(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106878
(43)【公開日】2022-07-20
(54)【発明の名称】単一挿入複数サンプリング生検装置
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
A61B10/02 110J
A61B10/02 110K
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074310
(22)【出願日】2022-04-28
(62)【分割の表示】P 2019547599の分割
【原出願日】2017-11-22
(31)【優先権主張番号】62/425,974
(32)【優先日】2016-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】アアツ,セーアン・ファルケスゴー
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,アンジェラ・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ホルメ,イェンス・ヨルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ジ,ウェイナン
(72)【発明者】
【氏名】フラクチュコフスキ,マレク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組織サンプルの効果的な切断、および、サンプル収集コンテナへの組織サンプルの効果的な輸送を推進するための能力を有する生検デバイスを提供する。
【解決手段】生検プローブアッセンブリ14は、同軸に配置される真空カニューレおよびスタイレットカニューレ46を有する。真空カニューレは、細長い部分から遠位に延在するフレア付き部分を有する。スタイレットカニューレは、第1の伸長位置と第1の後退位置との間で移動可能である。スタイレットカニューレは、サンプル用ノッチ60および突出部材を有する遠位部分を有しており、突出部材は、サンプル用ノッチの長手方向延在部の一部分に沿って、スタイレットカニューレのルーメンの中を近位に延在しており、スタイレットカニューレが第1の後退位置にあるときに、突出部材は、真空カニューレのフレア付き部分の中に受け入れられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生検装置であって、
電気機械的動力源および真空源を有するドライバアッセンブリと、
前記ドライバアッセンブリに解放可能に取り付けられる生検プローブアッセンブリであって、前記生検プローブアッセンブリは、長手方向軸線に沿って同軸に配置される真空カニューレおよびスタイレットカニューレを有しており、前記真空カニューレは、前記スタイレットカニューレの内側に位置決めされている、生検プローブアッセンブリと
を備え、
前記真空カニューレは、前記真空源と流体連通した状態で連結されており、前記真空カニューレは、細長い部分およびフレア付き部分を有しており、前記フレア付き部分は、前記細長い部分から遠位に延在しており、
前記スタイレットカニューレは、前記電気機械的動力源と駆動式に連通した状態で連結されており、前記スタイレットカニューレは、第1の伸長位置と第1の後退位置との間で前記真空カニューレに対して移動可能であり、前記スタイレットカニューレは、近位部分および遠位部分を有しており、前記遠位部分は、サンプル用ノッチおよび突出部材を有しており、前記突出部材は、前記サンプル用ノッチの長手方向延在部の一部分に沿って、前記スタイレットカニューレのルーメンの中を近位方向に延在しており、前記スタイレットカニューレが前記第1の後退位置にあるときに、前記突出部材は、前記真空カニューレの前記フレア付き部分の中に受け入れられ、
前記生検プローブアッセンブリは、前記スタイレットカニューレおよび前記真空カニューレと同軸のカッターカニューレを含み、前記カッターカニューレは、前記サンプル用ノッチを選択的にカバーまたは露出させるように前記スタイレットカニューレに対して移動可能である、生検装置。
【請求項2】
前記真空カニューレの前記フレア付き部分は、前記細長い部分に対して第1の鋭角で前記細長い部分から広がる第1のフレア部と、前記細長い部分に対して第2の鋭角で前記第1のフレア部から広がる第2のフレア部とを有しており、前記第2の鋭角は、前記第1の鋭角よりも大きい、請求項1に記載の生検装置。
【請求項3】
前記スタイレットカニューレは、前記カッターカニューレの中に位置決めされており、前記カッターカニューレは、前記サンプル用ノッチをカバーするための第2の伸長位置と、前記スタイレットカニューレが前記第1の伸長位置にあるときに、前記サンプル用ノッチを露出させるための第2の後退位置との間で、前記スタイレットカニューレに対して移動可能である、請求項1または2に記載の生検装置。
【請求項4】
前記ドライバアッセンブリは、前側表面を有するドライバハウジングを含み、前記生検プローブアッセンブリは、細長い部分と前側プレートとを有するプローブハウジングを有しており、前記生検プローブアッセンブリが前記ドライバアッセンブリに取り付けられたときに、前記前側プレートは、前記ドライバハウジングの前記前側表面の全体に隣接して遠位に位置決めされて、前記ドライバアッセンブリの前記前側表面の全体を遮蔽する、請求項1から3のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項5】
前記ドライバアッセンブリは、
前記電気機械的動力源に電気的におよび通信可能に連結されているコントローラ回路をさらに含み、
前記電気機械的動力源は、カッターモジュールおよび輸送モジュールを有しており、前記カッターモジュールは、第1のモータを有しており、前記輸送モジュールは、第2のモータを有しており、前記生検プローブアッセンブリが前記ドライバアッセンブリに取り付けられたときに、前記カッターモジュールは、前記カッターカニューレに駆動可能に連結されており、前記輸送モジュールは、前記スタイレットカニューレに駆動可能に連結されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項6】
前記第1のモータおよび前記第2のモータのそれぞれは、最大連続電流定格を有しており、それぞれの前記モータは、前記最大連続電流定格において無期限に稼働することが可能であり、前記コントローラ回路は、前記第1のモータおよび前記第2のモータのそれぞれの電流を制御するためのプログラム命令を実行するように構成されており、前記コントローラ回路は、前記電流がそれぞれのモータについての最大連続レベルを超えているときに、前記モータが高密度組織に進入したということを決定するように構成されている、請求項5に記載の生検装置。
【請求項7】
前記コントローラ回路は、プロセッサ回路およびメモリ回路を有しており、また、前記第1のモータおよび前記第2のモータのそれぞれの前記メモリ回路の中に確立される仮想エネルギーリザーバを有しており、前記プロセッサ回路は、それぞれのモータに供給される電流を制御するために、プログラム命令を実行するように構成されており、モータ保護を提供し、かつ、前記仮想エネルギーリザーバの状態に基づいて、これにより、それぞれのモータ電流が短い時間の期間にわたって前記最大連続電流定格を超えることを許容する、請求項6に記載の生検装置。
【請求項8】
それぞれの仮想エネルギーリザーバが、充填または排出されることが可能であり、前記コントローラ回路は、時間の経過とともにそれぞれのモータに関する実際のモータ巻線電流と前記最大連続電流定格との間の差を積分するように構成されており、前記仮想エネルギーリザーバのエネルギー蓄積レベルが上側閾値を上回っているときには、前記コントローラ回路は、前記それぞれのモータに供給される前記電流を低減させるように構成されており、前記仮想エネルギーリザーバの前記エネルギー蓄積レベルが下側閾値を下回って降下するときには、前記コントローラ回路は、前記それぞれのモータに供給される前記電流を増加させるように構成されている、請求項7に記載の生検装置。
【請求項9】
前記コントローラ回路は、前記真空カニューレの前記フレア付き部分の中へおよび前記真空カニューレの前記フレア付き部分から離れるように、前記スタイレットカニューレの前記突出部材を繰り返して移動させ、組織サンプルを前記真空カニューレの前記フレア付き部分の中へ送達することを支援するためのプログラム命令を実行するように構成されている、請求項5から8のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項10】
前記装置は、前記スタイレットカニューレの前記突出部材が前記真空カニューレの前記フレア付き部分の中へおよび前記真空カニューレの前記フレア付き部分から離れるように繰り返して移動させられている時間の間に、真空が前記真空カニューレに連続的に印加されるように制御される、請求項9に記載の生検装置。
【請求項11】
生検装置であって、
電気機械的動力源、真空源、および前記電気機械的動力源および前記真空源に、電気的におよび通信可能に連結されているコントローラ回路を有するドライバアッセンブリと、
前記ドライバアッセンブリに解放可能に取り付けられる生検プローブアッセンブリであって、前記生検プローブアッセンブリは、長手方向軸線に沿って同軸に配置される真空カニューレ、スタイレットカニューレ、およびカッターカニューレを有しており、前記真空カニューレは、前記スタイレットカニューレの内側に位置決めされており、前記スタイレットカニューレは、前記カッターカニューレの内側に位置決めされている、生検プローブアッセンブリと
を備え、
前記真空カニューレは、前記真空源と流体連通した状態で連結されており、前記真空カニューレは、細長い部分およびフレア付き部分を有しており、前記フレア付き部分は、前記細長い部分から遠位に延在しており、
前記スタイレットカニューレは、前記電気機械的動力源と駆動式に連通した状態で連結されており、前記スタイレットカニューレは、第1の伸長位置と第1の後退位置との間で、前記真空カニューレに対して移動可能であり、前記スタイレットカニューレは、近位部分および遠位部分を有しており、前記遠位部分は、サンプル用ノッチおよび突出部材を有しており、前記突出部材は、前記サンプル用ノッチの長手方向延在部の一部分に沿って、前記スタイレットカニューレのルーメンの中を近位方向に延在しており、前記スタイレットカニューレが前記後退位置にあるときに、前記突出部材は、前記真空カニューレの前記フレア付き部分の中に受け入れられており、
