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特開2022-107142ドリル用フレーム、光学マーカ、光学マーカパッケージ、及び光学マーカの滅菌方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107142
(43)【公開日】2022-07-21
(54)【発明の名称】ドリル用フレーム、光学マーカ、光学マーカパッケージ、及び光学マーカの滅菌方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 1/08 20060101AFI20220713BHJP
   A61C 8/00 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
A61C1/08 Z
A61C8/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021001891
(22)【出願日】2021-01-08
(71)【出願人】
【識別番号】519024474
【氏名又は名称】Safe Approach Medical株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】チョ ビョンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】大内田 理一
【テーマコード(参考)】
4C052
4C159
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052CC10
4C052EE07
4C159AA54
(57)【要約】
【課題】位置マーカのコストと取り付けの煩雑さとを低減する。
【解決手段】歯科用のドリル刃451を有するドリル450に着脱可能なドリル用フレーム460であって、光を反射する平面形状のドリル用光学マーカを取り付けるための3つ以上の凹部463を含んでおり、3つ以上の凹部463の底面の法線ベクトルは、少なくとも3つの異なる方向に分類される。ここで、3つ以上の凹部463のそれぞれは、当該凹部463の深さと光学マーカの厚さとの差が所定の範囲内となっていてもよい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用のドリル刃を有するドリルに着脱可能なドリル用フレームであって、
光を反射する平面形状の光学マーカを取り付けるための3つ以上の凹部を含み、
前記3つ以上の凹部の底面の法線ベクトルは、少なくとも3つの異なる方向に分類される、
ドリル用フレーム。
【請求項2】
前記3つ以上の凹部のそれぞれは、当該凹部の深さと前記光学マーカの厚さとの差が所定の範囲内となっている、
請求項1に記載のドリル用フレーム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のドリル用フレームに取り付けるための光学マーカであって、
光を反射するための反射層と、
前記凹部に備えられた磁石と吸着する金属層と、
を有する光学マーカ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のドリル用フレームに取り付けるための光学マーカであって、
光を反射するための反射層と、
前記凹部に備えられた金属層と吸着する磁石と、
を有する光学マーカ。
【請求項5】
前記反射層は赤外線を反射する円盤形状である、
請求項3又は4に記載の光学マーカ。
【請求項6】
磁力を有するマットと、
前記マットの上に配置された請求項3に記載の光学マーカと、
前記光学マーカを密封するシール部材と、
を備える光学マーカパッケージ。
【請求項7】
金属製のマットと、
前記マットの上に配置された請求項4に記載の光学マーカと、
前記光学マーカを密封するシール部材と、
を備える光学マーカパッケージ。
【請求項8】
前記マットは屈曲性のマットである、
請求項6又は7に記載の光学マーカパッケージ。
【請求項9】
磁力を有するマットの上に請求項3に記載の光学マーカを配置し、シール部材を用いて前記マットの上に配置された前記光学マーカを密封し、前記光学マーカに放射線を照射する、
光学マーカの滅菌方法。
【請求項10】
金属製のマットの上に請求項4に記載の光学マーカを配置し、シール部材を用いて前記マットの上に配置された前記光学マーカを密封し、前記光学マーカに放射線を照射する、
光学マーカの滅菌方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドリル用フレーム、光学マーカ、光学マーカパッケージ、及び光学マーカの滅菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、歯科インプラントの施術において、インプラントの位置を目視で確認し、手術用のドリルを利用して顎に穴を穿けることが行われている。また、石膏模型とサージカルガイドを用いてインプラントの位置を正確に誘導する技術や、口腔内の状態を3次元で表現し、映像を見ながらインプラントの設計や、施術が行われている。
