(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106795
(43)【公開日】2022-07-20
(54)【発明の名称】玉葱処理装置
(51)【国際特許分類】
A23N 15/08 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
A23N15/08 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068316
(22)【出願日】2022-04-18
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2019-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】592170558
【氏名又は名称】訓子府機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 和之
(72)【発明者】
【氏名】松田 謙
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プラント施設での処理を効率的に行うことができる玉葱処理装置を提供する。
【解決手段】処理ユニット2Aと搬送コンベヤ13と選別コンベヤを備え、処理ユニットは、茎葉処理部10と根切り処理部11を有し、茎葉処理部は、供給された処理対象の玉葱を一方向に搬送しながら茎葉処理を行うものであり、根切り処理部は、茎葉処理部によって処理された玉葱を一方向に搬送しながら根切り処理を行うものであり、処理ユニットは複数あり、複数の処理ユニットの下流側に処理ユニットの搬送方向と交差する搬送方向を有する一つの搬送コンベヤが配備され、搬送コンベヤは、各処理ユニットで処理された玉葱を集約して選別コンベヤに送り、選別コンベヤは、搬送コンベヤの下流側に配備されており、人手による選別作業をおこなうものである玉葱処理装置2。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理ユニットと搬送コンベヤと選別コンベヤを備え、
処理ユニットは、茎葉処理部と根切り処理部を有し、
茎葉処理部は、供給された処理対象の玉葱を一方向に搬送しながら茎葉処理を行うものであり、
根切り処理部は、茎葉処理部によって処理された玉葱を一方向に搬送しながら根切り処理を行うものであり、
処理ユニットは複数あり、複数の処理ユニットの下流側に処理ユニットの搬送方向と交差する搬送方向を有する一つの搬送コンベヤが配備され、
搬送コンベヤは、各処理ユニットで処理された玉葱を集約して選別コンベヤに送り、
選別コンベヤは、搬送コンベヤの下流側に配備されており、人手による選別作業をおこなうものである
玉葱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラント施設に固定設置されるのに適した玉葱処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
玉葱処理装置は、収穫した玉葱の茎葉や根を切断処理するものであり、第1段階の処理で茎葉を処理し、第2段階の処理で根を処理した後、選別コンベヤに載せて人手による選別作業を行う。この際、従来の定置型処理装置は、第1段階の処理部(茎葉巻き込みローラ及び茎葉カッター)と第2段階の処理部(根切りカッター)を上下に平行に配置して、第1段階の処理部で処理した玉葱を昇降機で上方に搬送して、第2段階の処理部に供給している(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の定置型の玉葱処理装置は、原料コンテナから未処理の玉葱を装置に投入して、製品コンテナに処理済みの玉葱を回収するものであり、原料コンテナと製品コンテナのリフトを同方向で行えるようにするために、処理部を上下に平行に配置し、その間に昇降機を配備して、未処理の玉葱が投入される方向に処理済みの玉葱が戻されるように、上下の処理部の流れ方向を逆向きにしている。
【0005】
このような従来の定置型の玉葱処理装置は、コンテナのリフト作業がし易くなり、また、全体構成がコンパクトになるので装置を移動させる際の取り回しがし易い利点がある。
【0006】
