(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107178
(43)【公開日】2022-07-21
(54)【発明の名称】バッテリモジュール、及びバッテリパック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/20 20210101AFI20220713BHJP
【FI】
H01M2/10 E
H01M2/10 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021001954
(22)【出願日】2021-01-08
(71)【出願人】
【識別番号】515090628
【氏名又は名称】株式会社スリーダム
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】山森 章
(72)【発明者】
【氏名】米澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】茶村 慎吾
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA01
5H040AT04
5H040AY04
5H040DD03
(57)【要約】
【課題】本発明は、薄いバッテリモジュール及びバッテリパックを提供することを目的とする。
【解決手段】
バッテリパック100において、略矩形の板形状を有するラミネート型の複数のバッテリセルをそれぞれ収容する複数のバッテリモジュール1を備え、複数の前記バッテリセルは、前記バッテリセルの幅方向Wまたは長さ方向Lに沿って配列され、複数の前記バッテリモジュール1は、前記幅方向Wまたは前記長さ方向Lに沿って配列した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックにおいて、
ラミネート型の複数のバッテリセルをそれぞれ収容する複数のバッテリモジュールを備え、
複数の前記バッテリセルは、前記バッテリセルの幅方向及び長さ方向の少なくとも一方に沿って配列され、
複数の前記バッテリモジュールは、前記幅方向及び前記長さ方向の少なくとも一方に沿って配列されたことを特徴とする、バッテリパック。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリパックにおいて、
複数の前記バッテリセルは、前記幅方向に沿って配列され、
複数の前記バッテリモジュールは、前記幅方向及び前記長さ方向に沿って配設された、バッテリパック。
【請求項3】
請求項2に記載のバッテリパックにおいて、
前記バッテリセルの厚さ方向に沿って配列された前記バッテリモジュールの個数は、前記幅方向に沿って配列された前記バッテリモジュールの個数よりも少ないことを特徴とする、バッテリパック。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のバッテリパックにおいて、
前記バッテリセルの厚さ方向に沿って配列された前記バッテリモジュールの個数は、前記長さ方向に沿って配列された前記バッテリモジュールの個数よりも少ないことを特徴とする、バッテリパック。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のバッテリパックにおいて、
設置されたときに、前記幅方向または前記長さ方向が鉛直方向に沿って配向されるように設けられたことを特徴とする、バッテリパック。
【請求項6】
請求項5に記載のバッテリパックにおいて、
設置されたときに、前記長さ方向が水平方向に沿って配向されるように設けられたことを特徴とする、バッテリパック。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のバッテリパックにおいて、
前記バッテリセルは、前記バッテリセルの長さ方向の一端に正極の端子が設けられているとともに他端に負極の端子が設けられており、
隣り合う前記バッテリセルは、一方の前記バッテリセルの前記端子と他方の前記バッテリセルの前記端子とが異なる極性で隣り合うように配列されたことを特徴とする、バッテリパック。
【請求項8】
請求項7に記載のバッテリパックにおいて、
前記バッテリモジュール内に配列された前記バッテリセルの個数は偶数個であることを特徴とする、バッテリパック。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のバッテリパックにおいて、
