(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106886
(43)【公開日】2022-07-20
(54)【発明の名称】試料保管および取出しシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20220712BHJP
G01N 35/04 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
G01N35/02 B
G01N35/04 G
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022074982
(22)【出願日】2022-04-28
(62)【分割の表示】P 2020118780の分割
【原出願日】2015-03-30
(31)【優先権主張番号】61/971,646
(32)【優先日】2014-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/671,423
(32)【優先日】2015-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505047094
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロケット、エチエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】アフレック、レット
(72)【発明者】
【氏名】グリムウッド、ロビン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】試料保管および取出しシステムに関し、特に、試料の移送および保管に関する。
【解決手段】本発明は、液体の生物学的試料中に含まれる粒子を処理するための方法に関し、その方法は、液体の生物学的試料中に含まれる粒子を処理するための回転可能な容器を用い、回転可能な容器は、容器が周りを回転可能な長手軸と、粒子を含む液体を受け取るための上部開口を備える上部と、回転可能な容器が停止している間に液体を保持するための、底部を備える下部と、上部と下部との間に位置する中間部であって、回転可能な容器が回転している間に液体を保持するための側方収集チャンバを備える中間部とを備える。その方法は、対象の粒子の沈殿および再懸濁のために、専用の加速および減速プロファイルを用いる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料保管および取出しシステムであって、
開口部を形成する少なくとも1つの周壁、前記開口部と連通する空洞部、および少なくとも1つの周壁と係合し、前記開口部を閉鎖ように構成されたキャップを有する少なくとも1つの試料管と、
フレーム、前記フレームに接続された把持部駆動ユニット、および前記把持部駆動ユニットに接続された試料管把持部を含む試料搬送部であって、前記試料管把持部が、前記少なくとも1つの試料管との係合によって前記少なくとも1つの試料管を搬送するように構成される、試料搬送部と、
キャップ交換のために前記少なくとも1つの試料管をその中に保持するように構成された試料管保持領域を有する管キャップ交換装置であって、前記試料管保持領域内の前記少なくとも1つの試料管は、前記少なくとも1つの試料管から初期キャップを取り外し、前記少なくとも1つの試料管を閉鎖する前記初期キャップと置き換えられる、前記初期キャップとは異なる交換キャップと交換するように、前記試料搬送部の少なくとも前記試料管把持部を介して係合され、前記交換キャップは、前記交換キャップの各把持係合特徴部が、前記少なくとも1つの試料管の前記周壁の範囲内に含まれるように、寸法決めされ、形状付けられる、管キャップ交換装置と
を備える、試料保管および取出しシステム。
【請求項2】
前記交換キャップは、前記交換キャップで閉鎖された前記少なくとも1つの試料管が前記試料管の複数の試料管の細密充填アレイに適合するように、寸法決めされ、形状付けられ、前記初期キャップは、前記初期キャップで閉鎖された前記少なくとも1つの試料管が前記細密充填アレイ内の充填に適合しないような、寸法および形状を有する、請求項1記載の試料保管および取出しシステム。
【請求項3】
前記試料管保持領域が、前記試料管保持領域の側壁により形成される試料管挿入開口部を有する試料管凹部を形成する、請求項1記載の試料保管および取出しシステム。
【請求項4】
前記試料管保持領域が、前記少なくとも1つの試料管を保持するように構成される、請求項3記載の試料保管および取出しシステム。
【請求項5】
各試料管保持領域の間の間隔は、隣り合う試料管の壁の間の間隔が把持部による隣り合う試料管へのアクセスに対し非限定的であるように、試料管の細密充填を可能にする、請求項3記載の試料保管および取出しシステム。
【請求項6】
前記試料管把持部が、前記試料管把持部内に前記少なくとも1つの試料管を大部分または全体的に引き込むように構成される、請求項1記載の試料保管および取出しシステム。
【請求項7】
前記キャップは、把持部接合部を含み、前記試料管把持部は、前記少なくとも1つの試料管を把持するために前記把持部接合部と機械的に相互作用するように構成される、請求項1記載の試料保管および取出しシステム。
【請求項8】
前記キャップは、把持部接合部を含み、前記試料管把持部は、前記試料管を把持するために前記把持部接合部と機械的に相互作用するように構成される、請求項1記載の試料保管および取出しシステム。
【請求項9】
前記試料管把持部は、前記少なくとも1つの試料管を把持している間、前記少なくとも1つの試料管を前記試料管把持部内で中央揃えするように構成される、請求項1記載の試料保管および取出しシステム。
【請求項10】
試料保管装置であって、
フレームと、
前記フレーム内に配置される試料管保持領域のアレイであって、各試料管保持領域が、前記試料管保持領域の側壁により形成される試料管挿入開口部、および前記試料管挿入開口部と対向する底部を有する試料管凹部を形成する、試料管保持領域のアレイと
を備え、
並置された試料管保持領域の間の壁から壁への間隔は、搬送部のクランプ把持部の、管へのクランプ把持部アクセス、および前記試料管がキャップされているか否かから切り離されて、前記試料管凹部に前記底部まで完全に挿入された、並置された試料管が細密充填され、互いに隙間が開けられるようにされている、試料保管装置。
【請求項11】
前記試料管保持領域が、試験管を保持するように構成される、請求項10記載の試料保管装置。
【請求項12】
各試料管のための把持領域が、それぞれの試料管保持領域の周囲の実質的内側にある、請求項10記載の試料保管装置。
【請求項13】
前記フレームと前記試料管保持領域のアレイが、試料トレーを形成する、請求項10記載の試料保管装置。
【請求項14】
前記試料トレーは、自動試料搬送システムと相互作用するように構成される、請求項13記載の試料保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年3月28日に出願された米国仮特許出願第61/971,646号の利益を主張する通常出願であって、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
例示的な実施形態は、概して、試料保管および取出しシステムに関し、特に、試料の移送および保管に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、試験管などの試料容器は、トレー内で保持される。自動取扱装置が、試料保管および取出しシステム内において、試料保管および取出しシステムへ、または試料保管および取出しシステムから搬送するために、試料容器をトレーから取り外してもよい。一般的に、自動取扱装置は、試料容器の外側の縁(たとえば、外周側壁)の周りで、または試料容器上に配置されるキャップの外側の縁(たとえば、外周側壁)の周りで試料容器を把持する把持部を含む。トレー内における試料容器の外周壁間の間隔は、試料容器が搬送のために把持部によって把持されてもよいように、隣り合う試料容器の間に延在する把持部の少なくとも一部を収容するように寸法決めされる。
【発明の概要】
【0004】
試料容器を、試料容器保持位置から取出す/試料容器保持位置に設置するために、隣り合う試料容器の間に延在しない試料容器把持部を試料容器接合部に設けることは有利となる。より多くの数の試料容器が、トレーによって保持され、搬送されるように、トレー内において試料容器を細密に充填することが可能であることもまた、有利となる。
【0005】
開示される実施形態の前述の態様および他の特徴が、添付の図面に関連して以下の記述において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの概略図である。
【
図1A】開示される実施形態の態様による試料容器の概略図である。
【
図1B】開示される実施形態の態様による試料容器の概略図である。
【
図2A】開示される実施形態の態様による試料保持部の概略図である。
【
図2B】開示される実施形態の態様による試料保持部の概略図である。
【
図2C】開示される実施形態の態様による試料保持部の概略図である。
【
図3A】開示される実施形態の態様による試料容器マーキング特徴部の概略図である。
【
図3B】開示される実施形態の態様による試料容器マーキング特徴部の概略図である。
【
図3C】開示される実施形態の態様による試料容器マーキング特徴部の概略図である。
【
図4】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部の概略図である。
【
図5A-5F】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図6】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図7A】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図7B】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図8A】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図8B】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図9】開示される実施形態の態様による試料容器の概略図である。
【
図10A】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図10B】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図10C】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図10D】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図10E】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図10F】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図10G】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図10H】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図11A】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部の概略図である。
【
図11B】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部の概略図である。
【
図11C】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部の概略図である。
【
図11D】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部の概略図である。
【
図12】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図13】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部の概略図である。
【
図14A】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図14B】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図15A】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図15B】開示される実施形態の態様による試料保管および取出しシステムの一部、ならびにその動作の概略図である。
【
図16】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図17】開示される実施形態の態様による試料容器の概略図である。
【
図18】開示される実施形態の態様による試料容器の概略図である。
【
図19】開示される実施形態の態様による試料容器の概略図である。
【
図20】開示される実施形態の態様による試料容器の概略図である。
【
図21】開示される実施形態の態様によるキャップ交換ユニットの一部である。
【
図22】開示される実施形態の態様によるキャップ交換ユニットの一部である。
【
図23A】開示される実施形態の態様によるキャップ交換の概略図である。
【
図23B】開示される実施形態の態様によるキャップ交換の概略図である。
【
図23C】開示される実施形態の態様によるキャップ交換の概略図である。
【
図23D】開示される実施形態の態様によるキャップ交換の概略図である。
【
図24】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図25】開示される実施形態の態様による試料容器キャップの概略図である。
【
図26】開示される実施形態の態様による試料容器キャップの概略図である。
【
図27】開示される実施形態の態様による試料容器の概略図である。
【
