(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107292
(43)【公開日】2022-07-21
(54)【発明の名称】通信装置、通信装置の制御方法、通信装置の制御プログラム、及び通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20220713BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220713BHJP
H04W 4/00 20180101ALI20220713BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20220713BHJP
【FI】
H04W76/10
H04Q9/00 311J
H04W4/00 110
H04W88/06
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021002154
(22)【出願日】2021-01-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-06
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SWIFT
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】志村 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 司
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 優斗
(72)【発明者】
【氏名】今川 輝哉
(72)【発明者】
【氏名】根岸 宏明
(72)【発明者】
【氏名】阿部 修
【テーマコード(参考)】
5K048
5K067
【Fターム(参考)】
5K048AA06
5K048BA34
5K048DA02
5K048DC01
5K067AA21
5K067BB27
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】遠隔データ収集システムを実現する通信システムにおいて、IoT(Internet of Things)/M2M(Machine to Machine)デバイスと、それら各デバイスを管理するサーバとの間の、より効率のよい運用を可能とすること
【解決手段】通信装置は、サーバとの間の通信を実行する第1通信部を備え、当該第1通信部は、サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信し、サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報をサーバへ送信し、所定期間の経過後、サーバへ所定の情報を送信したことに応じて、サーバから、当該サーバとの通信の切断を示す切断情報を受信した場合、自装置の登録要求をサーバへ再度送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバとの間の通信を実行する第1通信部を備え、
当該第1通信部は、
前記サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信し、
前記サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報を前記サーバへ送信し、
前記所定期間の経過後、前記サーバへ所定の情報を送信したことに応じて、前記サーバから、当該サーバとの通信の切断を示す切断情報を受信した場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信する、通信装置。
【請求項2】
前記第1通信部は、
前記サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信後、前記サーバへ前記所定の情報を送信したことに応じて、前記サーバから、前記切断情報を受信した場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1通信部は、
前記サーバへ送信した前記所定の情報が、前記サーバへの送信が必須として設定された情報でない場合、前記切断情報を受信しても、自装置の登録要求を前記サーバへ送信しない、
請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は機器に設置されるものであって、
前記サーバへの送信が必須として設定された情報は、前記機器から取得した情報を少なくとも含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、無線通信親機及び無線通信子機としての動作を切替可能であって、無線通信親機及び無線通信子機を含む通信装置群を構成し、他の通信装置との間の通信を実行する第2通信部をさらに備え、
前記通信装置が前記無線通信親機として動作する場合に、
前記第2通信部は、自装置の下位に接続された無線通信子機から、当該無線通信子機に関する更新情報を取得し、
前記第1通信部は、自装置の下位に接続された前記無線通信子機に関する更新情報を、前記サーバへ送信する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信装置は、
前記通信装置が前記無線通信親機としての動作時に、少なくとも前記自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信後、当該サーバとの通信が確立しない場合、無線通信子機としての動作に切り替え、
前記第2通信部は、
前記通信装置群における新たな無線通信親機に、自装置の登録要求を送信する、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
サーバとの間の通信を実行する通信装置の制御方法であって、
前記サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信するステップと、
前記サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報を前記サーバへ送信するステップと、
前記所定期間の経過後、前記サーバへ所定の情報を送信したことに応じて、前記サーバから、当該サーバとの通信の切断を示す切断情報を受信した場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信するステップと、
を含む、通信装置の制御方法。
【請求項8】
サーバとの間の通信を実行する通信装置の制御プログラムであって、
前記通信装置に、
前記サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信する機能と、
前記サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報を前記サーバへ送信する機能と、
前記所定期間の経過後、前記サーバへ所定の情報を送信したことに応じて、前記サーバから、当該サーバとの通信の切断を示す切断情報を受信した場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信する機能と、
を実現させる、通信装置の制御プログラム。
【請求項9】
通信装置と、サーバとを備え、
前記通信装置は、