前記カッターカニューレは、前記電気機械的動力源と駆動式に連通した状態に連結されており、前記カッターカニューレは、前記サンプル用ノッチをカバーするための第2の伸長位置と、前記スタイレットカニューレが前記第1の伸長位置にあるときに、前記サンプル用ノッチを露出させるための第2の後退位置との間で、前記スタイレットカニューレに対して移動可能である、生検装置。
【請求項12】
前記コントローラ回路は、前記真空カニューレの前記フレア付き部分の中へおよび前記真空カニューレの前記フレア付き部分から離れるように、前記スタイレットカニューレの前記突出部材を繰り返して移動させ、組織サンプルを前記真空カニューレの前記フレア付き部分の中へ送達することを支援するためのプログラム命令を実行するように構成されており、前記装置は、前記スタイレットカニューレの前記突出部材が前記真空カニューレの前記フレア付き部分の中へおよび前記真空カニューレの前記フレア付き部分から離れるように繰り返して移動させられている時間の間に、真空が前記真空カニューレに連続的に印加されるように制御される、請求項11に記載の生検装置。
【請求項13】
前記電気機械的動力源は、カッターモジュールおよび輸送モジュールを有しており、前記カッターモジュールは、第1のモータを有しており、前記輸送モジュールは、第2のモータを有しており、前記生検プローブアッセンブリが前記ドライバアッセンブリに取り付けられたときに、前記カッターモジュールは、前記カッターカニューレに駆動可能に連結されており、前記輸送モジュールは、前記スタイレットカニューレに駆動可能に連結されている、請求項11または12に記載の生検装置。
【請求項14】
前記第1のモータおよび前記第2のモータのそれぞれは、最大連続電流定格を有しており、それぞれの前記モータは、前記最大連続電流定格において無期限に稼働することが可能であり、前記コントローラ回路は、前記第1のモータおよび前記第2のモータのそれぞれの電流を制御するためのプログラム命令を実行するように構成されており、前記コントローラ回路は、前記電流がそれぞれのモータに関する最大連続レベルを超えているときに、前記モータが高密度組織に進入したということを決定するように構成されている、請求項13に記載の生検装置。
【請求項15】
前記コントローラ回路は、プロセッサ回路およびメモリ回路を有しており、ならびに前記第1のモータおよび前記第2のモータのそれぞれの前記メモリ回路の中に確立される仮想エネルギーリザーバを有しており、前記プロセッサ回路は、それぞれのモータに供給される電流を制御して、モータ保護を提供し、前記仮想エネルギーリザーバの状態に基づいて、それぞれのモータ電流が短い時間の期間にわたって前記最大連続電流定格を超えることを許容するためのプログラム命令を実行するように構成されている、請求項14に記載の生検装置。
【請求項16】
前記コントローラ回路は、時間の経過とともにそれぞれのモータに関する実際のモータ巻線電流と前記最大連続電流定格との間の差を積分するように構成されており、前記仮想エネルギーリザーバのエネルギー蓄積レベルが上側閾値を上回っているときには、前記コントローラ回路は、前記それぞれのモータに供給される前記電流を低減させるように構成されており、前記仮想エネルギーリザーバの前記エネルギー蓄積レベルが下側閾値を下回って降下するときには、前記コントローラ回路は、前記それぞれのモータに供給される前記電流を増加させるように構成されている、請求項15に記載の生検装置。
【請求項17】
前記真空カニューレの前記フレア付き部分は、前記細長い部分に対して第1の鋭角で前記細長い部分から広がる第1のフレア部と、前記細長い部分に対して第2の鋭角で前記第1のフレア部から広がる第2のフレア部とを有しており、前記第2の鋭角は、前記第1の鋭角よりも大きい、請求項11~16のいずれか一項に記載の生検装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2016年11月23日に出願された米国仮特許出願第62/425,974号の優先権を主張し、この米国仮特許出願は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
[0002]本発明は、生検デバイスに関し、より詳細には、単一挿入複数サンプリング生検装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]関心の領域内の組織が癌細胞を含むかどうかを決定するのを助けるために、生検が患者に対して実施され得る。たとえば、乳房組織を評価するために使用される1つの生検技法は、関心の乳房組織領域内へ生検プローブを挿入し、その領域から1つまたは複数の組織サンプルを捕獲することを伴う。そのような生検技法は、多くの場合、真空を利用して、サンプリング対象の組織を生検プローブのサンプル用ノッチの中へ引っ張り、その後に、組織が切断および収集される。組織サンプルを切断するための、および、切断された組織サンプルをサンプル収集コンテナへ輸送するための、生検デバイスの能力を改善するために、本技術分野において継続的に努力がなされている。
【0004】
[0004]本技術分野において必要とされているものは、組織サンプルの効果的な切断、および、サンプル収集コンテナへの組織サンプルの効果的な輸送を推進するための能力を有する生検デバイスである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]本発明は、組織サンプルの効果的な切断、および、サンプル収集コンテナへの組織サンプルの効果的な輸送を推進するための能力を有する生検デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]本発明は、1つの形態では、ドライバアッセンブリと生検プローブアッセンブリとを含む生検装置に関する。ドライバアッセンブリは、電気機械的動力源および真空源を有する。生検プローブアッセンブリは、ドライバアッセンブリに解放可能に取り付けられる。生検プローブアッセンブリは、長手方向軸線に沿って同軸に配置される真空カニューレおよびスタイレットカニューレを有しており、真空カニューレは、スタイレットカニューレの内側に位置決めされている。真空カニューレは、真空源と流体連通した状態で連結されている。真空カニューレは、細長い部分およびフレア付き部分を有しており、フレア付き部分は、細長い部分から遠位に延在する。スタイレットカニューレは、電気機械的動力源と駆動式に連通した状態で連結されている。スタイレットカニューレは、第1の伸長位置と第1の後退位置との間で、真空カニューレに対して移動可能である。スタイレットカニューレは、近位部分および遠位部分を有する。遠位部分は、サンプル用ノッチおよび突出部材を有しており、突出部材は、サンプル用ノッチの長手方向延在部の一部分に沿って、スタイレットカニューレのルーメンの中を近位方向に延在しており、スタイレットカニューレが第1の後退位置にあるときに、突出部材は、真空カニューレのフレア付き部分の中に受け入れられる。
【0007】
[0007]生検装置は、仮想エネルギーリザーバを有するコントローラ回路をさらに含むことが可能であり、コントローラ回路は、高密度組織に係合するときに、モータへの電流を
制御するためのプログラム命令を実行する。
【0008】
[0008]本発明は、別の形態では、ドライバアッセンブリと生検プローブアッセンブリとを含む生検装置に関する。ドライバアッセンブリは、電気機械的動力源、真空源、およびコントローラ回路を有する。コントローラ回路は、電気機械的動力源および真空源に、電気的におよび通信可能に連結されている。生検プローブアッセンブリは、ドライバアッセンブリに解放可能に取り付けられる。生検プローブアッセンブリは、長手方向軸線に沿って同軸に配置される真空カニューレ、スタイレットカニューレ、およびカッターカニューレを有する。真空カニューレは、スタイレットカニューレの内側に位置決めされ、スタイレットカニューレは、カッターカニューレの内側に位置決めされる。真空カニューレは、真空源と流体連通した状態で連結される。真空カニューレは、細長い部分およびフレア付き部分を有しており、フレア付き部分は、細長い部分から遠位に延在する。スタイレットカニューレは、電気機械的動力源と駆動式に連通した状態で連結されている。スタイレットカニューレは、第1の伸長位置と第1の後退位置との間で、真空カニューレに対して移動可能である。スタイレットカニューレは、近位部分および遠位部分を有する。遠位部分は、サンプル用ノッチおよび突出部材を有しており、突出部材は、サンプル用ノッチの長手方向延在部の一部分に沿って、スタイレットカニューレのルーメンの中を近位方向に延在する。スタイレットカニューレが後退位置にあるときに、スタイレットカニューレの突出部材は、真空カニューレのフレア付き部分の中に受け入れられる。カッターカニューレは、電気機械的動力源と駆動式に連通した状態に連結される。カッターカニューレは、第2の伸長位置と第2の後退位置との間で、スタイレットカニューレに対して移動可能であり、第2の伸長位置は、サンプル用ノッチをカバーするためのものであり、第2の後退位置は、スタイレットカニューレが第1の伸長位置にあるときに、サンプル用ノッチを露出させるためのものである。
【0009】
[0009]添付の図面とともに、本発明の実施形態の以下の説明を参照することによって、本発明の上述のおよび他の特徴および利点、ならびに、それらを得る様式は、より明らかになり、本発明は、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[0010]生検プローブアッセンブリがドライバアッセンブリに取り付けられた状態の、本発明の実施形態に従って構成されている生検装置の斜視図である。
【
図2】[0011]生検プローブアッセンブリがドライバアッセンブリから取り外されており、ドライバアッセンブリの駆動特徴を露出させるために、ドライバアッセンブリが反転させられている状態の、
図1の生検装置の斜視図である。
【
図3】[0012]
図1のドライバアッセンブリのブロック表現図である。
【
図4】[0013]
図1の生検プローブアッセンブリの分解図である。
【
図5A】[0014]
図2の線5A-5Aに沿った、
図1の生検プローブアッセンブリの断面図である。
【
図5B】[0015]
図5Aに示されている真空カニューレの拡大された部分を示す図である。
【
図5C】[0016]
図5Aに示されているスタイレットカニューレの拡大された部分を示す図である。
【
図6A】[0017]穿刺ショットの前、穿刺ショットの間、および穿刺ショット直後の、真空カニューレ、スタイレットカニューレ、およびカッターカニューレの相対的位置を示す図である。
【
図6B】[0018]カッターカニューレがスタイレットカニューレのサンプル用ノッチを露出させるために後退させられた状態にある、真空カニューレ、スタイレットカニューレ、およびカッターカニューレの相対的位置を示す図である。
