(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106872
(43)【公開日】2022-07-20
(54)【発明の名称】調整可能な空気排出機構を備える自動注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/36 20060101AFI20220712BHJP
A61M 5/24 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
A61M5/36
A61M5/24 502
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074131
(22)【出願日】2022-04-28
(62)【分割の表示】P 2018553309の分割
【原出願日】2016-12-29
(31)【優先権主張番号】15203171.2
(32)【優先日】2015-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】518234531
【氏名又は名称】アセンディス ファーマ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペデルセン、ペール メルガールド
(72)【発明者】
【氏名】マドセン、フレミング
(72)【発明者】
【氏名】ポールセン、スヴェン エリック
(72)【発明者】
【氏名】イェンセン、ステーン
(72)【発明者】
【氏名】エーゲスボリ、ヘンリク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】空気の排出の自動的な実行の能力を改善する自動注射器、カートリッジアセンブリ、システム、および方法を提供する。
【解決手段】自動注射器は、ハウジングと、薬剤を収容するカートリッジ700とカートリッジコード1000特徴部とを備えるカートリッジアセンブリ600を受け入れるように構成されたカートリッジ受けと、カートリッジコード特徴部を読み取るように構成されたコードセンサと、プランジャロッドを移動させるように組み合わせられた駆動モジュールと、コードセンサおよび駆動モジュールに接続された処理ユニットとを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を投与するための自動注射器であって、
ハウジングと、
薬剤を収容するカートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備えるカートリッジアセンブリを受け入れるように構成されたカートリッジ受けと、
前記カートリッジコード特徴部を読み取るように構成されたコードセンサと、
プランジャロッドを移動させるように組み合わせられた駆動モジュールと、
前記コードセンサおよび前記駆動モジュールに接続された処理ユニットと
を備えており、
前記処理ユニットは、
・前記コードセンサから前記カートリッジコード特徴部を表すコード信号を受信し、
・前記プランジャロッドを、前記コード信号に基づく第1のプランジャロッド位置であって、前記カートリッジから空気を吐出させるように選択される第1のプランジャロッド位置へと移動させるように、前記駆動モジュールを制御する
ように構成されている、自動注射器。
【請求項2】
前記処理ユニットは、
・トリガイベントを受信し、
・前記トリガイベントの受信の後に、前記プランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるように、前記駆動モジュールを制御する
ようにさらに構成されている、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項3】
トリガ部材を備えており、前記トリガイベントは、前記トリガ部材の作動を含む、請求項2に記載の自動注射器。
【請求項4】
前記トリガイベントは、当該自動注射器が注射部位に対して押し付けられたことを示す、請求項2または3に記載の自動注射器。
【請求項5】
向きセンサを備えており、前記処理ユニットは、前記向きセンサに接続され、前記処理ユニットは、前記カートリッジ受けに受け入れられたカートリッジの向きを表す向き信号を前記向きセンサから受信するように構成され、前記処理ユニットは、前記向き信号に基づいて前記プランジャロッドを前記第1のプランジャロッド位置へと移動させるように前記駆動モジュールを制御するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項6】
前記向きセンサは、加速度計を備える、請求項5に記載の自動注射器。
【請求項7】
前記処理ユニットは、鉛直とカートリッジに沿って延びる長手軸との間の傾斜が鉛直の45度の範囲内であり、カートリッジのカートリッジ出口がカートリッジの薬剤を収容しているカートリッジ室よりも高い鉛直位置にある旨を前記向き信号が示す場合に限り、前記プランジャロッドを前記第1のプランジャロッド位置へと移動させるように前記駆動モジュールを制御するように構成されている、請求項5または6に記載の自動注射器。
【請求項8】
前記コードセンサは、光学センサを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項9】
前記カートリッジコード特徴部は、色、バーコード、RFIDタグ、NFCタグ、識別番号、およびQRコード(登録商標)のうちの1つ以上を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項10】
前記カートリッジ受けに受け入れられたカートリッジの温度を表す温度信号をもたらすように構成された温度センサを備え、前記処理ユニットは、前記温度センサに接続され、前記温度信号を受信するように構成され、前記処理ユニットは、前記温度信号に基づいて前記プランジャロッドを前記第1のプランジャロッド位置へと移動させるように前記駆動モジュールを制御するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項11】
前記プランジャロッドは、前記コード信号に基づく第1のプランジャロッド速度で前記第1のプランジャロッド位置へと移動させられる、請求項1~10のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項12】
自動注射器用のカートリッジアセンブリであって、カートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備えており、前記カートリッジは、薬剤を収容し、前記カートリッジコード特徴部は、該カートリッジコード特徴部に基づいて自動注射器のプランジャロッドを第1のプランジャロッド位置へと移動させるために自動注射器のコードセンサによって読み取られるように構成され、前記第1のプランジャロッド位置は、前記カートリッジから空気を吐出させるように選択される、カートリッジアセンブリ。
【請求項13】
前記カートリッジは、薬剤を収容するカートリッジ室と、カートリッジ出口と、前記カートリッジ室内を前記カートリッジ出口に向かって移動することができる第1のストッパとを備え、前記カートリッジコード特徴部は、前記カートリッジ室内の空気が少なくなる前記第1のストッパの位置を表す、請求項12に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項14】
前記カートリッジ室は、薬剤の第1の薬剤成分を収容する第1のカートリッジ部分室と、薬剤の第2の薬剤成分を収容する第2のカートリッジ部分室とを有し、前記第1の薬剤成分は、流体であり、前記第2の薬剤成分は、凍結乾燥させられた薬剤である、請求項12または13に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項15】
カートリッジアセンブリと、自動注射器とを備えるシステムであって、前記カートリッジアセンブリは、カートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備え、前記カートリッジは、薬剤を収容し、前記自動注射器は、
ハウジングと、
前記カートリッジアセンブリを受け入れるように構成されたカートリッジ受けと、
前記カートリッジコード特徴部を読み取るように構成されたコードセンサと、
プランジャロッドを移動させるように組み合わせられた駆動モジュールと、
前記コードセンサおよび前記駆動モジュールに接続された処理ユニットと
を備えており、
前記処理ユニットは、
・前記コードセンサから前記カートリッジコード特徴部を表すコード信号を受信し、
・前記プランジャロッドを、前記コード信号に基づく第1のプランジャロッド位置であって、前記カートリッジから空気を吐出させるように選択される第1のプランジャロッド位置へと移動させるように、前記駆動モジュールを制御する
ように構成されている、システム。
【請求項16】
前記処理ユニットは、
・トリガイベントを受信し、
・前記トリガイベントの受信の後に、前記プランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるように、前記駆動モジュールを制御する
ようにさらに構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
プランジャロッドを備える自動注射器を動作させるための方法であって、
・薬剤を収容するカートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備えるカートリッジアセンブリを受け入れるステップと、
・前記カートリッジコード特徴部を読み取るステップと、
・前記カートリッジコード特徴部に基づく第1のプランジャロッド位置であって、前記カートリッジから空気を吐出させるように選択される第1のプランジャロッド位置へと、前記プランジャロッドを移動させるステップと
を含む方法。
【請求項18】
・トリガイベントを受信するステップと、
・前記トリガイベントの受信の後に、前記プランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるステップと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記プランジャロッドは、前記コード信号に基づく第1のプランジャロッド速度で前記第1のプランジャロッド位置へと移動させられる、請求項17または18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子式自動注射器などの自動注射器、自動注射器用のカートリッジアセンブリ、自動注射器とカートリッジアセンブリとを備えるシステム、および自動注射器を動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮下注射器が、身体へと流体をもたらすために広く使用されている。手動操作に適用できる皮下注射器を有することが知られている。しかしながら、電子式自動注射器などの自動注射器が開発されており、身体への流体または薬剤の投与を補助するために広く使用されている。
【0003】
ユーザによる特定の作業の正しい実行に頼らなくてもよいように、自動注射器が注射のプロセスを可能な限り自動的に実行することが、関心をますます集めている。
【0004】
