子(1)を通って延在し、前記少なくとも1つの通路(10)の第1開口部(13)は、前記少なくとも1つのアンテナ素子のそれぞれのアンテナ素子(25)に配置され、
前記少なくとも1つの通路(10)は、前記それぞれのアンテナ素子(25)の利得を増加させるように構成される、
構成体(100)。
【請求項2】
前記アンテナ素子(25)は、前記集積回路パッケージ(2)内に配置される、請求項1に記載の構成体。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアンテナ素子(25)は、集積回路パッケージ(2)のファンアウト領域(22)内に配置される、請求項1又は2に記載の構成体。
【請求項4】
集積回路パッケージ(2)が、少なくとも2つのアンテナ素子(25)を含む、請求項1~3のうちいずれか1項に記載の構成体。
【請求項5】
前記少なくとも2つのアンテナ素子(25)のうちの少なくとも1つは、受信アンテナ素子であり、前記少なくとも2つのアンテナ素子(25)のうちの少なくとも1つは、送信アンテナ素子である、請求項4に記載の構成体。
【請求項6】
前記2つのアンテナ素子(25)のうちの少なくとも1つは、前記集積回路パッケージ(2)の第1のファンアウト領域(22)内に配置され、
前記2つのアンテナ素子(25)のうちの少なくとも1つは、前記集積回路パッケージ(2)の第2のファンアウト領域(22)内に配置され、
前記第1のファンアウト領域(22)は、前記第2のファンアウト領域(22)から分離している、請求項4又は5に記載の構成体。
【請求項7】
前記第1のファンアウト領域(22)内に配置された少なくとも1つのアンテナ素子(25)は、受信アンテナ素子であり、前記第2のファンアウト領域(22)内に配置された少なくとも1つのアンテナ素子(25)は、送信アンテナ素子である、請求項6に記載の構成体。
【請求項8】
前記少なくとも1つのアンテナ素子(25)は、少なくとも1つのダイポールアンテナ(26)を備える、請求項1~7のうちいずれか1項に記載の構成体。
【請求項9】
前記集積回路パッケージ(2)は、組み込みウェハレベルボールグリッドアレイパッケージを備える、請求項1~8のうちいずれか1項に記載の構成体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの通路(10)は、ホーンアンテナとして構成される、請求項1~9のうちいずれか1項に記載の構成体。
【請求項11】
集積回路パッケージ(2)上に配置されるように構成されるヒートシンク素子(1)であって、前記ヒートシンク素子(1)は、当該ヒートシンク素子(1)を通って延在する少なくとも1つの通路(10)を含み、
前記集積回路パッケージ(2)は、少なくとも1つのアンテナ素子(25)を含み、
各通路の第1開口部(13)は、前記少なくとも1つのアンテナ素子(25)のそれぞれのアンテナ素子に配置されるように構成され、
前記少なくとも1つの通路(10)は、前記集積回路パッケージ(2)の前記少なくとも1つのアンテナ素子(25)の利得を増加させるように構成される、ヒートシンク素子(1)。
【請求項12】
前記ヒートシンク素子(1)は、頂部(11、11a)、底部(3)を備え、
各通路(10)の前記第1開口部(13)は、前記ヒートシンク素子(1)の底部(3)に配置され、
各通路(10)の第2開口部(14)は、少なくとも一部が、前記ヒートシンク素子(1)の前記頂部(11、11a)に配置される、請求項11に記載のヒートシンク素子。
【請求項13】
各通路(10)の前記第2開口部(14)は、少なくとも一部が、前記ヒートシンク素子(1)の側面(12b)に配置される、請求項12記載のヒートシンク素子。
【請求項14】
前記第2開口部(14)は、前記第1開口部(13)よりも大きい、請求項12又は13に記載のヒートシンク素子。
【請求項15】
請求項1に記載の構成体(100)と、プリント回路基板(5)とを備え、
前記構成体(100)は、前記プリント回路基板(5)に実装される、システム(500)。
【請求項16】
前記プリント回路基板(5)は、少なくとも1つの反射素子(6)を含み、
前記構成体(100)は、前記少なくとも1つの反射素子(6)に配置される、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、アンテナ素子、及び、前記アンテナ素子を含む集積回路の冷却に関する。
【背景技術】
【0002】
高性能機器の使用は指数関数的に増加しており、高性能機器はしばしば無線通信リンクを介して信号を送受信できる必要がある。さらに、5Gの利用は増加し、増加を続けており、1~30GHzのスペクトル内で動作するアンテナの使用が増加している。そのため、ミリ波アンテナの使用が急速に増加している。一部のソリューションでは、集積回路チップと一体化されたアンテナが使用される。集積回路チップは、例えば、集積ファンアウト型ウエハレベルパッケージ(InFO-WLP)技術、又は同様のパッケージ技術を使用する無線周波数チップであってもよい。このようなソリューションの伝送線は、一般的には、集積回路パッケージのアンテナに対して信号を送受信するために矩形の導波路を使用する。InFO‐WLPと集積アンテナの組合せのための主な増幅器は、チップとアンテナ給電線との間の信号損失の低減であった。現在の技術の課題は、その大きな形状因子のパッケージと、集積回路を冷却する必要性である。加えて、アンテナのステアリングを可能にすることは、重要性がある。しかし、ヒートシンクは、装置の形状因子を増大及び/又は装置のアンテナを妨害及び/又はブロックする。そのため、ヒートシンクはしばしば装置のアンテナの性能を低下させる。
【0003】