図28】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、開示される実施形態の態様による保管および取出しシステム100の概略図である。開示される実施形態の態様を、図面に関連して説明するが、開示される実施形態の態様は、多くの形態で具体化されてもよいことが理解されるべきである。さらに、任意の適切なサイズ、形状もしくは種類の要素または材料が使用されてもよい。
【0008】
ある態様では、保管および取出しシステム100は、任意の適切な接合部130、保管領域120、試料移送システム110を含む。ある態様では、保管領域120は、試料(たとえば、生体試料または他の任意の適切な試料)を、室温環境、低温環境(たとえば-80℃)、および/または超低温環境(たとえば-150℃)などの、任意の適切な温度を有する環境において、保管容器150内で維持するように構成されてもよい。なお、本明細書において説明される試料容器は、たとえば、2mlのクライオバイアル(cryovial)および/または1.4mlのクライオチューブ(cryotube)などの、任意の適切なサイズを有する任意の適切な試料容器であってもよい。接合部130は、保管および取出しシステム100外の外部環境と、保管および取出しシステム100内の環境との間における、1つまたは複数の試料容器150および/または(たとえば、1つまたは複数の試料容器150を保持する)1つまたは複数の試料トレー140内の試料の移送を可能にするように構成されてもよい。接合部130は、また、以下において説明されるように、試料が対流熱交換(たとえば、試料の加熱)から断熱されたままであるように、低温または超低温で試料を保持する(1つまたは複数の)試料容器から従来型のキャップを取り外し、開示される実施形態の態様によるキャップを(1つまたは複数の)試料容器に取り付けるキャップ交換ユニット130Cを含んでもよい。他の態様では、キャップ交換ユニットは、保管領域120内などの、保管および取出しシステムの任意の適切な部分に位置してもよい。ある態様では、試料移送システム110は、試料保管トレー140および試料容器150のうちの1つまたは複数を接合部130と保管領域120との間で搬送するように構成される任意の適切な移送システムであってもよい。試料移送システム110は、また、試料容器150を、試料トレー140から取出し、試料トレー140に設置(たとえば、挿入および取外し)するように構成されてもよい。ある態様では、試料移送システム110は、任意の適切なフレーム112、駆動ユニット113、およびフレーム112に移動可能に接続される把持部111を含んでもよい。駆動ユニット113は、試料トレー140に、もしくは試料トレー140から、接合部130に、もしくは接合部130から、および/または保管領域120に、もしくは保管領域120から、試料容器150を搬送するために、1つまたは複数の軸(X、Yおよび/またはZ軸-たとえば、
図2A参照)に沿って、把持部111を移動させるように構成されてもよい。保管および取出しシステム100は、本明細書において説明される、試料移送システム110の動作の制御、および保管および取出しシステム100の全体的な動作の制御のための、任意の適切な制御装置170を含んでもよい。
【0009】
図2Aおよび2Bを参照すると、試料トレー140のそれぞれは、フレーム140Fと、フレーム内の、たとえば、(たとえば、試料容器150のハニカムアレイを提供するために)ハニカム配置で配置された試料容器保持領域200、200A、・・・、200I、200J、・・・200n(概して1つまたは複数の試料容器保持領域200と呼称される)のアレイとを含んでもよい。他の態様では、
図2Cも参照すると、(試料トレー140に実質的に類似であってもよい)試料トレー140’の試料容器保持領域200、200A、・・・、200I、200J、・・・200nは、フレーム内に、たとえば、(たとえば、試料容器150の直交型のアレイを提供するために)直交型配置で、または他の任意の適切な配置で配置されてもよい。試料容器保持領域200は、試料容器150を試料トレー140内で安定して保持するために、任意の適切な形状および構成を有してもよい。隣り合う試料容器保持領域200の間の間隔Sは、試料トレー140に保持される試料容器150の(たとえば、実質的に、それぞれの試料保持領域の周囲220内に配置される)把持領域210に依存しなくてもよい。試料容器保持領域200間の間隔Sは、試料容器150の「細密充填(closely packed)」アレイを可能にし、「細密充填」という用語は、隣り合う試料容器壁150Wの間隙Gが、把持部による隣り合う試料保持容器150へのアクセスに対し非限定的であることを意味している。ある態様では、間隙Gは、試料容器150の試料トレー140への挿入、および試料トレー140からの取り外しを可能にするために、隣り合う(たとえば、キャップ152の周壁152W、または試料保持部151の周壁151Wなどの)試料容器壁150Wが、実質的に接触していてもよいし、または隣り合う試料容器壁150W間に最小限の隙間のみを有してもよい。理解できるように、直交型に配置されたトレー140’の間隔S’および間隙G’は、試料トレー140’に保持される試料容器の数が、ハニカム試料容器配置を有する試料トレー140に保持されるよりも少なくなるような間隔S’および間隙G’であってもよい(たとえば、ハニカム配置は、より大きな保管密度を有する)。試料容器の細密充填アレイの、より大きな保管密度は、(以下においてさらに説明される)キャップ上方把持部接合部によって達成されてもよく、把持部111は、試料容器150をキャップ152の周囲の範囲の内側から把持する。理解できるように、キャップ上方把持部接合部もまた、直交型配置のトレー140’とともに使用されてもよい。
【0010】
ある態様では、試料容器保持領域200は、試料容器保持領域200内で試料容器150を保持するための、任意の適切な試料容器150保持特徴部250を含んでもよい。たとえば、保持特徴部250は、それぞれの試料容器保持領域200内で試料容器150を保持するために、機械的に、磁気的に、または任意の適切な方法で、試料容器150に係合するように構成されてもよい。理解できるように、保持特徴部によって提供される保持力は、試料容器150を試料トレー140から取外しする、および/または試料トレー140に挿入するときに、把持部111によって打ち負かされてもよい。試料トレー140は、また、任意の適切な自動取扱装置が試料トレー140を把持および搬送することを可能にするように構成される1つまたは複数の自動化接合部270を含んでもよい。さらに他の態様では、試料トレーは、試料を把持部111へ、および把持部111から上昇および/または下降させるために、保管および取出しシステムの押出し部材PMが通過する開口AP(
図9参照)を含んでもよい。
【0011】
再び
図1を、および
図1Aを参照すると、試料容器150のそれぞれは、試料保持部151、および任意の適切な材料で構築されてもよいキャップ152を含んでもよい。ある態様では、キャップ152は、任意の適切なプラスチック、ガラス入りのプラスチック複合材、ゴム、または他の任意の適切な材料で構築されてもよい。試料保持部151は、中心軸または長手方向軸CXに沿って長手方向に延在する少なくとも1つの周壁151Wを含んでもよく、少なくとも1つの周壁151Wは、開口部156、および開口部156に連通可能に接続される空洞部151Cを形成する。少なくとも1つの周壁151Wは、空洞部151Cが内部に(1つまたは複数の)試料を保持するように、空洞部151Cの一方の端部を閉口してもよい。ここでは、試料保持部151は、円筒状または試験管型構成を有して図示されているが、他の態様では、試料保持部151は、任意の適切な数の周壁を備える任意の適切な構成を有してもよい。試料保持部151は、任意の適切なキャップ係合部151Pを含んでもよい。キャップ152は、試料保持部151に係合するための、および開口部156を閉鎖するための、任意の適切な構成を有してもよい。ある態様では、キャップ152は、キャップ152の外周縁部または側部152Eを形成し、内側でキャップ152が(したがって、試料容器150も)把持される範囲を画定する少なくとも1つの周壁152Wを有する円筒状本体173を有してもよい。他の態様では、本体173は、任意の適切な形状および構成を有してもよい。キャップ152は、試料保持部151にキャップ152を固定するために、キャップ係合部151Pと相互作用するように構成される試料保持部係合部152Pを含んでもよい。ある態様では、試料保持部係合部152Pは、キャップ152が、摩擦係合、螺合(たとえば、雄ねじまたは雌ねじ)、スナップ係合、磁気係合、または他の任意の適切な方法によって試料保持部151上に保持されるような、任意の適切な方法で、キャップ係合部151Pと相互作用してもよい。搬送把持部接合部153は、外周縁部または側部152Eの実質的範囲内で、キャップ上に、またはキャップ内に配置されてもよい。ある態様では、搬送把持部接合部153は、キャップ152を備える一体型構築であってもよいが、他の態様では、搬送把持部接合部153は、(以下においてより詳細に説明される)任意の適切な方法でキャップに連結されるモジュールであってもよい。搬送把持部接合部153および把持部111が、試料容器の取出しおよび設置動作の間に正確な設置を提供してもよい、以下において説明される自己中央揃え接合部を形成してもよい。開示される実施形態の態様が、図面において、試料保持部151の上部を囲繞する、または覆うように設置されるキャップ152(たとえば、雄管接合部/雌キャップ接合部)に関して図示されるが、他の態様では、
図1Bを参照して、キャップ152’が、開口部内における保持のために、接合部151Pおよび152Pに関して上記されたような、任意の適切な方法で開口部156内に挿入されるように、試料保持部151が、キャップ152’を囲繞してもよい(たとえば、雌管接合部/雄キャップ接合部)ことが理解されるべきである。試料保持部151の外周を覆うように挿入されるのではなく、開口部156内に挿入されてもよいキャップ152’は、本明細書において説明される搬送把持部接合部153を含んでもよい。
【0012】
図3A~3Bも参照すると、ある態様では、試料容器150は、識別モジュール154および識別標識155のうちの1つまたは複数を含んでもよい。識別モジュール154は、それぞれの試料容器150内の試料の識別に対応してもよい情報を能動的または受動的に提供するように構成される任意の適切なモジュールであってもよい。ある態様では、識別モジュール154は、無線周波数識別モジュールもしくは無線タグ、または他の任意の適切な無線周波数もしくは無線識別子であってもよい。識別モジュール154は、少なくとも部分的に、キャップ152の壁内に(内部に成形されるなどして)配置されてもよく、または、(以下において説明されるように)キャップ152に取り付け/連結されてもよく、それによって、搬送把持部接合部153および識別モジュール154は、試料容器150が、試料トレー140内に保持されているときなど、試料容器150のアレイ内にあるときに、識別モジュール154が、それぞれの試料容器150を識別するために十分な定義を提供するように、互いに対し配置されてもよい。識別モジュール154は、搬送把持部接合部153からずれるように、キャップ152上に、またはキャップ152内に位置してもよい。キャップ152上またはキャップ152内における識別モジュール154の位置は、搬送把持部接合部153が、キャップ越しのアクセスに曝される(たとえば、把持部が、以下において説明されるようにキャップの周囲側部ではなく、キャップの上方からキャップ/試料容器にアクセスする)ような位置である。ある態様では、たとえば、試料移送システム110の(識別モジュールからの情報を受け取るための読み取りモジュール111Rを含んでもよい)把持部111が、それぞれの試料容器150の上方を通過するとき、および/または把持部111が、搬送把持部接合部153に係合するとき、識別モジュールが読み取られてもよい。他の態様では、情報は、任意の適切なときに、保管および取出しシステム100の任意の適切な識別読み取り装置によって、任意の適切な方法で識別モジュールから得られてもよい。
【0013】
識別標識155は、任意の適切なバーコートおよびデータ行列のうちの1つまたは複数であってもよい。ある態様では、バーコードは、一次元バーコードもしくは二次元バーコード155A、または機械もしくは人間が読み取り可能であってもよく、たとえば、試料容器150内の試料に関する情報を識別および提供するように構成されてもよい、他の任意の適切な視覚識別子であってもよい。ある態様では、データアレイは、カラーアレイ155B、または機械もしくは人間が読み取り可能であってもよく、たとえば、試料容器150内の試料に関する情報を識別および提供するように構成されてもよい、他の任意の適切な視覚識別子であってもよい。
図3A~3Cに見られるように、識別標識155(たとえば、バーコード155Aおよび/またはカラーアレイ155B)は、試料保持部151上、キャップ152上、および試料保持部151の少なくとも一部がスリーブ310内に挿入されるように構成されるスリーブまたはジャケット310上のうちの1つまたは複数に位置してもよい。ある態様では、スリーブ310は、試料保持部151の少なくとも一部が挿入される空洞部310Cを含む。スリーブ310は、また、たとえば、試料保持部151内の試料の視覚検査を可能にするように構成される1つまたは複数の開口310Aも含んでもよい。ある態様では、スリーブ310は、(たとえば、印刷、エッチング、機械的または化学的付着などによって)バーコード155Aが設置または付着されてもよい閉端部310Eを含む。さらに他の態様では、スリーブ310、キャップ152および試料保持部151のうちの1つまたは複数が、たとえば、ガラス転移温度または他の任意の適切な所定の温度が、少なくとも一度、試料保持部151内の試料に対し、および/または試料保持部151に対し、超過されたことを表示するように構成される任意の適切な温度表示器またはセンサ300を(たとえば、付着されて、または内部に成形されて)含んでもよい。いくつかの態様では、温度表示器は、試料および/または試料保持部151の現在の温度を表示するように構成される。さらに他の態様では、スリーブ310、キャップ152および試料保持部151のうちの1つまたは複数が、たとえば、試料保持部が、ある特定の衝撃もしくは物理的刺激の閾値を超過したこと、または試料保持部が開口していた、もしくは密閉されていなかったことを表示するように構成される操作履歴表示器を(たとえば、付着されて、または内部に成形されて)含んでもよい。温度表示器および操作履歴表示器のうちの1つまたは複数は、スリーブ310、キャップ152および試料保持部151のうちの1つまたは複数を直接的に観察することから読み取られるように構成されてもよく、ならびに/または、たとえば無線通信システムまたは遠隔撮像システムを介して、遠隔的に読み取られるように構成されてもよい。