【0003】
特許文献1は、インプラントを埋設する適正な位置を直観的で且つリアルタイムに把握して設計情報を作成する施術支援システムであって、歯の基準位置を示す基準マーカとともにCT画像で撮影するCT撮影装置と、基準マーカとの相対位置が固定された第1の位置マーカと、操作部の位置及び方向を特定する第2の位置マーカと、CT画像に基づいた3次元モデル情報と、操作部の長手方向に対して垂直方向に装着される仮想のインプラントの3次元モデル情報とを記憶する3次元モデル記憶部と、3つのマーカの位置情報から位置合わせをして3次元モデル情報を操作部及び被施術者の動きに応じて表示する表示制御部と、仮想のインプラントの3次元モデルが所望の位置及び角度で表示された状態となったときに、当該位置及び角度を設計情報として記憶するキャプチャ部とを備えている、システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/088146号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、CT画像データに基づいた3次元再構成画像に操作部の位置及び方向を重ね合わせるために、球形状の位置マーカを撮影して位置マーカの座標を取得する必要がある。安全性や感染症予防の観点からこの位置マーカは撮影の度に取り替える運用がなされている。このため、撮影の度に球形状の位置マーカのコストがかかり、また位置マーカの取り替えが煩雑となっている。
【0006】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、位置マーカのコストと取り付けの煩雑さとを低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、歯科用のドリル刃を有するドリルに着脱可能なドリル用フレームである。このドリル用フレームは、光を反射する平面形状の光学マーカを取り付けるための3つ以上の凹部を含んでおり、前記3つ以上の凹部の底面の法線ベクトルは、少なくとも3つの異なる方向に分類される。
【0008】
前記ドリル用フレームにおいて、前記3つ以上の凹部のそれぞれは、当該凹部の深さと前記光学マーカの厚さとの差が所定の範囲内となっていてもよい。
【0009】
本発明の第2の態様は、上述のドリル用フレームに取り付けるための光学マーカである。この光学マーカは、光を反射するための反射層と、前記凹部に備えられた磁石と吸着する金属層と、を有する。
【0010】
本発明の第3の態様も、上述のドリル用フレームに取り付けるための光学マーカである。この光学マーカは、光を反射するための反射層と、前記凹部に備えられた金属層と吸着する磁石と、を有する。
【0011】
前記光学マーカにおいて、前記反射層は赤外線を反射する円盤形状であってもよい。
【0012】
本発明の第4の態様は、光学マーカパッケージである。この光学マーカパッケージは、磁力を有するマットと、前記マットの上に配置された第2の態様に係る光学マーカと、前記光学マーカを密封するシール部材と、を備える。
【0013】
本発明の第5の態様も、光学マーカパッケージである。この光学マーカパッケージは、金属製のマットと、前記マットの上に配置された第3の態様に係る光学マーカと、前記光学マーカを密封するシール部材と、を備える。
【0014】
前記光学マーカパッケージにおいて、前記マットは屈曲性のマットであってもよい。
【0015】
本発明の第6の態様は、光学マーカの滅菌方法である。この方法において、磁力を有するマットの上に第2の態様に係る光学マーカを配置し、シール部材を用いて前記マットの上に配置された前記光学マーカを密封し、前記光学マーカに放射線を照射する。
【0016】
本発明の第7の態様も、光学マーカの滅菌方法である。この方法において、金属製のマットの上に第3の態様に係る光学マーカを配置し、シール部材を用いて前記マットの上に配置された前記光学マーカを密封し、前記光学マーカに放射線を照射する。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、位置マーカのコストと取り付けの煩雑さとを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係る歯科インプラント施術のための施術支援システムの概要図である。
図2】施術支援装置等の機能ブロック図である。
図3】操作器具である歯科用のドリルを示す図である。
図4】ドリル用フレームの構成を説明するための模式図である。
図5】ドリル用フレームに取り付けられた各ドリル用光学マーカの法線ベクトルの方向を模式的に示す図である。
図6】ドリル用フレームの凹部の深さとドリル用光学マーカの厚みとの関係を説明するための模式図である。
図7】実施の形態に係る光学マーカパッケージを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態に係る位置マーカ(光学マーカ)の詳細を説明する前に、その前提技術として光学マーカを使用するシステムについて説明する。
