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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107153
(43)【公開日】2022-07-21
(54)【発明の名称】プログラム及びスキャンシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20220713BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
H04N1/387
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021001911
(22)【出願日】2021-01-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 博明
【テーマコード(参考)】
5C062
5C076
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC24
5C076AA17
5C076BA04
5C076CA02
5C076CA08
(57)【要約】
【課題】既に読取り済みのスキャンデータに連続して新たなスキャンデータを追加することが可能となる技術を提供する。
【解決手段】本願のプログラムは、CPU12に、2in1スキャンによって奇数枚の原稿がスキャンされ、1枚の画像内に空白画像が含まれている場合に、スキャナ30に追加スキャン指示を行ったことに応じて、スキャナ30が生成して送信したスキャン画像を、ネットワークIF20を介して受信し、空白画像に替えて受信したスキャン画像を挿入する処理を実行させる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信インタフェースを備えた情報処理装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
N(Nは、偶数)枚の原稿をスキャンして1枚の画像として結合するNin1スキャン設定が指定されているときに、前記通信インタフェースを介して接続されたスキャナに継続スキャン指示を行ったことに応じて、前記スキャナが順次生成して送信したスキャン画像を、前記通信インタフェースを介して受信し、受信した各スキャン画像を結合して1枚の画像にするNin1スキャン処理と、
前記Nin1スキャン処理によって奇数枚の原稿がスキャンされ、1枚の画像内に空白ページ画像が含まれている場合に、前記スキャナに追加スキャン指示を行ったことに応じて、前記スキャナが生成して送信したスキャン画像を、前記通信インタフェースを介して受信し、前記空白ページ画像に替えて前記受信したスキャン画像を挿入する空白除去処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータにさらに、
前記Nin1スキャン処理によって奇数枚の原稿がスキャンされ、1枚の画像内に空白ページ画像が含まれている場合に、前記追加スキャン指示を行ったことに応じて前記スキャナから前記通信インタフェースを介して受信したスキャン画像を、前記空白ページ画像はそのままにして追加する空白非除去処理と、
前記空白除去処理及び前記空白非除去処理うちのいずれか一方の選択指示を入力する入力処理と、
を実行させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記情報処理装置はさらに、ディスプレイを備え、
前記コンピュータにさらに、
前記空白除去処理及び前記空白非除去処理のいずれかを選択可能な選択画面を前記ディスプレイに表示する表示処理
を実行させ、
前記入力処理では、前記選択画面に対するユーザ操作に応じて前記空白除去処理及び前記空白非除去処理のうちのいずれか一方の選択指示を入力する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータにさらに、
前記空白非除去処理によって生成された、空白ページ画像の含まれるNin1スキャン画像から前記空白ページ画像を、前記追加スキャン指示の後に事後的に除去する空白事後除去処理
を実行させる請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記空白事後除去処理では、Nin1スキャン画像が複数枚分生成され、前記空白ページ画像の含まれるNin1スキャン画像が複数枚に亘って存在する場合、前記空白ページ画像の含まれる前記複数枚のNin1スキャン画像のうち、指示されたNin1スキャン画像について空白ページ画像を除去する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