図3A~3Cにも見られるように、識別モジュールは、また、キャップ152上に位置することに加えて、またはその代わりに、試料保持部151および/またはスリーブ310上に位置してもよい。なお、標識155、識別モジュール154および/または1つもしくは複数の表示器は、任意の適切な表面上に位置してもよく、および/または、少なくとも部分的に、キャップ152、試料保持部151およびスリーブ310の壁の中に位置してもよい。
【0014】
次に
図4を参照すると、ある態様では、キャップ152Aは、搬送把持部接合部153Aが、キャップ152Aの内部または内側に形成される機械的接合部であるように構成されてもよい。ここでは、搬送把持部接合部153Aは、(本明細書において説明される把持部111に実質的に類似であってもよい)把持部111Aの任意の適切な数の把持部材411Aが、搬送把持部接合部153Aと接合するために、把持部111Aの中心線CX1に対して、外方向に、または互いから離れるように移動するように構成される(
図2A参照)。たとえば、搬送把持部接合部は、キャップ152Aの(試料保持部係合部152Pの反対側に配置される上部表面などの)表面152Sに開口部を有する空洞部または凹部400を含む。空洞部400は、把持部111により少なくとも1つの内部側壁に加えられる機械的な力が長手方向軸から放射するように、把持部111に係合するように構成される少なくとも1つの内部側壁を含んでもよい。ある態様では、1つまたは複数の保持特徴部400Rが、少なくとも1つの内部側壁中に、または内部側壁上に位置してもよく、および、把持部111と確実に接合するように構成されてもよい。いくつかの態様では、1つまたは複数の保持特徴部400Rは、試料保持部に対するキャップの回転を可能にするように、把持部111および/または本明細書において説明されるキャップ交換ユニット130Cなどのキャップ固定/取外しシステムと接合するように構成される。他の態様では、キャップは、試料保持部に対するキャップの回転を可能にするように、把持部111および/またはキャップ交換ユニット130Cと接合するように構成される1つまたは複数の追加の特徴部、たとえば、周壁152W上または空洞部400内のテクスチャまたは畝織模様(ribbing)を含む。
図4に見られるように、搬送把持部接合部153Aは、周壁152Wの範囲内に配置され(たとえば、周壁152Wの縁部または側部152Eを越えて延在しない)、そのようにして、搬送把持部接合部153Aは、試料容器150が、試料トレー140内に配置されるとき、試料トレー140のそれぞれの試料保持領域の周囲220内に配置される。把持部111Aは、矢印499の方向に移動可能である1つまたは複数のフィンガまたは把持部材411Aを含んでもよい(
図2Aも参照)。把持部材411Aは、たとえば、ステンレス鋼、炭素繊維、または他の任意の適切な硬質の材料などの、任意の適切な材料で構築されてもよい。他の態様では、把持部材は、少なくとも部分的に、以下において説明される弾性材料で構築されてもよい。把持部材411Aは、たとえば、把持部材411Aが、(たとえば、1つまたは複数の周壁152Wに向かって、または試料容器150の長手方向軸CXから離れるように)矢印499の方向に移動させられるときに、キャップ152Aの保持特徴部400Rに係合するように構成される保持特徴部411Rを含んでもよく、少なくとも部分的に、保持特徴部411Rと保持特徴部400Rとの係合により、把持部111Aの長手方向軸CX1と試料容器150の長手方向軸CXが揃う(たとえば、試料容器と把持部との間の接合部は、自己中央揃え接合部である)。保持特徴部411Rと保持特徴部400Rとの係合により、把持部111Aによる試料容器150の確実な把持が提供されてもよい。把持部111Aは、少なくとも部分的に、試料容器150を把持部111Aから係合解除するように構成される排出部材415を含んでもよい。把持部材411Aが、(1つまたは複数の)周壁152Wから離れるように移動すると、排出部材415が、空洞部400の排出表面ES上を押圧し、それによって、試料容器150が、把持部111Aから離れるように移動させられ、および/または、把持部が、空洞部400から出るように上昇させられるように、排出部材415は、把持部材411Aに対し矢印498の方向に移動可能であってもよい。
【0015】
図1、5A~5F、および
図6を参照して、試料容器150の取出し/設置動作を説明する。制御装置170は、駆動ユニット113を使用して、把持部111Aを、たとえば、試料トレー140または他の任意の適切な試料容器保持領域内に配置される所定の試料容器150の上方に位置決めしてもよい(
図6、ブロック600)。ある態様では、制御装置170は、識別モジュール154と、制御装置がアクセス可能である記憶装置170M内にあり、保管および取出しシステム100内の試料の位置を追跡する参照テーブルとのうちの1つまたは複数を使用して、または他の任意の適切な方法で所定の試料容器150を識別してもよい。把持部111Aは、把持部材411Aを空洞部400内に位置決めするために、および把持部111Aの保持特徴部411Rをキャップ152Aの保持特徴部400Rと揃えるために、矢印498Aの方向に移動させられる(
図6、ブロック610)。把持部111Aの保持特徴部411Aは、保持特徴部411Rが、保持特徴部400Rに係合し、把持部111Aが、試料容器150を把持するように、矢印499の方向でキャップ152Aの(1つまたは複数の)周壁に向かって移動させられてもよい(
図6、ブロック620)。ある態様では、試料移送システム110の駆動ユニット113は、把持部材411Aを任意の適切な方法で伸長および収縮するように構成されてもよい。ある態様では、排出部材415が、把持部材411Aを伸長および収縮するために使用されてもよい。たとえば、排出部材415が、(弾性部材711(
図7)に類似の弾性部材によってなどの任意の適切な方法で)矢印498Bの方向に付勢されてもよく、把持部材411Aが、(弾性部材710(
図7)に類似の弾性部材によってなどの任意の適切な方法で)収縮または非伸長位置において付勢されてもよい。排出部材415は、把持部材411Aの間に位置決めされたときに、把持部材411Aの矢印499の方向への伸長または展開を引き起こす伸長部415Eを含んでもよい。理解できるように、排出部材415の矢印498Bの方向への付勢により、(たとえば、把持部材が収縮位置にあるように)伸長部415Eが把持部材411Aに対して位置決めされてもよく、把持部111Aに保持された任意の試料容器150が、停電の際に、把持部111Aに保持されたままとなることを可能にする。さらに他の態様では、把持部材411Aは、把持部材のそれぞれを、排出部材415から独立して矢印499の方向に移動させるように構成される駆動ユニット113のそれぞれの部分によって開閉されてもよい。試料容器150が把持部111Aに把持されると、制御装置は、駆動ユニット113を使用して、試料容器150を、試料容器保持領域から取出させ、試料トレー140から/試料トレー140に、または他の任意の適切な試料容器保持領域から/試料容器保持領域に移送させる(
図6、ブロック630)。試料容器は、試料容器保持領域200などの所定の試料保持位置の上方に位置決めされてもよく、保持領域内へと設置されてもよい(
図6、ブロック640)。把持部材411Aを開き、試料容器150を解放するために、把持部材411Aが矢印498Bの方向に移動させられる間、排出部材415が矢印498Aの方向に移動させられるように、駆動ユニット113は、排出部材415と把持部材411Aとの相対移動をもたらしてもよい。他の態様では、把持部材411Aを開き、試料容器150を解放するために、把持部材411Aが矢印498Bの方向に移動させられる間、排出部材415が、排出表面ESに対して静止して保持されてもよい。理解できるように、把持部材411Aと排出部材415との相対移動は、保持部材411Rを保持部材400Rから解放するために、周壁152Wから離れる、矢印499の方向の把持部材411Aの移動を引き起こす(
図6、ブロック650)。把持部材411A(および把持部111A)が、空洞部400から取り外されると(
図6、ブロック660)、排出部材415は、試料容器150を試料保持領域内で保持してもよいし、または試料容器150を把持部111Aから離れるように移動させてもよい。
【0016】
図7A~7Bを参照すると、ある態様では、把持部材411Aの作動は、排出部材415から独立していてもよく、あるいは排出部材415が設けられていなくてもよい。たとえば、伝達部材700が、矢印498A、498Bの方向の移動のために、駆動ユニット113に接続されてもよい。伝達部材700が、矢印498Aの方向で把持部材411Aの間の位置へと移動させられるときに、把持部材411Aが、キャップ152Aの保持特徴部400Rに、上記のものと実質的に類似の方法で係合するために、伸長部700Eによって矢印499の方向に移動させられるように、伝達部材700は、上記の伸長部415Eに実質的に類似の伸長部700Eを含んでもよい。理解できるように、把持部材が、上記のものに実質的に類似の方法でキャップ152Aの(1つまたは複数の)周壁から離れるように移動するように、伝達部材700を、(収縮位置において付勢されていてもよい)把持部材411Aに対して矢印498Bの方向に移動させることによって、試料容器150は、把持部111Aから解放されてもよい。伝達部材が、把持部材411Aの伸長を引き起こし、把持部材が、停電の際に伸長している、または伸長したままとなり、それによって、把持部111Aに保持された任意の試料容器が、把持部111Aに保持されたままであるように、把持部材411Aは、弾性部材710によってなどの任意の適切な方法で、収縮位置で付勢されてもよく、伝達部材700は、任意の適切な弾性部材711によって矢印498Aの方向に付勢されてもよい。
【0017】
図8Aおよび8Bも参照すると、把持部111Aは、把持部材411A、排出部材415および伝達部材700のうちの1つまたは複数が接続されるフレーム111Fを含む。なお、ある態様では、排出部材415および伝達部材700の両方が、把持部111Aに含まれてもよいが、他の態様では、排出部材415および伝達部材700のうちの1つが、把持部111Aに含まれてもよい。フレーム111Fは、試料容器150をフレーム111Fに対し、さらに把持する、中央揃えする、および/または安定させるための試料容器接合部材800を含んでもよい。試料容器接合部材800は、例示目的のため、枢動部材として図示されているが、他の態様では、試料容器接合部材800は、試料容器150を安定させるための任意の適切な案内表面であってもよい。ある態様では、試料容器接合部材800は、試料容器が把持部によって運搬されるときに少なくとも部分的にその中に配置されるフレーム111Fのチャネル内に配置される弾性部材であってもよい。試料容器接合部材800は、試料容器150の搬送中に、試料容器を、フレーム111F内で安定させ、および/または中央揃えさせてもよい。たとえば、ある態様では、試料容器接合部材800は、フレーム内に少なくとも部分的に配置される試料容器の周りに位置決めされてもよく、またはフレームに隣接して位置付けられてもよい。ある態様では、把持部111Aは、試料容器を少なくとも部分的にフレーム内に搬送するように構成されてもよいが、他の態様では、把持部111Aは、試料容器がフレーム111Fに隣接して(たとえば下方で)保持されるように構成されてもよい。試料容器接合部材800は、搬送中に試料容器150を安定的に保持するために、キャップ152Aおよび試料保持部151のうちの少なくとも1つの(1つまたは複数の)周壁に接するように位置決めされるように、方向498A、499などの任意の適切な(1つまたは複数の)方向に移動させられてもよい。理解できるように、試料容器接合部材800は、試料容器150とフレーム111Fとの間の相対移動を可能にするために、キャップ152Aおよび試料保持部151のうちの少なくとも1つの(1つまたは複数の)周壁から離れて位置決めされるように、方向498B、499の(1つまたは複数の)方向に移動させられてもよい。
【0018】
次に
図9を参照すると、ある態様では、キャップ152Bは、搬送把持部接合部153Bが、キャップ152Bの外部または表面152Sの上に形成される機械的接合部であるように構成されてもよい。この態様では、表面152Sは、キャップの上部表面(たとえば、試料保持部151の反対側に配置される表面)である。ここでは、搬送把持部接合部153Bは、(本明細書において説明される把持部111、111Aに実質的に類似であってもよい)把持部111Bの任意の適切な数の把持部材411Bが、搬送把持部接合部153Bと接合するために(
図2B参照)、把持部111Bの中心線CX1(
図10A)に対し内側に、または互いに向かって移動するように構成されている。たとえば、搬送把持部接合部153Bは、キャップ152の表面152Sから延びる突出部900を含む。突出部900は、把持部111Bと確実に接合するように構成される1つまたは複数の保持特徴部900Rを含んでもよい。保持特徴部900Rおよび/または把持部材411Bは、把持部材411Bが、試料容器150を取出すときに、(たとえば、突出部に係合するために)保持特徴部900Rの上方を移動させられる/保持特徴部900Rを越えて移動させられる際に、把持部材411Bと突出部900との間で自己整列を提供してもよい案内表面GS3、GS4を含んでもよい。いくつかの態様では、1つまたは複数の保持特徴部900Rは、試料保持部に対するキャップの回転を可能にするように、把持部111Bおよび/またはキャップ交換ユニット130Cと接合するように構成される。他の態様では、キャップは、(以下においてより詳細に説明されるように)試料保持部に対するキャップの回転を可能にするように、把持部111Bおよび/またはキャップ交換ユニット130C(またはマニュアルオペレータの手/指)と接合するように構成される1つまたは複数の追加の特徴部、たとえば、周壁152W上または突出部900上のテクスチャまたは畝織模様を含む。