特許文献1には、マイクロ波半導体チップと、半導体パッケージに関連する導波部とを含む半導体パッケージを含むマイクロ波デバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9,583,811号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
小さな形状因子を有する一方で、依然として良好なアンテナ性能を有する、少なくとも1つのアンテナ素子を含む集積回路パッケージを提供することは、重要である。加えて、少なくとも1つのアンテナ素子を妨害及び/又はブロックすることなく、集積回路を冷却する能力を提供することは、重要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの重要性は、独立請求項における特徴を有する構成体(arrangement)を提供することによって満たされる。好ましい実施態様は従属項において定義される。
【0007】
従って、本発明の一態様によれば、集積回路パッケージを含む構成体が提供される。集積回路パッケージは、相互接続要素を含む第1側面と、第1側面とは反対である第2側面とを備えることができる。さらに、集積回路パッケージは、少なくとも1つのアンテナ素子を備えることができる。構成体は、ヒートシンク素子を含んでもよい。ヒートシンク素子は、集積回路パッケージの第2側面上に配置されてもよい。ヒートシンク素子は、少なくとも1つの通路を備えることができる。少なくとも1つの通路は、ヒートシンク素子を通って延在してもよい。少なくとも1つの通路の第1開口部は、少なくとも1つのアンテナ素子のそれぞれのアンテナ素子に配置されてもよい。少なくとも1つの通路は、それぞれのアンテナ素子の利得を増加させるように構成することができる。
【0008】
本発明の一態様によれば、ヒートシンク素子が設けられる。ヒートシンク素子は、集積回路パッケージ上に配置されるように構成されてもよい。ヒートシンク素子は、少なくとも1つの通路を備えることができる。通路は、ヒートシンク素子を通って延在してもよい。集積回路パッケージは、少なくとも1つのアンテナ素子を備えることができる。各通路の第1開口部は、少なくとも1つのアンテナ素子のそれぞれのアンテナ素子に配置されるように構成されてもよい。少なくとも1つの通路は、集積回路パッケージの少なくとも1つのアンテナ素子の利得を増加させるように構成することができる。少なくとも1つの通路のサイズを維持しながら、ヒートシンク素子のサイズを増大させ、それによって冷却特性を増大させることができる。ヒートシンク素子は、補助ヒートシンクに接続することができ、それによって、より良い冷却特性を与えることができる。
【0009】
本発明の一態様によれば、システムが提供される。システムは、本発明の別の態様による構成体を含んでもよい。システムは、プリント回路基板をさらに含んでもよい。この構成体は、プリント回路基板に、及び/又は、プリント回路基板上に実装されてもよい。構成体は、プリント回路基板に半田付けされてもよい。この構成体は、プリント回路基板上のフットプリントが小型コンパクトなソリューションを提供することができる。
【0010】
集積回路パッケージは、組み込みウェハレベルボールグリッドアレイパッケージ、eWLBパッケージを含んでもよい。集積回路パッケージは、ダイとモールド化合物とを含んでもよい。用語「ダイ」は、例えば、チップ又はチップセットを意味する。ダイは、トランシーバ・ダイを含んでもよい。集積回路パッケージは、少なくとも1つのモールド化合物層を含んでもよい。集積回路パッケージは、少なくとも1つの誘電体層を含んでもよい。少なくとも1つの誘電体層は、少なくとも1つのモールド化合物層よりも薄くてもよい。集積回路パッケージは、少なくとも1つの再分配金属層を含んでもよい。少なくとも1つの誘電体層は、少なくとも2つの再分配金属層の間に配置されてもよい。ダイ及び/又は相互接続要素は、誘電体層に配置することができる。少なくとも2つの再分配金属層は、ダイと相互接続要素とを接続するように配置することができる。集積回路パッケージは、無線周波数集積回路、RFICを含んでもよい。RFICは、5G通信用に構成することができる。RFICは、5GのRFICであってもよい。RFICは、好ましくは、20~45GHzのRFIC、より好ましくは、24.25~29.5GHzのRFIC、又は37.0~43.5GHzのRFIC、又は最も好ましくは、28GHzのRFIC又は39GHzのRFICであり得る。構成体は、特注の構内機器、CPE用に構成することができる。この構成体は、固定ワイヤレスアクセスリンク用に構成することができる。ワイヤレスアクセスリンクは、例えば、20~45GHz、24,25~29.5GHz、37.0GHz~43.5GHz、又は28GHz、及び/又は39GHzであり得る。少なくとも1つの金属層は、相互接続要素を介してアクセスされてもよい。
【0011】
相互接続要素は、はんだバンプを含んでもよい。はんだバンプは、集積回路パッケージの金属層に接続するように構成することができる。はんだバンプは、プリント基板にはんだ付けされるように構成されていてもよい。はんだバンプは、信号バンプ及び/又は接地バンプを含んでもよい。加えて、半田バンプは、スタッドバンプ及び/又はダミーバンプを含んでもよく、これらバンプは、集積回路パッケージがプリント回路基板に実装/半田付けされるときに、集積回路パッケージを支持するように構成されてもよい。
【0012】