【0021】
実施の形態に係る光学マーカは、施術支援システムで用いられる。施術支援システムは、歯科インプラントの施術において、施術者(特に歯科医師)の支援を行うものであり、従来では歯科医院において行われていたCT画像データの各種処理を、歯科医院とは異なる施設(例えば歯科技工所など、以下、「遠隔サポート施設」という。)で行えるようにし、施術者の作業負担を低減することを可能にする。
【0022】
<施術支援システムの概要>
図1は、本実施形態に係る歯科インプラント施術のための施術支援システム1の概要図である。
【0023】
施術支援システム1は、歯科インプラントを施術する歯科医院(第1の施設)における施術支援装置100と、歯科医院とは異なる第2の施設における管理サーバー200(例えばクラウドサーバー)と、歯科医院とは異なる1つ以上の第3の施設(遠隔サポート施設)における処理装置300とを含む。なお、処理装置300の一つは、管理サーバー200のある第2の施設に設けられていてもよい。
【0024】
施術支援装置100及び処理装置300は、ネットワーク(例えばインターネット)を通じて管理サーバー200に接続され、管理サーバー200を介して互いにデータのやりとりを行う。
【0025】
施術支援システム1では、歯科医院には、赤外線撮影装置40、CT撮影装置50、ディスプレイ60等の表示装置、及び施術支援装置100が備えられている。赤外線撮影装置40は、赤外線マーカ25の実空間における位置座標を測定するために、赤外線マーカ25を赤外線を用いて撮影する。CT撮影装置50は、プレート10を装着した状態の被施術者の上顎から下顎の全体又は一部を断層撮影する。
【0026】
ここで、プレート10には、被施術者の歯との位置関係を特定するための基準位置となるCTマーカ11が埋め込まれている。プレート10は、CT撮影装置50の撮影時に、施術者の歯列に装着させるステントに固定される。このため、CTマーカ11は、CT撮影装置50の撮影時に被施術者の歯との関係を特定するための基準位置となり得る。
【0027】
実施の形態に係る施術支援システム1において、プレート10は、CTマーカ11との相対位置を特定するために、CTマーカ11との相対的な位置関係が既知である赤外線マーカ25を備えた基準フレーム20を接続することができる。CTマーカ11と赤外線マーカ25との相対的な位置関係が固定されていれば、実空間におけるCTマーカ11の位置座標と赤外線マーカ25の位置座標とは、所定の変換行列によって互いに変換可能となる。このため、ひとたび赤外線マーカ25の実空間における位置座標を特定することができれば、CTマーカ11の位置座標も特定でき、ひいては、被施術者の歯を含む生体組織(歯、骨、神経など)の実空間における位置座標を特定することができる。
【0028】
このように、赤外線撮影装置40等の3次元測定部を用いて赤外線マーカ25の位置を測定すれば、被施術者の歯を含む生体組織の位置座標も演算により特定できる。この結果、施術者が操作する操作器具30に赤外線マーカ39を装着して、赤外線マーカ25との関係で赤外線マーカ39の位置を特定すれば、操作器具30と被施術者の歯を含む生体組織との位置関係も特定することができる。操作器具30の一例としては、ドリル刃を有するドリルである。赤外線マーカ39であるドリル用光学マーカは、ドリルに着脱可能なドリル用基準フレームに脱着可能である。ドリル用基準フレームに備えられた複数のドリル用光学マーカは、ドリル刃との相対的な位置関係が既知となっている。
【0029】
施術支援装置100は、CT撮影装置50から、プレート10が被施術者の歯に固定された状態で断層撮影した被施術者のCT画像データ(DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)データ)を取得して、記憶部110に記憶する。なお、被施術者をCT撮影する際には、基準フレーム20のCT画像データは不要であるため、基準フレーム20はプレート10から外しておく。
【0030】
施術支援装置100は、入力部130を通じて受けた施術者等からの指示に従い、被施術者に関するDICOMデータをネットワークを介して管理サーバー200に送信する。管理サーバー200は、施術支援装置100から受信したDICOMデータを施術者等が1つ又は複数の選択肢の中から指定した遠隔サポート施設における処理装置300に送信する。
【0031】
処理装置300は、施術支援装置100から受信したDICOMデータに基づいて、プレート10を被写体に含むCTの3次元再構成画像を生成する。3次元再構成画像は、いわばプレート10を含む被施術者の3次元モデルである。処理装置300は、生成した3次元再構成画像に含まれる被施術者の生体組織を組織の種類毎にセグメンテーションする。処理装置300は、3次元再構成画像におけるCTマーカ11の位置の指定を処理装置300の操作者(例えば、歯科技工士)から受け付けることにより、実空間におけるプレート10が含むCTマーカ11と、仮想的な3次元再構成画像におけるCTマーカ11との位置合わせ(レジストレーション;registration)をすることができる。