シリンジの薬剤を注射する前に、シリンジ内の空気をなくし、あるいは最小限にすべきであることが、一般的に知られている。空気が注射されると、例えば静脈注射において、空気塞栓症などの問題を引き起こす可能性がある。したがって、シリンジ内の空気をなくし、あるいは最小限にすることが、通常は、薬剤を注射する前に行われる。また、一部の注射システムにおいては、シリンジの内部に閉じ込められる残留空気を最小限に抑えることで、もたらされる用量の精度を向上させることができる。
【0005】
空気をなくし、あるいは最小限にすることは、通常は、空気の排出(air-shot)を行うことによって行われる。空気の排出は、一般に、空気がシリンジの開口部の近くに位置するようにシリンジを上方に向け、薬剤が吐出されるまで吐出動作を行うことによって実行される。これにより、空気がシリンジから押し出される。
【0006】
米国特許出願公開第2009/299328号明細書が、ユーザによって選択される所定の注射速度で物質を注射することができ、伝統的なシリンジと比べてさらなる制御を操作者にとって可能にする注射装置を示している。この装置は、2つ以上の物質の混合および/または注射のための固体物質の復元を可能にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/299328号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
既知の先行技術にもかかわらず、空気の排出の自動的な実行について改善された能力および精度を有する電子式自動注射器などの自動注射器が、必要とされている。本開示は、空気の排出の自動的な実行の能力を改善する自動注射器、カートリッジアセンブリ、システム、および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、薬剤を投与するための自動注射器が開示される。自動注射器は、ハウジングと、カートリッジ受けと、コードセンサと、駆動モジュールと、処理ユニットとを備える。
【0010】
カートリッジ受けは、カートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備えるカートリッジアセンブリを受け入れるように構成され、カートリッジは、薬剤を収容している。
【0011】
コードセンサは、カートリッジコード特徴部を読み取るように構成される。
【0012】
駆動モジュールは、プランジャロッドを移動させるように組み合わせられる。
【0013】
処理ユニットは、コードセンサおよび駆動モジュールに接続される。処理ユニットは、コードセンサからカートリッジコード特徴部を表すコード信号を受信し、駆動モジュールを制御してコード信号に基づく第1のプランジャロッド位置へとプランジャロッドを移動させるように構成される。
【0014】
処理ユニットを、プランジャロッドが第1のプランジャロッド位置へと移動した後のトリガイベントなどのトリガイベントを受信し、トリガイベントの受信を受けて駆動モジュールを制御してプランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるように、さらに構成することができる。
【0015】
さらに、上記開示の自動注射器のためのカートリッジアセンブリなど、自動注射器用のカートリッジアセンブリも開示される。カートリッジアセンブリは、カートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備える。カートリッジは、薬剤を収容する。カートリッジコード特徴部は、自動注射器のプランジャロッドをカートリッジコード特徴部に基づく第1のプランジャロッド位置へと移動させるために、自動注射器のコードセンサによって読み取られるように構成される。
【0016】
さらに、上記開示のカートリッジアセンブリなどのカートリッジアセンブリと、上記開示の自動注射器などの自動注射器とを備えるシステムも開示される。カートリッジアセンブリは、カートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備え、カートリッジは、薬剤を収容する。自動注射器は、ハウジングと、カートリッジアセンブリを受け入れるように構成されたカートリッジ受けと、カートリッジコード特徴部を読み取るように構成されたコードセンサと、プランジャロッドを移動させるように組み合わせられた駆動モジュールと、コードセンサおよび駆動モジュールに接続された処理ユニットとを備える。処理ユニットは、コードセンサからカートリッジコード特徴部を表すコード信号を受信し、駆動モジュールを制御してコード信号に基づく第1のプランジャロッド位置へとプランジャロッドを移動させるように構成される。
【0017】
処理ユニットを、プランジャロッドが第1のプランジャロッド位置へと移動した後のトリガイベントなどのトリガイベントを受信し、トリガイベントの受信を受けて駆動モジュールを制御してプランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるように、さらに構成することができる。
【0018】
さらに、上記開示の自動注射器などのプランジャロッドを備える自動注射器を動作させるための方法も開示される。本方法は、薬剤を収容するカートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備えるカートリッジアセンブリを受け入れるステップと、カートリッジコード特徴部を読み取るステップと、プランジャロッドをカートリッジコード特徴部に基づく第1のプランジャロッド位置へと移動させるステップとを含む。
【0019】
本方法は、プランジャロッドが第1のプランジャロッド位置へと移動した後のトリガイベントの受信など、トリガイベントを受信するステップと、トリガイベントの受信を受けてプランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるステップとをさらに含む。
【0020】
本開示の利点は、空気の排出を自動注射器に挿入された特定のカートリッジに適合させることができ、したがって空気の排出の際の薬剤の吐出を防止し、あるいは少なくとも減らすことができるより正確な空気の排出をもたらすことができることである。
【0021】
本開示の利点は、空気の排出を、シリンジの針および/またはシリンジに取り付けられた針などの針の先端を通っての薬剤の吐出を伴うことなく、実行できることである。いくつかの状況においては、投薬量を正確に知ることが重要であり、あるいは望ましい。したがって、シリンジ内の薬剤のすべてが患者へと注射されることが望ましく、したがって空気の排出を自動的に、針の先端からの薬剤の吐出を伴わずに実行できることは、好都合である。
【0022】
さらに、針の先端の薬剤が、針の挿入時に患者に不快感を与える可能性がある。また、とりわけいくつかの薬剤に関して、薬剤を例えば床にこぼすことは、望ましくないかもしれない。したがって、患者の不快感を軽減できることが、針の先端から薬剤を吐出させることがない空気の排出の実行のさらなる利点である。
【0023】
本開示のさらなる利点は、注射されるべき薬剤と一緒にカートリッジ室に閉じ込められた残留空気を、最小限にできることである。
【0024】
このように、本開示は、好都合なことに、投薬量の正確性を高め、患者の不快感を軽減し、かつ/または薬剤をこぼすことを避けることができる。
【0025】
任意の1つの態様に関連して説明された任意の実施形態または要素を、必要な変更を加えて、任意の他の態様または実施形態において使用できると考えられる。
【0026】
カートリッジ受けを、カートリッジ受け開口部を通ってカートリッジおよび/またはカートリッジアセンブリを受け入れるように構成することができる。したがって、カートリッジおよび/またはカートリッジアセンブリを、カートリッジ受け開口部を通ってカートリッジ受けに挿入することができる。
【0027】
カートリッジは、カートリッジ室を備えることができる。カートリッジ室は、薬剤を収容することができる。
【0028】
カートリッジは、例えば第1のカートリッジ端部にカートリッジ出口を備えることができる。カートリッジ出口を、例えば第1のカートリッジ端部においてカートリッジ室と連通するように構成することができる。カートリッジを、カートリッジ出口を通って薬剤を吐出させるように構成することができる。カートリッジ出口を、皮下注射針などの針と結合して、針を通る薬剤の吐出をもたらすように構成することができる。
【0029】
カートリッジアセンブリは、針を備える針アセンブリなどの針を備えることができる。針アセンブリは、針カバーおよび/または針ハブを備えることができる。カートリッジアセンブリは、カートリッジホルダを備えることができる。カートリッジホルダを、針アセンブリと係合するように構成することができる。カートリッジホルダは、カートリッジへの針アセンブリの取り付けをもたらすことができる。
【0030】
カートリッジは、第1のカートリッジ端部に向かうなど、カートリッジ室の内部で例えばカートリッジ出口に向かって例えば第1のストッパ方向に移動することができる第1のストッパを備えることができる。例えば、薬剤を、例えば第1のストッパ方向であり、かつ/あるいはカートリッジ出口へと向かう第1のストッパの移動にて、カートリッジ出口を通って吐出させることができる。
【0031】
カートリッジは、例えばカートリッジ出口の反対側などの第2のカートリッジ端部にカートリッジ後面を備える。カートリッジ後面は、カートリッジ後端開口部を備えてもよい。カートリッジ後端開口部は、プランジャロッドに第1のストッパへのアクセスを提供することができる。
【0032】
カートリッジコード特徴部は、色、バーコード、RFIDタグ、NFCタグ、識別番号、およびQRコード(登録商標)のうちの1つ以上を備えることができる。例えば、カートリッジコード特徴部は、色および/または色の並びを備えることができる。
【0033】
カートリッジコード特徴部を、第1のストッパなどのストッパが初めに位置するカートリッジ室の一部分を囲み、あるいは部分的に囲むように配置することができる。このようなカートリッジコード特徴部の位置は、例えばストッパがカートリッジコード特徴部の背景を形成できるため、カートリッジコード特徴部の可読性を高めることができる。第1のストッパなどのストッパは、薄い灰色または白色などの明るい色であってよい。第1のストッパなどのストッパは、濃い青、濃い灰色、または黒色などの暗い色であってよい。ストッパは、カートリッジコード特徴部のための暗い背景を形成することができる。第1のストッパなどのストッパは、光の反射を低減して、例えばカートリッジコード特徴部の可読性をさらに高めることができる。カートリッジ室のうちのストッパが位置する一部分に配置されているカートリッジコード特徴部は、例えば薬剤の目視点検の目的で、カートリッジ室への可視領域が不必要に覆われることを回避することができる。
【0034】
カートリッジコード特徴部を、例えば第1のストッパなどのストッパとは独立に、カートリッジ上の特定の位置に配置してもよい。例えば、カートリッジコード特徴部を、第2のカートリッジ端部からコード距離に配置することができる。すべてのカートリッジは、例えば第2のカートリッジ端部からコード距離に配置されるなど、同じ位置に配置されたそれぞれのカートリッジコード特徴部を有することができる。カートリッジコード特徴部のこのような一様な配置は、すべての適切なカートリッジにおいてカートリッジコード特徴部が同じ位置で読み取られるがゆえに、自動注射器の複雑さを減らし、サイズを小さくすることができる。
【0035】