少なくとも1つのアンテナ素子は、集積回路パッケージ内に配置されてもよい。少なくとも1つのアンテナ素子は、少なくとも1つのアンテナ・イン・パッケージを備えることができる。言い換えれば、「集積回路パッケージ内に配置される少なくとも1つのアンテナ素子」という用語は、例えば、「少なくとも1つのアンテナ・イン・パッケージ」を意味する。少なくとも1つのアンテナ素子は、例えば、少なくとも1つのアンテナアレイとして理解され得る。少なくとも1つのアンテナ素子のうちの1つは、複数のアンテナを備えることができる。さらに、少なくとも1つのアンテナ素子のうちの1つは、アンテナアレイを備えてもよい。複数のアンテナは、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又はそれ以上のような任意の数のアンテナを備えることができる。例えば、各アンテナ素子は、アンテナアレイを含んでもよく、ここで、各アンテナアレイは、例えば、1x2-8、2x2-8、3x2-8、4x2-8、のアンテナアレイを含んでもよい。集積回路パッケージは、接地された少なくとも1つの共振器ストリップを備えることができる。少なくとも1つの共振器ストリップは、2つのアンテナ素子及び/又はアンテナの間に配置することができる。少なくとも1つの共振器ストリップは、アンテナ及び/又はアンテナ素子をデカップリングするように構成することができる。少なくとも1つのアンテナ素子は、平面内に配置されてもよい。
【0013】
少なくとも1つのアンテナ素子は、集積回路パッケージのファンアウト領域に配置されてもよい。ファンアウト領域は、モールド化合物を含む集積回路パッケージの一部として理解され得る。ファンアウト領域は、少なくとも1つのアンテナ素子を含むモールド化合物の一部として理解され得る。ファンアウト領域は、ダイを含まない集積回路パッケージの一部として理解され得る。ダイは、集積回路パッケージのサイズよりも小さいサイズを有してもよい。モールド化合物は、同様に、ダイの上に配置されてもよい。ファンアウト領域におけるモールド化合物の厚さは、ダイにおけるモールド化合物の厚さよりも大きくてもよい。ダイは、実質的に集積回路パッケージの中心に配置されてもよい。したがって、ファンアウト領域は、ダイの周囲に配置されてもよい。換言すれば、ファンアウト領域は、集積回路パッケージのダイと側面との間に配置されてもよい。少なくとも1つのアンテナ素子は、モールド化合物と誘電体層との間に配置されてもよい。少なくとも1つのアンテナ素子は、再分配層内に配置されてもよい。
【0014】
集積回路パッケージのファンアウト領域内に配置された少なくとも1つのアンテナ素子は、集積回路のファンアウト領域からヒートシンク素子への電磁的な結合を実現することができ、それによって、(高価な)高周波基板を必要としなくてもよい。
【0015】
少なくとも1つのアンテナ素子は、少なくとも1つのダイポールアンテナを備えることができる。少なくとも1つのダイポールアンテナの各脚部は、少なくとも1つのダイポールアンテナの中心において給電されてもよい。各脚部には、集積回路からの別々の信号線を設けることができる。これにより、各脚部への信号の位相及び振幅を個別に制御することができ、これにより、必要な差動位相シフトを実現することができる。必要な差動位相シフトは、180度であってもよい。差動位相シフトは、バラン及び/又は他の受動位相シフト構成要素を必要とすることなく実施することができる。
【0016】
集積回路パッケージは、少なくとも2つのアンテナ素子を備えることができる。集積回路パッケージは、少なくとも2つのダイポールアンテナを備えることができる。少なくとも2つのアンテナ素子及び/又は少なくとも2つのダイポールアンテナの間に配置された開放端の共振器ストリップがあってもよい。共振器ストリップは、アースに接続されてもよい。共振器ストリップは、前記共振器ストリップに隣接するアンテナ素子及び/又はダイポールアンテナをデカップリングするように構成することができる。少なくとも2つのアンテナ素子のそれぞれは、集積回路パッケージのそれぞれの側に配置されてもよい。例えば、第1のアンテナ素子は、上から見るように、集積回路パッケージの左側に配置されてもよく、第2のアンテナ素子は、上から見るように、集積回路パッケージの右側に配置されてもよい。なお、集積回路パッケージは、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子とを備えることに限定されない。集積回路パッケージは、例えば、3つ、4つ、5つ、6つ以上の任意の数のアンテナ素子を備えることができる。また、用語「アンテナ素子」とは、例えば、アンテナアレーを意味することに留意されたい。アンテナアレイは、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ以上のような任意の数のアンテナを備えることができる。加えて、2つのアンテナアレイは、異なる又は等しい数のアンテナを含んでもよい。一例として、少なくとも1つのアンテナ素子は、2つのアンテナアレイを備えることができ、ここで、2つのアンテナアレイは、等しい又は異なる数のアンテナを備えることができる。少なくとも2つのアンテナ素子を使用することによって、より高い利得を取得することができる。
【0017】
少なくとも2つのアンテナ素子のうちの少なくとも1つは、受信アンテナ素子であってもよい。少なくとも2つのアンテナ素子のうちの少なくとも1つは、送信アンテナ素子であってもよい。この構成体は、少なくとも2つのアンテナ素子のうちの1つを介して全ての信号を受信するように構成することができる。この構成体は、少なくとも2つのアンテナ素子のうちの1つを介して全ての信号を送信するように構成することができる。集積回路パッケージは、複数のアンテナ素子を含んでもよい。例えば、集積回路パッケージは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上のアンテナ素子を含むことができる。この構成体は、任意の数のアンテナ素子を介して全ての信号を受信し、残りのアンテナ素子を介して全ての信号を送信するように構成することができる。さらに、集積回路パッケージは、信号を送受信するように構成されたアンテナ素子を備えてもよい。集積回路パッケージは、少なくとも1つの送信アンテナ素子と、少なくとも1つの受信アンテナ素子と、信号を送受信するように構成された少なくとも1つのアンテナ素子とを備えることができる。(a)信号を受信するための専用のアンテナ素子、及び(a)信号を送信するための専用のアンテナ素子を使用することは、構成体の効率を高めることができる。