図9に見られるように、搬送把持部接合部153Bが、周壁152Wの範囲内に配置されており(たとえば、周壁152Wの縁部または側部152Eを越えて延在しない)、そのようにして、搬送把持部接合部153は、試料容器150が試料トレー140内に配置されるときに、試料トレー140のそれぞれの試料保持領域の周囲220の内側に配置される。
図10Aも参照すると、把持部111Bは、矢印499の方向に移動可能である(
図2Bも参照)1つまたは複数のフィンガまたは把持部材411Bを含んでもよい。把持部材411Bは、たとえば、把持部材411Bが、(たとえば、1つまたは複数の周壁152Wから離れて、試料容器150の長手方向軸CXに向かう)矢印499の方向に移動させられるときに、キャップ152Bの保持特徴部900Rに係合するように構成される保持特徴部911Rを含んでもよい。保持特徴部911Rの保持特徴部900Rとの係合は、少なくとも部分的に、把持部111Bの長手方向軸CX1を、試料容器150の長手方向軸CXと揃わせる(たとえば、試料容器と把持部との間の接合部は、自己中央揃え接合部である)。保持特徴部911Rの保持特徴部900Rとの係合は、また、把持部111Bによる試料容器150の確実な把持を提供する。把持部111Bは、上記のものに実質的に類似の方法で、試料容器150を把持部111Bから少なくとも部分的に係合解除するように構成される排出部材415を含んでもよい。上記のように、把持部材411Bが、(1つまたは複数の)周壁152Wに向かって移動すると、排出部材415が、突出部900R上を押し、それによって、試料容器150が、把持部111Bから離れるように移動させられるように、および/または、把持部が、試料容器150から上昇させられるように、排出部材415は、把持部材411Bに対し矢印498の方向に移動可能であってもよい。ある態様では、把持部材411Bは、把持部材411Aに関する上記のものに実質的に類似の方法で開閉されてもよいが、一方では、把持部材411Bは、以下に説明されるような任意の適切な方法で開閉されてもよい。さらに他の態様では、把持部材411Bは、把持部材のそれぞれを、排出部材415から独立して矢印499の方向に移動させるように構成される駆動ユニット113のそれぞれの部分によって開閉されてもよい。
【0019】
さらに
図10Aを、また、
図11A~11Dを参照すると、把持部111Bは、把持部材411Bおよび排出部材415が接続されるフレーム111Fを含む。ある態様では、把持部材411Bは、二重の付勢を有してもよい。たとえば、把持部材411Bの少なくとも一部は、弾性を有していてもよく、把持部材411Bは、本体1020から延びるか、または本体1020に従属する。把持部材411Bは、把持部111Bの長手方向軸CX1から離れて広がる、または離れて伸長するように、(たとえば、開位置において)互いから離れるように付勢されてもよい。ある態様では、フレーム111Fに接続され、本体1020が通過する把持チューブ1010に対し、本体1020は移動可能であってもよく、本体1020は、把持部材411Bが、把持部材411Bを閉じるために、少なくとも部分的に把持チューブ1010内へと引き込まれるように、矢印498Bの方向に付勢されてもよい。本体1020が矢印498Bの方向に移動させられる際の、把持部材411Bと把持チューブ1010との間の相互作用が、試料容器150を把持するために、把持部材411Bを、互いに向かって(たとえば、把持部材を把持位置に設置するために、長手方向軸CX1に向かって)移動させる。理解できるように、本体1020が矢印498Aの方向に移動させられる際の、把持部材411Bと把持チューブ1010との間の相互作用が、試料容器150を取出しおよび設置するために、把持部材411Bが保持特徴部900Rを通過することを可能にするために、把持部材411Bを、互いから離れるように(たとえば、把持部材を開位置、または非把持位置に設置するために、長手方向軸CX1から離れるように)移動させる。別の態様では、把持チューブ1010は、本体1020に対し移動可能であってもよく、チューブ1010は、把持部材411Bを把持位置に保持するために、および把持チューブが、矢印498Bの方向に移動させられたときに把持部材411Bを開くために、矢印498Aの方向に付勢されてもよい。他の態様では、本体1020(したがって、把持部材411Bも)および把持チューブ1020は、互いに対し移動可能であってもよい。理解できるように、把持チューブ1010および/または把持部材411Bの付勢は、把持部111Bに保持される試料容器150が、把持部111Bに保持されたままであるように、たとえば、停電の際に、把持部材411Bを、閉位置に保持してもよい。別の態様では、把持部111Bは、把持チューブ1010を含まなくてもよく、把持部材411Bが、上記のものに実質的に類似の方法で、排出部材415を使用して、開いてもよく、または離れて広がってもよく、その場合、排出部材は、把持部材411Bを広げる、または開くために把持部材411Bの間を通過する。
【0020】
フレーム111Fは、試料容器150が把持部111Bに保持されるときに、試料容器150をさらに把持する、中央揃えする、および/または安定させるために、試料容器接合部材800を含んでもよい。試料容器接合部材800は、上記のものに実質的に類似の方法で、試料容器150の搬送中に、試料容器を、フレーム111F内で安定させる、および/または中央揃えさせてもよい。この態様では、試料容器接合部材800は、試料容器接合部材800の把持部分800Gが、弾性部材1000によってなどの任意の適切な方法で、把持部111Bの長手方向軸CX1に向かって付勢されるように、フレーム111Fに、それぞれの枢動軸800CXの周りで枢動可能に設けられてもよい。
【0021】
ある態様では、本明細書において説明されるフレーム111Fは、スリーブ111S’を形成してもよく、および/またはフレーム111Fに取り付けられるスリーブ111Sを含んでもよい。いくつかの態様では、スリーブ111S、111S’は、把持部111Bが所定の試料容器150にアクセスするときに、取出される所定の試料容器150に隣接する試料容器150Aが、たとえば、試料トレー140のそれぞれの試料保持領域200から外に移動することを実質的に防止するように寸法決めされ、成形される。たとえば、スリーブ111S、111S’は、把持部材411Bに対し移動可能であり、試料容器の取出しおよび設置中に、隣接する試料容器150Aの上方に、隣接する試料容器150Aが、たとえば、試料トレー140のそれぞれの試料保持領域200から外に移動するだけの十分な空間がないように、隣接する試料容器150Aに近接して位置決めされてもよい。スリーブ111S、111S’は、プラスチック、金属または複合物などの任意の適切な材料で構築されてもよい。いくつかの態様では、スリーブ111S、111S’は、断熱材および/または放射線遮断材料で構築される。いくつかの態様では、把持部111Bおよび/またはスリーブ111S、111S’は、試料容器150がある場所から別の場所へと移動させられるときに、対流熱伝達および/または放射線曝露を防止するように構築される。たとえば、把持部111Bおよび/またはスリーブ111S、111S’は、容器が試料容器保持領域200間で移動する間に、試料容器150を横切る空気の移動を減少させる、または最小にするように構築されてもよい。いくつかの態様では、試料容器150は、新しい試料保持領域200への移動の前に、大部分または全体が、把持部111Bおよび/またはスリーブ111S、111S’の内部に引き込まれる。ある態様では、把持部111Bおよび/またはスリーブ111S、111S’は、把持部111Bに保持される試料容器150を冷却するために、たとえば、液体窒素などの任意の適切な冷却剤、または他の任意の適切な熱伝達流体を保持するように構成される熱伝達ループまたは貯水槽111Rなどの冷蔵部を含んでもよい。スリーブ111S、111S’は、スリーブ111Sが、把持部材411Bに保持される試料容器150の周りで位置決めされるように(
図11D参照)、および/または本明細書において説明されるような、把持部材411の作動のために、フレーム111Fに対し、矢印498の方向に移動可能であってもよい。ある態様では、スリーブ111S、111S’の移動は、スリーブの移動が、把持チューブ1010の移動に連結されてもよいように、把持部材411Bを作動させてもよい。ある態様では、スリーブ111S、111S’が、矢印498Aの方向に移動すると、把持チューブ1010は、把持チューブが把持部材411Bに係合し、把持部材が突出部900を把持するまで、スリーブとともに移動してもよい。スリーブ111S、111S’は、把持部材に保持される試料容器150が、少なくとも部分的に断熱スリーブ111S、111S’内にあるように、矢印498Aの方向に移動し続けてもよい(たとえば、把持チューブは、付勢力、または把持チューブと断熱スリーブとの間に接続される付勢部材によってなどの任意の適切な方法で、把持部材に接するように保持される)。ある態様では、試料容器接合部材800は、スリーブ内に一体化されてもよいが、他の態様では、スリーブは、試料容器接合部材800内に形成されてもよく、または試料容器接合部材800内に一体化されてもよい(たとえば、試料容器接合部材800は、貯水槽111Rを含んでもよい)。
【0022】
理解できるように、本明細書において説明される、把持部材411A、411Bが取り付けられる本体1020、把持チューブ1010、伝達部材700および/または排出部材415(または、試料容器150に接触し得る、把持部111、111A、111Bの他の任意の適切な部分)は、低熱伝導性材料で構築されてもよい。この態様では、低熱伝導性材料は、駆動ユニット113の移動部分の高温を維持しながら、たとえば、試料容器150内の低温試料の取出しおよび設置を可能にするために、把持部材411A、411B、把持チューブ1010、伝達部材700および/または排出部材415の、駆動ユニット113のそれぞれの部分への接続を可能にしてもよい。
【0023】
再度、
図10Aを、および
図10B~10H、12を参照して、把持部111Bの取出し/設置動作を説明する。この取出し/設置動作は、本明細書において説明される他の把持部に適用されてもよいが、把持部材がキャップ/試料容器を把持するために移動する方向(たとえば、互いに向かって、または互いから離れるように移動する方向-たとえば、
図2A~2C参照)は、本明細書において説明されるように、変化してもよい。制御装置170は、駆動ユニット113を使用して、上記のものに類似の方法で、把持部111Bを、たとえば、試料トレー140内、または他の任意の適切な試料容器保持領域内に配置される所定の試料容器150の上方に位置決めしてもよい(
図12、ブロック1200)。把持部材411Bが、
図10Bに示されるように、突出部900の周りで位置決めされるように、または突出部900と揃うように、把持部材は、矢印498Aの方向に伸長または移動させられてもよい。把持部材411Bは、
図10Cに示されるように、試料容器150を把持するために、把持部材411Bが突出部900に係合するように、矢印499の方向で、把持部111Bの長手方向軸CX1に向かって移動させられてもよい(
図12、ブロック1200)。理解できるように、把持部材411Bを用いた突出部900の把持は、試料容器150の長手方向軸を、把持部111Bの長手方向軸CX1と、少なくとも部分的に中央揃えしてもよい、または揃えてもよい。また、理解できるように、把持部材411Bの保持特徴部911Rは、上記のものと類似の方法で、試料容器150を確実に把持するために、突出部900の保持特徴部900Rと機械的に係合する。駆動ユニット113は、試料容器150の搬送のために、それぞれの試料容器保持領域200から外に試料容器が移動させられるように、把持部材411B(ならびに把持チューブおよび/または排出部材-まとめて把持ヘッド411BHと呼称される)を、矢印498Bの方向に移動させてもよい(
図12、ブロック1220)。ある態様では、試料容器150は、任意の適切な方法で、スリーブ111S、111S’内へと移動させられてもよい。たとえば、駆動ユニット113は、試料容器150を試料トレー140からスリーブ内へと上昇させるために、スリーブ111S、111S’に対し、試料容器150を保持する把持ヘッド411BHの矢印498Bの方向の十分な移動を提供してもよい。別の態様では、スリーブ111S、111S’が、上記のものに実質的に類似の方法で、試料容器150の周りに位置決めされるように、把持部111Bは、矢印498Bの方向で、試料トレーから離れるように移動させられてもよく、スリーブ111S、111S’は、把持ヘッド411BHに対し、矢印498Aの方向に移動させられてもよい。他の態様では、把持ヘッド411BHおよびスリーブ111S、111S’は、試料容器150をスリーブ111S、111S’内へと移動させるために、上記の方法で、互いに対し移動させられてもよい。ある態様では、試料容器150と、試料容器150を囲繞する大気との対流熱交換および/または放射線曝露を実質的に防止する、または最小にするために、スリーブ111S、111S’は、試料容器150に接近するように、矢印498Aの方向に移動させられてもよい。スリーブ111S、111S’と、キャップおよび/または試料容器との間の間隙G2は、キャップおよび/または試料容器に対する把持ヘッド411BHの位置に依存しなくてもよい。試料容器150が、矢印498Bの方向で、スリーブ内へと移動させられると、試料容器接合部材800は、試料容器150との接触によって、矢印499Aの方向で離れるように広がる。たとえば、試料容器接合部材800は、試料容器150と接合する傾斜表面800Rを含んでもよく、傾斜表面800Rは、弾性部材1000によって提供される付勢力に反して、試料容器が試料容器接合部材800間を通過することを可能にする。弾性部材1000によって提供される付勢力は、試料容器150が試料容器接合部材800間に配置される場合、試料容器接合部材800を通じて試料容器150に伝達され、