前記サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信し、
前記サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
前記所定期間の経過後、前記通信装置から所定の情報を送信したことに応じて、前記通信装置へ、前記サーバとの通信の切断を示す切断情報を送信し、
前記通信装置は、
前記サーバから前記切断情報を受信した場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信する、
通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信装置の制御方法、通信装置の制御プログラム、及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各家庭の電気、水道、ガス等の使用量を表すメーター値等のデータを、無線ネットワークを用いて収集・中継し、遠隔の検針センタ等のデータ収集センタに伝送する遠隔データ収集システムが存在する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メーター等のデータを収集するIoT(Internet of Things)/M2M(Machine to Machine)デバイスの増加に伴い、遠隔データ収集システムを実現する通信システムにおいて、IoT/M2Mデバイスと、それら各デバイスを管理するサーバとの間の、より効率のよい運用が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る通信装置は、サーバとの間の通信を実行する第1通信部を備え、当該第1通信部は、サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信し、サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報をサーバへ送信し、所定期間の経過後、サーバへ所定の情報を送信したことに応じて、サーバから、当該サーバとの通信の切断を示す切断情報を受信した場合、自装置の登録要求をサーバへ再度送信する。
【0006】
本発明の一実施形態に係る通信装置において、前記第1通信部は、サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信後、サーバへ所定の情報を送信したことに応じて、サーバから、切断情報を受信した場合、自装置の登録要求をサーバへ再度送信してもよい。
【0007】
本発明の一実施形態に係る通信装置において、第1通信部は、サーバへ送信した所定の情報が、サーバへの送信が必須として設定された情報でない場合、切断情報を受信しても、自装置の登録要求をサーバへ送信しなくてもよい。
【0008】
本発明の一実施形態に係る通信装置は機器に設置されるものであって、サーバへの送信が必須として設定された情報は、機器から取得した情報を少なくとも含んでもよい。
【0009】
本発明の一実施形態に係る通信装置において、通信装置は、無線通信親機及び無線通信子機としての動作を切替可能であって、無線通信親機及び無線通信子機を含む通信装置群を構成し、他の通信装置との間の通信を実行する第2通信部をさらに備え、通信装置が無線通信親機として動作する場合に、第2通信部は、自装置の下位に接続された無線通信子機から、当該無線通信子機に関する更新情報を取得し、第1通信部は、自装置の下位に接続された無線通信子機に関する更新情報を、サーバへ送信してもよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る通信装置において、通信装置が無線通信親機としての動作時に、少なくとも自装置の登録要求をサーバへ再度送信後、当該サーバとの通信が確立しない場合、無線通信子機としての動作に切り替え、第2通信部は、通信装置群における新たな無線通信親機に、自装置の登録要求を送信してもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る、サーバとの間の通信を実行する通信装置の制御方法は、サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信するステップと、サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報をサーバへ送信するステップと、所定期間の経過後、サーバへ所定の情報を送信したことに応じて、サーバから、当該サーバとの通信の切断を示す切断情報を受信した場合、自装置の登録要求をサーバへ再度送信するステップと、を含む。
【0012】
本発明の一実施形態に係る、サーバとの間の通信を実行する通信装置の制御プログラムは、通信装置に、サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信する機能と、サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報をサーバへ送信する機能と、所定期間の経過後、サーバへ所定の情報を送信したことに応じて、サーバから、当該サーバとの通信の切断を示す切断情報を受信した場合、自装置の登録要求をサーバへ再度送信する機能と、を実現させる。
【0013】
本発明の一実施形態に係る通信システムは、通信装置と、サーバとを備え、通信装置は、サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信し、サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報をサーバへ送信し、サーバは、所定期間の経過後、通信端末から所定の情報を送信したことに応じて、通信装置へ、サーバとの通信の切断を示す切断情報を送信し、通信装置は、サーバから切断情報を受信した場合、自装置の登録要求をサーバへ再度送信する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム、通信装置、サーバ(情報処理装置)を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る、通信装置とサーバ間のシーケンスの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る、通信装置とサーバ間のシーケンスの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る、通信装置とサーバ間のシーケンスの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る通信装置、サーバを含む、FAN(Field Area Network)の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る、通信装置とサーバ間のシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