カートリッジおよびカートリッジコード特徴部を、1つの要素として製造することができる。例えば、カートリッジコード特徴部は、カートリッジの特定の形態であってよい。あるいは、カートリッジコード特徴部を、例えば接着剤でカートリッジに固定されるなど、カートリッジに取り付けることができる。例えば、カートリッジコード特徴部は、カートリッジに印刷された色コードであってよい。
【0036】
カートリッジコード特徴部は、カートリッジ内の薬剤、カートリッジ内の薬剤の濃度、カートリッジ内の薬剤の粘度、カートリッジ内の薬剤の体積および/または質量、カートリッジ室内のストッパの位置、などの1つ以上のカートリッジ仕様を示すことができる。カートリッジコード特徴部は、カートリッジ室内の空気が減らされ、例えば最小限にされ、さらには/あるいは注射に適した量まで減らされる第1のストッパの位置を示すことができる。カートリッジコード特徴部は、カートリッジに収容された薬剤の量を示すことができる。カートリッジコード特徴部は、特定の種類のカートリッジのID番号など、カートリッジの特定の種類を示すことができる。自動注射器の処理ユニットなどの自動注射器を、例えば参照表によってID番号に基づいて1つ以上のカートリッジ仕様を決定するように構成することができる。カートリッジコード特徴部は、ストッパの移動の適切な速度を示すことができる。例えば、カートリッジコード特徴部は、第1のプランジャロッド位置および/または第2のプランジャロッド位置および/または第3のプランジャロッド位置へのプランジャロッドの移動の速度を示すことができる。カートリッジコード特徴部は、第1のプランジャロッド位置に向かい、さらには/あるいは第2のプランジャロッド位置に向かうなど、空気の排出および/または注射の最中など、移動の種々の段階におけるストッパの移動など、ストッパの移動の適切な速度を示すことができる。
【0037】
カートリッジコード特徴部は、例えばプランジャロッドおよび/または第1のストッパの移動の開始前に経過すべき遅延を含み、さらには/あるいはプランジャロッドおよび/または第1のストッパの或る移動の完了とプランジャロッドおよび/または第1のストッパの別の移動の開始との間に経過すべき遅延を含む時間遅延などの1つ以上の遅延を示すことができる。
【0038】
1つ以上の遅延は、第1の遅延を含むことができる。第1の遅延は、プランジャロッドを第1のプランジャロッド位置へと移動させる前に経過する必要があってよい。例えば、第1の遅延は、プランジャロッドの第1のプランジャロッド位置への移動の開始前に経過する必要があってよい。例えば、第1の遅延を、例えば薬剤において発泡作用を生じさせる可能性がある薬剤の復元または混合の後に、空気の排出を開始させる前の薬剤の沈静化を可能するように選択することができる。第1の遅延は、薬剤における発泡作用の沈静化を可能にすることができる。
【0039】
1つ以上の遅延は、第2の遅延を含むことができる。第2の遅延は、プランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させる前に経過する必要があってよい。例えば、第2の遅延は、プランジャロッドの第1のプランジャロッド位置への移動の完了後かつプランジャロッドの第2のプランジャロッド位置への移動の開始前に経過する必要があってよい。
【0040】
自動注射器および/または処理ユニットを、コード信号に基づいて第1の遅延および/または第2の遅延を決定するように構成することができる。
【0041】
自動注射器は、電子式の自動注射器であってよい。自動注射器は、バッテリを備えることができる。ハウジングは、バッテリを収容することができる。バッテリは、充電式バッテリであってよい。例えば、バッテリは、LiイオンバッテリまたはNiCdバッテリまたはNiMHバッテリであってよい。バッテリを、充電器の接続によって充電されるように構成することができる。
【0042】
駆動モジュールは、プランジャロッドを移動させ、例えば作動させ、例えば前進させるように組み合わせられる。駆動モジュールは、1つ以上の電気素子を備えることができる。駆動モジュールを、バッテリから電力を受け取るように構成することができる。駆動モジュールを、電力を受け取るためにバッテリに電気的に接続することができる。駆動モジュールを、ハウジングに収容することができる。駆動モジュールは、DCモータなどの電気機械モータなどのモータを備えることができ、例えばブラシ付きまたはブラシなしのDCモータを備えることができる。駆動モジュールは、ソレノイドモータを備えることができる。駆動モジュールは、形状記憶金属エンジンを備えることができる。駆動モジュールは、プランジャロッドを作動させるように構成されたばね装置を備えることができる。駆動モジュールは、プランジャロッドを作動させるように構成された加圧ガスを備えることができる。
【0043】
プランジャロッドを、カートリッジの第1のストッパなどの第1のストッパを前進させるように構成することができる。第1のストッパの前進は、カートリッジ出口を通ってカートリッジ室から薬剤を吐出し、かつ/またはカートリッジ出口を通ってカートリッジ室から空気を吐出するためのものであってよい。プランジャロッドは、プランジャロッド後退位置とプランジャロッド伸張位置との間で移動可能であってよい。
【0044】
自動注射器の処理ユニットなどの自動注射器を、ユーザによる薬剤の注射の開始を示すトリガイベントなどのトリガイベントを受信するように構成することができる。自動注射器の処理ユニットなどの自動注射器を、プランジャロッドを第1のプランジャロッド位置へと移動させた後にトリガイベントを受信するように構成することができる。
【0045】
トリガイベントを、自動注射器の注射手順を開始させるために使用することができる。自動注射器の処理ユニットなどの自動注射器は、トリガイベントの受信を受けて、カートリッジ室から薬剤が注射および/または排出される位置などの第2のプランジャロッド位置へとプランジャロッドを移動させるように、駆動モジュールを制御することができる。トリガイベントは、カートリッジ出口を通ってカートリッジ室から薬剤を吐出させるためのプランジャロッドの移動を開始させることができる。
【0046】
トリガイベントは、例えば、ボタンの押し下げの結果、小休止の経過の結果、および/またはユーザの所定の行動の結果であってよい。トリガイベントは、自動注射器が注射部位に押し付けられていることを示してもよい。
【0047】
自動注射器は、例えばカートリッジ室内の薬剤および/または空気の吐出などの排出を検出するように構成された排出センサを備えることができる。排出センサを、プランジャロッドの位置および/または第1のストッパの位置を検出および/または決定するように構成することができる。排出センサを、プランジャロッドの位置および/または第1のストッパの位置を表す状態を検出するように構成することができる。排出センサを、排出センサ信号をもたらすように構成することができる。排出センサ信号は、プランジャロッドおよび/または第1のストッパの位置を示すことができる。
【0048】
排出センサは、例えば駆動モジュールの回転計など、回転計を備えることができる。回転計を、例えばプランジャロッドの完全に後退した位置などのプランジャロッドの位置が既知である点などの所定の点からの駆動モジュールの回転数など、駆動モジュールのモータなどの駆動モジュールの回転数をカウントするように構成することができる。駆動モジュールの回転数のカウントを、第1のプランジャロッド位置および/または第2のプランジャロッド位置など、プランジャロッドの実際の位置を決定するために使用することができる。
【0049】
処理ユニットを、排出センサの回転計など、排出センサに接続することができる。処理ユニットは、駆動モジュールの回転数のカウントを示す回転計信号などの第1の排出センサ信号を排出センサから受信することができる。処理ユニットは、第1の排出センサ信号に基づいてプランジャロッドの位置を決定することができる。処理ユニットは、プランジャロッドが完全に後退した位置などの既知の位置にあることを示す第2の排出センサ信号を、例えば排出センサから受信することができる。処理ユニットは、第1の排出センサ信号および第2の排出センサ信号に基づいて、プランジャロッドの位置を決定することができる。
【0050】
排出センサ信号は、第1の排出センサ信号および/または第2の排出センサ信号を含むことができる。
【0051】
第1のプランジャロッド位置を、カートリッジから空気を吐出させるように選択することができる。例えば、第1のプランジャロッド位置を、カートリッジ室内の空気が減らされ、例えば最小限にされ、さらには/あるいは注射に適した量まで減らされる位置に、第1のストッパを位置させるように選択することができる。第1のプランジャロッド位置は、空気の排出が完了したプランジャロッドの位置であってよい。第1のプランジャロッド位置は、第1のストッパが空気をカートリッジ室から吐出させた位置に位置するなど、空気がカートリッジ室から吐出された位置であってよい。第1のプランジャロッド位置は、プランジャロッド後退位置とプランジャロッド伸張位置との間に位置することができる。第1のプランジャロッド位置は、カートリッジコード特徴部に基づくことができる。例えば、処理ユニットを、コード信号に基づいて第1のプランジャロッド位置を決定するように構成することができる。
【0052】
第2のプランジャロッド位置を、カートリッジから薬剤を吐出させるように選択することができる。例えば、第2のプランジャロッド位置を、第1のストッパを、カートリッジ出口に最も近い位置など、カートリッジ室内の薬剤を少なくし、例えば最小にする位置に位置させるように選択することができる。第2のプランジャロッド位置は、第1のプランジャロッド位置とプランジャロッド伸張位置との間に位置することができる。第2のプランジャロッド位置は、プランジャロッド伸張位置であってもよい。第2のプランジャロッド位置は、カートリッジコード特徴部に基づくことができる。例えば、処理ユニットを、コード信号に基づいて第2のプランジャロッド位置を決定するように構成することができる。
【0053】
第3のプランジャロッド位置を、例えば薬剤を復元するために薬剤の複数の成分を混合するように選択することができる。例えば、第3のプランジャロッド位置を、第1の薬剤成分が第2の薬剤成分と混合される位置に第1のストッパを位置させるように選択することができる。第3のプランジャロッド位置を、プランジャロッド後退位置と第1のプランジャロッド位置との間に位置させることができる。第3のプランジャロッド位置は、カートリッジコード特徴部に基づくことができる。例えば、処理ユニットを、コード信号に基づいて第3のプランジャロッド位置を決定するように構成することができる。
【0054】
第4のプランジャロッド位置を、薬剤の複数の成分の混合が開始される前の位置へと第1のストッパを前進させるように構成することができる。第4のプランジャロッド位置は、プランジャロッド後退位置と第3のプランジャロッド位置との間に位置することができる。第4のプランジャロッド位置は、カートリッジコード特徴部に基づくことができる。例えば、処理ユニットを、コード信号に基づいて第4のプランジャロッド位置を決定するように構成することができる。
【0055】
プランジャロッドの移動を、1つ以上の遅延によって隔てることができ、さらには/あるいは1つ以上の遅延が、プランジャロッドの移動に先行し、かつ/または続くことができる。
【0056】