【0032】
実施の形態に係る施術支援システム1において、処理装置300が設置されている遠隔サポート施設には、被施術者の歯形をかたどった歯形設計模型である石膏モデルが歯科医院から郵送等の方法で届けられている。このため、処理装置300の操作者は、基準フレーム20が接続されたプレート10を固定したステントを石膏モデルに装着することで、実空間におけるプレート10のCTマーカ11と、3次元再構成画像におけるCTマーカ11との位置合わせをすることができる。
【0033】
さらに、実施の形態に係るプレート10は、3次元再構成画像における複数のCTマーカ11の位置座標と、プレート10が存在する実空間におけるCTマーカ11の位置座標との位置合わせの精度の測定に用いるための位置合わせ確認部を含んでいる。位置合わせ確認部はプレート10に設けられた凹部であり、操作器具30の一例であるドリルのドリル刃を挿入できる大きさとなっている。処理装置300の操作者が赤外線マーカ39を装着したドリルのドリル刃を凹部に挿入したとき、処理装置300は、3次元再構成画像における凹部と、赤外線マーカ39との相対的な位置関係に基づいて算出された3次元再構成画像中における仮想的なドリル歯との位置関係から、実空間におけるプレート10のCTマーカ11と、3次元再構成画像におけるCTマーカ11との位置合わせの精度を算出する。
【0034】
すなわち、実空間において処理装置300の操作者がプレート10の凹部にドリル刃を差し込むことは、実空間における凹部とドリル刃との位置が一致していることを意味する。この状態で、3次元再構成画像における凹部とドリル刃との位置が一致していれば、位置合わせの精度が高いことを示している。このように、3次元再構成画像中における凹部とドリル歯との距離の大きさは、実空間におけるプレート10のCTマーカ11と、3次元再構成画像におけるCTマーカ11との位置合わせの精度の良さに対応する。処理装置300の操作者は、実空間におけるプレート10のCTマーカ11と、3次元再構成画像におけるCTマーカ11との位置合わせの精度が、施術者等が要求する位置精度となるように位置精度を実行することで、位置合わせの位置精度を担保することができる。
【0035】
施術支援装置100は、遠隔サポート施設における処理装置300にてセグメンテーション処理、位置合わせ処理後に生成された1つ以上の3次元再構成画像や変換行列に関するデータ、位置合わせの精度を、管理サーバー200を介して受信する。なお、施術者等は、自身の好みに応じて又は遠隔サポート施設の混雑状況、処理コスト等を考慮して、DICOMデータ等の処理を依頼する施設を入力部130を通じて施術支援装置100に指示してもよい。
【0036】
また、施術支援装置100は、管理サーバー200から受信した3次元再構成画像のデータに基づき、被施術者の口内(下顎、上顎、または両方等)及びプレート10の3次元再構成画像をディスプレイ60に表示する。もちろん、3次元再構成画像の画像からスライス画像を表示することもできる。
【0037】
歯科インプラントの施術の際には、被施術者は基準フレーム20が装着されたプレート10を歯に固定しながら施術を受けることになる。施術の際に、施術支援装置100は、赤外線撮影装置40で撮影した赤外線マーカ25、39の画像データに基づき、赤外線マーカ25、39の相対的な位置関係を求め(位置情報取得部140)、処理されたDICOMデータに基づく被施術者の口内及びプレート10の3次元再構成画像の画像に重ねて、操作器具30の少なくとも先端部分及びドリル等の施術部品の3次元再構成画像の画像をディスプレイ60に表示する。当該表示は、リアルタイムに行われ、実際のインプラント施術における施術者の操作器具30の動きに合わせてリアルタイム(例えばリフレッシュレート30~60Hz)に行われる。
【0038】
なお、処理装置300によって実空間におけるプレート10のCTマーカ11と3次元再構成画像におけるCTマーカ11との位置合わせの精度は保証されているため、3次元再構成画像に重ねられる操作器具30の画像の位置精度は、施術者等が要求する位置精度となっている。このため、従来であれば施術前に施術者等が行っていた位置合わせの作業を省略し、プレート10の凹部を用いて位置合わせの精度を確認するだけで、施術者は、ディスプレイ60に表示される3次元再構成画像の画像を見ながら、被施術者に対して歯科インプラントの施術を開始することができ、3次元で直観的な操作も可能となる。このように、実施の形態に係る施術支援システム1は、歯科インプラントの施術における施術者の作業負担を低減することができる。
【0039】
<施術支援システム1に含まれる各装置の機能構成>