これに対して、収穫後の玉葱の処理作業を、圃場から離れたプラント施設で行う場合がある。この場合には、前述したコンテナのリフト作業を考慮する必要が無くなり、また、装置の移動を考慮する必要が無くなるので、プラント施設でより効率的な処理を行うことができる新たな装置構成が求められていた。
【0007】
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものであり、玉葱処理装置において、プラント施設での処理を効率的に行うことができるようにした玉葱処理装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために、本発明による玉葱処理装置は、以下の構成を具備するものである。
処理ユニットと搬送コンベヤと選別コンベヤを備え、処理ユニットは、茎葉処理部と根切り処理部を有し、茎葉処理部は、供給された処理対象の玉葱を一方向に搬送しながら茎葉処理を行うものであり、根切り処理部は、茎葉処理部によって処理された玉葱を一方向に搬送しながら根切り処理を行うものであり、処理ユニットは複数あり、複数の処理ユニットの下流側に処理ユニットの搬送方向と交差する搬送方向を有する一つの搬送コンベヤが配備され、搬送コンベヤは、各処理ユニットで処理された玉葱を集約して選別コンベヤに送り、選別コンベヤは、搬送コンベヤの下流側に配備されており、人手による選別作業をおこなうものである玉葱処理装置。
【発明の効果】
【0009】
このような特徴を有する玉葱処理装置は、単位時間当たりの処理量を高めることができ、プラント施設用の処理装置として適している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る玉葱処理装置の平面図。
【
図3】本発明の他の実施形態に係る玉葱処理装置の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0012】
図1に示すように、玉葱処理装置1は、処理ユニット1Aを備えている。処理ユニット1Aは、供給ローラ16から供給された処理対象の玉葱を一方向(図示X方向)に搬送しながら茎葉処理を行う茎葉処理部10と、茎葉処理部10によって処理された玉葱を一方向(図示X方向)に搬送しながら根切り処理を行う根切り処理部11とを備え、茎葉処理部10と根切り処理部11を連結して各々の搬送方向を直線的に並べている。
【0013】
茎葉処理部10は、互いに逆回転する一対の茎葉巻き込みローラ10Aが複数列配備されており、各茎葉巻き込みローラ10Aの下流側には、茎葉カッター10Bが配備されている。また、根切り処理部11には、ロール状の根切りカッター11Aが複数並列して配備されている。
【0014】
玉葱処理装置1は、更に、選別ユニット1Bを備えている。選別ユニット1Bは、処理ユニット1Aの下流側に配備され、根切り処理部11によって処理された玉葱を一方向(図示X方向)に搬送しながら人手による選別作業を行う選別コンベヤ12を備えている。
【0015】
そして、
図1に示した実施形態では、玉葱処理装置1は、処理ユニット1Aを複数並列配備しており、処理ユニット1Aの下流側にそれぞれ、処理ユニット1Aの搬送方向と同方向の搬送方向(図示X方向)を有する選別コンベヤ12を配備している。また、複数の選別コンベヤ12の下流側に、選別コンベヤ12の搬送方向と交差する搬送方向(図示Y方向)を有する一つの搬送コンベヤ13を配備している。
【0016】
このような玉葱処理装置1においては、処理ユニット1Aに供給された処理対象の玉葱は、茎葉処理部10で茎葉を除去する処理がなされ、その後、根切り処理部11にて、根を除去する処理がなされ、これらの処理がなされた玉葱が、選別コンベヤ12に送られる。
【0017】
この際、
図2に示すように、茎葉処理部10の下流側と根切り処理部11の上流側との間、及び根切り処理部11の下流側と選別コンベヤ12の上流側との間には、図示Z方向に沿って落下段差が設けられていて、茎葉処理部10にて処理された玉葱は、茎葉処理部10の下流側から根切り処理部11の上流側に落下し、根切り処理部11にて処理された玉葱は、根切り処理部11の下流側から選別コンベヤ12の上流側に順次落下する。
【0018】