自動注射器は、ユーザ入力を可能にするユーザインタフェースなどのユーザインタフェースを備えることができ、さらには/あるいはユーザに可視および/または可聴の出力をもたらすことができる。
【0057】
自動注射器は、ユーザインタフェースのトリガ部材などのトリガ部材を備えることができる。トリガイベントは、トリガ部材の作動を含むことができる。トリガ部材は、押しボタンなどのユーザインタフェースのボタンであってよい。これに代え、あるいはこれに加えて、トリガ部材は、皮膚センサなどの接触部材であってよい。接触部材を、作動のために注射部位に対して押し付けられるように構成することができる。例えば、薬剤の注射を開始させるために。接触部材は、カートリッジ出口および/またはカートリッジ受け開口部などのカートリッジ出口の意図された位置を取り囲むことができる。接触部材を、皮膚に対して押し付けられ、例えばハウジングに対して移動したときに、接触センサを作動させるように構成することができる。接触センサを、トリガイベントを送信するように構成することができる。処理ユニットを、接触センサに接続することができる。処理ユニットを、接触センサからトリガイベントを受信するように構成することができる。
【0058】
自動注射器は、向きセンサを備えることができる。向きセンサを、カートリッジの向きおよび/または自動注射器の向きなどのカートリッジの向きを表す向きを検出するように構成することができる。向きセンサを、重力の方向を検出するように構成することができ、さらには/あるいは重力の方向が所定の方向の特定の範囲内にあるか否かを検出するように構成することができる。向きセンサは、加速度計を備えることができる。向きセンサは、例えば3次元加速度計などの3次元における加速度を検出するように配置された3つの加速度計など、3つの加速度計などの複数の加速度計を備えることができる。向きセンサは、傾斜センサ、3軸加速度計、1軸加速度計、磁気計、および/またはこれらの任意の組み合わせを備えることができ、向きセンサは、ロール、ピッチ、および方位角の測定値、1つ以上の方向の加速度および/または傾斜の測定値、などをもたらすことができる。
【0059】
向きセンサを、カートリッジが所定の向きであるかどうかを検出するように構成することができる。向きセンサを、自動注射器の向きが、カートリッジが所定の向きにあることを示しているかどうかを検出するように構成することができる。所定の向きは、鉛直向きであってよい。所定の向きは、鉛直の30度の範囲内など、鉛直の45度の範囲内の向きであってよい。所定の向きは、カートリッジの長手軸が鉛直の30度の範囲内など、鉛直の45度の範囲内にあるようにカートリッジが向けられ、カートリッジ出口がカートリッジ室の上方の鉛直位置など、カートリッジ室よりも上方に位置する向きであってよい。
【0060】
処理ユニットを、向きセンサに接続することができる。処理ユニットを、カートリッジ受けに受け入れられたカートリッジの向きを表し、さらには/あるいは自動注射器の向きを表す向き信号を向きセンサから受信するように構成することができる。処理ユニットを、向き信号に基づいてプランジャロッドを第1のプランジャロッド位置へと移動させるように駆動モジュールを制御するように構成することができる。例えば、処理ユニットを、鉛直とカートリッジに沿って延びる長手軸との間の傾斜角度が鉛直の30度の範囲内など、45度の範囲内であることを向き信号が示しており、かつ/またはカートリッジ出口がカートリッジ室よりも高い鉛直位置にある場合に限り、プランジャロッドを第1のプランジャロッド位置へと移動させるように駆動モジュールを制御するように構成することができる。
【0061】
自動注射器は、カートリッジコード特徴部を読み取るように構成されたコードセンサなどのコードセンサを備えることができる。コードセンサを、カートリッジコード特徴部を示すコード信号を送信するように構成することができる。コードセンサを、複数の位置でカートリッジコード特徴部を読み取るように構成することができる。カートリッジコードセンサは、移動可能であってもよい。カートリッジコードセンサは、複数の送信器および/または受信器など、複数のセンサを備えることができる。
【0062】
自動注射器の処理ユニットなどの自動注射器を、コード信号および/またはカートリッジコード特徴部に基づいてプランジャロッドを移動させるように構成することができる。自動注射器の処理ユニットなどの自動注射器を、コード信号および/またはカートリッジコード特徴部に基づいてプランジャロッドを第1のプランジャロッド位置へと移動させるように構成することができる。例えば空気の排出が完了する第1のプランジャロッド位置を、カートリッジアセンブリに基づき、例えばカートリッジコード特徴部に基づき、例えばカートリッジコード信号に基づいて決定することができる。プランジャロッドおよび/または第1のストッパの移動は、カートリッジアセンブリに基づくことができ、例えばカートリッジコード特徴部に基づくことができる。したがって、空気の排出の実行において、薬剤の吐出を少なくし、あるいは皆無にすることができるため、投薬量の精度が向上し、かつ/または患者の不快感が軽減される。
【0063】
プランジャロッドの移動は、第1のプランジャロッド速度および/または第2のプランジャロッド速度などのプランジャロッド速度を有する移動を含むことができる。プランジャロッド速度は、プランジャロッドの位置に基づくことができる。プランジャロッドを、第1のプランジャロッド速度で、第1のプランジャロッド位置へと移動させることができる。プランジャロッドを、第1のプランジャロッド位置などから、第2のプランジャロッド速度で、第2のプランジャロッド位置へと移動させることができる。第2のプランジャロッド速度は、第1のプランジャロッド速度より速くても、遅くてもよい。
【0064】
プランジャロッドを、第3のプランジャロッド速度で、第3のプランジャロッド位置へと移動させることができる。プランジャロッドを、第4のプランジャロッド速度で、第4のプランジャロッド位置へと移動させることができる。
【0065】
第1のプランジャロッド速度および/または第2のプランジャロッド速度および/または第3のプランジャロッド速度および/または第4のプランジャロッド速度は、カートリッジ仕様に基づくことができ、例えばカートリッジコード特徴部に基づくことができ、例えばコード信号に基づくことができる。処理ユニットを、コード信号に基づいて第1のプランジャロッド速度および/または第2のプランジャロッド速度および/または第3のプランジャロッド速度および/または第4のプランジャロッド速度を決定するように構成することができる。
【0066】
処理ユニットを、プランジャロッドを第1のプランジャロッド速度で第1のプランジャロッド位置へと移動させるように駆動モジュールを制御するように構成することができる。処理ユニットを、プランジャロッドを、例えば第1のプランジャロッド位置から、第2のプランジャロッド速度で、第2のプランジャロッド位置へと移動させるように駆動モジュールを制御するように構成することができる。
【0067】
コードセンサは、光学センサを含むことができる。コードセンサは、光送信器および光受信器などの送信器および受信器を備える光学センサを備えることができる。コードセンサを、カートリッジコード特徴部を読み取るように構成することができる。コードセンサを、QRコード(登録商標)、バーコード、色コード、および/またはこれらの任意の組み合わせを読み取るように構成することができる。
【0068】
自動注射器は、温度センサを備えることができる。温度センサを、自動注射器および/またはカートリッジおよび/または薬剤の温度を表す温度信号などの温度信号をもたらすように構成することができる。温度センサは、光学赤外線センサなどの赤外線センサを備えることができる。温度センサおよびコードセンサは、同じセンサであってもよい。例えば、温度を検出するための光学赤外線センサが、カートリッジコード特徴部を読み取るための光学センサと同じ物理的なセンサであってよい。
【0069】
処理ユニットを、温度センサに接続することができる。処理ユニットを、温度信号を受信するように構成することができる。
【0070】
例えば第1のプランジャロッド位置および/または第2のプランジャ位置へのプランジャロッドの移動は、自動注射器および/またはカートリッジおよび/または薬剤の温度に基づくことができ、例えば温度信号に基づくことができる。
【0071】
処理ユニットなどの自動注射器を、温度信号に基づいて駆動モジュールを制御するように構成することができる。例えば、処理ユニットを、温度信号に基づいて駆動モジュールを制御してプランジャロッドを第1のプランジャロッド位置および/または第2のプランジャロッド位置へと移動させるように構成することができる。
【0072】
第1のプランジャロッド速度および/または第2のプランジャロッド速度および/または第3のプランジャロッド速度および/または第4のプランジャロッド速度を、自動注射器および/またはカートリッジおよび/または薬剤の温度などの温度に基づいて決定することができ、例えば温度信号に基づいて決定することができる。第1のプランジャロッド位置および/または第2のプランジャロッド位置および/または第3のプランジャロッド位置および/または第4のプランジャロッド位置を、温度信号ならびに/あるいは自動注射器および/またはカートリッジおよび/または薬剤の温度などの温度に基づいて決定することができる。例えば、薬剤の体積は温度に依存する可能性があり、したがって、温度を考慮に入れるとき、空気の排出をより正確に制御することができる。したがって、空気の排出の実行において、吐出される薬剤を少なくし、あるいは皆無にすることができるため、例えば投薬量の精度が向上し、かつ/または患者の不快感が軽減される。
【0073】
処理ユニットを、向きセンサ、コードセンサ、排出センサ、および/または温度センサに接続することができる。処理ユニットを、向き信号、コード信号、排出センサ信号、および/または温度信号を受信するように構成することができる。処理ユニットを、向き信号、コード信号、排出センサ信号、および/または温度信号に基づいて駆動モジュールを制御してプランジャロッドを第1のプランジャロッド位置および/または第2のプランジャロッド位置へと移動させるように構成することができる。
【0074】
自動注射器は、カートリッジセンサを備えることができる。カートリッジセンサを、自動注射器および/または自動注射器のカートリッジ受けへのカートリッジアセンブリの受け入れを検出するように構成することができる。カートリッジセンサは、カートリッジアセンブリの受け入れを示すカートリッジセンサ信号をもたらすことができる。コードセンサおよびカートリッジセンサは、同じセンサであってもよく、例えばコードセンサを、カートリッジアセンブリの受け入れを検出し、次いでカートリッジコード特徴部を読み取るように構成することができる。
【0075】
処理ユニットを、カートリッジセンサに接続することができる。処理ユニットを、カートリッジセンサ信号を受信するように構成することができる。処理ユニットを、カートリッジセンサ信号に基づいて駆動モジュールを制御するように構成することができる。例えば、処理ユニットを、カートリッジアセンブリが受け入れられた場合、および/またはカートリッジアセンブリが受け入れられた場合に限り、プランジャロッドの移動を開始させるように駆動モジュールを制御するように構成することができる。
【0076】