【0018】
2つのアンテナ素子のうちの少なくとも1つは、集積回路パッケージの第1のファンアウト領域内に配置されてもよい。2つのアンテナ素子のうちの少なくとも1つは、集積回路パッケージの第2のファンアウト領域内に配置されてもよい。第1のファンアウト領域は、第2のファンアウト領域とは別々にすることができる。ファンアウト領域は、第1のファンアウト領域と第2のファンアウト領域を含んでいてもよい。更に、ファンアウト領域は、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上のような任意の数のファンアウト領域を含むことができる。第1のファンアウト領域が、ダイの第1側面と集積回路パッケージの第1側面との間に配置されてもよい。第2のファンアウト領域が、ダイの第2側面と集積回路パッケージの第2側面との間に配置されてもよい。ダイの第1側面は、ダイの第2側面に反対して配置されてもよい。集積回路パッケージの第1側面は、集積回路パッケージの第2側面に反対して配置されてもよい。第1のファンアウト領域と第2のファンアウト領域との間に配置されるファンアウト領域の場所、或いはその一部は、信号及び/又は接地経路を含んでもよい。信号及び/又は接地経路は、アンテナ素子間の相互結合を低減するように構成してもよい。
【0019】
第1のファンアウト領域に配置される少なくとも1つのアンテナ素子は、受信アンテナ素子であってもよい。第2のファンアウト領域に配置される少なくとも1つのアンテナ素子は、送信アンテナ素子であってもよい。第1のファンアウト領域に配置される各アンテナ素子は受信アンテナ素子であってもよい。第2のファンアウト領域に配置される各アンテナ素子は、送信アンテナ素子であってもよい。受信アンテナ素子を含む、第1のファンアウト領域に配置されたヒートシンク素子の通路は、信号を受信するための通路として理解され得る。送信アンテナ素子を含む、第2のファンアウト領域に配置されたヒートシンク素子の通路は、信号を送信するための通路として理解され得る。(a)受信アンテナ素子及び(a)送信アンテナ素子を異なるファンアウト領域に配置することは、少なくとも2つのアンテナ素子のデカップリングを増加させ、妨害を低下させ、及び/又は性能を増加させることができる。ヒートシンク素子は、第1のファンアウト領域と第2のファンアウト領域との間に配置することができ、これは、更に、デカップリングを増加させ、妨害を低下させ、及び/又は少なくとも2つのアンテナ素子の性能を増加させることができる。
【0020】
少なくとも1つの通路は、ホーンアンテナとして構成することができる。少なくとも1つの通路は、導波路ホーンとして構成されてもよい。通路の形状は、例えば、アンテナホーンの形状、及び/又は導波路ホーンの形状として理解され得る。通路の開口部は、例えば、ホーンアンテナの開口部、及び/又は導波路ホーンの開口部として理解され得る。各通路は、それぞれのアンテナ素子に配置することができる。用語「それぞれ」は、例えば、1つの対応する、1つのそれぞれ、及び/又は1つの相互関係を意味する。各通路の第1開口部は、それぞれのアンテナ素子に配置されていてもよい。それぞれのアンテナ素子は、複数のアンテナ及び/又はアンテナアレイを含んでもよいことに留意されたい。第1開口部は、それぞれのアンテナ素子の幅と実質的に等しい幅を有することができる。第1開口部は、それぞれのアンテナ素子の長さと実質的に等しい長さを有することができる。アンテナ素子の長さ及び幅は、集積回路パッケージの第1側面及び第2側面に対してそれぞれ平行であってもよい。更に、アンテナ素子の長さ及び/又は幅は、長方形の長さ及び/又は幅として理解することができ、ここで、長方形は、アンテナ素子を囲む又は包囲することができる最小の長方形である。通路は、複数の通路側面を備えることができる。例えば、通路は、4つの通路側面を備えることができる。各通路側は、平面に沿って配置されてもよく、ここで、平面は、第1開口部が配置された平面に対して斜めに配置されてもよい。平面は、第1開口部から外側に傾いてもよい。反対側の面は、等しい値の角度で傾いてもよい。反対側の面は、等しい値の角度ではあるが、反対方向に傾いてもよい。第1の対向する平面は、第1の角度で傾斜させてもよく、第2の対向する平面は、第2の角度で傾斜させてもよい。第1の角度は、第2の角度よりも大きくてもよい。
【0021】
少なくとも1つの通路を備えるヒートシンク素子であって、前記少なくとも1つの通路は、それぞれのアンテナ素子に配置されるように構成される、ヒートシンク素子は、低減された形状因子を有することができる。前記ヒートシンク素子は、他の種類のヒートシンク素子よりも前記ヒートシンク素子が前記側面又は表面のより大きな部分と接触するように、前記少なくとも1つのアンテナ素子を備える集積回路パッケージの側面又は表面に配置することができる。前記側面又は表面のより大きな部分に接触されることによって、ヒートシンク素子の形状因子は、依然として高い冷却能力を提供しながら、低減され得る。前記側面、すなわち表面のより大きな部分と接触する能力は、前記ヒートシンク素子の少なくとも1つの通路に起因する。少なくとも1つの通路は、それぞれの少なくとも1つのアンテナ素子の利得を増加させるように構成されてもよい。少なくとも1つの通路は、それぞれの少なくとも1つのアンテナ素子に対するホーンアンテナとして構成することができる。