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特開2022-106687補強された支持部材を備えた脱着可能なハンドル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106687
(43)【公開日】2022-07-20
(54)【発明の名称】補強された支持部材を備えた脱着可能なハンドル
(51)【国際特許分類】
   A47J 45/07 20060101AFI20220712BHJP
   A47J 45/10 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
A47J45/07 A
A47J45/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001110
(22)【出願日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】2100140
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル モンジェラール
(57)【要約】      (修正有)
【課題】経時的に信頼性の高い動作を可能にする脱着可能なハンドルを提供すること。
【解決手段】自由端65を備える外方向に湾曲した部位によって上方向に延びる側壁を有する調理器具60と協働するように設計され、長手方向3に延び、側壁の内面62および外面63それぞれと当接するように設計された内部支持部材12および外部支持部材14と、長手方向3に沿って延び、外部支持部材14が装備された前端72を備えるプラスチック把持本体2と、を備える脱着可能なハンドル1において、把持本体2は、前端72に取り付けられ、外部支持部材14において延びるタブ81が設けられる金属補強材80を備え、金属補強材80およびタブ81は、把持本体2の前端72においてプラスチック材料の熱的劣化が生じた場合に、脱着可能なハンドル1と調理器具60の組立体の形状を保証するように寸法設定されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自由端(65)を備える外方向に湾曲した部位(64)によって上方向に延びる側壁(61)を有する調理器具(60)と協働するように設計された脱着可能なハンドル(1)であって、
長手方向(3)に延びる前記脱着可能なハンドル(1)は、
前記側壁(61)の内面(62)および外面(63)それぞれと当接するように設計された内部支持部材(12)および外部支持部材(14)と、
前記長手方向(3)に沿って延び、前記外部支持部材(14)が装備された前端(72)を備えるプラスチック把持本体(2)と、を含む脱着可能なハンドルにおいて、
前記把持本体(2)は、前記前端(72)に取り付けられ、前記外部支持部材(14)において延びるタブ(81、181)が設けられる金属補強材(80、180)を備え、
前記金属補強材(80、180)および前記タブ(81、181)は、前記把持本体(2)の前端(72)においてプラスチック材料の熱的劣化が生じた場合に、前記脱着可能なハンドル(1)と前記調理器具(60)の組立体の形状を保証するように寸法設定されることを特徴とする、脱着可能なハンドル(1)。
【請求項2】
前記前端(72)は、下側部位(73)を装備した前面(4)を備え、前記前面(4)の下側部位(73)は、前記タブ(81、181)を受け入れる空洞(74)を備えることを特徴とする請求項1に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項3】
前記金属補強材(80、180)は、前記長手方向(3)に通過する垂直対称面を含み、前記タブ(81、181)は、前記垂直対称面の両側を延びることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項4】
前記金属補強材(80、180)は、0.6ミリメートルを上回る厚さを有するシートから作製されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項5】