図2に、ソフトウェアに応じたハードウェアの動作により実現される、施術支援装置100、管理サーバー200、及び処理装置300の機能ブロックの概要を示す。施術支援装置100及び処理装置300のハードウェアとしては一般的なコンピュータであってもよく、管理サーバー200のハードウェアとしては一般的なサーバー型コンピュータであってもよい。施術支援装置100と処理装置300は互いに同じ機能を有するように構成してもよく、そうすることで施術支援システム1に加わる装置のソフトウェアの一括更新が容易となる。この場合、遠隔サポート施設においても、施術支援装置100が設置されている歯科医院と同様に、赤外線撮影装置40等の3次元測定部及びディスプレイ60等の表示装置も設置される。
【0040】
施術支援装置100は、DICOMデータであるCT画像データなどの各種情報を記憶する記憶部110;CT画像の情報を匿名化する匿名化処理部120;被施術者に関する情報などの各種情報の入力を受け付ける入力部130;赤外線撮影装置40の画像データに基づき赤外線マーカの空間位置を特定(特許文献1等参照)する位置情報取得部140;施術者が設計したインプラント情報(インプラントする位置や種類等の情報)を生成するインプラント設計情報生成部150;3次元再構成画像を含む各種情報をディスプレイ60に表示する表示制御部160;CT画像に関するDICOMデータを処理装置300に送信する送信部170;処理装置300から各種情報を受信する受信部180;及び、3次元再構成画像における操作器具30の位置を算出する位置算出部190を含む。
【0041】
ここで、赤外線マーカ25、39は、赤外線等の光を反射する素材で構成されている。なお、施術支援システム1には、赤外線マーカ25、39に赤外線を照射する光源が含まれている。赤外線撮影装置40は、例えばステレオ赤外線カメラで構成され、複数の異なる角度から赤外線マーカ25、39を撮影できる。赤外線撮影装置40が、例えば、操作器具30としてドリル刃を有するドリルを撮影した場合、位置情報取得部140は、基準フレーム20が備える複数の赤外線マーカ25の位置座標と、複数のドリル用光学マーカを有するドリル用基準フレームが備える複数のドリル用光学マーカの位置座標と、を取得する。また、位置算出部190は、3次元再構成画像、複数の赤外線マーカ25の位置座標、複数のドリル用光学マーカの位置座標、複数のドリル用光学マーカとドリル刃との相対的な位置関係、及び変換行列に基づいて、3次元再構成画像におけるドリル刃の位置を算出する。これにより、表示制御部160は、3次元再構成画像にドリル刃を重畳してディスプレイ60に表示させることができる。
【0042】
管理サーバー200は、受信した各種データをバックアップ用に記憶しておくバックアップデータベース210;施術中の操作器具30の位置の奇跡などのログデータをバックアップするログデータデータベース220;及び、施術支援装置100及び処理装置300のソフトウェアを最新の状態に保つソフトウェア更新部230を備える。
【0043】
処理装置300は、施術支援装置100から受信したDICOMデータを含む各種情報を記憶する記憶部310;施術支援装置100から管理サーバー200を介して受信したCT画像データの着色・補正処理などを行うセグメンテーション処理部320;セグメンテーション処理したデータに基づき1つ又は複数の3次元再構成画像のデータを生成する3次元モデル生成部330;処理装置300のユーザから、3次元再構成画像中の複数のCTマーカの位置の指定を受け付ける位置取得部340;任意に、歯科技工士が設計したインプラント情報(インプラントする位置や種類等)を生成するインプラント設計情報生成部350;複数の赤外線マーカ25の位置座標を測定する3次元測定部360;プレート10に設けられた複数のCTマーカ11の位置座標を算出する座標算出部370;3次元再構成画像と歯形石膏模型との位置合わせを実行する位置合わせ部380;3次元再構成画像における凹部の位置とドリル刃の位置との誤差を位置合わせの精度として算出する精度算出部390;3次元再構成画像、3次元再構成画像中の複数のCTマーカ11の位置、及び、変換行列を施術支援装置100に送信する送信部395を含む。
【0044】
[遠隔サポート施設における位置合わせ]
より具体的に、記憶部310は、プレート10を固定したステントを被施術者の歯に装着させた状態で撮像されたCT画像に関するDICOMデータを施術支援装置100から取得して記憶している。3次元モデル生成部330は、DICOMデータに基づいてCTの3次元再構成画像を生成する。位置取得部340は、3次元モデル生成部330が生成した3次元再構成画像中の複数のCTマーカ11の位置の指定を、マウス等の図示しない処理装置300が備えるポインティングデバイスを介して処理装置300のユーザから受け付ける。
【0045】