情報処理装置と、前記情報処理装置と接続されたスキャナとを含むスキャンシステムであって、
前記情報処理装置は、
通信インタフェースと、制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
N(Nは、偶数)枚の原稿をスキャンして1枚の画像として結合するNin1スキャン設定が指定されているときに、前記通信インタフェースを介して接続されたスキャナに継続スキャン指示を行ったことに応じて、前記スキャナが順次生成して送信したスキャン画像を、前記通信インタフェースを介して受信し、受信した各スキャン画像を結合して1枚の画像にするNin1スキャン処理と、
前記Nin1スキャン処理によって奇数枚の原稿がスキャンされ、1枚の画像内に空白ページ画像が含まれている場合に、前記スキャナに追加スキャン指示を行ったことに応じて、前記スキャナが生成して送信したスキャン画像を、前記通信インタフェースを介して受信し、前記空白ページ画像に替えて前記受信したスキャン画像を挿入する空白除去処理と、
を実行し、
前記スキャナは、
通信インタフェースと、制御装置と、
を備え、
前記スキャナの前記制御装置は、
前記継続スキャン指示又は前記追加スキャン指示を、前記スキャナの前記通信インタフェースを介して受信したことに応じて原稿をスキャンし、生成したスキャン画像を、前記スキャナの前記通信インタフェースを介して前記情報処理装置に送信する、
スキャンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、Nin1スキャン処理を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、継続的に原稿の画像を読み取る画像読取システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-236149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の画像読取システムを用いてNin1(Nは、偶数)スキャン処理を実行した場合、既に読取り済みのスキャンデータが奇数ページ分であるときに、継続的なスキャンを行うと、既に読取り済みのスキャンデータと新たに追加するスキャンデータとの間に空白画像が挿入されてしまう。
【0005】
本願は、既に読取り済みのスキャンデータに連続して新たなスキャンデータを追加することが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願のプログラムは、通信インタフェースを備えた情報処理装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、コンピュータに、N(Nは、偶数)枚の原稿をスキャンして1枚の画像として結合するNin1スキャン設定が指定されているときに、通信インタフェースを介して接続されたスキャナに継続スキャン指示を行ったことに応じて、スキャナが順次生成して送信したスキャン画像を、通信インタフェースを介して受信し、受信した各スキャン画像を結合して1枚の画像にするNin1スキャン処理と、Nin1スキャン処理によって奇数枚の原稿がスキャンされ、1枚の画像内に空白ページ画像が含まれている場合に、スキャナに追加スキャン指示を行ったことに応じて、スキャナが生成して送信したスキャン画像を、通信インタフェースを介して受信し、空白ページ画像に替えて受信したスキャン画像を挿入する空白除去処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本願によれば、既に読取り済みのスキャンデータに連続して新たなスキャンデータを追加することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本願の一実施の形態に係るスキャンシステムの制御構成を示すブロック図である。
図2図1内に記載された制御プログラムの実行中にディスプレイ上に表示された表示画面の一例を示す図である。
図3】第1スキャン処理によるスキャン結果をディスプレイ上に表示した表示画面の一例を示す図である。
図4】第1スキャン処理の手順を示すフローチャートである。
図5】第1画像結合処理の手順を示すフローチャートである。
図6】第2画像結合処理の手順を示すフローチャートである。