図10Eに示されるように、把持部111B内の試料容器150の自己中央揃えをもたらす。搬送後に、試料容器150は、把持ヘッド411BHを矢印498Aの方向に移動させることで、(試料容器を取出す時の、上記のものに実質的に類似の方法で)たとえば、試料トレー140または他の任意の適切な試料保持領域内の試料容器保持領域200内へと揃えられ、設置されてもよい(
図12、ブロック1230)。理解できるように、試料容器150および試料トレー140のうちの1つまたは複数は、試料容器150を試料保持領域200内へと案内する案内表面GS1、GS2を含んでもよい(
図10D)。把持部材411Bは、把持部材411Bが離れて広がり、突出部900を(したがって、試料容器150も)把持部111Bから解放するように、矢印498Aの方向に移動させられてもよい(
図12、ブロック1240)。把持部材411B(および把持ヘッド411BH)は、試料容器150および試料トレー140から離れるように把持部材を上昇させるために、矢印498Bの方向に移動させられてもよい。ある態様では、把持部材411Bが、矢印498Bの方向に移動させられると、把持部材411Bが、突出部900に触れる、または突出部900上を引きずられる際に、試料容器が、試料容器保持領域200内に留まるように、排出部材415は、突出部900と実質的に接触した(たとえば触れる、または隣接する)ままであってもよい。
【0024】
次に
図13を参照すると、ある態様では、把持部111Cおよび搬送把持部接合部153Cは、互いと磁気的に相互作用し、把持部111C内の可動部分の数を減少させるように構成されてもよい。たとえば、キャップ152Cは、上記のキャップ152、152Aに実質的に類似であってもよいが、この態様では、搬送把持部接合部153Cは、把持部111Cと磁気的に相互作用するように構成される。たとえば、搬送把持部接合部153Cは、空洞部400の内部側壁の少なくとも一部を形成し、および/または少なくとも部分的に周壁152W内に配置される、永久磁石などの任意の適切な強磁性材料であってもよい磁気把持部材400Mを含んでもよい。上記の把持部111、111A、111Bに実質的に類似であってもよい把持部111Cは、(たとえば、把持部材411A、411Bの代わりに)少なくとも部分的に空洞部400内に嵌合するように成形され、寸法決めされる磁気把持部材411Mを含んでもよい(
図14Aおよび14B参照)。
【0025】
ある態様では、磁気把持部材411Mは、試料容器150を磁気的に把持するために、磁気把持部材400Mと磁気的に連結する永久磁石であってもよい。ここでは、排出部材415は、試料容器150の設置の間に磁気把持部材400M、411Mを互いから係合解除するために、排出表面ESに押し当てるように使用されてもよい。別の態様では、磁気把持部材411Mは、制御装置170Mまたは他の任意の適切な制御装置の制御下にある1つまたは複数の電磁コイルまたは電気巻線を有する電磁石であってもよい。ここでは、磁気把持部材411Mは、作動されたとき、磁気把持部材400Mとの相互作用を通して、たとえば、排出表面ESが、排出部材415、および/または把持部111Cの(底表面などの)表面411Sに接触するまで、矢印498Bの方向で把持部111Cに向けて試料容器150を移動させる、矢印498Bの方向の原動力を生成する電磁場を発生させてもよい。ある態様では、磁気把持部材411Mがオフにされる、または非活動化される(または、把持部材400Mによって提供される原動力が、以下に説明される矢印498Aの方向であるように、磁場の方向が反転する)ときに、把持部111Cが、試料容器150を把持部111Cから解放するために、空洞部に対し自在に移動可能であるように、十分な隙間が、把持部111Cと空洞部400との間に提供されてもよいため、排出部材415は設けられなくてもよい。他の態様では、磁気把持部材411Mが、異なる極性によって励磁されると、矢印498Bの方向の磁力だけでなく矢印498Aの方向の力も生成するように構成されてもよいため、排出部材415は設けられなくてもよい。たとえば、試料容器150を取出すときに、磁気把持部材411Mが、試料容器をそれぞれの試料保持領域200から把持し、上昇させるために、矢印498Bの方向の磁気的把持力を生成するように作動されてもよい。試料容器150を設置するときに、磁気把持部材411Mが、試料容器をそれぞれの試料保持領域200へと解放し、下降させるために、矢印498Aの方向の磁気的把持力を生成するように作動されてもよい。理解できるように、ある態様では、磁気把持部材411Mは、磁気把持部材411Mの電磁力によって引き起こされる試料容器の移動速度が任意の適切な方法で制御され得るように、たとえば、制御装置170によって制御されてもよい。
【0026】
図13、14Aおよび14Bを参照すると、把持部111Cの動作は、上記の把持部111Aの動作に実質的に類似であってもよい。たとえば、制御装置170は、駆動ユニット113を使用して、把持部111Cを、たとえば、試料トレー140、または他の任意の適切な試料容器保持領域内に配置される所定の試料容器150の上方に位置決めしてもよい(
図6、ブロック600)。ある態様では、制御装置170は、上記のものに実質的に類似の方法で、所定の試料容器150を識別する。把持部111Cは、磁気把持部材411Mを空洞部400内に位置決めするために、矢印498Aの方向に移動させられる(
図6、ブロック610)。把持部111Cの磁気把持部材411Mは、試料容器を把持するために、キャップ152Cの磁気把持部材400Mと磁気的に相互作用する(
図6、ブロック620)。上記のように、ある態様では、把持は、磁気把持部材411Mが永久磁石である場合などでは、受動的把持であり、磁気把持部材が電磁石である場合などでは、能動的把持である。磁気把持部材400M、411Mは、磁気把持部材400M、411M間の磁気引力が、試料容器150の長手方向軸CXを、把持部111Cの長手方向軸CX1と揃えるための自己中央揃えの力を提供するように配置されてもよい。ある態様では、試料容器接合部材800が、試料容器をチャネル1500内でさらに中央揃えし、安定させるために、
図10A~10Dに示される方法で設けられてもよい。試料容器150が把持部111Cに把持されると、制御装置は、駆動ユニット113を使用して、(たとえば、断熱スリーブ111S内に試料容器150が配置されるように、把持部111Cを移動させる)上記のものに実質的に類似の方法で、試料容器150を、試料容器保持領域から取出させ、試料トレー140から/試料トレー140に、または他の任意の適切な試料容器保持領域から/試料容器保持領域に移送させる(
図6、ブロック630)。試料容器は、試料容器保持領域200などの所定の試料保持位置の上方に位置決めされ、保持領域内へと設置されてもよい(
図6、ブロック640)。把持部111Cは、試料容器150を解放してもよく(
図6、ブロック650)、および空洞部400から取り外されてもよい(
図6、ブロック660)。たとえば、把持が受動的把持である場合、磁気把持部材411Mを空洞部400から取り外し、試料容器を把持部111Cから解放するために、磁気把持部材411Mが矢印498Bの方向に移動させられる間に、排出部材415が、矢印498Aの方向で、排出表面ESに対して移動させられるように、駆動ユニット113は、排出部材415と磁気把持部材411Mとの相対移動をもたらしてもよい。他の態様では、試料容器150を把持部111Cから解放するために、磁気把持部材411Mが、矢印498Bの方向で、空洞400から外に移動させられている間、排出部材415は、(試料容器が保持領域200内にあるとき)排出表面ESに対し静止して保持されてもよい。他の態様では、把持が能動的把持である場合、試料容器150を把持部111Cから解放するために、電磁石はオフにされてもよい、または上記のように、電磁場は反転されてもよい。
【0027】
次に
図15Aおよび15Bを参照すると、ある態様では、(上記のキャップに実質的に類似であってもよい)キャップ152Dおよび(上記の把持部に実質的に類似であってもよい)把持部111Dは、把持部111Dが、
図9~12に関する上記のものに実質的に類似の方法で、キャップ152Dの上方の試料容器の搬送把持部接合部153Dと磁気的に相互作用するように構成されてもよい。しかし、この態様では、把持部111Dは、Z方向(たとえば、矢印498の方向)に移動しなくてもよい。ここでは、キャップ152Dは、キャップ152Cに実質的に類似であってもよく、搬送把持部接合部153Dは、磁気把持部材400Mを含んでもよいが、空洞部400は、キャップ152Dに設けられなくてもよい。把持部111Dのフレーム111Fは、試料容器150が少なくとも部分的に挿入される(
図10A~11Dおよび14A~14Bに示され、上記のものに実質的に類似の)チャネル1500を形成するように成形され、寸法決めされる磁気把持部材411M’を含んでもよい。
【0028】
磁気把持部材411M’は、磁気把持部材411Mに実質的に類似であってもよく、制御装置170Mまたは他の任意の適切な制御装置の制御下にあってもよい1つまたは複数の電磁コイルまたは電気巻線を含んでもよい。ここでは、磁気把持部材411M’は、作動時には、矢印498Bの方向の原動力を生成する磁場を発生させてもよく、矢印498Bの方向の原動力は、磁気把持部材400Mとの相互作用を通して、たとえば、
図15Bに示されるように、試料容器150Dが、少なくとも部分的に把持部111Dのチャネル1500内に配置されるまで、試料保持領域200の外へ出るように、試料容器150を矢印498Bの方向で把持部111Dに向けて移動させてもよい(たとえば、試料容器をトレーまたは他の保持領域から上昇させる)。把持部111D内における試料容器150の位置は、磁気把持部材411M’によって生じる磁場の構成によってなどの任意の適切な方法で判定されてもよい。磁気把持部材411M’は、異なる極性によって励磁されると、矢印498Bの方向の磁力だけでなく矢印498Aの方向の力も生成するように構成されてもよい。たとえば、試料容器150を取出すとき、磁気把持部材411M’は、試料容器をそれぞれの試料保持領域200から把持し、上昇させるために、矢印498Bの方向の磁気的把持力を生成するために作動されてもよい。試料容器150を設置するとき、磁気把持部材411M’は、試料容器をそれぞれの試料保持領域200へと解放し、下降させるために、矢印498Aの方向の磁気的把持力を生成するために作動されてもよい。理解できるように、ある態様では、磁気把持部材411M’は、磁気把持部材411M’の電磁力によって引き起こされる試料容器の移動速度が、任意の適切な方法で制御され得るように、たとえば、制御装置170によって制御されてもよい。ある態様では、磁気把持部材411M’は、(たとえば、試料容器を矢印498の方向に移動させるための)上昇させる力および(たとえば、試料容器を把持部111D内に保持するための)把持力を提供するように構成される共通電磁石コイル/巻線を含んでもよい。他の態様では、磁気把持部材411M’は、別個の(たとえば、異なる)電磁石コイル/巻線のセットを含んでもよく、少なくとも1つのコイル/巻線のセットが、上昇させる力を提供するように構成されてもよく、少なくとも別のコイル/巻線のセットが、把持力を提供するように構成されてもよい。
【0029】
図16も参照すると、把持部111Dの動作は、把持部111Bに関する上記のものに実質的に類似であってもよいが、把持部111BのZ軸移動は無い。たとえば、把持部111Dは、(上記のものに実質的に類似の方法で)所定の試料容器150の上方に位置決めされてもよい(
図16、ブロック1600)。試料容器150は、試料容器が、把持部内へと上昇させられ、磁気把持部材411M’に把持されるように、上記の磁気把持部材411M’によって発生させられる磁気原動力によってそれぞれの試料保持領域200から上昇させられてもよい(
図16、ブロック1610)。理解できるように、磁気把持部材411M’によって発生させられる磁場は、試料容器の長手方向軸CXが、把持部の長手方向軸CX1と実質的に揃うように、把持部111D内における試料容器150の自己中央揃えを提供してもよい。ある態様では、試料容器接合部材800が、チャネル1500内で試料容器をさらに中央揃えし、安定させるために、
図10A~10Dに示される方法で設けられてもよい。試料容器150は、上記のような任意の適切な保持領域に搬送されてもよい(
図16、ブロック1620)。試料容器150は、試料保持領域200内へと下降させられ、上記の方法で把持部によって解放されてもよく、磁気把持部材411M’によって発生させられる磁場が、試料容器を、把持部111Dから試料保持領域200内へと下降させる(
図16、ブロック1630)。
【0030】
次に、
図17、18、19、および20を参照すると、搬送把持部接合部153A、153B、153C、153Dが、任意の適切な方法でキャップ152に連結されるモジュール1700、1701、1702、1703内に含まれてもよい。ある態様では、モジュール1700、1701、1702、1703は、任意の適切な方法でキャップ152の上方に機械的に固定され、化学的に固定され、または付着もしくは嵌合されてもよい。ある態様では、
図17~20に示されるように、モジュール1700、1701、1702、1703は、モジュール1700、1701、1702、1703およびキャップ152が、一体として移動可能であるように、キャップにスナップ嵌めしてもよい。理解できるように、識別モジュール154および標識155のうちの1つまたは複数が、上記のような任意の適切な方法で、モジュール1700、1701、1702、1703上、または内部に含まれてもよい。モジュール1700、1701、1702、1703のそれぞれは、試料容器150の「細密充填」アレイを可能にするために、
図2Aおよび2Bに関する上記のような、試料トレー140の試料保持領域200の範囲内に収まるように成形され、寸法決めされてもよい。
【0031】
次に