前記バッテリセルは、前記長さ方向の一端に正極の端子と負極の端子とが設けられており、
隣り合う前記バッテリセルは、一方の前記バッテリセルの前記端子と他方の前記バッテリセルの前記端子とが異なる極性で隣り合うように配列されたことを特徴とする、バッテリパック。
【請求項10】
バッテリモジュールにおいて、
ラミネート型の複数のバッテリセルをそれぞれ収容し、
複数の前記バッテリセルは、前記バッテリセルの幅方向及び長さ方向の少なくとも一方に沿って配列されたことを特徴とする、バッテリモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネート型の複数のバッテリセルを備えたバッテリモジュール、及びバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のバッテリセルを備えたバッテリモジュール、およびこのバッテリモジュールを複数個重ねたバッテリパックが知られている。バッテリパックでは、バッテリセルの厚さ方向に複数のバッテリセルが積層されており、このバッテリモジュールをバッテリセルの厚さ方向に積層していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、バッテリが搭載される機器の自由度を拡大させたり設置スペースの自由度を拡大させたりするために、従来よりも薄型のバッテリが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術によるバッテリモジュール及びバッテリパックでは、バッテリパックの厚さはバッテリセルの幅方向の寸法に応じて決まってしまうが、バッテリセルの幅方向を小さくすることは困難なため、バッテリパックを劇的に薄くすることは困難であった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、薄いバッテリモジュール及びバッテリパックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、バッテリパックにおいて、ラミネート型の複数のバッテリセルをそれぞれ収容する複数のバッテリモジュールを備え、複数の前記バッテリセルは、前記バッテリセルの幅方向及び長さ方向の少なくとも一方に沿って配列され、複数の前記バッテリモジュールは、前記幅方向及び前記長さ方向の少なくとも一方に沿って配列されたことを特徴とする。
【0008】
この場合において、複数の前記バッテリセルは、前記幅方向に沿って配列され、複数の前記バッテリモジュールは、前記幅方向及び前記長さ方向に沿って配設されていてもよい。前記バッテリセルの厚さ方向に沿って配列された前記バッテリモジュールの個数は、前記幅方向に沿って配列された前記バッテリモジュールの個数よりも少なくてもよい。前記バッテリセルの厚さ方向に沿って配列された前記バッテリモジュールの個数は、前記長さ方向に沿って配列された前記バッテリモジュールの個数よりも少なくてもよい。設置されたときに、前記幅方向または前記長さ方向が鉛直方向に沿って配向されるように設けられていてもよい。設置されたときに、前記バッテリセルの長さ方向が水平方向に沿って配向されるように設けられていてもよい。前記バッテリセルは、前記長さ方向の一端に正極の端子が設けられているとともに他端に負極の端子が設けられており、隣り合う前記バッテリセルは、一方の前記バッテリセルの前記端子と他方の前記バッテリセルの前記端子とが異なる極性で隣り合うように配列されていてもよい。前記バッテリモジュール内に配列された前記バッテリセルの個数は偶数個であってもよい。前記バッテリセルは、前記長さ方向の一端に正極の端子と負極の端子とが設けられており、隣り合う前記バッテリセルは、一方の前記バッテリセルの前記端子と他方の前記バッテリセルの前記端子とが異なる極性で隣り合うように配列されていてもよい。
【0009】
また、本発明は、バッテリモジュールにおいて、ラミネート型の複数のバッテリセルをそれぞれ収容し、複数の前記バッテリセルは、前記バッテリセルの幅方向及び長さ方向の少なくとも一方に沿って配列されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、薄いバッテリモジュール及びバッテリパックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るラミネート型セルの斜視図を示す。