【0016】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。通信システム500は、IoT/M2Mを実現するシステムであってよい。IoT(Internet of Things)は、様々なモノ(物)がインターネットに接続されて、データの収集、遠隔操作などが可能となる仕組みを指してよい。また、M2M(Machine to Machine:機器間通信)は、インターネットを介した接続だけでなく、機器同士が直接接続されて、相互にデータをやり取りする仕組みを指してよい。通信システム500は、所定のプロトコルによってM2Mにおけるデータ通信を実現してよい。例えば、通信システム500は、Open Mobile Alliance(OMA)によって策定されたプロトコルであるLightweight M2M(LwM2M)に準拠するシステムであってよい。LwM2Mは、IoT/M2M機器(IoT/M2Mデバイス)の遠隔監視や保守といった管理用のプロトコルであって、LPWA(Low Power Wide Area)を実現するプロトコルの1つである。LPWAは、従来広く使用されている通信技術(例えば、Wi-Fi、LTE(Long Term Evolution)等)と比較して、低消費電力かつ低コストという特徴を持つ。また、LPWAは、従来の通信技術(例えば、無線LAN)と比較して、広範囲の通信が可能であるという特徴を持つ。LwM2Mは、LPWAの特徴を備え、多数のIoT/M2M機器から送信されるデータによるネットワークの輻輳を防ぎ、また、IoT/M2M機器の電力消費を抑えるための低電力消費を実現するプロトコルである。なお、通信システム500が準拠するプロトコルは、低電力消費を実現し得るプロトコルであればよく、上記の例に限定されない。例えば、通信システム500は、MQTT(Message Queue Telemetry Transport)、LoRaWAN(登録商標)、SigFox(登録商標)等のプロトコルに準拠するシステムであってもよい。
【0017】
通信システム500は、通信装置100(100A,100B,100C,100D)と、サーバ(情報処理装置)200と、ネットワーク300とを含む。通信装置100は、図示しないメーターの内部に、例えば通信ボードとして組み込まれていてもよい。あるいは、通信装置100は、メーターの図示しない外側の入出力I/F(インタフェース)に接続されて、別個の通信装置としてメーター外部に備えられてもよい。なお、
図1の例では、通信装置100を4つ示してあるが、通信装置100の数はこれに限定されない。通信装置100は、設置されたメーターの数だけ無数に存在してよい。なお、これ以降、特に区別する必要が無い場合、通信装置100の符号における英字は省略して説明する。
【0018】
一実施形態に係る通信システム500において、サーバ200は、ネットワーク300を介して各家庭、企業、施設等に設置された、IoT/M2M機器であるメーターに設置された通信装置100からメーターに関する情報を収集することができる。また、サーバ200は、ネットワーク300を介して通信装置100を遠隔制御してもよい。メーターは、例えば、水道、ガス(都市ガス、LPガス)、石油、電気等の使用量を測定してよい。すなわち、サーバ200は、例えば、通信装置100から各家庭、企業、施設等における水道、ガス(都市ガス、LPガス)、石油、電気等の使用に関する情報を収集してよい。以下の実施形態では、水道を例として説明する。なお、本発明は、IoT/M2M機器をメーターに限定するものではない。また、メーターが測定する対象は、上記の例に限定されない。すなわち、サーバ200は、メーターの測定対象に応じて任意の情報を収集してよい。
【0019】
<通信装置>
通信装置100は、制御部110、通信部120、及び記憶部150を備えてよい。制御部110は、各実施形態に示す機能、方法を実行するために、典型的には中央処理装置(CPU)であってよい。なお、制御部110は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。本発明の一実施形態において、制御部110は、通信装置100をLwM2Mのプロトコルに準拠させるための処理・動作を実現してよい。また、制御部110は、図示しないメーターからの各種情報を取得する機能を有してよい。
【0020】
通信部120は、無線通信においてデータの送受信機能を実現するハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部120は、ネットワーク300を介して、サーバ200との間で各種データの送受信を行い、サーバ200から受信した各種データを、制御部110へ伝達してよい。なお、通信部120は、図示しない第1通信部を含み、サーバ200との間で、第1の通信方式を用いた通信を行ってよい。第1の通信方式は、例えば、カテゴリーM(Category M)、カテゴリーM1(Category M1)、NB-IoT(Narrow Band IoT)等のIoT向けの無線通信方式であり、LTE(Long Term Evolution)を拡張した通信方式であってよい。なお、第1の通信方式としては、eMTC(enhanced Machine-Type Communications)、LoRaWAN(登録商標)、IEEE802.11ah、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)等、LPWAによる任意の規格が採用されてよい。また、第1の通信方式としては、これらの任意の規格の組み合わせが採用されてもよい。また、第1の通信方式は、例えば、電波法における免許を必要とする通信方式(公衆無線)であってもよい。なお、通信部120は、LwM2Mのプロトコルに従って、サーバ200との間でデータの送受信を行ってよい。また、詳細は後述するが、通信部120は、図示しない第2通信部を含み、他の通信装置100との間で、第2の通信方式を用いた通信を行ってよい。
【0021】
記憶部150は、通信装置100が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する。記憶部150は、例えば、半導体メモリ(磁気メモリ、フラッシュメモリ等)を含んでよい。また、記憶部150は、制御部110に対する作業領域を提供するメモリ(RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等)を含んでよい。また、本発明の一実施形態において、記憶部150は、LwM2Mに準拠するための各種情報、ネットワーク300に接続するための各種ネットワークパラメータ(例えば、IPアドレス等)、通信装置100に固有の識別情報(デバイスID等)を記憶してもよい。なお、IPアドレスを用いない通信規格であるNIDD(Non-IP Data Delivery)が用いられる場合、IPアドレスは記憶部150に記憶されなくてもよい。
【0022】
<サーバ>
サーバ200は、各メーターの保守管理を遠隔から実行する機能を有してよい。すなわち、サーバ200は、各通信装置100から送信された各メーターの情報を処理し、メーターの管理者へ必要なデータを受け渡すIoT-PF(プラットフォーム)としての機能を有してよい。従って、メーターの管理者の図示しない集中監視センタが、サーバ200に接続されてよい。サーバ200が、各メーターから取得する情報としては、メーターの測定対象の測定値(検針値ともいう)に関する情報であってよい。具体的には、例えば、サーバ200は、測定対象の所定期間(例えば、1日、1週間、1カ月等)における使用量、残量、及び蓄積量等を示すデータをメーターから取得してよい。また、サーバ200は、各メーターの情報として、測定対象の異常を表すデータを取得してもよい。測定対象の異常を表すデータとは、例えば、水漏れ、ガス漏れ、漏電等が生じている可能性を示すデータであってよい。また、サーバ200は、メーターから取得した情報に基づいて測定対象の異常を検知してもよい。例えば、サーバ200は、メーターの測定値に関する情報に基づいて水漏れ、ガス漏れ、漏電等を検知してもよい。なお、