3次元測定部360は、基準フレーム20が接続されたプレート10を固定したステントを被施術者の歯形石膏模型に装着した状態で、基準フレーム20に備えられた複数の赤外線マーカ25の位置座標を測定する。3次元測定部360は、例えば、赤外線撮影装置40が撮影した画像に基づいて、各位置座標を測定する。座標算出部370は、複数の赤外線マーカ25の位置座標と複数のCTマーカ11との相対的な位置関係に基づいて、プレート10に設けられた複数のCTマーカ11の位置座標を算出する。位置合わせ部380は、ユーザが指定した3次元再構成画像における複数のCTマーカ11の位置と、座標算出部370が算出した実空間におけるCTマーカ11の位置座標とに基づいて、3次元再構成画像と歯形石膏模型との位置合わせを実行する。これにより、遠隔サポート施設に存在するユーザであっても、3次元再構成画像と歯形石膏模型とを正確に位置合わせをすることができる。
【0046】
[操作器具30の例]
図3(a)-(d)は、施術者が歯科インプラントの施術や設計をする際に用いる操作器具30を示す図であり、種々存在する操作器具30の一例として、歯科用のドリル刃451を有するドリル450を示している。具体的には、図3(a)-(d)は、歯科用のドリル刃451を有するドリル450にドリル用フレーム460を取り付けた状態を示す図である。さらに具体的には、図3(a)から図3(d)は、それぞれドリル用フレーム460を取り付けた状態のドリル450の平面図、斜視図、正面図、及び側面図である。
【0047】
ドリル450は、先端部にドリル刃451が取り付けられた歯科用ドリルであって、末端部にドリル用フレーム460が着脱可能に取り付けられる。ドリル用フレーム460は、ドリル用光学マーカ461(上述した赤外線マーカ25、39に相当する)を取り付けることができる。ドリル用光学マーカ461は、赤外線を反射する素材を含んでいる。ドリル刃451は、ドリル450の長手方向に略垂直な方向を軸として回転しながら、被施術者の歯茎や骨を切削する。
【0048】
ドリル450に対してドリル用光学マーカ461は固定された位置に設けられており、ドリル用光学マーカ461の位置が特定されると、ドリル450の先端及びそこに装着されたドリル刃451(又は人工歯根)等の部品の位置も特定することが可能となる。したがって、ドリル450のドリル用光学マーカ461と基準フレーム20の赤外線マーカ25との相対的な位置関係が特定されると、ドリル450等の部品の位置と施術者の歯、顎等の位置とを位置合わせすることが可能となる。
【0049】
図4は、ドリル用フレーム460の構成を説明するための模式図である。実施の形態に係るドリル用フレーム460は、歯科用のドリル450に着脱可能であり、赤外光等の光を反射する平面形状のドリル用光学マーカ461を取り付けるための磁石462を備える3つ以上の凹部463を含んでいる。詳細は後述するが、ドリル用光学マーカ461は、凹部463に備えられた磁石462と吸着する金属層を備えており、磁石462と金属層との間に生じる磁力によって凹部463にはめ込まれた状態を保つことができる。
【0050】
なお、図4は、ドリル用光学マーカ461が円盤形状である場合の例を示している。しかしながら、ドリル用光学マーカ461は平面形状であればよく、例えば正多角形のような円盤形状以外の形状であってもよい。このように、実施の形態に係るドリル用光学マーカ461は、従来の球形状の位置マーカと比較すると構造が単純であるため、製造コストを抑えることができる。また、実施の形態に係るドリル用光学マーカ461は平面形状であるためかさばりにくく、従来の球形状の位置マーカと比較すると流通時や保管時にも有利である。以下、平面形状のドリル用光学マーカ461の赤外光等の光を反射する面を「上面」、上面の反対側の面を「底面」という。
【0051】
実施の形態に係るドリル用フレーム460は、ドリル用光学マーカ461をはめ込むための9つの凹部463を備えている。9つの凹部463にドリル用光学マーカ461がはめ込まれたとき、各ドリル用光学マーカ461の上面の法線ベクトルは、3つの異なる方向に分類される。なお、ドリル用光学マーカ461が凹部463にはめこまれたとき、凹部463の底面の法線ベクトルの向きと、ドリル用光学マーカ461の上面の法線ベクトルの向きとが一致することになる。
【0052】
図5は、ドリル用フレーム460に取り付けられた各ドリル用光学マーカ461の上面の法線ベクトルの方向を模式的に示す図である。図5において、符号D1、符号D2、及び符号D3がそれぞれ付された3つの矢印は、ドリル用フレーム460に取り付けられたドリル用光学マーカ461の上面の3つの法線方向を示している。法線方向D1は、ドリル450の長手方向とドリル刃451とが張る平面に対して略平行である。法線方向D2と法線方向D3とは、ドリル450の長手方向を回転軸として法線方向D1をそれぞれ異なる方向に略90度回転した方向である。図5に示すドリル用フレーム460は、取り付けたドリル用光学マーカ461の法線方向が、3つずつ同じ方向を向くように構成されている。
【0053】
これにより、歯科医師等の施術者がドリル用フレーム460を取り付けた状態のドリル450で施術を行うと、施術中にドリル450を種々の角度に動かしたとしても、赤外線撮影装置40は少なくとも3つのドリル用光学マーカ461を撮影することができるようになる。結果として、3次元測定部360は、ドリル450の位置及び傾きを決定することができる。
【0054】