前記把持本体(2)の前端(72)の下側外面(76)は、第1および第2の上側端部(79a、79b)を備え、前記金属補強材(80)は、前記第1および第2の上側端部(79a、79b)に配置される第1および第2の締結具を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項6】
前記第1および第2の締結具は、前記長手方向(3)に沿って前記把持本体(2)の内部に向かって延びる第1および第2の材料返し部(83a、83b)によって形成され、前記第1および第2の上側端部(79a、79b)は、前記第1および第2の材料返し部(83a、83b)の第1および第2の受け入れハウジング(90a、90b)を備えることを特徴とする請求項5に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項7】
前記第1および第2の材料返し部(83a、83b)は、前記金属補強材(80)の弾性変形によって前記第1および第2の受け入れハウジング(90a、90b)内に配置されることを特徴とする請求項6に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項8】
前記金属補強材(80)は、火炎ガードを形成するために、前記把持本体(2)の前端(72)の下側外面(76)のほとんどを覆うことを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項9】
前記金属補強材(180)は、前記把持本体(2)の前端(72)を取り囲むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項10】
前記タブ(181)は、前記金属補強材(180)の第1の部位(183)と第2の部位(184)との間に配置されることを特徴とする請求項9に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項11】
前記第1の部位(183)は、ねじ留めによって前記把持本体(2)上で不動化され、前記第2の部位(184)は、前記把持本体(2)の空洞(178)内に埋め込まれる材料の返し部(182)を備えることを特徴とする請求項10に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項12】
前記脱着可能なハンドル(1)は、
湾曲した部位(64)の自由端(65)に当接するように設計された前記内部支持部材(12)および上側支持部材(15)を備える構造的部位(10)と、
開位置と閉位置との間を並進式に移動可能なロック(20)と、を備え、
前記ロック(20)は、加圧手段(47)の作用下で、前記ロック(20)の開位置では前記内部支持部材(12)から離れるように設計され、前記ロック(20)の閉位置では前記自由端(65)上に力を生成するように設計されるブロッキング壁(21)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項13】
前記脱着可能なハンドル(1)は、前記構造的部位(10)および前記把持本体(2)上に回転式に移動可能に装着されたレバー(30)と、連結ロッド(40)と、前記加圧手段を形成する圧縮ばね(47)とを備える前記トグルロック(20)を操縦する手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の脱着可能なハンドル(1)。
【請求項14】
上縁(66)および下縁(67)を有する自由端(65)を備える外方向に湾曲した部位(64)によって上方向に延ばされた側壁(61)と、
請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の脱着可能なハンドル(1)と、を備える少なくとも1つの調理器具(60)によって形成された組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外方向に湾曲した部位によって上方向に延ばされた側壁を備えた、片手鍋、フライパン、またはシチュー鍋などの調理器具と共に作動するように設計された脱着可能なハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自由端を備える外方向に湾曲した部位によって上方向に延ばされた側壁を有する調理器具と共に作動するように設計された、脱着可能なハンドルが開示されている。脱着可能なハンドルは、長手方向に延び、側壁の内面および外面それぞれと当接するように設計された内側支持部材および外部支持部材を備える。脱着可能なハンドルは、プラスチック把持本体を有し、プラスチック把持本体は、長手方向に延び、外部支持部材が装備された前端を有する。