図1において、サーバ200は単体で示してあるが、これに限られるものではない。サーバ200は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよく、例えば、サーバ装置、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレット等)、コミュニケーションプラットホーム等を含んでもよい。
【0023】
サーバ200は、制御部210、通信部220、及び記憶部250を備える。記憶部250は、典型的には、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体により実現され、サーバ200が動作するうえで必要とする各種プログラム及びデータを記憶する機能を有してよい。また、記憶部250には、サーバ200との通信を行うための、通信装置100及びメーターに関する情報が記憶されてよい。例えば、記憶部250には、各通信装置100を一意に識別可能な識別子である装置ID、通信装置100の位置情報、メーターを一意に識別可能な識別子であるメーターID、メーターの管理者に係る管理者ID、通信装置100との第1の通信方式に必要なネットワークID等が記憶されてよい。第1の通信方式に必要なネットワークIDは例えばIPアドレスや電話番号などであってよいが、IPアドレスを用いない通信規格であるNIDD(Non-IP Data Delivery)が用いられる場合、IPアドレスは記憶部250に記憶されなくてもよい。また、詳細は後述するが、複数の通信装置100が通信装置群を構成する場合、記憶部250には、当該通信装置群に関する情報が記憶されてもよい。
【0024】
制御部210は、典型的には中央処理装置(CPU)であってよい。制御部210は、記憶部250に記憶されるプログラムを読み出し、読み出したプログラムに含まれるコード又は命令を実行することによって、各実施形態に示す機能、方法を実行してよい。制御部210は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。
【0025】
通信部220は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部220は、ネットワーク300を介して、上述した第1通信方式によって各通信装置100と各種データの送受信を行ってよい。
【0026】
<第1実施形態>
図2は、本発明の第1実施形態による、通信装置100とサーバ200との間のシーケンスの一例である。通信装置100とサーバ200とは、LwM2Mプロトコルに従って通信を行ってよい。なお、
図2において通信装置100は1つのみ示してあるが、他の通信装置100についても同様の処理が行われてよい。なお、LwM2Mのプロトコルについては、例えば、http://www.openmobilealliance.org/release/LightweightM2M/V1_0_2-20180209-A/におけるOMA-TS-LightweightM2M-V1_0_2-20180209-A.pdfを参照されたい。
【0027】
通信装置100の通信部(第1通信部)120は、サーバ200に登録要求(Registration)を送信する(ステップS11)。登録要求は、サーバ200との通信を確立するために送信されるものであって、通信装置100の識別名(Endpoint Client Name)、登録の有効期限(Lifetime)等を含んでよい。通信装置100から登録要求を受信したサーバ200は、当該通信装置100を通信対象(監視対象)として登録することができる。すなわち、サーバ200は、登録要求を受信した通信装置100との通信を確立することができる。なお、登録の有効期限とは、通信装置100がサーバ200と通信できるように、サーバ200に通信装置100の情報を記憶しておく期限を指してよい。有効期限は、任意の期間で設定されてよい。例えば、有効期限は、メーターの管理者が任意に設定可能な値であってよく、例えば、15日、30日、1年等であってよい。有効期限は、特許請求の範囲における「所定期間」の一例であってよい。
【0028】
サーバ200は、通信装置100の登録が完了すると、登録が完了した旨を通信装置100へ送信する(ステップS12)。通信装置100とサーバ200との通信が確立すると(ステップS13)、通信装置100は、サーバ200との間でデータを送受信する。例えば、通信装置100は、メーターから取得した各種データをサーバ200へ送信してよい。また、通信装置100は、管理者(集中監視センター)からのデータや指示をサーバ200から受信してよい。
【0029】
LwM2Mプロトコルによれば、クライアント(通信装置100)は、登録の有効期限(Lifetime)内に、自装置に関する更新情報(Update)をサーバ200へ送信することができる。例えば、クライアント(通信装置100)は、所定のタイミングで、更新情報(Update)をサーバ200に送信する(ステップS14)。具体的には、例えば、クライアント(通信装置100)は、サーバ200に送信済みの登録情報の内容を変更する場合、サーバ200において満了を迎える有効期限を更新する場合、及び通信装置100がサーバ200との通信圏外から通信圏内に復帰した場合等に、更新情報(Update)をサーバ200に送信してよい。サーバ200に送信済みの登録情報の内容が変更される場合とは、例えば、後述するFANにおいて子機が増減することなどによって、FANの構成が変化した場合であってよい。サーバ200は、更新情報を受信した場合に登録の有効期限を更新する。また、サーバ200は、更新情報に基づいて、登録済みの登録情報を適宜更新してよい。なお、通信装置100がサーバ200に更新情報を送信するタイミングは適宜設定されてよく、上記例に限定されない。
【0030】
また、通信装置100は、登録の有効期限を更新する必要がない場合は、サーバ200に対して更新情報を送信しない。この場合、サーバ200は、登録の有効期限の経過に伴い通信装置100の登録を解除してよい(De-Registered)。つまり、一実施形態に係る通信システム500において、サーバ200が、通信装置100の登録の有効期限までに、通信装置100から更新情報を受信しなければ、通信装置100とサーバ200との紐付けは解消されてよい。また、サーバ200は、登録を解除した通信装置100に対して、サーバ200から通信を開始しない。これにより、一実施形態に係る通信システム500は、通信装置100が情報を受信することにより電力を消費してしまうことを防止することができる。
【0031】
また、サーバ200は、登録を解除した通信装置100から、さらに何らかの情報を受信した場合、通信装置100に対して、当該通信装置100とサーバ200との通信の切断を示す切断情報(Reset)を送信する。例えば、サーバ200は、登録を解除した通信装置100からさらに検針データ等を受信した場合に、通信装置100に対して切断情報を送信してよい。切断情報は、例えば、通信装置100の監視を中止している旨を示す情報であってよい。通信装置100は、サーバ200から切断情報を受信した場合に、以降サーバ200に対する所定の情報の送信を停止する。これによれば、一実施形態に係る通信システム500は、通信装置100が既に関係が解消しているサーバ200に対して通信をさらに実行することにより無駄に電力を消費することを防止することができる。