自動注射器は、針センサを備えることができる。針センサを、例えばカートリッジアセンブリが自動注射器および/または自動注射器のカートリッジ受けに受け入れられたときに、カートリッジアセンブリの針および/または針アセンブリおよび/または針アセンブリの針カバーを検出するように構成することができる。針センサは、針および/または針アセンブリおよび/または針アセンブリの針カバーの存在を示す針信号をもたらすことができる。
【0077】
処理ユニットを、針センサに接続することができる。処理ユニットを、針信号を受信するように構成することができる。処理ユニットを、針信号に基づいて駆動モジュールを制御するように構成することができる。例えば、処理ユニットを、針が存在する場合に限り、さらには/あるいは針カバーが存在しない場合に限って、プランジャロッドの移動を開始させるように駆動モジュールを制御するように構成することができる。
【0078】
自動注射器は、抵抗センサを備えることができる。抵抗センサを、プランジャロッドの移動に対する抵抗を検出するように構成することができる。抵抗センサを、駆動モジュールの測定値に基づいてプランジャロッドの移動に対する抵抗を検出するように構成することができる。例えば、抵抗センサを、駆動モジュールのモータの電流を検出するように構成することができる。抵抗センサを、プランジャロッドの移動に対する抵抗を表す抵抗信号をもたらすように構成することができる。
【0079】
処理ユニットを、抵抗センサに接続することができる。処理ユニットを、抵抗信号を受信するように構成することができる。処理ユニットを、抵抗信号に基づいてプランジャロッドの移動に対する抵抗を決定するように構成することができる。処理ユニットを、抵抗信号に基づいて駆動モジュールを制御するように構成することができる。例えば、処理ユニットを、抵抗信号に基づいてプランジャロッドの移動を調整するように駆動モジュールを制御するように構成することができる。例えば、処理ユニットを、抵抗信号に基づいてプランジャロッドの移動を開始させ、停止させ、あるいは継続するように、駆動モジュールを制御するように構成することができる。
【0080】
以下で、さらに詳細な説明を、図面を参照して続ける。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【
図2】カートリッジを有する典型的な自動注射器を示している。
【
図3】典型的なカートリッジを概略的に示している。
【
図4】a)~d)は典型的なカートリッジコード特徴部を有する典型的なカートリッジを概略的に示している。
【
図5】カートリッジを有する典型的な自動注射器を概略的に示している。
【
図6】a)~c)は典型的な位置にある典型的なカートリッジおよびプランジャロッドを概略的に示している。
【
図7】典型的な自動注射器のブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0082】
以下で、さまざまな実施形態を、図面を参照して説明する。同様の参照番号は、全体を通して、同様の要素を指す。したがって、同様の要素は、各々の図の説明に関して、詳細には説明されない。図面が実施形態の説明を容易にすることだけを意図していることにも、留意すべきである。これらは、特許請求の範囲に記載される発明を漏れなく説明しようとするものではなく、特許請求の範囲に記載される発明の範囲を限定しようとするものでもない。加えて、例示される実施形態は、必ずしも示された態様または利点のすべてを有する必要はない。或る特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、たとえそのように図示されておらず、あるいはそのように明記されていない場合でも、任意の他の実施形態において実施することが可能である。
【0083】
図1が、典型的な自動注射器4を示している。自動注射器4を、薬剤を投与するように構成することができる。自動注射器4は、電子式の自動注射器であってよい。
【0084】
自動注射器4は、ハウジング6を備える。自動注射器4は、カートリッジ受け300を備える。カートリッジ受けは、カートリッジおよび/またはカートリッジを含むカートリッジアセンブリを受け入れるように構成される。カートリッジは、薬剤を収容することができる。
【0085】
カートリッジ受け300は、カートリッジ受け開口部301を有する。カートリッジ受け300は、カートリッジ受け開口部301を通って長手軸Lに沿ったカートリッジ受け入れ方向304にカートリッジおよび/またはカートリッジアセンブリを受け入れるように構成される。
【0086】
自動注射器4は、図示のように、ユーザインタフェース1100を備えることができる。自動注射器4は、接触部材1102などのトリガ部材を備える。接触部材1102を、注射部位に対して押し付けられるように構成することができる。接触部材1102は、注射部位に対して押し付けられた場合に、ハウジング6に対してカートリッジ受け入れ方向304に移動可能であってよい。接触部材1102は、ユーザインタフェース1100の一部であってよい。
【0087】
図2が、典型的なシステム2を示している。システム2は、
図1に関連して説明したとおりの自動注射器4と、カートリッジ受け300に受け入れられた典型的なカートリッジ700とを備える。カートリッジ700は、針カバー908を備えて図示されている。針カバー908は、針カバー908をカートリッジ700から取り外すことができるように、接触部材1102の外へと延びている。
【0088】
図3が、これまでの図に関連して説明した自動注射器などの自動注射器のカートリッジ受けに受け入れられるように構成されたカートリッジ700などの典型的なカートリッジ700を概略的に示している。
【0089】
カートリッジ700は、カートリッジ室702を備える。カートリッジ室702を、薬剤を収容するように構成することができる。カートリッジ700は、第1の端部718および第2の端部720を有する。カートリッジ700は、第1のカートリッジ端部718にカートリッジ出口714を備える。カートリッジ700を、カートリッジ出口714を通って薬剤を吐出するように構成することができる。
【0090】
カートリッジ700は、カートリッジ室702の内部で例えば第1のカートリッジ端部718に向かって例えば第1のストッパ方向722に移動することができる第1のストッパ708を備える。例えば、薬剤を、第1のストッパ708が第1のストッパ方向722に移動するときにカートリッジ出口714を通って吐出させることができる。カートリッジは、第2のカートリッジ端部720にカートリッジ後面716を備える。カートリッジ後面716は、プランジャロッドに第1のストッパ708へのアクセスを提供するためのカートリッジ後端開口部を備える。
【0091】
図示のように、カートリッジ700は、2室のカートリッジであってよい。カートリッジは、カートリッジ室702の内部で例えば第1のカートリッジ端部718に向かって例えば第1のストッパ方向722に移動することができる第2のストッパ710を備える。カートリッジ室702は、第1のカートリッジ部分室704および第2のカートリッジ部分室706を含む。第1のカートリッジ部分室704は、第1のストッパ708と第2のストッパ710との間に位置する。第2のカートリッジ部分室706は、第2のストッパ710とカートリッジ出口714との間に位置する。カートリッジは、第1のカートリッジ部分室704と第2のカートリッジ部分室706との間の連通をもたらすためのバイパス部712を備える。バイパス部712は、第2のストッパ710がバイパス部712に位置するときに第1のカートリッジ部分室704と第2のカートリッジ部分室706との間の連通をもたらす。
【0092】
図4a~
図4dが、典型的なカートリッジアセンブリ600を概略的に示している。カートリッジアセンブリ600は、典型的なカートリッジ700および典型的なカートリッジコード特徴部1000を備える。カートリッジ700は、第1のカートリッジ端部718および第2のカートリッジ端部720を有する。第1のストッパ方向722は、第2のカートリッジ端部720から第1のカートリッジ端部718への方向である。カートリッジコード特徴部1000は、第2のカートリッジ端部720の近くに配置され、例えば第1のカートリッジ端部718よりも第2のカートリッジ端部720のより近くに配置される。別の典型的なカートリッジアセンブリにおいては、カートリッジコード特徴部1000を、第1のカートリッジ端部718の近くに配置してもよい。
【0093】
図4a~
図4dは、異なる種類の典型的なカートリッジコード特徴部1000を示している。
【0094】
図4aは、カートリッジコード特徴部1000が2つのストリップを備えている典型的なカートリッジアセンブリ600を示している。2つのストリップは、着色されてよく、例えば異なる着色とされてよい。色の組み合わせおよび/または並びが、カートリッジコード特徴部1000のコードを表すことができる。
【0095】
図4bは、カートリッジコード特徴部1000がバーコードを備えている典型的なカートリッジアセンブリ600を示している。カートリッジコード特徴部1000は、1つ以上のバーコードを備えることができる。バーコードは、カートリッジコード特徴部1000のコードを表す数字を示すことができる。
【0096】
図4cは、カートリッジコード特徴部1000が異なる格子模様のストリップを備えている典型的なカートリッジアセンブリ600を示している。例えば、図示されているように、カートリッジコード特徴部1000は、2つのストリップを備えることができ、第1のストリップは、45度の格子模様とされ、第2のストリップは、-45度の格子模様とされる。格子および/またはお互いに対するストリップの格子が、カートリッジコード特徴部1000のコードを表すことができる。
【0097】
図4dは、カートリッジコード特徴部1000がRFIDタグまたはNFCタグなどの電磁的に読み取り可能なタグを備える典型的なカートリッジアセンブリ600を示している。電磁的に読み取り可能なタグは、カートリッジコード特徴部1000のコードを表すデータを含むことができる。
【0098】
図5が、典型的なシステム2を示している。システム2は、例えば
図1に関連して説明したとおりの自動注射器4と、典型的なカートリッジアセンブリ600とを備える。カートリッジアセンブリ600は、カートリッジ室702を有するカートリッジ700と、針アセンブリ900と、カートリッジコード特徴部1000とを備える。カートリッジアセンブリ600は、自動注射器4に受け入れられる。
【0099】
カートリッジアセンブリ600は、カートリッジホルダ800を備える。カートリッジホルダ800は、自動注射器4のカートリッジ受け300にカートリッジ700を保持するように構成される。カートリッジホルダ800は、カートリッジ保持部材808を備える。カートリッジ保持部材808は、カートリッジ700およびカートリッジアセンブリ600をカートリッジ受け300に受け入れるために、カートリッジ受け300と係合する。
【0100】
針アセンブリ900は、針902および針ハブ904を備える。針アセンブリ900は、例えばカートリッジホルダ800の針アセンブリ結合部812に係合する例えば螺合部などのカートリッジホルダ結合部906を有している針ハブ904によって、カートリッジ700に取り付けられる。針902は、カートリッジ700のカートリッジ出口714を通って延びる。カートリッジ出口714を、針アセンブリ900がカートリッジ700に取り付けられるときに針902によって貫かれる弾性シールによって塞ぐことができる。
【0101】