図7】第2スキャン処理によるスキャン結果をディスプレイ上に表示した表示画面の一例を示す図である。
図8】第2スキャン処理の手順を示すフローチャートである。
図9】第2スキャン処理の変形処理によるスキャン結果をディスプレイ上に表示した表示画面の一例を示す図である。
図10】第3スキャン処理によるスキャン結果をディスプレイ上に表示した表示画面の一例を示す図である。
図11】第3スキャン処理の手順を示すフローチャートである。
図12】第3スキャン処理の変形処理によるスキャン結果をディスプレイ上に表示した表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本願の一実施の形態に係るスキャンシステム1の制御構成を示している。スキャンシステム1は、PC10(「情報処理装置」の一例)及びスキャナ30を備えている。
【0011】
PC10は、CPU12(「コンピュータ」の一例)、メモリ14、ユーザIF16、ディスプレイ18、ネットワークIF20(「通信インタフェース」の一例)を主に備えている。そして、CPU12、メモリ14、ユーザIF16、ディスプレイ18及びネットワークIF20は、入出力ポート22を介して互いに通信可能とされている。なお、IFは、interfaceの略語である。
【0012】
ユーザIF16は、典型的には、キーボードとマウスにより構成される。
【0013】
ディスプレイ18は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路などにより構成されている。ディスプレイ18として、タッチパネル方式のものを用いた場合には、ユーザは、画面上の入力ボタンをクリックすることで、入力操作をすることができる。したがって、この場合には、ディスプレイ18は、ユーザIF16としての役割も果たすことになる。
【0014】
CPU12は、本実施形態の情報処理プログラム(「プログラム」の一例)を含む各種アプリケーションプログラム(以下「アプリ」と略す)やファームウェア等を実行する。
【0015】
メモリ14は、ROM、RAM、HDD、SSD及び光ディスクドライブなどを含んでいる。メモリ14のデータ記憶領域28は、CPU12が、情報処理プログラムなどを実行する際に必要なデータなどを記憶する領域である。また、メモリ14の制御プログラム領域26は、OS、情報処理プログラム、その他各種のアプリやファームウェアなどを記憶する領域である。
【0016】
メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0017】
なお、本明細書では、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」「抽出」「選択」「算出」「決定」「特定」「取得」「受付」「制御」「設定」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPU12による処理は、OSを介したハードウェア制御も含む。なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU12がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「命令」「応答」「要求」等の文言を、「命令」「応答」「要求」等を示す情報そのものという意味で記載してもよい。
【0018】
ネットワークIF20は、PC10を通信ネットワーク32に接続するものである。通信ネットワーク32は、様々な形式のネットワークであってよい。例えば、有線又は無線LAN、WAN、USB、Bluetooth(登録商標)、NFCのネットワークなどでよい。ネットワークIF20は、通信ネットワーク32を介してスキャナ30と通信することが可能である。
【0019】
図2は、情報処理プログラムの実行中に、ディスプレイ18上に表示された表示画面の一例を示している。そして、図2(a)は、情報処理プログラムの起動後、最初に表示される初期画面(以下「HOME画面」という)100を示している。また、図2(b)は、スキャナ30にスキャンを実行させるためのスキャン画面110を示している。
【0020】
図2(a)のHOME画面100は、制御対象のスキャナ30として既に、製品名「DS-×××」のスキャナが選択された状態を示している。選択機器を表示する選択機器表示領域101には、選択機器の外観を示すアイコン101aが表示されている。そして、アイコン101aの下には、製品名「DS-×××」、スキャナ30とPC10との接続方法「LAN接続」及びスキャナ30の動作状況「スキャンできます」が表示されている。