【0003】
しかし、外部支持部材のプラスチック材料は、特にガスストーブ上での誤用が発生した場合、ガスストーブの火炎によって燃焼する場合がある。したがって、外部支持部材の形状は変更され、脱着可能なハンドルを調理器具上に正しく取り付けることが保証されなくなる。その結果、調理器具は、強力な応力が生じると脱着可能なハンドルから外れる可能性がある。脱着可能なハンドルは、前端の下側外面上に配置された、火炎ガードとして作用する金属部位を含むことが可能である。しかし、外部支持部材は、熱的に劣化する場合があり、金属部位は、この劣化を補償するように寸法設定されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1523266号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明は、これらの欠点を解決するように意図される。
【0006】
本発明の根源にある技術的問題は、経時的に安全且つ信頼性の高い動作を可能にする脱着可能なハンドルを提案することである。
【0007】
本発明の別の目的は、実施が簡単で経済的である設計の調理容器と協働するように意図された脱着可能なハンドルを提案することである。
【0008】
この目的を達成するために、本発明の主題は、自由端を備える外方向に湾曲した部位によって上方向に延びる側壁を有する調理器具と協働するように設計された脱着可能なハンドルであって、前記脱着可能なハンドルは、長手方向に延び、側壁の内面および外面それぞれと当接するように設計された内部支持部材および外部支持部材を備え、前記脱着可能なハンドルは、プラスチック把持本体であって、長手方向に延び、外部支持部材が装備された前端を備えるプラスチック把持本体を含む、前記脱着可能なハンドルにおいて、把持本体は、金属補強材であって、前端に取り付けられ、外部支持部材において延びるタブが設けられる、金属補強材を備え、金属補強材およびタブは、把持本体の前端においてプラスチック材料の熱的劣化が生じた場合に、脱着可能なハンドル/調理器具組立体の形状を保証するように寸法設定されることを特徴とする、脱着可能なハンドルである。
【0009】
支持部材において延びるタブにより、支持部材は、部分的に前端によって、部分的にタブによって形成されることが、理解される。
【0010】
有利には、支持部材を形成する前端およびタブは、調理器具の側壁の外面と接触するように位置合わせされる。
【0011】
金属補強材およびタブが、把持本体の前端のプラスチック材料の熱的劣化が生じた場合に脱着可能なハンドル/器具組立体の形状を保証するように寸法設定されていることにより、金属補強材およびタブは、把持本体の前端のプラスチック材料の熱的劣化が生じた場合に脱着可能なハンドル/器具組立体の形状を保証する剛性を有することが、理解される。
【0012】
金属補強材およびタブが、脱着可能なハンドル/器具組立体の形状を保証するように寸法設定されているので、支持部材、特にプラスチック部位が、具体的にはガスストーブ上での不適切な使用によって劣化する場合、金属補強材およびタブが、調理器具の使用中にタブが側壁の外面に対する応力に耐えるように寸法設定されることが、理解される。
【0013】
したがって、金属補強タブは、把持本体の前端のプラスチック材料の熱的劣化が生じた場合でも外部支持部材が経時的に同一の安定的な位置にあることを保証する。
【0014】
有利には、前端は、下側部位を備えた前面を有し、前面の下側部位は、タブを受け入れる空洞を有する。
【0015】
したがって、タブおよびタブの近くに位置する下側部位の部位は、外部支持部材を形成する。
【0016】
好ましくは、金属補強材は、長手方向に通過する垂直対称面を含み、タブは、この対称面の両側を延びる。
【0017】
したがって、金属補強材およびタブは、対称面の両側にバランスよく分配される。
【0018】
有利には、金属補強材は、0.6ミリメートルを上回る、好ましくは0.8ミリメートルを上回る厚さを有するシートから作製される。
【0019】
したがって、タブおよび金属補強材の機械的強さは、調理器具のどのような使用状態でも、経時的な良好な保持を保証するのに十分である。