【
図6】複数のバッテリセルが配列された斜視図に示す。
【
図7】変形例に係る複数のバッテリセルが配列された斜視図を示す。
【
図8】バッテリパックが家の外壁に沿って設置された様子を模式的に示す。
【
図9】本発明の第2実施形態に係るバッテリパックの斜視図を示す。
【
図12】本発明の第3実施形態に係るバッテリパックの斜視図を示す。
【
図15】本発明の第4実施形態に係るバッテリセルの斜視図を示す。
【
図17】変形例に係るバッテリパックの模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るバッテリパックの斜視図を示し、
図2は、バッテリモジュールの斜視図を示し、
図3は、バッテリパックの断面図を示し、
図4は、バッテリセルの斜視図を示し、
図5は、バッテリセルのA-A断面図を示し、
図6は、複数のバッテリセルが配列された斜視図を示し、
図7は、変形例に係る複数のバッテリセルが配列された斜視図を示す。
【0013】
バッテリパック100は、
図1に示すように、バッテリケース100a内に収容された6つのバッテリモジュール1が組み合わされて設けられている。これら6つのバッテリモジュール1は、隣り合う一方のバッテリモジュール1の正極端子2と他方のバッテリモジュール1の負極端子3とがバスバー5を用いて電気的に接続されている。なお、本実施形態では、6つのバッテリモジュール1が5つのバスバー5を介して電気的に直列に接続されており、上端に配置された一対のバッテリモジュール1だけバスバー5が取り付けられていない。これにより、上端に配置された一方のバッテリモジュール1の正極端子2aと他方のバッテリモジュール1の負極端子3aとは外部機器等に対して電気的に接続可能に設けられている。
【0014】
バッテリモジュール1は、
図2に示すように、略矩形の板形状を有する直方体に形成されており、6つの面の内の1つの面からフランジ部6が突出して形成されている。これにより、
図1に示すように、隣り合うバッテリモジュール1をフランジ部6どうしで隣り合う配置すると、バスバー5を配置するための空間が形成されるようになっている。
【0015】
バッテリモジュール1は、
図3に示すように、それぞれ略矩形の板形状を有する4つのバッテリセル10を収容している。このバッテリセル10は、ラミネート型のバッテリセルであり、リチウムイオンバッテリであることが好ましいが、これに限定されない。
【0016】
バッテリセル10は、
図4に示すように、一対のセル表層部材11,11が接合されて板形状に形成されたラミネート型セルである。セル表層部材11,11は、シート状に広がって外縁を封止するための封止部12と、封止部12から箱状に突出した格納部13とを有している。一対のセル表層部材11,11は、封止部12で接合されて背中合わせに貼り合されて構成されている。
【0017】
セル表層部材11は、薄板状のAlラミネート材をプレス加工して形成されている。このAlラミネート材は、金属層、内層、及び外層からなる3つの層を有している。本実施形態に係るAlラミネート材は、金属層としてアルミニウム合金が用いられ、内層としてPP等の熱融着材が用いられ、外層としてナイロンやPET等が用いられている。このAlラミネート材は、総厚が50μm以上200μm以下である。なお、この総厚には、必要に応じて形成される接着剤層の厚さも含まれる。一対のセル表層部材11,11は、それぞれの封止部12の内層どうしを背中合わせにし、加圧により密着させた状態で熱融着または超音波によるラミネート加工により貼り合されて封止されている。
【0018】
バッテリセル10は、長さ方向Lの一端においてセル表層部材11,11から正極タブ(正極の端子)15が長さ方向Lに突出して設けられており、長さ方向Lの他端においてセル表層部材11,11から負極タブ(負極の端子)14が長さ方向Lに突出して設けられている。なお、本実施形態では、一対のセル表層部材11,11の接合面の面内方向に長さ方向Lと長さ方向Lに対して直交する幅方向Wとが含まれており、これら長さ方向L及び幅方向Wに対して直交する方向を幅方向Tとしている。
【0019】
正極タブ15は、