【0021】
また、HOME画面100は、機能一覧領域102を備えている。機能一覧領域102は、選択機器表示領域101に表示された機器の機能を一覧表示する領域である。製品名「DS-×××」の機器は、スキャン機能のみを持つスキャナであるので、機能一覧領域102には、スキャン機能を示すスキャンアイコン102aのみが表示されている。仮に、制御対象の機器が複合機である場合には、プリント機能、スキャン機能、コピー機能及びFAX機能など、複数の機能が備わっているので、機能一覧領域102には、各機能に対応するアイコンが表示されることになる。
【0022】
図2(a)において、ユーザがスキャンアイコン102aを操作すると、ディスプレイ18上には、図2(b)に示すように、スキャン画面110が表示される。スキャン画面110は、選択機器表示領域101と、スキャン設定領域112とにより構成されている。
【0023】
スキャン設定領域112では、スキャナ30の全設定項目の中から選択された3種類の設定項目の現在値が表示されている。3種類の設定項目は、具体的には、解像度、カラー設定及び2in1である。そして、3種類の設定項目の現在値は、スキャン設定領域112において他の値に変更することができるようになっている。本実施形態では、3種類の設定項目のうち、特に2in1スキャン設定(「Nin1スキャン設定」の一例)が選択された場合を問題にしているため、2in1スキャン設定の内容について説明する。2in1スキャン設定は、2枚の原稿を続けてスキャンしたときに生成された2枚分のスキャン画像を結合して1枚のスキャン画像として取り扱うようにする設定である。スキャン設定領域112では、2in1スキャン設定のON/OFFは、チェックボックス112aにレ点を付けるか否かにより指定される。そして、チェックボックス112aにレ点を付けたときには、2枚のスキャン画像を結合する方向として、左右と上下のいずれかを、ラジオボタン112a1又は112a2をON/OFFすることで選択できるようになっている。本実施形態では、2枚のスキャン画像を結合する方向として、左右が選択されている。さらに、スキャン設定領域112には、スキャナ30に対してスキャン指示を出すためのスキャンボタン112bも表示されている。
【0024】
図4は、情報処理プログラムに含まれる第1スキャン処理の手順を示している。第1スキャン処理は、第1スキャン処理の開始操作、つまり、第1スキャン処理の開始を指示するユーザ操作に応じて開始される。以降、各処理の手順の説明において、ステップを「S」と表記する。
【0025】
図4において、まずCPU12は、2in1スキャン設定が“ON”設定、かつスキャンボタン111bが操作されたか否かを判断する(S10)。この判断において、2in1スキャン設定が“ON”設定、かつスキャンボタン111bが操作された場合(S10:YES)、CPU12は、S12~S18の処理を実行した後、処理をS20に進める。一方、2in1スキャン設定が“OFF”設定及びスキャンボタン111bが操作されない状態のうち、少なくとも一方が成立している場合(S10:NO)、CPU12は、処理をS10からS20に進める。
【0026】
S20では、CPU12は、追加スキャンボタン125(図3参照)が操作されたか否かを判断する。この判断において、追加スキャンボタン125が操作された場合(S20:YES)、CPU12は、S22~S28の処理を実行した後、処理をS30に進める。一方、追加スキャンボタン125が操作されなかった場合(S20:NO)、CPU12は、処理をS20からS30に進める。
【0027】
S30では、CPU12は、第1スキャン処理の終了操作がなされたか否かを判断する。この判断において第1スキャン処理の終了操作がなされた場合(S30:YES)、CPU12は、第1スキャン処理を終了する一方、第1スキャン処理の終了操作がなされなかった場合(S30:NO)、CPU12は、処理を上記S10に戻す。
【0028】
上記S12では、CPU12は、ネットワークIF20を介してスキャナ30に原稿の読取りを指示(スキャン指示)し、これに応じてスキャナ30が原稿上の画像を読取り、送信したスキャン画像を、ネットワークIF20を介して受信し、受信したスキャン画像、つまりスキャナ30から取得したスキャン画像を読取り画像リストに登録する。読取り画像リストは、スキャン画像を登録するために、例えば、上記メモリ14内に一時的に確保された領域である。なお、スキャン画像は以降、混同の虞がない限り「画像」と略していう。また、スキャンを「読取り」と記載することもある。