自動注射器4は、カートリッジコード特徴部1000を読み取るように構成されたコードセンサ24を備える。カートリッジアセンブリ600が挿入されると、図示のように、カートリッジコード特徴部1000がコードセンサ24に整列する。
【0102】
自動注射器4は、プランジャロッド400を備える。プランジャロッド400は、カートリッジ700の第1のストッパを前進させるように構成される。プランジャロッド400は、雌のねじ山を有する外側プランジャロッド404と、雄のねじ山を有する内側プランジャロッド402とを備える。内側プランジャロッド402のねじ山は、外側プランジャロッド404のねじ山に係合する。外側プランジャロッド404の自動注射器のハウジングに対する回転は、防止される。プランジャロッド400の移動は、内側プランジャロッド402の回転を含む。内側プランジャロッド402の回転は、外側プランジャロッド404の回転が制限されているため、外側プランジャロッド404の平行移動をもたらす。外側プランジャロッド404は、第1のストッパ方向722に平行移動するとき、カートリッジ700の第1のストッパに当接し、第1のストッパを第1のストッパ方向722に移動させるように構成される。
【0103】
駆動モジュール500が、プランジャロッド400を作動させるように組み合わせられる。駆動モジュール500は、電力を受け取るためにバッテリに電気的に接続される。駆動モジュール500は、DCモータなどの電気機械モータなどのモータ502を備える。駆動モジュール500は、モータ502をプランジャロッド400の内側プランジャロッド402に結合させるための伝達機構504を備える。
【0104】
図示の例は、電気機械モータであってよいモータ502を備えているが、例えばプランジャロッド400を作動させるように構成されたソレノイドモータ、形状記憶金属エンジン、ばね装置、および/または加圧ガスを備える他の駆動モジュールを有する自動注射器4も実現可能であることを、容易に理解できるであろう。
【0105】
自動注射器4は、プランジャロッド位置センサなどの排出センサ26を備える。排出センサ26は、プランジャロッド400の位置を検出するように構成される。図示の例において、排出センサ26は、モータ502の回転をカウント/検出するように構成された回転計を備える。したがって、プランジャロッド400の位置を明らかにすることができる。排出センサ26は、プランジャロッド400の位置の検出に基づいて、カートリッジ室内の薬剤および/または空気の吐出を検出することができる。プランジャロッド400の位置は、カートリッジ700の第1のストッパの位置を表す。
【0106】
図6a~
図6cは、典型的な位置にある典型的なカートリッジアセンブリ600およびプランジャロッド400を概略的に示している。
【0107】
カートリッジアセンブリ600は、カートリッジ700と、カートリッジホルダ800と、針アセンブリ900とを備える。
【0108】
カートリッジ700は、カートリッジ室702と、第1のストッパ708と、カートリッジ出口714とを備える。カートリッジ室702は、薬剤(図示せず)を収容するように構成される。
図6a~
図6cに示されているカートリッジ700は、1室のカートリッジである。しかしながら、これは、例えば
図3に関連して説明したような2室のカートリッジであってもよい。
【0109】
カートリッジホルダ800は、カートリッジ保持部材808を備える。カートリッジ保持部材808は、自動注射器のカートリッジ受けに係合するように構成される。カートリッジホルダ800は、針アセンブリ結合部812を備える。針アセンブリ結合部812は、針アセンブリ900のカートリッジホルダ結合部906と係合するように構成される。針アセンブリ結合部812は、カートリッジ700への針の取り付けを可能にする。
【0110】
針アセンブリ900は、針902および針ハブ904を備える。針アセンブリ900は、例えばカートリッジホルダ800の針アセンブリ結合部812に係合する例えば螺合部などのカートリッジホルダ結合部906を有している針ハブ904によって、カートリッジ700に取り付けられる。針902は、カートリッジ700のカートリッジ出口714を通って延びる。
【0111】
図6aは、典型的な初期ストッパ位置にある第1のストッパ708、および典型的な初期プランジャロッド位置にあるプランジャロッド400を示している。プランジャロッド400は、プランジャロッド400のプランジャロッド前端部410が第1のストッパ708に当接するように、カートリッジ出口714に向かって、例えば第1のストッパ方向722に移動させられる。
【0112】
図6bは、典型的な第1のストッパ位置にある第1のストッパ708、および典型的な第1のプランジャロッド位置にあるプランジャロッド400を示している。
図6aと比較して、プランジャロッド400は、カートリッジ出口714に向かって、例えば第1のストッパ方向722に、第1のプランジャロッド位置まで移動している。第1のストッパ708は、プランジャロッド400の移動によって第1のストッパ位置へと移動している。第1のストッパ708は、プランジャロッド400のプランジャロッド前端部410によって押されている。
【0113】
第1のストッパ位置および/または第1のプランジャロッド位置は、カートリッジアセンブリ600のカートリッジコード特徴部(
図4を参照)によって決定されていてよい。
【0114】
第1のストッパ位置および/または第1のプランジャロッド位置は、空気の排出の完了後の第1のストッパ708および/またはプランジャロッド400の位置であってよい。したがって、第1のストッパ位置および/または第1のプランジャロッド位置は、カートリッジ室702内の空気を例えばカートリッジ出口714および/または針902を通って吐出させた第1のストッパ708および/またはプランジャロッド400の位置であってよい。
【0115】
図6cは、典型的な第2のストッパ位置にある第1のストッパ708、および典型的な第2のプランジャロッド位置にあるプランジャロッド400を示している。
図6bと比較して、プランジャロッド400は、カートリッジ出口714に向かって、例えば第1のストッパ方向722に、第2のプランジャロッド位置まで移動している。第1のストッパ708は、プランジャロッド400の移動によって第2のストッパ位置へと移動している。第1のストッパ708は、プランジャロッド400のプランジャロッド前端部410によって押されている。
【0116】
第2のストッパ位置および/または第2のプランジャロッド位置は、薬剤の注射の完了後など、薬剤の排出の完了後の第1のストッパ708および/またはプランジャロッド400の位置であってよい。したがって、第2のストッパ位置および/または第2のプランジャロッド位置は、カートリッジ室702内の薬剤を例えばカートリッジ出口714および/または針902を通って吐出させた第1のストッパ708および/またはプランジャロッド400の位置であってよい。
【0117】
図7が、典型的な自動注射器4のブロック図を示している。自動注射器は、複数のセンサ22,24,26,28,30,32,34と、処理ユニット20と、駆動モジュール500と、トリガ部材1102とを備える。センサ22,24,26,28,30,32,34は、処理ユニット20に接続される。トリガ部材1102は、処理ユニット20に接続される。処理ユニットは、駆動モジュール500に接続される。
【0118】
処理ユニット20は、センサ22,24,26,28,30,32,34およびトリガ部材1102から信号を受信する。処理ユニット20は、駆動モジュール500を制御するように構成される。処理ユニット20は、センサ22,24,26,28,30,32,34からの受信信号のうちの1つ以上に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。
【0119】
自動注射器4は、向きセンサ22を備える。向きセンサ22は、自動注射器4に受け入れられたカートリッジの向きを表す向き信号をもたらすように構成される。例えば、向きセンサ22を、自動注射器4の向きを検出するように構成することができる。カートリッジの向きを、自動注射器4の向きに基づいて決定することができる。向きセンサ22を、重力の方向を検出するように構成することができる。例えば、向きセンサ22は、加速度計を備えることができる。
【0120】
処理ユニット20は、向きセンサ22に接続される。処理ユニット20は、向き信号を受信するように構成される。処理ユニット20は、向き信号に基づいてカートリッジの向きを決定することができる。処理ユニット20は、向き信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、向き信号に基づいてプランジャロッドを第1のプランジャロッド位置へと移動させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。例えば、処理ユニット20を、例えばプランジャロッドの第1のプランジャロッド位置への移動にて空気がカートリッジ室から吐出されるよう、カートリッジ出口が上方を向いている場合に限り、プランジャロッドを第1のプランジャロッド位置へと移動させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。
【0121】
自動注射器4は、コードセンサ24を備える。コードセンサ24は、カートリッジコード特徴部を読み取り、カートリッジコード特徴部を表すコード信号をもたらすように構成される。例えば、コードセンサを、色コードを読み取る/検出するように構成することができる。
【0122】
処理ユニット20は、コードセンサ24に接続される。処理ユニット20は、コード信号を受信するように構成される。処理ユニット20は、コード信号に基づいてカートリッジアセンブリのカートリッジコード特徴部を決定することができる。処理ユニット20は、コード信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、コード信号に基づいて駆動モジュール500を制御してプランジャロッドを第1のプランジャロッド位置および/または第2のプランジャロッド位置へと移動させるように構成することができる。例えば、処理ユニット20を、コード信号に基づいて第1のプランジャロッド位置の位置を決定するように構成することができる。
【0123】
自動注射器4は、プランジャロッド位置センサなどの排出センサ26を備える。排出センサ26は、自動注射器4のプランジャロッドの位置および/またはカートリッジの第1のストッパの位置を検出し、プランジャロッドおよび/または第1のストッパの位置を表す排出センサ信号をもたらすように構成される。
【0124】
処理ユニット20は、排出センサ26に接続される。処理ユニット20は、排出センサ信号を受信するように構成される。処理ユニット20は、排出センサ信号に基づいてプランジャロッドの位置を決定することができる。処理ユニット20は、排出センサ信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、排出センサ信号に基づいてプランジャロッドの移動を開始させ、停止させ、あるいは継続させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。例えば、処理ユニット20を、排出センサ信号に基づいてプランジャロッドが第1のプランジャロッド位置へと移動したと判断するように構成することができる。
【0125】