実施の形態に係るドリル用光学マーカ461は、その表面に照射された赤外線を反射する。このため、ドリル用光学マーカ461をドリル用フレーム460に取り付けたときにドリル用フレーム460の表面とドリル用光学マーカ461の表面とに段差が存在すると、赤外線撮影装置40で撮影したときにその段差の影響で画像中に赤外光が届かないことに起因する蔭が生じかねない。画像中にこのような蔭が存在すると、3次元測定部360による画像処理を用いたドリル用光学マーカ461の位置特定の精度が低下する場合もある。
【0055】
そこで、実施の形態に係るドリル用フレーム460は、ドリル用光学マーカ461を取り付けるための凹部463それぞれの深さとドリル用光学マーカ461の厚さとの差が所定の範囲内となるように構成されている。
【0056】
図6(a)-(b)は、ドリル用フレーム460の凹部463の深さとドリル用光学マーカ461の厚みとの関係を説明するための模式図である。具体的には、図6(a)は、ドリル用フレーム460の凹部463の断面と、ドリル用光学マーカ461の断面とを示す模式図である。また、図6(b)は、ドリル用フレーム460の凹部463の深さとドリル用光学マーカ461の厚みとの差Lを示す模式図である。
【0057】
図6(a)に示すように、ドリル用フレーム460に取り付けるためのドリル用光学マーカ461は、2つの異なる層から構成されている。具体的には、ドリル用光学マーカ461は、赤外線等の光を反射するための反射層光を反射するための反射層4610と、ドリル用フレーム460の凹部463に備えられた磁石462と吸着する金属層4611とを備えている。図6(b)に示すように、ドリル用フレーム460の凹部463にドリル用光学マーカ461を取り付けると、金属層4611が磁石462に接触し、金属層4611は磁力によって磁石462と吸着する。これにより、施術者は、ドリル用光学マーカ461をドリル用フレーム460の凹部463に簡便に脱着することができる。
【0058】
図6(b)に示す例では、ドリル用フレーム460の凹部463にドリル用光学マーカ461を取り付けると、ドリル用光学マーカ461の反射層4610は、ドリル用フレーム460の表面より距離L低い場合の例を示している。しかしながら、ドリル用フレーム460又はドリル用光学マーカ461の製造上の誤差により、ドリル用光学マーカ461の反射層4610がドリル用フレーム460の表面よりも高くなる場合もある。いずれにしても、ドリル用フレーム460とドリル用光学マーカ461とは、ドリル用光学マーカ461の反射層4610の表面とドリル用フレーム460の表面との差の絶対値は所定の長さL未満となるように製造されている。長さLの具体的な値は、3次元測定部360に求められる精度等を考慮して実験により定めればよいが、一例としては、ドリル用光学マーカ461の厚みの5%である。
【0059】
このように、ドリル用フレーム460の凹部463の深さとドリル用光学マーカ461の厚みとの差を所定の長さL未満とすることにより、ドリル用フレーム460の凹部463に取り付けた状態でドリル用光学マーカ461を撮影したときに、赤外線が照射されない領域を狭めることができる。結果として、3次元測定部360による画像処理を用いたドリル用光学マーカ461の位置特定の精度低下を抑制することができる。
【0060】
[ドリル用光学マーカ461のパッケージ]
実施の形態に係るドリル用光学マーカ461は、直径が1センチメートル程度の小さな部材である。施術者は、施術の度にドリル用光学マーカ461をドリル用フレーム460に取り付ける必要があり、ドリル用フレーム460の小ささと相まって扱いが煩雑となりかねない。そこで、実施の形態に係るドリル用光学マーカ461は、磁力を有するマットの上に平面上に配置して販売される。
【0061】
図7(a)-(b)は、実施の形態に係る光学マーカパッケージ470を模式的に示す図である。具体的には、図7(a)は光学マーカパッケージ470の正面図であり、図7(b)は、図7(a)を矢印Aで示す切断面で切断した場合の断面図AAである。図7(a)に示す光学マーカパッケージ470は、縦に6個、横に6個、合計36個のドリル用光学マーカ461を平面上に配置する場合の例を示している。
【0062】
図7(b)に示すように、光学マーカパッケージ470は、磁力を有するマット464の上にドリル用光学マーカ461が配置されている。これにより、ドリル用光学マーカ461の金属層4611が磁力によってマット464と吸着するため、ドリル用光学マーカ461が離散してしまうことを抑制できる。
【0063】
また、光学マーカパッケージ470は、マット464上にドリル用光学マーカ461を配置した状態で、ドリル用光学マーカ461を密封するシール部材465を備えている。実施の形態に係る光学マーカパッケージ470は、マット464の上にドリル用光学マーカ461を配置し、シール部材465を用いてマット464の上に配置されたドリル用光学マーカ461を密封した上で、ドリル用光学マーカ461に放射線を照射して滅菌されている。これにより、光学マーカパッケージ470は、殺菌されたドリル用光学マーカ461を流通過程において無菌状態に保つことができる。