【
図6C】[0019]スタイレットカニューレを短い距離にわたって近位方向および遠位方向に交互に移動させることによって、サンプル用ノッチをシェイクすることを示す、真空カニューレ、スタイレットカニューレ、およびカッターカニューレの相対的位置を示す図である。
【
図6D】[0020]サンプル用ノッチの中に受け入れられている組織から組織サンプルを切断するために、カッターカニューレが、遠位方向に回転および並進させられる、真空カニューレ、スタイレットカニューレ、およびカッターカニューレの相対的位置を示す図である。
【
図6E】[0021]組織サンプルを真空カニューレのフレア付き部分の中へ移動させることを機械的に支援するために、スタイレットカニューレが、カッターカニューレの中を近位方向に移動させられる、真空カニューレ、スタイレットカニューレ、およびカッターカニューレの相対的位置を示す図である。
【
図6F】[0022]突出部材を真空カニューレのフレア付き部分から解除するために、スタイレットカニューレが、カッターカニューレの中を遠位方向に移動させられる、真空カニューレ、スタイレットカニューレ、およびカッターカニューレの相対的位置を示す図である。
【
図6G】[0023]スタイレットカニューレがカッターカニューレの中を近位方向に再び移動させられ、突出部材が真空カニューレのフレア付き部分に再係合する、真空カニューレ、スタイレットカニューレ、およびカッターカニューレの相対的位置を示す図である。
【
図6H】[0024]突出部材を真空カニューレのフレア付き部分から解除するために、および、伸長位置に戻るために、スタイレットカニューレが、カッターカニューレの中を遠位方向に再び移動させられる、真空カニューレ、スタイレットカニューレ、およびカッターカニューレの相対的位置を示す図である。
【
図7】[0025]
図6A~
図6Hに示されているような組織サンプルカッティングおよび輸送シーケンスの間のいくつかの異なる位置におけるベースライン真空圧力を示す真空/時間グラフである。
【
図8】[0026]
図8Aは、
図8Bのグラフとともに見られるべき、
図1のドライバアッセンブリのモータの実際のモータ巻線電流(I)のグラフである。[0027]
図8Bは、
図8Aのグラフとともに見られるべき、
図1のドライバアッセンブリのメモリ回路の中に確立される仮想エネルギーリザーバのエネルギー状態のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0028]対応する参照符号は、いくつかの図を通して、対応するパーツを示す。本明細書で提示されている例証は、本発明の少なくとも1つの実施形態を図示しており、そのような例証は、任意の様式で本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0012】
[0029]ここで図面を参照すると、より具体的には、
図1および
図2を参照すると、非侵襲性の(たとえば、非使い捨ての)ドライバアッセンブリ12と、侵襲性の(たとえば、使い捨ての)生検プローブアッセンブリ14とを一般的に含む、生検装置10が示されている。本明細書で使用されているように、「非使い捨ての」という用語は、デバイスの寿命時間の間に複数の患者に対する使用を意図したデバイスを表すために使用されており、「使い捨ての」という用語は、単一の患者に対する使用の後に廃棄されることを意図したデバイスを表すために使用されている。ドライバアッセンブリ12は、ドライバハウジング16を含み、ドライバハウジング16は、ユーザによって掴まれるように構成され、人間工学的に設計されている。
【0013】
[0030]
図2および
図3を参照すると、ドライバアッセンブリ12は、ドライバハウジング16の中に、コントローラ回路18と、電気機械的動力源20と、真空源22と、真空センサ24と、バッテリー26(または、代替的に、ACアダプター)とを含む。ユーザインターフェース28(
図1を参照)、たとえば、キーパッドなどが、ドライバハウジン
グ16に装着されるように位置付けされており、ユーザによってドライバハウジング16に関して外部からアクセス可能である。バッテリー26は、たとえば、再充電可能なバッテリーであることが可能であり、再充電可能なバッテリーは、誘導コイル29に連結されている電磁誘導充電デバイスによって、または、代替的に、電源への電気接続部によって充電され得る。バッテリー26は、コントローラ回路18、電気機械的動力源20、真空源22、およびユーザインターフェース28に電気的に連結されている。
【0014】
[0031]
図3を参照すると、ユーザインターフェース28は、制御ボタンおよび視覚/聴覚インジケーターを含むことが可能であり、制御ボタンは、生検装置10のさまざまな機能に対するユーザ制御を提供し、視覚/聴覚インジケーターは、生検装置10の構成要素の1つまたは複数の条件および/または位置の状態の視覚/聴覚フィードバックを提供する。制御ボタンは、サンプルボタン28-1およびプライム(prime)/穿刺ボタン28-2を含むことが可能である。視覚インジケーターは、ディスプレイスクリーン28-3および/または1つもしくは複数の発光ダイオード(LED)28-4を含むことが可能である。聴覚インジケーターは、ブザー28-5を含むことが可能である。制御ボタンは、作動させられているときのユーザへの触覚フィードバックを含むことが可能である。
【0015】
[0032]コントローラ回路18は、たとえば、1つまたは複数のワイヤーまたは回路トレースなどによって、電気機械的動力源20、真空源22、真空センサ24、およびユーザインターフェース28に電気的におよび通信可能に連結されている。コントローラ回路18は、電気回路ボードの上に組み立てられることが可能であり、たとえば、プロセッサ回路18-1およびメモリ回路18-2を含む。
【0016】
[0033]プロセッサ回路18-1は、1つまたは複数のプログラマブルマイクロプロセッサおよび関連の回路、たとえば、入力/出力インターフェース、クロック、バッファー、メモリなどを有する。メモリ回路18-2は、たとえば、バス回路を介して、プロセッサ回路18-1に通信可能に連結されており、また、メモリ回路18-2は、非一時的な電子メモリであり、非一時的な電子メモリは、揮発性のメモリ回路、たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)など、および、不揮発性のメモリ回路、たとえば、リードオンリーメモリ(ROM)、電子的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、NORフラッシュメモリ、NANDフラッシュメモリなどを含むことが可能である。コントローラ回路18は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)として形成され得る。
【0017】
[0034]コントローラ回路18は、メモリ回路18-2の中に存在するソフトウェアおよび/またはファームウェアを介して、生検組織サンプルの回収に関連付けられる機能を果たすプログラム命令、たとえば、電気機械的動力源20、真空源22、および真空センサ24の1つまたは複数の構成要素を制御および/またはモニタリングする機能などを果たすプログラム命令を実行するように構成されている。
【0018】
[0035]電気機械的動力源20は、たとえば、カッターモジュール30、輸送モジュール32、および穿刺モジュール34を含むことが可能であり、それぞれが、バッテリー26にそれぞれ電気的に連結されている。カッターモジュール30、輸送モジュール32、および穿刺モジュール34のそれぞれは、1つまたは複数の導電体、たとえば、ワイヤーまたは回路トレースによって、コントローラ回路18に電気的におよび制御可能に連結されている。
【0019】
[0036]カッターモジュール30は、シャフトを有する電気モータ30-1を含むことが可能であり、駆動ギヤ30-2が、シャフトに取り付けられる。輸送モジュール32は、
シャフトを有する電気モータ32-1を含むことが可能であり、駆動ギヤ32-2が、シャフトに取り付けられる。穿刺モジュール34は、電気モータ34-1、ドライブスピンドル34-2、および穿刺ショットドライブ34-3を含むことが可能である。それぞれの電気モータ30-1、32-1、34-1は、たとえば、直流電流(DC)モータまたはステッパーモータであることが可能である。上記に説明されている配置に対する代替例として、カッターモジュール30、輸送モジュール32、および穿刺モジュール34のそれぞれは、ギヤ、ギヤトレイン、ベルト/プーリー構成体などのうちの1つまたは複数を含むことが可能であり、それらは、それぞれのモータと駆動ギヤまたはドライブスピンドルとの間に間置されている。
【0020】
[0037]電気モータ34-1およびドライブスピンドル34-2の作動が、発射スプリング、たとえば、1つまたは複数のコイルスプリングを圧縮するために、および、穿刺ショットドライブ34-3を準備位置にラッチ係合させるために、穿刺ショットドライブ34-3が近位方向36-1に移動することを引き起こすように、穿刺モジュール34は構成されている。ユーザインターフェース28のプライム/穿刺ボタン28-2が作動すると、穿刺ショットドライブ34-3が、遠位方向36-2(
図1を参照)に推進させられ、すなわち、発射される。
【0021】
[0038]真空源22は、1つまたは複数の導電体、たとえば、ワイヤーまたは回路トレースによって、バッテリー26に電気的におよび制御可能に連結されている。真空源22は、たとえば、真空ポンプ22-2を駆動する電気モータ22-1を含むことが可能である。真空源22は、生検プローブアッセンブリ14の中に真空を確立するための真空ポンプ22-2に連結されている真空源ポート22-3を有する。電気モータ22-1は、たとえば、ロータリーDCモータ、リニアDCモータ、または振動DCモータであることが可能である。真空ポンプ22-2は、たとえば、蠕動ポンプもしくはダイヤフラムポンプであることが可能であり、または、それぞれのうちの1つもしくは複数が、直列にもしくは並列に接続されている。
【0022】
[0039]真空センサ24は、1つまたは複数の導電体、たとえば、ワイヤーまたは回路トレースによって、コントローラ回路18に電気的に連結されている。真空センサ24は、圧力差センサであることが可能であり、圧力差センサは、真空(マイナスの圧力)フィードバック信号をコントローラ回路18に提供する。いくつかの実装形態では、真空センサ24は、真空源22の中へ組み込まれ得る。
【0023】
[0040]
図1および