【0029】
1枚目の原稿の読取りが完了すると、図2(c)に示すように、スキャナ30に対する次の指示を促すためのダイアログ115が、ディスプレイ18上にポップアップ表示される。ダイアログ115には、「続けてスキャンを行いますか?」という表示ととともに、続けてスキャンを行うことを指示する「続ける」ボタン115aと、スキャンを完了することを指示する「完了」ボタン115bとが表示されている。CPU12は、「続ける」ボタン115a及び「完了」ボタン115bのうち、いずれが操作されたかを判断する(S14)。この判断において、「続ける」ボタン115aが操作された場合(S14:続ける)、CPU12は、処理をS14からS12に戻し、「完了」ボタン115bが操作されるまで、「続ける」ボタン115aが操作される度に、S12の処理を実行する。一方、「完了」ボタン115bが操作された場合(S14:完了)、CPU12は、処理をS14からS16に進める。
【0030】
S16では、CPU12は、第1画像結合処理を実行する。図5は、第1画像結合処理の詳細な手順を示している。図5において、まずCPU12は、読取り画像リストに画像が登録されているか否かを判断し(S40)、読取り画像リストに画像が登録されている場合(S40:YES)、読取り画像リストに画像が2ページ以上登録されているか否かを判断する(S42)。この判断において、読取り画像リストに画像が2ページ以上登録されている場合(S42:YES)、CPU12は、読取り画像リストに登録されている2ページ以上の画像のうち、先頭に登録されている画像とその次に登録されている画像を結合し(S44)、結合した結合画像を出力画像リストに追加する(S48)。出力画像リストは、ディスプレイ18に表示する画像を登録するために、例えば、上記メモリ14内に一時的に確保された領域である。なお、本実施形態では、スキャナ30として、片面のみをスキャンするスキャナを採用しているので、1枚の原稿から読み取られた画像は1ページ分の画像に相当する。
【0031】
次に、CPU12は、結合に使用した2ページ分の画像を読取り画像リストから削除した(S50)後、処理をS40に戻す。
【0032】
一方、S42の判断において、読取り画像リストに画像が2ページ以上登録されていない場合(S42:YES)、つまり、読取り画像リストに画像が1ページ分登録されている場合、CPU12は、余り処理を実行する(S46)。余り処理は、具体的には、読取り画像リストに登録されている1ページ分の画像と、この画像と同サイズの空白画像とを結合する処理である。この余り処理を実行した後、CPU12は、処理を上記S48に進める。処理がS46からS48に進むと、CPU12は、1ページ分の画像と空白画像とを結合した結合画像を出力画像リストに追加し、続くS50では、CPU12は、使用した1ページ分の画像を読取り画像リストから削除する。その結果、読取り画像リストには画像が登録されていない状態になるので、S40の判断において、“NO”と判断されて、CPU12は第1画像結合処理を終了する。
【0033】
図4に戻り、S18では、CPU12は、出力画像リストに登録されている画像をディスプレイ18上に表示する。図3(a)は、「続ける」ボタン115aが2回操作された後、「完了」ボタン115bが操作され、3枚の原稿がスキャンされたときに、ディスプレイ18上に表示された読取り画像表示画面120を示している。読取り画像表示画面120は、読取り画像表示領域122を備え、読取り画像表示領域122には、1枚目の画像と2枚目の画像とを結合した結合画像122aと、3枚目の画像と空白画像とを結合した結合画像122bとが表示されている。また、読取り画像表示画面120には、追加スキャンボタン125も表示されている。
【0034】
図4に戻り、処理が上記S22に進んだ場合は、上述のように追加スキャンボタン125が操作された場合である。S22では、CPU12は、上記S12と同様の処理を実行し、スキャナ30から取得した画像を読取り画像リストに登録する。続くS24では、CPU12は、上記S14と同様の判別を行い、「完了」ボタン115bが操作されるまで、「続ける」ボタン115aが操作される度に、S22の処理を実行する。そして、「完了」ボタン115bが操作されると、CPU12は、第2画像結合処理を実行する(S26)。
【0035】