図5に示すように、セル表層部材11内においてアルミニウム箔で構成される3つの正極集電体16に電気的に接続されている。正極集電体16の各々は、両面に正極層16a,16aが設けられている。正極層16aは、正極活物質と導電助剤とバインダを混合したスラリーを、正極集電体16の両面に塗布・乾燥させ、所定の厚みになるようプレスすることで形成される。正極活物質としては、リチウムイオンを放電時には吸蔵し、充電時には放出するものであればよく、その材料構成は特に限定されない。例えば、ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi
xMn
yCo
zO
2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO
2)、コバルト酸リチウム(LiCoO
2)、リン酸マンガン鉄リチウム(LiMn
xFe
yPO
4)等のリチウム複合化合物を用いることができる。一方、負極タブ14は、セル表層部材11内において銅箔で構成される4つの負極集電体17に電気的に接続されている。負極集電体17は、隣り合う2つの負極集電体17の間に1つの正極集電体16が位置するように配置されている。負極集電体17の各々は、両面に負極層17a,17aが設けられている。負極層17aの材料は、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、放電時には放出するものであればよく、その材料構成は特に限定されない。例えば、箔状に成形した金属リチウムやリチウム合金を用いることができる他、グラファイト又は非晶質炭素等の炭素材料やシリコン等の活物質を導電助剤とバインダと混合したスラリーを負極集電体17の両面に塗布・乾燥し、プレス成形したものを用いてもよい。正極集電体16上に形成された正極層16aと負極集電体17上に形成された負極層17aとの間には、これらを電気的に絶縁し、電解液を保持するためのシート状に形成されたセパレータ18が配置されている。セパレータ18としては、例えば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリピロピロピレン)の多孔膜を用いることができる。電解液は、有機溶媒に支持塩を溶解させたものである。有機溶媒は、通常リチウムイオン二次電池の電解液に用いられる有機溶媒であればよく、特に限定されない。例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。支持塩の種類は、特に限定されないが、LiPF
6、LiBF
4、LiClO
4、及びLiAsF
6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO
3CF
3、LiC(SO
3CF
3)
2及びLiN(SO
3CF
3)
2、LiN(SO
2C
2F
5)
2及びLiN(SO
2CF
3)(SO
2C
4F
9)、Li(FSO
2)
2N、Li(CF
3SO
2)
2Nから選ばれる有機塩、並びに該有機塩の少なくとも1種であることが好ましい。正極集電体16、負極集電体17、及びセパレータ18は、それぞれシート状に形成されており、互いに対して大部分の面が重なり合うように積層されている。ここで、バッテリセル10の正極集電体16および負極集電体17の層数は一例であり、バッテリセル10に求められるバッテリ容量に応じて、その他の層数の正極集電体16および負極集電体17でバッテリセル10が構成されていてもよい。
【0020】
本実施形態に係るバッテリパック100は、6つのバッテリモジュール1が組み合わされており、
図3に示すように、バッテリセル10の長さ方向Lに沿って2つ配列され、バッテリセル0の幅方向Wに沿って3つ配列されている。すなわち、幅方向W及び長さ方向Lと直交する厚さ方向Tに沿って配列されたバッテリモジュール1は1つであるため、厚さ方向Tに沿って配列されたバッテリモジュール1の個数は、幅方向W及び長さ方向Lに沿って配列されたバッテリモジュール1の個数よりも少なくなっている。これにより、バッテリパック100は、長さ方向L及び幅方向Wに比べて厚さ方向Tが非常に薄くなっている。
【0021】
各バッテリモジュール1内に収容された4つのバッテリセル10は、