図2を参照すると、生検プローブアッセンブリ14は、ドライバアッセンブリ12への解放可能な取り付けのために構成されている。本明細書で使用されているように、「解放可能な取り付け」という用語は、意図した一時的な接続を容易にする構成を意味しており、ツールの必要なしに、ドライバアッセンブリ12に関して使い捨ての生検プローブアッセンブリ14の操作を伴う選択的な取り外しがそれに続く。
【0024】
[0041]
図4の分解図を参照すると、生検プローブアッセンブリ14は、プローブハウジング40、プローブサブハウジング42、真空カニューレ44、スタイレットカニューレ46、リニアスタイレット並進のためのスタイレットギヤ-スピンドルセット48、カッターカニューレ50、回転および直線的なカッター並進のためのカッターギヤ-スピンドルセット52、サンプルマニホールド54、およびサンプルカップ56を含む。
【0025】
[0042]
図2、
図4、および
図5Aを参照すると、プローブハウジング40は、細長い部分40-1および前側プレート40-2を有するL字形状の構造体として形成されている。生検プローブアッセンブリ14がドライバアッセンブリ12に取り付けられたときに、前側プレート40-2は、ドライバハウジング16の前側表面16-1の全体に隣接して遠位に位置決めされており、すなわち、非使い捨てのドライバアッセンブリの前側表面16-1の全体を患者との接触から遮蔽する。
【0026】
[0043]真空カニューレ44、スタイレットカニューレ46、およびカッターカニューレ50は、入れ子にされたチューブの配置で長手方向軸線58に沿って同軸に配置されており、真空カニューレ44が、最も内側のチューブであり、カッターカニューレ50が、最も外側のチューブであり、スタイレットカニューレ46が、真空カニューレ44とカッターカニューレ50との間に間置されている中間チューブである。換言すれば、真空カニューレ44は、スタイレットカニューレ46の内側に位置決めされており、スタイレットカニューレ46は、カッターカニューレ50の内側に位置決めされている。
【0027】
[0044]真空カニューレ44は、プローブサブハウジング42に対して静止した状態に装着される。真空カニューレ44は、サンプルマニホールド54を介して真空源22と流体連通した状態で連結されている。
【0028】
[0045]
図4、
図5A、および
図5Bを参照すると、真空カニューレ44は、細長い部分44-1およびフレア付き部分44-2を含み、フレア付き部分44-2は、細長い部分44-1から遠位に延在する。細長い部分44-1は、第1の外径D1を有する。フレア付き部分44-2は、2つのステージにおいて、すなわち、第1のフレア部45-1および第2のフレア部45-2において、細長い部分44-1からフレアを付けられている。第1のフレア部45-1は、第1の鋭角A1で細長い部分44-1から広がっており、第2のフレア部45-2は、細長い部分44-1に対して第2の鋭角A2で第1のフレア部45-1から広がっており、鋭角A2は、鋭角A1よりも大きい。第2のフレア部45-2の遠位外径D2は、スタイレットカニューレ46のルーメン46-4の中に、および、スタイレットカニューレ46のルーメン46-4とスライド接触した状態で収容されるように選択される。フレア付き部分44-2の第1のフレア部45-1および第2のフレア部45-2のそれぞれは、遠位におよび徐々に増加する直径を有しており、それは、細長い部分44-1の直径D1よりも大きい。
【0029】
[0046]再び
図4を参照すると、スタイレットカニューレ46は、近位部分46-1および遠位部分46-2を含む。遠位部分46-2は、サンプル用ノッチ(換言すれば、切り欠き)60を含む。遠位部分46-2に取り付けられるのは、穿刺先端部62であり、そして、穿刺先端部62は、スタイレットカニューレ46の一部を形成する。スタイレットギヤ-スピンドルセット48は、輸送スピンドル42-3に、ねじ込み可能に係合しており、スタイレットカニューレ46の近位部分46-1に固定して取り付けられる(たとえば、接着されているか、溶接されているか、または杭打ちされている(staked))。スタイレットギヤ-スピンドルセット48は、ネジ付きのスピンドル48-2に固定して取り付けられた被駆動ギヤ48-1を有するユニタリーギヤであり、単一の成形された構成要素として形成され得る。スタイレットカニューレ46は、生検プローブアッセンブリ14の輸送モジュール32の作動によって、長手方向軸線58に沿って後退または伸長させられ、ドライバアッセンブリ12の輸送モジュール32の駆動ギヤ32-2は、スタイレットギヤ-スピンドルセット48の被駆動ギヤ48-1と係合させられている。
【0030】
[0047]また、
図5C、
図6A、および
図6Bを参照すると、サンプル用ノッチ60は、スタイレットカニューレ46の側壁部46-3の中の細長い開口部として形成され、スタイレットカニューレ46のルーメン46-4の中への組織66の受け入れを促進させる。サンプル用ノッチ60は、長手方向軸線58に沿って延在する長手方向延在部60-1を有する。サンプル用ノッチ60は、スタイレットカニューレ46の直径の中心線よりも下方の側壁部46-3の中に延在しておらず、また、サンプル用ノッチ60によって形成されている開口部の周辺の周りに切れ刃を含むことが可能であり、サンプル用ノッチ60の
細長い(直線的)部分の切れ刃は、切れ刃から側壁部46-3に沿ってスタイレットカニューレ46の直径における中心線へ分岐する切れ刃46-5をそれぞれ有する。
【0031】
[0048]穿刺先端部62は、先端部部分62-1、装着部分62-2、および突出部材62-3を有する。穿刺先端部62は、遠位部分46-2においてスタイレットカニューレ46のルーメン46-4の中へ挿入されており、装着部分62-2が、接着剤または溶接などによって、スタイレットカニューレ46の遠位部分46-2に取り付けられる。そうであるので、先端部部分62-1は、スタイレットカニューレ46の遠位部分46-2から遠位に延在しており、突出部材62-3は、サンプル用ノッチ60の長手方向延在部60-1の一部分に沿って、ルーメン46-4の中に、近位に(すなわち、近位方向36-1に)延在する。したがって、
図6Eおよび
図6Gに示されているように、スタイレットカニューレ46が近位方向36-1に完全に後退させられているときに、突出部材62-3は、真空カニューレ44のフレア付き部分44-2の中へ受け入れられる。突出部材62-3の少なくとも近位先端部部分は、近位に減少する直径を有する。
【0032】
[0049]再び
図4を参照すると、カッターカニューレ50は、近位部分50-1および遠位部分50-2を含む。遠位部分50-2は、環状の切れ刃64を含む。カッターギヤ-スピンドルセット52が、カッターカニューレ50の近位部分50-1に固定して取り付けられる(たとえば、接着されているか、溶接されているか、またはピン打ちされている)。カッターギヤ-スピンドルセット52は、ネジ付きのスピンドル52-2に固定して取り付けられる被駆動ギヤ52-1を有するユニタリーギヤであり、単一の成形された構成要素として形成され得る。カッターカニューレ50は、生検プローブアッセンブリ14のカッターモジュール30の作動によって、長手方向軸線58に沿って後退または伸長させられ、ドライバアッセンブリ12のカッターモジュール30の駆動ギヤ30-2は、カッターギヤ-スピンドルセット52の被駆動ギヤ52-1と係合させられている。したがって、カッターカニューレ50は、回転カッティング運動を有しており、長手方向軸線58に沿って軸線方向に並進させられる。ネジ付きのスピンドル52-2のネジのピッチは、カッターカニューレ50が軸線方向に移動する軸線方向の距離(ミリメートル(mm))当たりの回転数を決定する。
【0033】
[0050]
図4および
図5Aを参照すると、サンプルマニホールド54は、真空チャンバー部分54-1および収集チャンバー部分54-2を有するL字形状の構造体として構成されている。真空チャンバー部分54-1は、真空入力ポート54-3を含み、真空入力ポート54-3は、生検プローブアッセンブリ14がドライバアッセンブリ12に取り付けられたときに、ドライバアッセンブリ12の真空源22の真空源ポート22-3にシール可能に係合するように配置される。真空チャンバー部分54-1は、収集チャンバー部分54-2と流体連通した状態で接続されている。真空カニューレ44の細長い部分44-1の近位端部は、真空チャンバー部分54-1を通過しており、収集チャンバー部分54-2と直接的に流体連通した状態である。収集チャンバー部分54-2は、キャビティー(換言すれば、空洞部)を有しており、キャビティーは、サンプルカップ56を除去可能に受け入れるようにサイズ決めおよび配置されており、サンプルカップ56が真空カニューレ44の細長い部分44-1と直接的に流体連通した状態になるようになっており、また、サンプルカップ56は、真空チャンバー部分54-1の真空入力ポート54-3とも直接的に流体連通する。吸い取り紙が、真空入力ポート54-3と収集チャンバー部分54-2との間の領域の中の真空チャンバー部分54-1の中に設置されている。
【0034】
[0051]したがって、スタイレットカニューレ46のサンプル用ノッチ60においてカッターカニューレ50によって切断される組織サンプルは、サンプルカップ56において真空源22によって印加される真空によって、真空カニューレ44を通して、サンプルカップ56の中へ輸送され得る。
【0035】
[0052]再び
図2、
図4、および
図5Aを参照すると、プローブサブハウジング42は、たとえば、レール/スロット構成体を使用して、プローブハウジング40にスライド可能に連結されているサブハウジングである。プローブサブハウジング42は、ネジ付き近位部分42-1およびネジ付き遠位部分42-2を含む。
【0036】
[0053]プローブサブハウジング42の中のネジ付き近位部分42-1は、ネジ付きの孔部を有しており、ネジ付きの孔部は、スタイレットギヤ-スピンドルセット48のネジ付きのスピンドル48-2をねじ込み可能に受け入れており、スタイレットギヤ-スピンドルセット48の被駆動ギヤ48-1の回転が、長手方向軸線58に沿ったスタイレットカニューレ46の直線的並進を結果として生じさせるようになっており、回転の方向は、近位方向36-1および遠位方向36-2のうちの1つへのスタイレットカニューレ46の並進の方向と相互関係がある。スタイレットギヤ-スピンドルセット48の被駆動ギヤ48-1は、生検プローブアッセンブリ14がドライバアッセンブリ12に取り付けられたときに(
図1を参照)、輸送モジュール32の駆動ギヤ32-2に係合する。
【0037】