【0020】
好ましくは、金属補強材は、把持本体の前端の下側外面上を延びる。
【0021】
したがって、金属補強材は、タブの近くを延びる。
【0022】
金属補強材は、把持本体の前端の下側外面上を延び、金属補強材は、把持本体の前端の下側外面上を少なくとも部分的に延びることが、理解される。
【0023】
有利には、把持本体の前端の下側外面は、第1および第2の上側端部を備え、金属補強材は、第1および第2の上側端部に配置される第1および第2の締結具を備える。
【0024】
したがって、金属補強材の第1および第2の締結具は、過熱による影響をできるだけ小さくするために、加熱デバイス、特にガスストーブから離れるように把持本体の前端上に配置される。
【0025】
好ましくは、第1および第2の締結具は、第1および第2の材料返し部によって形成され、これらの材料返し部は、長手方向に沿って把持本体の内部に向かって延び、第1および第2の上側端部は、第1および第2の材料返し部の第1および第2の受け入れハウジングを備える。
【0026】
有利には、第1および第2の材料返し部は、金属補強材の弾性変形によって第1および第2の受け入れハウジング内に配置される。
【0027】
そのような配置は、使用される材料および組み付け時間に関して特に経済的である。
【0028】
好ましくは、金属補強材は、火炎ガードを形成するために、把持本体の前端の下側外面のほとんどを覆う。
【0029】
したがって、金属補強材は、いくつかの機能を実行する。
【0030】
有利には、金属補強材は、前端内に埋め込まれる。
【0031】
そのような対策により、タブ上に応力が発生した場合に前端における金属補強材の維持を改善することが可能になる。
【0032】
有利には、金属補強材は、把持本体の前端を取り囲む。
【0033】
好ましくは、タブは、金属補強材の第1の部位と第2の部位との間に配置される。
【0034】
したがって、タブは、金属補強材の第1の部位および第2の部位によって適所に容易に保持される。
【0035】
有利には、第1の部位は、ねじ留めによって把持本体上で不動化され、第2の部位は、把持本体の空洞内に埋め込まれる材料の返し部を備える。
【0036】
したがって、材料の返し部が設けられ、把持本体の前端の下側外面上を延びる第2の部位により、調理器具を使用するとき、タブによって伝達される力の吸収が確実に行われる。
【0037】
有利には、脱着可能なハンドルは、湾曲した部位の自由端に突き当たるように意図された内部支持部材および上側支持部材を備える構造的部位を含み、その内部に、この脱着可能なハンドルは、開位置と閉位置との間を並進式に移動可能なロックを備え、ロックは、ブロッキング壁を備え、ブロッキング壁は、加圧手段の作用下で、ロックの開位置では内部支持部材から離れるように設計され、ロックの閉位置では自由端上に力を生成するように設計される。
【0038】
好ましくは、脱着可能なハンドルは、構造的部位および把持本体上に回転式に移動可能に装着されたレバーと、連結ロッドと、加圧手段を形成する圧縮ばねとを備えるトグルロックを操縦する手段を備える。
【0039】
ばねは、ロックが閉位置にあるときにロック上で長手方向に押される。この配置により、ロックの位置を自由端の厚さおよび長さに適応させることが可能になる。
【0040】
本発明はまた、上縁および下縁を有する自由端を備える外方向に湾曲した部位によって上方向に延ばされた側壁を備える少なくとも1つの調理器具によって形成され、上記で説明したような脱着可能なハンドルが装備された、組立体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明の目的、態様、および利点は、非限定的な例として提示された本発明の特定の実施形態の以下に与える説明により、添付の図を参照することによってより良好に理解されるであろう。
図1】本発明の特定の実施形態による、ロックは閉位置にある場合の調理器具に嵌合された脱着可能なハンドルの斜視図である。
図2】ロックは開位置にある場合の図1の調理器具上に配置された脱着可能なハンドルの斜視図である。
図3図1の中央垂直断面III-IIIに沿った脱着可能なハンドルの断面図である。
図4図2の中央垂直断面IV-IVに沿った脱着可能なハンドルの断面図である。
図5図1に示す脱着可能なハンドルの把持本体の斜視図である。