他の種類のヒートシンク素子は、集積回路チップのアンテナ素子をブロックしたり妨害したりしないために、集積回路チップの小さな部分にのみ接触することがある。したがって、十分な冷却能力を提供するために、他の種類のヒートシンクは、ピン、及び/又はフィンを備える必要があり、これらは多くのスペースを必要とする場合がある。更に、他の種類のヒートシンク素子を配置して、アンテナ素子の妨害又はブロッキングを最小限に抑えることができる。前記ヒートシンク素子は、代わりに、少なくとも1つのアンテナ素子の性能を増加させることができる。前記ヒートシンク素子は、前記少なくとも1つのアンテナ素子の性能を向上させることができる一方で、高い冷却能力を提供することができる。さらに、前記ヒートシンク素子は、高い冷却能力を提供しながら、低減された形状因子を有することができる。前記ヒートシンク素子の少なくとも1つの通路によって与えられる増大したアンテナ性能は、少なくとも1つの通路の形状を前記少なくとも1つのアンテナ素子に整合させることによって、さらに増大されてもよい。
【0022】
ヒートシンク素子は、頂部及び底部を備えてもよい。各通路の第1開口部は、ヒートシンク素子の底部に配置されてもよい。各通路の第2開口部は、少なくとも部分的にヒートシンク素子の頂部に配置することができる。各通路の第2開口部は、少なくとも一部がヒートシンク素子の側面に配置されていてもよい。また、第2開口部は、第1開口部よりも大きくしてもよい。各通路の第2開口部は、ヒートシンク素子の頂部に配置されてもよい。通路の側面は、第1開口部から第2開口部まで延びていてもよい。第2開口部は、幅及び長さを含んでもよい。また、第2開口部の長さは、第2開口部の幅よりも大きくしてもよい。第1の角度は、第2開口部の長さを規定してもよい。第2の角度は、第2開口部の長さを規定してもよい。第2の角度は、第2開口部がヒートシンク素子の頂部に完全に配置されるか、又は第2開口部がヒートシンク素子の頂部に部分的に配置され、部分的にヒートシンク素子の側面に配置されるかを規定してもよい。通路の第2開口部は、ヒートシンク素子の本体の全長に沿って、ヒートシンクの本体の長さに実質的に平行な方向に延在してもよい。これにより、第2開口部は、ヒートシンクの頂部を多数のセクションに分割することができる。セクションの数は、通路の数に1を加えた数と等しくてもよい。セクションの数は、2つの側部を備えることができる。さらに、セクションの数は、少なくとも1つの中間部を備えることができる。「中間部」は、例えば、隆線として理解され得る。ヒートシンク素子は、金属を含んでもよい。金属は、熱伝達能力の高い金属であってもよい。
【0023】
ヒートシンク素子は、集積回路パッケージの第2側面に接触して配置されてもよい。ヒートシンク素子は、実質的に、集積回路パッケージの第2側面に沿ってダイ全体と接触して配置される。ヒートシンク素子の中間部は、ダイと接触していてもよい。ヒートシンク素子は、熱輸送のために構成されてもよい。ヒートシンク素子は、放散された電力及び/又は集積回路パッケージの熱の熱輸送のために構成することができる。
【0024】
プリント回路基板は、少なくとも1つの反射素子を備えることができる。前記構成は、少なくとも1つの反射素子に配置されていてもよい。各反射素子は、それぞれのアンテナ素子に配置されてもよい。少なくとも1つの反射素子は、金属層を含んでもよい。金属層は、少なくとも1つのアンテナ素子からの4分の1波長距離に配置されてもよい。用語「1/4波距離」とは、例えば、少なくとも1つのアンテナ素子によって送信及び/又は受信される信号の波長の4分の1に実質的に等しい距離を意味する。金属層は、プリント回路基板の金属化された裏面を含んでもよい。少なくとも1つの反射素子の各々は、ビア(vias)を含んでもよい。ビアは、それぞれのアンテナ素子の周囲に配置されてもよい。ビアは、長方形のエッジに沿って配置されてもよく、この長方形は、それぞれのアンテナ素子を囲むか、或いは包囲することができる最小の長方形である。構成体及びプリント回路基板は、ビア及びそれぞれのアンテナ素子が整列するように、それぞれ配置されてもよい。用語「ビア」は、例えば、フェンシング(fencing)を意味する。
【0025】
ここで、本発明のこの他の態様を、本発明の実施の形態を示す添付図面を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態によるヒートシンク素子を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の例示的実施形態による集積回路パッケージの断面図を図式的に示す。
【
図3】
図3は、本発明の例示的な実施形態によるシステムの断面図を概略的に示す。
【
図4】
図4は、本発明の例示的な実施形態によるシステムの斜視図を概略的に示す。
【
図5】
図5は、本発明の例示的な実施形態によるシステムの分解図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の例示的な実施形態によるヒートシンク素子1を示す。ヒートシンク素子1は、本体を備える。本体は、長さ、幅及び高さを有する。本体の長さは、軸Lの方向であり、本体の幅は、軸Wの方向であり、本体の高さは、軸Hの方向であり、軸L、W、Hは、互いに垂直である。本体の長さは本体の幅よりも大きい。本体の幅は本体の高さよりも大きい。本体は、頂部11、11a、底部3、及び4つの側面12a、12bを有する。本体は、実質的に矩形の立方体形状(cuboid shape)を有する。頂部11、11a、底部3、及び4つの側面12a、12bは、矩形の立方体形状の側面として理解され得る。両側面12a,12bの間の角部は丸みを帯びている。側面12a,12b、頂部11,11a及び底部3の間の角は、略90度の角度を有する。4つの側面12a,12bは、2つの第1側面12a及び2つの第2側面12bを備える。2つの第1側面12aは、互いに反対側にある。2つの第2側面12bは、互いに反対側にある。第1側面12aは第2側面12bよりも長い。第1側面12aと第2側面12bは、略等しい高さを有している。本発明は、矩形状の立方体形状を有するヒートシンク素子1に限定されるものではない。例えば、ヒートシンク素子は、実質的に任意の幾何学的形状を有してもよい。ヒートシンク素子1の通路10の形状は、ヒートシンク素子1の本体の形状にかかわらず維持されてもよい(