図6は、第2画像結合処理の詳細な手順を示している。図6において、まずCPU12は、出力画像リストの最後に登録された結合画像は上記S46(図5)の余り処理された画像であるか否かを判断する(S60)。この判断において、余り処理された画像でない場合(S60:NO)、つまり、空白画像を含まない結合画像である場合、CPU12は、第1画像結合処理を実行した(S70)後、第2画像結合処理を終了する。一方、余り処理された画像である場合には(S60:YES)、CPU12は、S62~S68の処理を実行し、さらに第1画像結合処理を実行した(S70)後、第2画像結合処理を終了する。
【0036】
S62では、CPU12は、出力画像リストの最後に登録されている結合画像を、結合前の画像に2分割し、続くS64では、CPU12は、2分割された画像のうち、非空白画像を読取り画像リストの先頭に挿入し、さらにS66では、CPU12は、2分割された画像のうち、空白画像を削除する。そして、S68では、CPU12は、出力画像リストから最後に登録されている結合画像を削除する。
【0037】
処理がS68からS70に進むと、読取り画像リストは、追加スキャンボタン125の操作に応じてスキャナ30から取得され、読取り画像リストに登録された画像の直前に、出力画像リストの最後に登録されている余り処理された結合画像のうちの非空白画像が登録された状態になっている。そして、S70では、CPU12は、このような状態の読取り画像リストに対して第1画像結合処理を実行するので、図3(b)に示すように、読取り画像表示画面130の読取り画像表示領域132には、結合画像122bの空白画像が4枚目の画像と置き換えられた結合画像132bが表示される。
【0038】
このように第1スキャン処理によれば、2in1スキャン設定が“ON”設定で、既に読取り済みの画像が奇数あるときに、追加スキャンボタン125が操作された場合、追加スキャンボタン125の操作に応じてスキャナ30から取得した画像は、最後の読取り画像と空白画像とが結合した結合画像のうちの空白画像と置き換えられるので、既に読取り済みの画像に連続して新たな読取り画像を追加することが可能となる。
【0039】
図8は、第1スキャン処理とは異なる第2スキャン処理の手順を示している。第2スキャン処理は、第1スキャン処理に対して、出力画像リストの最後に空白画像の含まれる結合画像が登録されているときに、スキャナ30から新たに取得した画像を、空白画像を除いて出力画像リストの最後に登録されている結合画像の非空白画像と結合させるか、空白画像を残して出力画像リストに追加するかのいずれかを選択可能にした点が異なっている。選択方法は、本実施形態では、「完了」ボタン115bの操作後、追加スキャンボタン125が最初に操作されたときに、図7(a)に示す結合方法選択ダイアログ135を表示し、結合方法選択ダイアログ135内に表示されている「空白を除く」ボタン135a及び「空白を残す」ボタン135bのうちのいずれかを操作することに応じて行う。なお、図8の第2スキャン処理中、図4の第1スキャン処理中の処理と同様の処理には同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
【0040】
図8において、追加スキャンボタン125が操作された場合(S20:YES)、CPU12は、「空白残す」及び「空白除く」のいずれが選択されたかを判断する(S80)。この判断では、「完了」ボタン115bの操作後の最初の追加スキャンボタン125の操作のときには、CPU12は、「空白を除く」ボタン135aが操作されたことに応じて「空白除く」が選択されたことを判断し、「空白を残す」ボタン135bが操作されたことに応じて「空白残す」が選択されたことを判断する。そして、CPU12は、「空白残す」及び「空白除く」のいずれが選択されたかを選択結合方法として、例えばメモリ14に記憶しておき、「完了」ボタン115bの操作後の2回目以降の追加スキャンボタン125の操作のときには、記憶しておいた選択結合方法に基づいて上記S80の判断を行う。
【0041】
S80の判断において、「空白除く」が選択された場合(S80:空白除く)、CPU12は、第1スキャン処理におけるS22~S28の処理と同様の処理を実行した後、処理をS30′に進める。一方、「空白残す」が選択された場合(S80:空白残す)、CPU12は、S82~S88の処理を実行した後、処理をS30′に進める。S82~S88の処理は、S12~S18の処理と同じである。このS82~S88の処理により、図7(b)に示すように、読取り画像表示画面140の読取り画像表示領域142には、結合画像122bの空白画像はそのままで、4枚目の画像と空白画像との結合画像142cが追加表示される。
【0042】