図3に示すように、バッテリセル10の幅方向Wに沿って4つ配列されている。これらのバッテリセル10は、隣り合うバッテリセル10の一方のバッテリセル10の正極タブ15と他方のバッテリセル10の負極タブ14とが隣り合うように、すなわち、隣り合うバッテリセル10の互いに隣り合う電極タブどうしが異なる極性となるように、各バッテリセル10が平行に配列されている。すなわち、隣り合うバッテリセル10の一方のバッテリセル10の正極タブ15とこの正極タブ15に対して隣り合う他方のバッテリセル10の負極タブ14とが隣り合うように配列されている。これにより、一方のバッテリセル10の正極タブ15と他方のバッテリセル10の負極タブ14との距離が短く、短い配線で電気的に接続されるようになっている。各バッテリモジュール1内に収容された4つのバッテリセル10の各々は、正極タブ15が隣に配列されたバッテリセル10の負極タブ14に電気的に接続されている、または、負極タブ14が隣に配列されたバッテリセル10の正極タブ15に電気的に接続されている。すなわち、例えば、6つのバッテリモジュール1の内の左上に配置されたバッテリモジュール1の一番上に配列されたバッテリセル10は、正極タブ15がバッテリモジュール1自体の正極端子2に電気的に接続されている一方、負極タブ14が上から2番目に配列されたバッテリセル10の正極タブ15に電気的に接続されている。次に、上から2番目に配列されたバッテリセル10の負極タブ14は、上から3番目に配列されたバッテリセル10の正極タブ15に電気的に接続されている。次に、上から3番目に配列されたバッテリセル10の負極タブ14は、上から4番目に配列されたバッテリセル10の正極タブ15に電気的に接続されている。この上から4番目に配列されたバッテリセル10の負極タブ14は、バッテリモジュール1自体の負極端子3に電気的に接続されている。
【0022】
バッテリモジュール1に収容されるバッテリセル10の個数は、偶数個とすることにより、バッテリモジュール1内に電気的に直列に接続されたバッテリセル10の一端に位置する正極タブ15または負極タブ14と、隣接するバッテリモジュール1内に電気的に直列に接続されたバッテリセル10の一端に位置する負極タブ14または正極タブ15との距離を短くしてバッテリモジュール1内の空間を効率的に使用することができる。より具体的には、一番端に配列されたバッテリセル10の負極タブ14または正極タブ15と負極端子3または正極端子2との距離を短くするとともに、この負極端子3または正極端子2と隣接するバッテリモジュール1の正極端子2または負極端子3との距離を短くすることができる。例えば、
図3に示すように、バッテリパック100の左上に配列されたバッテリモジュール1の一番下に配列されたバッテリセル10の負極タブ14のように、隣接するバッテリモジュール1の一番上に配列されたバッテリセル10の正極タブ15との距離を短くすることができる。
【0023】
本実施形態では、
図6に示すように、各バッテリモジュール1に4つのバッテリセル10を収納しているが、
図7に示すように、各バッテリモジュール1に8つのバッテリセル10を収納してもよい。各バッテリモジュール1に収納されたバッテリセル10を4つから8つに増やすことにより、電圧を2倍にすることができる。
【0024】
図8は、バッテリパックが家の外壁に沿って設置された様子を模式的に示す。
図8において、
図8(a)は、バッテリパックの正面図を示し、
図8(b)は、バッテリパックの側面図を示している。
【0025】
バッテリパック100は、
図8(a)に示すように、家20の外壁等に沿って設置されたときに、幅方向Wが鉛直方向となり、長さ方向Lが水平方向となるように設けられて縦置きされるようになっている。なお、バッテリパック100は、長さ方向Lが鉛直方向となり、幅方向Wが水平方向となるように設けられていてもよく、長さ方向Lまたは幅方向Wが鉛直方向に沿って配向されるように設けられていれば鉛直方向に対してある程度傾斜していてもよい。これにより、バッテリパック100は、
図8(b)に示すように、厚さ方向Tが小さいため、小さなスペースに設置することができるようになっている。
【0026】
本実施形態に係るバッテリモジュール1、略矩形の板形状を有するラミネート型の複数のバッテリセル10をそれぞれ収容し、複数のバッテリセル10は、バッテリセル10の幅方向W及び長さ方向Lの少なくとも一方に沿って配列されている。これにより、バッテリモジュール1の厚さは、バッテリセル10の厚さに近くすることができため、バッテリモジュール1の厚さを薄くすることができる。なお、本実施形態では、バッテリモジュール1の厚さ方向Tの寸法は、バッテリセル10の幅方向Wの寸法よりも小さくなっている。
【0027】