[0054]同様に、プローブサブハウジング42のネジ付き遠位部分42-2は、ネジ付きの孔部を有しており、ネジ付きの孔部は、カッターギヤ-スピンドルセット52のネジ付きのスピンドル52-2をねじ込み可能に受け入れており、カッターギヤ-スピンドルセット52の被駆動ギヤ52-1の回転が、長手方向軸線58に沿ったカッターカニューレ50の回転および直線的並進の組み合わせを結果として生じさせるようになっており、回転の方向は、カッターカニューレ50の並進の方向と相互関係がある。カッターギヤ-スピンドルセット52の被駆動ギヤ52-1は、生検プローブアッセンブリ14がドライバアッセンブリ12に取り付けられたときに(
図1を参照)、カッターモジュール30の駆動ギヤ30-2に係合する。
【0038】
[0055]また、生検プローブアッセンブリ14がドライバアッセンブリ12に取り付けられたときに、また
図2および
図3を参照すると、プローブサブハウジング42は、穿刺モジュール34の穿刺ショットドライブ34-3に接続されている。そうであるので、プライム/穿刺ボタン28-2の第1の作動のときに、プローブサブハウジング42および穿刺ショットドライブ34-3は、一斉に近位方向36-1に並進させられ、スタイレットカニューレ46およびカッターカニューレ50を担持する穿刺ショットドライブ34-3およびプローブサブハウジング42を、準備位置、すなわち、発射に備えた位置(cocked position)に位置決めし、穿刺ショットを実現するためのプライム/穿刺ボタン28-2の第2の作動のときに、プローブサブハウジング42および穿刺ショットドライブ34-3は、一斉に遠位方向36-2に急速に推進させられ、組み合わせられた要素の最も遠位の位置に、たとえば、患者の中に、スタイレットカニューレ46およびカッターカニューレ50を位置決めする。
【0039】
[0056]
図6A~
図6Hは、組織サンプルを切断および輸送シーケンスを集合的に表す。
図6Eおよび
図6Gは、その後退位置68-1にあるスタイレットカニューレ46を示す。
図6A、
図6B、および
図6Hは、その伸長位置68-2にあるスタイレットカニューレ46を示しており、伸長位置68-2は、ときには、ゼロ位置とも称される。
図6C、
図6D、および
図6Fは、後退位置68-1および伸長位置68-2の中間のさまざまな位置にあるスタイレットカニューレ46を示す。
図6Bおよび
図6Cは、その後退位置70-1にあるカッターカニューレ50を示しており、それは、スタイレットカニューレ46がその伸長位置68-2にあるかまたはその近くにあるときに、スタイレットカニューレ46のサンプル用ノッチ60を露出させる。
図6Aおよび
図6D~
図6Hは、その伸長位置70-2にあるカッターカニューレ50を示しており、伸長位置70-2は、ときには、ゼロ位置とも称され、ここにおいて、カッターカニューレ50は、スタイレットカニ
ューレ46のサンプル用ノッチ60をカバーする。
【0040】
[0057]説明されているスタイレットカニューレ46の移動を実現するために、コントローラ回路18は、プログラム命令を実行し、それぞれの制御信号をドライバアッセンブリ12の輸送モジュール32へ送信し、そして、それは、生検プローブアッセンブリ14のスタイレットギヤ-スピンドルセット48へ運動を伝達する。同様に、説明されているカッターカニューレ50の移動を実現するために、コントローラ回路18は、プログラム命令を実行し、それぞれの制御信号をドライバアッセンブリ12のカッターモジュール30へ送信し、そして、それは、生検プローブアッセンブリ14のカッターギヤ-スピンドルセット52へ運動を伝達する。コントローラ回路18は、モータドライブパルスのそれぞれの数、または、代替的に、モータシャフト回転のそれぞれの数をカウントすることによって、それぞれのゼロ位置に対して、スタイレットカニューレ46およびカッターカニューレ50のそれぞれの軸線方向の位置を決定することが可能である。
【0041】
[0058]
図6Aは、穿刺モジュール34によって実現される穿刺ショットの前の、間の、および直後の、真空カニューレ44、スタイレットカニューレ46、およびカッターカニューレ50の相対的位置を示す。示されるように、カッターカニューレ50の遠位部分50-2は、サンプル用ノッチ60の上に伸長させられている。
【0042】
[0059]
図6Bに図示されているシーケンスステップでは、真空源22は、真空カニューレ44を介して、サンプル用ノッチ60におけるスタイレットカニューレ46のルーメン46-4へ、真空を送達するように作動させられ、カッターカニューレ50は、カッターモジュール30の作動によって後退させられ、サンプル用ノッチ60を露出させており、それによって、組織66がサンプル用ノッチ60を通してスタイレットカニューレ46のルーメン46-4の中へ引き込まれることを可能にする。本実施形態では、サンプル用ノッチ60を露出させるために、カッターカニューレ50は、反時計回りに回転し、おおよそ23ミリメートル(mm)の距離にわたって、近位方向36-1へのカッターカニューレ50の直線的並進を実現し、サンプル用ノッチ60の開放長さを画定する。本明細書で使用されているように、「おおよそ」という相対的な用語は、別段の記述がなければ、示されている単位(もしある場合には)においてベース値のプラスまたはマイナス5パーセントを意味する。サンプル用ノッチ60における実際の開口サイズ(所望のサンプルサイズに対応する)は、ユーザインターフェース28においてユーザ選択されることが可能であり、カッターカニューレ50が伸長位置70-2から後退位置70-1に向けて後退させられる距離は、ユーザによって選択されるサンプルサイズに対応するように、コントローラ回路18によって制御される。
【0043】
[0060]
図6Cおよび
図6Dは、カッティングシーケンスを図示する。
[0061]
図6Cに図示されているシーケンスステップでは、収集される組織サンプルのサイズを増加させるために、スタイレットカニューレ46は、短い距離、たとえば、2mmから5mmだけ、近位方向36-1および遠位方向36-2に交互に移動させられ得、サンプル用ノッチ60をシェイクする(換言すれば、振動させる)ようになっており、それによって、サンプル用ノッチ60を通ってスタイレットカニューレ46のルーメン46-4の中へ入る組織66の量を増加させる。シェイクの最後の移動は、
図6Aに示されているようなスタイレットカニューレ46のゼロ位置と比較して1mm後退位置(
図6Cを参照)にサンプル用ノッチ60を維持するように定義される。これは、カッターカニューレ50が、カッティングシーケンス(
図6Dを参照)の間にサンプル用ノッチ60を閉じ、1mmさらにカットするということを保証するためであり、したがって、結合組織またはストリングが、
図6Dに図示されているカッティングシーケンスステップの間に完全にカットされることを保証するためである。
【0044】
[0062]
図6Dに図示されているカッティングシーケンスステップでは、カッターカニューレ50は、遠位方向36-2に回転および並進させられ、組織サンプル66-1を組織66から切断する。本実施形態では、カッターカニューレ50は、組織をカットするために、および、ゼロ位置に戻るために、時計回りに回転し、おおよそ23mmの距離にわたって、遠位方向36-2へのカッターカニューレの直線的並進を実現する。
【0045】
[0063]
図6E~
図6Hは、組織サンプル輸送シーケンスを図示する。
[0064]
図6Eに図示されているシーケンスステップでは、真空が、真空カニューレ44によって印加され、スタイレットカニューレ46が、カッターカニューレ50の中を近位方向36-1に移動させられ、組織サンプル66-1を真空カニューレ44のフレア付き部分44-2の中へ移動させることを機械的に支援する。より具体的には、スタイレットカニューレ46がカッターカニューレ50の中を近位方向36-1に移動させられるときに、穿刺先端部62の突出部材62-3が、組織サンプル66-1に係合し、真空カニューレ44の中へ向かう組織サンプル66-1を支援する。次いで、突出部材62-3は、真空カニューレ44のフレア付き部分44-2に係合し、真空カニューレ44のフレア付き部分44-2の中への空気の流入を遮断する。
【0046】
[0065]
図6Fに図示されているシーケンスステップでは、真空が真空カニューレ44によって印加されている状態で、スタイレットカニューレ46が、カッターカニューレ50の中を遠位方向36-2に移動させられ、真空カニューレ44のフレア付き部分44-2から突出部材62-3を解除し、真空カニューレ44の中への空気フローの急激な変化を引き起こし、それによって、真空カニューレ44を通る組織サンプル66-1の真空輸送を助ける。
【0047】
[0066]
図6Gおよび
図6Hに図示されているシーケンスステップは、本質的に、シーケンスステップ6Eおよび6Fの繰り返しである。
[0067]
図6Gに図示されているシーケンスステップでは、真空が真空源22によって真空カニューレ44に印加されている状態で、スタイレットカニューレ46が、カッターカニューレ50の中を近位方向36-1に再び移動させられ、穿刺先端部62の突出部材62-3が真空カニューレ44のフレア付き部分44-2に再係合し、真空カニューレ44のフレア付き部分44-2の中への空気の流入を再び遮断する。
【0048】
[0068]
図6Hに図示されているシーケンスステップでは、真空が真空源22によって真空カニューレ44に印加されている状態で、スタイレットカニューレ46は、カッターカニューレ50の中を遠位方向36-2に移動させられ、真空カニューレ44のフレア付き部分44-2から突出部材62-3を再び解除し、真空カニューレ44の中への空気フローの急激な変化を引き起こし、それによって、(
図6Eおよび
図6Fのシーケンスステップによってすでに送達されているのでない場合には)真空カニューレ44を通る組織サンプル66-1の真空輸送を助ける。
図6Hのシーケンスの終わりにおいて、スタイレットカニューレ46は、組織受け入れ位置に、すなわち、伸長位置68-2(ゼロ位置とも称される)に再位置決めされ、次の組織サンプルのために組織を受け入れる準備ができており、次の組織サンプルでは、
図6A~
図6Hのシーケンスステップが繰り返される。
【0049】
[0069]
図6Eおよび
図6Fに図示されているサンプル輸送シーケンスは、真空カニューレ44を通る組織サンプル66-1の真空輸送を完了するために何回でも必要なだけ繰り返され得るということが留意される。また、近位方向36-1へのスタイレットカニューレ46の穿刺先端部62の突出部材62-3の後進運動は、
図6Eおよび
図6Gによって示されているように、最終的な位置(後退位置68-1)が到達されるまで、後進運動と次いで前進運動とを交互に繰り返す(前進距離は、後進距離よりも小さい)、インクリメンタルステップとして実装され得る。