図6図1に示す脱着可能なハンドルの構造的部位、クリップ、ロックおよび連結ロッドによって形成された副組立体の下からの斜視図である。
図7図6に示す副組立体の上からの斜視図である。
図8図1に示す脱着可能なハンドルの実施形態の変形形態の把持本体の斜視図である。
図9図8の中央垂直断面IX-IXに沿った脱着可能なハンドルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明を理解するために必要とされる要素のみが、説明されている。図の解釈を容易にするために、同じ要素は、すべての図にわたって同じ参照番号を付している。
【0043】
本明細書では、脱着可能なハンドルを説明するために使用される用語「水平」、「垂直」、「下側」、「上側」、「上部」、「底部」、「前」、「後」、「長手方向」、および「横断方向」は、使用するために配置される場合のこの脱着可能なハンドルを参照し、このときこの脱着可能なハンドルは、作業面上に平坦に載置する調理器具上に嵌合されていることに留意されたい。
【0044】
図1から図5に見ることができるように、脱着可能なハンドル1は、調理器具60と共に作動するように設計され、調理器具60は、水平底壁68と、底壁68から上昇する側壁61と、外方向に湾曲した部位64とを備える。側壁61は、内面62と外面63とを備える。湾曲した部位64は、側壁61を延ばし、調理器具60の上側開口部を画定する。湾曲した部位64は、上縁66および下縁67(図3および4)を備えた自由端65を備える。上縁66および下縁67は、好ましくは、垂直面において重ねられる。
【0045】
脱着可能なハンドル1は、長手方向3に延びる。脱着可能なハンドル1は、把持本体2を備え、把持本体2は、調理器具60の方に向けられた前端72に、側壁61の外面63と協働するように設計された外側支持部材14を形成する前面4を備える。長手方向3に配向された1つの垂直断面内(図3および図4)では、外側支持部材14は、実質的に垂直である。脱着可能なハンドル1は、中央垂直面を含み、中央垂直面は、長手方向3に沿って延び、脱着可能なハンドル1の対称面を形成する。
【0046】
図5に見ることができるように、把持本体2は、長手方向3に沿って延びる。把持本体2は、プラスチック材料で作製される。好ましくは、プラスチック材料は、熱硬化性タイプ、特にフェノールホルムアルデヒド樹脂のものである。把持本体2は、前端72に取り付けられた金属補強材80を備える。金属補強材80には、支持部材14において延びるタブ81が設けられる。前端72の前面4は、下側部位73を備える。前面4の下側部位73は、タブ81を受け入れるための空洞74を備える。前面4の下側部位73は、空洞74の両側に配置された2つの支持ゾーン75a、75bを備える。支持ゾーン75aおよび支持ゾーン75bは、脱着可能なハンドル1の対称面に関連して対称的に配置される。タブ81および2つの支持ゾーン75a、75bは、外部支持部材14を形成する。有利には、タブ81および2つの支持ゾーン75a、75bは、調理器具60の側壁61の外面63と同時接触するように位置合わせされる。1つの実施形態の変形形態では、タブ81および2つの支持ゾーン75a、75bは、数十分の1ミリメートルずらされて、2つの支持ゾーン75a、75bと調理器具60の側壁61の外面63との間の接触を促す。タブ81は、2つの支持ゾーン75a、75bが磨耗するか、または熱的に劣化した場合だけ側壁61の外面63と接触するようになる。
【0047】
把持本体2の前端72は、下側外面76を備える。金属補強材80は、下側外面76のほぼ全体上を延びて、火炎ガードを形成する。前端72は、金属補強材80が内部に埋め込まれるハウジング77を備える。ハウジング77は、前部ショルダ78aと後部ショルダ78bとを備える。金属補強材80は、前部ショルダ78a内に配置される前縁82aと、後部ショルダ78b内に配置される後縁82bとを備える。タブ81を受け入れる空洞74は、ハウジング77に連結される。タブ81は、金属補強材80の前縁82aから、次いで上方向に向かって、前面4に沿って延びる。
【0048】