また、バッテリパック100は、略矩形の板形状を有するラミネート型の複数のバッテリセル10をそれぞれ収容する複数のバッテリモジュール1を備え、複数のバッテリセル10は、バッテリセル10の幅方向または長さ方向に沿って配列され、複数のバッテリモジュール1は、幅方向Wまたは長さ方向Lに沿って配列されている。これにより、バッテリパック100の厚さ方向Wの寸法をバッテリモジュール1の厚さ方向Wの寸法に近づけてバッテリパック100を薄くすることができる。なお、本実施形態では、バッテリパック100の厚さ方向Tの寸法は、バッテリセル10の幅方向Wの寸法よりも薄くなっている。また、本実施形態に係るバッテリパック100は、従来技術によるバッテリパックに比べて薄いバッテリパックを実現することができ、バッテリパックが搭載される機器の自由度の拡大及び設置スペースの自由度の拡大を図ることができる。
【0028】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態に係るバッテリパックの斜視図を示し、
図10は、バッテリモジュールの斜視図を示し、
図11は、バッテリパックの断面図を示す。なお、第2実施形態では第1実施形態と異なる部分について説明し、図中の第1実施形態と略同一の構成に対しては同一の符号を用いている。
【0029】
本実施形態に係るバッテリパック200は、
図9に示すように、各バッテリモジュール101から第1実施形態のようなフランジ部6(
図1参照)が突出しておらず、長さ方向Lに隣接するバッテリモジュール101との間にフランジ部6による隙間が形成されていないという点、及び、バスバー5がバッテリモジュール101の側面に取り付けられずに正面101aに取り付けられている点が第1実施形態に係るバッテリパック100と異なっている。
【0030】
バッテリモジュール101は、
図10に示すように、正面101aから見て正方形に形成されており、かつ、厚さ方向Tの寸法が長さ方向L及び幅方向Wの寸法よりもかなり小さく形成された直方体に形成されている。このバッテリモジュール101は、正方形である正面101aの4辺の各々に2つの直方体の形状に切り取られた凹部102が形成されている。正面101aの各辺に形成された2つの凹部102の一方は正極端子2であり、他方は負極端子3となっている。これら正極端子2及び負極端子3は、正面101aの外周に沿って交互に位置するように設けられており、それぞれの辺の正極端子2どうし、及びそれぞれの辺の負極端子3どうしは、バッテリモジュール101内で電気的に接続されている。
【0031】
本実施形態に係るバッテリモジュール101も第1実施形態に係るバッテリモジュール1と同様に、
図11に示すように、4つのバッテリセル10を収容している。バッテリモジュール1は、電気的に直列に接続された4つのバッテリセル10の一端である正極タブ15と正極端子2とが電気的に接続されているとともに、電気的に直列に接続された4つのバッテリセル10の他端である負極タブ14と負極端子3とが電気的に接続されている。
【0032】
バッテリモジュール101は、正面101aから見て正方形に形成されているとともに、正面101aの4つの辺のそれぞれに正極端子2及び負極端子3が設けられている。これにより、長さ方向Lに3つ以上配列する等、複数のバッテリモジュール101を自由に配列することができるとともに、隣接するバッテリモジュール101の正極端子2または負極端子3と極性の異なる電極端子が隣り合うように配列するため、2つのバッテリモジュール101を跨ぐようにバスバー5を取り付けるだけで容易に各バッテリモジュール101を電気的に接続することができる。
【0033】
(第3実施形態)
図12は、本発明の第3実施形態に係るバッテリパックの斜視図を示し、
図13は、バッテリモジュールの斜視図を示し、
図14は、バッテリパックの断面図を示す。なお、第3実施形態では第1実施形態と異なる部分について説明し、図中の第1実施形態と略同一の構成に対しては同一の符号を用いている。
【0034】
本実施形態に係るバッテリパック300は、
図12に示すように、各バッテリモジュール201から第1実施形態のようなフランジ部6(
図1参照)が突出しておらず、長さ方向Lに隣接するバッテリモジュール201との間にフランジ部6による隙間が形成されていないという点、及び、バスバー5(
図1参照)を必要としていない点が第1実施形態に係るバッテリパック100と異なっている。