【0050】
[0070]
図7は、
図6A~
図6Hに示されている組織サンプルカッティングおよび輸送シーケンスの間の、異なる位置におけるベースライン真空圧力を示す真空グラフである。
[0071]
図7の真空グラフを参照すると、
図6A~
図6Hに示されているシーケンス全体を通して、真空が印加されているということが留意される。時間T0において、真空源22が作動させられ、真空(マイナスの圧力)が真空カニューレ44の中に増大する。時間T1において、最大真空が実現され、それは、
図6Dに示されているカッティングシーケンスステップの終わりに対応する。時間T2において、
図6E~
図6Fの組織詰め込みシーケンスが始まり、スタイレットカニューレ46の中のベント孔80が制限されていない瞬間に起因して、真空圧力が急激に降下する。真空は、穿刺先端部62の突出部材62-3が真空カニューレ44のフレア付き部分44-2に接近するときに、時間T3の前に増大し始め、そして、最大化し、
図6Eに示されている第1の詰め込みシーケンスの終わりを表す。時間T3において、
図6Fに示されているように、穿刺先端部62の突出部材62-3がフレア付き部分44-2から離れるように移動させられることに起因して、真空圧力は急激に降下する。いくつかの場合には、組織サンプル66-1は、サンプルカップ56へ送達されてよい。時間T4において、
図6Gおよび
図6Hに示されている第2の詰め込みシーケンスが始まる。時間T5は、
図6Gに示されている第2の詰め込みシーケンスの終わりに対応する。時間T6において、穿刺先端部62の突出部材62-3が、
図6Hに示されているように、フレア付き部分44-2から離れるように再び移動させられ、組織受け入れ(ゼロ)位置へ戻されることに起因して、真空圧力が降下する。
【0051】
[0072]
図6A~
図6Hに示されている組織カッティングおよび輸送シーケンスの異なるステージにおいて、実際の真空圧力と
図7に示されているベースライン真空グラフとを比較することによって、カッティングまたは組織輸送の異常が識別されることが可能であり、是正措置が試みられ得る。
【0052】
[0073]本発明の態様によれば、真空センサ24は、真空圧力フィードバック信号をコントローラ回路18に提供し、コントローラ回路18は、プログラム命令を実行し、真空センサ24によって提供される実際の真空圧力が、組織カッティングおよび輸送シーケンスの中の対応するポイントにおいて、
図7の真空グラフのベースライン圧力から所定の量を超えて逸脱するかどうかということを決定する。所定の量は、たとえば、ベースライン真空圧力のプラスまたはマイナス10パーセントであることが可能である。逸脱が逸脱の許容可能な範囲の外側にある場合には、組織カッティングおよび輸送シーケンスの中でいつ異常が起こったかということに応じて、是正措置がとられ得る。
【0053】
[0074]たとえば、時間T1と時間T2との間の時間期間の間に、真空圧力が、許容可能な逸脱を超えて、ベースラインの下方へ落ちる場合には、これは、不完全なカットの表示である可能性があり、したがって、コントローラ回路18は、エラー状態へ即座に進むというよりもむしろ、ユーザ介入なしに、
図6Cおよび
図6Dに示されているカッティングシーケンスを繰り返すことが可能である。同様に、真空圧力が、時間T3からT5の間において、許容可能な逸脱を超えて、ベースラインの上方に上昇する場合には、これは、真空カニューレ44を通る不完全な組織輸送の表示である可能性があり、したがって、コントローラ回路18は、ユーザ介入なしに、シーケンスステップ6Eおよび6Fの反復の数を増加させることが可能である。
【0054】
[0075]再び
図5Aを参照すると、真空は、一連のシールによって、生検プローブアッセンブリ14の中に維持される。シール72(たとえば、スリーブ-タイプシールまたはOリング構成体)が、カッターカニューレ50とスタイレットカニューレ46との間にシールを提供するように位置付けされている。シール74(たとえば、Oリング)が、スタイレットカニューレ46と真空カニューレ44との間にシールを提供するように位置付けさ
れている。シール76(たとえば、スリーブ-タイプシールまたはOリング構成体)が、真空カニューレ44とサンプルマニホールド54の真空チャンバー部分54-1との間にシールを提供するように位置付けされている。または、シール78が、サンプルマニホールド54の収集チャンバー部分54-2およびサンプルカップ56の中に位置付けされ得る。最後に、シールが、生検プローブアッセンブリ14とドライバアッセンブリ12との間の真空インターフェースにおいて、真空入力ポート54-3に設置されている。
【0055】
[0076]動作の間に、真空源22の真空ポンプ22-2は、サンプルマニホールド54およびサンプルカップ56によって形成される真空リザーバの中に、真空(マイナスの圧力)を構築する。より具体的には、サンプルカップ56およびサンプルマニホールド54の容積は、「真空ブースト」の強度を画定し、真空源22の真空ポンプ22-2に関するサイクル時間を画定する。本実施形態では、たとえば、容積は、おおよそ10ミリリットルである。
【0056】
[0077]「真空ブースト」に関して、スタイレットカニューレ46は、1つまたは複数のベント開口部80を有しており、1つまたは複数のベント開口部80は、たとえば、先端部部分62-1から近位の所定の距離に環状に配置されており、これらのベント開口部80(
図4を参照)は、スタイレットカニューレ46が後退位置68-1へ後退させられるときに(
図6Eおよび
図6Gを参照)、大気に露出させられ、ベント開口部80は、カッターカニューレ50とスタイレットカニューレ46との間のシール72の下をスライドする。これらのベント開口部80が大気に露出させられると、システムは、「開放」になり、構築された真空圧力は、周囲の圧力と均等化され、真空源22の真空ポンプ22-2によって送達される連続的なフローに加えて、真空ブースト効果を生成させる。
【0057】
[0078]再び
図3を参照すると、カッターカニューレ50を移動させることによって組織をカットするためにカッターモータ30-1を作動させるときに、または、スタイレットカニューレ46を移動させることによって組織を輸送するために輸送モータ32-1を作動させるときに、それぞれのモータが、バッテリー26から電流を引き出す。この電流は、それぞれのモータにかかる負荷によって線形に増加する。したがって、消費される電流の量は、負荷へと変換され得る。高密度組織で作業するときに、負荷は増加する可能性があり、これは、コントローラ回路18によって実行される電流モニタリングプログラムを使用して、電流をモニタリングすることによって検出される。
【0058】
[0079]カッターモータ30-1および輸送モータ32-1のそれぞれは、最大連続電流定格(負荷)を有しており、モータは、最大連続電流定格(負荷)において無期限に稼働することが可能であり、それぞれのモータがこの連続電流(負荷)を超えるときには、モータは、モータが損傷を受ける(たとえば、モータの中の巻線焼損)前に、限られた時間のみにわたって稼働することが可能であり、負荷が高ければ高いほど、その時間は短くなる。コントローラ回路18によって実行される電流モニタリングプログラムは、それぞれのモータに関する電流をモニタリングしており、電流がそれぞれのモータに関する最大連続レベルを超えるときには、モータが高密度組織に進入しており、ドライバアッセンブリが高密度組織モードに入ることが決定される。
【0059】
[0080]高密度組織に遭遇したときには、コントローラ回路18は、それぞれのモータに供給される電流を制御し、モータ保護を提供し、コントローラ回路18のメモリ回路18-2の中に確立される仮想エネルギーリザーバの状態(仮想エネルギーレベル)に基づいて、短い時間の期間にわたってモータ電流が最大連続電流定格を超えることを許容する。
【0060】
[0081]その思想は、そのような挑戦的な高密度組織に遭遇するときに、モータ巻線に損傷を与えることなく、モータの力を可能な限り多く出すということである。モータ、たと
えば、カッターモータ30-1および/または輸送モータ32-1が、相のいずれにおいて稼働し始めると、たとえば、電圧がコントローラ回路18の中で設定されることに基づいて、モータ速度(毎分回転数(rpm))が、100%として、たとえば、6ボルトに設定され、次いで、負荷(トルク)の増加が、電流消費を増加させ、場合によっては、モータが失速するまで、モータを減速させる。コントローラ回路18は、6ボルトから、たとえば、9ボルトへ電圧を増加させ、その増加によって、速度(rpm)および失速トルクを増加させるオプションを有しており、したがって、より高密度の組織を克服する。本例では、それぞれのモータが3つの別々の巻線または相を有するということが想定されている。しかし、いくつかの非常に高密度の組織は、場合によっては、モータを回転させずに失速させる可能性があり、一方、モータの相または巻線のうちの1つだけが導電状態になり、それは、この単一相の劇的な温度増加につながり、そして、モータのバーンアウトにつながるということが認識された。仮想エネルギーリザーバは、連続トルクレベルと失速トルクレベルとの間で稼働するときに、熱をモニタリングするために使用され、失速トルクレベルでは、モータ巻線を焼損させるリスクが存在する。
【0061】
[0082]本発明の態様によれば、たとえば、高密度組織に遭遇するときに、連続電流レベルを超えることが可能であり、また、モータ性能を犠牲にすることなく、依然としてモータを保護することが可能である。
【0062】
[0083]モータのそれぞれがレスト状態(換言すれば、静止または休止状態)に初期化され、室温は、通常の室温であるということが想定されている。動作時間にわたって瞬間の電流消費のトラッキングを維持することによって、モータ巻線温度の対応する増分が、予測され得る。したがって、高密度組織検出/モータ保護に関して、仮想エネルギーリザーバが、それぞれのモータカッターモータ30-1および輸送モータ32-1に関して、メモリ回路18-2の中に確立される。仮想エネルギーリザーバは、時間の経過とともに実際のモータ巻線電流と公称モータ巻線電流(最大連続電流)との差を積分することに基づいて、実行時に充填または排出され得る。モータ巻線温度は、実際のモータ巻線電流が公称モータ巻線電流(最大連続電流)よりも高いときに、増加し始め、また、その逆も同様である。
【0063】