【0032】
ここで、ステップS14において、通信環境の悪化といった何らかの原因により、通信装置100から送信された更新情報が、サーバ200へ到達しない場合がある。この場合、通信装置100は、他のプロトコルによる更新情報の再送処理を行う(ステップS15)。具体的には、例えば、通信装置100は、更新情報を送信した後、所定時間が経過するまでに、サーバ200からAckを受信しない場合に、更新情報の再送処理を実行してよい。これによれば、一実施形態に係る通信システム500は、サーバ200における登録の有効期限の更新が成功する可能性を向上させ得る。なお、通信装置100から送信された更新情報が、サーバ200へ到達しない場合とは、更新情報が物理的にサーバ200に到達しない場合に限定されない。例えば、更新情報がサーバ200へ到達しない場合として、サーバ200により更新情報が受信されない場合、サーバ200が受信を拒否した場合、サーバ200が更新情報を認識できなかった場合等を含んでもよい。
【0033】
通信装置100は、サーバ200側で更新情報が受信されるまで、更新情報の再送処理を所定の時間間隔で複数回実行してもよい。例えば、通信装置100は、最初の更新情報を送信してから4秒後、2回目の更新情報を送信してから8秒後、3回目の更新情報を送信してから16秒後、4回目の更新情報を送信してから32秒後に更新処理の再送処理を実行してよい。通信装置100は、更新情報の再送後、サーバ200からAckを受信した場合に、次回以降の再送処理を実行しなくともよい。
【0034】
通信装置100は、所定のプロトコルと異なる他のプロトコルにより更新情報の再送処理を実行してよい。具体的には、例えば、通信装置100は、LwM2Mの下位のプロトコルであるCoAP(Constrained Application Protocol)により更新情報の再送処理を実行してよい。これによれば、一実施形態に係る通信システム500は、サーバ200における登録の有効期限の更新が成功する可能性を向上させ得る。
【0035】
一方、サーバ200は、ステップS15の再送処理によっても、サーバ200側で更新情報が受信されない場合、登録の有効期限(Lifetime)の経過後に、通信装置100の登録を解除(De-Registered)する(ステップS16)。
【0036】
ここで、一実施形態に係る通信システム500において、サーバ200は、登録を解除した通信装置100の監視を行わず、通信装置100との通信を実行しない。このため、通信装置100は、サーバ200から切断情報を受信するまで、自装置の登録が解除されたことを感知し得ない。このため、通信装置100は、サーバ200に自装置の更新情報が到達せず、サーバ200における自装置の登録の有効期限が満了して登録が解除された場合であっても、サーバ200に自装置が登録された状態に設定されたものとして動作を続ける。そのため、通信装置100について、サーバ200においては登録が解除されているが、通信装置100自体はサーバ200において登録が更新されているものと設定されている状態が生じ得る。すなわち、通信システム500において、通信装置100とサーバ200との間で、登録状態の不一致が生じ得る。この状態では、例えば、サーバ200は、登録されている通信装置100へ送信すべき情報を集中監視センタから取得した場合に、登録状態の不一致が生じている通信装置100には送信しないという問題が生じる。
【0037】
さらに、この状態において、自装置がサーバ200に登録されているものとして動作を続ける通信装置100は、検針データ等の情報を、サーバ200へ送信し得る(ステップS17)。ここで、サーバ200は、登録を解除した通信装置100から所定の情報を受信した場合、通信装置100へ、切断情報(Reset)を送信する(ステップS18)。この場合、切断情報を受信した通信装置100は、サーバ200に対する所定の情報の送信を停止する。すなわち、不測の事態によって、通信が維持されるべき通信装置100とサーバ200との間の通信が切断されるという問題が生じ得る。
【0038】
そこで、本発明の第1実施形態によれば、通信装置100は、サーバ200へ所定の情報を送信したことに応じて、サーバ200から切断情報を受信した場合、自装置の登録要求を、サーバ200へ再度送信してもよい(ステップS19)。所定の情報は、例えば、メーターから取得した最新の検針データ等のサービスの運営において必要な情報であってよい。一実施形態に係る通信システム500は、通信装置100が登録要求を再度送信することにより、上述したステップS12の処理を経て、サーバ200と通信装置100との間の通信を再度確立させることができる。すなわち、一実施形態に係る通信システム500において、通信装置100が登録要求をサーバ200に対して再送信することにより、サーバ200における通信装置100の登録状態と、通信装置100における、自装置がサーバ200に登録された状態とを一致させることが可能となる。つまり、一実施形態に係る通信システム500によれば、通信装置100とサーバ200との間で登録状態の不一致が生じた場合であっても、正しい登録状態に復帰させることで、通信装置100から送信した情報を、サーバ200に受信させることが可能となる。したがって、一実施形態に係る通信システム500はユーザビリティを向上させ得る。
【0039】
<第2実施形態>
第1実施形態では、通信装置100とサーバ200との間の通信の確立後、更新情報がサーバ200に到達しない場合について説明した。次に、第2実施形態として、通信を確立するための登録要求が、サーバ200に到達しない場合について説明する。
【0040】
図3は、本発明の第2実施形態による、通信装置100とサーバ200との間のシーケンスの一例である。まず、通信装置100は、登録要求をサーバ200へ送信する(ステップS21)。ここで、何らかの不具合により、登録情報がサーバ200へ到達しなかった場合を想定する。通信装置100は、登録要求をサーバ200へ送信してから所定時間経過しても、サーバ200から、登録が完了した旨を示す情報を受信しない場合、他のプロトコルにおいて登録情報を再送してよい(ステップS22)。なおステップS22は、
図2のステップS15と同様であってよい。通信装置100は、サーバ200に自装置の登録情報が到達せず、自装置が登録されていないことを感知し得ない。このため、通信装置100は、サーバ200に自装置が登録された状態に設定されたものとして動作を開始し得る。そのため、通信装置100について、サーバ200においては登録されていないが、通信装置100自体はサーバ200において登録されているものと設定されている状態が生じ得る。すなわち、通信システム500において、通信装置100とサーバ200との間で、登録状態の不一致が生じ得る。
【0041】
この状態で、自装置がサーバ200に登録されているものとして動作を続ける通信装置100は、検針データ等の情報を、サーバ200へ送信し得る(ステップS23)。サーバ200は、登録されていない通信装置100から所定の情報を受信した場合、通信装置100へ、切断情報(Reset)を送信する(ステップS24)。
【0042】