図3参照)。
【0028】
ヒートシンク素子1は、2つの接続部材15を備える。各接続部材15は、矩形状の立方体形状を有する。接続部材15は、本体に取り付けられている。接続部材15は、第2側面12bで取り付けられている。接続部材15の幅は、本体の幅よりも小さい。接続部材15の高さは、本体の高さよりも低い。接続部材15の高さは、本体の高さの実質的に半分である。接続部材15は、接続部材15の底部が本体の底部3と面一になるように配置されている。各接続部材15は、4つの垂直方向角部を備える。接続部材15の縦方向の角は、軸Hと略平行な方向に配置されており、各接続部材15の縦方向の角のうち2つが本体に当接している。接続部材15の縦方向の角は全て丸くなっている。本体に当接する接続部材15の縦方向の角は、本体の最も近い角に向かって丸くなっている。各接続部材15は、穴15aを備える。穴15aは、そのそれぞれの接続部材15を貫通して延在する。穴15aは、軸Hとほぼ平行な方向に沿って、それぞれの接続部材15を貫通して延在している。各穴15aの第1セクションは、それぞれの接続部材15の底部から、それぞれの接続部材15の頂部に向かって延在している。各穴15aの第2セクションは、前記穴15aの第1セクションからそれぞれの接続部材15の頂部まで延びている。穴15aの各第2セクションの直径は、穴15aの各第1セクションの直径よりも大きい。これにより、各穴15aの内側に棚状部が形成される。この穴15aは、締結手段を受け止めるように構成されている。締結手段は、ヒートシンク素子1を別の装置及び/又は筐体に締結するように構成することができる。締結手段は、スクリュー、ボルト及び/又は釘を含むことができる。接続部材15は、留め金を備える。この留め金は、ヒートシンク素子1の本体の対応する受け口に挿入されるように構成される。留め金はリベットで固定される。
【0029】
ヒートシンク素子1は、2つの通路10を備える。各通路10は、ヒートシンク素子1の本体を通って延在している。各通路10は、第1開口部13を備える。第1開口部13は、本体の底部3に配置されている。各第1開口部13は矩形形状を備える。各第1開口部13は4つの側面を備える。第1開口部の各側面は、本体の底部3のそれぞれの側面と略平行である。第1開口部13は、本体の長さに対して本体の底部3の中央に配置されている。各第1開口部13は、本体の幅に対して本体の底面3の中心から離れて配置されている。各通路10は、第2開口部14を備える。第2開口部14は、本体の頂部11、11aに沿って、また、本体の第2側面12bの一部に沿って配置されている。
【0030】
各通路10は、4つの側面10a、10bを含み、4つの側面10a、10bは、第1及び第2開口部13、14と共に通路10を画定する。各側面10a,10bは、第1開口部13のそれぞれの側から第2開口部14に向かって延びている。各側面10a,10bは平坦な面である。4つの側面10a、10bは、2つの対向する第1側面10a及び2つの対向する第2側面10bを備える。各第1の側面10aは、底部3、すなわち第1開口部13から延びており、本体のそれぞれの第1側面12aに向かって、かつ本体の頂部11,11aに向かって、斜めに延びている。各第2側面10bは、本体のそれぞれの第2側面12bに向かう方向に延び、本体の頂部11,11aに向かう。
【0031】
各通路10の各側面10a、10bの延長方向は、本体のそれぞれの側面12a、12bに向かう方向と、本体の頂部11、11aに向かう方向との間の関係によって規定され、この関係は角度を規定する。例えば、本体のそれぞれの側面12a、12bに向かう方向にのみ延在する通路の側面10a、10bは、角度が実質的にゼロであると理解することができる。また、本体の頂部11,11aに向かう方向にのみ延びる通路の側面10a,10bは、ほぼ90度の角度であると理解することができる。さらに、通路の全ての側面の延伸方向の角度が実質的に90度である場合、通路の第1開口部と第2開口部は、実質的に同じ大きさを有するであろうことが理解され得る。
図1に示す通路10の第1側面10aは、通路10の第2側面10bの延伸方向の角度よりも大きい延伸方向の角度を有する。通路10の第2側面10bは、第2開口部14のそれぞれの側面が本体の第2側面12bに配置されるように延びている。第2開口部14のそれぞれの側面は、接続部材15の高さと略等しい高さに配置されている。しかしながら、通路の第2側面10bは、それらが頂部11、11aで終わるように延在してもよい。
【0032】
各通路10は、ホーンアンテナとして理解することができる。各ホーンアンテナは、それぞれのアンテナ素子に対して構成されてもよい。通路の側面10a、10bは、ホーンアンテナの側面として理解することができる。ホーンアンテナは、外側に拡がる金属製の導波路を備える。通路10の側面10a、10bは、ホーンアンテナの外側に拡がる金属製の導波路を備えることができる。
【0033】