[0084]したがって、コントローラ回路18は、プログラム命令を実行し、巻線温度がその熱的限界を上回るときを予測し、そのように決定される場合には、コントローラ回路18が、それぞれのカッターモジュール30または輸送モジュール32へ制御信号を送信し、それぞれのモータが高温になり過ぎる前に、モータトルクを低下させる。コントローラ回路18によってプログラム命令として実行されるアルゴリズムは、以下の通りである:
∫(I2-In2)t
ここで、「I」は、実際のモータ巻線電流を表しており、
「In」は、モータ巻線の公称電流を表しており、
「t」は、時間を表す。
【0064】
[0085]
図8Aは、実際のモータ巻線電流(I)のグラフであり、
図8Bは、メモリ回路18-2の中に確立される仮想エネルギーリザーバのエネルギー状態のグラフである。
図8Bのグラフにおいて、STHは、仮想エネルギーリザーバの上側閾値を表しており、STLは、下側閾値を表す。
【0065】
[0086]
図8Aおよび
図8Bを組み合わせて参照すると、モータがt0から稼働し始めるときに、モータが加速するために巨大な電流スパイクが存在しており、同時に、仮想エネルギーリザーバが充填され始めるが、それは、上側閾値を超えていない。仮想エネルギーリザーバは、t1において空になり、仮想エネルギーリザーバは、電流がt2において再び急激に増加するまで、ゼロであり続ける。仮想エネルギーリザーバのエネルギー蓄積が
、t3において初めて上側閾値STHを上回るときに、次いで、コントローラ回路18は、それぞれのモータに供給される電流を安全レベル(事前定義されている)まで低減させるための措置を即座にとる。仮想エネルギーリザーバレベルが非常に短いオーバーシューティングを経験するとしても、仮想エネルギーリザーバレベルは、そのときから降下し始める。仮想エネルギーリザーバレベルのエネルギー蓄積が、t4において下側閾値STLを下回って降下するときには、次いで、コントローラ回路18は、電流を増加させる、すなわち、再び電流を引き上げるための措置を即座にとる。同じプロセスが、コントローラ回路18がエラー条件として条件を指定する前に、3回繰り返され得、エラー条件は、組織が著しく密度が高いということ、すなわち、カットされるにはあまりに密度が高いということを意味する。エラーの前に3回繰り返されるということは、コントローラ回路18によって実行されるソフトウェアの中に事前定義されている。繰り返しの数は、望まれる場合には、サイクル時間(たとえば、t5~t3の時間)の長さに少なくとも部分的に基づいて変化させられ得る。
【0066】
[0087]本実施形態では、高密度組織モードは、ドライバアッセンブリ12がパワーオンされているときに、自動的に入れられ、ドライバアッセンブリ12が給電された後に常に稼働する。
【0067】
[0088]また、以下の項目も本発明に関する:
[0089]1つの形態では、本発明は、ドライバアッセンブリと生検プローブとを含む生検装置に関する。ドライバアッセンブリは、電気機械的動力源および真空源を有する。生検プローブアッセンブリは、ドライバーアッセンブリに解放可能に取り付けられる。生検プローブアッセンブリは、長手方向軸線に沿って同軸に配置される真空カニューレおよびスタイレットカニューレを有する。真空カニューレは、スタイレットカニューレの内側に位置決めされている。真空カニューレは、真空源と流体連通した状態で連結されている。真空カニューレは、細長い部分およびフレア付き部分を有しており、フレア付き部分は、細長い部分から遠位に延在する。スタイレットカニューレは、電気機械的動力源と駆動式に連通した状態で連結されている。スタイレットカニューレは、第1の伸長位置と第1の後退位置との間で、真空カニューレに対して移動可能である。スタイレットカニューレは、近位部分および遠位部分を有する。遠位部分は、サンプル用ノッチおよび突出部材を有しており、突出部材は、サンプル用ノッチの長手方向延在部の一部分に沿って、スタイレットカニューレのルーメンの中を近位方向に延在する。スタイレットカニューレが第1の後退位置にあるときに、突出部材は、真空カニューレのフレア付き部分の中に受け入れられる。
【0068】
[0090]真空カニューレのフレア付き部分は、第1のフレア部と、第2のフレア部とを有することが可能であり、第1のフレア部は、細長い部分に対して第1の鋭角で細長い部分から広がっており、第2のフレア部は、細長い部分に対して第2の鋭角で第1のフレア部から広がっている。随意的に、第2の鋭角は、第1の鋭角よりも大きい。
【0069】
[0091]生検プローブアッセンブリは、スタイレットカニューレおよび真空カニューレと同軸のカッターカニューレをさらに含むことが可能であり、スタイレットカニューレは、カッターカニューレの中に位置決めされている。カッターカニューレは、第2の伸長位置と第2の後退位置との間で、スタイレットカニューレに対して移動可能であり、第2の伸長位置は、サンプル用ノッチをカバーするためのものであり、第2の後退位置は、スタイレットカニューレが第1の伸長位置にあるときに、サンプル用ノッチを露出させるためのものである。
【0070】
[0092]実施形態のいずれかでは、ドライバアッセンブリは、随意的に、前側表面を有するドライバハウジングを含む。生検プローブアッセンブリは、細長い部分を備えたプロー
ブハウジングを有しており、実施形態のいずれかでは、前側プレートを含むことが可能である。生検プローブアッセンブリがドライバアッセンブリに取り付けられたときに、前側プレートは、ドライバハウジングの前側表面の全体に隣接して遠位に位置決めされており、ドライバアッセンブリの前側表面の全体を患者との接触から遮蔽する。
【0071】
[0093]実施形態のいずれかでは、ドライバアッセンブリは、コントローラ回路と電気機械的動力源とを含むことが可能である。コントローラ回路は、電気機械的動力源に電気的におよび通信可能に連結されている。電気機械的動力源は、カッターモジュールおよび輸送モジュールを有する。カッターモジュールは、第1のモータを有しており、輸送モジュールは、第2のモータを有する。生検プローブアッセンブリがドライバアッセンブリに取り付けられたときに、カッターモジュールは、カッターカニューレに駆動可能に連結されており、輸送モジュールは、スタイレットカニューレに駆動可能に連結されている。第1のモータおよび第2のモータのそれぞれは、最大連続電流定格を有しており、それぞれのモータは、最大連続電流定格において無期限に稼働することが可能である。コントローラ回路は、第1のモータおよび第2のモータのそれぞれの電流を制御するために、プログラム命令を実行するように構成されている。コントローラ回路は、電流がそれぞれのモータに関する最大連続レベルを超えているときに、モータが高密度組織に進入したということを決定するように構成されている。
【0072】
[0094]コントローラ回路を有する実施形態のいずれかでは、コントローラ回路は、プロセッサ回路およびメモリ回路を含むことが可能であり、また、第1のモータおよび第2のモータのそれぞれのメモリ回路の中に確立される仮想エネルギーリザーバを有することが可能である。プロセッサは、それぞれのモータに供給される電流を制御するために、プログラム命令を実行するように構成されており、モータ保護を提供し、また、仮想エネルギーリザーバの状態に基づいて、それぞれのモータ電流が短い時間の期間にわたって最大連続電流定格を超えることを許容する。
【0073】
[0095]少なくとも1つの仮想エネルギーリザーバを有する実施形態のいずれかでは、それぞれの仮想エネルギーリザーバが、充填または排出され得る。コントローラ回路は、時間の経過とともにそれぞれのモータに関する実際のモータ巻線電流と最大連続電流定格との間の差を積分するように構成され得る。コントローラ回路は、仮想エネルギーリザーバのエネルギー蓄積レベルが上側閾値を上回っているときには、それぞれのモータに供給される電流を低減させるための措置をとるように構成され得る。コントローラ回路は、仮想エネルギーリザーバレベルのエネルギー蓄積レベルが下側閾値を下回って降下するときには、それぞれのモータに供給される電流を増加させるための措置をとるように構成され得る。仮想エネルギーリザーバのエネルギー蓄積レベルが上側閾値を上回っているときには、コントローラ回路が、次いで、それぞれのモータに供給される電流を低減させるための措置をとるように、装置は制御され得る。仮想エネルギーリザーバレベルのエネルギー蓄積レベルが下側閾値を下回って降下するときには、コントローラ回路が、次いで、それぞれのモータに供給される電流を増加させるための措置をとるように、装置は制御され得る。
【0074】
[0096]コントローラ回路を有する実施形態のいずれかでは、コントローラ回路は、真空カニューレのフレア付き部分の中へおよび真空カニューレのフレア付き部分から離れるように、スタイレットカニューレの突出部材を繰り返して移動させ、組織サンプルを真空カニューレのフレア付き部分の中へ送達することを支援するために、プログラム命令を実行するように構成され得る。装置は、スタイレットカニューレの突出部材が真空カニューレのフレア付き部分の中へおよび真空カニューレのフレア付き部分から離れるように繰り返して移動させられている時間の間に、真空が真空カニューレに連続的に印加されるように制御され得る。
【0075】
[0097]別の形態では、本発明は、電気機械的動力源と、真空源と、電気機械的動力源および真空源に電気的におよび通信可能に連結されているコントローラ回路とを有する、ドライバアッセンブリを有する生検装置に関する。生検プローブアッセンブリは、ドライバアッセンブリに解放可能に取り付けられる。生検プローブアッセンブリは、長手方向軸線に沿って同軸に配置される真空カニューレ、スタイレットカニューレ、およびカッターカニューレを有する。真空カニューレは、スタイレットカニューレの内側に位置決めされている。スタイレットカニューレは、カッターカニューレの内側に位置決めされている。真空カニューレは、真空源と流体連通した状態で連結されている。真空カニューレは、細長い部分およびフレア付き部分を有しており、フレア付き部分は、細長い部分から遠位に延在する。スタイレットカニューレは、電気機械的動力源と駆動式に連通した状態で連結されている。スタイレットカニューレは、第1の伸長位置と第1の後退位置との間で、真空カニューレに対して移動可能である。スタイレットカニューレは、近位部分および遠位部分を有する。遠位部分は、サンプル用ノッチおよび突出部材を有しており、突出部材は、サンプル用ノッチの長手方向延在部の一部分に沿って、スタイレットカニューレのルーメンの中を近位方向に延在する。スタイレットカニューレが後退位置にあるときに、突出部材は、真空カニューレのフレア付き部分の中に受け入れられている。カッターカニューレは、電気機械的動力源と駆動式に連通した状態に連結されている。カッターカニューレは、第2の伸長位置と第2の後退位置との間で、スタイレットカニューレに対して移動可能であり、第2の伸長位置は、サンプル用ノッチをカバーするためのものであり、第2の後退位置は、スタイレットカニューレが第1の伸長位置にあるときに、サンプル用ノッチを露出させるためのものである。