本発明の第2実施形態によれば、サーバ200から切断情報を受信した通信装置100は、サーバ200への登録要求を再送してもよい(ステップS25)。通信における不具合が解消され、登録要求の再送信により、サーバ200と通信装置100との間の通信を確立し得る。なお、登録要求の再送は、LwM2Mプロトコルに従って行われてもよいし、CoAPプロトコルに従って行われてもよい。すなわち、登録要求の再送信により、サーバ200における通信装置100の登録状態と、通信装置100における設定とを一致させることが可能となる。つまり、一実施形態に係る通信システム500によれば、通信装置100とサーバ200との間で登録状態の不一致が生じた場合であっても、正しい登録状態に復帰させることで、通信装置100から送信した情報を、サーバ200へ受信させることが可能となる。
【0043】
なお、本発明の一実施形態によれば、切断情報をサーバ200から受信した通信装置100は、切断情報を受信する契機となった、サーバ200へ送信した所定の情報の内容に応じて、登録情報の再送を行わなくてもよい。このことを、
図4を用いて説明する。
【0044】
図4において、ステップP11~P18は、
図2のステップS11~S18と同様であるため説明を省略する。通信装置100の制御部110は、ステップP18でサーバ200から切断情報を受信した場合に、ステップP17で自装置からサーバ200へ送信した所定の情報が、サーバ200への送信が必須として設定されている情報であるか否かを判定する(ステップP19)。サーバ200への送信が必須であると設定された情報であった場合、通信装置100の通信部120は、登録要求を再送する(ステップP20)。サーバ200への送信が必須であると設定されている情報でない場合、通信装置100は、登録要求を再送せず、そのまま待機してよい。
【0045】
メーターの管理者によっては、通信装置100がサーバ200へ送信する情報のうち、あるタイミングからは、当該情報が不要な情報もある。LwM2Mにおける切断情報(Reset)は、通信装置100がサーバ200へ送信する情報のうち不要な情報に対して送信され、以降の送信を中止する指示であり、そのような場合に、登録要求を再送することは好ましくない。本発明の一実施形態によれば、通信装置100がサーバ200に登録されていない状態において、サーバへの送信が必須と設定されていない情報に対して切断情報を受信した場合には、通信装置100は、サーバ200への登録要求の再送を実行しない。したがって、通信装置100とサーバ200との間の通信が確立されていない状態が維持される。そしてサーバへの送信が必須と設定されている情報に対して、通信装置100がサーバ200から切断情報を受信した場合には、登録情報の再送信が行われる。従って、サーバ200への、通信装置100の不要な再登録が行われることを防止することができる。
【0046】
なお、上述のように、サーバ200への送信が必須とされた情報とは、通信装置100が設置された機器から取得した情報が含まれてよい。例えば、サーバへの送信が必須とされた情報には、メーターの定期検針値、警告、機器の不具合を示す情報等が含まれてよい。これにより、通信装置100とサーバ200との間の登録状態の不一致によって、管理者が必要とする情報が通信装置100から取得できないことを回避することができる。
【0047】
<第3実施形態>
本発明の一実施形態によれば、通信装置100は、第1の通信方式でサーバ200と接続するとともに、第2の通信方式で他の通信装置100と接続し、無線通信親機及び無線通信子機としての動作を切替可能なものであってよい。さらに、通信装置100は、他の通信装置100を含む通信装置群を構成してよい。通信装置群は、無線通信親機及び無線通信子機を含んでよい。すなわち、通信装置100は、フィールド内の複数の通信装置100によってマルチホップ方式のネットワークを組み、ネットワーク内のメーターのデータを収集するFAN(Field Area Network)と、FANによって収集されたデータを遠隔のサーバ200に送信するWAN(Wide Area Network)とを実現してよい。さらに、一の通信装置100で、通信装置100間の通信(子機としての機能)と広域ネットワーク通信(親機としての機能)とが可能であってよい。なお、通信装置群を構成する無線通信親機及び無線通信子機の数は特に限定されないが、例えば、通信装置群は、1の無線通信親機及び少なくとも1の無線通信子機により構成されてよい。
【0048】
図5は、本発明の一実施形態による通信システムの概略図である。
図5において、通信装置100A~100Dは、通信装置100Aを親機、通信装置100B~100Dを子機とするFAN(通信装置群)10Aを構成している。また、通信装置100E~100Iは、通信装置100Eを親機、通信装置100F~100Iを子機とするFAN10Bを構成している。FAN10AとFAN10Bとは、エリアが異なることによる区別であってもよいし、メーターの管理者が異なることによる区別であってもよい。後者の場合、エリアが重複していてもよい。なおこれ以降、特に区別する必要が無い場合、通信装置100やFAN10の符号における英字は省略して説明する。また、図は例示であって、FAN10を構成する通信装置100や、FAN10の数は、これに限定されない。FAN10において、各メーターの情報は、子機として動作する複数の通信装置100間のマルチホップ通信を用いて伝送することができ、子機として動作する下位の通信装置100間を伝送した情報は、親機(ゲートウェイ)として動作する上位の通信装置100へ収集され、WANを介してサーバ200へ送信されてよい。
【0049】
なお、通信装置100の制御部110は、親機又は子機としての動作を切り替える図示しない切替部を備え、親機としても子機としても動作し得てよい。親機である通信装置100(100A,100E)は、サーバ200との間で、第1の通信方式を用いてネットワーク300を介して直接に通信を行うことができる。子機である通信装置100(100B~100D,100F~100I)は、第2の通信方式を用いて他の子機及び親機との通信(データの伝送)を行ってよい。ここで、第2の通信方式としては、例えば、920MHz帯を使用して通信する特定小電力無線方式であってよい。920MHz帯を使用して通信する特定小電力無線方式は、例えば、Wi-SUNの通信規格に基づく通信方式や、Zigbee(登録商標)等のIEEE802.15.4上で動作する無線通信規格の通信方式であってよい。なお、第2の通信方式は、920MHz帯に限られず、どのような通信帯域で通信するものであってもよい。第2の通信方式は例えば、電波法における免許を必要としない通信方式であってよい。第1の通信方式と第2の通信方式とは例えば、通信に用いる電波の周波数帯が互いに異なってよい。
【0050】
図6は、本発明の第3実施形態による、FANを構成する通信装置100とサーバ200との間のシーケンスの一例である。なお、
図6では、通信装置100A,100Bの2つのみ示してあるが、FANを構成する他の通信装置についても同様であってよい。また、
図6は一例であって、本発明はこれに限定されない。
【0051】
まず、ステップS31にて、通信装置100A,100Bは、サーバ200への登録処理を行う。登録処理は、例えば
図2のステップS11~S13と同様に、各通信装置100からサーバ200へ登録要求を送信することで行われてよい。さらに、通信装置100A,100Bは、親機として動作するかまたは子機として動作するかを決定する、動作モード決定処理を行う。動作モード決定処理は、FANを構成するための既存の手法によって行われてよい。例えば、サーバ200によって、動作モードを指定する情報が各通信装置100へ送信されてもよい。または、FANを構成する各通信装置100間で、自装置に関する情報(テーブル)を交換し、各通信装置100の状態に応じて、親機が選択されてもよい。自装置に関する情報とは、例えば、自装置から他の通信装置100へ最短で到達する際に経由する通信装置100の数(ホップ数)、サーバ200との間の通信環境に関する情報等であってよい。また、通信装置100が接続されるメーターや通信装置100には、外部電源が接続されず、内蔵の電池によって駆動される。したがって、自装置を駆動する電池の電池残量に関する情報を、自装置に関する情報に含めてもよい。