第2開口部14の長さは、第2開口部14の幅よりも大きい。通路の側面10a、10bの延びる方向は、それぞれの第1開口部13に配置されたそれぞれのアンテナ素子の利得を増加させるように構成されてもよい。通路10は、前記通路の第1開口部に配置されたそれぞれの少なくとも1つのアンテナ素子からの波を、より効率的に空間に放射することを可能にし得る緩やかな遷移構造を備えてもよい。通路10は、その第1開口部13からその第2開口部14に向かって先細りになっていると理解することができる。通路10のテーパは、通路10の長さに沿ってインピーダンスを徐々に変化させることができ、それにより、波がより効率的に空間に放射されることを可能にする。通路10は、波の反射を最小限に抑えることができる。前記通路10は、前記通路10がそれぞれ少なくとも1つのアンテナ素子に配置されていなかった場合よりも狭いビーム内に波を投影することができる。通路の側面10a、10bの延長方向は、それぞれの第1開口部13に配置されたアンテナ素子のビームステアリングを可能にするように構成することができる。
【0034】
本体の頂部11、11aは、2つの側部11と、中間部11aとを備える。中間部11aは、棟部として理解され得る。棟部は2つの通路の間を通る。側部11及び中間部11aは、本体の長さに等しい長さを有する。2つの側部11は、実質的に等しい幅を有する。各側部11の幅は、中間部11aの幅よりも大きい。しかし、これは純粋に例示的であることを理解すべきである。例えば、中間部11aは、各側部11の幅よりも大きい幅を有することができる。また、例えば、中間部11を設けなくてもよい。このような例では、通路10の第2開口部14は、片側を共有することになる。
【0035】
図2は、本発明の例示的な実施形態による集積回路パッケージ2の断面図を概略的に示す。集積回路パッケージ2は、第1側面2a及び第2側面2bを備える。第1側面2aと第2側面2bとは反対側にある。集積回路パッケージは、2つのアンテナ素子25を備える。各アンテナ素子25は、複数のアンテナ及び/又はアンテナアレイを含み得ることが理解されるべきである。第1側面2aは、バンプ26a,26bを備える。バンプ26a、26bは、相互接続要素26aを備える。また、バンプ26a,26bは、ダミーバンプ26bを備えている。集積回路パッケージ2は、3つのパッシベーション層を含む。パッシベーション層は、集積回路パッケージ2の長さ及び幅に沿って延在する。集積回路パッケージ2は、ダイ21を含む。パッシベーション層の1つは、第1側面2aを含む。ダイ21は、第1側面2aの反対側に、パッシベーション層の上に配置される。集積回路パッケージ2はモールド化合物を含み、モールド化合物セクション22を含む。モールド化合物22は、ダイ21の側部に配置される。モールド化合物セクション22は、少なくとも1つのアンテナ素子25を含むモールド化合物の部分である。モールド化合物は、第1側面2aに反対側において、かつダイ21の周囲で、パッシベーション層の頂部上に配置される。ダイ21の頂部が露出される。モールド化合物は、ダイ21の頂部を覆わない。しかしながら、モールド化合物は、ダイ21の上にも配置され得ることを理解されたい。ダイ21及びモールド化合物は、第2側面2bを備える。集積回路パッケージ2は、2つの再分配層を含む。再分配層のうちの1つは、相互接続要素26aをダイに接続する。他方の再分配層は、2つのアンテナ素子25を備える。再分配層は、パッシベーション層の間に配置される。
【0036】
図3は、本発明の例示的実施形態によるシステム500の断面図を図式的に示す。
図3は、
図1及び
図2に示され、関連するテキストに記載されているような特徴、素子及び/又は機能を含むことに留意されたい。従って、理解を深めるために、それらの図及びそれに関する説明を参照することもできる。システム500は、構成体100と、プリント回路基板5とを備える。プリント回路基板5は、第1側面と第2側面とを備える。構成体100は、集積回路パッケージ2及びヒートシンク素子1を含む。構成体100は、プリント回路基板5の第2側面に配置される。構成体100は、集積回路パッケージ2の第1側面2aとヒートシンク素子1の底部がプリント回路基板5の第2側面上に配置されるように、プリント回路基板5の第2側面上に配置される。
【0037】
図3において、ヒートシンク素子1は、集積回路パッケージ2の周囲に配置されるように示されている。
図3に示すヒートシンク素子1は、ソケット16を備える。ソケット16は、ヒートシンク素子1の底部に配置されている。ソケット16のサイズは、集積回路パッケージ2のサイズと実質的に等しい。ヒートシンク素子1の第1開口部13は、ソケット16内及び/又はその位置に配置されているものと理解することができる。ヒートシンク1の底部は、ソケット16の表面を備えることができる。集積回路パッケージ2は、集積回路パッケージ2の第1側面2aと、集積回路パッケージ2を取り囲むヒートシンク素子1の底部の一部とが、実質的に互いに面一となるように、ヒートシンク素子1のソケット16の内側に配置される。ヒートシンク素子11の底部の別の部分は、集積回路パッケージ2のダイ21を覆い及び/又は当接する。
【0038】
図3の断面は、各々が2つの第1側面10aを備える2つの通路10を備えるヒートシンク要素1を示す。
図3の断面図は、通路10の第2側面10b(図示せず;例えば
図1参照)を示していない。しかしながら、通路10は第2側面10bを含むことが理解されるべきである。各通路の第1側面10aは、それぞれの第1開口部13からヒートシンク素子1の頂部11,11aに向かって延在している。各第1開口部13は、各モールド化合物セクション22に配置されている。各モールド化合物セクション22は、少なくとも1つのアンテナ素子25を備えることができる。
【0039】