自動注射器4は、カートリッジセンサ28を備える。カートリッジセンサ28は、自動注射器4におけるカートリッジアセンブリの受け入れを検出するように構成される。カートリッジセンサ28は、カートリッジアセンブリの受け入れを示すカートリッジセンサ信号をもたらす。
【0126】
処理ユニット20は、カートリッジセンサ28に接続される。処理ユニット20は、カートリッジセンサ信号を受信するように構成される。処理ユニット20は、カートリッジセンサ信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、カートリッジアセンブリが受け入れられた場合、および/またはカートリッジアセンブリが受け入れられた場合に限り、プランジャロッドの移動を開始させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。
【0127】
コードセンサ24およびカートリッジセンサ28は、同じセンサであってもよく、例えばコードセンサ24を、カートリッジアセンブリの受け入れを検出し、次いでカートリッジコード特徴部を読み取るように構成することができる。
【0128】
自動注射器4は、針センサ30を備える。針センサ30は、カートリッジアセンブリが自動注射器4に受け入れられたときに、カートリッジアセンブリの針および/または針アセンブリおよび/または針アセンブリの針カバーを検出するように構成される。針センサ30は、カートリッジアセンブリの針および/または針アセンブリおよび/または針アセンブリの針カバーの存在を示す針信号をもたらす。
【0129】
処理ユニット20は、針センサ30に接続される。処理ユニット20は、針信号を受信するように構成される。処理ユニット20は、針信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、針が存在する場合に限り、さらには/あるいは針カバーが存在しない場合に限って、プランジャロッドの移動を開始させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。
【0130】
自動注射器4は、温度センサ32を備える。温度センサ32は、自動注射器および/またはカートリッジおよび/または薬剤の温度などの温度を検出するように構成される。温度センサ32は、温度を表す温度信号をもたらすように構成される。
【0131】
処理ユニット20は、温度センサ32に接続される。処理ユニット20は、温度信号を受信するように構成される。処理ユニット20を、温度信号に基づいて自動注射器および/またはカートリッジおよび/または薬剤の温度などの温度を決定するように構成することができる。処理ユニット20は、温度信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、温度信号に基づいて駆動モジュール500を制御してプランジャロッドを第1のプランジャロッド位置および/または第2のプランジャロッド位置に移動させるように構成することができる。例えば、処理ユニット20を、温度信号に基づいて第1のプランジャロッド位置の位置を決定するように構成することができる。
【0132】
自動注射器4は、抵抗センサ34を備える。抵抗センサ34は、自動注射器4のプランジャロッドの移動に対する抵抗を検出するように構成される。抵抗センサ34を、駆動モジュール500の測定値に基づいてプランジャロッドの移動に対する抵抗を検出するように構成することができる。例えば、抵抗センサ34を、駆動モジュール500のモータの電流を検出するように構成することができる。抵抗センサ34は、プランジャロッドの移動に対する抵抗を表す抵抗信号をもたらすように構成される。
【0133】
処理ユニット20は、抵抗センサ34に接続される。処理ユニット20は、抵抗信号を受信するように構成される。処理ユニット20を、抵抗信号に基づいてプランジャロッドの移動に対する抵抗を決定するように構成することができる。処理ユニット20は、抵抗信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、抵抗信号に基づいてプランジャの移動を調整するように、駆動モジュール500を制御するように構成することができる。例えば、処理ユニット20を、抵抗信号に基づいてプランジャロッドの移動を開始させ、停止させ、あるいは継続するように、駆動モジュール500を制御するように構成することができる。
【0134】
上述のセンサのすべてを含む自動注射器4が、例示されている。しかしながら、代わりに、自動注射器は、上述したセンサのうちのただ1つ、または上述したセンサのうちの1つ以上からなる任意の組み合わせを備えることができる。
【0135】
自動注射器は、トリガ部材1102を備える。トリガ部材1102は、作動時にトリガイベントをもたらすように構成される。例えば、トリガ部材1102は、注射部位に押し付けられて作動するように構成された接触部材であってよい。
【0136】
処理ユニット20は、トリガ部材1102に接続される。処理ユニット20は、トリガイベントを受信するように構成される。処理ユニット20は、トリガイベントに基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、トリガイベントの受信を受けてプランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。処理ユニット20を、トリガ部材1102からトリガイベントを受信した後でのみ、例えば薬剤を注射するためにプランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。
【0137】
自動注射器は、センサ22,24,26,28,30,32,34、処理ユニット20、トリガ部材1102、および駆動モジュール500を収容するハウジング6を備える。
【0138】
図8が、これまでの図に関連して説明した自動注射器などの自動注射器を動作させるための典型的な方法2000のフロー図を示している。方法2000は、カートリッジアセンブリを受け入れるステップ2001と、カートリッジアセンブリのカートリッジコード特徴部を読み取るステップ2002と、自動注射器のプランジャロッドを、カートリッジコード特徴部に基づく第1のプランジャロッド位置へと移動させるステップ2004と、トリガイベントを受信するステップ2006と、トリガイベントの受信後にプランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるステップ2008とを含む。
【0139】
方法2000は、カートリッジの向きを決定する随意によるステップ2010をさらに含む。このステップは、カートリッジコード特徴部を読み取るステップ2002と同時に実行されてよい。しかしながら、代案においては、向きを決定するステップ2010を、カートリッジコード特徴部を読み取るステップ2002の前または後に実行してもよい。向きを決定するステップ2010が存在する場合、プランジャロッドを第1のプランジャロッド位置へと移動させるステップ2004は、決定された向きに基づくことができる。例えば、移動させるステップ2004は、決定された方向が例えば鉛直の予め定められた範囲内にあることを必要とすることができる。
【0140】
方法2000は、温度を検出する随意によるステップ2012をさらに含む。このステップは、カートリッジコード特徴部を読み取るステップ2002および/または向きを決定するステップ2010と同時に実行されてよい。しかしながら、代案においては、温度を検出するステップ2012を、カートリッジコード特徴部を読み取るステップ2002の前または後、ならびに/あるいは向きを決定するステップ2010の前または後に実行してもよい。温度を検出するステップ2012が存在する場合、第1のプランジャロッド位置は、検出された温度にさらに基づくことができる。プランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるステップ2008は、検出された温度に基づくことができる。例えば、移動2008の速度が、検出された温度に基づくことができる。
【0141】
典型的な方法2000の各ステップ、とくにはカートリッジアセンブリのカートリッジコード特徴部を読み取るステップ2002、カートリッジの向きを決定する随意によるステップ2010、温度を検出する随意によるステップ2012、自動注射器のプランジャロッドを第1のプランジャロッド位置へと移動させるステップ2004、トリガイベントを受信するステップ2006、およびプランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるステップ2008を、自動注射器の処理ユニットなどの処理ユニットによって制御することができる。
【0142】
典型的な自動注射器、カートリッジ、システム、および方法が、以下の項目に記載される。
【0143】
項目1.薬剤を投与するための自動注射器であって、
ハウジングと、
薬剤を収容するカートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備えるカートリッジアセンブリを受け入れるように構成されたカートリッジ受けと、
前記カートリッジコード特徴部を読み取るように構成されたコードセンサと、
プランジャロッドを移動させるように組み合わせられた駆動モジュールと、
前記コードセンサおよび前記駆動モジュールに接続された処理ユニットと
を備えており、
前記処理ユニットは、
・前記コードセンサから前記カートリッジコード特徴部を表すコード信号を受信し、
・前記プランジャロッドを、前記コード信号に基づく第1のプランジャロッド位置へと移動させるように、前記駆動モジュールを制御する
ように構成されている、自動注射器。
【0144】
項目2.前記第1のプランジャロッド位置は、前記カートリッジから空気を吐出させるように選択される、項目1に記載の自動注射器。
【0145】
項目3.前記処理ユニットは、
・トリガイベントを受信し、
・前記トリガイベントの受信の後に、前記プランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるように、前記駆動モジュールを制御する
ようにさらに構成されている、項目1または2に記載の自動注射器。
【0146】
項目4.トリガ部材を備えており、前記トリガイベントは、前記トリガ部材の作動を含む、項目3に記載の自動注射器。
【0147】
項目5.前記トリガイベントは、当該自動注射器が注射部位に対して押し付けられたことを示す、項目3または4に記載の自動注射器。
【0148】
項目6.向きセンサを備えており、前記処理ユニットは、前記向きセンサに接続され、前記処理ユニットは、前記カートリッジ受けに受け入れられたカートリッジの向きを表す向き信号を前記向きセンサから受信するように構成され、前記処理ユニットは、前記向き信号に基づいて前記プランジャロッドを前記第1のプランジャロッド位置へと移動させるように前記駆動モジュールを制御するように構成されている、項目1~5のいずれかに記載の自動注射器。
【0149】
項目7.前記向きセンサは、加速度計を備える、項目6に記載の自動注射器。
【0150】
項目8.前記処理ユニットは、鉛直とカートリッジに沿って延びる長手軸との間の傾斜が鉛直の45度の範囲内であり、カートリッジのカートリッジ出口がカートリッジの薬剤を収容しているカートリッジ室よりも高い鉛直位置にある旨を前記向き信号が示す場合に限り、前記プランジャロッドを前記第1のプランジャロッド位置へと移動させるように前記駆動モジュールを制御するように構成されている、項目6または7に記載の自動注射器。