このように第2スキャン処理によれば、2in1スキャン設定が“ON”設定で、既に読取り済みの画像が奇数あるときに、追加スキャンボタン125が操作された場合、既に読取り済みの画像に空白を残して新たな読取り画像を追加するか、空白を除いて新たな読取り画像を追加するかを選択することができるので、新たな読取り画像をユーザの意向に沿って追加することが可能となる。
【0043】
図9(a)~図9(c)は、第2スキャン処理の変形処理を説明するための図である。第2スキャン処理では、上述のように、「完了」ボタン115bの操作後、追加スキャンボタン125が最初に操作されたときに、結合方法選択ダイアログ135を表示し、「空白残す」及び「空白除く」のうちのいずれかをユーザに選択させ、ユーザが選択した結合方法に従って、スキャナ30から新たに取得した画像を既に読取り済みの画像に結合するようにしている。これに対して、第2スキャン処理の変形処理では、図9(a)に示すように、読取り画像表示画面150内に「空白除いて追加スキャン」ボタン150aと、「空白残して追加スキャン」ボタン150bとを設け、ボタン150a,150bのいずれかの操作に応じて、対応する追加スキャンを行うようにしている。
【0044】
図9(a)の読取り画像表示画面150は、上記図3(a)の読取り画像表示画面120と同様に、「続ける」ボタン115aが2回操作された後、「完了」ボタン115bが操作され、3枚の原稿がスキャンされた状態を示している。図9(b)は、図9(a)の読取り画像表示画面150において「空白除いて追加スキャン」ボタン150aが操作されたときの読取り画像表示画面150′を示している。読取り画像表示画面150′の読取り画像表示領域152′には、結合画像122bの空白画像が4枚目の画像と置き換えられた結合画像132bが表示されている。一方、図9(c)は、図9(a)の読取り画像表示画面150において「空白残して追加スキャン」ボタン150bが操作されたときの読取り画像表示画面150″を示している。読取り画像表示画面150″の読取り画像表示領域152″には、結合画像122bの空白画像はそのままで、4枚目の画像と空白画像との結合画像142cが追加表示されている。
【0045】
第2スキャン処理の変形処理を実現するためには、図8の第2スキャン処理中、S80の判断処理を「「空白除いて追加スキャン」ボタン150a/「空白残して追加スキャン」ボタン150bのいずれが操作されたか?」の判断処理に変更し、「空白除いて追加スキャン」ボタン150aが操作された場合、処理がS80からS22へ進むようにし、「空白残して追加スキャン」ボタン150bが操作された場合、処理がS80からS82へ進むようにすればよい。
【0046】
このように第2スキャン処理の変形処理によれば、追加スキャン毎に「空白除いて追加スキャン」及び「空白残して追加スキャン」のいずれかを選択して追加スキャンを実行できるので、ユーザにとって操作性が向上する。
【0047】
図11は、第1及び第2スキャン処理と異なる第3スキャン処理の詳細な手順を示している。第3スキャン処理は、追加スキャンボタン125が操作されると、一旦は図10(a)に示すように、新たな読取り画像を、空白を残して追加する。その後、読取り画像表示画面160に設けられた「空白ページを除く」ボタン160aの操作に応じて、図10(b)に示すように、空白画像が除かれた結合画像を生成するようにしている。なお、図11の第3スキャン処理中、図4の第1スキャン処理及び図8の第2スキャン処理と同様の処理には同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
【0048】
図11において、CPU12は、「空白ページを除く」ボタン160aが操作されたか否かを判断する(S110)。この判断において、「空白ページを除く」ボタン160aが操作されなかった場合(S110:NO)、CPU12は、処理をS30″に進め、第3スキャン処理の終了操作があるまで(S30″:NO)、S10以降の処理を継続して実行し、第3スキャン処理の終了操作があると(S30″:YES)、CPU12は、第3スキャン処理を終了する。
【0049】
一方、S110の判断において、「空白ページを除く」ボタン160aが操作された場合(S110:YES)、CPU12は、出力画像リストを更新した(S112)後、処理を上記S30″に進める。S112の出力画像リストの更新では、出力画像リストに登録されている余り処理された結合画像から空白画像の部分を削除するとともに、削除した空白画像の部分を詰めて2in1で再結合する。
【0050】