把持本体2の前端72の下側外面76は、脱着可能なハンドル1の対称面の両側に配置された第1および第2の上側端部79a、79bを備える。金属補強材80は、第1および第2の上側端部79a、79bに配置される第1および第2の締結具を備える。第1および第2の締結具は、長手方向3に沿って、把持本体2の内側に向かって延びる第1および第2の材料返し部83a、83bによって形成される。第1および第2の上側端部79a、79bは、第1および第2の材料返し部83a、83bの第1および第2の受け入れハウジング90a、90bを備える。第1および第2の材料返し部83a、83bは、金属補強材80の弾性変形によって第1および第2の受け入れハウジング90a、90b内に配置される。金属補強材80は、0.6ミリメートルに等しい厚さを有するステンレス鋼シートから作製される。
【0049】
図3図4図6、および図7によれば、脱着可能なハンドル1は、金属材料製のクリップ50を有する。クリップ50は、垂直中央面の両側に配置された2つのタブ51a、51bを備える。2つのタブ51a、51bは、自由端65(図3)の上縁66と協働するように設計された上側支持部材15を形成する。2つのタブ51a、51bは、長手方向3に沿って前端において延びる。
【0050】
脱着可能なハンドル1は、金属材料製の構造的部位10を備える。構造的部位10は、実質的に平坦であり、端部タブ13を備える。端部タブ13は、下方向に延び、側壁61の内面62と協働するように設計された内側支持部材12を形成する内壁を備える。
【0051】
内側支持部材12および外側支持部材14は、長手方向3(図3)にずらされて、調理器具60上への脱着可能なハンドル1の組み付け中、側壁61および自由端65の挿入を可能にする。
【0052】
脱着可能なハンドル1は、開位置(図4)と閉位置(図3)との間を長手方向3に沿って並進式に移動可能なロック20によって形成されたロッキング部材を備える。ロック20の1つの前端は、ブロッキング壁21を備える。図4に見ることができるように、ロック20が開位置にあるとき、ブロッキング壁21は、内部支持部材12と外部支持部材14との間の側壁61の挿入を可能にするために、また自由端65の上縁66が上側支持部材15と当接することを可能にするために、上側支持部材15から離れるように設計される。
【0053】
図3に見ることができるように、ロック20が閉位置にあるとき、ブロッキング壁21は、自由端65の下縁67と当接するように設計され、したがって上縁66を上側支持部材15に押し付けてブロックするように設計される。長手方向3を含む垂直断面では、ブロッキング壁21上の直線および長手方向は、40°から50°の間、好ましくは45°の角度αを形成する。
【0054】
図6に見ることができるように、脱着可能なハンドル1は、クリップ50が有するタブ58と、ロック20が有するストッパ28との間に置かれたロック20の戻り手段を備える。戻り手段は、ばね11によって形成される。ばね11は、ロック20が閉位置にあるときに圧縮下で作動する。ばね11は、ストッパ28上に戻り力をかけてロック20をその開位置の方に引っ張るように適合される。
【0055】
図3および図4によれば、脱着可能なハンドル1は、ロック20によって形成されたロッキング本体を移動させる手段を備える。移動手段は、長手方向3に対して垂直に横断方向に延びる枢動ピン34の周りで枢動式に構造的部位10および把持本体2上に装着されたレバー30と、レバー30が枢動されたときにロック20の移動を可能にする連結ロッド40とを備える。連結ロッド40は、第1の端部45によってピン43の周りで枢動式にロック20に、そして第2の端部42によってピン44の周りで枢動式にレバー30に装着され、ピン44は、レバー30(図2)内に作製された楕円開口部31内に摺動するように装着される。
【0056】
レバー30は、不安定なバランスの中間位置を通り抜けた後、閉位置と開位置との間で移動可能である。レバー30が閉位置にあるとき、ロック20は閉位置にあり、レバー30が開位置にあるとき、ロック20は開位置にある。加えて、移動手段はまた、ロッド41上に配設されたばね47を備える。ピン44は、ロッド41内および楕円開口部31内に挿入される。ばね47は、ロッド41上で摺動し、レバー30の横断方向壁32上に載置するように装着される。この圧縮ばね47は、ロッド41を介してピン44を強制的に戻して、閉位置にあるロック20の位置を調理器具60の側壁61の厚さに合わせて調整することを可能にする。
【0057】