図21および22を参照すると、上記のように、保管および取出しシステム100は、キャップ交換ユニット130Cを含んでもよい。キャップ交換ユニット130Cは、試料容器把持部111CE、少なくとも1つの試料保管トレー保持部2140、および断熱/冷却試料容器保持部2200を含んでもよい。試料容器把持部111CEは、上記の把持部111A、111Bに実質的に類似であってもよい。把持部111CEの把持部材411は、概略が図示されているが、(本明細書において説明される)キャップ152および/またはキャップ2152の側部および/または試料容器151の側部を把持するように、把持部材411A、411Bと類似であってもよい。試料保管トレー保持部2140は、任意の適切な数の試料トレー140’’を保持するように構成されてもよい。試料容器保持部2200は、試料容器保持部2200内に保持される試料容器150を用いて、たとえば、低温で、および/または、例示目的のみのため、約-134℃未満の温度などの超低温で試料を維持するために、任意の適切な断熱材または冷却剤を含んでもよい。理解できるように、キャップ交換ユニット130Cは、従来型のキャップ2152を有する試料容器150に、本明細書において説明されるキャップ152を組み込んでもよい。試料容器150は、キャップ152を組み込む間に、たとえば、既に超低温にある試料を保持していてもよい。たとえば、
図23A~23Dおよび24も参照すると、試料容器150内の試料は、任意の適切な方法で、キャップ交換ユニット130Cに移送されてもよい(
図24、ブロック2400)。ある態様では、試料は、保持部2140上に設置される試料トレー140’’内のキャップ交換ユニット150に移送されてもよい。保管および取出しシステム100のロボット輸送などの任意の適切な運搬装置が、試料トレー140’’を、保管領域120内の位置からキャップ交換ユニット130Cへと移送してもよい。把持部111CEは、試料を保持する試料容器150を、試料トレーから取り外してもよく、試料容器150を試料容器保持部2200に移送してもよい。上記のように、把持ヘッド411およびスリーブ111S、111S’は、試料容器150をスリーブ111S、111S’内へと移動させるために、上記の方法で互いに対し移動させられてもよい。ある態様では、試料容器150と、試料容器150を囲繞する大気との対流熱交換および/または放射線曝露を実質的に防止する、または最小にするために、スリーブ111S、111S’は、試料容器150に接近するように、矢印498Aの方向に移動させられてもよい。
【0032】
試料容器保持部2200は、キャップ2152(たとえば第1キャップ)が、試料保持部151から取り外され得るように、試料容器保持部2200内の試料保持部151を把持するために、矢印2300の方向に移動する1つまたは複数の把持部2210A、2210Bを含んでもよい(
図24、ブロック2410)。ある態様では、キャップ交換ユニット130Cは、たとえば、キャップを回してはずす、キャップを引き抜く、またはキャップを他の任意の適切な方法で取り外すことによって、キャップ2152を試料保持部151から取り外すキャップ取り外し/取り付け装置2320を含んでもよい。他の態様では、把持部111CEが、キャップを回してはずす、キャップを引き抜く、またはキャップを他の任意の適切な方法で取り外すことによって、キャップを取り外すように構成されてもよい。上記のキャップ152の1つなどの(たとえば、第1キャップと異なる性質を有する)第2キャップは、キャップ取り外し/取り付け装置2320によって、または他の態様では、把持部111CEによって試料保持部151に移送されてもよく、キャップをねじ締めすることによって、またはキャップを押圧することによってなどの任意の適切な方法で、試料保持部に取り付けられてもよい(
図24、ブロック2420)。組み込まれたキャップ152を備える試料容器150は、たとえば、
図2Aおよび2Bに関する上記のものなどの、移送先の試料トレーに、または
図2Cに関する上記のものなどの、他の任意の適切な試料トレーに移送されてもよい(
図24、ブロック2430)。たとえば、把持部2210A、2210Bは、試料保持部151を解放するために、矢印2300の方向に移動してもよい。把持部111CEは、上記のように試料容器150を保持部2200から取出してもよく、把持部のスリーブ111S、111S’が、上記のように、搬送中、試料容器150内の試料を断熱し、把持部材411が、(本明細書において説明される)キャップ152の搬送把持部接合部153および/またはキャップ2152の側部および/または試料保持部151の側部のうちの1つまたは複数と接合する。他の態様では、試料容器150は、試料トレー140’’(たとえば、試料が採取されるトレー)へと戻されてもよい。組み込まれた試料容器150を保持する試料トレーは、保管部へと、または保管および取出しシステムの他の任意の適切な位置へと戻されてもよい。
【0033】
図25~27を参照すると、開示される実施形態のある態様では、キャップ2552A、2552Bは、上記の、1つまたは複数(たとえば、組み合わせ)のキャップ152、152’、152A~152Dおよび2152に実質的に類似であってもよい。たとえば、
図25および27を参照すると、各キャップ2552A、2552Bは、キャップ152の外周縁部または側部152Eを形成し、内側でキャップ2552A、2552Bが(したがって、試料容器150も)把持される範囲を画定する少なくとも1つの周壁152Wを有する円筒状本体173を有してもよい。ある態様では、側部152Eは、人によるキャップ2552A、2552Bおよび/または試料容器150の把持、ならびに試料保持部151’からのキャップ2552A、2552Bの取外しを提供する、隆線(ridge)、ナーリング(knurling)などの任意の適切なテクスチャを含む。他の態様では、本体173は、任意の適切な形状および/または構成を有してもよい。ある態様では、キャップが試料保持部151’に係合されるとき、試料保持部が、少なくとも1つの周壁152Wと環状密閉部材2620との間に配置される(たとえば、外周壁152Wが、試料保持部151’の外側表面に係合し、環状密閉部材2620が、試料保持部151’の内側表面に係合する)ように、キャップ2552A、2552Bは、少なくとも1つの周壁152Wと同心となるように表面152Sから延びる環状密閉部材2620を含む。環状密閉部材2620は、ある態様では、(たとえば、単一構造部材として)キャップ2552A、2552Bと同じ材料で作られるが、他の態様では、環状密閉部材は、任意の適切な材料で構築され、キャップ2552A、2552Bと試料保持部151’との間に密閉部を形成するための任意の適切な構成を有する。
【0034】
キャップ2552A、2552Bは、キャップ2552A、2552Bを試料保持部151’に固定するために、試料保持部151’のキャップ係合部151P(
図1Aおよび1B参照)と接合するように構成される試料保持部係合部152Pを含んでもよい。上記のように、ある態様では、試料保持部係合部152Pは、キャップ2552A、2552Bが、摩擦係合、螺合(たとえば、雄ねじまたは雌ねじ-
図26参照)、スナップ係合、磁気係合、または他の任意の適切な方法によって試料保持部151上に留められるように、任意の適切な方法で、キャップ係合部151Pと接合してもよい。上記のものに実質的に類似方法で、キャップ2552A、2552Bは、キャップ2552A、2552Bの表面152Sから延びる突出部900を含み、突出部は、たとえば、把持部111Bなどの、本明細書において説明される把持部と確実に接合するように構成される1つまたは複数の保持特徴部900Rを含む。
【0035】
この態様では、突出部900は、また、本明細書において説明されるものに実質的に類似の空洞部400を含み、突出部は、試料容器150の把持および搬送を提供し、空洞部400は、試料保持部151’からのキャップ2552A、2552Bの取外しを提供する。ここでは、空洞部は、たとえば、把持部111A、111C、111CEなどの、本明細書において説明される把持部、および/またはキャップ交換ユニット130Cのキャップ取り外し/取り付け装置2320に係合するように構成される。ある態様では、
図25および26に図示されるように、空洞部400は、1つまたは複数の把持部材2600Aが位置する周壁または表面400Sを含む。ある態様では、1つまたは複数の把持部材2600Aが、表面400Sからキャップ2552Aの中心軸CXに向かって突出する。ある態様では、把持部材2600Aは、キャップ2552Aが、把持部111A、111C、111CE、および/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320に把持され、(たとえば、試料保持部151’からキャップを回して抜く/試料保持部151’にキャップを回して留めるための)試料保持部151’に対するキャップ2552Aの回転によって、および/または(たとえば、キャップ2552Aを、矢印498の方向で、試料保持部151’から引き抜く、または試料保持部151’に押し当てるための)試料保持部151’に対するキャップ2552Aの線形変位によって、試料保持部151’から取り外される、または試料保持部151’に取り付けられることを可能にする任意の適切な構成を有する。ある態様では、空洞部400の周壁は、キャップ2552Aと、把持部111A、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320との間に、少なくとも回転連結係合を提供する任意の適切な幾何学形状(四角形状、三角形状、溝状、五角形状、六角形状、八角形状など)を有してもよい。他の態様では、把持部材2600Aは、
図13~14Bに関して本明細書において説明されるものと類似の磁石を含み、磁石は、キャップ2552Aを、把持部111A、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320と少なくとも回転連結させるため、空洞部400に対し配置される。1つまたは複数の把持部材2600Aが、キャップ2552Aに関連して図示されるが、把持部材2600Aは、空洞部400が、試料容器150の搬送、および試料保持部からのキャップの取外しの両方を提供するように、(たとえば、保持特徴部400Rなどの)保持特徴部と組み合わされて、本明細書において説明される(たとえば、突出部900を含まない)他のキャップの空洞部400内に含まれてもよいことが理解されるべきである。
【0036】
把持部材2600Aは、ある態様では、把持部111A、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320との受動的係合用に構成される。たとえば、把持部材2600Aは、把持部111A、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320の、空洞部内への挿入を可能にするように構成され、把持部材2600Aに対する、把持部111A、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320の、把持部材2600Aの能動的把持または係合を引き起こし得る径方向移動または回転移動を実質的にすることなしに、把持部111A、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320と回転係合するように構成される。他の態様では、把持部111A、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320が、空洞部内に挿入されると、保持特徴部400Rの係合に関して本明細書において説明されるものに実質的に類似の方法で、把持部材2600Aに能動的に係合するために径方向外側に移動するような、把持部111A、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320との能動的把持用に、把持部材2600Aは構成される。他の態様では、把持部材2600Aは、把持部材2600Aに対する、把持部111A、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320の少なくとも部分的な回転による、把持部111A、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320との能動的係合用に構成される。
【0037】
図27を参照すると、キャップ2552Bは、キャップ2552Aに実質的に類似であるが、この態様では、把持部材2600Bが、キャップ2552Bの中心線CXから外側に延びるように、突出部900の周囲表面上に配置されている。この態様では、把持部材2600Bは、キャップ2552Bが、把持部111Bおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320に把持され、(たとえば、試料保持部151’からキャップを回して抜く/試料保持部151’にキャップを回して留めるための)試料保持部151’に対するキャップ2552Bの回転によって、および/または(たとえば、キャップ2552Bを、矢印498の方向で、試料保持部151’から引き抜く、または試料保持部151’に押し当てるための)試料保持部151’に対するキャップ2552Bの線形変位によって、試料保持部151’から取り外される、または試料保持部151’に取り付けられることを可能にする任意の適切な構成を有する。ある態様では、突出部900の周壁は、キャップ2552Bと、把持部111Bおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320との間に、少なくとも回転連結係合を提供する任意の適切な幾何学形状(四角形状、三角形状、溝状、五角形状、六角形状、八角形状など)を有してもよい。他の態様では、把持部材2600Bは、
図13~14Bに関して本明細書において説明されるものと類似の(しかし、内部空洞部400の周囲の周りではなく、突出部の外部表面の周囲の周りに配置される)磁石を含み、磁石は、キャップ2552Bを、把持部111Bおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320と少なくとも回転連結させるため、突出部900に対し配置される。1つまたは複数の把持部材2600Bが、キャップ2552Bに関連して図示されるが、把持部材2600Bは、突出部が、試料容器150の搬送、および試料保持部からのキャップの取外しの両方を提供するように、(たとえば、