このように第3スキャン処理によれば、一旦空白画像を含む結合画像が生成されたとしても、その後に空白画像を削除して、非空白画像のみからなる結合画像を生成することができるので、空白画像を含む結合画像を表示させてから、改めて空白画像を削除したいというユーザの意向を反映させることが可能となる。
【0051】
図12(a)~図12(d)は、第3スキャン処理の変形処理を説明するための図である。第3スキャン処理は、上述のように、空白画像を含む結合画像が生成されたときに、その生成後に空白画像を削除して、非空白画像のみからなる結合画像を生成するものである。これに対して、第3スキャン処理の変形処理は、結合画像を1つずつ指定し、指定した結合画像について、結合画像全体を削除したり、結合画像のうちの右側の画像のみを削除したり、結合画像のうちの左側の画像のみを削除したりして、削除後の結合画像あるいは一方の画像を詰めて2in1で再結合するものである。
【0052】
図12(a)は、図3(a)の読取り画像表示画面120に含まれる読取り画像表示領域122に表示された結合画像122a,122bと同様の結合画像122a,122bに加え、4枚目の原稿と5枚目の原稿をそれぞれ読み取って生成された4枚目の画像と5枚目の画像とを結合した結合画像172cが、読取り画像表示領域172に表示された読取り画像表示画面170を示している。そして、図12(a)の読取り画像表示画面170では、結合画像122bを、例えば、マウスポインタにより指示した状態で、右クリックしたときに表示されるポップアップメニュー170aが表示されている。ポップアップメニュー170aは、「ページを削除」、「右側だけ削除」及び「左側だけ削除」の各項目を選択できるようになっている。
【0053】
ユーザが、例えば、マウスポインタにより「ページを削除」の項目を指定し、クリック操作を行うと、図12(b)の読取り画像表示画面170-1に示すように、結合画像122bが削除されて、結合画像172cが結合画像122aの下に詰めて表示される。また、ユーザが、マウスポインタにより「右側だけ削除」の項目を指定し、クリック操作を行うと、図12(c)の読取り画像表示画面170-2に示すように、結合画像122bのうち、左側に表示されている3枚目の画像が削除されて、結合画像122bのうちの右側に表示されている空白画像と、結合画像172cのうちの左側に表示されている4枚目の画像とが再結合されて、結合画像172dとなり、結合画像172cのうちの右側に表示されている5枚目の画像と、空白画像とが再結合されて、結合画像172eとなって、読取り画像表示領域172-2に表示される。さらに、ユーザが、マウスポインタにより「左側だけ削除」の項目を指定し、クリック操作を行うと、図12(d)の読取り画像表示画面170-3に示すように、結合画像122bのうち、右側に表示されている空白画像が削除されて、結合画像122bのうちの左側に表示されている3枚目の画像と、結合画像172cのうちの左側に表示されている4枚目の画像とが再結合されて、結合画像132bとなり、結合画像172cのうちの右側に表示されている5枚目の画像と、空白画像とが再結合されて、結合画像172eとなって、読取り画像表示領域172-3に表示される。
【0054】
このように第3スキャン処理の変形処理によれば、結合画像単位で、あるいは結合画像を構成する画像単位で削除できるので、結合画像を生成後に、生成された結合画像を再構成することが可能となる。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0056】
(1)上記実施形態では、2in1スキャン設定を例に挙げているが、“2”に限らず、“4”以上の偶数であってもよい。
【0057】
(2)上記実施形態では、スキャナ30は、主としてスキャン機能のみを備えたものを採用したが、これに限らず、スキャン機能を含む複合機を採用してもよい。
【0058】
(3)上記実施形態では、PC10に接続される機器は、1台のスキャナ30のみとしたが、これに限らず、複数台のスキャナが接続され、その中からいずれかを選択可能に構成してもよい。この場合、スキャナだけでなく、複合機も接続され、選択対象としてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…スキャンシステム、10…PC、12…CPU、14…メモリ、16…ユーザIF、18…ディスプレイ、20…ネットワークIF、30…スキャナ、32…通信ネットワーク。
図1
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