図3によれば、レバー30が閉位置にあるとき、第2の端部42がその周りを枢動するピン44は、枢動ピン34およびピン43を通過する線の上方に位置する。第2の端部42は、圧縮ばね47の作用下で構造的部位10と接触して保持される。したがって、ロック20は、当然ながら、その閉位置に留まり、このときユーザは、脱着可能なハンドル1上にいかなる力も維持する必要はない。第2の端部42がその周りを枢動するピン44が、枢動ピン34およびピン43を通過する線の下方に移動されたとき、レバー30の不安定なバランスを伴う中間位置に達する。
【0058】
図6および図7に見ることができるように、構造的部位10、クリップ50、およびロック20は、副組立体を形成する。ロック20は、長手方向3に沿って延びる実質的に平坦な中央部位22を備える。クリップ50は、ロック20の中央部位22を覆い、レーザ溶接によって構造的部位10に取り付けられる。クリップ50および構造的部位10は、ロック20を受け入れ、並進式に案内するためのハウジング23を形成する。副組立体はまた、ばね11と、連結ロッド40と、ピン43とを備える。
【0059】
クリップ50が装備された構造的部位10は、端部タブ13の近くに配置された2つの側部ウイング15a、15b(図7)が装備された部位46を備える。構造的部位10は、薄板16の形態の部位を備え、この部位は、長手方向3に沿って、2つの側部ウイング15a、15bが設けられた部位46から、逆U字形ヨーク17を備える後端まで延びる。薄板16は、後端の近位に配置された貫通開口部18を備える。構造的部位10は、上方向に、長手方向3に横断方向に変形された自由端24が設けられたタブ19(図7)を備える。
【0060】
図5に見ることができるように、把持本体2は、副組立体を受け入れるためのハウジング5を備える。ハウジング5は、管状部位6を備え、管状部位6は、長手方向3に沿って延び、その自由端7は、前面4上に開いて挿入オリフィス8を形成する。挿入オリフィス8は、外部支持部材14の上方に配置される。ハウジング5は、逆U字形部位9を備え、逆U字形部位9は、管状部位6の延長上を長手方向3に沿って延びる。逆U字形部位9は、レバー30の挿入および受け入れのための下側開口部25を備える。管状部位6内のハウジング5は、長手方向3に沿って延びる2つの上側部溝26a、26bを備える。構造的部位10の2つの側部ウイング15a、15bは、ハウジング5内への、より具体的には管状部位6内への副組立体の挿入中、2つの溝26aおよび26b内で摺動するように設計される。ハウジング5は、突起部35(図3および図4)が設けられた上面27を備える。突起部35は、逆U字形部位9内に配置される。突起部35は、組み付け中、突起部35が挿入の最後に貫通開口部18内に進入するまで薄板16を弾性的に曲げるように設計されたスロープ面36を備える。突起部35は、垂直面37を備え、垂直面は、貫通開口部18と協働して、把持本体2の副組立体の抜き出しを防止する。貫通開口部18が設けられた薄板16および突起部35は、把持本体2内での副組立体の自己ロッキングデバイスを形成する。レバー30の組み付けは、長手方向3に垂直な横断方向に、ピン34を把持本体2の2つの穿孔部38aおよび38b(図5)内、すなわちヨーク17内およびレバー30内に挿入することによって達成される。そのような組み付けは、突起部35が貫通開口部18内に適所に保持されることを確実にする。
【0061】
図1から図4に見ることができるように、脱着可能なハンドル1は、開口ボタン70を備え、開口ボタンは、レバー30を、その初期の閉位置から、不安定なバランスを伴うその中間位置を超えて移動させることを可能にする。開口ボタン70は、把持本体2の上面上に配置される。開口ボタン70は、脱着可能なハンドル1の長手方向3に水平に、横断方向軸の周りで回転式に移動可能である。開口ボタン70は、レバー30がその閉位置にある下降した静止位置、レバー30が、バランスが不安定であるその中間位置にある中間の上昇した位置、およびレバー30がその開位置にある上昇した位置の間で移動可能である。上昇位置にある開口ボタン70を保持するためのばね71(図7)が、構造的部位10上に配置される。
【0062】