プリント回路基板5は、2つの反射素子6を備える。各反射素子6は、それぞれ少なくとも1つのアンテナ素子25に配置されている。各反射素子6は、それぞれの少なくとも1つのアンテナ素子25及びそれぞれの第1開口部13に対して配置される。反射素子6は、金属層6aを含んでもよい。各反射素子6は、金属層6aを含んでもよい。金属層6aは、それぞれの少なくとも1つのアンテナ素子25から4分の1波長距離に配置される。反射素子6は、ビア6bを備える。各反射素子6のビア6bは、各モールド化合物セクション22と略同一形状を有する形状に周囲に配置されている。ビア6bは、フェンシングと理解することができる。
【0040】
図4は、本発明の例示的実施形態によるシステム500の斜視図を概略的に示す。
図4は、
図1乃至
図3に示され、関連するテキストに記載されているような特徴、素子及び/又は機能を含むことに留意されたい。従って、理解を深めるために、それらの図及びそれに関する説明を参照することもできる。
図4は、システム500を示す。システム500は、構成体100と、プリント回路基板5とを備える。構成体100は、ヒートシンク素子1及び集積回路パッケージ2を含む。構成体100は、プリント回路基板5に実装されている。システム500の斜視図は、システム500を上方から示し、ここで、ヒートシンク素子1の頂部11、11aが分かる。また、
図4は、ヒートシンク素子1の第1開口部13に配置された集積回路パッケージ2のファンアウト領域22を示している。ヒートシンク素子11の通路10は、第1開口部13から第2開口部14に向かって延びているように示されている。第2開口部14は、ヒートシンク素子1の頂部11、11aに沿って、及び側面12bの頂部(図示せず;例えば
図1参照)に沿って延在している。構成体100は、プリント回路基板5の中央に取り付けられている。ヒートシンク素子1の本体の幅は、プリント回路基板5の幅と実質的に等しい。構成体100は、各第1開口部13及びそのそれぞれのファンアウト領域22が、プリント回路基板5の反射素子6(図示せず;例えば
図3又は
図5参照)の頂部に取り付けられるように、プリント回路基板5に取り付けられる。ヒートシンク素子1の接続部材15は、プリント回路基板5の外側に延びている。接続部材15は、システム500を、例えば、補助装置、補助ヒートシンク要素、及び/又は筐体に取り付けるように構成することができる。
【0041】
図5は、本発明の例示的実施形態によるシステム500の分解図を概略的に示す。
図5は、
図1から
図4に示され、それに関連する明細書部分に記載されているような特徴、素子及び/又は機能を含むことに留意されたい。従って、理解を深めるために、それらの図及びそれに関する説明を参照することもできる。
図5は、システム500を示す。システム500は、ヒートシンク素子1と、集積回路パッケージ2と、プリント回路基板5とを備える。
図5の分解図は、集積回路パッケージ2の上方に配置されたヒートシンク素子1と、プリント回路基板5の上方に配置された集積回路パッケージ2を示す。
【0042】
ヒートシンク1は、ソケット16を備える。ソケット16は、集積回路パッケージ2を受け入れるように構成されている。集積回路パッケージ2は、ダイ21と、2つのファンアウト領域22とを備える。ファンアウト領域22は、それぞれ少なくとも1つのアンテナ素子を含む。集積回路パッケージ2は、少なくとも1つのアンテナ素子を含む各ファンアウト領域22が、ヒートシンク素子1のそれぞれの第1開口部13に配置されるように、ソケット16に挿入されるように構成される。
【0043】
図5に示される集積回路パッケージ2は、それぞれのファンアウト領域22に配置されたダイ21と2つのアンテナ素子25を備える。ダイ21は、トランシーバ・チップを含む。ダイ21は長方形の形状を有する。ダイ21は、集積回路パッケージ2の中心に配置される。ダイ21の側面は、集積回路パッケージ2の側面と実質的に平行である。2つのアンテナ素子25のそれぞれは、ダイ21の側部に結合され、ここで、2つのアンテナ素子25は、ダイ21の対向する側に結合される。
図5に示される各アンテナ素子25は、4つのダイポールアンテナ26を備える。各アンテナ素子25の4つのダイポールアンテナ26は、互いに整列される。各アンテナ素子25の4つのダイポールアンテナ26は、それぞれのアンテナ素子25の隣接するダイポールアンテナ26から等しい距離に配置される。各アンテナ素子25は、接地された開放端の共振器ストリップ27を備える。各共振器ストリップ27は、各アンテナ素子25の4つのダイポールアンテナ26の中間に配置された2つのダイポールアンテナ26の間に配置される。共振器ストリップ27は、(複数の)各アンテナ素子25の4つのダイポールアンテナ26の中間に配置された2つのダイポールアンテナ26をデカップリングするように構成される。2つのファンアウト領域22の一方に配置された2つのアンテナ素子25の一方は信号を受信するように構成され、他方のファンアウト領域22に配置された2つのアンテナ素子25の他方は信号を送信するように構成される。ファンアウト領域22の間にあり、アンテナ素子25が結合されない側面に隣接する集積回路パッケージ2の領域は、信号及び/又は接地の経路(図示せず)を含む。信号及び/又は接地の経路は、2つのアンテナ素子25をデカップリングするように構成される。
【0044】
プリント回路基板5は、2つの反射素子6を備える。ヒートシンク素子1のそれぞれの第1開口部13と、プリント回路基板2の少なくとも1つのアンテナ素子25を備えるそれぞれのファンアウト領域22のそれぞれの第1開口部13が、それぞれの反射素子6の上方に配置されるように、ヒートシンク素子1及び集積回路パッケージ2は、プリント回路基板5に取り付けられるように構成される。
【0045】
当業者は、本発明が上述した好ましい実施形態に限定されるものではないことを認識している。反対に、多くの修正及び変形が、添付の請求項の技術的範囲内で可能である。
【外国語明細書】