【0035】
バッテリモジュール201は、
図13に示すように、正面201aの幅方向Wの一端に直方体形状に形成された凸部204が形成されている一方、幅方向Wの他端に直方体形状に切り取られて形成された凹部205が形成されている。凸部204は、裏面201b側の中央に正極端子202が設けられている。この凸部204は、凹部205に嵌合するように形成されており、凹部205は、正面201a側に負極端子203が設けられている。これにより、バッテリモジュール201は、凸部204が別のバッテリモジュール201の凹部205と嵌合したときに、一方のバッテリモジュール201の凸部204の正極端子202と他方のバッテリモジュール201の凹部205の負極端子203とが電気的に接続されるようになっている。
【0036】
本実施形態に係るバッテリモジュール201も第1実施形態に係るバッテリモジュール1と同様に、電気的に直列に接続された4つのバッテリセル10の一端である正極タブ15と正極端子202とが電気的に接続されているとともに、電気的に直列に接続された4つのバッテリセル10の他端である負極タブ14と負極端子203とが電気的に接続されている。
【0037】
バッテリモジュール201は、凸部204を別のバッテリモジュール201の凹部205と嵌合させることによって正極端子202と負極端子203とが電気的に接続するため、
図14に示すように、3つのバッテリモジュール201が接続したユニットを2列配置する場合は、一方のユニットの一端に位置するバッテリモジュール201の負極端子203と、他方のユニットの一端にするバッテリモジュール201の正極端子202とが図示せぬ電気ケーブル等によって電気的に接続されるようになっている。また、一方のユニットの他端に位置するバッテリモジュール201の正極端子202aと他方のユニットの他端に位置するバッテリモジュール201の負極端子203aとは外部機器等に対して電気的に接続可能に設けられている。
【0038】
(第4実施形態)
図15は、本発明の第4実施形態に係るバッテリセルの斜視図を示し、
図16は、バッテリパックの断面図を示す。なお、第4実施形態では第1実施形態と異なる部分について説明し、図中の第1実施形態と略同一の構成に対しては同一の符号を用いている。
【0039】
本実施形態に係るバッテリモジュール301(
図16参照)は、それぞれ2つのバッテリセル310が収容されている。それぞれのバッテリセル310は、
図15に示すように、長さ方向Lの一端において正極タブ15と負極タブ14と両方が長さ方向Lに突出して設けられている。隣り合うバッテリセル310は、
図16に示すように、一方のバッテリセル310の正極タブ15または負極タブ14と他方のバッテリセル310の正極タブ15または負極タブ14とが異なる極性になるように配列されている。
【0040】
バッテリモジュール301は、フランジ部6に隣接した位置でフランジ部6に沿って電気的に接続されている。すなわち、正極タブ15及び負極タブ14は、フランジ部6側に位置しており、例えば、
図16において左上に配置された2つのバッテリモジュール301では、バッテリモジュール301自体の正極端子2と上側に配列されたバッテリセル310の正極タブ15とが電気的に接続され、上側に配列されたバッテリセル310の負極タブ14と下側に配列されたバッテリセル310の正極タブ15と電気的に接続され、下側に配列されたバッテリセル310の負極タブ14がバッテリモジュール301自体の負極端子3と電気的に接続されている。
【0041】
以上、実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、バッテリパック100,200,300は、家20の外壁等に沿って設置されているが、これに限定されない。例えば、
図17(a)に示すように、家20の室内側の壁面に沿ってバッテリパック100,200,300の長さ方向Lまたは幅方向Wが鉛直方向になるように配置されていたり、
図17(b)に示すように、家20の床下に床面に沿ってバッテリパック100,200,300の長さ方向Lまたは幅方向Wが水平方向になるように配置されていたり、
図17(c)に示すように、建物21と建物22との間の隙間に沿ってバッテリパック100,200,300の長さ方向Lまたは幅方向Wが鉛直方向になるように配置されていたり、