動作において、脱着可能なハンドル1を調理器具60上に組み付けるために、ユーザは、把持本体2を掴み、ロック20をその開位置に移動させる。これを行うために、ユーザは、自らの親指を使用して、開ボタン70を、レバー30がその閉位置にある下降した静止位置から、レバー30がその開位置にある上昇した位置まで枢動させる。レバー30のその閉位置からその開位置までの移動により、ロック20は、連結ロッド40によって、その閉位置からその開位置に移動させられる。ユーザは、次いで、湾曲した部位64の自由端65を内部支持部材12と外部支持部材14との間に挿入して、側壁61の内面62を内部支持部材12に接触させ、外面63を外部支持部材14に接触させ、また、上縁66を2つのタブ51a、51bに接触させる。次いで、ユーザは、レバー30を押し込んで、これをその開位置からその閉位置に移動させ、したがって、ロック20をその開位置からその閉位置に移動させる。ブロッキング壁21は、そのとき、自由端65の下縁67に当接し、したがって上縁66を2つのタブ51a、51bに押し付けてロックする。外部支持部材14を形成する金属補強材80のタブ81および2つの支持ゾーン75a、75bは、調理器具60の側壁61の外面63と接触する。把持本体2の前端72、特に2つの支持ゾーン75a、75bの熱的劣化が発生した場合、タブ81はそれ自体で外部支持部材14を形成して、脱着可能なハンドル1/調理器具組立体の形状を保つ。
【0063】
図8および図9に示す代替的実施形態では、把持本体2は、前端72に取り付けられた金属補強材180を備える。金属補強材180には、支持部材14において延びるタブ181が設けられる。前端72の前面4は、長手方向3に沿って、ハウジング5の管状部位6内に延びる空洞174を備える。空洞174は、金属補強材180のタブ181および第1の部位183の受け入れハウジングを形成する。前面4の下側部位73は、空洞174の両側に配置された2つの支持ゾーン75a、75bを備える。支持ゾーン75aおよび支持ゾーン75bは、脱着可能なハンドル1の対称面に関連して対称的に配置される。タブ181および2つの支持ゾーン75a、75bは、外部支持部材14を形成する。好ましくは、2つの支持ゾーン75a、75bが磨耗するか、または熱的に劣化したとき、タブ181のみが側壁61の外面63と接触するようになる。金属補強材180は、下側外面76上を延びる。前端72は、金属補強材180の第2の部位184が内部に埋め込まれるハウジング177(図9)を備える。ハウジング177は、空洞178を有する。金属補強材180は、空洞178内に配置される材料返し部182を備える。金属補強材180は、したがって、前端72を取り囲む。金属補強材180、特に下側外面76上を延び、材料返し部182を備える第2の部位184は、弾性変形によって前端72上に組み付けられる。
【0064】
図9に見ることができるように、構造的部位10は、ねじ191と協働するように設計されたねじ山が装備された円筒状スラグ190を備える。前端72は、ねじ191用の穴192を備える。金属補強材180の第2の部位184は、ねじ191を円筒状スラグ190のねじ山内に締め付けることによって前端72上で完全に不動化される。
【0065】
この実施形態では、把持本体2は、金属補強材180から分離された火炎ガード185を備える。
【0066】
本実施形態は例としてのみ提供されているため、当然ながら、本発明は、説明および図示する実施形態にいかなる形でも限定されない。本発明の保護範囲から逸脱することなく、特にさまざまな要素の構成に関して、または技術的等価物を代用することによってさらに変更を行うこともできる。
【0067】
したがって、実施形態の第1の変形形態では、把持本体2は、タブ81において金属補強材80の後方に配置される硬化部位を備える。硬化部位は、長手方向3に沿って延び、金属補強材または前端72に取り付けることができる。硬化部位は、耐火性材料で作製され、タブ81の形状を維持することを可能にする。
【0068】
したがって、実施形態の第2の変形形態では、金属補強材80は、ねじ留めすることによって把持本体2に取り付けられる。第1および第2の締結具は、第1および第2のタブによって形成され、それぞれのタブには、ねじを通すための穿孔部が装備され、第1および第2の上側端部79a、79bは、第1および第2のタブの第1および第2の受け入れハウジングを備える。2つのねじは、直接把持本体2内に、または構造的部位10内にねじ込むことによって、第1および第2のタブを把持本体2上に置く。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9