【0064】
図7に示す光学マーカパッケージ470は、36個のドリル用光学マーカ461をセットとしているため、4回分の施術に使われるドリル用光学マーカ461のセットであると言える。このように、光学マーカパッケージ470に封入されるドリル用光学マーカ461の数は、ドリル用光学マーカ461が備える磁石462又は凹部463の数の定数倍であることが好ましい。さらに、光学マーカパッケージ470に封入されるドリル用光学マーカ461の数は、ドリル用光学マーカ461が備える磁石462又は凹部463の数と同数である場合、1回の施術の際に光学マーカパッケージ470に封入されるドリル用光学マーカ461を全て使い切れるため、安全性がより向上する点で好ましい。
【0065】
なお、光学マーカパッケージ470が備えるマット464は、屈曲性の素材で作られたマットであってもよい。これにより、施術者は、マット464を折り曲げることでドリル用光学マーカ461をマット464から取り外すことが容易となる。
【0066】
<実施の形態の効果>
以上説明したように、実施の形態に係るドリル用フレーム460及びドリル用光学マーカ461によれば、ドリル用フレーム460にドリル用光学マーカ461を取り付ける際の煩雑性とドリル用光学マーカ461のコストを低減することができる。
【0067】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果をあわせ持つ。
【0068】
<第1の変形例>
上記では、ドリル用フレーム460の凹部463の底部に磁石462が備えられている場合について説明した。しかしながら、磁石462を備えるべき場所は凹部463の底部に限られない。これに替えて、あるいはこれに加えて、凹部463の側面に沿って磁石462を備えるようにしてもよい。この場合、ドリル用光学マーカ461は、反射層4610の側面に沿って金属層4611を備えるようにすればよい。
【0069】
<第2の変形例>
上記では、主に図6(a)-(b)を参照して説明したように、ドリル用フレーム460の凹部463に備えられた磁石462と、ドリル用光学マーカ461の金属層4611とが磁力によって吸着する場合について説明した。これに替えて、ドリル用フレーム460の凹部463が金属層を備え、ドリル用光学マーカ461が磁石を備えるようにしてもよい。これは、ドリル用フレーム460の磁石462を金属に替えるとともに、ドリル用光学マーカ461の金属層4611を磁石に替えることで実現できる。すなわち、図6(a)-(b)において磁石462と金属層4611とを入れ替えればよい。
【0070】
磁石462と金属層4611とを入れ替える場合、図7(a)-(b)を参照して説明した光学マーカパッケージ470も変更される。具体的には、図7に示す光学マーカパッケージ470の磁力を有するマット464を金属製のマットに替え、ドリル用光学マーカ461のマグネットと吸着させるようにすればよい。
【0071】
<第3の変形例>
上記では、ドリル用フレーム460の凹部463とドリル用光学マーカ461とのいずれか一方が磁石を備え、他方が金属を備える場合について説明した。これに替えて、ドリル用フレーム460の凹部463とドリル用光学マーカ461とのいずれもが磁石を備えるようにしてもよい。この場合、ドリル用フレーム460の凹部463が備える磁石とドリル用光学マーカ461が備える磁石とが吸着するように、ドリル用フレーム460の凹部463の磁石の磁極とドリル用光学マーカ461が備える磁石の磁極とが異なるようにする。
【符号の説明】
【0072】
1・・・施術支援システム
10・・・プレート
11・・・マーカ
20・・・基準フレーム
25、39・・・赤外線マーカ
30・・・操作器具
40・・・赤外線撮影装置
50・・・撮影装置
60・・・ディスプレイ
100・・・施術支援装置
110・・・記憶部
120・・・匿名化処理部
130・・・入力部
140・・・位置情報取得部
150・・・インプラント設計情報生成部
160・・・表示制御部
170・・・送信部
180・・・受信部
190・・・位置算出部
200・・・管理サーバー
210・・・バックアップデータベース
220・・・ログデータデータベース
230・・・ソフトウェア更新部
300・・・処理装置
310・・・記憶部
320・・・セグメンテーション処理部
330・・・3次元モデル生成部
340・・・位置取得部
350・・・インプラント設計情報生成部
360・・・3次元測定部
370・・・座標算出部
380・・・位置合わせ部
390・・・精度算出部
395・・・送信部
450・・・ドリル
451・・・ドリル刃
460・・・ドリル用フレーム
461・・・ドリル用光学マーカ
4610・・・反射層
4611・・・金属層
462・・・磁石
463・・・凹部
464・・・マット
465・・・シール部材
470・・・光学マーカパッケージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7