図17(d)に示すように、車両23の床面に沿ってバッテリパック100,200,300の長さ方向Lまたは幅方向Wが水平方向になるように配置されていてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、略矩形のラミネート型のバッテリセル10を用いて説明したが、これに限定されない。例えば、正方形等のラミネート型のバッテリセルであっても良い。
【0043】
さらに、上記実施形態では、バッテリパック100,200,300内において、複数のバッテリモジュール1,101,201,301がバッテリセル10,310の厚さ方向Tに沿って配列されていないが、これに限定されない。例えば、バッテリパック100,200,300内において、複数のバッテリモジュール1,101,201,301をバッテリセル10,310の厚さ方向Tに沿って配列しても良い。この場合、バッテリセル10,310の厚さ方向Tに沿って配列されるバッテリモジュール1,101,201,301の数が、バッテリセル10,310の長さ方向Lに沿って配列されるバッテリモジュール1,101,201,301の数とバッテリセル10,310の幅方向Wに沿って配列されるバッテリモジュール1,101,201,301の数のうち少なくとも一方よりも少ない方が好ましい。
【0044】
さらにまた、上記実施形態では、バッテリパック100,200,300内において、複数のバッテリモジュール1,101,201,301をバッテリセル10,310の幅方向W及び長さ方向Lに並ぶように配列されているが、これに限定されない。複数のバッテリモジュール1,101,201,301をバッテリセル10,310の幅方向W及び長さ方向Lに対してオフセットして配列しても良く、複数のバッテリモジュール1,101,201,301をバッテリセル10,310の厚さ方向Tに並ぶように配列されている場合はバッテリセル10,310の厚さ方向Tに対してオフセットして配列しても良い。すなわち、薄いバッテリパック100,200,300を提供することができる範囲内において適宜オフセットした配列としても良い。
【0045】
また、上記実施形態では、バッテリモジュール1,101,201,301内において、複数のバッテリセル10,310がバッテリセル10,310の厚さ方向Tに沿って配列されていないが、これに限定されない。例えば、バッテリモジュール1,101,201,301内において、複数のバッテリセル10,310をバッテリセル10,310の厚さ方向Tに沿って配列しても良い。この場合、バッテリセル10,310の厚さ方向Tに沿って配列されるバッテリセル10,310の数が、バッテリセルの長さ方向Lに沿って配列されるバッテリセル10,310の数とバッテリセル10,310の幅方向Wに沿って配列されるバッテリセル10,310の数のうち少なくとも一方よりも少ない方が好ましい。
【0046】
さらに、上記実施形態では、バッテリモジュール1,101,201,301内において、複数のバッテリモセル10,310をバッテリセル10,310の幅方向W及び長さ方向Lに並ぶように配列されているが、これに限定されない。例えば、複数のバッテリセル10,310をバッテリセル10,310の幅方向W及び長さ方向Lに対してオフセットして配列しても良く、複数のバッテリセル10,310をバッテリセル10,310の厚さ方向Tに並ぶように配列されている場合はバッテリセル10,310の厚さ方向Tに対してオフセットして配列しても良い。すなわち、薄いバッテリモジュール1,101,201,301を提供することができる範囲内において適宜オフセットした配列としても良い。
【符号の説明】
【0047】
1…バッテリモジュール
2…正極端子
2a…正極端子
3…負極端子
3a…負極端子
5…バスバー
6…フランジ部
10…バッテリセル
11…セル表層部材
12…封止部
13…格納部
14…負極タブ
15…正極タブ
16…正極集電体
16a…正極層
17…負極集電体
17a…負極層
18…セパレータ
20…家
21…建物
22…建物
23…車両
100…バッテリパック
100a…バッテリケース
101…バッテリモジュール
101a…正面
102…凹部
200…バッテリパック
201…バッテリモジュール
201a…正面
201b…裏面
202…正極端子
202a…正極端子
203…負極端子
203a…負極端子
204…凸部
205…凹部
300…バッテリパック
301…バッテリモジュール
310…バッテリセル
L…長さ方向
T…厚さ方向
W…幅方向