【0076】
[0098]コントローラ回路は、スタイレットカニューレの突出部材が真空カニューレのフレア付き部分の中へおよび真空カニューレのフレア付き部分から離れるように繰り返して移動させられ、組織サンプルを真空カニューレのフレア付き部分の中へ送達することを支援するように、装置を制御するために、プログラム命令を実行するように構成され得る。装置は、スタイレットカニューレの突出部材が真空カニューレのフレア付き部分の中へおよび真空カニューレのフレア付き部分から離れるように繰り返して移動させられている時間の間に、真空が真空カニューレに連続的に印加されるように制御され得る。
【0077】
[0099]電気機械的動力源は、カッターモジュールおよび輸送モジュールを含むことが可能である。カッターモジュールは、第1のモータを有しており、輸送モジュールは、第2のモータを有する。生検プローブアッセンブリがドライバアッセンブリに取り付けられたときに、カッターモジュールは、カッターカニューレに駆動可能に連結されており、輸送モジュールは、スタイレットカニューレに駆動可能に連結されている。
【0078】
[00100]第1のモータおよび第2のモータのそれぞれは、最大連続電流定格を有してお
り、それぞれのモータは、最大連続電流定格において無期限に稼働することが可能である。コントローラ回路は、第1のモータおよび第2のモータのそれぞれの電流を制御するために、プログラム命令を実行するように構成されている。コントローラ回路は、電流がそれぞれのモータに関する最大連続レベルを超えているときに、モータが高密度組織に進入したということを決定するように構成され得る。
【0079】
[00101]コントローラ回路は、プロセッサ回路およびメモリ回路を含むことが可能であ
る。第1のモータおよび第2のモータのそれぞれのメモリ回路の中に確立される仮想エネルギーリザーバを有することが可能である。プロセッサは、それぞれのモータに供給される電流を制御するために、プログラム命令を実行するように構成されることが可能であり、モータ保護を提供し、また、仮想エネルギーリザーバの状態に基づいて、それぞれのモータ電流が短い時間の期間にわたって最大連続電流定格を超えることを許容する。
【0080】
[00102]少なくとも1つの仮想エネルギーリザーバを有する実施形態のいずれかでは、
それぞれの仮想エネルギーリザーバが、充填または排出され得る。コントローラ回路は、時間の経過とともにそれぞれのモータに関する実際のモータ巻線電流と最大連続電流定格との間の差を積分するように構成され得る。コントローラ回路は、仮想エネルギーリザーバのエネルギー蓄積レベルが上側閾値を上回っているときには、それぞれのモータに供給される電流を低減させるように構成され得る。コントローラ回路は、仮想エネルギーリザーバレベルのエネルギー蓄積レベルが下側閾値を下回って降下するときには、それぞれのモータに供給される電流を増加させるように構成され得る。仮想エネルギーリザーバのエネルギー蓄積レベルが上側閾値を上回っているときには、コントローラ回路が、次いで、それぞれのモータに供給される電流を低減させるための措置をとるように、装置は制御され得る。仮想エネルギーリザーバレベルのエネルギー蓄積レベルが下側閾値を下回って降下するときには、コントローラ回路が、次いで、それぞれのモータに供給される電流を増加させるための措置をとるように、装置は制御され得る。
【0081】
[00103]真空カニューレのフレア付き部分は、第1のフレア部と、第2のフレア部とを
有することが可能であり、第1のフレア部は、細長い部分に対して第1の鋭角で細長い部分から広がっており、第2のフレア部は、細長い部分に対して第2の鋭角で第1のフレア部から広がっている。随意的に、第2の鋭角は、第1の鋭角よりも大きい。
【0082】
[00104]本発明が少なくとも1つの実施形態に関して説明されてきたが、本発明は、本
開示の精神および範囲の中でさらに修正され得る。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明の任意の変形例、使用例、または適合例をカバーすることが意図されている。さらに、本出願は、本発明が関連する技術分野における公知のまたは慣習的な実務の中に入るような、本開示からの逸脱であって、添付の特許請求の範囲の限界内に入るようなものをカバーすることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生検装置の作動方法であって、前記生検装置は、
電気機械的動力源および真空源と、前記電気機械的動力源に電気的におよび通信可能に連結されているコントローラ回路とを有するドライバアッセンブリと、
前記ドライバアッセンブリに解放可能に取り付けられる生検プローブアッセンブリであって、前記生検プローブアッセンブリは、長手方向軸線に沿って同軸に配置される真空カニューレ、カッターカニューレおよびスタイレットカニューレを有しており、前記真空カニューレは、前記スタイレットカニューレの内側に位置決めされている、生検プローブアッセンブリと
を備え、
前記真空カニューレは、前記真空源と流体連通した状態で連結されており、前記真空カニューレは、細長い部分およびフレア付き部分を有しており、前記フレア付き部分は、前記細長い部分から遠位に延在しており、
前記スタイレットカニューレおよび前記カッターカニューレは、前記電気機械的動力源と駆動式に連通した状態で連結されており、前記スタイレットカニューレは、近位部分および遠位部分を有しており、前記遠位部分は、サンプル用ノッチおよび突出部材を有しており、前記突出部材は、前記サンプル用ノッチの長手方向延在部の一部分に沿って、前記スタイレットカニューレのルーメンの中を近位方向に延在しており、前記作動方法は、
前記電気機械的動力源が、前記コントローラ回路の制御信号に基づいて、前記スタイレットカニューレを、第1の伸長位置と第1の後退位置との間で前記真空カニューレに対して移動させることを含み、前記スタイレットカニューレが前記第1の後退位置にあるときに、前記突出部材は、前記真空カニューレの前記フレア付き部分の中に受け入れられ、前記作動方法は、さらに、
前記電気機械的動力源が、前記コントローラ回路の制御信号に基づいて、前記カッターカニューレを、前記サンプル用ノッチを選択的にカバーまたは露出させるように前記スタイレットカニューレに対して移動させることを含む、生検装置の作動方法。
【請求項2】
前記真空カニューレの前記フレア付き部分は、前記細長い部分に対して第1の鋭角で前記細長い部分から広がる第1のフレア部と、前記細長い部分に対して第2の鋭角で前記第1のフレア部から広がる第2のフレア部とを有しており、前記第2の鋭角は、前記第1の鋭角よりも大きい、請求項1に記載の生検装置の作動方法。
【請求項3】
前記スタイレットカニューレは、前記カッターカニューレの中に位置決めされており、前記作動方法は、
前記電気機械的動力源が、前記コントローラ回路の制御信号に基づいて、前記カッターカニューレを、前記サンプル用ノッチをカバーするための第2の伸長位置と、前記スタイレットカニューレが前記第1の伸長位置にあるときに、前記サンプル用ノッチを露出させるための第2の後退位置との間で、前記スタイレットカニューレに対して移動させることを含む、請求項1または2に記載の生検装置の作動方法。
【請求項4】
前記ドライバアッセンブリは、前側表面を有するドライバハウジングを含み、前記生検プローブアッセンブリは、細長い部分と前側プレートとを有するプローブハウジングを有しており、前記生検プローブアッセンブリが前記ドライバアッセンブリに取り付けられたときに、前記前側プレートは、前記ドライバハウジングの前記前側表面の全体に隣接して遠位に位置決めされて、前記ドライバアッセンブリの前記前側表面の全体を遮蔽する、請求項1から3のいずれか一項に記載の生検装置の作動方法。
【請求項5】
前記電気機械的動力源は、前記カッターカニューレと駆動式に連通した状態に連結されるカッターモジュールおよび前記スタイレットカニューレと駆動式に連通した状態に連結される輸送モジュールを有しており、前記カッターモジュールは、第1のモータを有しており、前記輸送モジュールは、第2のモータを有しており、
前記第1のモータおよび前記第2のモータのそれぞれは、最大連続電流定格を有しており、それぞれの前記モータは、前記最大連続電流定格において無期限に稼働することが可能であり、前記作動方法は、
それぞれのモータについての電流が最大連続レベルを超えているときに、前記コントローラ回路のプロセッサ回路が、それぞれのモータに供給される電流を制御し、モータ保護を提供し、前記コントローラ回路の前記第1のモータおよび前記第2のモータのそれぞれのメモリ回路の中に確立される仮想エネルギーリザーバの状態に基づいて、それぞれのモータ電流が短い時間の期間にわたって前記最大連続電流定格を超えることを許容することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の生検装置の作動方法。
【請求項6】
それぞれの仮想エネルギーリザーバが、充填または排出されることが可能であり、前記作動方法は、
前記コントローラ回路が、時間の経過とともにそれぞれのモータに関する実際のモータ巻線電流と前記最大連続電流定格との間の差を積分することを含み、前記仮想エネルギーリザーバのエネルギー蓄積レベルが上側閾値を上回っているときには、前記コントローラ回路は、前記それぞれのモータに供給される前記電流を低減させ、前記仮想エネルギーリザーバの前記エネルギー蓄積レベルが下側閾値を下回って降下するときには、前記コントローラ回路は、前記それぞれのモータに供給される前記電流を増加させる、請求項5に記載の生検装置の作動方法。
【請求項7】
前記電気機械的動力源が、前記コントローラ回路の制御信号に基づいて、前記真空カニューレの前記フレア付き部分の中へおよび前記真空カニューレの前記フレア付き部分から離れるように、前記スタイレットカニューレの前記突出部材を繰り返して移動させることを含む、請求項5または6に記載の生検装置の作動方法。
【請求項8】
前記コントローラ回路は、前記真空源に電気的におよび通信可能に連結されており、前記作動方法は、
前記コントローラ回路が、前記スタイレットカニューレの前記突出部材が前記真空カニューレの前記フレア付き部分の中へおよび前記真空カニューレの前記フレア付き部分から離れるように繰り返して移動させられている時間の間に、真空を前記真空カニューレに連続的に印加するように前記真空源を制御することを含む、請求項7に記載の生検装置の作動方法。