【0052】
図6の例では、通信装置100Bが子機として動作し(ステップS32)、通信装置100Aが親機として動作するものとする(ステップS33)。子機として動作する通信装置100Bは、有効期限(Lifetime)内に、自装置の更新情報を、親機として動作する通信装置100Aに送信してよい(ステップS34)。親機として動作する通信装置100Aは、通信装置100Bの更新情報を、サーバ200へ送信してよい(ステップS35)。なお、親機として動作する通信装置100Aは、通信装置100Bの更新情報とともに、自装置の更新情報をサーバ200へ送信してもよい。または、親機として動作する通信装置100Aは、通信装置100Bの更新情報のみを、サーバ200へ送信してもよい。なお、親機として動作する通信装置100Aには、通信装置100B以外の通信装置100(例えば、通信装置100C,100D)が子機として接続されている。通信装置100Aは、子機として接続された各通信装置100の更新情報を受信し、まとめてサーバ200へ送信してもよいし、更新情報を受信する都度、サーバ200へ送信してもよい。または、通信装置100Aは、更新情報に含まれる有効期限(Lifetime)を参照して、有効期限が切れる通信装置100に対しては更新情報を送信してもよい。
【0053】
このように、子機の更新情報が親機からサーバ200に送信されるため、多数の通信装置100が更新情報を直接サーバ200に送信する場合に比べて、通信装置100とサーバ200との間のネットワーク資源を逼迫させることがない。また、通信装置100の設置場所によっては、メーターボックスやビル群等、サーバ200との第1の通信方式による通信困難である場合がある。本発明の一実施形態によれば、設置場所によってサーバ200との通信が困難であった子機に関しても、更新情報を送信することができる。
【0054】
なお、FANを構成して更新情報を送信する場合でも、前述のように、通信装置100とサーバ200との間で、登録状態の不一致が発生し得る。例えば、
図6のステップS35で送信した更新情報が、何らかの理由によりサーバ200へ到達せず、他のプロトコルにおける更新情報の再送処理(ステップS37)を経ても、通信装置100の登録解除(ステップS38)が生じた場合を考える。なお、ステップS38によって登録が解除される通信装置100としては、親機に限らず、子機の場合もあり得てよい。
【0055】
ここで、親機として動作する通信装置100Aは、所定の情報の送信(ステップS39)に応じてサーバ200から切断情報(Reset)を受信すると(ステップS40)、登録要求を再送してよい(ステップS41)。本発明の一実施形態では、親機による登録要求の再送によっても、登録要求が到達しないなどの何らかの原因により、通信装置100Aとサーバ200との間の、登録状態の不一致が解消されない場合を想定する。
【0056】
通信装置100Aは、ステップS41で再送した登録情報に対するサーバ200からのAckを受信せず、サーバ200との通信が確立しない場合、自装置の動作モードを子機に切り替えてよい。具体的には、FANを構成する他の通信装置100Bとの間で動作モードの決定処理を実行し(ステップS42)、子機として動作していた通信装置100Bが親機となり(ステップS43)、親機として動作していた通信装置100Aが子機となってよい(ステップS44)。なお、動作モードの決定処理には、親機として動作していた通信装置100Aが子機となること、子機として動作していた通信装置100Bが親機となって、新たに子機となった通信装置100Aを通信装置100Bの下位に接続することを示す情報を、サーバ200へ送信することが含まれてよい。
【0057】
子機となった通信装置100Aは、自装置の登録要求を、第2の通信方式を用いて、親機となった通信装置100Bへ送信してよい(ステップS45)。通信装置100Bは、通信装置100Aの登録要求を、サーバ200へ送信してもよい(ステップS46)。なお、ステップS46でサーバ200へ送信される登録要求には、通信装置100Bの登録要求が含まれてもよい。
【0058】
このように、本発明の一実施形態によれば、親機とサーバとの間で、登録状態の不一致が生じ、親機による登録要求の再送信によっても当該不一致が解消されない場合、FANにおける子機を新たな親機に切り替えて、新たな親機によって更新情報がサーバ200へ送信されてよい。これにより、登録状態の不一致を解消させることが可能となる。
【0059】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したり、必要に応じて適宜省略又は変更することが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。例えば、通信装置100が備えるとして説明した各機能部は、サーバ200によって実現されてもよい。逆に、サーバ200が備えるとして説明した各機能部を、通信装置100が備えてもよい。
【0060】
例えば、上述では、通信装置100が接続されるIoT/M2M機器として、水道メーターを例に説明した。しかしながら、通信装置100は、メーターに限らず、各種センサによる情報をサーバ200へ送信するものであってよい。センサとしては、温度センサ、加速度センサ、湿度センサ等であってよい。すなわち、通信装置100は、ネットワーク300に接続して各種データをサーバ200へ送信することを目的とする全ての機器に接続できてよい。
【0061】
また、上述では、通信装置100が親機と子機とを切替可能である態様について説明した。しかしながら、親機と子機の両方のモードで動作することは必須ではなく、親機としてのみ動作可能であってもよい。
【0062】
なお、上述では、LwM2Mプロトコルに準拠する通信システムについて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、サーバ200と通信装置100との間で登録状態の不一致が生じ得る通信方式やプロトコルを用いた場合に適用可能であってよい。
【0063】
本開示の各実施形態のプログラムは、通信装置や情報処理装置に読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能であってよい。プログラムは、例えば、ソフトウェアプログラムや情報処理装置プログラムを含んでよい。
【0064】
記憶媒体は適切な場合、1つ又は複数の半導体ベースの、又は他の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)等)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、又はこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性の組合せであってよい。
【0065】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ200に提供されてもよい。