【0151】
項目9.前記コードセンサは、光学センサを備える、項目1~8のいずれかに記載の自動注射器。
【0152】
項目10.前記カートリッジコード特徴部は、色、バーコード、RFIDタグ、NFCタグ、識別番号、およびQRコード(登録商標)のうちの1つ以上を備える、項目1~9のいずれかに記載の自動注射器。
【0153】
項目11.前記カートリッジ受けに受け入れられたカートリッジの温度を表す温度信号をもたらすように構成された温度センサを備え、前記処理ユニットは、前記温度センサに接続され、前記温度信号を受信するように構成され、前記処理ユニットは、前記温度信号に基づいて前記プランジャロッドを前記第1のプランジャロッド位置へと移動させるように前記駆動モジュールを制御するように構成されている、項目1~10のいずれかに記載の自動注射器。
【0154】
項目12.前記プランジャロッドは、前記コード信号に基づく第1のプランジャロッド速度で前記第1のプランジャロッド位置へと移動させられる、項目1~11のいずれかに記載の自動注射器。
【0155】
項目13.自動注射器用のカートリッジアセンブリであって、カートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備えており、前記カートリッジは、薬剤を収容し、前記カートリッジコード特徴部は、該カートリッジコード特徴部に基づいて自動注射器のプランジャロッドを第1のプランジャロッド位置へと移動させるために自動注射器のコードセンサによって読み取られるように構成されている、カートリッジアセンブリ。
【0156】
項目14.前記カートリッジは、薬剤を収容するカートリッジ室と、カートリッジ出口と、前記カートリッジ室内を前記カートリッジ出口に向かって移動することができる第1のストッパとを備え、前記カートリッジコード特徴部は、前記カートリッジ室内の空気が少なくなる前記第1のストッパの位置を表す、項目13に記載のカートリッジアセンブリ。
【0157】
項目15.前記カートリッジ室は、薬剤の第1の薬剤成分を収容する第1のカートリッジ部分室と、薬剤の第2の薬剤成分を収容する第2のカートリッジ部分室とを有し、前記第1の薬剤成分は、流体であり、前記第2の薬剤成分は、凍結乾燥させられた薬剤である、項目13または14に記載のカートリッジアセンブリ。
【0158】
項目16.カートリッジアセンブリと、自動注射器とを備えるシステムであって、
前記カートリッジアセンブリは、カートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備え、前記カートリッジは、薬剤を収容し、前記自動注射器は、
ハウジングと、
前記カートリッジアセンブリを受け入れるように構成されたカートリッジ受けと、
前記カートリッジコード特徴部を読み取るように構成されたコードセンサと、
プランジャロッドを移動させるように組み合わせられた駆動モジュールと、
前記コードセンサおよび前記駆動モジュールに接続された処理ユニットと
を備えており、
前記処理ユニットは、
・前記コードセンサから前記カートリッジコード特徴部を表すコード信号を受信し、
・前記プランジャロッドを、前記コード信号に基づく第1のプランジャロッド位置へと移動させるように、前記駆動モジュールを制御する
ように構成されている、システム。
【0159】
項目17.前記処理ユニットは、
・トリガイベントを受信し、
・前記トリガイベントの受信の後に、前記プランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるように、前記駆動モジュールを制御する
ようにさらに構成されている、項目16に記載のシステム。
【0160】
項目18.プランジャロッドを備える自動注射器を動作させるための方法であって、
・薬剤を収容するカートリッジと、カートリッジコード特徴部とを備えるカートリッジアセンブリを受け入れるステップと、
・前記カートリッジコード特徴部を読み取るステップと、
・前記カートリッジコード特徴部に基づく第1のプランジャロッド位置へと、前記プランジャロッドを移動させるステップと
を含む方法。
【0161】
項目19.・トリガイベントを受信するステップと、
・前記トリガイベントの受信の後に、前記プランジャロッドを第2のプランジャロッド位置へと移動させるステップと
をさらに含む、項目18に記載の方法。
【0162】
項目20.前記プランジャロッドは、前記コード信号に基づく第1のプランジャロッド速度で前記第1のプランジャロッド位置へと移動させられる、項目18または19に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を投与するための自動注射器(4)とカートリッジアセンブリ(600)とを備えるシステムであって、前記カートリッジアセンブリ(600)は、カートリッジ(700)と、カートリッジコード特徴部(1000)とを備え、前記カートリッジ(700)は、薬剤を収容するカートリッジ室(702)とカートリッジ出口(714)を備え、前記自動注射器は、
ハウジング(6)と、
前記カートリッジアセンブリ(600)を受け入れるように構成されたカートリッジ受け(300)と、
前記カートリッジコード特徴部(1000)を読み取るように構成されたコードセンサ(24)と、
プランジャロッド(400)を移動させるように組み合わせられた駆動モジュール(500)と、
前記プランジャロッド(400)の位置を示す排出センサ信号をもたらすように構成される、排出センサ(26)と、
前記コードセンサ(24)、前記駆動モジュール(500)および前記排出センサ(26)に接続された処理ユニット(200)と
を備えており、
前記処理ユニットは、
・前記コードセンサ(24)から前記カートリッジコード特徴部(1000)を表すコード信号を受信し、
・前記排出センサ(26)から前記プランジャロッド(400)の位置を示す排出センサ信号を受信し、
・前記プランジャロッド(400)を、前記排出センサ信号に基づく第1のプランジャロッド位置へと移動させるように、前記駆動モジュール(500)を制御することであって、前記第1のプランジャロッド位置は前記コード信号に基づき、前記駆動モジュール(500)を制御する
ように構成され、
前記プランジャロッド(400)の前記第1のプランジャロッド位置への移動にて空気が前記カートリッジ(700)から吐出され、空気をカートリッジから吐出すことにより、カートリッジ室(702)内の空気が注射に適した量まで減らされ、
カートリッジ出口(714)が上方を向いている場合に限り、前記プランジャロッド(400)が第1のプランジャロッド位置に移動される、
システム。
【請求項2】
前記排出センサ(26)は、回転計を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理ユニット(20)が、前記排出センサ信号に基づいて前記プランジャロッド(400)が前記第1のプランジャロッド位置へと移動されたと判断するように構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記排出センサ信号は、前記駆動モジュール(500)の回転数のカウントを示す第1の排出センサ信号と、前記プランジャロッド(400)が既知の位置にあることを示す第2の排出センサ信号とを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の排出センサ信号は、前記プランジャロッド(400)が完全に後退した位置にあることを示す、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理ユニット(20)は、
・トリガイベントを受信し、
・前記トリガイベントの受信の後に、前記プランジャロッド(400)を第2のプランジャロッド位置へと移動させるように、前記駆動モジュール(500)を制御する
ようにさらに構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
トリガ部材(1102)を備えており、前記トリガイベントは、前記トリガ部材の作動を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記トリガイベントは、当該自動注射器(4)が注射部位に対して押し付けられたことを示す、請求項6または7に記載のシステム。
【請求項9】
向きセンサ(22)を備えており、前記処理ユニット(20)は、前記向きセンサ(22)に接続され、前記処理ユニット(20)は、前記カートリッジ受け(300)に受け入れられたカートリッジ(700)の向きを表す向き信号を前記向きセンサ(22)から受信するように構成され、前記処理ユニット(20)は、前記向き信号に基づいて前記プランジャロッド(400)を前記第1のプランジャロッド位置へと移動させるように前記駆動モジュール(500)を制御するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記向きセンサ(22)は、加速度計を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項11】
前記処理ユニット(20)は、鉛直とカートリッジ(700)に沿って延びる長手軸との間の傾斜が鉛直の45度の範囲内であり、前記カートリッジ(700)のカートリッジ出口(714)がカートリッジ(700)の薬剤を収容しているカートリッジ室(702)よりも高い鉛直位置にある旨を前記向き信号が示す場合に、前記プランジャロッド(400)を前記第1のプランジャロッド位置へと移動させるように前記駆動モジュール(500)を制御するように構成されている、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コードセンサ(24)は、光学センサを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記カートリッジコード特徴部(1000)は、色、バーコード、RFIDタグ、NFCタグ、識別番号、およびQRコード(登録商標)のうちの1つ以上を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記プランジャロッド(400)は、前記コード信号に基づく第1のプランジャロッド速度で前記第1のプランジャロッド位置へと移動させられる、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
プランジャロッド(400)を備える1~14のいずれか一項に記載のシステムを動作させるための方法であって、
・前記薬剤を収容する前記カートリッジ(700)と、前記カートリッジコード特徴部(1000)とを備える前記カートリッジアセンブリ(600)を受け入れるステップと、
・前記カートリッジコード特徴部(1000)を読み取るステップと、
・前記排出センサ信号を受信するステップと、
・前記カートリッジコード特徴部(1000)に基づく第1のプランジャロッド位置へと、前記プランジャロッド(400)を移動させるステップであって、前記プランジャロッド(400)が、前記第1のプランジャロッド位置に位置されるときに、空気が前記カートリッジ(700)から吐き出され、前記カートリッジ出口(714)が上方を向いている場合に限り、プランジャロッド(400)が前記第1のプランジャロッド位置に移動される、ステップと
を含む方法。