この際、図示の例では、茎葉処理部10の下流側と根切り処理部11の上流側は傾斜板14で連結されており、根切り処理部11と選別コンベヤ12の間には、ローラ搬送器15が設けられている。そして、選別コンベヤ12の下流側と搬送コンベヤ13との間にも落下段差が設けられており、複数の選別コンベヤ12で選別処理がなされた玉葱は、一つの搬送コンベヤ13上に集約されて、搬送コンベヤ13の下流側に搬送される。
【0019】
図3に示した実施形態に係る玉葱処理装置2は、前述した茎葉処理部10と傾斜板20と根切り処理部11を備え、茎葉処理部10と根切り処理部11を連結して各々の搬送方向(図示X方向)を直線的に並べた処理ユニット2Aを備えており、複数の処理ユニット2Aが並列配備されている。
【0020】
そして、玉葱処理装置2は、複数の処理ユニット2Aの下流側に、処理ユニット2Aの搬送方向と交差する搬送方向(図示Y方向)を有する一つの搬送コンベヤ13が配備され、搬送コンベヤ13の下流側に、選別コンベヤ12(選別ユニット2B)が配備されている。
【0021】
このような玉葱処理装置2においても、供給ローラ16から処理ユニット2Aに供給された処理対象の玉葱は、茎葉処理部10で茎葉を除去する処理がなされ、その後、根切り処理部11にて、根を除去する処理がなされ、これらの処理がなされた玉葱が、搬送コンベヤ13に送られる。そして、搬送コンベヤ13にて集約された玉葱が、搬送コンベヤ13の下流側に設けられた選別コンベヤ12に送られる。
【0022】
この際、
図4に示すように、茎葉処理部10の下流側と根切り処理部11の上流側との間には図示Z方向に沿った落下段差が設けられており、根切り処理部11の下流側と搬送コンベヤ13との間にも図示Z方向に沿った落下段差が設けられている。更に、搬送コンベヤ13の下流側と選別コンベヤ12の上流側にも図示Z方向に沿った落下段差が設けられている。
【0023】
これにより、茎葉処理部10にて処理された玉葱は、茎葉処理部10の下流側から根切り処理部11の上流側に落下し、根切り処理部11にて処理された玉葱は、搬送コンベヤ13にて集約されて選別コンベヤ12の上流側に落下する。この際、茎葉処理部10の下流側と根切り処理部11の上流側は傾斜板14で連結されており、搬送コンベヤ13と選別コンベヤ12の間には、ローラ搬送器15が設けられている。
【0024】
このような玉葱処理装置1(2)は、昇降機による玉葱の搬送を省いて、単位時間当たりの処理量を高めることができる。処理対象の玉葱は、複数の処理ユニット1A(2A)で処理された後、搬送コンベヤ13に集約されて搬送されるので、大量の玉葱を速やかに処理して、一つの場所に集めることができる。これによってプラント施設での玉葱の処理を効率的行うことが可能になる。
【0025】
なお、本明細書には、次の態様も記載されている。
【0026】
供給された処理対象の玉葱を一方向に搬送しながら茎葉処理を行う茎葉処理部と、前記茎葉処理部によって処理された玉葱を一方向に搬送しながら根切り処理を行う根切り処理部と、前記根切り処理部によって処理された玉葱を一方向に搬送しながら人手による選別作業を行う選別コンベヤを備え、前記茎葉処理部と前記根切り処理部を連結して各々の搬送方向を直線的に並べた処理ユニットが複数並列配備され、前記茎葉処理部の下流側と前記根切り処理部の上流側との間及び前記根切り処理部の下流側と前記選別コンベヤの上流側との間には、落下段差が設けられていることを特徴とする玉葱処理装置。
【0027】
前記処理ユニットの下流側にそれぞれ、前記処理ユニットの搬送方向と同方向の搬送方向を有する前記選別コンベヤが配備され、複数の前記選別コンベヤの下流側に、前記選別コンベヤの搬送方向と交差する搬送方向を有する一つの搬送コンベヤが配備されていることを特徴とする玉葱処理装置。
【0028】
複数の前記処理ユニットの下流側に、前記処理ユニットの搬送方向と交差する搬送方向を有する一つの搬送コンベヤが配備され、前記搬送コンベヤの下流側に、前記選別コンベヤが配備されていることを特徴とする玉葱処理装置。
【0029】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1,2:玉葱処理装置,1A,2A:処理ユニット,
1B,2B:選別ユニット,
10:茎葉処理部,10A:茎葉巻き込みローラ,10B:茎葉カッター,
11:根切り処理部,11A:根切りカッター,
12:選別コンベヤ,13:搬送コンベヤ,
14:傾斜板,15:ローラ搬送器,16:供給ローラ