【0066】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0067】
なお、本開示のプログラムは、例えば、JavaScript(登録商標)、Python等のスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift,Koltin、Java(登録商標)等の任意のプログラミング言語を用いて実装されてよい。
【符号の説明】
【0068】
100 通信端末
110 制御部
120 通信部
150 記憶部
200 サーバ(情報処理装置)
210 制御部
220 通信部
250 記憶部
300 ネットワーク
500 通信システム
【手続補正書】
【提出日】2021-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に設置される通信装置であって、
サーバとの間の通信を実行する第1通信部を備え、
当該第1通信部は、
前記サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信し、
前記サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報を前記サーバへ送信し、
前記所定期間の経過後、前記サーバへ所定の情報を送信したことに応じて、前記サーバから、当該サーバとの通信の切断を示す切断情報を受信した場合、前記所定の情報に関する設定に応じて、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信するものであって、
前記所定の情報が、前記サーバへの送信を要すると設定された情報である場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信し、前記所定の情報が、前記サーバへの送信を要すると設定された情報でない場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信しない、通信装置。
【請求項2】
前記第1通信部は、
前記サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信後、前記サーバへ前記所定の情報を送信したことに応じて、前記サーバから、前記切断情報を受信した場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記サーバへの送信を要すると設定された情報は、前記機器から取得した情報、前記機器に関する警告情報、及び、前記機器の不具合に関する情報の少なくともいずれか1つを含む、請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、無線通信親機及び無線通信子機としての動作を切替可能であって、無線通信親機及び無線通信子機を含む通信装置群を構成し、他の通信装置との間の通信を実行する第2通信部をさらに備え、
前記通信装置が前記無線通信親機として動作する場合に、
前記第2通信部は、自装置の下位に接続された無線通信子機から、当該無線通信子機に関する更新情報を取得し、
前記第1通信部は、自装置の下位に接続された前記無線通信子機に関する更新情報を、前記サーバへ送信する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、
前記通信装置が前記無線通信親機としての動作時に、少なくとも前記自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信後、当該サーバとの通信が確立しない場合、無線通信子機としての動作に切り替え、
前記第2通信部は、
前記通信装置群における新たな無線通信親機に、自装置の登録要求を送信する、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
機器に設置され、サーバとの間の通信を実行する通信装置の制御方法であって、
前記サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信するステップと、
前記サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報を前記サーバへ送信するステップと、
前記所定期間の経過後、前記サーバへ所定の情報を送信したことに応じて、前記サーバから、当該サーバとの通信の切断を示す切断情報を受信した場合、前記所定の情報に関する設定に応じて、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信するステップと、を含み、
前記所定の情報が、前記サーバへの送信を要すると設定された情報である場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信し、前記所定の情報が、前記サーバへの送信を要すると設定された情報でない場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信しない、通信装置の制御方法。
【請求項7】
機器に設置され、サーバとの間の通信を実行する通信装置の制御プログラムであって、
前記通信装置に、
前記サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信する機能と、
前記サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報を前記サーバへ送信する機能と、
前記所定期間の経過後、前記サーバへ所定の情報を送信したことに応じて、前記サーバから、当該サーバとの通信の切断を示す切断情報を受信した場合、前記所定の情報に関する設定に応じて、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信する機能と、を実現させ、
前記再度送信する機能は、
前記所定の情報が、前記サーバへの送信を要すると設定された情報である場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信し、前記所定の情報が、前記サーバへの送信を要すると設定された情報でない場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信しない、通信装置の制御プログラム。
【請求項8】
機器に設置された通信装置と、サーバとを備え、
前記通信装置は、
前記サーバへ、当該サーバとの通信を確立するための自装置の登録要求を送信し、
前記サーバとの通信が確立されてから所定期間の経過前に、自装置に関する更新情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
前記所定期間の経過後、前記通信装置から所定の情報を受信したことに応じて、前記通信装置へ、前記サーバとの通信の切断を示す切断情報を送信し、
前記通信装置は、
前記サーバから前記切断情報を受信した場合、前記所定の情報に関する設定に応じて、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信するものであって、
前記所定の情報が、前記サーバへの送信を要すると設定された情報である場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信し、前記所定の情報が、前記サーバへの送信を要すると設定された情報でない場合、自装置の登録要求を前記サーバへ再度送信しない、
通信システム。