(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107100
(43)【公開日】2022-07-21
(54)【発明の名称】ガーグルベースンと補助片と延長具ユニット
(51)【国際特許分類】
A61J 19/02 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
A61J19/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021001801
(22)【出願日】2021-01-08
(71)【出願人】
【識別番号】396020132
【氏名又は名称】株式会社システック
(71)【出願人】
【識別番号】511237276
【氏名又は名称】磐田市
(72)【発明者】
【氏名】三ツ谷 佐知
(72)【発明者】
【氏名】香高 孝之
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047PP43
4C047PP55
(57)【要約】
【課題】
本発明の課題は、患者の吐瀉物を容器の外に漏らさず容器の内側に受けることができるガーグルベースンとその取付け用補助片と延長具ユニットを提供することである。
【解決手段】
本発明のガーグルベースンは、ガーグルベースン容器の内側に、患者の口を載せる補助片を有し、補助片は、取り付け・取り外しの構成も可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガーグルベースン容器の内側に、補助片を備え、前記補助片は、
患者が、口元を前記補助片を越えて吐瀉行動をすることで、吐瀉物が前記ガーグルベースン容器の外に漏れることを回避するものであることを特徴とするガーグルベースン。
【請求項2】
前記ガーグルベースン容器の端面は、前記患者の顔面が少し入るほど、前記補助片に近い側の端面が低く、反対側は高くなっていることを特徴とする請求項1記載のガーグルベースン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のガーグルベースンに取付けて使用する前記補助片であって、前記ガーグルベースン容器に取り付け・取り外し自在であることを特徴とする補助片。
【請求項4】
前記補助片は、前記ガーグルベースン容器の長辺の容器壁に取付ける第一取付け片を備えていることを特徴とする請求項3記載の補助片。
【請求項5】
前記第一取付け片と前記ガーグルベースン容器の長辺の容器壁の間に磁石結合又はホック結合又は面ファスナー結合により取り付け可能としていることを特徴とする請求項4記載の補助片。
【請求項6】
前記第一取付け片を含め前記補助片の断面構造が、略N字を逆さにした形状を有することで、前記ガーグルベースン容器の前記容器壁を前記第一取付け片が挟む取り付けを可能としたことを特徴とする請求項4記載の補助片。
【請求項7】
前記補助片は、前記ガーグルベースン容器の短辺の容器壁に取付ける第二取付け片を備えていることを特徴とする請求項3記載の補助片。
【請求項8】
二つの前記短辺の容器壁の間隔の違いに対応可能なように、
前記補助片と前記第二取付け片との間の長さを可変する長さ可変手段を備えることを特徴とする請求項7記載の補助片。
【請求項9】
前記補助片の下部は、第三取付け片となっていて、第三取付け片を前記ガーグルベースン容器の底に取付けることを特徴とする請求項3記載の補助片。
【請求項10】
ガーグルベースン容器の相対する容器壁に沿って、2個の前記補助片を備えたことを特徴する請求項1記載のガーグルベースン。
【請求項11】
請求項2において、前記補助片に近い側の端面が低く、反対側は高くなっている構成を達成するために、高くするために端面に取り付けることを特徴とする高さ延長用の延長具ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療・介護現場で使用する患者の吐瀉物、その他汚物を受ける容器であるガーグルベースンとそれに使用する補助片と延長具ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガーグルベースンとして、以下のようなものが見られる。
図4に特許文献1から引用してその図を示す。
図4に形状が示されているので、特に説明を省略するが、現状、使われているものの欠点として、以下のことがあった。患者が容器の枠から内側に口を出して吐瀉物を吐き出すときに、口から顔面を伝って、吐瀉物が容器の枠外に漏れ出てしまう。このことは、特に、横臥姿勢の患者において起きやすい欠点であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の課題は、上記の欠点を回避して、吐瀉物が容器の枠外に漏れ出ない、又は、漏れ出にくい構造のガーグルベースン又はその取り付け・外し自在のユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下請求項に沿い記述する。
請求項1記載の発明は、ガーグルベースンであって、
ガーグルベースン容器の内側に、補助片を備え、前記補助片は、
患者が、口元を前記補助片を越えて吐瀉行動をすることで、吐瀉物が前記ガーグルベースン容器の外に漏れることを回避するものであることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のガーグルベースンにおいて、
前記ガーグルベースン容器の端面は、前記患者の顔面が少し入るほど、前記補助片に近い側の端面が低く、反対側は高くなっていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のガーグルベースンに取付けて使用する前記補助片であって、前記ガーグルベースン容器に取り付け・取り外し自在であることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の補助片において、
前記補助片は、前記ガーグルベースン容器の長辺の容器壁に取付ける第一取付け片を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の補助片において、
前記第一取付け片と前記ガーグルベースン容器の長辺の容器壁の間に磁石結合又はホック結合又は面ファスナー結合により取り付け可能としていることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の補助片において、
前記第一取付け片を含め前記補助片の断面構造が、略N字を逆さにした形状を有することで、
前記ガーグルベースン容器の前記容器壁を前記第一取付け片が挟む取り付けを可能としたことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項3記載の補助片において、
前記補助片は、前記ガーグルベースン容器の短辺の容器壁に取付ける第二取付け片を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の補助片において、