図27に示される保持特徴部900Rなどの)保持特徴部と組み合わされて、本明細書において説明される(たとえば、空洞部400を含まない)他のキャップの突出部900上に含まれてもよいことが理解されるべきである。
【0038】
把持部材2600Aに関して説明されたものに実質的に類似の方法で、把持部材2600Bは、ある態様では、把持部111Bおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320との受動的係合用に構成されてもよい。たとえば、把持部材2600Bは、突出部の周囲の周りでの、把持部111Bおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320の通過を可能にするように構成され、把持部材2600Bに対する、把持部111Bおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320の、把持部材2600Bの能動的把持または係合を引き起こし得る径方向移動または回転移動を実質的にすることなしに、把持部111Bおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320と回転係合するように構成される。他の態様では、把持部材2600Bは、把持部111Bおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320が突出部900を実質的に囲繞すると、把持部111Bおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320が、保持特徴部900Rの係合に関して本明細書において説明されるものに実質的に類似の方法で、把持部材2600Bに能動的に係合するために径方向内側に移動するような、把持部111Bとの能動的把持用に構成される。他の態様では、把持部材2600Bは、把持部材2600Bに対する、把持部111Bおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320の少なくとも部分的な回転による、把持部111Bおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320との能動的係合用に構成される。
【0039】
さらに
図27を参照すると、試料保持部151’は、本明細書において説明される試料保持部151(
図1A、1B参照)に実質的に類似であってもよいが、この態様では、試料保持部151’の閉端部は、たとえば、試料トレー140の保持領域200内、および/またはキャップ交換ユニット130Cの断熱/冷却試料容器保持部2200の保持領域2200H内に配置される、対応する方向決めまたは回転防止特徴部2710に係合する方向決めまたは回転防止特徴部2700を含む。回転防止特徴部2710は、
図27に図示される面取り/先細り六角形状、リブが(把持部材2600Bと類似の方法で)試料保持部151’から放射状に延びるリブ付き構成、または試料保持部151’と、試料トレー140および/または断熱/冷却試料容器保持部2200との間に少なくとも回転連結係合を提供する、たとえば、四角形状、三角形状、溝状、五角形状、六角形状、八角形状などの他の任意の幾何学形状などの、任意の適切な構成を有してもよい。上記のように、試料トレー140の回転防止特徴部2710、および/または断熱/冷却試料容器保持部2200の保持領域2200Hは、試料保持部151’の回転防止特徴部2710の形状に対応する形状を有する。ある態様では、試料保持部151’が、試料トレー140および/または断熱/冷却試料容器保持部2200に対する所定の(軸CXの周りの)回転方向で、試料トレー140および/または断熱/冷却試料容器保持部2200内に挿入されるように、方向決めまたは回転防止特徴部2700’、2710’の形状は、試料トレー140および/または断熱/冷却試料容器保持部2200に対し偏向(polarize)される。他の態様では、回転防止特徴部2700、2710の形状は、試料保持部151’が、試料トレー140および/または断熱/冷却試料容器保持部2200に対し、任意の適切な(軸CXの周りの)回転方向を有して、試料トレー140および/または断熱/冷却試料容器保持部2200内に挿入されるように、偏向されない。
【0040】
図28も参照すると、ある態様では、把持部111A、111B、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320に実質的に類似である共通把持部を用いて、試料容器150は、搬送され、キャップ2552A、2552Bは、取り外される。たとえば、把持部111A、111B、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320は、本明細書において説明されたものに実質的に類似の方法で、突出部900および/または空洞部400に対し位置決めされる(
図28、ブロック2800)。把持部111A、111B、111C、111CEおよび/またはキャップ取り外し/取り付け装置2320は、突出部900の周りに位置決めされるか、または空洞部400内に挿入され、試料容器150のキャップ2552A、2552Bを把持する(
図28、ブロック2810)。試料容器150は、取出され、本明細書において説明されるような任意の適切な位置に搬送される(
図28、ブロック2820)。試料容器は、任意の望ましい位置に設置される(
図28、ブロック2830)。ある態様では、キャップ2552A、2552Bは、キャップ2552A、2552Bを試料保持部151’から離れるように直線的に上昇させる/引くことによって(たとえば、キャップの実質的な回転のない、矢印498の方向の、軸CXに沿った単一軸移動によって)、試料保持部151’から取り外されてもよい(
図28、ブロック2850)。この態様では、試料保持部は、本明細書に説明されるものなどの任意の適切な方法で、試料トレー140の保持領域および/または断熱/冷却試料容器保持部2200の保持領域2200H内に留められる。ある態様では、回転防止特徴部2700、2710、2700’、2710’間の係合は、(たとえば、試料保持部151’が、保持領域内に留められるように)たとえば、キャップ2552A、2552Bが、試料保持部151’から引き離されるときに発生する、キャップを取り外すためのどのような力にも打ち勝つ、摩擦係合または他の保持係合である。別の態様では、キャップ2552A、2552Bは、試料保持部151’に対し、キャップ2552A、2552Bを回転させる(たとえば、キャップを回して抜く)ことによって、試料保持部151’から取り外され、そのとき、試料保持部は、回転防止特徴部2700、2710、2700’、2710’によって回転固定されて保持される(
図28、ブロック2860)。試料容器150およびキャップ2552A、2552Bが、共通把持部によって取り外される場合、突出部900または空洞部400が把持部によって係合されるとき、把持部は、把持部材2600A、2600Bに係合してもよい。
【0041】
別の態様では、異なる把持部によって、試料容器150が搬送され、キャップ2552A、2552Bが取り外される。たとえば、試料容器150は、突出部900および空洞部400のうちの1つを使用して、本明細書において説明されるように、搬送され、保持領域に設置される(たとえば、
図28、ブロック2800~2830参照)。ここでは、把持部111A、111B、111C、111CEなどの搬送把持部は、キャップ取り外し/取り付け装置2320または他の任意の適切な把持部などの別の把持部が、把持部材2600Aおよび把持部材2600Bのうちの1つに係合することを可能にするように(
図28、ブロック2870)、キャップ2552A、2552Bを解放する(
図28、ブロック2840)。ある態様では、試料容器150は、(たとえば、保持特徴部900Rの係合によって)突出部900の外部表面を把持することによって搬送されてもよく、キャップ2552A、2552Bは、突出部900の空洞部400内に配置される把持部材2600Aを把持/係合することによって取り外されてもよい(
図28、ブロック2870)。別の態様では、試料容器150は、(たとえば、保持特徴部400Rの係合によって)空洞部の内部表面を把持することによって搬送されてもよく、キャップ2552A、2552Bは、突出部900の周囲の周りに配置される把持部材2600Bを把持/係合することによって取り外されてもよい(
図28、ブロック2870)。キャップ2552A、2552Bは、キャップ2552A、2552Bを回転させることにより(
図28、ブロック2860)、またはキャップ2552A、2552Bを試料保持部151’から上昇させる/引くことにより(
図28、ブロック2850)、本明細書において説明される方法で試料保持部151’から取り外される。キャップ2552A、2552Bは、上記のものと実質的に逆の方法で、試料保持部151’に取り付けられてもよい。
【0042】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管装置が、フレームと、フレーム内に配置される試料容器保持領域のアレイであって、隣り合う試料容器保持領域間の間隔が、試料保管装置により保持される試料容器のための把持領域に依存しない、試料容器保持領域のアレイと、を含む。
【0043】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料容器保持領域が、試験管を保持するように構成される。
【0044】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、各試料容器のための把持領域が、それぞれの試料容器保持領域の周囲の実質的内側にある。
【0045】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、フレームおよび試料容器保持領域のアレイが、試料トレーを形成する。
【0046】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料トレーが、自動試料搬送システムと相互作用するように構成される。
【0047】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、各試料容器保持領域間の間隔は、隣り合う試料容器の壁の間の間隙が、隣り合う試料容器への把持部によるアクセスに対し非限定的であるように、試料容器の細密充填を可能にする。
【0048】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料容器は、中心軸、開口部、および開口部と連通し、試料を保持するための内部空洞部を有する試料保持部と、開口部を閉鎖し、試料保持部に係合するように構成される試料保持部係合部を有するキャップであって、外周縁部、および外周縁部の範囲内に配置される搬送把持部接合部を有するキャップと、を含む。
【0049】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部が、搬送把持部と機械的に相互作用するように構成される。
【0050】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部は、搬送把持部によって少なくとも1つの内部側壁に加えられる機械的な力が中心軸から放射するように、搬送把持部に係合するように構成される少なくとも1つの内部側壁を有する凹部を含む。
【0051】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、キャップが、試料保持部係合部の反対側に配置されるキャップ表面を含み、搬送把持部接合部が、キャップ表面から延びる突出部を含む。
【0052】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部が、搬送把持部と磁気的に相互作用するよう構成される。
【0053】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部が、磁気把持部と接合するように構成される強磁性材料または磁石を含む。
【0054】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部は、搬送把持部接合部が、凹部内に挿入される搬送把持部と磁気的に接合するように構成される少なくとも1つの内部側壁を有する凹部を含む。
【0055】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部が、試料保持部係合部の反対側に配置されるキャップ表面を含み、キャップ表面は、キャップ表面に隣接して配置される搬送把持部と磁気的に接合するように構成される。
【0056】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、キャップが、試料識別モジュールをさらに含む。
【0057】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料識別部が、キャップ内に配置される。
【0058】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部および試料識別モジュールは、把持部の1つまたは複数が試料容器の上方を通過するときに、試料識別モジュールが読み取り可能であるように、互いに対し配置され、把持部が、搬送把持部接合部に係合する。
【0059】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料識別モジュールが、無線周波数識別モジュールである。
【0060】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料容器が、視覚的または蛍光性の試料識別の読み取りのために構成される、バーコードまたはデータ行列のうちの1つまたは複数をさらに含む。
【0061】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料容器が、試料保持部が設置される識別モジュールをさらに含み、バーコードおよびデータ行列のうちの1つまたは複数が、識別モジュールの表面上に配置される。