二つの前記短辺の容器壁の間隔の違いに対応可能なように、
前記補助片と前記第二取付け片との間の長さを可変する長さ可変手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項3記載の補助片において、
前記補助片の下部は、第三取付け片となっていて、第三取付け片を前記ガーグルベースン容器の底に取付けることを特徴とする。
【0014】
請求項10記載の発明は、請求項1記載のガーグルベースンにおいて、
ガーグルベースン容器の相対する容器壁に沿って、2個の前記補助片を備えたことを特徴する。
【0015】
請求項11記載の発明は、高さ延長用の延長具ユニットであって、
請求項2において、前記補助片に近い側の端面が低く、反対側は高くなっている構成を達成するために、高くするために端面に取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上の様に構成されているので、本発明によるガーグルベースンでは、口から顔面を伝った吐瀉物は、容器の壁の内側に留めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明にかかるガーグルベースンの一実施態様を示す図である。
【
図2】本発明にかかるガーグルベースンの使用状況の一実施態様を示す図である。
【
図3】本発明にかかるガーグルベースンの他の実施態様を示す図である。
【
図4】従来のガーグルベースンの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明にかかるガーグルベースンの一実施態様を示す図である。1-A-1において、従来のガーグルベースン容器110の内側に、更に、本発明では、補助片120が取付いている。1-A-2はその断面の図を示す。ガーグルベースン容器110の容器の端面は、同一高さの場合が多いが、点線書で示すように、患者の顔面が少し入るほど、補助片120のある側が、低く、反対側は高くなっている方が使いやすい。
【0019】
補助片120の役割を
図2を用いて説明する。
図2は、本発明にかかるガーグルベースンの使用状況の一実施態様を示す図である。2-Aにおいて、患者210が、起きている状態では、口元211を補助片120を越えて、理想的には、下唇の下を補助片120につけて、吐瀉行動をする。患者210が、横臥している状態では、口元211を補助片120を越えて、理想的には、口のすぐ横の頬を補助片120につけて、吐瀉行動をする。
こうすると、口から顔面を伝った吐瀉物は、補助片120とガーグルベースン容器110の容器壁の間に落下するようにできて、ガーグルベースン容器110の容器外への漏れ出しを回避することができる。補助片120の端面の形状は、ガーグルベースン容器110の端面の形状と同じで、端面が二つあると思えばよい。
【0020】
再び、
図1に戻って、補助片120は、ガーグルベースン容器110に固定的についていてもよいが、一般には、ガーグルベースン容器110は、複数個重ねて保管することが多いので、補助片120が固定的では、これが邪魔になって、複数個重ねて保管の障害になる。そのため、補助片120は、取り付け・外し自在な取り付けユニットである方が好ましい。
【0021】
次に、補助片120のガーグルベースン容器110への取り付け方の例をあげる。
1例目として、1-A-3では、ガーグルベースン容器110の容器壁に磁石130が埋め込まれていて、補助片120は、これとV字状になるように接続した取付け片121が磁石又は磁石吸着性の金属を有しているものである。勿論、磁石を取り付ける考え方は、ガーグルベースン容器110の容器壁か、補助片120にV字状に接続した取付け片121かは、反対の考え方でもよい。尚、磁石の代わりに、凹凸のかみ合わせのようにホックにしてもよいし、面ファスナー結合にしてもよい。
【0022】
2例目として、1-B-1、1-B-2に示すものである。補助片120は、取付け片121を持っていて、全体で略N字を逆さまにしたような断面になっている。略N字というのは、挟みこみが出きればよいので、正確なN字でなくともよいということである。
例えば、1-B-3に示す断面で示すN字からの変形例も、略逆N字の範囲の思想に入るものとする。
ガーグルベースン容器110の容器壁を取付け片121が挟むように取り付けできる。図示のように、補助片120の長手方向は、ガーグルベースン容器110の長手方向の壁に平行になるように取付ける方が望ましい。尚、取付け片121は、補助片120とは同一材質である必要がなく、曲げて作る場合に加工しやすいものとして、ステンレスや防錆処理をした金属板や線でもよい。線の場合は、取付け片121が片とならないが、線が囲う面が片と等価な作用をするので、本願の思想の範囲とする。
上記では、取付け片121は、ガーグルベースン容器110の長手方向の壁に取付けたが、ガーグルベースン容器110の短手方向の壁又は、容器の底に取付けることもできる。その例を
図3で示す。
【0023】
図3は、本発明にかかるガーグルベースンの他の実施態様を示す図である。
3-A-1において、補助片120は、長手方向の両側に延長部122を介して、取付け片121を有していて、取付け片121が、ガーグルベースン容器110の短手方向の壁に取りつけることでできる。3-A-2は、断面形状を示す。
取付け片121は、いろいろ可能であるが、一例を挙げると、3-A-3に示す。容器壁111を挟む込む固定部121Aを有している。さらに、容器サイズに対応できるように、
固定部121Aと延長部122との間の接続部に長さ可変手段122Aを備えると便利である。
【0024】
3-Bは、取付け片121を容器の底に取付ける例である。
容器の底112には、凹部113があって、補助片120を差し込み固定する。勿論、容器の底112が、突起で、補助片120側に凹部113が有ってもよい。
【0025】
尚、補助片120は、ガーグルベースン容器110の長手方向に1個付いた例を示したが、反対側にももう1個、付けることができる。また、反対側の壁を高くする1-A-2の点線に示した構造は、一体型でなくてもよく、第二の高さ方向の延長のための延長具ユニット(例えば逆V字状、逆Y字状)を壁に取付けることで可能となる。高さが高い方が、吐き出したものが、壁を乗り越え外に漏れる恐れが回避できるからである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように本発明にかかるガーグルベースンと補助片と延長具ユニットは、患者の吐瀉物を容器の外に漏らさず容器の内側に受けることができるので産業上利用して極めて好都合である。
【0027】
110 ガーグルベースン容器
111 容器壁
112 容器の底
113 凹部
120 補助片
121 取付け片
121A 固定部
122 延長部
122A 長さ可変手段
130 磁石
210 患者
211 口元