【0062】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部が、搬送把持部接合部をキャップに連結するように構成される連結部を含む。
【0063】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部が、光または蛍光試料識別読み取り用に構成されるバーコードまたはデータ行列のうちの1つまたは複数をさらに含む。
【0064】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保持部およびキャップのうちの1つまたは複数は、温度センサ、加速度計、方向センサ、ポジションセンサ、位置センサ、データロギング装置、放射線センサ、光センサ、衝撃センサおよび応力センサ、電子または非電子記憶装置、ならびに電子または非電子の操作履歴表示器のうちの1つまたは複数を含む。
【0065】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保持部およびキャップのうちの1つまたは複数は、直接的観察および遠隔的観察のうちの1つまたは複数によって読み取られるように構成される、温度センサ、加速度計、方向センサ、ポジションセンサ、位置センサ、データロギング装置、放射線センサ、光センサ、衝撃センサおよび応力センサ、電子または非電子記憶装置、ならびに電子または非電子の操作履歴表示器のうちの1つまたは複数を含む。
【0066】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管および取出しシステムが、開口部を形成する少なくとも1つの周壁、開口部と連通する空洞部、および少なくとも1つの周壁に係合し、開口部を閉鎖するように構成されるキャップを有する少なくとも1つの試料容器と、フレーム、フレームに接続される把持部駆動ユニット、および把持部駆動ユニットに接続される試料容器把持部を含む試料搬送部であって、把持部が、少なくとも1つの周壁の範囲内での試料容器との係合によって試料容器を搬送するように構成される、試料搬送部と、を含む。
【0067】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料容器把持部が、試料容器の大部分または全体を、試料容器把持部内に引き込むように構成される。
【0068】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、キャップが、搬送把持部接合部を含み、試料容器把持部が、試料容器を把持するために、搬送把持部接合部と機械的に相互作用するように構成される。
【0069】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部は、試料容器把持部によって少なくとも1つの内部側壁に加えられる機械的な力が試料容器の中心軸から放射するように、試料容器把持部に係合するように構成される少なくとも1つの内部側壁を有する凹部を含む。
【0070】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、キャップが、試料保持部係合部の反対側に配置されるキャップ表面を含み、搬送把持部接合部が、キャップ表面から延びる突出部を含む。
【0071】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、キャップが、搬送把持部接合部を含み、試料容器把持部が、試料容器を把持するために、搬送把持部接合部と磁気的に相互作用するように構成される。
【0072】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部が、試料容器把持部と接合するように構成される強磁性材料または磁石を含む。
【0073】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料容器把持部が、磁場を生成するように構成される電磁石および電気巻線のうちの1つまたは複数を含む。
【0074】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、電磁石および電気巻線のうちの1つまたは複数が、試料容器把持部からの試料容器の挿入および取り外しのために、試料容器の移動をもたらす。
【0075】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部が、少なくとも1つの内部側壁を有する凹部を含み、試料容器把持部が、搬送把持部接合部と磁気的に接合するために、凹部内への挿入用に構成される。
【0076】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送把持部接合部が、試料保持部係合部の反対側に配置されるキャップ表面を含み、キャップ表面が、キャップ表面に隣接して配置される搬送把持部と磁気的に接合するように構成される。
【0077】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、キャップが、試料識別モジュールをさらに含む。
【0078】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料識別モジュールが、キャップ内に配置される。
【0079】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、キャップが、搬送把持部接合部を含み、搬送把持部接合部および試料識別モジュールは、試料容器把持部の1つまたは複数が試料容器の上方を通過するときに、試料識別モジュールが読み取り可能であるように、互いに対し配置され、試料容器把持部が、搬送把持部接合部に係合する。
【0080】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管および取出しシステムが、試料トレーフレームを有する試料トレーと、フレーム内に配置される試料容器保持領域のアレイと、をさらに含み、隣り合う試料容器保持領域間の間隔は、隣り合う試料容器の少なくとも1つの周壁の間の間隙が、隣り合う試料容器のそれぞれへの試料容器把持部によるアクセスに対し非限定的である。
【0081】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、キャップが、それぞれの試料容器保持領域の周囲の実質的内側に配置される搬送把持部接合部を含む。
【0082】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料容器把持部が、試料容器の把持中に、試料容器把持部内で少なくとも1つの試料容器を中央揃えするように構成される。
【0083】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保持部およびキャップのうちの1つまたは複数は、温度センサ、加速度計、方向センサ、ポジションセンサ、位置センサ、データロギング装置、放射線センサ、光センサ、衝撃センサおよび応力センサ、電子または非電子記憶装置、ならびに電子または非電子の操作履歴表示器のうちの1つまたは複数を含む。
【0084】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保持部およびキャップのうちの1つまたは複数が、直接的観察および遠隔的観察のうちの1つまたは複数によって読み取られるように構成される、温度センサ、加速度計、方向センサ、ポジションセンサ、位置センサ、データロギング装置、放射線センサ、光センサ、衝撃センサおよび応力センサ、電子または非電子記憶装置、ならびに電子または非電子の操作履歴表示器のうちの1つまたは複数を含む。
【0085】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料搬送部が、断熱スリーブを含み、断熱スリーブおよび試料容器把持部のうちの少なくとも1つが、断熱スリーブおよび試料容器把持部のうちの他方に対し移動可能であり、断熱スリーブが、試料搬送部によって運搬される試料容器と、試料容器および試料搬送部を囲繞する環境との間の対流熱交換を実質的に防止するように構成される。
【0086】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、断熱スリーブと試料容器との間の間隙が、試料容器把持部の位置に依存しない。
【0087】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料容器搬送システムが、フレームと、フレームに接続される駆動ユニットと、フレームに接続される試料容器把持部であって、試料容器を把持および保持するように構成される試料容器接合部を有する少なくとも1つの試料容器把持部材、および少なくとも1つの試料容器把持部が配置されるチャネルを有する側部断熱部材を含む試料容器把持部と、を含み、少なくとも1つの試料容器把持部材に保持される試料容器が、側部断熱部材のチャネル内に搬送されるように、駆動ユニットが、少なくとも1つの試料容器把持部材と側部断熱部材との間の相対移動をもたらすように構成される。
【0088】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、側部断熱部材が、試料容器の温度を維持するように構成される少なくとも1つの冷媒貯留器を含む。
【0089】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの試料容器把持部材と側部断熱部材との間の相対移動が、試料容器を把持および解放するために、少なくとも1つの試料容器把持部材の開閉を引き起こす。
【0090】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、側部断熱部材が、試料容器と接合するように構成される少なくとも1つの付勢部材を含む。
【0091】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの試料容器把持部材が、試料容器の周壁によって区切られる領域内で試料容器と接合するように構成される。
【0092】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、側部断熱部材と試料容器との間の間隙は、少なくとも1つの試料容器把持部材の位置に依存しない。
【0093】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料容器把持部が、試料容器の大部分または全体を、試料容器把持部および側部断熱部材のうちの1つまたは複数の内部に引き込むように構成される。
【0094】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料容器が、試料保持部と、試料保持部に係合するように構成される試料保持部係合部材、および試料保持部係合部材の反対側に延びる突出部を有するキャップと、を含み、突出部が、試料容器のキャップの搬送もたらすように構成される1つまたは複数の保持特徴部を有する外周表面と、試料容器のキャップの試料保持部への連結および試料保持部からの連結解除をもたらすように構成される把持部材を含む内部表面を有する空洞部と、を含む。
【0095】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保持部係合部材が、試料保持部との螺合用に構成される。
【0096】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保持部係合部材が、試料保持部との摩擦係合用に構成される。
【0097】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保持部係合部材が、試料保持部の開口部に係合するように構成される環状密閉部を含む。
【0098】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、1つまたは複数の保持特徴部が、試料容器搬送把持部に係合するように構成されるディテント(detent)または溝を含む。
【0099】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、把持部材が、内部表面から試料容器の中心線に向けて延びる。
【0100】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、把持部材が、キャップ把持部との受動的係合用に構成される。
【0101】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、把持部材が、キャップ把持部との能動的係合用に構成される。
【0102】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保持部が、開端部および閉端部を含み、開端部は、キャップに係合するように構成され、閉端部は、試料保持部とキャップとの間の相対回転をもたらす回転防止特徴部を有する。
【0103】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保持部が、開端部および閉端部を含み、開端部は、キャップに係合するように構成され、閉端部は、試料容器保持領域の対応する方向決め特徴部に係合し、試料容器保持領域内での試料保持部の保持、および試料保持部とキャップとの間の相対移動をもたらす方向決め特徴部を有する。
【0104】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保持部係合部材が、テクスチャ付き外周表面を含む。
【0105】
上記の記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことを理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。従って、開示された実施形態の態様は、添付の請求項の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、相互に異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することが出来ないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。
【外国語明細書】